(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023043166
(43)【公開日】2023-03-28
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20230320BHJP
H01L 21/02 20060101ALI20230320BHJP
【FI】
H01L21/304 645A
H01L21/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143071
(22)【出願日】2022-09-08
(31)【優先権主張番号】10-2021-0123219
(32)【優先日】2021-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】316008145
【氏名又は名称】ウォニク アイピーエス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】WONIK IPS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】75,Jinwisandan-ro,Jinwi-myeon,Pyeongtaek-si,Gyeonggi-do,17709,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キム テドン
(72)【発明者】
【氏名】イ ジョンファン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン チョンファン
(72)【発明者】
【氏名】ノ ソンホ
(72)【発明者】
【氏名】キム ヨンジュン
【テーマコード(参考)】
5F157
【Fターム(参考)】
5F157AB02
5F157AB13
5F157AB33
5F157AC01
5F157AC13
5F157BG12
5F157BG83
5F157BG85
5F157BG86
5F157BG96
5F157BH18
5F157CE65
5F157CF04
5F157CF14
5F157CF16
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5F157CF24
5F157CF34
5F157CF48
5F157CF60
5F157CF62
5F157CF66
5F157CF90
5F157CF92
5F157DB02
(57)【要約】
【課題】高圧と低圧との間の変圧を通じて基板処理を行う基板処理装置を提供する。
【解決手段】上部が開放され、下部面に貫通孔150が形成されるチャンバ本体110と、チャンバ本体110の上部に結合され、内部空間S1を形成するトップリード140を含むプロセスチャンバ100と、プロセスチャンバ100に設けられ、上面に基板1が載置される基板支持プレート210と、貫通孔150を貫通して設けられ、基板支持プレート210を支持する基板支持シャフト220を含む基板支持部200と、基板処理のためのプロセスガスを供給するガス供給部400と、チャンバ本体110の下部に形成され、ガス供給部400を介して供給されたプロセスガスを外部に排気する排気部500と、を含み、チャンバ本体110は、基板支持シャフト220外周面と貫通孔150内側面と間に形成され、排気部500と連通される排気流路が形成される基板処理装置を開示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が開放され、下部面に貫通孔が結合され、内部空間を形成するトップリードを含むプロセスチャンバと、
前記プロセスチャンバに設けられ、上面に基板が載置される基板支持プレートと、前記貫通孔を貫通して設けられ、前記基板支持プレートを支持する基板支持シャフトを含む基板支持部と、
基板処理のためのプロセスガスを供給するガス供給部と、
チャンバ本体の下部に形成され、前記ガス供給部を介して供給されたプロセスガスを外部に排気する排気部と、を含み、
前記チャンバ本体は、
前記基板支持シャフトの外周面と前記貫通孔の内側面との間に形成され、前記排気部と連通される排気流路が形成されることを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記プロセスチャンバは、
前記貫通孔を含む前記チャンバ本体の底面に、前記基板支持部が挿入されて設けられるように形成される取り付け溝を含むことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記内部空間に上下移動可能に設けられ、下降を通じて一部が前記取り付け溝に隣接した前記底面と密着して、前記基板支持部が内部に位置する密閉された処理空間を形成するインナーリード部を含み、
前記ガス供給部は、
前記処理空間に前記プロセスガスを供給するように、前記基板支持シャフトの縁に隣接して設けられることを特徴とする請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記プロセスチャンバの前記トップリードを貫通して設けられ、前記インナーリード部の上下移動を駆動するインナーリード駆動部を含むことを特徴とする請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記基板支持プレートと前記取り付け溝との間に設けられ、前記基板支持プレートと前記取り付け溝との離隔空間の一部を充填し、前記処理空間と前記排気流路を連結する取り付け溝排気流路を形成する充填部材を含むことを特徴とする請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記基板支持プレートと前記取り付け溝との間に形成され、前記処理空間と前記排気流路を連結する取り付け溝排気流路が形成されることを特徴とする請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記排気部は、
前記貫通孔の内側面の少なくとも一部に設けられ、前記基板支持シャフトを支持し、前記排気流路と連通する排気空間を形成するように上部が開放された排気本体と、前記排気本体の側面に形成され、前記排気空間に流入された前記プロセスガスを外部に排気する少なくとも一つ以上のガス排気ポートを含むことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置に関し、より詳細には、高圧と低圧との間の変圧を通じて基板処理を行う基板処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
基板処理装置は、ウエハなどの基板に対する工程を処理するものであり、一般に基板に対するエッチング、蒸着、熱処理などを行うことができる。
【0003】
このとき、基板上に蒸着による成膜をする場合、基板の薄形成後の膜内不純物除去及び膜の特性を改善するための工程が求められている。
【0004】
特に、3次元半導体素子、高いアスペクト比を有する基板の登場に応じてステップカバレッジの規格を満たすために蒸着温度をより低温化するか、不純物の含量の高いガスを必然的に使用することより、膜内の不純物除去がさらに難しくなっている実状である。
【0005】
従って、基板上に薄膜形成後の薄膜特性の劣化がなくても薄膜内に存在する不純物を除去して薄膜の特性を改善することができる基板処理方法とこれを行う基板処理装置が求められている。
【0006】
また、基板上の薄膜だけでなく、チャンバ内部に残っている微量の不純物などにより、蒸着される薄膜が汚染されるなどの問題があり、これにより、基板を支持する基板支持部を含むチャンバ内部に対する不純物の除去などが必要である。
【0007】
このような問題点を改善するために、従来の特許文献1は、高圧及び低圧の雰囲気を繰り返し形成し、基板表面及びチャンバ内部の不完全性を低減して薄膜の特性を改善する基板処理方法を開示した。
【0008】
しかし、従来の基板処理装置に前述した基板処理方法を適用する場合、基板を処理する処理空間の容積が比較的大きいため、速い圧力変化速度を実現できない問題があった。
【0009】
即ち、従来の基板処理装置は、低圧である0.01Torrから高圧である5Barレベルの広い圧力範囲を短時間で繰り返し行う工程を実現できないという問題があった。
【0010】
特に、従来基板処理装置は、速い圧力変化速度を実現するために、必須的に処理空間と連通する排気空間が必要とされるが、このような排気空間により処理空間の体積が増加し、速い圧力変化速度を実現できない問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】韓国 特許出願第10-2021-0045294A号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、前記の問題を解決するために、処理空間を排気するための排気空間を最小化し、速い圧力変化速度を実現する基板処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、前記のような本発明の目的を達成するために創出されたものであり、本発明は、上部が開放され、下部面に貫通孔が結合され、内部空間を形成するトップリードを含むプロセスチャンバと、前記プロセスチャンバに設けられ、上面に基板が載置される基板支持プレートと、前記貫通孔を貫通して設けられ、前記基板支持プレートを支持する基板支持シャフトを含む基板支持部と、基板処理のためのプロセスガスを供給するガス供給部と、チャンバ本体の下部に形成され、前記ガス供給部を介して供給されたプロセスガスを外部に排気する排気部と、を含み、前記チャンバ本体は、前記基板支持シャフトの外周面と前記貫通孔の内側面との間に形成され、前記排気部と連通される排気流路が形成される基板処理装置を開示する。
【0014】
前記プロセスチャンバは、前記貫通孔を含む前記チャンバ本体の底面に、前記基板支持部が挿入されて設けられるように形成される取り付け溝を含む。
【0015】
前記内部空間に上下移動可能に設けられ、下降を通じて一部が前記取り付け溝に隣接した前記底面と密着して、前記基板支持部が内部に位置する密閉された処理空間を形成するインナーリード部を含み、前記ガス供給部は、前記処理空間に前記プロセスガスを供給するように、前記基板支持シャフトの縁に隣接して設けられる。
【0016】
前記プロセスチャンバの前記トップリードを貫通して設けられ、前記インナーリード部の上下移動を駆動するインナーリード駆動部を含む。
【0017】
前記基板支持プレートと前記取り付け溝との間に設けられ、前記基板支持プレートと前記取り付け溝との離隔空間の一部を充填し、前記処理空間と前記排気流路を連結する取り付け溝排気流路を形成する充填部材を含む。
【0018】
前記基板支持プレートと前記取り付け溝との間に形成され、前記処理空間と前記排気流路を連結する取り付け溝排気流路が形成される。
【0019】
前記排気部は、前記貫通孔の内側面の少なくとも一部に設けられ、前記基板支持シャフトを支持し、前記排気流路と連通する排気空間を形成するように上部が開放された排気本体と、前記排気本体の側面に形成され、前記排気空間に流入された前記プロセスガスを外部に排気する少なくとも一つ以上のガス排気ポートを含む。
【発明の効果】
【0020】
本発明による基板処理装置は、処理空間が排気空間と連通されて形成されているので、処理空間の体積はもちろん、処理空間と連通された排気空間の体積は、処理空間の圧力調節の所用時間を決定付ける要素であるため、排気空間の体積を最小化し、全体積を低減することによって、広い圧力範囲に対する圧力変化速度を向上させることができる利点がある。
【0021】
また、処理空間と連通し、処理空間を排気する排気部を別途に形成せず、基板支持シャフトが形成される空間を排気部として活用することによって別途の排気空間がなく、排気空間の縮小が可能な利点がある。
【0022】
結果的に、本発明による基板処理装置は、処理空間と連通し、処理空間の圧力を調節するための排気空間を最小化することによって、処理空間の全体積を縮小し、速い圧力変化速度を実現することができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明による基板処理装置の様子を示す断面図である。
【
図2】本発明による基板処理装置のA部分を拡大した拡大断面図である。
【
図3】
図1による基板処理装置による処理空間の圧力変化の様子を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明による基板処理装置について、添付図面を参照して説明すれば以下の通りである。
【0025】
本発明による基板処理装置は、
図1に示されるように、上部が開放され、下部面に貫通孔150が形成されるチャンバ本体110と、前記チャンバ本体110の上部に結合され、内部空間S1を形成するトップリード140を含むプロセスチャンバ100と、前記プロセスチャンバ100に設けられ、上面に基板1が載置される基板支持プレート210と、前記貫通孔150を貫通して設けられ、前記基板支持プレート210を支持する基板支持シャフト220を含む基板支持部200と、基板処理のためのプロセスガスを供給するガス供給部400と、前記チャンバ本体110の下部に形成され、前記ガス供給部400を介して供給されたプロセスガスを外部に排気する排気部500と、を含み、前記チャンバ本体110は、前記基板支持シャフト220外周面と前記貫通孔150内側面と間に形成され、前記排気部500と連通される排気流路が形成される。
【0026】
また、本発明による基板処理装置は、内部空間S1に設けられ、一部がプロセスチャンバ100と密着することによって、内部に基板支持部200が設けられる密閉された処理空間S2を形成するインナーリード部300をさらに含むことができる。
【0027】
また、本発明による基板処理装置は、プロセスチャンバ100の上部面を貫通して設けられ、インナーリード部300の上下移動を駆動するインナーリード駆動部600をさらに含むことができる。
【0028】
また、本発明による基板処理装置は、基板支持部200とプロセスチャンバ100の下部面との間に設けられる充填部材700を含むことができる。
【0029】
ここで、処理対象となる基板1は、LCD、LED、OLEDなどの表示装置に使用する基板、半導体基板、太陽電池基板、ガラス基板などのすべての基板を含む意味である。
【0030】
前記プロセスチャンバ100は、内部に内部空間S1が形成される構成であり、様々な構成が可能である。
【0031】
例えば、前記プロセスチャンバ100は、上部が開放されたチャンバ本体110と、チャンバ本体110の開放された上部を覆蓋してチャンバ本体110とともに密閉された内部空間S1を形成するトップリード140を含むことができる。
【0032】
また、前記プロセスチャンバ100は、内部空間S1の底を形成する底面120と、底面120に基板支持部200が設けられるように形成される取り付け溝130を含むことができる。
【0033】
また、前記プロセスチャンバ100は、下部面に後記する排気部500が設けられる貫通孔150が形成される。
【0034】
また、前記プロセスチャンバ100は、基板1を搬出入するためにチャンバ本体110の一側に形成されるゲートを開閉するためのゲートバルブをさらに含むことができる。
【0035】
前記チャンバ本体110は、上部が開放され、後記するトップリード140と共に内部に密閉された内部空間S1を形成することができる。
【0036】
このとき、前記チャンバ本体110は、アルミニウムをはじめとする金属材質であってもよく、別の例として、石英材質で構成されてもよく、従来開示されたチャンバと共に直方体の形態を有する。
【0037】
前記トップリード140は、上部が開放されたチャンバ本体110の上側に結合され、チャンバ本体110と共に内部に密閉された内部空間S1を形成する構成であってもよい。
【0038】
このとき、前記トップリード140は、チャンバ本体110の形状に対応して平面上、長方形の形態で形成されてもよく、チャンバ本体110と同じ材質で構成されてもよい。
【0039】
また、前記トップリード140は、後記するインナーリード駆動部600が貫通して設けられるように、複数の貫通孔を形成でき、底面に後記するベローズ630の終端が結合され、外部への各種ガス及び異質物の漏れを防止することができる。
【0040】
一方、前記トップリード140構成が省略され、前記チャンバ本体110が内部に密閉された内部空間S1を形成する一体型に形成されてもよいことは言うまでもない。
【0041】
前記プロセスチャンバ100は、内側の下部面が内部空間S1の底を形成する底面120と、底面120に後記する基板支持部200が設けられるように形成される取り付け溝130と、を含むことができる。
【0042】
より具体的に、前記プロセスチャンバ100は、
図1に示されるように、下部面の中心側に後記する基板支持部200に対応して、段差を有して取り付け溝130が形成さてもよく、取り付け溝130の縁に底面120が構成されてもよい。
【0043】
即ち、前記プロセスチャンバ100は、内側の下部面に基板支持部200が設けられるための取り付け溝130が段差を有して形成され、それ以外の部分は、底面120として定義され、取り付け溝130より高い高さに形成される。
前記ゲートバルブは、基板1を搬出入するために、チャンバ本体110の一側に形成されるゲートを開閉するための構成であり、様々な構成が可能である。
【0044】
このとき、前記ゲートバルブは、上下駆動及び前後退駆動を通じてチャンバ本体110と密着又は解除されることにより、ゲートを閉鎖又は開放することができ、別の例として、対角線方向への単一駆動を通じてゲートを開放又は閉鎖することができ、この過程で、シリンダー、カム、電磁気など従来開示された様々な形態の駆動方法を適用することができる。
【0045】
前記貫通孔150は、プロセスチャンバ100の下部面に形成される構成であり、より具体的には、プロセスチャンバ100の下部面に形成され、後記する処理空間S2と連通することによって、処理空間S2を排気するための排気部500を設けることができる。
【0046】
即ち、前記貫通孔150は、プロセスチャンバ100の下部面に形成され、後記するインナーリード部300の下降を通じて形成される処理空間S2と連通し、排気部500が設けられる。
【0047】
一方、前記貫通孔150は、後記する基板支持部200の基板支持シャフト220が貫通して設けられ、これにより、基板支持シャフト220と貫通孔150の内側面と間に形成される排気流路を介して処理空間S2のプロセスガスを排気することができる。
【0048】
前記基板支持部200は、プロセスチャンバ100に設けられ、上面に基板1が載置される構成であり、様々な構成が可能である。
【0049】
即ち、前記基板支持部200は、上面に基板1を載置させることで、処理される基板1を支持して、基板処理過程で固定することができる。
【0050】
また、前記基板支持部200は、内部にヒータを備え、基板処理のための処理空間S2の温度の雰囲気を形成することができる。
【0051】
例えば、前記基板支持部200は、上面に前記基板1が載置される平面上、円形の基板支持プレート210と、前記プロセスチャンバ100の下部面を貫通して、前記基板支持プレート210と連結される基板支持シャフト220と、を含むことができる。
【0052】
また、前記基板支持部200は、基板支持プレート210内に設けられ、基板支持プレート210に載置される基板1を加熱するヒータを含むことができる。
【0053】
前記基板支持プレート210は、上面に基板1が載置される構成であり、基板1の形状に対応して、平面上、円形であるプレート構成であってもよい。
【0054】
このとき、前記基板支持プレート210は、内部にヒータが備えられ、処理空間S2に基板処理のためのプロセス温度を造成することができ、このときのプロセス温度は約400℃~550℃であってもよい。
【0055】
前記基板支持シャフト220は、プロセスチャンバ100の貫通孔150を貫通して、基板支持プレート210と連結される構成であり、様々な構成が可能である。
【0056】
前記基板支持シャフト220は、プロセスチャンバ100の下部面を貫通して、基板支持プレート210と結合することができ、内部にヒータに電源を供給するための各種導線を設けることができる。
【0057】
一方、本発明による基板処理装置は、
図3に示されるように、高圧と低圧の圧力の雰囲気を短時間内に繰り返し変化させて造成する基板処理を行うための装置であり、より具体的には、5Barから0.01Torrの圧力範囲を1Bar/sレベルの圧力変化速度に繰り返し変化させなければならない必要がある。
【0058】
しかし、チャンバ本体110の内部空間S1の膨大な空間体積を考慮するとき、前述した圧力変化速度を達成できないところ、基板処理のための処理空間S2の体積を最小化しなければならない必要性がある。
【0059】
そのために、本発明による基板処理装置は、前記内部空間S1に上下移動可能に設けられ、下降を通じて一部が前記プロセスチャンバ100と密着して、前記基板支持部200が内部に位置する密閉された処理空間S2を形成するインナーリード部300を含む。
【0060】
前記インナーリード部300は、内部空間S1に上下移動可能に設けられ、下降を通じて一部がプロセスチャンバ100と密着して、基板支持部200が内部に位置する密閉された処理空間S2を形成する構成であってもよい。
【0061】
即ち、前記インナーリード部300は、内部空間S1の基板支持部200の上側で上下移動可能に設けられ、下降を通じてプロセスチャンバ100の内部面の少なくとも一部と密着することによって、プロセスチャンバ100の内側下部面との間に密閉された処理空間S2を必要に応じて形成することができる。
【0062】
これにより、前記基板支持部200は、処理空間S2内に位置することができ、基板支持部200に載置される基板1に対する基板処理を体積が最小化された処理空間S2内で行うことができる。
【0063】
一例として、前記インナーリード部300は、下降を通じて縁が底面120に密着することによって、底面とプロセスチャンバ100の内側下部面との間で密閉された処理空間S2を形成することができる。
【0064】
一方、別の例として、前記インナーリード部300は、下降を通じて縁がプロセスチャンバ100の内側面に密着することによって、密閉された処理空間S2を形成することもできることは言うまでもない。
【0065】
前記インナーリード部300は、下降を通じて縁が底面120に密着して、密閉された処理空間S2を形成し、取り付け溝130に設けられる基板支持部200を処理空間S2内に配置することができる。
【0066】
即ち、前記インナーリード部300は、
図1に示されるように、下降を通じて縁が取り付け溝130と段差を有して高い位置に位置する底面120に密着することによって、底面と取り付け溝130との間に密閉された処理空間S2を形成することができる。
【0067】
このとき、取り付け溝130に基板支持部200、より具体的には、基板支持プレート210と、充填部材700が設けられることによって、処理空間S2の体積を最小化し、上面に処理対象の基板1を位置させることができる。
【0068】
この過程で、処理空間S2の体積を最小化するために、取り付け溝130は、処理空間S2が設けられる基板支持部200に対応する形状で形成されてもよく、より具体的には、円形の基板支持プレート210に対応して円柱状の形態を有する溝で形成されてもよい。
【0069】
即ち、取り付け溝130が形成する設置空間中の基板支持プレート210及び充填部材700が設けられる空間を除いた残余空間が最小化されるように、基板支持プレート210の形状に対応する形状に形成することができる。
【0070】
この過程で、基板支持プレート210の上面に載置される基板1とインナーリード部300との間の干渉を防止するために、底面120の高さは、基板支持部200に載置される基板1の上面より高い位置に形成することができる。
【0071】
一方、基板支持部200に載置される基板1とインナーリード部300の底面との間の間隔が広くなるほど、処理空間S2の体積も大きくなることを意味するので、基板1とインナーリード部300との間の干渉が防止されながらも、これらの間隔が最小化となる位置に底面120の高さを設定することができる。
前記インナーリード部300は、インナーリード駆動部600を介して上下移動する構成であり、様々な構成が可能である。
【0072】
前記インナーリード部300は、インナーリード駆動部600を介して内部空間内で上下移動可能な構成であってもよい。
【0073】
このとき、前記インナーリード部300は、平面上、取り付け溝130を覆い、縁が底面120一部に対応する大きさに形成することができ、縁が底面120に密着することによって取り付け溝130との間に密閉された処理空間S2を形成することができる。
【0074】
一方、前記インナーリード部300は、別の例として、縁がプロセスチャンバ100の内側面に密着して、処理空間S2を形成することもできることは言うまでもない。
【0075】
また、前記インナーリード部300は、上下移動により形成される密閉された処理空間S2内のプロセス温度を効果的に達成及び維持するために、処理空間S2の温度が内部空間などに失われることを防止することができる断熱効果に優れた材質で形成することができる。
【0076】
前記シール部900は、インナーリード部300又はプロセスチャンバ100底面120の少なくとも一つに備えられる構成であり、プロセスチャンバ100の底面120とインナーリード部300が密着する位置に対応して備えられる。
【0077】
即ち、前記シール部900は、インナーリード部300の縁が底面120に接触して密閉された処理空間S2を形成する場合、インナーリード部300の底面の縁に沿って備えられ、底面120との間に接触することができる。
【0078】
これにより、前記シール部900は、密閉された処理空間S2が形成されるように誘導することができ、処理空間S2のプロセスガスなどが非処理空間S1等の外部に流出されることを防止することができる。
【0079】
例えば、前記シール部900は、インナーリード部300の底面の縁に沿って備えられる第1シール部材910と、第1シール部材910に一定間隔の離隔された位置に備えられる第2シール部材920と、を含むことができる。
【0080】
このとき、前記第1シール部材910及び前記第2シール部材920は、従来開示された形態のOリングであり、インナーリード部300の底面の縁に沿って互いに一定間隔で離隔して並んで設けられ得る。
【0081】
即ち、前記第1シール部材910及び前記第2シール部材920は、二重で処理空間S2に対するシールを行うことによって、処理空間S2から外部へのプロセスガスなどの流出を遮断することができる。
【0082】
一方、前記シール部900は、底面120に備えられる挿入溝に挿入されて設けられ、インナーリード部300の上下移動によりインナーリード部300と密着又は分離される。
【0083】
別の例として、シール部900をインナーリード部300の底面に設けることができることは言うまでもない。
【0084】
前記ガス供給部400は、処理空間S2と連通され、処理空間S2にプロセスガスを供給する構成であり、様々な構成が可能である。
【0085】
例えば、前記ガス供給部400は、処理空間S2に露出され、処理空間S2内にプロセスガスを供給するガス供給ノズル410と、プロセスチャンバ100を貫通してガス供給ノズル410と連結され、ガス供給ノズル410を介して供給されるプロセスガスを伝達するガス供給流路420を含むことができる。
【0086】
このとき、前記ガス供給部400は、
図1に示されるように、取り付け溝130の縁に基板支持部200に隣接して設けられ、これにより、処理空間S2にプロセスガスを供給することができる。
【0087】
一方、これにより、処理空間S2は、インナーリード部300の底面の一部とガス供給部400及び基板支持部200の上面の間に形成することができる。
前記ガス供給ノズル410は、処理空間S2に露出され、処理空間S2内にプロセスガスを供給する構成であり、様々な構成が可能である。
【0088】
例えば、前記ガス供給ノズル410は、取り付け溝130の縁に基板支持プレート210の側面に隣接するように設けられ、上側又は基板支持プレート210側にプロセスガスを噴射し、処理空間S2内にプロセスガスを供給することができる。
【0089】
このとき、前記ガス供給ノズル410は、取り付け溝130の縁に基板支持プレート210を囲むように備えられ、平面上、基板支持プレート210の側面の少なくとも一部からプロセスガスを噴射することができる。
【0090】
一例として、前記ガス供給ノズル410は、取り付け溝130の縁でインナーリード310の底面に向けてプロセスガスを噴射することができ、処理空間S2の最小化された体積に応じて処理空間S2を短時間内に所望の圧力に造成するためにプロセスガスを供給することができる。
【0091】
前記ガス供給流路420は、プロセスチャンバ100の下部面を貫通して外部のプロセスガス保存部と連結され、プロセスガスが伝達され、プロセスガス供給ノズル410に供給することができる。
【0092】
このとき、前記ガス供給流路420は、プロセスチャンバ100の下部面を貫通して設けられる配管であってもよく、別の例として、プロセスチャンバ100の下部面を加工して形成することができる。
【0093】
前記インナーリード駆動部600は、プロセスチャンバ100の上部面を貫通して設けられてインナーリード部300の上下移動を駆動する構成であり、様々な構成が可能である。
【0094】
例えば、前記インナーリード駆動部600は、一端がプロセスチャンバ100の上部面を貫通して、インナーリード部300に結合される複数の駆動ロッド610と、複数の駆動ロッド610の他端に連結され、駆動ロッド610を上下方向に駆動する少なくとも一つの駆動源620を含むことができる。
【0095】
また、前記インナーリード駆動部600は、プロセスチャンバ100の上部面、即ちトップリード140に設けられ、前記駆動ロッド610の終端を固定して支持する固定支持部640と、プロセスチャンバ100の上部面とインナーリード部300との間に駆動ロッド610を囲むように設けられるベローズ630をさらに含むことができる。
【0096】
前記駆動ロッド610は、一端がプロセスチャンバ100の上部面を貫通してインナーリード部300に結合され、他端がプロセスチャンバ100の外部で駆動源620に結合され、駆動源620を介して上下移動を通じてインナーリード部300を上下に駆動する構成であってもよい。
【0097】
このとき、前記駆動ロッド610は、複数個、より具体的には、2個又は4個がインナーリード部300の上面に一定の間隔で結合して、インナーリード部300が水平を維持して上下移動するように誘導することができる。
前記駆動源620は、固定支持部640に設けられて結合する駆動ロッド610を上下に駆動する構成であり、様々な構成が可能である。
【0098】
前記駆動源620は、従来開示された駆動方式であればどのような構成でも適用可能であり、例えば、シリンダー方式、電磁気駆動、スクリューモータ駆動、カム駆動など様々な駆動方式を適用することができる。
【0099】
前記ベローズ630は、プロセスチャンバ100の上部面とインナーリード部300との間に駆動ロッド610を囲むように設けられ、内部空間S1のガスなどがプロセスチャンバ100の上部面を介して漏れることを防止する構成であってもよい。
【0100】
このとき、前記ベローズ630は、インナーリード部300の上下移動を考慮して設けられる。
【0101】
前記排気部500は、貫通孔150に基板支持シャフト220を囲んで設けられ、プロセスガスを外部に排気する構成であり、様々な構成が可能である。
【0102】
例えば、前記排気部500は、
図1に示されるように、前記貫通孔150の内側面の少なくとも一部に設けられて前記基板支持シャフト220を支持し、前記排気流路と連通する前記排気空間S4を形成するように上部が開放された排気本体510と、前記排気本体510側面に形成され、前記排気空間S4に流入された前記プロセスガスを外部に排気する少なくとも一つ以上のガス排気ポートを含むことができる。
【0103】
即ち、前記排気部500は、プロセスチャンバ100の貫通孔150に設けられ、内部に処理空間S2と連通する排気空間S4が形成することができる。
【0104】
このとき、前記排気本体510は、プロセスチャンバ100の貫通孔150に基板支持シャフト220を囲むように設けられ、インナーリード部300の下降により形成される処理空間S2と取り付け溝排気流路S3を介して連通することができる。
【0105】
また、前記排気本体510は、前述した基板支持シャフト220を介して基板支持プレート210に設けられるヒータと連結される各種導線が貫通して設けられるように下部貫通孔511を形成することができる。
【0106】
前記排気本体510は、処理空間S2の圧力状態に応じてそれぞれ異なるガス排気ポートを設けてもよく、処理空間S2の常圧より高い高圧ガスに対する排気を行う場合、外部排気装置と連結され、高圧のプロセスガスを排気する高圧排気ポート520と、処理空間S2の常圧より低い低圧ガスに対する排気を行う場合、外部真空ポンプと連結され、低圧のプロセスガスを排気する低圧排気ポート530と、を備えることができる。
【0107】
一方、前述したように、基板支持部200が取り付け溝130に設けられる場合、基板支持部200、より具体的には、基板支持プレート210と取り付け溝130との間に空間が形成され、取り付け溝排気流路S3の体積が増加し、これは直ぐに処理空間S2の体積が増加する要因となり得る。
【0108】
このような問題点を改善するために、単純に基板支持部200を取り付け溝130に接触して設ける場合、基板支持部200内に存在するヒータを介して供給する熱をプロセスチャンバ100の下部面、即ち取り付け溝130を介してプロセスチャンバ100に奪われて熱損失が発生し、処理空間S2に対するプロセス温度設定及び維持が難しく、効率が低下される問題があった。
【0109】
このような問題点を改善するために、本発明による前記充填部材700は、基板支持部200とプロセスチャンバ100の下部面との間に設けられる構成であり、様々な構成が可能である。
【0110】
例えば、前記充填部材700は、取り付け溝130に設けられ、取り付け溝130に設けられた状態で、基板支持プレート210が上側に設けられ、取り付け溝130と基板支持プレート210との間の残余体積を最小化して、取り付け溝排気流路S3及び処理空間S2の体積を減らすことができる。
【0111】
そのために、前記充填部材700は、前記処理空間S2が最小化されるように、前記取り付け溝130と前記基板支持部200との間の間空間に対応する形状に形成することができる。
【0112】
より具体的に、前記充填部材700は、平面上円形であり、底面120から一定の深さを有するように段差を有して形成される取り付け溝130と平面上円形の基板支持プレート210との間の間空間に対応する形状に形成することができる。
【0113】
一方、前記充填部材700は、石英、セラミック及びSUSの少なくとも一つの材質で形成することができる。
【0114】
また、前記充填部材700は、単純に処理空間S2の体積を最小化するために取り付け溝130と基板支持部200との間の空間を占めるだけでなく、断熱を通じて基板支持部200を介して基板1に伝達される熱の損失を最小化し、さらに熱反射を通じて処理空間S2への失われる熱を反射することができる。
【0115】
一方、前記充填部材700は、基板支持部200の側面及び底面との間で取り付け溝排気流路S3を形成するために、前記基板支持プレート210の側面及び底面の少なくとも一つに隣接して設けられ、前記基板支持プレート210から離隔され、前記基板支持プレート210の底面及び側面を囲むように形成されて設けることができる。
【0116】
以下、本発明のプロセスガスに対する排気のための取り付け溝排気流路S3について添付図面を参照して詳細に説明すれば以下の通りである。
【0117】
前記取り付け溝排気流路S3は、基板支持部200とプロセスチャンバ100の内側の下部面の間に排気部500と連通されるように形成することができる。
【0118】
即ち、前記取り付け溝排気流路S3は、基板支持部200の前述した基板支持プレート210の側面及び底面とプロセスチャンバ100の内側下の部面との間に形成することができ、このとき、形成される取り付け溝排気流路S3は、排気部500が設けられるプロセスチャンバ100の貫通孔150に連通され、プロセスガスを排気部500の排気空間S4に伝達することができる。
【0119】
一方、より具体的に、前記取り付け溝排気流路S3は、取り付け溝130に設けられる基板支持プレート210の側面及び底面と取り付け溝130の内壁との間に沿って形成することができる。
【0120】
また、別の例として、
図2に示されるように、取り付け溝130に充填部材700が設けられ、基板支持プレート210の側面及び底面と充填部材700の対向面との間に沿って形成することができる。
【0121】
このとき、処理空間S2の体積を最小化しながらも円滑な排気を行うために、取り付け溝排気流路S3の体積を予め設定された水準に形成することができ、そのために充填部材700と基板支持プレート210との間の間隔を調節することができる。
【0122】
一方、前記取り付け溝排気流路S3は、
図2に示されるように、充填部材700の終端と基板支持シャフト220と基板支持プレート210との間の結合位置で排気空間S4と連結され、水平移動から垂直方向に移動方向が変化することができる。
【0123】
このとき、排気されるプロセスガスの排気流れを維持し、逆流を防止するために、基板支持シャフト220と基板支持プレート210との間の結合位置に排気ガスの流れを誘導するガイド面230を形成することができ、このときのガイド面230は、水平の排気ガス進行方向を下側垂直方向に切り替えるように対応する角度で形成することができる。
【0124】
また、前記ガイド面230に対向する充填部材700の終端の境界部710に、前記ガイド面230に対応して水平方向から垂直方向に傾斜を有するように傾斜面を形成することができる。
【0125】
一方、取り付け溝排気流路S3を通過した排気ガスの円滑な排気部500内での下側方向への移動を誘導するために、様々な実施例を適用することができる。
【0126】
一例として、
図2に示されるように、充填部材700の基板支持シャフト220側の終端と基板支持シャフト220との第1水平距離D1が、排気部500の内側面と基板支持シャフト220との第2水平距離D2より小さくなるように形成することで、充填部材700の終端から排気空間S4側に円滑に排気ガスの流れが誘導される。
【0127】
以上、本発明によって具現することができる好ましい実施例の一部について説明したもの過ぎず、周知のように本発明の範囲は前記実施例に限定されて解釈されるべきではなく、前述した本発明の技術的思想とその根本を合わせた技術的思想は、すべて本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0128】
1 基板
100 プロセスチャンバ
200 基板支持部
300 インナーリード部
400 ガス供給部
500 排気部
600 インナーリード駆動部
700 充填部材