(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023039839
(43)【公開日】2023-03-22
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
H04N 1/34 20060101AFI20230314BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20230314BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20230314BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20230314BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20230314BHJP
【FI】
H04N1/34 200
H04N1/00 127A
B41J29/00 Z
B41J29/38
B41J29/38 204
G06F3/12 303
G06F3/12 329
G06F3/12 373
G06F3/12 385
G06F3/12 392
G06F3/12 378
G06F3/12 338
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021147155
(22)【出願日】2021-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 圭祐
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AQ06
2C061AS02
2C061HK11
2C061HN08
2C061HN15
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA29
5C062AB22
5C062AB38
5C062AB42
5C062AC04
5C062AC22
5C062AC34
5C062AC68
5C062AE03
5C062AE08
5C062AE15
5C062AF02
5C062AF08
5C062AF12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】会社利用と個人利用に分けて、会社と個人でプリンタの利用費用を分担可能とする情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】クラウドサーバ10、複数のPC、中継器30及びプリンタ(エッジデバイス)40を有する情報処理システムにおいて、情報処理装置である中継器30は、エッジデバイスの印刷部によるドキュメントデータの印刷時にユーザの認証を行うユーザ認証部と、ドキュメントデータの印刷の利用用途を判定し、利用用途の判定結果に基づいて、ドキュメントデータの印刷に対する課金先を決定し、当該決定した課金先を含む課金情報をクラウドに送信する利用用途判定部と、ドキュメントデータの印刷を中継する印刷中継部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エッジデバイスの印刷部によるドキュメントデータの印刷時にユーザの認証を行うユーザ認証部と、
前記ドキュメントデータの印刷の利用用途を判定し、前記利用用途の判定結果に基づいて、前記ドキュメントデータの印刷に対する課金先を決定し、当該決定した課金先を含む課金情報をクラウドに送信する利用用途判定部と、
前記ドキュメントデータの印刷を中継する印刷中継部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記情報処理装置は、PC、前記エッジデバイス、および前記クラウドのいずれかに含まれる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記利用用途判定部は、前記ドキュメントデータが前記クラウドに保存されているか否か、前記ドキュメントデータの送信元のIPアドレス、および前記情報処理装置がVPNに接続されているか否かの少なくとも1つに基づいて、前記利用用途を判定する、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記印刷中継部は、前記エッジデバイスから、前記印刷部におけるトナーの残量および前記印刷部における記録媒体の残量を含む機器情報を取得し、
前記利用用途判定部は、当該機器情報に基づいて、前記トナーの消費量および前記記録媒体の消費量を算出し、算出した前記トナーの消費量および前記記録媒体の消費量を含む前記課金情報を前記クラウドに送信する、請求項1から3のいずれか一に記載の情報処理装置。
【請求項5】
情報処理装置、エッジデバイス、およびクラウドを有する情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
ドキュメントデータの印刷時にユーザの認証を行うユーザ認証部と、
前記ドキュメントデータの印刷の利用用途を判定し、前記利用用途の判定結果に基づいて、前記ドキュメントデータの印刷に対する課金先を決定し、当該決定した課金先を含む課金情報を前記クラウドに送信する利用用途判定部と、
前記ドキュメントデータの印刷を中継する印刷中継部と、を備え、
前記エッジデバイスは、
前記ドキュメントデータを記録媒体に印刷する印刷部と、
前記エッジデバイスに関する機器情報を管理する機器情報管理部と、を備え、
前記クラウドは、
前記ドキュメントデータを管理するドキュメント管理部と、
前記情報処理装置から送信される前記課金情報を管理する課金管理部と、
前記エッジデバイスのサプライ状況を管理するサプライ管理部と、
を備える情報処理システム。
【請求項6】
情報処理装置で実行される情報処理方法であって、
ユーザ認証部が、エッジデバイスの印刷部によるドキュメントデータの印刷時にユーザの認証を行う工程と、
利用用途判定部が、前記ドキュメントデータの印刷の利用用途を判定し、前記利用用途の判定結果に基づいて、前記ドキュメントデータの印刷に対する課金先を決定し、当該決定した課金先を含む課金情報をクラウドに送信する工程と、
印刷中継部が、前記ドキュメントデータの印刷を中継する工程と、
を含む情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
Cloud Gatewayは、各種エッジ機器の中間層にある機器であるエッジデバイスをクラウトに接続するデバイスであり、お客様に対して新しい価値を提供するデバイスとなる。
【0003】
ところで、世の中は、在宅ワーク化が進んでおり、個人宅に設置されているプリンタにCloud Gatewayを接続して、当該プリンタを業務利用するケースが考えられている。その際、プリンタの利用を会社利用と個人利用に分けて、会社と個人でプリンタの利用費用を分担する必要がある。
【0004】
例えば、特許文献1には、1つの印刷ジョブに対して、複数人のユーザに対して課金金額を割り当てる技術が開示されている。また、特許文献2,3には、請求先を区別するためにビリングコードを指定する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の技術では、同一の個人が印刷した際、利用用途(例えば、会社利用、個人利用)によって、費用負担先を自動的に振り分けることが困難である。また、特許文献2,3記載の技術では、ユーザが請求先を手動で入力する手間が生じる。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、会社利用と個人利用に分けて、会社と個人でプリンタの利用費用を分担可能とする情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、エッジデバイスの印刷部によるドキュメントデータの印刷時にユーザの認証を行うユーザ認証部と、前記ドキュメントデータの印刷の利用用途を判定し、前記利用用途の判定結果に基づいて、前記ドキュメントデータの印刷に対する課金先を決定し、当該決定した課金先を含む課金情報をクラウドに送信する利用用途判定部と、前記ドキュメントデータの印刷を中継する印刷中継部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、会社利用と個人利用に分けて、会社と個人でプリンタの利用費用を分担可能とする、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおける課金情報の管理処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図4】
図4は、第2の実施の形態にかかる情報処理システムにおける課金情報の管理処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図5】
図5は、第3の実施の形態にかかる情報処理システムにおける課金情報の管理処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図6】
図6は、第5の実施の形態にかかる情報処理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、第5の実施の形態にかかる情報処理システムにおける課金情報の管理処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図8】
図8は、第6の実施の形態にかかる情報処理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、第6の実施の形態にかかる情報処理システムにおける課金情報の管理処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図10】
図10は、第7の実施の形態にかかる情報処理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、第7の実施の形態にかかる情報処理システムにおける課金情報の管理処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。本実施の形態にかかる情報処理システムは、
図1に示すように、クラウド10、複数のPC(Personal Computer)20、中継器30、プリンタ40等を有する。会社用のPC20は、中継器30に対して、印刷指示を送信する。クラウド10は、会社用のPC20から印刷指示が送信された場合に、中継器30に対して、印刷データ(ドキュメントデータの一例)を送信する。個人用のPC20は、中継器30に対して、印刷データを送信する。
【0012】
中継器30は、クラウド10または会社用のPC20から受信する印刷データの印刷依頼を、プリンタ40に送信する。プリンタ40は、中継器30から受信する印刷依頼に応じて、印刷データの印刷を行う。本実施の形態では、クラウドゲートウェイが、中継器30として責務を担っているが、これに限定するものではなく、PC20、プリンタ40、クラウド10等が中継器30として責務を担っていても良い。
【0013】
図2は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。次に、
図2を用いて、本実施の形態にかかる情報処理システムの機能構成の一例について説明する。
【0014】
まず、中継器30の機能構成の一例について説明する。本実施の形態では、情報処理装置の一例である中継器30は、ユーザ認証部301、利用用途判定部302、および印刷中継部303を有する。
【0015】
ユーザ認証部301は、プリンタ40の印刷部402により印刷データの印刷時等に、中継器30のユーザの認証を行うユーザ認証部の一例である。印刷中継部303は、印刷データの印刷を中継する印刷中継部の一例である。具体的には、印刷中継部303は、クラウド10、PC20、およびプリンタ40間における印刷データの送受信を中継する。
【0016】
利用用途判定部302は、印刷データの印刷の利用用途(例えば、会社利用、個人利用)を判定する利用用途判定部の一例である。本実施の形態では、利用用途判定部302は、印刷データがクラウド10に保存されているか否かに基づいて、利用用途を判定しても良い。例えば、利用用途判定部302は、印刷データがクラウド10に保存されている場合には、利用用途を会社利用と判定する。また、例えば、利用用途判定部302は、印刷データがPC20に保存されている場合には、利用用途を個人利用と判定する。
【0017】
また、本実施の形態では、利用用途判定部302は、印刷データの送信元のIPアドレスに基づいて、利用用途を判定しても良い。例えば、利用用途判定部302は、印刷データの送信元のIPアドレスが個人用のPC20のIPアドレスである場合、利用用途を個人利用と判定する。また、例えば、利用用途判定部302は、印刷データの送信元のIPアドレスが会社用のPC20のIPアドレスである場合、利用用途を会社利用と判定する。
【0018】
また、本実施の形態では、利用用途判定部302は、PC20がVPNに接続されているか否かに基づいて、利用用途を判定しても良い。例えば、利用用途判定部302は、PC20がVPNに接続されている場合には、利用用途を会社利用と判定する。また、例えば、利用用途判定部302は、PC20がVPNに接続されていない場合には、利用用途を個人利用と判定する。その場合、利用用途判定部302は、PC20がVPNに接続されているか否かに基づいてドキュメントデータに自動で付加されるビリングコードに基づいて、利用用途を判定しても良い。
【0019】
また、利用用途判定部302は、利用用途の判定結果に基づいて、印刷データの印刷に対する課金先を決定し、当該決定した課金先を含む課金情報をクラウド10に送信する。これにより、印刷データの印刷の利用用途に応じて、印刷に対する課金先を判別することができる。その結果、会社利用と個人利用に分けて、会社と個人でプリンタの利用費用を分担可能とする。また、既存の中継器30を流用して、会社と個人でプリンタ40の利用費用の分担が可能となる。さらに、プリンタ40がクラウド10に接続されないので、プリンタ40のセキュリティリスクを低くすることができる。
【0020】
次に、プリンタ40の機能構成の一例について説明する。本実施の形態では、エッジデバイスの一例であるプリンタ40は、ユーザ認証部401、印刷部402、および機器情報管理部403を有する。
【0021】
ユーザ認証部401は、プリンタ40のユーザの認証を行う。印刷部402は、中継器30から受信した印刷データを用紙等の記録媒体に印刷する印刷部の一例である。機器情報管理部403は、プリンタ40に関する機器情報(例えば、プリンタ40のサプライの残量)等を管理(例えば、記憶)する。本実施の形態では、機器情報管理部403は、印刷部402におけるトナーの残量および印刷部402における記録媒体の残量の少なくとも一方を含む機器情報を管理する。
【0022】
次に、クラウド10の機能構成の一例について説明する。本実施の形態では、クラウド10は、ユーザ認証部101、ドキュメント管理部102、課金管理部103、およびサプライ管理部104を有する。
【0023】
ユーザ認証部101は、クラウド10のユーザの認証を行う。ドキュメント管理部102は、印刷データを管理(例えば、記憶)する。課金管理部103は、中継器30から受信する課金情報を管理(例えば、記憶)する課金管理部の一例である。サプライ管理部104は、プリンタ40等のエッジデバイスの機器情報(例えば、サプライの状況)を管理(例えば、記憶)する。
【0024】
図3は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおける課金情報の管理処理の流れの一例を示すシーケンス図である。次に、
図3を用いて、本実施の形態にかかる情報処理システムにおける課金情報の管理処理の流れの一例について説明する。
【0025】
まず、プリンタ40が会社利用される場合における課金情報の管理処理について説明する。まず、会社用のPC20が、クラウド10のドキュメント管理部102に対して、印刷データ(ドキュメントデータ)、ユーザ情報等を送信して、ドキュメントデータをドキュメント管理部102に保存する(ステップS311)。次いで、クラウド10のユーザ認証部101は、クラウド10のユーザの認証を行う(ステップS312)。
【0026】
その後、会社用のPC20から、中継器30の印刷中継部303に対して印刷指示が送信されると(ステップS313)、中継器30の印刷中継部303は、ユーザ認証部301に対して、ユーザの認証を要求する(ステップS314)。ここで、印刷指示は、会社用のPC20のユーザを示すユーザ情報、および印刷データを示すドキュメント情報を含む。ユーザ認証部301によるユーザの認証後、中継器30の印刷中継部303は、クラウド10のドキュメント管理部102に対して、印刷指示が含むユーザ情報を送信するとともに、印刷指示が含むドキュメント情報が示す印刷データを取得する(ステップS315)。クラウド10のドキュメント管理部102は、ユーザ認証部101に対して、受信したユーザ情報が示すユーザの認証を要求する(ステップS316)。
【0027】
また、中継器30の印刷中継部303は、エッジデバイスの一例であるプリンタ40の印刷部402に対して、会社用のPC20のユーザのユーザ情報および取得した印刷データを含む印刷指示を送信する(ステップS317)。プリンタ40の印刷部402は、ユーザ認証部401に対して、受信した印刷指示が含むユーザ情報が示すユーザの認証を要求する(ステップS318)。さらに、印刷部402は、受信した印刷指示が含む印刷データの印刷を行う。
【0028】
また、中継器30の利用用途判定部302は、取得した印刷データの印刷の利用用途を判定する(ステップS319)。そして、印刷データの印刷の利用用途が会社利用である場合、利用用途判定部302は、ユーザ情報、印刷結果、利用用途(会社利用)等を含む課金情報を、クラウド10の課金管理部103に送信(通知)する(ステップS320)。
【0029】
次に、プリンタ40が個人利用される場合における課金情報の管理処理について説明する。まず、個人用のPC20が、中継器30の印刷中継部303に対して、ユーザ情報、および印刷データ等を含む印刷指示を送信する(ステップS321)。中継器30の印刷中継部303は、ユーザ認証部301に対して、印刷指示が含むユーザ情報が示すユーザの認証を要求する(ステップS322)。また、印刷中継部303は、受信した印刷指示を、プリンタ40の印刷部402に対して送信する(ステップS323)。印刷部402は、ユーザ認証部401に対して、受信した印刷指示が含むユーザの認証を要求する(ステップS324)。さらに、印刷部402は、受信した印刷指示が含む印刷データの印刷を行う。
【0030】
また、中継器30の利用用途判定部302は、受信した印刷指示が含む印刷データの印刷の利用用途を判定する(ステップ325)。そして、印刷データの印刷の利用用途が個人利用である場合、利用用途判定部302は、印刷データの印刷に対する課金先を個人に決定し、ユーザ情報、印刷結果、利用用途(個人利用)等を含む課金情報を、クラウド10の課金管理部103に送信(通知)する(ステップS326)。
【0031】
このように、第1の実施の形態にかかる情報処理システムによれば、印刷データの印刷の利用用途に応じて、印刷に対する課金先を判別することができる。その結果、会社利用と個人利用に分けて、会社と個人でプリンタの利用費用を分担可能とする。
【0032】
(第2の実施の形態)
本実施の形態は、エッジデバイスの機器情報に基づいて、印刷データの印刷におけるトナーの消費量および記録媒体の消費量を算出し、算出したトナーの消費量および記録媒体の消費量を含む課金情報をクラウドに送信する例である。以下の説明では、第1の実施の形態と同様の構成については説明を省略する。
【0033】
本実施の形態では、中継器30の印刷中継部303は、プリンタ40の機器情報管理部403から機器情報を取得する。そして、利用用途判定部302は、取得した機器情報に基づいて、印刷部402におけるトナーの消費量および記録媒体の消費量を算出し、当該算出したトナーの消費量および記録媒体の消費量を、課金情報を含める。
【0034】
本実施の形態では、クラウド10の課金管理部103は、中継器30から受信する課金情報が含むトナーの消費量および記録媒体の消費量に基づいて、印刷データの印刷に対する課金額を決定し、当該課金額を課金情報に含める。これにより、トナーおよび記録媒体の消費量を用いて、印刷データの印刷に対する課金額を決定することができる。
【0035】
図4は、第2の実施の形態にかかる情報処理システムにおける課金情報の管理処理の流れの一例を示すシーケンス図である。次に、
図4を用いて、本実施の形態にかかる情報処理システムにおける課金情報の管理処理の流れの一例について説明する。以下の説明では、
図3に示す課金情報の管理処理と同様の処理については説明を省略する。
【0036】
本実施の形態では、中継器30の印刷中継部303は、プリンタ40の印刷部402による印刷の前後に、プリンタ40の機器情報管理部403から、機器情報(例えば、トナーおよび記録媒体等のサプライの残量)を取得する(ステップS411、ステップS412)。
【0037】
そして、利用用途判定部302は、取得した機器情報に基づいて、印刷部402における印刷データの印刷によるトナーの消費量および記録媒体の消費量(以下、サプライ消費量と言う)を取得する。次いで、利用用途判定部302は、ユーザ情報、印刷結果、利用用途(個人利用)、サプライ消費量等を含む課金情報を、クラウド10の課金管理部103に送信する(ステップS413)。クラウド10の課金管理部103は、印刷中継部303から受信する課金情報が含むサプライ消費量に基づいて、印刷データの印刷に対する課金額を決定する。
【0038】
このように、第2の実施の形態にかかる情報処理システムによれば、印刷データの印刷におけるトナーの消費量および記録媒体の消費量を算出し、算出したトナーの消費量および記録媒体の消費量を含む課金情報をクラウドに送信することにより、トナーおよび記録媒体の消費量を用いて、印刷データの印刷に対する課金額を決定することができる。
【0039】
(第3の実施の形態)
本実施の形態は、エッジデバイスのサプライが不足した場合、サプライが不足したことを自動通知する例である。以下の説明では、第2の実施の形態と同様の構成については説明を省略する。
【0040】
本実施の形態では、中継器30の印刷中継部303は、プリンタ40の機器情報管理部403から取得する機器情報が示すトナーおよび記録媒体等のサプライの残量が予め設定された残量以下となった場合、クラウド10のサプライ管理部104に対して、機器情報管理部403から取得した機器情報を送信する。これにより、プリンタ40のサプライが不足したことをクラウド10に自動通報することができるので、プリンタ40のサプライの購入を事前に行うことが可能となる。
【0041】
図5は、第3の実施の形態にかかる情報処理システムにおける課金情報の管理処理の流れの一例を示すシーケンス図である。次に、
図5を用いて、本実施の形態にかかる情報処理システムにおける課金情報の管理処理の流れの一例について説明する。以下の説明では、
図4に示す課金情報の管理処理と同様の処理については省略する。また、以下の説明では、印刷データの印刷の利用用途が会社利用の場合について説明するが、印刷データの印刷の利用用途が個人利用である場合も同様である。
【0042】
本実施の形態では、印刷中継部303は、プリンタ40の印刷部402による印刷の前後に、プリンタ40の機器情報管理部403から取得した機器情報が示すサプライの残量が予め設定される残量以下である場合、印刷中継部303は、当該取得した機器情報を、クラウド10のサプライ管理部104に送信する(ステップS511、ステップS512)。
【0043】
このように、第3の実施の形態にかかる情報処理システムによれば、プリンタ40のサプライが不足したことをクラウド10に自動通報することができるので、プリンタ40のサプライの購入を事前に行うことが可能となる。
【0044】
(第4の実施の形態)
本実施の形態は、エッジデバイスが故障した場合に、当該エッジデバイスのサプライの消費量の比率に基づいて、エッジデバイスの修理費の負担金額を決定する例である。以下の説明では、上述の実施の形態と同様の構成については説明を省略する。
【0045】
本実施の形態では、クラウド10の課金管理部103は、プリンタ40が故障した場合、サプライ情報に基づいて、当該プリンタ40のユーザのサプライの消費量の比率を算出する。そして、課金管理部103は、算出した比率に基づいて、プリンタ40の修理費の負担金額を決定する。
【0046】
このように、第4の実施の形態にかかる情報処理システムによれば、プリンタ40が故障した場合に、会社および個人のそれぞれの修理費の負担割合を容易に決定することができる。
【0047】
(第5の実施の形態)
本実施の形態は、PCのアプリケーションまたはドライバによって、印刷中継部および利用用途判定部を実現する例である。以下の説明では、上述の実施の形態と同様の構成については説明を省略する。
【0048】
図6は、第5の実施の形態にかかる情報処理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。本実施の形態にかかる情報処理システムでは、
図6に示すように、中継器30ではなく、PC20のアプリケーションおよびドライバ等によって利用用途判定部302および印刷中継部303を実現する。これにより、情報処理システムに対して中継器が導入されていなくても、印刷データの印刷の利用用途に応じた課金情報の管理処理を実現することができる。
【0049】
図7は、第5の実施の形態にかかる情報処理システムにおける課金情報の管理処理の流れの一例を示すシーケンス図である。次に、
図7を用いて、本実施の形態にかかる情報処理システムにおける課金情報の管理処理の流れの一例について説明する。
【0050】
本実施の形態では、PC20に設けられる利用用途判定部302および印刷中継部303が、
図7に示すステップS315、ステップS317、ステップS319、ステップS320、ステップS323、ステップS325、ステップS326を実行する。
【0051】
このように、第5の実施の形態にかかる情報処理システムによれば、情報処理システムに対して中継器が導入されていなくても、印刷データの印刷の利用用途に応じた課金情報の管理処理を実現することができる。
【0052】
(第6の実施の形態)
本実施の形態は、エッジデバイスに、印刷中継器および利用用途判定部を設ける例である。以下の説明では、上述の実施の形態と同様の構成については説明を省略する。
【0053】
図8は、第6の実施の形態にかかる情報処理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。本実施の形態にかかる情報処理システムでは、
図8に示すように、中継器30ではなく、プリンタ40に、利用用途判定部302および印刷中継部303を設ける。これにより、情報処理システムに対して中継器が導入されていなくても、印刷データの印刷の利用用途に応じた課金情報の管理処理を実現できる。また、PC20に対して、アプリケーションおよびドライバ等をインストールしたり、各種の設定を行ったりすることが不要となる。さらに、PC20およびエッジデバイスが増えた場合に、PC20に対するアプリケーション等のインストールおよび各種の設定が不要となるので、利便性を向上させることができる。
【0054】
図9は、第6の実施の形態にかかる情報処理システムにおける課金情報の管理処理の流れの一例を示すシーケンス図である。次に、
図9を用いて、本実施の形態にかかる情報処理システムにおける課金情報の管理処理の流れの一例について説明する。
【0055】
本実施の形態では、プリンタ40に設けられる利用用途判定部302および印刷中継部303が、
図9に示すステップS314、ステップS315、ステップS317、ステップS319、ステップS320、ステップS323、ステップS325、ステップS326を実行する。
【0056】
このように、第6の実施の形態にかかる情報処理システムによれば、情報処理システムに対して中継器が導入されていなくても、印刷データの印刷の利用用途に応じた課金情報の管理処理を実現できる。
【0057】
(第7の実施の形態)
本実施の形態は、クラウドに、印刷中継器および利用用途判定部を設ける例である。以下の説明では、上述の実施の形態と同様の構成については説明を省略する。
【0058】
図10は、第7の実施の形態にかかる情報処理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。本実施の形態にかかる情報処理システムでは、
図10に示すように、中継器30ではなく、クラウド10に、利用用途判定部302および印刷中継部303を設ける。これにより、情報処理システムに対して中継器が導入されていなくても、印刷データの印刷の利用用途に応じた課金情報の管理処理を実現できる。また、PC20に対して、アプリケーションおよびドライバ等をインストールしたり、各種の設定を行ったりすることが不要となる。さらに、PC20およびエッジデバイスが増えた場合に、PC20に対するアプリケーション等のインストールおよび各種の設定が不要となるので、利便性を向上させることができる。
【0059】
図11は、第7の実施の形態にかかる情報処理システムにおける課金情報の管理処理の流れの一例を示すシーケンス図である。次に、
図11を用いて、本実施の形態にかかる情報処理システムにおける課金情報の管理処理の流れの一例について説明する。
【0060】
本実施の形態では、クラウド10に設けられる利用用途判定部302および印刷中継部303が、
図11に示すステップS315、ステップS317、ステップS319、ステップS320、ステップS323、ステップS325、ステップS326を実行する。
【0061】
このように、第7の実施の形態にかかる情報処理システムによれば、情報処理システムに対して中継器が導入されていなくても、印刷データの印刷の利用用途に応じた課金情報の管理処理を実現できる。
【0062】
上記で説明した実施の形態の各機能は、一または複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0063】
実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施の形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、クラウド10は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。同様に、PC20、中継器30、プリンタ40は、互いに通信するように構成された複数のコンピューティングデバイスを含むことができる。
【符号の説明】
【0064】
10 クラウド
20 PC
30 中継器
40 プリンタ
101,301,401 ユーザ認証部
102 ドキュメント管理部
103 課金管理部
104 サプライ管理部
302 利用用途判定部
303 印刷中継部
402 印刷部
403 機器情報管理部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0065】
【特許文献1】特開2010-224167号公報
【特許文献2】特許第4883117号公報
【特許文献3】特開2018-045324号公報
【特許文献4】特許第6690480号公報