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特開2023-42439画像処理装置、画像読取装置および画像形成装置
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  • 特開-画像処理装置、画像読取装置および画像形成装置 図1
  • 特開-画像処理装置、画像読取装置および画像形成装置 図2
  • 特開-画像処理装置、画像読取装置および画像形成装置 図3
  • 特開-画像処理装置、画像読取装置および画像形成装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023042439
(43)【公開日】2023-03-27
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像読取装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20230317BHJP
【FI】
H04N1/00 Z
H04N1/00 127A
H04N1/00 127B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021149735
(22)【出願日】2021-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】石川 剛
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA14
5C062AA35
5C062AB02
5C062AB22
5C062AB38
5C062AB40
5C062AB42
5C062AC04
5C062AC22
5C062AC34
5C062AE15
5C062BA00
5C062BA04
(57)【要約】
【課題】処理の精度を落とすことなく、処理時間を短縮する。
【解決手段】画像読取部から読み取られた画像の生データから、画像認識用の高解像度の画像データを生成する画像生成部と、前記画像読取部から読み取られた画像の生データを、操作者からの設定に従って送信用の画像データを生成する送信用画像処理部と、を備え、前記送信用画像処理部における画像データの生成処理は、前記画像生成部における画像認識用の画像データの生成処理と並行して実施される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像読取部から読み取られた画像の生データから、画像認識用の高解像度の画像データを生成する画像生成部と、
前記画像読取部から読み取られた画像の生データを、操作者からの設定に従って送信用の画像データを生成する送信用画像処理部と、
を備え、
前記送信用画像処理部における画像データの生成処理は、前記画像生成部における画像認識用の画像データの生成処理と並行して実施される、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記画像生成部が生成した高解像度の画像データから文字認識を実行する文字認識部をさらに備え、
前記送信用画像処理部における画像データの生成処理は、前記画像生成部における画像認識用の画像データの生成処理および前記文字認識部における文字認識処理と並行して実施される、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記文字認識部が認識した文字と、前記送信用画像処理部が生成した画像データとを合成する文字画像合成部と、
前記文字画像合成部の合成により生成された画像データを送信する送信部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
1ジョブでの最大読み取り可能枚数が減るが処理速度が向上する速度優先モードと、速度は遅いが読み取り可能枚数は変わらない枚数優先モードとの選択を受け付けるモード切り替え部をさらに備え、
前記モード切り替え部において前記速度優先モードが選択された場合、前記送信用画像処理部における画像データの生成処理が、前記画像生成部における画像認識用の画像データの生成処理と並行して実施される、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記送信用画像処理部は、操作者が求める解像度が前記文字認識部における文字認識の精度低下が発生しない解像度であった場合、解像度変換を行わない、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項6】
画像のデータを読み取る画像読取部と、
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の画像処理装置と、
を備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項7】
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の画像処理装置と、
画像形成部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像読取装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、入力された画像データに対してOCR(Optical Character Recognition/Reader:光学的文字認識)により文字認識を行った文字認識結果と入力された画像データとを、次工程に送信制御する画像形成装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、保存容量を小さくする目的で、高解像度の画像データを基にして文字認識を実行した後に、文書保存用に低解像度の画像データに変換する技術が開示されている。
【0004】
特許文献2には、文書保存用の低解像度の画像データを生成する第1の生成手段と、文字認識用の高解像度の画像データを生成する第2の生成手段と、を有し、第1の生成手段と第2の生成手段とを順に実行する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術によれば、文字認識精度を下げないために文字認識用の高解像度の画像データにかかる処理と文書保存用の低解像度の画像データにかかる処理とを順に実行すると、送信制御開始までに要する時間が延びてしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、処理の精度を落とすことなく、処理時間を短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、画像読取部から読み取られた画像の生データから、画像認識用の高解像度の画像データを生成する画像生成部と、前記画像読取部から読み取られた画像の生データを、操作者からの設定に従って送信用の画像データを生成する送信用画像処理部と、を備え、前記送信用画像処理部における画像データの生成処理は、前記画像生成部における画像認識用の画像データの生成処理と並行して実施される、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、処理の精度を落とすことなく、処理時間を短縮することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態にかかる印刷システムの全体構成図を示すブロック図である。
図2図2は、画像形成装置のハードウェア構成図である。
図3図3は、画像形成装置の文字認識制御処理にかかる機能ブロックの構成の一例を示す図である。
図4図4は、画像形成装置における文字認識制御処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、画像処理装置、画像読取装置および画像形成装置の実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
図1は、実施の形態にかかる印刷システムの全体構成図を示すブロック図である。図1に示すように、印刷システムは、1台以上のクライアントPC(Personal Computer)300と、プリントサーバ400と、画像形成装置100とが、例えばインターネットなどのネットワーク500を介して接続されている。プリントサーバ400は、概略的には、印刷ジョブの中間処理を実行する。画像形成装置100は、印刷ジョブを実行する。画像形成装置100は、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機である。画像形成装置100は、画像処理装置、画像読取装置としても機能する。
【0012】
印刷システムにおける印刷処理の概略について説明する。クライアントPC300で動作する印刷機能を備えたアプリケーション内で作成されたデータは、クライアントPC300内部のプリンタドライバを介して印刷ジョブに変換される。印刷ジョブは、クライアントPC300から画像形成装置100に送信され、画像形成装置100内部のコントローラ910(図2参照)により編集および解析されて印字可能なラスタデータに変換される。ラスタデータは、画像形成装置100のプリンタ部932(図2参照)により印刷される。
【0013】
なお、クライアントPC300からプリントサーバ400に対して印刷ジョブを送信し、プリントサーバ400にて印刷ジョブの編集や必要な設定を行った後に、プリントサーバ400から画像形成装置100に印刷ジョブを送信するようにしてもよい。
【0014】
また、クライアントPC300から印刷ジョブが送信されるのではなく、あらかじめプリントサーバ400に保存されている文書を画像形成装置100に直接送信するようにしてもよい。
【0015】
なお、図1の例では、印刷システムには1台の画像形成装置100を例示しているが、これに限られるものではなく、印刷システムに含まれる画像形成装置100の台数および種類は任意である。
【0016】
次に、画像形成装置100のハードウェア構成について説明する。
【0017】
図2は、画像形成装置100のハードウェア構成図である。図2に示されているように、画像形成装置100は、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F950を備えている。
【0018】
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU(Central Processing Unit)901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)907、HDDコントローラ908、及び、記憶部であるHD909を有し、NB903とASIC906との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成となっている。
【0019】
これらのうち、CPU901は、画像形成装置100の全体制御を行う制御部である。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、及びAGPバス921とを接続するためのブリッジであり、MEM-P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0020】
MEM-P902は、ブラウザアプリ、コントローラ910の各機能を実現させるプログラム(OCR処理プログラムを含む)やデータの格納用メモリであるROM(Read Only Memory)902a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM(Random Access Memory)902bとからなる。なお、OCR処理プログラムは、入力された画像データに対してOCR(Optical Character Recognition/Reader:光学的文字認識)により文字認識を行うプログラムである。
【0021】
なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0022】
SB904は、NB903とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDD908およびMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC906は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、画像読取部であるスキャナ部931及び画像形成部であるプリンタ部932との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC906には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
【0023】
MEM-C907は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD909は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD909は、CPU901の制御にしたがってHD909に対するデータの読出又は書込を制御する。AGPバス921は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P902に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0024】
また、近距離通信回路920には、近距離通信回路920aが備わっている。近距離通信回路920は、NFC、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。
【0025】
更に、エンジン制御部930は、スキャナ部931及びプリンタ部932によって構成されている。また、操作パネル940は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの文字認識の設定の操作入力、原稿読み取り設定の操作入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部940a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなる操作パネル940bを備えている。コントローラ910は、画像形成装置100全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル940からの入力等を制御する。スキャナ部931又はプリンタ部932には、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれている。
【0026】
なお、画像形成装置100は、操作パネル940のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0027】
また、ネットワークI/F950は、ネットワーク500を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。近距離通信回路920及びネットワークI/F950は、PCIバス922を介して、ASIC906に電気的に接続されている。
【0028】
なお、本実施形態の画像形成装置100で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の画像形成装置100で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0029】
また、本実施形態の画像形成装置100で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0030】
次に、画像形成装置100の特長的な処理である文字認識制御処理について以下に説明する。
【0031】
図3は、画像形成装置100の文字認識制御処理にかかる機能ブロックの構成の一例を示す図である。
【0032】
図3に示すように、画像形成装置100は、画像生成部101と、送信用画像処理部102と、文字認識部103と、制御部104と、ネットワーク制御部105と、モード切り替え部106と、を備える。
【0033】
画像生成部101は、ASIC906を主体とし、例えばスキャナ部931から読み取られた画像の生データから、画像認識用(文字認識用)の高解像度の画像データを生成する。
【0034】
送信用画像処理部102は、例えばスキャナ部931から読み取られた画像の生データを、操作パネル940bを介した操作者からの設定に従った解像度や画質で、保存・送信用の画像データを生成する。速度優先モードの場合、送信用画像処理部102には、画像生成部101と同時に信号入力が行われる。送信用画像処理部102は、画像形成装置100のCPU901がプログラムに従って動作することにより実現される。
【0035】
なお、送信用画像処理部102は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0036】
文字認識部103は、画像生成部101が生成した高解像度の画像データから文字認識を実行する。文字認識部103は、画像形成装置100のCPU901がOCR処理プログラムに従って動作することにより実現される。
【0037】
制御部104は、CPU901を主体とし、画像形成装置100の全体の制御や、保存・送信用の画像データと文字認識結果の画像データとの合成などの処理を行う。より詳細には、制御部104は、文字認識部103が認識した文字と画像とを合成し、テキスト付の画像、例えばpdf(Portable Document Format)などのファイル形式に変換する文字画像合成部として機能する。
【0038】
ネットワーク制御部105は、ネットワークI/F950を利用して、画像形成装置100の外部のクライアントPC300などとの間でネットワーク500を介して情報をやり取りする。具体的には、ネットワーク制御部105は、文字画像合成部の合成機能により生成された画像を、メール送信またはフォルダ送信する送信部である。
【0039】
モード切り替え部106は、1ジョブでの最大読み取り可能枚数が減るが処理速度が向上する速度優先モードと、速度は遅いが読み取り可能枚数は変わらない枚数優先モードとを、操作パネル940に表示したUI(User Interface)を介して受け付ける。モード切り替え部106は、画像形成装置100のCPU901がプログラムに従って動作することにより実現される。
【0040】
次に、画像形成装置100における文字認識制御処理の流れについて説明する。ここで、図4は画像形成装置100における文字認識制御処理の流れを示すフローチャートである。
【0041】
図4に示すように、画像形成装置100における文字認識制御処理の流れは、モード切り替え部106が枚数優先モードを受け付けているのか、速度優先モードを受け付けているのかによって異なるものとなっている。
【0042】
モード切り替え部106が枚数優先モードを受け付けている場合(ステップS1のNo)、画像生成部101は、スキャナ部931から読み取られた画像の生データから、画像認識用(文字認識用)の高解像度の画像データを生成する(ステップS2)。
【0043】
次いで、文字認識部103は、画像生成部101が生成した高解像度の画像データから文字認識を実行する(ステップS3)。
【0044】
次いで、制御部(文字画像合成部)104は、文字認識部103が認識した文字と、画像生成部101が生成した画像データとを合成して、テキスト付きの画像データを生成する(ステップS4)。
【0045】
次いで、送信用画像処理部102は、テキスト付きの画像データに基づき、操作パネル940bを介した操作者からの設定に従った解像度や画質で、保存・送信用の画像データを生成する(ステップS5)。ここで、操作者からの設定は、解像度を下げる、濃度を下げるなどであるとする。
【0046】
最後に、ネットワーク制御部105が、送信用画像処理部102が生成した画像データを、送信する(ステップS6)。
【0047】
このように、枚数優先モードにおいては、2回の画像生成処理を実行するため、処理時間が長くなってしまう。
【0048】
一方、モード切り替え部106が速度優先モードを受け付けている場合(ステップS1のYes)、スキャナ部931から読み取られた画像の生データは、画像生成部101と送信用画像処理部102とに並行して入力される。
【0049】
画像生成部101は、スキャナ部931から読み取られた画像の生データから、画像認識用(文字認識用)の高解像度の画像データを生成する(ステップS11)。
【0050】
送信用画像処理部102は、操作パネル940bを介した操作者からの設定に従った解像度や画質で、保存・送信用の画像データを生成する(ステップS12)。ここで、操作者からの設定は、解像度を下げる、濃度を下げるなどであるとする。
【0051】
なお、送信用画像処理部102は、操作者が求める解像度が文字認識部103における文字認識の精度低下が発生しない解像度であった場合、解像度変換を行わなくてもよい。
【0052】
次いで、文字認識部103は、画像生成部101が生成した高解像度の画像データから文字認識を実行する(ステップS13)。
【0053】
次いで、制御部(文字画像合成部)104は、文字認識部103が認識した文字と、送信用画像処理部102が生成した画像データとを合成して、テキスト付きの画像データを生成する(ステップS14)。
【0054】
最後に、ネットワーク制御部105が、制御部(文字画像合成部)104が合成した画像データを、送信する(ステップS15)。
【0055】
このように本実施形態によれば、速度優先モードにおいては、送信用画像処理部102による保存・送信用の画像データ生成処理と、画像生成部101による画像認識用(文字認識用)の画像データ生成処理を順番に行うのではなく、画像認識用(文字認識用)の画像データ生成処理および文字認識処理と並行して、保存・送信用の画像データ生成処理を実施するので、文字認識精度を落とすことなく、保存・送信処理完了までの処理時間を短縮することができる。
【0056】
より詳細には、解像度の高い画像処理となる画像生成部101による画像データ生成処理と文字認識部103による文字認識処理とを合わせた処理時間の方が、解像度の低い画像処理である送信用画像処理部102による保存・送信用の画像データ生成処理の処理時間より長くなる。このため、全体の処理時間は、画像生成部101による画像データ生成処理と文字認識部103による文字認識処理とを合わせた処理時間となり、送信用画像処理部102による保存・送信用の画像データ生成処理にかかる時間分、全体の処理時間が短くなる効果を奏する。
【0057】
なお、上記実施の形態では、処理の一例として文字認識について説明したが、これに限るものではなく、帳票の真贋を認識するための画像判定などの画像認識処理を適用するようにしてもよい。
【0058】
なお、上記実施の形態では、本発明の画像形成装置および画像読取装置を、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機に適用した例を挙げて説明するが、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置または画像読取装置であればいずれにも適用することができる。
【符号の説明】
【0059】
100 画像処理装置、画像読取装置、画像形成装置
101 画像生成部
102 送信用画像処理部
103 文字認識部
104 文字画像合成部
105 送信部
106 モード切り替え部
931 画像読取部
932 画像形成部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0060】
【特許文献1】特開平11-306321号公報
【特許文献2】特開2007-041709号公報
図1
図2
図3
図4