(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023044214
(43)【公開日】2023-03-30
(54)【発明の名称】基板処理方法、基板処理装置、半導体装置の製造方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20230323BHJP
H01L 21/02 20060101ALI20230323BHJP
G05B 23/02 20060101ALI20230323BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/02 Z
G05B23/02 V
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021152122
(22)【出願日】2021-09-17
(71)【出願人】
【識別番号】318009126
【氏名又は名称】株式会社KOKUSAI ELECTRIC
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉野 晃生
(72)【発明者】
【氏名】大橋 直史
(72)【発明者】
【氏名】越巻 寿朗
【テーマコード(参考)】
3C223
5F131
【Fターム(参考)】
3C223AA13
3C223BA01
3C223BB09
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3C223FF35
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5F131KA63
5F131KA72
5F131KB17
5F131KB45
(57)【要約】 (修正有)
【課題】基板を搬送する搬送装置の異常及び故障検出を行う基板処理方法、基板処理装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】半導体装置の基板を搬送する搬送ロボットと、搬送ロボットを有する搬送室と、基板を処理する処理室と、搬送ロボットの振動情報を受信する振動情報受信部、搬送ロボットの音情報を受信する音情報受信部及び各構成を制御することが可能に構成された制御部を含むコントローラ201、を備える。製造方法において、コントローラは、基板を搬送する搬送装置から発生した音を拾い、音データの波形と予め設定した閾値とを比較して搬送装置の異常を検出する異常検出工程と、搬送装置の振動を拾い、振動データの波形と予め設定した閾値とを比較して搬送装置の故障を検出する故障検出工程と、を実行する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を搬送する搬送装置から発生した音を拾い、音データの波形と予め設定した閾値とを比較して前記搬送装置の異常を検出する異常検出工程と、
前記搬送装置の振動を拾い、振動データの波形と予め設定した閾値とを比較して前記搬送装置の故障を検出する故障検出工程と、
を有する、基板処理方法。
【請求項2】
基板を搬送する搬送装置と、
前記搬送装置の音情報を受信する音情報受信部と、
前記搬送装置の振動情報を受信する振動情報受信部と、
受信した前記音情報に基づき、前記搬送装置の異常を検出する異常検出部と、
受信した前記振動情報に基づき、前記搬送装置の故障を検出する故障検出部と、
を有する基板処理装置。
【請求項3】
前記搬送装置の内部、または前記搬送装置の外部で、かつ前記搬送装置から離間した位置に設けられ、前記搬送装置から発生した音を拾って前記音情報を生成するマイクロフォンを有する、
請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記搬送装置は、内部が真空とされる真空室の内部に設けられ、
前記搬送装置には、マイクロフォンが内部に設けられ、かつ内部に気体が充填された気体充填容器が設けられている、
請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の前記異常検出工程、及び前記故障検出工程を、コンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理方法、基板処理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板の搬送機構に振動を検出する振動センサを設けた基板処理装置がある(例えば、文献1)。従来の基板処理装置では、ウエハの搬送に支障が生じるか否かを、振動センサで稼働時の搬送機構の振動を検出することで搬送機構の状態を検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の基板処理装置では、搬送機構の状態を検出していたが、装置の異常、または故障を検出することについては課題があった。
【0005】
本開示は、基板を搬送する搬送装置の異常の検出、または、故障検出を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、基板を搬送する搬送装置から発生した音を拾い、音データの波形と予め設定した閾値とを比較して前記搬送装置の異常を検出する異常検出工程と、前記搬送装置の振動を拾い、振動データの波形と予め設定した閾値とを比較して前記搬送装置の故障を検出する故障検出工程と、を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0007】
以上説明したように、本開示によれば、基板を搬送する搬送装置の異常の検出、または故障検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の第1の実施に係る基板処理装置の概要を示す平面図である。
【
図2】基板処理装置の概要を示す一部を断面にした側面図である。
【
図3】(A)は真空ロボットを示す縦断面図であり、(B)は真空ロボットを示す平面図である。
【
図4】(A)は制御系を示すブロック図であり、(B)は制御部の構成の一例を示す図である。
【
図5】波形データと閾値との関係を示すグラフである。
【
図6】第1の実施形態に係る検出処理を示すフローチャートである。
【
図7】第2の実施形態に係る検出処理の前半を示すフローチャートである。
【
図8】第2の実施形態に係る検出処理の後半を示すフローチャートである。
【
図9】第2の実施形態に係る記憶部が授受する情報を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の一実施形態に係る基板処理装置10について
図1乃至
図6を用いて説明する。なお、以下の説明において用いられる図面は、いずれも模式的なものであり、図面に示される、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実のものとは必ずしも一致していない。また、複数の図面の相互間においても、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は必ずしも一致していない。
【0010】
(基板処理装置の概要)
先ず、
図1及び
図2に基づいて本実施形態の基板処理装置10の概要を説明する。
基板処理装置10は真空状態などの大気圧未満の圧力(負圧) に耐える真空搬送室103を備えている。真空搬送室103には負圧下で基板200を移載する搬送装置の一例としての真空搬送ロボット112が設置されている。
【0011】
(真空搬送室)
真空搬送室103は、真空搬送室103へ基板200を搬入する搬入用の予備室122及び真空搬送室103からの基板200を搬出する搬出用の予備室123とゲートバルブ244及び127を介してそれぞれ連結されており、予備室122及び123の前側には、略大気圧下で用いられる大気搬送室121がゲートバルブ128及び129を介して連結されている。
【0012】
(真空搬送ロボット)
図3(A),(B)に示すように、本実施形態の真空搬送ロボット112は、箱状のロボット台座150を有しており、ロボット台座150には、モータ152で駆動される昇降エレベータ154が設けられている。
【0013】
昇降エレベータ154の上部には、昇降エレベータ154の上部に設けた第1アーム駆動装置156によって水平方向に旋回可能な第1アーム158が設けられている。
【0014】
第1アーム158の先端には、第1アーム158の先端に設けた第2アーム駆動装置160によって 水平方向に旋回可能な第2アーム162が設けられている。
【0015】
第2アーム162の先端には、第2アーム162の先端に設けたツイーザ駆動装置164によって水平方向に旋回可能なツイーザ166が設けられている。基板200は、ツイーザ166に載置された状態で搬送される。
【0016】
第1アーム158、第2アーム162、昇降エレベータ154、及びロボット台座150は、各々が密閉された中空構造とされ、内部に気体(一例として空気)が充填されている。
【0017】
本実施形態では、第1アーム158の内部に第1マイクロフォン168が設けられており、第2アーム162の内部に第2マイクロフォン170が設けられており、昇降エレベータ154の内部に第3マイクロフォン177が設けられている。
【0018】
図3(A)に示すように、第1マイクロフォン168は、第1アーム158の外殻を構成している筐体158Aの内壁にゴム、スプリング等の弾性体172を介して取り付けられており、筐体158Aの振動を拾わないようになっている。第1マイクロフォン168は、第1アーム158の内部の音を拾うことができ、第1マイクロフォン168から出力される音情報(音声信号)は、後述する音情報受信部231へ、有線、または無線により送信されるようになっている。
【0019】
第2マイクロフォン170は、第2アーム162の外殻を構成している筐体162Aの内壁にゴム、スプリング等の弾性体174を介して取り付けられている。第2マイクロフォン170は、第2アーム162の内部の音(ツイーザ駆動装置164の音)を拾うことができ、音情報(音声信号)は、後述する音情報受信部231に、有線、または無線により送信されるようになっている。
【0020】
第3マイクロフォン177は、昇降エレベータ154の外殻を構成している筐体154Aの内壁にゴム、スプリング等の弾性体179を介して取り付けられている。第3マイクロフォン177は、昇降エレベータ154の内部の音(第1アーム駆動装置156の音)を拾うことができ、音情報(音声信号)は、後述する音情報受信部231に、有線、または無線により送信されるようになっている。
【0021】
ツイーザ166には、振動センサ176が取り付けられている。振動センサ176は、ツイーザ166の振動を検出し、振動検出情報は、後述する振動情報受信部230に、有線、または無線により送信されるようになっている。なお、振動センサ176は、例えば、加速度センサで構成される。
【0022】
真空搬送ロボット112は、ツイーザ166を用いて基板200を正確に受け取り、かつ受け渡す必要がある。ツイーザ166が想定以上に振動している場合には、基板200を正確に受け取り、かつ受け渡すことが困難であると判断することが好ましい。そのため、真空搬送ロボット112による基板200の搬送時にツイーザ166の振動を検出し、振動の状態(振動波形の違い、振動の大きさ等)によって真空搬送ロボット112の故障を検出することが好ましい。
【0023】
(大気搬送室)
図1、及び
図2に示すように、大気搬送室121には基板200移載する、搬送装置の一例としての大気搬送ロボット124が設置されている。大気搬送室121には、基板200大気搬送室121 に対して搬入出するための基板搬入搬出口134と、基板搬入搬出口134を閉塞する蓋142と、ポッドオープナ108とがそれぞれ設置されている。大気搬送室121には、左側にオリフラ合わせ装置(orientation flat aligner)106が設置されている。
【0024】
ポッドオープナ108は、IOステージ105に載置されたポッド100のキャップ及び基板搬入搬出口134を閉塞する蓋142を開閉することにより、ポッド100に対して基板200の出し入れを可能にする。
【0025】
真空搬送室103には、ゲートバルブ130を介してコールドウォール式の処理炉によってそれぞれ構成されている第一の処理炉202及び第二の処理炉137と、処理済の基板200を冷却するようにそれぞれ構成されている第一のクーリングユニット138及び第二のクーリングユニット139とがそれぞれ連結されている。
【0026】
(大気搬送ロボット)
本実施形態の大気搬送ロボット124は、真空搬送ロボット112と同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。なお、本実施形態の大気搬送ロボット124は、真空搬送ロボット112と同様に、基板200を搬送可能に構成されているが、大気搬送室121の内部を自走可能(
図1の図面左右方向)とされている。
【0027】
大気搬送ロボット124の第1アーム158の第1マイクロフォン168、第2アーム162の第2マイクロフォン170、ツイーザ166の振動センサ176は、真空搬送ロボット112と同様に、後述する音情報受信部231に、有線、または無線により音情報、及び振動情報を送信するようになっている。
【0028】
(処理炉)
図1に示すように、処理炉202は、枚葉式CVD炉(枚葉式コールドウォール型CVD炉)として構成されており、基板200を処理する処理室を内部に形成したチャンバ204を備えている。
【0029】
基板200は、真空搬送ロボット112によって基板搬入搬出口(図示省略)を介して処理炉202内に搬入出される。
【0030】
チャンバ204には、冷却水が流通可能な冷却パイプ(図示せず)が埋め込まれており、該冷却パイプは、処理炉202の外部に設けられた冷却水供給装置178と配管180を介して接続されている。なお、配管180には、流体の流れを制御するバルブ182、流量計183が設けられており、配管180(またはバルブ182)には、振動センサ184、及びマイクロフォン186が取り付けられている。なお、配管180に設けられる各構成は、フランジ等の継手を介して配管180に接続される。
【0031】
振動センサ184は、配管180(またはバルブ182)の振動を検出し、マイクロフォン186は、配管180(またはバルブ182)からの音を拾うことができる。なお、振動検出情報は、振動情報受信部230に有線、または無線により送信され、音検出情報は、音情報受信部231に有線、または無線により送信される。
【0032】
更に、チャンバ204には、基板200を処理する処理ガスを供給する処理ガス供給装置188が配管190を介して接続されていると共に、内部の処理ガスを排気する排気装置192が配管194を介して接続されている。
【0033】
(コントローラ)
図4(A)に示すように、基板処理装置10は、コントローラ201を備えている。
コントローラ201には、基板処理装置10の機構部の振動情報を取得する振動情報受信部230と機構部の動作時に発生する音情報を取得する音情報受信部231が備えられている。
【0034】
基板処理装置10では、コントローラ201により装置全般(搬送系コントローラ211、プロセス系コントローラ212等)の制御が行われる。
コントローラ201は、外部接続機器との接続を管理する外部記憶部223、操作者からの各種指示を受け付ける操作部227b、基板処理状況等の各種情報を表示する表示部227a、真空搬送ロボット112、大気搬送ロボット124、及び配管180等に設置されている振動センサ176、184より振動情報を受信する振動情報受信部230、真空搬送ロボット112、大気搬送ロボット124、及び配管180等に設置されている第1マイクロフォン168、第2マイクロフォン170、第3マイクロフォン177、マイクロフォン186から音情報を受信する音情報受信部231、振動情報受信部230や音情報受信部231からの情報を分析する分析部229、基板処理装置10全体を制御することが可能な制御部220、振動情報受信部230や音情報受信部231で受信した振動情報、及び音情報を蓄積保存する記憶部222等を含んで構成されている。なお、分析部229は、異常検出部と、故障検出部の少なくとも1つ以上を含む様に構成されていても良い。なお、
図4では、分析部229は、制御部220と別の構成の様に示したが、分析部229は、制御部220の一部として構成しても良い。例えば、分析部229を分析プログラムとして構成し、分析プログラムを制御部220に設けられたCPU220A演算する様に構成して良い。また、異常検出部と、故障検出部をそれぞれ、プログラムとして構成しても良い。これらプログラムもCPU220Aで演算する様に構成しても良い。なお、これらのプログラムは記憶部222に記録可能に構成されている。
【0035】
一例として、制御部220は、
図4(B)に示すように、CPU220A、ROM220B、RAM220C等を含んで構成されたコンピュータを用いることができるが、専用の制御回路で構成されていてもよい。
【0036】
なお、操作者とは、装置オペレータのほか、装置管理者、装置エンジニア、保守員、作業者を含む。
【0037】
記憶部222には、振動情報受信部230、及び音情報受信部231より受信した振動情報や音情報の他に振動情報や音情報を蓄積保存する条件となるイベント情報が記憶される。イベント情報は、例えば、真空搬送ロボット112、大気搬送ロボット124の機構部が、動作を開始及び停止するタイミングで発生する情報であり、また、冷却水供給装置178では、例えば、流体の流れを制御するバルブ182が開閉動作するタイミングで発生する情報を示す。
【0038】
通信部228は、搬送系コントローラ211、プロセス系コントローラ212、外部コンピュータ等との間で、情報の受け渡しを行うことができる。
【0039】
これら振動情報受信部230、分析部229、外部記憶部223、操作部227b、表示部227a、通信部228、音情報受信部231、制御部220、記憶部222は、バス232によって相互に接続されており、各種情報やコマンド等の受け渡しを行うことができるようになっている。
【0040】
なお、外部記憶部223は、一例として、外部記録媒体(USBメモリ等)224を接続可能に構成されていてもよい。外部記録媒体224には、次に説明する基板処理工程、異常検出工程、及び故障検出工程等を実行するためのプロブラムを記憶することができる。
【0041】
(作用、効果)
まず最初に、本実施形態の基板処理装置10の基板処理工程の一例を説明する。
図1及び
図2に示すように、複数枚の基板200を収納した状態でポッド100がIOステージ105上に載置され、ポッドオープナ108により開放されて、大気搬送室121の大気搬送ロボット124により基板200がピックアップされ、開放されたゲートバルブ128から予備室122に搬入される。
【0042】
次に、ゲートバルブ128が閉じられ、排気装置(図示省略)により予備室122が負圧に排気され、予め設定された圧力値に減圧されると、ゲートバルブ244及びゲートバルブ130が開かれて、予備室122、真空搬送室103及び第一の処理炉202が連通する。真空搬送ロボット112により予備室122から基板搬入搬出口250を介して第1の処理炉202に基板200が搬入される。
【0043】
真空搬送ロボット112が第1の処理炉202から退出した後、基板搬入搬出口250がゲートバルブ244によって閉じられる。その後、基板200を収容している第1の処理炉202の気体が排気装置192により排気される。
【0044】
次に、処理炉202の第1冷却水パイプ2a及び第2冷却水パイプ2bに冷却水供給装置178からの冷却水が流されるとともに、ヒータ(図示省略)により基板200が加熱される。基板200の温度が処理温度まで上昇すると、処理ガス供給装置188から処理炉202内に処理ガスが供給され、所望の処理が基板200に対して行われる。
【0045】
予め設定された処理時間が経過すると、処理炉202内の気体が排気装置192により排気される。次に、ゲートバルブ130が開かれ、処理済の基板200は、真空搬送ロボット112により真空搬送室103に搬送された後、第一のクーリングユニット138へ搬入され、冷却される。
【0046】
第一のクーリングユニット138において予め設定された冷却時間が経過すると、基板200は真空搬送ロボット112により第一のクーリングユニット138から真空搬送室103へ搬送される。
【0047】
その後、ゲートバルブ127が開き、基板200は真空搬送ロボット112により予備室123へ搬送され、ゲートバルブ127が閉じられ、予備室123内が不活性ガスにより略大気圧に戻される。
【0048】
次に、ポッドオープナ108により蓋142とポッド100のキャップが開かれ、大気搬送ロボット124によって基板200が空のポッド100に収納される。以上の動作が繰り返されることにより、基板200が順次処理されていく。
【0049】
(振動情報、音情報)
本実施形態の基板処理装置10では、上記の基板処理工程と並行して、基板処理装置10の異常検出工程、及び故障検出工程が行われる。
【0050】
以下に、代表して、真空搬送ロボット112のツイーザ166の動作の異常検出工程、及び故障検出工程について以下に説明する。
【0051】
先ず、コントローラ201の記憶部222には、一例として、
図5のグラフで示すように、ツイーザ駆動装置164の音の閾値(1点鎖線で示す上側の波形と下側の波形との範囲が閾値であり、閾値は所定の幅を有している。)が予め格納されていると共に、
図6に示すように、振動の閾値(1点鎖線で示す上側の波形と下側の波形との範囲が閾値であり、閾値は所定の幅を有している。)が予め格納されている。
【0052】
図5のグラフには、音の閾値の波形データの他に、実際に第2マイクロフォン170で拾った正常時(一例として、新品時)の音の正常波形(実線で図示)と、実際に第2マイクロフォン170で拾った異常時の音の異常波形(点線で図示)とが示されている。
【0053】
なお、図示を省略するが、記憶部222には、
図5と同様に、振動の閾値が格納されている。
【0054】
(検出処理の一例)
次に、
図6に示すフローチャートにしたがって異常検出工程、及び故障検出工程の一例を説明する。
この検出処理は、ツイーザ166の一つのイベント(一つの動作)が行われるタイミングで開始され、該イベントが終了するまで続けられる。
【0055】
先ず、ステップ100では、第2マイクロフォン170で、ツイーザ166を駆動するツイーザ駆動装置164の音情報が取得されると共に、振動センサ176でツイーザ166の振動情報取得が取得される。音情報、及び振動情報は、音情報受信部231へ送信される。
【0056】
ステップ102では、分析部229が、転送された音情報と、閾値との比較を行う。分析部229において、音情報の波形が、閾値を外れているか否かを判断し、音情報の波形が閾値を外れている(一例として、転送された音情報の波形が
図5の点線の異常波形となった場合)と判断するとステップ104へ進む。
【0057】
なお、ここでの異常とは、一例として、正常時(一例として新品時)に比較して音の波形が異なっているということであり、通常の動作には何ら問題を生じていないものである。
異常時の音とは、一例として、ツイーザ166を駆動するツイーザ駆動装置164に小さなガタなどが発生した際のガタつきの音や、潤滑油が切れかかっているときに発生する異音等を挙げることができる。
【0058】
ステップ104では、ツイーザ駆動装置164の音が異常であることを知らせるメッセージが表示部227aに表示され、その後、ステップ106へ進む。
【0059】
一方、ステップ102で、音情報の波形が閾値を外れていないと判断した場合にはステップ108へ進み、ツイーザ駆動装置164の音は正常であることを知らせるメッセージが表示部227aに表示され、その後、ステップ100へ戻る。
【0060】
ステップ106では、分析部229において、音情報の場合と同様にして、振動情報の波形が、閾値を外れているか否かを判断し、振動情報の波形が閾値を外れていると判断する(言い換えれば、故障が生じていると判断する)とステップ110へ進み、閾値を外れていないと判断する(言い換えれば、搬送動作等に支障がない軽度の振動である)とステップ112へ進む。
【0061】
ステップ110では、ツイーザ駆動装置164の振動が異常である、即ち、ツイーザ駆動装置164が故障していることを知らせる故障メッセージが表示部227aに表示され、その後、処理を終了する。なお、振動が異常である場合に、真空搬送ロボット112の動作を停止し、警報装置等でアラーム音を出してもよい。
【0062】
ステップ112では、ツイーザ駆動装置164の振動は正常の範囲内であることを知らせるメッセージが表示部227a表示され、その後、ステップ100へ戻る。
【0063】
ここでは、代表して真空搬送ロボット112のツイーザ166の異常検出工程、及び故障検出工程について説明したが、真空搬送ロボット112のその他の駆動部分(第1アーム駆動装置156、第2アーム駆動装置160等)についても同様の処理が行われる。
【0064】
このように、本実施形態の真空搬送ロボット112では、各駆動部分のイベント毎に音の異常の有無、故障の有無が表示部227aに表示されるので、オペレーターは、表示部227aに表示されるメッセージを見て真空搬送ロボット112の各部の動作状況を把握することができる。
【0065】
なお、本実施形態の大気搬送ロボット124においても、真空搬送ロボット112と同様にして異常検出工程、及び故障検出工程を行うことができる。
【0066】
さらに、本実施形態の基板処理装置10では、冷却系の配管180(またはバルブ182)には、マイクロフォン186、及び振動センサ184が取り付けられている。このため、マイクロフォン186、及び振動センサ184でバルブ18の音、及び振動を検出し、真空搬送ロボット112と同様に異常検出工程、及び故障検出工程を行い、バルブ182の異常や故障を検出することもできる。
【0067】
このように、本実施形態によれば、装置の故障を発見することができ、装置が故障する前に、搬送装置の異常を発見することができる。そして、装置が発する異音を検出することで、不具合箇所の発見、点検、修理の準備等を前もってより早く行うことができる。
【0068】
[第2の実施形態]
次に、
図7乃至
図10にしたがって、第2の実施形態に係る基板処理装置10の異常検出工程、及び故障検出工程について説明する。第2の実施形態に係る基板処理装置10の装置構成(ハードウエア)は、第1の実施形態に係る基板処理装置10と同様なので、その説明は省略する。
【0069】
第2の実施形態に係る基板処理装置10は、第1の実施形態とは異常検出工程、及び故障検出工程が異なっている。第1の実施形態では、音情報、及び振動情報の閾値が各々固定されていたが、本実施形態では、蓄積した過去の波形データとの差分(例えば、前回の波形データや、過去の波形データの平均値など)から補正値を算出し、算出した補正値を閾値に加えることで、より精度の高い閾値を得ることができ、精度の高い閾値を用いて異常検出や振動検出を行うことができるようになっている。
【0070】
例えば、製造メーカーで工場出荷時に行う慣らし運転や最終試験(動作確認試験等)において、各部の音情報、及び振動情報を得て、該音情報、及び振動情報に基づいて閾値を設定することができるが、基板処理装置10(真空搬送ロボット112、大気搬送ロボット124、その他)を分解してユーザーが使用する場所で再組立てした場合に、組立誤差、その他の要因により、各部で発生する音や振動が、ユーザー使用時に変わってしまう場合がある。
【0071】
そのため、ユーザーが最初に使用(一例として、ユーザーのラインで使用する前の試験的な使用)をする際に、音情報や振動情報が、製造メーカーで出荷時に設定した閾値から外れてしまう場合があり、異常や故障ではないにも関わらず、異常や故障の表示がされてしまう懸念がある。
【0072】
このため、本実施形態に係る基板処理装置10では、音や振動の閾値を自動で補正するようになっている。
【0073】
以下に、第2の実施形態に係る基板処理装置10における異常検出工程、及び故障検出工程の一例を
図7、及び
図8に示すフローチャートにしたがって説明する。
【0074】
先ず、ステップ200では、第2マイクロフォン170で、ツイーザ166を駆動するツイーザ駆動装置164の音情報が取得されると共に、振動センサ176でツイーザ166の振動情報取得が取得される。音情報、及び振動情報は、音情報受信部231へ送信される。
【0075】
ステップ202では、前回のイベントで記憶しておいた音情報を取得する。
なお、一例として、ユーザー側で最初に装置を駆動した場合、前回のイベントとは、工場出荷時に記憶部222に記憶させておいた音情報(音データ(波形))となる。また、ユーザー側で装置を複数回駆動した場合、前回のイベントとは、ユーザー側で装置を駆動した際の音情報(音データ(波形))となる(
図9参照)。
【0076】
ステップ204では、ステップ200で取得した音情報と、前回の音情報との差異があるかないか判断し、差異がある場合にはステップ206へ進み、差異がない場合はステップ210へ進む。
【0077】
ステップ210では、ステップ200で取得した音情報(閾値の範囲内)を記憶部222へ送る。
【0078】
そして、次のステップ212では、音情報を記憶部222に保存する。なお、該音情報はイベント毎に蓄積することができる(
図9参照)。また、記憶部222に保存した音情報は、閾値の補正に用いることができる。
【0079】
一方、ステップ206では、ステップ200で取得した音情報と、記憶部222に保存されている音情報との差分から補正値を算出し、算出した補正値を閾値に加えることで、新たな閾値を生成し、ここで生成した閾値を分析部229が取得する。
【0080】
一例として、
図10の左側のグラフには、第1波形(一例として、工場出荷時に記憶した波形)と第2波形(一例として、ユーザー側の最初のイベントで取得した波形)と、工場出荷時の閾値との関係が示されている。
図10の左側で示す例では、第1波形、第2波形共に工場出荷時の閾値の範囲内にあることが示されている。なお、第2波形の形状は、第1波形の形状と異なっており、第2波形の一部分は閾値の下限の波形に接近している。
【0081】
このように、第2波形の形状が第1波形の形状と異なっている場合、補正値を算出し、算出した補正値を閾値に加えることで、新たな閾値を生成し、ここで生成した閾値を分析部229で取得し、次の検出工程で利用することができる。
【0082】
図10の右側のグラフには、第2波形(一例として、ユーザー側の最初のイベントで取得した波形)と、第3波形(ユーザー側で2回目のイベントで取得した波形)と、補正した閾値との関係が示されている。
図10の右側のグラフで記載されている閾値は、ユーザー側の2回目のイベントで取得した波形を考慮して補正した閾値であるため、2回目のイベントで取得した情報の波形は、補正した閾値の上限値と下限値との中央に位置している。
なお、
図10の右側のグラフでは、第3波形が補正した閾値から外れている様子を表している。
【0083】
ステップ208では、ステップ200で取得した音情報と、閾値との比較を行う。分析部229において、音情報の波形が、閾値を外れているか否かを判断し、音情報の波形が閾値を外れていると判断するとステップ214へ進み、閾値を外れていないと判断するとステップ210へ進む。
【0084】
ステップ214では、ステップ200で取得した音情報は、閾値を外れた音情報であるとして記憶部222へ送る。
【0085】
ステップ216では、閾値を外れた音情報を取得することで、音異常情報を生成する。
【0086】
次のステップ218では、前回のイベントで記憶しておいた振動情報を取得する。
なお、一例として、ユーザー側で最初に装置を駆動した場合、前回のイベントとは、工場出荷時に記憶部222に記憶させておいた振動情報(振動データ(波形))となる。また、ユーザー側で装置を複数回駆動した場合、前回のイベントとは、ユーザー側で装置を駆動した際の振動情報(振動データ(波形))となる(
図9参照)。
【0087】
図8に示すように、ステップ220では、ステップ200で取得した振動情報と、前回の振動情報との差異があるかないか判断し、差異がある場合はステップ222へ進む。
【0088】
ステップ222では、分析部229が記憶部222に保存されている振動の閾値情報を取得する。
【0089】
ステップ224では、ステップ200で取得した振動情報と、閾値との比較を行う。分析部229において、振動情報の波形が、閾値を外れているか否かを判断し、振動情報の波形が閾値を外れていると判断するとステップ226へ進み、閾値を外れていないと判断するとステップ228へ進む。
【0090】
そして、次のステップ232では、振動情報を記憶部222に保存する。この振動情報は、次のイベント時に、ステップ202で用いる音情報となる。
【0091】
ステップ226では、ステップ200で取得したツイーザ駆動装置164の振動情報は、閾値を外れた振動音情報であるとして記憶部222へ送る。
【0092】
ステップ230では、閾値を外れた振動情報を取得することで、故障情報を生成する。
【0093】
ステップ232では、振動情報を記憶部222に保存する。この振動情報は、次のイベント時に、ステップ218で用いる振動情報となる。
【0094】
ステップ234では、音異常情報(ステップ214で得る音情報検出結果)の有無を判断し、音が異常である(音異常情報がある。)場合にステップ238へ進み、音が正常である(音異常情報はない。閾値の範囲内の音情報あり。)場合にステップ236へ進む。
【0095】
ステップ238では、ツイーザ駆動装置164の音は異常であることを知らせるメッセージが表示部227a表示される。
【0096】
ステップ236では、故障情報(ステップ230で得る)の有無を判断し、故障情報がある場合にステップ242へ進んで故障メッセージが表示部227aに表示され、故障情報がない場合にステップ240へ進んでツイーザ駆動装置164の振動は正常の範囲内であることを知らせるメッセージが表示部227a表示される。
【0097】
本実施形態では、最新の波形データと蓄積した過去の波形データとの差分に基づいて補正値を算出し、算出した補正値を閾値に加えているので、精度の高い閾値を得ることができ、精度の高い閾値を用いて異常検出や振動検出を行うことができる。これにより、誤検出を抑制することができる。
【0098】
以上、第2の実施形態に係る真空搬送ロボット112の異常検出工程、及び故障検出工程について説明したが、大気搬送ロボット124、及びバルブ182においても、真空搬送ロボット112と同様にして異常検出工程、及び故障検出工程を行うことができる。
【0099】
[その他の実施形態]
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【0100】
上記実施形態の真空搬送ロボット112では、第1アーム158、第2アーム162、昇降エレベータ154、及びロボット台座150が、各々中空構造とされ、密閉された筐体158Aの内部に気体(一例として空気)が充填されていたが、内部が外部と連通して内部が真空状態となっている場合もある。このような場合には、駆動装置の近傍に気体を充填した気体充填容器を配置し、その気体充填容器の内部にマイクロフォンを設置すれば、駆動装置から発生する音を間接的に拾うことができる。
【0101】
大気搬送ロボット124においては、ロボット内部ではなく、ロボット外部にマイクロフォン(
図1の符号181)を設けて駆動装置の動作音を拾うようにしてもよい。大気搬送ロボット124の近傍にマイクロフォン181を設けることで、大気搬送ロボット124の各駆動装置から発生する音を一つのマイクロフォン181で拾うことが可能となり、マイクロフォンの数を削減することができる。
【0102】
本開示の実施の形態にかかるコントローラ201は、専用のシステム(回路)によらず、通常のコンピュータシステムを用いても実現可能である。例えば、汎用コンピュータに、上述の処理を実行するための制御プログラムを格納した外部記録媒体(USBメモリ、外付けHDD等)から制御プログラムをインストールすることにより、上述の処理を実行するコントローラ201を構成することができる。
【0103】
なお、プログラムを供給するための手段は任意である。上述のように所定の記録媒体を介して供給できる他、例えば、通信回線、通信ネットワーク、通信システムなどを介して供給してもよい。この場合、例えば、通信ネットワークの掲示板に当該プログラムを掲示し、ネットワークを介して搬送波に重畳して提供してもよい。そして、このように提供されたプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上述の処理を実行することができる。
【0104】
上記実施形態では、基板処理装置の一例として半導体製造装置を示しているが、半導体製造装置に限らず、LCD装置のようなガラス基板を処理する装置であってもよい。また、基板処理の具体的内容は不問であり、成膜処理だけでなく、アニール処理、酸化処理、窒化処理、拡散処理等の処理であってもよい。また、成膜処理は、例えば、酸化膜、窒化膜を形成する処理、金属を含む膜を形成する処理であってもよい。
【0105】
本開示は、搬送、その他の動作を伴う装置(機械)であれば、基板処理装置以外の装置(機械)にも適用可能である。
【0106】
なお、本開示において、搬送ロボット等の振動情報とは、主に機械的振動を意味する。機械的振動とは、例えば、真空搬送ロボット112等が有するモータの動作等により生じる動的な力により、機械的に振動することを意味する。また、本開示において、振動情報とは、機械的振動の情報を意味する。この機械的振動の測定は、その振動する物の加速度を測定することにより可能である。すなわち、振動情報を測定する対象(機械)またはその周囲に加速度センサの様な振動センサを取り付けることにより、対象の振動情報を得ることができる。
【0107】
なお、本開示において、音情報とは、物の振動によって生じた音波を、音響機器(マイクロフォン)によって、電気信号に変換されたものである。
【0108】
なお、本開示において、振動情報と音情報は、共に振動の情報であるが、振動情報(機械的振動の情報)の周波数は、音情報の周波数に比べて低いという差異がある。なお、マイクロフォンの様な音響機器では検出することができない可能性がある振動情報を加速度センサの様な振動センサで検出することが可能であり、また、加速度センサの様な振動センサでは検出できない可能性がある音情報をマイクロフォンの様な音響機器で検出することが可能である。例えば、振動センサは振動センサを取り付けた位置から離れた場所の振動情報の検出はできないが、音響機器では離れた場所の音情報を検出することができる。また、振動センサは、遅い動作時の振動情報の検出や振動に対する反応速度が遅く、動作に追従できない場合があるが、音響機器では、わずかな音情報でも検出することが可能である。このように、二種類の振動センサを用いて、二種類の情報(振動情報と音情報)を得ることにより、機械の異常の検出・異常の予知の少なくとも1つ以上の精度を向上させることが可能となる。なお、二種類の振動センサとは、マイクロフォンの様な音響機器と、加速度センサの様な振動センサを意味する。
【0109】
(付記1)基板処理装置
基板を搬送する搬送ロボットと、
前記搬送ロボットを内包する搬送室と、
前記基板を処理する処理室と、
前記搬送ロボットの振動情報を受信する振動情報受信部と、
前記搬送ロボットの音情報を受信する音情報受信部と、
各構成を制御することが可能な制御部と、
を有する基板処理装置。
【0110】
付記1に記載の基板処理装置では、大気雰囲気だけでなく、真空雰囲気内の搬送ロボットの可動部動作時の振動センサ情報や、振動音の取得ができ、これらの振動や音により、それぞれの部位での異常の検知が可能となり、重大な装置故障を未然に防ぐことが可能となる。
【0111】
(付記2)真空搬送室
前記搬送室は真空搬送室であり、前記真空搬送室には真空中で動作することのできる前記搬送ロボット(真空搬送ロボット)が配置される、
付記1に記載の基板処理装置。
【0112】
付記2に記載の基板処理装置では、搬送ロボット(真空搬送ロボット)で、真空搬送室の真空中で、基板を搬送することができる。
【0113】
(付記3)真空搬送ロボットの振動センサの配置
前記真空搬送ロボットには振動を検知するセンサが設置され、
前記振動を検知するセンサは前記真空搬送ロボットの可動部に配置され、
前記振動を検知するセンサで検知した振動情報を前記振動情報受信部で受信することができる、
付記2に記載の基板処理装置。
【0114】
付記3に記載の基板処理装置では、各種機構部が動作するときの振動を振動センサで検知することができる。振動センサは真空搬送ロボットの内側、または外側に配置される。 なお、機構部とは、例えば、駆動部分を意味する。また、可動部とは、駆動部分や、ツイーザ、アーム等の少なくとも1つ以上を意味する。
【0115】
(付記4)真空搬送ロボットのマイクロフォンの配置
前記真空搬送ロボットには音情報を収集するマイクロフォンが設置され、
前記マイクロフォンは真空中でも音情報を収集可能な様に前記真空搬送ロボット内部に配置され、
前記マイクロフォンで収集した音情報を前記音情報受信部で受信することができる、
付記2に記載の基板処理装置。
【0116】
真空中は音の伝達ができないため、マイクロフォンは真空搬送ロボットの気体が充填された内部の可動部付近に配置される。付記4に記載の基板処理装置では、真空搬送ロボットが真空中に配置されていても真空搬送ロボットの各種機構部が動作するときの振動音を検知することができる。
【0117】
(付記5)大気搬送室
前記搬送室は大気搬送室であり、前記大気搬送室には大気中で動作することのできる前記搬送ロボット(大気搬送ロボット)が配置される、
付記1に記載の基板処理装置。
【0118】
付記5に記載の基板処理装置では、搬送ロボット(大気搬送ロボット)が、大気中で基板を搬送することができる。
【0119】
(付記6)大気搬送ロボットの振動センサの配置
前記大気搬送ロボットには振動を検知するセンサが設置され、
前記振動を検知するセンサは前記大気搬送ロボットの可動部に配置され、
前記振動センサで検知した振動情報を前記振動情報受信部で受信することができる、
付記5に記載の基板処理装置。
【0120】
付記6に記載の基板処理装置では、各種機構部が動作するときの振動を検知することができる。振動センサは大気搬送ロボットの内側または外側に配置することができる。
【0121】
(付記7)大気搬送ロボットのマイクロフォンの配置
前記大気搬送ロボットには音情報を収集するマイクロフォンが設置され、
前記マイクロフォンは前記大気搬送ロボットの可動部の音を受信するために前記大気搬送ロボットの周囲に配置され、
前記マイクロフォンで収集した音情報を前記音情報受信部で受信することができる、
付記5に記載の基板処理装置。
【0122】
付記7に記載の基板処理装置では、大気搬送ロボットの各種機構部が動作するときの振動音をマイクロフォンで検知することができる
【0123】
(付記8)流体が流れる配管
さらに、流体が流れる配管と、
前記配管の振動情報を受信する振動情報受信部と、
前記配管の音情報を受信する音情報受信部と、
を有する、
付記1に記載の基板処理装置。
【0124】
付記8に記載の基板処理装置では、流体が流れる配管での流体の振動と音を、振動情報受信部と音情報受信部で受信することにより、配管の異常を検知することができ、また、配管の故障を検知することができる。
【0125】
(付記9)流体の定義
前記流体は冷却水や処理ガス、パージガスのいずれかを含む、
付記8に記載の基板処理装置。
【0126】
流体の種類によっては、配管、バルブ、冷却水供給装置の少なくとも1つ以上に不純物や腐食等が発生する場合があり、配管、バルブ、冷却水供給装置の少なくとも1つ以上の中を流体が正しく流れなくなる可能性がある。
付記9に記載の基板処理装置では、流体の流れを振動情報や音情報で監視を行うことにより、配管、バルブ、冷却水供給装置の少なくとも1つ以上の異常を早期に検知することができ、また、配管の故障を検知することができる。
【0127】
(付記10)配管の定義
前記配管は流量計やバルブ、フランジ等の継ぎ手と接続し、前記流体を流すことのできる、
付記8または付記9に記載の基板処理装置。
【0128】
流量計の接続部やバルブ接続部、フランジ周囲は締め付け等により、管の径が他の場所と異なる場合があり、流体の流れに影響が出る場合がある。また、それらの部分に、不純物や腐食等による沈殿物がたまり、流体の流れを阻害する場合がある。
付記10に記載の基板処理装置では、流体の流れを振動情報や音情報で監視を行うことにより、配管の異常を早期に検知することができ、また、配管の故障を検知することができる。
【0129】
(付記11)配管の形状
さらに前記配管は装置の形状に合わせて曲げ加工される場合がある、
付記10に記載の基板処理装置。
【0130】
装置の形状に合わせて流体の配管を曲げ加工する場合があるが、配管を曲げ加工した部分は配管形状が他の部分と異なり、流体の流れに影響がでる場合がある。それらの部分に、不純物や腐食等による沈殿物がたまり、流体の流れを阻害する場合がある。
付記11に記載の処理装置では、流体の流れを振動情報や音情報で監視を行うことにより、配管の異常を早期に検知することができ、また、配管の故障を検知することができる。
【0131】
(付記12)配管の振動センサの配置
前記配管の前記振動情報受信部は前記流量計や前記バルブ、前記フランジ等の継ぎ手、前記曲げ加工された、前記流体の流れに影響を与える部分の周囲に配置することを可能とする、
付記10または付記11に記載の基板処理装置。
【0132】
付記12に記載の基板処理装置では、振動センサを流量計出口側、バルブ出口側、フランジ出口側に配置することにより、流体の異常振動を検知することができる。なお、振動センサは、配管の周囲に取り付けることができる。
【0133】
(付記13)配管のマイクロフォンの配置
前記配管の前記音情報受信部は前記流量計や前記バルブ、前記フランジ等の継ぎ手、前記曲げ加工された、流体の流れに影響を与える部分の周囲に配置することを可能とする、
付記10または付記11に記載の基板処理装置。
【0134】
付記13に記載の基板処理装置では、マイクロフォンを流量計出口側、バルブ出口側、フランジ出口側等に配置することにより、流体の異常音を検知することができる。なお、マイクロフォンは、配管の周囲に取り付けることができる。
【0135】
(付記14)分析部の定義
さらに、前記振動受信部で受信した前記振動情報及び前記音情報受信部で受信した前記音情報を分析する分析部を有する、
付記1に記載の基板処理装置。
【0136】
・分析部は振動受信部で振動情報を受信した場合、または音情報受信部で音情報を受信した場合、蓄積部にある履歴情報とを波形データとして重ね合わせを行い、データの差異を確認することができる。
重ね合わせた結果、波形データに差異がある場合、求めた差異が予め定められた閾値の範囲を超える場合は異常と判断し、差異がない、または閾値の範囲内であれば正常と判断することができる。
異常と判断した場合は制御部に通知を行い、制御部は機構の動作停止、あるいは流体の供給を停止することができる。
また、異常があることを表示部にて表示を行い、部品のメンテナンスを促すことができる。
・波形データは、例えば搬送ロボットの場合、機構の動作開始時から動作停止までの間に発生する振動情報とすることができる。
・機構の動作開始及び動作停止は、搬送系コントローラからのイベント情報を受信したタイミング(動作開始を示すイベント、動作停止を示すイベント)で行うことができる。
・配管の場合の波形データは、例えば処理ガス配管の場合、配管に接続されているバルブの開閉タイミング(バルブ開閉を示すイベント)にて情報の収集開始・終了を判断することができる。
【0137】
付記14に記載の基板処理装置では、波形データでの差異を比較することにより、異常の検知が容易である。
振動情報や音情報の収集タイミングを各種イベント情報とすることにより、蓄積部や分析部でのデータの有効範囲が明確となる。
【0138】
(付記15)表示部の定義(振動情報)
前記制御部は、前記分析部が分析した前記振動情報が異常値であった場合、前記搬送ロボットあるいは前記配管の異常状態を表示部に表示する、
付記14に記載の基板処理装置。
【0139】
付記16に記載の基板処理装置では、振動情報の波形データの比較で異常が発生した場合、表示部に当該部位の異常を示すメッセージを表示する。また、異常発見時のイベント情報より該当部位もメッセージに含めることができる。
【0140】
付記16に記載の基板処理装置では、異常を検知した場合のメッセージ表示により、操作者に異常を認識させる。
音情報での異常検知の場合は、当該部位が今後故障する恐れがあると認識でき、予防予知に貢献できる。
【0141】
(付記16)表示部の定義(音情報)
前記制御部は、前記分析部が分析した前記音情報が異常値であった場合、前記搬送ロボットあるいは前記配管の異常状態を表示部に表示する、
付記14に記載の基板処理装置。
【0142】
付記16に記載の基板処理装置では、音情報の波形データの比較で異常が発生した場合、表示部に当該部位の異常を示すメッセージを表示する。また、異常発見時のイベント情報より該当部位もメッセージに含める
【0143】
付記16に記載の基板処理装置では、異常を検知した場合のメッセージ表示により、操作者に異常を認識させる。
音情報での異常検知の場合は、当該部位が今後故障する恐れがあると認識でき、予防予知に貢献できる。
【0144】
(付記17)記憶部の定義
さらに、前記制御部は振動情報受信部及び音情報受信部が受信した振動情報あるいは音情報の履歴を記憶する記憶部を有し、
前記分析部は受信した振動情報あるいは音情報と前記記憶部が記憶した前記履歴とを比較し、異常判定する、
付記14に記載の基板処理装置。
【0145】
付記17に記載の基板処理装置では、イベント情報毎に振動情報及び音情報を記憶部に記憶する。振動情報及び音情報の収集期間は、当該イベントの開始から停止までの間とする。
<効果>
付記17に記載の基板処理装置では、イベント毎の開始/終了タイミングでの情報収集のため、波形データの開始時期が明確になっており、波形データを容易に比較することができる。
【0146】
(付記18)振動あるいは音情報の更新
前記記憶部は前記分析部が比較した結果を受け、正常と判定された場合に前記履歴の振動情報あるいは音情報を保存する、
付記17に記載の基板処理装置。
【0147】
付記18に記載の基板処理装置では、分析部で、記憶部に記憶されている振動情報あるいは音情報と波形の比較を行った結果、正常である場合、対象の情報を記憶部のイベント情報毎に定められたエリアに履歴データとして上書き保存する。なお、過去の履歴を確認する必要がある場合は、上書き保存するのではなく、既にあるデータとは別に保存すればよい。
【0148】
付記18に記載の基板処理装置では、上書き保存することで、常に最新の振動情報あるいは音情報の波形データが記憶部に記憶されており、波形の比較が容易である。
なお、振動情報あるいは音情報の波形データを上書き保存ではなく、別に保存した場合は、波形データを履歴情報として記憶することで、記憶した過去の波形データを重ね合わせることにより単位時間当たりのデータの差を求めることが可能となり、求めたデータの差から閾値の補正を行う補正値を算出し、算出した補正値を閾値にフィードバックすることでより精度の高い異常判定が可能となる。
【0149】
(付記19)半導体処理装置の製造方法
基板を搬送する搬送ロボットの搬送工程と、
前記搬送ロボットを内包する搬送室の大気あるいは真空状態を保持する工程と、
前記基板の処理を行う工程と、
前記搬送ロボットの振動情報を受信する振動情報受信部の受信工程と、
前記搬送ロボットの音情報を受信する音情報受信部の受信工程と、
前記振動情報部または前記音情報部から受信した情報より分析を行った結果、異常と判定された場合に、制御部が装置の異常の通知と動作の停止の少なくとも1つ以上を行う工程と、
を有する半導体処理装置の製造方法。
【0150】
(付記20)半導体処理装置の製造方法
基板を搬送する搬送ロボットの搬送工程と、
前記搬送ロボットを内包する搬送室の大気あるいは真空状態を保持する工程と、
前記基板の処理を行う工程と、
前記搬送ロボットの振動情報を受信する振動情報受信部の受信工程と、
前記搬送ロボットの音情報を受信する音情報受信部の受信工程と、
前記振動情報部または前記音情報部から受信した情報より分析する工程と、
を有する半導体処理装置の製造方法。
【0151】
(付記21)基板処理装置が有するコンピュータによって基板処理装置に実行させるプログラム
基板を搬送する搬送ロボットの搬送手順と、
前記搬送ロボットを内包する搬送室の大気あるいは真空状態を保持する手順と、
前記基板の処理を行う手順と、
前記搬送ロボットの振動情報を受信する振動情報受信部の受信手順と、
前記搬送ロボットの音情報を受信する音情報受信部の受信手順と、
前記振動情報または前記音情報から受信した情報を用いて分析を行い、その結果、異常と判断された場合は装置の異常を通知と、装置の動作を停止の少なくとも1つ以上を行わせる制御手順と、
を有する基板処理装置の実行プログラム。
【0152】
付記21に記載のプログラムにより、装置の異常を通知したり、装置の動作を停止するように、基板処理装置のコンピュータに種々の制御を行わせることができる。
【0153】
(付記22)
基板を搬送する搬送装置から取得した稼働音波形データと前記搬送装置が正常に稼働しているときの正常音波形データとを比較して、前記稼働音波形データが前記正常音波形データを中心とした閾値範囲内にあるか判定し前記搬送装置が正常か異常かを判定する異常判定工程と、
前記搬送装置から取得した稼働振動データと前記搬送装置が正常に稼働しているときの正常振動データとを比較して、前記稼働振動データが前記正常振動データを中心とした閾値範囲内にあるか判定し前記搬送装置が故障か否かを判定する故障判定工程と、
を有する基板処理方法。
【0154】
付記22に記載の基板処理方法では、異常検出工程で、基板を搬送する搬送装置の稼働音波形データが前記正常音波形データを中心とした閾値範囲内にあるか判定することで、搬送装置の異常を検出することができる。
また、故障検出工程では、基板を搬送する搬送装置の稼働振動データが前記正常振動データを中心とした閾値範囲内にあるか判定することで、搬送装置の故障を検出することができる。
【符号の説明】
【0155】
10 基板処理装置
103 真空搬送室(真空室)
112 真空搬送ロボット(搬送装置)
124 大気搬送ロボット(搬送装置)
154A 筐体(気体充填容器)
158A 筐体(気体充填容器)
162A 筐体(気体充填容器)
168 マイクロフォン
170 マイクロフォン
181 マイクロフォン
186 マイクロフォン
200 基板
220A CPU(コンピュータ)
220B ROM(コンピュータ)
220C RAM(コンピュータ)
224 記録媒体(プログラム)
229 分析部(異常検出部、故障検出部)
230 振動情報受信部
231 音情報受信部
【手続補正書】
【提出日】2022-03-23
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本開示は、基板処理方法、基板処理装置、半導体装置の製造方法、及びプログラムに関する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を搬送する搬送装置から発生した音を拾い、音データの波形と予め設定した閾値とを比較して前記搬送装置の異常を検出する異常検出工程と、
前記搬送装置の振動を拾い、振動データの波形と予め設定した閾値とを比較して前記搬送装置の故障を検出する故障検出工程と、
を有する、基板処理方法。
【請求項2】
基板を処理する処理室と、
基板を搬送する搬送装置と、
前記搬送装置を内包する搬送室と、
前記搬送装置から発生する音情報を受信する音情報受信部と、
前記搬送装置から発生する振動情報を受信する振動情報受信部と、
受信した前記音情報の波形と予め設定した閾値とを比較して前記搬送装置の異常を検出する異常検出部と、
受信した前記振動情報の波形と予め設定した閾値とを比較して前記搬送装置の故障を検出する故障検出部と、
前記音情報受信部、及び前記振動情報受信部から信号を受信し、前記異常検出部、及び前記故障検出部を制御することが可能な制御部と、
を有する基板処理装置。
【請求項3】
前記搬送室は真空搬送室であり、前記真空搬送室には真空中で動作することが可能な前記搬送装置である真空搬送装置が配置される、
請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記真空搬送装置には、マイクロフォンが内部に設けられ、かつ内部に気体が充填された気体充填容器が設けられ、前記マイクロフォンで収集した音情報を前記音情報受信部で受信することが可能な、
請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記真空搬送装置の可動部に振動を検知するセンサが設置され、前記センサで検知した振動情報を前記振動情報受信部で受信することが可能な、
請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記搬送室は大気搬送室であり、前記大気搬送室には大気中で動作することが可能な前記搬送装置である大気搬送装置が配置される、
請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記大気搬送装置には音情報を収集するマイクロフォンが設置され、
前記マイクロフォンは前記大気搬送装置の可動部の音を受信するために前記大気搬送装置の周囲に配置され、
前記マイクロフォンで収集した音情報を前記音情報受信部で受信することが可能な、
請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記大気搬送装置には振動を検知するセンサが設置され、
前記振動を検知するセンサは前記大気搬送装置の可動部に配置され、
前記振動を検知するセンサで検知した振動情報を前記振動情報受信部で受信することが可能な、
請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項9】
流体が流れる配管を備え、
前記音情報受信部は、前記配管から発生する音情報も受信し、
前記振動情報受信部は、前記配管から発生する振動情報も受信する、
請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記流体は冷却水や処理ガス、パージガスのいずれかを含む、
請求項9に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記配管は流量計やバルブ、フランジ等の継ぎ手と接続し、前記流体を流すことが可能な、
請求項9に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記配管の前記音情報受信部は前記流量計や前記バルブ、前記フランジ等の継ぎ手、曲げ加工された、流体の流れに影響を与える部分の周囲に配置することが可能な、
請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記配管の前記振動情報受信部は前記流量計や前記バルブ、前記フランジ等の継ぎ手、曲げ加工された、前記流体の流れに影響を与える部分の周囲に配置することが可能な、
請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記振動情報受信部で受信した前記搬送装置及び前記配管から発生する前記振動情報、並びに前記音情報受信部で受信した前記搬送装置及び前記配管から発生する前記音情報を分析する分析部を有する、
請求項9に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記制御部は、前記分析部が分析した前記音情報が異常値であった場合、前記搬送装置あるいは前記配管の異常状態を表示部に表示する、
請求項14に記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記制御部は、前記分析部が分析した前記振動情報が異常値であった場合、前記搬送装置あるいは前記配管の異常状態を表示部に表示する、
請求項14に記載の基板処理装置。
【請求項17】
さらに、前記制御部は音情報受信部及び振動情報受信部が受信した音情報あるいは振動情報の履歴を記憶する記憶部を有し、
前記分析部は受信した音情報あるいは振動情報と前記記憶部が記憶した前記履歴とを比較し、異常判定する、
請求項14に記載の基板処理装置。
【請求項18】
前記記憶部は前記分析部が比較した結果を受け、正常と判定された場合に前記履歴の音情報あるいは振動情報を保存する、
請求項17に記載の基板処理装置。
【請求項19】
搬送装置で基板を搬送する搬送工程と、
前記搬送装置を内包する搬送室の大気あるいは真空状態を保持する工程と、 前記基板の処理を行う工程と、
前記搬送装置の音情報を受信する音情報受信工程と、
前記搬送装置の振動情報を受信する振動情報受信工程と、
前記音情報受信工程または前記振動情報受信工程で受信した情報より分析を行った結果、異常と判定された場合に、制御部が装置の異常の通知と動作の停止の少なくとも1つを行う工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項20】
請求項1に記載の前記異常検出工程、及び前記故障検出工程を、コンピュータに実行させるプログラム。
【手続補正書】
【提出日】2022-07-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0044】
次に、処理炉202の冷却水パイプ(図示省略)に冷却水供給装置178からの冷却水が流されるとともに、ヒータ(図示省略)により基板200が加熱される。基板200の温度が処理温度まで上昇すると、処理ガス供給装置188から処理炉202内に処理ガスが供給され、所望の処理が基板200に対して行われる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
先ず、コントローラ201の記憶部222には、一例として、
図5のグラフで示すように、ツイーザ駆動装置164の音の閾値(1点鎖線で示す上側の波形と下側の波形との範囲が閾値であり、閾値は所定の幅を有している。)が予め格納
されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0055】
先ず、ステップ100では、第2マイクロフォン170で、ツイーザ166を駆動するツイーザ駆動装置164の音情報が取得されると共に、振動センサ176でツイーザ166の振動情報取得が取得される。音情報、及び振動情報は、音情報受信部231、及び振動情報受信部230へ送信される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0066】
さらに、本実施形態の基板処理装置10では、冷却系の配管180(またはバルブ182)には、マイクロフォン186、及び振動センサ184が取り付けられている。このため、マイクロフォン186、及び振動センサ184でバルブ182の音、及び振動を検出し、真空搬送ロボット112と同様に異常検出工程、及び故障検出工程を行い、バルブ182の異常や故障を検出することもできる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】