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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023044659
(43)【公開日】2023-03-30
(54)【発明の名称】液体を加熱するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   F24H 1/14 20220101AFI20230323BHJP
   F16L 53/35 20180101ALI20230323BHJP
   F17D 1/08 20060101ALI20230323BHJP
【FI】
F24H1/14 A
F16L53/35
F17D1/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022146123
(22)【出願日】2022-09-14
(31)【優先権主張番号】63/245,461
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・マイケル・イェドナック・ザ・サード
【テーマコード(参考)】
3H025
3J071
3L034
【Fターム(参考)】
3H025AA14
3H025AB01
3J071AA11
3J071BB14
3J071CC12
3J071DD36
3J071EE02
3J071FF11
3L034BA14
3L034BA15
3L034BA17
(57)【要約】
【課題】液体を加熱するための装置を提供する。
【解決手段】液体を加熱する能力を有する装置は、バルク供給源から入ってくる液体を受容するように構成された弁アセンブリを提供する場合がある。弁アセンブリは、管システムを介して供給源容器への液体の流れを制御してもよい。管システムは、弁アセンブリに直接的に接続された第1の管と、第1の管の下流にあり、かつ第1の管と供給源弁との間に接続された第2の管とを含む。第2の管は、第2の管を囲む加熱システムで加熱され、また第2の管は、第1の管の直径より大きい直径を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を加熱するための装置であって、
前記液体を受容するように構成された弁アセンブリと、
前記弁アセンブリから下流にあり、前記液体を流すように構成された管システムであって、前記管システムが、
前記弁アセンブリに直接的に接続され、かつ第1の直径を有する第1の管を備える第1の管サブシステムと、
前記第1の管から下流の第2の管サブシステムであって、前記第2の管サブシステムが、前記第1の直径より大きい第2の直径を有する第2の管を備える、第2の管サブシステムと、を備える管システムと、
前記第2の管サブシステムの周りに配設された加熱システムと、
前記第2の管サブシステムに接続され、かつ前記第2の管サブシステムから下流の供給源容器と、を備える装置。
【請求項2】
前記第2の管サブシステムが、前記第2の管から下流の第3の管をさらに備え、かつ前記第2の直径より小さい第3の直径を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第2の管がコイル形状である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記加熱システムが、前記コイルを囲む鋳込みヒーターを備え、かつ前記鋳込みヒーターが加熱カートリッジを備える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記加熱システムが、前記第2の管を囲むヒータージャケットを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記加熱システムが、前記第2の管を囲むクランプヒーターを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記弁アセンブリによって受容される前記液体が、摂氏20~30度の範囲内の温度を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記加熱システムが、前記第2の管サブシステム内の前記液体を摂氏100~120度の範囲内の温度へと加熱するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
システムであって、
液体を保持するように構成されたバルク容器と、
前記バルク容器に接続され、前記バルク容器から下流であり、かつ前記液体を流すように構成された第1の管システムと、
前記第1の管システムに接続され、前記第1の管システムから下流であり、かつ前記液体の前記流れを制御するように構成された弁アセンブリと、
前記弁アセンブリに接続され、かつ前記第1の管システムから下流にある、第2の管システムであって、前記第2の管システムが、
前記弁アセンブリに直接的に接続され、第1の直径を有し、かつ前記液体を流すように構成された第1の管と、
前記第1の管から下流であり、前記第1の直径より大きく、かつ前記液体の容積を蓄積するように構成された第2の直径を有する第2の管と、を備える第2の管システムと、
前記第2の管の周りに配設された加熱システムと、
前記第2の管システムに接続され、かつ前記第2の管システムから下流にある供給源容器と、を備える、システム。
【請求項10】
前記第1の管が前記加熱システムと接触しない、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第2の管サブシステムが、前記第2の管から下流であり、かつ前記第2の直径より小さい第3の直径を有する第3の管をさらに備え、前記加熱システムが前記第3の管の周りに配設される、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記加熱システムが、前記第2の管サブシステム内の前記蓄積した容積の液体を、摂氏100~120度の範囲内の温度へと加熱するように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記バルク容器が、摂氏20~30度の範囲内の温度を有する液体を保持するように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記第2の管がコイル形状であり、かつ
前記加熱システムが、前記コイルを囲む鋳込みヒーターを備え、かつ前記鋳込みヒーターが加熱カートリッジを備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
前記加熱システムが、前記第2の管を囲むヒータージャケットを備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項16】
液体の容積を加熱する方法であって、
バルク容器から第1の管システムを介して弁アセンブリへと前記液体を流すことであって、前記弁アセンブリの中へと流れる前記液体が、摂氏20~30度の範囲内の温度を有する、前記液体を流すことと、
前記弁アセンブリを通して前記液体を流すことと、
前記弁アセンブリから第2の管システムへと前記液体を流すことであって、前記第2の管システムが、
第1の直径を有する第1の管と、
前記第1の管から下流にあり、前記第1の直径より大きい第2の直径を有する、第2の管と、を備える、前記液体を流すことと、
前記第2の管内に前記液体を蓄積することと、
前記第2の管内の前記液体を加熱することと、
前記加熱された液体を前記第2の管から供給源容器へと流すことと、を含む、方法。
【請求項17】
前記第2の管から直接的に前記第2の管から下流に位置する第3の管へと前記加熱された液体を流すことであって、前記第3の管が前記第2の直径より小さい第3の直径を有する、前記加熱された液体を流すことと、
前記第3の管から直接的に前記供給源容器へと前記加熱された液体を流すことと、をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記液体を加熱することが、前記第2の管の外側の周りに加熱装置を提供することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の管内の前記液体を加熱することが、前記液体を摂氏100~120度の範囲内の温度に加熱することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第2の管内の前記液体を加熱することが、前記液体を摂氏80~200度の範囲の温度へと加熱することを含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、管システム内の液体を加熱するための方法および装置に関する。より具体的には、本開示は、半導体デバイスの製作中に使用される液体化学物質を選択的に加熱するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製作中に使用される機器は、製作プロセス中に化学反応を実施するために直接的に使用される供給源容器を収容してもよい。供給源容器は、所望の化学反応を達成するために加熱される液体化学物質を含有してもよい。しかしながら、供給源容器は定期的に再充填されなければならず、また従来のシステムは、所望の化学反応のために必要とされる温度より低い温度である入ってくる液体を提供する。その結果、再充填液体は、化学反応を継続するために所望の温度へと加熱されなければならない。再充填液体を所望の温度へと加熱することは、時間がかかり、また製作プロセスは、こうした時間の間、一時停止されなければならない。供給源容器に入る前に液体を予熱する従来の方法は、供給源容器内の所望の液体温度と、入ってくる液体の温度との大きな温度差に起因し、高温プロセスでは適切ではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
液体を加熱する能力を有する装置は、バルク供給源から入ってくる液体を受容するように構成された弁アセンブリを提供する場合がある。弁アセンブリは、管システムを介して供給源容器への液体の流れを制御してもよい。管システムは、弁アセンブリに直接的に接続された第1の管と、第1の管の下流にあり、かつ第1の管と供給源弁との間に接続された第2の管とを含む。第2の管は、第2の管を囲む加熱システムで加熱され、また第2の管は、第1の管の直径より大きい直径を有する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本明細書で開示される本発明のこれらおよび他の特徴、態様、ならびに利点は、ある特定の実施形態の図面を参照しながら以下に記述され、これは本発明を例示することを意図しており、本発明を限定することを意図してはいない。
【0005】
図1図1は、本技術の例示的な実施形態による、液体を加熱するためのシステムを代表的に図示する。
図2図2は、本技術の代替的な実施形態による、液体を加熱するためのシステムを代表的に図示する。
図3図3は、本技術の例示的な実施形態による、液体を加熱するための管システムの断面図である。
図4図4は、本技術の代替的な実施形態による、液体を加熱するための管システムの断面図である。
図5図5は、本技術のなお別の例示的な実施形態による、液体を加熱するためのシステムを代表的に図示する。
図6図6は、図5の例示的なシステムによる、液体を加熱するための管システムの断面図である。
図7図7は、本技術の一実施形態による鋳込みヒーターの斜視図である。
【0006】
当然のことながら、図内の要素は単純化および明瞭化のために例示されており、必ずしも原寸に比例して描かれていない。例えば、図内の要素のうちの一部の相対サイズは、本開示の例示された実施形態の理解の向上を助けるために他の要素に対して相対的に誇張されている場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0007】
ここで、同様の参照番号が、本開示の類似の構造特徴または態様を特定する図面を参照する。説明および例示の目的で、かつ限定の目的ではなく、本開示による半導体処理システムの実施例の部分図が図1に示され、概して参照番号100によって指定される。本開示、またはその態様による半導体処理システムの他の実施例が、記述されるように、図2図6に提供される。本開示のシステムおよび方法は、液体が半導体処理で使用される供給源容器に入る前に液体を予熱するなどの、液体を加熱するために使用されてもよいが、本開示は、半導体処理で使用される供給源容器に入る前に液体を予熱すること、または一般的に液体を加熱することに限定されない。
【0008】
下記に提供される例示的な実施形態の記述は、単に例示的なものであり、また図示の目的のために提供することのみが意図され、以下の記述は本開示の範囲または特許請求の範囲を限定することを意図しない。さらに、述べられた特徴を有する複数の実施形態の列挙は、追加的な特徴を有する他の実施形態、または述べられた特徴の異なる組み合わせを組み込む他の実施形態を除外することを意図しない。
【0009】
本開示は、概して、液体を加熱する能力を有するシステムおよび装置に関する。加えて、本技術の一部の態様は、概して、供給源容器に入る前に液体を予熱することに関連する。
【0010】
図1を参照すると、システム100は、半導体デバイスの製造のためのプロセスで使用される液体薬品などの液体165を貯蔵するための外部バルク容器105を備えてもよい。システム100は、液体165の流れを制御し、かつ/または反応化学物質を生成するためのツール110をさらに備えてもよい。外部バルク容器105は、様々な管、弁、および液体貯蔵容器を収容するツール110に流体的に接続されてもよい。例えば、外部バルク容器105は、第1の管システム120(第1の管サブシステムとも称される)を介してツール110に接続されてもよい。外部バルク容器105内の液体165は、摂氏20~30度の範囲(例えば、おおよそ摂氏25度など)の温度を有してもよい。加えて、液体165は、第1の管システム120を通り、ツール110に流れ込む間、その温度を維持してもよい。
【0011】
第1の管システム120は、外部バルク容器105からツール110へと液体化学物質165を流すように構成されてもよく、また所望の流量を維持するために好適な任意の数の管、ポンプ、および/または弁を含んでもよい。様々な実施形態では、第1の管システム120は、アルミニウムまたはアルミニウム合金などの熱伝導性金属で作製されてもよい。様々な実施形態では、第1の管システム120は、外部供給源によって加熱されない。しかしながら、他の実施形態では、第1の管システム120は、ヒータージャケットやこれに類するものなどの外部供給源(図示せず)によって加熱されてもよい。
【0012】
ツール110は、液体165の流れを制御する、かつ/または液体165を加熱するように構成されてもよい。例えば、ツール110は、弁アセンブリ160、第2の管システム125(第2の管サブシステムとも称される)、加熱システム、および供給源容器115を備えてもよい。様々な実施形態では、ツール110は、弁アセンブリ160、第2の管システム125、加熱システム、および供給源容器115を囲むためのハウジング(図示せず)をさらに備えてもよい。
【0013】
弁アセンブリ160は、外部バルク容器105から入ってくる液体165を受容し、そして液体165の下流構成要素への流れを制御するように構成されてもよい。例えば、弁アセンブリ160は、第1の管システム120に接続されてもよい。弁アセンブリ160は、第1の管システム120からの液体165の流れを制御するために、任意の数の弁、ポンプ、および/またはコントローラを備えてもよい。弁アセンブリ内の弁および/またはポンプは、制御される(すなわち、開および閉)弁アセンブリ160であってもよく、弁アセンブリ160の動作を制御するために好適な外部コントローラ、マイクロプロセッサ、または他のデバイスまたはシステム(図示せず)によって制御されてもよい。一部の実施形態では、弁アセンブリ160は、別々に制御された加熱システムまたはデバイスを用いて加熱されてもよい。
【0014】
一部の実施形態では、弁アセンブリ160は、摂氏60度以下の温度において液体を受容するように制限されてもよい。このように、弁アセンブリ160に直接的に接続された流入管および/または流出管は、弁アセンブリ160の適切な動作のために、弁アセンブリ160の温度仕様に制限されてもよい。加えて、弁アセンブリ160の中へと流れる液体は、弁アセンブリ160の適切な動作のために、弁アセンブリ160の同じ温度仕様に制限されてもよい。
【0015】
しかしながら、他の実施形態では、弁アセンブリ160は、それ自体が加熱されてもよく、そしてしたがって、摂氏60度以上の温度で液体を受容することができる。
【0016】
第2の管システム125は、弁アセンブリ160から供給源容器115へと液体165を流すように構成されてもよい。様々な実施形態では、第2の管システム125は、所望により、液体165を流すために好適な任意の数の管、弁、およびこれに類するものを備えてもよい。第2の管システム125は、設計制約および/または物理的制約に基づいて、任意の好適な長さを有してもよい。様々な実施形態では、第2の管システム125の部分は加熱されてもよく(例えば、外部加熱システムを用いて)また、第2の管システム125の他の部分は加熱されなくてもよい。
【0017】
様々な実施形態では、第2の管システム125は、弁アセンブリ160に直接的に接続される第1の部分130を備えてもよい。第1の部分130は、アルミニウムまたはアルミニウム合金などの任意の熱伝導性金属で作製されてもよい。様々な実施形態では、第1の部分130の加熱は、上記で考察したように、弁アセンブリ160の動作と干渉する場合があるため、第1の部分130は、外部加熱源によって加熱されない場合がある。しかしながら、他の実施形態では、第1の部分130は、ヒータージャケットまたはこれに類するものなどの外部加熱源を用いて加熱されてもよい。
【0018】
第1の部分130は、任意の好適な長さ(おおよそ2インチ~10リニアフィートの範囲内など)を有してもよく、また1/8インチ~3インチの範囲内の直径を有してもよい。第1の部分130の長さは、物理的設計の制約に従って、かつ/または弁アセンブリ160が不注意で下流構成要素から加熱されないことを確実にするように選択されてもよい。例えば、ハウジングは、物理的空間を画定してもよく、またツール110内の構成要素の物理的配列を決定づけてもよい。第1の部分130は、液体165を弁アセンブリ160から第2の部分135へと流すために好適な、任意の数の管、弁およびこれに類するものを備えてもよい。例えば、第1の部分130から第2の部分135への液体165の流れを制御するために、弁(図示せず)が、第1の部分130と第2の部分135との間に配置されてもよい。
【0019】
様々な実施形態では、第2の管システム125は、第1の部分130の下流にある第2の部分135をさらに備えてもよい。具体的には、第2の部分135は、第1の部分130と供給源容器115との間に接続されてもよい。様々な実施形態では、第2の部分135は、供給源容器115へと直接的に接続されてもよい。別の方法として、第2の部分135は、弁(図示せず)を介して供給源容器115へと接続されてもよい。
【0020】
第2の部分135は、任意の好適な長さを有してもよく、また第2の部分135の長さは、物理的設計の制約に従って選択されてもよい。第2の部分135は、液体165を第1の部分130から供給源容器115へと流すために好適な、任意の数の管、弁、およびこれに類するものを備えてもよい。
【0021】
1つの実施形態で、図1を参照すると、第2の部分135は、第1の管140および第2の管145を備えてもよい。第1の管140は、第1の部分130から下流にあって、第1の部分130へと接続されてもよい。第2の管145は、弁175を介して第1の管140から下流に接続されてもよい。弁175は、遮断弁、方向弁、ダイアフラム弁、空気弁、手動弁、またはこれに類するものなどの任意の好適な弁を備えてもよく、また弁175およびは、外部コントローラ(図示せず)またはマイクロプロセッサ(図示せず)を用いて制御(すなわち、開閉)されてもよい。
【0022】
本事例では、第1の管140は、第1の部分130よりも大きな直径を有してもよい。例えば、第1の管140は、1/4インチ~3インチの範囲内の直径を有してもよい。加えて、第1の管140は、1リットル~5リットルの範囲内の容積を有してもよい。他の実施形態では、第1の管140の容積は、5リットル超であってもよい。本実施形態では、第2の管145は、第1の管140より小さい直径を有してもよい。第2の管145の直径は、第1の部分130の直径以上であってもよい。第2の管145は、弁(図示せず)および/または入口チューブ(図示せず)を介して供給源容器115に接続されてもよい。
【0023】
本実施形態では、第1の管140は、液体165を蓄積または別の方法で保持してもよい。言い換えれば、液体165は、第1の管140を通して連続的に流れなくてもよく、そうではなく、第1の管140がその最大容積まで、または他の所望の容積まで充填された後のある期間の間、停滞してもよい。停滞期間の間、第1の管140内に蓄積された液体165は、摂氏80~200度、より具体的には摂氏100~120度の範囲内などの、所望の温度に加熱されてもよい。他の事例では、液体165は、摂氏200度を上回って加熱されてもよい。加熱温度は、第1の管140および関連付けられた構成要素の材料の加熱要素の最大加熱能力および/または融点によってのみ制限されてもよい。弁175は、液体165が第1の管140内に蓄積することを可能にするために閉鎖されてもよく、そしてその後、液体165が第2の管145を通して供給源容器115の中に流れ込むことを可能にするように、開放されてもよい。
【0024】
代替的な実施形態で、図2を参照すると、第2の部分135は、1~5リットルの範囲内の容積およびおおよそ1/8インチ~おおよそ3インチの範囲の直径を有する単一の管240を備えてもよい。管240は、第1の部分130から下流に接続されてもよい。本事例では、管240は、弁(図示せず)および/または入口チューブ(図示せず)を介して供給源容器115に接続されてもよい。
【0025】
様々な実施形態では、管240は、液体165を蓄積してもよく、または別の方法で保持してもよい。言い換えれば、液体165は、管240を通して連続的に流れなくてもよく、そうではなく、管240がその最大容積まで、または他の所望の容積まで充填された後のある期間の間、停滞してもよい。停滞期間の間、管240内に蓄積された液体165は、摂氏80~200度、より具体的には摂氏100~120度の範囲内などの、所望の温度に加熱されてもよい。他の事例では、液体165は、摂氏200度を上回って加熱されてもよい。加熱温度は、第1の管140および関連付けられた構成要素の材料の加熱要素の最大加熱能力および/または融点によってのみ制限されてもよい。
【0026】
様々な実施形態では、管240は、第1の部分130へと直接的に接続されてもよい。代替的な実施形態では、管240は、弁(図示せず)を介して第1の部分130に接続されてもよい。
【0027】
様々な実施形態では、第2の部分135は加熱されてもよい。例えば、かつ図4を参照すると、システム100は、第2の部分135(例えば、第1の管140、または第2の管145と第1の管140とが一緒に)を囲むヒータージャケット400を備えてもよい。ヒータージャケット400は、織物で作製され、また面ファスナーまたはこれに類するものなどの締結具で第2の部分135の外表面の周りに固定される従来のヒータージャケットを備えてもよい。
【0028】
別の実施形態で、図3を参照すると、システム100は、第2の部分135(例えば、第1の管140または管240)を囲むクランプヒーター320を備えてもよい。クランプヒーター320は、第1のクランプ部分300と、第2の部分135(例えば、第1の管140または管240)の外表面の周りに配設される第2のクランプ部分305とを備えてもよい。クランプヒーター320は、それぞれ第1および第2のクランプ部分300、305の内部部分に配設されたヒーター要素310、315をさらに含んでもよい。ヒーター要素310、315は、それぞれのヒータークランプ部分300、305を通し、かつ第2の部分135(例えば、第1の管140または管240)の長さに沿って延在してもよい。ヒーター要素310、315は、ヒーターロッド、ヒーターカートリッジ、またはこれに類するものを備えてもよい。
【0029】
また別の実施形態で、図5および6図を参照すると、システム100は、鋳込みヒーターシステム600を備えてもよい。鋳込みヒーターシステム600は、第1の管140を囲む外側本体615を備えてもよい。本事例では、第1の管140は、加熱ロッド605および熱電対610の周りにコイル状にされる。加熱ロッド605は、第1の管140へと伝達される熱を生成するように好適に構成され、それ故に、第1の管140の内側の液体165を加熱する能力を有する。加熱ロッド605は、加熱ロッド605を動作するために、電源(図示せず)および/またはコントローラ(図示せず)(またはマイクロプロセッサ(図示せず))へと電気的に接続されてもよい。
【0030】
同様に、例示的な実施形態では、第1の管140は、熱電対610の周りにコイル状にされてもよく、また熱電対610は、第1の管140の外表面へと添付されてもよい。熱電対610は、第1の管140の温度を測定し、また測定された温度に対応する信号(例えば、電圧値)を生成するように構成される。熱電対610は、コントローラに電気的に接続されてもよく、コントローラは、信号を受信し、かつ信号を数値に変換してもよい。
【0031】
システム100は、ガスまたは蒸気を供給源容器115から反応チャンバ150へと流すように構成された第3の管システム155をさらに備えてもよく、また所望の流量を維持するために好適な任意の数の管、ポンプ、および/または値を備えてもよい。
【0032】
供給源容器115は、液体165を保持するように、または別の方法で収容するように構成されてもよい。供給源容器115は、任意の好適な形状およびサイズであってもよい。例えば、供給源容器115は、円筒形状または立方体または直方体形状であってもよい。加えて、供給源容器115は、気密になるようにさらに構成されてもよい。例えば、供給源容器115は、空気が供給源容器115に入るのを防止するために、シリコンまたはゴムで作製されたガスケットまたはOリングを有する気密リッドを備えてもよい。別の方法として、リッドは、供給源容器115に溶接されてもよい。様々な実施形態では、供給源容器115は、供給源容器115の内側の液体が所望の温度を維持することを確実にするために、供給源容器115を囲むヒータージャケットなどの外部加熱システム170で加熱されてもよい。供給源容器115の温度は、特定の用途、プロセス、化学反応、およびこれに類するものに従って選択されてもよい。例えば、加熱システム170は、所望のプロセスまたは化学反応を実施するために、供給源容器115内の液体をおおよそ摂氏120度に加熱してもよい。
【0033】
様々な動作で、図1を参照すると、コントローラ(図示せず)(またはマイクロプロセッサ(図示せず))は、外部バルク容器105から外へ出て、第1の管システム120を通り、弁アセンブリ160に入る液体165の流れを制御してもよい。次いで、コントローラ(図示せず)は、液体165を、第1の管システム120から、弁アセンブリ160を通し、そして第2の管システム125の中へと流すために、弁アセンブリ160の動作を制御してもよい。様々な動作では、第2の部分135に貯蔵された液体165が加熱されると、第2の部分135からの液体165は供給源容器115の中に流れ込む。
【0034】
一つの動作では、液体165は、第1の部分130を通して流れてもよく、そして次いで、第2の部分135内、例えば、第1の管140内に蓄積されてもよい。第1の管140が液体165を蓄積した後、第1の管140は、液体165が所望の温度へと加熱されるまで、液体165を貯蔵し続けてもよい。液体165が所望の温度に達した後、液体165は供給源容器115の中に流れ込んでもよい。本事例では、液体165は、第1の管140から、次いで第2の管145へと、そして次いで供給源容器115へと流れてもよい。
【0035】
代替的な動作では、液体165は、第1の部分130を通して流れてもよく、また次いで、第2の部分135内に、例えば、管240内に、蓄積してもよい。管240が液体165を蓄積した後、管240は、液体165が所望の温度へと加熱されるまで、液体165を貯蔵し続けてもよい。液体165が所望の温度に達した後、液体165は供給源容器115の中に流れ込んでもよい。本事例では、液体165は、管240よりも直径が小さい中継管なしで、管240から、次いで供給源容器115へと流れてもよい。
【0036】
様々な動作では、液体165は、加熱されると、反応プロセスを継続するために、供給源容器115が満杯になるまで、または所望のレベル/容積に達するまで、供給源容器115の中に流れ込む。
【0037】
本開示はある特定の実施形態および実施例の文脈で提供されてきたが、本開示は、具体的に記述される実施形態を超えて、本実施形態の他の代替的な実施形態および/または使用および明白な修正ならびにそれらの均等物にまで延長されることを当業者は理解するであろう。加えて、本開示の実施形態のいくつかの変形が示され、かつ詳細に記述されているが、本開示の範囲内にある他の修正は、本開示に基づいて当業者に対して容易に明らかとなるであろう。実施形態の特定の特徴および態様の様々な組み合わせまたは部分組み合わせが作製されてもよく、また依然として本開示の範囲に含まれてもよいこともまた企図される。当然のことながら、開示された実施形態の様々な特徴および態様は、本開示の実施形態の変化するモードを形成するために、互いに組み合わせる、または置き換えることができる。それ故に、本開示の範囲は、上述の特定の実施形態によって限定されるべきではないことが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】