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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023044138
(43)【公開日】2023-03-30
(54)【発明の名称】健康管理システム、及び健康管理方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/80 20180101AFI20230323BHJP
【FI】
G16H50/80
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021152012
(22)【出願日】2021-09-17
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100085660
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 均
(72)【発明者】
【氏名】大塚 平
(72)【発明者】
【氏名】平岡 力
(72)【発明者】
【氏名】杉山 浩之
(72)【発明者】
【氏名】當 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】清水 保伸
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】検査対象者が感染症を発症していないことを表す未発症証明書を発行する健康管理システム及び健康管理方法を提供する。
【解決手段】健康データ測定装置と、健康管理サーバ16と、を備える健康管理システム1において、健康データ測定装置100は、健康管理データを生成する生成部52、生成部52により生成された健康管理データと、健康管理サーバから取得した検査対象者IDに対応する過去の健康管理データとに基づいて、検査対象者が感染症を発症しているか否か判断する発症判断部54、検査対象者が感染症を発症していないと判断された場合に、検査対象者が感染症を発症していないことを表す未発症証明書に係わる画像データを発行する発行制御部56及び未発症証明書に係わる画像データをプリンタ部132に出力し、画像データを記録媒体に印刷させるように制御する印刷制御部64を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象者に係わる健康データを測定可能な医療健康機器が接続された健康データ測定装置と、
前記健康データ測定装置から受信した健康データを蓄積する蓄積部を有する健康管理サーバと、を備えた健康管理システムであって、
前記健康データ測定装置は、
検査対象者が所持する身分証明カードから固有の検査対象者IDを読み取るカードリーダーと、
前記医療健康機器が測定した各検査対象者の検査対象者IDにより特定される健康データを収集する収集部と、
前記収集部により収集された健康データと健康管理項目及び検査対象者IDに基づいて、前記検査対象者の健康状態を表す健康管理データを生成する生成部と、
前記生成部により生成された健康管理データと、前記健康管理サーバから取得した検査対象者IDに対応する過去の健康管理データとに基づいて、前記検査対象者が感染症を発症しているか否か判断する発症判断部と、
前記発症判断部により前記検査対象者が感染症を発症していないと判断された場合に、前記検査対象者が感染症を発症していないことを表す未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータを発行するように制御する発行制御部と、
プリンタ部と、
前記未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータを前記プリンタ部に出力し、前記画像データ、又は/及びテキストデータを記録媒体に印刷させるように制御する印刷制御部と、を備えることを特徴とする健康管理システム。
【請求項2】
前記健康データ測定装置は、
前記検査対象者が所持する検査対象者端末に係わるメールアドレスを前記検査対象者IDと関連付けて記憶する記憶部と、
前記記憶部から前記検査対象者IDに対応するメールアドレスを取得して、前記未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータを含む電子メールを当該メールアドレスに送信するメール発行部と、を備えることを特徴とする請求項1記載の健康管理システム。
【請求項3】
前記発症判断部は、前記生成部により生成された健康管理データに含まれる体温測定データと、前記健康管理サーバから取得した検査対象者IDに対応する過去の体温測定データとに基づいて、体温測定データが基準体温より低い場合に、過去N日間のうちM回のデータが前記健康管理サーバにないときには、前記検査対象者が感染症を発症していないと判断することを特徴とする請求項1記載の健康管理システム。
【請求項4】
前記発症判断部は、前記生成部により生成された健康管理データに含まれる体温測定データと、前記健康管理サーバから取得した検査対象者IDに対応する過去の体温測定データとに基づいて、体温測定データが基準体温より低い場合に、体温測定データTから平均体温を減算して差分体温を算出し、当該差分体温が基準差分体温よりも小さいときに、前記検査対象者が感染症を発症していないと判断することを特徴とする請求項1記載の健康管理システム。
【請求項5】
前記健康データ測定装置は、
スキャナ部を備え、
前記発行制御部は、前記スキャナ部により前記身分証明カードの表面に含まれる顔画像から顔画像データを読み取り、前記未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータに前記顔画像データを付加するように制御することを特徴とする請求項1記載の健康管理システム。
【請求項6】
前記健康データ測定装置は、
タイマ部を備え、
前記発行制御部は、前記タイマ部から取得した現在の日時データをタイムスタンプとし、前記タイムスタンプに所定期間を加算した有効期限を算出し、前記タイムスタンプ及び前記有効期限を、前記未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータに付加するように制御することを特徴とする請求項1記載の健康管理システム。
【請求項7】
前記健康データ測定装置は、
タイマ部を備え、
前記発行制御部は、前記タイマ部から取得した現在の日時データをタイムスタンプとし、前記タイムスタンプに所定期間を加算した有効期限を算出し、前記タイムスタンプ及び前記有効期限を、前記未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータに付加するように制御することを特徴とする請求項6記載の健康管理システム。
【請求項8】
前記健康データ測定装置は、
前記身分証明カードに備えられたICチップにデータを記録させるカードライターを備え、
前記発行制御部は、前記未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータを前記身分証明カードに備えられたICチップに記録させるように前記カードライターを制御することを特徴とする請求項1記載の健康管理システム。
【請求項9】
前記健康データ測定装置は、前記未発症証明書を記録媒体に印刷する機能を搭載する複合機であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項記載の健康管理システム。
【請求項10】
前記健康管理サーバは、
前記健康データ測定装置から検査対象者IDに対応する体温測定データを受信した場合に、前記検査対象者IDに対応する体温測定データを前記蓄積部に記録するように制御する制御部を備えることを特徴する請求項1記載の健康管理システム。
【請求項11】
前記健康管理サーバは、
前記健康データ測定装置から検査対象者IDに対応する体温測定データの記録を要求された場合に、前記蓄積部から前記検査対象者IDに対応する体温測定データを取得し、前記検査対象者IDに対応する体温測定データを前記健康データ測定装置に送信するように制御する制御部を備えることを特徴する請求項1記載の健康管理システム。
【請求項12】
前記健康管理サーバは、
前記健康データ測定装置から検査対象者IDに対応する前記未発症証明書の発行日時データを受信した場合に、検査対象者IDに対応する前記未発症証明書の発行日時データを前記蓄積部に記録するように制御する制御部を備えることを特徴する請求項1記載の健康管理システム。
【請求項13】
検査対象者に係わる健康データを測定可能な医療健康機器が接続された健康データ測定装置と、
前記健康データ測定装置から受信した健康データを蓄積する蓄積部を有する健康管理サーバと、を備えた健康管理システムによる健康管理方法であって、
前記健康データ測定装置は、
検査対象者が所持する身分証明カードからカードリーダーを介して固有の検査対象者IDを読み取る読み取りステップと、
前記医療健康機器が測定した各検査対象者の検査対象者IDにより特定される健康データを収集する収集ステップと、
前記収集ステップにより収集された健康データと健康管理項目及び検査対象者IDに基づいて、前記検査対象者の健康状態を表す健康管理データを生成する生成ステップと、
前記生成ステップにより生成された健康管理データと、前記健康管理サーバから取得した検査対象者IDに対応する過去の健康管理データとに基づいて、前記検査対象者が感染症を発症しているか否か判断する発症判断ステップと、
前記発症判断ステップにより前記検査対象者が感染症を発症していないと判断された場合に、前記検査対象者が感染症を発症していないことを表す未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータを発行するように制御する発行制御ステップと、
前記未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータをプリンタ部に出力し、前記画像データ、又は/及びテキストデータを記録媒体に印刷させるように制御する印刷制御ステップと、を含むことを特徴とする健康管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康管理システム、及び健康管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、感染症が流行した場合に、ある人と他の人とが面会する際に、互いに相手方が感染症に罹患して発熱状態にあるか否かを憂慮する場合があり、互いに不安感を誘発していた。
そこで、近年、オフィスへ入館する場面や、会議室へ入室する場面では、例えば担当者により体温測定が実施されている。このような場合、企業は担当者を配置することに人員コストや手間をかける必要があった。
この際、入室者が体温測定結果を担当者に自己申告する場合、体温測定時に第3者が介在していないので自己申告の信頼性が低かった。
また、個人の健康状態を面会相手に開示する手段が確立されていないので、不安感を誘発していた。
一方、個人の健康情報を管理するシステムについての発明は、既にあるが、個人の健康管理を目的としているため、周囲の人に個人(自身)の健康状態を証明する機能を有していなかった。すなわち、個人の健康データは個人情報として扱われるため、本人、企業の上司、企業の健康管理担当者といった人物のみが、個人の健康状態を取得できるという制限がかけられていた。
【0003】
<オフィスから外出する場面>
従来、企業の社員がオフィスから外出する際に、社員自身が平熱状態であっても、そのことを証明するものがなかった。
このため、外出先の面会者には、相手から感染する恐れがあり、不安感を誘発していた。
【0004】
<ゲストを受け入れる場面>
従来、オフィス、展示会、テーマパークなどにおいて、入館、入室の場面では担当者による体温測定を実施、またはゲストの自己申告が行われていた。
このため、担当者による体温測定では人員コストや手間をかける必要があった。また、ゲストが体温測定を受けたか否かを証明する手段がなく、面会者には相手から感染する不安があった。
また、ゲストによる自己申告では、検査を受けた証明がなく、面会者には相手から感染する恐れがあり、不安感を誘発していた。
【0005】
<オフィス内>
従来、企業のオフィス内では、社員の自己申告により健康状態を上司に報告していた。
このため、社員が体温測定を受けたかどうか証明する手段がなく、社員同士に感染の恐れがあり、不安感を誘発していた。
特に、企業の部署をまたぐような会議では、普段直接的な関わりがなく、会議参加者の健康状態を一切知らない人と会議が行われる場合もあり、面会者同士に感染の不安が誘発されていた。
【0006】
特許文献1には、利便性が高い健康管理システムをユーザに提供することを目的として、ユーザの識別情報に基づき該ユーザが使用を要求する画像形成装置との間で認証処理を実行する認証機器と、認証に成功した場合、前記ユーザに関する健康データを提供する健康データ提供機器と、前記健康データを収集し、収集した健康データに基づき前記ユーザの健康状態を示した健康管理データを生成する画像形成装置と、を備え、前記画像形成装置は、前記健康管理データを提供することにより健康管理を支援することを特徴とする健康管理システムが提供されることが開示されています。
しかしながら、特許文献1にあっては、個人の健康管理が目的であり、他の人に自身の健康管理情報を開示することができなかった。
このため、特許文献1にあっては、周囲の人に自身の健康を証明することができないという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の一実施形態は、上記に鑑みてなされたもので、その目的は、検査対象者が感染症を発症していないことを表す未発症証明書を発行することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、検査対象者に係わる健康データを測定可能な医療健康機器が接続された健康データ測定装置と、前記健康データ測定装置から受信した健康データを蓄積する蓄積部を有する健康管理サーバと、を備えた健康管理システムであって、前記健康データ測定装置は、検査対象者が所持する身分証明カードから固有の検査対象者IDを読み取るカードリーダーと、前記医療健康機器が測定した各検査対象者の検査対象者IDにより特定される健康データを収集する収集部と、前記収集部により収集された健康データと健康管理項目及び検査対象者IDに基づいて、前記検査対象者の健康状態を表す健康管理データを生成する生成部と、前記生成部により生成された健康管理データと、前記健康管理サーバから取得した検査対象者IDに対応する過去の健康管理データとに基づいて、前記検査対象者が感染症を発症しているか否か判断する発症判断部と、前記発症判断部により前記検査対象者が感染症を発症していないと判断された場合に、前記検査対象者が感染症を発症していないことを表す未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータを発行するように制御する発行制御部と、プリンタ部と、前記未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータを前記プリンタ部に出力し、前記画像データ、又は/及びテキストデータを記録媒体に印刷させるように制御する印刷制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、検査対象者が感染症を発症していないことを表す未発症証明書を発行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係わる健康管理システムの構成を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係わる健康データ測定装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係わる健康管理システムに備えられた健康管理サーバのハードウェア構成図である。
図4】本発明の一実施形態に係わる健康管理システムの機能的な構成を示すブロック図である。
図5】本発明の一実施形態に係わる健康管理システムの動作を示すフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態に係わる健康管理システムの動作の一場面に用いる画面であり、体温測定を促すメッセージを示す説明図である。
図7】本発明の一実施形態に係わる健康管理システムの動作の一場面に用いる画面であり、印刷、コピー、FAXへの移行を選択するためのボタンを示す説明図である。
図8】本発明の一実施形態に係わる健康管理システムの動作の一場面に用いる画面であり、定期的な体温測定を促すメッセージを示す説明図である。
図9】本発明の一実施形態に係わる健康管理システムの動作の一場面に用いる電子メールの内容であり、発熱確認を示す説明図である。
図10】本発明の一実施形態に係わる健康管理システムの動作の一場面に用いる画面であり、定期的な体温測定を促すメッセージを示す説明図である。
図11】本発明の一実施形態に係わる健康管理システムにより発行される未発症証明書の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
本発明は、検査対象者が感染症を発症していないことを表す未発症証明書を発行するために、以下の構成を有する。
すなわち、本発明の健康管理システムは、検査対象者に係わる健康データを測定可能な医療健康機器が接続された健康データ測定装置と、健康データ測定装置から受信した健康データを蓄積する蓄積部を有する健康管理サーバと、を備えた健康管理システムであって、健康データ測定装置は、検査対象者が所持する身分証明カードから固有の検査対象者IDを読み取るカードリーダーと、医療健康機器が測定した各検査対象者の検査対象者IDにより特定される健康データを収集する収集部と、収集部により収集された健康データと健康管理項目及び検査対象者IDに基づいて、検査対象者の健康状態を表す健康管理データを生成する生成部と、生成部により生成された健康管理データと、健康管理サーバから取得した検査対象者IDに対応する過去の健康管理データとに基づいて、検査対象者が感染症を発症しているか否か判断する発症判断部と、発症判断部により検査対象者が感染症を発症していないと判断された場合に、検査対象者が感染症を発症していないことを表す未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータを発行するように制御する発行制御部と、プリンタ部と、未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータをプリンタ部に出力し、画像データ、又は/及びテキストデータを記録媒体に印刷させるように制御する印刷制御部と、を備えることを特徴とする。
以上の構成を備えることにより、検査対象者が感染症を発症していないことを表す未発症証明書を発行することができる。
上記記載の本発明の特徴について、以下の図面を用いて詳細に解説する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
上記の本発明の特徴に関して、以下、図面を用いて詳細に説明する。
【0012】
<健康管理システムの構成>
図1は、本発明の一実施形態に係わる健康管理システムの構成を示す図である。
図1に示すように、健康管理システム1には、カードリーダー2a、医療健康機器4、勤怠管理サーバ6、社内システム8、スマートウォッチ12、健康管理者端末14、健康管理サーバ16、検査対象者端末21、健康データ測定装置100を備えている。
カードリーダー2aは、検査対象者20が所持する身分証明カード22から固有の検査対象者IDを読み取り、検査対象者IDを健康データ測定装置100に出力する。健康データ測定装置100は、カードリーダー2aから検査対象者IDを受信した場合に、勤怠管理サーバ6に検査対象者IDと認証依頼を送信して、勤怠管理サーバ6から認証結果を受信する。
医療健康機器4は、血圧計4a、体組成計4b、血糖値計4c、体温計4dなどが接続されており、これらの医療健康機器4より得られた健康データを健康データ測定装置100が処理する。
勤怠管理サーバ6は、個々の検査対象者20に係わる勤務時間データを管理する。
社内システム8は、個々の社員(検査対象者)の業務内容を管理する。
検査対象者端末21は、社外ネットワークN1を介して健康データ測定装置100に接続されたパソコン、又は検査対象者が移動先でも所持可能なスマートフォンであり、検査対象者20により操作される。
【0013】
<スマートウォッチ>
スマートウォッチ12は、光学センサ、接触圧力センサ、加速度センサ、GPSセンサを備え、人体の腕から取得したセンサデータに基づいて健康データを算出する。
光学センサは、検査対象者20の腕にLED光を照射し、腕から反射された光を受光してえられる反射光の受光レベルに基づいて血圧・脈拍を算出する。
接触圧力センサは、接触している人体部位の圧力を検知するセンサであり、センサ値に基づいてCPUが血圧、脈拍を算出することを可能とする。
加速度センサは、例えば3軸方向の加速度を検知する。
GPSセンサは、複数のGPS衛星から受信している電波信号に基づいて、受信地点での位置情報を算出する。
【0014】
スマートウォッチ12は、光学センサ、接触圧力センサ等を用いて血圧・脈拍を算出する。また、スマートウォッチ12は、加速度センサや検査対象者の位置情報より活動量を算出する。これら複数センサを用いた統計結果より、睡眠時間や深さを計測する。スマートウォッチ12は、スマートウォッチ12に蓄積された検査対象者の健康データ(血圧、脈拍推移、活動量、睡眠時間・深さなど)を2次元コードとしてスマートウォッチ12上に表示する。
詳しくは、スマートウォッチ12は、電気信号による心拍数の測定と、光学センサを使った血流の測定結果を組み合わせて、血圧を算出する。スマートウォッチ12は発光部と受光部を有しており、発光部の光が腕に当たり、血管から反射した光を受光部で検知して光学的な計算により血圧を測定することができる。また、スマートウォッチ12は、脈拍や体の動きを元に睡眠を検知し、睡眠時間やその深さを算出することができる。スマートウォッチ12は、動きを検知することができるため、活動量も算出することが可能である。
【0015】
スマートウォッチ12については、以下の特許文献の構成が流用可能である。
(1)特開2018-191785号公報
情報表示装置は、被測定者の就寝中における血圧値の測定の測定結果を取得する測定データ取得部と、前記被測定者が起床したことを判定する起床判定部と、前記起床判定部により前記被測定者が起床したことを判定した場合、前記測定データ取得部により取得した測定結果を示す情報を表示部に表示させる表示制御部と、を有する。
【0016】
(2)特開2018-191787号公報
被測定者の血圧を連続測定する血圧センサと、前記血圧の連続測定の開始が指示された場合、前記被測定者が前記血圧の連続測定中に使用する治療装置を装着しているかを確認する確認部と、前記確認部によって前記治療装置の装着が確認された場合、前記血圧センサによる血圧の連続測定を実行する測定制御部と、前記確認部によって前記治療装置の装着が確認できない場合、前記治療装置の装着を促す案内を表示する表示部とを有する。
【0017】
(3)特開2019-141405号公報
血圧測定装置は、被検者の血圧を測定する血圧測定部と、前記血圧測定部により測定された血圧の変動を監視し、当該血圧が予め設定されたしきい値以下に所定時間以上連続して低下した場合に、前記血圧の変動を睡眠時無呼吸症候群の発症と関連する血圧上昇の前兆と推定する前兆推定部と、前記前兆推定部により前記前兆が推定された場合に、装置外部へ前兆通知信号を出力する信号出力部とを具備する。
【0018】
(4)特開2014-223098号公報
体動に伴った加速度を計測する加速度計測手段
【0019】
健康管理者端末14は、社内ネットワークN3に接続されているパソコンであり、検査対象者(社員)の健康管理に携わる健康管理者により操作される。
健康管理サーバ16は、社内ネットワークN3に接続されているコンピュータサーバであり、社員(検査対象者)の健康データを取得して検査対象者IDに関連づけて管理する。
健康データ測定装置100は、多機能周辺装置(Multifunction Peripheral)であり、例えば1台でプリンタ、スキャナ、コピー機、FAXなどの機能を兼ね備えている。
【0020】
健康データ測定装置100は、会社内の勤怠管理サーバ6と連携しており、かつ個々の業務内容も業務記録より入手することができる。そのため、健康データ測定装置100に付属した医療機器・健康機器、過去健康診断情報・スマートウォッチ12による常日頃の健康状態に加え、業務負荷や勤務時間から業務状況と健康状況の相関を取り、適切な健康支援を検査対象者に行うことができる。例えば睡眠時間の少なさは業務時間の長さと相関があることがわかれば、業務時間を短くするよう、検査対象者・上司に通達することが可能である。
また、従来から複合機やプリンタは、ネットワークで接続されており、販売元のサーバに、トナーやサプライユニットの使用率、それらサプライの交換タイミングの通知、検査対象者の使い方(プリントボリュームや画像面積、カラーモノクロ情報、ステープルの使用等)や環境情報を、コールセンターなどに設置されたサーバに送信して、ビッグデータとして蓄積しており、それらビッグデータは社内のプリンタの設計部門や故障予測部門、その他部門の活動まで幅広く利用されている。
本実施形態では、これらの複合機やプリンタにネットワークで接続されているサーバを利用し、測定した情報をサーバ(健康管理サーバ)に蓄積することを特徴としている。
【0021】
これら情報は健康データ測定装置100および社内の健康管理サーバ16に蓄積しており、検査対象者の健康状態を経時で観察することができる。また、健康管理サーバ16は、継続観察により異常らしき項目を発見した際は、検査対象者に健康データ測定装置100を使用する際に該当項目の測定を強制する。
また、健康データ測定装置100を使用した検査対象者だけでなく、健康管理サーバ16には、ネットワークに接続されている各健康データ測定装置100から受信したデータが蓄積されるため、ビッグデータによる分析が可能となる。健康管理サーバ16に蓄積されたビッグデータを医療従事者が確認し、個人の突発的な異常、会社の部門別の特徴、地域的な病気の流行等を確認できる。
これらの情報を元に、医療従事者は健康データ測定装置100の測定を促す項目を追加したり、検査対象者個人や、健康データ測定装置100が設置されている部門の健康管理担当者に直接指示したりすることができる。
例えば、健康管理サーバ16が、体温についての統計を取ることで、体温が所定値以上になっている発熱者の分布の確認や、それらと勤務管理情報とを突き合わせることで、例えばインフルエンザが流行している地域を特定することができる。
健康データ測定装置100は、測定結果を記録媒体に印刷することもでき、かつ、表示部140aに出力することも可能であり、検査対象者の任意により決めることができる。
【0022】
<健康データ測定装置>
図2は、本発明の一実施形態に係わる健康データ測定装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2は、健康データ測定装置の一例である画像形成装置(MFP)のハードウェア構成図である。図2に示されているように、健康データ測定装置100はMFPにより構成されており、コントローラ110、近距離通信回路120、エンジン制御部130、操作パネル140、ネットワークI/F150、接続I/F部160を備えている。
これらのうち、コントローラ110は、コンピュータの主要部であるCPU101、システムメモリ(MEM-P)102、ノースブリッジ(NB)103、サウスブリッジ(SB)104、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)106、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)107、HDDコントローラ108、及び、記憶部であるHD109を有し、NB103とASIC106との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス121で接続した構成となっている。
これらのうち、CPU101は、健康データ測定装置100の全体制御を行う制御部である。NB103は、CPU101と、MEM-P102、SB104、及びAGPバス121とを接続するためのブリッジであり、MEM-P102に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0023】
MEM-P102は、コントローラ110の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM102a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM102bとからなる。なお、RAM102bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
SB104は、NB103とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC106は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス121、PCIバス122、HDDコントローラ108およびMEM-C107をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC106は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC106の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C107を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部131及びプリンタ部132との間でPCIバス122を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC106には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
【0024】
MEM-C107は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD109は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD109は、CPU101の制御にしたがってHD109に対するデータの読出又は書込を制御する。AGPバス121は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P102に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
また、近距離通信回路120には、近距離通信回路120aが備わっている。近距離通信回路120は、NFC、Bluetooth等の通信回路である。
【0025】
更に、エンジン制御部130は、スキャナ部131及びプリンタ部132によって構成されている。また、操作パネル140は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネルにより構成される表示部140a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなる操作部140bを備えている。コントローラ110は、健康データ測定装置100全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル140からの入力等を制御する。スキャナ部131又はプリンタ部132には、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれている。
【0026】
なお、健康データ測定装置100は、操作パネル140のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
また、ネットワークI/F150は、社外ネットワークN1を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。近距離通信回路120及びネットワークI/F150は、PCIバス122を介して、ASIC106に電気的に接続されている。
接続I/F部160は、USBポートを介して接続されているUSB装置とUSB通信を行うためのインターフェースである。
コントローラ110は、操作パネル140を通して発行されるコマンド、或は外部機が発行するコマンドを受け付け、コマンドに指示されたジョブの処理を実行する。
【0027】
プリンタ部132は、作像部132aを備えている。
作像部132aは、感光体(潜像担持体)と、感光体に静電潜像を形成する光書込み部と、感光体上の静電潜像にトナーを供給して可視化する現像部と、感光体上のトナー像を搬送されてきた記録媒体に転写する転写部と、転写後に感光体上に残留したトナーを除去するクリーニング部と、記録媒体上のトナーを定着する定着部等から構成されている。
カラー画像形成装置の現像部では、使用するトナー毎にイエロー(Y)現像装置、シアン(C)現像装置、マゼンタ(M)現像装置、ブラック(K)現像装置が装備されており、各現像装置に各色のトナーを補充する手段として、トナーボトルが用いられている。
【0028】
<健康管理サーバのハードウェア構成>
図3は、本発明の一実施形態に係わる健康管理システムに備えられた健康管理サーバのハードウェア構成図である。ここでは、健康管理サーバであるPCのハードウェア構成について説明する。
図3に示されているように、健康管理サーバ16は、コンピュータによって構築されており、図3に示されているように、CPU201、ROM202、RAM203、HD204、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ205、ディスプレイ206、外部機器接続I/F(Interface)208、ネットワークI/F209、バスライン210、キーボード211、ポインティングデバイス212、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ214、メディアI/F216を備えている。
これらのうち、CPU201は、PC80、90全体の動作を制御する。ROM202は、IPL等のCPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。HD204は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ205は、CPU201の制御にしたがってHD204に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0029】
ディスプレイ206は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F208は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F209は、通信ネットワークNを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン210は、図3に示されているCPU201等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
また、キーボード211は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス212は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ214は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW213に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F216は、フラッシュメモリ等の記録メディア215に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0030】
<健康管理システムの機能的な構成>
図4は、本発明の一実施形態に係わる健康管理システムの機能的な構成を示すブロック図である。
健康管理システム1は、医療健康機器4、健康データ測定装置100、スマートウォッチ12、健康管理サーバ16、健康管理者端末14、勤怠管理サーバ6、検査対象者端末21、身分証明カード22、ネットワークN1、ネットワークN3を備えている。
健康管理システム1は、健康データ測定装置100と、健康管理サーバ16と、を備えている。
健康データ測定装置100は、検査対象者の身体に係わる健康データを測定可能な医療健康機器4を有する。
健康管理サーバ16は、健康データ測定装置100から受信した健康データを蓄積する蓄積部16aを有する。
【0031】
<医療健康機器>
医療健康機器4は、検査対象者の身体に係わる健康データを測定する。
医療健康機器4は、血圧計4a、体組成計4b、血糖値計4c、体温計4dなどが接続されており、これらの医療健康機器4より得られた健康データを健康データ測定装置100が処理する。
【0032】
<健康データ測定装置>
健康データ測定装置100は、記憶部58、スキャナ部131、表示部140a、プリンタ部132を備えている。
収集部50は、医療健康機器4から検査対象者の健康データと健康データの属性を表す項目を収集する。
スキャナ部131は、スマートウォッチ12の表示画面がスキャナ部131の読み取り面上に載置された場合に、スマートウォッチ12に表示された2次元コードを読み取る。
また、スキャナ部131は、身分証明カードの表面に含まれる顔画像から顔画像データを読み取る。
変換部50aは、スキャナ部131がスマートウォッチ12から読み取った2次元コードを健康データに変換する。
表示部140aは、特定項目についての測定を検査対象者に促すメッセージを表示する。
記憶部58は、医療健康機器4に係わる操作マニュアルを記憶する。
プリンタ部132は、未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータを記録媒体に印刷して、出力する。
【0033】
さらに、健康データ測定装置100は、カードリーダー2a、収集部50、生成部52、発症判断部54、発行制御部56、記憶部58、メール発行部60、タイマ部62、印刷制御部64、スキャナ部131、プリンタ部132を備える。
カードリーダー2aは、検査対象者が所持する身分証明カードから固有の検査対象者IDを読み取る。
収集部50は、医療健康機器4が測定した各検査対象者の検査対象者IDにより特定される健康データを収集する。
生成部52は、収集部50により収集された健康データと健康管理項目及び検査対象者IDに基づいて、検査対象者の健康状態を表す健康管理データを生成する。
発症判断部54は、生成部52により生成された健康管理データと、健康管理サーバ16から取得した検査対象者IDに対応する過去の健康管理データとに基づいて、検査対象者が感染症を発症しているか否か判断する。
発行制御部56は、発症判断部54により検査対象者が感染症を発症していないと判断された場合に、検査対象者が感染症を発症していないことを表す未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータを発行するように制御する。
印刷制御部64は、未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータをプリンタ部132に出力し、画像データを記録媒体に印刷させるように制御する。
【0034】
記憶部58は、検査対象者が所持する検査対象者端末21に係わるメールアドレス、当該検査対象者の上司の端末に係わるメールアドレスを検査対象者IDと関連付けて記憶する。
メール発行部60は、記憶部58から検査対象者IDに対応するメールアドレスを取得して、未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータを含む電子メールを当該メールアドレスに送信する。
【0035】
発症判断部54は、生成部52により生成された健康管理データに含まれる体温測定データと、健康管理サーバ16から取得した検査対象者IDに対応する過去の体温測定データとに基づいて、体温測定データが基準体温Tth℃より低い場合に、過去N日間のうちM回のデータが健康管理サーバ16にないときには、検査対象者が感染症を発症していないと判断する。
【0036】
発症判断部54は、生成部52により生成された健康管理データに含まれる体温測定データと、健康管理サーバ16から取得した検査対象者IDに対応する過去の体温測定データとに基づいて、体温測定データが基準体温Tth℃より低い場合に、体温測定データTから平均体温を減算して差分体温ΔTを算出し、当該差分体温ΔTが基準差分体温ΔTth℃よりも小さい場合、検査対象者が感染症を発症していないと判断する。
【0037】
発行制御部56は、スキャナ部131により身分証明カードの表面に含まれる顔画像から顔画像データを読み取り、未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータに顔画像データを付加するように制御する。
【0038】
タイマ部62は、現在の年月日や日時を計時して、日時データを出力する。
発行制御部56は、タイマ部62から取得した現在の日時データをタイムスタンプとし、タイムスタンプに所定期間を加算した有効期限を算出し、タイムスタンプ及び有効期限を、未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータに付加するように制御する。
【0039】
カードライター2bは、身分証明カードに備えられたICチップにデータを記録させる。
発行制御部56は、未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータを身分証明カードに備えられたICチップに記録させるようにカードライター2bを制御する。
【0040】
発行制御部56は、タイマ部62から取得した現在の日時データをタイムスタンプとし、タイムスタンプに所定期間を加算した有効期限を算出し、タイムスタンプ及び有効期限を、未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータに付加するように制御する。
【0041】
健康データ測定装置100は、未発症証明書を記録媒体に印刷する機能を搭載する複合機であることを特徴とする。
【0042】
<健康管理サーバ>
健康管理サーバ16は、蓄積部16a、制御部16eを備える。
蓄積部16aは、健康データ測定装置100から受信した健康データを蓄積する。
制御部16eは、健康データ測定装置100から検査対象者IDに対応する体温測定データを受信した場合に、検査対象者IDに対応する体温測定データを蓄積部16aに記録するように制御する。
制御部16eは、健康データ測定装置100から検査対象者IDに対応する体温測定データの記録を要求された場合に、蓄積部16aから検査対象者IDに対応する体温測定データを取得し、検査対象者IDに対応する体温測定データを健康データ測定装置100に送信するように制御する。
制御部16eは、健康データ測定装置100から検査対象者IDに対応する未発症証明書の発行日時データを受信した場合に、検査対象者IDに対応する未発症証明書の発行日時データを蓄積部16aに記録するように制御する。
【0043】
<勤怠管理サーバ>
勤怠管理サーバ6は、検査対象者に係わる勤務時間を管理する。
【0044】
健康管理システム1は、スマートウォッチ12、スキャナ部131、変換部50aを備える収集部50を備えている。
スマートウォッチ12は、検査対象者の健康データを蓄積するとともに、健康データを2次元コードとして表示する。
スマートウォッチ12は、当該スマートウォッチ12に蓄積された検査対象者の健康データ(血圧、脈拍推移、活動量、睡眠時間・深さなど)を2次元コードとしてスマートウォッチ12上に表示したものをスキャナで読み込む機能を有する。なお、スマートウォッチ12は、光学センサ、接触圧力センサ等を用いて血圧・脈拍を算出する。また、加速度センサや検査対象者の位置情報より活動量を算出する。これら複数センサを用いた統計結果より、睡眠時間や深さを計測する。
体温計4dは、検査対象者の体温を非接触に計測する。近年、赤外線サーモフラフィのように非接触で体温を測定できる装置が一般的になり、例えば空港で発熱のチェックも行われている。健康データ測定装置100に非接触の体温計4dを備えることで、健康データ測定装置100にログインした検査対象者の体温情報を自動で取得することができる。もちろん古くから一般的な接触式の体温計を健康データ測定装置100に備えてもよい。
人体の皮膚(体表)体温をリアルタイムに計測する手法としては、例えば赤外線サーモグラフィーについて、以下のURLに記載されている。
http://www.avio.co.jp/products/infrared/pandemic-solution/
【0045】
<健康管理者端末>
健康管理者端末14は、健康管理者が操作するパソコンである。
【0046】
健康管理サーバ16は、検査対象者の健康データを取得して検査対象者IDに関連づけて健康データを管理する。
【0047】
健康管理者は、通知に対して策を講じ、測定を行っていない人に測定を促す。また、健康管理者は各自の健康データの閲覧権限をもち、社員の健康状態を常に監視し、健康維持を推進することが可能である。
【0048】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウエアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0049】
<健康管理システムの基本動作>
健康管理システム1は、検査対象者に係わる健康データを測定可能な医療健康機器4が接続された健康データ測定装置100と、健康データ測定装置100から受信した健康データを蓄積する蓄積部16aを有する健康管理サーバ16と、を備えている。
なお、健康データ測定装置100は、未発症証明書を記録媒体に印刷する機能を搭載する複合機であってもよい。
健康管理サーバ16は、制御部16eを備え、健康データ測定装置100から検査対象者IDに対応する体温測定データを受信した場合に、検査対象者IDに対応する体温測定データを蓄積部16aに記録するように制御する。
また、制御部16eは、健康データ測定装置100から検査対象者IDに対応する体温測定データの記録を要求された場合に、蓄積部16aから検査対象者IDに対応する体温測定データを取得し、検査対象者IDに対応する体温測定データを健康データ測定装置100に送信するように制御する。
制御部16eは、健康データ測定装置100から検査対象者IDに対応する未発症証明書の発行日時データを受信した場合に、検査対象者IDに対応する未発症証明書の発行日時データを蓄積部16aに記録するように制御する。
【0050】
健康データ測定装置100では、カードリーダー2aが、検査対象者が所持する身分証明カード22から固有の検査対象者IDを読み取る。
収集部50は、医療健康機器4が測定した各検査対象者の検査対象者IDにより特定される健康データを収集する。
生成部52は、収集部50により収集された健康データと健康管理項目及び検査対象者IDに基づいて、検査対象者の健康状態を表す健康管理データを生成する。
健康管理データは、以下のように構成してもよい。
【0051】
【表1】

【0052】
表1に示すように、健康管理データは、横方向に健康管理項目、測定日、数値、標準値、評価段階が記載されており、縦方向に血圧、体重、体脂肪率、血糖値、脈拍、運動量、睡眠量、体温が記載されている。
【0053】
発症判断部54は、生成部52により生成された健康管理データと、健康管理サーバ16から取得した検査対象者IDに対応する過去の健康管理データとに基づいて、検査対象者が感染症を発症しているか否か判断する。
発行制御部56は、発症判断部54により検査対象者が感染症を発症していないと判断された場合に、検査対象者が感染症を発症していないことを表す未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータを発行するように制御する。
印刷制御部は、未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータをプリンタ部132に出力し、画像データを記録媒体に印刷させるように制御する。
これにより、検査対象者が感染症を発症していないことを表す未発症証明書を発行することができるので、目視確認した他の者が当該検査対象者と安心して面会することができ、事前に感染拡大を防ぐことができる。
【0054】
<健康管理システムの詳しい動作>
図5は、本発明の一実施形態に係わる健康管理システムの詳しい動作を示すフローチャートである。
ステップS10では、健康データ測定装置100は、検査対象者認証を行う。
まず、検査対象者が、自身の身分証明カード22をカードリーダー2aにかざす動作を行う。カードリーダー2aは、身分証明カード22から読み取った検査対象者IDを健康データ測定装置100を介して健康管理サーバ16に送信して、健康管理サーバ16による検査対象者認証を受ける。
ここで、健康管理サーバ16の制御部16eは、検査対象者IDが蓄積部16aに登録されているか否かを確認することで認証処理を行って、正当な社員である場合にログインを許可する。なお、認証処理に先立って、操作部140bからパスワードを入力させ、さらにこのパスワードを健康管理サーバ16に送信して、検査対象者IDとパスワードとの組み合わせが蓄積部16aに登録されているか否かを確認するように構成してもよい。
認証処理が完了すると、健康データ測定装置100と健康管理サーバ16との通信が接続状態になる。
【0055】
ステップS15では、健康データ測定装置100は、ネットワーク上に配置された健康管理サーバ16にアクセスし、検査対象者IDに対応する過去の体温測定記録があるか否かを確認する。ここで、健康データ測定装置100は、健康管理サーバ16に検査対象者IDに対応する過去の体温測定記録があることを確認できた場合には、ステップS17に進む。一方、健康データ測定装置100は、健康管理サーバ16に検査対象者IDに対応する過去の体温測定記録がないことを確認できた場合には、ステップS25に進む。
ステップS17では、健康データ測定装置100は、健康管理サーバ16にアクセスし、検査対象者IDに対応する過去の体温測定記録の健康データ、未発症証明書の発行年月日データを要求し、健康管理サーバ16からこれらのデータを取得する。
【0056】
ステップS20では、健康データ測定装置100は、ステップS17で健康管理サーバ16から取得した健康データに含まれる体温測定データと体温測定日時から、前回の体温測定からt時間(例えば、おおよそ5~6時間を想定する)以内であるか否かを判断する。
ここで、健康データ測定装置100は、前回の体温測定からt時間以内である場合(Yes)は、証明発行済みであれば体温測定を中止することとし、ステップS50aに進む。一方、t時間以上経っている場合(No)には、体温測定の必要があるので、ステップS23に進む。
【0057】
ステップS23では、健康データ測定装置100は、体温測定を促すメッセージとして、「検温から○○時間経過しています。体温を測定します。」(図6)というテキストデータを含む画面310を表示部140aに表示する。
ステップS25では、健康データ測定装置100は、体温測定を開始する。
この際、体温計4dを用いて、検査対象者の体温を非接触に計測し、体温計測結果である体温測定データを収集部50が取得する。
【0058】
ステップS30では、健康データ測定装置100の発症判断部54は、体温測定結果が基準体温T1℃より高いか否かを判断する。
発症判断部54は、体温測定結果が基準体温Tth℃(例えば、Tthは37.5℃とする)より高い場合(Yes)は、発熱とみなし感染症発症可能性有と決定し、ステップS65に移行する。
一方、発症判断部54は、体温測定結果が基準体温Tth℃より低い場合(No)は、ステップS35に進む。
【0059】
発熱とみなされなくても、普段の平熱より高い場合は感染症発症も考えられる。そこで、ステップS35では、発症判断部54は、過去N日間(例えば、N=7)のうちM回(例えば、M=3~4)のデータが健康管理サーバ16にあるか否かを確認する(過去一週間のうち3、4回を想定する)。
発症判断部54は、過去N日間のうちM回のデータが健康管理サーバ16にない場合(No)は、ステップS60に進み、一方、過去N日間のうちM回のデータが健康管理サーバ16にある場合(Yes)は、ステップS40に進む。
ステップS40では、発症判断部54は、平均体温Taと差分体温ΔTを算出する。
まず、発症判断部54は、平均体温Taについては、過去N日間のうちM回の体温(T~T)により式(1)に従って平均体温Taを算出する。
Ta=(T+T+・・・+T)/M (1)
さたに、発症判断部54は、差分体温ΔTについては、式(2)に従って、体温測定結果Tから平均体温Ta(普段の平熱)を減算して差分体温ΔTを算出する。
T-Ta=ΔT (2)
【0060】
ステップS45では、発症判断部54は、差分体温ΔTが基準差分体温ΔTth℃よりも高いか否かを判断する。
ここで、発症判断部54は、差分体温ΔTが基準差分体温ΔTth℃よりも高い場合(Yes)は、感染症の発症の可能性が有ると判断し、ステップS65に進む。
一方、発症判断部54は、差分体温ΔTが基準差分体温ΔTth℃よりも小さい場合(No)は、感染症の発症の可能性が無いと判断し、ステップS55に進む。
【0061】
<証明発行>
ステップS50aでは、発行制御部56は、選択ボタンを含む画面として、印刷、コピー、FAXへの移行を選択するためのボタンを含む画面320(図7)を表示部140aに表示する。
ステップS50bでは、発行制御部56は、数時間前に未発症証明書を既に発行している状態なので、今回は未発症証明書を発行しない。
【0062】
ステップS55では、発行制御部56は、未発症証明書(図11)を発行する。
印刷制御部64は、未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータをプリンタ部132に出力し、画像データを記録媒体に印刷させるように制御する。この結果、未発症証明書データを含む画像データを記録媒体に印刷させることができる。
これにより、検査対象者が感染症を発症していないことを表す未発症証明書を発行することができるので、目視確認した他の者が当該検査対象者と安心して面会することができ、事前に感染拡大を防ぐことができる。
【0063】
メール発行部60は、記憶部58から検査対象者IDに対応するメールアドレスを取得して、未発症証明書に係わる画像データ(図11)、又は/及びテキストデータを含む電子メールを当該メールアドレスに送信する。この結果、検査対象者が所持する検査対象者端末21に未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータを含む電子メールを受信することができる。
【0064】
これにより、検査対象者が感染症を発症していないことを表す未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータを検査対象者端末21の画面に提示することができるので、目視確認した他の者が当該検査対象者と安心して面会することができ、事前に感染拡大を防ぐことができる。
この際、発行制御部56は、タイマ部62から現在の年月日データを取得し、未発症証明書を発行した年月日データに検査対象者IDを付加して健康管理サーバ16に送信する。
これに応じて、健康管理サーバ16は、検査対象者IDに対応して未発症証明書を発行した年月日データを蓄積部16aに記録する。
【0065】
ステップS60aでは、発行制御部56は、定期的な体温測定を促すメッセージを表示部140aに表示する。
ステップS60bでは、発行制御部56は、未発症証明書を発行する。
印刷制御部64は、未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータをプリンタ部132に出力し、画像データを記録媒体に印刷させるように制御する。
メール発行部60は、記憶部58から検査対象者IDに対応するメールアドレスを取得して、未発症証明書に係わる画像データ(図11)、又は/及びテキストデータを含む電子メールを当該メールアドレスに送信する。
この際、未発症証明書を発行した年月日データに検査対象者IDを付加して健康管理サーバ16に送信する。
これに応じて、健康管理サーバ16は、検査対象者IDに対応して未発症証明書を発行した年月日データを蓄積部16aに記録する。
ただし、過去体温測定結果との照合がなく、ステップS55に比べれば信頼性が低くなってしまうため、定期的体温測定を促す等、検査対象者に体温推移を今後確認するよう促すこともできる。
【0066】
発行制御部56は、スキャナ部131により身分証明カード22の表面に含まれる顔画像から顔画像データを読み取り、未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータに顔画像データを付加するように制御する。この結果、検査対象者の顔画像データが付加された未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータを発行することができる。
発行制御部56は、タイマ部62から取得した現在の日時データをタイムスタンプとし、タイムスタンプに所定期間を加算した有効期限を算出し、タイムスタンプ及び有効期限を、未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータに付加するように制御する。この結果、有効期限が付加された未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータを発行することができる。
発行制御部56は、タイマ部62から取得した現在の日時データをタイムスタンプとし、タイムスタンプに所定期間を加算した有効期限を算出し、タイムスタンプ及び有効期限を、未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータに付加するように制御する。この結果、タイムスタンプ及び有効期限を、未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータに付加することができる。
発行制御部56は、未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータを身分証明カードに備えられたICチップに記録させるようにカードライター2bを制御する。この結果、身分証明カードに備えられたICチップに未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータを記録させることができる。
【0067】
ステップS65aでは、メール発行部60は、発熱を確認したことを表す電子メール(図9)を発行する。
ステップS65aにおいて、メール発行部60は、健康管理機器自動送信機能により検査対象者の上司、及び健康管理担当者のメールアドレスに宛てた電子メール340を送信する。
電子メール340の具体的な内容として、「タイトル:発熱確認」、「本文: 」、「社員No.○○○」、「氏名:~~」、さらに「発熱を確認しました。帰宅、受診を促すようにお願い致します。」などが含まれていることが好ましい。
ステップS65bでは、発行制御部56は、感染症発症の可能性があると判断し、帰宅すること、医療施設を受診することを検査対象者に促す。また、オフィスであれば、上司及び健康管理担当者に連絡する。
この際、感染症発症の可能性があると判断した年月日データに検査対象者IDを付加して健康管理サーバ16に送信する。健康管理サーバ16は、検査対象者IDに対応して感染症発症の可能性があると判断した年月日データを蓄積部16aに記録する。
【0068】
<体温測定を促すメッセージ>
図6は、本発明の一実施形態に係わる健康管理システムの動作の一場面に用いる画面であり、体温測定を促すメッセージを示す説明図である。
健康データ測定装置100は、体温測定を促すメッセージとして、「検温から○○時間経過しています。体温を測定します。」というテキストデータを含む画面310を表示部140aに表示する。
【0069】
<選択ボタンを含む画面>
図7は、本発明の一実施形態に係わる健康管理システムの動作の一場面に用いる画面であり、印刷、コピー、FAXへの移行を選択するためのボタンを示す説明図である。
図7は、ステップS50aにおいて、表示部140aに表示される、選択ボタンを含む画面として、印刷、コピー、FAXへの移行を選択するためのボタンを含む画面320である。
【0070】
<定期的な体温測定を促すメッセージ>
図8は、本発明の一実施形態に係わる健康管理システムの動作の一場面に用いる画面であり、定期的な体温測定を促すメッセージを示す説明図である。
図8は、ステップS60aにおいて、表示部140aに表示される、定期的な体温測定を促すメッセージであり、「○○時間置きに体温測定をするようにしてください。」というテキストデータを含む画面330である。
【0071】
<発熱確認の電子メール>
図9は、本発明の一実施形態に係わる健康管理システムの動作の一場面に用いる電子メールの内容であり、発熱確認を示す説明図である。
図9は、ステップS65aにおいて、送信される、健康管理機器自動送信機能により検査対象者の上司、及び健康管理担当者のメールアドレスに宛てた電子メール340である。
電子メール340の具体的な内容として、「タイトル:発熱確認」、「本文: 」、「社員No.○○○」、「氏名:~~」、さらに「発熱を確認しました。帰宅、受診を促すようにお願い致します。」などが含まれていることが好ましい。
【0072】
<帰宅、受診を促すメッセージ>
図10は、本発明の一実施形態に係わる健康管理システムの動作の一場面に用いる画面であり、定期的な体温測定を促すメッセージを示す説明図である。
図10は、ステップS65bにおいて、表示部140aに表示される、帰宅、受診を促すメッセージとして、「発熱がありますので帰宅、受診してください。」というテキストデータを含む画面350である。
【0073】
<未発症証明書>
図11は、本発明の一実施形態に係わる健康管理システムにより発行される未発症証明書の一例を示す図である。
図11は、未発症証明書360であり、「社員No.○○○」、「氏名 」、「体調確認済み」、計測に係わる年月日として「○○年△月◇日9:30」、「有効期限 ××」を記載する。
なお、上記内容を含む未発症証明書を含む電子メールを検査対象者端末21のメールアドレスに宛てて送信しても良い。
【0074】
<本実施形態の態様例の作用、効果のまとめ>
<第1態様>
本態様の健康管理システム1は、検査対象者に係わる健康データを測定可能な医療健康機器4が接続された健康データ測定装置100と、健康データ測定装置100から受信した健康データを蓄積する蓄積部16aを有する健康管理サーバ16と、を備えた健康管理システム1であって、健康データ測定装置100は、検査対象者が所持する身分証明カード22から固有の検査対象者IDを読み取るカードリーダー2aと、医療健康機器4が測定した各検査対象者の検査対象者IDにより特定される健康データを収集する収集部50と、収集部50により収集された健康データと健康管理項目及び検査対象者IDに基づいて、検査対象者の健康状態を表す健康管理データを生成する生成部52と、生成部52により生成された健康管理データと、健康管理サーバ16から取得した検査対象者IDに対応する過去の健康管理データとに基づいて、検査対象者が感染症を発症しているか否か判断する発症判断部54と、発症判断部54により検査対象者が感染症を発症していないと判断された場合に、検査対象者が感染症を発症していないことを表す未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータを発行するように制御する発行制御部56と、プリンタ部132と、未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータをプリンタ部132に出力し、画像データ、又は/及びテキストデータを記録媒体に印刷させるように制御する印刷制御部と、を備えることを特徴とする。
本態様によれば、発行制御部56は、検査対象者から収集した健康管理データと過去の健康管理データとに基づいて、検査対象者が感染症を発症していないと判断された場合に、検査対象者が感染症を発症していないことを表す未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータを発行することができる。
さらに、印刷制御部64は、未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータをプリンタ部132に出力し、画像データ、又は/及びテキストデータを記録媒体に印刷させるように制御するので、未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータを記録媒体に印刷させることができる。
これにより、検査対象者が感染症を発症していないことを表す未発症証明書を発行することができるので、目視確認した他の者が当該検査対象者と安心して面会することができ、事前に感染拡大を防ぐことができる。
また、外出先の面会では、未発症証明書を目視確認した相手に不安感を誘発させることなく、面会を進めることができる。
【0075】
<第2態様>
本態様の健康データ測定装置100は、検査対象者が所持する検査対象者端末21に係わるメールアドレスを検査対象者IDと関連付けて記憶する記憶部58と、記憶部58から検査対象者IDに対応するメールアドレスを取得して、未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータを含む電子メールを当該メールアドレスに送信するメール発行部60と、を備えることを特徴とする。
本態様によれば、メール発行部60は、記憶部58から検査対象者IDに対応するメールアドレスを取得して、未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータを含む電子メールを当該メールアドレスに送信するので、検査対象者が所持する検査対象者端末21に未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータを含む電子メールを受信することができる。
これにより、検査対象者が感染症を発症していないことを表す未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータを検査対象者端末21の画面に提示することができるので、目視確認した他の者が当該検査対象者と安心して面会することができ、事前に感染拡大を防ぐことができる。
【0076】
<第3態様>
本態様の発症判断部54は、生成部52により生成された健康管理データに含まれる体温測定データと、健康管理サーバ16から取得した検査対象者IDに対応する過去の体温測定データとに基づいて、体温測定データが基準体温Tth℃より低い場合に、過去N日間のうちM回のデータが健康管理サーバ16にないときには、検査対象者が感染症を発症していないと判断することを特徴とする。
本態様によれば、発症判断部54は、生成部52により生成された健康管理データに含まれる体温測定データと、健康管理サーバ16から取得した検査対象者IDに対応する過去の体温測定データとに基づいて、体温測定データが基準体温Tth℃より低い場合に、過去N日間のうちM回のデータが健康管理サーバ16にないときには、検査対象者が感染症を発症していないと判断することができる。
【0077】
<第4態様>
本態様の発症判断部54は、生成部52により生成された健康管理データに含まれる体温測定データと、健康管理サーバ16から取得した検査対象者IDに対応する過去の体温測定データとに基づいて、体温測定データが基準体温Tth℃より低い場合に、体温測定データTから平均体温を減算して差分体温ΔTを算出し、当該差分体温ΔTが基準差分体温ΔTth℃よりも小さい場合、検査対象者が感染症を発症していないと判断することを特徴とする。
本態様によれば、発症判断部54は、生成部52により生成された健康管理データに含まれる体温測定データと、健康管理サーバ16から取得した検査対象者IDに対応する過去の体温測定データとに基づいて、体温測定データが基準体温Tth℃より低い場合に、体温測定データTから平均体温を減算して差分体温ΔTを算出し、当該差分体温ΔTが基準差分体温ΔTth℃よりも小さい場合、検査対象者が感染症を発症していないと判断することができる。
【0078】
<第5態様>
本態様の健康データ測定装置100は、スキャナ部131を備え、発行制御部56は、スキャナ部131により身分証明カードの表面に含まれる顔画像から顔画像データを読み取り、未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータに顔画像データを付加するように制御することを特徴とする。
本態様によれば、発行制御部56は、スキャナ部131により身分証明カード22の表面に含まれる顔画像から顔画像データを読み取り、未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータに顔画像データを付加するように制御することで、検査対象者の顔画像データが付加された未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータを発行することができる。
これにより、検査対象者の顔画像データが付加された未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータを提示することができるので、検査対象者の顔画像を目視確認した他の者が当該検査対象者と安心して面会することができ、事前に感染拡大を防ぐことができる。
【0079】
<第6態様>
本態様の健康データ測定装置100は、タイマ部62を備え、発行制御部56は、タイマ部62から取得した現在の日時データをタイムスタンプとし、タイムスタンプに所定期間を加算した有効期限を算出し、タイムスタンプ及び有効期限を、未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータに付加するように制御することを特徴とする。
本態様によれば、発行制御部56は、タイマ部62から取得した現在の日時データをタイムスタンプとし、タイムスタンプに所定期間を加算した有効期限を算出し、タイムスタンプ及び有効期限を、未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータに付加するように制御することで、有効期限が付加された未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータを発行することができる。
これにより、検査対象者が感染症を発症していないことを表す、有効期限が付加された未発症証明書を提示することができるので、目視確認した他の者が当該検査対象者と安心して面会することができ、事前に感染拡大を防ぐことができる。
【0080】
<第7態様>
本態様の健康データ測定装置100は、タイマ部62を備え、発行制御部56は、タイマ部62から取得した現在の日時データをタイムスタンプとし、タイムスタンプに所定期間を加算した有効期限を算出し、タイムスタンプ及び有効期限を、未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータに付加するように制御することを特徴とする。
本態様によれば、発行制御部56は、タイマ部62から取得した現在の日時データをタイムスタンプとし、タイムスタンプに所定期間を加算した有効期限を算出し、タイムスタンプ及び有効期限を、未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータに付加するように制御することで、タイムスタンプ及び有効期限を、未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータに付加することができる。
これにより、検査対象者が感染症を発症していないことを表す、タイムスタンプ及び有効期限が付加された未発症証明書を提示することができるので、目視確認した他の者が当該検査対象者と安心して面会することができ、事前に感染拡大を防ぐことができる。
【0081】
<第8態様>
本態様の健康データ測定装置100は、身分証明カードに備えられたICチップにデータを記録させるカードライター2bを備え、発行制御部56は、未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータを身分証明カードに備えられたICチップに記録させるようにカードライター2bを制御することを特徴とする。
本態様によれば、発行制御部56は、未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータを身分証明カードに備えられたICチップに記録させるようにカードライター2bを制御することで、身分証明カードに備えられたICチップに未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータを記録させることができる。
これにより、身分証明カードに備えられたICチップから未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータが、例えば入室時に読み取られた際に、未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータを提示することができるので、目視確認した他の者が当該検査対象者と安心して面会することができ、事前に感染拡大を防ぐことができる。
【0082】
<第9態様>
本態様の健康データ測定装置100は、未発症証明書を記録媒体に印刷する機能を搭載する複合機であることを特徴とする。
本態様によれば、健康データ測定装置100は、未発症証明書を記録媒体に印刷する機能を搭載する複合機であることで、企業のオフィス内において日常的に利用される複合機を健康データ測定装置として活用することができる。
【0083】
<第10態様>
本態様の健康管理サーバ16は、健康データ測定装置100から検査対象者IDに対応する体温測定データを受信した場合に、検査対象者IDに対応する体温測定データを蓄積部16aに記録するように制御する制御部16eを備えることを特徴する。
本態様によれば、健康管理サーバ16に備えられた制御部16eは、健康データ測定装置100から検査対象者IDに対応する体温測定データを受信した場合に、検査対象者IDに対応する体温測定データを蓄積部16aに記録するように制御することで、検査対象者IDに対応する体温測定データを蓄積部16aに記録することができる。
【0084】
<第11態様>
本態様の健康管理サーバ16は、健康データ測定装置100から検査対象者IDに対応する体温測定データの記録を要求された場合に、蓄積部16aから検査対象者IDに対応する体温測定データを取得し、検査対象者IDに対応する体温測定データを健康データ測定装置100に送信するように制御する制御部16eを備えることを特徴する。
本態様によれば、健康管理サーバ16に備えられた制御部16eは、健康データ測定装置100から検査対象者IDに対応する体温測定データの記録を要求された場合に、蓄積部16aから検査対象者IDに対応する体温測定データを取得し、検査対象者IDに対応する体温測定データを健康データ測定装置100に送信するように制御することで、健康データ測定装置100は検査対象者IDに対応する体温測定データの記録を取得することができる。
【0085】
<第12態様>
本態様の健康管理サーバ16は、健康データ測定装置100から検査対象者IDに対応する未発症証明書の発行日時データを受信した場合に、検査対象者IDに対応する未発症証明書の発行日時データを蓄積部16aに記録するように制御する制御部16eを備えることを特徴する。
本態様によれば、健康管理サーバ16に備えられた制御部16eは、健康データ測定装置100から検査対象者IDに対応する未発症証明書の発行日時データを受信した場合に、検査対象者IDに対応する未発症証明書の発行日時データを蓄積部16aに記録するように制御することで、検査対象者IDに対応する未発症証明書の発行日時データを記録することができる。
【0086】
<第13態様>
本態様の健康管理方法は、検査対象者の身体に係わる健康データを測定可能な医療健康機器4が接続された健康データ測定装置100と、健康データ測定装置100から受信した健康データを蓄積する蓄積部16aを有する健康管理サーバ16と、を備えた健康管理システム1による健康管理方法であって、健康データ測定装置100は、
検査対象者が所持する身分証明カードからカードリーダーを介して固有の検査対象者IDを読み取る読み取りステップと、医療健康機器4が測定した各検査対象者の検査対象者IDにより特定される健康データを収集する収集ステップと、収集ステップにより収集された健康データと健康管理項目及び検査対象者IDに基づいて、検査対象者の健康状態を表す健康管理データを生成する生成ステップと、生成ステップにより生成された健康管理データと、健康管理サーバ16から取得した検査対象者IDに対応する過去の健康管理データとに基づいて、検査対象者が感染症を発症しているか否か判断する発症判断ステップと、発症判断ステップにより検査対象者が感染症を発症していないと判断された場合に、検査対象者が感染症を発症していないことを表す未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータを発行するように制御する発行制御ステップと、未発症証明書に係わる画像データ、又は/及びテキストデータをプリンタ部に出力し、画像データ、又は/及びテキストデータを記録媒体に印刷させるように制御する印刷制御ステップと、を含むことを特徴とする。
第13態様の作用、及び効果は第1態様と同様であるので、その説明を省略する。
【符号の説明】
【0087】
1…健康管理システム、2a…カードリーダー、2b…カードライター、4…医療健康機器、4a…血圧計、4b…体組成計、4c…血糖値計、4d…体温計、12…スマートウォッチ、14…健康管理者端末、16…健康管理サーバ、16a…蓄積部、16e…制御部、21…検査対象者端末、20…検査対象者、22…身分証明カード、50…収集部、52…生成部、54…発症判断部、56…発行制御部、58…記憶部、60…メール発行部、62…タイマ部、64…印刷制御部、100…健康データ測定装置、131…スキャナ部、132…プリンタ部、140a…表示部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0088】
【特許文献1】特開2013-218561号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11