IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社リコーの特許一覧

特開2023-38223シート処理装置、ラミネート処理装置、及び画像形成システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023038223
(43)【公開日】2023-03-16
(54)【発明の名称】シート処理装置、ラミネート処理装置、及び画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   B29C 63/02 20060101AFI20230309BHJP
   B65H 41/00 20060101ALI20230309BHJP
【FI】
B29C63/02
B65H41/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211019
(22)【出願日】2022-12-28
(62)【分割の表示】P 2019083905の分割
【原出願日】2019-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋航
(72)【発明者】
【氏名】古橋朋裕
(72)【発明者】
【氏名】鈴木道貴
(72)【発明者】
【氏名】星野智道
(72)【発明者】
【氏名】米山史晴
(72)【発明者】
【氏名】松尾一好
(72)【発明者】
【氏名】日高信
(72)【発明者】
【氏名】坂野広樹
(72)【発明者】
【氏名】國枝晶
(72)【発明者】
【氏名】渡邉賢裕
(72)【発明者】
【氏名】森永拓哉
(72)【発明者】
【氏名】原口陽介
(57)【要約】
【課題】回転部材に2枚重ねシートを巻き付けるという比較的単純な構成でシートを剥離し、剥離したシートに少なくとも1枚の中紙類(シート状媒体)を所望の位置に挿入できるシート剥離装置を提供する。
【解決手段】本発明のシート剥離装置は、2枚のシートを回転部材に巻き付け、2枚のシートを剥離した後、2枚のシートを剥離して生じた空間に剥離爪を挿入し、剥離爪を挿入した状態で、第1搬送手段により2枚重ねシートを回転部材から引き戻す方向に搬送することで、2枚のシートをそれぞれのシートに剥離する。
第1搬送手段が、それぞれのシートを経路部材にそれぞれ搬送することで、接合部を端として開口させ、2枚のシートの開口に挿入する際、2枚のシートの、第1搬送手段のニップ部からの正搬送方向における突出量は、第1搬送手段により調整可能であり、突出量が調整された2枚のシートの開口に、少なくとも1枚のシート状媒体を挿入する。
【選択図】図21
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2枚のシートが重ねられ、その一部が接合された2枚重ねシートの前記2枚のシートを剥離し、前記2枚のシートの間に少なくとも1枚のシート状媒体を挿入するシート剥離装置において、
正逆方向に回転可能な回転部材と、
前記回転部材との間で前記2枚重ねシートを挟持する第一部材と、
前記2枚重ねシートの接合部を上流に配置して、前記2枚重ねシートを前記回転部材と前記第一部材との間に搬送可能であるとともに、前記回転部材と前記第一部材との間に搬送する方向と逆方向に搬送可能である第1搬送手段と、
前記回転部材と前記第一部材との間に搬送された前記2枚重ねシートを前記回転部材に巻き付ける巻き付け手段と、
前記シート状媒体を前記逆方向から前記第1搬送手段に搬送する第2搬送手段と、
前記2枚重ねシートの幅方向に移動可能な剥離爪と、
前記2枚のシートを剥離したそれぞれのシートを別々に案内する経路部材と、を備え、
前記2枚のシートを前記回転部材に巻き付け、前記2枚のシートを剥離した後、前記2枚のシートが剥離して生じた空間に前記剥離爪を挿入し、
前記剥離爪を挿入した状態で、前記第1搬送手段により前記2枚重ねシートを前記逆方向に搬送することで、前記2枚のシートをそれぞれのシートに剥離し、
前記第1搬送手段が、前記それぞれのシートを前記経路部材にそれぞれ搬送することで、前記接合部を端として開口させ、
前記第2搬送手段により前記逆方向から前記第1搬送手段に向けて少なくとも1枚の前記シート状媒体を搬送し、前記2枚のシートの開口に挿入する際、
前記2枚のシートの、前記第1搬送手段のニップ部からの前記逆方向における突出量は、前記第1搬送手段により調整可能であり、
前記突出量が調整された前記2枚のシートの開口に、前記第2搬送手段により少なくとも1枚の前記シート状媒体を挿入することを特徴とするシート剥離装置。
【請求項2】
2枚のシートが重ねられ、その一部が接合された2枚重ねシートの前記2枚のシートを剥離し、前記2枚のシートの間に少なくとも1枚のシート状媒体を挿入するシート剥離装置において、
正逆方向に回転可能な回転部材と、
前記回転部材に設けられ、前記2枚重ねシートを保持する保持手段と、
前記2枚重ねシートの接合部を上流に配置して、前記2枚重ねシートを前記回転部材に搬送可能であるとともに、前記回転部材に搬送する方向と逆方向に搬送可能である第1搬送手段と、
前記シート状媒体を前記逆方向から前記第1搬送手段に搬送する第2搬送手段と、
前記2枚重ねシートの幅方向に移動可能な剥離爪と、
前記2枚のシートを剥離したそれぞれのシートを別々に案内する経路部材と、を備え、
前記保持手段で前記2枚重ねシートを保持した状態で前記2枚重ねシートを前記回転部材に巻き付け、前記2枚のシートを剥離した後、前記2枚のシートが剥離して生じた空間に前記剥離爪を挿入し、
前記剥離爪を挿入した状態で、前記第1搬送手段により前記2枚重ねシートを前記逆方向に搬送することで、前記2枚のシートをそれぞれのシートに剥離し、
前記第1搬送手段が、前記それぞれのシートを前記経路部材にそれぞれ搬送することで、前記接合部を端として開口させ、
前記第2搬送手段により前記逆方向から前記第1搬送手段に向けて少なくとも1枚の前記シート状媒体を搬送し、前記2枚のシートの開口に挿入する際、
前記2枚のシートの、前記第1搬送手段のニップ部からの前記逆方向における突出量は、前記第1搬送手段により調整可能であり、
前記突出量が調整された前記2枚のシートの開口に、前記第2搬送手段により少なくとも1枚の前記シート状媒体を挿入することを特徴とするシート剥離装置。
【請求項3】
前記2枚重ねシートの搬送方向の端部を検出する搬送センサを備え、
前記搬送センサの検出結果により、前記突出量を調整することを特徴とする請求項1又は2に記載のシート剥離装置。
【請求項4】
前記第1搬送手段は、前記2枚のシートの前記接合部を前記ニップ部で保持して停止し、
前記接合部に前記シート状媒体を突き当てることで、前記2枚のシートと前記シート状媒体の相対位置を決定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシート剥離装置。
【請求項5】
前記第1搬送手段は、前記2枚のシートの前記接合部を、前記第1搬送手段の前記ニップ部よりも前記逆方向の下流に位置するように、前記2枚のシートを前記ニップ部で保持して停止し、
前記ニップ部に前記シート状媒体を突き当てることで、前記2枚のシートと前記シート状媒体の相対位置を決定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシート剥離装置。
【請求項6】
前記シート状媒体の前記逆方向への搬送線速を、前記2枚重ねシートの前記逆方向への搬送線速よりも大きくして搬送し、
前記ニップ部に前記シート状媒体を突き当てることで、前記2枚のシートと前記シート状媒体の相対位置を決定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシート剥離装置。
【請求項7】
前記シート状媒体の前記逆方向への搬送線速を、前記2枚重ねシートの前記逆方向への搬送線速と等しくして搬送し、
前記突出量が所望の値となる時点で、前記2枚のシートに前記シート状媒体を挟み込むことで、前記2枚のシートと前記シート状媒体の相対位置を決定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシート剥離装置。
【請求項8】
前記2枚重ねシートを積載する第1積載手段と、
前記第1積載手段から前記第1搬送手段に前記2枚重ねシートを給送する第1給送手段と、
前記2枚重ねシートに挿入するシート状媒体を積載する第2積載手段と、
前記第2積載手段から前記第2搬送手段に前記シート状媒体を給送する第2給送手段と、備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のシート剥離装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載のシート剥離装置と、
前記2枚重ねシートを加熱及び加圧可能な熱加圧部材と、
を備えることを特徴とするラミネート処理装置。
【請求項10】
2枚重ねシートを積載する第3積載手段と、
前記第3積載手段から前記2枚重ねシートを給送する第3給送手段と、
給送された前記2枚重ねシートに画像を形成する画像形成部と、
画像形成された前記2枚重ねシートの前記2枚のシートを剥離する請求項1乃至8のいずれか一項に記載のシート剥離装置、又は請求項9に記載のラミネート処理装置と、を備えた画像形成装置。
【請求項11】
シート状媒体を積載する第4積載手段と、
前記第4積載手段から前記シート状媒体を給送する第4給送手段と、
給送された前記シート状媒体に画像を形成する画像形成部と、
画像形成された前記シート状媒体を、前記第2搬送手段により、前記一部を端として開口させた前記2枚重ねシートに前記シート状媒体を挿入する請求項1乃至8のいずれか一項に記載のシート剥離装置、又は請求項9に記載のラミネート処理装置と、を備えた画像形成装置。
【請求項12】
シート状媒体を積載する第4積載手段と、
前記第4積載手段から前記シート状媒体を給送する第4給送手段と、
給送された前記シート状媒体に画像を形成する画像形成部と、を備え、
画像形成された前記シート状媒体を、前記第2搬送手段により、前記一部を端として開口させた前記2枚重ねシートに前記シート状媒体を挿入することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項13】
画像形成装置と、
前記画像形成装置に着脱可能に接続された請求項1乃至8のいずれか一項に記載のシート剥離装置、又は請求項9に記載のラミネート処理装置と、備えた画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート剥離装置、ラミネート処理装置、画像形成装置及び画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
2枚のシートが重ねられ、一辺が接合(接続)された2枚重ねシート(ラミネートシート又はラミネートフィルム)内に、中紙類(用紙、写真など)を挿入し、熱と圧力を加えることで2枚重ねシートを接着して、内側の中紙類を挟み込むラミネート処理という技術が知られている。
【0003】
今までのラミネート処理では、ユーザが、2枚重ねシートに中紙類を手作業で挿入した後、ラミネート処理機を用いてシートを接着していた。
【0004】
しかし、2枚重ねシートの内側には接着剤層があるため滑りが悪く、ユーザにとって2枚のシートを手で剥離することは面倒であった。また、シート剥離後に挟み込む中紙類を正確な位置に挿入することも手間であった。さらに、ラミネート処理機によるラミネート処理には、約30~60秒の時間が掛かるため、その間ユーザは待機する必要があった。
【0005】
このような作業を自動化する技術として、例えば特許文献1には、専用のラミネート装置が開示されている。このラミネート装置は、前端が接続されているラミネートフィルムを分離解放手段(上部、下部バキューム)で分離し、その後、保護紙葉体を挿入する構成となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に開示されているラミネート装置は、上部、下部バキュームで構成される分離解放手段を用いるため、装置が複雑化・大型化するという問題がある。また、それに伴い、装置自体も非常に高価になると考えられる。さらに、上部、下部バキュームでは、2枚のラミネートフィルムの接着強度により必ずしも分離できないおそれもある。
【0007】
オフィスや一般家庭で用いる装置は、簡略で小型、そして安価なものが望ましい。そのため、できる限り単純な構成で、2枚重ねシートの2枚のシートを確実に剥離できる装置が求められている。また、剥離したシートに対し、一枚以上の中紙類を正確な位置に挿入(挟み込み)することも求められている。
【0008】
そこで本発明は、回転部材に2枚重ねシートを巻き付けるという比較的単純な構成でシートを剥離し、剥離したシートに少なくとも1枚の中紙類(シート状媒体)を所望の位置に挿入できるシート剥離装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、2枚のシートが重ねられ、その一部が接合された2枚重ねシートの前記2枚のシートを剥離し、前記2枚のシートの間に少なくとも1枚のシート状媒体を挿入するシート剥離装置において、正逆方向に回転可能な回転部材と、前記回転部材との間で前記2枚重ねシートを挟持する第一部材と、前記2枚重ねシートの接合部を上流に配置して、前記2枚重ねシートを前記回転部材と前記第一部材との間に搬送可能であるとともに、前記回転部材と前記第一部材との間に搬送する方向と逆方向に搬送可能である第1搬送手段と、前記回転部材と前記第一部材との間に搬送された前記2枚重ねシートを前記回転部材に巻き付ける巻き付け手段と、前記シート状媒体を前記逆方向から前記第1搬送手段に搬送する第2搬送手段と、前記2枚重ねシートの幅方向に移動可能な剥離爪と、前記2枚のシートを剥離したそれぞれのシートを別々に案内する経路部材と、を備え、前記2枚のシートを前記回転部材に巻き付け、前記2枚のシートを剥離した後、前記2枚のシートが剥離して生じた空間に前記剥離爪を挿入し、前記剥離爪を挿入した状態で、前記第1搬送手段により前記2枚重ねシートを前記逆方向に搬送することで、前記2枚のシートをそれぞれのシートに剥離し、前記第1搬送手段が、前記それぞれのシートを前記経路部材にそれぞれ搬送することで、前記接合部を端として開口させ、前記第2搬送手段により前記逆方向から前記第1搬送手段に向けて少なくとも1枚の前記シート状媒体を搬送し、前記2枚のシートの開口に挿入する際、前記2枚のシートの、前記第1搬送手段のニップ部からの前記逆方向における突出量は、前記第1搬送手段により調整可能であり、前記突出量が調整された前記2枚のシートの開口に、前記第2搬送手段により少なくとも1枚の前記シート状媒体を挿入することを特徴とするシート剥離装置によって解決される。
【0010】
また上記課題は、2枚のシートが重ねられ、その一部が接合された2枚重ねシートの前記2枚のシートを剥離し、前記2枚のシートの間に少なくとも1枚のシート状媒体を挿入するシート剥離装置において、正逆方向に回転可能な回転部材と、前記回転部材に設けられ、前記2枚重ねシートを保持する保持手段と、前記2枚重ねシートの接合部を上流に配置して、前記2枚重ねシートを前記回転部材に搬送可能であるとともに、前記回転部材に搬送する方向と逆方向に搬送可能である第1搬送手段と、前記シート状媒体を前記逆方向から前記第1搬送手段に搬送する第2搬送手段と、前記2枚重ねシートの幅方向に移動可能な剥離爪と、前記2枚のシートを剥離したそれぞれのシートを別々に案内する経路部材と、を備え、前記保持手段で前記2枚重ねシートを保持した状態で前記2枚重ねシートを前記回転部材に巻き付け、前記2枚のシートを剥離した後、前記2枚のシートが剥離して生じた空間に前記剥離爪を挿入し、前記剥離爪を挿入した状態で、前記第1搬送手段により前記2枚重ねシートを前記逆方向に搬送することで、前記2枚のシートをそれぞれのシートに剥離し、前記第1搬送手段が、前記それぞれのシートを前記経路部材にそれぞれ搬送することで、前記接合部を端として開口させ、前記第2搬送手段により前記逆方向から前記第1搬送手段に向けて少なくとも1枚の前記シート状媒体を搬送し、前記2枚のシートの開口に挿入する際、前記2枚のシートの、前記第1搬送手段のニップ部からの前記逆方向における突出量は、前記第1搬送手段により調整可能であり、前記突出量が調整された前記2枚のシートの開口に、前記第2搬送手段により少なくとも1枚の前記シート状媒体を挿入することを特徴とするシート剥離装置によっても解決される。
【発明の効果】
【0011】
本発明のシート剥離装置は、回転部材に2枚重ねシートを巻き付け、幾何学的な関係から内周側シートと外周側シートの間に巻き付け周長差を生じさせることで、2枚重ねシートの2枚のシートを剥離できる。また、剥離した2枚のシートの、第1搬送手段のニップ部からの突出量を調整できるので、少なくとも1枚のシート状媒体を所望の位置に挿入できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係るシート剥離装置の全体構成図である。
図2図1のシート剥離装置の主要部分を示す構成図(その1)である。
図3図1のシート剥離装置の主要部分を示す構成図(その2)である。
図4図1のシート剥離装置の主要部分を示す構成図(その3)である。
図5図1のシート剥離装置の主要部分を示す構成図(その4)である。
図6図1のシート剥離装置の主要部分を示す構成図(その5)である。
図7図1のシート剥離装置の主要部分を示す構成図(その6)である。
図8図1のシート剥離装置の主要部分を示す構成図(その7)である。
図9図1のシート剥離装置の主要部分を示す構成図(その8)である。
図10図1のシート剥離装置の主要部分を示す構成図(その9)である。
図11図1のシート剥離装置の主要部分を示す構成図(その10)である。
図12図1のシート剥離装置の主要部分を示す構成図(その11)である。
図13図1のシート剥離装置の主要部分を示す構成図(その12)である。
図14図1のシート剥離装置の主要部分を示す構成図(その13)である。
図15】シート剥離装置が備える剥離爪の模式図である。
図16】剥離爪でシートSを互いに剥離する様子を示す斜視図(その1)である。
図17】剥離爪でシートSを互いに剥離する様子を示す斜視図(その2)である。
図18】剥離爪でシートSを互いに剥離する様子を示す斜視図(その3)である。
図19】シート給紙から中紙挟みこみ完了までの一連の動作を説明するフローチャートである。
図20】第1手段を説明するシート剥離装置の主要部分を示す構成図である。
図21】第2手段を説明するシート剥離装置の主要部分を示す構成図である。
図22】第3手段を説明するシート剥離装置の主要部分を示す構成図である。
図23】第4手段を説明するシート剥離装置の主要部分を示す構成図である。
図24】第5手段を説明するシート剥離装置の主要部分を示す構成図である。
図25a】シート給紙から剥離完了までの一連の動作を説明するフローチャートである。
図25b】第1~第4手段による中紙給紙から挟みこみ完了までの一連の動作を説明するフローチャートである。
図26図4と、その巻付けローラ上にあるシートSの部分拡大図を含む構成図である。
図27】変形例(その1)に係るシート剥離装置の主要部分と、その巻付けローラ上にあるシートSの部分拡大図を含む構成図である。
図28】変形例(その2)に係るシート剥離装置の主要部分を示す構成図である。
図29】変形例(その3)に係るシート剥離装置の主要部分と、その部分拡大図を含む構成図である。
図30】(a)は巻付けローラと別部品で構成された、くさび部を示す模式図であり、(b)は弾性部材とした、くさび部を示す模式図である。
図31】変形例(その3)に係るシート剥離装置の主要部分を示す構成図(その2)である。
図32】本発明に係るシート剥離装置を備えるラミネート処理装置の一例を示す全体構成図である。
図33】本発明に係るラミネート処理装置を備える画像形成装置の一例を示す全体構成図である。
図34】本発明に係るラミネート処理装置を備える画像形成装置の変形例を示す全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本実施形態のシート剥離装置は、2枚重ねシート(以下、シートSという)を互いに剥離し、その剥離したシートS内に中紙Pを挿入して挟持させるものである。
【0014】
ここで、シートSとは、2枚のシートが重ねられ、その一部(又は一辺)が接合された2枚重ねシートである。
【0015】
2枚重ねシートとしては、例えば、片側を透明ポリエステルシートなどの透過性シートとし、反対側を透明又は不透明シートとして、それらの一辺で接合したものがある。
【0016】
中紙Pは、それら2枚重ねシートに挿入されるシート状媒体の一例である。シート状媒体には、普通紙以外に、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙など)、トレーシングペーパ、OHPシートなどが含まれる。
【0017】
また、本文中において、「シートSを互いに剥離する」とは、2枚重ねシートSの2枚のシートを剥離(分離)することを意味する。
【0018】
(実施形態)
図1は、本発明の一実施形態に係るシート剥離装置の全体構成図である。図1に示すように、シート剥離装置100は、シートSを積載する第1積載手段であるシートトレイ102と、シートトレイ102からシートSを給送するピックアップローラ105と、搬送ローラ対107とを備える。またシート剥離装置100は、中紙Pを積載する第2積載手段である給紙トレイ103と、給紙トレイ103から中紙Pを給送するピックアップローラ106とを備える。
【0019】
搬送ローラ対107の搬送方向下流には、シートSの搬送方向の端部を検出することにより搬送位置を検出する搬送センサC1が設けられ、ピックアップローラ106の搬送方向下流には、中紙Pの搬送方向の端部を検出することにより搬送位置を検出する搬送センサC2が設けられている。
【0020】
さらにシート剥離装置100は、搬送ローラ対107及びピックアップローラ106の下流に、入口ローラ対108と、回転部材としての巻付けローラ109と、後述する第一部材としての従動ローラ110とからなるローラ対と、出口ローラ対113と、排紙トレイ104などを備える。入口ローラ対108の搬送方向下流には、シートS及び中紙Pの搬送方向の端部を検出することにより搬送位置を検出する搬送センサC3が設けられ、出口ローラ対113の搬送方向下流には、シートSの搬送方向の端部を検出することにより搬送位置を検出する搬送センサC4が設けられている。
【0021】
なお、ピックアップローラ105、搬送ローラ対107、入口ローラ対108、巻付けローラ109と従動ローラ110からなるローラ対は、第1給送手段の一例であり、ピックアップローラ106、入口ローラ対108、巻付けローラ109、従動ローラ110とからなるローラ対は第2給送手段の一例である。
【0022】
本実施形態のシート剥離装置100は、図1に示すように、シートSと中紙Pを別々のトレイに積載し、巻付けローラ109と従動ローラ110とからなるローラ対の間に送り、出口ローラ対113に送る。後述するように出口ローラ対113と、巻付けローラ109と従動ローラ110とからなるローラ対との間に位置されたシートSの剥離された2枚のシートの開口内に中紙Pを挿入する。そして、中紙Pが挿入されたシートSを、出口ローラ対113により、排紙トレイ104に排出・積載する。以下より、その具体的な構成と、動作について詳細に説明する。
【0023】
図2は、図1のシート剥離装置の主要部分を示す構成図(その1)である。図2に示すように、シート剥離装置100は、第1搬送手段である出口ローラ対113を備え、出口ローラ対113により、搬送されたシートSを巻付けローラ109と従動ローラ110とからなるローラ対の間にシートSを搬送する。
【0024】
入口ローラ対108及び出口ローラ対113は、それぞれ、例えば対となった2つのローラであり、駆動手段(モータなど)により、入口ローラ対108は一方向に回転駆動し、出口ローラ対113は正逆方向に回転駆動され、シートS及び中紙Pを挟持して搬送する。
【0025】
入口ローラ対108は、シートS及び中紙Pを出口ローラ対113に向けて搬送する。この搬送方向を正搬送方向(矢印A方向)と呼ぶ。
【0026】
一方、出口ローラ対113は、その回転を正逆の両方向に切り替え可能である。挟持されたシートSを正搬送方向である排紙トレイ104(図1参照)に向けて搬送できるとともに、その逆方向(引き戻す方向)となる巻付けローラ109に向けてシートSを搬送することもできる。この巻付けローラ109に向けて搬送する方向(正搬送方向に対し、逆方向)を、逆搬送方向(矢印B方向)と呼ぶ。
【0027】
また、シート剥離装置100は、これら入口ローラ対108と出口ローラ対113との間に、回転部材である巻付けローラ109と、その巻付けローラ109に従動して回転する第一部材である従動ローラ110とを備える。
【0028】
巻付けローラ109は、駆動手段(モータなど)により正逆方向に回転駆動され、その回転を両方向(時計回り/反時計回り)に切り替え可能である。従動ローラ110は、巻付けローラ109に当接し、ニップ部を形成し、巻付けローラ109と従動ローラ110とによってシートS及び中紙Pを挟持して搬送する。
【0029】
さらにシート剥離装置100は、巻付けローラ109の回転軸と直交する方向の外周である円周周り(外周面)に、回転方向に互いに所定の間隔を持って配置された第二部材としてのローラ部材であるグリップローラ111、112と、シートSの搬送方向を切り替えるための分岐爪T1、T2とを備える。
【0030】
これら複数のグリップローラ111、112は、巻付けローラ109に当接し、従動して回転する。グリップローラ111、112は、シートSを巻付けローラ109とで挟持(グリップ)し、巻付けローラ109に巻き付けるために用いられる。
【0031】
分岐爪T1は、入口ローラ対108と巻付けローラ109の間に配置され、分岐爪T2は、巻付けローラ109と出口ローラ対113の間に配置されている。これら分岐爪T1、T2は、駆動手段(モータなど)によりその位置(向き)を変動でき、シートSの搬送方向を変更できる。
【0032】
なお、グリップローラ111、112、及び分岐爪T1、T2は、シートSを巻付けローラ109に巻き付ける巻き付け手段としての巻き付け部材の一例である。
【0033】
続いて、図1図14を用いて、シート剥離装置100の一連の動作、すなわちシートSの剥離から中紙Pの挿入までの動作を説明する。なお、図3図14において、図1、2と同一物には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0034】
まず、図1に示すように、本実施形態のシート剥離装置100は、シートトレイ102上にシートSの2枚のシートが接合された一部(接合部)がそのシートSにおけるピックアップローラ105の給送方向(搬送方向)の下流流側に位置するように積載され、シートトレイ102上のシートSをピックアップローラ105にてピックし、搬送ローラ対107により入口ローラ対108に向けて搬送する。
【0035】
次いで、図2に示すように、入口ローラ対108より、シートSを巻付けローラ109と従動ローラ110で形成されるニップ部に向けて搬送する。このとき分岐爪T1、T2は、シートSの搬送経路上方、下方にそれぞれ移動されており、分岐爪T1はシートSを入口ローラ対108から巻付けローラ109と従動ローラ110の間に案内し、分岐爪T2はシートSを巻付けローラ109と従動ローラ110の間から出口ローラ対113に案内する。
【0036】
ここで、本実施形態では、シート剥離装置100は、シートSの4辺中の一辺である端部が接合された側を正搬送方向(矢印A方向)の下流として搬送する。
【0037】
続いて図3に示すように、シート剥離装置100は、正搬送方向におけるシートSの後端部が、分岐爪T1を過ぎた後、例えば、巻付けローラ109と従動ローラ110のニップ部に挟持された時点で、シートSの搬送を一時停止する。それとともに、分岐爪T1を回転軸を支点にして反時計回りに移動(回動)させ、シートSの後端部を巻付けローラ109の周りに案内する経路を生成する。なお、これら動作は、搬送センサC3(図1参照)の検出位置をトリガとして実施できる。
【0038】
次に、図4に示すように、出口ローラ対113と巻付けローラ109は回転方向を反転し、シートSを逆搬送方向(矢印B方向)に搬送する。そして、分岐爪T1によってシートSを巻付けローラ109の周りに案内する。すなわち、シート剥離装置100は、シートSの接合されていない側から、シートSを巻付けローラ109に巻き付ける。なお、このときの巻付けローラ109の回転方向を第一の回転方向と呼ぶ。
【0039】
図5図7に、シートSを巻付けローラ109に巻き付ける過程を示す。グリップローラ111、112は、送られてきたシートSを巻付けローラ109との間に挟持し、シートSを巻付けローラ109の円周周りに巻き付けていく(図5参照)。
【0040】
シートSを巻付けローラ109に1周以上巻き付けると、シートSの先端(シートSの接合されていない側)は、巻付けローラ109に対し固定される。さらにシートSを巻付けローラ109に巻き付けると、シートSの2枚のシートである内周側にあるシートと外周側にあるシートに周長差(巻き付け量の差)が生じ、出口ローラ対113と巻付けローラ109の間で、シートSが剥離し始める(シートSに隙間が形成され始める)(図6参照)。
【0041】
そして図7に示すように、出口ローラ対113と巻付けローラ109の間に、内周側シートの弛みが集まることで、内周側シートと外周側シートの間に隙間(空間)gを生じさせることができる。
【0042】
このように、本実施形態のシート剥離装置100は、シートSを巻付けローラ109に巻き付け、幾何学的な関係から内周側シートと外周側シートの間に巻き付け周長差を生じさせることで、シートSを確実に剥離できる。
【0043】
続いて、本実施形態のシート剥離装置100において、シートSの接合された一部である一辺(一端)とその一辺(一端)と対向する開口端となる他辺(他端)と間の部分全体を剥離して中紙Pをその中に挿入するための追加の構成と、その動作について説明する。
【0044】
図8に示すように、本実施形態のシート剥離装置100は、シートSの剥離されたシートのうちの1つのシートを案内する経路部材115と、シートSの幅方向の両側に設けられ、シートSの幅方向に移動可能な剥離爪116とをさらに備える。シート剥離装置100は、シートSに生じた空間gに対し、両側から剥離爪116を挿入できる。
【0045】
図9に示すように、シート剥離装置100は、剥離爪116を挿入した状態で、シートSを正搬送方向(矢印A方向)に搬送する方向に出口ローラ対113を回転させる。そして、図10に示すように、剥離爪116がシートSの搬送方向後端部に達することで、シートSの後端(開口)を剥離できる。
【0046】
ここで、剥離爪116について補足説明する。
【0047】
図15はシート剥離装置が備える剥離爪の模式図であり、図16図18は剥離爪でシートSを互いに剥離する様子を示す斜視図である。
【0048】
これら図に示すように、剥離爪116は、挿入方向(矢印C)の先端から後端に向かって徐々に隆起する形状であり、シートSに生じた空間gにスムーズに挿入できる。
【0049】
また、剥離爪116を空間gに挿入した後(図16、17参照)、シートSを正搬送方向(矢印A)に搬送することで、シートSの後端部まで確実に剥離することができる(図18参照)。
【0050】
なお、単一の剥離爪116を備える構成とし、シートSの片側にのみ挿入するとしてもよい。また、剥離爪116の形状は、図に示したものに限定されない。例えば、長楕円形状として構成してもよいし、さらに90°回転可能な構成としてもよい。
【0051】
図10に戻り、説明を続ける。シート剥離装置100は、出口ローラ対113が、シートSを正搬送方向(矢印A)に搬送してシートSを剥離した後、回転軸を支点として分岐爪T2を時計方向に移動(回動)され、回転させ、今までのシートSの搬送経路を閉じる。
【0052】
次いで、図11に示すように、出口ローラ対113は回転を反転し、シートSを逆搬送方向(矢印B方向)に搬送する。これにより、シートSの剥離された2枚のシート(以下、上側シートS1、下側シートS2とする)は、それぞれ別の方向に案内される。すなわち、上側シートS1は経路部材115に沿って搬送され、下側シートS2は経路部材でもある分岐爪T2に沿って搬送される。そして、図に示すように、シートSは接合された一辺を端として、大きく開口することになる。
【0053】
続いて、図12に示すように、出口ローラ対113は、シートSを逆搬送方向(矢印B方向)に指定位置まで搬送して待機する一方、第2搬送手段である入口ローラ対108は、給紙トレイ103(図1参照)から、中紙Pを出口ローラ対113に向けて正搬送方向(矢印A方向)搬送する。このとき、分岐爪T1は、搬送経路上方に移動されており、中紙Pがその下を通過する。
【0054】
次いで、図13に示すように、開口したシートS内に中紙Pを挿入する。なお、これら動作は、搬送センサC4(図1参照)の検出位置をトリガとして実施できる。
【0055】
そして、図14に示すように、出口ローラ対113は、中紙Pが挿入されたシートSを正搬送方向(矢印A方向)に搬送することで、シートSの2枚のシートを再度重ね、開口が閉じられる。そしてシート剥離装置100は、中紙Pが挟み込まれたシートSを、出口ローラ対113、又はそれ以降に配置されたローラなど(不図示)により、排紙トレイ104に排出・積載する(図1参照)。
【0056】
図19は、シート給紙から中紙挟みこみ完了までの一連の動作を説明するフローチャートである。フローチャートに対応する図面の番号を示しながら説明する。
【0057】
まず、ステップS11において、シート剥離装置100は、シートSの給紙を開始する(図1参照)。次いで、ステップS12において、搬送センサC4にシートSの先端が到着したか判定する(図2参照)。ステップS13にて、シート剥離装置100は、シートSが搬送センサC4から指定量搬送したことを判定すると、ステップS14にて、分岐爪T1をシートSが巻き付け経路に案内される位置に移動する(図3参照)。
【0058】
続いて、ステップS15において、シート剥離装置100は、巻付けローラ109を逆回転し、シートSを巻付けローラ109に巻き付ける(図4~7参照)。ステップS16において、シート剥離装置100は、搬送センサC4にシートSの先端が到達したことを判定すると、ステップS17において、シートSを搬送センサC4から指定量搬送した後、搬送を停止し、分岐爪T1を元の位置に移動させて戻す。そして、ステップS18において、シートSの剥離で生じた空間gに剥離爪116を挿入する(図8参照)。
【0059】
次いで、ステップS19において、シート剥離装置100は、出口ローラ対113と巻付けローラ109を正回転し、シートSを正搬送方向に搬送する。これにより、シートSは搬送方向後端まで互いに剥離されることになる(図9、10参照)。
【0060】
続いて、ステップS20において、シート剥離装置100は、シートSが搬送センサC4から指定量搬送されたことを判定すると、ステップS21において、分岐爪T2を剥離位置に移動し、出口ローラ対113を逆回転する。次いで、ステップS22において、シートSの先端が搬送センサC4を通過したか判定する(図11参照)。
【0061】
そして、ステップS23においてシート剥離装置100は、シートSを搬送センサC4から指定量搬送した後、シートSの搬送を停止し、分岐爪T2を元の位置に移動させて戻す。このとき、シートSを接合された一辺を端として、開口することになる(図11参照)。
【0062】
続いて、ステップS24において、シート剥離装置100は、中紙Pの給紙を開始する(図12参照)。ステップS25において、搬送センサC3により、中紙Pの先端が通過したことを判定した後、ステップS26において、中紙Pを指定量搬送することで、シートS内に挿入する(図13参照)。そして、出口ローラ対113を正回転して、中紙Pが挿入されたシートSを正搬送方向に搬送することで、挟み込みが完了する(図14参照)。ステップS27において、挟み込みが完了し、シートSが出口ローラ対113から排出された後に、全てのローラの回転を停止する。
【0063】
このように、本実施形態のシート剥離装置100は、シートSを大きく開口し、その中に中紙Pを挿入・挟持させることができる。したがって、例えば、バキューム装置を用いる特許文献1のラミネート装置に比べ、単純な構成であり、装置全体を簡略化、小型化できる。
【0064】
また、本実施形態のシート剥離装置100は、図1で示したように、シートSと中紙Pを別々のトレイに積載し、それぞれ別々に搬送できる。このため、シートSと中紙Pを予め決められた順番に積載する必要がなく、利便性を向上できる。なお、本実施形態では、トレイ102にシートSを積載し、トレイ103に中紙Pを積載するようにしたが、これに限定されない。トレイ102に中紙Pを積載し、トレイ103にシートSを積載してもよい。
【0065】
続いて、本発明の特徴的構成について説明する。
【0066】
本実施形態のシート剥離装置100は、先の図13で示したように、シートSを2枚のシートに剥離し、開口したシートS内に中紙Pを挿入する。剥離したシートSに対し、中紙Pを所望の位置に挿入(位置決め)するため、以下4つの手段を用いる。
【0067】
(第1手段)
図20は、第1手段を説明するシート剥離装置の主要部分を示す構成図である。図20に示すように、シート剥離装置100において、出口ローラ対113は、ニップ部にてシートSの接合部(接続部)をニップ(保持)して停止し、その接合部(接続部)に中紙Pを突き当てることで、シートSに対する中紙Pの位置決めを行う。
【0068】
シートSの接合部はシートSの搬送方向において幅があり、接合部の開口側端部は、出口ローラ対113のニップ部よりも正搬送方向の上流側にある。そのため、接合部に中紙Pを突き当てることで、シートSに対して中紙Pを位置決めできる。また、中紙Pの傾きを補正するため、相対位置(相対姿勢)精度を向上できる。
【0069】
ところで、シートSの接合部に中紙Pを突き当てるという第1手段では、シートSの接合部に対してのみ、中紙Pを位置決めする。そのため、搬送方向における長さがシートSよりも短い中紙Pを挿入する場合、シートSの真ん中の位置に中紙Pを配置したり、複数枚の中紙Pをその隙間を均等にして配置したりすることは困難であるという問題があった。
【0070】
そこで、これらの問題を解決できる第2~第5手段について説明する。
【0071】
(第2手段)
図21は、第2手段を説明するシート剥離装置の主要部分を示す構成図である。図21に示すように、シート剥離装置100には、シートS及び中紙Pの搬送位置を検出する搬送センサC3と、シートSの搬送位置を検出する搬送センサC4とが設けられている。
【0072】
シート剥離装置100は、正搬送方向に搬送されるシートSの先端位置を搬送センサC3で検出し、出口ローラ対113によりシートSを任意の距離搬送した時点で、搬送を停止する。そして、出口ローラ対113のニップ部に中紙Pを突き当てることで、シートSに対して中紙Pの位置決めを行う。
【0073】
すなわち、シート剥離装置100は、搬送センサC3の検出結果により、出口ローラ対113のニップ部からの正搬送方向におけるシートSの接合部の位置(突出量L)を調整可能であり、突出量Lが調整されたシートSの開口に中紙Pを挿入する。また、出口ローラ対113のニップ部に中紙Pを突き当てることで、中紙Pの傾きを補正し、相対位置(相対姿勢)精度を向上できる。
【0074】
したがって、例えば、シートSより小さいサイズの中紙PをシートSの真ん中に配置するといった位置決めも実施できる。
【0075】
なお、接合部の位置(突出量)を搬送センサC3にて検出することに替えて、出口ローラ対113の搬送量(回転量)で接合部の位置(突出量L)を検出してもよい。
【0076】
(第3手段)
図22は、第3手段を説明するシート剥離装置の主要部分を示す構成図である。図22に示すように、シート剥離装置100は、中紙Pの正搬送方向の搬送速度V2をシートSの正搬送方向の搬送速度V1よりも大きくし(V2>V1)、両者に速度差を持たせながら搬送する。そして、出口ローラ対113からシートSを任意の距離搬送した時点で、出口ローラ対113のニップ部に中紙Pを突き当てることで、シートSに対して中紙Pの位置決めを行う。
【0077】
なお、出口ローラ対113のニップ部に中紙Pを突き当てた後、中紙Pの正搬送方向の搬送速度V2とシートSの正搬送方向の搬送速度V1は、互いに等しくする。
【0078】
このように第3手段では、出口ローラ対113が停止しないため、第1、第2手段に比べて生産性を向上でき、有利である。
【0079】
(第4手段)
第4手段では、出口ローラ対113のニップ部において、シートSと中紙Pの合流タイミングを合わせる制御を行うことで、シートSに対する中紙Pの位置を調整する。
【0080】
図23は、第4手段を説明するシート剥離装置の主要部分を示す構成図である。図23(a)に示すように、シート剥離装置100は、シートSの剥離後に、中紙Pの搬送を開始する。次いで、図23(b)に示すように、出口ローラ対113は、シートSを正搬送方向に搬送し、出口ローラ対113のニップ部からの正搬送方向におけるシートSの接合部の位置(突出量)を調整する。なお、シートSの搬送位置を搬送センサC4で読取り、中紙Pの搬送位置を搬送センサC3で読取るとしてもよい。
【0081】
そして、図23(c)に示すように、シート剥離装置100は、中紙Pの正搬送方向の搬送速度V2とシートSの正搬送方向の搬送速度V1とを等しく搬送し(V2=V1)、シートSの接合部の位置(突出量L)が所望の値となるタイミングでシートSに中紙Pを挟み込む。
【0082】
この場合も、出口ローラ対113は停止しないため、第1、第2手段に比べて生産性を向上でき、有利である。
【0083】
(第5手段)
図24は、第5手段を説明するシート剥離装置の主要部分を示す構成図である。第5手段では、図20~23に示した第1~4手段のいずれかを用いて、シートSに複数枚の中紙Pを挿入する。
【0084】
図24(a)に示すように、第1~4手段のいずれかを用いてシートSに最初の中紙P1を位置決め・挿入する。次いで、図24(b)に示すように、中紙P1に後続する中紙P2を、第1~4手段のいずれかを用いてシートSに位置決め・挿入する。そして、図24(c)に示すように、シートSの2枚のシートを再度重ね、開口を綴じる。
【0085】
なお、図24では、シートSに対し、2枚の中紙P1、P2を挿入したが、2枚以上の中紙Pであっても同様な手段により、位置決め・挿入できる。
【0086】
このように、本実施形態のシート剥離装置は、剥離したシートSの、出口ローラ対113のニップ部からの突出量が調整できるので、複数枚の中紙Pを所望の位置に位置決め・挿入できる。
【0087】
図25aは、シート給紙から剥離完了までの一連の動作を説明するフローチャートであり、図25bは、第1~第4手段による中紙給紙から挟みこみ完了までの一連の動作を説明するフローチャートである。フローチャートに対応する図面の番号を示しながら説明する。
【0088】
ステップS11において、シート剥離装置100がシートSの給紙を開始してから、ステップ22において、シートSの先端が搬送センサC4を通過したか判定するまでは、先に示した図19のフローチャートと同じ処理となる。したがって、その説明を省略する。
【0089】
次いで、ステップS23において、シート剥離装置100は、シートSの接続部を出口ローラ対113のニップ部まで搬送した後、停止するか判定する。接続部をニップ部に位置する場合(YESの場合)、ステップS24に移行し、中紙Pの給紙を開始する(図12参照)。一方、接続部をニップ部に位置しない場合(NOの場合)、ステップS25に移行し、シートSをニップ部から指定量搬送後、停止する。
【0090】
次に、ステップS26において、シート剥離装置100は、搬送センサC2に中紙Pの先端が到着したことを判定すると、ステップS27において、出口ローラ対113によりシートSを搬送するか判定する。
【0091】
シートSを搬送しない場合(NOの場合)、ステップS28に移行し、シート剥離装置100は、シートSの接合部が出口ローラ対113のニップ部にあるか判定する。
【0092】
ステップS28において、シートSの接合部が出口ローラ対113のニップ部にある場合(YESの場合)、ステップS29に移行し、シート剥離装置100は、その接合部に中紙Pを突き当てることで、シートSに対する中紙Pの位置決めを行う(第1手段、図20参照)。
【0093】
一方、シートSの接合部が出口ローラ対113のニップ部にない場合(NOの場合)、ステップS30に移行する。シート剥離装置100は、シートSを所望の距離搬送した時点で搬送を停止し、出口ローラ対113のニップ部に中紙Pを突き当てることで、中紙Pの位置決めを行う(第2手段、図21参照)。
【0094】
次いで、ステップS31において、シート剥離装置100は、中紙Pが挿入されたシートSを正搬送方向に搬送する。
【0095】
先のステップS27において、シートSを搬送する場合(YESの場合)、ステップS32に移行し、シート剥離装置100は、シートSの正搬送方向の搬送速度V1と中紙Pの正搬送方向の搬送速度V2を等しくするか判定する。
【0096】
シートSの正搬送方向の搬送速度V1と中紙Pの正搬送方向の搬送速度V2を等しくする場合(YESの場合)、ステップS33に移行する。シート剥離装置100は、シートSの接合部の位置(突出量L)が所望の値となるタイミングでシートSに中紙Pを挟み込む(第4手段、図23参照)。
【0097】
一方、シートSの正搬送方向の搬送速度V1と中紙Pの正搬送方向の搬送速度V2を等しくしない場合(NOの場合)、ステップS34において、シートSの正搬送方向の搬送速度V1よりも中紙Pの正搬送方向の搬送速度V2を大きくする。そして、ステップS35において、シート剥離装置100は、出口ローラ対113からシートSを所望の距離搬送した時点で、出口ローラ対113のニップ部に中紙Pを突き当てることで、中紙Pの位置決めを行う(第3手段、図22参照)。その後、中紙Pの正搬送方向の搬送速度V2とシートSの正搬送方向の搬送速度V1を互いに等しくして搬送する。
【0098】
そして、ステップS36において、挟み込みが完了し、シートSが出口ローラ対113から排出された後に、全てのローラの回転を停止する。
【0099】
このように、本実施形態のシート剥離装置100は、第1~第4手段により、剥離したシートSに中紙Pを所望の位置に挿入できる。
【0100】
続いて、本実施形態の変形例について説明する。
【0101】
(変形例その1)
先の図6において、シートSを巻付けローラ109に1周以上巻き付けることで、シートSの先端を巻付けローラ109に固定できることを説明した。これに対し、本変形例では、1周未満の巻き付けで、シートSを互いに剥離できるシート剥離装置について説明する。
【0102】
図26は、先に示した図4と、その巻付けローラ上にあるシートSの部分拡大図を含む構成図である。図27は、変形例(その1)に係るシート剥離装置の主要部分と、その巻付けローラ上にあるシートSの部分拡大図を含む構成図である。
【0103】
図26の部分拡大図に示すように、シートSを巻付けローラ109に巻き付ける際、シートSは巻き付け周長差により、搬送量に差が生じる。
【0104】
これに対し、本変形例のシート剥離装置100aは、図27に示すように、従動ローラ110による挟持力をF1、グリップローラ111による挟持力をF2、グリップローラ112による挟持力をF3として、F1<F2<F3としている。すなわち、従動ローラ110による挟持力よりもグリップローラ111、112による挟持力を大きくし、グリップローラ111、112が従動ローラ110に当接するグリップ部において、シートSの内側シートと外側シートのずれを規制している。
【0105】
そのため、従動ローラ110と巻付けローラ109のニップ部で周長差分のスリップが生じ、シートSの内側シートの搬送量が、外側シートの搬送量に対して少なくなる。その結果、シートSを巻付けローラ109に1周以上巻き付けなくても、出口ローラ対113と巻付けローラ109の間に内周側シートの弛みが集まり、内周側シートと外周側シートの間に隙間(空間)gを生じさせることができる。
【0106】
このように、従動ローラ110、及びグリップローラ111、112による挟持力を、巻付けローラ109の(巻き付け時の)回転方向の順に大きくすることで、シートSを1周未満の巻き付けで、互いに剥離することができる。これにより、シートSの巻き付け量を減らし、剥離時間を短縮できる。
【0107】
また、従動ローラ110、及びグリップローラ111、112による挟持力は、例えば、それぞれの巻付けローラ109への当接力を調整するといった方法で、変更できることが望ましい。このシート剥離装置100aは、シート巻き付け量を調整することで、様々なサイズのシートを剥離でき、有利である。
【0108】
(変形例その2)
図28は、変形例(その2)に係るシート剥離装置の主要部分を示す構成図である。図28に示すように、本変形例のシート剥離装置100bは、グリップローラ111、112に代えて、巻付けローラ109の円周周りに2枚重ねシートSを案内するガイド部材119を備えることを特徴とする。
【0109】
ガイド部材119で巻付けローラ109にシートSを巻き付けることで、シートSを剥離することができる。なお、ガイド部材119とグリップローラ111、112の両方を備えるという構成にしてもよい。
【0110】
(変形例その3)
図29は、変形例(その3)に係るシート剥離装置の主要部分と、その部分拡大図を含む構成図である。図29において、図2と同一物には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0111】
本変形例のシート剥離装置100cは、従動ローラ110、グリップローラ111、112をなくす一方、部分拡大図に示すように、くさび部117が設けられた巻付けローラ109aを備える。このくさび部117は、2枚重ねシートSを保持する保持手段の一例であり、巻付けローラ109aの外周に一体で成形されている。
【0112】
本変形例のシート剥離装置100cは、出口ローラ対113で巻付けローラ109aにシートSを搬送し、その先端をくさび部117に差し込むことで、シートSの先端を保持することを特徴とする。
【0113】
このくさび部117は、巻付けローラ109aにシートS(の端部)を固定できればよく、図30(a)に示すように、巻付けローラ109aと別部品で構成してもよい。また、図30(b)に示すように、クリップのような弾性力を有する部材でシートSを把持(保持)してもよい。これらは、シート剥離装置の構成に合わせて選択可能である。
【0114】
本変形例のシート剥離装置100cにおいて、巻付けローラ109aにシートSを搬送するまでの動作、及び巻付けローラ109aにシートSを保持してからの動作は、先に説明した実施形態と同じである。図31に示すように、巻付けローラ109aにシートSを巻き付けることで、シートSのそれぞれのシート間に巻き付け周長差を生じさせ、剥離できる。
【0115】
このように、本変形例のシート剥離装置100cは、従動ローラ110及びグリップローラ111、112を用いないため、それらの搬送力の調整が不要である。また、先に説明した実施形態に比べ、より単純な構成であり、装置全体をより簡略化、小型化できる。
【0116】
続いて、本発明に係るシート剥離装置を備えるラミネート処理装置、画像形成装置及び画像形成システムについて説明する。
【0117】
図32は、本発明に係るシート剥離装置を備えるラミネート処理装置の一例を示す全体構成図である。図32に示すように、ラミネート処理装置200は、先に説明したシート剥離装置100と、シートSを加熱及び加圧可能な熱加圧部材である熱加圧ローラ120と、熱加圧ローラ120の下流に設けられた排出ローラ121とを備える。
【0118】
このラミネート処理装置200は、シートSの給紙、剥離、中紙Pの挿入、及び熱加圧によるラミネート処理までの一連の動作を1台で実施できる構成である。この一連の動作を、人手を要さずに自動で実施でき、従来技術よりも利便性を向上できる。
【0119】
図33は、本発明に係るラミネート処理装置を備える画像形成装置の一例を示す全体構成図である。この画像形成装置300は、ラミネート処理装置部として、内部にラミネート処理装置200aを備える。
【0120】
ここで、ラミネート処理装置200aは、シートS又は中紙Pを積載するシートトレイ102を備えるとともに、シートS及び/又は中紙Pを画像形成装置300から給紙可能な構成である。したがって、画像形成装置300(例えば、プリンタ、コピー機など)により、シートS又は中紙Pに画像をインラインで挿入できる。
【0121】
画像形成装置300の構成を具体的に説明する。図33に示すように、画像形成装置300内には、中間転写装置150が設けられている。中間転写装置150は、複数のローラに掛けまわしてエンドレスの中間転写ベルト152をほぼ水平に張り渡し、反時計まわりに走行する。
【0122】
中間転写装置150の下には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの作像装置154c、154m、154y、154kが、中間転写ベルト152の張り渡し方向に沿って四連タンデム式に並べて設けられている。各作像装置154は、図中時計まわりに回転するドラム状の像担持体のまわりに帯電装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置などを設置して構成される。各作像装置154の下には、露光装置156が設けられている。
【0123】
露光装置156の下には、給紙装置158が設けられている。給紙装置158は、シートSを収納する第1給紙カセット160と、中紙Pを収納する第2給紙カセット162とを備える。なお、第1給紙カセット160は、2枚重ねシートを積載する第3積載手段の一例であり、第2給紙カセット162は、シート状媒体を積載する第4積載手段の一例である。
【0124】
第1給紙カセット160の右上には、第1給紙カセット160内のシートSを一枚ずつ繰り出して用紙搬送路164に入れる第1給紙コロ166が設けられている。また、第2給紙カセット162の右上には、給紙カセット内の中紙Pを一枚ずつ繰り出して用紙搬送路164に入れる第2給紙コロ168が設けられている。
【0125】
用紙搬送路164は、画像形成装置300内の右側に下方から上方に向けて形成され、画像形成装置300内のラミネート処理装置200aへと通ずる。用紙搬送路164には、搬送ローラ170、中間転写ベルト152と対向して二次転写装置174、定着装置176、一対の排紙ローラよりなる排紙装置178などが順に設けられている。
【0126】
なお、第1給紙コロ166、搬送ローラ170及び用紙搬送路164は、第1給紙カセット160(第3積載手段)から2枚重ねシートを給送する第3給送手段の一例である。また、第2給紙コロ168、搬送ローラ170及び用紙搬送路164は、第2給紙カセット162(第4積載手段)からシート状媒体を給送する第4給送手段の一例である。さらに、中間転写装置150、及び定着装置176などは、2枚重ねシート又はシート状媒体に画像を形成する画像形成部の一例である。
【0127】
続いて、本実施形態の画像形成装置300において、シートSに画像形成をした後、ラミネート処理を行う動作について説明する。
【0128】
シートSに画像を形成する際、はじめに、画像読取装置188で原稿画像を読み取り、露光装置156で書き込みを行う。次いで、各作像装置154c、154m、154y、154kのそれぞれの像担持体上に各色トナー画像を形成し、そのトナー像を一次転写装置180c、180m、180y、180kで順次転写して中間転写ベルト152上にカラー画像を形成する。
【0129】
一方、画像形成装置300は、第1給紙コロ166を回転してシートSを繰り出して用紙搬送路164に入れる。そして、用紙搬送路164を通して搬送ローラ170で搬送してタイミングを取って二次転写位置へと送り込み、上記したように中間転写ベルト152上に形成したカラー画像が二次転写装置174でシートSに転写される。
【0130】
画像転写後のシートSは、定着装置176で画像定着後、排紙装置178でラミネート処理装置200aに送られる。
【0131】
また、画像形成装置300は、第2給紙コロ168を回転して中紙Pを繰り出して用紙搬送路164に入れ、排紙装置178でラミネート処理装置200aに送る。
【0132】
このようにして、画像形成されたシートSと、中紙Pをラミネート処理装置200aに送ることで、ラミネート処理が行われる。ラミネート処理の詳細は、上記したので省略する。
【0133】
本実施形態の画像形成装置300は、上記した構成であるので、中紙Pに画像形成をした後に、ラミネート処理装置200aにより、ラミネート処理を行うこともできる。また、中紙PとシートSに画像形成した後に、ラミネート処理を行うこともできる。
【0134】
図34は、本発明に係るラミネート処理装置を備える画像形成装置の変形例を示す全体構成図である。この画像形成装置400は、画像形成装置本体側に本体排出ローラ122と、本体排紙トレイ123とを備える点で、図33の画像形成装置300と異なる。
【0135】
画像形成装置400は、ラミネート処理を実施しない場合、本体排出ローラ122を用いて画像形成した記録媒体を本体排紙トレイ123に排出できる。したがって、画像形成装置400は、ラミネート処理をしない場合、画像形成の出力速度を下げない。
【0136】
なお、画像形成装置400は、ラミネート処理装置200aを内部に脱着可能に備える構成としてもよい。すなわち、ラミネート処理が不要な際は、ラミネート処理装置200aを画像形成装置400から外してもよい。
【0137】
また、その外したラミネート処理装置200aに、中紙Pを積載する給紙トレイ103と、給紙トレイ103から中紙Pを給送するピックアップローラ106とを装着し、図32に示すものと同様なラミネート処理機単体として利用できるとしてもよい。
【0138】
図33に示した画像形成装置300、及び図34に示した画像形成装置400は、ラミネート処理機に代えて、シート剥離装置を備える構成としてもよい。また、図34に示した画像形成装置400では、シート剥離装置を着脱可能な構成としてもよい。
【0139】
また、画像形成システムとして、画像形成装置と、前記画像形成装置に着脱可能に接続されたシート剥離装置100、100a~c、又はラミネート処理装置200を備えるシステムを構成してもよい。さらにまた、給紙装置(スタッカ)、及び/又はくるみ製本装置などを備えるシステムを構成してもよい。なお、シートSを定着装置176の間を通す場合、そのシートSは、定着温度では接着されず、それよりも高温の熱を与えることにより接着されるものである。
【0140】
さらに、画像形成装置300、400は、シートSと中紙Pに画像を形成する方式として、電子写真方式を用いているがこれに限定されるものでなく、インクジェット方式や孔版印刷方式などの公知の画像形成方式を用いてもよい。
【0141】
以上、実施形態を用いて本発明を詳細に説明した。この実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して使用できる。例えば、実施形態と変形例をそれぞれ組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0142】
100、100a、100b、100c シート剥離装置
102 シートトレイ
103 給紙トレイ
104 排紙トレイ
105、106 ピックアップローラ
107 搬送ローラ対
108 入口ローラ対
109、109a 巻付けローラ
110 従動ローラ
111、112 グリップローラ
113 出口ローラ対
115 経路部材
116 剥離爪
117 くさび部
119 ガイド部材
120 熱加圧ローラ
121 排出ローラ
122 本体排出ローラ
123 本体排紙トレイ
150 中間転写装置
152 中間転写ベルト
154c、154k、154m、154y 作像装置
156 露光装置
158 給紙装置
160 第1給紙カセット
162 第2給紙カセット
164 用紙搬送路
166 第1給紙コロ
168 第2給紙コロ
170 搬送ローラ
174 二次転写装置
176 定着装置
178 排紙装置
180c、180k、180m、180y 一次転写装置
188 画像読取装置
200、200a ラミネート処理装置
300、400 画像形成装置
C1、C2、C3、C4 搬送センサ
P 中紙
S シート(2枚重ねシート)
S1 上側シート
S2 下側シート
T1、T2 分岐爪
L 突出量
g 空間
【先行技術文献】
【特許文献】
【0143】
【特許文献1】特開2006-160429号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25a
図25b
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
【手続補正書】
【提出日】2023-01-25
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、シート処理装置、ラミネート処理装置、及び画像形成システムに関する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
そこで本発明は、回転部材に2枚重ねシートを巻き付けるという比較的単純な構成でシートを剥離し、剥離したシートに少なくとも1枚の中紙類(シート状媒体)を所望の位置に挿入できるシート処理装置を提供することを目的とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
上記課題は、2枚のシートの一部が接合された2層シートを剥離し、前記2層シートの間に少なくとも1枚のシート状媒体を挿入するシート処理装置において、前記2層シートを所定の搬送方向に搬送する搬送手段を備え、前記搬送手段は、前記2層シートの接合部を、前記搬送手段のニップ部から突出させるとともに、前記ニップ部からの前記接合部の突出量を調整し、前記シート状媒体を挿入することを特徴とするシート処理装置によって解決される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
本発明のシート処理装置は、回転部材に2枚重ねシートを巻き付け、幾何学的な関係から内周側シートと外周側シートの間に巻き付け周長差を生じさせることで、2枚重ねシートの2枚のシートを剥離できる。また、剥離した2枚のシートの、搬送手段のニップ部からの突出量を調整できるので、少なくとも1枚のシート状媒体を所望の位置に挿入できる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
本実施形態のシート剥離装置(シート処理装置)は、2枚重ねシート(以下、シートSという)を互いに剥離し、その剥離したシートS内に中紙Pを挿入して挟持させるものである。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
(実施形態)
図1は、本発明の一実施形態に係るシート剥離装置(シート処理装置)の全体構成図である。図1に示すように、シート剥離装置100は、シートSを積載する第1積載手段であるシートトレイ102と、シートトレイ102からシートSを給送するピックアップローラ105と、搬送ローラ対107とを備える。またシート剥離装置100は、中紙Pを積載する第2積載手段である給紙トレイ103と、給紙トレイ103から中紙Pを給送するピックアップローラ106とを備える。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0142
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0142】
100、100a、100b、100c シート剥離装置(シート処理装置)
102 シートトレイ
103 給紙トレイ
104 排紙トレイ
105、106 ピックアップローラ
107 搬送ローラ対
108 入口ローラ対
109、109a 巻付けローラ
110 従動ローラ
111、112 グリップローラ
113 出口ローラ対
115 経路部材
116 剥離爪
117 くさび部
119 ガイド部材
120 熱加圧ローラ
121 排出ローラ
122 本体排出ローラ
123 本体排紙トレイ
150 中間転写装置
152 中間転写ベルト
154c、154k、154m、154y 作像装置
156 露光装置
158 給紙装置
160 第1給紙カセット
162 第2給紙カセット
164 用紙搬送路
166 第1給紙コロ
168 第2給紙コロ
170 搬送ローラ
174 二次転写装置
176 定着装置
178 排紙装置
180c、180k、180m、180y 一次転写装置
188 画像読取装置
200、200a ラミネート処理装置
300、400 画像形成装置
C1、C2、C3、C4 搬送センサ(検出手段)
P 中紙
S シート(2枚重ねシート)
S1 上側シート
S2 下側シート
T1、T2 分岐爪
L 突出量
g 空間
【手続補正10】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2枚のシートの一部が接合された2層シートを剥離し、前記2層シートの間に少なくとも1枚のシート状媒体を挿入するシート処理装置において、
前記2層シートを所定の搬送方向に搬送する搬送手段を備え、
前記搬送手段は、前記2層シートの接合部を、前記搬送手段のニップ部から突出させるとともに、前記ニップ部からの前記接合部の突出量を調整し、前記シート状媒体を挿入することを特徴とするシート処理装置
【請求項2】
前記搬送手段は、前記所定の搬送方向とは反対方向である逆搬送方向に、前記2層シートを搬送可能であることを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置
【請求項3】
前記2層シートの前記所定の搬送方向の端部を検出する検出手段を更に備え、
前記検出手段の検出結果により、前記接合部の前記突出量を調整することを特徴とする請求項1又は2に記載のシート処理装置
【請求項4】
前記搬送手段の前記所定の搬送方向における上流側に、前記搬送手段とは別の搬送手段を更に備え、
前記別の搬送手段は、前記少なくとも1枚のシート状媒体を前記所定の搬送方向に搬送し、前記搬送手段に挟まれた前記2層シートに前記少なくとも1枚のシート状媒体を挿入することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシート処理装置。
【請求項5】
前記搬送手段の前記所定の搬送方向における上流側に、前記搬送手段とは別の搬送手段を更に備え、
前記2層シートの前記接合部が、前記搬送手段の前記ニップ部に保持された状態で、前記搬送手段を停止し、
前記別の搬送手段により搬送された前記少なくとも1枚のシート状媒体を、前記搬送手段の前記ニップ部に保持された前記接合部と接触させて、前記2層シートと前記少なくとも1枚のシート状媒体との相対位置を決定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシート処理装置
【請求項6】
前記搬送手段の前記所定の搬送方向における上流側に、前記搬送手段とは別の搬送手段を更に備え、
前記2層シートの前記接合部が、前記搬送手段の前記ニップ部よりも前記所定の搬送方向とは反対方向である逆搬送方向の下流にある状態で、前記搬送手段は、前記2層シートを前記搬送手段の前記ニップ部に保持し、
前記別の搬送手段により搬送された前記少なくとも1枚のシート状媒体を、前記搬送手段の前記ニップ部に保持された前記2層シートの一部と接触させて、前記2層シートと前記少なくとも1枚のシート状媒体との相対位置を決定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシート処理装置
【請求項7】
前記搬送手段の前記所定の搬送方向における上流側に、前記搬送手段とは別の搬送手段を更に備え、
前記別の搬送手段は、前記少なくとも1枚のシート状媒体を、前記2層シートを搬送する速度よりも速い速度で、前記所定の搬送方向に搬送し、
前記別の搬送手段により搬送された前記少なくとも1枚のシート状媒体を、前記搬送手段の前記ニップ部に保持された前記2層シートの一部と接触させて、前記2層シートと前記少なくとも1枚のシート状媒体との相対位置を決定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシート処理装置
【請求項8】
前記搬送手段の前記所定の搬送方向における上流側に、前記搬送手段とは別の搬送手段を更に備え、
前記別の搬送手段は、前記少なくとも1枚のシート状媒体を、前記搬送手段が前記所定の搬送方向に前記2層シートを搬送する速度と同じ速度で、前記所定の搬送方向に搬送し、
前記ニップ部からの前記2層シートの前記突出量が所望の値となる時点で、前記2層シートに前記少なくとも1枚のシート状媒体を挿入し、前記2層シートと前記少なくとも1枚のシート状媒体との相対位置を決定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシート処理装置。
【請求項9】
前記2層シートを保持する保持手段を有する回転部材を備え、
前記回転部材は、前記保持手段によって保持された前記2層シートを巻き取り、前記2層シートの間に空間を形成することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のシート処理装置。
【請求項10】
回転部材と、
前記回転部材に対向し、前記回転部材との間で前記2層シートを狭持する狭持手段とを備え、
前記回転部材は、前記狭持手段によって保持された前記2層シートを巻き取り、前記2層シートの間に空間を形成することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のシート処理装置。
【請求項11】
前記2層シートの幅方向において、前記2層シートの間に形成された空間に挿入される分離部材を備え、
前記分離部材が前記空間に挿入された状態で、前記2層シートと前記分離部材を相対的に移動させることにより、前記2層シートを分離することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載のシート処理装置。
【請求項12】
前記2層シートを積載する第1積載手段と、
前記2層シートを前記第1積載手段から前記搬送手段に供給する第1給送手段と、
前記2層シートに挿入される前記少なくとも1枚のシート状媒体を積載する第2積載手段と、
前記第2積載手段から、前記少なくとも1枚のシート状媒体を前記搬送手段とは別の搬送手段に供給する第2給送手段と、を備えることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載のシート処理装置。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか一項に記載のシート処理装置と、
前記2層シートを加熱及び加圧する熱加圧部材と、
を備えたラミネート処理装置。
【請求項14】
前記少なくとも1枚のシート状媒体に画像を形成する画像形成装置と、
請求項1乃至12のいずれか一項に記載のシート処理装置と、
を備えた画像形成システム。
【請求項15】
前記少なくとも1枚のシート状媒体に画像を形成する画像形成装置と、
請求項13に記載のラミネート処理装置と、
を備えた画像形成システム。