(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023037599
(43)【公開日】2023-03-15
(54)【発明の名称】極紫外線(EUV)感受性を増加させた下層(UL)を形成する方法、およびそれらを含む構造
(51)【国際特許分類】
C23C 16/40 20060101AFI20230308BHJP
H01L 21/314 20060101ALI20230308BHJP
H01L 21/027 20060101ALI20230308BHJP
【FI】
C23C16/40
H01L21/314 A
H01L21/30 573
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022136799
(22)【出願日】2022-08-30
(31)【優先権主張番号】63/240,668
(32)【優先日】2021-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アルピタ・サハ
(72)【発明者】
【氏名】ダーフィット・デ・ルースト
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ・デゼラー
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ギヴンス
【テーマコード(参考)】
4K030
5F058
5F146
【Fターム(参考)】
4K030BA01
4K030BA02
4K030BA35
4K030BA42
4K030BA50
4K030BB14
4K030CA04
5F058BA20
5F058BC20
5F058BD18
5F058BF07
5F058BF24
5F058BF27
5F058BF29
5F058BF30
5F058BF31
5F058BF37
5F146NA01
5F146NA11
(57)【要約】
【課題】改善されたフォトレジスト吸収体層を含む構造、ならびに層および構造を形成する方法を提供する。
【解決手段】フォトレジスト吸収体層を含む構造を形成する方法、およびフォトレジスト吸収体層を含む構造が開示される。例示的な方法は、質量基準で比較的高い極紫外線(EUV)感受性を有する元素を含むフォトレジスト吸収体層を形成することを含む一方で、モル基準で比較的低いEUV感受性を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
極紫外線(EUV)吸収体層を基材の表面上に形成する方法であって、前記方法が、
基材を気相反応器の反応空間内に提供する工程と、
前駆体を前記反応空間に提供する工程、
反応物質を前記反応空間に提供する工程と、
吸収体層を前記反応空間内の前記基材の表面上に形成する工程であって、前記吸収体層が、91.5eVでの質量基準で8×105cm2/g超の光吸収断面、91.5eVでのモル基準で5×106cm2/モル未満の光吸収断面、および2未満のポーリングの電気陰性度を有する元素を含む、工程と、を含む、方法。
【請求項2】
前記元素が、91.5eVでの質量基準で10×105cm2/g超の光吸収断面を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記元素が、91.5eVでの質量基準で12×105cm2/g超の光吸収断面を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記元素が、91.5eVでの質量基準で14×105cm2/g超の光吸収断面を有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記元素が、Mg、Na、およびAlからなる群から選択される、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記吸収体層が、前記元素のカルコゲニドまたはハロゲン化物を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記吸収体層が、I、Te、Cs、Sb、Sn、In、Bi、Ag、Pb、Au、Pt、およびIrからなる群から選択されるドーパントをさらに備える、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記吸収体層が、カチオン形成元素およびアニオン形成元素を含む、請求項1~6に記載の方法。
【請求項9】
前記吸収体層の上に重なるEUVフォトレジスト層を形成する工程をさらに含む、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記EUVフォトレジスト層が、分子レジスト、金属酸化物レジスト、および化学増幅型レジストのうちの少なくとも1つを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記吸収体層を形成する前記工程が、プラズマ強化原子層堆積またはプラズマ強化化学蒸着を含む、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記前駆体が、金属中心を有するアルキルアミド化合物、および1つ以上の、独立して選択されるアルキルアミンリガンドを含むか、または前記前駆体が、シクロペンタジエニル、アルキルアミド、アルコキシド、アルキル、ハロゲン化物、アミジネート、ジアザジエン、およびカルボニルからなる群から選択されるリガンドを含む、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
極紫外線(EUV)放射を使用してパターン化された特徴部を形成するための構造であって、前記構造が、
基材と、
前記基材の上に重ねて形成された吸収体層であって、前記吸収体層が、F、Mg、Na、およびAlからなる群から選択される元素を含む、構造。
【請求項14】
前記吸収体層が、前記元素の酸化物またはフッ化物を含む、請求項13に記載の構造。
【請求項15】
前記元素が、91.5eVでの質量基準で8×105cm2/g超の光吸収断面、91.5eVでのモル基準で5×106cm2/モル未満の光吸収断面、および2未満のポーリングの電気陰性度を有する、請求項13または請求項14に記載の構造。
【請求項16】
前記吸収体層が、91.5eVでのモル基準で2×106cm2/モル超の光吸収断面を有するドーパントをさらに含む、請求項13~15のいずれかに記載の構造。
【請求項17】
前記吸収体層の上に重なるEUVフォトレジスト層をさらに備える、請求項13~15のいずれかに記載の構造。
【請求項18】
極紫外線(EUV)放射を使用してパターン化された特徴部を形成するための構造であって、前記構造が、
基材と、
前記基材の上に重ねて形成された吸収体層であって、前記吸収体層が、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、およびAsからなる群から選択される元素を含む、吸収体層と、を備える、構造。
【請求項19】
前記元素が、91.5eVでの質量基準で6×105cm2/g超の光吸収断面、および91.5eVでのモル基準で5×106cm2/モル未満の光吸収断面を有する、請求項18に記載の構造。
【請求項20】
前記吸収体層が、前記元素の酸化物またはフッ化物を含む、請求項18または請求項19に記載の構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、デバイスの形成で使用される構造および方法に関する。より具体的には、本開示は、極紫外線(EUV)吸光度が改善されたフォトレジスト吸収体層(下層またはULと称されることもある)を含む、またはこれを使用して形成される構造、ならびにこうした構造を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイスの製造中に、基材の表面をパターン化することと、例えば、気相エッチングプロセスを使用して、基材表面から材料をエッチングすることとによって、基材の表面上に特徴部の微細なパターンを形成することができる。基材上のデバイスの密度が増加するにつれて、一般的に、より小さい寸法で特徴部を形成することがますます望ましくなる。
【0003】
フォトレジストは、エッチング前に基材の表面をパターン化するために、しばしば使用される。フォトレジストの層を基材の表面に適用し、フォトレジストの表面をマスキングし、フォトレジストのマスクされていない部分を紫外線光などの放射線に曝露し、フォトレジストの曝露された部分または曝露されていない部分を現像してフォトレジストの一部分(例えば、マスクされていない部分またはマスクされた部分)を除去する一方で、フォトレジストの一部分を基材表面上に残すことによって、フォトレジスト内にパターンを形成することができる。
【0004】
最近では、極紫外線(EUV)波長を使用して比較的小さいパターン特徴部を有するパターンを現像する技法が開発された。EUVを使用する方法の1つの制限は、フォトレジストの曝露されたエリアと曝露されていないエリアとの間にコントラストを生成する原因となる、EUV光子の比較的低い流束、および結果としてもたらされる長い曝露時間、および/または光感受性材料の不適切な曝露である。
【0005】
その結果、EUV線量要件を下げるための構造、およびこうした構造を形成する方法が望まれる。このセクションに記載の問題および解決策の任意の考察は、本開示の背景を提供する目的でのみこの開示に含まれており、考察のいずれかまたはすべてが、本発明がなされた時点において既知であったことを認めるものと考えられるべきではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の様々な実施形態は、改善されたフォトレジスト吸収体層(下層と称されることもある)を含む構造、ならびに層および構造を形成する方法に関する。本開示の様々な実施形態が以前の方法および構造の欠点に対処するやり方を、以下でより詳細に考察するが、一般的に、本開示の様々な実施形態は、比較的高いEUV感受性を有するフォトレジスト吸収体層を含む構造を提供する。比較的高い感受性は、フォトレジストの曝露された領域と曝露されていない領域との間の望ましいコントラストを得るために、比較的低い線量のEUVの使用を可能にし、これは結果として、相対的にコスト効果の高い様態で形成することができる小さい限界寸法などの望ましい特性を有する特徴部の形成を可能にする。加えて、比較的低い線量のEUVのみが必要なことは、有利なことに、曝露時間を低減し、それによってEUV曝露のスループットを増加させることを可能にする。
【0007】
例示的なEUV吸収体層は、質量基準では比較的高いEUV吸収を有するが、一方でモル基準では比較的低いEUV吸収を有する元素を含む。こうした吸収体層は、単独で存在してもよく、または下層膜スタック上の一部であってもよい。こうした吸収体層の使用は、フォトレジストをEUV放射線に曝露する工程中に比較的低いEUV線量を使用して、EUVフォトレジストパターニング中に望ましいパターン化された特徴部を提供することができる。例示的なフォトレジスト吸収体層は、原子層堆積またはプラズマ強化原子層堆積物などの周期的プロセスを使用して形成することができ、これは基材の表面上および基材から基材への両方のフォトレジスト吸収体層の厚さの正確な制御を可能にする。
【0008】
本開示の例示的な実施形態によると、基材の表面上に極紫外線(EUV)吸収体層を形成する方法が提供されている。例示的な方法は、基材を気相反応器の反応空間内に提供すること、前駆体を反応空間へと提供すること、および反応物質を反応空間に提供することを含む。本方法は、反応空間内の基材の表面上に吸収体層を形成することをさらに含む。意義深いことに、吸収体層は、91.5eVでの質量基準で8×105cm2/g超の光吸収断面、91.5eVでのモル基準で5×106cm2/モル未満の光吸収断面、および2未満のポーリングの電気陰性度を有する元素を含む。
【0009】
方法の一部の実施形態では、元素は、91.5eVでの質量基準で10×105cm2/g超の光吸収断面を有する一方、他の実施形態では、所望のEUV感受性を達成するために、91.5eVでの質量基準で12×105cm2/g超の光吸収断面または14×105cm2/g超の光吸収断面さえも有する元素を含んでもよい。例えば、元素は、Mg、Na、およびAlからなる群から選択されることができ、またそれは、その元素のカルコゲニド(例えば、O、S、Se、Te、またはこれに類するものを含む)またはハロゲン化物(例えば、F、Cl、Br、I、またはこれに類するものを含む)として形成される吸収体層のために有用である場合がある。本方法のこうした実施では、より重いカルコゲニド(例えば、S、Se、およびTe)およびハロゲン(例えば、Cl、Br、およびI)を、より軽いカチオン形成元素のうちの1つとともに使用することになる。酸化物の形態のカルコゲニドは、空気安定性である可能性が高いため、一部の事例では好ましい場合がある。フッ化物は、特にフォトレジストおよび吸収体層が、例えば、単一のクラスタツールの2つの別個の反応チャンバ内で、エアブレークを有しないで連続的に堆積される時に、多くの用途と同様に有用でありうる。しかし他の事例では、オキシフッ化物は、吸収体層のための別の形態である。
【0010】
方法のこれらおよび他の実施形態では、吸収体層は、EUV感受性を強化するためのドーパントをさらに含んでもよく、またこのドーパントは、I、Te、Cs、Sb、Sn、In、Bi、Ag、Pb、Au、Pt、およびIrからなる群、またはI、Te、Cs、Sb、In、Bi、Ag、Pb、Au、Pt、およびIrからなる群から選択されるものなどの高z元素であってもよい。さらに、吸収体層がカチオン形成元素(例えば、Na、Mg、およびAl)およびアニオン形成元素(例えば、OおよびF)の両方を含むように、吸収体層を形成することが望ましい場合がある。追加的または代替的に、本方法はまた、吸収体層の上に重なるEUVフォトレジスト層を形成する工程も含んでもよく、また、本方法のこうした実施では、EUVフォトレジスト層は、分子レジスト、無機レジスト、および化学増幅型レジスト(CAR)など、当技術分野で知られている場合がある、ほぼすべてのEUVレジストを含んでもよい。一部の事例では、金属含有フォトレジストでは同じ効果が起きないため、CARは、これらの高z層に対して最も感受性が高くなることが期待される。吸収体層を形成する工程は、原子層堆積またはプラズマ強化原子層堆積などの周期的堆積プロセスを用いて実施されてもよい。
【0011】
本開示のさらなる実施例によると、極紫外線(EUV)放射を使用してパターン化された特徴部を形成するために好適な構造が提供される。構造は、基材と、基材の上に重ねられて形成された吸収体層と、を含む。吸収体層は、F、Mg、Na、およびAlからなる群から選択された元素を含む。こうした構造では、吸収体層は、元素の酸化物またはフッ化物であってもよい。この構造のこれらのまたは他の実施形態では、元素は、91.5eVでの質量基準で8×105cm2/g超の光吸収断面、91.5eVでのモル基準で5×106cm2/モル未満の光吸収断面、および2未満のポーリングの電気陰性度を有する。吸収体層は、91.5eVでのモル基準で2×106cm2/モル超の光吸収断面を有するドーパントをさらに含んでもよい。加えて、構造は、吸収体層の上に重なるEUVフォトレジスト層を含んでもよい。
【0012】
本開示の他の実施例によると、極紫外線(EUV)放射を使用してパターン化された特徴部を形成するために好適な構造が提供される。構造は、基材と、基材の上に重ねられて形成された吸収体層と、を含む。吸収体層は、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、およびAsからなる群から選択される元素を含む。一部の実装では、元素は、91.5eVでの質量基準で6×105cm2/g超の光吸収断面、および91.5eVでのモル基準で5×106cm2/モル未満の光吸収断面を有する。これらの構造の一部では、これは吸収体層が元素の酸化物またはフッ化物になるために有用である場合がある。
【0013】
本開示のさらなる実施例によると、システムが提供される。システムは、本明細書に記述される方法を実施するため、および/または本明細書に記述されるような構造を形成するために使用することができる。
【0014】
これらの実施形態および他の実施形態は、添付の図面を参照するある特定の実施形態の以下の「発明を実施するための形態」から当業者に容易に明らかとなることになり、本発明は開示されたいずれかの特定の実施形態に必ずしも限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本開示の例示的な実施形態のより完全な理解は、以下の例示的な図に関連して考慮される場合、「発明を実施するための形態」および「特許請求の範囲」を参照することによって得ることができる。
【0016】
【
図1】
図1は、本開示の例示的な実施形態による方法を例示する。
【
図2】
図2は、本開示の例示的な実施形態による構造を例示する。
【
図3】
図3は、本明細書に記述されるような方法を実行するために構成されたシステムを例示する。
【
図4】
図4は、本明細書に記述されるような方法を実行するための直接プラズマシステムを例示する。
【
図5】
図5は、本明細書に記述されるような方法を実行するための間接プラズマシステムを例示する。
【
図6】
図6は、本明細書に記述されるような方法を実行するための遠隔プラズマシステムを例示する。
【0017】
当然のことながら、図内の要素は単純化および明瞭化のために例示されていて、必ずしも原寸に比例して描かれていない。例えば、図内の要素のうちの一部の寸法は、本開示の例示された実施形態の理解の向上を助けるために他の要素に対して相対的に誇張されている場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に提供される本発明の例示的な実施形態の記述は、単に例示的なものであり、また例示のみを目的として意図しており、以下の記述は本明細書で開示される本発明の範囲を限定することを意図していない。さらに、述べられた特徴を有する複数の実施形態の列挙は、追加的な特徴を有する他の実施形態、または述べられた特徴の異なる組み合わせを組み込む他の実施形態を除外することを意図していない。
【0019】
本開示は、概して、極紫外線(EUV)吸収体層を含む構造を形成する方法、およびEUV吸収体層を含む構造に関する。EUV感受性が増加した下層(吸収体層)を有する構造を形成するために、例示的な方法を使用することができ、この下層はフォトレジスト曝露工程中に使用される、より低いEUV用量をもたらすことができる。本方法は、典型的なEUVフォトリソグラフィー技法を使用して形成されたフォトレジスト特徴と比較して、小さい限界寸法、テーパリングの低減、および/または粗さの低減などの所望の特性を有するパターン化された特徴部の形成を可能にするEUV吸収体層を有する構造を形成するために使用することができる。それ故に、本明細書に記述される方法は、構造の製造のスループットの増加、構造および/もしくは構造を使用して形成されたデバイスの形成に関連付けられたコストの低減、ならびに/または吸収体層およびフォトレジスト層を使用して形成された特徴部の限界寸法の低減を提供することができる。
【0020】
本明細書で使用される場合、基材という用語は、1つ以上の層を含み、かつ/または1つ以上の層をその上に堆積させることができる、1つまたは複数の任意の下地材料を指す場合がある。基材は、シリコン(例えば単結晶シリコン)などのバルク材料、ゲルマニウムなどの他の第IV族材料、またはGaAsなどの複合半導体材料を含むことができ、またバルク材料の上に重なるまたはバルク材料の下にある1つ以上の層を含むことができる。例えば、基材は、バルク材料の上に重なるいくつかの層のパターニングスタックを含むことができる。パターニングスタックは、用途に従って変化させることができ、そして、例えば、金属ハードマスク、酸化物ハードマスク、窒化物ハードマスク、炭化物ハードマスク、または非晶質炭素ハードマスクなどのハードマスクを含むことができる。さらに基材は追加的または代替的に、基材の層の少なくとも一部分の中またはその上に形成される様々な特徴部(陥凹部、線、およびこれに類するものなど)を含むことができる。
【0021】
一部の実施形態では、膜は、厚さ方向に垂直な方向に延在する層を指す。一部の実施形態では、層は、表面上に形成されるある特定の厚さを有する材料、または膜もしくは膜でない構造の同義語を指す。膜または層は、ある特定の特性を有する個別の単一の膜もしくは層、または複数の膜もしくは層によって構成されてもよく、また隣接する膜または層の間の境界は、明確であってもよく、明確でなくてもよく、そして物理的、化学的、および/もしくは他の任意の特性、形成プロセスもしくは順序、ならびに/または隣接する膜もしくは層の機能もしくは目的に基づいて確立されていてもよく、確立されていなくてもよい。さらに、層または膜は、パターン化することができ、また連続的または不連続的とすることができる。
【0022】
この開示では、ガスは、常温および常圧において気体、気化した固体、および/または気化した液体である材料を含んでもよく、また状況に依存して単一の気体または気体の混合物で構成されてもよい。プロセスガス以外のガス、すなわち、ガス分配アセンブリ、例えばシャワーヘッド、他のガス分配装置等を通過することなく導入されるガスは、例えば反応空間を密封するために使用されてもよく、またシールガス、例えば希ガスを含んでもよい。
【0023】
材料の堆積の状況においてなどの、一部の事例では、「前駆体」という用語は、別の化合物、そして特に膜マトリックスまたは膜の主骨格を構成する化合物を生成する化学反応に関与する1つまたは複数の化合物を指すことができ、一方で「反応物質」という用語は、一部の事例では前駆体以外の、前駆体と反応する、前駆体を活性化する、前駆体を修飾する、または前駆体の反応を触媒する化合物、を指すことができ、反応物質は元素(例えば、ハロゲン化物)を膜に提供して、膜の一部となってもよい。一部の事例では、「前駆体」および「反応物質」という用語は、互換的に使用することができる。「不活性ガス」という用語は、かなりの程度まで化学反応に関与しないガス、および/または、例えばRFもしくはマイクロ波電力が印加された時に前駆体もしくは反応物質と相互作用するガスを指すが、反応物質とは異なり、かなりの程度まで膜マトリックスの一部にならない場合がある。
【0024】
周期的堆積プロセス(cyclic deposition process)または周期的堆積プロセス(cyclical deposition process)という用語は、基材上に層を堆積するために前駆体(および/または反応物質)を反応チャンバの中へと逐次的に導入することを指してもよく、また原子層堆積(ALD)、周期的化学蒸着(周期的CVD)、ならびにALD構成要素および周期的CVD構成要素を含むハイブリッド周期的堆積プロセスなどの処理技法を含む。他の事例では、処理技法は、プラズマ強化CVD(PECVD)またはプラズマ強化ALD(PEALD)などのプラズマプロセスを含んでもよい。プラズマプロセスは、熱ALDなどのように化学的前駆体を使用するため望ましい場合があるが、これらのプロセスはまた、RF-プラズマを循環させて、高度に制御された様態で必要な化学反応を作り出す。
【0025】
原子層堆積という用語は、堆積サイクル、典型的には複数の連続的な堆積サイクルがプロセスチャンバ内で行われる、蒸着プロセスを指す場合がある。本明細書で使用される場合、「原子層堆積」という用語はまた、化学蒸着原子層堆積、原子層エピタキシー(ALE)、分子線エピタキシー(MBE)、ガス供給源MBE、または有機金属MBE、ならびに前駆体(複数可)/反応性ガス(複数可)、およびパージ(例えば不活性キャリア)ガス(複数可)の交互パルスを用いて実施される場合の化学ビームエピタキシーなどの関連する用語によって示されるプロセスを含むことを意味する。
【0026】
一般的に、ALDプロセスに対しては、各サイクル中に、前駆体は、反応チャンバへと導入され、そして堆積表面(例えば、以前のALDサイクルから以前に堆積された材料または他の材料を含むことができる、基材表面)に化学吸着され、追加の前駆体と容易に反応しない材料の単分子層または準単分子層を形成する(すなわち、自己限定的な反応)。その後、一部の事例では、化学吸着した前駆体を堆積表面上で所望の材料へと変換するのに使用するために、反応物質は引き続いて、プロセスチャンバの中へと導入されてもよい。反応物質は、前駆体とのさらなる反応の能力を有することができる。あらゆる過剰な前駆体をプロセスチャンバから除去するため、かつ/またはあらゆる過剰な反応物質および/または反応副産物を反応チャンバから除去するために、1つ以上のサイクル中に(例えば、各サイクルの各工程中に)、パージする工程を利用することができる。
【0027】
本明細書で使用される場合、パージまたはパージするという用語は、ガス流が停止される手順、または前駆体流が断続的に停止される一方で、キャリアガスの継続的な提供を伴う手順を指す場合がある。例えば、パージは、前駆体パルスと反応物質パルスとの間に提供されてもよく、それ故に、前駆体と反応物質との間の気相の相互作用を回避する、または少なくとも低減する。当然のことながら、パージは時間的に、または空間的に、または両方の影響を受けうる。例えば、時間的なパージの事例では、パージ工程は、例えば、前駆体を反応器チャンバに提供し、パージガスを反応器チャンバに提供し、そして反応物質を反応器チャンバに提供するといった時系列で使用されることができ、ここで、層が堆積される基材は移動しない。空間的パージの事例では、パージ工程は、前駆体が供給される第一の場所から、パージガスカーテンを通して、反応物質が供給される第二の場所に基材を移動させるという形態を取ることができる。
【0028】
本開示では、変数の任意の2つの数はその変数の実行可能な範囲を構成することができ、また示された任意の範囲は、端点を含んでもよく、または除外してもよい。さらに、一部の実施形態において、示される変数の任意の値は、(それらが約とともに示されているか否かにかかわらず、)正確な値またはおおよその値を指す場合があり、等価物を含んでもよく、平均値、中央値、代表値、大多数などを指す場合がある。さらに、この開示では、「含む」、「によって構成される」、および「有する」という用語は、一部の実施形態では、「典型的にまたは広く含む」、「含む」、「から本質的になる」、または「からなる」を独立して指すことができる。さらに、この用語は、「からなる」、または「本質的にからなる」を含むことができる。本開示の態様によると、用語の任意の定義された意味は、その用語の通常の意味および通例の意味を必ずしも除外しない。
【0029】
ここで図に移ると、
図1は本開示の例示的な実施形態による方法100を例示する。方法100は、基材の表面上に極紫外線(EUV)吸収体層を形成するために使用されることができる。方法100は、気相反応器の反応空間内に基材を提供する工程(工程102)、反応空間に前駆体を提供する工程(工程104)、反応空間に反応物質を提供する工程(工程106)、および吸収体層を形成する工程(工程108)を含む。方法100はまた、吸収体層の上に重なるEUVフォトレジスト層を形成する工程(工程110)も含むことができる。
【0030】
例示的な方法は、ALD法などの周期的堆積方法とすることができ、またはそれを含むことができ、また一部の有用な実施形態では、間接プラズマ方法、直接プラズマ方法、および遠隔プラズマ方法を含むことができ、方法は、サブサイクルが選択的に繰り返されて、調整を強化する場合があるスーパーサイクルプロセスを含んでもよい(例えば、吸収体または下層またはこれに類するものの望ましい元素の望ましい量または濃度を達成するために)。本明細書に記述される高z下層は、CVD、熱ALD、PECVD、またはPEALDを使用して形成されることができる。工程104、106、および108は、方法100のいくつかの望ましい実施では、同時に実施されてもよく、かつ/または異なる順序で実施されてもよい。例えば、基材を前駆体および反応物質に曝露する工程は、交互の様態または同時の様態のいずれで実施されてもよく、これにより吸収体は前駆体および反応物質の曝露と同時に発生しうるように、吸収体の形成がもたらされる。
【0031】
工程102は、本明細書に記載の基材などの基材を、気相反応器の反応空間内に提供することを含む。基材は、1つ以上の材料層を含む、エッチングされる1つ以上の層を含むことができる。例として、基材は、堆積した酸化物、天然酸化物、またはエッチングされる非晶質炭素層を含むことができる。基材は、エッチングされる材料層(複数可)の下にある、いくつかの層を含むことができる。
【0032】
工程104の間、前駆体は反応空間へと提供される。例示的な前駆体は、質量基準で(91.5eVでの質量基準での光吸収断面として提供されてもよい)比較的高いEUV断面を有する一方で、モル基準で(91.5eVでのモル基準での光吸収断面として提供されてもよい)比較的低いEUV断面を有する1つ以上の(例えば、金属)元素を含むことができる。
【0033】
例えば、元素は、91.5eVでの質量基準で8×105cm2/g超の光吸収断面を有してもよく、一方で、91.5eVでのモル基準で5×106cm2/モル未満の光吸収断面を有する。この実施例では、前駆体は、F、Mg、Na、およびAlのうちの1つ以上を含むことができる。一部の事例では、元素が、2未満のポーリングの電気陰性度を有するように選ばれ、そしてその後、前駆体は、Mg、Na、およびAlのうちの1つ以上を含んでもよいことが有用である場合がある。しかし、一部の事例では、元素は、91.5eVでの質量基準で10×105cm2/g超の光吸収断面、12×105cm2/g超の光吸収断面、またはさらには14×105cm2/g超の光吸収断面を有する。
【0034】
他の実施例では、元素は、91.5eVでの質量基準で5×105cm2/g超の光吸収断面を有してもよく、一方で、91.5eVでのモル基準で5×106cm2/モル未満の光吸収断面を有する。この実施例では、前駆体は、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、およびAsのうちの1つ以上を含むことができる。しかし、一部の事例では、吸収体層の中の元素は、91.5eVでの質量基準で6×105cm2/g超の光吸収断面を有し、また前駆体は、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、およびZnのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0035】
より具体的には、前駆体は、シクロペンタジエニル、アルキルアミド、アルコキシド、アルキル、ハロゲン化物、アミジネート、ジアザジエン、およびカルボニルを含むリガンドを含んでもよい。一部の事例では、金属前駆体はアルキルアミド化合物を含む。例示的な金属アルキルアミド化合物は、金属中心、および1つ以上の、独立して選択される(例えば、C1~C4)アルキルアミンリガンドを含む。特定の実施例としては、M(NMe2)4、M(NEt2)4、およびM(NEtMe)4が挙げられる。
【0036】
例示的な金属アルコキシド化合物としては、M(OMe)4、M(OEt)4、M(OiPr)4、M(OtBu)4、MO(OMe)3、MO(OEt)3、MO(OiPr)3、およびMO(OtBu)3が挙げられる。追加的な金属アルコキシド化合物は、これらの化合物の変形を含み、ここでは他のアルコキシリガンドが使用される。
【0037】
例示的な金属シクロペンタジエニル化合物としては、MCp2Cl2、MCp2、およびMCp2(CO)4が挙げられる。追加的な例示的なシクロペンタジエニル化合物は、これらの化合物の変形を含み、ここでCpは、非置換であるか、または1つ以上のアルキル基、例えば、MeCp、EtCp、iPrCp、およびこれに類するものを有する。
【0038】
具体的な例として、前駆体は、金属ハロゲン化物(Pbハロゲン化物(例えば、PbF2)、Sbハロゲン化物(例えば、SbCl3)、Biハロゲン化物(例えば、BiCl3、BiF3、BiI3)、ハロゲン化インジウム(例えば、InF3、InCl3)など)、金属シリルアミド、例えば、金属ビス(トリメチルシリル)アミド(btsa)(例えば、Pb-シリルアミド(例えば、Pb(btsa)2))、Biシリルアミド(例えば、Bi(btsa)2、金属トリメチルシリル前駆体(例えば、Te(TMS)2)、金属アルコキシド(例えば、セシウムtert-ブトキシド(CsOtBu)、Biアルコキシド、アンチモン(III)エトキシド(Sb(OEt)3)、金属アミンまたはアミノ前駆体(Bi(NMe2)3、Bi(NEtMe)3、Sb(NMe2)3、Pb[N(SiMe3)2]2など)、金属シクロペンタジエニル前駆体(例えば、InCp)、アルキル金属前駆体(トリメチルインジウム(TMI)、トリエチルインジウム(TEI)など)、またはこれに類するもののうちの1つ以上を含むことができる。
【0039】
追加的な実施例として、金属アルキルシリルアミドまたは金属シリルアミド化合物は、一般式(i)によって表すことができ、式中、R1~R6は各々独立してC1~C4アルキル基から選択される。
【化1】
【0040】
反応空間内の温度は、工程104の間、例えば、約20℃~約200℃とすることができる。反応チャンバ内の圧力は、工程104の間、約140Pa~約1300Paとすることができる。前駆体の流量は、約200~約2000sccmとすることができる。前駆体を反応チャンバへと導入するパルスの持続時間は、約0.1~約15秒とすることができる。
【0041】
工程106の間、反応物質が反応空間へと提供される。本開示の実施例によると、反応物質は、F、Cl、Br、およびIのうちの1つ以上などのハロゲン化物を含む。反応物質としての使用のために好適な特定の例示的なハロゲン化物としては、HF、TiF4、SnI4、CH2I2、HI、I2、およびこれに類するものが挙げられる。一部の事例では、別の前駆体は反応物質であってもよい。こうした事例では、反応物質は、上記の前駆体のうちのいずれかを含むことができる。
【0042】
加えて、酸素反応物質、窒素反応物質、炭素反応物質、および還元反応物質が使用されてもよい。好適な酸素反応物質としては、O2、O3、およびH2Oが挙げられる。好適な窒素反応物質としては、N2、NH3、N2H2、およびフォーミングガスが挙げられる。好適な炭素反応物質としては、CH4などのアルキルが挙げられる。好適な還元反応物質としては、H2が挙げられる。他の元素が望ましい場合、反応物質は、ニーズを満たすように選ばれてもよい。例えば、Teが望ましい事例では、Te(OR)4などのアルコキシド(alkoxyde)、Te(TMS)2またはTe(TES)2などのトリアルキルシリル、ジアルキルテルル化物(Te(iPr)2、Te(tBu)2、およびこれに類するものなど)または元素Teを使用することが可能であり、ここで、Rは、低Cアルキル(例えば、1~4個の炭素原子を含有するもの)などのアルキルを表し、ここで、TMSは、トリメチルシリルを表し、ここでTESは、トリエチルシリル(またはより広範にはトリアルキルシリル)を表す。硫黄(S)含有膜が望ましい事例では、硫黄反応物質(H2Sなど)、ジアルキルスルフィド、ジアルキルジスルフィド、アルキルチオール、アルキルシリル硫黄化合物((TMS)2Sなど)、硫黄ハロゲン化物(S2Cl2など)、または元素Sを使用することが可能である。セレン含有膜が望ましい事例では、反応物質は、H2Se、アルキルセレノール、セレン化ジアルキル、二セレン化ジアルキル、セレン化ビス(トリアルキルシリル)、または元素Seを含むことができる。
【0043】
工程106の間の反応チャンバ内の温度および圧力は、工程104に関連して上記の温度および/または圧力と同じか、または同様とすることができる。反応物質の流量は、約100~約2000sccmとすることができる。反応物質を反応チャンバへと導入するパルスの持続時間は、約0.1~約30秒とすることができる。
図1に例示するように、工程104および106を1回以上繰り返して、吸収体層を形成することができる(工程108)。
【0044】
工程104および106での使用のために好適な前駆体および対応する反応物質の様々な組み合わせを使用して、吸収体層を形成することができる。例えば、一部の事例では、吸収体層は、一部の実施例では、F、Na、Mg、もしくはAlのうちの1つ以上を含む、または他の実施例ではMn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、およびAsのうちの1つ以上を含む酸化物またはハロゲン化物などのカルコゲニドまたはハロゲン化物を含む(または1つ以上の元素は、これらの元素の群のいずれかを形成する)。一部の事例では、本明細書に記載された金属などの金属の固体酸化物およびハロゲン化物は、EUV放射線のより良好な断面吸光度を提供することができ、金属および非金属の両方は、EUV放射線において典型的な吸収体層と比較して、比較的高い断面吸光度を提供する。一部の事例では、増加した吸光度は、1モル当たりの酸化物の数の増加および/または他の材料と比較して増加した吸光度を提供する酸化物によって達成される。
【0045】
一部の有用な実施形態では、元素は、Mg、Na、およびAl(または上述の元素のうちの1つ以上)からなる群から選択することができ、そしてその元素は、カルコゲニド(例えば、O、S、Se、Te、またはこれに類するもの)またはハロゲン化物(例えば、F、Cl、Br、I、またはこれに類するもの)の元素として形成される吸収体層のために有用である場合がある。本方法のこうした実施では、より重いカルコゲニド(例えば、S、Se、およびTe)およびハロゲン(例えば、Cl、Br、およびI)を、より軽いカチオン形成元素のうちの1つとともに使用することになる。酸化物の形態のカルコゲニドは、空気安定性である可能性が高いため、一部の事例では好ましい場合がある。フッ化物は、特にフォトレジストおよび吸収体層が、例えば、単一のクラスタツールの2つの別個の反応チャンバ内で、エアブレークを有しないで連続的に堆積される時に、多くの用途と同様に有用でありうる。しかし他の事例では、オキシフッ化物は、吸収体層のための別の形態である。
【0046】
ハロゲン化化学物質としては、ハロゲン化硫黄(四フッ化硫黄(SF4)など)、2,2フッ化ジアルキルイミダゾリジン(ジフルオロ-1,3-ジメチルイミダゾリジン(DFI)など)、フルオロスルホン酸(SO3HF)、ポリフルオロアルキルアミン(N,N-ジエチル-(1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロピル)アミンなど)、およびポリフルオロアルケニルアミン(N,N-ジエチル-(E)-ペンタフルオロプロペニルアミン)が挙げられる場合がある。使用されうる他のハロゲン化化学物質としては、(1)1,1-ジブロモアルカン、1,2-ジブロモアルカン、1,1-ジヨードアルカン、および1,2-ジヨードアルカンを含む臭化アルキルおよびヨウ化アルキル、(2)アレーンに付加した複数の臭素またはヨウ素原子を含有するバージョンを含む臭化アリールおよびヨウ化アリールが挙げられる。例としては、ブロモベンゼンおよびヨードベンゼン、(3)ジハロゲン分子、例えば、Br2、I2、Cl-Br、Cl-I、またはBr-I、(4)ハロゲン化水素分子、例えば、HBrまたはHI、(5)臭化アシルおよびヨウ化アシル、臭化オキサリルおよびヨウ化オキサリルを含む、(6)ブロモシランおよびヨードシラン、複数のケイ素原子および/またはSiBr4SiI4、SiH2Br2、SiH2I2、および類似のものなどの複数のハロゲン原子を有する実施形態を含む、(7)臭化チオニルおよびヨウ化チオニル、(8)揮発性ハロゲン化金属、SnBr4、SnI4、AlBr3、AlI3、TiBr4、TiI4、および類似のものなど、(9)P-BrまたはP-I結合を含有する分子、PBr3、PBr5、POBr3、またはPOI3など、(10)N-BrまたはN-I結合を含有する分子、N-ブロモスクシンイミドまたはN-ヨードスクシンイミドなど、(11)次亜臭素酸アルキルおよび次亜ヨウ素酸アルキル、例えば、次亜臭素酸tert-ブチル、および(12)臭素またはヨウ素の揮発性ハロゲン塩、例えば、臭化アンモニウム、ヨウ化アンモニウム、臭化ピリジニウム、およびヨウ化ピリジニウムが挙げられる。
【0047】
一部の実施では、アルファ-フルオロアルキルアミンが利用されてもよい。例えば、一部の実施形態では、α-フルオロアミンは、窒素原子およびフッ素原子の両方に結合される少なくとも1つの炭素原子を含有する化合物を含む。より具体的には、一部の実施形態では、α-フルオロアミンはR2NCF2R’の式を有し、式中、R基は独立して任意のC1~C6炭化水素であり、またR’基は、以下のもの、すなわちC1~C6炭化水素、部分的にフッ化されたC1~C6炭化水素、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアリール基、または-NR2基のうちのいずれか1つである。一部の実施形態では、R基またはR’基は、環状である。一部の実施形態では、環状R基またはR’基は、α-フルオロアミンの「NCF2」断片を組み込む。一部の実施形態では、α-フルオロアミンは、1,1,2,2-テトラフルオロエチル-N,N-ジメチルアミン、2,2-ジフルオロ-1,3-ジメチルイミダゾリジン、N,N-ジエチル-1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-プロパンアミン、および2-クロロ-N,N-ジエチル-1,1,2-トリフルオロエタンアミンの群から選ばれる。
【0048】
一部の実施形態では、塩素化剤は、C-Cl結合を含む。一部の実施形態では、塩素化剤は、ハロゲン化アシル、塩化オキサリル、および塩化アセチルの群から選ばれる。一部の実施形態では、塩素化剤は、S-Cl結合を含む。こうした実施形態では、塩素化剤は、塩化チオニル、塩化スルフリル、塩化アルキルスルホニル、二塩化二硫黄、S2Cl2、および二塩化硫黄、SCl2の群から選択されてもよい。
【0049】
一部の実施形態では、塩素化剤は、P-Cl結合を含む。こうした実施形態では、塩素化剤は、PCl3、PCl5、およびPOCl3の群から選択されてもよい。一部の実施形態では、塩素化剤は、ジアルキルホスフィン酸塩化物(例えば、R2POCl、R=アルキル)である。一部の実施形態では、塩素化剤は、ジアリールホスフィン酸塩化物(例えば、R2POCl、R=アリール)である。一部の実施形態では、塩素化剤は、アルキルホスホン酸二塩化物(例えば、RPOCl2、R=アルキル)である。一部の実施形態では、塩素化剤は、アリールホスホン酸二塩化物(例えば、RPOCl2、=アリール)である。一部の実施形態では、塩素化剤は、N-Cl結合を含む。一部の実施形態では、塩素化剤はN-クロロスクシンイミドである。一部の実施形態では、塩素化剤は、O-Cl結合を含む。一部の実施形態では、塩素化剤は、次亜塩素酸アルキルである。一部の実施形態では、塩素化剤は、次亜塩素酸tert-ブチルである。
【0050】
方法100のこれらおよび他の実施形態では、吸収体層は、EUV感受性を強化するためのドーパントをさらに含み、このドーパントは、I、Te、Cs、Sb、Sn、In、Bi、Ag、Pb、Au、Pt、およびIrからなる群から選択されるものなどの高z元素であってもよい。別の方法として、ドーパントは、I、Te、Cs、Sb、In、Bi、Ag、Pb、Au、Pt、およびIrからなる群から選択されるものなどの高z元素であってもよい。さらに、吸収体層がカチオン形成元素(例えば、Na、Mg、およびAl)およびアニオン形成元素(例えば、OおよびF)の両方を含むように、吸収体層を形成することが望ましい場合がある。吸収体層を形成する工程は、原子層堆積などの周期的堆積プロセスを用いて実施されてもよい。
【0051】
図1に例示するように、工程104~108を介して吸収体層の望ましい厚さが得られると、工程110の間に、任意選択的なEUVフォトレジスト層を吸収体層の外側に(例えば、吸収体層と直接接触して)形成されることができる。本方法のこうした実施では、EUVフォトレジスト層は、分子、金属酸化物、または化学増幅型フォトレジストなどの任意の好適なフォトレジストを含んでもよい。加えて、基材表面から吸収体層をエッチングまたはストリッピングすることが望ましい場合がある。したがって、吸収体層は、エッチング剤と反応した時に可溶性または揮発性化合物を形成することができる材料を望ましく含んでもよい。
【0052】
一部の事例では、吸収体層は、F、Mg、Na、Al、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、およびAsからなる群から選択される2つ以上の元素を含む。他の実施例によると、吸収体層は、EUV感受性を増加させるに有用なドーパントまたは材料を含むために、ドープされる(例えば、工程104、106、および/または108の間)。例えば、方法100の一部の実施形態は、高い原子番号(z)を有する要素で吸収体層をドーピングすることを含み、これはまた、モル基準で高いEUV吸収、例えば、2×106cm2/mol超のEUV断面(σα)も有する。これらのドーパントは、Sb、Sn、In、Bi、Ag、Pt、Ir、Pb、Au、およびCsのうちの1つ以上を含むように選択されてもよい。
【0053】
本明細書に記述される吸収体層は、例えば、熱周期的(例えば、ALD)または熱CVD方法を使用して堆積されてもよい。別の方法として、本明細書に記述される吸収体層は、周期的プラズマ(例えば、プラズマALD)またはプラズマパルス-CVDを使用して、例えば、反応物および/または前駆体を活性化(直接的または遠隔的に)することによって、堆積されてもよい。どちらの方式も、薄い(5nm以下)吸収体層の堆積を低い不均一性で好適に提供する場合がある。
【0054】
本開示の実施例によると、吸収体層は、91.5eVでの質量基準で8×105cm2/g超の光吸収断面を有する一方で、モル基準で比較的低いEUV断面を有する少なくとも1つの元素を含む。吸収体層は、追加的な金属(高z材料を含む)または酸素などの追加的な元素を好適に含んでもよい。吸収体層のために好適な材料の具体的な実施例が上記に提供される。工程104の間に形成された吸収体層の厚さは、10nm未満または5nm未満とすることができる。
【0055】
図2は、本開示の例示的な実施形態による構造200を例示する。構造200は、例えば、方法100を使用して形成されることができる。例示するように、構造200は、基材202、吸収体層204、および任意選択的に材料層208、およびキャッピング層206のうちの1つ以上を含む。材料層208およびEUVフォトレジスト層206は、吸収体層204に望ましい安定性を提供するため、および/または他の理由で使用することができる。基材202は、上述のような基材を含むことができる。例として、基板202は、半導体基材を含むことができ、また1つ以上の層を含むことができる。さらに、上記のように、基材202は、基材の層の少なくとも一部分内またはその一部分上に形成された様々なトポロジー(陥凹部、ライン、およびこれに類するものなど)を含むことができる。
【0056】
吸収体層204は、本明細書に記述される方法(例えば、方法100)に従って形成された吸収体層を含むことができ、かつ/または本明細書に記述されるような吸収体材料を含むことができ、かつ/または本明細書に記載の特性を有することができる。吸収体層204の厚さは、吸収体層204の組成、材料層208の厚さおよび/または組成、フォトレジスト層206の厚さおよび/または組成、フォトレジストのタイプ、およびこれに類するものに依存することができる。本開示の実施例によると、吸収体層204は、10nm未満または約5nm未満の厚さを有する。
【0057】
材料層208は、例えば、ハードマスクから形成されることができる。ハードマスクは、下層とのエッチングコントラストを提供する任意の層とすることができる。一つの可能なハードマスクは、非晶質炭素である。他の実施形態では、材料層208は、金属、半導体およびその合金、酸化物、窒化物、および炭化物を含んでもよい。材料層208の厚さは、約0.1~約10nmとすることができる。フォトレジスト層206は、例えば、分子レジスト、金属酸化物レジスト、または化学増幅型レジストから形成されることができる。フォトレジスト層206の厚さは、約5~約40nmとすることができる。
【0058】
図3は、本開示の実施例によるシステム300を概略的に例示する。システム300は、本明細書に記述されるような方法を実施するために、かつ/または本明細書に記述されるような構造または構造の一部分を形成するために使用されることができる。例示した実施例では、システム300は、1つ以上の反応チャンバ302、前駆体注入システム301、前駆体容器304、反応物質容器306、補助反応物質源308、排気源310、およびコントローラ312を含む。しかし、一部の事例では、O
2、N
2、H
2、He、およびArなどの一部の反応物質は、非常に一般的であり、かつ製作全体を通して使用されることが理解されるであろう。その結果、これらは必ずしもツール内部の容器内に保管されなくてもよく、その代わりに、製作システム300内のツールへのガスラインを介して中央保管ユニット(図示せず、加圧容器であってもよい)から提供されてもよい。システム300は、不活性ガス源、キャリアガス源、および/またはパージガス源などの、1つ以上の追加的なガス源(図示せず)を含んでもよい。反応チャンバ302は、本明細書に記述されるようなALDまたはCVD反応チャンバなどの任意の好適な反応チャンバを含むことができる。
【0059】
前駆体容器304(時として金属前駆体容器)は、容器および本明細書に記述されるような金属前駆体を含む1つ以上の前駆体を、単独で、または1つ以上のキャリア(例えば、不活性)ガスと混合して含むことができる。反応物質源容器306は、容器、および本明細書に記述されるように1つ以上の反応物質(例えば、酸化物反応物質、ハロゲン化物反応物質、およびこれに類するもの)を、単独で、または1つ以上のキャリアガスと混合して含むことができる。補助反応物質源308は、本明細書に記述されるような補助反応物質または前駆体を含むことができる。3つの供給源容器304~308を有して例示されているが、システム300は、一部の実施では、質量当たり基準で高いEUV吸収を有する元素、およびドーピング材料などの他の材料を提供するために、任意の好適な数の供給源容器を含むことができる。供給源容器304~308は、流量コントローラ、弁、ヒーター、およびこれに類するものを各々含むことができるライン314~318を介して、反応チャンバ302に連結されることができる。一部の実施形態では、容器は、前駆体または反応物質が望ましい温度に達するように加熱される。各容器は、熱安定性および揮発性などの前駆体または反応物質の特性に従って、異なる温度に加熱されてもよい。排気源310は、1つ以上の真空ポンプを含むことができる。
【0060】
コントローラ312は、弁、マニホールド、ヒーター、ポンプ、およびシステム300に含まれる他の構成要素を選択的に動作させるための電子回路およびソフトウェアを含む。こうした回路および構成要素は、前駆体、反応物質、およびパージガスを、それぞれの供給源から導入するように動作する。コントローラ312は、堆積または反応器システム300の適切な動作を提供するために、ガスパルスシーケンスのタイミング、基材および/または反応チャンバ302の温度、反応チャンバ302内の圧力、ならびに様々な他の動作を制御することができる。コントローラ312は、反応チャンバ302の中へ、および反応チャンバの外への前駆体、反応物質、およびパージガスの流れを制御するために、弁を電気的にまたは空気圧で制御する制御ソフトウェアを含むことができる。コントローラ312は、ある特定のタスクを実施するソフトウェアまたはハードウェア構成要素などのモジュールを含むことができる。モジュールは、制御システムのアドレス指定可能な記憶媒体上に常駐するように構成されてもよく、また1つ以上のプロセスを実行するように構成されてもよい。
【0061】
例示される実施例では、システム300はまた、基材(例えば、ウエハ)を受容および支持するためのガス分配アセンブリ(例えば、シャワーヘッド)320およびサセプタまたは基材ホルダ322(電極および/またはヒーターを含むことができる)も含む。本開示の一部の実施例によると、システム300はまた、1つ以上の反応物質、前駆体、および/または不活性ガスを活性化するための遠隔プラズマユニット324も含むことができる。
【0062】
異なる数および種類の前駆体源および反応物質源を含む、システム300の他の構成が可能である。さらに、当然のことながら、ガスを反応チャンバ302の中へと選択的、かつ調整された様態で供給するという目的を達成するために使用されてもよい弁、導管、前駆体源、および補助反応物質源の数多くの配置がある。さらに、堆積システムの概略表現として、例示の単純のために数多くの構成要素が省略されており、またこうした構成要素としては、例えば、様々な弁、マニホールド、精製器、ヒーター、容器、通気、および/またはバイパスが挙げられる場合がある。
【0063】
堆積アセンブリ300の動作中に、半導体ウエハ(図示せず)などの基材は、例えば、基材取り扱いシステムから反応チャンバ302へと移送される。基材が反応チャンバ302へと移送されると、ガス源2からの1つ以上のガス(前駆体、反応物質、キャリアガス、および/またはパージガスなど)は、反応チャンバ302の中へと導入される。一部の実施形態では、前駆体は、パルスで供給され、反応物質は、パルスで供給され、そして反応チャンバは、連続する前駆体および反応物質のパルスの間でパージされる。
【0064】
直接、間接、および遠隔プラズマ堆積は同様に、
図4~6のシステム600、700、および800でそれぞれ示されるように、ALD、CVD、ハイブリッドモードのいずれかでも使用することができる。2つの別個のサブサイクルから成るスーパーサイクルを特徴とする様々なパルシングスキームを使用することができる。例えば、PEALDプロセスは、スーパーサイクルプロセス(例えば、サブサイクル1:In前駆体パルス、O反応物質パルス、サブサイクル2:Sn前駆体パルス、O反応物質パルス、各々が望ましい量の任意の特定の要素の調整のために有用であるとして繰り返される)を使用して、所望の元素の濃度または量を調整してもよい。
【0065】
図4は、本明細書に記述されるような製作プロセスまたは方法を実施するために動作可能または制御可能な直接プラズマシステム600の実施形態の概略表現を示す。システム600は、プラズマ620を発生させる反応チャンバ610を含む。具体的には、プラズマ620は、シャワーヘッドインジェクター630と、基材またはウエハ641を支持する基材支持体640との間に発生する。
【0066】
示された構成では、システム600は、2つの交流(AC)電源、すなわち、高周波電源621および低周波電源622を含む。示される構成では、高周波電源621は、無線周波数(RF)電力をシャワーヘッドインジェクターに供給し、かつ低周波電源622は、交流電流信号を基材支持体640に供給する。無線周波数電力は、例えば、13.56MHz以上の周波数で提供されることができる。低周波交流電流信号は、例えば、2MHz以下の周波数で提供されることができる。
【0067】
前駆体、反応物質、またはその両方を含むプロセスガスは、ガスライン660を通して円錐ガス分配器650へと提供される。次いで、プロセスガスは、シャワーヘッドインジェクター630内の貫通穴(631)を経由して、反応チャンバ610へと通る。一方で、高周波電源621は、シャワーヘッドインジェクターに電気的に接続されているものとして示され、また低周波電源622は、基材支持体640に電気的に接続されているものとして示されているが、他の構成も可能である。例えば、一部の実施形態では(図示せず)、高周波電源および低周波電源の両方をシャワーヘッドインジェクターに電気的に接続することができ、高周波電源および低周波電源の両方を基材支持体に電気的に接続することができ、または高周波電源を基材支持体に電気的に接続することができ、かつ低周波電源をシャワーヘッドインジェクターに電気的に接続することの両方ができる。
【0068】
図5は、本明細書に記述されるような方法を実施するために動作可能または制御可能な間接プラズマシステム700の別の実施形態の概略表現を示す。システム700は、プラズマ720を発生させるプラズマ発生空間725から分離された、反応チャンバ710を含む。特に、反応チャンバ710は、シャワーヘッドインジェクター730によってプラズマ発生空間725から分離され、またプラズマ720は、シャワーヘッドインジェクター730とプラズマ発生空間天井726との間に生成される。
【0069】
示された構成では、システム700は、3つの交流(AC)電源、高周波電源721および2つの低周波電源722、723(すなわち、第一の低周波電源722および第二の低周波電源723)を含む。示された構成では、高周波電源721は、無線周波数(RF)電力をプラズマ発生空間天井に供給し、第一の低周波電源722は交流電流信号をシャワーヘッドインジェクター730に供給し、また第二の低周波電源723は交流電流信号を基材支持体740に供給する。基材741は、基材支持体740上に提供される。無線周波数電力は、例えば、13.56MHz以上の周波数で提供されることができる。第一の低周波電源722および第二の低周波電源723の低周波交流電流信号は、例えば、2MHz以下の周波数で提供することができる。
【0070】
前駆体、反応物質、またはその両方を含むプロセスガスは、ガスライン760を通してプラズマ発生空間天井726を通過してプラズマ発生空間725へと提供される。プロセスガスからプラズマ725によって生成されるイオンおよびラジカルなどの活性種は、シャワーヘッドインジェクター730内の貫通穴731を経由して反応チャンバ710へと通る。
【0071】
図6は、本明細書に記述されるような製作方法またはプロセスを実施するために動作可能または制御可能な遠隔プラズマシステム800の実施形態の概略表現を示す。システム800は、プラズマ820が生成される遠隔プラズマ源825に動作的に接続された反応チャンバ810を含む。任意の種類のプラズマ源、例えば、誘導結合プラズマ、容量結合プラズマ、またはマイクロ波プラズマを、遠隔プラズマ源825として使用されることができる。特に、活性種は、プラズマ源825から反応チャンバ810へ、活性種ダクト860を経由して、円錐状分配器850へ、シャワープレートインジェクター830の貫通穴831を経由して、反応チャンバ810へと、提供される。それ故に、活性種は、均一なやり方で反応チャンバへと提供されることができる。
【0072】
示された構成では、システム800は、3つの交流(AC)電源、高周波電源821および2つの低周波電源822、823(例えば、第一の低周波電源822および第二の低周波電源823)を含む。示された構成では、高周波電源821は、無線周波数(RF)電力をプラズマ発生空間天井に供給し、第一の低周波電源822は交流電流信号をシャワーヘッドインジェクター830に供給し、また第二の低周波電源823は交流電流信号を基材支持体840に供給する。基材841は、基材支持体840上に提供される。無線周波数電力は、例えば、13.56MHz以上の周波数で提供されることができる。第一の低周波電源822および第二の低周波電源823の低周波交流電流信号は、例えば、2MHz以下の周波数で提供することができる。
【0073】
一部の実施形態では(図示せず)、追加的な高周波電源を基材支持体に電気的に接続することができる。それ故に、直流プラズマを、反応チャンバ内で発生することができる。前駆体、反応物質、またはその両方を含むプロセスガスは、ガスライン860によってプラズマ源825に提供される。プロセスガスからプラズマ820によって生成されるイオンおよびラジカルなどの活性種は、反応チャンバ810へと案内される。
【0074】
上記の考察から、当然のことながら発明者らは、例えば、EUVスペクトル領域において、EUV吸光度を改善し、かつコスト効率の高い解決策を提供するために、使用に対して、感受性が高い新しい下層(UL)材料を設計しようとした。一部の事例では、EUV感受性を増加させるために、高い光吸収断面を有する異なる要素の層を、スタック内に含むことができる。
【0075】
この点については、発明者らは、高z材料がしばしば考慮される、EUVの吸収を増加させるために使用される候補であることを理解した。EUV吸光度断面が、モル(または原子)基準で比較的高く、またこれらの要素としては、Te、Sb、Sn、Inおよびこれに類するものが挙げられる。しかし、発明者らは、EUV吸光度が、その代わりに、元素の質量基準で(すなわち1グラム当たりで)考慮される場合、MgおよびNaなどのより軽い(または低z)元素は、高いEUV吸光度断面を有することを認識した。一部の事例では、より軽い重量を有するMgおよびNaなどのより軽い元素は、そのため質量でより重い元素または高z元素より高いEUV吸光度を有することができる。
【0076】
質量で高いEUV捕捉断面を質量で含む元素を選択することによって、高z元素を用いて達成することができるより、軽い元素を体積内に充填する、吸収体層または下層を形成することができる。結果として、Mg(F、Na、Al、および/または本明細書で考察されるその他の材料)が、特に高いEUV感受性下層を提供するために、より効果的である場合がある実装がある場合がある。これは、感受性/吸収が、単位面積当たりのこれらの元素の密度、例えば、単位面積当たりの原子数、または単位面積当たりの質量に依存することになるためである可能性が高い。質量を考慮に入れる場合、より多くのMg(または他のより低z材料)が、原子で数えるよりも質量で特定の体積で提供されてもよいことが可能である。これらのより軽い元素は一般的に毒性が少ないため、これらのより軽い元素の使用も、望ましい場合があり、また場合によっては、構造製作プロセス中により毒性の低い産物をガス放出してもよい。
【0077】
上述の本開示の例示の実施形態は、本発明の実施形態の単なる実施例であるので、本発明の範囲を限定しない。任意の均等な実施形態は、本発明の範囲内であることが意図される。実際、記述された要素の代替的な有用な組み合わせなど、本明細書に示されかつ記述された実施形態に加えて、本開示の様々な修正は、記述から当業者に明らかになる場合がある。こうした修正および実施形態もまた、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図される。
【外国語明細書】