(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023042221
(43)【公開日】2023-03-27
(54)【発明の名称】アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
H02K 11/38 20160101AFI20230317BHJP
F16H 1/16 20060101ALI20230317BHJP
F16H 1/06 20060101ALI20230317BHJP
【FI】
H02K11/38
F16H1/16 Z
F16H1/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021149410
(22)【出願日】2021-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】000116655
【氏名又は名称】愛知製鋼株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】金 忠植
(72)【発明者】
【氏名】田中 翔梧
(72)【発明者】
【氏名】萱野 雅浩
【テーマコード(参考)】
3J009
5H611
【Fターム(参考)】
3J009DA17
3J009EA06
3J009EA19
3J009EA25
3J009EA32
3J009EA44
3J009EC06
3J009FA14
5H611BB01
5H611PP05
5H611QQ03
5H611RR02
5H611TT01
5H611UA04
(57)【要約】
【課題】 長手方向寸法を小さくすることが可能なアクチュエータの一例を開示する。
【解決手段】 アクチュエータ1では、制御基板41が電動モータ10とウォームホイール32との間に配置され、かつ、当該制御基板41にコネクタ部42が設けられている。これにより、当該アクチュエータ1によれば、長手方向寸法を小さくすることが可能となり得る。また、ウォームホイール32は、ウォーム31に対して出力軸11と同一側に配置されているので、アクチュエータ1の幅寸法、つまり長手方向と直交する方向の寸法が小型になり得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータと、
前記電動モータの出力軸に設けられた第1歯車と、
前記第1歯車と噛み合うとともに、当該第1歯車と協働して前記出力軸の回転を減速する第2歯車と、
前記出力軸と平行な方向に延びるウォームであって、延び方向一端側に前記第2歯車が設けられたウォームと、
前記ウォームと噛み合うウォームホイールであって、当該ウォームに対して前記出力軸と同一側に配置されたウォームホイールと、
前記電動モータを制御するための制御基板であって、前記電動モータと前記ウォームホイールとの間に配置された制御基板とを備え、
前記制御基板には、外部と接続するためのコネクタ部が設けられているアクチュエータ。
【請求項2】
前記制御基板は、その板面が前記出力軸と対向するように配置されており、
さらに、前記制御基板のうち前記出力軸と対向する部位には、ブラシに電力を供給する電力供給部、及び前記電動モータの回転を検出するためのセンサ部が実装されている請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記制御基板は、前記出力軸を挟んで前記ウォームと反対側に配置されている請求項2に記載のアクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電動モータを駆動源とするアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載のアクチュエータは、ウォームの端部に設けられた歯車及び電動モータの出力軸に設けられた歯車による第1減速部、並びに当該ウォーム及びウォームホイールによる第2減速部を有して構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のアクチュエータでは、外部と接続するためのコネクタ部が、出力軸と平行な方向において、ウォームホイールを挟んで電動モータと反対側に配置されている。このため、特許文献1に記載のアクチュエータでは、出力軸と平行な方向の寸法(以下、長手方向寸法ともいう。)を小さくすることが難しい。
【0005】
本開示は、上記点に鑑み、長手方向寸法を小さくすることが可能なアクチュエータの一例を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
アクチュエータは、例えば、以下の構成要件のうち少なくとも1つを備えることが望ましい。すなわち、当該構成要件は、電動モータ(10)と、電動モータ(10)の出力軸(11)に設けられた第1歯車(21)と、第1歯車(21)と噛み合うとともに、当該第1歯車(21)と協働して出力軸(11)の回転を減速する第2歯車(22)と、出力軸(11)と平行な方向に延びるウォーム(31)であって、延び方向一端側に第2歯車(22)が設けられたウォーム(31)と、ウォーム(31)と噛み合うウォームホイール(32)であって、当該ウォーム(31)に対して出力軸(11)と同一側に配置されたウォームホイール(32)と、電動モータ(10)を制御するための制御基板(41)であって、電動モータ(10)とウォームホイール(32)との間に配置された制御基板(41)とを備え、制御基板(41)には、外部と接続するためのコネクタ部(42)が設けられていることである。
【0007】
これにより、当該アクチュエータによれば、特許文献1に記載のアクチュエータに比べて長手方向寸法を小さくすることが可能となり得る。
【0008】
因みに、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本開示は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態に係るアクチュエータを示す図である。
【
図2】第1実施形態に係るアクチュエータの第1減速部等を示す図である。
【
図3】電動モータの回転検出のための構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の「発明の実施形態」は、本開示の技術的範囲に属する実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的構成や構造等に限定されない。
【0011】
なお、各図に付された方向を示す矢印及び斜線等は、各図相互の関係及び各部材又は部位の形状を理解し易くするために記載されたものである。したがって、本開示に示された発明は、各図に付された方向に限定されない。斜線が付された図は、必ずしも断面図を示すものではない。
【0012】
少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位は、「1つの」等の断りがされた場合を除き、少なくとも1つ設けられている。つまり、「1つの」等の断りがない場合には、当該部材は2以上設けられていてもよい。本開示に示されたアクチュエータは、少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位等の構成要素、並びに図示された構造部位を備える。
【0013】
(第1実施形態)
<1.アクチュエータの概要>
本実施形態は、ワイパー駆動装置やパワーウインドウ装置等の車両用アクチュエータに本開示に係るアクチュエータの一例が適用されたものである。
【0014】
本実施形態に係るアクチュエータ1は、
図1に示されるように、電動モータ10、第1減速部20、第2減速部30及び制御部40、並びにこれら10~40を収納するハウジング50等を少なくとも備える。
【0015】
電動モータ10は、回転駆動力を発生する駆動源である。第1減速部20及び第2減速部30は、電動モータ10の出力を減速して外部に出力するための減速装置である。制御部40は、電動モータ10の回転及び停止を制御する。
【0016】
<2.各部の詳細>
<2.1 第1減速部>
第1減速部20は、第1歯車21及び第2歯車22等を有して構成されている。第1歯車21は、電動モータ10の出力軸11の先端側に設けられ、当該出力軸11と一体的に回転する。
【0017】
第2歯車22は、第1歯車21と噛み合うとともに、当該第1歯車21と協働して出力軸11の回転を減速する。なお、本実施形態に係る第1歯車21及び第2歯車22は、平歯車又はヘリカル歯車にて構成されている。
【0018】
<2.2 第2減速部>
第2減速部30は、ウォーム31及びウォームホイール32等を有して構成されている。ウォーム31は、出力軸11と平行な方向に延びるとともに、延び方向一端側(
図1では、左端側)に第2歯車22が設けられている。つまり、ウォーム31は、第2歯車22と一体的に回転する。
【0019】
ウォームホイール32は、ウォーム31と噛み合って回転するとともに、当該ウォーム31に対して出力軸11と同一側に配置されている。つまり、出力軸11及びウォームホイール32は、
図1においては、ウォーム31に対して紙面下側に配置されている。
【0020】
したがって、第2減速部30は、第1減速部20にて減速された電動モータ10の回転を更に減速する。第2減速部30にて減速された回転は、ウォームホイール32の中心軸(図示せず。)を出力軸として外部に出力される。
【0021】
<2.3 制御部>
制御部40は、制御基板41、コネクタ部42、ブラシ43及び整流子44等を少なくとも有している。制御基板41は、その板面が出力軸11と対向するように配置された状態で電動モータ10とウォームホイール32との間に配置されている。
【0022】
さらに、制御基板41は、出力軸11を挟んでウォーム31と反対側に配置されている。つまり、当該制御基板41は、
図1において、出力軸11に対して紙面下側に配置され、かつ、その板面が出力軸11と平行となるように配置されている。以下、出力軸11と平行な方向を長手方向ともいう。
【0023】
コネクタ部42は、外部と接続するための部位であって、制御基板41に設けられている。なお、本実施形態に係るコネクタ部42は、
図2に示されるように、オス型のコネクタである。そして、コネクタ部42を構成する端子が制御基板41に固定されている。
【0024】
さらに、制御基板41のうち出力軸11と対向する部位には、
図1に示されるように、電力供給部45が設けられている。電力供給部45は、ブラシ43に電力を供給する。ブラシ43は、整流子44を介して電動モータ10のコイルに電力を供給する。
【0025】
制御部40には、電動モータ10の回転を検出するためのセンサ部46が実装されている。センサ部46は、出力軸11と一体的に回転する永久磁石46A(
図3参照)と協働して電動モータ10の回転を検出する。
【0026】
なお、本実施形態に係るセンサ部46は、ホールIC等の磁気センサにて構成されている。センサ部46は、出力軸11の回転に伴って交番する永久磁石46Aの磁極の位置を検出する。
【0027】
このため、本実施形態に係るアクチュエータ1では、電動モータ10の駆動状態に応じて、当該電動モータ10の作動を外部から調整することができるとともに、磁石という簡易な構成で回転位置を検出することができる。
【0028】
<3.本実施形態に係るアクチュエータの特徴>
本実施形態に係るアクチュエータ1では、制御基板41が電動モータ10とウォームホイール32との間に配置され、かつ、当該制御基板41にコネクタ部42が設けられている。これにより、当該アクチュエータ1によれば、特許文献1に記載のアクチュエータに比べて長手方向寸法が小さくなり得る。
【0029】
また、ウォームホイール32は、ウォーム31に対して出力軸11と同一側に配置されているので、アクチュエータ1の幅寸法、つまり長手方向と直交する方向の寸法が小型になり得る。つまり仮に、ウォームホイール32がウォーム31に対して出力軸11と反対側に配置されている構成では、幅寸法が小型にならない。
【0030】
(その他の実施形態)
上述の実施形態に係るアクチュエータは、ブラシ43及び整流子44を有する電動モータを備える構成であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、センサ部46を利用したDCブラシレスモータであってもよい。
【0031】
上述の実施形態に係るセンサ部46は、ホールIC等の磁気センサにて構成されていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、発光素子及び受光素子を有する光学式のセンサ部であってもよい。
【0032】
さらに、本開示は、上述の実施形態に記載された開示の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されない。したがって、上述した複数の実施形態のうち少なくとも2つの実施形態が組み合わせられた構成、又は上述の実施形態において、図示された構成要件もしくは符号を付して説明された構成要件のうちいずれかが廃止された構成であってもよい。
【符号の説明】
【0033】
1… アクチュエータ 10…電動モータ 11… 出力軸
20… 第1減速部 21…第1歯車 22… 第2歯車
30… 第2減速部 31…ウォーム 32… ウォームホイール
40… 制御部 41…制御基板 42… コネクタ部
43… ブラシ 44…整流子 45… 電力供給部
46… センサ部 46A…永久磁石