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特開2023-43310粒子層形成装置、現像装置、及び、画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023043310
(43)【公開日】2023-03-29
(54)【発明の名称】粒子層形成装置、現像装置、及び、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20230322BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20230322BHJP
【FI】
G03G15/08 226
G03G15/08 300
G03G21/16 176
G03G21/16 161
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021150841
(22)【出願日】2021-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100117215
【弁理士】
【氏名又は名称】北島 有二
(72)【発明者】
【氏名】加藤 博秋
(72)【発明者】
【氏名】河崎 明博
(72)【発明者】
【氏名】山田 晋太郎
【テーマコード(参考)】
2H077
2H171
【Fターム(参考)】
2H077AC04
2H077AD06
2H077AD13
2H077AD17
2H077AD22
2H077AE03
2H077AE08
2H077DB25
2H077EA12
2H077GA03
2H171FA13
2H171GA01
2H171GA19
2H171GA20
2H171HA02
2H171JA06
2H171QA03
2H171QA08
2H171QA24
2H171QB03
2H171QB32
2H171QC03
2H171XA06
2H171XA12
2H171XA15
2H171XA20
(57)【要約】
【課題】粒子担持体の表面に担持される粒子を、充分に薄く安定した層厚のものに規制する。
【解決手段】感光体ドラム21(被供給体)の表面にトナー像(粒子層)を形成する現像装置26(粒子層形成装置)であって、感光体ドラム21に当接(又は、対向)して、所定の回転方向に回転する現像ローラ26a(粒子担持体)が設けられている。また、現像ローラ26aに対して第1当接部N1(当接部)で当接して、上述した回転方向に対して逆方向に回転して現像ローラ26aにトナー(粒子)を供給する供給ローラ26b(粒子供給回転体)が設けられている。さらに、第1当接部N1に対して供給ローラ26bの回転方向上流側で供給ローラ26bに当接する第1規制部26d(規制部材)が設けられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被供給体の表面に粒子層を形成する粒子層形成装置であって、
前記被供給体に当接又は対向して、所定の回転方向に回転する粒子担持体と、
前記粒子担持体に対して当接部で当接して、前記回転方向に対して逆方向に回転して前記粒子担持体に粒子を供給する粒子供給回転体と、
前記当接部に対して前記粒子供給回転体の回転方向上流側で前記粒子供給回転体に当接する規制部材と、
を備えたことを特徴とする粒子層形成装置。
【請求項2】
前記当接部に対して前記回転方向の上流側で前記粒子担持体に当接する第2規制部材を備えたことを特徴とする請求項1に記載の粒子層形成装置。
【請求項3】
前記規制部材は、前記第2規制部材が一体的に形成された板状部材であることを特徴とする請求項2に記載の粒子層形成装置。
【請求項4】
前記当接部は、前記粒子担持体に対して下方に位置して、
前記第2規制部材は、前記粒子担持体に対して下方に当接することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の粒子層形成装置。
【請求項5】
前記規制部材は、少なくとも前記粒子供給回転体に当接する部分がメッシュ状に形成されたことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれかに記載の粒子層形成装置。
【請求項6】
前記規制部材は、その全面にわたって複数の円形の穴部が形成されたメッシュ状部材であることを特徴とする請求項5に記載の粒子層形成装置。
【請求項7】
前記規制部材は、前記穴部の穴径をMとして、前記粒子の粒子径をDとしたときに、
D<M<5×D
なる関係が成立することを特徴とする請求項6に記載の粒子層形成装置。
【請求項8】
前記規制部材は、前記粒子供給回転体の外周面に沿って円弧状に延在するように形成されたことを特徴とする請求項1~請求項7のいずれかに記載の粒子層形成装置。
【請求項9】
前記粒子供給回転体と前記規制部材との間に、前記粒子供給回転体に担持された粒子を前記規制部材の側に離間させるように電界を形成することを特徴とする請求項1~請求項8のいずれかに記載の粒子層形成装置。
【請求項10】
請求項1~請求項9のいずれかに記載の粒子層形成装置としての現像装置であって、
前記被供給体としての感光体の表面に形成された潜像に粒子層としてのトナー像を形成して、
前記粒子担持体は、トナーを担持する現像ローラであることを特徴とする現像装置。
【請求項11】
請求項10に記載の現像装置と、前記感光体と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
前記現像装置は、前記感光体の表面に残存した未転写トナーを回収可能に構成されたことを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、感光体ドラムなどの被供給体の表面にトナー像などの粒子層を形成する粒子層形成装置と、感光体の表面に形成された潜像にトナー像を形成する現像装置と、それを備えた画像形成装置と、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置に設置される現像装置(粒子層形成装置)において、感光体ドラム(被供給体)に当接又は対向する粒子担持体(現像ローラ)や、粒子担持体の表面に粒子(トナー)を供給する粒子供給回転体(供給ローラ)などで構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
詳しくは、特許文献1における現像装置(粒子層形成装置)は、感光体ドラム(被供給体)に当接する現像ローラ(粒子担持体)や、現像ローラの表面に担持されたトナー(粒子)の量を規制するドクターブレードや、ドクターブレードに対して回転方向上流側の位置で現像ローラに当接する供給ローラ(粒子供給回転体)、などで構成されている。
そして、供給ローラによって現像ローラの表面に供給され担持されたトナーが、ドクターブレードの位置で、適量に規制される。そして、現像ローラの表面に適量に担持されたトナーの一部が、感光体ドラムとの対向位置で、感光体ドラムの表面に形成された潜像に供給されて、感光体ドラムの表面に所望のトナー像が形成される。
【0004】
一方、特許文献2には、安定した良好な画像を得ることを目的として、静電潜像の階調の変化1段階当たりトナー1粒子を供給する現像方法が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の技術は、粒子担持体(現像ローラ)の表面に担持される粒子(トナー)を、充分に薄く安定した層厚のものに規制することができなかった。そのため、被供給体(感光体ドラム)に層厚が厚くて不均一な粒子層が形成されてしまう不具合、などが生じてしまっていた。
【0006】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、粒子担持体の表面に担持される粒子を、充分に薄く安定した層厚のものに規制することができる、粒子層形成装置、現像装置、及び、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明における粒子層形成装置は、被供給体の表面に粒子層を形成する粒子層形成装置であって、前記被供給体に当接又は対向して、所定の回転方向に回転する粒子担持体と、前記粒子担持体に対して当接部で当接して、前記回転方向に対して逆方向に回転して前記粒子担持体に粒子を供給する粒子供給回転体と、前記当接部に対して前記粒子供給回転体の回転方向上流側で前記粒子供給回転体に当接する規制部材と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、粒子担持体の表面に担持される粒子を、充分に薄く安定した層厚のものに規制することができる、粒子層形成装置、現像装置、及び、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。
図2】作像部を示す断面図である。
図3】現像装置の要部に示す拡大図である。
図4】規制部材における表面の一部を示す拡大図である。
図5】変形例1としての、現像装置の要部に示す拡大図である。
図6】変形例2としての、現像装置の要部に示す拡大図である。
図7】変形例3としての、薬剤供給装置の一部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0011】
まず、図1にて、画像形成装置1における全体の構成・動作について説明する。
本実施の形態における画像形成装置1は、複数のプロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKが中間転写ベルト40に対向するように並設されたタンデム型のカラー画像形成装置である。また、複数のプロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKの感光体ドラム21に対向するように粒子層形成装置としての現像装置26(図2参照)が設置されている。
【0012】
図1において、1は画像形成装置としてのカラー複写機の装置本体、2は原稿を原稿読込部3に搬送する原稿搬送部、3は原稿の画像情報を読み込む原稿読込部、4は入力画像情報に基づいたレーザ光L(図2参照)を発する書込み部(露光部)、を示す。
また、20Y、20M、20C、20BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応したプロセスカートリッジ、40は複数色のトナー像が重ねて転写される中間転写ベルト、を示す。
また、61は用紙等のシートPが収納される給紙装置、65は中間転写ベルト40上に形成されたトナー像をシートPに転写する2次転写ローラ、66はシートP上の未定着画像を定着する定着装置、70は複数のプロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKに対応した各現像装置26に各色のトナーを補給するためのトナー容器、を示す。
【0013】
ここで、図2を参照して、各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKは、それぞれ、被供給体としての感光体ドラム21(像担持体)と、帯電装置22と、が一体化されたものである。そして、各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKは、寿命に達したときに画像形成装置本体1に対して交換される。
また、各現像装置26(粒子層形成装置)は、各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKの感光体ドラム21(被供給体)にそれぞれ対向するように設置されている。そして、現像装置26は、寿命に達したときに画像形成装置本体1に対して交換される。なお、画像形成装置本体1に対する現像装置26の着脱操作と、画像形成装置本体1に対するプロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKの着脱操作と、はそれぞれ別々に独立しておこなうことができる。
各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKにおける感光体ドラム21(被供給体)上では、それぞれ、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される。
【0014】
以下、画像形成装置における、通常のカラー画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿は、原稿搬送部2の搬送ローラによって、原稿台から搬送されて、原稿読込部3のコンタクトガラス上に載置される。そして、原稿読込部3で、コンタクトガラス上に載置された原稿の画像情報が光学的に読み取られる。
そして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み部4に送信される。そして、書込み部4からは、各色の画像情報に基づいたレーザ光L(露光光)が、それぞれ、対応するプロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKの感光体ドラム21(図2参照)の表面に向けて照射される。
【0015】
一方、4つの感光体としての感光体ドラム21は、それぞれ、図1図2の時計方向に回転している。そして、まず、感光体ドラム21の表面は、帯電装置22(帯電ローラ)との対向位置で、一様に帯電される(帯電工程である。)。こうして、感光体ドラム21上には、帯電電位が形成される。その後、帯電された感光体ドラム21の表面は、それぞれの書込み部4によるレーザ光Lの照射位置に達して、その位置で画像情報に基づいた静電潜像が形成される(露光工程である。)。
【0016】
イエロー成分に対応したレーザ光は、紙面左側から1番目のプロセスカートリッジ20Yの感光体ドラム21の表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザ光は、高速回転するポリゴンミラーにより、感光体ドラム21の回転軸方向(主走査方向)に走査される。こうして、帯電装置22にて帯電された後の感光体ドラム21上には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。
同様に、シアン成分のレーザ光は、紙面左から2番目のプロセスカートリッジ20Cの感光体ドラム21の表面に照射されて、シアン成分の静電潜像が形成される。マゼンタ成分に対応したレーザ光は、紙面左から3番目のプロセスカートリッジ20Mの感光体ドラム21の表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光は、紙面左から4番目のプロセスカートリッジ20BKの感光体ドラム21の表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
【0017】
その後、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム21の表面は、それぞれ、現像装置26との対向位置に達する。そして、各現像装置26から感光体ドラム21上に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム21上の潜像が現像される(現像工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム21の表面は、それぞれ、中間転写ベルト40との対向位置に達する。ここで、それぞれの対向位置には、中間転写ベルト40の内周面に当接するように1次転写ローラ24が設置されている。そして、1次転写ローラ24の位置で、中間転写ベルト40上に、感光体ドラム21上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(1次転写工程である。)。
【0018】
そして、その後、1次転写工程後の感光体ドラム21の表面は、それぞれ、除電装置(不図示)の位置で残留電位が除電される。
その後、感光体ドラム21の表面は、それぞれ、現像装置26との対向位置に達する。そして、現像装置26で、感光体ドラム21上に残存する未転写トナーが回収される(クリーニング工程である。)。このように、本実施の形態における現像装置26は、感光体ドラム21(感光体)の表面に残存した未転写トナーを回収可能に構成されている。すなわち、本実施の形態における画像形成装置1は、クリーナレス方式が採られている。
こうして、感光体ドラム21における一連の作像プロセスが終了する。
【0019】
他方、感光体ドラム21上の各色の画像が重ねて転写された中間転写ベルト40の表面は、図中の矢印方向に走行して、2次転写ローラ65の位置に達する。そして、2次転写ローラ65の位置で、シートP上に中間転写ベルト40上のフルカラーの画像が2次転写される(2次転写工程である。)。
その後、中間転写ベルト40の表面は、中間転写ベルトクリーニング装置の位置に達する。そして、中間転写ベルト40上の未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング装置に回収されて、中間転写ベルト40上の一連の転写プロセスが完了する。
【0020】
ここで、2次転写ローラ65の位置に搬送されるシートPは、給紙装置61からレジストローラ64等を経由して搬送されるものである。
詳しくは、シートPを収納する給紙装置61から、給紙ローラ62により給送されたシートPが、搬送路を通過した後に、レジストローラ64の位置に導かれる。レジストローラ64の位置に達したシートPは、中間転写ベルト40上のトナー像とタイミングを合わせて、2次転写ローラ65の位置に向けて搬送される。
【0021】
その後、フルカラー画像が転写されたシートPは、定着装置20の位置に導かれる。そして、定着装置20において、定着ローラと加圧ローラとのニップにて、カラー画像がシートP上に定着される。
そして、定着工程後のシートPは、排紙ローラ69によって装置本体1外に出力画像として排出された後に、排紙トレイ5上にスタックされて、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0022】
次に、図2にて、画像形成装置の作像部について詳述する。
なお、画像形成装置本体1に設置される4つの作像部は、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる以外はほぼ同一構造であるので、プロセスカートリッジや現像装置(粒子層形成装置)などの構成部材における符号のアルファベット(Y、M、C、BK)を除して図示する。
【0023】
図2に示すように、プロセスカートリッジ20は、主として、被供給体としての感光体ドラム21(感光体)と、帯電装置22と、がケースに一体的に収納されている。
なお、先に説明したように、本実施の形態における作像部は、クリーナレス方式の作像部であって、感光体ドラム21上の未転写トナー(残留トナー)を清掃する専用のクリーニング装置(クリーニングブレード)は設置されておらず、そのようなクリーニング装置としての機能を現像装置26が担っている。
【0024】
被供給体としての感光体ドラム21は、負帯電性の有機感光体であって、ドラム状導電性支持体上に感光層等を設けたものである。
帯電装置22は、導電性芯金の外周に中抵抗の弾性層を被覆してなる帯電ローラである。そして、この帯電装置22(帯電ローラ)に電源部から所定の電圧が印加されて、これにより対向する感光体ドラム21の表面を一様に帯電する。
【0025】
図2に示すように、粒子層形成装置としての現像装置26は、主として、粒子担持体(現像剤担持体)としての現像ローラ26aが感光体ドラム21に対して所定の圧接力で接触するように配置されていて、現像ローラ26aと感光体ドラム21との間(現像ニップ)には現像領域が形成される。現像装置26内には、粒子としてのトナーT(非磁性又は磁性の1成分現像剤である。)が収容されている。そして、現像装置26は、感光体ドラム21の表面に形成される静電潜像を現像する(トナー像を形成する。)。
【0026】
以下、本実施の形態において特徴的な、粒子層形成装置としての現像装置26の構成・動作について詳しく説明する。
本実施の形態における現像装置26は、被供給体の表面に粒子層を形成する粒子層形成装置として機能している。具体的に、先に図1等を用いて説明したように、現像装置26は、被供給体としての感光体(感光体ドラム21)の表面に形成された潜像に粒子層としてのトナー像を形成するものである。
【0027】
ここで、図2を参照して、本実施の形態における現像装置26は、接触1成分現像方式の現像装置であって、プロセスカートリッジ20とは別に、画像形成装置本体1に対して着脱可能(交換可能)に設置される。
図2図3に示すように、現像装置26は、粒子担持体としての現像ローラ26a(現像剤担持体)、粒子供給回転体としての供給ローラ26b、第1規制部26d(規制部材)と第2規制部26e(第2規制部材)とからなる規制ブレード26c、等で構成されている。
【0028】
粒子担持体としての現像ローラ26aは、その表面に粒子としてのトナーT(現像剤)を担持して、所定の回転方向(図2の反時計方向である。)に回転して感光体ドラム21上に形成された静電潜像にトナーTを供給する。本実施の形態において、現像ローラ26a(粒子担持体)は、感光体ドラム21(被供給体)に当接するように配設されている。
現像ローラ26aとしては、ステンレス鋼等の導電性金属材料で形成された回転軸部(芯金)上に、導電性を有する弾性材料からなるローラ部を具備したものを用いることができる。
【0029】
粒子供給回転体としての供給ローラ26bは、現像ローラ26a(粒子担持体)に対して当接部としての第1当接部N1(現像ローラ26aに対して下方の位置である。)で当接している。すなわち、供給ローラ26bは、現像ローラ26aに対して下方の位置で当接している。
この供給ローラ26bは、現像ローラ26aの回転方向に対して逆方向(図2図3の時計方向である。)に回転して現像ローラ26a(粒子担持体)にトナーT(粒子)を供給する粒子供給回転体として機能している。すなわち、供給ローラ26bは、現像ローラ26aの回転方向に対して連れ回り方向に回転しながら、現像ローラ26aにトナーTを供給するローラ部材である。
【0030】
なお、供給ローラ26bとしては、芯金上に、導電性を有する発泡ポリウレタン層(電気抵抗値が103~1014Ω程度のものである。)が積層されたものを用いることができる。
また、図示は省略するが、現像ローラ26aと供給ローラ26bとの各軸部にはギアが設置されていて、互いのギアが噛合するように構成されている。そして、これらのギア列に駆動モータ91(駆動手段)から駆動力が入力されて、現像ローラ26aと供給ローラ26bとがそれぞれ図2図3の矢印方向に回転駆動される。
【0031】
規制ブレード26cは、規制部材(第1規制部材)としての第1規制部26dと、第2規制部材としての第2規制部26eと、が一体的に形成された板状部材(ブレード状部材)である。換言すると、規制部材としての第1規制部26dは、第2規制部材としての第2規制部26eが一体的に形成された板状部材である。
具体的に、本実施の形態において、規制ブレード26cは、図2に示すように、現像ローラ26aや供給ローラ26bの回転軸に直交する断面でみたときに、略L字状に形成されていて、第1当接部N1に対して図2の左方に配置されている。規制ブレード26cとしては、ステンレス鋼等の金属材料からなり曲げ加工が施されたL字状の薄い板状部材を用いることができる。
【0032】
さらに詳しくは、規制ブレード26cの第1規制部26dは、第1当接部N1(当接部)に対して供給ローラ26b(粒子供給回転体)の回転方向上流側(図3の第2当接部N2の位置である。)で供給ローラ26bに当接する規制部材(第1規制部材)として機能している。
この規制部材としての第1規制部26dは、供給ローラ26bから現像ローラ26aに供給されるトナー量(トナー層)を薄層化するためのものである。
【0033】
すなわち、本実施の形態における現像装置26は、特許文献1等に開示されるようなドクターブレード(第1当接部に対して現像ローラ26aの回転方向下流側で現像ローラ26aに当接するものである。)を設置することなく、現像ローラ26a上に薄層化されたトナー層を形成している。さらに換言すると、本実施の形態では、供給ローラ26bによって現像ローラ26aに多量のトナー(薄層化されていないトナー層)を供給した後に現像ローラ26a上のトナー層を薄層化するのではなくて、供給ローラ26b上にて第1規制部26dによってトナー層を薄層化した後に、その薄層化したトナー層を現像ローラ26aに供給している。
なお、本実施の形態において、第1規制部26d(規制部材)は、供給ローラ26bに対して斜め上方の位置で10~100N/m程度の圧力にて当接している。
【0034】
これに対して、規制ブレード26cの第2規制部26eは、第1当接部N1(当接部)に対して現像ローラ26a(粒子担持体)の回転方向の上流側(図3の第3当接部N3の位置である。)で現像ローラ26aに当接する第2規制部材として機能している。
この第2規制部材としての第2規制部26eは、感光体ドラム21の表面から現像ローラ26a上に回収された未転写トナー(中間転写ベルト40上に転写されずに感光体ドラム21上に残留したトナーである。)や、現像工程において感光体ドラム21上に移動しなかったトナー(未現像トナー)を、現像ローラ26a上から離脱させるためのものである。すなわち、現像ローラ26a上に回収された未転写トナーや、現像ローラ26a上の未現像トナーは、第2規制部26eによって現像ローラ26aから掻き取られて、図3の黒矢印方向に落下したトナーQ(未転写トナー、未現像トナー)が現像装置26内に回収されて再び現像用のトナーとして用いられることになる。
なお、本実施の形態では、第2規制部26e(第2規制部材)は、第1規制部26d(規制部材)とともに規制ブレード26cとして一体化されているため、第1規制部26dと別々に設ける場合に比べて、部品点数を減少することができる。
【0035】
ここで、本実施の形態おいて、第2規制部26e(第2規制部材)は、現像ローラ26a(粒子担持体)に対して下方に当接している。
具体的に、第2規制部26e(第2規制部材)は、現像ローラ26aに対して斜め下方の位置で10~100N/m程度の圧力にて、トレーディング方向(現像ローラ26aの回転方向に沿う方向である。)に当接している。
このように、第2規制部26e(第2規制部材)を、現像ローラ26aの上方ではなく、現像ローラ26aの下方に配置することで、現像ローラ26a上に担持されたトナーQ(未転写トナー、未現像トナー)の自重落下が促進される。
また、本実施の形態では、第2規制部26eを現像ローラ26aに対してトレーディング方向に当接させているため、第1規制部26dとの一体化が容易になる。
【0036】
ここで、図3図4を参照して、規制部材としての第1規制部26dは、少なくとも供給ローラ26b(粒子供給回転体)に当接する部分(第2当接部N2)がメッシュ状に形成されている。
詳しくは、第1規制部26d(規制部材)は、その全面にわたって複数の円形の穴部26d1が形成されたメッシュ状部材である。
このように、第1規制部26dは、少なくとも第2当接部N2がメッシュ状に形成されているため、第1規制部26dによって供給ローラ26b上から掻き取られたトナー(図3のトナーRである。)の逃げ場を確保しやすくなる。
特に、第1規制部26dの全面をメッシュ状に形成することで、第2当接部N2の上流側や下流側におけるトナーTの逃げ場も確保されることになるため、供給ローラ26bの周囲におけるトナーの滞留が抑止される。
【0037】
具体的に、供給ローラ26b上に汲み上げられたトナーTは、第2当接部N2の位置で第1規制部26dによって、粒子1つ分程度の薄層化されたトナー層として供給ローラ26b上に担持されることになる。このとき、第2当接部N2の位置では、第1規制部26dによって供給ローラ26bから余剰なトナーTが掻き取られることになるが、この掻き取られたトナーが穴部26d1を通過して図3の白矢方向(第1規制部26dの裏側である。)に自重落下したり、穴部26d1を通過せずにそのまま自重落下したりすることになる。
これに対して、第1規制部26dをメッシュ状に形成しない場合には、第2当接部N2の位置で第1規制部26dによって供給ローラ26bから掻き取られた余剰なトナーTの一部が、自重落下することなく、その位置に滞留して供給ローラ26bに再担持されてしまう可能性がある。そのため、第1規制部26dをメッシュ状に形成する場合に比べて、供給ローラ26bに形成されて現像ローラ26aに供給されるトナー層の薄層化が鈍化することになる(粒子1個分の1層トナー層よりも厚い1.5層程度のトナー層になりやすくなる)。
【0038】
特に、本実施の形態における第1規制部26d(規制部材)は、穴部26d1の穴径(メッシュ径)をMとして、トナーT(粒子)の粒径(粒子径)をDとしたときに、
D<M<5×D
なる関係が成立するように設定している。
具体的に、本実施の形態では、粒径Dが10~100μm程度のトナーTが用いられていて、第1規制部26dの穴部26d1の穴径Mが上述した式を満足するように設定されている。
穴部26d1の穴径MがトナーTの粒径D以下になると、トナーTが穴部26d1を通過しにくくなる。また、穴部26d1の穴径MがトナーTの粒径Dの5倍以上になると、第1規制部26dによって供給ローラ26b上に薄層化されたトナー層を形成する機能が低下してしまう。これらのことから、穴部26d1の穴径とトナーTの粒径Dと、の関係を上式のものにしている。
【0039】
ここで、本実施の形態において、供給ローラ26b(粒子供給回転体)と第1規制部26d(規制部材)との間に、供給ローラ26bに担持されたトナーT(粒子)を第1規制部26dの側に離間させるように電界を形成することが好ましい。
具体的に、本実施の形態では、マイナス極性のトナーTが用いられているため、例えば、現像電源90によって、供給ローラ26bに-600V程度の電圧を印加して、第1規制部26d(規制ブレード26c)に-400V程度の電圧を印加して、双方の部材26b、26dに電位差を形成する。
このように構成することで、供給ローラ26bに担持されたトナーTが第1規制部26dの側に静電気的に移動しやすくなるため、第1規制部26dによって供給ローラ26b上に薄層化されたトナー層を形成する機能が発揮されやすくなる。
【0040】
このように構成された現像装置26は、通常の現像工程時において、次のように動作する。
まず、現像装置26内に収容されたトナーTは、その一部が供給ローラ26b上に汲み上げられる(担持される)。そして、供給ローラ26b上に担持されたトナーTは、第2当接部N2の位置で、第1規制部26dによって薄層化・均一化・摩擦帯電されることになる。このとき、供給ローラ26b上に形成されたトナー層Tは、トナー粒子1個分(1層)程度のものである。また、第1規制部26dによって掻き取られた余剰のトナーTは、そのまま自重落下したり、穴部26d1を通過した後に自重落下したりして、現像装置26内に戻される。
その後、供給ローラ26b上において薄層化されたトナー層Tは、第1当接部N1の位置で、現像ローラ26a上に供給される。このとき、第1当接部N1で、現像ローラ26a上に担持されたトナーは、さらに薄層化(1層化)・均一化・摩擦帯電されて、その後に感光体ドラム21との対向位置(現像領域)に達する。そして、この位置で、現像領域に形成された電界(現像電界)によって、感光体ドラム21上に形成された静電潜像にトナーが吸着される。こうして、感光体ドラム21上に所望のトナー像(トナー粒子1個分(1層)程度のトナー層)が形成されることになる。
このとき、感光体ドラム21上に担持されていた未転写トナーが、現像ローラ26a上に回収されることになる。すなわち、現像領域を通過した後の現像ローラ26aの表面には、感光体ドラム21上に担持されていた未転写トナーと、現像工程において感光体ドラム21上に移動しなかったトナー(未現像トナー)と、が担持されることになる。そして、それらの現像ローラ26a上に担持されたトナーは、第3当接部N3の位置で、第2規制部26eによって掻き取られて、現像装置26内に戻されることになる。
なお、本実施の形態における現像装置26において、現像装置26内においてトナーが凝集しないように撹拌するための撹拌部材を設けることもできる。
【0041】
ここで、現像ローラ26aや供給ローラ26bや規制ブレード26cには、現像電源90(電源部)からそれぞれ所定の電圧が印加されていて、現像ローラ26a上におけるトナーの静電的な移動が促進されている。なお、本実施の形態では、現像ローラ26aに対して、現像領域において現像ローラ26aと感光体ドラム21との間でトナーが往復運動するように、交番電圧(AC周波数が500~1000Hz程度、ピーク・ツー・ピーク電圧が500~3000V程度、印加時間デューティが30~70%程度の矩形波である。)を印加している。
なお、本実施の形態では、現像ローラ26aに交番電圧を印加するように構成したが、現像ローラ26aに直流電圧(例えば、-500V程度の直流電圧である。)を印加するように構成することもできる。この場合、供給ローラ26bにも直流電圧(例えば、-600V程度の直流電圧である。)を印加して、第1当接部N1に供給ローラ26bから現像ローラ26aへのトナーの供給を促進するような電界を形成することもできる。さらには、第2規制部26e(規制ブレード26c)にも直流電圧(例えば、-400V程度の直流電圧である。)を印加して、第3当接部N3に現像ローラ26aから第2規制部26eへのトナーの移動(離脱)を促進するような電界を形成することもできる。
【0042】
このように、本実施の形態では、供給ローラ26b上に担持されるトナー層を充分に薄層化するための第1規制部26d(規制部材)を設けているため、現像ローラ26aの表面に担持されるトナーTを、充分に薄く安定した層厚のものに規制することができる。そのため、感光体ドラム21に層厚が充分に薄くて均一なトナー像(トナー層)が形成されることになり、画質が変化する不具合や、非画像部が現像剤で汚れてしまう不具合、などが生じにくくなる。
特に、本実施の形態では、感光体ドラム21にトナー粒子1層分程度の薄層化されたトナー層が形成されるため、FMスクリーン処理を適用した場合であっても画質が安定化するとともに、中間転写ベルト40上で複数色のトナーを重ねずに並べることでのカラー画像を形成する低廉な装置を構成することも可能になる。さらに、本実施の形態における画像形成装置1は、クリーナレス方式のものであるため、装置が低コスト化、小型化、省資源化することができる。
【0043】
以下、上述した本発明の効果に関連して、補足的に説明する。
一般的に、電子写真方式の1成分現像方式の現像装置で用いられるトナー(トナー粒子)は、幅広い粒径分布を持っている。そのため、従来から、均一なドットのトナー像を形成することが難しく、高画質の画像を形成するための課題となっていた。
また、幅広いトナー粒径分布により、トナーの帯電分布も幅広くなって、逆極性トナーが存在してしまう。そのため、従来から、感光体ドラム21上の非画像部(本来、トナーの付着を予定していない領域である。)にトナーが付着してしまう不具合(非画像部の画像汚れ)が生じてしまっていた。
また、トナーの経時劣化(トナーの割れや外添剤の遊離・埋没などによるものである。)や粒径選別による粒径変化によっても、現像ローラ上のトナーの薄層が変化して画質変化や非画像部の画像汚れが発生していた。
これらの不具合を解消するため、現像ローラ上に担持するトナーを、充分に薄く安定した層厚のものに規制することが重要になる。
特に、カラー画像を形成する場合には、モノクロ画像を形成する場合に比べて、複数色のトナーを重ねて画像を形成するため、画質面はもちろんのこと、コスト面からも、各色について現像ローラ上のトナー層の薄層化、安定化が必要になる。
また、クリーニング装置を設置しないクリーナレス方式の作像部を採用する場合には、逆極性トナーの発生を抑えることが画質向上のポイントとなるため、現像ローラ上のトナー層の薄層化、安定化が必要になる。
【0044】
これに対して、本実施の形態における現像装置26は、供給ローラ26bによって現像ローラ26aにトナーを供給するときに、すでにそのトナーが薄層化、安定化が充分にされたものになっている。
詳しくは、現像ローラ26aが供給ローラ26bとの第1当接部N1を通過することで、現像ローラ26aの表面にトナー粒子1層分程度の薄層(単層、又は、それに近い層厚のトナー層である。)が形成される。
これにより、トナー粒子径が揃って、逆帯電がなく均一に帯電されたトナーによって現像工程がおこなわれることになる。そのため、上述したような従来の不具合が軽減されることになる。
【0045】
ここで、本実施の形態において、現像装置26内に収容されるトナーT(現像剤)として、粒径分布において粒径が10%径以下のトナーと90%径以上のトナーとが占める割合が、全体の10%以内となるように設定されている。
このようなトナーTを用いることで、上述した本発明の効果(現像ローラ26a上のトナー層が薄層化、安定化する効果である。)が効率的に発揮されることになる。
【0046】
また、本実施の形態において、書込み部4(図1図2参照)は、感光体ドラム21の表面に単一階調の1ドットの静電潜像を形成するように設定されている。
このように構成することにより、現像ローラ26a上の薄層化、安定化されたトナー層を有効に用いて、高画質のトナー像を形成することができる。すなわち、感光体ドラム21の表面の単一階調の1ドットの静電潜像に対応して、高画質なトナー像を形成することができる。
【0047】
<変形例1>
図5に示すように、変形例1における現像装置26(粒子層形成装置)は、規制部材としての第1規制部26dが、供給ローラ26b(粒子供給回転体)の外周面に沿って円弧状に延在するように形成されている。
すなわち、変形例1における規制ブレード26cの第1規制部26dは、現像ローラ26aや供給ローラ26bの回転軸に直交する断面でみたときに、図3のもののように平面状に形成されているのではなくて、曲面状(変形例1では、90~120度程度の円弧範囲である。)に形成されている。
このように、円弧状の第1規制部26dを用いることで、平面状の第1規制部26dを用いる場合に比べて、供給ローラ26b上に汲み上げられて担持されるトナー層の層厚を薄層化しやすい。そのため、第1規制部26dをメッシュ状に形成しなくても、供給ローラ26b上に担持されて現像ローラ26aに供給されるトナー層を、粒子1つ分程度の薄層化されたものにすることができる。
したがって、変形例1においても、現像ローラ26a(粒子担持体)の表面に担持されるトナー(粒子)を、充分に薄く安定した層厚のものに規制することができる。
なお、変形例1では、第1規制部26dをメッシュ状に形成しなかったが、第1規制部26dをメッシュ状に形成することもできる。その場合にも、第1規制部26dと供給ローラ26bとの間にトナーが滞留する不具合を軽減することができる。
【0048】
<変形例2>
図6に示すように、変形例2における現像装置26(粒子層形成装置)は、規制部材としての第1規制部26dと、第2規制部材としての第2規制部26eと、が一体化されておらず、別々の部材として設置されている。
このように構成した場合であっても、現像ローラ26a(粒子担持体)の表面に担持されるトナー(粒子)を、充分に薄く安定した層厚のものに規制することができる。
そして、このように構成した場合には、第2規制部材としての第2規制部26eを、現像ローラ26aに対してカウンタ方向に当接させて、第2規制部26eの掻取力を向上させることも可能である。
【0049】
<変形例3>
図7に示すように、変形例3における薬剤供給装置126は、画像形成装置1に設置される現像装置26とは異なり、被供給体としてのオブラート紙Wの表面に粒子層としての薬剤の層を形成する粒子層形成装置である。
薬剤供給装置126(粒子層形成装置)の内部には、粒子としての薬剤が収容されている。また、薬剤供給装置126は、粒子担持体としての塗布ローラ126a、粒子供給回転体としての供給ローラ126b、第1規制部126d(規制部材)と第2規制部126e(第2規制部材)とからなる規制ブレード126c、等で構成されている。
粒子担持体としての塗布ローラ126aは、不図示の搬送機構によって搬送ローラ121との間に搬送されるオブラート紙W(被供給体)に当接(又は、対向)して、所定の回転方向に回転しながらオブラート紙Wの表面に薬剤を供給する。
粒子供給回転体としての供給ローラ126bは、塗布ローラ126aに対して当接部で当接して、塗布ローラ126aの回転方向に対して逆方向に回転して塗布ローラ126aに薬剤(粒子)を供給する。
規制部材としての第1規制部126dは、塗布ローラ126aとの当接部に対して供給ローラ126bの回転方向上流側で供給ローラ126bに当接する。
第2規制部材としての第2規制部126eは、塗布ローラ126aと供給ローラ126bと当接部に対して、塗布ローラ126aの回転方向の上流側で塗布ローラ126aに当接して、塗布ローラ126a上においてオブラート紙Wに供給されなかった残留薬剤を塗布ローラ126aから掻き取るものである。
このように構成された薬剤供給装置126も、塗布ローラ126a(粒子担持体)の表面に担持される薬剤(粒子)を、充分に薄く安定した層厚のものに規制することができる。
【0050】
以上説明したように、本実施の形態における現像装置26は、感光体ドラム21(被供給体)の表面にトナー像(粒子層)を形成する粒子層形成装置であって、感光体ドラム21に当接(又は、対向)して、所定の回転方向に回転する現像ローラ26a(粒子担持体)が設けられている。また、現像ローラ26aに対して第1当接部N1(当接部)で当接して、上述した回転方向に対して逆方向に回転して現像ローラ26aにトナー(粒子)を供給する供給ローラ26b(粒子供給回転体)が設けられている。さらに、第1当接部N1に対して供給ローラ26bの回転方向上流側で供給ローラ26bに当接する第1規制部26d(規制部材)が設けられている。
これにより、現像ローラ26a(粒子担持体)の表面に担持されるトナー(粒子)を、充分に薄く安定した層厚のものに規制することができる。特に、薬剤は、その剤量を精度良く設定する必要があるため、このような構成が有用になる。
【0051】
なお、本実施の形態では、現像装置26をプロセスカートリッジ20の構成部材とせずに、画像形成装置本体1に対して単独で着脱できるユニットとした。これに対して、現像装置26をプロセスカートリッジ20の構成部材の1つとして、画像形成装置本体1に対してプロセスカートリッジとして一体的に着脱されるように構成することもできる。
そして、このような場合にも、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
なお、本願において、「プロセスカートリッジ」とは、像担持体を帯電する帯電装置と、像担持体上に形成された潜像を現像する現像装置と、像担持体上をクリーニングするクリーニング装置と、のうち少なくとも1つと、像担持体と、が一体化されて、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されたユニットと定義する。
【0052】
また、本実施の形態では、感光体ドラム21(被供給体)に対して現像ローラ26a(粒子担持体)が当接するように構成された接触1成分現像方式の現像装置26(粒子層形成装置)に対して、本発明を適用した。これに対して、感光体ドラム21(被供給体)に対して現像ローラ26a(粒子担持体)が微小な隙間をあけて対向するように構成された非接触1成分現像方式の現像装置(粒子層形成装置)に対しても、本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、粒子としてのトナーを用いた現像装置26(粒子層形成装置)に対して、本発明を適用した。また、変形例3では、粒子としての薬剤を用いた薬剤供給装置126(粒子層形成装置)に対して、本発明を適用した。これに対して、トナーや薬剤とは異なる粒子を用いた粒子層形成装置(例えば、3Dプリンタのように、材料(粒子)を1層(1粒子)ずつ積み上げて立体を形成する装置である。)に対しても、本発明を適用することができる。
そして、それらのような場合にも、本実施の形態のものとほぼ同様の効果を得ることができる。
【0053】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態の中で示唆した以外にも、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【0054】
なお、本願明細書等において、「粒子担持体の下方」とは、粒子担持体の回転中心を通る水平線よりも下方を意味するものと定義する。
また、本願明細書等において、「当接又は対向」の「対向」とは、非接触で対向することを意味するものと定義する。
【符号の説明】
【0055】
1 画像形成装置(画像形成装置本体)、
20、20Y、20M、20C、20BK プロセスカートリッジ、
21 感光体ドラム(被供給体、感光体)、
26 現像装置(粒子層形成装置)、
26a 現像ローラ(粒子担持体、現像剤担持体)、
26b 供給ローラ(粒子供給回転体)、
26c 規制ブレード(板状部材)、
26d 第1規制部(規制部材)、
26d1 穴部、
26e 第2規制部(第2規制部材)、
126 薬剤供給装置(粒子層形成装置)、
N1 第1当接部(当接部)、
N2 第2当接部、 N3 第3当接部、
T トナー(粒子、現像剤)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0056】
【特許文献1】特開2000-305343号公報
【特許文献2】特開平10-55080号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7