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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023041349
(43)【公開日】2023-03-24
(54)【発明の名称】撮像システムおよび撮像方法
(51)【国際特許分類】
   G03B 15/03 20210101AFI20230316BHJP
   H04N 23/56 20230101ALI20230316BHJP
   G03B 15/02 20210101ALI20230316BHJP
   G03B 15/00 20210101ALN20230316BHJP
【FI】
G03B15/03 W
H04N5/225 600
G03B15/02 G
G03B15/02 T
G03B15/00 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021148674
(22)【出願日】2021-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】山田 学
【テーマコード(参考)】
5C122
【Fターム(参考)】
5C122DA12
5C122DA14
5C122EA55
5C122FA02
5C122FA18
5C122FF01
5C122FH20
5C122GD01
5C122GD11
5C122GG09
5C122GG15
5C122GG17
5C122HA75
5C122HB01
(57)【要約】
【課題】1回の移動撮像において露出量を制御すること。
【解決手段】本発明の一態様に係る撮像システムは、移動体に設置された状態において対象物を移動撮像する撮像部と、前記移動体に設置された状態において前記対象物を照明する第1および第2照明部と、を有し、前記対象物は、第1領域と、前記第1領域よりも前記撮像部から遠い位置にある第2領域と、を含み、前記第2照明部による第2照明光は、前記第1領域を撮像する場合には、前記第1領域上において前記第1照明部による第1照明光と重ならず、前記第2領域を撮像する場合には、前記第2領域上において前記第1照明光と重なる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に設置された状態において対象物を移動撮像する撮像部と、
前記移動体に設置された状態において前記対象物を照明する第1および第2照明部と、を有し、
前記対象物は、第1領域と、前記第1領域よりも前記撮像部から遠い位置にある第2領域と、を含み、
前記第2照明部による第2照明光は、前記第1領域を撮像する場合には、前記第1領域上において前記第1照明部による第1照明光と重ならず、前記第2領域を撮像する場合には、前記第2領域上において前記第1照明光と重なる撮像システム。
【請求項2】
前記第1照明部は、前記第1領域および前記第2領域のいずれを撮像する場合にも、前記第1照明部による第1配光角と前記撮像部による撮像画角とが重なるように設置され、
前記第2照明部は、前記第1領域を撮像する場合には、前記第2照明部による第2配光角と前記撮像画角とが重ならないように設置され、前記撮像部が前記第2領域を撮像する場合には前記第2配光角と前記撮像画角とが重なるように設置される請求項1に記載の撮像システム。
【請求項3】
前記第2照明部は、前記撮像部と前記第1領域との距離と比較して、前記撮像部と前記第2領域との距離が長いことによる露出不足を補うように、前記第2領域に前記第2照明光を照明する請求項1または2に記載の撮像システム。
【請求項4】
前記第1照明光の第1照明中心軸は、前記撮像部による撮像光の撮像中心軸に対して平行であり、
前記第2照明光の第2照明中心軸は、前記撮像中心軸に対して傾いている請求項1乃至3の何れか1項に記載の撮像システム。
【請求項5】
前記第1照明部以外に、前記第2照明部を含む複数の照明部を含み、
前記複数の照明部は、前記移動体に設置された状態において前記対象物を照明し、
前記複数の照明部それぞれによる照明光は、前記第1領域を撮像する場合には、前記第1領域上において前記第1照明光と重ならず、前記第2領域を撮像する場合には、前記第2領域上において前記第1照明光と重なる請求項1乃至4の何れか1項に記載の撮像システム。
【請求項6】
移動体に設置された撮像部により、対象物を移動撮像し、
前記移動体に設置された第1および第2照明部により、前記対象物を照明し、
前記対象物は、第1領域と、前記第1領域よりも前記撮像部から離れている第2領域と、を含み、
前記第2照明部による第2照明光は、前記第1領域を撮像する場合には、前記第1領域上において前記第1照明部による第1照明光と重ならず、前記第2領域を撮像する場合には、前記第2領域上において前記第1照明光と重なる撮像方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像システムおよび撮像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トンネル等の対象物の維持管理における点検作業等を効率化するために、車両等の移動体に撮像部が設置された状態において対象物を移動撮像する技術が知られている。移動撮像とは、撮像部が移動しながら対象物を撮像することをいう。
【0003】
このような撮像技術として、移動体の前方の所定距離以内に、明るさが所定量以上変化する光変化区間が存在するか否かを判定し、光変化区間が存在する場合に、光変化区間の走行中に生じる明るさの変化に合わせて車両が備える撮像システムの露出制御を行う技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、撮像システムと対象物との間の距離が変化する場合における露出量制御に改良の余地があった。
【0005】
特許文献1に記載された技術を改良するために、出願人は、移動体に設置された状態で対象物を撮像する撮像部と、対象物と、の間の距離に基づいて、撮像部の露出条件を、固定露出条件、または自動露出条件の何れか一方に決定する技術を開発した(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、特許文献2に記載された技術では、移動撮像を2回行うという観点で改良の余地があった。
【0006】
本発明は、1回の移動撮像において露出量を制御することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る撮像システムは、移動体に設置された状態において対象物を移動撮像する撮像部と、前記移動体に設置された状態において前記対象物を照明する第1および第2照明部と、を有し、前記対象物は、第1領域と、前記第1領域よりも前記撮像部から遠い位置にある第2領域と、を含み、前記第2照明部による第2照明光は、前記第1領域を撮像する場合には、前記第1領域上において前記第1照明部による第1照明光と重ならず、前記第2領域を撮像する場合には、前記第2領域上において前記第1照明光と重なる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、1回の移動撮像において露出量を制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る撮像システムの構成を例示する斜視図である。
図2図1の撮像システムにおける撮像部の構成を例示する斜視図である。
図3図1の撮像システムにおける照明部の構成を例示する斜視図である。
図4図1の撮像システムのハードウェア構成例のブロック図である。
図5図1の撮像システムによるトンネル壁面の撮像方法を示す図であり、図5(a)は走行方向から車両を視た図、図5(b)はトンネル内部での撮像状態を示す図である。
図6】第1実施形態に係る撮像システムの全体構成を例示する側面図である。
図7図6の撮像システムの上面図である。
図8図6の撮像システムの正面図である。
図9図6の撮像システムの機能構成例を示すブロック図である。
図10図6の撮像システムによる照明方法を説明する図である。
図11図6の撮像システムによる撮像動作例を示すフローチャートである。
図12図6の撮像システムによる露出制御例を示すフローチャートである。
図13】第2実施形態に係る撮像システムによる撮像方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、実施形態を詳細に説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を適宜省略する。
【0011】
以下、車両に設置された状態において対象物を移動撮像する撮像部を有し、車両が走行することにより、移動しながらトンネル内側の壁面を撮像する撮像システムを一例として実施形態を説明する。車両は移動体の一例であり、トンネルの壁面は対象物の一例である。なお、実施形態における撮像の用語は、対象物の画像を取得する動作を指し、撮影という用語に置き換えることもできる。
【0012】
[実施形態]
<撮像システム100の全体構成>
図1は、実施形態に係る撮像システム100の構成を例示する斜視図である。撮像システム100は、スライドユニット200と、カメラユニット300と、照明ユニット400とを有する。
【0013】
カメラユニット300は、トンネルの壁面を撮像する。照明ユニット400は、カメラユニット300による撮像のために、トンネルの壁面に向けて光を照明する。
【0014】
スライドユニット200は、カメラユニット300および照明ユニット400を図1の太矢印方向にスライドさせるための部材である。カメラユニット300および照明ユニット400は、スライドユニット200により、図1の太矢印方向で示すスライド方向201に沿って位置を可変とする。
【0015】
スライドユニット200は、レール210および220と、ベース230と、ガイドシャフト240と、ガイドシャフト保持部材251および252と、フレーム261および262とを有する。
【0016】
カメラユニット300は、フレーム261に固定されたレール210上をスライドすることにより、スライド方向201に沿った位置を可変とする。同様に、照明ユニット400は、フレーム262に固定されたレール220上をスライドすることで、スライド方向201に沿った位置を可変とする。
【0017】
レール210および220は、レール軸が略平行となるようにフレーム261および262にそれぞれ固定される。ベース230は、フレーム261および262に固定され、両者を接続するとともに撮像システム100のベースとなる。
【0018】
ガイドシャフト240は、カメラユニット300および照明ユニット400を安定した精度でスライドさせるために用いられる部材であり、金属製の丸棒等である。丸棒の長手方向がカメラユニット300および照明ユニット400のスライド方向201に沿うように設置される。
【0019】
ガイドシャフト240は、ガイドシャフト240を保持するガイドシャフト保持部材251および252にそれぞれ設けられた貫通孔に通されて保持される。
【0020】
図1では、スライドユニット200により、カメラユニット300および照明ユニット400の両方をスライドさせる構成を示すが、これに限定されるものではない。カメラユニット300をスライドさせるユニットと、照明ユニット400をスライドさせるユニットを別々にした構成であってもよい。
【0021】
撮像システム100は、カメラユニット300および照明ユニット400のスライド方向201が車両の走行方向と交差するように、車両のルーフ等に取り付けられる。換言すると、スライド方向201は、撮像システム100が取り付けられた車両の走行方向に対して交差する。例えばスライド方向201と車両の走行方向は略直交する。このように取り付けることで、車両の走行方向と交差する方向において、カメラユニット300および照明ユニット400の位置を変化させることができる。
【0022】
車両における撮像システム100が取り付けつけられる部分は、ルーフに限定されるものではなく、車両の前方または後方のボンネット等であってもよいし、車両がトラックであれば荷台等であってもよい。車両への撮像システム100の取り付けは、ルーフに取り付ける場合には、車両用のスキーキャリヤ等と同様にフック部品等を使用できる。
【0023】
<カメラユニット300の構成>
図2は、カメラユニット300の構成を例示する斜視図である。カメラユニット300は、車両に設置された状態においてトンネルの壁面を移動撮像する。
【0024】
カメラユニット300は、ベースプレート310と、レール接続部321および322と、カメラ331から334と、シャフト連結部341および342と、インデックスプランジャ350とを有する。
【0025】
レール接続部321および322は、ベースプレート310とレール210を接続するための部材である。レール接続部321および322は、レール軸と直交する方向の断面が屈曲した形状を有する。レール210が双頭レールの場合、双頭レールの頭の一方に屈曲部を被せるようにして、レール接続部321および322は、レール210に接続する。
【0026】
レール接続部321および322は略同一形状であり、レールの軸方向における異なる2つの位置においてレール210と接続する。レール接続部321および322にベースプレート310を固定することにより、カメラユニット300はレール軸の方向に沿うスライド方向201に沿ってスライド可能となる。
【0027】
カメラ331から334は、ベースプレート310の平面部に固定される。カメラ331は、レンズ331-1と、ラインCCD(Charge Coupled Device)331-2とを有する。レンズ331-1は、レンズ331-1の光軸方向にある被写体の像をラインCCD331-2の撮像面上に結像させる。ラインCCD331-2は、結像した被写体の像を撮像する。
【0028】
レンズ331-1の内部には、絞り331-1aが設けられている。絞り331-1aは、絞り羽根を有する虹彩絞りであり、直径が可変の開口である。絞り羽根にモータ等の駆動源を接続し、制御信号に基づいてモータを駆動させることにより開口の直径を変化させることができる。絞り331-1aにより、レンズ331-1を通過する光量を変化させ、レンズ331-1により結像される被写体像の明るさを変化させることができる。
【0029】
ラインCCD331-2は、画素が一次元状に配列されているCCDである。実施形態では、カメラ331は、ラインCCD331-2の画素の配列方向が車両の走行方向と交差するようにベースプレート310に固定される。カメラ332から334も、カメラ331と同様の構成を有するため、ここでは重複する説明を省略する。
【0030】
トンネルは、車両の走行方向と交差する断面が半円状の形状をしているため、これに合わせ、カメラ331から334は、図2のように、それぞれのレンズの光軸がトンネルの壁面と交差するように放射状に配置される。換言すると、カメラ331から334は、それぞれがトンネル壁面に向き合うようにベースプレート310の平面部に放射状に配置される。
【0031】
カメラ331から334がそれぞれ撮像するライン画像をカメラの配列方向に繋ぎ合せることにより、トンネルの形状に沿って、トンネル壁面のライン画像を撮像できる。車両を走行させながらライン画像を所定の時間間隔で連続的に撮像し、ライン画像の画素の配列方向と直交する方向に、撮像したライン画像を繋ぎ合せることにより、トンネル壁面のエリア画像(二次元画像)を取得できる。なお、所定の時間間隔はラインCCDによるライン画像の取得周期等である。
【0032】
本実施形態ではカメラの台数が4台である構成を例示するが、これに限定されず、トンネルの大きさ等の条件に応じてカメラ台数を増減させてもよい。また、レンズ331-1の結像倍率、視野およびFナンバ等は撮像したい条件に合わせて適宜決定できる。
【0033】
本実施形態ではカメラ331がラインCCDを有する例を示したが、これに限定されず、カメラ331は、画素が二次元的に配列されているエリアCCDを有することもできる。CCDに代えてCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)等を用いてもよい。
【0034】
シャフト連結部341および342は、ガイドシャフト240と連結するための部材である。インデックスプランジャ350は、スライド方向における所望の位置でカメラユニット300を固定するための部材である。
【0035】
<照明ユニット400の構成>
図3は、照明ユニット400の構成を例示する斜視図である。照明ユニット400は、車両に設置された状態においてトンネル壁面を照明する。
【0036】
照明ユニット400は、ベースプレート410と、レール接続部と、照明光源部431から436と、シャフト連結部441および442と、インデックスプランジャ450とを有する。レール接続部とレール220との関係は、レール接続部321および322とレール210との関係と同様である。
【0037】
照明光源部431から436は、ベースプレート410の平面部に固定される。照明光源部431は、レンズ431-1と光源431-2とを有する。
【0038】
光源431-2は、レンズ431-1を介して、レンズ431-1の光軸方向にある被写体を照明する。レンズ431-1は、内部に絞り431-1aを有する。
【0039】
絞り431-1aは直径が可変の開口である。絞り431-1aは、開口の直径を変化させることにより、レンズ431-1により照明される照明光の光量(明るさ)を可変とする。光源431-2には、メタルハライドライトやLED(Light Emitting Diode)等を使用できる。なお、照明光源部432から436は照明光源部431と同様の構成を有するため、重複する説明を省略する。
【0040】
トンネルは、車両の走行方向と交差する断面が半円状の形状をしているため、これに合わせ、照明光源部431から436は、それぞれのレンズの光軸がトンネルの壁面と交差するように放射状に配置される。換言すると、照明光源部431から436は、トンネル壁面に対向するように、ベースプレート410の平面部に放射状に配置される。照明ユニット400は、車両の走行方向と交差する方向に沿ったライン状の光をトンネルの壁面に照明できる。
【0041】
本実施形態では、照明光源部の台数を6台とする構成を例示したが、これに限定されず台数を増減させてもよい。また照明光源部の台数は、カメラの台数と必ずしも一致する必要はなく、明るさ等の条件に応じて台数を決定できる。レンズの画角やFナンバ等も撮像したい条件に応じて適宜決定できる。
【0042】
本実施形態では、照明光源部431から436それぞれの位置を、レンズの光軸方向に前後に少しずつずらした構成を示したが、これは照明光源部同士の物理的な干渉を防止するためである。
【0043】
シャフト連結部441および442は、ガイドシャフト240と連結するための部材である。インデックスプランジャ450は、スライド方向における所望の位置で照明ユニット400を固定するための部材である。
【0044】
<撮像システム100のハードウェア構成>
図4は、撮像システム100のハードウェア構成を例示するブロック図である。撮像システム100は、カメラユニット300と、照明ユニット400と、センサ制御ボード110と、TOF(Time of Flight)センサ180と、IMU(Inertial Measurement Unit)160と、車速計170と、を有する。
【0045】
TOFセンサ180は、トンネル壁面からTOFセンサ180までの距離を検出することにより、トンネル壁面から撮像システム100までの距離を検出する。具体的には、TOFセンサ180は、トンネル壁面にTOFセンサ180から光を照射し、その反射光を受光するまでの時間に基づいてトンネル壁面までの距離を検出する。TOFセンサ180は、受光素子にエリアセンサを用いたTOFセンサ180を用いると、距離に応じて表示色が異なる2次元の等高線画像を取得可能になる。
【0046】
IMU160は、車両の運動を司る3軸の角度および角速度と加速度を計測する。車速計170は、車両の速度および移動距離を計測する。車速計170は移動距離計であってもよい。
【0047】
IMU160および車速計170により計測されたデータは、センサ制御ボード110におけるHDD114に出力されて記憶され、後に壁面の画像のサイズや傾き等を画像処理により幾何補正するために使用される。
【0048】
カメラユニット300は、レンズ331-1、332-1、333-1および334-1と、ラインCCD331-2、332-2、333-2および334-2とを有する。レンズ331-1は絞り331-1aを、レンズ332-1は絞り332-1aを、レンズ333-1は絞り333-1aを、レンズ334-1は絞り334-1aを、それぞれ内部に有する。図4では、図を簡略化するため、レンズ331-1、絞り331-1aおよびラインCCD331-2のみを図示している。
【0049】
照明ユニット400は、レンズ431-1、432-1、433-1、434-1、435-1および436-1と、光源431-2、432-2、433-2、434-2、435-2および436-2とを有する。またレンズ431-1は絞り431-1aを、レンズ432-1は絞り432-1aを、レンズ433-1は絞り433-1aを、レンズ434-1は絞り434-1aを、レンズ435-1は絞り435-1aを、レンズ436-1は絞り436-1aを、それぞれ内部に有する。図4では、図を簡略化するため、レンズ431-1、絞り431-1aおよび光源431-2のみを図示している。
【0050】
センサ制御ボード110は、CPU(Central Processing Unit)111と、ROM(Read Only Memory)112と、RAM(Random Access Memory)113と、HDD(Hard Disk Drive)114と、外部I/F(Inter/Face)115と、ブザー116とを有する。これらは、システムバス117を介して相互に電気的に接続している。
【0051】
ROM112は各種プログラムやデータ、各種の設定情報等を格納する。RAM113はプログラムやデータを一時保持する。CPU111はROM112等からプログラムやデータ、設定情報等をRAM113上に読み出し、処理を実行することで、撮像システム100全体の制御や画像データの処理を実現する。ここで、画像データの処理には、カメラ331から334がそれぞれ撮像したライン画像を繋ぎ合せる処理や、車両を走行させながらカメラ331から334が所定の時間間隔で連続的に撮像したライン画像を、車両の走行方向で繋ぎ合せる処理等が含まれる。
【0052】
CPU111の実現する制御、画像データの処理、および各種機能の一部または全部は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)により実現されてもよい。
【0053】
HDD114は、カメラユニット300から入力した画像データや、TOFセンサ180、IMU160および車速計170から入力したセンサデータ等を記憶する。
【0054】
外部I/F115はユーザが撮像システム100を操作するためのユーザインターフェースの機能や、撮像システム100がPC(Personal Computer)等の外部装置とデータや信号の送受を行うためのインターフェースである。
【0055】
ブザー116は、ユーザに警告を報知するためのビープ音を発生させる。
【0056】
外部I/F115を介してPC(Personal Computer)等の外部装置にセンサ制御ボード110を接続し、センサ制御ボード110と外部装置との間において、画像データ等のデータの送受を行えるように構成してもよい。
【0057】
<撮像システム100による撮像方法>
撮像システム100では、スライドユニット200によりカメラユニット300および照明ユニット400がスライドし、車両の走行方向と交差する方向において、所定の道路構造の長さに基づき定められた位置において固定される。
【0058】
所定の道路構造の長さは、例えば、車両の走行方向と交差する方向における歩道の幅である。
【0059】
ここで、歩道とは、歩行者が通行するための道路をいい、車道等に併設され、歩行者の通行のために構造的に区画された道路の部分をいう。歩道の幅は、歩行者の通行量に応じて様々であるが、一般には1.5から3m程度である。
【0060】
撮像システム100は、車両の走行方向と交差する方向において、歩道の幅に基づき定められた位置に、カメラユニット300および照明ユニット400を固定し、所望の領域のトンネル壁面のエリア画像を取得する。
【0061】
図5は、撮像システム100によるトンネル600壁面の撮像方法を説明する図である。図5(a)は走行方向から車両500を視た図、図5(b)はトンネル600内部における撮像状態を示す図である。
【0062】
図5(a)に示すように、撮像システム100は、車両500のルーフ上に固定される。カメラユニット300および照明ユニット400は、スライドユニット200によって、トンネル600の壁面に近づく方向にスライドした後、固定される。
【0063】
図5(b)に示すように、道路700のセンターに対し、一方の側に車線710があり、他方の側に車線720がある。車両500は車線710において、紙面に対し、手前の方向に走行している。
【0064】
この例では、車線710(車両500が走行する車線)側に歩道730がある。この場合には、走行車線側に歩道がない場合と比較して、車両500は、トンネル600の車両500側の壁面から遠い位置を走行することになる。カメラユニット300および照明ユニット400は、トンネル600の車両500側の壁面に近づく位置に配置される。
【0065】
図5(b)の破線100Bは、撮像システム100による撮像範囲を表す。撮像システム100は、トンネル600の壁面のうち、破線100Bで示されている撮像範囲内の領域600B(太線で示されている領域)を撮像する。実施形態ではトンネルの壁面(覆工部)と地面との境目までを撮像可能である。
【0066】
車両500を走行させながら撮像システム100による撮像を行うことにより、トンネル600の入口から出口までにおいて、車線710側半分の壁面が撮像される。また撮像システム100は、車両500が車線720を走行しながら、トンネル600における車線720側の壁面を撮像することにより、車線720側半分の壁面を撮像できる。撮像システム100は、車線710側半分の壁面の撮像画像と、車線720側半分の壁面の撮像画像と、を繋ぎ合わせることにより、トンネル600の壁面全体の撮像画像を取得できる。
【0067】
このように撮像システム100は、カメラユニット300および照明ユニット400を予め定められた位置に固定され、車両500側のトンネル壁面から撮像システム100までの距離、すなわち被写体距離を所定の状態にしてトンネル壁面を撮像できる。
【0068】
[第1実施形態]
第1実施形態に係る撮像システム100aについて説明する。
【0069】
以下に示す図において、X軸、Y軸およびZ軸により方向を示す場合があるが、X軸に沿うX方向は、車両500の走行方向および鉛直方向それぞれと略直交する方向を示し、Y軸に沿うY方向は車両500の走行方向を示し、Z軸に沿うZ方向は鉛直方向を示すものとする。但し、これらのことは、撮像システム100aの使用時における向きを制限するものではなく、撮像システム100aの向きは任意である。
【0070】
<撮像システム100aの構成例>
図6から図8は、撮像システム100aの全体構成を例示する図である。図6は側面図、図7は上面図、図8は正面図である。
【0071】
図6から図8に示すように、撮像システム100aは、第1撮像システム100aaと、第2撮像システム100abと、を有する。第1撮像システム100aaは、第1カメラユニット300aaと、第1照明ユニット400aaと、を有する。第2撮像システム100abは、第2カメラユニット300abと、第2照明ユニット400abと、を有する。
【0072】
第1撮像システム100aaおよび第2撮像システム100abそれぞれの構成は、上述した撮像システム100の構成と同じである。第1カメラユニット300aaおよび第2カメラユニット300abそれぞれの構成は、上述したカメラユニット300の構成と同じである。第1照明ユニット400aaおよび第2照明ユニット400abそれぞれの構成は、上述した照明ユニット400の構成と同じである。
【0073】
第1カメラユニット300aaは、車両500に設置された状態においてトンネル600の壁面を移動撮像する撮像部の一例である。なお、本実施形態では、撮像システム100aが第2カメラユニット300abを有する構成を例示するが、撮像システム100aは必ずしも第2カメラユニット300abを備えなくてもよい。そのため、カメラユニットとしては、以下では主に第1カメラユニット300aaを説明する。
【0074】
第1照明ユニット400aaは、車両500に設置された状態においてトンネル600の壁面を照明する第1照明部の一例である。第2照明ユニット400abは、車両500に設置された状態においてトンネル600の壁面を照明する第2照明部の一例である。
【0075】
第1照明ユニット400aaと第2照明ユニット400abは、Y方向に沿って並んで設置される。車両500の走行方向を前方とすると、Y方向において、第1照明ユニット400aaは前方側、第2照明ユニット400abは後方側に設置される。
【0076】
<撮像システム100aの機能構成>
図9は、撮像システム100aの機能構成の一例を説明するブロック図である。撮像システム100aは、距離検出部120と、光量検出部130と、制御部140と、を有する。
【0077】
距離検出部120は、車両500の走行方向と交差する方向における第1カメラユニット300aaとトンネル600の壁面との間の距離を検出し、検出結果を制御部140の有する露出条件決定部141に出力する。距離検出部120の機能は、TOFセンサ180等により実現される。
【0078】
光量検出部130は、撮像システム100aによる撮像時の撮像光量を検出し、検出結果を露出制御部142に出力する。トンネル600内における撮像光量には、照明ユニット400による照明光のトンネル600の壁面による反射光と、太陽光等の自然光のトンネル600の壁面による反射光とが含まれる。また、照明ユニット400による照明とは別に、露出制御のためにトンネル600の壁面に光を照明する場合、トンネル600の壁面の撮像光量には、その反射光も含まれる。
【0079】
光量検出部130の機能は、第1カメラユニット300aaの有するラインCCD331-2等により実現される。但し、これに限定されるものではなく、ラインCCD331-2、332-2、333-2および334-2の少なくとも1つにより実現されてもよい。また、カメラユニット300とは別に設けられた光量検出のためのPD(Photo Diode)等により、光量検出部130の機能が実現されてもよい。
【0080】
制御部140は、主に、第1カメラユニット300aaの露出条件を決定するとともに、第1カメラユニット300aaの露出を制御する。制御部140は、露出条件決定部141と、露出制御部142と、記憶部143と、入出力部144と、終了判定部145とを有する。
【0081】
露出条件決定部141は、距離検出部120の検出結果に基づき、第1カメラユニット300aaの露出条件を、固定露出条件または自動露出条件の何れか一方に決定する。
【0082】
露出条件決定部141は、距離検出結果が所定の第1閾値以下である場合に、第1カメラユニット300aaの露出条件を自動露出条件に決定し、距離が所定の第1閾値以下でない場合に、第1カメラユニット300aaの露出条件を固定露出条件に決定する。露出条件決定部141は、決定後に決定結果を露出制御部142に出力する。
【0083】
所定の第1閾値とは、第1カメラユニット300aaにおけるラインCCDのダイナミックレンジ等に基づいて予め定められた値である。また、検出された距離が第1閾値以下であれば、撮像された画像が白飛びおよび黒潰れしないことを基準にして定められた値である。
【0084】
露出制御部142は、露光時間制御部151と、増幅率制御部152と、絞り制御部153と、照明制御部154とを有し、第1カメラユニット300aaによる撮像における露出を制御する。実施形態では、ラインCCDの露光時間(シャッタースピード)、ラインCCDが受光した光に対する出力電圧の増幅率(ゲイン)、第1カメラユニット300aaにおける絞りの直径、または第1照明ユニット400aaおよび第2照明ユニット400abによる照明光量、の少なくとも1つを露出条件とする。
【0085】
露光時間制御部151は、第1カメラユニット300aaに固定露出条件または自動露出条件により撮像させる。
【0086】
自動露出条件による撮像では、露出制御部142は、光量検出部130の検出結果に基づき露出条件を算出し、算出した露出条件で露出させる自動露出制御を行う。自動露出条件の算出には、露出制御値を自動で決定する露出プログラム等を適用できる。
【0087】
露光時間制御部151は、光量検出部130による検出結果に基づいて、ラインCCD331-2、332-2、333-2および334-2のそれぞれの露光時間を制御する。
【0088】
増幅率制御部152は、光量検出部130による検出結果に基づいて、ラインCCD331-2、332-2、333-2および334-2のそれぞれの増幅率を制御する。絞り制御部153は、光量検出部130による検出結果に基づいて、絞り331-1a、332-1a、333-1aおよび334-1aのそれぞれの絞りの直径を制御する。照明制御部154は、光量検出部130による検出結果に基づいて、第1照明ユニット400aaおよび第2照明ユニット400abそれぞれが有する光源431-2、432-2、433-2および434-2の光量を制御する。
【0089】
ラインCCD331-2、332-2、333-2および334-2のそれぞれの露光時間は等しくてもよいし、異なっていてもよい。ラインCCD331-2、332-2、333-2および334-2のそれぞれの増幅率は、等しくてもよいし、異なっていてもよい。絞り331-1a、332-1a、333-1aおよび334-1aのそれぞれの直径は等しくてもよいし、異なっていてもよい。光源431-2、432-2、433-2および434-2のそれぞれの照明光量は、等しくてもよいし、異なっていてもよい。
【0090】
記憶部143は、露出制御部142により算出された露出条件データを記憶する。記憶部143の機能は、図4のRAM113等の記憶装置により実現される。
【0091】
入出力部144は、データや信号を入出力するためのインターフェース部である。入出力部144の機能は、外部I/F115等により実現される。
【0092】
終了判定部145は、撮像システム100aによるトンネル600の壁面の撮像が終了したか否かを判定する。一例として、終了判定部145は、車速計170による計測値に基づく走行距離を、図4のHDD114等の記憶装置に予め記憶されたトンネル600の長さと比較し、走行距離がトンネル600の長さに到達した場合に、撮像の終了を判定する。或いは、終了判定部145は、入出力部144を介して、撮像システム100aの操作者(オペレータ)の終了指示を受け付け、この終了指示に応答して撮像終了を判定してもよい。
【0093】
<撮像システム100aによる照明方法>
図10は、撮像システム100aによる照明方法について説明する図である。
【0094】
図10に示すように、トンネル600の壁面は、第1領域601と、第2領域602と、を含む。またトンネル600内には、非常駐車帯701が設けられている。非常駐車帯とは、緊急車両や故障車、あるいは道路管理車両等が停車するために、道路の路肩に設けられたスペースをいう。第1領域601は、非常駐車帯が設けられているスペース以外におけるトンネル600の壁面である。第2領域602は、非常駐車帯が設けられているスペースにおけるトンネル600の壁面である。第2領域602は、非常駐車帯のスペース分、第1カメラユニット300aaからX方向に沿って第1領域601よりも遠い位置にある。
【0095】
図10において、車両500はY方向に走行中であり、車両500aおよび500bは、異なる時刻における車両500を表している。車両500aは、第1領域601を撮像する際の車両500を示し、車両500bは、第2領域602を撮像する際の車両500を示している。
【0096】
第1照明ユニット400aaおよび第2照明ユニット400abは、それぞれZ方向に沿って延伸する線状の光を照明するライン照明である。第1照明ユニット400aaおよび第2照明ユニット400abのY方向に沿った照明範囲は、Z方向に沿った撮像範囲と比較して狭くなる。
【0097】
第1照明ユニット400aaは、Y方向において第1配光角φy1の第1照明光Pm1をトンネル600の壁面に照明する。第1照明中心軸Cm1は、第1照明光Pm1の中心軸である。第1照明中心軸Cm1は、第1照明光Pm1の光軸ということもできる。第2照明ユニット400abは、Y方向において第2配光角φy2の第2照明光Pm2をトンネル600の壁面に照明する。第2照明中心軸Cm2は、第2照明光Pm2の中心軸である。第2照明中心軸Cm2は、第2照明光Pm2の光軸ということもできる。
【0098】
第1カメラユニット300aaは、Z方向に沿って配列する複数の画素を有するラインカメラである。第1カメラユニット300aaのY方向に沿った撮像範囲は、Z方向に沿った撮像範囲と比較して狭くなる。
【0099】
第1カメラユニット300aaは、Y方向において撮像画角ηyにより撮像光Pnを撮像する。撮像中心軸Cnは、撮像光Pnの中心軸である。撮像中心軸Cnは、撮像光Pnの光軸ということもできる。図10では、撮像画角ηyは第1配光角φy1と略一致しており、撮像光Pnは第1照明光Pm1と略一致しており、撮像中心軸Cnは第1照明中心軸Cm1と略一致している。そのため、図10では、撮像画角ηy、撮像光Pnおよび撮像中心軸Cnを括弧書きし、第1配光角φy1、第1照明光Pm1および第1照明中心軸Cm1に併記している。
【0100】
本実施形態では、第1照明光Pm1の第1照明中心軸Cm1は、撮像光Pnの撮像中心軸Cnに対して略平行であり、第2照明光Pm2の第2照明中心軸Cm2は、撮像中心軸Cnに対して傾いている。
【0101】
また本実施形態では、撮像システム100aが第1領域601を撮像する場合には、第2照明光Pm2は、第1領域601上において第1照明光Pm1と重ならないようになっている。一方、撮像システム100aが第2領域602を撮像する場合には、第2照明光Pm2は、第2領域602上において第1照明光Pm1と重なるようになっている。
【0102】
換言すると、第1照明ユニット400aaは、撮像システム100aが第1領域601および第2領域602のいずれを撮像する場合にも、第1配光角φy1と撮像画角ηyとが重なるように設置される。また第2照明ユニット400abは、撮像システム100aが第1領域601を撮像する場合には、第2配光角φy2と撮像画角ηyとが重ならないように設置され、撮像システム100aが第2領域602を撮像する場合には、第2配光角φy2と撮像画角ηyとが重なるように設置される。
【0103】
以下、第1照明ユニット400aa、第2照明ユニット400abおよび第1カメラユニット300aaの具体的な配置を例示するが、実施形態はこれに限らない。
【0104】
第1照明ユニット400aaおよび第2照明ユニット400abから第1領域601までの距離Lx1は2.5[m]、第1照明ユニット400aaおよび第2照明ユニット400abから第2領域602までの距離Lx2は5.0[m]である。
【0105】
第1領域601における第1カメラユニット300aaのY方向に沿った撮像範囲Ty1は1.0[mm]、第2領域602における第1カメラユニット300aaのY方向に沿った撮像範囲Ty2は2.0[mm]である。
【0106】
第1領域601における第1照明ユニット400aaのY方向に沿った照明範囲Sy1は100.0[mm]、第2領域602における第1照明ユニット400aaのY方向に沿った照明範囲Sy2は120.0[mm]である。なお、撮像範囲Ty1は照明範囲Sy1に含まれ、撮像範囲Ty2は照明範囲Sy2に含まれている。図10では、撮像範囲Ty1およびTy2を括弧書きし、照明範囲Sy1およびSy2に併記している。
【0107】
第1照明ユニット400aaおよび第2照明ユニット400abそれぞれのY方向に沿った幅Wyは300.0[mm]である。第1照明ユニット400aaおよび第2照明ユニット400abの中心間距離Dyは500.0[mm]である。
【0108】
第1照明中心軸Cm1と第2照明中心軸Cm2とのなす角θが5.7[度]になるように、第1照明ユニット400aaおよび第2照明ユニット400abを配置すると、第2領域602上では、第1照明中心軸Cm1は第2照明中心軸Cm2と交差し、第1照明光Pm1は第2照明光Pm2と重なる。
【0109】
一方、第1領域601上では、第1照明中心軸Cm1と第2照明中心軸Cm2との間のY方向に沿った距離は250.0[mm]となり、第1照明中心軸Cm1は第2照明中心軸Cm2と交差せず、第1照明光Pm1は第2照明光Pm2と重ならない。
【0110】
なお、第1照明ユニット400aaと第2照明ユニット400abをY方向に沿ってより離して設置すると、第1照明中心軸Cm1と第2照明中心軸Cm2とのなす角θが大きくなり、第2領域602において、第1照明光Pm1と第2照明光Pm2とが重なる。しかしながら角θが大きくなると、車両500の走行ラインずれや蛇行によって、第1照明ユニット400aaおよび第2照明ユニット400abと、壁面と、の距離が変わった場合に、第1照明中心軸Cm1と第2照明中心軸Cm2とが交差する位置が第2領域602上からずれ、第1照明光Pm1と第2照明光Pm2とが十分に重ならない場合がある。そのため、第1領域601では、第1照明光Pm1と第2照明光Pm2とが重ならず、かつ第1照明ユニット400aaと第2照明ユニット400abを安全に設置できる範囲において、なるべく角θが小さくなるようにすることが望ましい。
【0111】
<撮像システム100aによる撮像方法>
引き続き図10を参照して、撮像システム100aによる撮像方法について説明する。
【0112】
撮像システム100aは、車両500の走行により、Y方向に移動しながらトンネル600の壁面を撮像する。撮像システム100aは、トンネル600の入口付近に到達すると、第1照明ユニット400aaおよび第2照明ユニット400abによる照明を開始するとともに、露出制御部142による自動露出制御を開始する。
【0113】
露出制御部142は、照明制御部154により、第1照明ユニット400aaによる照明光量を制御する。第2照明ユニット400abによる第2照明光Pm2は、予め定められた所定の光量に固定される。第1領域601を適正に撮像するための光量をL1とすると、第2照明ユニット400abによる照明光量L2は、以下の式で定められる。
L2={(Lx2/Lx1)-1}× L1
【0114】
撮像システム100aは、第1領域601の撮像では、適正な露出により撮像できるように、露出制御部142により第1カメラユニット300aaの露光時間、増幅率、絞りおよび第1照明ユニット400aaによる第1照明光Pm1の少なくとも1つを制御する。第1領域601の撮像においては、第2照明ユニット400abによる第2照明光Pm2は撮像画角ηyに対応する撮像範囲を照明されないため、撮像システム100aは、第2照明光Pm2を撮像のために使用しない。
【0115】
車両500がトンネル600内を走行し、非常駐車帯701に差し掛かると、撮像システム100aは第2領域602の撮像を開始する。第2領域602の撮像においては、第2照明ユニット400abによる第2照明光Pm2は撮像画角ηyに対応する撮像範囲を照明するため、撮像画角ηyに対応する撮像範囲において、第1照明光Pm1と第2照明光Pm2とが重なる。撮像システム100aは、第2照明光Pm2を撮像のために使用可能となる。
【0116】
第2領域602は、第1領域601と比較して第1カメラユニット300aaから遠い位置にあるため、同じ露出条件であれば露出が少なくなるが、第1照明光Pm1と第2照明光Pm2とが重なることにより明るくなり、露出の不足が補われる。換言すると、第2照明ユニット400abは、第1カメラユニット300aaと第1領域601との距離と比較して、第1カメラユニット300aaと第2領域602との距離が長いことによる露出不足を補うように、第2領域602に第2照明光Pm2を照明できる。
【0117】
非常駐車帯701の区間が終了し、第2領域602から第1領域601に戻る場合にも、第1照明光Pm1と第2照明光Pm2とが重ならない状態に戻ることにより、露出が適正化される。このようにして、撮像システム100aは、第1領域601から第2領域602へ、あるいは第2領域602から第1領域601へ切り替わる際における急激な露出変化による露出制御の追従遅れを防ぎ、1回の移動撮像において露出量を制御して白飛びや黒潰れを防止できる。
【0118】
本実施形態では、第1照明ユニット400aaによる第1照明光Pm1のみを露出制御する構成を例示するが、第2照明ユニット400abによる第2照明光Pm2も併せて露出制御を行うこともできる。
【0119】
<撮像システム100aによる撮像動作例>
図11は、撮像システム100aによる撮像動作の一例を示すフローチャートである。
【0120】
まず、ステップS111において、車両500は走行を開始する。
【0121】
続いて、ステップS112において、露出条件決定部141は、露出条件を自動露出条件に決定し、第1カメラユニット300aaは、自動露出条件下においてトンネル600の壁面を撮像する。
【0122】
続いて、ステップS113において、距離検出部120は、車両500の走行方向と交差する方向における第1カメラユニット300aaとトンネル600の壁面との間の距離を検出し、検出結果を露出条件決定部141に出力する。
【0123】
なお、ステップS112とステップS113の順番は適宜変更可能であり、両者が並行して行われてもよい。
【0124】
続いて、ステップS114において、露出条件決定部141は、検出された距離が所定の第1閾値以下であるか否かを判定する。
【0125】
ステップS114において、検出された距離が所定の第1閾値以下であると判定された場合(ステップS114、Yes)には、露出条件決定部141は、露出条件を自動露出条件に決定し、決定結果を露出制御部142に出力する。
【0126】
そして、ステップS115において、第1カメラユニット300aaは、自動露出条件下においてトンネル600の壁面を撮像する。
【0127】
一方、ステップS114において、検出された距離が所定の第1閾値以下でないと判定された場合(ステップS114、No)には、露出条件決定部141は、露出条件を固定露出条件に決定し、決定結果を露出制御部142に出力する。
【0128】
そして、ステップS116において、第1カメラユニット300aaは、固定露出条件下においてトンネル600の壁面を撮像する。
【0129】
続いて、ステップS117において、露出制御部142は、自動露出条件を算出する。
【0130】
続いて、ステップS118において、露出制御部142は、算出した露出条件データを記憶部143に記憶する。
【0131】
続いて、ステップS119において、終了判定部145は、撮像システム100によるトンネル600の壁面の撮像が終了したか否かを判定する。
【0132】
ステップS119において、撮像が終了したと判定された場合(ステップS119、Yes)には、撮像システム100aは撮像を終了する。一方、ステップS119で撮像が終了していないと判定された場合(ステップS119、No)には、撮像システム100aは、ステップS113に戻り、ステップS113以降の動作を再度行う。
【0133】
このようにして、撮像システム100aは、トンネル600の壁面を撮像できる。
【0134】
<露出制御部142による処理例>
図12は、露出制御部142による処理の一例を示すフローチャ-トである。
【0135】
まず、ステップS121において、光量検出部130は、撮像光量データIを検出し、検出した撮像光量データIを露出制御部142に出力する。
【0136】
続いて、ステップS122において、露出制御部142は、撮像光量データIが、予め定められた目標値Igより大きいか否かを判定する。
【0137】
ステップS122において、撮像光量データIが目標値Igより大きいと判定された場合(ステップS122、Yes)には、ステップS123において、絞り制御部153は、撮像光量データIが目標値Igになるまで、絞り331-1a、332-1a、333-1aおよび334-1aの直径を縮小可能であるか否かを判定する。
【0138】
ステップS123において、縮小可能である判定された場合(ステップS123、Yes)には、絞り制御部153は、ステップS124において、撮像光量データIが目標値Igになるまで各絞りの直径を縮小する。その後、露出制御部142は、処理を終了する。
【0139】
一方、ステップS123において、縮小可能でないと判定された場合(ステップS123、No)には、ステップS125において、露光時間制御部151は、撮像光量データIが目標値Igになるまで、ラインCCD331-2、332-2、333-2および334-2の露光時間を短縮可能であるか否かを判定する。
【0140】
ステップS125において、短縮可能である判定された場合(ステップS125、Yes)には、ステップS126において、露光時間制御部151は、撮像光量データIが目標値Igになるまで各ラインCCDの露光時間を短縮し、その後、露出制御部142は処理を終了する。
【0141】
一方、ステップS125において、短縮可能でないと判定された場合(ステップS125、No)には、ステップS127において、増幅率制御部152は、撮像光量データIが目標値Igになるまで、各ラインCCDの増幅率を低下可能であるか否かを判定する。
【0142】
ステップS127において、低下可能であると判定された場合(ステップS127、Yes)には、ステップS128において、増幅率制御部152は、撮像光量データIが目標値Igになるまで各ラインCCDの増幅率を低下させ、その後、露出制御部142は処理を終了する。
【0143】
一方、ステップS127において、低下可能でないと判定された場合(ステップS127、No)には、ステップS129において、照明制御部154は、撮像光量データIが目標値Igになるまで、光源431-2、432-2、433-2、434-2、435-2および436-2の照明光量を低下可能であるか否かを判定する。
【0144】
ステップS129において、低下可能であると判定された場合(ステップS129、Yes)には、ステップS130において、照明制御部154は、撮像光量データIが目標値Igになるまで各光源の照明光量を低下させ、その後、露出制御部142は処理を終了する。
【0145】
一方、ステップS129において、低下可能でないと判定された場合(ステップS129、No)には、ステップS131において、露出制御部142は、ブザー116にビープ音を発生させて、調査範囲外の警告を報知し、その後、ステップS121に戻って処理を継続する。なお、ビープ音の発生に代えて、外部I/F115を介してユーザインターフェース画面に警告メッセージを表示する等して、ユーザに報知してもよい。
【0146】
一方、ステップS122において、撮像光量データIが予め決定された目標値Igより大きくないと判定された場合(ステップS122、No)には、ステップS132において、照明制御部154は、撮像光量データIが目標値Igになるまで、各光源の照明光量を上昇可能であるか否かを判定する。
【0147】
ステップS132において、上昇可能であると判定された場合(ステップS132、Yes)には、ステップS133において、照明制御部154は、撮像光量データIが目標値Igになるまで各光源の照明光量を上昇させ、その後、露出制御部142は処理を終了する。
【0148】
一方、ステップS132において、上昇可能でないと判定された場合(ステップS132、No)には、ステップS134において、増幅率制御部152は、撮像光量データIが目標値Igになるまで、各ラインCCDの増幅率を上昇可能であるか否かを判定する。
【0149】
ステップS134において、上昇可能であると判定された場合(ステップS134、Yes)には、ステップS135において、増幅率制御部152は、撮像光量データIが目標値Igになるまで、各ラインCCDの増幅率を上昇させ、その後、処理を終了する。
【0150】
一方、ステップS134において、上昇可能でないと判定された場合(ステップS134、No)には、ステップS136において、露光時間制御部151は、撮像光量データIが目標値Igになるまで、各ラインCCDの露光時間を延長可能であるか否かを判定する。
【0151】
ステップS136において、延長可能であると判定された場合(ステップS136、Yes)には、ステップS137において、露光時間制御部151は、撮像光量データIが目標値Igになるまで、各ラインCCDの露光時間を延長し、その後、露出制御部142は処理を終了する。
【0152】
一方、ステップS136において、延長可能でないと判定された場合(ステップS136、No)には、ステップS138において、絞り制御部153は、撮像光量データIが目標値Igになるまで、各絞りの直径を拡大可能であるか否かを判定する。
【0153】
ステップS138において、拡大可能であると判定された場合(ステップS138、Yes)には、ステップS139において、絞り制御部153は、撮像光量データIが目標値Igになるまで、各絞りの直径を拡大し、その後、処理を終了する。
【0154】
一方、ステップS138において、拡大可能でないと判定された場合(ステップS138、No)には、ステップS131において、露出制御部142は、ブザー116にビープ音を発生させて、調査範囲外の警告を報知し、その後、ステップS121に戻って処理を継続する。なお、上述したものと同様に、ビープ音の発生に代えて、外部I/F115を介してユーザインターフェース画面に警告メッセージを表示する等して報知してもよい。
【0155】
このようにして、露出制御部142は、撮像光量データIに基づいて露出制御処理を実行することができる。なお、図18では、ステップS123からS130において、絞り径縮小(ステップS123からS124)、露光時間短縮(ステップS125からS126)、増幅率低下(ステップS127からS128)、照明光量低下(ステップS129からS130)の順に制御する例を示したが、この順番は適宜変更可能である。同様に、ステップS132からS139において、照明光量上昇(ステップS132からS133)、増幅率上昇(ステップS134からS135)、露光時間延長(ステップS136からS137)、絞り径拡大(ステップS138からS139)の順に制御する例を示したが、この順番も適宜変更可能である。
【0156】
<撮像システム100aの作用効果>
以上説明したように、撮像システム100aは、車両500(移動体)に設置された状態においてトンネル600の壁面(対象物)を移動撮像する第1カメラユニット300aaと、車両500に設置された状態においてトンネル600に壁面を照明する第1照明ユニット400aaおよび第2照明ユニット400abと、を有する。トンネル600の壁面は、第1領域601と、第1領域601よりも第1カメラユニット300aaから遠い位置にある第2領域602と、を含み、第2照明ユニット400abによる第2照明光Pm2は、第1領域601を撮像する場合には、第1領域601上において第1照明ユニット400aaによる第1照明光Pm1と重ならず、第2領域602を撮像する場合には、第2領域602上において第1照明光Pm1と重なる。
【0157】
第2領域602は、第1領域601と比較して第1カメラユニット300aaから遠い位置にあるため、同じ露出条件であれば第1領域601と比較して撮像の際に露出が少なくなるが、第1照明光Pm1と第2照明光Pm2とが重なることにより明るくなり、露出の不足が補われる。また第2領域602から第1領域601に撮像対象が切り替わる際には、第1照明光Pm1と第2照明光Pm2とが重ならずに露出が抑えられる。これにより、第1領域601および第2領域602それぞれの撮像において適正な露出量を予め求めるための移動撮像を行わなくても、急激な露出変化による露出制御の追従遅れを防ぐことができ、1回の移動撮像において露出量を制御できる。そして、白飛びや黒潰れを防止し、適正な露出量によりトンネル600の壁面を撮像できる。
【0158】
また撮像システム100aでは、第1照明ユニット400aaは、第1領域601および第2領域602のいずれを撮像する場合にも、第1照明ユニット400aaによる第1配光角φy1と第1カメラユニット300aaの撮像画角ηyとが重なるように設置される。第2照明ユニット400abは、第1領域601を撮像する場合には、第2照明ユニット400abによる第2配光角φy2と撮像画角ηyとが重ならないように設置され、第1カメラユニット300aaが第2領域602を撮像する場合には第2配光角φy2と撮像画角ηyとが重なるように設置される。これにより、第1領域601および第2領域602それぞれの撮像において適正な露出量を予め求めるための移動撮像を行わなくても、急激な露出変化による露出制御の追従遅れを防ぐことができ、1回の移動撮像において露出量を制御できる。
【0159】
また撮像システム100aでは、第2照明ユニット400abは、第1カメラユニット300aaと第1領域601との距離と比較して、第1カメラユニット300aaと第2領域602との距離が長いことによる露出不足を補うように、第2領域602に第2照明光Pm2を照明する。これにより、第1領域601および第2領域602それぞれの撮像において適正な露出量を予め求めるための移動撮像を行わなくても、急激な露出変化による露出制御の追従遅れを防ぐことができ、1回の移動撮像において露出量を制御できる。
【0160】
また撮像システム100aでは、第1照明光Pm1の第1照明中心軸Cm1は、撮像光Pnの撮像中心軸Cnに対して平行であり、第2照明光Pm2の第2照明中心軸Cm2は、撮像中心軸Cnに対して傾いている。これにより、第2照明光Pm2は、第1領域601を撮像する場合には、第1領域601上において第1照明光Pm1と重ならず、第2領域602を撮像する場合には、第2領域602上において第1照明光Pm1と重なるようにすることができる。
【0161】
[第2実施形態]
第2実施形態に係る撮像システム100bは、第1照明ユニット400aa以外に、第2照明ユニット400abを含む複数の照明部を含み、複数の照明部は、車両500に設置された状態においてトンネル600の壁面を照明する。複数の照明部それぞれによる照明光は、第1領域601を撮像する場合には、第1領域601上において第1照明光Pm1と重ならず、第2領域602を撮像する場合には、第2領域602上において第1照明光Pm1と重なる。
【0162】
図13は、撮像システム100bによる撮像方法を説明する図である。図13は、図10を簡略化して示した図であり、図の見方は図10と同様である。撮像システム100bは、第1照明ユニット400aa以外に、第2照明ユニット400abと、第3照明ユニットと、を含む。第2照明中心軸Cm2は、第2照明ユニット400abによる第2照明光Pm2の中心軸を示している。第3照明中心軸Cm3は、第3照明ユニットによる照明光の中心軸を示している。
【0163】
図13に示すように、第2照明光Pm2と第3照明ユニットによる照明光は、第1領域601を撮像する場合には、第1領域601上において第1照明光Pm1と重ならず、第2領域602を撮像する場合には、第2領域602上において第1照明光Pm1と重なる。この構成により、第2領域602の撮像における露出量をより多くすることができる。
【0164】
上記以外の効果は、第1実施形態と同様である。なお、本実施形態では、撮像システム100bが3つの照明部を有する構成を例示したが、これに限定されるものではなく、撮像システム100bは4つ以上の照明部を有することもできる。
【0165】
以上、本発明の実施形態の例について記述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0166】
具体的には、カメラを搭載する車両としては2輪車、一般車等の4輪車、建設・農業・産業車両、鉄道車両、特殊車両であってもよく、また、ドローン等の飛行体であってもよい。これらまとめて移動体と称する。
【0167】
また実施形態では、対象物の一例としてトンネルを説明したが、これに限るものではなく、対象物には、気体、液体、粉体、粒体物質の輸送に用いる配管も含まれる。また、対象物には、昇降機(エレベータ)が走行する縦穴状の鉄筋コンクリート構造等の昇降路(エレベータシャフト)も含まれる。
【0168】
撮像システム100、100aおよび100bにおいて、センサ制御ボード110は必ずしも車両500に搭載されなくてもよく、センサ制御ボード110とカメラユニット300および照明ユニット400等とが遠隔通信可能に構成されてもよい。
【0169】
また実施形態は、撮像方法も含む。例えば、撮像方法は、前記移動体に設置された撮像部により、対象物を移動撮像し、前記移動体に設置された第1および第2照明部により、前記対象物を照明し、前記対象物は、第1領域と、前記第1領域よりも前記撮像部から離れている第2領域と、を含み、前記第2照明部による第2照明光は、前記第1領域を撮像する場合には、前記第1領域上において前記第1照明部による第1照明光と重ならず、前記第2領域を撮像する場合には、前記第2領域上において前記第1照明光と重なる。このような撮像方法により、上述の撮像システムと同様の効果を得ることができる。このような撮像方法は、CPU、LSI等の回路、ICカードまたは単体のモジュール等によって、実現されてもよい。
【符号の説明】
【0170】
100 撮像システム
110 センサ制御ボード
111 CPU
112 ROM
113 RAM
114 HDD
115 外部I/F
116 ブザー
117 システムバス
120 距離検出部
121 第1距離検出部
122 第2距離検出部
130 光量検出部
180 TOFセンサ(距離検出部の一例)
140 制御部
141 露出条件決定部
142 露出制御部
151 露光時間制御部
152 増幅率制御部
153 絞り制御部
154 照明制御部
143 記憶部
144 入出力部
145 終了判定部
160 IMU
170 車速計
200 スライドユニット
201 スライド方向
210、220 レール
230 ベース
300 カメラユニット
300aa 第1カメラユニット(撮像部の一例)
331、332、333、334 カメラ
331-1、334-1 レンズ
331-1a 絞り
331-2、334-2 ラインCCD
400 照明ユニット
400aa 第1照明ユニット(第1照明部の一例)
400ab 第2照明ユニット(第2照明部の一例)
431、432、433、434、435、436 照明光源部
431-1 レンズ
431-1a 絞り
431-2 光源
500 車両
600 トンネル
601 第1領域
602 第2領域
700 道路
701 非常駐車帯
I 撮像光量データ
Ig 目標値
φy1 第1配光角
φy2 第2配光角
ηy 撮像画角
Pm1 第1照明光
Pm2 第2照明光
Pn 撮像光
Cm1 第1照明中心軸
Cm2 第2照明中心軸
Cm3 第3照明中心軸
Cn 撮像中心軸
【先行技術文献】
【特許文献】
【0171】
【特許文献1】特開2010-239479号公報
【特許文献2】特開2020-198608号公報
図1
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図5
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図10
図11
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