(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023045211
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】提案装置、提案方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/105 20230101AFI20230327BHJP
【FI】
G06Q10/10 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021153480
(22)【出願日】2021-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 拓也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA11
(57)【要約】
【課題】働き方を決定するために参考となる情報を提供する。
【解決手段】提案装置は、勤務者の基本情報と勤務実績とを関連付けた働き方情報を記憶部に記憶する記憶制御部と、検索条件に合致する働き方情報を出力する出力部と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
勤務者の基本情報と勤務実績とを関連付けた働き方情報を記憶部に記憶する記憶制御部と、
検索条件に合致する前記働き方情報を出力する出力部と、
を備える提案装置。
【請求項2】
請求項1に記載の提案装置であって、
前記基本情報は、前記勤務者が強みとするスキルを含む、
提案装置。
【請求項3】
請求項2に記載の提案装置であって、
前記基本情報は、前記勤務者の所属部署と異なる社内副業先部署を含み、
前記勤務実績は、前記社内副業先部署における業務に従事した時間を含む、
提案装置。
【請求項4】
請求項3に記載の提案装置であって、
前記出力部は、前記検索条件に合致する前記働き方情報と類似する前記働き方情報をさらに出力する、
提案装置。
【請求項5】
請求項4に記載の提案装置であって、
前記勤務実績は、業務の種類と各業務に従事した時間とを含み、
前記出力部は、前記勤務実績に同一の業務が含まれ、その業務に従事した時間の差異が所定の範囲内である前記働き方情報を、前記類似する前記働き方情報として出力する、
提案装置。
【請求項6】
請求項3に記載の提案装置であって、
前記出力部は、前記検索条件に合致する複数の前記働き方情報を集計した結果を出力する、
提案装置。
【請求項7】
コンピュータが、
勤務者の基本情報と勤務実績とを関連付けた働き方情報を記憶する記憶手順と、
検索条件に合致する前記働き方情報を出力する出力手順と、
を実行する提案方法。
【請求項8】
コンピュータに、
勤務者の基本情報と勤務実績とを関連付けた働き方情報を記憶する記憶手順と、
検索条件に合致する前記働き方情報を出力する出力手順と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、提案装置、提案方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から勤務者の勤怠状況を管理する勤怠管理システムが用いられている。
【0003】
特許文献1には、派遣社員の勤怠状況を派遣元の制度に従って管理することができる勤怠管理システムが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、働き方の変革が求められている。しかしながら、従来の勤怠管理システムでは、勤務者が自身の働き方を決定するために参考となる情報を得ることが困難である、という課題がある。
【0005】
この発明の一実施形態は、働き方を決定するために参考となる情報を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、この発明の一実施形態の提案装置は、勤務者の基本情報と勤務実績とを関連付けた働き方情報を記憶部に記憶する記憶制御部と、検索条件に合致する働き方情報を出力する出力部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
この発明の一実施形態によれば、働き方を決定するために参考となる情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態における情報処理システムの全体構成を例示する図である。
【
図2】一実施形態におけるコンピュータのハードウェア構成を例示する図である。
【
図3】一実施形態における情報処理システムの機能構成を例示する図である。
【
図4】一実施形態における基本情報テーブルの一例を示す図である。
【
図5】一実施形態におけるスキル情報テーブルの一例を示す図である。
【
図6】一実施形態における勤務実績テーブルの一例を示す図である。
【
図7】一実施形態における提案方法の処理手順を例示する図である。
【
図8】一実施形態における情報取得処理の手順を例示する図である。
【
図9】一実施形態における検索条件入力画面の一例を示す図である。
【
図10】一実施形態における名前指定検索処理の手順を示す図である。
【
図11】一実施形態における名前指定検索を行ったときの働き方情報提示画面の一例を示す図である。
【
図12】一実施形態における年代指定検索処理の手順を示す図である。
【
図13】一実施形態における年代指定検索を行ったときの働き方情報提示画面の一例を示す図である。
【
図14】一実施形態における時期指定検索処理の手順を示す図である。
【
図15】一実施形態における時期指定検索を行ったときの働き方情報提示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、図面中において同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【0010】
[実施形態]
<背景>
近年、特に企業における働き方の変革が求められている。しかしながら、企業の従業員が自身の働き方を決定するために参考となる情報を得ることは困難である。例えば、憧れている又は尊敬している先輩又は上司の働き方を参考にしたいと考えても、得られる情報には限度がある。特に、オフィスへの出勤を前提としないリモートワークを取り入れた職場では、他の従業員の働き方に関して得られる情報はさらに限定される。
【0011】
従来から企業では従業員の勤怠状況を管理する勤怠管理システムが用いられている。また、勤怠管理システム等から得られる勤務実績を分析するシステムが存在する。しかしながら、それらのシステムでは、本人の勤務時間に基づいて長時間労働を警告する機能等は実現できているが、他の従業員の働き方を参考にして働き方を提案することはできない。
【0012】
企業では、様々な人事関連システムが稼働している。それらの人事関連システムが保持する人事関連情報(例えば、個人情報、勤務実績、スキル情報、スケジュール等)を一元的に取得し、それらを解析することで、働き方を提案することができる。
【0013】
例えば、「あなたが憧れているAさんはこのような働き方をしている」、「Aさんとよく似た傾向で働いているBさんやCさんがいる」、「20代の従業員はこのような働き方をしている」、(社会的な影響が大きい事件が発生した前後を比較することを想定して)「この時期は従業員がこのような働き方をしている」といった情報が得られれば、働き方を考える上で有益である。
【0014】
そこで、この発明の一実施形態は、既存の人事関連システムから従業員の働き方に関する働き方情報を取得し、ユーザが指定した検索条件に合致する働き方情報を提示する。これにより、ユーザは所望する働き方情報を得ることができ、自身の働き方を考える際の参考とすることができる。
【0015】
なお、上記では企業の従業員を例として説明したが、本実施形態で対象とするのは、企業の従業員に限定されない。本実施形態は、複数の労働者が勤務する組織であれば適用できる。本実施形態で対象とする組織は、例えば、営利企業であってもよいし、公共団体であってもよいし、非営利組織であってもよい。
【0016】
また、本実施形態は、上記の組織で行われる業務に従事する者であれば雇用形態は限定されない。本実施形態で対象とする労働者は、例えば、その組織に直接雇用される正社員、契約社員又はパート社員であってもよいし、派遣元企業からその組織に派遣された派遣社員であってもよい。以降では、本実施形態で対象とする労働者を総称して「勤務者」と呼ぶ。
【0017】
<情報処理システム1の全体構成>
図1は、この発明の一実施形態である情報処理システム1の全体構成を示す図である。
図1に示されているように、情報処理システム1は、例えば、提案装置10、ユーザ端末20及び複数の連携システム30(30-1,30-2,…)を含む。
【0018】
提案装置10、ユーザ端末20及び連携システム30は、それぞれ通信ネットワーク9に接続している。通信ネットワーク9は、接続されている各装置が相互に通信可能となるように構成されている。通信ネットワーク9は、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、又はWAN(Wide Area Network)などの有線通信によるネットワークによって構築されている。通信ネットワーク9は、有線通信だけでなく、例えば、無線LAN、又は近距離無線通信等の無線通信、もしくはWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、LTE(Long Term Evolution)、又は5G(5th Generation)等の移動体通信によるネットワークが含まれていてもよい。
【0019】
提案装置10は、連携システム30から人事関連情報を取得し、それらを関連付けた働き方情報を保持する。また、提案装置10は、ユーザ端末20から検索条件を受信し、その検索条件に合致する働き方情報をユーザ端末20へ返信する。
【0020】
提案装置10は、1台の情報処理装置によって実現されてもよいし、複数台の情報処理装置によって実現されるシステムであってもよい。
【0021】
ユーザ端末20は、ユーザが使用する情報処理装置である。ユーザ端末20は、ユーザが入力した検索条件を提案装置10へ送信し、提案装置10から返信された働き方情報をユーザへ提示する。
【0022】
連携システム30は、通信ネットワーク9を介して、主に人事に関連する各種のサービスを提供する。連携システム30は、そのサービスを提供する際に必要となる人事関連情報を保持している。
【0023】
連携システム30は、1台の情報処理装置によって実現されてもよいし、複数台の情報処理装置によって実現されるシステムであってもよい。
【0024】
連携システム30は、提案装置10及びユーザ端末20と同一の組織に属するシステムであってもよいし、外部の組織により運営されるクラウドサービスであってもよい。なお、クラウドサービスは一例であって、ASP(Application Service Provider)によって提供されるWebサービス等のネットワークを介して提供される各種の外部サービスであってもよい。
【0025】
連携システム30が提供するサービスは、組織の人事関連情報を取り扱うサービスである。例えば、連携システム30が提供するサービスは、勤務者の勤務実績を管理する勤怠管理システム、勤務者の強み等のスキルを管理する人材管理システム、及び勤務者間でスケジュールを共有するグループウェアシステム等である。
【0026】
以降では、複数の連携システム30について、各々を区別するときは、「連携システム30―1」、「連携システム30―2」等と枝番を用いて記載する。
【0027】
提案装置10、ユーザ端末20及び連携システム30は、例えば、コンピュータにより実現される。なお、提案装置10、ユーザ端末20及び連携システム30は、通信機能を備えた装置であれば、コンピュータに限られない。
【0028】
提案装置10、ユーザ端末20及び連携システム30は、例えば、MFP(Multifunction Peripheral/Product/Printer)、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、自動車(Connected Car)、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPCまたはデスクトップPC等であってもよい。
【0029】
<コンピュータのハードウェア構成>
図2は、本実施形態におけるコンピュータのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2に示されているように、本実施形態におけるコンピュータは、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0030】
図2に示されているように、コンピュータは、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0031】
これらのうち、CPU501は、コンピュータ全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワーク9を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、
図2に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0032】
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0033】
<情報処理システム1の機能構成>
図3は、本実施形態における情報処理システム1の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0034】
≪連携システム30の機能構成≫
図3に示されているように、本実施形態における連携システム30は、人事情報記憶部300を備える。
【0035】
連携システム30が備える人事情報記憶部300は、
図2に示されているHDDコントローラ505を介してHD504にデータの読み込み又は書き込みを行うことで実現される機能又は機能する手段である。
【0036】
人事情報記憶部300は、連携システム30が提供するサービスで用いる人事関連情報を記憶する。人事関連情報は、情報処理システム1が提示する働き方情報に含まれる情報のいずれかを含む。
【0037】
なお、情報処理システム1が提示する働き方情報に含まれるすべての情報は、いずれかの連携システム30が備える人事情報記憶部300が記憶する人事関連情報に含まれていなければならない。逆に言うと、情報処理システム1が提示する働き方情報を充足するように、連携システム30を選定しなければならない。
【0038】
≪提案装置10の機能構成≫
図3に示されているように、本実施形態における提案装置10は、情報取得部11、検索実行部12、結果出力部13及び働き方情報記憶部100を備える。
【0039】
提案装置10が備える情報取得部11、検索実行部12及び結果出力部13は、HD504からRAM503上に展開されたプログラムがCPU501に実行させる処理によって実現される。
【0040】
提案装置10が備える働き方情報記憶部100は、例えば、HD504を用いて実現される。HDD504が記憶するデータの読み込み又は書き込みは、例えば、HDDコントローラ505を介して行われる。
【0041】
働き方情報記憶部100は、勤務者の働き方に関する働き方情報を記憶する。本実施形態における働き方情報は、勤務者の基本情報とその勤務者の勤務実績とを関連付けた情報である。また、勤務者の基本情報は、勤務者の属性に関する基本情報と勤務者が強みとするスキルに関する基本情報とを含む。
【0042】
勤務者の属性に関する基本情報は、働き方情報記憶部100が記憶する基本情報テーブル1100に格納される。また、勤務者が強みとするスキルに関する基本情報は、働き方情報記憶部100が記憶するスキル情報テーブル1200に格納される。さらに、勤務者の勤務実績は、働き方情報記憶部100が記憶する勤務者毎の勤務実績テーブル1300に格納される。
【0043】
図4は、本実施形態における基本情報テーブル1100の一例を示す図である。
図4に示されているように、基本情報テーブル1100は、データ項目として、例えば、社員番号、社員名、生年月日、所属、社内副業有無及び社内副業先等を有する。
【0044】
社員番号は、勤務者を識別する識別情報である。社員名は、その勤務者を示す名称である。生年月日は、その勤務者の生年月日を示す情報である。所属は、その勤務者が所属する部署(以下、「所属部署」とも呼ぶ)を示す情報である。社内副業有無は、その勤務者が社内副業を行っているか否かを示す情報である。社内副業先は、その勤務者が社内副業を行っている部署(以下、「副業先部署」とも呼ぶ)を示す情報である。
【0045】
なお、社内副業とは、勤務者が所属部署とは異なる副業先部署の業務に従事する人事制度である。ここでは、勤務者が複数の副業先部署の業務に従事できるものとする。この場合、社内副業先は、複数の副業先部署をカンマ区切り等で併記すればよい。
【0046】
図5は、本実施形態におけるスキル情報テーブル1200の一例を示す図である。
図5に示されているように、スキル情報テーブル1200は、データ項目として、例えば、社員番号及び強み等を有する。
【0047】
社員番号は、勤務者を識別する識別情報であり、基本情報テーブル1100の社員番号と対応する。強みは、その勤務者が強みとするスキルを示す情報である。
【0048】
図6は、本実施形態における勤務実績テーブル1300の一例を示す図である。
図6に示されているように、勤務実績テーブル1300は、データ項目として、例えば、日付、勤務時間及び工数内訳等を有する。この勤務実績テーブル1300は、勤務者の社員番号毎に1つのテーブルが設けられる。
【0049】
日付は、勤務者が勤務を行った年月日を示す情報である。勤務時間は、その日にその勤務者が勤務した時間(すなわち出勤時間から退勤時間までの時間)を示す情報である。工数内訳は、その日にその勤務者が従事した業務の種類と、各業務に費やした時間を表す情報である。
【0050】
基本情報テーブル1100とスキル情報テーブル1200とは、いずれも社員番号を有するため、属性に関する基本情報とスキルに関する基本情報とは社員番号によって関連付けられている。勤務実績テーブル1300は社員番号毎に設けられているため、基本情報と勤務実績とは社員番号によって関連付けられている。
【0051】
図3に戻って説明する。情報取得部11は、連携システム30が備える人事情報記憶部300に記憶されている人事関連情報を取得する。また、情報取得部11は、連携システム30から取得した人事関連情報に基づいて勤務者の基本情報及び勤務実績を生成する。さらに、情報取得部11は、勤務者の基本情報及び勤務実績を関連付けた働き方情報を生成する。そして、情報取得部11は、勤務者の働き方情報を働き方情報記憶部100に記憶する。
【0052】
検索実行部12は、ユーザ端末20から検索条件を受信する。また、検索実行部12は、ユーザ端末20から受信した検索条件を用いて、働き方情報記憶部100に記憶されている働き方情報を検索する。さらに、検索実行部12は、検索条件に合致した働き方情報を結果出力部13へ出力する。
【0053】
結果出力部13は、検索実行部12から検索条件に合致した働き方情報を受け取る。結果出力部13は、検索実行部12から受け取った働き方情報が複数の勤務者に関するものである場合、それらの働き方情報を集計する。そして、結果出力部13は、検索条件に合致した働き方情報又はその集計結果をユーザ端末20に返信する。以降、働き方情報又はその集計結果を、「働き方情報」と総称する。
【0054】
≪ユーザ端末20の機能構成≫
図3に示されているように、本実施形態におけるユーザ端末20は、条件入力部21及び情報提示部22を備える。
【0055】
ユーザ端末20が備える各部は、
図2に示されているCPU501がHD504からRAM503上に展開したプログラムに従って、各種の命令をRAM503上に読み込まれたデータに対して実行することで実現される機能又は機能する手段である。
【0056】
条件入力部21は、ユーザが入力した検索条件を受け付ける。また、条件入力部21は、受け付けた検索条件を提案装置10へ送信する。
【0057】
情報提示部22は、提案装置10から働き方情報を受信する。また、情報提示部22は、提案装置10から受信した働き方情報をユーザへ提示する。
【0058】
<情報処理システム1の処理手順>
図7は、本実施形態における情報処理システム1が実行する提案方法の一例を示すフローチャートである。
【0059】
ステップS11において、提案装置10が備える情報取得部11は、連携システム30から人事情報記憶部300に記憶されている人事関連情報を取得する。情報取得部11は、連携システム30から取得した人事関連情報に基づいて、勤務者の働き方情報を生成し、働き方情報記憶部100に記憶する。
【0060】
本実施形態における情報取得部11が働き方情報を取得する手順を、
図8を参照しながら詳細に説明する。
図8は、本実施形態における情報取得部11が働き方情報を取得する手順の一例を示すフローチャートである。
【0061】
ステップS111において、情報取得部11は、取得対象の勤務者に関する人事関連情報を未取得の連携システム30から取得する。
【0062】
ステップS112において、情報取得部11は、取得対象の勤務者に関する人事関連情報をすべての連携システム30から取得したか否かを判定する。すべての連携システム30から取得していない場合(NO)、情報取得部11は、未取得の連携システム30についてステップS111を再度実行する。すべての連携システム30から取得した場合(YES)、情報取得部11は、ステップS113へ処理を進める。
【0063】
ステップS113において、情報取得部11は、連携システム30から取得した人事関連情報に基づいて、勤務者の属性に関する基本情報を生成し、基本情報テーブル1100に格納する。また、情報取得部11は、連携システム30から取得した人事関連情報に基づいて、勤務者のスキルに関する基本情報を生成し、スキル情報テーブル1200に格納する。さらに、情報取得部11は、連携システム30から取得した人事関連情報に基づいて、勤務者の勤務実績を生成し、勤務実績テーブル1300に格納する。
【0064】
ステップS114において、情報取得部11は、すべての勤務者に関して働き方情報を登録したか否かを判定する。すべての勤務者に関して働き方情報を登録していない場合(NO)、情報取得部11は、未登録の勤務者のいずれかを取得対象の勤務者として決定し、ステップS111からS113を再度実行する。すべての勤務者に関して働き方情報を登録した場合(YES)、情報取得部11は処理を完了する。
【0065】
図7に戻って説明する。ステップS21において、ユーザ端末20が備える条件入力部21は、ユーザが入力した検索条件を受け付ける。そして、条件入力部21は、受け付けた検索条件を提案装置10に送信する。
【0066】
検索条件の入力は、例えば、ユーザ端末20のディスプレイ506等に表示される検索条件入力画面において行われる。
図9は、本実施形態における条件入力部21がユーザに検索条件を入力させるための検索条件入力画面2100の一例を示す図である。
【0067】
図9に示されているように、本実施形態における検索条件入力画面2100は、例えば、名前入力欄2111、名前検索ボタン2112、年代入力欄2121、年代検索ボタン2122、時期入力欄2131、時期検索ボタン2132、フリーワード入力欄2141及びフリーワード検索ボタン2142を備える。
【0068】
名前入力欄2111には、名前を指定した検索(以下、「名前指定検索」と呼ぶ)を行う際の検索条件が入力される。ユーザが名前検索ボタン2112を押下すると、条件入力部21は、名前入力欄2111の入力内容に基づく検索条件を提案装置10に送信する。
【0069】
図9では、ユーザがテキストボックスに名前を直接入力する例を示したが、名前の入力形式はこれに限定されない。例えば、基本情報テーブル1100に格納されている社員名をリストボックスに表示し、ユーザがいずれかの社員名を選択することで名前を入力する形式としても構わない。
【0070】
年代入力欄2121には、年代を指定した検索(以下、「年代指定検索」と呼ぶ)を行う際の検索条件が入力される。ユーザが年代検索ボタン2122を押下すると、条件入力部21は、年代入力欄2121の入力内容に基づく検索条件を提案装置10に送信する。
【0071】
図9では、ユーザがラジオボタンで一覧表示された年代から選択する例を示したが、年代の入力形式はこれに限定されない。例えば、ユーザがテキストボックスに年代を直接入力する形式としても構わない。
【0072】
時期入力欄2131には、時期を指定した検索(以下、「時期指定検索」と呼ぶ)を行う際の検索条件が入力される。ユーザが時期検索ボタン2132を押下すると、条件入力部21は、時期入力欄2131の入力内容に基づく検索条件を提案装置10に送信する。
【0073】
図9では、ユーザがテキストボックスに時期を直接入力する例を示したが、時期の入力形式はこれに限定されない。例えば、ユーザがカレンダーから時期を選択することで時期を入力する形式としても構わない。
【0074】
フリーワード入力欄2141には、フリーワードを指定した検索(以下、「フリーワード検索」と呼ぶ)を行う際の検索条件が入力される。ユーザがフリーワード検索ボタン2142を押下すると、条件入力部21は、フリーワード入力欄2141の入力内容に基づく検索条件を提案装置10に送信する。
【0075】
フリーワード検索は、名前、年代及び時期とは異なる観点から検索を行いたい場合に利用することを想定した検索方法である。例えば、フリーワード入力欄2141に「開発力を強みにしている人」と入力すれば、開発力を強みとするスキル情報が登録されている勤務者に関する働き方情報を検索することができる。
【0076】
図7に戻って説明する。ステップS12において、提案装置10が備える検索実行部12は、ユーザ端末20から検索条件を受信する。次に、検索実行部12は、ユーザ端末20から受信した検索条件を用いて、働き方情報記憶部100に記憶されている働き方情報を検索する。そして、検索実行部12は、検索条件に合致した働き方情報を結果出力部13へ出力する。なお、検索条件入力画面2100において指定された検索条件毎の検索方法については後述する。
【0077】
ステップS13において、提案装置10が備える結果出力部13は、検索実行部12から検索条件に合致した働き方情報を受け取る。結果出力部13は、検索実行部12から受け取った働き方情報が複数の勤務者に関するものである場合、それらの働き方情報を集計する。そして、結果出力部13は、検索条件に合致した働き方情報又はその集計結果をユーザ端末20に返信する。
【0078】
ステップS22において、ユーザ端末20が備える情報提示部22は、提案装置10から働き方情報を受信する。そして、情報提示部22は、提案装置10から受信した働き方情報をユーザへ提示する。働き方情報の提示は、例えば、ユーザ端末20のディスプレイ506等に表示される働き方情報提示画面において行われる。なお、検索条件入力画面2100において指定された検索条件毎の働き方情報の提示方法については後述する。
【0079】
≪名前指定検索≫
図10は、本実施形態における検索実行部12が働き方情報を検索する手順の一例を示すフローチャートである。具体的には、
図10は、名前指定検索が行われた場合の検索手順を例示するフローチャートである。
【0080】
ステップS1201において、検索実行部12は、検索対象の勤務者に関する働き方情報が存在するか否かを判定する。具体的には、検索実行部12は、基本情報テーブル1100に、ユーザ端末20から受信した検索条件で指定された名前と一致する社員名を有するレコードが存在するか否かを判定する。
【0081】
検索対象の勤務者が存在する場合(YES)、検索実行部12は、基本情報テーブル1100から検索対象の勤務者の社員番号を取得し、ステップS1202へ処理を進める。検索対象の勤務者が存在しない場合(NO)、検索実行部12は、ステップS1209へ処理を進め、検索条件で指定された名前をもつ勤務者が存在しない旨の検索結果を結果出力部13へ出力する。
【0082】
ステップS1202において、検索実行部12は、検索対象の勤務者の基本情報を取得する。具体的には、検索実行部12は、基本情報テーブル1100及びスキル情報テーブル1200それぞれから、検索対象の勤務者の社員番号と同一の社員番号を有するレコードを取得する。
【0083】
ステップS1203において、検索実行部12は、検索対象の勤務者の勤務実績を取得する。具体的には、検索実行部12は、検索対象の勤務者の社員番号に対応する勤務実績テーブル1300から所定の期間(例えば、直近6か月)のレコードを取得する。
【0084】
ステップS1204において、検索実行部12は、比較対象とする勤務者の社員番号を取得する。具体的には、検索実行部12は、基本情報テーブル1100から、検索対象の勤務者の社員番号とは異なり、かつ、確認済みとして記録されている社員番号のいずれとも異なる社員番号を取得する。また、検索実行部12は、比較対象として取得した社員番号を確認済みとして記録する。
【0085】
ステップS1205において、検索実行部12は、比較対象の勤務者の勤務実績を取得する。具体的には、検索実行部12は、比較対象の勤務者の社員番号に対応する勤務実績テーブル1300から所定の期間(例えば、直近6か月)のレコードを取得する。
【0086】
ステップS1206において、検索実行部12は、検索対象の勤務者の働き方と比較対象の勤務者の働き方とが類似するか否かを判定する。具体的には、検索対象の勤務者の勤務実績と比較対象の勤務者の勤務実績とを比較して、働き方が類似するか否かを判定する。
【0087】
働き方が類似するか否かの判定は、以下のようにして行う。まず、検索対象の勤務者の勤務実績及び比較対象の勤務者の勤務実績それぞれから所定の比較対象期間(例えば、直近6か月)の勤務実績を抽出する。
【0088】
次に、比較対象期間の各勤務実績間で所定の時間単位(例えば、1か月)毎に働き方の傾向が類似するか否かを判定する。働き方の傾向が類似すると判定するための条件は、勤務実績の工数内訳において、以下の2つの条件を満たすこと等と定めることができる。第1の条件は、各勤務実績に同一の業務が含まれることである。第2の条件は、その同一の業務に従事した時間の差異が所定の範囲内(例えば、勤務時間に対するその業務に従事した時間の割合の差異が±10%以内等)であることである。
【0089】
そして、働き方の傾向が類似する時間単位が所定の数(例えば、5か月)以上である場合、働き方が類似すると判定する。一方、働き方の傾向が類似する時間単位が所定の数未満である場合、働き方が類似しないと判定する。
【0090】
比較対象の勤務者の働き方が検索対象の勤務者の働き方と類似すると判定した場合(YES)、検索実行部12は、ステップS1207へ処理を進める。比較対象の勤務者の働き方が検索対象の勤務者の働き方と類似しないと判定した場合(NO)、検索実行部12は、ステップS1204へ処理を戻す。
【0091】
ステップS1207において、検索実行部12は、比較対象の勤務者の基本情報を取得する。具体的には、検索実行部12は、基本情報テーブル1100及びスキル情報テーブル1200それぞれから、比較対象の勤務者の社員番号と同一の社員番号を有するレコードを取得する。
【0092】
ステップS1208において、検索実行部12は、すべての勤務者について確認が済んだか否かを判定する。具体的には、検索実行部12は、基本情報テーブル1100に、検索対象の勤務者の社員番号とは異なり、かつ、確認済みとして記録されている社員番号のいずれとも異なる社員番号を有するレコードが存在するか否かを判定する。
【0093】
すべての勤務者について確認が済んだ場合(YES)、検索実行部12は、ステップS1209へ処理を進める。すべての勤務者について確認が済んでいない場合(NO)、検索実行部12は、ステップS1204へ処理を戻す。
【0094】
ステップS1209において、検索実行部12は、検索条件に合致した勤務者に関する働き方情報と、働き方が類似すると判定された勤務者に関する働き方情報とを含む検索結果を、結果出力部13へ出力する。
【0095】
図11は、本実施形態における情報提示部22がユーザに働き方を提示するための働き方情報提示画面の一例を示す図である。特に、
図11は、名前指定検索が行われた場合に表示される働き方情報提示画面2200を例示している。
【0096】
図11に示されているように、本実施形態における働き方情報提示画面2200は、例えば、所属部署表示欄2201、強み表示欄2202、社内副業有無表示欄2203、社内副業先表示欄2204及び勤務実績表示欄2205を備える。
【0097】
また、本実施形態における働き方情報提示画面2200は、検索対象の勤務者に関する働き方情報を表示するタブ2206と、働き方が類似する勤務者に関する働き方を表示するタブ2207,2208とを備える。タブ2207,2208の画面構成は、タブ2206と同様である。働き方が類似する勤務者に関する働き方を表示するタブの数は、働き方が類似すると判定された勤務者の数に応じて増減する。
【0098】
所属部署表示欄2201には、検索対象の勤務者の所属部署が表示される。勤務者の所属部署は、基本情報テーブル1100の所属に対応する。
【0099】
強み表示欄2202には、検索対象の勤務者が強みとするスキルが表示される。勤務者の強みは、スキル情報テーブル1200の強みに対応する。
【0100】
社内副業有無表示欄2203には、検索対象の勤務者の社内副業有無が表示される。勤務者の社内副業有無は、基本情報テーブル1100の社内副業有無に対応する。
【0101】
社内副業先表示欄2204には、検索対象の勤務者が社内副業を行っている場合に、社内副業先部署が表示される。社内副業先部署は、基本情報テーブル1100の社内副業先に対応する。
【0102】
勤務実績表示欄2205には、検索対象の勤務者の勤務実績が表示される。勤務者の勤務実績は、その勤務者の社員番号に対応する勤務実績テーブル1300の工数内訳に対応する。
【0103】
勤務実績表示欄2205に表示される勤務実績は、例えば、工数内訳に含まれる業務毎に、その業務に費やした時間を1か月単位で集計し、各業務に費やした時間の全体に占める割合を100%積み上げ棒グラフで表示する。グラフの表示形式は一例であって、その他の形式のグラフで表示してもよいし、グラフ以外の形式(例えば、表)で表示してもよい。
【0104】
名前指定検索を行ったときの働き方情報提示画面2200は、検索対象の勤務者の所属及び強みといった基本情報と、どのような働き方をしているのかを表す勤務実績を提示する。これにより、提案装置10は、ユーザが知りたいと所望する勤務者の働き方情報を提示することができる。
【0105】
また、名前指定検索を行ったときの働き方情報提示画面2200は、検索対象の勤務者と働き方が類似する勤務者の働き方情報も併せて提示する。これにより、提案装置10は、ユーザが知りたいと所望する勤務者の働き方だけでなく、ユーザが知りたいと推測される勤務者の働き方をも提示することができる。
【0106】
ユーザは、例えば、憧れている又は尊敬している先輩又は上司の働き方を参考にして、その先輩又は上司に近づくために必要なスキル又は行動を知ることができる。また、憧れている又は尊敬している先輩又は上司と働き方が類似している他の勤務者を知り、働き方の傾向から自身の働き方を見直すことができる。
【0107】
≪年代指定検索≫
図12は、本実施形態における検索実行部12が働き方情報を検索する手順の一例を示すフローチャートである。具体的には、
図12は、年代指定検索が行われた場合の検索手順を例示するフローチャートである。
【0108】
ステップS1211において、検索実行部12は、未確認の勤務者の社員番号を確認対象として取得する。具体的には、検索実行部12は、基本情報テーブル1100から社員番号が確認済みとして記録されていない社員番号を取得する。また、検索実行部12は、確認対象として取得した社員番号を確認済みとして記録する。
【0109】
ステップS1212において、検索実行部12は、確認対象の勤務者の年代を計算する。具体的には、検索実行部12は、基本情報テーブル1100から、確認対象の勤務者の社員番号と同一の社員番号を有するレコードの生年月日を取得し、その生年月日から当日の年齢を計算し、その年齢の一の位を切り捨てる。
【0110】
ステップS1213において、検索実行部12は、確認対象の勤務者の年代が検索条件で指定された年代と一致するか否かを判定する。確認対象の勤務者の年代が検索条件で指定された年代と一致する場合(YES)、検索実行部12は、ステップS1214へ処理を進める。確認対象の勤務者の年代が検索条件で指定された年代と一致しない場合(NO)、検索実行部12は、ステップS1216へ処理を進める。
【0111】
ステップS1214において、検索実行部12は、確認対象の勤務者の基本情報を取得する。具体的には、検索実行部12は、基本情報テーブル1100及びスキル情報テーブル1200それぞれから、確認対象の勤務者の社員番号と同一の社員番号を有するレコードを取得する。
【0112】
ステップS1215において、検索実行部12は、確認対象の勤務者の勤務実績を取得する。具体的には、検索実行部12は、確認対象の勤務者の社員番号に対応する勤務実績テーブル1300から所定の期間(例えば、直近6か月)のレコードを取得する。
【0113】
ステップS1216において、検索実行部12は、すべての勤務者について確認が済んだか否かを判定する。具体的には、検索実行部12は、基本情報テーブル1100に、確認済みとして記録されている社員番号のいずれとも異なる社員番号を有するレコードが存在するか否かを判定する。
【0114】
すべての勤務者について確認が済んだ場合(YES)、検索実行部12は、ステップS1217へ処理を進める。すべての勤務者について確認が済んでいない場合(NO)、検索実行部12は、ステップS1211へ処理を戻す。
【0115】
ステップS1217において、検索実行部12は、検索条件に合致した1以上の勤務者に関する働き方情報を含む検索結果を、結果出力部13へ出力する。
【0116】
図13は、本実施形態における情報提示部22がユーザに働き方を提示するための働き方情報提示画面の一例を示す図である。特に、
図13は、年代指定検索が行われた場合に表示される働き方情報提示画面2210を例示している。
【0117】
図13に示されているように、本実施形態における働き方情報提示画面2210は、例えば、社内副業有無割合表示欄2211、社内副業先数表示欄2212、強み割合表示欄2213及び勤務実績表示欄2214を備える。
【0118】
社内副業有無割合表示欄2211には、指定された年代の勤務者のうち社内副業を行っている勤務者の割合と社内副業を行っていない勤務者の割合とが表示される。勤務者の社内副業有無は、基本情報テーブル1100の社内副業有無に対応する。
【0119】
社内副業先数表示欄2212には、指定された年代の勤務者のうち社内副業を行っている勤務者における社内副業先部署の数の割合が降順で表示される。勤務者の社内副業先部署の数は、基本情報テーブル1100の社内副業先から得られる。
【0120】
強み割合表示欄2213には、指定された年代の勤務者における強みとして登録しているスキルの割合が降順で所定の数だけ表示される。勤務者の強みは、スキル情報テーブル1200の強みから得られる。
【0121】
勤務実績表示欄2214には、指定された年代の勤務者の勤務実績を集計した結果が表示される。勤務実績表示欄2214に表示される勤務実績は、例えば、指定された年代の勤務者全体で、工数内訳に含まれる業務毎に、その業務に費やした時間を1か月単位で集計し、各業務に費やした時間の全体に占める割合を100%積み上げ棒グラフで表示する。勤務実績表示欄2205と同様に、グラフの表示形式は一例である。
【0122】
年代指定検索を行ったときの働き方情報提示画面2210は、指定された年代の勤務者の社内副業及び強みといった基本情報の集計結果と、勤務実績の集計結果を提示する。これにより、提案装置10は、ユーザが知りたいと所望する年代の勤務者の働き方情報を提示することができる。
【0123】
ユーザは、例えば、自身と同年代の勤務者の働き方の傾向を参考にして、自身の働き方を見直すことができる。また、例えば、自身と同年代の勤務者の強みの傾向を参考にして、自身のスキルアップを計画することができる。
【0124】
≪時期指定検索≫
図14は、本実施形態における検索実行部12が働き方情報を検索する手順の一例を示すフローチャートである。具体的には、
図14は、時期指定検索が行われた場合の検索手順を例示するフローチャートである。
【0125】
ステップS1221において、検索実行部12は、未確認の勤務者の社員番号を確認対象として取得する。具体的には、検索実行部12は、基本情報テーブル1100から社員番号が確認済みとして記録されていない社員番号を取得する。また、検索実行部12は、確認対象として取得した社員番号を確認済みとして記録する。
【0126】
ステップS1222において、検索実行部12は、確認対象の勤務者に検索条件で指定された時期の勤務実績が存在するか否かを判定する。具体的には、検索実行部12は、確認対象の勤務者の社員番号に対応する勤務実績テーブル1300に、ユーザ端末20から受信した検索条件で指定された時期に含まれる日付を有するレコードが存在するか否かを判定する。
【0127】
確認対象の勤務者に指定時期の勤務実績が存在する場合(YES)、検索実行部12は、ステップS1223へ処理を進める。確認対象の勤務者に指定時期の勤務実績が存在しない場合(NO)、検索実行部12は、ステップS1225へ処理を進める。
【0128】
ステップS1223において、検索実行部12は、確認対象の勤務者の基本情報を取得する。具体的には、検索実行部12は、基本情報テーブル1100及びスキル情報テーブル1200それぞれから、確認対象の勤務者の社員番号と同一の社員番号を有するレコードを取得する。
【0129】
ステップS1224において、検索実行部12は、検索条件で指定された時期における確認対象の勤務者の勤務実績を取得する。具体的には、検索実行部12は、確認対象の勤務者の社員番号に対応する勤務実績テーブル1300から、検索条件で指定された時期に含まれる日付を有するレコードを取得する。
【0130】
ステップS1225において、検索実行部12は、すべての勤務者について確認が済んだか否かを判定する。具体的には、検索実行部12は、基本情報テーブル1100に、確認済みとして記録されている社員番号のいずれとも異なる社員番号を有するレコードが存在するか否かを判定する。
【0131】
すべての勤務者について確認が済んだ場合(YES)、検索実行部12は、ステップS1226へ処理を進める。すべての勤務者について確認が済んでいない場合(NO)、検索実行部12は、ステップS1221へ処理を戻す。
【0132】
ステップS1226において、検索実行部12は、検索条件に合致した1以上の勤務者に関する働き方情報を含む検索結果を、結果出力部13へ出力する。
【0133】
図15は、本実施形態における情報提示部22がユーザに働き方を提示するための働き方情報提示画面の一例を示す図である。特に、
図15は、時期指定検索が行われた場合に表示される働き方情報提示画面2220を例示している。
【0134】
図15に示されているように、本実施形態における働き方情報提示画面2220は、例えば、社内副業有無割合表示欄2221、社内副業先数表示欄2222、強み割合表示欄2223及び勤務実績表示欄2224を備える。各表示欄に表示される内容は、年代指定検索が行われた場合に表示される働き方情報提示画面2210と同様である。
【0135】
時期指定検索を行ったときの働き方情報提示画面2220は、指定された時期の勤務者の社内副業及び強みといった基本情報の集計結果と、勤務実績の集計結果を提示する。これにより、提案装置10は、ユーザが知りたいと所望する時期の勤務者の働き方情報を提示することができる。
【0136】
ユーザは、例えば、自然災害又は感染症の流行等の社会的な影響が大きい事件が発生した後に、自身の働き方を変えるべきか、変えるとしたらどのように変えるべきか等を、他の勤務者の働き方を参考にして検討することができる。
【0137】
≪フリーワード検索≫
本実施形態における検索条件入力画面2100では、定型の検索方法として、名前、年代及び時期が用意されていた。しかしながら、ユーザは、それ以外の観点から他の勤務者の働き方を知りたい場合もある。その場合、ユーザはフリーワード検索を用いて検索条件を入力すればよい。
【0138】
図9に示されているように、検索条件入力画面2100が備えるフリーワード入力欄2141には、例えば「月の有休5%以上の人」、「開発力を強みにしている人」等の自然文で検索条件とするフリーワードを入力する。提案装置10が備える検索実行部12は、入力されたフリーワードを解釈し、働き方情報に対する適切な検索条件への変換を行う。そのため、フリーワードには検索の対象とする項目及び検索の条件となる値が含まれていなければならない。
【0139】
フリーワードの解釈は、例えば、フリーワードに予め定めたキーワードが含まれるか否かにより行うことができる。例えば、工数内訳に含まれる業務の種類をキーワードとして設定しておけば、「月の有休5%以上の人」といったフリーワードが指定されたときに、勤務実績テーブル1300の工数内訳を対象として検索を実行することができる。
【0140】
また、例えば、スキル情報テーブル1200に含まれるスキルの種類をキーワードとして設定しておけば、「開発力を強みにしている人」といったフリーワードが指定されたときに、スキル情報テーブル1200の強みに対する検索を実行することができる。強みに対する検索を行えば、ユーザは自身と同じ強みを持つ人がどのような部署で社内副業を行っているか、といった情報を得ることができる。
【0141】
フリーワード検索では、検索条件に合致する勤務者の数によって、検索結果を表示する働き方情報提示画面を切り替えればよい。検索条件に合致する勤務者が1人の場合、名前指定検索と同様に、その勤務者に関する働き方情報と、働き方が類似する他の勤務者に関する働き方情報とを表示すればよい。また、検索条件に合致する勤務者が複数の場合、年代指定検索及び時期指定検索と同様に、複数の勤務者に関する働き方情報を集計した結果を表示すればよい。
【0142】
<実施形態の効果>
本実施形態における提案装置10は、人事関連システムから取得した勤務者の働き方に関する働き方情報を保持し、ユーザが指定した検索条件に合致する働き方情報を提示することができる。これにより、ユーザは知りたいと所望する働き方情報を得ることができ、自身の働き方を考える際の参考とすることができる。
【0143】
本実施形態における提案装置10は、名前、年代、時期及びフリーワード等の様々な検索条件を指定することができる。そのため、ユーザは様々な観点から所望の働き方情報を得ることができる。例えば、ユーザは「尊敬しているあの先輩はどのような働き方をしているのか。自分との差は何なのか」等を知ることができ、自身の働き方を見直すことができる。
【0144】
特に、本実施形態における提案装置10は、名前検索等により勤務者が1人に特定される場合には、その勤務者と働き方が類似する勤務者に関する働き方情報も提示することができる。そのため、ユーザは知りたいと所望する勤務者の働き方情報だけでなく、働き方が類似する複数の勤務者の働き方情報をも得ることができる。
【0145】
また、本実施形態における提案装置10は、年代又は時期等により複数の勤務者が特定される場合には、それらの勤務者の働き方情報を集計した結果を提示することができる。そのため、ユーザは共通する特徴を持つ勤務者の働き方の傾向を得ることができる。
【0146】
さらに、本実施形態における提案装置10は、所属部署、強み及び社内副業先等を提示するため、ユーザに対して「この強みを活かしてこの部署で働いている人がいる」、「自分が持っている強みを活かして、こういう部署でこんな仕事もできる」といった長期的なキャリア形成の提案に利用することができる。
【0147】
そして、本実施形態における提案装置10は、年代又は時期を指定した検索ができるため、管理職又は経営層が従業員の勤務形態を解析することにも活用することができる。
【0148】
[補足]
上記各実施形態において、情報取得部11は、記憶制御部の一例である。働き方情報記憶部100は、記憶部の一例である。結果出力部13は、出力部の一例である。情報取得部11が実行するステップS11は、記憶手順の一例である。結果出力部13が実行するステップS13は、出力手順の一例である。
【0149】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0150】
実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、提案装置10は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
【0151】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【符号の説明】
【0152】
1 情報処理システム
9 通信ネットワーク
10 提案装置
20 ユーザ端末
30 連携システム
11 情報取得部
12 検索実行部
13 結果出力部
21 条件入力部
22 情報提示部
100 働き方情報記憶部
300 人事情報記憶部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0153】