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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023044562
(43)【公開日】2023-03-30
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/52 20060101AFI20230323BHJP
   H01R 13/64 20060101ALI20230323BHJP
   H02S 40/34 20140101ALI20230323BHJP
【FI】
H01R13/52 D
H01R13/64
H02S40/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021152656
(22)【出願日】2021-09-17
(71)【出願人】
【識別番号】000229117
【氏名又は名称】日本ゼオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100150360
【弁理士】
【氏名又は名称】寺嶋 勇太
(74)【代理人】
【識別番号】100149249
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(72)【発明者】
【氏名】中平 忠克
【テーマコード(参考)】
5E021
5E087
5F151
5F251
【Fターム(参考)】
5E021FA03
5E021FA09
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB21
5E021FC38
5E021JA04
5E021KA05
5E087EE02
5E087EE07
5E087LL02
5E087LL12
5E087QQ03
5E087RR12
5E087RR18
5E087RR26
5F151JA27
5F151JA28
5F251JA27
5F251JA28
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電極の短絡が生じにくいコネクタを提供する。
【解決手段】環境発電体から突出するコネクタ1であって、第1平面部分9、第2平面部分10を含む表面と、前記第1平面部分9、第2平面部分10上のみに設けられる正電極と負電極の一方である第1電極5と、前記第1平面部分9、第2平面部分10上以外の表面上のみに設けられる前記正電極と負電極の他方である第1電極6と、を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環境発電体から突出するコネクタであって、
平面部分を含む表面と、
前記平面部分上のみに設けられる正電極と負電極の一方と、
前記平面部分上以外の前記表面上のみに設けられる前記正電極と前記負電極の他方と、を有するコネクタ。
【請求項2】
前記表面が、前記平面部分と向きが異なる他の平面部分を有し、
前記正電極と前記負電極の前記他方が前記他の平面部分上のみに設けられる、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記平面部分と前記他の平面部分の向きが90°以上異なる、請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記コネクタの突出方向に延びる中心軸線に沿って見たときの前記表面の輪郭形状が、前記中心軸線に関して点対称でない、請求項1~3の何れか1項に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記コネクタの突出方向に延びる中心軸線を中心に180°回転させたときに、前記正電極と前記負電極の前記他方が、回転前の前記正電極と前記負電極の前記一方の位置に重ならない、請求項1~4の何れか1項に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池モジュール等の環境発電体のコネクタが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2011/016464号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発電中にコネクタに水などの導電物質が付着すると、コネクタの正電極と負電極が上記導電物質を介して短絡する場合がある。電極の短絡は環境発電体の腐食などの問題を招く虞がある。
【0005】
そこで本発明は、電極の短絡が生じにくいコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様として、コネクタは、環境発電体から突出するコネクタであって、平面部分を含む表面と、前記平面部分上のみに設けられる正電極と負電極の一方と、前記平面部分上以外の前記表面上のみに設けられる前記正電極と前記負電極の他方と、を有するコネクタである。このような、コネクタの表面の平面部分に正電極と負電極の一方しか存在しない構成によれば、コネクタの上記平面部分に水などの導電物質が付着した場合でも、正電極と負電極の他方に上記導電物質が接触しにくいので、正電極と負電極の短絡を生じにくくすることができる。
【0007】
本発明の一実施形態として、コネクタは、前記表面が、前記平面部分と向きが異なる他の平面部分を有し、前記正電極と前記負電極の前記他方が前記他の平面部分上のみに設けられるコネクタである。このような構成によれば、電極の短絡をより一層生じにくくすることができる。
【0008】
なお、平面部分の向きとは、平面部分に垂直にコネクタの内側から外側に向かう方向を意味する。
【0009】
本発明の一実施形態として、コネクタは、前記平面部分と前記他の平面部分の向きが90°以上異なるコネクタである。このような構成によれば、電極の短絡をより一層生じにくくすることができる。
【0010】
本発明の一実施形態として、コネクタは、前記コネクタの突出方向に延びる中心軸線に沿って見たときの前記表面の輪郭形状が、前記中心軸線に関して点対称でないコネクタである。このような構成によれば、コネクタを中心軸線を中心に180°間違った向きで接続先の雌型コネクタに挿入してしまう誤接続を抑制することができる。
【0011】
なお、中心軸線とは、表面の輪郭形状の中心を通る軸線を意味する。
【0012】
本発明の一実施形態として、コネクタは、前記コネクタの突出方向に延びる中心軸線を中心に180°回転させたときに、前記正電極と前記負電極の前記他方が、回転前の前記正電極と前記負電極の前記一方の位置に重ならないコネクタである。このような構成によれば、たとえコネクタを、中心軸線を中心に180°間違った向きで接続先の雌型コネクタに挿入してしまう誤接続をした場合でも、接続先の外部装置に故障の原因となり得る逆方向の電流が流れるのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、電極の短絡が生じにくいコネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1実施形態に係るコネクタを有する環境発電装置の上面図である。
図2図1に示す環境発電装置の側面図である。
図3】比較例に係るコネクタの電極の配置を示す説明図である。
図4図2に示すコネクタの電極の配置を示す説明図である。
図5図4に示す電極の配置の変形例を示す説明図である。
図6】電極の配置の更なる変形例を示す説明図である。
図7】電極の配置の更なる変形例を示す説明図である。
図8】電極の配置の更なる変形例を示す説明図である。
図9】電極の配置の更なる変形例を示す説明図である。
図10】本発明の第2実施形態に係るコネクタを有する環境発電装置の側面図である。
図11】本発明の第3実施形態に係るコネクタを有する環境発電装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に例示説明する。
【0016】
図1図2に示すように、本発明の一実施形態に係るコネクタ1は、環境発電装置2のコネクタ1である。環境発電装置2は環境発電体3とコネクタ1を有する。環境発電体3は本体部3aと突出部3bとを有する。コネクタ1は突出部3bに連なる。
【0017】
環境発電体3は、1つ以上の太陽電池素子を含む太陽電池モジュールである。太陽電池素子は太陽光などの光を受けて電気を発生させる光電変換素子である。なお、環境発電体3は太陽電池モジュールに限らず、環境エネルギーを電気に変換する発電体であればよい。例えば、環境発電体3は地熱発電モジュールであってもよい。
【0018】
環境発電体3の本体部3aは、互いに反対方向を向く2つの主面を有する板状をなす。より具体的には、環境発電体3は矩形の平板状をなす。なお、環境発電体3は矩形以外の板状をなす構成であってもよいし、湾曲板状など、平板状以外の板状をなす構成であってもよい。環境発電体3の本体部3aは発電領域4を有する。
【0019】
説明の便宜上、図1に表れる方の主面から他方の主面に向かう方向(図2における下方)を下方ともいい、その反対方向を上方ともいう。
【0020】
突出部3bは、環境発電体3の本体部3aの外周縁部(4辺のうちの1辺)から側方に突出する突起状をなす。また、コネクタ1は突出部3bの先端部から側方に突出する。つまり、コネクタ1は環境発電体3の外周縁部から側方に突出する。なお、突出部3bを設けずに、コネクタ1が環境発電体3の本体部3aの外周縁部から側方に突出する構成としてもよい。
【0021】
図4に示すように、コネクタ1は、ハウジングと、正電極と負電極の一方5である第1電極5と、正電極と負電極の他方6である第2電極6と、を有する。第1電極5と第2電極6はそれぞれハウジングの表面上に露出する。ハウジングの内部には、発電領域4を第1電極5に電気的に接続する図示しない第1導電部と、発電領域4を第2電極6に電気的に接続する図示しない第2導電部と、が設けられる。第1電極5の外周部には、ハウジングと第1電極5との間の隙間を塞ぐ図示しない第1シール部が設けられる。第2電極6の外周部には、ハウジングと第2電極6との間の隙間を塞ぐ図示しない第2シール部が設けられる。第1シール部と第2シール部はそれぞれ、例えばゴム又はエラストマーで形成される。コネクタ1の表面に水などの導電物質が付着したとしても、第1シール部と第2シール部により、導電物質がコネクタ1の内部に侵入することが抑制される。
【0022】
正電極と負電極は、発電領域4で発電された電気を図示しない外部装置に供給する。外部装置は電気を利用する装置であればよく、例えば照明装置、電子機器、蓄電池などである。コネクタ1は環境発電体3から突出する雄型である。図示しない外部装置はコネクタ1を接続可能な雌型コネクタを有する。コネクタ1は雌型コネクタに機械的且つ電気的に接続可能である。雌型コネクタは凸形状のコネクタ1に対して相補的な凹形状を有する。
【0023】
コネクタ1は、コネクタ1の突出方向に延びる中心軸線Oを有する。中心軸線Oは、中心軸線Oに沿って見たときのコネクタ1の表面の輪郭形状の中心を通る。コネクタ1は、中心軸線Oに沿って延び上下方向に垂直な矩形平板状をなし、上面1a、下面1b、両側面1c及び先端面1dを有し、突起7が例えば下面1bに設けられ、両側面1cにそれぞれ連なる面取り部8が例えば下面1bに設けられる。
【0024】
このように、中心軸線Oに沿って見たときのコネクタ1の表面の輪郭形状は、中心軸線Oに関して点対称でない。したがって、コネクタ1を中心軸線Oを中心に180°間違った向きで雌型コネクタに挿入してしまう誤挿入を抑制することができる。
【0025】
なお、コネクタ1をこのような誤挿入抑制構造とするための突起7の数、形状及び配置等は適宜変更できる。また、誤挿入抑制構造とするための面取り部8の数、形状及び配置等は適宜変更できる。例えば、突起7と面取り部8を下面1bではなく上面1aに設けてもよい。誤挿入抑制構造とするために突起7を設けずに面取り部8のみを設けてもよいし、面取り部8を設けずに突起7のみを設けてもよい。また、コネクタ1を誤挿入抑制構造としない構成としてもよい。
【0026】
コネクタ1の表面は、第1電極5が設けられる平面部分9(以下、第1平面部分9ともいう)を有する。図3に示す比較例のように、第1電極5だけでなく第2電極6も第1平面部分9上に設けられる場合には、太陽電池モジュールが光を受けている発電中に水などの導電物質が第1平面部分9に付着すると、第1電極5と第2電極6が上記導電物質を介して短絡し易い。しかし本実施形態では、図4に示すように、第2電極6は第1平面部分9上以外の表面上のみに設けられる。したがって、正電極と負電極の短絡を生じにくくし、もって、環境発電体3の腐食などの問題を招きにくくすることができる。
【0027】
水などの導電物質が第1平面部分9に付着することによる正電極と負電極の短絡を生じにくくする観点からは、第2電極6は、第1平面部分9と向きが異なる他の平面部分10(以下、第2平面部分10ともいう)上のみに設けるのが好ましい。より好ましくは、第1平面部分9と第2平面部分10の向きが90°以上異なるのが好ましい。本実施形態では、第1平面部分9と第2平面部分10の向きは180°異なる。
【0028】
本実施形態では、第1平面部分9が上面1aに含まれ、第2平面部分10が下面1bに含まれる。したがって、コネクタ1の厚みを抑制し易く、もって、環境発電装置2全体の厚みを抑制し易い。コネクタ1の厚みをより一層抑制し易くする観点からは、図4に示すように、第1電極5と第2電極6とを互いに側方にずらした配置とするのが好ましい。この場合、コネクタ1の厚みを例えば2mm以内に抑制することができる。
【0029】
図5に示す変形例のように、第1平面部分9が上面1aに含まれ、第2平面部分10が側面1cに含まれる構成としてもよい。この変形例では、第1平面部分9と第2平面部分10の向きは90°異なる。
【0030】
図6に示す変形例のように、第1平面部分9が上面1aに含まれ、第2平面部分10が先端面1dに含まれる構成としてもよい。この変形例では、第1平面部分9と第2平面部分10の向きは90°異なる。
【0031】
図7に示す変形例のように、第1平面部分9が一方の側面1cに含まれ、第2平面部分10が他方の側面1cに含まれる構成としてもよい。この変形例では、第1平面部分9と第2平面部分10の向きは180°異なる。
【0032】
図8に示す変形例のように、第1平面部分9が一方の側面1cに含まれ、第2平面部分10が先端面1dに含まれる構成としてもよい。この変形例では、第1平面部分9と第2平面部分10の向きは90°異なる。
【0033】
第1電極5と第2電極6はそれぞれ、複数の部分で構成してもよい。例えば、図9に示す変形例のように、第1電極5が互いに離間する2つの構成部分5aを有してもよい。この場合も、コネクタ1の厚みをより一層抑制し易くする観点からは、図9に示すように、第1電極5と第2電極6とを互いに側方にずらした配置とするのが好ましい。
【0034】
コネクタ1は、中心軸線Oを中心に180°回転させたときに、第2電極6が、回転前の第1電極5の位置に重ならない構造とするのが好ましい。このような構造によれば、たとえ上記誤接続をされた場合でも、外部装置に故障の原因となり得る逆方向の電流が流れるのを抑制することができる。
【0035】
第1実施形態ではコネクタ1は、中心軸線Oに沿って延び上下方向に垂直な矩形平板状をなす構成とされるが、図10に示す第2実施形態のように、コネクタ1は、中心軸線Oに沿って延び上下方向に平行な矩形平板状をなす構成であってもよい。この場合も、図示は省略するが、第1電極5が設けられる第1平面部分9上以外の表面上のみに第2電極6が設けられる構成とすることで、正電極と負電極の短絡を生じにくくすることができる。
【0036】
また、図11に示す第3実施形態のように、コネクタ1は、中心軸線Oに沿って延び上下方向に垂直な矩形平板状をなす第1板状部1eと、中心軸線Oに沿って延び上下方向に平行な矩形平板状をなす第2板状部1fと、からなり、中心軸線Oに沿って見たときのコネクタ1の表面の輪郭形状がT字形状をなすように第1板状部1eと第2板状部1fが連なる構成であってもよい。このような構成によれば、外力によってコネクタ1が雌コネクタから意図せずに抜け出てしまうことを効率的に抑制することができる。この場合も、図示は省略するが、第1電極5が設けられる第1平面部分9上以外の表面上のみに第2電極6が設けられる構成とすることで、正電極と負電極の短絡を生じにくくすることができる。
【0037】
本発明は前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0038】
したがって、前述した実施形態に係るコネクタ1は、例えば以下に述べるような種々の変更が可能である。
【0039】
前述した実施形態に係るコネクタ1は、環境発電体3から突出するコネクタ1であって、平面部分9を含む表面と、平面部分9上のみに設けられる正電極と負電極の一方5と、平面部分9上以外の表面上のみに設けられる正電極と負電極の他方6と、を有するコネクタ1である限り、種々変更可能である。
【0040】
例えば、環境発電体3の本体部3aは板状に限らない。コネクタ1は1つ又は2つの板状部からなる構成に限らない。
【0041】
なお、前述した実施形態に係るコネクタ1は、表面が、平面部分9と向きが異なる他の平面部分10を有し、正電極と負電極の他方6が他の平面部分10上のみに設けられるコネクタ1であることが好ましい。
【0042】
前述した実施形態に係るコネクタ1は、平面部分9と他の平面部分10の向きが90°以上異なるコネクタ1であることが好ましい。
【0043】
前述した実施形態に係るコネクタ1は、コネクタ1の突出方向に延びる中心軸線Oに沿って見たときの表面の輪郭形状が、中心軸線Oに関して点対称でないコネクタ1であることが好ましい。
【0044】
前述した実施形態に係るコネクタ1は、コネクタ1の突出方向に延びる中心軸線Oを中心に180°回転させたときに、正電極と負電極の他方6が、回転前の正電極と負電極の一方5の位置に重ならないコネクタ1であることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明によれば、電極の短絡が生じにくいコネクタを提供することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 コネクタ
1a 上面
1b 下面
1c 側面
1d 先端面
1e 第1板状部
1f 第2板状部
2 環境発電装置
3 環境発電体
3a 本体部
3b 突出部
4 発電領域
5 第1電極
5a 第1電極の構成部分
6 第2電極
7 突起
8 面取り部
9 第1平面部分
10 第2平面部分
O 中心軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11