(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023039680
(43)【公開日】2023-03-22
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 8/61 20180101AFI20230314BHJP
G06F 21/62 20130101ALI20230314BHJP
【FI】
G06F8/61
G06F21/62 318
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021146918
(22)【出願日】2021-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】小野 善太郎
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376AB06
5B376AB17
5B376AC03
5B376AD29
5B376GA01
(57)【要約】
【課題】インストールに必要な複数の権限のいずれかを有さないユーザであってもインストール指示を可能とすること。
【解決手段】情報処理装置は、或るプログラムのインストールに必要な複数の権限を、インストール指示に係る第1のユーザが有するか否かを判定する判定部と、前記第1のユーザが前記複数の権限のうちのいずれかを有さない場合に、前記第1のユーザが有さない権限を有し、前記インストールを許可する第2のユーザが認証されれば、前記プログラムを利用可能な状態にするための制御を行う制御部と、を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
或るプログラムのインストールに必要な複数の権限を、インストール指示に係る第1のユーザが有するか否かを判定する判定部と、
前記第1のユーザが前記複数の権限のうちのいずれかを有さない場合に、前記第1のユーザが有さない権限を有し、前記インストールを許可する第2のユーザが認証されれば、前記プログラムを利用可能な状態にするための制御を行う制御部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1のユーザが前記複数の権限のうちのいずれかを有さない場合に、前記第1のユーザが有さない複数の権限のそれぞれについて、当該権限を有し、前記インストールを許可する第2のユーザが認証されれば、前記プログラムを利用可能な状態にするための制御を行う、
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1のユーザが前記複数の権限のうちのいずれかを有さない場合に、前記第2のユーザの認証情報の入力を要求する認証要求部、
を有することを特徴とする請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第2のユーザのログインに応じ、前記第2のユーザに対して前記インストールの許否を照会する照会部、
を有することを特徴とする請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記判定部は、ユーザごとに当該ユーザが有する権限を示す情報を記憶した記憶部を参照して、前記複数の権限を前記第1のユーザが有するか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項1乃至4いずれか一項記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記複数の権限は、前記プログラムが利用する前記情報処理装置の機能に関する権限である、
ことを特徴とする請求項1乃至5いずれか一項記載の情報処理装置。
【請求項7】
或るプログラムのインストールに必要な複数の権限を、インストール指示に係る第1のユーザが有するか否かを判定する判定手順と、
前記第1のユーザが前記複数の権限のうちのいずれかを有さない場合に、前記第1のユーザが有さない権限を有し、前記インストールを許可する第2のユーザが認証されれば、前記プログラムを利用可能な状態にするための制御を行う制御手順と、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
或るプログラムのインストールに必要な複数の権限を、インストール指示に係る第1のユーザが有するか否かを判定する判定手順と、
前記第1のユーザが前記複数の権限のうちのいずれかを有さない場合に、前記第1のユーザが有さない権限を有し、前記インストールを許可する第2のユーザが認証されれば、前記プログラムを利用可能な状態にするための制御を行う制御手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置のように複数人によって共用される情報処理装置については、アプリケーション等のプログラムをインストール可能なユーザが所定のユーザに限られている場合が有る。具体的には、プログラムのインストールに必要な権限を有するユーザ(例えば、管理者)はインストールを指示することができ、そうでないユーザはインストールを指示することができない場合が有る。
【0003】
また、情報処理装置が有する機能ごとに異なるユーザに対して当該機能の設定に関する権限を付与する技術も知られている。例えば、コピー機能、スキャナ機能、ファクス機能を有する画像形成装置であれば、ユーザAにはコピー機能に関する権限を与え、ユーザBにはスキャナ機能及びファクス機能を与えるといったことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来においては、情報処理装置の複数の機能(例えば、コピー機能とスキャナ機能)を利用するプログラムをインストールしたい場合、複数の機能の全てについて権限を有するユーザでなければインストール指示を行うことはできない。換言すれば、当該複数の機能のうちの一部の機能に関する権限しか有さないユーザは、当該プログラムのインストール指示を行うことができない。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、インストールに必要な複数の権限のいずれかを有さないユーザであってもインストール指示を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで上記課題を解決するため、情報処理装置は、或るプログラムのインストールに必要な複数の権限を、インストール指示に係る第1のユーザが有するか否かを判定する判定部と、前記第1のユーザが前記複数の権限のうちのいずれかを有さない場合に、前記第1のユーザが有さない権限を有し、前記インストールを許可する第2のユーザが認証されれば、前記プログラムを利用可能な状態にするための制御を行う制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
インストールに必要な複数の権限のいずれかを有さないユーザであってもインストール指示を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態における情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図2】本発明の実施の形態における画像形成装置10のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】本発明の実施の形態における画像形成装置10の機能構成例を示す図である。
【
図4】画像形成装置10が実行するアプリケーションのインストール処理の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図5】ユーザ情報記憶部15の構成例を示す図である。
【
図6】ユーザに付与可能な管理権限の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態における情報処理システムの構成例を示す図である。
図1において、画像形成装置10は、例えば、インターネット等のネットワークを介してアプリケーションストアサーバ20に接続する。
【0010】
画像形成装置10は、コピー、スキャン、印刷及びファクス等の複数の機能を一つの筐体で実現する画像形成装置である。ユーザは、画像形成装置10の機能を利用する1以上のアプリケーションを画像形成装置10インストールすることで、画像形成装置10の利便性を向上させることができる。
【0011】
アプリケーションストアサーバ20は、画像形成装置10にインストールするために開発された複数のアプリケーションを記憶及び公開する1以上のコンピュータである。
【0012】
図2は、本発明の実施の形態における画像形成装置10のハードウェア構成例を示す図である。
図2の画像形成装置10は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置100、補助記憶装置102、メモリ装置103、CPU104、インタフェース装置105、表示装置106、及び入力装置107等を有する。
【0013】
画像形成装置10での処理を実現するプログラムは、SDカード等の記録媒体101によって提供される。プログラムを記憶した記録媒体101がドライブ装置100にセットされると、プログラムが記録媒体101からドライブ装置100を介して補助記憶装置102にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体101より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置102は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
【0014】
メモリ装置103は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置102からプログラムを読み出して格納する。CPU104は、メモリ装置103に格納されたプログラムに従って画像形成装置10に係る機能を実現する。インタフェース装置105は、ネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。表示装置106はプログラムによるGUI(Graphical User Interface)等を表示する。入力装置107はボタンやタッチパネル等で構成され、様々な操作指示を入力させるために用いられる。
【0015】
なお、表示装置106及び入力装置107は、画像形成装置10の操作パネルを構成する。また、ドライブ装置100、補助記憶装置102、メモリ装置103、CPU104及びインタフェース装置105も、画像形成装置10の操作パネルを構成するハードウェアであってもよい。
【0016】
図3は、本発明の実施の形態における画像形成装置10の機能構成例を示す図である。
図3において、画像形成装置10は、ログイン制御部11、ユーザ管理部12、アプリ管理部13及びインストール部14を有する。これら各部は、画像形成装置10にインストールされた1以上のプログラムが、CPU104に実行させる処理により実現される。画像形成装置10は、また、ユーザ情報記憶部15を利用する。ユーザ情報記憶部15は、例えば、補助記憶装置102、又は画像形成装置10にネットワークを介して接続可能な記憶装置等を用いて実現可能である。
【0017】
ログイン制御部11は、画像形成装置10へのユーザのログインを制御する。ユーザ管理部12は、ユーザ情報記憶部15を参照してユーザの認証を行う。ユーザ情報記憶部15には、画像形成装置10を利用可能なユーザごとに、ユーザ名及びパスワード等が記憶されている。アプリ管理部13は、インストール対象として指定されたアプリケーションについて、画像形成装置10において利用可能(画像形成装置10が実行可能)な状態にするための制御を行う。アプリケーションについて利用可能な状態とは、インストールされた状態をいう。又は、インストールされた後でも、利用を制限することが可能であれば、利用の制限が解除された状態をいう。インストール部14は、インストール対象として指定されたアプリケーションについて、アプリ管理部13の指示に応じてインストールを実行する。
【0018】
以下、画像形成装置10が実行する処理手順について説明する。
図4は、画像形成装置10が実行するアプリケーションのインストール処理の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
図4では、ユーザAが画像形成装置10にアプリケーションをインストールしようとする場面を想定する。
【0019】
ステップS101において、ログイン制御部11は、表示装置106に表示されているログイン画面を介して、ユーザAのユーザ名及びパスワードを含むログイン要求の入力をユーザAから受け付ける。ユーザAのユーザ名及びパスワードは、ログイン画面に入力される。ログイン要求はログイン画面の所定のボタンの押下等によって入力される。
【0020】
続いて、ログイン制御部11は、ログイン要求に係るユーザ名及びパスワードのチェック(認証)をユーザ管理部12へ要求する(S102)。ユーザ管理部12は、ユーザ情報記憶部15を参照して、当該ユーザ名及び当該パスワードについて正否を判定することで、ユーザAの認証を行う。
【0021】
図5は、ユーザ情報記憶部15の構成例を示す図である。
図5に示されるように、ユーザ情報記憶部15は、画像形成装置10を利用可能なユーザごとに、ユーザ名、パスワード及び管理権限等を記憶する。ユーザ名は、ユーザの名称(アカウント名)である。パスワードは、ユーザのパスワードである。管理権限は、画像形成装置10の管理ための操作(設定やインストール等)に関してユーザに与えられた権限を示す情報である。
【0022】
図6は、ユーザに付与可能な管理権限の一例を示す図である。
図6に示されるように、ユーザに対しては、例えば、「コピー」、「スキャナ」、「プリンタ」、「ファクス」、「インストール」及び「その他」等の管理権限を付与することが可能である。
【0023】
「コピー」は、コピーに関する設定(パラメータの更新)を行う権限を示す。「スキャナ」は、スキャナに関する設定を行う権限を示す。「プリンタ」は、プリンタに関する設定を行う権限を示す。「ファクス」は、ファクスに関する設定を行う権限を示す。「インストール」は、アプリケーションをインストール又はアンインストールする権限を示す。「その他」は、上記以外の設定を行う権限を示す。
【0024】
なお、
図5のユーザ情報記憶部15において、ユーザXの管理権限は、「全て」である。「全て」は、
図6に示す全ての権限を有することを示す。
【0025】
ユーザ管理部12は、ログイン制御部11からチェックを要求されたユーザ名及びパスワードを含むレコードがユーザ情報記憶部15に記憶されていれば認証は成功したと判定し、そうでなければ認証は失敗したと判定する。認証が失敗した場合、ステップS103以降の処理は実行されない。認証に成功した場合、ユーザ管理部12は、認証の成功を示す共に、認証されたユーザ(ここではユーザA)の管理権限(「インストール」、「コピー」)を含む応答をログイン制御部11に通知する(S103)。
【0026】
ログイン制御部11は、認証の成功を示す応答が通知されると、画像形成装置10のログイン状態をログインされていない状態からログインされている状態へ変更する(S104)。この際、ログイン制御部11は、認証されたユーザAのユーザ名及び管理権限を、ログインユーザのユーザ名及び管理権限として、例えば、メモリ装置103に記憶する。
【0027】
続いて、ログイン制御部11は、ログインの成功をユーザAに通知する(S105)。ログインの成功は、例えば、表示装置106の表示内容を、ユーザから操作を受け付けるための画面(以下、「操作画面」という。)に切り替えることによって行われてもよい。
【0028】
続いて、ユーザAが、操作画面を介してアプリ一覧の表示指示を入力すると(S106)、アプリ管理部13は、アプリケーションストアサーバ20において記憶及び公開されている各アプリケーションのアプリ情報の一覧をアプリケーションストアサーバ20から取得する(S107、S108)。
【0029】
図7は、アプリ情報の一例を示す図である。
図7に示されるように、アプリ情報は、アプリ情報アプリ名及びタイプを含む。アプリ名は、アプリケーションの名称である。タイプは、アプリケーションが利用する画像形成装置10の機能の識別情報である。換言すれば、タイプは、アプリケーションのインストールに関して必要とされる管理権限を示す情報である。
【0030】
続いて、アプリ管理部13は、ログインユーザの管理権限の取得をログイン制御部11に要求する(S109)。ログイン制御部11は、例えば、メモリ装置103に記憶されているログインユーザの管理権限をアプリ管理部13に通知する(S110)。
【0031】
続いて、アプリ管理部13は、アプリケーションストアサーバ20から取得したアプリ情報の一覧の中で、ログインユーザの管理権限をタイプに含むアプリ情報を、表示対象のアプリケーションのアプリ情報として選択する(S111)。
図5の例によれば、ユーザAの管理権限は、「インストール」、「コピー」である。この場合、アプリ管理部13は、「インストール」及び「コピー」のいずれか一方、又は双方をタイプに含むアプリ情報を選択する。
図7の例によれば、コピーアプリとコピースキャンアプリとのそれぞれは「コピー」をタイプに含む。したがって、コピーアプリ及びコピースキャンアプリのそれぞれのアプリ情報が選択される。
【0032】
続いて、アプリ管理部13は、ステップS111において選択した各アプリ情報に係るアプリケーションの一覧を操作画面に表示する(S112)。当該一覧において、各アプリケーションは、インストール対象の選択肢として表示される。なお、各アプリケーションは、例えば、アイコン等によって表現されてもよい。
【0033】
続いて、ユーザAが、当該一覧のうちのいずれかのアプリケーションを選択(インストール対象として指定)すると、アプリ管理部13は、選択されたアプリケーション(以下、「対象アプリ」という。)のアプリ情報を記憶しておく(S113)。
【0034】
続いて、ユーザAが操作画面を介してインストール指示を入力すると(S114)、アプリ管理部13は、ログインユーザが単独で対象アプリをインストール可能か否か(対象アプリのインストール権限を有するか否か)を判定する(S115)。斯かる判定は、(1)ログインユーザが「インストール」の管理権限を有するか否か、(2)対象アプリのアプリ情報のタイプの全部を、ログインユーザの管理権限が含むか否かを確認することにより行われる。そもそも(1)が満たされない場合(ログインユーザが「インストール」の管理権限を有さない場合)、インストールは不可能であると判定される。したがって、(1)が満たされた場合に、(2)が判定されるようにしてもよい。
【0035】
ユーザAは、「インストール」の管理権限を有するため、(2)の判定が行われる。すなわち、アプリ管理部13は、対象アプリのアプリ情報のタイプの全部をログインユーザの管理権限が含めば、ログインユーザが単独で対象アプリをインストール可能であると判定する。一方、アプリ管理部13は、対象アプリのアプリ情報のタイプの一部をログインユーザの管理権限が含まなければ、ログインユーザは単独で対象アプリをインストールできないと判定する。したがって、対象アプリがコピーアプリであれば、ログインユーザが単独で対象アプリをインストール可能であると判定される。一方、対象アプリがコピースキャンアプリであれば、ログインユーザは単独で対象アプリをインストールできないと判定される。ユーザAの管理権限は、コピーアプリのタイプのうちの「スキャナ」を含まないからである。
【0036】
ログインユーザが単独で対象アプリをインストール可能であると判定された場合、ステップS123へ進む。ログインユーザは単独で対象アプリをインストールできないと判定された場合、ステップS116~S122が実行された後で、ステップS123以降が実行される。
【0037】
ステップS116において、アプリ管理部13は、追加認証要求画面を表示装置106に表示する。追加認証要求画面は、例えば、ログインユーザには対象アプリに対して管理権限が足りないことを示すメッセージと、足りない管理権限(本実施の形態では「スキャナ」)を有するユーザの認証が必要であることを示すメッセージとを含む。追加認証要求画面は、更に、足りない管理権限(「スキャナ」)を有するユーザのユーザ名及びパスワードを入力させるための領域を含む。なお、追加認証要求画面の表示に際し、アプリ管理部13は、足りない管理権限(「スキャナ」)を有するユーザ名をユーザ管理部12に問い合わせてもよい。ユーザ管理部12は、ユーザ情報記憶部15(
図5)を参照して、当該管理権限を有するユーザ名の一覧を特定し、当該ユーザ名の一覧をアプリ管理部13に応答する。アプリ管理部13は、当該ユーザ名の一覧を追加認証要求画面に含めてもよい。そうすることで、ユーザAは、足りない権限を有するユーザが誰であるかを容易に把握することができる。
【0038】
図5によれば、足りない管理権限である「スキャナ」を有するユーザはユーザB及びユーザCである。そこで、例えば、ユーザAは、ユーザBに対して対象アプリのインストールのための認証を要求する。ユーザBは、対象アプリのインストールを許可する場合に、追加認証要求画面に対して自らのユーザ名及びパスワードを入力して、認証の要求を指示する(S117)。続いて、アプリ管理部13は、ユーザBの管理権限の取得をログイン制御部11へ要求する(S118)。この際、アプリ管理部13は、追加認証要求画面に入力された、ユーザBのユーザ名及びパスワードをログイン制御部11へ通知する。
【0039】
アプリ管理部13からの要求に応じ、ログイン制御部11は、アプリ管理部13から通知されたユーザBのユーザ名及びパスワードのチェック(認証)をユーザ管理部12へ要求する(S119)。ユーザ管理部12は、ユーザ情報記憶部15(
図5)を参照して、当該ユーザ名及び当該パスワードについて正否を判定することで、ユーザBの認証を行う。なお、認証の正否の判定方法についてはユーザAの認証と同様である。認証が失敗した場合、ステップS120以降は実行されない。認証に成功した場合、ユーザ管理部12は、認証の成功を示す共に、認証されたユーザ(ここではユーザB)の管理権限(「インストール」、「スキャナ」)を含む応答をログイン制御部11に通知する(S120)。
【0040】
ログイン制御部11は、認証の成功を示す応答が通知されると、ユーザBの管理権限をアプリ管理部13に通知する(S121)。
【0041】
続いて、アプリ管理部13は、追加で認証されたユーザBの管理権限が、足りない管理権限を満たすか否かを判定する(S122)。すなわち、アプリ管理部13は、ユーザBの管理権限が、足りない管理権限の全てを含めば、ユーザBの管理権限が足りない管理権限を満たすと判定し、そうでなければ、ユーザBの管理権限が足りない管理権限を満たさないと判定する。ユーザBの管理権限が足りない管理権限の全部を満たさない場合、ステップS123以降は実行されない。この場合、ユーザA及びユーザBでも足りない管理権限を有するユーザの追加的な認証を要求するために、ステップS116以降が繰り返されてもよい。すなわち、3人以上のユーザの管理権限によって、対象アプリのタイプが充足されてもよい。
【0042】
本実施の形態では、ユーザBの管理権限が足りない管理権限を満たす。したがって、ステップS123に進む。
【0043】
ステップS123において、アプリ管理部13は、アプリダウンロード開始画面を表示装置106に表示する。アプリダウンロード開始画面は、対象アプリのダウンロードの開始をユーザに通知するための画面である。続いて、アプリ管理部13は、対象アプリをアプリケーションストアサーバ20からダウンロード(取得)する(S124、S125)。続いて、アプリ管理部13は、ダウンロードした対象アプリのインストールをインストール部14に要求する(S126)。
【0044】
インストール部14は、アプリ管理部13からの要求に応じ、対象アプリを画像形成装置10にインストールする。インストール部14は、インストールが完了すると、インストールの完了をアプリ管理部13へ通知する(S127)。インストールの完了の通知に応じ、アプリ管理部13は、インストールの完了をユーザに通知する画面を表示装置106に表示する(S128)。
【0045】
なお、アプリ管理部13は、足りない管理権限を有するユーザBの認証を行わずに対象アプリのインストールを保留状態としてもよい。具体的には、ステップS114のインストール指示に応じて、アプリ管理部13は、ステップS116以降は実行せずに、対象アプリのアプリ名に関連付けて足りない管理権限を補助記憶装置102等に記憶しておいてもよい。その後、改めていずれかのユーザが画像形成装置10にログインした際に、当該ユーザが足りない管理権限を有していれば、アプリ管理部13は、ステップS116以降を実行するようにしてもよい。この際、当該ユーザは、対象アプリのインストールを許可する場合には、追加認証要求画面に対して自らのユーザ名及びパスワードを入力する。一方、当該ユーザは、対象アプリのインストールを許可しない場合には、追加認証要求画面に対して自らのユーザ名及びパスワードを入力しない。但し、この場合、当該ユーザは、ログイン時に既に認証されているため、アプリ管理部13は、追加認証要求画面ではなく、対象アプリのインストールの許否を照会する画面を表示してもよい。この場合、当該ユーザは、単に、対象アプリのインストールについて許可するか否かの選択肢を選択すればよい。
【0046】
又は、アプリ管理部13は、足りない管理権限を有するユーザの認証を実行せずに、インストールを実行してもよい。すなわち、アプリ管理部13は、ステップS116~S122を実行せずにステップS123~S128を実行してもよい。この場合、アプリ管理部13は、対象アプリと足りない管理権限とを補助記憶装置102に記憶しておき、対象アプリを起動できない状態にしておく。対象アプリが起動できない状態とは、例えば、アプリ管理部13は、ユーザに利用させるアプリケーションの一覧を表示する画面において対象アプリを選択肢に含めないことで、対象アプリを起動できないようにしてもよい。又は、当該選択肢を表示して、当該選択肢が選択された場合に、アプリ管理部13が、対象アプリの起動を拒否してもよい。その後、改めていずれかのユーザが画像形成装置10にログインした際に、当該ユーザが足りない管理権限を有していれば、アプリ管理部13は、ステップS116~S122を実行するようにしてもよい。この際、当該ユーザは、対象アプリのインストールを許可する場合には、追加認証要求画面に対して自らのユーザ名及びパスワードを入力する。一方、当該ユーザは、対象アプリのインストールを許可しない場合には、追加認証要求画面に対して自らのユーザ名及びパスワードを入力しない。但し、この場合、当該ユーザは、ログイン時に既に認証されているため、アプリ管理部13は、追加認証要求画面ではなく、対象アプリのインストールの許否を照会する画面を表示してもよい。この場合、当該ユーザは、単に、対象アプリのインストールについて許可するか否かの選択肢を選択すればよい。当該ユーザによって対象アプリのインストールが許可された場合、アプリ管理部13は、対象アプリを起動可能な状態に変更すればよい。
【0047】
上述したように、本実施の形態によれば、複数のユーザの管理権限の集合が、インストールに必要な権限を満たすことができれば、インストールを実行することができる。したがって、インストールに必要な複数の権限のいずれかを有さないユーザであってもインストール指示を可能とすることができる。
【0048】
なお、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0049】
なお、本実施の形態において、画像形成装置10は、情報処理装置の一例である。但し、情報処理装置は、複数のユーザによって共用される装置であれば、画像形成装置に限られない。情報処理装置は、例えば、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPCまたはデスクトップPC等であってもよい。
【0050】
また、アプリ管理部13は、判定部、制御部、認証要求部及び照会部の一例である。対象アプリは、或るプログラムの一例である。
【0051】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0052】
10 画像形成装置
11 ログイン制御部
12 ユーザ管理部
13 アプリ管理部
14 インストール部
15 ユーザ情報記憶部
20 アプリケーションストアサーバ
100 ドライブ装置
101 記録媒体
102 補助記憶装置
103 メモリ装置
104 CPU
105 インタフェース装置
106 表示装置
107 入力装置
B バス
【先行技術文献】
【特許文献】
【0053】