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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023042069
(43)【公開日】2023-03-27
(54)【発明の名称】ディスプレイ支持装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20230317BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20230317BHJP
【FI】
G09F9/00 351
H05K5/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021149149
(22)【出願日】2021-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
(72)【発明者】
【氏名】石川 直行
【テーマコード(参考)】
4E360
5G435
【Fターム(参考)】
4E360AA02
4E360AB02
4E360AC14
4E360AC23
4E360EC04
4E360EC12
4E360ED02
4E360ED13
4E360GA06
4E360GB04
5G435AA19
5G435EE08
5G435EE13
5G435EE50
5G435GG41
5G435LL04
(57)【要約】
【課題】取り付け部材の支持部材への取り付け作業を容易に行うことができるディスプレイ支持装置を提供する。
【解決手段】ディスプレイスタンドなどのディスプレイ支持装置は、ディスプレイ1が取り付けられる取り付け部材たる取付板10と、取付板10を支持する支持部材たる支柱20とを備えている。取付板10は、支柱20に設けられた引っ掛け部などのネジ56に引っ掛けられるフック部12と、フック部12よりも下方に設けられ、固定用締結部材などのネジ57によって支柱20に固定されるネジ貫通孔13などの固定部とを有している。また、支柱20には、ネジ57が取り外された状態で、ネジ56を支点にしたディスプレイ1の自重による回転を規制する回り止め部たる回り止めピン24を有している。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイが取り付けられる取り付け部材と、
前記取り付け部材を支持する支持部材とを備えたディスプレイ支持装置において、
前記取り付け部材は、前記支持部材に設けられた引っ掛け部に引っ掛けられるフック部と、前記フック部よりも下方に設けられ、固定用締結部材によって前記支持部材に固定される固定部とを有し、
前記固定用締結部材が取り外された状態で、前記引っ掛け部を支点にした前記ディスプレイの自重による回転を規制する回り止め部を有することを特徴とするディスプレイ支持装置。
【請求項2】
請求項1に記載のディスプレイ支持装置において、
前記引っ掛け部は、前記支持部材に締結される引っ掛け用締結部材であり、
前記支持部材には、前記固定用締結部材が締結される締結箇所と、前記引っ掛け用締結部材が締結される締結箇所とが上下方向に複数設けられていることを特徴とするディスプレイ支持装置。
【請求項3】
請求項2に記載のディスプレイ支持装置において、
前記固定用締結部材と、前記引っ掛け用締結部材とが、共通部品であることを特徴とするディスプレイ支持装置。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれか一項に記載のディスプレイ支持装置において、
前記回り止め部は、前記支持部材に設けられ、前記取り付け部材が突き当たる突起部を有することを特徴とするディスプレイ支持装置。
【請求項5】
請求項4に記載のディスプレイ支持装置において、
前記取り付け部材は、前記突起部が貫通する上下方向に長い長孔部を有することを特徴とするディスプレイ支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ支持装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ディスプレイが取り付けられる取り付け部材と、取り付け部材を支持する支持部材とを備えたディスプレイ支持装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、上記ディスプレイ支持装置として、取り付け部材たる取付台の上部と下部とにフック部を有し、支持部材たる支柱に各フック部を引っ掛ける引っ掛け部たる横メンバーを有するものが記載されている。取り付け部材の左右には、ハンドルを有しており、作業者は、ディスプレイが取り付けられた取付台のハンドルを持ちながら、上部のフック部と下部のフック部とを横メンバーに引っ掛けることで、取付台が支柱に取り付けられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、取り付け部材の支持部材への取り付け作業が容易ではないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明は、ディスプレイが取り付けられる取り付け部材と、前記取り付け部材を支持する支持部材とを備えたディスプレイ支持装置において、前記取り付け部材は、前記支持部材に設けられた引っ掛け部に引っ掛けられるフック部と、前記フック部よりも下方に設けられ、固定用締結部材によって前記支持部材に固定される固定部とを有し、前記固定用締結部材が取り外された状態で、前記引っ掛け部を支点にした前記ディスプレイの自重による回転を規制する回り止め部を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、取り付け部材の支持部材への取り付け作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態のディスプレイ支持装置としてのディスプレイスタンドの全体図。
図2】取付板と支柱の一部を示す斜視図。
図3】取付板と支柱を示す上面図と正面図。
図4】(a)は、取付板の取付部を示す図であり、(b)は、支柱の側面部を示す図。
図5】ディスプレイの高さ変更について説明する図。
図6】本実施形態の変形例におけるディスプレイ高さの変更について説明する図。
図7】1本支柱に取付板を取り付けるディスプレイスタンドの上面図と正面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0009】
図1は、本実施形態のディスプレイ支持装置としてのディスプレイスタンド100の全体図である。図1(a)は、正面図であり、図1(b)は、側面図である。
図1に示すように、ディスプレイスタンド100は、ベース部材30と、ベース部材の左右端から上方に延びる支持部材としての支柱20とを備えている。ベース部材の下面の4角には、キャニスター31が取り付けられている。また、ディスプレイスタンド100は、ディスプレイ1が取り付けられる取り付け部材たる取付板10を有しており、取付板10は、一対の支柱20に取り付けられている。
【0010】
ディスプレイ1としては、例えば、ホワイトボード、黒板、カンバス等のアナログの板、インタラクティブ・ホワイトボード、インタラクティブフラットパネルディスプレイ、タッチパネル等の電子パネルである入力可能な表示装置が挙げられる。また、ディスプレイ1としては、モニター、テレビ等の受動的な表示装置であってもよい。
【0011】
図2は、取付板10と支柱20の一部を示す斜視図であり、図3は、取付板10と支柱を示す上面図と正面図である。
取付板10は、板金からなり、左右方向の両端から後側に延びる取付部11を有している。この取付部11は、支柱20の側面部21に取り付けられる。取付部11が、一対の支柱20に取り付けられることで、取付板10が、一対の支柱に懸架される形で支持される。
【0012】
図4(a)は、取付板10の取付部11を示す図であり、図4(b)は、支柱20の側面部21を示す図である。
図4(a)に示すように、取付板10の取付部11の上部には、フック部12を有しており、下部には、締結部材たるネジが貫通する固定部としてのネジ貫通孔13が設けられている。
【0013】
図4(b)に示すように、支柱20の側面部21には、フック部12を引っ掛けるための引っ掛け部であり締結部材であるネジをネジ止めするための3つの締結箇所としての引っ掛け用ネジ孔22a,22b,22cが上下方向に所定の間隔を開けて形成されている。また、側面部21には、取付板10の下部を固定するためのネジをネジ止めするための締結箇所としての3つの固定用ネジ孔23a,23b,23cが上下方向に所定の間隔を開けて形成されている。また、最下部の引っ掛け用ネジ孔22cと、最上部の固定用ネジ孔23aとの間には、側面部21から突出するように設けられた回り止め部であり突起部でもある回り止めピン24が設けられている。
【0014】
次に、ディスプレイ1の高さ変更について説明する。
図5は、ディスプレイ1の高さ変更について説明する図である。
図5(a)に示すように、取付板10の取付部11のフック部12は、引っ掛け用ネジ孔22bにネジ止めされたネジ56の胴部に引っ掛けられた状態で側面部21に締結されている。また、取付板10の下部は、固定用ネジ孔23bにネジ止めされたネジ57により側面部21に締結されている。
このように、取付板10の取付部11の上部と下部とがネジにより支柱20の側面部21に締結されることで、ディスプレイ1がガタつくことなく、ディスプレイスタンド100に取り付けられる。また、ディスプレイ1がディスプレイスタンド100から外れてしまうことがなく、ディスプレイ1がディスプレイスタンド100から落下するのを防止でき、ディスプレイ1の破損などを抑制することができる。
【0015】
ディスプレイ1の高さを変更するときは、図5(b)に示すように、固定用締結部材として用いられているネジ57を固定用ネジ孔23bから取り外し、ネジ57を変更する高さに対応する引っ掛け用ネジ孔にねじ込む。この図5の例では、最上部の引っ掛け用ネジ孔22aにネジ57をねじ込んでいる。このとき、フック部12がネジ57の胴部に引っ掛けられるように、ネジ57の頭部と側面部21との間には、所定の隙間を有するように、ネジ57を引っ掛け用ネジ孔22aにネジ込む。
【0016】
次に、引っ掛け用締結部材として用いられているネジ56の締結を緩める。ネジ56の締結を緩めると、取付板10に取り付けられたディスプレイ1の自重により、取付板10がネジ56を支点としてディスプレイ1とともに図5(b)の矢印方向(図中反時計回り)に回転しようとする。このとき、回り止めピン24が取付部11に突き当たり、取付板10がディスプレイ1とともに図5(b)の矢印方向(図中反時計回り)の回転を規制する。これにより、作業者は、ディスプレイ1が回転しないように、ディスプレイ1を支えながらネジ56の締結を緩める必要がない。よって、ディスプレイの高さ変更作業を容易に行うことができる。
【0017】
ネジ56の締結を緩めたら、図5(c)に示すように、作業者は、ディスプレイ1を持ち上げる。そして、図5(d)に示すように、ネジ57の胴部にフック部12を引っ掛ける。
【0018】
次に、作業者は、ネジ56を引っ掛け用ネジ孔22bから取り外す。このネジ56を引っ掛け用ネジ孔22bから取り外す作業の際に、ディスプレイ1から手を離すと、ディスプレイ1の自重により、取付板10がネジ57を支点としてディスプレイ1とともに図5(d)の矢印方向(図中反時計回り)に回転しようとする。このときも、回り止めピン24が取付部11に突き当たり、取付板10がディスプレイ1とともに図5(b)の矢印方向(図中反時計回り)の回転を規制する。これにより、作業者は、ネジ56の取り外しを行う際に、ディスプレイ1が回転しないようにディスプレイ1を支える必要がない。よって、ディスプレイの高さ変更作業を容易に行うことができる。
【0019】
ネジ56を引っ掛け用ネジ孔22bから取り外したら、このネジ56を固定用締結部材として用いるべく、最上部の固定用ネジ孔23aにネジ込む。このとき、回り止めピン24により回転が規制されて、取付板10は、ほぼ、固定時の姿勢となっており、図5(d)に示すように、ネジ56がネジ込められる最上部の固定用ネジ孔23aがネジ貫通孔13内に位置している。従って、取付板10の位置調整を行うことなく、ネジ56をネジ貫通孔13に貫通させて最上部の固定用ネジ孔23aにネジ込むことができる。
【0020】
ネジ56を最上部の固定用ネジ孔23aにねじ込んで、取付部11の下部を側面部21に締結したら、ネジ57を締めて取付部11の上部を側面部21に締結する。これにより、ディスプレイ1の高さが一段高い位置に変更されて、ディスプレイ1がディスプレイスタンド100に取り付けられる。
【0021】
本実施形態では、取付部11の下部を締結するネジを取り外し、ネジによる回動の規制が解除された状態でも、フック部12と回り止めピン24とによりほぼ固定(使用)時の姿勢でディスプレイ1を支柱に支持することができる。これにより、ディスプレイ高さ変更における、ディスプレイ1のディスプレイスタンド100への取り付け/取り外し作業中に、ディスプレイ1を支持しておく作業者が不要となる。これにより、ディスプレイ高さ変更作業を容易に行うことができる。また、上述では、ディスプレイ高さ変更作業について、説明したが、ディスプレイ1のディスプレイスタンド100への取り付け/取り外し作業についても、容易に行うことができる。
【0022】
また、本実施形態では、フック部12を引っ掛ける部品と、取付部11の下部を固定する部品を共通のネジとし、互いに付け替え可能としている。例えば、フック部12を引っ掛けるネジと、取付部11の下部を固定するネジとが共通ではなく、取付部11の下部を固定するネジが、引っ掛け用ネジ孔22a~22cにネジ止めできない場合は、次のような作業で高さ変更することになる。すなわち、取付部11の下部を固定するネジを取り外した後、ディスプレイを一旦降ろし、フック部12を引っ掛けるネジを、変更する高さに対応する引っ掛け用ネジ孔22aに差し替える。そして、ディスプレイを持ち上げて、フック部をネジの胴部に引っ掛けるという作業となる。このように、フック部12を引っ掛けるネジと、取付部11の下部を固定するネジとが共通でない場合は、ディスプレイ1を一旦降ろす必要が生じる。
【0023】
これに対し、本実施形態では、フック部12を引っ掛ける部品と、取付部11の下部を固定する部品を共通のネジとし、互いに付け替え可能している。これにより、図5を用いて説明したように、ディスプレイ1を降ろすことなく、高さ変更を行うことができ、高さ変更の作業性を高めることができる。また、2つのネジで、ディスプレイ1の高さ変更が可能な構成にでき、部品点数が少なく、装置のコストアップを抑制できる。
【0024】
取付部11の上部と下部とにフック部を設けた特許文献1に記載の構成も、ディスプレイを一旦降ろすことなく高さ変更を行うことできる。しかし、特許文献1は、上部と下部とにフック部を支柱に設けられた横メンバーに引っ掛けているだけである。そのため、ディスプレイ1がガタついたり、ディスプレイ1がディスプレイスタンド100から外れたりするおそれがある。また、高さを1段変更可能にする場合は、最低3本の横メンバーが必要であり、高さを2段変更可能にする場合は、最低4本の横メンバーが必要となる。よって、構成部品が多くなり、装置のコストアップにつながるおそれがある。また、特許文献1では、上部のフック部と下部のフック部とを同時に横メンバーに引っ掛ける必要がある。そのため、上部のフック部と下部のフック部と横メンバーとの位置関係を確認しながらゆっくりとディスプレイを降ろす必要があり、取り付け作業や高さ変更作業も容易ではない。
【0025】
これに対して、本実施形態では、取付部11の上部と下部は、ネジ56、57により支柱の側面部21に締結されるため、ディスプレイ1がガタついたり、ディスプレイ1がディスプレイスタンド100から外れたりすることがない。また、共通構成の2本のネジ56、57のみで複数段の高さ変更が可能であり、特許文献1に記載の構成に比べて、部品点数を削減でき、装置のコストダウンを図ることができる。また、取り付け作業の際に上部のフック部のみを側面部21の引っ掛け部に引っ掛ければよいため、容易にフック部の引っ掛けを行うことができ、取り付け作業を容易に行うことができる。
【0026】
次に、本実施形態の変形例について説明する。
図6は、本実施形態の変形例におけるディスプレイ高さの変更作業について説明する図である。
この変形例は、取付板10の取付部11に上下方向に延びて、回り止めピン24が挿入される長孔部14が設けられている。それ以外の構成は、実施形態と同様な構成である。
この変形例も、図6(b)に示すように、取付部11の下部を締結していたネジ57を取り外し、ネジ57による回動の規制が解除された状態でも、回り止めピン24が長孔部14のディスプレイ側の側面に突き当たり、ディスプレイの自重による回転を規制する。これにより、ネジ57を取り外した状態のときに、ディスプレイ1が自重で回動しないように作業者がディスプレイ1を支えておく必要がなくなり、高さ変更作業を容易に行うことができる。
【0027】
また、この変形例では、図6(c)に示すように、取付板10(ディスプレイ1)が回り止めピン24と長孔部14とにより前後方向の位置が規制された状態で、変更する高さに対応する引っ掛け用ネジ孔(図6では最上部の引っ掛け用ネジ孔22a)にネジ止めしたネジ57へのフック部12の掛けなおしが行われる。これにより、ディスプレイの位置が前後に大きくずれることがなく、フック部12の掛けなおしを容易に行うことが可能となる。
【0028】
また、上述では、一対の支柱20に取付板10を取り付けるディスプレイスタンドに本発明を適用した例について説明したが、図7に示すように、一本の支柱20に取付板10を取り付けるディスプレイスタンドにも本発明を適用することができる。図7に示すディスプレイスタンドは、上面図に示すように、前後方向において、取付板10と支柱20との間に所定の隙間を有している。そのため、取付部11の下部を締結していたネジ57を取り外し、ネジ57による回動の規制が解除されると、フック部が引っ掛けられたネジを支点にしてディスプレイの自重により回動してしまう。そのため、図7に示すディスプレイ支持装置についても、回り止めピン24を設けて、取付部11の下部を締結していたネジを取り外した際のディスプレイの回動を規制することで、上述したように、高さ変更作業や、取り付け/取り外し作業を容易に行うことができる。
【0029】
なお、本実施形態では、ディスプレイ支持装置としてディスプレイスタンドに本発明を適用した例について説明したが、ディスプレイ支持装置として、部屋の壁面などにディスプレイを懸架するための懸架装置に本発明を適用することができる。
【0030】
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
ディスプレイ1が取り付けられる取付板10などの取り付け部材と、取り付け部材を支持する支柱20などの支持部材とを備えたディスプレイスタンド100などのディスプレイ支持装置において、取り付け部材は、支持部材に設けられたネジ56などの引っ掛け部に引っ掛けられるフック部12と、フック部12よりも下方に設けられ、ネジ57などの固定用締結部材により支持部材に固定されるネジ貫通孔13などの固定部とを有し、固定用締結部材が取り外された状態で、引っ掛け部を支点にしたディスプレイの自重による回転を規制する回り止めピン24などの回り止め部を有する。
特許文献1のディスプレイが取り付けられた取り付け部材たる取付台の支持部材たる支柱への取り付けは、上部のフック部と下部のフック部とを同時に引っ掛け部たる横メンバーに引っ掛ける必要がある。そのため、上部のフック部の位置と下部のフック部の位置を確認しながら、ディスプレイが取り付けられた取付台をゆっくりと降ろして、上部のフック部と下部のフック部とを横メンバーに引っ掛ける作業となり、取り付け部材の支持部材への取り付け作業が容易ではない。
一方、態様1では、取り付け部材の下部の支持部材への取り付けは、固定用締結部材による締結で行うようにした。これにより、上部のフック部のみを引っ掛け部に引っ掛ける作業となり、上下方向に複数のフック部を有する構成に比べて、フック部の引っ掛け作業を容易に行うことができる。
また、回り止め部を有することで、フック部を引っ掛け部に引っ掛けた後に、取り付け部材から手を離しても、取り付け部材がディスプレイの自重によりフック部を支点として回転することがなく、固定部の位置を、ほぼ支持部材への固定位置に位置させることができる。これにより、固定部を固定用締結部材で支持部材に固定する際に、固定部が支持部材への固定位置に位置するように、ディスプレイやディスプレイが取り付けられた取り付け部材を作業者が支えておく必要がなくなり、容易に固定部を固定用締結部材により支持部材に固定することができる。
【0031】
(態様2)
態様1において、引っ掛け部は、支持部材に締結されるネジ56などの引っ掛け用締結部材であり、支持部材には、ネジ57などの固定用締結部材が締結される固定用ネジ孔23a~23cなどの締結箇所と、引っ掛け用締結部材が締結される引っ掛け用ネジ孔22a~22cなどの締結箇所とが上下方向に複数設けられている。
これによれば、引っ掛け用締結部材の締結箇所と、固定用締結部材の締結箇所とを変更することで、ディスプレイ1の高さを変更することができる。また、2つの締結部材で、ディスプレイ1の高さを変更することが可能となり、部品を少なくでき、装置のコストダウンを図ることができる。
【0032】
(態様3)
態様2において、固定用締結部材と、引っ掛け用締結部材とが、共通部品からなる。
これによれば、固定用締結部材を取り外して、引っ掛け用締結部材が締結される引っ掛け用ネジ孔22a~22cなどの締結箇所に締結して引っ掛け用締結部材として使用することができ、引っ掛け用締結部材を、固定用ネジ孔23a~23cなどの締結箇所に締結して固定用締結部材として使用できる。これにより、実施形態で説明したように、ディスプレイを一旦降ろすことなく、ディスプレイの高さ変更を行うことができる。
【0033】
(態様4)
態様1乃至3いずれかにおいて、回り止め部は、支柱20などの支持部材に設けられ、取り付け部材が突き当たる回り止めピン24などの突起部を有する。
これによれば、固定用締結部材が取り外されたときに引っ掛け部を支点したディスプレイの自重により回転しようとすると取り付け部材が突起部に突き当たり、回転が規制される。
【0034】
(態様5)
態様4において、取り付け部材は、突起部が貫通する上下方向に長い長孔部を有する。
これによれば、変形例で説明したように、高さ変更の際に、突起部と長孔部とで支持部材に対するディスプレイの前後方向の位置を規制でき、高さ変更作業を容易にすることが可能となる。
【符号の説明】
【0035】
1 :ディスプレイ
10 :取付板
11 :取付部
12 :フック部
13 :ネジ貫通孔
14 :長孔部
20 :支柱
21 :側面部
22a :引っ掛け用ネジ孔
22b :引っ掛け用ネジ孔
22c :引っ掛け用ネジ孔
23a :固定用ネジ孔
23b :固定用ネジ孔
23c :固定用ネジ孔
24 :回り止めピン
30 :ベース部材
31 :キャニスター
56 :ネジ
57 :ネジ
100 :ディスプレイスタンド
【先行技術文献】
【特許文献】
【0036】
【特許文献1】特開2005-108974号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7