(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023039185
(43)【公開日】2023-03-20
(54)【発明の名称】画像形成システム、情報処理方法、及び、情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 9/445 20180101AFI20230313BHJP
G06F 21/31 20130101ALI20230313BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20230313BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20230313BHJP
【FI】
G06F9/445 130
G06F21/31
H04N1/00 127A
G06F3/12 305
G06F3/12 331
G06F3/12 325
G06F3/12 303
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021146221
(22)【出願日】2021-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100186853
【弁理士】
【氏名又は名称】宗像 孝志
(72)【発明者】
【氏名】穐山 敏雄
(72)【発明者】
【氏名】廣濱 泰人
【テーマコード(参考)】
5B376
5C062
【Fターム(参考)】
5B376AC12
5B376AD27
5B376FA04
5B376GA01
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA35
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB38
5C062AC04
5C062AC34
5C062AF12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】出力先毎のユニークな設定を実行する画像形成システム、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】画像形成システム100は、ユーザ端末の指示に基づき画像形成を行う画像形成装置と、画像形成装置の識別情報に基づき、画像形成装置に応じたドライバを取得し、識別情報、条件及びドライバを組み合わせてインストールパッケージを生成する情報処理装置と、ユーザの指示に基づき、インストールパッケージを取得し、インストールパッケージによりドライバをインストールして、画像形成装置に画像形成の指示を行うユーザ端末と、を備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが用いるユーザ端末と、前記ユーザ端末の指示に基づき画像形成を行う画像形成装置と、前記画像形成装置と接続する情報処理装置とを有する画像形成システムであって、
前記情報処理装置は、
前記画像形成装置が画像形成を行う条件を設定する設定部と、
前記画像形成装置に認証されたユーザによって開始操作が行われると、前記画像形成装置の識別情報を取得する識別情報取得部と、
前記識別情報に基づき、前記画像形成装置に応じたドライバを取得するドライバ取得部と、
前記識別情報、前記条件、及び、前記ドライバを組み合わせてインストールパッケージを生成する生成部と、
前記インストールパッケージ、又は、前記インストールパッケージを取得するための取得情報の通知を行う通知部と
を備え、
前記画像形成装置は、
前記ユーザを認証する認証部と、
前記開始操作を受け付ける開始操作部と、
前記ユーザ端末からの指示に基づき画像形成を行う画像形成部と
を備え、
前記ユーザ端末は、
前記通知に基づき、前記インストールパッケージを取得するインストールパッケージ取得部と、
前記インストールパッケージにより前記ドライバをインストールして、前記画像形成装置に画像形成の指示を行う指示部と
を備える画像形成システム。
【請求項2】
前記開始操作が行われると、管理者が用いる管理者端末は、前記条件を設定するGUIを表示し、
前記生成部は、
前記GUIで設定された前記条件に基づき、前記インストールパッケージを生成する
請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記生成部は、
前記ユーザ端末が所属するグループを特定し、特定された前記グループに関わる前記識別情報を取得して前記インストールパッケージを生成する
請求項1又は2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記条件には、
前記取得情報の通知先、及び、前記画像形成装置の初期値、又は、利用制限の設定を含む
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記ドライバ取得部は、
前記識別情報に含まれる前記ユーザの権限を示す情報に基づき、
前記ユーザに権限が設定されていると判断すると、前記ドライバを取得する
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項6】
ユーザが用いるユーザ端末と、前記ユーザ端末の指示に基づき画像形成を行う画像形成装置と、前記画像形成装置と接続する情報処理装置とを有する画像形成システムが行う情報処理方法であって、
前記情報処理装置が、前記画像形成装置が画像形成を行う条件を設定する設定手順と、
前記情報処理装置が、前記画像形成装置に認証されたユーザによって開始操作が行われると、前記画像形成装置の識別情報を取得する識別情報取得手順と、
前記情報処理装置が、前記識別情報に基づき、前記画像形成装置に応じたドライバを取得するドライバ取得手順と、
前記情報処理装置が、前記識別情報、前記条件、及び、前記ドライバを組み合わせてインストールパッケージを生成する生成手順と、
前記情報処理装置が、前記インストールパッケージ、又は、前記インストールパッケージを取得するための取得情報の通知を行う通知手順と、
前記画像形成装置が、前記ユーザを認証する認証手順と、
前記画像形成装置が、前記開始操作を受け付ける開始操作手順と、
前記画像形成装置が、前記ユーザ端末からの指示に基づき画像形成を行う画像形成手順と、
前記ユーザ端末が、前記通知に基づき、前記インストールパッケージを取得するインストールパッケージ取得手順と、
前記ユーザ端末が、前記インストールパッケージにより前記ドライバをインストールして、前記画像形成装置に画像形成の指示を行う指示手順と
を含む情報処理方法。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理方法を実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システム、情報処理方法、及び、情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
MultiFunction Peripheral(以下「MFP」という。)、又は、Laser Printer(以下「LP」という。)等の画像形成装置を設置する際にドライバをインストールする技術が知られている。
【0003】
具体的には、まず、情報処理装置は、ユーザからアプリケーションを介して処理要求を受け付け、当該処理要求の出力先となる周辺機器を選択する。次に、情報処理装置は、周辺機器に対応するドライバを設定する処理を行う。このようにして、周辺機器に対し、ドライバを的確にインストールする技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術は、印刷命令を実行した後に、出力先を選択させる方式等を想定していない。そのため、従来の技術は、印刷命令の際には出力先が不確定であるため、汎用的な印刷命令等以外が実行できない課題がある。
【0005】
本発明は、画像形成システムにおいて、出力先ごとのユニークな設定を実行できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明の一態様である、
ユーザが用いるユーザ端末と、前記ユーザ端末の指示に基づき画像形成を行う画像形成装置と、前記画像形成装置と接続する情報処理装置とを有する画像形成システムにおいて、
前記情報処理装置は、
前記画像形成装置が画像形成を行う条件を設定する設定部と、
前記画像形成装置に認証されたユーザによって開始操作が行われると、前記画像形成装置の識別情報を取得する識別情報取得部と、
前記識別情報に基づき、前記画像形成装置に応じたドライバを取得するドライバ取得部と、
前記識別情報、前記条件、及び、前記ドライバを組み合わせてインストールパッケージを生成する生成部と、
前記インストールパッケージ、又は、前記インストールパッケージを取得するための取得情報の通知を行う通知部と
を備え、
前記画像形成装置は、
前記ユーザを認証する認証部と、
前記開始操作を受け付ける開始操作部と、
前記ユーザ端末からの指示に基づき画像形成を行う画像形成部と
を備え、
前記ユーザ端末は、
前記通知に基づき、前記インストールパッケージを取得するインストールパッケージ取得部と、
前記インストールパッケージにより前記ドライバをインストールして、前記画像形成装置に画像形成の指示を行う指示部と
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画像形成システムにおいて、出力先ごとのユニークな設定を実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付する図面を参照し、具体例を説明する。なお、実施形態は、以下に説明する具体例に限られない。
【0010】
[画像形成システムの例]
図1は、画像形成システムの構成例を示す図である。例えば、画像形成システム100は、カタログサーバ101、プラットフォームサーバ102、MFP103、管理サーバ104、及び、端末105等で構成する。
【0011】
以下、画像形成システム100において、情報処理装置をプラットフォームサーバ102、画像形成装置をMFP103、及び、端末105をユーザ端末の例とする。
【0012】
カタログサーバ101、プラットフォームサーバ102、管理サーバ104、及び、端末105は、例えば、以下のようなハードウェア構成の装置である。
【0013】
[情報処理装置の例]
図2は、情報処理装置等の例を示す図である。以下、カタログサーバ101、プラットフォームサーバ102、管理サーバ104、及び、端末105が同じハードウェア構成の装置である例で説明する。
【0014】
情報処理装置、及び、ユーザ端末は、コンピュータである。例えば、情報処理装置、及び、ユーザ端末は、Central Processing Unit(以下「CPU501」という。)、Read Only Memory(以下「ROM502」という。)、Random Access Memory(以下「RAM503」という。)、Hard Disk(以下「HD504」という。)、Hard Disk Driveコントローラ(以下「HDDコントローラ505」という。)、ディスプレイ506、外部機器接続Interface(以下「外部機器接続I/F508」という。)、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティングデバイス512、Digital Versatile Disk Rewritableドライブ(以下「DVD-RWドライブ514」という。)、及び、メディアI/F516を備える。
【0015】
CPU501は、情報処理装置の全体の動作を制御する。
【0016】
ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。
【0017】
RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。
【0018】
HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。
【0019】
HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0020】
ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は、画像等の各種情報を表示する。
【0021】
外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。例えば、外部機器は、USB(Universal Serial Bus)メモリ、又は、プリンタ等である。
【0022】
ネットワークI/F509は、通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。
【0023】
バスライン510は、CPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバス、及び、データバス等である。
【0024】
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。
【0025】
ポインティングデバイス512は、各種指示の選択実行、処理対象の選択、カーソルの移動等を行う入力装置の一種である。
【0026】
DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の例であるDVD-RW513に対する各種データの読み出し、又は、書き込みを制御する。なお、記録媒体は、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。
【0027】
メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0028】
なお、情報処理装置は、図示する以外の装置を内部、又は、外部に備えてもよい。
【0029】
[画像形成装置の例]
図3は、画像形成装置の例を示す図である。例えば、MFP103は、以下のようなハードウェア構成の装置である。
【0030】
MFP103は、Central Processing Unit(以下「CPU301」という。)、記憶装置302、ネットワークインタフェース303、入力装置304、出力装置305、及び、画像形成器306を備える。
【0031】
CPU301は、演算装置、及び、制御装置の例である。
【0032】
記憶装置302は、メモリ等の主記憶装置、ハードディスク等の補助記憶装置、又は、これらの組み合わせ等である。
【0033】
ネットワークインタフェース303は、外部装置とデータを送受信する通信装置等である。
【0034】
入力装置304は、例えば、マウス、キーボード、又は、これらの組み合わせ等である。すなわち、入力装置304は、ユーザ200等による操作を入力する装置である。
【0035】
出力装置305は、例えば、ディスプレイ等である。すなわち、出力装置305は、ユーザ200等に、画面等を表示する装置である。
【0036】
画像形成器306は、例えば、感光体、及び、用紙等の記録媒体を搬送する搬送装置等である。なお、画像形成器306は、画像形成の方式により、ハードウェアが定まる。
【0037】
なお、画像形成装置は、図示する以外のハードウェア資源を内部、又は、外部に更に備えてもよい。
【0038】
[全体処理の例]
図4は、全体処理の例を示す図である。以下、MFP103を設置し、出力先とする場面を例に説明する。また、通知先を端末105とする。ただし、全体処理は、設置以外の場面で実行されてもよい。
【0039】
ステップS0401では、プラットフォームサーバ102は、MFP103が画像形成を行う条件を設定する。
【0040】
例えば、条件は、画像形成システム100の管理者等が入力する。そして、条件は、例えば、MFP103を利用する上での制限等である。具体的には、条件は、白黒のみで画像形成を行う設定、集約等の印刷設定、又は、MFP103を利用できるユーザ等を示す。なお、条件は、MFP103を利用する上で設定される事項であれば、他の事項でもよい。
【0041】
ステップS0402では、MFP103は、ユーザ200を認証する。例えば、ユーザ200は、MFP103に対し、ログインする操作を行う。具体的には、ユーザ200に対し、事前にidentification(ID)、及び、パスワード等を設定する。そして、ユーザ200は、MFP103に対し、ID、及び、パスワードを入力する操作を行う。次に、MFP103は、入力されたID、及び、パスワードが事前に設定された値と完全一致するかを照合する。その照合の結果、完全一致すると判断されると、MFP103は、ユーザ200であると認証する。
【0042】
なお、認証は、ID、及び、パスワード以外の方式であってもよい。
【0043】
また、認証は、MFP103が行うのが望ましい。すなわち、認証は、MFP103上で操作を受け付けて処理を実行するのが望ましい。このようにすると、ユーザ200に「なりすまし」をしようとする者があっても、MFP103は、MFP103に接する位置にいないユーザを認証しない。例えば、「なりすまし」をするためにネットワークを介して別の位置から操作をするような者を誤って認証するのを防ぐことができる。
【0044】
ステップS0403では、MFP103は、ユーザ200からMFP103の利用を開始する操作(以下「開始操作」という。)を受け付ける。例えば、MFP103は、ユーザ200に対し、「利用開始」のボタン等を表示する。そして、ユーザ200が「利用開始」のボタンを押すと、MFP103は、開始操作がされたと判断する。なお、開始操作は、ボタンを押す操作以外の方法でもよい。
【0045】
ステップS0404では、プラットフォームサーバ102は、識別情報を取得する。具体的には、開始操作が行われると、プラットフォームサーバ102は、MFP103が送信する識別情報を取得する。
【0046】
識別情報は、MFP103を他の画像形成装置とは区別して識別できる情報である。例えば、識別情報は、プラグアンドプレイ(PnP)名、Internet Protocol(IP)アドレス、ユーザ200のアカウント情報、機器固有名、機器識別名、機種識別名、又は、これらの組み合わせである。
【0047】
なお、識別情報は、MFP103、及び、ユーザ200が識別できる情報であればよい。例えば、ユーザ200のアカウント情報は、メールアドレス等でもよい。また、識別情報は、複数の情報の組み合わせでもよいし、単独の識別番号等でもよい。ただし、セキュリティ上、複数の情報を組み合わせであるのが望ましい。
【0048】
複数の情報の組み合わせであると、一部の情報が偶然に一致した場合等でも区別することができる。
【0049】
ステップS0405では、プラットフォームサーバ102は、開始操作を行ったユーザ200の権限を判断するのが望ましい。具体的には、プラットフォームサーバ102は、まず、識別情報に基づき、ユーザ200の権限を把握する。
【0050】
ユーザ200の権限は、事前に管理者等によって設定される。例えば、権限は、MFP103に対し、ソフトウェアのインストール等といった変更を許可するか否か等のように設定される。又は、ユーザ200の権限は、管理者の権限があるか否か等のように事前に設定されてもよい。
【0051】
次に、プラットフォームサーバ102は、開始操作を行ったユーザ200の権限がMFP103を利用できる権限であるか否かを判断する。
【0052】
以下、開始操作を行ったユーザ200の権限がMFP103を利用できる権限である場合で説明する。
【0053】
一方で、開始操作を行ったユーザ200の権限がMFP103を利用できる権限が設定されていない場合には、権限がない通知をユーザ200に行う。例えば、「この機器は利用できません。」といったメッセージがユーザ200に通知される。そして、画像形成システム100は、以降の処理を中止する。
【0054】
このように、プラットフォームサーバ102は、ユーザ200の権限をチェックするのが望ましい。
【0055】
ステップS0406では、プラットフォームサーバ102は、識別情報に基づき、ドライバを取得する。
【0056】
ドライバは、画像形成装置等の周辺機器をOperating System(OS)で制御するためのプログラム等である。そして、ドライバは、制御の対象とする装置ごとに、事前にカタログサーバ101に記憶される。すなわち、管理者等は、最適なドライバと画像形成装置とを対応付けして定義しておく。
【0057】
なお、1つの機種に対し、何種類かのドライバを用意する場合等には、管理者が最適なドライバを定義する。ゆえに、プラットフォームサーバ102は、識別情報を把握していれば最適なドライバを検索できる。
【0058】
したがって、識別情報に基づき、制御の対象とする画像形成装置の機種等が判断できれば、画像形成装置に応じたドライバが特定できる。すなわち、プラットフォームサーバ102は、識別情報を参照して、MFP103を制御するのに対応するドライバを特定し、ダウンロードする。このようにして、プラットフォームサーバ102は、MFP103に最適なドライバを取得する。
【0059】
ステップS0407では、プラットフォームサーバ102は、識別情報、条件、及び、ドライバを組み合わせてインストールパッケージを生成する。
【0060】
インストールパッケージは、端末105に、ドライバをインストールする実行ファイルである。すなわち、インストールパッケージは、ドライバ、ドライバをインストールするインストーラ、及び、設定ファイル等を含む実行ファイル等の形式である。なお、インストールパッケージは、条件を反映させて、端末105にMFP103の初期設定等を行ってもよい。例えば、利用制限等の条件が事前に設定されている場合には、インストールパッケージは、ドライバをインストールすると、利用制限がされるように生成される。
【0061】
また、インストールパッケージは、IPアドレス等の識別情報も反映するように、インストールパッケージを生成する。具体的には、インストールパッケージに基づき、ドライバをインストールする際に、どの画像形成装置で印刷を行うかが指定される。この指定は、例えば、IPアドレス等で行う。なお、このように、IPアドレスで指定する場合には、IPアドレスは、ステップS0404で画像形成装置から通知される。なお、識別情報は、DNSによって定義されたネットワーク識別名等でもよい。また、DNSは、名前とIPアドレスを対応付ける。
【0062】
なお、プラットフォームサーバ102は、インストールパッケージを生成した後、生成したインストールパッケージを記憶してもよい。そして、同じ条件等の場合に、プラットフォームサーバ102は、記憶しているインストールパッケージを用いてもよい。このようにすると、インストールパッケージを毎回生成せず、処理負荷を軽減できる。
【0063】
ステップS0408では、プラットフォームサーバ102は、インストールパッケージを管理サーバ104に記憶する。そして、記憶が完了した後、プラットフォームサーバ102は、インストールパッケージを取得するための取得情報の通知を端末105に行う。
【0064】
取得情報は、例えば、Uniform Resource Locator(URL)形式の情報である。すなわち、取得情報は、インストールパッケージがアップロードされているアドレスを示す。なお、取得情報は、URL以外の形式でもよい。
【0065】
ステップS0409では、端末105は、通知に基づき、インストールパッケージを取得する。
【0066】
なお、通知は、取得情報を用いなくともよい。例えば、通知は、管理サーバ104を介さずに、インストールパッケージを直接プラットフォームサーバ102から端末105へ送る等でもよい。ほかにも、インストールパッケージは、他の形式、又は、送信方法で端末105へ通知されてもよい。
【0067】
ステップS0410では、端末105は、インストールパッケージを用いて、ドライバのインストール等を行う。したがって、インストールが完了した後、端末105は、MFP103に対し、画像形成を行わせる等の指示が可能な状態となる。
【0068】
また、インストールパッケージに基づき、端末105は、ドライバを含む様々な設定を行ってもよい。特に、標準な設定にはなく、MFP103についてユニークな設定が実行できるように、初期設定等が変更されるのが望ましい。
【0069】
以降、端末105は、画像形成システムにおいて、出力先をMFP103とする場合において、MFP103のユニークな設定を実行できる。
【0070】
ステップS0411では、端末105は、ユーザ200が行う操作に基づき、MFP103に画像形成を行う指示を出す。
【0071】
ステップS0412では、MFP103は、端末105からの指示に基づき、画像形成を行う。
【0072】
[比較例]
例えば、画像形成装置を設置する場合に、上記以外の方法では、設置する画像形成装置のIPアドレスが定まっていないと、ドライバのインストール等ができない場合がある。特に、Dynamic Host Configuration Protocol(DHCP)のネットワーク環境下では、IPアドレスが動的に変わりやすく、管理が大変な場合が多い。
【0073】
また、ドライバを事前にインストールしてユーザ端末を導入する場合がある。この場合でも、設置する画像形成装置のIPアドレスが定まっていないと、設置の際等には画像形成装置が利用できない場合がある。
【0074】
一方で、上記の全体処理のように、識別情報を踏まえてインストールパッケージが生成されると、IPアドレス等が設置する際に未定であっても、ドライバのインストール等ができる。
【0075】
ほかにも、事前に管理者がドライバを用意し、パッケージを用意する方法等もある。このような場合には、管理者は、画像形成装置、及び、ユーザ端末の組み合わせごとにパッケージを用意する作業が発生する。また、ドライバのバージョンアップ、又は、機種の入れ替え等が起きると、その都度、管理者は作業を行う場合がある。
【0076】
一方で、上記の全体処理のように、識別情報、及び、条件等を踏まえて、インストールパッケージが生成されると、管理者は、作業の負荷が軽減できる。
【0077】
[Graphical User Interface(GUI)の例]
開始操作がされた場合に、管理者に連絡がされるのが望ましい。例えば、連絡は、以下のようなメールで管理者が操作する情報処理装置(以下「管理者端末」という。)に送られる。
【0078】
図5は、GUIの例を示す図である。
図4において、ステップS0403で開始操作が行われると、MFP103から管理者端末にメールが送信されるのが望ましい。例えば、メールは、以下のような項目を含むGUIを表示させる。
【0079】
ユーザ名表示601は、ユーザ200の所属、及び、氏名等を表示するテキスト等である。なお、ユーザ名表示601は、ID等を表示してもよい。
【0080】
印刷パラメータ設定602は、例えば、チェックボックス形式、又は、ボタン形式である。そして、印刷パラメータ設定602は、ユーザ200に対する条件等を設定するのに用いる。
【0081】
承認ボタン603、又は、却下ボタン604は、管理者による利用の許可、又は、却下の指示を受け付けるボタンである。具体的には、承認ボタン603が押されると、ユーザ200によるMFP103の利用が許可される。したがって、以降の全体処理が続行する。
【0082】
一方で、却下ボタン604、及び、テキストボックス605は、ユーザ200によるMFP103の利用を拒否する場合に用いられる。例えば、却下ボタン604が押されると、テキストボックス605に記載の内容がユーザ200へメール等で送られる。そして、以降の全体処理は中止となる。
【0083】
また、インストールパッケージを生成する際に、印刷パラメータ設定602等に入力される条件が反映される。このようにして、ドライバの初期値、及び、ユーザ200に対する制限等が設定できる。このようなGUIを用いると、管理者は、利用状況に応じて柔軟な運用ができる。
【0084】
なお、GUIは図示する構成に限られない。すなわち、管理者が条件等を設定できれば、他の形式で条件等が設定されてもよい。また、管理者は、他のタイミングで条件を設定してもよい。さらに、管理者は、ユーザ200ごとに設定せず、複数のユーザについて、一括して設定する等でもよい。
【0085】
[識別情報の生成例]
例えば、識別情報が以下のように生成されるのが望ましい。
【0086】
図6は、識別情報の生成処理の例を示す図である。例えば、以下の生成処理は、画像形成装置、及び、ユーザ端末等がネットワークに接続された後、セットアップが完了したタイミング等で実行される。ただし、以下の生成処理は、他のタイミングで実行されてもよい。
【0087】
具体的には、画像形成装置は、セットアップが完了すると、「インストールパッケージ自動配信」ボタンを表示する。そして、「インストールパッケージ自動配信」ボタンが押されると、以下の生成処理が開始する。
【0088】
ステップS0601では、プラットフォームサーバ102は、画像形成装置のローカルIPアドレス(「プライベートIPアドレス」ともいう。)を取得する。
【0089】
ステップS0602では、プラットフォームサーバ102は、画像形成装置が所属するグループを特定する。具体的には、ローカルIPアドレスにより、画像形成装置が接続するルータのグループ(島)等が特定される。次に、グループに所属する情報処理装置が検索される。
【0090】
ステップS0603では、プラットフォームサーバ102は、グループ内の他の情報処理装置から識別情報を取得する。
【0091】
このように識別情報が生成されると、プラットフォームサーバ102は、識別情報を容易に取得できる。ゆえに、管理者等は識別情報を事前に決める等の作業が軽減できる。
【0092】
[条件の例]
インストールパッケージに基づいてドライバをインストールする上で、以下のような条件が設定されるのが望ましい。
配布先:画像形成装置が利用可能なグループ、アカウント、又は、情報処理装置
パッケージ設定:初期値(例えば、「白黒/カラー」又は「集約」等の項目についてである。)、及び、利用制限(例えば、カラーの不可、及び、ユーザ変更不可等である。)
例えば、上記の条件は、各項目を設定するため、チェックボックス、又は、ボタン等のGUI上で操作して決まる。このようにして決まった条件が反映されて、インストールパッケージが生成されるのが望ましい。
【0093】
また、上記の「配布先」が設定される場合には、プラットフォームサーバ102は、インストールパッケージを生成すると、「配布先」にインストールパッケージを送る。次に、「配布先」で指定された情報処理装置は、インストールパッケージを受け取ると自動的にインストールを行うのが望ましい。
【0094】
以上のような条件が設定されると、管理者は、画像形成装置等の設置場所(例えば、フロア、又は、部署等である。)に応じて、画像形成装置の管理画面だけで操作できる場合もある。ゆえに、管理者は、作業が軽減できる。
【0095】
[機能構成例]
図7は、機能構成例を示す図である。例えば、画像形成システム100は、設定部701、識別情報取得部702、ドライバ取得部703、生成部704、及び、通知部705を備える。さらに、画像形成システム100は、認証部711、開始操作部712、及び、画像形成部713を備える。また、画像形成システム100は、インストールパッケージ取得部721、及び、指示部722を備える。
【0096】
設定部701は、条件を設定する設定手順を行う。例えば、設定部701は、キーボード511等で実現する。
【0097】
識別情報取得部702は、画像形成装置に認証されたユーザによって開始操作が行われると、画像形成装置の識別情報を取得する識別情報取得手順を行う。例えば、識別情報取得部702は、ネットワークI/F509等で実現する。
【0098】
ドライバ取得部703は、識別情報に基づき、画像形成装置に応じたドライバを取得するドライバ取得手順を行う。例えば、ドライバ取得部703は、ネットワークI/F509等で実現する。
【0099】
生成部704は、識別情報、条件、及び、ドライバを組み合わせてインストールパッケージを生成する生成手順を行う。例えば、生成部704は、CPU501等で実現する。
【0100】
通知部705は、インストールパッケージ、又は、取得情報の通知を行う通知手順を行う。例えば、通知部705は、ネットワークI/F509等で実現する。
【0101】
認証部711は、ユーザを認証する認証手順を行う。例えば、認証部711は、CPU301等で実現する。
【0102】
開始操作部712は、開始操作を受け付ける開始操作手順を行う。例えば、開始操作部712は、入力装置304等で実現する。
【0103】
画像形成部713は、ユーザ端末からの指示に基づき画像形成を行う画像形成手順を行う。例えば、画像形成部713は、画像形成器306等で実現する。
【0104】
インストールパッケージ取得部721は、通知に基づき、インストールパッケージを取得するインストールパッケージ取得手順を行う。例えば、インストールパッケージ取得部721は、ネットワークI/F509等で実現する。
【0105】
指示部722は、インストールパッケージによりドライバをインストールして、画像形成装置に画像形成の指示を行う指示手順を行う。例えば、指示部722は、ネットワークI/F509等で実現する。
【0106】
なお、情報処理装置等により、EMPOWERING DIGITAL WORKPLACES(EDW)プラットフォームを実現する。
【0107】
以上のような構成であると、条件、及び、識別情報に基づき、画像形成装置のユニークな設定等を反映させてインストールパッケージが生成される。そして、このように生成されるインストールパッケージによりドライバをインストールすると、画像形成システム100は、出力先ごとのユニークな設定を実行できる。また、画像形成システム100は、条件、及び、識別情報に基づいてインストールパッケージを生成する。したがって、ユニークな設定等をするのに、管理者等がユーザ、画像形成装置、又は、ユーザ端末ごとに、個々に設定をする場合よりも、管理者の作業負荷が軽減できる。
【0108】
[その他の実施形態]
装置は、複数の装置であってもよい。すなわち、各装置は、複数の装置で分散、冗長、又は、並列に処理を行う構成等でもよい。一方で、各装置は、一体であってもよい。すなわち、上記に説明した複数の装置が1台の装置で実現されてもよい。
【0109】
上記のような情報処理方法は、情報処理プログラムによって実現されてもよい。すなわち、情報処理プログラムは、コンピュータが備える演算装置、制御装置、及び、記憶装置等の装置を協働して動作させて、情報処理方法を実現する。また、情報処理プログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体、又は、電気通信回線等を介して配布されてもよい。
【0110】
上記の実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者であれば、開示した内容から様々な変形例を実現することが可能である。そのような変形例も、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0111】
100 :画像形成システム
101 :カタログサーバ
102 :プラットフォームサーバ
103 :MFP
104 :管理サーバ
105 :端末
200 :ユーザ
601 :ユーザ名表示
602 :印刷パラメータ設定
603 :承認ボタン
604 :却下ボタン
605 :テキストボックス
701 :設定部
702 :識別情報取得部
703 :ドライバ取得部
704 :生成部
705 :通知部
711 :認証部
712 :開始操作部
713 :画像形成部
721 :インストールパッケージ取得部
722 :指示部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0112】