(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023045888
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】電子機器および分光器
(51)【国際特許分類】
G01J 3/18 20060101AFI20230327BHJP
G02B 26/10 20060101ALI20230327BHJP
G02B 26/08 20060101ALI20230327BHJP
G12B 9/08 20060101ALN20230327BHJP
H05K 5/02 20060101ALN20230327BHJP
【FI】
G01J3/18
G02B26/10 104Z
G02B26/08 E ZAB
G12B9/08 C
H05K5/02 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021154499
(22)【出願日】2021-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】藤田 哲丸
(72)【発明者】
【氏名】野口 英剛
【テーマコード(参考)】
2F078
2G020
2H045
2H141
4E360
【Fターム(参考)】
2F078EA12
2F078EA26
2F078EB01
2F078EC16
2G020AA03
2G020BA05
2G020CA02
2G020CB02
2G020CB26
2G020CB36
2G020CC05
2G020CC43
2G020CC55
2G020CC56
2G020CC62
2G020CD04
2G020CD12
2G020CD24
2G020CD37
2H045AB06
2H045AB81
2H141MA12
2H141MB24
2H141MC09
2H141MD12
2H141MD16
2H141MD20
2H141ME13
2H141ME24
2H141ME25
2H141MG10
2H141MZ03
2H141MZ16
4E360AA03
4E360AB02
4E360AB42
4E360EA12
4E360ED07
4E360GA14
4E360GB99
4E360GC02
4E360GC08
4E360GC14
(57)【要約】
【課題】可動部材を搭載した電子機器の耐衝撃性を高くすること。
【解決手段】本発明の一態様に係る電子機器は、可動部材を搭載した電子機器であって、前記可動部材を内部に収容する筐体と、前記可動部材への衝撃を緩和する緩衝部材と、を有し、前記緩衝部材は、前記筐体を内側に保持し、前記可動部材の可動方向に沿う方向に突き出した突起、または前記可動方向に沿う方向に窪んだ窪みの少なくとも一方を外側に含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動部材を搭載した電子機器であって、
前記可動部材を内部に収容する筐体と、
前記可動部材への衝撃を緩和する緩衝部材と、を有し、
前記緩衝部材は、前記筐体を内側に保持し、前記可動部材の可動方向に沿う方向に突き出した突起、または前記可動方向に沿う方向に窪んだ窪みの少なくとも一方を外側に含む電子機器。
【請求項2】
前記緩衝部材の外側から前記窪みの底までの前記可動方向に沿った深さは、5.1mm以上である請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記窪みは、前記窪みの底に近づくほど細くなるテーパ形状を含む請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記窪みのテーパ形状における窪みテーパ角は、120度以下である請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記緩衝部材の外側から前記突起の端部までの前記可動方向に沿った高さは、5.1mm以上である請求項1から4の何れか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記突起は、前記突起の端部に近づくほど細くなるテーパ形状を含む請求項1から5の何れか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記突起のテーパ形状における突起テーパ角は、120度以下である請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記可動部材は、所定の揺動軸周りに揺動する請求項1から7の何れか1項に記載の電子機器。
【請求項9】
前記突起は、前記揺動軸に交差し、かつ前記可動方向に沿う軸に対して対称な位置に配置された複数の突起を含む請求項8に記載の電子機器。
【請求項10】
前記可動部材は、半導体プロセスにより形成されている請求項1から9の何れか1項に記載の電子機器。
【請求項11】
前記緩衝部材は、シリコーンゴムを含む請求項1から10の何れか1項に記載の電子機器。
【請求項12】
対象物からの光を分光分析する分光器であって、
請求項1から11の何れか1項に記載の電子機器を有し、
前記電子機器は、
前記対象物に光を照射する光源と、
前記光源から照射され、前記対象物により反射された光を回折させる回折部と、
前記回折部により回折された光の光強度に応じた電気信号を出力する受光部と、を内部に有し、
前記可動部材は、前記回折部により回折された光を前記受光部に導光する分光器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器および分光器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラー等の可動部材を有する電子機器が知られている。このような電子機器には、対象物からの光を分光分析する分光器等が挙げられる。例えば分光器は、分光分析により対象物の樹脂種等を同定し、対象物をリサイクル材料として樹脂種ごとに選別回収するために用いられる。
【0003】
また、外部から電子機器に加えられる衝撃から電子機器を保護するために、電子機器の端部を少なくとも2箇所覆う複数の端部保護部材を有する電子機器が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
可動部材は外部からの衝撃に応じて壊れやすいため、可動部材を搭載した電子機器では、耐衝撃性がより高いものが求められる。
【0005】
本発明は、可動部材を搭載した電子機器の耐衝撃性を高くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る電子機器は、可動部材を搭載した電子機器であって、前記可動部材を内部に収容する筐体と、前記可動部材への衝撃を緩和する緩衝部材と、を有し、前記緩衝部材は、前記筐体を内側に保持し、前記可動部材の可動方向に沿う方向に突き出した突起、または前記可動方向に沿う方向に窪んだ窪みの少なくとも一方を外側に含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、可動部材を搭載した電子機器の耐衝撃性を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る分光器の全体構成を例示する斜視図である。
【
図2】
図1の分光器における筐体を例示する斜視図である。
【
図4】
図1の分光器におけるフレームの構成を例示する斜視図である。
【
図5】
図1の分光器における可動部材の構成を例示する平面図である。
【
図6】
図1の分光器における緩衝部材の構成の第1例を示す正面図である。
【
図7】
図1の分光器における緩衝部材の構成の第1例を示す上面図である。
【
図8】
図1の分光器における緩衝部材の構成の第1例を示す側面図である。
【
図10】
図1の分光器における緩衝部材の第2例を示す側面図である。
【
図11】
図1の分光器における緩衝部材の第3例を示す側面図である。
【
図12】落下衝撃により破損した可動部材を例示する図である。
【
図14】
図1の分光器の落下衝撃測定結果を例示する図である。
【
図15】比較例に係る分光器の落下衝撃測定結果を例示する図である。
【
図16】
図1の分光器における緩衝部材の第4例を示す模式図である。
【
図17】
図1の分光器における緩衝部材の第5例を示す模式図である。
【
図18】
図1の分光器における可動部材の変形例を示す図である。
【
図19】
図1の分光器におけるフレームの変形例を示す図である。
【
図20】第2実施形態に係る分光システムの全体構成を例示する図である。
【
図21】
図21の分光システムの動作を例示するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について詳細に説明する。各図面において、同一の構成部または同質の構成部には同一符号を付し、重複した説明を適宜省略する。
【0010】
以下に示す図でX軸、Y軸およびZ軸により方向を示す場合があるが、X軸に沿うX方向は、実施形態に係る分光器が有する可動部材の揺動軸に略直交する方向を示し、Y軸に沿うY方向は揺動軸に沿う方向を示すものとする。Z軸に沿うZ方向は、X方向およびY方向の両方に略直交する方向であって、可動部材の可動方向に沿う方向を示すものとする。
【0011】
X方向で矢印が向いている方向を+X方向または+X側、+X方向の反対方向を-X方向または-X側と表記し、Y方向で矢印が向いている方向を+Y方向または+Y側、+Y方向の反対方向を-Y方向または-Y側と表記する。またZ方向で矢印が向いている方向を+Z方向または+Z側、+Z方向の反対方向を-Z方向または-Z側と表記する。実施形態に係る分光器は、一例として+X方向に光を照射するものとする。但し、これらのことは、分光器の使用時における向きを制限するものではなく、分光器の向きは任意である。
【0012】
以下、可動部材を搭載し、対象物からの光を分光分析する分光器を電子機器の一例として実施形態を説明する。
[第1実施形態]
<分光器100の全体構成例>
図1は、第1実施形態に係る分光器100の全体構成を例示する斜視図である。分光器100は、分光器100のユーザが手で把持したり、衣服のポケットやカバン等に収納したりして、持ち運び可能に小型に構成されたハンディタイプの電子機器である。
図1に示すように、分光器100は、筐体1と、緩衝部材2と、を有する。
【0013】
分光器100は、対象物に対して筐体1内の光源から光を照射し、照射した光の対象物による反射光を分光分析する。分光分析とは、物質が放射または吸収する光のスペクトルを調べ、物質の成分を特定または同定することをいう。
【0014】
対象物は、例えば樹脂を材料に含む部材、青果物、穀類、肉類、魚類、薬の錠剤、コンクリート等である。分光器100は、分光分析により対象物の樹脂種等を同定し、対象物をリサイクル材料として樹脂種ごとに選別回収するため等に用いられる。
【0015】
筐体1は、内部に光源および可動部材等を収容する箱状部材である。可動部材は、筐体1の内部においてY軸に沿う揺動軸周りに揺動する。Z軸に沿う可動方向10は、揺動により可動部材が可動する方向を指す。なお、本実施形態では、四角柱状の箱状部材である筐体1を例示するが、これに限定されるものではない。筐体1は、内部に可動部材を収容できれば、円柱状、楕円柱状または多角柱状等の任意の形状であってもよい。
【0016】
緩衝部材2は、可動部材13への衝撃を緩和する部材である。緩衝部材2は、ゴム等の弾性を有する材質を含んで構成され、筐体1を覆うように着脱可能に設けられる。但し、緩衝部材2は必ずしも着脱可能でなくてもよく、筐体1に備え付けであってもよい。
【0017】
分光器100の持ち運び中や使用中に、分光器100が地面に落下したり、壁等にぶつかったりすると、分光器100に衝撃が加わり、分光器100が破損する場合がある。特に筐体1に内蔵される可動部材は、衝撃により破損しやすい。緩衝部材2は、分光器100に加わる衝撃を弾性により吸収することによって緩和し、分光器100、特に分光器100が有する可動部材が破損することを抑制する。
【0018】
分光器100が地面等にぶつかる際には、分光器100の端部または角部がいち早くぶつかりやすい。そのため、緩衝部材2は、筐体1におけるX方向およびZ方向それぞれの端部や角部を主に覆うように、筐体1に設けられることが好ましい。
【0019】
図2は、筐体1を例示する斜視図である。
図2は、分光器100において緩衝部材2が取り外された状態を示している。筐体1は、筐体1の+X側に設けられた窓11と、筐体1の+Z側に設けられたスイッチ12と、を有する。
【0020】
窓11は、筐体1内の光源からの光を筐体1の外部に出射させ、また分光器100から照射された光の対象物108による反射光を筐体1の内部に入射させる窓である。窓11は、光源が発する光に対して透光性を有するガラスまたは樹脂等を含む。ここでの透光性は、光源が発する光に対して60%以上の透過率を有することを意味する。
【0021】
スイッチ12は、分光器100の電源のオンまたはオフを切り替えるスイッチである。スイッチ12は、スイッチ12をX方向にスライドさせるユーザ操作に応じて、電源のオンまたはオフを切り替える。但し、スイッチ12は、スライド式のものに限定されず、押しボタン式等の各種方式のものを適用できる。
【0022】
緩衝部材2は、筐体1に緩衝部材2が取り付けられている状態において、少なくとも窓11およびスイッチ12が配置される位置に開口を有する。この開口を通じて、窓11は光を入射または出射させることができ、スイッチ12はユーザによる操作を受け付けることができる。
【0023】
<筐体1の内部構成例>
図3は、
図2のII-II断面図である。
図4は、分光器100におけるフレーム209の構成を例示する斜視図である。
【0024】
図3に示すように、分光器100は、光源216と、凹面回折格子202と、可動部材13と、受光部217と、を有する。また分光器100は、フレーム209と、処理部215aと、バッテリ218と、を有する。分光器100は、これらの構成部を筐体1の内部に収容する。
【0025】
光源216は、分光分析の対象となる対象物に光を照射する。光源216は、例えばLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)またはハロゲンランプ等である。光源216は、分光分析の対象物に対して適正な波長帯域の光を照射するものが選択され、外側フレーム210の外側に配置される。
【0026】
凹面回折格子202は、光源216から照射され、対象物により反射された光を回折させる回折部の一例である。凹面回折格子202は、金属の凹面ミラーの表面に等間隔の細線が形成された光学素子である。但し、凹面回折格子202の基材の材質は金属に限定されず、半導体、ガラス、樹脂等であってもよい。但し、材質を半導体、ガラス、樹脂等を利用する場合は細線表面へ反射ミラー膜を形成することが好ましい。
【0027】
凹面回折格子202における細線は基材上に直接形成してもよいし、基材上に形成した薄い樹脂等の層に形成してもよい。凹面回折格子202は、回折格子による光の分散機能と、凹面ミラーによる集光機能と、を兼備する。凹面回折格子202に入射した光は、凹面回折格子202により回折して分散し、可動部材13に向けて集光する。なお、光の分散とは、入射光が波長ごとに別々に分離する現象をいう。
【0028】
可動部材13は、例えば、ミラー部が接続部としての弾性梁部と基板上に一体に形成されたMEMSミラーである。ミラー部は、入射してきた光を反射する。また、ミラー部は弾性梁部の弾性運動によって揺動軸E軸周りの矢印方向に沿って揺動する。揺動軸E周りの揺動によって、可動部材13におけるミラー部のX軸方向における両端部は、Z方向に沿う可動方向10に往復移動する。
【0029】
可動部材13では、ミラー部は揺動により厳密には曲率を含む動作を行うが、例えばX軸方向におけるミラー部の両端部は、可動方向10に略直動するように往復移動する。可動方向10は、このようなミラー部が略直動する移動方向を含む。
【0030】
図3では、可動部材13はX軸に対して僅かに傾いているが、可動部材13はX軸に対して略平行に設けられてもよい。本実施形態では、可動方向10は、
図3のように可動部材13がX軸に対して傾いて設けられた状態においてミラー部の両端部が略直動する移動方向である。
【0031】
本実施形態では、揺動する可動部材13を例示するが、これに限定されるものではない。例えば可動部材の動作には、揺動、振動、回動、直動、歳差または並進等の動作が含まれる。可動方向10は、これらの動作に伴って可動部材13が可動する方向を含む。
【0032】
可動部材13は、ミラー部を揺動させることにより、入射してきた光の反射角度を変化させる。可動部材13は、凹面回折格子202により回折された光を、例えばミラー部により受光部217に向けて反射することにより受光部217に導光する。
【0033】
受光部217は、フォトダイオード等の光電変換素子である。受光部217は、凹面回折格子202により回折された光の光強度に応じた電気信号を出力する。
【0034】
処理部215aは、受光部217から入力される電気信号に基づき、分光スペクトルを取得する演算を行う。分光スペクトルとは、対象物の反射光における波長ごとの強度分布をいう。分光器100は、分光スペクトルに基づき、分光分析を行うことができる。
【0035】
処理部215aは、所定の波長の光を受光部に向けて出射させるために可動部材13を制御し、さらに光源216による光の照射、例えば光の強度を制御する。
【0036】
バッテリ218は、光源216、可動部材13および処理部215a等の分光器100に含まれる構成部を駆動させる電力を供給する。バッテリ218には、電池や二次電池(蓄電池)等を適用できる。但し、分光器100は、バッテリ218に代えて、あるいはバッテリ218と共に、商用電源から電力供給されるように構成されてもよい。
【0037】
図4に示すように、フレーム209は、断面が多角形形状で、内部が中空の中空構造を有する角柱である。フレーム209の材質は、樹脂や金属、セラミック等であり、特に制限されるものではない。フレーム209は、入射スリット201と、出射スリット204と、を有する。またフレーム209は、フレーム209を構成する面の所定の位置に、フレーム209の外部とフレーム209の内部の中空部を連通させる矩形の開口209aから209dを有する。
【0038】
図3および
図4に示すように、凹面回折格子202は、フレーム209における開口209bの位置に配置され、フレーム209の外側の面に固定される。開口209aから入射した光は、開口209bを通過し、フレーム209の外側に配置された凹面回折格子202に入射する。凹面回折格子202に入射した光は、凹面回折格子202により回折して分散し、開口209cに向かって集光しながら伝搬する。
【0039】
可動部材13は、開口209cの位置に配置され、フレーム209の外側の面に固定される。凹面回折格子202による分散光は、開口209cを通過し、フレーム209の外側に配置された可動部材13に入射する。可動部材13のミラー部に入射した光は、ミラー部で反射されて開口209dに向かって伝搬する。
【0040】
可動部材13におけるミラー部は、揺動軸E周りに揺動するが、ミラー部はフレーム209の開口209cに含まれる領域内において揺動するため、揺動中にミラー部がフレーム209に接触することはない。
【0041】
図3に破線で示す光線Lは、フレーム209内に入射し、凹面回折格子202により回折され、可動部材13のミラー部により反射された後、受光部217に到達する光線の一部を示している。
【0042】
入射スリット201は、細長い略矩形状の開口であり、外側フレーム210のテーパ孔203から入射した光をフレーム209内に入射させる。入射スリット201における開口の長手方向はX方向に対応し、短手方向はX方向と略直交する方向に対応する。
【0043】
入射スリット201の短手方向の開口の幅は、例えば数10μmから数100μmである。入射スリット201は、ニッケル等の金属基板に矩形の貫通孔を設けて形成される。但し、入射スリット201が形成される基板の材質は、金属に限定されず半導体や樹脂等であってもよい。また、入射スリット201は、矩形開口に限定されず、円形開口のピンホール等であってもよい。入射スリット201からフレーム209内に入射した光は、凹面回折格子202に入射する。
【0044】
出射スリット204は、細長い略矩形状の開口であり、分散した光をフレーム209から出射させるための開口である。出射スリット204の材質および形状には、入射スリット201と同じ材質および形状のものを適用できる。
【0045】
出射スリット204は、凹面回折格子202により分散した光が略集光する位置に配置される。凹面回折格子202により分散した光は、集光位置が波長に応じて横ずれ(シフト)する。分光器100は、凹面回折格子202により分散した光の可動部材13のミラー部による反射角度を変化させ、出射スリット204を通過する光の波長を変えることにより、分散した光のうち所定の波長の光を受光部217に選択的に導光できる。
【0046】
<可動部材13の構成例>
図5は、可動部材13の構成を例示する平面図である。可動部材13は、両端支持梁タイプのMEMSミラーである。可動部材13は、Y軸に平行な揺動軸E周りにミラー部120を揺動させることにより、ミラー部120に設けられたミラー面14に入射してきた光を揺動軸E周りに偏向する。なお、偏向とは光の向きを変化させることをいう。
【0047】
図5に示すように、可動部材13は、ミラー部120と、駆動梁130aおよび130bと、支持部140aおよび140bとを、有する。
【0048】
ミラー部120は、平面視が略矩形状に形成され、揺動軸E周りに揺動可能な板状の部位である。ミラー部120は、-X側の端部が駆動梁130aに接続し、+X方向側の端部が駆動梁130bに接続している。ミラー部120の-Y側の面上にはミラー面14が形成されている。なお、
図5では、平面視が矩形状のミラー面14を例示するが、ミラー面14の形状はこれに限定されるものではなく、円形、楕円形等の他の形状であってもよい。
【0049】
駆動梁130aおよび130bは、Y方向における両側からミラー部120を挟むように設けられ、ミラー部120を揺動軸E周りに揺動可能に支持する。駆動梁130aおよび130bは、ミラー部120を揺動させることにより、ミラー面14の揺動軸E周りの傾きを変化させることができる。
【0050】
駆動梁130aは、複数の梁部材133を含むミアンダ構造(折り返し構造)で構成された蛇行梁である。駆動梁130aの一端はミラー部120の外周部に接続し、他端は支持部140aの内周部に接続している。駆動梁130aに含まれる複数の梁部材133のそれぞれには、圧電駆動部131aから131dが設けられている。圧電駆動部131aから131dのそれぞれは圧電素子を含んでおり、印加される駆動電圧に応じて駆動梁130aを変形させる。
【0051】
駆動梁130bは、複数の梁部材133を含むミアンダ構造で構成された蛇行梁である。駆動梁130bの一端は、ミラー部120の外周部に接続し、他端は支持部140bの内周部に接続している。駆動梁130bに含まれる複数の梁部材133のそれぞれには、圧電駆動部132aから132dが設けられている。圧電駆動部132aから132dのそれぞれは圧電素子を含んでおり、印加される駆動電圧に応じて駆動梁130bを変形させる。
【0052】
駆動梁130aがミラー部120に接続する箇所と、駆動梁130bがミラー部120に接続する箇所は、ミラー面14の中心に対して点対称の位置関係になっている。駆動梁130aが支持部140aに接続する箇所と、駆動梁130bが支持部140bに接続する箇所は、ミラー面14の中心に対して点対称の位置関係になっている。但し、ミラー面14と平行な平面上にあって揺動軸Eと垂直な線(すなわちX軸と平行な線)に対して線対称な位置関係であってもよい。
【0053】
支持部140aは、駆動梁130aを支持する。支持部140bは、駆動梁130bを支持する。
【0054】
支持部140bは、駆動電圧を入力するための電極接続部150を-Z側の面上に有する。電極接続部150は、正の電圧が入力される正電極接続部150aと、GNDに接続されるGND接続部150bと、負の電圧が入力される負電極接続部150cとを含んでいる。
【0055】
正電極接続部150aと、GND接続部150bと、負電極接続部150cは、X方向に沿って配列する複数の電圧入力部である。また正電極接続部150a、GND接続部150bおよび負電極接続部150cが配列する方向は、駆動梁130aまたは駆動梁130bを構成する複数の梁部材133のそれぞれの長手方向であるX方向に沿っている。
【0056】
ミラー部120の-Z側の面上におけるミラー面14以外の領域と、駆動梁130aおよび130bのそれぞれの-Z側の面上には、少なくとも一つ以上の配線123が設けられている。配線123が複数である場合、ミラー面14を囲むように設けられると、重量の偏りを抑制できるため好適である。
【0057】
駆動梁130aに設けられた圧電駆動部131aから131dは、配線123によって支持部140bに設けられた電極接続部150に電気的に接続している。配線123は、電極接続部150を介して入力される駆動電圧を圧電駆動部132aから132dのそれぞれに伝導し、またミラー部120の面上を通って圧電駆動部131aから131dのそれぞれに伝導する。電極接続部150から入力される駆動電圧は、配線123により駆動梁130aおよび130bの両方に印加される。
【0058】
配線123は、正の電圧を伝導する正電圧導線123aと、GNDに接続されるGND導線123bと、負の電圧を伝導する負電圧導線123cと、を含む。正電圧導線123aは正電極接続部150aに接続し、GND導線123bはGND接続部150bに接続し、負電圧導線123cは負電極接続部150cに接続している。
【0059】
可動部材13は、支持部140aと支持部140bとの間において、X方向に沿うミラー部120の両側に、支持部等の障害物が存在しない開放領域である光通過領域16および17を有する。光通過領域16および17は、ミラー部120が揺動した場合に、ミラー面14による反射光を通過させる部位である。なお、光通過領域16および17は、部材が存在しない空隙であってもよいし、空隙の少なくとも一部に光を透過するガラス等の部材を含む構成であってもよい。光通過領域16および17は、揺動軸Eから離れるにつれて揺動軸Eに沿った方向の幅が広くなるテーパ状に形成されていてもよい。
【0060】
可動部材13は、1枚のSOI(Silicon On Insulator)基板をエッチング処理により成形し、成形した基板上にミラー面14や駆動梁130aおよび130b、電極接続部150等を形成することにより、各構成部が一体的に形成される。なお、各構成部の形成は、SOI基板の成形後に行ってもよいし、SOI基板の成形中に行ってもよい。
【0061】
可動部材13は、ミラー部120、並びに駆動梁130aおよび130b等の複数の可動部を含み、これらが半導体プロセスにより一体に形成された部材である。但し、可動部材13は、必ずしも一体に形成されなくてもよく、複数の部材を組み合わせて可動部材13が形成されてもよい。
【0062】
可動部材13は、必ずしも半導体プロセスにより形成されなくてもよいが、半導体プロセスにより可動部材13を製作すると、小型の可動部材13の製作が可能になり、製作効率が高くなり、形成精度が高くなるため、より好ましい。
【0063】
複数の可動部を含む観点では、可動部材13は可動装置と称することもできる。本実施形態では特に、可動部材13の可動方向10は、揺動軸E軸周りに揺動するミラー部120が可動する方向を意味する。
【0064】
なお、
図5において破線の四角で示した領域Vについては、別途、
図10および
図11を参照して説明する。
【0065】
<緩衝部材2の構成例>
図6から
図9は、分光器100における緩衝部材2の構成の第1例を示す図である。
図6は正面図、
図7は上面図、
図8は側面図、
図9は
図6のVI-VI断面図である。
【0066】
図6から
図9に示すように、緩衝部材2は、中央に正面開口21を有し、正面(+Y側)から視た形状が略矩形枠状の部材である。緩衝部材2は、正面開口21を通して筐体1に取り付けられる。緩衝部材2は、筐体1を内側に保持する。
【0067】
緩衝部材2の上面211には、上面開口23が設けられている。上面開口23は、筐体1におけるスイッチ12に対応する位置に設けられており、緩衝部材2が筐体1に取り付けられた際にスイッチ12を露出させる。
【0068】
緩衝部材2を正面から視た矩形の長手方向(X方向)における緩衝部材2の両端には、保護部22aおよび22bが設けられている。保護部22aおよび22bは、上面211よりも+Z側に、下面212よりも-Z側に、正面213よりも+Y側に、背面214よりも-Y側に、それぞれ突出するように設けられている。分光器100が地面に落下した場合等には、上面211、下面212、正面213および背面214よりも、この保護部22aおよび22bが地面にいち早くぶつかるようになっている。
【0069】
保護部22aおよび22bは、正面開口21の中心に対し、X方向における緩衝部材2の両端の略対称となる位置に、略対称となる形状で設けられている。保護部22aおよび22bは、位置および向きを除き、互いに同じ構成を有するため、ここでは保護部22aを代表して説明する。
【0070】
図8および
図9に示すように、保護部22aは、中央に側面開口24を有し、+X方向から視た形状が略矩形枠状に形成されている。保護部22aにおける略矩形枠の外側の四隅と内側の四隅はそれぞれ曲率を有する。
【0071】
側面開口24は、緩衝部材2が筐体1に取り付けられた際に窓11を露出させる。なお、
図8および
図9は、側面開口24の内側に、筐体1が緩衝部材2により保持された際に筐体1の内部に配置される可動部材13を表記している。可動部材13におけるミラー部120は、可動方向10に沿って揺動する。
【0072】
保護部22aのY方向における両側には、凹部25aおよび25bが設けられている。保護部22aの内側には、側面開口24の中心に対して略対称となる位置に、略対称となる形状で規制部26が設けられている。規制部26は、緩衝部材2に筐体1が保持された際に、筐体1のX方向における位置を規制する。
【0073】
緩衝部材2は、筐体1を内側に保持し、可動部材13の可動方向10に沿う方向に窪んだ窪み27aおよび27bを外側に含む。窪み27aおよび27bは、Z方向における保護部22aの両端において、側面開口24に中心に対して略対称となる位置に、略対称となる形状で設けられている。窪み27aおよび27bは、位置および向きを除き、互いに同じ構成を有するため、ここでは窪み27aを代表して説明する。
【0074】
窪み27aは、底271に近づくほど細くなるテーパ形状を含む。窪みテーパ角θは、窪み27aのテーパ形状におけるテーパ角である。厚みhは、+X方向から視た保護部22aの内側から外側までの可動方向10に沿った厚み(長さ)である。深さdは、緩衝部材2の外側から窪み27aの底271までの可動方向10に沿った深さ(長さ)である。
【0075】
緩衝部材2は、窪み27aを有することにより、窪み27aを有さない保護部22aと比較して、窪み27aの周囲における可撓部28aおよび28bが変形しやすい。特に緩衝部材2に可動方向10に沿って力が加わった場合に、可撓部28aおよび28bは、可動方向10に潰れることにより変形しやすい。可撓部28aおよび28bそれぞれの先端(+Z側の端部)が尖っていると、より変形しやすくなる。ここで、可撓部28aおよび28bとは、緩衝部材2において窪み27aが形成されている端部における窪み27a以外の部位をいう。
【0076】
窪み27aおよび27bの深さが深いほど、可撓部28aおよび28bが変形しやすい。本実施形態の第1例では、深さdは5.1mmである。窪み27aおよび27bの窪みテーパ角が小さいほど、可撓部28aおよび28bが変形しやすい。本実施形態の第1例では、窪みテーパ角θは120.0度である。厚みhは11.0mmである。
【0077】
窪み27aおよび27bは、分光器100における緩衝部材2の必須の構成要素である。一方、緩衝部材2における正面開口21、保護部22aおよび22b、上面開口23、側面開口24、凹部26aおよび26b、並びに規制部26は必須の構成要素ではなく、必ずしも設けられなくてよい。
【0078】
図10は、分光器100における緩衝部材の第2例である緩衝部材2aを示す側面図である。
図8に示した第1例と同一の構成部または同質の構成部には同一符号を付し、重複した説明を適宜省略する。この点は、以降に示す変形例および実施形態においても同様とする。
【0079】
緩衝部材2aは、窪み27aaおよび27abを有する。窪み27aaおよび27abにおいて、深さdaは2.0mmであり、窪みテーパ角θaは120.0度であり、厚みhaは11.0mmである。
【0080】
図11は、分光器100における緩衝部材の第3例である緩衝部材2bを示す側面図である。
【0081】
緩衝部材2bは、窪み27baおよび27bbを有する。窪み27baおよび27bbにおいて、深さdbは3.5mmであり、窪みテーパ角θbは120.0度であり、厚みhbは9.5mmである。
【0082】
表1は、緩衝部材2の材質の検討結果を示す表である。主に操作性と耐久性を評価し、評価結果を「◎」、「〇」、「△」または「×」により示した。「◎」は最高、「〇」は問題なし、「△」は条件により不可、「×」は致命的に不可をそれぞれ表す。また表1における「-」は評価していないことを表す。
【0083】
【表1】
表1に示すように、操作性と耐久性の観点では、緩衝部材2の材質には、シリコーンゴムが最も適していることが分かった。本実施形態に係る緩衝部材2、緩衝部材2aおよび緩衝部材2bの材質にはシリコーンゴムを適用した。
【0084】
<緩衝部材2の作用>
図12は、落下衝撃により破損した可動部材13を例示する図であり、
図5における領域Vに対応する領域を拡大した写真である。
【0085】
分光器100が落下したり、壁等にぶつかったりすると、分光器100に衝撃が加わって分光器100が破損する場合がある。例えば、
図12に示すように、可動部材13のミアンダ構造において隣接する梁部材133が接続する部位は、衝撃に応じたせん断応力が加わりやすく破損しやすい。クラック162は、衝撃に応じたせん断応力によって梁部材133の接続部位に生じたクラックである。
【0086】
他に、支持部140aと駆動梁130aとが接続する部位や、支持部140aと駆動梁130bが接続する部位、駆動梁130aおよび130bがミラー部120に接続する部位等も、衝撃に応じたせん断応力が加わりやすく破損しやすい。
【0087】
特に可動方向10に沿って衝撃が加わると、可動部材13において、元々可動によって加わっているせん断応力に対し、衝撃によるせん断応力がさらに追加されるため、より破損しやすくなる。可動部材13が破損すると分光器100自体が使用不能になる。
【0088】
本実施形態では、緩衝部材2は、窪み27aの周囲の可撓部28aおよび28bが特に可動方向10に加わる力に対して変形しやすいため、分光器100の落下等に伴って可動方向10に加わる衝撃を好適に吸収できる。分光器100は、緩衝部材2が衝撃を吸収する結果、衝撃に伴うせん断応力が可動部材13に追加されることを抑え、可動部材13の破損を抑制できる。
【0089】
図13は、落下衝撃の測定結果を例示する図である。落下衝撃の測定では、分光器100の筐体1内における可動部材13に近接した位置に加速度センサを設け、床の約60cm上方から分光器100を床に落下させた。落下した分光器100が床においてバウンドし、床に対して複数回生じる衝突のうち、1回目に衝突したときの加速度である1st加速度を測定した。
【0090】
図13において、横軸は時間を示し、縦軸は1st加速度を示す。時間における「0」は、分光器100が床に1回目に衝突したタイミングである。実線のグラフ141は、第1例に係る緩衝部材2の結果であり、破線のグラフ142は、第2例に係る緩衝部材2a(
図10参照)の結果である。一点鎖線のグラフ143は、窪み27aおよび27bを含む緩衝部材2が設けられていない、すなわち実施形態が適用されない比較例に係る分光器の結果である。
【0091】
グラフ143では、分光器100が床に衝突した直後から1st加速度が急速に大きくなった。グラフ141では、1st加速度の増大がグラフ143と比較して大幅に抑制された。
【0092】
グラフ142では、時間t1まではグラフ141と同様に1st加速度の増大を抑制できたが、時間t1経過後に1st加速度が急速に大きくなった。この時間t1は、緩衝部材2aにおける可撓部28aまたは28bが床との衝突により潰れた後、窪み27aaの底271が床に接触するまでにかかった時間である。つまり、可撓部28aまたは28bが潰れきって、可撓部28aまたは28bによる衝撃の吸収ができなくなるまでにかかった時間である。
【0093】
図14は、分光器100の落下衝撃の測定結果を例示する図である。
図15は、比較例に係る分光器100Xの落下衝撃の測定結果を例示する図である。落下衝撃の測定方法は、
図14において説明したものと同様である。
【0094】
図14は、床から60cm離れた高さから分光器100を落下させたときの1st加速度の測定結果を示す。一方、分光器100Xでは、床から60cm離れた高さから分光器100Xを落下させると、1st加速度が大きくなりすぎて測定不能となった。そのため、
図16は、
図15における測定よりも落下の条件を緩和し、床から20cm離れた高さから分光器100Xを落下させたときの1st加速度の測定結果を示す。
【0095】
図14および
図15において、横軸は落下角度を示す。落下角度は、分光器100および100Xを床に落下させるときに、分光器100および100Xの長手方向(
図1のX方向)に沿った部分が床に対して傾いている角度を意味する。
【0096】
図14および
図15において、「●」のプロットは、床にラワン材により構成された板を敷いて、ラワン材の板上に分光器100および100Xを落下させた場合の測定結果を示す。「×」のプロットは、床に金属板を敷いて、ラワン材上に分光器100および100Xを落下させた場合の測定結果を示す。
【0097】
図14に示すように、分光器100では1st加速度が500.0G程度となった。一方、
図15に示すように、分光器100Xでは、
図14よりも緩い条件である床から20cm離れた高さからの落下であるにも関わらず、ラワン材の板への落下において1st加速度は500.0G程度となった。また金属板への落下においては、1st加速度は700.0Gまたは1700.0Gとなった。
【0098】
表2は、第1例に係る緩衝部材2、第2例に係る緩衝部材2aおよび第3例に係る緩衝部材2bそれぞれの落下衝撃の測定結果を示している。落下衝撃Fは、分光器を床に落下させる実験を20回行い、1st加速度の測定を20回行った結果の平均値である。ばらつきσは、1st加速度の測定を20回行った上記結果の標準偏差である。
【表2】
【0099】
表2に示すように、緩衝部材2、緩衝部材2aおよび緩衝部材2bのうちの緩衝部材2が、落下衝撃Fおよびばらつきσとも最も小さくなり、落下衝撃を吸収して耐衝撃性が最も高くなることが分かった。
【0100】
<分光器100の効果>
以上説明したように、分光器100は、可動部材13を搭載した電子機器であって、可動部材13を内部に収容する筐体1と、可動部材13への衝撃を緩和する緩衝部材2と、を有する。緩衝部材2は、筐体1を内側に保持し、可動部材13の可動方向10に沿う方向に窪んだ窪み27aおよび27bを外側に含む。
【0101】
緩衝部材2は、窪み27aを有することにより、窪み27aを有さない保護部22aと比較して、窪み27aの周囲における可撓部28aおよび28bが変形しやすい。特に緩衝部材2に可動方向10に沿って力が加わった場合に、可撓部28aおよび28bは、可動方向10に沿って潰れるように変形しやすい。そのため、緩衝部材2は、分光器100の落下等に伴って可動方向10に加わる衝撃をより好適に吸収し、衝撃に伴うせん断応力が可動部材13に追加されることを抑制できる。これにより本実施形態では、可動部材13を搭載した分光器100の耐衝撃性を高くすることができる。また分光器100は、耐衝撃性が高くなることにより、可動部材13の破損を抑制できる。
【0102】
本実施形態では、保護部22aおよび22bそれぞれに窪み27aおよび27bを含む構成を例示したが、緩衝部材2は、可動部材13の可動方向10に沿う方向に窪んだ窪みを少なくとも1つ有すればよい。但し、より耐衝撃性を高くする観点では、Z方向における緩衝部材2の端部ごとに、可動部材13の可動方向10に沿う方向に窪んだ窪みが形成されることが好ましい。また緩衝部材2の端部ごとに、複数の窪みが並ぶ組が設けられてもよい。
【0103】
可撓部28aおよび28bを変形しやすくし、分光器100の落下等に伴って可動方向10に加わる衝撃をより好適に吸収する観点では、緩衝部材2の外側から窪みの底271までの可動方向10に沿った深さdは、5.1mm以上であることが好ましい。また窪み27aおよび27bは、底271に近づくほど細くなるテーパ形状を含むことが好ましい。また窪み27aおよび27bのテーパ形状における窪みテーパ角θは、120度以下であることが好ましい。可撓部28aおよび28bそれぞれの先端(+Z側の端部)が尖っていると、さらに好ましい。
【0104】
可動部材13は、半導体プロセスにより形成されているものであることが好ましい。可動部材13を半導体プロセスで製作することによって、小型の可動部材13の製作が可能になるため、分光器100を小型化できる。また可動部材13の製作効率が高くなるため、分光器100の生産性を上げ、分光器100のコストを低減できる。さらに可動部材13の形成精度が高くなるため、分光器100の歩留まりを向上させ、分光器100の生産性を上げ、分光器100のコストを低減できる。
【0105】
緩衝部材2は、シリコーンゴムを含むことが好ましい。シリコーンゴムを含んで緩衝部材2を構成することにより、表1に示したように、緩衝部材2の操作性および耐久性を向上させることができる。
【0106】
ここで、フレーム209の作用効果について述べる。本実施形態では、分光器100におけるフレーム209は、多角形の隣接する頂点間を結ぶ直線部が連続的に結合する。言い換えると、凹面回折格子202や可動部材13を固定するフレーム209の各面を一体に形成している。このようにすることで、フレーム209の変形を抑制できる。
【0107】
また本実施形態では、分光器100は、フレーム209の外側の面に可動部材13および凹面回折格子202等を固定する。これにより、凹面回折格子202や可動部材13等の実装のために、電子部品をプリント基板に表面実装するために用いられるチップマウンター等の装置を利用することができる。チップマウンター等の装置の利用により、可動部材13および凹面回折格子202等の高精度のアライメントが可能となる。また製作する分光器100ごとにおける個体差を抑制できる。フレーム209の外側の各面にはマウント時に可動部材13および凹面回折格子202等が傾いて配置されるのを抑制するために付き当て部やアライメントマーク等の傾き補正機構が設けられていることが望ましい。
【0108】
また本実施形態では、凹面回折格子202や可動部材13等をプリント基板等の一次実装基板(キャリア部材)に実装せず、フレーム209に直接実装する。これにより、一次実装基板同士が干渉して光学素子の近接配置や分光器の小型化が制限されてしまうことを防止することができる。
【0109】
本実施形態の比較例として、例えば、凹面回折格子や可動装置等をそれぞれ実装した一次実装基板でフレームを形成するように配置し、分光器を構成する場合には、一次実装基板を精度よく配置することは困難である。また別々の基板を組合せた構成となるため、剛性が低くなり、変形等が発生して分光器の安定性が損なわれる。これに対し、本実施形態では、フレーム209に凹面回折格子202や可動部材13等を精度よく近接して実装でき、分光器100を高精度化できる。また分光器100の剛性を高めることができ、分光器100を安定化できる。
【0110】
<第1実施形態の変形例>
(緩衝部材の変形例)
第1実施形態では、窪み27aおよび27bを外側に含む緩衝部材2を例示したが、緩衝部材2は、可動部材13の可動方向10に沿う方向に突き出した突起を外側に含んでもよい。
【0111】
図16は、分光器100における緩衝部材の第4例である緩衝部材2cの構成を例示する図である。
図17は、分光器100における緩衝部材の第5例である緩衝部材2dの構成を例示する図である。緩衝部材2cおよび2dは、それぞれ保護部22aを含む。
図16および
図17は、+X方向から視た保護部22aの+Z側の端部を模式的に示している。
【0112】
図16に示すように、緩衝部材2cは、筐体1を内側に保持し、可動部材13の可動方向10に沿う方向に突き出した突起29cを外側に含む。
【0113】
突起29cは、突起29cの端部に近づくほど細くなるテーパ形状を含む。突起テーパ角θcは、突起29cのテーパ形状におけるテーパ角である。厚みhcは、+X方向から視た緩衝部材2cにおける保護部22aの内側から外側までの可動方向10に沿った厚み(長さ)である。深さdcは、緩衝部材2cの外側から突起29cの端部291までの可動方向10に沿った高さ(長さ)である。
【0114】
緩衝部材2cは、突起29cを有することにより、突起29cを有さない保護部22aと比較して、突起29cが変形しやすい。特に緩衝部材2cに可動方向10に沿って力が加わった場合に、突起29cは、可動方向10に沿って潰れるように変形しやすい。突起29cの先端(+Z側の端部)が尖っていると、さらに変形しやすい。
【0115】
緩衝部材2cは、分光器100の落下等に伴って可動方向10に加わる衝撃をより好適に吸収でき、衝撃に伴うせん断応力が可動部材13に追加されることを抑制できる。これにより緩衝部材2cは、可動部材13を搭載した分光器100の耐衝撃性を高くすることができる。
【0116】
また、
図17に示すように、緩衝部材2dは、筐体1を内側に保持し、可動部材13の可動方向10に沿う方向に突き出した突起29dを外側に含む。突起29dは、揺動軸Eに略直交し、かつ可動方向10に沿う軸Kに対して対称な位置に配置された2つの突起を含む。この2つの突起は略同一形状に形成されている。
【0117】
突起29dにおける2つの突起それぞれは、突起29dの端部に近づくほど細くなるテーパ形状を含む。突起テーパ角θdは、突起29dにおける2つの突起それぞれのテーパ形状におけるテーパ角である。厚みhdは、+X方向から視た緩衝部材2dにおける保護部22aの内側から外側までの可動方向10に沿った厚み(長さ)である。深さddは、緩衝部材2dの外側から突起29dにおける2つの突起それぞれの端部291までの、可動方向10に沿った高さ(長さ)である。
【0118】
緩衝部材2dは、突起29dを有することにより、突起29dを有さない保護部22aと比較して、突起29dにおいて変形しやすい。特に緩衝部材2dに可動方向10に沿って力が加わった場合に、突起29dは、可動方向10に沿って潰れるように変形しやすい。突起29dの先端(+Z側の端部)が尖っていると、さらに変形しやすい。
【0119】
これにより、緩衝部材2dは、分光器100の落下等に伴って可動方向10に加わる衝撃をより好適に吸収でき、衝撃に伴うせん断応力が可動部材13に追加されることを抑制できる。その結果、緩衝部材2dは、可動部材13を搭載した分光器100の耐衝撃性を高くすることができる。
【0120】
ここで分光器100は、床や壁にぶつかった際にバウンドして複数回、床や壁にぶつかって衝撃が繰り返し加えられる場合がある。これに対し、突起29dは、軸Kに対して対称な位置に配置された2つの突起を含むため、分光器100が床や壁にぶつかった際に分光器100のバランスを維持しやすい。その結果、分光器100がバウンドして複数回、床や壁にぶつかることを抑え、衝撃が分光器100に繰り返し加えられることを抑え、分光器100が破損することを抑制できる。
【0121】
突起29cまたは突起29dを変形しやすくし、分光器100の落下等に伴って可動方向10に加わる衝撃をより好適に吸収する観点では、突起29cにおける高さdcおよび突起29dにおける高さddは、それぞれ5.1mm以上であることが好ましい。また突起29cおよび突起29dは、端部291に近づくほど細くなるテーパ形状を含むことが好ましい。また 突起29cにおける突起テーパ角θcおよび突起29dにおける突起テーパ角θdは、それぞれ120度以下であることが好ましい。突起29cまたは29dの先端が尖っていると、さらに好ましい。
【0122】
緩衝部材2は、窪みと突起の両方を含んでもよい。換言すると、緩衝部材2は、筐体1を内側に保持し、可動部材13の可動方向に沿う方向に突き出した突起、または可動方向10に沿う方向に窪んだ窪みの少なくとも一方を外側に含むことができる。
【0123】
(可動装置の変形例)
図18は、分光器100における可動部材13の変形例である可動部材13aを示す平面図である。可動部材13aでは、支持部140aと支持部140bとが一体となっており、支持部がミラー部120を囲む枠状に形成されている。
【0124】
ミラー部120が揺動することにより偏向される光が支持部140aおよび140bに遮られることがない場合、または遮られることによる影響を気にしない場合には、支持部140aおよび140bを一体にした枠状に形成できる。
【0125】
支持部140aおよび140bを枠状に形成することにより、半導体ウエハ状態から個片化した後のハンドリング作業が容易になり、さらに支持部140aおよび140bを台部等に接着する作業が容易になるという利点がある。
【0126】
(分光器の変形例)
図19は、分光器100におけるフレーム209の変形例であるフレーム209Aを示す図である。フレーム209Aは、フレーム209Aの内側において可動部材13に対向する部分に上部規制材199を有する。
【0127】
上部規制材199は、光線Lを遮らない形状に形成される。上部規制材199は、開口209cよりも小さい光透過部を有し、フレーム209Aの内側に接着部材等により接着される。上部規制材199は、例えば開口209cを囲う枠状に形成されるが、枠状の形状に限らず、可動部材13における駆動梁130aおよび130bを覆う形状に形成されてもよい。
【0128】
可動部材13のミラー部120は、揺動軸E周りに揺動するが、ミラー部120はフレーム209Aの厚みの領域で揺動するため、揺動中にミラー部120が上部規制材199に接触することはない。
【0129】
またフレーム209Aでは、入射スリット201はローランド円上に配置されるように、開口209aが形成される。また凹面回折格子202の凹面がローランド円の円周の一部を形成するように、開口209bが形成される。これによりフレーム209Aに固定される入射スリット201、凹面回折格子202等の位置、傾きの調整を容易に行うことができる。
【0130】
[第2実施形態]
第2実施形態に係る分光システム300について説明する。
【0131】
ここで、使用済みの例えばエアコンディショナー装置、テレビジョン受像機、冷蔵庫、冷凍庫、洗濯機、衣類乾燥機等の家電製品がリサイクルされるようになっている。使用済の家電製品は、家電リサイクル工場で破砕されて小片となされた後に、磁気、風力または振動等を利用して、材種ごとに選別回収され、リサイクル材料として再資源化される。
【0132】
樹脂材料は、汎用樹脂を中心に、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PVC(ポリ塩化ビニル)、PS(ポリスチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ABS(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン共重合合成樹脂)、PC(ポリカーボネート)等の樹脂である。なお、PCとPSの混合物、または、PCとABSの混合物も一般的であり、樹脂の分子構造による近赤外線領域(波長範囲1から3μm)の吸光特性を利用した選別装置によって樹脂種ごとに選別回収されている。このような選別装置においても、MEMSデバイス等の可動部材を用いる構成が知られている。
【0133】
分光システム300は、手持ち型デバイス310の機能により一つのスペクトル波形を選択して表示し、未知試料を簡易的に非破壊で組成を知るときに使用することができる。
【0134】
<分光システム300の構成例>
図20は、分光システム300の全体構成を例示する図である。
図20に示すように、分光システム300は、分光ユニット250と、手持ち型デバイス310と、を有する。分光ユニット250は、可動部材13を含む分光器100と、プロセッサ306と、通信回路304と、を有する。
【0135】
分光システム300は、一つの手持ち型デバイス310に対して一つの分光器100を有する構成の他に、一つの手持ち型デバイス310に対して複数の分光器100を有する構成であってもよい。
【0136】
プロセッサ306は、分光器100から、受光部217が出力する電気信号を入力し、光スペクトルの時間と光の強度を含む出力が関連付けられた情報を演算により取得する。通信回路304は、プロセッサ306による取得結果を手持ち型デバイス310へ出力する。
【0137】
手持ち型デバイス310は、インターフェース314およびプロセッサ316を有する。手持ち型デバイス310は、例えば携帯電話機またはスマートフォン等の携帯機器である。手持ち型デバイス310は、カメラ機能を有していてもよい。
【0138】
プロセッサ316は、分光ユニット250のプロセッサ306から出力された光スペクトルの時間と光の強度を含む出力が関連付けられた情報と、分光器100が有する可動部材13の振動周波数に基づいて、時間を光の波長に換算し、光の波長ごとの光の強度の関係で構成される分光スペクトル情報Spを得る。またプロセッサ316は、分光器100で取得された対象物108で反射した光スペクトルの情報および対象物108の組成判別結果等の分析結果を演算により取得する。
【0139】
プロセッサ316は、インターフェース314を介して分析結果をディスプレイ312に表示できる。
【0140】
このような分光システム300において、分光器100は、例えばBluetooth(登録商標)等の無線シリアル通信を用いて、通信回路304を介してデータを手持ち型デバイス310に伝送する。手持ち型デバイス310は、分光器100からデータを受信し、プロセッサ316によって処理および分析する。そして、分光システム300は、この分析結果である、例えば光スペクトルの情報および組成判別結果等をディスプレイ312に表示させる。
【0141】
<分光システム300の動作例>
図21は、分光システム300における樹脂判別動作を例示するフローチャートである。
【0142】
まず、ステップS1において、分光システム300は、例えばリサイクル作業等において、分類または同定される樹脂タイプが不明な複数の未知の対象物108が提供される。
【0143】
続いて、ステップS2において、分光システム300は、メモリに一または複数の赤外材料分類モデル(多変量分類モデル)を保存する。
【0144】
続いて、ステップS3において、分光システム300は、未加工の赤外スペクトルデータを収集するために、対象物108に対する分光分析を実行する。
【0145】
続いて、ステップS4において、分光システム300は、手持ち型デバイス310のプロセッサ316による未加工の赤外スペクトルデータの多変量処理を実行する。
【0146】
続いて、ステップS5において、分光システム300は、手持ち型デバイス310のプロセッサ316により、特定のタイプの樹脂ベース複合材料として(材料モデルに一致する)、試料の組成を同定する。
【0147】
続いて、ステップS6において、分光システム300は、対象物108をさらに処理する(例えば、さらなるリサイクルステップのために適切な場所に保存される)。分光システム300は、このようなステップS1からステップS6の各処理を、ステップS3において別の樹脂を含む対象物108に対して繰返すことができる。
【0148】
例えば、分光システム300は、分類モデルを用いて樹脂を含む対象物108の組成の同定を行い、特定の樹脂を含む試料が含みうる樹脂を決定する。例えば、分光システム300を用いて樹脂を判別することにより、樹脂を含む対象物108のリサイクルにおいて、材料処理に使用される炉の処理条件を最適化する等の工程の処理条件を最適化できる。
【0149】
例示的な一方法では、樹脂ベースの複合材料は、既知の方法による再利用のために樹脂を燃焼(焼結)して炭素繊維を再生させた炭素繊維(例えばCRFP)を含む。適切な焼結温度は、複合材料に含まれる樹脂タイプに応じて決定できる。
【0150】
このように、分光システム300は、高い信頼性によって樹脂を判別できる。
【0151】
以上、好ましい実施の形態について詳説したが、上述した実施の形態に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態に種々の変形および置換を加えることができる。
【0152】
実施形態では、緩衝部材2における筐体1の端部を覆う位置の外側に突起または窪みを有する緩衝部材2を例示したが、この構成に限定されるものではない。可動部材13の可動方向10に沿って突出または窪んでいれば、緩衝部材2において突起または窪みが設けられる位置は特に制限されない。
【0153】
実施形態では、分光器100を例示したが、可動部材を有する電子機器は分光器100に限定されるものではない。例えば電子機器は、緩衝部材と、DMD(Digital Mirror Device)等の可動部材と、を有するプロジェクタ等であってもよい。また可動部材13は、MEMSミラーに限らず、可動のものであれば如何なる部材であってよい。
【0154】
実施形態が適用される電子機器は、持ち運び可能なハンディタイプのものに限定されないが、ハンディタイプの電子機器は、持ち運び中に落下したり、壁等にぶつかったりして衝撃が加わりやすい。そのため、実施形態は、ハンディタイプの電子機器への適用がより効果的である。
【0155】
実施形態の説明で用いた序数、数量等の数字は、全て本発明の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本発明は例示された数字に制限されない。また、構成要素間の接続関係は、本発明の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本発明の機能を実現する接続関係をこれに限定するものではない。
【符号の説明】
【0156】
1 筐体
2 緩衝部材
10 可動方向
11 窓
12 スイッチ
13 可動部材
14 ミラー面
16、17 光通過領域
21 正面開口
211 上面
212 下面
213 正面
214 背面
22a、22b 保護部
23 上面開口
24 側面開口
25a、25b 凹部
26 規制部
27a、27b、27aa、27ab、27ba、27bb 窪み
271 底
28a、28b 可撓部
29c、29d 突起
291 端部
100 分光器
108 対象物
120 ミラー部
123 配線
130a、130b 駆動梁
131aから131d 圧電駆動部
132aから132d 圧電駆動部
133 梁部材
140a、140b 支持部
141、142、143 グラフ
150 電極接続部
162 クラック
199 上部規制材
201 入射スリット
202 凹面回折格子
203 テーパ孔
204 出射スリット
209 フレーム
209a、209b、209c、209d 開口
210 外側フレーム
215a 処理部
216 光源
217 受光部
218 バッテリ
250 分光ユニット
300 分光システム
304 通信回路
306 プロセッサ
310 手持ち型デバイス
312 ディスプレイ
314 インターフェース
316 プロセッサ
E 揺動軸
d、da、db、dc、dd 深さ
h、ha、hb、hc、hd 厚み
θ、θa、θb 窪みテーパ角
θc、θd 突起テーパ角
t1 時間
Sp 分光スペクトル情報
【先行技術文献】
【特許文献】
【0157】