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特開2023-46543情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム及び記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023046543
(43)【公開日】2023-04-05
(54)【発明の名称】情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20230329BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20230329BHJP
   H04N 1/387 20060101ALI20230329BHJP
   B41J 21/00 20060101ALI20230329BHJP
【FI】
G06F3/12 350
G06F3/12 302
G06F3/12 357
G06F3/12 353
H04N1/00 C
H04N1/387
B41J21/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021155187
(22)【出願日】2021-09-24
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLU―RAY DISC
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(72)【発明者】
【氏名】井上 優美
(72)【発明者】
【氏名】豊田 稔
(72)【発明者】
【氏名】国見 敬二
(72)【発明者】
【氏名】石倉 裕司
【テーマコード(参考)】
2C187
5C062
5C076
【Fターム(参考)】
2C187AD14
2C187AE07
2C187AE18
2C187AG02
2C187BF42
2C187DB06
2C187DB12
2C187DB13
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA29
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB38
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC09
5C062AC24
5C062AC34
5C062AE03
5C062AE07
5C062AE15
5C062AF00
5C062AF07
5C062AF10
5C076AA14
5C076AA36
5C076BA06
5C076CA02
(57)【要約】
【課題】従来の技術では、元画像を分割した分割画像を複数の印刷媒体に分けて印刷して互いの印刷媒体を貼り合わせる場合、印刷媒体に対する余白の設定方法に自由度が少ないため、利用者が印刷媒体を貼り合わせる際の作業効率が低下するという課題があった。
【解決手段】情報処理装置2は、第1の印刷媒体の端部のうち第2の印刷媒体と貼り合わされる側の第1の端部と第1の貼合せ位置との間の第1の貼合せ領域、及び第2の印刷媒体の端部のうち第1の印刷媒体と貼り合わされる側の第2の端部と第2の貼合せ位置との間の第2の貼合せ領域、の少なくともいずれかに分割画像の印刷を行わない余白領域を設定するための入力を受け付け、余白領域の入力に基づいて設定された印刷設定情報と、分割画像に係る分割画像データとを、画像形成装置3に対して送信する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置に、
印刷対象となる元画像を分割して得られた複数の分割画像を第1の印刷媒体及び第2の印刷媒体に分けて印刷し、前記第1の印刷媒体と前記第2の印刷媒体とを所定の貼合せ位置で互いに貼り合わせた印刷の指示を受け付けるときに、前記第1の印刷媒体の端部のうち前記第2の印刷媒体と貼り合わされる側の第1の端部と第1の貼合せ位置との間の第1の貼合せ領域と、前記第2の印刷媒体の端部のうち前記第1の印刷媒体と貼り合わされる側の第2の端部と第2の貼合せ位置との間の第2の貼合せ領域と、のうち少なくともいずれかに前記分割画像の印刷を行わない余白領域を設定するための入力を受け付ける受付ステップと、
前記余白領域の入力に基づいて設定された印刷設定情報と、前記元画像を分割した分割画像に係る分割画像データとを、画像形成装置に対して送信する送信ステップと、
を実行させる情報処理プログラム。
【請求項2】
前記受付ステップは、
前記第1の貼合せ位置から所定距離の位置までを、前記複数の分割画像のうちの第1の分割画像を延長して印刷する第1の延長領域として設定するための入力を受け付けるとともに、前記第2の貼合せ位置から所定距離の位置までを、前記複数の分割画像のうちの第2の分割画像を延長して印刷する第2の延長領域として設定するための入力を受け付ける、
請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記受付ステップは、
前記元画像が生成された原稿の原稿サイズ、前記第1の印刷媒体及び前記第2の印刷媒体のサイズを表す印刷サイズ、前記印刷の方式を表す印刷方式、前記延長領域、前記余白領域、前記貼合せ位置、前記印刷媒体の印刷順番、及び印刷枚数を含む各種設定項目を設定するための入力を受け付ける、
請求項1又は2に記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理プログラムであって、更に、
前記各種設定値を設定するための入力に基づいて、前記各種設定項目を設定する設定ステップを実行させる情報処理プログラム。
【請求項5】
前記設定ステップは、
前記第1の貼合せ領域及び前記第2の貼合せ領域の少なくとも一方が設定された場合に、前記第1の印刷媒体における前記第1の分割画像が印刷された面の裏面に前記第1の貼合せ位置を示す第1の貼合せガイド線を印刷し、前記第2の印刷媒体における前記第2の分割画像が印刷された面の裏面に前記第2の貼合せ位置を示す第2の貼合せガイド線を印刷する設定であるフチ有り設定を設定する、
請求項4に記載の情報処理プログラム。
【請求項6】
前記設定ステップは、
前記第1の分割画像が印刷された前記第1の印刷媒体又は前記第2の分割画像が印刷された前記第2の印刷媒体に前記余白領域を設定しない場合に、前記余白領域を設定しない印刷媒体の分割画像が印刷された面の裏面を白紙印刷する設定であるフチ無し設定を設定する、
請求項4に記載の情報処理プログラム。
【請求項7】
前記設定ステップは、
前記印刷枚数を設定するための入力が所定の枚数以上受け付けられた場合に、前記フチ無し設定を設定する、
請求項6に記載の情報処理プログラム。
【請求項8】
前記設定ステップは、
利用者の入力によって受け付けられる前記受付ステップが実行されない場合、前記各種設定項目に対して予め設定された値を設定する、
請求項4乃至7のいずれか一項に記載の情報処理プログラム。
【請求項9】
前記送信ステップは、前記印刷設定情報を前記分割画像データに含めて前記画像形成装置に対して送信する、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の情報処理プログラム。
【請求項10】
印刷媒体に画像を印刷する画像形成装置に対して前記印刷を実行するための設定を行なう情報処理装置であって、
印刷対象となる元画像を分割して得られた複数の分割画像を第1の印刷媒体及び第2の印刷媒体に分けて印刷し、前記第1の印刷媒体と前記第2の印刷媒体とを所定の貼合せ位置で互いに貼り合わせた印刷の指示を受け付けるときに、前記第1の印刷媒体の端部のうち前記第2の印刷媒体と貼り合わされる側の第1の端部と第1の貼合せ位置との間の第1の貼合せ領域と、前記第2の印刷媒体の端部のうち前記第1の印刷媒体と貼り合わされる側の第2の端部と第2の貼合せ位置との間の第2の貼合せ領域と、のうち少なくともいずれかに前記分割画像の印刷を行わない余白領域を設定するための入力を受け付ける受付手段と、
前記余白領域の入力に基づいて設定された印刷設定情報と、前記元画像を分割した分割画像に係る分割画像データとを、画像形成装置に対して送信する送信手段と、
を有する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
印刷媒体に画像を印刷する画像形成装置に対して前記印刷を実行するための設定を行なう情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
印刷対象となる元画像を分割して得られた複数の分割画像を第1の印刷媒体及び第2の印刷媒体に分けて印刷し、前記第1の印刷媒体と前記第2の印刷媒体とを所定の貼合せ位置で互いに貼り合わせた印刷の指示を受け付けるときに、前記第1の印刷媒体の端部のうち前記第2の印刷媒体と貼り合わされる側の第1の端部と第1の貼合せ位置との間の第1の貼合せ領域と、前記第2の印刷媒体の端部のうち前記第1の印刷媒体と貼り合わされる側の第2の端部と第2の貼合せ位置との間の第2の貼合せ領域と、のうち少なくともいずれかに前記分割画像の印刷を行わない余白領域を設定するための入力を受け付ける受付ステップと、
前記余白領域の入力に基づいて設定された印刷設定情報と、前記元画像を分割した分割画像に係る分割画像データとを、画像形成装置に対して送信する送信ステップと、
を含む処理を実行する情報処理方法。
【請求項12】
印刷媒体に画像を印刷する画像形成装置と、前記画像形成装置に対して前記印刷を実行するための設定を行なう情報処理装置と、を含む情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
印刷対象となる元画像を分割して得られた複数の分割画像を第1の印刷媒体及び第2の印刷媒体に分けて印刷し、前記第1の印刷媒体と前記第2の印刷媒体とを所定の貼合せ位置で互いに貼り合わせた印刷の指示を受け付けるときに、前記第1の印刷媒体の端部のうち前記第2の印刷媒体と貼り合わされる側の第1の端部と第1の貼合せ位置との間の第1の貼合せ領域と、前記第2の印刷媒体の端部のうち前記第1の印刷媒体と貼り合わされる側の第2の端部と第2の貼合せ位置との間の第2の貼合せ領域と、のうち少なくともいずれかに前記分割画像の印刷を行わない余白領域を設定するための入力を受け付ける受付手段と、
前記余白領域の入力に基づいて設定された印刷設定情報と、前記元画像を分割した分割画像に係る分割画像データとを、画像形成装置に対して送信する送信手段と、
を有し、
前記画像形成装置は、
前記情報処理装置が送信した前記印刷設定情報と前記元画像を分割した分割画像とに基づいて、前記複数の印刷媒体の所定領域に前記分割画像をそれぞれ印刷する印刷制御手段、
を有する、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項13】
請求項1乃至9に記載の情報処理プログラムが格納された記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、所定のサイズの印刷用紙よりも小さいサイズの複数の印刷用紙に元画像を分割して印刷し、分割して印刷された複数の印刷用紙を貼り合わせることによって、疑似的な所定のサイズの印刷用紙に元画像を印刷する技術が存在する。
【0003】
例えば、元画像が分割されて印刷された複数の分割画像印刷用紙どうしを精確に貼り合わせるために、仕上がり用紙において、各印刷用紙に印刷される分割画像が連続するように貼り合せるための貼合位置情報を各印刷用紙に割り付け、各印刷用紙の画像記録領域毎に割り付けられた印刷画像データ及び貼合位置情報を、各印刷用紙に印刷するように印刷装置(Pr)の動作を制御する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、元画像を分割して得られた複数の分割画像を複数の印刷媒体に分けて印刷して互いの印刷媒体を貼り合わせる場合、印刷媒体に対する余白の設定方法に自由度が少ないため、利用者が印刷媒体を貼り合わせる際の作業効率が低下するという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、請求項1に係る発明は、印刷対象となる元画像を分割して得られた複数の分割画像を第1の印刷媒体及び第2の印刷媒体に分けて印刷し、前記第1の印刷媒体と前記第2の印刷媒体とを所定の貼合せ位置で互いに貼り合わせた印刷の指示を受け付けるときに、前記第1の印刷媒体の端部のうち前記第2の印刷媒体と貼り合わされる側の第1の端部と第1の貼合せ位置との間の第1の貼合せ領域と、前記第2の印刷媒体の端部のうち前記第1の印刷媒体と貼り合わされる側の第2の端部と第2の貼合せ位置との間の第2の貼合せ領域と、のうち少なくともいずれかに前記分割画像の印刷を行わない余白領域を設定するための入力を受け付ける受付ステップと、前記余白領域の入力に基づいて設定された印刷設定情報と、前記元画像を分割した分割画像に係る分割画像データとを、画像形成装置に対して送信する送信ステップと、を実行させる情報処理プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0006】
以上説明したように本発明によれば、元画像を分割して得られた複数の分割画像を複数の印刷媒体に分けて印刷して互いの印刷媒体を貼り合わせる場合に、利用者の貼合せ作業の作業効率を向上させることが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。
図2】(a)はA3サイズの原稿の概略図、(b)はA3サイズの原稿をA4サイズの2枚の印刷媒体に分けて印刷した状態の概略図、(c)は2枚の印刷媒体を貼り合わせた状態の概略図である。
図3】情報処理装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
図4】画像形成装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
図5】情報処理システムの機能構成の一例を示す図である。
図6】描画設定部の詳細な機能構成の一例を示す図である。
図7】設定項目管理テーブルの一例を示す概念図である。
図8】実施形態に係る全体処理の一例を示すシーケンス図である。
図9】情報処理装置における印刷設定画面の画面表示例である。
図10】情報処理装置における印刷方法設定画面の画面表示例である。
図11】フチ有り選択時の印刷設定処理の一例を示す全体フローチャートである。
図12】フチ無し選択時の印刷設定処理の一例を示す全体フローチャートである。
図13】(a)はフチ有り選択時に2枚の印刷媒体を貼り合わせ正面から見た概略図、(b)は貼り合わせた2枚の印刷媒体を水平にした状態で端部から見た概略図、(c)は各印刷媒体の各面に印刷される画像及び貼り合わせガイド線の位置関係を示す概念図である。
図14】フチ有り選択時の各印刷媒体が排紙されるイメージを示す概念図である。
図15】(a)はフチ無し選択時に2枚の印刷媒体を貼り合わせ正面から見た概略図、(b)は貼り合わせた2枚の印刷媒体を水平にした状態で端部から見た概略図、(c)は各印刷媒体の各面に印刷される画像及び貼り合わせガイド線の位置関係を示す概念図である。
図16】フチ無し選択時の各印刷媒体が排紙されるイメージを示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を用いて、発明を実施するための形態について説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する部分があればその説明を省略する。
【0009】
〔実施形態〕
図1乃至図16を用いて、実施形態について説明する。
【0010】
〔通信システムの全体構成〕
<システム構成例>
図1は、情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。図1に示されているように、情報処理システム1は、情報処理装置2及び画像形成装置3を含み、それぞれの装置が通信ネットワーク100を介して互いに接続されている。通信ネットワーク100は、不特定多数の通信が行われる通信ネットワークであり、インターネット、イントラネット、LAN(Local Area Network)等によって構築されている。なお、通信ネットワーク100には、有線通信だけでなく、3G(3rd Generation)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、LTE(Long Term Evolution)等の無線通信による通信ネットワークが含まれてもよい。
【0011】
<情報処理装置>
情報処理装置2は、一般的なOSなどが搭載された通信を行うためのコンピュータシステムによって実現される。情報処理装置2は、通信ネットワーク100を介して、画像形成装置3と通信が可能である。情報処理装置2は、例えば、画像形成装置3と通信するためのブラウザアプリがインストールされている。
【0012】
なお、情報処理装置2は、一般的に使用されるPC(Personal Computer)、携帯型ノートPC、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末(サングラス型、腕時計型等)の通信機能を有する通信端末であってもよい。情報処理装置2は、更に、ブラウザソフトウエア等のソフトウエアを動作させることが可能な通信装置又は通信端末が用いられてもよい。
【0013】
更に、情報処理装置2は、単一のコンピュータによって構築されてもよいし、ストレージ等の各部(機能又は手段)を分割して任意に割り当てられた複数のコンピュータによって構築されてもよい。また、情報処理装置2の機能の全てまたは一部は、クラウド環境に存在するサーバコンピュータであってもよいし、オンプレミス環境に存在するサーバコンピュータであってもよい。
【0014】
また、情報処理装置2は、画像形成装置3に対してプッシュ通知(送信)によりデータ(情報)を通知(送信)してもよい。その場合、情報処理装置2は、例えば、プッシュ通知サーバの一例であるFCM(Firebase Cloud Messaging)を利用してプッシュ通知することで実現することが可能である。
【0015】
<画像形成装置>
画像形成装置3は、例えば、印刷機能を備えた印刷装置(プリンタ)である。画像形成装置3は、情報処理装置2が送信した画像印刷に係る各種印刷設定情報及び印刷画像データを受信して、所定の印刷媒体(印刷用紙)に画像を印刷する機能を有する。なお、画像形成装置3は、印刷機能に加えて、スキャナ機能、ファクシミリ機能、ストレージ機能、メール配信機能等を有するMFP(Multi-Function Peripheral)であってもよい。
【0016】
<分割画像の貼合せイメージ>
次に、元画像を分割して複数の分割画像を生成し、複数の印刷媒体に印刷して貼り合わせる方法について説明する。図2(a)は、A3サイズの原稿の概略図、(b)はA3サイズの原稿をA4サイズの2枚の印刷媒体に分けて印刷した状態の概略図、(c)は2枚の印刷媒体を貼り合わせた状態の概略図である。なお、本実施形態では印刷媒体の一例として、A判、B判等の規格で定められた種々のサイズを有する印刷用紙を例に説明する。また、A3判サイズ、B5判サイズ等を、単にA3サイズ、B5サイズとよぶ。
【0017】
図2に示すように、例えば、A3サイズの原稿(顔マーク)が利用者(ユーザともいう)によって作成され、この原稿をA3サイズの印刷用紙に印刷する場合は、図2(a)のようなイメージになるが、A3サイズの印刷用紙が無い場合、A3サイズの印刷用紙に対応していないプリンタを用いる場合などでは、図2(a)のような出力物(印刷物)を得ることができない。そこで、図2(b)のように、A3サイズの印刷用紙の面積の半分のA4サイズの印刷用紙2枚に顔マークの原稿を分割して印刷し、2枚のA4サイズの印刷用紙を互いの端部で貼り合わせて、図2(c)のようにA3サイズの印刷用紙に印刷したものと同様の完成物を得ることが本実施形態の狙いとなる。このように、本実施形態において元画像を分割して得られた複数の分割画像は、元画像の等倍の大きさで分割されたものが用いられる。
【0018】
〔ハードウエア構成〕
続いて、図3及び図4を用いて、実施形態に係る通信システムを構成する装置又はサーバのハードウエア構成について説明する。なお、図3及び図4に示されている装置又はサーバのハードウエア構成は、必要に応じて構成要素が追加又は削除されてもよい。
【0019】
<情報処理装置のハードウエア構成>
次に、図3用いて、情報処理装置のハードウエア構成を説明する。図3は、情報処理装置のハードウエア構成の一例を示す図である。図3に示されているように、情報処理装置2は、例えばコンピュータによって構築されており、CPU201、ROM202、RAM203、EEPROM204、HD205、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ206、ディスプレイ207、近距離通信I/F208、CMOSセンサ209、撮像素子I/F210、ネットワークI/F211、キーボード212、ポインティングデバイス213、メディアI/F215、外部機器接続I/F216、音入出力I/F217、マイク218、スピーカ219及びバスライン220を備えている。
【0020】
これらのうち、CPU201は、情報処理装置2全体の動作を制御する。ROM202は、CPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。EEPROM204は、CPU201の制御にしたがって、アプリ等の各種データの読出し又は書込みを行う。HD205は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ206は、CPU201の制御にしたがってHD205に対する各種データの読出し又は書込みを制御する。ディスプレイ207は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字又は画像などの各種情報を表示する。近距離通信I/F208は、NFC(Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標。以下省略)、Wi-Fi(登録商標。以下省略)等の無線通信インターフェイスを備える通信装置、又は通信端末等とデータ通信を行うための通信回路である。CMOSセンサ209は、CPU201の制御にしたがって被写体を撮像して画像データ又は動画データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、撮像手段は、CMOSセンサではなく、CCD(Charge Coupled Device)センサ等で構成される撮像手段であってもよい。撮像素子I/F210は、CMOSセンサ209の駆動を制御する回路である。
【0021】
ネットワークI/F211は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェイスである。キーボード212は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス213は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。メディアI/F215は、フラッシュメモリ等の記録メディア214に対するデータの読出し又は書込み(記憶)を制御する。外部機器接続I/F216は、各種の外部機器を接続するためのインターフェイスである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ等である。音入出力I/F217は、CPU201の制御にしたがってマイク218及びスピーカ219との間で音信号の入出力を処理する回路である。マイク218は、音を電気信号に変える内蔵型の回路であり、外部のスピーカ等から発する音声や音波を取得し電気信号を用いた情報を取得する。スピーカ219は、電気信号を物理振動に変えて音楽や音声などの音を生み出す内蔵型の回路である。バスライン220は、CPU201等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0022】
更に、上述したプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、コンピュータで読取り可能な記録媒体に記録、又はネットワークを介してダウンロードを行い流通させるようにしてもよい。記録媒体の例として、CD-R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)、Blu-ray Disc、SDカード、USBメモリ等が挙げられる。また、記録媒体は、プログラム製品(Program Product)として、国内又は国外へ提供されることができる。例えば、情報処理装置2は、本発明に係るプログラムが実行されることで、本発明に係る情報処理方法を実現する。
【0023】
<画像形成装置のハードウエア構成>
次に、図4を用いて、画像形成装置のハードウエア構成を説明する。図4は、画像形成装置のハードウエア構成の一例を示す図である。画像形成装置3は、例えば、プリンタであり、図3に示されているようにコントローラ310、近距離通信回路320、エンジン制御部330、操作パネル340、ネットワークI/F350を含むハードウエア資源を備えている。
【0024】
これらのうち、コントローラ310は、コンピュータの主要部であるCPU301、システムメモリ(MEM-P)302、ノースブリッジ(NB)303、サウスブリッジ(SB)304、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)305、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)306、HDDコントローラ307及び記憶部であるHD308を有し、NB303とASIC305との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス321で接続した構成となっている。
【0025】
これらのうち、CPU301は、画像形成装置3の全体制御を行う制御部である。NB303は、CPU301と、MEM-P302、SB304及びAGPバス321とを接続するためのブリッジであり、MEM-P302に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0026】
MEM-P302は、コントローラ310の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM302a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM302bとからなる。なお、RAM302bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読取り可能な記録媒体に記録して提供されるようにしてもよい。
【0027】
SB304は、NB303とPCIデバイス及び周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC305は、画像処理用のハードウエア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス321、PCIバス322、HD308及びMEM-C306をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC305は、PCIターゲット及びAGPマスタ、ASIC305において所定の優先順位に従って各信号の駆動タイミングの調停を行うアービタ(Arbiter)、MEM-C306を制御するメモリコントローラ、ハードウエアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部331及びプリンタ部332との間でPCIバス322を介したデータ転送を行うPCIユニットを含む。なお、ASIC305には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェイスや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェイスが接続されるようにしてもよい。
【0028】
MEM-C306は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD308は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD308は、CPU301の制御にしたがってHD308に対するデータの読出し又は書込みを制御する。AGPバス321は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインターフェイスであり、MEM-P302に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0029】
また、近距離通信回路320には、近距離通信回路用アンテナ320aが備わっている。近距離通信回路320は、NFC、Bluetooth(登録商標。以下省略)等の通信回路である。
【0030】
更に、エンジン制御部330は、スキャナ部331、プリンタ部332及びFAX部333によって構成されている。また、操作パネル340は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部340a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に係る条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等を含む操作ボタン部340bを備えている。コントローラ310は、画像形成装置3全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル340からの入力等を制御する。スキャナ部331又はプリンタ部332には、誤差拡散やガンマ(γ)変換などの画像処理部分が含まれている。また、FAX部333には、外部のファクシミリ通信機能を備えた装置との間をつなぐアナログ回線(公衆回線50)を利用してファクシミリ通信を行なうためのアナログI/F、モデム(MODEM)、スピーカ等が含まれる。
【0031】
なお、画像形成装置3は、操作パネル340のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能及びファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0032】
また、ネットワークI/F350は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェイスである。近距離通信回路320及びネットワークI/F350は、PCIバス322を介して、ASIC305に電気的に接続されている。なお、画像形成装置3は、自装置の位置情報を提供可能な構成であれば、上述したプリンタに限らない。
【0033】
〔情報処理システムの機能構成〕
次に、図5乃至図7を用いて、本実施形態の機能構成について説明する。図5は、情報処理システムの機能構成の一例を示す図である。
【0034】
<情報処理装置の機能構成>
図5に示されているように、情報処理装置2は、送受信部21、操作受付部22、起動部23、表示制御部24、GDI制御部26、描画設定部27、蓄積処理部28及び記憶読出部29を有する。これら各機能部は、図3に示された各ハードウエア資源のいずれかが、ROM202、EEPROM204、HD205のうち少なくとも一つからRAM203に展開された情報処理装置2用のプログラムに従ったCPU201からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。また、情報処理装置2は、図3に示されているROM202、EEPROM204、HD205のうち少なくとも一つにより構築される記憶部2000を有している。更に、記憶部2000には、画像形成装置3と通信ネットワーク100を介して通信を行うための通信プログラム(通信アプリ)と、プリンタドライバアプリ、プリンタドライバ機能を提供するブラウザ画面を表示するためのブラウザアプリ等が記憶されている。
【0035】
<<情報処理装置の各機能構成>>
次に、情報処理装置2の各機能構成について詳細に説明する。図5に示されている情報処理装置2の送受信部21は、主に、ネットワークI/F211及び近距離通信I/F208に対するCPU201の処理によって実現され、通信ネットワーク100を介して画像形成装置3との間で各種データ(又は情報)の送受信を行う。また、送受信部21は、余白領域の入力に基づいて設定された印刷設定情報と、元画像を分割した分割画像に係る分割画像データとを、画像形成装置3に対して送信する。本実施形態において、送受信部21は、送信手段及び受信手段のうち少なくとも一方の手段の一例として機能する。
【0036】
操作受付部22は、主に、CPU201の処理によって実現され、情報処理装置2に対する各種操作を受け付ける。また、操作受付部22は、印刷対象となる元画像を分割して得られた複数の分割画像を第1の印刷媒体及び第2の印刷媒体に分けて印刷し、第1の印刷媒体と第2の印刷媒体とを所定の貼合せ位置で互いに貼り合わせる場合に、第1の印刷媒体の端部のうち第2の印刷媒体と貼り合わされる側の第1の端部と第1の貼合せ位置との間の第1の貼合せ領域、及び第2の印刷媒体の端部のうち第1の印刷媒体と貼り合わされる側の第2の端部と第2の貼合せ位置との間の第2の貼合せ領域、の少なくともいずれかに分割画像の印刷を行わない余白領域を設定するための入力を受け付ける。なお、本実施形態において、第1の印刷媒体とは、後述する1面目及び2面目の画像が印刷される1枚目の印刷用紙を一例とする。また、第2の印刷媒体とは、後述する3面目及び4面目の画像が印刷される2枚目の印刷用紙を一例とする。つまり、奇数枚目の印刷用紙を第1の印刷媒体、偶数枚目の印刷媒体を第2の印刷媒体としてもよい。さらに、この逆の奇数枚目の印刷用紙を第2の印刷媒体、偶数枚目の印刷媒体を第1の印刷媒体としてもよい。
【0037】
また、操作受付部22は、第1の貼合せ位置から所定距離の位置までを、複数の分割画像のうちの第1の分割画像を延長して印刷する第1の延長領域として設定するための入力を受け付けるとともに、第2の貼合せ位置から所定距離の位置までを、複数の分割画像のうちの第2の分割画像を延長して印刷する第2の延長領域として設定するための入力を受け付ける。また、操作受付部22は、元画像が生成された原稿の原稿サイズ、第1の印刷媒体及び第2の印刷媒体のサイズを表す印刷サイズ、印刷の方式を表す印刷方式、延長領域、余白領域、貼合せ位置、印刷媒体の印刷順番、及び印刷枚数を含む各種設定項目を設定するための入力を受け付ける。本実施形態において、操作受付部22は、操作受付手段の一例として機能する。
【0038】
起動部23は、主に、CPU201の処理によって実現され、情報処理装置2で実行される各種アプリケーション(以下、単にアプリと記す)を起動する。本実施形態において、起動部23は、起動手段の一例として機能する。
【0039】
表示制御部24は、主に、ディスプレイ207に対するCPU201の処理によって実現され、利用者による各種印刷設定を行なうための印刷設定画面、印刷方法設定画面等をディスプレイ207に表示させる。本実施形態において、表示制御部24は、表示制御手段の一例として機能する。
【0040】
GDI制御部26は、主に、CPU201の処理によって実現され、利用者の操作により、アプリ上で印刷指示が出されると、アプリ固有の形式で表現された文書データ等を、アプリ非依存の形式で表現されたデータに変換する。本実施形態において、GDI制御部26は、制御手段の一例として機能する。なお、GDIは、Graphics Device Interfaceを意味する。
【0041】
描画設定部27は、主に、CPU201の処理によって実現され、各種設定値を設定するための入力に基づいて、各種設定項目を設定する。また、描画設定部27は、第1の貼合せ領域及び第2の貼合せ領域の少なくとも一方が設定された場合に、第1の印刷媒体における第1の分割画像が印刷された面の裏面に第1の貼合せ位置を示す第1の貼合せガイド線を印刷し、第2の印刷媒体における第2の分割画像が印刷された面の裏面に第2の貼合せ位置を示す第2の貼合せガイド線を印刷する設定であるフチ有り設定を設定する。また、描画設定部27は、第1の分割画像が印刷された第1の印刷媒体又は第2の分割画像が印刷された第2の印刷媒体に余白領域を設定しない場合に、余白領域を設定しない印刷媒体の分割画像が印刷された面の裏面を白紙印刷する設定であるフチ無し設定を設定する。また、描画設定部27は、印刷枚数を設定するための入力が所定の枚数以上受け付けられた場合に、フチ無し設定を設定する。また、描画設定部27は、利用者の入力によって受け付けられる受付ステップが実行されない場合、予め設定された各種設定項目を設定する。なお、操作受付部22と描画設定部27を含む点線部分は、画像形成装置3に対するプリンタドライバとして機能してもよい。このとき、描画設定部27に入力されるデータは、アプリからGDI制御部26で変換されて渡されたデータである。本実施形態において、描画設定部27は、設定手段の一例として機能する。
【0042】
<<描画設定部の各機能構成>>
ここで、描画設定部の各機能構成について詳細に説明する。図6は、描画設定部の詳細な機能構成の一例を示す図である。描画設定部27は、更に、オブジェクト取得部271、オブジェクト分割部272、分割オブジェクト面延長部273、貼合せ面処理部274及び印刷データ生成部275を有する。
【0043】
まず、オブジェクト取得部271は、印刷対象となる文書データから、グラフィック及びイメージで示されるオブジェクトを取得する。
【0044】
オブジェクト分割部272は、取得したオブジェクトを分割する。
【0045】
分割オブジェクト面延長部273は、オブジェクトの分割面を規定量延長させる。
【0046】
貼合せ面処理部274は、以下の二つの機能を有し、貼合せ面の処理を行う。
・貼合せガイド線生成部2741:規定位置に貼合せガイド線を生成する。
・貼合せ領域生成部2742:貼り合わせの糊代となる部分を余白として生成する。
また、貼合せ面処理部274における規定位置と規定量については、例えば、後述する設定項目管理テーブルに記載された内容のように設定する。
【0047】
印刷データ生成部275は、印刷設定に基づいて、アプリによって印刷要求されたデータから、画像形成装置3が解釈可能な印刷用データを生成する。
【0048】
なお、本実施形態に係る情報処理システムにおいて描画設定部27は、情報処理装置2に備えられる構成以外に、通信ネットワーク100を介して情報処理装置2と通信可能な他の装置、サーバ等が有するような構成であってもよい。
【0049】
図5に戻り、蓄積処理部28は、主に、CPU201の処理によって実現され、画像形成装置3で印刷が行われる画像に係る画像データを蓄積する。本実施形態において、蓄積処理部28は、蓄積処理手段の一例として機能する。
【0050】
記憶読出部29は、主に、ROM202、EEPROM204、HD205のうち少なくとも一つに対するCPU201の処理によって実現され、記憶部2000に各種データ(又は情報)を記憶したり、記憶部2000から各種データ(又は情報)を読み出したりする。本実施形態において、記憶読出部29は、記憶読出手段の一例として機能する。
【0051】
●設定項目管理テーブル●
図7は、設定項目管理テーブルの一例を示す概念図である。記憶部2000には、図7に示されているような設定項目管理テーブルによって構成された設定項目管理DB2001が構築されている。設定項目管理テーブルでは、貼合せ識別情報:P0001(貼合せ部フチ有り)及び貼合せ識別情報:P0002(貼合せ部フチ無し)の各項目に対して、原稿サイズ、印刷サイズ、印刷方式、画像分割面、貼合せ領域、貼合せガイド線、印刷順番、印刷枚数がそれぞれ対応付けられて管理されている。以下、貼合せ部フチ有りに対応する各項目を中心に説明する。なお、フチ有り、フチ無しについては、後述する貼り合わせ部の図において詳細に説明する。
【0052】
原稿サイズはA3、印刷サイズはA3縦(A4縦2枚)、印刷方式は両面印刷等で与えられ、貼合せ部フチ無しの場合も同様である。
【0053】
画像分割面は、原稿を表す元画像を分割した左側の分割画像(第1の分割画像の一例)及び右側の分割画像(第2の分割画像の一例)に対する延長領域を設定するための項目である。例えば、A3サイズの元画像をA4サイズの印刷用紙2枚(左右)に分割して印刷する場合に、左側の分割画像の分割位置から右に2mmの距離だけ画像の印刷を延長することを表している。右側の分割画像についても同様である。このとき、画像の印刷を延長するとは、画像形成装置3が電子写真方式を採用した印刷エンジンを備える場合、例えば、分割画像を主走査方向に2mmの距離だけ延長して印刷することを意味する。但し、画像形成装置3における印刷方式は電子写真方式に限らないため、上述した画像の延長方法についてもこの方法に限らない。なお、左側の印刷用紙は第1の印刷媒体の一例であり、右側の印刷用紙は第2の印刷媒体の一例である。この画像分割面の設定では、貼合せ部フチ無しの場合、どちらか一方の分割画像に対して設定すればよい。
【0054】
貼合せ領域は、第1の印刷媒体と第2の印刷媒体、すなわち左側の印刷用紙と右側の印刷用紙を互いに貼り合わせる際に、糊代となる互いの印刷用紙の貼合せ領域を表す。この項目では更に、互いの印刷用紙の貼合せ領域、すなわち第1の貼合せ領域及び第2の貼合せ領域においてそれぞれの分割画像の印刷を行わない余白領域を設定する。例えば、左側の分割画像に対しては、右側3mmに余白を生成させる設定となっている。右側の分割画像についても同様である。なお、この貼合せ領域の設定では、貼合せ部フチ無しの場合、どちらか一方の分割画像に対して設定すればよい。
【0055】
貼合せガイド線は、第1の分割画像が印刷される第1の印刷媒体の裏面、及び第2の分割画像が印刷される第2の印刷媒体の裏面にそれぞれ印刷されるガイド線である。この貼合せガイド線は、第1の印刷媒体及び第2の印刷媒体を互いに貼り合わせる際の糊代を表す境界線の機能を果たす。つまり、貼合せガイド線は本来印刷用紙に印刷されるべき画像ではない。そのため、互いの印刷用紙を貼り合わせた際に貼合せガイド線が目立たないようにするために、分割画像が印刷された印刷面とは逆の面に印刷される。なお、この貼合せガイド線の設定においても、貼合せ部フチ無しの場合、どちらか一方の分割画像に対して設定すればよい。
【0056】
印刷順番は、貼合せ部フチ有り及び貼合せ部フチ無しのそれぞれの場合において、各印刷面がどのように印刷されるかを設定する項目である。貼合せ部フチ有りの場合では、例えば、1面(ページ)目:貼合せガイド線、2面(ページ)目:左側の分割画像+貼合せ領域、3面(ページ)目:右側の分割画像+貼合せ領域、4面(ページ)目:貼合せガイド線の順番での印刷設定が行われる。一方、貼合せ部フチ無しの場合では、例えば、1面(ページ)目:貼合せガイド線、2面(ページ)目:左側の分割画像+貼合せ領域、3面(ページ)目:右側の分割画像+貼合せ領域、4面(ページ)目:白紙の順番での印刷設定が行われる。
【0057】
印刷枚数は、元画像を分割して複数の分割画像を印刷する場合の元画像の印刷枚数を設定する。つまり、元画像を2枚の印刷用紙に分割して印刷し、それらを貼り合わせる場合は、実際に画像形成装置3が実行する印刷は、この印刷枚数の設定値×2の枚数の印刷用紙に対してそれぞれ両面印刷を行うことになる。図7の貼合せ部フチ有りの場合では、設定値が10であるので、実際に画像形成装置3が印刷する枚数は20枚となる。但し、実際に画像形成装置3が印刷する枚数をこの項目に設定するようにしてもよい。その場合、元画像の印刷の代替として得られる完成物は、設定値を2で割った数(例えば、5枚)になる。
【0058】
<画像形成装置の機能構成>
次に、画像形成装置3の機能構成について説明する。図5に示されているように、画像形成装置3は、送受信部31、操作受付部32、起動部33、表示制御部34、印刷制御部37及び記憶読出部39を有する。これら各機能部は、図4に示された各ハードウエア資源のいずれかが、ROM302a、HD308のうち少なくとも一つからRAM302bに展開された画像形成装置3用のプログラムに従ったCPU301からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。また、画像形成装置3は、図4に示されているROM302a、HD308のうち少なくとも一つにより構築される記憶部3000を有している。更に、記憶部3000には、情報処理装置2と通信ネットワーク100を介して通信を行うための通信プログラム(通信アプリ)等が記憶されている。
【0059】
<<画像形成装置の各機能構成>>
次に、画像形成装置3の各機能構成について詳細に説明する。図5に示されている画像形成装置3の送受信部31は、主に、ネットワークI/F350及び近距離通信回路320に対するCPU301の処理によって実現され、通信ネットワーク100を介して情報処理装置2との間で各種データ(又は情報)の送受信を行う。本実施形態において、送受信部31は、送信手段及び受信手段のうち少なくとも一方の手段の一例として機能する。
【0060】
操作受付部32は、主に、操作パネル340への操作に対するCPU301の処理によって実現され、画像形成装置3に対する各種入力操作を受け付ける。本実施形態において、操作受付部32は、操作受付手段の一例として機能する。
【0061】
起動部33は、主に、CPU301の処理によって実現され、情報処理装置2が送信した印刷要求等に基づいて、画像形成装置3自身のエンジン起動などを実行する。本実施形態において、起動部33は、起動手段の一例として機能する。
【0062】
表示制御部34は、主に、操作パネル340のパネル表示部340aに対するCPU301の処理によって実現され、画像形成装置3の各種ステータス、利用者により入力された各種設定値等の情報(データ)の表示制御を行う。また、表示制御部34は例えば、ブラウザを用いて、HTML等により作成された表示画面を、パネル表示部340aに表示させる。本実施形態において表示制御部34は、表示制御手段の一例として機能する。
【0063】
印刷制御部37は、主に、エンジン制御部330に対するCPU301の処理によって実現され、画像形成装置3における画像データ等の印刷を制御する。本実施形態において印刷制御部37は、印刷制御手段の一例として機能する。
【0064】
記憶読出部39は、主に、ROM302a、HD308のうち少なくとも一つに対するCPU301の処理によって実現され、記憶部3000に各種データ(又は情報)を記憶したり、記憶部3000から各種データ(又は情報)を読み出したりする。本実施形態において、記憶読出部39は、記憶読出手段の一例として機能する。
【0065】
〔実施形態の処理又は動作〕
<全体シーケンス>
次に、本実施形態に係る全体シーケンスについて説明する。図8は、実施形態に係る全体処理の一例を示すシーケンス図である。まず、情報処理装置2の起動部23は、画像形成装置3で実行される印刷に係る各種設定を行なうプリンタドライバを起動する(ステップS101)。
【0066】
次に、操作受付部22は、利用者によるキーボード212又はポインティングデバイス213に対する操作に基づく印刷指示を受け付ける(ステップS102)。
【0067】
次に、表示制御部24は、ディスプレイ207上に、図9に示すような印刷設定画面を表示する(ステップS103)。
【0068】
●画面表示例●
ここで、印刷設定画面の表示例について説明する。図9は、情報処理装置における印刷設定画面の画面表示例である。図9に示すように、利用者による印刷指示が受け付けられると、ディスプレイ207には、表示制御部24によって印刷設定画面2101が表示される。この印刷設定画面2101は、上述したステップS101の処理によって起動された印刷ドライバが予め所有する画面データに基づいて表示されたものであってよい。印刷設定画面2101には、印刷設定を行なうためのメニューとしての「簡単設定」、「項目別設定」、「初期設定/バージョン」のタブが設けられ、それぞれのタブを選択することによって詳細な設定が行えるUI(User Interface)となっている。図9に示した例では、「項目別設定」のタブが選択された場合が示されている。印刷設定画面2101では、現在の設定を示す現在設定状態欄2102、メニュー項目選択欄2103、印刷方法選択欄2014のそれぞれの欄が表示される。
【0069】
現在設定状態欄2102では、元画像が印刷用紙上にレイアウトされた状態のイメージ図と、印刷における原稿サイズ:A3、複数の分割画像が印刷される印刷用紙サイズ:A4の情報が表示される。さらに、A4サイズの印刷用紙の長辺、短辺どちらの辺で互いの印刷用紙を貼り合わせるかを示す情報も表示される。この場合は、「長辺貼合せ」が選択された状態が示されている。
【0070】
メニュー項目選択欄2103では、「印刷方法」、「用紙」等のメニュー項目を選択することが可能であり、図9の例では「印刷方法」が選択された状態が示されている。
【0071】
印刷方法選択欄2104では、元画像を示す原稿(A3)の印刷に対する印刷方法を選択する状態が示されている。この場合ではプルダウンキーにより「A3印刷」が選択された状態が示されている。また、印刷方法選択欄2104には、「フチ有り」、「フチ無し」のチェックボックスが設けられている。更に、印刷方法選択欄2104には「ユーザー設定を有効にする」のチェックボックスも設けられている。この状態で利用者が「ユーザー設定を有効にする」のチェックボックスにチェックを入れると、「詳細」ボタン2151の操作が可能となり、利用者が「詳細」ボタン2151を操作することにより、図10に示す印刷方法設定画面が表示され、利用者による任意の設定が可能となる。なお、「フチ有り」、「フチ無し」のチェックボックスは、デフォルト設定は「フチ有り」が選択された状態となっているが、「フチ無し」がデフォルト設定されていてもよい。印刷方法選択欄2104において利用者が所望のメニューを選択した後、「決定」ボタン2152を操作することにより、印刷方法に係る各種設定項目が設定される。
【0072】
●画面表示例●
次に、印刷方法設定画面の表示について説明する。図10は、情報処理装置における印刷方法設定画面の画面表示例である。図10に示すように、利用者による「詳細」ボタン2151が操作されることにより、ディスプレイ207には、表示制御部24によって印刷方法設定画面2111が表示される。この印刷方法設定画面2111では、各設定項目に対して、利用者による自由な設定が可能なUIが提供される。なお、印刷方法設定画面2111は、上述したステップS101の処理によって起動された印刷ドライバが予め所有する画面データに基づいて表示されたものであってよい。
【0073】
各設定項目に対する入力方法は、例えば、利用者が所望の設定項目に対応する入力欄の付近に対してマウスオーバー操作を行うと、その操作に伴い各設定項目を入力するためのダイアログ画面が印刷方法設定画面2111に重畳して表示されてもよい。これにより、利用者は所望する設定値を入力し、入力完了を示す操作(例えば、OKボタンの操作)を行うことで、入力された設定値が設定されるようにしてもよい。このような各種設定値の入力方法は、他の既存の方法を用いてもよい。
【0074】
利用者は所望の設定項目に対して入力を行い、その後、「決定」ボタン2161を操作することにより、入力した各種設定値が対応する設定項目に反映される。一方、利用者は「キャンセル」ボタン2162を操作することにより、入力した各種設定値を取り消すことができる。
【0075】
<印刷設定処理>
図8に戻り、情報処理装置2の描画設定部27は、入力内容に応じた印刷設定情報の読出しを行う(ステップS104)。このとき、操作受付部22は、図9に示した印刷設定画面2101の印刷方法選択欄2104に設けられた「フチ有り」、又は「フチ無し」のチェックボックスに対するチェック入力を受け付ける。これにより、「フチ有り」のチェックボックスが選択された場合は、その選択操作に対応付けて与えられた貼合せ識別情報:「P0001」が描画設定部27に渡される。これに応じて、記憶読出部29は、貼合せ識別情報:「P0001」を検索キーとして設定項目管理DB2001(図7参照)を検索することにより、貼合せ部フチ有りの設定に対応付けられた各種設定項目を読み出す。他方、「フチ無し」のチェックボックスが選択された場合は、その選択操作に対応付けて与えられた貼合せ識別情報:「P0002」が描画設定部27に渡される。これに応じて、記憶読出部29は、貼合せ識別情報:「P0002」を検索キーとして設定項目管理DB2001(図7参照)を検索することにより、貼合せ部フチ無しの設定に対応付けられた各種設定項目を読み出す。
【0076】
次に、描画設定部27は、印刷設定情報の設定及びページ画像の生成処理を行う(ステップS105)。ここで、ステップS105における印刷設定情報の設定処理の詳細について説明する。
【0077】
<フチ有り設定時>
図11は、フチ有り選択時の印刷設定処理の一例を示す全体フローチャートである。まず、操作受付部22が貼合せ方法1の「貼合せ部フチ有り」の選択を受け付けると、描画設定部27のオブジェクト取得部271は、印刷対象となる文書データ(元画像)から、グラフィック及びイメージで示されるオブジェクト(元画像)を取得する(ステップS105-11)。
【0078】
次に、オブジェクト分割部272は、取得したオブジェクト(元画像)を分割する(ステップS105-12)。なお、オブジェクト(元画像)を分割する際の分割方法(分割領域の設定)は、オブジェクトの中央で分割する方法に限らない。例えば、描画設定部27は表示制御部24と協働して、分割されたオブジェクトが第1の印刷媒体及び第2の印刷媒体にそれぞれ収まる範囲内で、オブジェクトの分割可能位置を利用者に選択させるようなUIを提供してもよい。
【0079】
次に、分割オブジェクト面延長部273は、ステップS104で読み出した設定項目管理DB2001(図7参照)から、分割画像の延長に係る設定値をもとに、分割画像の延長量を設定する(ステップS105-13)。分割オブジェクト面延長部273は、例えば、以下の設定を行なう。
・左側の分割画像:分割位置から+右2mm延長
・右側の分割画像:分割位置から+左2mm延長
次に、貼合せ面処理部274のうち貼合せガイド線生成部2741及び貼合せ領域生成部2742は、貼合せ領域を設定する(ステップS105-14)。貼合せガイド線生成部2741及び貼合せ領域生成部2742は、例えば、以下の設定を行なう。
・左側の分割画像:右端3mmに余白生成
・右側の分割画像:左端3mmに余白生成
次に、印刷データ生成部275は、分割オブジェクトと合体させたページ画像を生成し、生成したページ画像(印刷データ)を蓄積処理部28に蓄積(スプール)させてこのフローを抜ける(ステップS105-15)。印刷データ生成部275は、ページ画像の生成において、例えば、以下の設定を行なう。
・1面(ページ)目:貼合せガイド線
・2面(ページ)目:左側の分割画像+貼合せ領域
・3面(ページ)目:右側の分割画+貼合せ領域
・4面(ページ)目:貼合せガイド線
<フチ無し設定時>
図12は、フチ無し選択時の印刷設定処理の一例を示す全体フローチャートである。図12においても図11と同様に、ステップS105における印刷設定情報の設定処理の詳細について説明する。まず、操作受付部22が貼合せ方法1の「貼合せ部フチ無し」の選択を受け付けると、描画設定部27のオブジェクト取得部271は、印刷対象となる文書データ(元画像)から、グラフィック及びイメージで示されるオブジェクト(元画像)を取得する(ステップS105-21)。
【0080】
次に、オブジェクト分割部272は、取得したオブジェクト(元画像)を分割する(ステップS105-22)。なお、オブジェクト(元画像)を分割する際の分割方法(分割領域の設定)は、オブジェクトの中央で分割する方法に限らない。例えば、描画設定部27は表示制御部24と協働して、分割されたオブジェクトが第1の印刷媒体及び第2の印刷媒体にそれぞれ収まる範囲内で、オブジェクトの分割可能位置を利用者に選択させるようなUIを提供してもよい。
【0081】
次に、分割オブジェクト面延長部273は、ステップS104で読み出した設定項目管理DB2001(図7参照)から、分割画像の延長に係る設定値をもとに、分割画像の延長量を設定する(ステップS105-23)。分割オブジェクト面延長部273は、例えば、以下の設定を行なう。
・左側の分割画像:分割位置から+右2mm延長
次に、貼合せ面処理部274のうち貼合せガイド線生成部2741及び貼合せ領域生成部2742は、貼合せ領域を設定する(ステップS105-24)。貼合せガイド線生成部2741及び貼合せ領域生成部2742は、例えば、以下の設定を行なう。
・左側の分割画像:右端3mmに余白生成
次に、印刷データ生成部275は、分割オブジェクトと合体させたページ画像を生成し、生成したページ画像(印刷データ)を蓄積処理部28に蓄積(スプール)させてこのフローを抜ける(ステップS105-25)。印刷データ生成部275は、ページ画像の生成において、例えば、以下の設定を行なう。
・1面(ページ)目:貼合せガイド線
・2面(ページ)目:左側の分割画像+貼合せ領域
・3面(ページ)目:右側の分割画
・4面(ページ)目:白紙
このように、フチ無しの場合は、一方の分割画像に対する画像延長量、余白設定、貼合せガイド線の設定方法及び設定値が異なってくる。
【0082】
<利用者の入力による設定時>
なお、操作受付部22が図9に示した印刷設定画面2101の印刷方法選択欄2104に設けられた「ユーザー設定を有効にする」のチェックボックスに対するチェック入力と、「詳細」ボタン2151の入力を受け付けた場合は、以下の処理が行われる。具体的には、操作受付部22は、利用者によって図10に示した印刷方法設定画面2111のフチ有り、フチ無しに対応する項目に入力された各設定値を受け付ける。その後、描画設定部27及び記憶読出部29は、受け付けた各設定値を設定項目管理DB2001(図7参照)の対応する各種設定項目に登録(上書きでも可)して管理対象とする。これにより、利用者によって自由な設定値を設定することができるため、利用者にとってより快適な情報処理システムを提供することが可能になる。
【0083】
図8に戻り、送受信部21は、画像形成装置3に対して印刷要求を送信する(ステップS106)。これにより、画像形成装置3の送受信部31は、情報処理装置2が送信した印刷要求を受信する。このとき、印刷要求には情報処理装置2で設定された印刷設定情報、ページ画像を表す両面印刷ジョブに係る画像データが含まれる。ここで、ステップS106の処理において、送受信部31は、印刷設定情報を分割画像データに含めて画像形成装置3に対して送信するようにしてもよい。すなわち、送受信部31は、印刷設定情報が埋め込まれた分割画像データを画像形成装置3に対して送信するようにしてもよい。具体的には、情報処理装置2は、設定した印刷設定情報を画像データのヘッダ等に埋め込む。そして、送受信部31は、印刷設定情報が埋め込まれた画像データを両面印刷ジョブに係る画像データとして、画像形成装置3に対して送信するようにしてもよい。
【0084】
次に、画像形成装置3の印刷制御部37は、ステップS106で受信した印刷設定情報、及び両面印刷ジョブに係る画像データに基づいて所定枚数の両面印刷を実行する(ステップS107)。
【0085】
続いて、送受信部31は、両面印刷が終了した後、情報処理装置2に対して印刷応答を送信する(ステップS107)。これにより、情報処理装置2の送受信部21は、画像形成装置3が送信した印刷応答を受信する。このとき、印刷応答には、印刷処理が完了したことを示す印刷完了通知が含まれる。
【0086】
本実施形態に係る通信システムでは、例えば、上述したステップS106及びS108の処理が実行される場合、情報処理装置2と画像形成装置3との間に他の装置等が存在してもよい。つまり、情報処理装置2と画像形成装置3との間で送受信される各情報(データ)は、一度他の装置を介して送受信されるような構成であってもよい。上述した構成は、情報処理装置2と画像形成装置3との間に他の処理ステップが存在しても適用可能である。
【0087】
<分割画像の出力イメージ(フチ有り)>
次に、フチ有り設定時における分割画像の出力イメージについて説明する。図13(a)は、フチ有り選択時に2枚の印刷媒体を貼り合わせ正面から見た概略図である。図13(b)は、貼り合わせた2枚の印刷媒体を水平にした状態で端部(※)から見た概略図である。この場合、貼合せ部分となるフチが1枚目の印刷用紙(第1の印刷媒体)と2枚目の印刷用紙(第2の印刷媒体)の両方に生成されるため、※から見た状態は例えば、アルファベットの「T」のようになる。つまり、1枚目の印刷用紙と2枚目の印刷用紙を机などの水平面に置いた場合、貼合せ部分が若干盛り上がる形状となる。
【0088】
図13(c)は、各印刷媒体の各面に印刷される画像及び貼り合わせガイド線の位置関係を示す概念図である。この場合、印刷順番の若い方が左側の図になる。つまり、一番左の画像が1面(ページ)目に印刷される画像となる。続いて左から2番目の画像が2面(ページ)目に印刷される画像であり、この画像が、第1の分割画像の一例となる。そして、1面(ページ)目及び2面(ページ)目の画像が印刷される印刷用紙が、第1の印刷媒体の一例となる。なお、2面(ページ)目の画像の右端には、1面(ページ)目に印刷された貼合せガイド線が1枚目の印刷用紙の端部(2枚目の印刷用紙と貼り合わされる側の端部)から例えば、5mm(2mm+余白分の3mm)の位置に裏写りする。さらに、この裏写りした貼合せガイド線から2mm右側まで、分割画像が延長された状態が示されている。
【0089】
続いて、左から3番目の画像が3面(ページ)目に印刷される画像であり、この画像が、第2の分割画像の一例となる。3面(ページ)目の画像の右端には、4面(ページ)目に印刷された貼合せガイド線が2枚目の印刷用紙の端部(1枚目の印刷用紙と貼り合わされる側の端部)から例えば、5mm(2mm+余白分の3mm)の位置に裏写りする。さらに、この裏写りした貼合せガイド線から2mm左側まで、分割画像が延長(手前から印刷)された状態が示されている。続いて、左から4番目、すなわち一番右の画像が4面(ページ)目に印刷される画像となる。そして、3面(ページ)目及び4面(ページ)目の画像が印刷される印刷用紙が、第2の印刷媒体の一例となる。
【0090】
<フチ有り設定時の印刷媒体の排紙イメージ>
次に、フチ有り設定時における印刷媒体(印刷用紙)の排紙イメージについて説明する。図14は、フチ有り選択時の各印刷媒体が排紙されるイメージを示す概念図である。この図では、1枚目の印刷用紙の上に2枚目の印刷用紙が一部重なって排紙された各印刷用紙を上から見た状態が示されている。なお、図14では、図13に示した2枚目の印刷用紙の表裏が反転した状態が示されている。そして、上述した設定処理によって設定された1枚目の印刷用紙の貼合せ領域(第1の貼合わせ領域の一例)がre1として示され、2枚目の印刷用紙の貼合せ領域(第2の貼合わせ領域の一例)がre2として示されている。
【0091】
<分割画像の出力イメージ(フチ無し)>
次に、フチ無し設定時における分割画像の出力イメージについて説明する。図15(a)は、フチ無し選択時に2枚の印刷媒体を貼り合わせ正面から見た概略図である。図15(b)は、貼り合わせた2枚の印刷媒体を水平にした状態で端部(※)から見た概略図である。この場合、貼合せ部分となるフチが1枚目の印刷用紙(第1の印刷媒体)と2枚目の印刷用紙(第2の印刷媒体)のいずれか一方にのみ生成されるため、※から見た状態はフチ有りの場合にくらべてほぼ平らになる。つまり、1枚目の印刷用紙と2枚目の印刷用紙を机などの水平面に置いた場合、貼合せ部分がほとんど目立たない状態となる。つまり、フチ無し設定は、本実施形態において大量印刷を行う場合に優先的に設定されてもよい。その理由は、第1の印刷媒体(印刷用紙)と第2の印刷媒体(印刷用紙)とを貼り合わせて重ねたとき、貼り合わせた部分がほぼ平らとなるため、印刷用紙を比較的安定させて積み上げることが可能となるためである。これにより、図10に示した印刷方法設定画面2111で「印刷枚数」を設定するための入力が所定の枚数以上(例えば30枚以上)受け付けられた場合には、描画設定部27は、「フチ無し」を設定するようにしてもよい。
【0092】
図15(c)は、各印刷媒体の各面に印刷される画像及び貼り合わせガイド線の位置関係を示す概念図である。この場合、印刷順番の若い方が左側の図になる。つまり、一番左の画像が1面(ページ)目に印刷される画像となる。続いて左から2番目の画像が2面(ページ)目に印刷される画像であり、この画像が、第1の分割画像の一例となる。そして、1面(ページ)目及び2面(ページ)目の画像が印刷される印刷用紙が、第1の印刷媒体の一例となる。なお、2面(ページ)目の画像の右端には、1面(ページ)目に印刷された貼合せガイド線が1枚目の印刷用紙の端部(2枚目の印刷用紙と貼り合わされる側の端部)から例えば、5mm(2mm+余白分の3mm)の位置に裏写りする。さらに、この裏写りした貼合せガイド線から2mm右側まで、分割画像が延長された状態が示されている。
【0093】
続いて、左から3番目の画像が3面(ページ)目に印刷される画像であり、この画像が、第2の分割画像の一例となる。なお、3面(ページ)目の画像には、フチ有りの場合に4面(ページ)目に印刷された貼合せガイド線は裏写りしない。これは、4面(ページ)目には貼合せガイド線が印刷されないためである。そして、3面(ページ)目及び4面(ページ)目の画像が印刷される印刷用紙が、第2の印刷媒体の一例となる。
【0094】
<分割画像の排紙イメージ(フチ無し)>
次に、フチ無し設定時における印刷媒体(印刷用紙)の排紙イメージについて説明する。図16は、フチ無し選択時の各印刷媒体が排紙されるイメージを示す概念図である。この図では、1枚目の印刷用紙の上に2枚目の印刷用紙が一部重なって排紙された各印刷用紙を上から見た状態が示されている。なお、図16では、図15に示した2枚目の印刷用紙の表裏が反転した状態が示されている。そして、上述した設定処理によって設定された1枚目の印刷用紙の貼合せ領域(第1の貼合わせ領域の一例)がre1として示されている。なお、図16では、図14に示した2枚目の印刷用紙には貼合せガイド線が印刷されないため、2枚目の印刷用紙の貼合せ領域(第2の貼合わせ領域の一例)は示されていない。
【0095】
〔実施形態の主な効果〕
以上説明したように本実施形態によれば、情報処理装置2は、第1の印刷媒体の端部のうち第2の印刷媒体と貼り合わされる側の第1の端部と第1の貼合せ位置との間の第1の貼合せ領域、及び第2の印刷媒体の端部のうち第1の印刷媒体と貼り合わされる側の第2の端部と第2の貼合せ位置との間の第2の貼合せ領域、の少なくともいずれかに分割画像の印刷を行わない余白領域を設定するための入力を受け付け、余白領域の入力に基づいて設定された印刷設定情報と、分割画像に係る分割画像データとを、画像形成装置に対して送信する。これにより、元画像を分割して得られた複数の分割画像を複数の印刷媒体に分けて印刷して互いの印刷媒体を貼り合わせる場合に、利用者の貼合せ作業の作業効率が向上させることが可能になるという効果を奏する。
【0096】
更に、本実施形態によれば、フチ有り、フチ無しの設定を選択的に受け付けるUIを利用者に提供することで、印刷枚数に応じたフチ有り、フチ無しの選択を行うことができ、利用者の自由度を上げることが可能になる。これは、印刷枚数が所定の枚数以上になった場合に、情報処理装置2が自動的にフチ無しの設定を選択する場合においても同様である。
【0097】
〔実施形態の補足〕
本実施形態における画像形成装置は、上述したようにMFPでもよく、例えば、A3サイズの印刷用紙を用いた印刷が実行できる能力を有する場合であっても、本実施形態が適用されてもよい。具体的には、MFPにA3サイズの印刷用紙が給紙されておらず、またすぐに給紙できないような状況下において、A4サイズの印刷用紙2枚に分割画像をそれぞれ印刷し、それらを貼り合わせて代替させるような利用シーンが想定されてもよい。
【0098】
また。複数の分割画像を生成し、複数の記録媒体に印刷を行う際に、複数の分割画像数及び複数の記録媒体数(印刷用紙数)は2に限られない。例えば、A3サイズの印刷用紙を用いて元画像を印刷したい場合に、A5サイズの印刷用紙を4枚用いてそれぞれの分割画像を印刷し、印刷された4枚のA5サイズの印刷用紙を互いに貼り合わせて元画像に対する代替印刷を行うようにしてもよい。
【0099】
上述した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウエアによって各機能を実行するようプログラミングされたデバイスを含むものとする。このデバイスとは、例えば、プロセッサ、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)、SOC(System on a chip)、GPU(Graphics Processing Unit)、及び従来の回路モジュール等をいう。
【0100】
これまで本発明の一実施形態に係る情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム及び記録媒体について説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態の追加、変更又は削除等、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0101】
1 情報処理システム
2 情報処理装置
3 画像形成装置
21 送受信部(送信手段の一例、受信手段の一例)
22 操作受付部(受付手段の一例)
27 描画設定部(設定手段の一例)
37 印刷制御部(印刷制御手段の一例)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0102】
【特許文献1】特開2004-289660号公報
図1
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