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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023046901
(43)【公開日】2023-04-05
(54)【発明の名称】システム、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/16 20190101AFI20230329BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20230329BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20230329BHJP
【FI】
G06F16/16
G06F13/00 520D
H04N1/00 127A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021155743
(22)【出願日】2021-09-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(71)【出願人】
【識別番号】513184703
【氏名又は名称】アサクラソフト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】上村 暢
(72)【発明者】
【氏名】浅倉 鉄平
【テーマコード(参考)】
5B084
5C062
【Fターム(参考)】
5B084AA02
5B084AA06
5B084AA12
5B084AA26
5B084AB04
5B084AB06
5B084BA07
5B084BB02
5B084CD02
5B084CD22
5B084DC03
5B084DC04
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA30
5C062AA35
5C062AB38
5C062AC34
5C062AC43
5C062AF01
5C062AF02
5C062AF06
(57)【要約】
【課題】FAX文書の仕分けをする人の手間を低減すること。
【解決手段】本発明は、機器及び端末装置と通信可能な情報処理システムであって、FAX受信データの一覧の画面である第一画面を示す第一画面情報を、前記端末装置へ提供する端末画面提供部と、前記第一画面に対するユーザーの操作に応じて、FAX受信データと第一のリンク先との対応付けに関する情報を送信する通信部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器及び端末装置と通信可能な情報処理システムであって、
FAX受信データの一覧の画面である第一画面を示す画面情報を、前記端末装置へ提供する端末画面提供部と、
前記第一画面に対するユーザーの操作に応じて、FAX受信データと第一のリンク先との対応付けに関する情報を送信する通信部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記機器が受信した第一のデータを前記機器から受信して、第一のフォルダに保存し、
前記情報処理システムは、さらに、前記機器から受信した、前記第一のデータとは種類が異なる第二のデータを第二のフォルダに保存する外部サービス処理部を有することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記情報処理システムでは前記第一のデータを処理する第一のアプリが動作し、
前記情報処理システムは外部サービスシステムと通信し、
前記外部サービス処理部は、前記第一のアプリに対応付けられている前記外部サービスシステムのアプリに対し、前記第一のフォルダに前記第一のデータの保存を要求することを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記情報処理システムでは前記第二のデータを処理する第二のアプリが動作し、
前記情報処理システムは外部サービスシステムと通信し、
前記外部サービス処理部は、前記第二のアプリに対応付けられている前記外部サービスシステムのアプリに対し、前記第二のフォルダに前記第二のデータの保存を要求することを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記外部サービス処理部は、予め設定されている前記第一のアプリの項目と前記外部サービスシステムのアプリのフィールドの対応に基づいて、前記第一のデータに関する情報の各項目を前記外部サービスシステムのアプリの対応するフィールドに保存するよう要求する請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記外部サービス処理部は、予め設定されている前記第二のアプリの項目と前記外部サービスシステムのアプリのフィールドの対応に基づいて、前記第二のデータに関する情報の各項目を前記外部サービスシステムのアプリの対応するフィールドに保存するよう要求する請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記第二のアプリは、前記外部サービスシステムから前記第二のフォルダのリストを取得し、前記機器に送信し、
前記機器から前記第二のフォルダの指定を受け付けることを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項8】
前記第一のデータは前記機器が受信したFAX受信データ又は電子メールであり、前記第二のデータは前記機器が原稿をスキャンしたスキャンデータであることを特徴とする請求項2~7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
機器及び端末装置と通信可能な情報処理システムが行う情報処理方法であって、
端末画面提供部が、FAX受信データの一覧の画面である第一画面を示す画面情報を、前記端末装置へ提供するステップと、
通信部が、前記第一画面に対するユーザーの操作に応じて、FAX受信データと第一のリンク先との対応付けに関する情報を送信するステップと、
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム、及び、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置等の機器でアプリケーションを実行し、電子データを外部サービスシステムに保管するシステムが知られている。例えば、機器が原稿をスキャンして生成した画像データを外部サービスシステムに保存したり、クラウドから電子データをダウンロードして印刷したりするシステムが知られている。
【0003】
また、このようなシステムを利用するアプリケーション等を作成する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、複数の処理の実行順が定義されたフロー情報をアプリ識別情報と関連付けて登録しておき、フロー情報に定義されているプログラムを実行順にしたがって実行させる情報処理システムが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術は、FAXにより受信した第一のデータ(FAX受信データ)は送信元のFAX番号により外部サービスシステム内の特定のフォルダに分類して保存することができる。しかしながら、保存された第一のデータが社内のどの社員宛かを判断して社員のメールアドレス等に送信したりする人は、特定のフォルダに分類されている状態で仕分けをしようとすると、どのFAX文書が受け付けた最新の文書であるかを特定することが困難であり、手間だった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、FAX文書の仕分けをする人の手間を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に鑑み、本発明は、機器及び端末装置と通信可能な情報処理システムであって、FAX受信データの一覧の画面である第一画面を示す画面情報を、前記端末装置へ提供する端末画面提供部と、前記第一画面に対するユーザーの操作に応じて、FAX受信データと第一のリンク先との対応付けに関する情報を送信する通信部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
FAX文書の仕分けをする人の手間を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態で想定される2つのアプリ(スキャンアプリとFAXアプリ)の動作例を説明する図である。
図2】サービス提供システムで表示される主要な画面例を説明する図である。
図3】サービス提供システムの一例のシステム構成を示す図である。
図4】情報処理システム及び端末装置の一例のハードウェア構成図である。
図5】機器の一例である画像形成装置の一例のハードウェア構成図である。
図6】サービス提供システムの一例の機能構成を示す図である。
図7】外部サービスシステムの一例の機能構成を示す図である。
図8】外部サービスシステムに送信される送信データの一例を示す図である。
図9】機器が表示するアプリ一覧画面の一例を示す図である。
図10】スキャンアプリの選択により表示されるフォルダ選択画面の一例を示す図である。
図11】外部サービスシステムのスキャンデータ保存フォルダのフォルダ構造の一例を示す図である。
図12】ユーザーが機器を操作して機器がアプリ一覧画面を表示し、ユーザーが選択したスキャンアプリを実行する手順を説明するシーケンス図の一例である。
図13】機器がFAXを受信して、情報処理システムがFAXアプリを実行する手順を説明するシーケンス図の一例である。
図14】工務店のユーザーが端末装置に表示させた特定フォルダのFAX受信データ一覧画面の一例を示す図である。
図15】外部サービスシステムにおいて特定フォルダに対応付けられたリンク先テーブルのデータを模式的に示す図である。
図16】開くボタンの押下により端末装置が表示するFAX受信データ詳細画面の一例である。
図17】端末装置が表示する見積データの詳細画面の一例である。
図18】画面生成部が、ユーザー操作に応じて、特定フォルダに保存されているFAX受信データに関する画面を生成する手順を示すシーケンス図である。
図19】第2の実施形態におけるFAX受信データ詳細画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態の一例として、情報処理システムと情報処理システムが行う情報処理方法について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
<比較技術の補足>
サービス提供システムは顧客の業務に応じて作成された個別のアプリケーション(以下、単にアプリという)が実行されることでサービスを提供する。例えば、機器が原稿をスキャンすることで生成した画像データ(以下、スキャンデータという。第二のデータの一例。)を自動的に外部サービスシステムにアップロードするアプリやファクシミリ(以下、FAXという)で送信されてきたFAX受信データ(第一のデータの一例)を受信時に自動的に外部サービスシステムにアップロードするアプリなどがある。
【0011】
したがって、ユーザーがスキャンデータとFAX受信データとを自動的に外部サービスシステムにアップロードするためには、スキャンデータ用のアプリとFAX受信データ用のアプリを個別に購入する必要がある。
【0012】
しかし、この2つのアプリを1つにまとめたアプリをメーカーが作成したとしても、単に、機器が外部サービスシステムにスキャンデータとFAX受信データとをアップロードするだけになる。この場合、多数のスキャンデータやFAX受信データが雑多に保管されることになり、ユーザーが必要なデータを検索することが困難になる。
【0013】
スキャンデータを外部サービスシステムにアップロードするアプリをユーザーが使用する場合、紙媒体を扱うため、アプリの実行時に、ユーザーがスキャンデータの保存先を指定する。ユーザーは外部サービスシステムに予め設定した複数のフォルダから1つを選択し、所定のフォルダに保管することで、後のスキャンデータの検索が容易になる。
【0014】
一方、FAX受信データに関しては、機器がFAXを自動的に受信するため、FAX受信時にユーザーが複数のフォルダから1つを選択することはできない。このため、FAX受信時にアプリが送信者のFAX番号やメールアドレスなどの情報を取得し、FAX番号やメールアドレスなどでフォルダ別に保管することで、検索を容易にすることが行われている。
【0015】
しかしながら、実際の業務においては、例えば、ある取引先に関連する全てのスキャンデータやFAX受信データを、その取引先に対応する所定のフォルダにまとめて保管する必要がある。仮に2つのアプリを1つにまとめたアプリがあるとしても、結局は、スキャンデータとFAX受信データは別フォルダに保管されることになる。このため、ユーザーが手作業によりFAX受信データを、スキャンデータを保管したフォルダに(又はこの逆に)移動する必要がある。
【0016】
このような状況において、ユーザーはFAX受信データの分類先のフォルダのフォルダ名の変更、下位フォルダの追加、フォルダの削除などが可能であるため、FAX受信データを探し出し、スキャンデータのフォルダに移動することが困難になっていた。
【0017】
そこで、本実施形態では、フォルダ名の変更、フォルダの追加、削除などに制限がある外部サービスシステムの特定フォルダに、情報処理システムがFAX受信データを保存する。ユーザーはこの特定フォルダのフォルダ名の変更、フォルダの追加、削除などができない。一方、ユーザーはFAX受信データを別のフォルダに移動可能である。ユーザーは特定フォルダにFAX受信データがあるかどうか容易に確認して、あればスキャンデータを保管したフォルダに移動できる。また、ユーザーは、FAX受信データをスキャンデータ保管用フォルダへ移動済みか否かも容易に確認できる。
【0018】
<構成の補足>
図1は、本実施形態で想定される2つのアプリ(スキャンアプリとFAXアプリ)の動作例を説明する図である。機器20は一例として工務店9に配置される。工務店9は、例えば個人宅の新築やリフォームを請け負い、各種の業者と取引して住宅を建築する。業者は、多種多様に渡っているが、例えば、電気工事、土木工事、内装工事等の業者がある。また、工務店は、同じ業種の業者から相見積もりを取ることが多いため、数多くの見積書を管理する必要がある。
【0019】
まず、FAXアプリ(第一のアプリの一例)の動作について説明する。
【0020】
(1) 機器20は業者A~C等から見積書などをFAXで受信する。
【0021】
(2) 機器20はFAXの受信により、FAXアプリの実行を情報処理システム10に要求する。機器20は機器20が保持する工務店IDとFAX受信データを情報処理システム10に送信する。
【0022】
(3) 情報処理システム10はこの工務店に対応するFAXアプリを起動して、この工務店に対応する特定フォルダ(第一のフォルダの一例)へのFAX受信データの保存を外部サービスシステム40に要求する。
【0023】
(4) 外部サービスシステム40は、特定フォルダにFAX受信データを保存する。特定フォルダは、フォルダ名の変更、フォルダの追加、削除などができないフォルダである。
【0024】
次に、スキャンアプリ(第二のアプリの一例)の動作について説明する。
【0025】
(5) 工務店の担当者(以下、単にユーザーという)は業者A~C等から見積書などを紙媒体で受け取るので、機器20にセットする。ユーザーは操作パネルで保存先のフォルダ(以下、スキャンデータ保存フォルダという。第二のフォルダの一例。)を選択して、スキャンを実行する。
【0026】
(6) 機器20はスキャンの実行により、スキャンアプリの実行を情報処理システム10に要求する。機器20は機器20が保持する工務店ID、スキャンデータ及びスキャンデータ保存フォルダのフォルダ名を情報処理システム10に送信する。
【0027】
(7) 情報処理システム10はこの工務店に対応するスキャンアプリを起動して、スキャンデータ保存フォルダへのスキャンデータの保存を外部サービスシステム40に要求する。
【0028】
(8) 外部サービスシステム40は、指定されたスキャンデータ保存フォルダにスキャンデータを保存する。スキャンデータ保存フォルダは、個人宅及び業者の種類ごとに作成されており、電気工事、土木工事、内装工事等の同じ業種の見積書が同じフォルダに保存される。
【0029】
また、外部サービスシステム40はFAX受信データを予め関連付けられたテーブルのデータとリンクさせることができる。
【0030】
次に、ユーザーは特定フォルダに新しいFAX受信データがあるかどうかを確認して、あれば、個人宅及び業者の種類ごとに作成されたスキャンデータ保存フォルダにFAX受信データを移動できる。
【0031】
図2は、本実施形態のサービス提供システムで表示される主要な画面例を説明する図である。図2(a)は機器20が表示するスキャンアプリのフォルダ選択画面310である。図2(b)は、工務店のユーザーが端末装置30を外部サービスシステム40に接続し、端末装置30が表示するスキャンデータ保存フォルダ320のフォルダ構造の一例である。図2(c)は、工務店のユーザーが端末装置30を外部サービスシステム40に接続し、端末装置30が表示する特定フォルダのFAX受信データ一覧画面330の一例である。
【0032】
図2(a)(b)に示すように、機器20は外部サービスシステム40から取得したフォルダ構造を再現して表示できる。このため、工務店のユーザーは外部サービスシステム40の所望のフォルダをそのまま機器20で選択できる。
【0033】
また、図2(c)に示すように、特定フォルダのFAX受信データは、リスト状に表示されるので、ユーザーは各FAX受信データをどのスキャンデータ保存フォルダ320に保存するかを容易に判断できる。
【0034】
特定フォルダは、フォルダ名の変更、フォルダの追加、削除などができないフォルダなので、FAX受信データは、必ず特定フォルダに存在する。ユーザーは各FAX受信データの受信の有無や転送の有無を容易に判断できる。
【0035】
<用語について>
フィールドとは外部サービスシステム40のアプリが保持する表形式のデータの列を示す。
【0036】
情報処理システム10のアプリは、情報処理システム10がサービス提供システムに含まれる機器20に対してサービスを提供するためのアプリケーションである。ネットワーク上のサーバとクライアントが通信してデータ処理を行い、クライアントがその結果を利用することができる。このようなアプリケーションはWebアプリとして提供されることが可能である。また、サーバとは、クライアントからの要求に対して情報や処理結果を提供する機能を果たすコンピュータやソフトウェアである。クライアントがサーバから取得して表示する画面をWebページという場合がある。また、情報処理システム10のアプリはWebアプリに限られず、ネイティブアプリとして提供されてもよい。情報処理システム10から機器20がネイティブアプリである連携元アプリケーションをダウンロードして、機器20が実行することで、機器20と情報処理システム10とが画像データ等のデータの送受信を行う。
【0037】
情報処理システム10はサービスを提供するが、サービスを提供する手段の1つがアプリの実行である。情報処理システム10がアプリを実行する際、外部サービスシステム40が提供するアプリと連携する場合がある(しない場合もある)。情報処理システム10のアプリによるサービスは一連の処理を順番に実行する形態により実現されるため、該アプリには一連の処理の内容と順番が定義される。
【0038】
外部サービスシステム40もサービスを提供するが、サービスを提供する手段の1つが外部サービスシステム40のアプリの実行である。外部サービスシステム40は情報処理システム10と連携しなくてもユーザーにサービスを提供できるが、この場合、外部サービスシステム40が提供するアプリはサーバとクライアントが通信して提供されるWebアプリである。本実施形態のサービス提供システム100は、端末装置30等からユーザーが利用できる外部サービスシステム40のアプリを、機器20から情報処理システム10を経由して利用することを可能にする。
【0039】
外部サービスシステム40のサービスはアプリ(アプリケーション)と呼ばれる他、プログラム、ソフトウェア、又は、サイト等と呼ばれてもよい。すなわち、外部サービスシステム40のアプリはアプリケーションと呼ばれていなくても外部サービスシステム40のサービスに関するものであればよい。
【0040】
ユーザーは、いわゆるテナント(例えば工務店)の担当者を意味し、情報処理システム10又は外部サービスシステム40のアプリを含め機器20を使用する者をいう。テナントとは、サービスの提供者(本実施形態では情報処理システム)からサービスを受けることを契約した企業や組織等である。ユーザーは一例としてテナントに所属しているが、ユーザー個人でサービスに加入してもよい。
【0041】
管理者はテナントの管理者をいう。管理者は、ユーザーがこれらアプリを使用できるように各種の設定を行う者である。ただし、ユーザーと管理者とは明確に区別する必要はなく、本実施形態でも便宜的に使い分けているに過ぎない。
【0042】
下位のフォルダとは、着目しているフォルダに対し相対的に下位のフォルダであればよい。下位のフォルダは、着目しているフォルダのすぐ下のフォルダに限られない。
【0043】
フォルダの作成が制限されるとは、ユーザーがフォルダを一切、作成できないことの他、何らかの認証により作成できることも含む。
【0044】
ファイルの移動は、移動元のフォルダのファイルを削除し、移動先のフォルダにファイルを複製することをいう。移動元のフォルダで削除された旨を明示して、フィルは残されていてもよい。
【0045】
第一のデータに関する情報とは、第一のデータそのもの以外の書誌情報をいう。例えば、受信日時等であるが、詳細は実施形態で説明される。
【0046】
<システム構成>
本実施形態に係るサービス提供システム100のシステム構成について、図3を参照しながら説明する。図3は、本実施形態に係るサービス提供システム100の一例のシステム構成を示す図である。
【0047】
図3に示すサービス提供システム100は、情報処理システム10と、機器20と、を含み、インターネット等の広域的なネットワークN1を介して通信可能に接続されている。サービス提供システム100は外部システムである外部サービスシステム40及び端末装置30と通信できる。なお、情報処理システム10と外部サービスシステム40を含む構成はシステムの一例である。
【0048】
情報処理システム10は、一台以上の情報処理装置で実現され、ネットワークN1を介して、クラウドサービス等の外部サービスシステム40と連携した一連の処理により実現される各種のサービスを提供する。本実施形態に係る情報処理システム10が提供するサービスはスキャンアプリやFAXアプリ等により提供される。情報処理システム10は、クラウドコンピューティングにより実現されてもよいし、単一の情報処理装置によって実現されてもよい。クラウドコンピューティングとは、特定ハードウェア資源が意識されずにネットワーク上のリソースが利用される利用形態をいう。情報処理システム10は、インターネット上に存在しても、オンプレミスに存在してもよい。なお、一連の処理は情報処理システム10の1つのアプリにより提供され、一連の処理を「処理フロー」「ワークフロー」ともいう。
【0049】
機器20は、ユーザーが使用する各種の電子機器である。機器20は、例えば、MFP(Multifunction Peripheral)等の画像形成装置、PC(パーソナルコンピュータ)、プロジェクタ、電子黒板、デジタルカメラ等であるがWebブラウザが動作すればよい。機器20は通信ネットワークN2に接続されている。ユーザーは、機器20を用いて、情報処理システム10又は外部サービスシステム40の少なくとも一方が提供する各種のサービスを利用することができる。
【0050】
なお、以降では、複数の機器20について、各々を区別するときは、「機器20」、「機器20」等と添え字を用いて記載する。
【0051】
端末装置30は、例えば、管理者又はユーザーが使用するデスクトップPC、ノート型PC、スマートフォン、タブレット端末等であるがWebブラウザが動作すればよい。端末装置30は通信ネットワークN2に接続されている。管理者又はユーザーは端末装置30を操作して、情報処理システム10又は外部サービスシステム40が提供する各種のサービスを利用することができる。
【0052】
なお、以降では、複数の端末装置30について、各々を区別するときは、「端末装置30」、「端末装置30」等と添え字を用いて記載する。
【0053】
外部サービスシステム40は、ネットワークN1を介して外部サービスシステム40のアプリの実行によるサービスを提供する一台以上の情報処理装置である。外部サービスシステム40のアプリの実行によりデータの管理又は処理が行われ、データそのものや処理結果がサービスとなる。
【0054】
外部サービスシステム40の一例には、例えば、クラウドサービス、ASP(Application Service Provider)等があり、ネットワークを介して提供される各種の外部サービスが含まれてよい。本実施形態ではサービスの一例として表形式のデータベースについて説明する。外部サービスシステム40は、インターネット上に存在しても、オンプレミスに存在してもよい。外部とは、情報処理システム10と運営や管理の主体が異なることをいう。ただし、情報処理システム10が外部サービスシステム40の機能を一体的に有してもよい。
【0055】
なお、以降では、複数の外部サービスシステム40について、各々を区別するときは、図示されている「外部サービスシステム40」を外部サービスシステムA、「外部サービスシステム40」を外部サービスシステムB等と、記載する。
【0056】
<ハードウェア構成例>
図4を参照して、本実施形態に係るサービス提供システム100に含まれる情報処理システム10及び端末装置30のハードウェア構成について説明する。
【0057】
<<情報処理システム及び端末装置>>
図4は、本実施形態に係る情報処理システム10及び端末装置30の一例のハードウェア構成を示す図である。図4に示されているように、情報処理システム10及び端末装置30はコンピュータによって構築されており、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティングデバイス512、光学ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0058】
これらのうち、CPU501は、情報処理システム10及び端末装置30全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワークN2を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、図4に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0059】
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。光学ドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としての光記憶媒体513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、光記憶媒体は、CD、DVD、Blu-Ray(登録商標)等である。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0060】
<<機器>>
図5は、機器20の一例である画像形成装置のハードウェア構成図である。図5に示されているように、画像形成装置は、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F950を備えている。
【0061】
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)907、HDDコントローラ908、及び、記憶部であるHD909を有し、NB903とASIC906との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成となっている。
【0062】
これらのうち、CPU901は、画像形成装置の全体制御を行う制御部である。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、及びAGPバス921とを接続するためのブリッジであり、MEM-P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0063】
MEM-P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM902a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM902bとからなる。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0064】
SB904は、NB903とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDDコントローラ908及びMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC906は、PCIターゲット及びAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931、プリンタ部932、及びファクシミリ部との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC906には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースが接続されていてよい。
【0065】
MEM-C907は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD909は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD909は、CPU901の制御にしたがってHD909に対するデータの読出又は書込を制御する。AGPバス921は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P902に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0066】
また、近距離通信回路920には、近距離通信回路のアンテナ920aが備わっている。近距離通信回路920は、NFC、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。
【0067】
更に、エンジン制御部930は、スキャナ部931、プリンタ部932及びファクシミリ部933を有している。また、操作パネル940は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部940aを有する。操作パネル940は、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなるハードキー940bを備えている。コントローラ910は、画像形成装置全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル940からの入力等を制御する。スキャナ部931又はプリンタ部932には、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれている。
【0068】
なお、画像形成装置は、操作パネル940のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、及びファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。画像形成装置は、ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0069】
また、ネットワークI/F950は、通信ネットワークN2を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。近距離通信回路920及びネットワークI/F950は、PCIバス922を介して、ASIC906に電気的に接続されている。
【0070】
<機能について>
次に、図6を参照して、本実施形態に係るサービス提供システム100の機能構成について説明する。図6は、本実施形態に係るサービス提供システム100の一例の機能構成を示す図である。
【0071】
<<機器>>
まず、機器20は、第二通信部21と、表示制御部22と、操作受付部23と、画像データ生成部24と、ファクシミリ処理部25と、電子メール処理部26とを有する。これら各機能部は、機器20にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令をCPU901が実行することで実現される機能又は手段である。例えば、第二通信部21、表示制御部22及び操作受付部23はWebブラウザにより実現され、その他は個別のアプリケーション(ネイティブアプリ)により実現される。
【0072】
第二通信部21は、情報処理システム10との間で各種の情報を送受信する。本実施形態では、第二通信部21は、スキャンアプリの画面情報等を情報処理システム10から受信し、スキャンデータやFAX受信データ等を情報処理システム10に送信する。
【0073】
表示制御部22は各種の画面の画面情報を解釈してパネル表示部940aに表示する。操作受付部23は、パネル表示部940aに表示された各種画面におけるユーザーの各種操作を受け付ける。
【0074】
画像データ生成部24は、スキャナ部931に原稿をスキャンさせ画像データ(例えばPDFファイル)を生成する。ファクシミリ処理部25は、ファクシミリ部933によるファクシミリの受信及び送信に関する処理を行い、送受信する画像データ(例えばPDFファイル)を作成する。ファクシミリ処理部25は、ファクシミリを受信した場合に予め対応付けられているFAXアプリの実行を情報処理システム10に要求する。
【0075】
電子メール処理部26は電子メールの送受信に関する処理を行い、電子メールを受信した場合に予め対応付けられているアプリの実行を情報処理システム10に要求する。
【0076】
<<端末装置>>
端末装置30は、第一通信部31と、表示制御部32と、操作受付部33とを有する。これら各機能部は、端末装置30にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令をCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。なお、このプログラムはWebブラウザでもよいし、専用のソフトウェアでもよい。
【0077】
第一通信部31は、情報処理システム10又は外部サービスシステム40との間で各種の情報を送受信する。本実施形態では各種の画面情報等を情報処理システム10又は外部サービスシステム40から受信し、ユーザーが設定した情報を情報処理システム10又は外部サービスシステム40に送信する。
【0078】
表示制御部32は各種の画面の画面情報を解釈してディスプレイ506に表示する。操作受付部33は、ディスプレイ506に表示された各種画面におけるユーザーの各種操作を受け付ける。
【0079】
<<情報処理システム>>
情報処理システム10は、アプリデータサービス部11、設定受付部12、認証サービス部14、Webサービス処理部15、入出力サービス部16、アプリ処理情報記憶部17、コンポーネント18、及び、通信部19を有する。これら各機能部は、情報処理システム10にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令をCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。
【0080】
通信部19は、端末装置30と機器20との間で各種の情報を送受信する。設定受付部12は、端末装置30に設定サイトを提供し、設定サイトに対する設定を受け付ける。設定受付部12は端末画面提供部42を有しており、端末画面提供部42は情報処理システム10のアプリの実行に必要な情報を管理者に設定させるアプリ設定画面等を提供する。なお、端末画面提供部42は、端末装置30からのHTTPリクエストに対しHTML、XML、CSS(Cascade Style Sheet)、及びJavaScript(登録商標)等により記述された画面情報を生成し、画面情報をHTTPレスポンスとして端末装置30に送信する。
【0081】
アプリデータサービス部11はアプリデータ管理部41を有している。アプリデータ管理部41は、工務店等の顧客(これをテナントという)により購入されたアプリ(スキャンアプリ、FAXアプリ等)のアプリデータ43を顧客ごとに管理する。アプリデータ43は、主に、外部サービスシステム40で動作するアプリと対応付けるためのデータである。なお、アプリデータ43はアプリデータ記憶部13に記憶される。
【0082】
Webサービス処理部15は機器20に対し画面情報を提供したり、機器20からスキャンアプリやFAXアプリの実行を受け付けたりする。Webサービス処理部15はアプリ実行部46と機器画面提供部47を有している。アプリ実行部46は機器20からのスキャンアプリやFAXアプリの実行を受け付け、アプリ処理情報53に基づいて、入出力処理部48に対しスキャンアプリやFAXアプリの処理を要求する。機器画面提供部47は画面情報54を使って、スキャンアプリのフォルダ選択画面310等の画面情報を機器20に提供する。
【0083】
入出力サービス部16は認証サービス部14やコンポーネント18を使用してデータの入出力を行う。入出力サービス部16は入出力処理部48とアプリ管理部49を有している。入出力処理部48はアプリ実行部46から要求されたスキャンアプリやFAXアプリを実行する。入出力処理部48は、実行時にはアプリ処理情報53を参照しスキャンアプリやFAXアプリに含まれる各処理をコンポーネント18に要求する。
【0084】
アプリ管理部49は、アプリ処理情報記憶部17に記憶されている、スキャンアプリやFAXアプリのアプリ処理情報53や画面情報54を管理する。アプリ処理情報53にはスキャンアプリやFAXアプリがどの処理をどの順番で行うか(例えば、OCRの後に外部サービスシステム40に処理要求する等)が設定されている。画面情報54はスキャンアプリのフォルダ選択画面310等、機器20が表示する画面の情報である。アプリ処理情報記憶部17には情報処理システム10のアプリごとにアプリ処理情報53及び画面情報54が記憶されている。
【0085】
認証サービス部14はユーザー(管理者を含む)、及び、機器20の認証に関する処理を行う。認証サービス部14はユーザー管理部44とデバイス管理部45を有している。ユーザー管理部44はユーザーに関する情報を管理する。ユーザー管理部44は、例えば、ユーザー名やパスワード等の認証情報を保持する。また、認証情報には情報処理システム10のものと外部サービスシステム40のものとがある。デバイス管理部45は、テナントに対応付けられている機器20を管理する。つまり、テナントの識別情報と機器20を対応付けて管理しており、機器20が特定されるとテナントも特定される。
【0086】
コンポーネント18は各処理を実際に行う個別の機能の総称である。コンポーネント18内の1つのブロックが処理フローの1つの処理に対応する。コンポーネント18は例えば、認証処理部51、及び、外部サービス処理部52を有している。認証処理部51は認証サービス部14に対して認証に関する処理を依頼するコンポーネント18である。外部サービス処理部52は、外部サービスシステム40に対して処理要求を依頼するコンポーネント18である。つまり、外部サービス処理部52は外部サービスシステム40と連携するための機能である。外部サービス処理部52は外部サービスシステム40の種類ごとに用意される。なお、図示するコンポーネント18の機能は一部に過ぎず、OCR、翻訳等の機能を有していてよい。
【0087】
【表1】
表1は、アプリ処理情報記憶部17が保持する情報の一例を示す。アプリ処理情報記憶部17は外部サービスシステム40に対応付けられており、アプリID、アプリ名、画面情報、アプリ処理情報、及び、共有アプリの各項目を有している。表1のアプリは情報処理システム10で動作するアプリである。アプリIDはアプリ(スキャンアプリやFAXアプリ等)を識別する識別情報である。アプリ名は管理者が付与したアプリの名称である。また、アプリのアイコンや設定画面を機器20が表示する際に使用される画面情報54(HTML等で記述された)がアプリに対応付けられる。アプリには一連の処理の内容と順番(処理フロー)が定義されるので、各アプリにはアプリ処理情報53が対応付けられる。共有アプリとは、一般のアプリがユーザーごとに利用権限が与えられるのに対し、共有アプリはテナントのユーザーが共通に使えるアプリであることを示す。表1ではメール受信登録とFAXアプリが共有アプリである。これらは各ユーザーが利用するためである。
【0088】
アプリ管理部49は、機器20から機器IDが送信され、例えば「外部サービスシステムA」を指定されるとアプリ処理情報記憶部17からその顧客が使用する権利を持つ「外部サービスシステムA」に対応付けられているアプリの一覧を機器20に提供する。また、アプリの一覧からアプリが指定されると、アプリに対応付けられている画面情報とアプリ処理情報を特定する。
【0089】
【表2】
表2はユーザー管理部44が管理するユーザーに関する情報の一例を示す。ユーザー管理部44は、ユーザーに関する情報として、情報処理システム10におけるユーザーID、ユーザー名、メールアドレス、パスワード、利用できるアプリ、外部サービスシステムの認証情報、及び、連携設定の各項目を有している。このユーザーには管理者も含まれる。ユーザーID、ユーザー名又はメールアドレスの少なくとも1つと、パスワードは、ユーザーが情報処理システム10にログインするための認証情報である。利用できるアプリはこのユーザーに利用権限が与えられているアプリである。利用できるアプリには個人アプリと共有アプリがある。個人アプリも共有アプリも複数のユーザーに使用されるが、個人アプリは個人のユーザーの外部サービスの認証情報を使用し、共有アプリは複数のユーザーが共有で外部サービスの認証情報を使用する。表2では、app003が共有アプリである。その他は個人アプリである。個人アプリの場合、ユーザーごとに外部連携サービスの認証情報の登録が必要である。
【0090】
外部サービスシステムの認証情報はユーザーが外部サービスシステム40にログインするための認証情報である。外部サービスシステム40ごとに認証情報が異なっている場合がある。このように、サービス提供システムの各ユーザーと、外部サービスシステム40のユーザーとが一対一で関連付けられている。なお、必ずしも一対一で紐付けている必要はなく、同じ外部サービスシステム40を利用する情報処理システム10のアプリが複数存在する場合、アプリごとに異なる外部サービスシステム40のユーザーを対応付けても良い。したがって、情報処理システム10は、機器20から取得した情報処理システム10のユーザーID、パスワード等のユーザー情報に応じて、外部サービスシステム40のユーザー(ユーザー識別情報等)を特定する。もしくは、情報処理システム10は、情報処理システム10のユーザー情報とアプリに応じて外部サービスシステム40のユーザーを特定する。連携設定の項目は、ユーザーが外部サービスシステム40との連携を希望し、外部サービスシステム40の認証情報でログインできることが確認できた場合に「済み」となる。連携設定は、ユーザーが外部サービスシステム40のアプリを実行できるかどうかの判断に使用される。
【0091】
また、認証情報は外部サービスシステム40の認証情報、又は、外部サービスシステムと連携するために必要な認証情報であればよく、ユーザーIDやパスワード以外に、外部サービスシステム40との連携設定時に外部サービスシステム40から取得したトークン等でも良い。
【0092】
【表3】
表3は、デバイス管理部45が管理する情報の一例である。デバイス管理部45は機器ID、顧客名、及び、テナントの識別情報を対応付けて管理する。したがって、機器20が機器IDを情報処理システム10に送信すると、テナントが特定される。
【0093】
【表4】
表4(a)は、アプリデータ記憶部13に記憶されているアプリデータの一例を示す。アプリデータは、外部サービスシステム40に対応付けて、情報処理システム10のアプリID、外部サービスシステムのアプリID、スペースID、及び、アプリ設定画面の各項目を有している。つまり、表4(a)のアプリデータは、情報処理システム10のアプリと外部サービスシステム40のアプリを対応付ける。アプリ設定画面の項目は情報処理システム10のアプリが設定される画面の画面情報を指定する情報である(本実施形態では省略した)。
【0094】
また、アプリデータは、表4(b)(c)に示すように、フィールドコードを管理する。フィールドコードは、スキャンアプリとFAXアプリの各項目のデータを、外部サービスシステムのアプリのどのフィールドに保存するかを特定する情報である。表4(b)は、FAXアプリのフィールドコード情報を示す。まず、FAXアプリが特定されると、特定フォルダも特定される。特定フォルダは外部サービスシステム40のアプリで管理されればよいが、表4(b)では参考に特定フォルダ「FAX用フォルダ」を示した。
【0095】
FAX受信データは外部サービスシステム40の特定フォルダに保存される。フィールドコードは特定フォルダ内のFAX受信データに関する項目が保存されるフィールドの識別情報である。表4(b)ではわかりやすくするため、FAXアプリの各項目名と、外部サービスシステム40のアプリのフィールドコードを同じ名称にした(フィールドコードは数字やアルファベットに限らず日本語でもよい)。外部サービスシステム側のアプリに対し、管理者が予めフィールドコードを設定している。なお、FAXアプリの項目名も既知である。
【0096】
表4(c)は、スキャンアプリのフィールドコード情報を示す。表4(c)についても同様に、外部サービスシステム側のアプリに対し、管理者が予めフィールドコードを設定している。スキャンアプリの場合、スキャンデータ保存フォルダ320はユーザーが指定するので、表4(c)ではスキャンデータが保存されるフォルダについて記載がない。
【0097】
また、アプリデータは、表4(d)に示すように、取引先データを管理する。表4(d)は、FAX受信アプリが使用する取引先データである。取引先データは、FAXアプリを使用するテナント(例えば工務店)にとってFAXを送受信する関係にある取引先の業者などの情報である。以下、各項目を説明する。
【0098】
・取引先IDは、取引先(各種工事などの業者)を識別する識別情報である。
【0099】
・取引先名は、取引先の社名など、取引先の一般的な呼び名である。
【0100】
・取引先担当者名は、取引先の担当者の氏名である。
【0101】
・電話番号は、取引先の部署や代表などの電話番号である。
【0102】
・FAX番号は、取引先の部署や代表などのFAX番号である。
【0103】
<<外部サービスシステム>>
次に、図7を参照して、外部サービスシステム40の機能について説明する。図7は、外部サービスシステム40の一例の機能構成を示す図である。外部サービスシステム40は第三通信部61、アプリ決定部62、データ処理部63、及び、画面生成部64を有している。これら各機能部は、外部サービスシステム40にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令をCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。
【0104】
第三通信部61は、情報処理システム10又は端末装置30との間で各種の情報を送受信する。本実施形態では、第三通信部61は、情報処理システム10からスキャンデータ及びFAX受信データを受信する。また、第三通信部61は端末装置30にこれらのデータを表示する画面情報を送信する。なお、第三通信部61が情報処理システム10と通信する場合は外部サービスシステム40のAPI(Application Interface)が利用される。
【0105】
アプリ決定部62は、情報処理システム10から送信された外部サービスシステム40のアプリIDに基づいて、処理要求の対象であるスキャンデータ及びFAX受信データ等を処理する外部サービスシステム40のアプリを決定する。
【0106】
データ処理部63はアプリ決定部62が決定したアプリが行う処理であり、アプリに特有の処理内容でスキャンデータやFAX受信データを処理する。本実施形態では、外部サービスシステム40のアプリは、表形式のデータベースを提供するアプリである。例えば、データ処理部63は、外部サービスシステム40のアプリIDとフィールドコードで特定されるアプリのフィールドにスキャンデータやFAX受信データの項目値を保存する。
【0107】
データ処理部63は、表4(b)(c)に示した項目名とフィールドコードの対応と同様のテーブルを有している。データ処理部63は、フィールドコードが指定されると、このフィールドコードが割り当てられている外部サービスシステム40のアプリのフィールドにスキャンデータやFAX受信データに関する情報の各項目値を保存する。
【0108】
画面生成部は、Webアプリ(又はWebページ)を端末装置30に提供し、ユーザー操作に応じて、特定フォルダに保存されているFAX受信データに関する画面を生成する。
【0109】
【表5】
表5は、FAX受信データ記憶部65が記憶するFAX受信データのリストの一例である。FAX受信データ記憶部65には、外部サービスシステム40の特定フォルダに保存されたFAX受信データのリストが保持されている。以下、各項目を説明する。
【0110】
・データIDは、FAX受信データの識別情報である。
【0111】
・受信日時は、機器20がFAXを受信した日時である。
【0112】
・文書名は、FAX受信データである画像データのファイル名である。文書名は、例えば、受信した日時や送信元又はFAX番号の少なくとも一方を有するとよい。
【0113】
・送信元FAX番号は、FAXの送信元(したがって、業者のFAX番号)のFAX番号である。
【0114】
・取引先名は、FAXを送信した取引先の社名などである。表4(d)の取引先データにおいて送信元FAX番号で特定された取引先名がFAXアプリにより転記される。
【0115】
・取引先担当者名は、FAXを送信した取引先の担当者名である。表4(d)の取引先データにおいて送信元FAX番号で特定された取引先担当者名がFAXアプリにより転記される。
【0116】
・優先度は、工務店のユーザーが設定するFAX受信データの処理の優先度である。優先度は、ユーザーが手動で設定できるが、FAXアプリが所定の初期値を設定してもよい。
【0117】
・状況は、工務店のユーザーが設定するFAX受信データの処理の状況(FAX受注、見積依頼中、見積済み等)である。状況は初期値が決まっており、ユーザーが進捗に応じて手動で変更する。
【0118】
【表6】
表6は、スキャンデータ記憶部66が記憶するスキャンデータのリストの一例である。スキャンデータ記憶部66には、外部サービスシステム40のスキャンデータ保存フォルダ320に保存されたスキャンデータのリストが保持されている。以下、各項目を説明する。
【0119】
・データIDは、スキャンデータの識別情報である。
【0120】
・スキャン日時は、機器20が原稿のスキャンを開始した日時である。
【0121】
・文書名は、スキャンデータである画像データのファイル名である。文書名は、例えば、スキャンした日時を有するとよい。
【0122】
・データサイズはスキャンデータの容量である。
【0123】
・ユーザーIDは、機器を操作したユーザーの識別情報である。ユーザーIDはログイン時に特定されている。
【0124】
以上の値は、いずれもスキャンアプリが設定できる。また、スキャンデータとFAX受信データは項目が異なっているが、実体は単なるファイルなので、同じフォルダにあればユーザーが表示することができる。スキャンデータとFAX受信データの項目に関しては、FAX受信データの移動時に、外部サービスシステム40のアプリがマージすることが好ましい。
【0125】
【表7】
表7は、FAX受信データ対応情報記憶部67が記憶するFAX受信データ対応情報の一例である。FAX受信データ対応情報記憶部67には、個別のFAX受信データが対応するリンク先テーブルのデータが登録されている。FAX受信データとリンク先テーブルのデータの対応は、管理者が予め設定している。
【0126】
<情報処理システムが外部サービスシステムに送信するデータ>
図8は、情報処理システム10が外部サービスシステム40に送信する送信データの一例を示す図である。図8に示す送信データは、機器20が受信したFAX受信データを「外部サービスシステムA」に処理要求するサービスを実現するための一連の処理に関する情報である。
【0127】
送信データには、FAX受信アプリであることを示すフローID1201Aと、当該スキャンアプリの名称を示すフロー名1202Aと、一連の処理の処理内容を示すフロー詳細1203Aとが含まれる。
【0128】
また、フロー詳細1203Aには、「外部サービスシステムA」に処理要求することを示す処理内容1223Aが含まれる。
【0129】
処理内容1223Aでは、「外部サービスシステムA」と連携した処理を実行するコンポーネント18のコンポーネントID「ExService_A」、処理要求を示すオペレーションID「processFile」、並びに、パラメータ「AppId」及びN個の「FieldCode」と「Value」が指定されている。「AppId」にはスキャンアプリに対応する外部サービスシステム40のアプリIDが格納され、「FieldCode」にはフィールドコードが格納され、「Value」にはフィールドの値が格納される。なお、図示したパラメータは一部であって、アプリ処理情報はより多くのパラメータを含みうる。
【0130】
送信データによりFAXアプリは、FAX受信データを「外部サービスシステムA」に処理要求(本実施形態では保存要求)することができる。
【0131】
<スキャンアプリの動作>
以下、図9図12を参照して、スキャンアプリの処理について説明する。以下の図9図10の画面は機器20がHTTPリクエストを情報処理システム10に送信し、情報処理システム10がHTTPレスポンスで送信した画面情報を機器20が表示したものである。
【0132】
図9は、機器20が表示するアプリ一覧画面380の一例である。機器20が機器IDを情報処理システム10に送信するので、テナントが明らかになる。このテナントが利用できる外部サービスシステム40も特定される。ユーザーが1つの外部サービスシステム40を選択すると、外部サービスシステム40に対応付けられたアプリを情報処理システム10のアプリ管理部49が取得し、機器20に各アプリのアイコンが表示されるアプリ一覧画面380の画面情報を送信する。機器20は情報処理システム10を介して1つ以上の外部サービスシステム40と通信し、そのサービス(外部サービスシステム40のアプリ)と連携できる。
【0133】
図9のアプリ一覧画面380は、3つのアプリに対応した3つのアイコン381~383を有している。そのうちの一つが「スキャンアプリ」のアイコン381である。ユーザーが「スキャンアプリ」のアイコン381を押下すると、その旨が情報処理システム10に送信される。情報処理システム10のアプリ管理部49が「スキャンアプリ」のアプリIDに対応付けられている画面情報54を取得して、機器画面提供部47が「スキャンアプリ」の設定画面の画面情報を生成し、機器20に送信する。
【0134】
図10は、スキャンアプリの選択により表示されるフォルダ選択画面310の一例である。フォルダ選択画面310は、外部サービスシステム40のスキャンデータ保存フォルダ320のフォルダ名を表示する。図10では3つのフォルダ名が表示されている。ユーザーがフォルダ名を押下し、フォルダ移動ボタン393を押下すると、押下したフォルダの子階層のフォルダ一覧を機器20が表示する。ユーザーがフォルダ名を押下し、決定ボタン394を押下すると、スキャンデータ保存フォルダ320が決定される。ユーザーは、これからスキャンする原稿の種類に応じたフォルダを選択できる。
【0135】
図11は、参考に示した外部サービスシステム40のスキャンデータ保存フォルダ320のフォルダ構造である。スキャンデータ保存フォルダ320には、個人宅と業者の種類などを考慮したフォルダが形成されている。工務店が建設する住宅の場合、仮設工事、電気工事、土木工事などの各種の業者が関係し、業者の種類ごとにフォルダが作成される。業者の種類が同じなら業者が異なっても1つのフォルダに見積書が保存されるので、工務店としては比較が容易になる。
【0136】
図12は、ユーザーが機器20を操作して機器20がアプリ一覧画面380を表示し、ユーザーが選択したスキャンアプリを実行する手順を説明するシーケンス図の一例である。
【0137】
S11:機器の操作受付部23は、ユーザーから情報処理システム10の認証情報の入力を受け付け、第二通信部21は情報処理システム10のユーザー管理部44にログインを要求する。ここではログインが認められたものとする。ユーザーが外部サービスシステムAを選択すると、機器20の第二通信部21はWebサービス処理部15よりアプリ一覧画面の画面情報を受信し、表示制御部22がディスプレイに表示する。
【0138】
S12:ユーザーは、アプリ一覧画面380から、所望のアプリを選択する操作を行う。アプリ一覧画面380から「スキャンアプリ」のアイコン381がユーザーにより選択されたものとして説明する。
【0139】
S13:機器20の操作受付部23がスキャンアプリの選択操作を受け付ける。これにより、第二通信部21が情報処理システム10のアプリデータ管理部41に対して、情報処理システム10のアプリIDと機器IDを指定して、アプリデータ(外部サービスシステム40のアプリID、スペースID等)の取得を要求する。スペースIDはなくてもよい。機器IDによりテナントが特定される。また、テナントが特定されると、該テナントのアプリIDに対応付けられた外部サービスシステム40のアプリIDが表4(a)で特定される。また、表4(c)のフィールドコードにより、スキャンデータ等を外部サービスシステム40のアプリがどのフィールドに保存するか特定できる。
【0140】
S14:第一通信部31はユーザーが選択したスキャンアプリのアプリIDを指定して、フォルダ選択画面310を機器画面提供部47に要求する。
【0141】
S15:機器画面提供部47はフォルダ選択画面310の設定画面の要求を受信する。機器画面提供部47はスキャンアプリのアプリIDを指定してフォルダ選択画面310をアプリ管理部49に要求する。
【0142】
S16:アプリ管理部49はアプリ処理情報記憶部17からスキャンアプリのアプリIDで特定される画面情報を取得し、機器画面提供部47に送信する。これにより、機器画面提供部47はフォルダ選択画面310を生成できる。
【0143】
S17:フォルダ選択画面310にはフォルダが必要なので、端末装置30はユーザーがフォルダを選択できるようにフォルダに関する情報を情報処理システム10に要求する。第二通信部21は、スペースID、及び、外部サービスシステム40のアプリIDを指定して、フォルダ一覧取得をアプリ実行部46に送信する。スペースIDはなくてもよい。
【0144】
S18:アプリ実行部46はスペースID、及び、外部サービスシステム40のアプリIDを指定して、フォルダ一覧取得を入出力処理部48に要求する。
【0145】
S19:入出力処理部48はログインしているユーザ(ユーザー名が分かっている)に対応する表2に示されている外部サービスシステム40の認証情報を認証処理部51に要求する。なお、共有アプリの場合、管理者の認証情報が複数のユーザーで使用されるため、入出力処理部48は、この共通の認証情報を認証処理部51に要求する。個人アプリの場合、入出力処理部48は、情報処理システム10のユーザーに対応する外部サービスシステム40の認証情報を認証処理部51に要求する。
【0146】
S20:認証処理部51はこのユーザーの認証情報(ユーザー名、パスワード)をユーザー管理部44から取得する。
【0147】
S21:入出力処理部48は認証情報、スペースID、及び、外部サービスシステム40のアプリIDを指定して外部サービス処理部52にフォルダ一覧を要求する。スペースIDはなくてもよい。
【0148】
S22:外部サービス処理部52は認証情報で認証を受け、外部サービスシステム40のアプリIDを指定して、スキャンデータ保存フォルダ320として管理されているフォルダ一覧を外部サービスシステム40に要求する。外部サービスシステム40のデータ処理部63は、スキャンデータ保存フォルダ320として管理されているフォルダ一覧を返す。
【0149】
S23,S24:フォルダ一覧は機器20に送信され、第二通信部21は、フォルダ一覧を受信する。表示制御部22はフォルダ選択画面310を表示する。ユーザーはスキャンデータの登録先のフォルダを選択できる。操作受付部23は画面を介してフォルダの選択を受け付ける。
【0150】
S25:次に、ユーザーはスタートボタン395を押下してスキャンを実行する。機器20の画像データ生成部24が原稿をスキャンしてスキャンデータを生成する。
【0151】
S26:機器20の第二通信部21はアプリ実行部46にスキャンデータ、文書名、スキャン日時、データサイズ、ユーザーID、フォルダ名(フォルダパスも含まれる)、外部サービスシステム40のアプリIDを情報処理システム10に送信する。すなわち、第二通信部21はスキャンデータの外部サービスシステム40への保存を情報処理システム10に要求する。
【0152】
S27:アプリ実行部46は、表4(c)に基づいて、データID、文書名、スキャン日時、データサイズ、ユーザーIDに対応しているフィールドコードを特定する。アプリ実行部46は、図8に示したように、これらとスキャンデータを外部サービスシステム40に保存することを入出力処理部48に要求する。
【0153】
S28、S29:入出力処理部48は、認証処理部51を経由して、ログインしているユーザーの認証情報を取得する。
【0154】
S30:入出力処理部48は図8に示した送信データのパラメータに外部サービスシステム40のアプリID、フィールドコード、Valueを設定し、認証情報とフォルダ名と共にスキャンデータを外部サービス処理部52に送信する。
【0155】
S31:外部サービス処理部52は認証情報で認証を受け、送信データのパラメータに設定された外部サービスシステム40のアプリID、フィールドコード、及び、Value、並びに、スキャンデータを、フォルダ名を指定して外部サービスシステム40に送信する。すなわち、外部サービス処理部52は、情報処理システム10のアプリに対応付けられている外部サービスシステム40のアプリに対し、スキャンデータ保存フォルダにFAX受信データの保存を要求する。
【0156】
これにより、データ処理部63は、指定されたフォルダにスキャンデータを保存し、外部サービスシステム40のアプリIDで特定されるアプリのフィールドコードで特定されるフィールドにスキャンデータに関する情報の項目値を登録できる。すなわち、データ処理部63は、機器20から受信した、FAX受信データとは種類が異なるスキャンデータをスキャンデータ保存フォルダに保存する。
【0157】
なお、図12の処理では、機器20がフォルダ一覧を外部サービスシステム40から取得しているが、機器20の起動時などに、機器20がフォルダ一覧を外部サービスシステム40から取得しておいてもよい。こうすることで、機器20がフォルダ選択画面310を表示するまでの時間を短縮できる。
【0158】
<FAXアプリの動作手順>
FAXアプリは、機器20がFAXを受信すると自動的に起動するので、ユーザーがFAXアプリを明示的に起動する必要がない。アプリ一覧画面380ではFAXアプリのアイコン382が表示されるが、これはユーザーが各種の設定をしたり、実行結果を確認したりする等のためである。
【0159】
図13は、機器20がFAXを受信して、情報処理システム10がFAXアプリを実行する手順を説明するシーケンス図の一例である。
【0160】
S41:機器20が例えば業者からFAXを受信する。ファクシミリ処理部25がFAX受信データを生成する。
【0161】
S42:機器20の第二通信部21はアプリ実行部46にFAX受信データ(受信日時、文書名、送信元FAX番号を含む)、機器ID、及び、情報処理システム10のアプリIDを外部サービスシステム40に送信する。すなわち、第二通信部21はFAX受信データの外部サービスシステム40への保存を情報処理システム10に要求する。
【0162】
S43:まず、機器IDによりテナントが特定される。次に、FAX受信したことにより(情報処理システム10のアプリIDにより)、このテナントのFAXアプリが特定される。また、FAXアプリが特定されると、表4(a)により、FAXアプリに対応付けられている外部サービスシステム40のアプリIDが特定される。
【0163】
また、アプリ実行部46は、表4(d)を参照して、送信元のFAX番号に対応付けられている取引先及び取引先担当者名を特定する。アプリ実行部46は、優先度、及び、状況を初期値に設定する。また、アプリ実行部46は、表4(b)に基づいて、データID、受信日時、文書名、送信元FAX番号、取引先、取引先担当者名、優先度、及び、状況に対応しているフィールドコードを特定する。アプリ実行部46は、図8に示したように、これらとFAX受信データを外部サービスシステム40に保存することを入出力処理部48に要求する。
【0164】
S44、S45:入出力処理部48は、認証処理部51を経由して、FAXアプリの認証情報を取得する。FAXアプリは共有アプリなので、管理者の認証情報が使用される。
【0165】
S46:入出力処理部48は図8に示した送信データのパラメータに、外部サービスシステム40のアプリID、フィールドコード、Valueを設定し、認証情報と共にスキャンデータを外部サービス処理部52に送信する。FAX受信データが保存されるフォルダは特定フォルダであり、外部サービスシステム40のアプリが指定されれば特定フォルダも指定される。特定フォルダは外部サービスシステム40のアプリが管理している。しかし、入出力処理部48が明示的に特定フォルダを指定してもよい。
【0166】
S47:外部サービス処理部52は認証情報で認証を受け、送信データのパラメータに設定された外部サービスシステム40のアプリID、フィールドコード、及び、Value、並びに、FAX受信データを、外部サービスシステム40に送信する。すなわち、外部サービス処理部52は、情報処理システム10のアプリに対応付けられている外部サービスシステム40のアプリに対し、特定フォルダにFAX受信データの保存を要求する。
【0167】
これにより、データ処理部63は、特定フォルダにFAX受信データを保存し、外部サービスシステム40のアプリIDで特定されるアプリの、フィールドコードで特定されるフィールドにFAX受信データに関する情報の項目値を登録できる。
【0168】
図14は、工務店のユーザーが端末装置30に表示させた特定フォルダのFAX受信データ一覧画面330である。FAX受信データ一覧画面330(第一画面の一例)は、FAX受信データ記憶部65が記憶するFAX受信データの項目値をリスト状に表示する。したがって、FAX受信データ一覧画面330の各項目は表5の項目と同じである。
【0169】
ユーザーは特定フォルダのフォルダ名の変更、フォルダの追加、削除等を行うことができないので、この特定フォルダ以外にフォルダはなく、FAX受信データの一覧を確実に把握できる。
【0170】
ユーザーはFAX受信データ一覧画面330にFAX受信データがあれば、FAXを受信したことに気づくことができる。また、状況や優先度を確認し、ユーザーが何らかの処理を取ることができる。また、ユーザーは、必要に応じて、各FAX受信データをスキャンデータ保存フォルダ320に手動で移動できる。また、広告などのFAX受信データが特定フォルダに含まれていても削除しやすい。
【0171】
<外部サービスシステムにおけるリンク先のデータの表示>
本実施形態では、ユーザーがFAX受信データ一覧画面330のFAX受信データを押下することで、外部サービスシステム40が予め関連付けられた(リンクされている)リンク先テーブルのデータ(例えば見積り)を表示する。
【0172】
図15は、外部サービスシステム40において特定フォルダに対応付けられたリンク先テーブルのデータ(表7参照)を模式的に示す図である。機器20が受信したFAX受信データは特定フォルダ71に保存される。特定フォルダ71に保存されたFAX受信データのファイル名や受信日時などが受信FAXテーブル72に登録される。
【0173】
表7に示したように、外部サービスシステム40では、外部サービスシステム40のアプリごとに特定フォルダ71のFAX受信データとリンク先テーブル(案件用テーブル73,顧客用テーブル74、見積用テーブル75)のデータが対応付けられている。
【0174】
図14に示したFAX受信データ一覧画面330には、編集ボタン332が表示される。ユーザが編集ボタン332を押下すると、当該FAX受信データを対応付けるリンク先テーブルを選択する画面が表示される。ユーザーは、このリンク先テーブルを選択する画面にて、リンク先テーブルを選択することによって、当該FAX受信データをリンク先テーブルと対応付けることができる。以下、「見積用データテーブル」にFAX受信データを対応付けた場合について説明する。
【0175】
図14に示したFAX受信データ一覧画面330には、FAX受信データごとに開くボタン331が表示される。ユーザーが開くボタン331を押下すると、当該FAX受信データに対応付けられているリンク先テーブルのデータが表示される。
【0176】
図16は、開くボタン331の押下により端末装置30が表示するFAX受信データ詳細画面340の一例である。FAX受信データ詳細画面340において本実施形態に特徴的な項目を説明する。FAX受信データ詳細画面340は見積データリンク341、及び、添付ファイル342の項目を有している。見積データリンク341の項目は、表7においてこのFAX受信データが見積用テーブルのデータにリンクされていることを示している。見積データリンク341の項目にはファイル名が表示され、ファイル名のクリックにより見積データの詳細が表示される。添付ファイル342の項目は、FAX受信データの画像データを有するファイル名である。
【0177】
図17は、端末装置30が表示する見積データの詳細画面350の一例である。見積データの詳細画面350には予め見積用テーブルのデータに設定されている見積に関するデータが表示される。
【0178】
図18は、画面生成部64が、ユーザー操作に応じて、特定フォルダに保存されているFAX受信データに関する画面を生成する手順を示すシーケンス図である。
【0179】
S51:ユーザーは、端末装置30を操作して外部サービスシステム40に接続する。端末装置30からの要求に応じて、外部サービスシステム40の画面生成部64は、第三通信部61を介して、端末装置30にFAX受信データ一覧画面330の画面情報を送信する。端末装置30の表示制御部32は、Webアプリ(又はWebページ)としてFAX受信データ一覧画面330を表示する。
【0180】
S52:ユーザーが開くボタン331でFAX受信データを選択する。操作受付部33は操作を受け付ける。第一通信部31は、FAX受信データのデータIDを指定して、FAX受信データ詳細画面340を外部サービスシステム40に要求する。端末装置30からの要求に応じて、外部サービスシステム40の画面生成部64は、データIDにより特定されるFAX受信データに関する情報が表示されるFAX受信データ詳細画面340の画面情報を、第三通信部61を介して端末装置30に送信する。この際、画面生成部64は、FAX受信データ対応情報記憶部67においてデータIDに対応付けられている見積用テーブルのデータを特定し、FAX受信データ詳細画面340に設定する。端末装置30の表示制御部32は、Webアプリ(又はWebページ)としてFAX受信データ詳細画面340を表示する。
【0181】
S53:ユーザーが見積用テーブルのデータを選択する。操作受付部33は操作を受け付ける。第一通信部31は、見積用テーブルのデータを指定して、見積データの詳細画面350を外部サービスシステム40に要求する。端末装置30からの要求に応じて、外部サービスシステム40の画面生成部64は、第三通信部61を介して、端末装置30に見積データの詳細画面350の画面情報を送信する。端末装置30の表示制御部32は、Webアプリ(又はWebページ)として見積データの詳細画面350を表示する。
【0182】
<主な効果>
以上説明したように、本実施形態の情報処理システム10によれば、特定フォルダは、フォルダ名の変更、フォルダの追加、削除などができないフォルダなので、FAX受信データは、必ず特定フォルダに存在する。ユーザーは各FAX受信データの受信の有無や転送の有無を容易に判断でき、必要に応じてFAX受信データをスキャンデータ保存フォルダに移動できる。
【0183】
<第2の実施形態>
先の実施形態では、フォルダ名の変更、フォルダの追加、削除などができないフォルダである特定フォルダに存在するFAX受信データをスキャンデータ保存フォルダへ移動する形態を説明した。
【0184】
本実施形態では、特定フォルダに存在するFAX受信データをスキャンデータ保存フォルダへ移動させない場合の動作について説明する。
【0185】
ユーザーは、図14に示したFAX受信データ一覧画面にて、編集ボタン332を押下する。編集ボタン332が押下されると、当該FAX受信データを対応付けるリンク先テーブルを選択する画面が表示される。
【0186】
ユーザーは、リンク先テーブルを選択する画面にて、対応付けるリンク先テーブルを選択する。以下、「見積用データテーブル」にFAX受信データを対応付けた場合について説明する。
【0187】
ユーザの操作により「見積用データテーブル」がリンク先テーブルとして選択された場合、図16の見積データリンク341の項目に、受信FAXデータを示すURLが表示される。
【0188】
図19は、第2の実施形態におけるFAX受信データ詳細画面の一例である。図19の説明では主に図16との相違を説明する。図19では、見積データリンク341の項目に、受信FAXデータを示すURLが表示される。この時、URLではなく、受信FAXデータのファイル名を表示してもよい。
【0189】
ユーザーが当該URLを選択すると、端末装置30は、図14で編集ボタン332が押下された受信FAXデータであって、選択されたURLに対応する受信FAXデータを表示することができる。
【0190】
これにより、FAX受信データを保存している第一のフォルダからファイルの移動を行わずに、リンク先テーブルとFAX受信データの対応付けを行うことができる。FAX受信データを第一のフォルダから第二のフォルダへ移動させないため、フォルダ間の移動中のネットワークの異常などによらず、FAX受信データをデータ先リンクへ対応付けることができる。
【0191】
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0192】
例えば、本実施形態では、テナントが工務店の場合を例に説明したが、工務店は一例に過ぎない。テナントは、小売店、保険の代理店等、FAX受信データとスキャンデータの両方を扱う形態の法人や個人であればよい。また、工務店はハウスメーカーやパワービルダーと呼ばれてもよい。
【0193】
また、本実施形態では、FAX受信データとスキャンデータを扱う場合を説明したが、機器20はFAX受信データと電子メールの添付ファイルを受信してもよいし、スキャンデータと電子メールの添付ファイルを扱ってもよい。また、機器20は、FAX受信データ、スキャンデータ及び電子メールの添付ファイルを扱ってもよい。
【0194】
また、図6などの構成例は、端末装置30、機器20、及び情報処理システム10による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。端末装置30、機器20、及び情報処理システム10の処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0195】
また、実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、情報処理システム10は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
【0196】
更に、情報処理システム10は、本実施形態で開示された処理ステップ、例えば図25等を様々な組み合わせで共有するように構成できる。例えば、所定のユニットによって実行されるプロセスは、情報処理システム10が有する複数の情報処理装置によって実行され得る。また、情報処理システム10は、1つのサーバ装置にまとめられていても良いし、複数の装置に分けられていても良い。
【0197】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【符号の説明】
【0198】
10 情報処理システム
20 機器
30 端末装置
100 サービス提供システム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0199】
【特許文献1】特開2017-076368号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
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図11
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