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特開2023-38169基板処理装置及び基板処理装置のメンテナンス方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023038169
(43)【公開日】2023-03-16
(54)【発明の名称】基板処理装置及び基板処理装置のメンテナンス方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20230309BHJP
【FI】
H01L21/302 101M
【審査請求】未請求
【請求項の数】31
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022136129
(22)【出願日】2022-08-29
(31)【優先権主張番号】P 2022049553
(32)【優先日】2022-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2021144494
(32)【優先日】2021-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100122507
【弁理士】
【氏名又は名称】柏岡 潤二
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】永島 望
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 優
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 功英
(72)【発明者】
【氏名】▲瀬▼口 泰生
(72)【発明者】
【氏名】喜多川 大
【テーマコード(参考)】
5F004
【Fターム(参考)】
5F004BA09
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB22
5F004BB23
5F004BB25
5F004BB28
5F004BB29
5F004BC05
5F004BC08
5F004CA06
5F004DA22
(57)【要約】
【課題】基板処理装置の内壁部材を容易にメンテナンスすることを可能とする技術を提供する。
【解決手段】開示される基板処理装置は、チャンバ、基板支持器、支持部材、内壁部材、コンタクト部材、及びアクチュエータを備える。基板支持器は、チャンバ内に設けられている。支持部材は、基板支持器の上方に設けられている。内壁部材は、基板支持器の上方且つ支持部材の下に配置可能な天部を含む。コンタクト部材は、支持部材及び内壁部材のうち一方の部材に取り付けられている。コンタクト部材は、支持部材及び内壁部材のうち他方の部材に対して水平方向のばね反力を発揮することにより、支持部材に対して内壁部材を着脱可能に固定するように構成されている。アクチュエータは、支持部材に対する内壁部材の固定を解除するよう内壁部材を下方に移動させるように構成されている。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を提供する側壁を含むチャンバと、
前記チャンバ内に設けられた基板支持器と、
前記基板支持器の上方に設けられた支持部材と、
前記基板支持器の上方且つ前記支持部材の下に配置可能な天部を含む内壁部材と、
前記支持部材及び前記内壁部材のうち一方の部材に取り付けられたコンタクト部材であり、前記支持部材及び前記内壁部材のうち他方の部材に対して水平方向のばね反力を発揮することにより、前記支持部材に対して前記内壁部材を着脱可能に固定するように構成された該コンタクト部材と、
前記支持部材に対する前記内壁部材の固定を解除するよう前記内壁部材を下方に移動させるように構成されたアクチュエータと、
を備える基板処理装置。
【請求項2】
前記支持部材の下面は凹部を提供しており、
前記天部の上面は凹部を提供しており、
前記コンタクト部材は、
前記支持部材の前記凹部に嵌め込まれた第1の部分と、
前記第1の部分から下方に延び、前記天部の前記凹部に嵌め込まれることにより前記ばね反力を発揮するばねを有する第2の部分と、
を含む、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記コンタクト部材は、前記支持部材から着脱可能であるように構成されており、
前記第1の部分は、前記コンタクト部材を前記支持部材から取り外すときに、その水平方向への変形により前記支持部材の前記凹部から取り出し可能であるように弾性を有する、
請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記支持部材の前記凹部は、前記支持部材の該凹部の下端開口において狭められている、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記天部の上面は凸部を提供しており、
前記コンタクト部材は、前記支持部材の下面に提供された凹部内で固定されており、下方に向けて開口した凹部を提供し、
前記コンタクト部材は、該コンタクト部材の前記凹部の中に設けられたばねを含み、
前記コンタクト部材の前記ばねは、該コンタクト部材の前記凹部に前記天部の前記凸部が嵌め込まれることにより前記ばね反力を発揮する、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記コンタクト部材は、前記ばねを支持するフローティング機構を更に含む、請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記支持部材の前記下面は、雌ねじを提供しており、
前記コンタクト部材の外周面は、前記雌ねじに螺合される雄ねじを提供している、
請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記支持部材の下面は凹部を提供しており、
前記天部の上面は、凸部を提供しており、
前記コンタクト部材は、前記凸部を覆うように前記天部に固定されており、前記凸部及び該コンタクト部材が前記支持部材の前記凹部に嵌め込まれることにより前記ばね反力を発揮するばねを有する、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記支持部材の下面は凹部を提供しており、
前記天部の上面は凸部を提供しており、
前記コンタクト部材は、前記凹部を画成する内壁面に沿って設けられたスパイラルスプリングガスケットであり、
前記スパイラルスプリングガスケットは、前記凸部が前記凹部に嵌め込まれることにより前記ばね反力を発揮する、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記内壁部材は、搬送アームにより前記開口を介して前記チャンバの内部と外部との間で搬送可能であるように構成されている、請求項1~9の何れか一項に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記支持部材と前記天部との間で挟持される伝熱シートを更に備える、請求項1~9の何れか一項に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記支持部材及び前記天部は、前記チャンバ内にガスを供給するように構成されたシャワーヘッドを構成する、請求項1~9の何れか一項に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記支持部材は、その中で熱媒体が流される流路を提供している、請求項1~9の何れか一項に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記内壁部材は、前記天部の周縁部から下方に延びる側壁部を更に含み、前記基板支持器上に載置される基板がその中で処理される処理空間を前記基板支持器と共に形成する、請求項1~9の何れか一項に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記基板処理装置は、プラズマ処理装置である、請求項14に記載の基板処理装置。
【請求項16】
筒形状を有し、前記基板支持器の外周に沿って延在し、接地された導体部と、
前記側壁部の下端を前記導体部に電気的に接続して、前記内壁部材を前記導体部に電気的に接続するコンタクト機構と、
を更に備える、請求項15に記載の基板処理装置。
【請求項17】
前記コンタクト機構は、
導電性材料から形成されており、前記導体部に電気的に接続されており、前記導体部の外周に沿って延在する筒状体と、
導電性材料から形成されており、前記基板支持器と前記筒状体との間に配置される押圧体と、
前記筒状体を周方向に沿って回転させるように構成された駆動部と、
を含み、
前記コンタクト機構は、前記筒状体の周方向の回転により前記押圧体を前記側壁部の下端の外周面に押し付けて、前記内壁部材を前記押圧体及び前記筒状体を介して前記導体部に電気的に接続するように構成されている、
請求項16に記載の基板処理装置。
【請求項18】
前記導体部の上端は、周方向に延びる凹部を提供し、
前記コンタクト機構は、弾性を有する別のコンタクト部材を含み、
前記別のコンタクト部材は、前記導体部の前記凹部の中で周方向に延びており、前記導体部に電気的に接続されており、
前記別のコンタクト部材は、前記凹部の中で前記側壁部の前記下端に弾性的に接触することにより、前記内壁部材を該別のコンタクト部材を介して前記導体部に電気的に接続するように構成されている、
請求項16に記載の基板処理装置。
【請求項19】
前記コンタクト機構は、
前記側壁部の下端及び前記導体部の上端のうち一方に取り付けられた複数の雄コネクタと、
前記側壁部の下端及び前記導体部の上端のうち他方に取り付けられた複数の雌コネクタと、
を含み、
前記コンタクト機構は、前記複数の雄コネクタの各々と前記複数の雌コネクタのうち対応の雌コネクタを互いに結合することにより前記内壁部材を前記導体部に電気的に接続するように構成されている、請求項16に記載の基板処理装置。
【請求項20】
前記コンタクト機構は、前記側壁部の前記下端が提供する下面に当接可能に設けられた別のコンタクト部材を含み、
前記コンタクト機構は、前記別のコンタクト部材を前記側壁部の前記下面に押し付けることにより、前記内壁部材を前記別のコンタクト部材を介して前記導体部に電気的に接続するように構成されている、請求項16に記載の基板処理装置。
【請求項21】
前記コンタクト機構は、流体の圧力により、前記別のコンタクト部材を前記側壁部の前記下面に押し付けるように構成されている、請求項20に記載の基板処理装置。
【請求項22】
前記コンタクト機構は、前記別のコンタクト部材を前記側壁部の前記下面に押し付けるように構成された圧電素子を更に含む、請求項20に記載の基板処理装置。
【請求項23】
前記支持部材は容量結合型プラズマ処理装置の上部電極を構成する、請求項1~9の何れか一項に記載の基板処理装置。
【請求項24】
前記導体部は、その中に、該導体部の中心軸線に対して周方向に沿って延びる空洞と該空洞と該導体部の外側の空間との間で延びる開口を提供し、
前記コンタクト機構は、
前記空洞の中に設けられた膨張可能シールと、
前記空洞の中で前記膨張可能シールと前記開口を画成する前記導体部の壁との間に設けられた第1部分及び該第1部分から前記開口の中に延びる第2部分を含み、導電性材料から形成された押圧体と、
導電性材料から形成されており、前記第1部分と前記導体部の前記壁の間に設けられた弾性体と、
前記膨張可能シールにエアを供給するように構成されたエア供給部と、
を含み、
前記押圧体は、前記エア供給部からの前記エアによって前記膨張可能シールが膨張することにより、前記弾性体を前記第1部分と前記導体部の前記壁との間で挟持し、前記第2部分の先端を前記側壁部の前記下端の内周面に当接させさせるように構成されている、
請求項16に記載の基板処理装置。
【請求項25】
前記第2部分の前記先端はコンタクトバンドから形成されている、請求項24に記載の基板処理装置。
【請求項26】
前記弾性体は、斜め巻きコイルスプリングである、請求項24に記載の基板処理装置。
【請求項27】
筒形状を有し、前記基板支持器の外周に沿って延在し、接地された導体部であり、前記チャンバの底部の上方で、水平方向にスライド可能に設けられた、該導体部を更に備え、
前記導体部の頂部の外周面は、テーパー状の面であり、
前記側壁部の下端の内周面は、前記導体部の頂部の外周面に対応するテーパー状の面であり、
前記導体部の前記頂部の前記外周面と前記側壁部の前記下端の前記内周面とが直接的又は間接的に接触するように構成されている、
請求項15に記載の基板処理装置。
【請求項28】
前記導体部の前記頂部の前記外周面上に設けられたコンタクトバンドを更に備える、請求項27に記載の基板処理装置。
【請求項29】
前記チャンバの前記底部と該底部に螺合されたボルトの頭部との間に配置されたスラストベアリングを更に備え、
前記導体部は、前記チャンバの前記底部の上方でスラストベアリングを介してスライド可能に支持されている、
請求項27に記載の基板処理装置。
【請求項30】
基板処理装置のチャンバの外部から該チャンバの内部に、該チャンバの側壁に設けられた開口を介して、搬送アームにより内壁部材を搬入する工程であり、該基板処理装置は、前記チャンバ、該チャンバ内に設けられた基板支持器、及び該基板支持器の上方に設けられた支持部材を備え、該内壁部材は、前記基板支持器の上方且つ前記支持部材の下に配置可能な天部を含む、該工程と、
前記支持部材及び前記内壁部材のうち一方の部材を鉛直方向に沿って移動させることにより前記支持部材に対して前記内壁部材を着脱可能に固定する工程であり、前記支持部材及び前記内壁部材のうち一方の部材に取り付けられたコンタクト部材が前記支持部材及び前記内壁部材のうち他方の部材に対して水平方向のばね反力を発揮することにより、前記支持部材に対して前記内壁部材が固定される、該工程と、
を含む基板処理装置のメンテナンス方法。
【請求項31】
基板処理装置のチャンバの外部から該チャンバの内部に、該チャンバの側壁に設けられた開口を介して、搬送アームを進入させる工程であり、該基板処理装置は、前記チャンバ、該チャンバ内に設けられた基板支持器、該基板支持器の上方に設けられた支持部材、前記基板支持器の上方且つ前記支持部材の下に配置された天部を含む内壁部材、及び、前記支持部材及び前記内壁部材のうち一方の部材に取り付けられたコンタクト部材であり、前記支持部材及び前記内壁部材のうち他方の部材に対して水平方向のばね反力を発揮することにより、前記支持部材に対して前記内壁部材を着脱可能に固定するように構成された該コンタクト部材を備える、該工程と、
前記コンタクト部材による前記内壁部材の固定を解除するようアクチュエータにより前記内壁部材を下方に移動させることにより、前記搬送アームに前記内壁部材を受け渡す工程と、
前記チャンバの内部から前記チャンバの外部に前記開口を介して前記内壁部材を搬出する工程と、
を含む基板処理装置のメンテナンス方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の例示的実施形態は、基板処理装置及び基板処理装置のメンテナンス方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
基板処理装置が、基板に対する処理に用いられている。基板処理装置は、チャンバ及び基板支持器を備える。基板支持器は、チャンバ内で基板を支持する。基板は、チャンバ内で処理される。基板処理装置の一種であるプラズマ処理装置では、基板は、チャンバ内で処理ガスから生成されたプラズマからの化学種により処理される。下記の特許文献1は、このようなプラズマ処理装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-197849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、基板処理装置の内壁部材を容易にメンテナンスすることを可能とする技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの例示的実施形態において、基板処理装置が提供される。基板処理装置は、チャンバ、基板支持器、支持部材、内壁部材、コンタクト部材、及びアクチュエータを備える。チャンバは、開口を提供する側壁を含む。基板支持器は、チャンバ内に設けられている。支持部材は、基板支持器の上方に設けられている。内壁部材は、基板支持器の上方且つ支持部材の下に配置可能な天部を含む。コンタクト部材は、支持部材及び内壁部材のうち一方の部材に取り付けられている。コンタクト部材は、支持部材及び内壁部材のうち他方の部材に対して水平方向のばね反力を発揮することにより、支持部材に対して内壁部材を着脱可能に固定するように構成されている。アクチュエータは、支持部材に対する内壁部材の固定を解除するよう内壁部材を下方に移動させるように構成されている。
【発明の効果】
【0006】
一つの例示的実施形態によれば、基板処理装置の内壁部材を容易にメンテナンスすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一つの例示的実施形態に係る基板処理システムを示す図である。
図2】一つの例示的実施形態に係る基板処理装置を概略的に示す図である。
図3】一つの例示的実施形態に係る基板処理装置の部分拡大断面図である。
図4】一つの例示的実施形態に係る基板処理装置の部分拡大断面図である。
図5】一つの例示的実施形態に係る基板処理装置における一例のコンタクト部材を示す平面図である。
図6】一つの例示的実施形態に係る基板処理装置における別の例のコンタクト部材を示す平面図である。
図7】一つの例示的実施形態に係るメンテナンス方法が行われているときの基板処理装置の状態を示す図である。
図8】一つの例示的実施形態に係るメンテナンス方法が行われているときの基板処理装置の状態を示す図である。
図9】一つの例示的実施形態に係るメンテナンス方法が行われているときの基板処理装置の状態を示す図である。
図10】一つの例示的実施形態に係るメンテナンス方法が行われているときの基板処理装置の状態を示す図である。
図11】一つの例示的実施形態に係るメンテナンス方法が行われているときの基板処理装置の状態を示す図である。
図12】一つの例示的実施形態に係るメンテナンス方法が行われているときの基板処理装置の状態を示す図である。
図13】別の例示的実施形態に係る支持部材、内壁部材、及びコンタクト部材の部分拡大断面図である。
図14】更に別の例示的実施形態に係る支持部材、内壁部材、及びコンタクト部材の部分拡大断面図である。
図15】更に別の例示的実施形態に係る支持部材、内壁部材、及びコンタクト部材の部分拡大断面図である。
図16】別の例示的実施形態に係る基板処理装置を概略的に示す図である。
図17】更に別の例示的実施形態に係る基板処理装置を概略的に示す図である。
図18図18(a)及び図18(b)の各々は、更に別の例示的実施形態に係る基板処理装置におけるコンタクト機構の一部を拡大して示す平面図である。
図19】更に別の例示的実施形態に係る基板処理装置を概略的に示す図である。
図20】更に別の例示的実施形態に係る基板処理装置におけるコンタクト機構の部分拡大断面図である。
図21】更に別の例示的実施形態に係る基板処理装置を概略的に示す図である。
図22】更に別の例示的実施形態に係る基板処理装置におけるコンタクト機構の一部を拡大して示す斜視図である。
図23】更に別の例示的実施形態に係る基板処理装置を概略的に示す図である。
図24】更に別の例示的実施形態に係る基板処理装置におけるコンタクト機構の部分拡大断面図である。
図25】更に別の例示的実施形態に係るコンタクト機構の部分拡大断面図である。
図26】更に別の例示的実施形態に係る基板処理装置を概略的に示す図である。
図27図27の(a)及び図27の(b)の各々は、更に別の例示的実施形態に係る基板処理装置におけるコンタクト機構の部分拡大断面図である。
図28】更に別の例示的実施形態に係る基板処理装置を概略的に示す図である。
図29】更に別の例示的実施形態に係る基板処理装置の部分拡大断面図である。
図30】更に別の例示的実施形態に係る基板処理装置の部分拡大断面図である。
図31】更に別の例示的実施形態に係る基板処理装置の部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して種々の例示的実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
【0009】
図1は、一つの例示的実施形態に係る基板処理システムを示す図である。図1に示す基板処理システムPSは、プロセスモジュールPM1~PM6、搬送モジュールCTM、及び制御部MCを備えている。
【0010】
基板処理システムPSは、台2a~2d、容器4a~4d、アライナAN、ロードロックモジュールLL1,LL2、及び搬送モジュールTMを更に備えていてもよい。なお、基板処理システムPSにおける台の個数、容器の個数、ロードロックモジュールの個数は一つ以上の任意の個数であり得る。また、基板処理システムPSにおけるプロセスモジュールの個数は、一つ以上の任意の個数であり得る。
【0011】
台2a~2dは、ローダモジュールLMの一縁に沿って配列されている。容器4a~4dはそれぞれ、台2a~2d上に搭載されている。容器4a~4dの各々は、例えば、FOUP(Front Opening Unified Pod)と称される容器である。容器4a~4dの各々は、その内部に基板Wを収容するように構成されている。
【0012】
ローダモジュールLMは、チャンバを有する。ローダモジュールLMのチャンバ内の圧力は、大気圧に設定される。ローダモジュールLMは、搬送装置TU1を有する。搬送装置TU1は、例えば搬送ロボットであり、制御部MCによって制御される。搬送装置TU1は、ローダモジュールLMのチャンバを介して基板Wを搬送するように構成されている。搬送装置TU1は、容器4a~4dの各々とアライナANとの間、アライナANとロードロックモジュールLL1,LL2の各々との間、ロードロックモジュールLL1,LL2の各々と容器4a~4dの各々との間で、基板Wを搬送し得る。アライナANは、ローダモジュールLMに接続されている。アライナANは、基板Wの位置の調整(位置の較正)を行うように構成されている。
【0013】
ロードロックモジュールLL1及びロードロックモジュールLL2の各々は、ローダモジュールLMと搬送モジュールTMとの間に設けられている。ロードロックモジュールLL1及びロードロックモジュールLL2の各々は、予備減圧室を提供している。ロードロックモジュールLL1及びロードロックモジュールLL2の各々は、ゲートバルブを介して、ローダモジュールLMに接続されている。また、ロードロックモジュールLL1及びロードロックモジュールLL2の各々は、ゲートバルブを介して搬送モジュールTMに接続されている。
【0014】
搬送モジュールTMは、減圧可能な搬送チャンバTCを有している。搬送モジュールTMは、搬送装置TU2を有している。搬送装置TU2は、例えば搬送ロボットであり、制御部MCによって制御される。搬送装置TU2は、搬送チャンバTCを介して基板Wを搬送するように構成されている。搬送装置TU2は、ロードロックモジュールLL1,LL2の各々とプロセスモジュールPM1~PM6の各々との間、及び、プロセスモジュールPM1~PM6のうち任意の二つのプロセスモジュールの間において、基板Wを搬送し得る。
【0015】
プロセスモジュールPM1~PM6の各々は、ゲートバルブを介して搬送モジュールTMに接続されている。プロセスモジュールPM1~PM6の各々は、専用の基板処理を行うように構成された装置である。プロセスモジュールPM1~PM6のうち少なくとも一つのプロセスモジュールは、後述する例示的実施形態に係る基板処理装置である。
【0016】
搬送モジュールCTMは、チャンバ及び搬送装置を有している。搬送モジュールCTMは、制御部MCによって制御される。搬送モジュールCTMは、基板処理装置のチャンバに接続するために移動可能であるように構成されている。また、搬送モジュールCTMは、基板処理装置のチャンバの内部空間と搬送モジュールCTMのチャンバの内部空間とを、これら内部空間が減圧された状態で互いに接続するように構成されている。搬送モジュールCTMの搬送装置は、搬送アームCA(図7を参照)を有する。搬送アームCAは、基板処理装置のチャンバの内部空間と外部(一例では搬送モジュールCTMのチャンバの内部空間)との間で、基板処理装置の内壁部材を搬送するように構成されている。
【0017】
制御部MCは、基板処理システムPSの各部を制御するように構成されている。制御部MCは、プロセッサ、記憶装置、入力装置、表示装置等を備えるコンピュータであり得る。制御部MCは、記憶装置に記憶されている制御プログラムを実行し、当該記憶装置に記憶されているレシピデータに基づいて基板処理システムPSの各部を制御する。後述する例示的実施形態に係るメンテナンス方法は、制御部MCによる基板処理システムPSの各部の制御により、基板処理システムPSにおいて実行され得る。
【0018】
以下、図2図4を参照して、例示的実施形態に係る基板処理装置について説明する。図2は、一つの例示的実施形態に係る基板処理装置を概略的に示す図である。図3及び図4の各々は、一つの例示的実施形態に係る基板処理装置の部分拡大断面図である。図2図4に示す基板処理装置1は、基板処理システムPSの一つ以上のプロセスモジュールとして用いられ得る。
【0019】
基板処理装置1は、容量結合型のプラズマ処理装置である。基板処理装置1は、チャンバ10、基板支持器12、支持部材14、内壁部材16、一つ以上のコンタクト部材18、及びアクチュエータ20を備える。
【0020】
チャンバ10は、その内部に内部空間を提供している。チャンバ10は、アルミニウムといった金属から形成されている。チャンバ10は、電気的に接地されている。チャンバ10の表面上には、耐腐食性の膜が形成されていてもよい。耐腐食性の膜は、例えば、酸化アルミニウム又は酸化イットリウムといった材料から形成される。
【0021】
チャンバ10は、側壁10sを含んでいる。側壁10sは、略円筒形状を有している。側壁10sの中心軸線は、鉛直方向に延びており、図2においては軸線AXとして示されている。側壁10sは、通路10pを提供している。チャンバ10の内部空間は、通路10pを介して搬送モジュールTMの搬送チャンバTCの内部空間と接続される。通路10pは、ゲートバルブ10gによって開閉可能である。基板Wは、チャンバ10の内部空間とチャンバ10の外部(即ち、搬送チャンバTCの内部空間)との間で搬送されるときに、通路10pを通過する。
【0022】
側壁10sは、開口10oを更に提供している。開口10oは、内壁部材16が通過可能なサイズを有している。チャンバ10の内部空間は、開口10oを介して搬送モジュールCTMのチャンバの内部空間と接続可能である。開口10oは、ゲートバルブ10vによって開閉可能である。
【0023】
チャンバ10は、上部10uを更に含んでいてもよい。上部10uは、側壁10sの上端から軸線AXに交差する方向に延在している。上部10uは、軸線AXに交差する領域において開口を提供している。
【0024】
基板処理装置1は、排気装置11を更に備えている。排気装置11は、自動圧力制御弁といった圧力調整器及びターボ分子ポンプといった減圧ポンプを含んでいる。排気装置11は、チャンバ10の底部を通ってチャンバ10の内部空間に接続されている。
【0025】
基板支持器12は、チャンバ10内に設けられている。基板支持器12は、その上に載置される基板Wを支持するように構成されている。基板支持器12は、基台22及び静電チャック24を含んでいてもよい。基台22は、略円盤形状を有している。基台22の中心軸線は、軸線AXに略一致している。基台22は、アルミニウムといった導体から形成されている。基台22は、その中に流路22fを提供している。流路22fは、例えば渦巻き状に延在している。流路22fは、チラーユニット23に接続されている。チラーユニット23は、チャンバ10の外部に設けられている。チラーユニット23は、熱媒体(例えば冷媒)を流路22fに供給する。流路22fに供給された熱媒体は、流路22fの中を流れてチラーユニット23に戻される。
【0026】
静電チャック24は、基台22上に設けられている。静電チャック24は、本体とチャック電極を含んでいる。静電チャック24の本体は、略円盤形状を有している。静電チャック24の中心軸線は、軸線AXと略一致している。静電チャック24の本体は、セラミックから形成されている。基板Wは、静電チャック24の本体の上面の上に載置される。チャック電極は、導体から形成された膜である。チャック電極は、静電チャック24の本体内に設けられている。チャック電極は、スイッチを介して直流電源に接続されている。直流電源からの電圧がチャック電極に印加されると、静電チャック24と基板Wとの間で静電引力が発生する。発生した静電引力により、基板Wは静電チャック24に引き付けられ、静電チャック24によって保持される。基板処理装置1は、静電チャック24と基板Wの裏面との間の間隙に、伝熱ガス(例えば、ヘリウムガス)を供給するガスラインを提供していてもよい。
【0027】
基板支持器12は、その上に配置されるエッジリングERを更に支持していてもよい。基板Wは、エッジリングERによって囲まれた領域内で静電チャック24上に載置される。エッジリングERは、例えばシリコン、石英、又は炭化ケイ素から形成される。
【0028】
基板処理装置1は、絶縁部26を更に備えていてもよい。絶縁部26は、石英といった絶縁体から形成されている。絶縁部26は、略筒形状を有し得る。絶縁部26は、基台22の外周及び静電チャック24の外周に沿って延在している。
【0029】
基板処理装置1は、導体部28を更に備えていてもよい。導体部28は、アルミニウムといった導体から形成されている。導体部28は、略筒形状を有し得る。導体部28は、絶縁部26の外周面に沿って延在している。導体部28は、絶縁部26の径方向外側で周方向に延在している。なお、径方向及び周方向の各々は、軸線AXを基準とする方向である。導体部28は、グランドに接続されている。一例では、導体部28は、チャンバ10を介してグランドに接続されている。導体部28は、チャンバ10の一部であってもよい。
【0030】
基板処理装置1は、高周波電源31及びバイアス電源32を更に備えていてもよい。高周波電源31は、ソース高周波電力を発生する電源である。ソース高周波電力は、プラズマの生成に適した周波数を有する。ソース高周波電力の周波数は、例えば27MHz以上である。高周波電源31は、整合器31mを介して基板支持器12内の電極に電気的に接続されている。高周波電源31は、基台22に電気的に接続されていてもよい。整合器31mは、高周波電源31の負荷側のインピーダンスを高周波電源31の出力インピーダンスに整合させるための整合回路を有している。なお、高周波電源31は、基板支持器12内の別の電極に電気的に接続されていてもよい。或いは、高周波電源31は、上部電極に整合器31mを介して接続されていてもよい。
【0031】
バイアス電源32は、電気バイアスエネルギーを発生する電源である。電気バイアスエネルギーは、プラズマから基板Wにイオンを引き込むために基板支持器12の電極に供給される。電気バイアスエネルギーは、バイアス高周波電力であってもよい。バイアス高周波電力の波形は、バイアス周波数を有する正弦波である。バイアス周波数は、例えば13.56MHz以下である。この場合に、バイアス電源32は、整合器32mを介して基板支持器12の電極に電気的に接続されている。バイアス電源32は、基台22に電気的に接続されていてもよい。整合器32mは、バイアス電源32の負荷側のインピーダンスをバイアス電源32の出力インピーダンスに整合させるための整合回路を有している。なお、バイアス電源32は、基板支持器12内の別の電極に電気的に接続されていてもよい。
【0032】
或いは、電気バイアスエネルギーは、上述のバイアス周波数の逆数の時間間隔で周期的に発生される電圧のパルスであってもよい。電圧のパルスは、負の極性を有していてもよい。電圧のパルスは、負の直流電圧から生成されるパルスであってもよい。
【0033】
支持部材14は、基板支持器12の上方に設けられている。支持部材14は、チャンバ10の上部10uの下方、且つ、側壁10sの内側に設けられている。支持部材14は、チャンバ10内で上方及び下方に移動可能であるように構成されている。
【0034】
基板処理装置1は、リフト機構34を更に備えていてもよい。リフト機構34は、支持部材14を上方及び下方に移動させるように構成されている。リフト機構34は、支持部材14を移動させるための動力を発生する駆動装置(例えば、モータ)を含む。リフト機構34は、チャンバ10の外部且つ上部10uの上又は上方に設けられていてもよい。
【0035】
基板処理装置1は、ベローズ36を更に備えていてもよい。ベローズ36は、支持部材14と上部10uとの間に設けられている。ベローズ36は、チャンバ10の内部空間をチャンバ10の外部から分離している。ベローズ36の下端は、支持部材14に固定されている。ベローズ36の上端は、上部10uに固定されている。
【0036】
支持部材14は、略円盤形状を有している。支持部材14の中心軸線は、軸線AXである。支持部材14は、アルミニウムのような導体から形成されている。一実施形態において、支持部材14は、容量結合型プラズマ処理装置における上部電極を構成していてもよい。支持部材14は、高周波電源31が基板支持器12内の電極に電気的に接続されている場合には、接地され得る。この場合において、支持部材14は、接続部材37を介してチャンバ10の内壁面に接触していてもよい。
【0037】
一実施形態において、支持部材14は、内壁部材16の後述する天部と共にシャワーヘッドを構成してもよい。シャワーヘッドは、チャンバ10内(又は後述する処理空間S)にガスを供給するように構成されている。この実施形態において、支持部材14は、ガス拡散室14d及び複数のガス孔14hを提供する。
【0038】
ガス拡散室14dは、支持部材14の中に提供されている。ガス拡散室14dには、ガス供給部38が接続されている。ガス供給部38は、チャンバ10の外部に設けられている。ガス供給部38は、基板処理装置1において用いられる一つ以上のガスのソース、一つ以上の流量制御器、及び一つ以上のバルブを含む。一つ以上のガスのソースの各々は、対応の流量制御器及び対応のバルブを介して、ガス拡散室14dに接続されている。複数のガス孔14hは、ガス拡散室14dから下方に延びている。
【0039】
一実施形態において、支持部材14は、その中に流路14fを提供していてもよい。流路14fは、チラーユニット40に接続されている。チラーユニット40は、チャンバ10の外部に設けられている。チラーユニット40は、熱媒体(例えば冷媒)を流路14fに供給する。流路14fに供給された熱媒体は、流路14fの中を流れてチラーユニット40に戻される。
【0040】
内壁部材16は、チャンバ10の内部と外部との間で搬送可能であるように構成されている。内壁部材16は、搬送アームCAにより開口10oを介してチャンバ10の内部と外部との間で搬送されてもよい。
【0041】
内壁部材16は、シリコン、炭化ケイ素、又はアルミニウムのような金属から形成されている。内壁部材16の表面上には、耐腐食性の膜が形成されていてもよい。耐腐食性の膜は、例えば、酸化アルミニウム又は酸化イットリウムといった材料から形成される。
【0042】
内壁部材16は、基板支持器12の上方且つ支持部材14の下に配置可能な天部16cを含む。天部16cは、板状であり、且つ、略円盤形状を有する。天部16cは、チャンバ10内では、その中心軸線が軸線AX上に位置するように配置される。天部16cは、チャンバ10の中では、支持部材14の直下に配置されてもよい。或いは、伝熱シート42が、図3に示すように、支持部材14の下面と内壁部材16の天部16cとの間で挟持されていてもよい。
【0043】
上述したように、天部16cは、支持部材14と共にシャワーヘッドを提供していてもよい。この場合に、天部16cは、複数のガス孔16hを提供する。複数のガス孔16hは、天部16cを貫通している。天部16cは、複数のガス孔16hがそれぞれ複数のガス孔14hに連通するように、チャンバ10内に配置される。上述したガス供給部38からのガスは、ガス拡散室14d、複数のガス孔14h、及び複数のガス孔16hを介して、チャンバ10内(又は処理空間S)に供給される。
【0044】
一実施形態において、内壁部材16は、側壁部16sを更に含んでいてもよい。側壁部16sは、略筒形状を有しており、天部16cの周縁部から下方に延びている。側壁部16sは、チャンバ10内では、その中心軸線が軸線AX上に位置するように配置される。内壁部材16は、基板支持器12上に載置される基板Wがその中で処理される処理空間Sを基板支持器12と共に形成し得る。この場合において、側壁部16sの下端は、導体部28に接触するように構成されていてもよい。
【0045】
側壁部16sは、複数の貫通孔を提供していてもよい。側壁部16sの複数の貫通孔は、処理空間Sと側壁部16sの外側の空間とを互いに連通させている。処理空間S内のガスは、側壁部16sの複数の貫通孔及び側壁部16sの外側の空間を介して排気装置11によって排気される。
【0046】
以下、図2図4と共に、図5及び図6を参照する。図5は、一つの例示的実施形態に係る基板処理装置における一例のコンタクト部材を示す平面図である。図6は、一つの例示的実施形態に係る基板処理装置における別の例のコンタクト部材を示す平面図である。基板処理装置1は、一つ以上のコンタクト部材として、複数のコンタクト部材18を備えていてもよい。
【0047】
複数のコンタクト部材18は、金属等の導体から形成され得る。複数のコンタクト部材18は、支持部材14及び内壁部材16のうち一方の部材に取り付けられる。複数のコンタクト部材18の各々は、支持部材14及び内壁部材16のうち他方の部材が一方の部材と組み合わされるときに、他方の部材によって水平方向に変形されて、他方の部材に対して水平方向のばね反力を発揮する。これにより、複数のコンタクト部材18は、支持部材14に対して内壁部材16を着脱可能に固定する。
【0048】
図2図4に示す実施形態においては、複数のコンタクト部材18は、支持部材14に取り付けられている。複数のコンタクト部材18は、内壁部材16が支持部材14と組み合わされるときに、内壁部材16によって水平方向に変形されて、内壁部材16に対して水平方向のばね反力を発揮する。これにより、複数のコンタクト部材18は、支持部材14に対して内壁部材16を着脱可能に固定する。
【0049】
一実施形態において、支持部材14の下面14bは、複数の凹部14rを提供していてもよい。複数の凹部14rは、下方に向けて開口している。また、天部16cの上面16tは、複数の凹部16rを提供していてもよい。複数の凹部16rは、上方に向けて開口している。複数のコンタクト部材18の各々は、第1の部分181及び第2の部分182を含んでいてもよい。第1の部分181は、支持部材14の対応の凹部14rに嵌め込まれる。第2の部分182は、第1の部分181から下方に延びており、ばねを有する。第2の部分182のばねは、天部16cの対応の凹部16rに嵌め込まれることにより、ばね反力を発揮する。
【0050】
一実施形態において、複数のコンタクト部材18は、支持部材14から着脱可能であるように構成されていてもよい。第1の部分181は、コンタクト部材18を支持部材14から取り外すときに、その水平方向への変形により対応の凹部14rから取り出し可能であるように弾性を有する。一実施形態において、支持部材14の複数の凹部14rの各々は、その下端開口において狭められていてもよい。
【0051】
一実施形態において、第1の部分181は、軸線AXを含む任意の断面において、弧状をなしていてもよく、その内部は空洞であってもよい。また、第1の部分181は、その下端において開口されていてもよい。かかる第1の部分181は、水平方向に弾性を有する。第1の部分181は、水平方向に縮小された状態で複数の凹部14rそれぞれの下端開口を通過して、対応の凹部14rから取り出される。
【0052】
一実施形態において、第2の部分182は、第1の部分181の下端から下方に延びており、板ばねを提供するようにその下端から斜め上方へ延びていてもよい。第2の部分182は、その下端において開口を提供していてもよい。第2の部分182は、天部16cの対応の凹部16rに嵌め込まれると、凹部16rを画成する壁面により水平方向に縮小されて、当該壁面に対してばね反力を発揮する。これにより、複数のコンタクト部材18は、支持部材14に対して内壁部材16を着脱可能に固定する。
【0053】
一実施形態においては、図5に示すように、複数のコンタクト部材18は、周方向に延びる環形状を有していてもよい。この実施形態においては、複数の凹部14r及び複数の凹部16rの各々も、周方向に延びる環形状を有する。なお、この実施形態では、チャンバ10内で支持部材14に対して内壁部材16が固定されている状態では、複数のコンタクト部材18、複数の凹部14r、及び複数の凹部16rは、軸線AXの周りで周方向に延びる。
【0054】
別の実施形態においては、複数のコンタクト部材18は、図6に示すように、一つの円又は複数の同心円に沿って配列されていてもよい。この実施形態においては、複数の凹部14r及び複数の凹部16rの各々も、一つの円又は複数の同心円に沿って配列される。なお、この実施形態では、チャンバ10内で支持部材14に対して内壁部材16が固定されている状態では、複数のコンタクト部材18、複数の凹部14r、及び複数の凹部16rは、軸線AXの周りで周方向に沿って配列される。
【0055】
再び図2図4を参照する。アクチュエータ20は、支持部材14に対する内壁部材16の固定を解除するために、内壁部材16を下方に移動させるように構成されている。一実施形態において、アクチュエータ20は、駆動装置20dを含む。アクチュエータ20は、複数のロッド20rを含んでいてもよい。
【0056】
駆動装置20dは、チャンバ10の外部に設けられている。駆動装置20dは、その駆動シャフト20mを上下に移動させる動力を発生する。駆動装置20dは、エアシリンダのような動力シリンダ又はモータを含んでいてもよい。駆動装置20dは、チャンバ10の外部において支持部材44に固定されている。
【0057】
複数のロッド20rは、駆動シャフト20mに結合されている。複数のロッド20rは、駆動シャフト20mから下方に延びている。複数のロッド20rは、軸線AXの周りで周方向に沿って配列されている。複数のロッド20rは、等間隔に配列され得る。
【0058】
支持部材14は、鉛直方向に延びる複数の貫通孔を提供している。複数の貫通孔は、支持部材14の上面からガス拡散室14dを通って支持部材14の下面まで支持部材14を貫通している。複数のロッド20rは、支持部材14の複数の貫通孔の中に挿入されている。支持部材14と複数のロッド20rの各々との間には、Oリングのような封止部材48が設けられている。また、複数のロッド20rは、ガス拡散室14d内においては、筒状部材46の内孔の中を通っている。
【0059】
複数のロッド20rは、駆動装置20dによって上下に移動される。複数のロッド20rは、内壁部材16が支持部材14に対して固定されている状態では、それらの下端が内壁部材16の天部16cの上面16tと同一水平レベル又は上面16tよりも上方に位置するように、配置される。複数のロッド20rは、内壁部材16を支持部材14から取り外す際には、それらの下端を内壁部材16の天部16cの上面16tに当接させた状態で内壁部材16を下方に移動させるように駆動装置20dによって移動される。
【0060】
基板処理装置1によれば、複数のコンタクト部材18は、内壁部材16によって変形されることにより内壁部材16に対して水平方向にばね反力を発揮する。これにより、内壁部材16が支持部材14に対して固定される。また、複数のコンタクト部材18のばね反力に抗してアクチュエータ20によって内壁部材16を下方に移動させることにより、支持部材14に対する内壁部材16の固定が容易に解除される。支持部材14に対するその固定が解除された内壁部材16は、チャンバ10の側壁10sの開口10oを介してチャンバ10の内部から外部に搬出可能である。したがって、基板処理装置1によれば、内壁部材16を容易にメンテナンスすることが可能である。
【0061】
なお、基板処理装置1は、単一のコンタクト部材18を含んでいてもよい。この場合には、凹部14r及び凹部16rの各々の個数は、一つである。
【0062】
以下、図7図12を参照しつつ、一つの例示的実施形態に基板処理装置のメンテナンス方法について説明する。図7図12の各々は、一つの例示的実施形態に係るメンテナンス方法が行われているときの基板処理装置の状態を示す図である。メンテナンス方法においては、基板処理システムPSの各部は、制御部MCによって制御される。
【0063】
メンテナンス方法では、複数のコンタクト部材18が、支持部材14及び内壁部材16のうち一方の部材に取り付けられる。メンテナンス方法が基板処理装置1に適用される場合には、支持部材14に複数のコンタクト部材18が取り付けられる。具体的には、図7に示すように、ベース50が、チャンバ10の外部から搬送アームCAによってチャンバ10内に搬入される。ベース50は、その上面において複数の凹部を提供している。複数のコンタクト部材18の第2の部分182は、ベース50の複数の凹部の中に嵌め込まれている。ベース50は、複数のコンタクト部材18が支持部材14の複数の凹部14rの下方にそれぞれ位置するようにチャンバ10内に搬送される。
【0064】
次いで、搬送アームCAが上方に移動されるか、リフト機構34により支持部材14が下方に移動される。その結果、図8に示すように、複数のコンタクト部材18の第1の部分181が支持部材14の複数の凹部14rの中に嵌め込まれて、複数のコンタクト部材18が支持部材14に取り付けられる。しかる後に、搬送アームCAは、チャンバ10の内部から外部に退避する。
【0065】
次いで、搬送アームCAにより内壁部材16がチャンバ10の外部からチャンバ10の内部に開口10oを介して搬入される。次いで、支持部材14又は内壁部材16が鉛直方向に沿って移動される。即ち、支持部材14がリフト機構34により下方に移動されるか、内壁部材16が搬送アームCAにより上方に移動される。その結果、図9に示すように、支持部材14に対して内壁部材16が着脱可能に固定される。
【0066】
複数のコンタクト部材18は、支持部材14及び内壁部材16のうち他方の部材によって水平方向に変形され、当該他方の部材に対してばね反力を発揮する。他方の部材は、基板処理装置1では、内壁部材16である。具体的に、複数のコンタクト部材18の各々の第2の部分182は、対応の凹部16rに嵌め込まれて水平方向に縮小し、対応の凹部16rを画成する壁面に対してばね反力を発揮する。これにより、支持部材14に対して内壁部材16が固定される。支持部材14に対して内壁部材16が固定された後には、搬送アームCAは、チャンバ10の内部から外部に退避する。
【0067】
メンテナンス方法では、内壁部材16が、そのメンテナンス(例えば、その交換)のために、チャンバ10の内部からチャンバ10の外部に搬出される。このため、搬送アームCAが、チャンバ10の外部からチャンバ10の内部に開口10oを介して進入する。
【0068】
次いで、アクチュエータ20により内壁部材16が複数のコンタクト部材18のばね反力に抗して下方に移動される。これにより、複数のコンタクト部材18による内壁部材16の固定が解除される。下方に移動された内壁部材16は、図10に示すように、搬送アームCAに受け渡される。次いで、内壁部材16が、チャンバ10の内部からチャンバ10の外部に開口10oを介して搬送アームCAにより搬出される。
【0069】
メンテナンス方法では、複数のコンタクト部材18がそれらのメンテナンス(例えば、それらの交換)のために取り外されてもよい。このため、図11に示すように、ベース54が搬送アームCAによりチャンバ10の外部からチャンバ10の内部に開口10oを介して搬入される。ベース54は、その上面において複数の凹部54rを提供している。複数の凹部54rの各々は、その上端開口において突出部54pにより狭められている。ベース54は、複数の凹部54rが複数のコンタクト部材18の下方に位置するように、配置される。
【0070】
次いで、搬送アームCAが上方に移動されるか、リフト機構34により支持部材14が下方に移動される。その結果、複数のコンタクト部材18の各々の第2の部分182が、対応の凹部54rの中に嵌め込まれる。複数のコンタクト部材18の各々の第2の部分182は、対応の凹部54rの上端開口を通過した後に、当該上端開口の幅よりも大きい幅を有するように、拡張する。次いで、搬送アームCAが下方に移動されるか、リフト機構34により支持部材14が上方に移動される。その結果、図12に示すように、複数のコンタクト部材18が、支持部材14から取り外されて、ベース54に受け渡される。しかる後に、複数のコンタクト部材18は、搬送アームCAにより、チャンバ10の内部からチャンバ10の外部に搬出される。
【0071】
以下、図13を参照して、別の例示的実施形態に係る支持部材、内壁部材、及びコンタクト部材について、説明する。図13は、別の例示的実施形態に係る支持部材、内壁部材、及びコンタクト部材の部分拡大断面図である。図13に示す実施形態の支持部材、内壁部材、及びコンタクト部材は、基板処理装置1において採用され得る。
【0072】
図13に示す実施形態において、天部16cの上面16tは、複数の凸部16pを提供している。複数の凸部16pは、天部16cの上面16tの他の部分よりも上方に突き出している。また、図13に示す実施形態において、支持部材14の下面14bは、複数の凹部14rを提供している。複数の凹部14rは下方に向けて開口している。
【0073】
図13に示す実施形態において、複数のコンタクト部材18は、金属等の導体から形成され得る。複数のコンタクト部材18は、複数の凹部14r内で固定されている。複数の凹部14rの各々を画成する支持部材14の壁面は、雌ねじを提供していてもよい。複数のコンタクト部材18の各々の外周面は、雄ねじを提供していてもよい。複数のコンタクト部材18の各々は、対応の凹部14rの中で雌ねじに螺合されることにより、対応の凹部14r内で固定される。
【0074】
複数のコンタクト部材18の各々は、下方に向けて開口した凹部18rを提供している。複数のコンタクト部材18の各々は、ばね183を含んでいる。ばね183は、凹部18rの中に設けられている。ばね183の下端は、ばね183が水平方向に変形可能であるように、凹部18rを画成する壁面に直接的又は間接的に固定されている。対応の凸部16pが凹部18rの中に嵌め込まれると、ばね183は、水平方向に変形して、凸部16pに対して水平方向にばね反力を発揮する。これにより、内壁部材16は、支持部材14に対して固定される。図13に示す実施形態においても、内壁部材16をアクチュエータ20によって下方に移動させると、支持部材14に対する内壁部材16の固定が容易に解除される。
【0075】
図13に示すように、ばね183は、フローティング機構184により、凹部18rを画成する壁面に固定されていてもよい。フローティング機構184により、凸部16pの水平方向における位置ずれが、吸収される。
【0076】
以下、図14を参照して、別の例示的実施形態に係る支持部材、内壁部材、及びコンタクト部材について、説明する。図14は、更に別の例示的実施形態に係る支持部材、内壁部材、及びコンタクト部材の部分拡大断面図である。図14に示す実施形態の支持部材、内壁部材、及びコンタクト部材は、基板処理装置1において採用され得る。
【0077】
図14に示す実施形態において、支持部材14の下面14bは複数の凹部14rを提供している。複数の凹部14rは下方に向けて開口している。図14に示す実施形態において、天部16cの上面は、複数の凸部16pを提供している。複数の凸部16pは、上部161及び下部162を含んでいてもよい。上部161は、下部162の上に設けられている。上部161の幅は、下部162の幅よりも大きくてもよい。
【0078】
図14に示す実施形態において、複数のコンタクト部材18は、金属等の導体から形成され得る。複数のコンタクト部材18の各々は、対応の凸部16pを覆うように天部16cに固定される。複数のコンタクト部材18の各々は、カバー部185を含む。カバー部185は、その下端において開口された空洞を提供している。カバー部185は、その空洞内に収容された対応の凸部16pを覆う。その空洞を画成するカバー部185の壁面は、対応の凸部16pの上部161及び下部162の外面に接する。カバー部185は、対応の凸部16pに取り付けられる際には、その下端の開口が拡大された状態で、対応の凸部16pに被せされる。
【0079】
複数のコンタクト部材18の各々は、ばね186を更に含んでいる。ばね186は、カバー部185の側方に設けられている。ばね186の下端は、カバー部185の下端に固定されている。ばね186は、水平方向に変形可能であるように、カバー部185の下端から上方に延びている。複数のコンタクト部材18の各々と対応の凸部16pとが対応の凹部14rに嵌め込まれると、ばね186は水平方向に変形して、支持部材14に対して水平方向にばね反力を発揮する。これにより、内壁部材16が支持部材14に対して固定される。図14に示す実施形態においても、内壁部材16をアクチュエータ20によって下方に移動させると、支持部材14に対する内壁部材16の固定が容易に解除される。
【0080】
以下、図15を参照して、別の例示的実施形態に係る支持部材、内壁部材、及びコンタクト部材について、説明する。図15は、更に別の例示的実施形態に係る支持部材、内壁部材、及びコンタクト部材の部分拡大断面図である。図15に示す実施形態の支持部材、内壁部材、及びコンタクト部材は、基板処理装置1において採用され得る。
【0081】
図15に示す実施形態において、支持部材14の下面14bは、単一の凹部を提供している。支持部材14の下面14bが提供する凹部は、平面視において略円形である。図15に示す実施形態において、天部16cの上面16tは単一の凸部を提供している。天部16cの上面16tが提供する凸部は、平面視において略円形である。
【0082】
図15に示す実施形態において、コンタクト部材18は、スパイラルスプリングガスケットである。図15に示す実施形態において、コンタクト部材18は、金属等の導体から形成され得る。コンタクト部材18は、支持部材14の凹部を画成する内壁面に沿って周方向に延在するように設けられている。コンタクト部材18、即ちスパイラルスプリングガスケットは、天部16cの凸部が支持部材14の凹部に嵌め込まれることにより、天部16cの凸部の外周面と支持部材14の凹部を画成する内壁面との間で挟持される。これにより、コンタクト部材18は、水平方向において変形して、内壁部材16、即ち天部16cの凸部の外周面に対してばね反力を発揮する。これにより、内壁部材16が支持部材14に対して固定される。図15に示す実施形態においても、内壁部材16をアクチュエータ20によって下方に移動させると、支持部材14に対する内壁部材16の固定が容易に解除される。
【0083】
以下、図16を参照して、別の例示的実施形態に係る基板処理装置について説明する。図16は、別の例示的実施形態に係る基板処理装置を概略的に示す図である。図16に示す基板処理装置1Bは、内壁部材16に代わる内壁部材16Bを備える点で基板処理装置1と異なっている。内壁部材16Bは、内壁部材16と同様に天部16cを有しているが、側壁部16sを有してない。基板処理装置1Bの他の構成は、基板処理装置1の対応の構成と同じである。
【0084】
以下、幾つかの更なる例示的実施形態に係る基板処理装置について説明する。以下に説明する例示的実施形態の各々は、内壁部材16を、接地された導体部28に電気的に接続するコンタクト機構を備える。内壁部材16は、導電性を有する材料から形成されている。導体部28は、筒形状を有し、基板支持器12の外周に沿って延在している。コンタクト機構は、内壁部材16の側壁部16sの下端16eを導体部28に電気的に接続する。
【0085】
図17図18(a)、及び図18(b)を参照する。図17は、更に別の例示的実施形態に係る基板処理装置を概略的に示す図である。図18(a)及び図18(b)の各々は、更に別の例示的実施形態に係る基板処理装置におけるコンタクト機構の一部を拡大して示す平面図である。図17に示す基板処理装置1Cは、コンタクト機構60Cを含む点で、基板処理装置1と異なっている。図17図18(a)、及び図18(b)に示すように、コンタクト機構60Cは、筒状体61、押圧体62、及び駆動部63を含む。
【0086】
筒状体61は、アルミニウムのような導電性材料から形成されている。筒状体61は、導体部28に電気的に接続されており、導体部28の外周に沿って延在している。押圧体62は、アルミニウムのような導電性材料から形成されている。押圧体62は、基板支持器12と筒状体61との間に配置されている。駆動部63は、筒状体61を周方向に沿って回転させるように構成されている。駆動部63は、例えば、モータを含む。コンタクト機構60Cは、筒状体61の周方向の回転により押圧体62を側壁部16sの下端16eの外周面に押し付ける。これにより、コンタクト機構60Cは、内壁部材16を押圧体62及び筒状体61を介して導体部28に電気的に接続する。
【0087】
一例において、導体部28は、径方向に突き出した複数のガイド28pを含んでいる。複数のガイド28pは、周方向に沿って配列されている。また、コンタクト機構60Cは、複数の押圧体62を含んでいる。複数の押圧体62は、周方向に沿って配列されている。複数の押圧体62の各々は、複数のガイド28pのうち対応のガイドが挿入される孔62hを提供している。複数の押圧体62の各々は、その孔62hに挿入される対応のガイドによって、径方向に沿って移動可能となっている。複数の押圧体62の各々は、径方向外側に突き出した凸部62pを更に含んでいる。図示された例では、複数の押圧体62の各々は、リブ状の一対の凸部62pを孔62hの両側に有している。筒状体61は、径方向内側に突き出した複数の凸部61pを含んでいる。複数の凸部61pは、周方向に沿って配列されている。
【0088】
図18の(a)に示すように、複数の押圧体62の各々の凸部62pに複数の凸部61pのうち対応の凸部が当接していない状態では、複数の押圧体62は側壁部16sの下端16eに当接しない。筒状体61を回転させて、図18の(b)に示すように、複数の押圧体62の各々の凸部62pに複数の凸部61pのうち対応の凸部を当接させると、押圧体62が側壁部16sの下端16eの外周面に押し付けられる。その結果、内壁部材16は、押圧体62及び筒状体61を介して導体部28に電気的に接続される。なお、図18の(b)に示す状態において、側壁部16sの下端16eは、複数の押圧体62の各々と絶縁部26との間で挟持され得る。
【0089】
以下、図19及び図20を参照する。図19は、更に別の例示的実施形態に係る基板処理装置を概略的に示す図である。図20は、更に別の例示的実施形態に係る基板処理装置におけるコンタクト機構の部分拡大断面図である。図19に示す基板処理装置1Dは、コンタクト機構60Dを含む点で、基板処理装置1と異なっている。
【0090】
図19及び図20に示すように、基板処理装置1Dにおいて、導体部28は、その上端部において周方向に延びる凹部28rを提供している。コンタクト機構60Dは、コンタクト部材64を含む。コンタクト部材64は、弾性を有する導電性部材であり、例えばスパイラルスプリングガスケットである。コンタクト部材64は、凹部28rの中で周方向に延びており、導体部28に電気的に接続されている。コンタクト機構60Dでは、コンタクト部材64が、凹部28rの中に配置される側壁部16sの下端16eに弾性的に接触する。これにより、コンタクト機構60Dは、内壁部材16をコンタクト部材64を介して導体部28に電気的に接続する。なお、図示するように、一対のコンタクト部材64が、凹部28rの中で側壁部16sの下端16eを挟持してもよい。
【0091】
以下、図21及び図22を参照する。図21は、更に別の例示的実施形態に係る基板処理装置を概略的に示す図である。図22は、更に別の例示的実施形態に係る基板処理装置におけるコンタクト機構の一部を拡大して示す斜視図である。図21に示す基板処理装置1Eは、コンタクト機構60Eを含む点で、基板処理装置1と異なっている。
【0092】
図21及び図22に示すように、コンタクト機構60Eは、複数の雄コネクタ601E及び複数の雌コネクタ602Eを含んでいる。複数の雄コネクタ601Eは、側壁部16sの下端16eに取り付けられており、周方向に沿って配列されている。複数の雌コネクタ602Eは、導体部28の上端に取り付けられており、周方向に沿って配列されている。コンタクト機構60Eは、複数の雄コネクタ601Eの各々と複数の雌コネクタ602Eのうち対応の雌コネクタを互いに結合することにより、内壁部材16を導体部28に電気的に接続する。なお、複数の雄コネクタ601Eが導体部28の上端に取り付けられていてもよく、複数の雌コネクタ602Eが側壁部16sの下端16eに取り付けられていてもよい。
【0093】
以下、図23及び図24を参照する。図23は、更に別の例示的実施形態に係る基板処理装置を概略的に示す図である。図24は、更に別の例示的実施形態に係る基板処理装置におけるコンタクト機構の部分拡大断面図である。図23に示す基板処理装置1Fは、コンタクト機構60Fを含む点で、基板処理装置1と異なっている。
【0094】
コンタクト機構60Fは、コンタクト部材65を含む。コンタクト部材65は、可撓性を有する薄膜であり、導電性材料から形成されている。コンタクト部材65は、導体部28が提供する凹部の中に設けられている。コンタクト部材65は、導体部28によって支持されており、導体部28に電気的に接続されている。また、コンタクト部材65は、側壁部16sの下端16eが提供する下面に、当接可能であるように設けられている。コンタクト機構60Fは、コンタクト部材65を側壁部16sの下面に押し付けることにより、コンタクト部材65を介して内壁部材16を導体部28に電気的に接続する。なお、側壁部16sの下端16eの下面は、下端16eの膜16fによって提供されていてもよい。膜16fは、導体膜又はカーボンナノチューブから形成されていてもよい。
【0095】
一例において、コンタクト機構60Fは、流体(例えば、気体)の圧力により、コンタクト部材64を側壁部16sの下面に押し付けてもよい。この例において、コンタクト機構60Fは、押圧ピン66を更に含んでいてもよい。押圧ピン66は、その先端と側壁部16sの下面との間にコンタクト部材65が位置するように配置されている。押圧ピン66は、気体供給器67から供給される気体の圧力により、コンタクト部材65を側壁部16sの下面に押し付ける。押圧ピン66には、押圧ピン66をコンタクト部材65から引き離す方向に付勢するばね66sが接続されていてもよい。
【0096】
以下、図25を参照する。図25は、更に別の例示的実施形態に係るコンタクト機構の部分拡大断面図である。図25に示すコンタクト機構は、圧電素子68を含む。圧電素子68は、絶縁部2によって支持されており、側壁部16sの下端16eの下方に設けられている。圧電素子68は、圧電セラミック部68aと一対の電極68b,68cを含む。圧電セラミック部68aは、一対の電極68b,68cの間に設けられている。圧電素子68の上面には、導電体69が固定されている。導電体69は、導体部28に電気的に接続されている。電源68pからの電圧が電極68cに印加されることにより、圧電素子68は、側壁部16sの下端16eに向けて伸張する。これにより、導電体69が側壁部16sの下端16eの下面に押し付けられる。その結果、内壁部材16が、導体部28に電気的に接続される。
【0097】
以下、図26図27の(a)、及び図27の(b)を参照する。図26は、更に別の例示的実施形態に係る基板処理装置を概略的に示す図である。図27の(a)及び図27の(b)の各々は、更に別の例示的実施形態に係る基板処理装置におけるコンタクト機構の部分拡大断面図である。図26に示す基板処理装置1Gは、コンタクト機構60Gを含む点で、基板処理装置1と異なっている。
【0098】
基板処理装置1Gにおいて、導体部28は、略筒形状を有している。導体部28は、その中心軸線(即ち軸線AX)に対して周方向に沿って延びる空洞28hを提供している。また、導体部28は、空洞28hと導体部28の外側の空間との間延びる複数の開口28oを提供している。複数の開口28oは、周方向に沿って配列されていてもよい。また、複数の開口28oは、等間隔に配列されていてもよい。
【0099】
コンタクト機構60Gは、膨張可能シール71、複数の押圧体72、一つ以上の弾性体73、及びエア供給部74を含んでいる。膨張可能シール71は、空洞28hの中に設けられている。膨張可能シール71は、環形状を有していてもよく、空洞28hの中で周方向に延在していてもよい。エア供給部74は、膨張可能シール71にエアを供給するように構成されている。膨張可能シール71は、エア供給部74からのエアにより径方向に膨張するように構成されている。
【0100】
複数の押圧体72の各々は、金属(例えばアルミニウム)のような導電性材料から形成されている。複数の押圧体72の各々は、第1部分721及び第2部分722を含んでいる。第1部分721は、膨張可能シール71と複数の開口28oを画成する導体部28の壁28wとの間に設けられている。第2部分722は、第1部分721から複数の開口28oのうち対応の開口の中に延びている。一実施形態において、第2部分722の先端723(径方向先端)は、コンタクトバンドから形成されていてもよい。
【0101】
一つ以上の弾性体73の各々は、導電性材料から形成されている。一つ以上の弾性体73は、第1部分721と壁28wとの間に設けられている。一つ以上の弾性体73の各々は、環形状を有していていもよく、空洞28hの中で周方向に延在していてもよい。一つ以上の弾性体73の各々は、例えば斜め巻コイルスプリングであってもよい。なお、図示された例では、二つの弾性体73のうち一方が、第2部分722の上方に設けられており、二つの弾性体73のうち他方が、第2部分722の下方に設けられている。
【0102】
図27の(a)に示すように、複数の押圧体72の各々の第2部分722は、膨張可能シール71が膨張していない状態では、内壁部材16の下端12eの内周面に接触しない。一方、図27の(b)に示すように、複数の押圧体72の各々は、膨張可能シール71が径方向に膨張することにより、一つ以上の弾性体73を第1部分721と壁28wとの間で挟持し、第2部分722の先端723を下端12eの内周面に当接させる。
【0103】
コンタクト機構60Gは、複数の押圧体72の各々を径方向に移動させて第2部分722の先端723を下端12eの内周面に当接させることにより、内壁部材16を複数の押圧体72及び一つ以上の弾性体73を介して導体部28に電気的に接続する。したがって、コンタクト機構60Gの部材と内壁部材16との間で摩擦を生じさせることなく、内壁部材16を導体部28に電気的に接続することが可能である。故に、コンタクト機構60Gによれば、摩擦によるパーティクルの発生を抑制することができる。なお、基板処理装置1Gにおいて、押圧体72の個数及び開口28oの個数の各々は、一つであってもよい。
【0104】
以下、図28及び図29を参照する。図28は、更に別の例示的実施形態に係る基板処理装置を概略的に示す図である。図29は、更に別の例示的実施形態に係る基板処理装置の部分拡大断面図である。以下、図28に示す基板処理装置1Hの基板処理装置1に対する相違点について説明する。
【0105】
基板処理装置1Hにおいて、導体部28は、略筒形状を有している。導体部28は、チャンバ10の底部の上方で、任意の水平方向にスライド可能に設けられている。一実施形態において、基板処理装置1Hは、スラストベアリング77を更に備えていてもよい。スラストベアリング77は、チャンバ10の底部と当該底部に螺合されたボルト78の頭部との間に配置されている。導体部28は、チャンバ10の底部の上方でスラストベアリング77を介してスライド可能に支持されている。一実施形態では、導体部28は、その下端部分に縮径部28sを有している。縮径部28sは、スラストベアリング77とボルト78の頭部との間に配置されている。なお、図示された例では、チャンバ10の底部とボルト78の頭部との間には、二つのスラストベアリング77が設けられている。二つのスラストベアリング77のうち一方は、チャンバ10の底部と縮径部28sとの間に配置されている。二つのスラストベアリング77のうち他方は、縮径部28sとボルト78の頭部との間に配置されている。二つのスラストベアリング77のうち他方とボルト78の頭部との間には、座金79が配置されている。
【0106】
導体部28は、略筒形状を有しており、その頂部28uの外周面28tは、テーパー状に形成されている。内壁部材16の側壁部16sの下端16eの内周面16iは、外周面28tに対応するようにテーパー状に形成されている。外周面28tと内周面16iとは、直接的又は間接的に接触する。これにより、内壁部材16が、導体部28に電気的に接続する。一実施形態においては、コンタクトバンド28bが外周面28t上に設けられている。外周面28tと内周面16iは、コンタクトバンド28bを介して間接的に互いに接触する。また、導体部28の下端とチャンバ10の底部は、接続部材76を介して電気的に接続されていてもよい。接続部材76は、弾性及び導電性を有する部材であり、チャンバ10の底部に固定されている。接続部材76は、例えばコンタクトバンド又は導電性スパイラルである。
【0107】
基板処理装置1Hでは、内壁部材16の中心軸線と導体部28の中心軸線との間にずれが生じていても、導体部28の水平方向に移動により、内壁部材16の下端16eと導体部28の頂部28uとの間の電気的接触が周方向において均一に確保される。また、内壁部材16の下端16eと導体部28の頂部28u(又はコンタクトバンド28b)との間の摩擦が少ないので、パーティクルの発生が抑制される。
【0108】
以下、図30を参照する。図30は、更に別の例示的実施形態に係る基板処理装置の部分拡大断面図である。以下、図30に示す構造にについて、図28及び図29に示す基板処理装置の構造との相違点について説明する。図30に示すように、ボルト78は、縮径部28sの下方に設けられたスラストナット78nに螺合されていてもよく、縮径部28sは、ボルト78の頭部とスラストナット78nとの間で挟持されていてもよい。また、スラストベアリング77は、チャンバ10の底部内の空洞の中に設けられていてもよく、当該空洞を画成する上壁とスラストナット78nとの間に配置されていてもよい。
【0109】
以下、図31を参照する。図31は、更に別の例示的実施形態に係る基板処理装置の部分拡大断面図である。上述した種々の例示的実施形態においては、図31に示すように、支持部材14に対する内壁部材16の固定を解除するために、アクチュエータ20ではなく、膨張可能シール80が用いられてもよい。
【0110】
具体的に、膨張可能シール80は、支持部材14の下面14bによって提供された凹部の中に設けられている。膨張可能シール80は、エア供給器81から供給されるエアにより、下方に膨張する。膨張可能シール80の下方への膨張により、内壁部材16が下方に移動されて、支持部材14に対する内壁部材16の固定が解除される。
【0111】
以上、種々の例示的実施形態について説明してきたが、上述した例示的実施形態に限定されることなく、様々な追加、省略、置換、及び変更がなされてもよい。また、異なる実施形態における要素を組み合わせて他の実施形態を形成することが可能である。
【0112】
搬送モジュールCTMは、移動可能でなくてもよく、上述した種々の例示的実施形態に係る基板処理装置のチャンバに接続されて、固定されていてもよい。また、搬送モジュールCTMの代わりに、搬送モジュールTMが内壁部材16をチャンバ10の内部とチャンバ10の外部との間で搬送するモジュールとして用いられてもよい。
【0113】
ここで、本開示に含まれる種々の例示的実施形態を、以下の[E1]~[E31]に記載する。
【0114】
[E1]
開口を提供する側壁を含むチャンバと、
前記チャンバ内に設けられた基板支持器と、
前記基板支持器の上方に設けられた支持部材と、
前記基板支持器の上方且つ前記支持部材の下に配置可能な天部を含む内壁部材と、
前記支持部材及び前記内壁部材のうち一方の部材に取り付けられたコンタクト部材であり、前記支持部材及び前記内壁部材のうち他方の部材に対して水平方向のばね反力を発揮することにより、前記支持部材に対して前記内壁部材を着脱可能に固定するように構成された該コンタクト部材と、
前記支持部材に対する前記内壁部材の固定を解除するよう前記内壁部材を下方に移動させるように構成されたアクチュエータと、
を備える基板処理装置。
【0115】
[E1]の実施形態の基板処理装置では、コンタクト部材は、支持部材及び内壁部材のうち他方の部材によって変形されることにより当該他方の部材に対して水平方向にばね反力を発揮する。これにより、内壁部材が支持部材に対して固定される。また、コンタクト部材のばね反力に抗してアクチュエータによって内壁部材を下方に移動させることにより、支持部材に対する内壁部材の固定が容易に解除される。支持部材に対するその固定が解除された内壁部材は、チャンバの側壁の開口を介してチャンバの内部から外部に搬出可能である。したがって、[E1]の実施形態によれば、内壁部材を容易にメンテナンスすることが可能である。
【0116】
[E2]
前記支持部材の下面は凹部を提供しており、
前記天部の上面は凹部を提供しており、
前記コンタクト部材は、
前記支持部材の前記凹部に嵌め込まれた第1の部分と、
前記第1の部分から下方に延び、前記天部の前記凹部に嵌め込まれることにより前記ばね反力を発揮するばねを有する第2の部分と、
を含む、
[E1]に記載の基板処理装置。
【0117】
[E3]
前記コンタクト部材は、前記支持部材から着脱可能であるように構成されており、
前記第1の部分は、前記コンタクト部材を前記支持部材から取り外すときに、その水平方向への変形により前記支持部材の前記凹部から取り出し可能であるように弾性を有する、
[E2]に記載の基板処理装置。
【0118】
[E4]
前記支持部材の前記凹部は、前記支持部材の該凹部の下端開口において狭められている、[E3]に記載の基板処理装置。
【0119】
[E5]
前記天部の上面は凸部を提供しており、
前記コンタクト部材は、前記支持部材の下面に提供された凹部内で固定されており、下方に向けて開口した凹部を提供し、
前記コンタクト部材は、該コンタクト部材の前記凹部の中に設けられたばねを含み、
前記コンタクト部材の前記ばねは、該コンタクト部材の前記凹部に前記天部の前記凸部が嵌め込まれることにより前記ばね反力を発揮する、
[E1]に記載の基板処理装置。
【0120】
[E6]
前記コンタクト部材は、前記ばねを支持するフローティング機構を更に含む、[E5]に記載の基板処理装置。
【0121】
[E7]
前記支持部材の前記下面は、雌ねじを提供しており、
前記コンタクト部材の外周面は、前記雌ねじに螺合される雄ねじを提供している、
[E5]又は[E6]に記載の基板処理装置。
【0122】
[E8]
前記支持部材の下面は凹部を提供しており、
前記天部の上面は、凸部を提供しており、
前記コンタクト部材は、前記凸部を覆うように前記天部に固定されており、前記凸部及び該コンタクト部材が前記支持部材の前記凹部に嵌め込まれることにより前記ばね反力を発揮するばねを有する、
[E1]に記載の基板処理装置。
【0123】
[E9]
前記支持部材の下面は凹部を提供しており、
前記天部の上面は凸部を提供しており、
前記コンタクト部材は、前記凹部を画成する内壁面に沿って設けられたスパイラルスプリングガスケットであり、
前記スパイラルスプリングガスケットは、前記凸部が前記凹部に嵌め込まれることにより前記ばね反力を発揮する、
[E1]に記載の基板処理装置。
【0124】
[E10]
前記内壁部材は、搬送アームにより前記開口を介して前記チャンバの内部と外部との間で搬送可能であるように構成されている、[E1]~[E9]の何れか一項に記載の基板処理装置。
【0125】
[E11]
前記支持部材と前記天部との間で挟持される伝熱シートを更に備える、[E1]~[E10]の何れか一項に記載の基板処理装置。
【0126】
[E12]
前記支持部材及び前記天部は、前記チャンバ内にガスを供給するように構成されたシャワーヘッドを構成する、[E1]~[E11]の何れか一項に記載の基板処理装置。
【0127】
[E13]
前記支持部材は、その中で熱媒体が流される流路を提供している、[E1]~[E12]の何れか一項に記載の基板処理装置。
【0128】
[E14]
前記内壁部材は、前記天部の周縁部から下方に延びる側壁部を更に含み、前記基板支持器上に載置される基板がその中で処理される処理空間を前記基板支持器と共に形成する、[E1]~[E13]の何れか一項に記載の基板処理装置。
【0129】
[E15]
前記基板処理装置は、プラズマ処理装置である、[E14]に記載の基板処理装置。
【0130】
[E16]
筒形状を有し、前記基板支持器の外周に沿って延在し、接地された導体部と、
前記側壁部の下端を前記導体部に電気的に接続して、前記内壁部材を前記導体部に電気的に接続するコンタクト機構と、
を更に備える、[E15]に記載の基板処理装置。
【0131】
[E17]
前記コンタクト機構は、
導電性材料から形成されており、前記導体部に電気的に接続されており、前記導体部の外周に沿って延在する筒状体と、
導電性材料から形成されており、前記基板支持器と前記筒状体との間に配置される押圧体と、
前記筒状体を周方向に沿って回転させるように構成された駆動部と、
を含み、
前記コンタクト機構は、前記筒状体の周方向の回転により前記押圧体を前記側壁部の下端の外周面に押し付けて、前記内壁部材を前記押圧体及び前記筒状体を介して前記導体部に電気的に接続するように構成されている、
[E16]に記載の基板処理装置。
【0132】
[E18]
前記導体部の上端は、周方向に延びる凹部を提供し、
前記コンタクト機構は、弾性を有する別のコンタクト部材を含み、
前記別のコンタクト部材は、前記導体部の前記凹部の中で周方向に延びており、前記導体部に電気的に接続されており、
前記別のコンタクト部材は、前記凹部の中で前記側壁部の前記下端に弾性的に接触することにより、前記内壁部材を該別のコンタクト部材を介して前記導体部に電気的に接続するように構成されている、
[E16]に記載の基板処理装置。
【0133】
[E19]
前記コンタクト機構は、
前記側壁部の下端及び前記導体部の上端のうち一方に取り付けられた複数の雄コネクタと、
前記側壁部の下端及び前記導体部の上端のうち他方に取り付けられた複数の雌コネクタと、
を含み、
前記コンタクト機構は、前記複数の雄コネクタの各々と前記複数の雌コネクタのうち対応の雌コネクタを互いに結合することにより前記内壁部材を前記導体部に電気的に接続するように構成されている、[E16]に記載の基板処理装置。
【0134】
[E20]
前記コンタクト機構は、前記側壁部の前記下端が提供する下面に当接可能に設けられた別のコンタクト部材を含み、
前記コンタクト機構は、前記別のコンタクト部材を前記側壁部の前記下面に押し付けることにより、前記内壁部材を前記別のコンタクト部材を介して前記導体部に電気的に接続するように構成されている、[E16]に記載の基板処理装置。
【0135】
[E21]
前記コンタクト機構は、流体の圧力により、前記別のコンタクト部材を前記側壁部の前記下面に押し付けるように構成されている、[E20]に記載の基板処理装置。
【0136】
[E22]
前記コンタクト機構は、前記別のコンタクト部材を前記側壁部の前記下面に押し付けるように構成された圧電素子を更に含む、[E20]に記載の基板処理装置。
【0137】
[E23]
前記支持部材は容量結合型プラズマ処理装置の上部電極を構成する、[E1]~[E22]の何れか一項に記載の基板処理装置。
【0138】
[E24]
前記導体部は、その中に、該導体部の中心軸線に対して周方向に沿って延びる空洞と該空洞と該導体部の外側の空間との間で延びる開口を提供し、
前記コンタクト機構は、
前記空洞の中に設けられた膨張可能シールと、
前記空洞の中で前記膨張可能シールと前記開口を画成する前記導体部の壁との間に設けられた第1部分及び該第1部分から前記開口の中に延びる第2部分を含み、導電性材料から形成された押圧体と、
導電性材料から形成されており、前記第1部分と前記導体部の前記壁の間に設けられた弾性体と、
前記膨張可能シールにエアを供給するように構成されたエア供給部と、
を含み、
前記押圧体は、前記エア供給部からの前記エアによって前記膨張可能シールが膨張することにより、前記弾性体を前記第1部分と前記導体部の前記壁との間で挟持し、前記第2部分の先端を前記側壁部の前記下端の内周面に当接させさせるように構成されている、
[E16]に記載の基板処理装置。
【0139】
[E25]
前記第2部分の前記先端はコンタクトバンドから形成されている、[E24]に記載の基板処理装置。
【0140】
[E26]
前記弾性体は、斜め巻きコイルスプリングである、[E24]又は[E25]に記載の基板処理装置。
【0141】
[E27]
筒形状を有し、前記基板支持器の外周に沿って延在し、接地された導体部であり、前記チャンバの底部の上方で、水平方向にスライド可能に設けられた、該導体部を更に備え、
前記導体部の頂部の外周面は、テーパー状の面であり、
前記側壁部の下端の内周面は、前記導体部の頂部の外周面に対応するテーパー状の面であり、
前記導体部の前記頂部の前記外周面と前記側壁部の前記下端の前記内周面とが直接的又は間接的に接触するように構成されている、
[E15]に記載の基板処理装置。
【0142】
[E28]
前記導体部の前記頂部の前記外周面上に設けられたコンタクトバンドを更に備える、[E27]に記載の基板処理装置。
【0143】
[E29]
前記チャンバの前記底部と該底部に螺合されたボルトの頭部との間に配置されたスラストベアリングを更に備え、
前記導体部は、前記チャンバの前記底部の上方でスラストベアリングを介してスライド可能に支持されている、
[E27]又は[E28]に記載の基板処理装置。
【0144】
[E30]
基板処理装置のチャンバの外部から該チャンバの内部に、該チャンバの側壁に設けられた開口を介して、搬送アームにより内壁部材を搬入する工程であり、該基板処理装置は、前記チャンバ、該チャンバ内に設けられた基板支持器、及び該基板支持器の上方に設けられた支持部材を備え、該内壁部材は、前記基板支持器の上方且つ前記支持部材の下に配置可能な天部を含む、該工程と、
前記支持部材及び前記内壁部材のうち一方の部材を鉛直方向に沿って移動させることにより前記支持部材に対して前記内壁部材を着脱可能に固定する工程であり、前記支持部材及び前記内壁部材のうち一方の部材に取り付けられたコンタクト部材が前記支持部材及び前記内壁部材のうち他方の部材に対して水平方向のばね反力を発揮することにより、前記支持部材に対して前記内壁部材が固定される、該工程と、
を含む基板処理装置のメンテナンス方法。
【0145】
[E31]
基板処理装置のチャンバの外部から該チャンバの内部に、該チャンバの側壁に設けられた開口を介して、搬送アームを進入させる工程であり、該基板処理装置は、前記チャンバ、該チャンバ内に設けられた基板支持器、該基板支持器の上方に設けられた支持部材、前記基板支持器の上方且つ前記支持部材の下に配置された天部を含む内壁部材、及び、前記支持部材及び前記内壁部材のうち一方の部材に取り付けられたコンタクト部材であり、前記支持部材及び前記内壁部材のうち他方の部材に対して水平方向のばね反力を発揮することにより、前記支持部材に対して前記内壁部材を着脱可能に固定するように構成された該コンタクト部材を備える、該工程と、
前記コンタクト部材による前記内壁部材の固定を解除するようアクチュエータにより前記内壁部材を下方に移動させることにより、前記搬送アームに前記内壁部材を受け渡す工程と、
前記チャンバの内部から前記チャンバの外部に前記開口を介して前記内壁部材を搬出する工程と、
を含む基板処理装置のメンテナンス方法。
【0146】
以上の説明から、本開示の種々の実施形態は、説明の目的で本明細書で説明されており、本開示の範囲及び主旨から逸脱することなく種々の変更をなし得ることが、理解されるであろう。したがって、本明細書に開示した種々の実施形態は限定することを意図しておらず、真の範囲と主旨は、添付の特許請求の範囲によって示される。
【符号の説明】
【0147】
1…基板処理装置、10…チャンバ、12…基板支持器、14…支持部材、16…内壁部材、16c…天部、18…コンタクト部材、20…アクチュエータ。
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