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特開2023-41376画像形成装置、再印刷方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023041376
(43)【公開日】2023-03-24
(54)【発明の名称】画像形成装置、再印刷方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/393 20060101AFI20230316BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20230316BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20230316BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20230316BHJP
【FI】
B41J29/393 105
G03G21/00 370
B41J29/38 206
H04N1/00 567L
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021148723
(22)【出願日】2021-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】井上 崇博
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AS02
2C061HJ04
2C061HK11
2C061HN15
2C061HN18
2C061KK22
2C061KK24
2C061KK28
2C061KK31
2H270LD03
2H270LD09
2H270MB01
2H270MB25
2H270MB27
2H270MH09
2H270NB17
2H270NC06
2H270ND05
2H270ND06
2H270ND10
2H270ND25
2H270NE14
2H270NE15
2H270PA83
2H270ZC03
2H270ZC04
5C062AA05
5C062AB08
5C062AB22
5C062AB32
5C062AB35
5C062AB40
5C062AC04
5C062AC15
5C062AC22
5C062AC55
(57)【要約】
【課題】不良ページを含む印刷ジョブの再印刷における作業効率を向上させる。
【解決手段】ジョブごとに不良ページを識別するための識別子とジョブを識別するための識別子とを関連付けて記憶するデータ記憶部と、取得された印刷ジョブデータが、再印刷するジョブのデータであるか否かを判定する再印刷判定部と、再印刷するジョブのデータであると判定された場合に、前記不良ページを識別するための前記識別子に基づいて、搬送される搬送媒体に含まれるページが不良ページであるか否かを判定し、不良と判定されていないページを含む第一の搬送媒体を第一の排出先に排出し、不良ページを含む第二の搬送媒体を第二の排出先に排出し、前記不良ページの画像を第三の搬送媒体に印刷し、印刷された前記第三の搬送媒体を前記第一の排出先に排出するように制御するジョブ処理部と、を備える画像形成装置である。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジョブごとに不良ページを識別するための識別子とジョブを識別するための識別子とを関連付けて記憶するデータ記憶部と、
取得された印刷ジョブデータが、再印刷するジョブのデータであるか否かを判定する再印刷判定部と、
再印刷するジョブのデータであると判定された場合に、前記不良ページを識別するための前記識別子に基づいて、搬送される搬送媒体に含まれるページが不良ページであるか否かを判定し、不良と判定されていないページを含む第一の搬送媒体を第一の排出先に排出し、不良ページを含む第二の搬送媒体を第二の排出先に排出し、前記不良ページの画像を第三の搬送媒体に印刷し、印刷された前記第三の搬送媒体を前記第一の排出先に排出するように制御するジョブ処理部と、を備える、
画像形成装置。
【請求項2】
前記ジョブ処理部は、最後のページから逆順に印刷するように制御する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ジョブ処理部は、前記第一の搬送媒体を前記第一の排出先に排出する際は、転写ローラおよび定着ローラの少なくともいずれかを離間させて搬送するように制御する、
請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
印刷ジョブに含まれる印刷されたページに不良があるか否かを判定して、不良があると判定されたページを識別するための識別子と、前記印刷ジョブを識別するための識別子とを関連付けて前記データ記憶部に記憶させる画像検査部をさらに備える、
請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ジョブ処理部は、前記画像検査部が不良と判定したページを含む印刷ジョブの印刷において、印刷済みの前記第一の搬送媒体および前記第二の搬送媒体を再印刷のためにセットするための情報を印刷するように制御する、
請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ジョブ処理部は、処理中の再印刷するジョブに不良ページがもうないと判定すると、再印刷処理を終了する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ジョブ処理部は、片面印刷の印刷ジョブにおける再印刷において、印刷面を反転させるように制御する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
ジョブごとに不良ページを識別するための識別子とジョブを識別するための識別子とを関連付けて記憶するコンピュータが実行する方法であって、
取得された印刷ジョブデータが、再印刷するジョブのデータであるか否かを判定するステップと、
再印刷するジョブのデータであると判定された場合に、前記不良ページを識別するための前記識別子に基づいて、搬送される搬送媒体に含まれるページが不良ページであるか否かを判定し、不良と判定されていないページを含む第一の搬送媒体を第一の排出先に排出し、不良ページを含む第二の搬送媒体を第二の排出先に排出し、前記不良ページの画像を第三の搬送媒体に印刷し、印刷された前記第三の搬送媒体を前記第一の排出先に排出するように制御するステップと、を備える、
再印刷方法。
【請求項9】
ジョブごとに不良ページを識別するための識別子とジョブを識別するための識別子とを関連付けて記憶するコンピュータに、
取得された印刷ジョブデータが、再印刷するジョブのデータであるか否かを判定するステップと、
再印刷するジョブのデータであると判定された場合に、前記不良ページを識別するための前記識別子に基づいて、搬送される搬送媒体に含まれるページが不良ページであるか否かを判定し、不良と判定されていないページを含む第一の搬送媒体を第一の排出先に排出し、不良ページを含む第二の搬送媒体を第二の排出先に排出し、前記不良ページの画像を第三の搬送媒体に印刷し、印刷された前記第三の搬送媒体を前記第一の排出先に排出するように制御するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、再印刷方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置によって印刷された画像を読み取った結果から、印刷された画像の欠陥を検知する技術が開示されている。また、欠陥が検知された画像を再印刷する技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、正常でないと判断されたシートを排紙し、再印刷するシートをユーザに認識させる目的で、検査手段によって印刷状態が正常でないと判断されたシートの代わりに挿入紙を排紙する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、印刷の実行中に発生した不良ページを再印刷する場合、不良ページを抜き出して再印刷後に挿入する作業が必要となるため、作業効率が落ちるという問題がある。
【0005】
開示の技術は、不良ページを含む印刷ジョブの再印刷における作業効率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の技術は、ジョブごとに不良ページを識別するための識別子とジョブを識別するための識別子とを関連付けて記憶するデータ記憶部と、取得された印刷ジョブデータが、再印刷するジョブのデータであるか否かを判定する再印刷判定部と、再印刷するジョブのデータであると判定された場合に、前記不良ページを識別するための前記識別子に基づいて、搬送される搬送媒体に含まれるページが不良ページであるか否かを判定し、不良と判定されていないページを含む第一の搬送媒体を第一の排出先に排出し、不良ページを含む第二の搬送媒体を第二の排出先に排出し、前記不良ページの画像を第三の搬送媒体に印刷し、印刷された前記第三の搬送媒体を前記第一の排出先に排出するように制御するジョブ処理部と、を備える画像形成装置である。
【発明の効果】
【0007】
不良ページを含む印刷ジョブの再印刷における作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】画像形成システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2】画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】画像形成装置の内部構造を説明するための図である。
図4】画像形成装置の機能構成の一例を示す図である。
図5】印刷処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6】再印刷処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第一の実施形態)
以下に、図面を参照して本発明に係る画像形成システムの実施の形態について説明する。
【0010】
図1は、画像形成システムのシステム構成の一例を示す図である。
【0011】
画像形成システム1は、画像形成装置10と、ユーザ端末30と、管理サーバ40と、DFE50と、を備える。
【0012】
画像形成装置10は、画像を形成する装置であって、例えば、カラープロダクションプリンタ、レーザープリンタ、インクジェットプリンタ等である。画像形成装置10は、DFE50から画像データを受信して、受信した画像データに基づいて、用紙に画像を印刷する。なお、用紙は、画像を形成する対象となる搬送媒体の一例である。
【0013】
ユーザ端末30は、ユーザの操作を受けて、画像の印刷を指示する端末である。具体的には、ユーザ端末30は、画像データを含むジョブデータをDFE50または管理サーバ40に送信する。また、ユーザ端末30は、ユーザの操作を受けて、色安定処理における閾値を示す情報をDFE50に送信する。さらに、ユーザ端末30は、DFE50による表示制御を受けて、色安定処理の実行状況を示す画面を表示する。
【0014】
管理サーバ40は、ユーザ端末30からジョブデータを受信すると、印刷待ちのジョブデータを格納する記憶部に、待ち行列として追加する。そして、管理サーバ40は、待ち行列に追加された順に、または適宜設定された優先度にしたがって、待ち行列からジョブデータを抽出して、DFE50に送信する。
【0015】
DFE50は、画像形成装置10を制御する装置であって、例えば、DFE(Digital Front End)である。DFE50は、画像形成装置10、ユーザ端末30および管理サーバ40と、通信可能に接続されている。
【0016】
DFE50は、通信ネットワーク60を介してユーザ端末30または管理サーバ40から画像の印刷を指示する信号とともにジョブデータを受信すると、内蔵するRIP(Raster Image Processor)エンジンによって、画像形成装置10による処理が可能な形式の画像データに変換し、変換した画像データを含むジョブデータを画像形成装置10に送信する。
【0017】
図2は、画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0018】
画像形成装置10は、コンピュータによって構築されており、それぞれバスで相互に接続されているCPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、HDD(Hard Disk Drive)/SSD(Solid State Drive)104、I/F(Interface)105、画像形成部106および読取部107を含む装置である。
【0019】
CPU101は、ROM102またはHDD/SSD104に格納されたプログラムを読み出して、RAM103に格納する。そして、CPU101は、RAM103に格納されたプログラムに従って、後述する各種の処理を実行する。
【0020】
ROM102は、不揮発性の補助記憶装置である。ROM102には、BIOS等の画像形成装置10の基本的な動作を規定したプログラムが格納される。
【0021】
RAM103は、揮発性の主記憶装置である。RAM103は、CPU101の作業領域として使用される。
【0022】
HDD/SSD104は、大容量の不揮発性の補助記憶装置である。HDD/SSD104には、受信した画像データや、後述する各種処理のプログラム、設定情報等が格納される。
【0023】
I/F105は、LAN(Local Area Network)カード等を含み、画像形成装置10が、ユーザ端末30、管理サーバ40またはDFE50と通信する際の中継器である。
【0024】
画像形成部106は、CPU101から指示を受け、用紙に画像を形成する。
【0025】
読取部107は、画像形成部106によって用紙に形成された画像を読み取り、読取画像データをRAM103等に格納する。
【0026】
図3は、画像形成装置の内部構造を説明するための図である。
【0027】
画像形成装置10は、無端状の移動手段である中間転写ベルト402に沿ってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、それぞれY、M、C、Kと記す。)の各色の感光体ドラム403Y、403M、403C、403Kが並べられた構成を備える。各色の感光体ドラムの表面においてトナーにより現像された各色の画像は、中間転写ベルト402によって重ね合わせられフルカラー画像が形成される。
【0028】
形成されたフルカラー画像は、第一の給紙トレイ400または第二の給紙トレイ409より給紙され、搬送ローラ401により搬送される用紙に転写ローラ404によって紙面上に転写される。その後、用紙はさらに搬送され、定着ローラ405によってトナーが定着され、排紙トレイ410に排出される。
【0029】
第一の給紙トレイ400は、印刷ジョブに指定された給紙トレイであって、再印刷以外の印刷時に使用される。第二の給紙トレイ409は、再印刷用の給紙トレイであって、再印刷時に使用される。
【0030】
また、両面印刷を行う場合は、表面に画像形成を行った後、用紙は搬送経路中の反転パス407に搬送され、表裏が反転されたのち、再度転写ローラ404の位置まで搬送される。
【0031】
また、画像形成装置10は、インラインセンサ406a、406bを備える。インラインセンサ406a、406bは、定着ローラ405により用紙定着後の両面の用紙上に定着された画像を読み取り、読み取られた画像を示す読取画像データを生成する。なお、インラインセンサは2つでなくても良く、搬送する用紙の片面または両面を読み取ることができれば、1つでも良く、また3つ以上でも良い。
【0032】
廃棄トレイ411は、画像検査によって画像の不良を検知された場合の再印刷時に、画像の不良を検知された元の用紙を排出するためのエリアである。画像形成装置10は、再印刷時に、画像の不良が検知された用紙を廃棄トレイ411に排出し、画像の不良が検知されていない用紙を排紙トレイ410に排出する。すなわち、排紙トレイ410は、再印刷において画像の不良が検知されていない用紙を排出するための第一の排出先であり、廃棄トレイ411は、再印刷において画像の不良が検知された用紙を排出するための第二の排出先である。
【0033】
図4は、画像形成装置の機能構成の一例を示す図である。
【0034】
画像形成装置10は、マスタ画像生成部201と、読取画像取得部202と、画像検査部203と、データ記憶部204と、ジョブデータ取得部205と、再印刷判定部206と、印刷指示部207と、再印刷指示部208と、ジョブ処理部209と、を備える。
【0035】
マスタ画像生成部201は、画像形成部106の印刷対象の画像を示すRIP画像データに基づいて、マスタ画像データを生成する。具体的には、マスタ画像生成部201は、CMYK形式のRIP画像データをRGB形式のマスタ画像データに変換する。
【0036】
なお、マスタ画像データは、読取画像データとの比較の基準となるデータであって、正しく印刷された場合の正解データとして機能する。マスタ画像生成部201は、基準となる画像を印刷した用紙をスキャナ、インラインセンサまたは外部装置のスキャナ等で読み取ることによって、マスタ画像データを作成してもよい。また、画像形成部106は、マスタ画像データに基づいて画像を印刷してもよい。
【0037】
読取画像取得部202は、読取部107によって読み取られた読取画像データを取得する。
【0038】
画像検査部203は、マスタ画像と読取画像データとを比較して、印刷物の不良の有無を判定する。具体的には、画像検査部203は、印刷物の不良の有無をページごとに判定して、不良ページを識別するための識別子として機能するページNoを、ジョブを識別する識別子として機能するジョブIDに関連付けてデータ記憶部204に記憶させる。
【0039】
データ記憶部204は、画像検査部203によって判断された印刷物の不良の有無を示す情報を記憶する。具体的には、データ記憶部204は、不良ページを示すページNoとジョブIDとを関連付けて記憶する。1つジョブIDに関連付けられるページNoは、1つでも複数でもよい。
【0040】
再印刷判定部206は、印刷ジョブデータが再印刷するジョブのデータであるか否かを判定する。具体的には、再印刷判定部206は、ジョブデータ取得部205によって取得された印刷ジョブデータのジョブIDがデータ記憶部204に格納されているか否かを判定する。
【0041】
再印刷判定部206は、当該ジョブIDがデータ記憶部204に格納されていると判定すると、当該ジョブIDに関連付けられたページNoを、印刷ジョブデータとともに再印刷指示部208に引き渡す。また、再印刷判定部206は、当該ジョブIDがデータ記憶部204に格納されていないと判定すると、印刷ジョブデータを印刷指示部207に引き渡す。
【0042】
なお、印刷ジョブデータが同一であっても、ジョブIDで判定できない場合には、再印刷判定部206は、ジョブID以外の情報に基づいて判定してもよい。例えば、再印刷判定部206は、印刷ジョブデータに含まれる画像データをデータ記憶部204に記憶させておき、新たに取得した印刷ジョブデータに含まれる画像データを比較することによって再印刷の対象となる印刷ジョブであるか否かを判定してもよい。
【0043】
印刷指示部207は、引き渡された印刷ジョブデータをジョブ処理部209に引き渡して、再印刷ではない通常の印刷を指示する。
【0044】
再印刷指示部208は、引き渡されたページNoに基づいて再印刷用のジョブデータ(再印刷ジョブデータ)を生成してジョブ処理部209に引き渡して、再印刷を指示する。再印刷ジョブデータは、不良ページのページNoを示す情報を含む。なお、不良ページは、1つであっても複数であってもよい。
【0045】
ジョブ処理部209は、引き渡された印刷ジョブデータまたは再印刷ジョブデータを処理する。すなわち、ジョブ処理部209は、印刷ジョブデータを引き渡されると、印刷処理を実行し、再印刷ジョブデータを引き渡されると、再印刷処理を実行する。
【0046】
図5は、印刷処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0047】
ジョブ処理部209が画像の印刷を開始すると、画像検査部203は、検査中のページNoをカウントする(ステップS11)。画像検査部203は、マスタ画像データと読取画像データとを比較して、印刷物に不良があるか否かを判定する(ステップS12)。
【0048】
画像検査部203が、印刷物に不良があると判定すると(ステップS12:YES)、データ記憶部204は、ジョブIDとカウントされているページNoとを関連付けて記憶する(ステップS13)。
【0049】
また、画像検査部203は、印刷物に不良がないと判定すると(ステップS12:NO)、最終ページか否かを判定する(ステップS14)。画像検査部203は、最終ページではないと判定すると(ステップS14:NO)、ステップS11の処理に戻り、次のページの処理に進む。
【0050】
画像検査部203は、最終ページであると判定すると(ステップS14:YES)、検査した印刷ジョブに不良ページがあるか否かを判定する(ステップS15)。画像検査部203が、不良ページがあると判定すると(ステップS15:YES)、ジョブ処理部209は、ジョブチケットを印刷する(ステップS16)。
【0051】
ジョブチケットは、再印刷時にユーザが印刷済みの用紙をセットするための給紙トレイ(第二の給紙トレイ409)を示す情報または印刷済みの用紙をセットする向きを示す情報などの再印刷時に必要な情報が印刷された用紙である。
【0052】
ジョブ処理部209は、不良ページありと判断されたジョブの設定(用紙サイズ・印刷の向き(縦・横)・印刷ページ数・給紙トレイの設定)に基づいて、再印刷のジョブに適した設定(用紙サイズ・用紙の向き・収容枚数)等を示す給紙トレイを選択して、選択された給紙トレイを示す情報をジョブチケットに印刷してもよい。
【0053】
ジョブ処理部209は、不良ページがないと判定すると(ステップS15:NO)、ステップS16の処理をスキップして、印刷処理を終了する。
【0054】
ユーザは、印刷されたジョブチケットを参照して、再印刷のための準備を行うことができる。具体的には、ユーザは、ジョブチケットが印刷されていない印刷ジョブの場合には、印刷作業を終了することができる。
【0055】
また、ユーザは、ジョブチケットが印刷された印刷ジョブの場合には、ジョブチケットに印刷された情報に基づいて排紙トレイ410に排紙された印刷物の束を第二の給紙トレイ409にセットすることができる。
【0056】
ユーザが、ユーザ端末30を操作して印刷を指示すると、再印刷判定部206は、ジョブデータ取得部205によって取得された印刷ジョブデータに基づいて、再印刷のジョブであると判定する。そして、ジョブ処理部209は、再印刷指示部208から引き渡された再印刷ジョブデータに基づいて、再印刷処理を実行する。
【0057】
図6は、再印刷処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0058】
ジョブ処理部209は、再印刷ジョブデータにおける処理中のページNoをカウントする(ステップS21)。次に、ジョブ処理部209は、処理中のページが不良ページであるか否かを判定する(ステップS22)。
【0059】
ジョブ処理部209は、処理中のページが不良ページでないと判定すると(ステップS22:NO)、第二の給紙トレイ409から給紙された該当ページを含む用紙(第一の搬送媒体)を排紙トレイ410へ排出する(ステップS23)。この時、ジョブ処理部209は、印刷を実行しないため、転写ローラ404および定着ローラ405の少なくともいずれかを離間させて用紙を搬送するように制御してもよい。
【0060】
ジョブ処理部209が、処理中のページが不良ページであると判定すると(ステップS22:YES)、画像形成部106が第二の給紙トレイ409から給紙された該当ページ(不良ページ)を含む用紙(第二の搬送媒体)を廃棄トレイへ排出するように制御する(ステップS24)。そして、ジョブ処理部209は、画像形成部106が第一の給紙トレイ400から給紙された用紙(第三の搬送媒体)に不良ページの画像を印刷して、排紙トレイ410へ排出するように制御する(ステップS25)。
【0061】
ジョブ処理部209は、処理中の再印刷ジョブに不良ページがまだあるか否かを判定する(ステップS26)。処理中の再印刷ジョブに不良ページがまだあると判定すると(ステップS26:YES)、ステップS21に戻り、次のページの処理を実行する。
【0062】
ジョブ処理部209は、処理中の再印刷ジョブに不良ページがもうないと判定すると(ステップS26:NO)、再印刷処理を終了する。これによって、画像形成装置10は最後の不良ページの再印刷の終了とともに再印刷処理を終了するため、再印刷処理にかかる時間が短くなる。例えば、画像形成装置10は、100ページ分の再印刷ジョブデータのうち、1ページ目のみが不良ページであった場合、残りの99ページ分の用紙の給紙動作と排紙動作をスキップして再印刷処理を終了させることができる。
【0063】
なお、ステップS26の判定において、画像形成装置10は、再印刷ジョブデータに含まれるすべてのページの処理が終了するまで、ステップS21からステップS25までの処理を繰り返すようにしてもよい。これによって、画像形成装置10は、不良と判定されなかったページと再印刷したページを含むすべてのページの用紙を排紙トレイ410にまとめて出力するため、ユーザの作業負担をより軽減させることができる。
【0064】
本実施形態に係る画像形成装置10によれば、再印刷時に、画像の不良が検知された用紙を廃棄トレイ411に排出し、画像の不良が検知されていない用紙を排紙トレイ410に排出する。これによって、不良ページを抜き出して再印刷後に挿入するといった作業が不要となるため、不良ページの再印刷における作業効率を向上させることができる。
【0065】
画像形成装置10は、両面印刷においては、排出先の選択は用紙ごとに実行する。したがって、用紙の表面か裏面のいずれかが不良ページの場合には、当該用紙の表面と裏面のいずれも再印刷を行う。
【0066】
画像形成装置10が印刷ジョブか再印刷ジョブかを判定して処理する例を示したが、ユーザが印刷か再印刷かを指定してもよい。その場合、ユーザ端末30は、印刷か再印刷かを示す情報を、DFE50を介して画像形成装置10に送信する。再印刷判定部206は、印刷か再印刷かを示す情報に基づいて、再印刷を行うか否かを判定する。
【0067】
画像形成装置10は、ジョブチケットを印刷ジョブの画像を印刷する用紙とは異なる用紙に印刷してもよい。例えば、画像形成装置10は、第一の給紙トレイ400から供給された用紙に印刷ジョブの画像を印刷し、第二の給紙トレイ409から供給された用紙にジョブチケットを印刷してもよい。これによって、印刷の画質が印刷ジョブの画像に比べて相対的に高い必要のないジョブチケットの印刷において、用紙のコストを軽減させることができる。
【0068】
再印刷時に、排紙トレイ410から第二の給紙トレイ409にそのままセットされると、用紙の印刷面が最初の印刷と逆にセットされる可能性がある。そこで、排紙トレイ410への排紙の向きを合わせるために、ジョブ処理部209は、片面印刷の場合であっても、両面印刷に使用される反転パス407を利用して、印刷面を反転させるように制御してもよい。なお、ジョブ処理部209は、再印刷時に、両面印刷の場合であっても、反転パス407を利用して、印刷面を反転させてから第一の面への印刷を実行し、再度印刷面を反転させて第二の面への印刷を実行するように制御してもよい。
【0069】
また、再印刷時に、排紙トレイ410から第二の給紙トレイ409にそのままセットされると、印刷するページの順番が逆にセットされることが考えられるため、ジョブ処理部209は、最後のページから逆順に印刷するように制御してもよい。また、画像形成装置10は、第二の給紙トレイ409に再印刷時の用紙がどのようにセットされることを想定するかを設定によって適宜変更できるようにしてもよい。
【0070】
ある実施形態では、画像形成装置10は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む情報処理システムとして構成されても良い。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施しても良い。
【0071】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0072】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0073】
1 画像形成システム
10 画像形成装置
30 ユーザ端末
40 管理サーバ
50 DFE
60 通信ネットワーク
201 マスタ画像生成部
202 読取画像取得部
203 画像検査部
204 データ記憶部
205 ジョブデータ取得部
206 再印刷判定部
207 印刷指示部
208 再印刷指示部
209 ジョブ処理部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0074】
【特許文献1】特開2013‐111871号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6