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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023044800
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】体液吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/511 20060101AFI20230327BHJP
   A61F 13/472 20060101ALI20230327BHJP
【FI】
A61F13/511 100
A61F13/472
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021152852
(22)【出願日】2021-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】000186588
【氏名又は名称】小林製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】寺西 陽子
(72)【発明者】
【氏名】小迫 裕介
(72)【発明者】
【氏名】三木 尚仁
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA03
3B200BA01
3B200BA16
3B200BB03
3B200DC05
3B200DC06
(57)【要約】
【課題】吸収体による体液の吸収性を高めるとともに、吸収体に対するトップシートの剥がれの耐久性を高めることができることができる体液吸収性物品を提供する。
【解決手段】体液吸収性物品1は、トップシート2及びバックシート3と、トップシート2及びバックシート3の間に配置された吸収体4と、を備え、ユーザの肌に接触する側のトップシート2を透過した体液を吸収体4で吸収する。トップシート2には、吸収体4側に向けて窪んだ複数の凹部9が形成されている。トップシート2には、凹部9が複数集まった密領域10が複数存在しており、複数の密領域10は、それぞれが凹部9の形成されていない疎領域11に囲まれている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トップシート及びバックシートと、前記トップシート及び前記バックシートの間に配置された吸収体と、を備え、ユーザの肌に接触する側の前記トップシートを透過した体液を前記吸収体で吸収する体液吸収性物品であって、
前記トップシートには、前記吸収体側に向けて窪んだ複数の凹部が形成されており、
前記トップシートには、前記凹部が複数集まった密領域が複数存在しており、複数の前記密領域は、それぞれが前記凹部の形成されていない疎領域に囲まれている、体液吸収性物品。
【請求項2】
前記密領域における前記凹部の開口面積率が8%以上15%以下である、請求項1に記載の体液吸収性物品。
【請求項3】
前記トップシートにおける前記疎領域の面積率が20%以上50%以下である、請求項1又は2に記載の体液吸収性物品。
【請求項4】
前記トップシートにおける前記凹部の開口面積率が4%以上10%以下である、請求項1から3のいずれか一項に記載の体液吸収性物品。
【請求項5】
前記トップシートの縦方向又は横方向に対して傾斜する方向に前記凹部の単位パターンが繰り返し並ぶことで構成された単位列が互いに平行に複数配列することにより、前記複数の凹部が前記トップシートに形成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の体液吸収性物品。
【請求項6】
前記トップシートは、縦方向の長さが横方向の長さよりも長い縦長形状を呈しており、
前記凹部の単位パターンは、前記横方向に対して傾斜する方向に繰り返し並ぶ、請求項5に記載の体液吸収性物品。
【請求項7】
前記トップシートは、縦方向の長さが横方向の長さよりも長い縦長形状を呈しており、
前記凹部の単位パターンは、前記縦方向に対して傾斜する方向に繰り返し並ぶ、請求項5又は6に記載の体液吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、おりもの、経血、汗、尿などの体液を吸収するために使用される体液吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、おりもの、経血、汗、尿などの体液を吸収するため、体液吸収性物品が使用されている。体液吸収性物品は、主に、体液を透過させる性質のトップシート、体液を透過させない性質のバックシート、及び、トップシートとバックシートとの間に挟まれる吸収体を備えた三層構造であり、トップシートをユーザの肌に接触させ、トップシートを透過した体液を吸収体で吸収するものである。
【0003】
体液吸収性物品の使用時の快適性を高めるためには、ユーザの肌に体液が触れないように、吸収体による体液の吸収性を高めて肌に接するトップシートに体液をできる限り残さないことが重要である。その手段として、トップシートにエンボス加工などによって複数の凹部を形成する技術が開示されている(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-014927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
体液吸収性物品は、吸収体及びトップシート、吸収体及びバックシートがそれぞれ接着剤により貼り合わされることで三層構造とされている。ここで、トップシートに複数の凹部が形成されていると、トップシートは凹部の部分では吸収体との接着強度が低下する。そのため、吸収体による体液の吸収性を高めるためにトップシートにより多くの凹部を形成すると、トップシートが吸収体から剥がれやすくなるという課題がある。
【0006】
本発明は、この課題を解決するためになされたものであり、吸収体による体液の吸収性を高めるとともに、吸収体に対するトップシートの剥がれの耐久性を高めることができる体液吸収性物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、トップシート及びバックシートと、前記トップシート及び前記バックシートの間に配置された吸収体と、を備え、ユーザの肌に接触する側の前記トップシートを透過した体液を前記吸収体で吸収する体液吸収性物品に関する。本発明の体液吸収性物品は、前記トップシートには、前記吸収体側に向けて窪んだ複数の凹部が形成されており、前記トップシートには、前記凹部が複数集まった密領域が複数存在しており、複数の前記密領域は、それぞれが前記凹部の形成されていない疎領域に囲まれている、ことを特徴とする。
【0008】
本発明の体液吸収性物品において好ましくは、前記密領域における前記凹部の開口面積率が8%以上15%以下である、ことを特徴とするように構成することができる。
【0009】
また、本発明の体液吸収性物品において好ましくは、前記トップシートにおける前記疎領域の面積率が20%以上50%以下である、ことを特徴とするように構成することができる。
【0010】
また、本発明の体液吸収性物品において好ましくは、前記トップシートにおける前記凹部の開口面積率が4%以上10%以下である、ことを特徴とするように構成することができる。
【0011】
また、本発明の体液吸収性物品において好ましくは、前記トップシートの縦方向又は横方向に対して傾斜する方向に前記凹部の単位パターンが繰り返し並ぶことで構成された単位列が互いに平行に複数配列することにより、前記複数の凹部が前記トップシートに形成されている、ことを特徴とするように構成することができる。
【0012】
また、本発明の体液吸収性物品において好ましくは、前記トップシートは、縦方向の長さが横方向の長さよりも長い縦長形状を呈しており、前記凹部の単位パターンは、前記横方向に対して傾斜する方向に繰り返し並ぶ、ことを特徴とするように構成することができる。
【0013】
また、本発明の体液吸収性物品において好ましくは、前記トップシートは、縦方向の長さが横方向の長さよりも長い縦長形状を呈しており、前記凹部の単位パターンは、前記縦方向に対して傾斜する方向に繰り返し並ぶ、ことを特徴とするように構成することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の体液吸収性物品によれば、吸収体による体液の吸収性を高めるとともに、吸収体に対するトップシートの剥がれの耐久性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】体液吸収性物品の平面図である。
図2】体液吸収性物品の背面図である。
図3】体液吸収性物品の一部分の概略構成を拡大して示す縦断面図である。
図4】トップシートの変形例の一部分の概略構成を拡大して示す縦断面図である。
図5】トップシートの一部分を拡大して示す平面図である。
図6】凹部の単位パターンを示す説明図である。
図7】体液吸収性物品の平面図であり、トップシートにおける複数の凹部の配列を説明する図である。
図8】トップシートのもととなる第一原料シートに複数の凹部を形成する方法の概略構成を示す説明図である。
図9】一対の版ロールの概略構成を示す斜視図である。
図10】版ロールの外周面に形成された複数の突起の配列を説明する図である。
図11】第一原料シートに形成された複数の凹部の配列を説明する図である。
図12】体液吸収性物品の製造方法の概略構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
体液吸収性物品は、ユーザの衣類(例えば下着)や肌に直接取り付けられて、おりもの、経血、汗、尿などの体液を吸収するために使用されるものである。体液吸収性物品の具体例として、例えば、おりものシート(パンティライナー)、生理用ナプキン、失禁パッド、脇汗パッド、汗取りシートなどを挙げることができる。
【0017】
体液吸収性物品は、体液を透過させる性質のトップシート、体液を透過させない性質のバックシート、及び、トップシートとバックシートとの間に挟まれた体液を吸収可能な吸収体を備えた少なくとも三層構造であり、ユーザの肌に接触する側のトップシートを透過した体液を吸収体で吸収して保持するものである。バックシートは、使用時に吸収体から体液が漏れてユーザの衣類などに付着することを防止する。
【0018】
以下、本発明の一つの実施形態について、添付図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態では、体液吸収性物品のユーザの肌に接触する側を「表面側」とし、反対側を「裏面側」としている。
【0019】
体液吸収性物品の全体構成
本実施形態の体液吸収性物品1は、使用時にユーザの下着に取り付けられる、おりものシートである。図1から図3に示すように、体液吸収性物品1は、表面側及び裏面側に主面を有する偏平形状を呈しており、トップシート2と、バックシート3と、トップシート2及びバックシート3の間に挟まれたシート状の吸収体4と、を備えている。トップシート2、バックシート3及び吸収体4は、全て同じ外形(外周縁により形作られる形状)・大きさに形成されており、体液吸収性物品1の外形・大きさに一致している。なお、吸収体4は必ずしもトップシート2及びバックシート3と同じ外形・大きさである必要はなく、例えばトップシート2及びバックシート3と同じ外形であるが大きさが一回り小さくてもよい(例えば後述する圧着部6の内側に収まる程度に小さくてもよい)。
【0020】
体液吸収性物品1は、表面側から裏面側に向かって、トップシート2、吸収体4、バックシート3の順で積層されており、トップシート2と吸収体4とは全面又は略全面において接着層5により固定され、吸収体4とバックシート3とは全面又は略全面において接着層6により固定されている。バックシート3の裏面には、体液吸収性物品1をユーザの下着に貼り付けるための粘着層7が設けられている。
【0021】
体液吸収性物品1の外周縁部には、その全周にわたって熱圧着加工、超音波圧着加工、圧力のみを厚み方向にかける単なる圧着加工などが施されることにより、圧着部8が形成されている。圧着部8においては、トップシート2、吸収体4及びバックシート3が強く接着されている、もしくは、トップシート2及びバックシート3が強く接着されており、圧着部8の厚みは圧着部8以外の部分の厚みよりも薄い。圧着部8の幅は特に限定されないが、体液吸収性物品1の外周縁から内側に2mm以上5mm以下とすることが好ましい。なお、圧着部8は必ずしも体液吸収性物品1に形成する必要はない。
【0022】
体液吸収性物品1は、使用時に適用されるユーザの部位に合わせた外形を有することが好ましく、本実施形態ではユーザの股間部に合わせて縦長形状を呈している。つまり、体液吸収性物品1は、平面視において、ユーザの身体の前後方向に沿うように向けられる縦方向の長さが、縦方向と直交する横方向の長さよりも長く、縦方向が長手方向とされ、横方向が幅方向とされている。ここで、体液吸収性物品1の縦方向は、使用時に体液吸収性物品1をユーザの所定の部位に適切な向きで適用する際に基準となる方向である。
【0023】
また体液吸収性物品1は、特に限定されるものではないが、幅方向の寸法を二等分しかつ長手方向に延びる中心線に対して左右対称形状を呈している。なお、長手方向の寸法を二等分しかつ幅方向に延びる中心線に対して、体液吸収性物品1は前後対称であってもよいし、前後対称でなくてもよい。さらに体液吸収性物品1は、特に限定されるものではないが、長手方向の中央において幅が最も狭くなっており、左右の側縁は前端及び後端から中央に向かって徐々に幅が狭くなるように形成されている。
【0024】
体液吸収性物品1の外形は、縦長形状であれば、競技場のトラック(周回走路)又はこれに近い形状、楕円形状、長方形状など、その他にも種々の形状とすることができ、縦長形状でなければ、正方形状、円形状、多角形状などの種々の形状にすることができる。
【0025】
体液吸収性物品1の大きさや厚みは、特に限定されるものではなく、使用時に適用されるユーザの部位に応じて大きさや厚みを適宜設定することができる。
【0026】
なお、体液吸収性物品1は、必ずしもトップシート2、吸収体4及びバックシート3の三層構造である必要はなく、例えばトップシート2と吸収体4との間に、透液効果、拡散効果又は表面側への体液の逆戻りを止める効果を有するシートを設けるなど、四層以上の積層構造としてもよい。
【0027】
トップシート
トップシート2は、使用時にユーザの肌に接触し、トップシート2に排出された体液を厚み方向に通過させて吸収体4に体液を移行させるものであり、体液を透過させる液透過性を有する。トップシート2は、液透過性を有していれば、そのシート構造は特に限定されるものではなく、例えば織物、編物、不織布、フェルトなどを挙げることができる。これらの中でも、肌触りのよさ、肌への低刺激性などの点から、トップシート2には不織布を用いることが好ましい。トップシート2に用いられる不織布の製造方法は、特に限定されず、従来公知の方法に従って製造できるが、その中でも、スパンレース法、サーマルボンド法、エアースルー法、エアレイド法、ニードルパンチ法、スパンボンド法などの方法で製造することが好ましい。これらの方法によれば、トップシート2の風合いがよくなるうえに、接着剤や溶剤を用いないため、肌への安全性を高くすることができる。
【0028】
トップシート2を構成する素材も特に限定されるものではなく、例えば、コットン、シルク、パルプ、羊毛、麻などの天然繊維;ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン/ポリエステル複合繊維、ポリエチレン/ポリプロピレン複合繊維などの合成繊維;レーヨン繊維、アセテート繊維などの半合成繊維;及び各種繊維を混ぜた繊維(混紡品、混繊品)を挙げることができる。これらの中でも、コットン、レーヨン繊維、アセテート繊維などのセルロース系繊維をトップシート2の素材に用いると、吸湿性に優れるため、肌表面の水分を適度に保つことができるとともに繊維自身が水分を吸って柔らかくなるので肌との摩擦が少ないうえ、静電気の発生が極めて少ないという利点がある。特にセルロース系繊維として天然繊維であるコットンを用いると、肌触りがよく、肌への刺激性が低い(かぶれにくい)ため、体液吸収用物品1を肌に優しく使用時の快適性に優れたものとすることができる。
【0029】
トップシート2はコットンが100%で構成されていると、体液吸収用物品1をより効果的に肌に優しく使用時の快適性に優れたものとすることができる。一方で、コットンと、例えばポリエチレン/ポリエステル複合繊維などの熱可塑性の合成繊維とを用いてトップシート2を構成すると、圧着部8の形成のために体液吸収性物品1に対して熱圧着加工を施した際に、熱可塑性の合成繊維が溶融してトップシート2と吸収体4(熱可塑性繊維を含むもの)ないしはバックシート3とを溶着させることができる。なお、この場合のトップシート2は、上述した肌に触れた際の優しさをよくするなどの観点から、コットンを50%以上含んでいることが好ましい。
【0030】
トップシート2は、一枚の液透過性を有するシートで構成されている必要はなく、複数の液透過性を有するシートを積層した積層体で構成されていてもよい。この場合のトップシート2は、ユーザに接する側にセルロース系繊維(好ましくはコットン)からなるシートが配置され、吸収体4と接する側に熱可塑性の合成繊維からなるシートが配置される積層体で構成されることが好ましい。
【0031】
トップシート2には、図1に示すように、表面側に複数の凹部9が形成されている。複数の凹部9は、少なくともトップシート2の体液排出主領域Fに形成されていればよいが、本実施形態のようにトップシート2の全域に形成されていてもよい。なお、トップシート2の全域とは圧着部8を除いた全域をいう。体液排出主領域Fとは、使用時にユーザの体液を排出する局部と対向する領域をいい、本実施形態においては、図1において一点鎖線で示すように、トップシート2の長手方向の略中央領域とされている。なお、体液排出主領域Fの位置や大きさは、体液吸収性物品1を適用するユーザの部位や当該部位への装着の仕方などに応じて適宜調整すればよく、特に限定されるものではない。
【0032】
複数の凹部9は、詳細は後述するが、トップシート2に例えばエンボス加工を施すことにより形成されるものである。トップシート2は、図3に示すように、エンボス加工時に作用する押圧力によって凹部9が厚みの薄い部分となっており、凹部9において体液が透過しやすくなっている。そのため、トップシート2に排出された体液は、主に凹部9を介して吸収体4に移行して吸収される。吸収体4に吸収された体液は吸収体4を面方向に放射状に広がって吸収体4に保持される。
【0033】
凹部9は、図3に示すように、トップシート2の厚み方向に平行な縦断面における形状が、凹部9の底側に向かうに連れて幅が次第に狭くなるテーパ状を呈している。凹部9は、全方位における縦断面の形状がテーパ状を呈しており、トップシート2の表面において広がる開口90側から底91側に向かって横断面における形状が次第に小さくなっている。本実施形態では、凹部9は底91をなす先端が平坦な円錐台形状を呈している。
【0034】
なお、凹部9の縦断面における形状は、テーパ状を呈していれば特に限定されるものではなく、例えば底91をなす先端が丸いあるいは尖った円錐形状であってもよい(図示せず)。また図4(A)に示すように、周壁92が直線状ではなく曲線状に傾斜していてもよいし、図4(B)に示すように、周壁92が二段階以上の複数段階で傾斜していてもよい。このように、凹部9の縦断面における形状は、テーパ状を呈していれば種々の形状とすることができる。また凹部9は、底91に孔(図示せず)が形成されていてもよい。
【0035】
凹部9は底91側に向かって全体として先細りの形状であり、トップシート2の表面において広がる開口90側の横断面における形状が大きいことから、トップシート2に排出された体液を凹部9から吸収体4へとスムーズに移行させることができ、吸収体4による体液の吸収性を高めることができる。加えて、吸収体4に近接する凹部9の底91側の横断面における形状が小さいことから、吸収体4が保持する体液が吸収体4から凹部9を介してトップシート2側に逆戻りするのを抑制することができる。
【0036】
凹部9の深さは、特に限定されないが、図3に示すように、凹部9がトップシート2の厚みを越えて吸収体4の方に突き出ることが好ましい。凹部9が吸収体4側に突き出ていることで、吸収体4に体液をよるスムーズに移行させることができるので、吸収体4による体液の吸収性をさらに高めることができる。
【0037】
凹部9の平面視における形状は、特に限定されるものではなく、本実施形態のように円形状であってもよいが、楕円形状や多角形状であってもよい。凹部9の平面視における面積(凹部9のトップシート2の表面において広がる開口の面積、以下、「開口面積」という。)は、特に限定されるものではないが、小さすぎると凹部9により吸収体4へ体液をスムーズに移行させる効果が弱まる一方で、大きすぎると吸収体4からの体液の逆戻りが生じやすくなる。そのため、凹部9の開口面積は、0.2mm以上7.1mm以下とすることが好ましく、0.4mm以上1.8mm以下とすることがより好ましい。
【0038】
トップシート2の凹部9の総開口面積は、特に限定されるものではないが、小さすぎると凹部9により吸収体4へ体液をスムーズに移行させる効果が弱まる一方で、大きすぎるとトップシート2及び吸収体4を貼り合わせるための接着層5の接着剤が肌に触れてしまい、体液吸収性物品1の使用時の快適性を低下させてしまう。そのため、トップシート2の凹部9の総開口面積は、トップシート2の面積(圧着部8を除く領域の面積)に対する割合(開口面積率)で、4%以上10%以下とすることが好ましく、5%以上8%以下とすることがより好ましい。この開口面積率は、トップシート2の少なくとも体液排出主領域Fにおいて4%以上10%以下、より好ましくは5%以上8%以下であってもよい。
【0039】
なお、後述するように、トップシート2の縦方向又は横方向に対して傾斜する方向に凹部の単位パターン12が繰り返し並ぶことで構成された単位列13が互いに平行に複数配列することにより、複数の凹部9がトップシート2に形成されている場合には、凹部の単位パターン12の面積に対する単位パターン12内の凹部9の総開口面積の割合(開口面積率)が好ましくは4%以上10%以下、より好ましくは5%以上8%以下であればよい。
【0040】
この開口面積率は、トップシート2の表面をスケールを置いた状態でカメラによって写真を撮り、撮影した画像をパソコンに取り込み、画像解析ソフトを用いてトップシート2の全域(凹部の単位パターン12の領域)を抽出してその面積S1を測定するとともに、トップシート2の全域(凹部の単位パターン12の領域)内の複数の凹部9の開口90を抽出してその総面積S2を測定し、100×S2/S1により開口面積率を算出することができる。
【0041】
複数の凹部9は、図1に示すように、トップシート2に一様に配置されていない。つまりは、複数の凹部9は、例えば格子配列や千鳥配列などの凹部9が均等に分散した状態でトップシート2に配置されていない。複数の凹部9は、トップシート2の複数箇所において、いくつかの凹部9が集合した状態でトップシート2に配置されている。つまり、トップシート2は、少なくとも体液排出主領域Fにおいて、本実施形態では全域において、図5に示すように、複数の凹部9が密に集まった密領域10を複数含んでおり、複数の密領域10が間隔をあけて分散して配置されている。複数の密領域10は疎領域11を間に挟んでおり、個々の密領域10は疎領域11に囲まれている。ここで、疎領域11とは、トップシート2の凹部9が形成されていない領域をいう。密領域10に含まれる凹部9の数は、特に限定されないが、3つ以上が好ましく、4つ以上がより好ましい。また、密領域10に含まれる複数の凹部9は、一列に並んで集まるのではなく、満遍なく散らばって寄り集まるのが好ましい。なお、トップシート2には、密領域10及び疎領域11以外の部分が含まれていてもよく、例えば一つの凹部9が密領域10の凹部9から離れてぽつんと配置されていてもよい。
【0042】
トップシート2に、複数の密領域10が疎領域11を間に挟んだ状態で存在することにより、トップシート2に排出された体液は、疎領域11を伝わってトップシート2の面方向に広がり、トップシート2に複数存在する密領域10に導かれる。そして、体液は密領域10に導かれると、密領域10内の密に集まった複数の凹部9によって吸収体4へと速やかに移行して吸収体4に吸収される。このように、トップシート2に排出された体液を広範囲に拡散させながら、拡散の途中でそれぞれの密領域10において体液を吸収体4へと速やかに移行させるので、吸収体4の広範囲で体液を吸収させることができ、吸収体4により多くの体液を吸収できるうえ、吸収体4からトップシート2への体液の逆戻りを抑制することができる。
【0043】
密領域10は、平面視で所定形状の仮想枠内に複数の凹部9が間隔を小さくして集まっている。本実施形態では、図5に示すように、密領域10として、円形状の仮想枠内に凹部9が4つ集まった密領域10Aと、円形状の仮想枠内に凹部9が17つ集まった密領域10B1,10B2,10B3,10B4Aと、がトップシート2に存在しており、各密領域10内に所定数の凹部9が満遍なく散らばっている。密領域10内の凹部9同士の間隔は、任意の凹部9に対して最も近くに位置する他の少なくとも一つの凹部9との中心間隔が1.5mm以上3.0mm以下であり、好ましくは2.0mm以上2.8mm以下である。
【0044】
密領域10の大きさは、特に限定されるものではないが、本実施形態では、複数の凹部9が収まる円形状の仮想枠の大きさが、直径5mm以上20mm以下の範囲に設定されている。なお、前記仮想枠の形状は必ずしも円形状である必要はなく、楕円形状や、正方形・長方形などの矩形状な、種々の形状であってもよい。前記仮想枠が楕円形状の場合、その大きさは、長径が10mm以上20mm以下、短径が5mm以上15mm以下の範囲に設定される。前記仮想枠が正方形状や長方形状の場合の大きさは、それぞれ円形状や楕円形状の場合に準ずる。
【0045】
密領域10に含まれる複数の凹部9の密度は、特に限定されるものではないが、小さすぎると密領域10内の複数の凹部9により体液を吸収体4へ速やかに移行させる効果が弱まる一方で、大きすぎるとトップシート2及び吸収体4を貼り合わせるための接着層5の接着剤が肌に触れてしまい、体液吸収性物品1の使用時の快適性を低下させてしまう。そのため、密領域10に含まれる複数の凹部9の密度は、密領域10の面積に対する凹部9の開口面積の割合(開口面積率)で8%以上15%以下とすることが好ましく、10%以上13%以下とすることがより好ましい。
【0046】
密領域10における凹部9の開口面積率は、トップシート2の表面をスケールを置いた状態でカメラによって写真を撮り、撮影した画像をパソコンに取り込み、画像解析ソフトを用いて密領域10を抽出してその面積S3を測定するとともに、密領域10内の複数の凹部9の開口90を抽出してその総面積S4を測定し、100×S4/S3により開口面積率を算出することができる。
【0047】
加えて、トップシート2の密領域10では、複数の凹部9の存在によってトップシート2と吸収体4との接着層5による接着強度が低下する傾向がある。特にトップシート2の素材がコットンやレーヨンなどの親水性のセルロース系繊維を主成分としていると、接着層5に用いる接着剤を疎水性のゴム系ホットメルトを主成分とした場合に、接着強度が低下する傾向がある。しかし、トップシート10に疎領域11が密領域10を囲むように存在することにより、疎領域11ではトップシート2と吸収体4との接着層5による接着強度が高いため、疎領域11によってトップシート2を吸収体4から剥がれにくくすることができる。このように、トップシート2は、複数の密領域10の個々の密領域10の周囲に疎領域11が存在していることにより、吸収体4に対するトップシート2の剥がれの耐久性を高く保ちながら、吸収体4による体液の吸収性を高めることができる。
【0048】
疎領域11の大きさは、特に限定されるものではないが、疎領域11を間に挟む密領域10同士を例えば5mm以上10mm以下の間隔で離すほどの大きさであることが好ましい。また、疎領域11の平面視における総面積は、特に限定されるものではないが、小さすぎるとトップシート2に排出された体液をトップシート2の面方向に広げる効果や吸収体4に対するトップシート2の剥がれの耐久性を高める効果が弱まる一方で、大きすぎると密領域10による体液を吸収体4へ速やかに移行させる効果が弱まる。そのため、疎領域11の平面視における面積は、トップシート2の面積(圧着部8を除く領域の面積)に対する割合(疎領域の面積率)で、20%以上50%以下とすることが好ましく、30%以上40%以下とすることがより好ましい。
【0049】
疎領域11の面積率は、トップシート2の表面をスケールを置いた状態でカメラによって写真を撮り、撮影した画像をパソコンに取り込み、画像解析ソフトを用いて体液排出主領域Fを抽出してその面積S1を測定するとともに、体液排出主領域F内の密領域10や単独で存在する凹部9を抽出してこれら以外の面積S5を測定し、100×S5/S1により開口面積率を算出することができる。
【0050】
上述したトップシート2の複数の凹部9は、図6に示すように、凹部の単位パターン12が繰り返し並ぶことで構成された単位列13が互いに平行に複数配列することにより、トップシート2に形成されている。凹部の単位パターン12は、1つ又は複数の凹部9で構成されたものであり、複数の凹部9で構成される場合は所定模様を形作る凹部の組み合わせである。本実施形態では、図7に示すように、上述した8つの密領域10Aを構成する32つ(=8×4)の凹部9と、4つの密領域10B1,10B2,10B3,10B4を構成する68つ(4×17)の凹部9の合計110つの凹部9で構成されている。この凹部の単位パターン12が、図6に示すように、トップシート2の縦方向(長手方向)及び横方向(幅方向)に沿ってそれぞれ繰り返し並べられることで、複数の凹部9がトップシート2に形成されている。
【0051】
なお、凹部の単位パターン12の形状は、本実施形態の形状に限定されず、複数の凹部9をもっとシンプルな模様で組み合わせた形状とすることができる。例えば、本実施形態では密領域10B1,10B2,10B3,10B4はそれぞれ凹部9による模様が若干異なるが、密領域10B3,10B4の凹部9による模様を密領域10B1,10B2の凹部9による模様と同じにして、4つの密領域10Aと2つの密領域10B1,10B2を含んだ形状の凹部の単位パターン12を繰り返し並べてもよいし、あるいは、密領域10B2,10B3,10B4の凹部9による模様を密領域10B1の凹部9による模様と同じにして、2つの密領域10Aと1つの密領域10B1を含んだ形状の凹部の単位パターン12を繰り返し並べてもよい。
【0052】
凹部の単位パターン12は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、トップシート2の幅方向をなす横方向に平行な方向に繰り返し並ばずに、横方向に対して傾斜する方向に繰り返し並んでいる。トップシート2の横方向に対して単位パターン12が繰り返し並ぶ方向の傾斜角度θは、特に限定されるものではないが、1.0°以上5.0°以下であることが好ましく、2.5°以上3.5°以下であることがより好ましい。本実施形態では、凹部の単位パターン12は、トップシート2の長手方向をなす縦方向についても、縦方向に平行な方向に繰り返し並ばずに、縦方向に対して傾斜する方向に繰り返し並んでいる。なお、凹部の単位パターン12は、トップシート2の縦方向については、縦方向に平行な方向に繰り返し並んでいてもよい。また、凹部の単位パターン12は、トップシート2の横方向については、横方向に平行な方向に繰り返し並び、トップシート2の縦方向について、縦方向に対して傾斜する方向に繰り返し並んでいてもよい。
【0053】
バックシート
バックシート3は、吸収体4に吸収された体液が体液吸収性物品1の裏面側から外部へ流出するのを防止するものであり、体液を透過させない液不透過性を有する。バックシート3の素材は、液不透過性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば液不透過性のフィルム、SMSなどの液不透過性の不織布、スパンボンド不織布やポイントボンド不織布などに液不透過性のフィルムがラミネートされたものなどを用いることができる。液不透過性のフィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、ポリビニルアルコール、セロファン、塩化ビニルなどからなるフィルムもしくはこれらの多層フィルムを挙げることができる。
【0054】
吸収体
吸収体4は、トップシート2を透過した体液を吸収し、吸収した体液を保持するものである。吸収体4の素材は、体液の吸収性及び保持性を有するものであれば特に限定されるものではなく、一般におりものシートや生理用ナプキン、汗取りシートなどに用いられている、例えば吸水性パルプ、吸水性ポリマーなどの公知の吸収材;織物、編物、不織布又はパルプ製品などのシート構造の繊維集合体を用いることができる。その中でも、肌触りがよく、吸収性に優れる点から、天然繊維及び合成繊維からなる不織布を用いることが好ましい。
【0055】
天然繊維は、例えばコットン、シルク、パルプ、羊毛、麻などを挙げることができる。この天然繊維の中でも、アレルギーなどの接触性皮膚炎が起こりにくく、かぶれにくく、かつ吸収性に優れる点から、(タンパク質系成分でない)コットンやパルプなどのセルロース系繊維が好ましい。
【0056】
合成繊維は、例えばナイロン繊維、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、エチレン酢酸ビニル繊維、ウレタン繊維などを挙げることができる。また、レーヨン繊維、アセテート繊維、キュプラなどの半合成繊維、及び各種繊維の混紡品、混繊品を用いることもできる。その中でも、ドライ感及び風合いの点から、エチレン酢酸ビニル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維などの合成繊維又はそれらの複合繊維が好ましい。複合繊維としては、ポリエチレン/ポリエステル(ポリエチレンテレフタレートを含む)複合繊維、ポリエチレン/ポリプロピレン複合繊維、エチレン酢酸ビニル/ポリプロピレン複合繊維などを挙げることができる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。2種以上の組み合わせの例としては、セルロース系繊維と複合繊維の組み合わせなどが挙げられ、その配合割合は、例えば4:6~8:2とすることができる。
【0057】
吸収体4に用いられる不織布の製造方法は、特に限定されず、従来公知の方法に従って製造できるが、その中でも、スパンレース法、サーマルボンド法、エアースルー法、エアレイド法、ニードルパンチ法、スパンボンド法などの方法で製造することが好ましい。これらの方法によれば、吸収体4の風合いがよくなるうえに、接着剤や溶剤を用いないため、肌への安全性を高くすることができる。
【0058】
接着層
接着層5,6は、水溶性の接着剤(例えばアクリル系水溶性接着剤)や非水溶性接着剤(例えばゴム系ホットメルト、ポリオレフィン系ホットメルト)などを、トップシート2と吸収体4との間、及び、吸収体4とバックシート3との間に例えば塗布や噴射することにより形成される。接着層5,6は、トップシート2、吸収体4及びバックシート3の全面又は略全面に設けられてもよいし、部分的、例えばストライプ状(縦縞、横縞)や格子状、スパイラル状に設けられていてもよい。
【0059】
粘着層
粘着層7は、粘着剤をバックシート3に例えば塗布することにより形成される。粘着剤は、体液吸収性物品1を下着などの衣類に貼り付けることができるものであれば特に限定るものではなく、例えば、水溶性の接着剤(例えばアクリル系水溶性接着剤)、非水溶性接着剤(例えばゴム系ホットメルト、ポリオレフィン系ホットメルト)などの接着剤を用いることができる。その中でも、その他の粘着剤に比べて下着などの衣類に対する接着力に優れる点から非水溶性接着剤が好ましく、ゴム系ホットメルトがより好ましい。
【0060】
粘着層7は、バックシート3の裏面の全域又は略全域に設けられていてもよいし、部分的に設けられてもよい。本実施形態では、図2に示すように、粘着層7は、バックシート3の幅方向に延びる複数の帯状の粘着部70が、バックシート3の長手方向に沿って所定間隔をあけて配置されることにより構成されており、粘着層7はストライプ状である。
【0061】
粘着層7は、使用前は剥離シート(図示せず)により覆われていることで保護されており、使用時に粘着層7から剥離シートを剥離することで、ユーザの肌や下着などの衣類に体液吸収性物品を取り付け可能である。剥離シートは、プラスチックフィルムや繊維製シート、紙などのシート材に剥離剤を塗布することで形成され、剥離剤側が粘着層7に貼着される。
【0062】
体液吸収性物品の製造方法
上述した体液液吸収性物品1の製造方法について説明する。まず、図8から図11を参照して、トップシート2のもととなる帯状の第一原料シート101が巻き重ねられた原反の製造方法について説明する。この製造方法における製造装置110は、第一原料シート101を供給するシート供給部111と、第一原料シート101に複数の凹部9を形成する凹部形成部112と、凹部9が形成された第一原料シート101を回収するシート回収部113と、を備える。
【0063】
シート供給部111は、第一原料シート101が巻き重ねられた供給ロール114と、供給ロール114を回転可能に支持する支持手段(図示せず)と、を備える。第一原料シート101は、後述する巻き取りロール121の回転により供給ロール114から繰り出され、長さ方向を搬送方向にして凹部形成部112に搬送される。
【0064】
凹部形成部112は、一対の版ロール115,116と、一対の版ロール115,116を支持しかつ第一原料シート101の搬送と同期して回転させる回転駆動手段(図示せず)と、備える。一対の版ロール115,116は、第一原料シート101を間に挟むように配置され、第一原料シート101の搬送方向に合わせて互いに反対方向に回転する。一対の版ロール115,116は、間を通過する第一原料シート101に対して加熱することなく後述する突起117を一方面側から押し込むことで、第一原料シート101に凹部9を形成する。このとき、突起117が第一原料シート101を構成する繊維を物理的により分けて凹部9を形成するため、第一原料シート101に突起117の形状に応じた凹部9が形成される。
【0065】
図9及び図10に示すように、一方の版ロール115の外周面には、複数の突起117が設けられている。複数の突起117は、上述したトップシート2に形成された複数の凹部9の配列パターンに対応したパターン形状の配列パターンで一方の版ロール115の外周面に設けられている。すなわち、一方の版ロール115の周方向に対して傾斜する方向に突起の単位パターン118が繰り返し並ぶことで単位列119が構成されており、この単位列119が互いに平行に複数配列する(一方の版ロール115の厚み方向に並ぶ)ことにより、複数の突起117が一方の版ロール115の外周面に設けられている。一方の版ロール115の周方向に対して単位パターン118が繰り返し並ぶ方向の傾斜角度θは、トップシート2の凹部の単位パターン12がトップシート2の横方向に対して繰り返し並ぶ方向の傾斜角度θと同じ大きさである。突起の単位パターン118は、トップシート2の凹部の単位パターン12に対応したパターン形状であり、本実施形態では合計110つの突起117の組み合わせにより構成されている。
【0066】
突起117は、高さ方向(一方の版ロール115の外周面から突き出る方向)に平行な縦断面における形状が、先端側に向かうに連れて幅が次第に狭くなるテーパ状を呈している。突起117は、全方位における縦断面の形状がテーパ状を呈しており、本実施形態では、突起117は先端が丸い円錐形状を呈している。これにより、突起117により形成されるトップシート2の凹部9は、全方位における縦断面の形状がテーパ状を呈する。なお、突起117の形状は、全方位における縦断面の形状がテーパ状を呈していれば特に限定されるものではない。突起117の高さは、特に限定されないが、トップシート2の厚みよりも大きいことが好ましい。これにより、図3に示すように、突起117により形成されるトップシート2の凹部9は、トップシート2の厚みを越えて吸収体4の方に突き出る。
【0067】
図9に示すように、他方の版ロール116の外周面には、複数の窪み120が設けられている。複数の窪み120は、一方の版ロール115の外周面に形成された複数の突起117の配列パターンに対応したパターン形状の配列パターンで他方の版ロール116の外周面に設けられており、他方の版ロール116が一方の版ロール115と同期して回転する際に一方の版ロール115の各突起117が他方の版ロール116の対応する各窪み120に第一原料シート101を間に挟んだ状態で嵌まり込む。これにより、第一原料シート101に凹部9を強固にしっかりと形作ることができ、凹部9の形態安定性を向上することができる。
【0068】
図8に示すように、凹部形成部112を通過した第一原料シート101はシート回収部113へ搬送される。シート回収部113は、巻き取りロール121と、巻き取りロール121を支持しかつ回転させて第一原料シート101を搬送させながら巻き取りロール121に巻き取る搬送駆動手段(図示せず)と、を備える。複数の凹部9が形成された第一原料シート101は、巻き取りロール121に搬送されて巻き取られる。複数の凹部9が形成された第一原料シート101は、ロール状に巻かれた原反の形態で保管される。
【0069】
上述した方法により複数の凹部9が形成された第一原料シート101は、図11に示すように、MD方向(第一原料シート101の長さ方向)に凹部の単位パターン12が繰り返し並ぶことで構成された単位列13が、CD方向互いに平行に複数配列される(第一原料シート101の幅方向に並ぶ)。そして、凹部の単位パターン12は、MD方向に平行な方向に繰り返し並ばずに、MD方向に対して傾斜する方向に繰り返し並んでいる。MD方向に対して単位パターン12が繰り返し並ぶ方向の傾斜角度θは、トップシート2と同様、1.0°以上5.0°以下であることが好ましく、2.5°以上3.5°以下であることがより好ましい。
【0070】
このように、凹部の単位パターン12がMD方向に平行な方向に繰り返して並んでいないことで、以下の効果を奏する。つまり、凹部の単位パターン12がMD方向に平行な方向に繰り返して並ぶと、第一原料シート101を巻き取りロール121に巻き重ねて第一原料シート101の長さ方向の一部分が他部分の上に積層した際に、この一部分にある凹部9が他部分にある同じ単位列13内で並ぶ凹部9に上から重なり合う。これが第一原料シート101を巻き取りロール121に巻き重ねる度に生じると、原反の各層の凹部9が重なり合って凹部9の形状が崩れる(潰れたり変形したりなど)おそれがある。特にトップシート2の素材がコットンなどのセルロース系繊維を主成分としていると、トップシート2の形態安定性が劣るため、この課題が顕著となる。
【0071】
これに対して、凹部の単位パターン12がMD方向に対して傾斜する方向に繰り返し並んでいると、第一原料シート101を巻き取りロール121に巻き重ねた際に、第一原料シート101の長さ方向の一部分が他部分の上に積層しても、この一部分にある凹部9が他部分にある同じ単位列13内で並ぶ凹部9に上から重なり合うおそれがなくなる。よって、第一原料シート101を巻き取りロール121に巻き重ねて原反とした場合に、第一原料シート101の各層の凹部9が重なり合うことなく、凹部9の形状が崩れる(潰れたり変形したりなど)のを抑制することができる。特にトップシート2の素材がコットンなどのセルロース系繊維を主成分としていると、トップシート2の形態安定性が劣るため、本実施形態の方法によれば、トップシート2のもととなる第一原料シート101を原反の形態で保管する際に凹部9の形状を保持することができる。
【0072】
なお、本実施形態では、凹部の単位パターン12は、CD方向についても、CD方向に平行な方向に繰り返し並ばずに、CD方向に対して傾斜する方向に繰り返し並んでいる。なお、凹部の単位パターン12は、CD方向については、CD方向に平行な方向に繰り返し並んでいてもよい。
【0073】
次に、図12を参照して、体液液吸収性物品1の製造方法について説明する。この製造方法における製造装置100は、複数の凹部9が形成された第一原料シート101、吸収体4のもととなる帯状の第二原料シート102、及び、バックシート3のもととなる帯状の第三原料シート103を供給するシート供給部105と、各原料シート101,102,103を貼り合わせて帯状の積層シート104とする貼合部106と、積層シート104から体液吸収性物品1を打ち抜く打抜部107と、を備える。
【0074】
シート供給部105は、第一原料シート101が巻き重ねられた第一供給ロール105Aと、第一供給ロール105Aを支持しかつ回転させて第一原料シート101を第一供給ロール105Aから繰り出して搬送する第一搬送駆動手段(図示せず)と、第二原料シート102が巻き重ねられた第二供給ロール105Bと、第二供給ロール105Bを支持しかつ回転させて第二原料シート102を第二供給ロール105Bから繰り出して搬送する第二搬送駆動手段(図示せず)と、第三原料シート103が巻き重ねられた第三供給ロール105Cと、第三供給ロール105Cを支持しかつ回転させて第三原料シート103を第三供給ロール105Cから繰り出して搬送する第三搬送駆動手段(図示せず)と、を備える。第一原料シート101、第二原料シート102及び第三原料シート103は、それぞれの供給ロール105A,105B,105Cから同期して搬送され、長さ方向を搬送方向にして貼合部106に搬送される。なお、第二原料シート102及び第三原料シート103には、それぞれ搬送の途中でコータ109A,109Bを用いて例えばホットメルト接着剤が塗布される。
【0075】
貼合部106は、一対の加熱ロール106A,106Bと、一対の加熱ロール106A,106Bを支持しかつ各原料シート101,102,103の搬送と同期して回転させる貼合用回転駆動手段(図示せず)と、エンボスロール106C及びバックアップロール106Dと、エンボスロール106C及びバックアップロール106Dを支持しかつ各原料シート101,102,103の搬送と同期して回転させる圧着用回転駆動手段(図示せず)と、を備える。一対の加熱ロール106A,106Bは、各原料シート101,102,103を間に挟むように配置され、各原料シート101,102,103の搬送方向に合わせて互いに反対方向に回転する。エンボスロール106C及びバックアップロール106Dは、各原料シート101,102,103を間に挟むように配置され、各原料シート101,102,103の搬送方向に合わせて互いに反対方向に回転する。
【0076】
一対の加熱ロール106A,106Bは、間を通過する各原料シート101,102,103を加熱しながら加圧することで、各原料シート101,102,103をホットメルト接着剤により互いに貼り合わせる。これにより、各原料シート101,102,103が積層された帯状の積層シート104が形成される。積層シート104は、下流に位置するエンボスロール106C及びバックアップロール106Dに供給される。
【0077】
エンボスロール106Cは、外周面に体液吸収性物品1の圧着部8の形状に応じたエンボス(図示せず)が複数設けられており、バックアップロール106Dとの間を通過する積層シート104をエンボスにより熱圧着することで、積層シート104に複数の圧着部8が形成される。そして、積層シート104は、下流に位置する打抜部107に供給される。
【0078】
打抜部107は、外周面に体液吸収性物品1の外形に応じた刃型(図示せず)が設けられた切断ロール107Aと、切断ロール107Aとの間に積層シート104を挟むように配置されるバックアップロール107Bと、切断ロール107A及びバックアップロール107Bを支持しかつ積層シート104の搬送と同期して回転させる回転駆動手段(図示せず)と、を備える。
【0079】
切断ロール107Aは、バックアップロール107Bとの間を通過する積層シート104を刃型により体液吸収性物品1の外形に応じた形状で打ち抜くことで、積層シート104から体液吸収性物品1が次々に分離される。本実施形態では、積層シート104は、体液吸収性物品1の縦方向(長手方向)がCD方向(積層シート材104の幅方向)を向くようにして体液吸収性物品1が打ち抜かれる。これにより、体液吸収性物品1のトップシート2には、凹部の単位パターン12が横方向(幅方向)に対して傾斜する方向に繰り返し並ぶようにして、複数の凹部9が形成される。なお、積層シート104は、体液吸収性物品1の縦方向(長手方向)がMD方向(積層シート材104の長さ方向)を向くようにして体液吸収性物品1が打ち抜かれてもよい。この場合には、体液吸収性物品1のトップシート2には、凹部の単位パターン12が縦方向(長手方向)に対して傾斜する方向に繰り返し並ぶようにして、複数の凹部9が形成される。
【0080】
分離された個々の体液吸収性物品1は、搬送コンベヤ108により次工程に搬送されて、粘着層6が形成されるなどした後、個包装される。一方、体液吸収性物品1が分離した後の積層シート104の廃材であるトリム122は、切断ロール107Aに巻き取られた後に回収される。
【0081】
作用・効果
本実施形態の体液吸収性物品1は、トップシート2には、凹部9が複数集まった密領域10が複数形成されており、複数の密領域10は、それぞれが凹部9の形成されていない疎領域11に囲まれている。これにより、トップシート2に排出された体液を、疎領域11によりトップシート2の面方向に広げてトップシート2に分散した複数の密領域10に導くことができ、密領域10において密集する複数の凹部9により吸収体4へと速やかに移行させて吸収体4に吸収することができる。よって、トップシート2に排出された体液を吸収体4の広範囲で速やかに吸収させることができるため、吸収体4による体液の吸収性を高めることができるとともに、吸収体4からの体液の逆戻りを抑制することができる。加えて、トップシート10に疎領域11が密領域10を囲むように存在することにより、疎領域11ではトップシート2と吸収体4との接着層5による接着強度が高いため、疎領域11によってトップシート2を吸収体4から剥がれにくくすることができる。このように、トップシート2は、複数の密領域10の個々の密領域10の周囲に疎領域11が存在していることにより、吸収体4に対するトップシート2の剥がれの耐久性を高く保ちながら、吸収体4による体液の吸収性を高めることができる。
【0082】
また本実施形態の体液吸収性物品1は、密領域10に含まれる凹部9の開口面積率が8%以上15%以下、好ましくは10%以上13%以下である。これにより、密領域10内の複数の凹部9により体液を吸収体4へ速やかに移行させることができる。
【0083】
また本実施形態の体液吸収性物品1は、トップシート2における疎領域11の面積率が20%以上50%以下、好ましくは30%以上40%以下である。これにより、トップシート2に排出された体液をトップシート2の面方向に効果的に広げたり、吸収体4に対するトップシート2の剥がれの耐久性を効果的に高めることができる。
【0084】
また本実施形態の体液吸収性物品1は、トップシート2における凹部9の開口面積率が4%以上10%以下である。これにより、トップシート2に排出された体液を複数の凹部9により吸収体4へスムーズに移行させることが可能であり、吸収体4による体液の吸収性を高めることができるとともに、吸収体4からの体液の逆戻りを抑制することができる。そのうえ、トップシート2及び吸収体4を貼り合わせるための接着層5の接着剤がユーザの肌に触れないようにすることができ、体液吸収性物品1の使用時の快適性を高めることができる。
【0085】
また本実施形態の体液吸収性物品1は、トップシート2の凹部9の縦断面における形状が凹部9の底側(吸収体4側)に向かうに連れて幅が次第に狭くなるテーパ状を呈している。これにより、凹部9は、トップシート2の表面において広がる開口90側の横断面における形状が大きいために、体液が凹部9から吸収体4へとスムーズに移行する。よって、吸収体4による体液の吸収性を高めてトップシート2に残る体液の量を低減し、ユーザの肌に体液が触れないようにすることができる。加えて、凹部9は、吸収体4に近接する底91側の横断面における形状が小さいことから、吸収体4が保持する体液が吸収体4から凹部9を介してトップシート2側に逆戻りすることを抑制することができる。
【0086】
また本実施形態の体液吸収性物品1は、トップシート2の凹部9は、トップシート2の厚みを越えて吸収体4の方に突き出ている。これにより、トップシート2に排出された体液が凹部9から吸収体4へとさらに移行しやすくなる。よって、吸収体4による体液の吸収性をさらに高めることができる。
【0087】
また本実施形態の体液吸収性物品1は、その製造過程において、トップシート2のもととなる第一原料シート101に対して、その長さ方向に対して傾斜する方向に凹部の単位パターン12が繰り返し並ぶことで構成された単位列13が互いに平行に複数配列するようにして、複数の凹部9を形成している。これにより、複数の凹部9が形成された第一原料シート101を巻き取りロール121に巻き重ねて回収した際に、第一原料シート101の巻き重ねた各層においては凹部9が重なり合うことがない。よって、第一原料シート101を巻き取りロール121に巻き重ねて回収した際に、凹部9の形状が崩れる(潰れたり変形したりなど)のを抑制することができる。特にトップシート2の素材がコットンなどのセルロース系繊維を主成分としていると、トップシート2の形態安定性が劣るが、本実施形態によれば、トップシート2のもととなる第一原料シート101を原反の形態で保管する際に凹部9の形状を保持することができるため、第一原料シート101を用いて製造した体液吸収性物品1においてもトップシート2に形成された複数の凹部9の形状が保持されている。
【0088】
変形例
以上、本発明の一つの実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変形が可能である。
【0089】
上述した実施形態では、図3に示すように、凹部9は、トップシート2の厚みを越えて吸収体4の方に突き出ている。一変形例として、凹部9は、トップシート2の厚みの範囲内で表面側から窪んでおり、裏面側から吸収体4の方に突き出ていなくてもよい。
【0090】
上述した実施形態では、図3に示すように、凹部9は、トップシート2の厚み方向に平行な縦断面における形状が、凹部9の底側に向かうに連れて幅が次第に狭くなるテーパ状を呈している。一変形例として、凹部9は、トップシート2の厚み方向に平行な縦断面における形状がテーパ状を呈しておらず、開口90側から底側91まで幅が一定である形状を呈していてもよい。
【0091】
上述した実施形態では、トップシート2における凹部9の開口面積率が4%以上10%以下である。一変形例として、トップシート2における凹部9の開口面積率は4%未満又は10%より大きくてもよい。
【0092】
上述した実施形態では、図6に示すように、トップシート2には、その縦方向ないしは横方向に対して傾斜する方向に凹部の単位パターン12が繰り返し並ぶことで単位列13が構成され、この単位列13が互いに平行に複数配列されることにより、複数の凹部9が形成されている。一変形例として、凹部の単位パターン12は、トップシート2の縦方向に平行な方向に繰り返し並ぶとともに、トップシート2の横方向に平行な方向に繰り返し並んでいてもよい。
【0093】
上述した実施形態では、図6に示すように、トップシート2には、その縦方向及び横方向に沿って凹部の単位パターン12が繰り返し並ぶことにより、複数の凹部9が形成されている。一変形例として、複数の凹部9は、トップシート2に密領域10が複数形成されるのであれば、何らの規則がないランダムな配列でトップシート2に形成されていてもよい。
【0094】
上述した実施形態では、体液吸収性物品1がおりものシートであるが、一変形例として、体液吸収性物品1を生理用ナプキン、失禁パッド、脇汗パッド、汗取りシートなど、他種類の体液を吸収するためのものにすることができる。
【実施例0095】
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明の内容は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0096】
体液吸収性物品のトップシートの凹部の開口面積率の効果を確認するため、吸収体による体液の吸収性及び吸収体からの体液の逆戻り性について試験を行った。実施例1~7で用いた体液吸収性物品は、縦15cm×横5cmの大きさのトップシート、吸収体及びバックシートが積層されたものであり、トップシート、吸収体及びバックシートの素材は、下記のとおりである。実施例1~7のトップシートにおける凹部の開口面積率は、表1の通りである。
・表面シート:スパンレース不織布(全ての例で同じ)
・吸収体:エアースルー不織布(全ての例で同じ)
・バックシート:ポリエチレンフィルム(全ての例で同じ)
【0097】
試験内容は、まず、濃度0.62%のムチン水溶液0.5mLをトップシートの上から滴下し5分間放置する。5分後、トップシートの上に縦7.5cm×横7.5cmの大きさのろ紙を10枚重ねて乗せ、この状態で1分間静置する。1分後、トップシート上の10枚のろ紙を取り外し、10枚のろ紙の重量を測定する。ろ紙を体液吸収性物品に乗せる前と後の重量変化量Mを算出し、体液吸収性物品からろ紙に移ったムチン水溶液の割合(100×M/0.5)を算出した。ムチン水溶液の比重は1とした。その結果を表1に示す。また、トップシートの上に10枚のろ紙を乗せて1分間静置させる際にろ紙の上に378gのおもりを乗せ、この状態で1分間静置させた後の10枚のろ紙の重量についても測定し、同様にして、体液吸収性物品からろ紙に移ったムチン水溶液の割合(100×M/0.5)を算出した。その結果を表1に示す。
【0098】
【表1】
【0099】
表1によると、トップシートにおける凹部の開口面積率が4%以上であれば、トップシートシートに排出された体液の吸収体による吸収性が優れており、吸収体からの体液の逆戻りを効果的に防止できることが確認された。よって、体液吸収性物品の使用時にトップシートが肌にべたつきにくくなり、使用時の快適性を向上できることが分かる。
【符号の説明】
【0100】
1 体液吸収用物品
2 トップシート
3 バックシート
4 吸収体
9 凹部
10 密領域
11 疎領域
12 凹部の単位パターン
13 単位パターンの単位列
図1
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図3
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図5
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図12