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特開2023-39830情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023039830
(43)【公開日】2023-03-22
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20230314BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20230314BHJP
   G06F 40/166 20200101ALI20230314BHJP
   G06F 40/126 20200101ALI20230314BHJP
【FI】
H04N1/00 127Z
H04N1/00 C
G06F3/12 324
G06F3/12 303
G06F3/12 387
G06F3/12 344
G06F40/166
G06F40/126
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021147138
(22)【出願日】2021-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】石川 真菜
【テーマコード(参考)】
5B109
5C062
【Fターム(参考)】
5B109SA14
5B109VC03
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA29
5C062AB17
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB42
5C062AC02
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC34
5C062AC51
5C062AC58
5C062AE03
5C062AE08
5C062AE15
5C062AF00
5C062AF12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】エッジデバイスと連携するクラウドサービスを利用し、用紙への書き込みを、クラウドサービスで管理する元の電子データに対して反映する。
【解決手段】情報処理システムは、エッジデバイス200と通信する通信部、エッジデバイスから入力されるデータに対してOCR変換を実行する変換部、エッジデバイスを管理するデバイス管理部、ユーザを認証する認証部、認証したユーザから、エッジデバイスに対して出力するデータを受け付けるジョブ受付部、出力したデータを保存する保存部、データの更新規則の設定を受け付ける設定受付部、更新規則に従って、OCR変換されたデータから変更箇所を算出する算出部、入出力したデータの履歴を管理するデータ履歴管理部、データ履歴に基づいて、保存されるデータのうち、エッジデバイスから入力された元のデータである対象電子データを決定し、変更箇所に基づいて、対象電子データを更新する更新部、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エッジデバイスと通信する通信部と、
前記通信部を介して前記エッジデバイスから入力されるデータに対してOCR変換を実行する変換部と、
前記通信部により通信可能な前記エッジデバイスを管理するデバイス管理部と、
ユーザを認証する認証部と、
前記認証部により認証したユーザから、前記エッジデバイスに対して出力するデータを受け付けるジョブ受付部と、
前記エッジデバイスに出力したデータを保存する保存部と、
データの更新規則の設定を受け付ける設定受付部と、
前記更新規則に従って、前記変換部によりOCR変換を実行したデータから変更箇所を算出する算出部と、
入出力されたデータの利用履歴であるデータ履歴を管理するデータ履歴管理部と、
前記データ履歴に基づいて、前記保存部に保存されるデータのうち、前記エッジデバイスから入力されたデータの元のデータである対象電子データを決定し、かつ前記変更箇所に基づいて、前記対象電子データを更新する更新部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記変更箇所と前記対象電子データとに差分がある場合にユーザに対して修正方法の指示を要求する通知部をさらに備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記更新部は、前記変更箇所と前記対象電子データとに差分がある場合に、ユーザからの指示に応じて、前記対象電子データを更新する、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記算出部は、さらに、前記データ履歴に基づいて、前記変更箇所を算出する、請求項1から3のいずれか一に記載の情報処理装置。
【請求項5】
エッジデバイスと、情報処理装置と、を有する情報処理システムであって、
前記エッジデバイスは、
前記情報処理装置と通信する通信部、
を備え、
前記情報処理装置は、
前記エッジデバイスと通信する通信部と、
前記通信部を介して前記エッジデバイスから入力されるデータに対してOCR変換を実行する変換部と、
前記通信部により通信可能な前記エッジデバイスを管理するデバイス管理部と、
ユーザを認証する認証部と、
前記認証部により認証したユーザから、前記エッジデバイスに対して出力するデータを受け付けるジョブ受付部と、
前記エッジデバイスに出力したデータを保存する保存部と、
データの更新規則の設定を受け付ける設定受付部と、
前記更新規則に従って、前記変換部によりOCR変換を実行したデータから変更箇所を算出する算出部と、
入出力されたデータの利用履歴であるデータ履歴を管理するデータ履歴管理部と、
前記データ履歴に基づいて、前記保存部に保存されるデータのうち、前記エッジデバイスから入力されたデータの元のデータである対象電子データを決定し、かつ前記変更箇所に基づいて、前記対象電子データを更新する更新部と、
を備える情報処理システム。
【請求項6】
情報処理装置で実行される情報処理方法であって、
通信部が、エッジデバイスと通信する工程と、
変換部が、前記通信部を介して前記エッジデバイスから入力されるデータに対してOCR変換を実行する工程と、
デバイス管理部が、前記通信部により通信可能な前記エッジデバイスを管理する工程と、
認証部が、ユーザを認証する工程と、
ジョブ受付部が、前記認証部により認証したユーザから、前記エッジデバイスに対して出力するデータを受け付ける工程と、
保存部が、前記エッジデバイスに出力したデータを保存する工程と、
設定受付部が、データの更新規則の設定を受け付ける工程と、
算出部が、前記更新規則に従って、前記変換部によりOCR変換を実行したデータから変更箇所を算出する工程と、
データ履歴管理部が、入出力されたデータの利用履歴であるデータ履歴を管理する工程と、
更新部が、前記データ履歴に基づいて、前記保存部に保存されるデータのうち、前記エッジデバイスから入力されたデータの元のデータである対象電子データを決定し、かつ前記変更箇所に基づいて、前記対象電子データを更新する工程と、
を含む情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
クラウドサービスに接続したエッジデバイスを利用することで、電子データを出力した用紙等への書き込みを実施後、その内容を読み取るだけで、電子データの変更および更新する技術が開発されている。
【0003】
例えば、クラウドサービスに対してプリンタおよびスキャナが接続されている場合を想定すると、クラウドサービスに登録済みユーザが、クラウドサービス経由で電子データをプリントアウトする際に、その用紙への書き込みのルールを設定することができる。これにより、書き込み後の用紙をスキャナで読み取ることで、元の電子データへ手軽に反映可能となる。
【0004】
また、クラウドサービスを介してエッジデバイス同士を連携させることができるため、プリンタとスキャナが別デバイスであっても、クラウドサービス上で印刷内容の電子データを把握することができ、元の電子データに対する更新が可能である。
【0005】
例えば、特許文献1には、紙面への加筆内容を読み取り、読み取った加筆内容を、加筆パターンに応じて元の電子データを修正する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載の技術では、加筆内容の反映を元の電子データに対して行えなかったり、元の電子データに変更があった場合に、ユーザの意図通りに、加筆内容を反映できなかったりする場合がある。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、エッジデバイスと連携するクラウドサービスを利用することで、用紙への書き込みを、ユーザが、クラウドサービスで管理する元の電子データに対して反映することができる情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、エッジデバイスと通信する通信部と、前記通信部を介して前記エッジデバイスから入力されるデータに対してOCR変換を実行する変換部と、前記通信部により通信可能な前記エッジデバイスを管理するデバイス管理部と、ユーザを認証する認証部と、前記認証部により認証したユーザから、前記エッジデバイスに対して出力するデータを受け付けるジョブ受付部と、前記エッジデバイスに出力したデータを保存する保存部と、データの更新規則の設定を受け付ける設定受付部と、前記更新規則に従って、前記変換部によりOCR変換を実行したデータから変更箇所を算出する算出部と、入出力されたデータの利用履歴であるデータ履歴を管理するデータ履歴管理部と、前記データ履歴に基づいて、前記保存部に保存されるデータのうち、前記エッジデバイスから入力されたデータの元のデータである対象電子データを決定し、かつ前記変更箇所に基づいて、前記対象電子データを更新する更新部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、エッジデバイスと連携するクラウドサービスを利用することで、用紙への書き込みを、ユーザが、クラウドサービスで管理する元の電子データに対して反映することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本実施の形態にかかる情報処理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、本実施の形態にかかる情報処理システムのユーザの操作処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図3図3は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおいて対象電子データを決定する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4図4は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおける対象電子データの更新処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5図5は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおける印刷時の操作画面の一例を示す図である。
図6図6は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおける印刷時の操作画面の一例を示す図である。
図7図7は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおけるスキャン時の操作画面の一例を示す図である。
図8図8は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおけるスキャン時の操作画面の一例を示す図である。
図9図9は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおいて書込みの反映時に表示される操作画面の一例を示す図である。
図10図10は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおいて書込みの反映時に表示される操作画面の一例を示す図である。
図11図11は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおいて書込みの反映時に表示される操作画面の一例を示す図である。
図12図12は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおいて書込みの反映時に表示される操作画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
図1は、本実施の形態にかかる情報処理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。まず、図1を用いて、本実施の形態にかかる情報処理システムの機能構成の一例について説明する。
【0013】
本実施の形態にかかる情報処理システムは、図1に示すように、クラウド100と、エッジデバイス200と、を有する。本実施の形態では、クラウド100は、クラウドゲートウェイを有していても良い。また、本実施の形態では、エッジデバイス200は、例えば、PC(Personal Computer)、スマートフォン、デジタルカメラ、プリンタ、スキャナ、MFP(Multi-Function Peripheral)であっても良い。
【0014】
まず、エッジデバイス200の機能構成の一例について説明する。エッジデバイス200は、通信部201、およびジョブ実行部202を有する。
【0015】
通信部201は、クラウド100等の外部装置と通信する。ジョブ実行部202は、通信部201によってクラウド100から受信したジョブを解釈して実行する。ジョブ実行部202が実行するジョブは、エッジデバイス200毎に異なる。
【0016】
次に、クラウド100(情報処理装置の一例)の機能構成の一例について説明する。クラウド100は、通信部101、OCR実行部102、UI部103、書込み変換ルール登録部111、書込み変換部112、データ編集部113、データ保存部114、データ履歴管理部115、利用者認証部121、エッジデバイス管理部122、ジョブ受付部123、およびジョブ管理部124を有する。
【0017】
通信部101は、エッジデバイス200等の外部装置と通信する通信部の一例である。OCR実行部102は、文書のOCR処理を実行する。具体的には、OCR実行部102は、通信部101を介してエッジデバイス200から入力されるデータに対してOCR変換を実行する変換部の一例である。UI部103は、クラウド100により提供する各種サービスに関するUIを表示する。
【0018】
書込み変換ルール登録部111は、データに対する書込み変換ルール(更新規則の一例)の設定を受け付ける設定受付部の一例である。また、書込み変換ルール登録部111は、設定を受け付けた書込み変換ルールを、当該書込み変換ルールを設定したユーザまたはエッジデバイス200等と紐付けて管理する。書込み変換部112は、書込み変換ルール登録部111により登録された書込み変換ルールに従って、OCR変換を実行したデータから変更箇所および変換方法等を算出する算出部の一例である。また、書込み変換部112は、後述するデータ履歴管理部115により管理されるデータ履歴に基づいて、変更箇所を算出することも可能である。これにより、データの変更箇所をより簡単に算出することができる。
【0019】
データ編集部113は、後述するデータ保存部114に保存されるデータのうち、後述するデータ履歴管理部115により管理されるデータ履歴およびユーザの入力から把握される元のデータ(元データ)である対象電子データに対して、変更箇所および変換方法を反映させる。具体的には、データ編集部113は、後述するデータ履歴管理部115により管理されるデータ履歴に基づいて、後述するデータ保存部114に保存されるデータのうち、エッジデバイス200から入力されたデータの元データである対象電子データを決定する。そして、データ編集部113は、書込み変換部112により算出される変更箇所および変換方法に基づいて、決定した対象電子データを更新する更新部の一例である。
【0020】
これにより、データ履歴を利用することで、印刷紙面等のエッジデバイス200から入力されるデータと、データ保存部114に保存される対象電子データとを紐付けることができる。その結果、エッジデバイス200と連携するクラウド100を利用することで、用紙への書き込みを、ユーザが、クラウド100で管理する元データに対して反映することができる。
【0021】
例えば、データ編集部113は、データの更新の手法として、RPA等を用いることも可能である。その場合、データ編集部113は、算出した変更箇所と対象電子データとに基づいて文書修正コマンドを生成し、その文書生成コマンドをRPAで実行することで、対象電子データの更新を可能とする。
【0022】
データ保存部114は、エッジデバイス200に出力したデータ、およびデータ編集部113により更新されたデータ(対象電子データ)を保存する保存部の一例である。データ履歴管理部115は、クラウド100において入出力されるデータの利用履歴であるデータ履歴を管理する。本実施の形態では、データ履歴管理部115は、データを利用したユーザ、エッジデバイス200等と紐付けてデータ履歴を管理する。
【0023】
利用者認証部121は、エッジデバイス200に対してジョブを送信する前に、ユーザを認証する認証部の一例である。エッジデバイス管理部122は、通信部101により通信可能なエッジデバイス200を管理するデバイス管理部の一例である。
【0024】
ジョブ受付部123は、利用者認証部121により認証したユーザからエッジデバイス200に対して出力するデータを受け付ける。本実施の形態では、ジョブ受付部123は、利用者ID、エッジデバイス200に出力するデータ、ユーザが選択したセキュリティレベル等を含むジョブを受け付ける。ジョブ管理部124は、ジョブ受付部123により受け付けたジョブを管理する。
【0025】
図2は、本実施の形態にかかる情報処理システムのユーザの操作処理の流れの一例を示すフローチャートである。次に、図2を用いて、本実施の形態にかかる情報処理システムのユーザの操作処理の流れの一例について説明する。
【0026】
まず、クラウド100の利用者認証部121は、クラウド100のユーザの認証を含むログイン処理を実行する(ステップS211)。次に、クラウド100のジョブ受付部123は、エッジデバイス200(例えば、プリンタ)に出力するデータである印刷データの選択を受け付ける(ステップS212)。ユーザは、クラウド100と連携しているクラウドフォルダから印刷データを選択しても良いし、若しくは、クラウド100に対して印刷データをアップロードしても良い。
【0027】
次に、クラウド100の書込み変換ルール登録部111は、印刷データに対する書込み変換ルールの設定を受け付ける(ステップS213)。また、UI部103は、エッジデバイス200のうち、印刷データの印刷を行うプリンタの選択を受け付ける(ステップS214)。本実施の形態では、クラウド100と連携しているエッジデバイス200のいずれかも選択可能である。UI部103は、ユーザによるエッジデバイス200の選択を受け付けたり、クラウド100に近いエッジデバイス200を自動的に選択したりすることも可能である。その後、通信部101は、選択を受け付けたプリンタに対して、印刷データを含むジョブを送信する。
【0028】
エッジデバイス200(プリンタ)のジョブ実行部202は、クラウド100から受信したジョブに従って、印刷データの印刷を行う(ステップS215)。その後、ユーザにより印刷データが印刷された紙面等の記録媒体に対して書込みが行われ、紙面等の読取用のエッジデバイス200(例えば、スキャナ)が選択されると、当該選択されたエッジデバイス200は、書込みが行われた紙面等のスキャンを実行する(ステップS216)。さらに、エッジデバイス200(スキャナ)の通信部201は、スキャンしたデータをクラウド100に送信する。
【0029】
クラウド100の通信部101によって、エッジデバイス200からデータが入力されると、データ編集部113は、データ保存部114により保存される元データ(対象電子データ)を更新するか否かを判断する(ステップS217)。元データを更新しない場合(ステップS217:No)、データ編集部113は、受信したデータに、UI部103から指定される保存名を付して、データ保存部114に保存する(ステップS218)。
【0030】
一方、元データを更新する場合(ステップS217:Yes)、データ編集部113は、データ保存部114に保存されるデータの中から、元データ(対象電子データ)を選択(決定)する(ステップS219)。そして、データ編集部113は、選択した元データを更新した後、更新した元データに、UI部103から指定される保存名を付して、データ保存部114に保存する(ステップS218)。
【0031】
図3は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおいて対象電子データを決定する処理の流れの一例を示すフローチャートである。次に、図3を用いて、本実施の形態にかかる情報処理システムにおいて対象電子データを決定する処理の流れの一例について説明する。
【0032】
まず、データ編集部113は、データ履歴管理部115において、ユーザまたはエッジデバイス200と紐付けられるデータ履歴があるか否かを判断する(ステップS301)。データ履歴が無い場合(ステップS301:No)、データ編集部113は、ユーザによって対象電子データが指定されるのを待つ(ステップS302)。その後、データ編集部113は、ユーザにより指定されたデータを、対象電子データ(エッジデバイス200において印刷したデータ)に決定する(ステップS303)。
【0033】
一方、データ履歴が有る場合(ステップS301:Yes)、データ編集部113は、当該データ履歴が複数あるか否かを判断する(ステップS304)。データ履歴が複数ない場合(ステップS304:No)、データ編集部113は、データ履歴に基づいて、データ保存部114に保存されるデータから、対象電子データを決定する(ステップS303)。
【0034】
一方、データ履歴が複数ある場合(ステップS304:Yes)、データ編集部113は、複数のデータ履歴に基づいて、データ保存部114に保存されるデータのうち、元データ(対象電子データ)の候補を表示する(ステップS305)。そして、データ編集部113は、元データの候補から、ユーザによって、対象電子データが指示されるのを待つ(ステップS306)。その後、データ編集部113は、ユーザにより指示された元データの候補を、対象電子データに決定する(ステップS303)。
【0035】
図4は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおける対象電子データの更新処理の流れの一例を示すフローチャートである。次に、図4を用いて、本実施の形態にかかる情報処理システムにおける対象電子データの更新処理の流れの一例について説明する。
【0036】
OCR実行部102は、通信部101を介してエッジデバイス200から入力されるデータ(書込みデータ)を受け付け(ステップS401)、当該受け付けた書込みデータに対してOCR変換を実行する。次に、書込み変換部112は、OCR変換を実行した書込みデータから書込みを抽出する(ステップS402)。さらに、書込み変換部112は、書込み変換ルールに従って、抽出した書込みから、変更箇所および変換方法(データ修正方法)を算出する(ステップS403)。
【0037】
次に、データ編集部113は、算出した変更箇所および変換方法に基づいて、対象電子データに変更が有るか否かを判断する(ステップS404)。対象電子データに変更がない場合(ステップS404:No)、データ編集部113は、算出した変更箇所および変換方法を、対象電子データに反映させる(ステップS405)。
【0038】
一方、対象電子データに変更が有る場合(ステップS404:Yes)、すなわち、対象電子データの印刷以降に対象電子データに修正がある競合状態である場合、データ編集部113は、算出した変更箇所と同位置に、対象電子データの変更箇所(修正対象)が有るか否かを判断する(ステップS406)。算出した変更箇所と同位置に、対象電子データの変更箇所が有る場合(ステップS406:Yes)、データ編集部113は、算出した変更箇所と、対象電子データの変更箇所と、の差分をUI部103に表示し(ステップS407)、ユーザからの指示を待つ(ステップS408)。すなわち、UI部130は、算出した変更箇所と対象電子データとに差分がある場合に、ユーザに対して修正方法の指示を要求する通知部の一例である。
【0039】
その後、データ編集部113は、ユーザからの指示に従って、算出した変更箇所および変換方法を、対象電子データに反映させる(ステップS405)。すなわち、データ編集部113は、算出した変更箇所と対象電子データとに差分がある場合に、ユーザからの指示に応じて、対象電子データを更新する。これにより、ユーザの意図したデータの更新を実現できる。
【0040】
また、算出した変更箇所と同位置に、対象電子データの変更箇所が無い場合(ステップS406:No)、データ編集部113は、対象電子データ内に、算出した変更箇所との差分(修正対象)があるか否かを判断する(ステップS409)。対象電子データ内に修正対象が有る場合(ステップS409:Yes)、データ編集部113は、対象電子データ内の修正対象をUI部103に表示し(ステップS410)、ユーザからの指示を待つ(ステップS411)。その後、データ編集部113は、ユーザからの指示に従って、算出した変更箇所および変換方法を、対象電子データに反映させる(ステップS405)。
【0041】
また、対象電子データ内に修正対象が無い場合(ステップS409:No)、データ編集部113は、算出した変更箇所および変換方法を、未反映の書込みとしてログに残す(ステップS412)。
【0042】
図5および図6は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおける印刷時の操作画面の一例を示す図である。次に、図5および図6を用いて、本実施の形態にかかる情報処理システムにおいて印刷時に表示される操作画面の一例について説明する。
【0043】
本実施の形態では、スマートフォン、PC等の外部機器において、ブラウザ上若しくはアプリケーションに用いて、操作画面を利用可能である。例えば、エッジデバイス200においてデータの印刷を行う場合、書込み変換ルール登録部111は、図5に示すように、データの印刷に用いる利用機器(例えば、プリンタA)および書込み変換ルール(例えば、削除、追加)を設定可能な操作画面を、外部機器に表示する。そして、書込み変換ルール登録部111は、操作画面において設定された書込み変換ルールを受け付ける。
【0044】
ここで、書込み変換ルールは、予めサービスから提供される書込み変換ルールから選択可能としても良いし、ユーザが操作画面上で図形等を描いて書込み変換ルールを設定可能としても良い。また、書込み変換ルールには、削除、追加、および変更だけでなく、コピー、ペースト、フォントサイズの変更、データ上で操作するコマンド等、様々な書込み変換ルールを含めても良い。また、書込み変換ルールには、ユーザによって予め設定された書込み変換ルールを適用しても良い。また、書込み変換ルールは、図6に示すように、1人のユーザが複数の書込み変換ルールを設定可能であり、各書込み変換ルールには、任意の名前(例えば、ユーザX)を付与して利用可能としても良い。
【0045】
図7および図8は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおけるスキャン時の操作画面の一例を示す図である。次に、図7および図8を用いて、本実施の形態にかかる情報処理システムにおいてスキャン時に表示される操作画面の一例について説明する。
【0046】
エッジデバイス200において書込み紙面(記録媒体)のスキャンを行う場合、データ編集部113は、書込み紙面のスキャンに用いる利用機器(例えば、スキャナB)、および紙面に対する書込みに従って対象電子データを更新するか否かを選択可能な操作画面を外部機器に表示する。また、書込みに従って対象電子データを更新することが選択された場合、データ編集部113は、書込みに従って更新した対象電子データの保存方法を設定可能な操作画面を外部機器に表示しても良い。ユーザのデータ履歴に基づいて対象電子データが決定され、書込みに従って更新した対象電子データを新規ファイルとして保存する場合、データ編集部113は、図7に示すように、保存ファイル名(例えば、ZZ_after.txt)を指定可能な操作画面を表示する。
【0047】
ところで、ユーザ情報に基づいて、更新前の対象電子データをクラウドサービスが把握することも可能であるが、クラウド100が、セキュリティの観点等で、出力したデータの利用履歴を保存しない場合もある。この場合、データ編集部113は、図8に示すように、データ保存部114に保存されるデータの中から、エッジデバイス200においてスキャンするデータに対応する対象電子データを指定可能な操作画面を外部機器に表示しても良い。この場合、指定された対象電子データに対して書込みを上書きにより反映させるため、保存ファイル名の指定は不要である。
【0048】
図9~12は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおいて書込みの反映時に表示される操作画面の一例を示す図である。次に、図9~12を用いて、本実施の形態にかかる情報処理システムにおいて書込みの反映時に表示される操作画面の一例について説明する。
【0049】
エッジデバイス200から入力されるデータ(スキャンデータ)に対する変更箇所および変更方法の算出後、データ編集部113は、対象電子データの印刷以降に当該対象電子データに修正がある競合状態が発生した場合、図9に示す操作画面を外部機器に表示する。具体的には、データ編集部113は、図9に示すように、対象電子データに競合状態が発生したことを伝え、かつ対象電子データに変更箇所を反映させるか否かを選択可能な操作画面を表示する。
【0050】
ユーザが対象電子データに変更箇所を反映させることを選択した場合、データ編集部113は、図10に示すように、対象電子データにおいて、どの位置に変更箇所があるかを識別可能なプレビュー表示を行う。若しくは、データ編集部113は、対象電子データとスキャンデータとを比較可能なプレビュー表示を行っても良い。その際、対象電子データの変更箇所にマーカ等を付して、当該変更箇所を識別可能としても良い。また、データ編集部113は、図10に示すように、対象電子データを変更するか否かを選択可能なボタンを操作画面に含めても良い。
【0051】
ここで、対象電子データを変更しないことが選択され、かつ、その他に、対象電子データに変更箇所が無い場合、データ編集部113は、図12に示すように、対象電子データの更新が終了したことを示す操作画面を外部機器に表示する。
【0052】
一方、対象電子データを変更することが選択された場合、データ編集部113は、算出した変更箇所および変換方法に従って、対象電子データを更新する。また、ユーザが手動修正することを選択した場合、データ編集部113は、図11に示すように、対象電子データの変更箇所および変換方法を入力可能な操作画面を外部機器に表示する。そして、データ編集部113は、当該操作画面において入力される変更箇所および変換方法に従って、対象電子データを更新する。その後、データ編集部113は、図12に示すように、対象電子データの更新が終了したことを示す操作画面を外部機器に表示する。
【0053】
このように、本実施の形態にかかる情報処理システムによれば、データ履歴を利用することで、印刷紙面等のエッジデバイス200から入力されるデータと、データ保存部114に保存される対象電子データとを紐付けることができる。その結果、エッジデバイス200と連携するクラウド100を利用することで、用紙への書き込みを、ユーザが、クラウド100で管理する元の電子データに対して反映することができる。
【0054】
上記で説明した実施の形態の各機能は、一または複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0055】
実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施の形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、クラウド100は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。同様に、エッジデバイス200は、互いに通信するように構成された複数のコンピューティングデバイスを含むことができる。
【符号の説明】
【0056】
100 クラウド
101,201 通信部
102 OCR実行部
103 UI部
111 書込み変換ルール登録部
112 書込み変換部
113 データ編集部
114 データ保存部
115 データ履歴管理部
121 利用者認証部
122 エッジデバイス管理部
123 ジョブ受付部
124 ジョブ管理部
200 エッジデバイス
202 ジョブ実行部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0057】
【特許文献1】特開2013-097624号公報
図1
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