(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023047633
(43)【公開日】2023-04-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/335 20190101AFI20230330BHJP
【FI】
G06F16/335
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021156656
(22)【出願日】2021-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 夏実
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175BA02
5B175DA01
5B175DA05
(57)【要約】
【課題】ユーザのアクセス権限を考慮した検索を行うこと。
【解決手段】会議に参加するユーザの端末装置と通信可能な情報処理装置であって、前記ユーザを認証する認証部と、前記会議に関する電子ファイルの検索要求を前記会議に参加している前記ユーザの端末装置から受信する通信部と、前記認証部が認証した前記ユーザの前記電子ファイルに対するアクセス権限を取得する取得部と、前記アクセス権限によりアクセス可能な前記電子ファイルを検索する検索部と、前記検索部による検索結果を前記会議に参加している前記ユーザの端末装置に送信する提示部と、を有することを特徴とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
会議に参加するユーザの端末装置と通信可能な情報処理装置であって、
前記ユーザを認証する認証部と、
前記会議に関する電子ファイルの検索要求を前記会議に参加している前記ユーザの端末装置から受信する通信部と、
前記認証部が認証した前記ユーザの前記電子ファイルに対するアクセス権限を取得する取得部と、
前記アクセス権限によりアクセス可能な前記電子ファイルを検索する検索部と、
前記検索部による検索結果を前記会議に参加している前記ユーザの端末装置に送信する提示部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記提示部は、前記検索部による検索に適合した電子ファイルまたは検索に適合した電子ファイルの格納場所を示す情報を前記会議に参加している前記ユーザの端末装置に送信する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記検索要求には、前記ユーザが発話した音声を認識することにより生成された検索キーワードが付与されており、
前記検索部は、前記検索キーワードを用いて前記アクセス権限によりアクセス可能な前記電子ファイルを検索する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記検索部は、前記会議に参加している全てのユーザが前記アクセス権限を有する電子ファイルを検索し、
前記提示部は、前記検索結果を前記会議に参加している全てのユーザの端末装置に送信する、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記検索部は、前記会議に参加しているユーザ毎に該ユーザが前記アクセス権限を有する電子ファイルを検索し、
前記提示部は、前記会議に参加しているユーザ毎の検索結果を個別に各ユーザの端末装置に送信する、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
会議に参加するユーザの端末装置と通信可能な情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記ユーザを認証する認証ステップと、
前記会議に関する電子ファイルの検索要求を前記会議に参加している前記ユーザの端末装置から受信する通信ステップと、
前記認証ステップが認証した前記ユーザの前記電子ファイルに対するアクセス権限を取得する取得ステップと、
前記アクセス権限によりアクセス可能な前記電子ファイルを検索する検索ステップと、
前記検索ステップによる検索結果を前記会議に参加している前記ユーザの端末装置に送信する提示ステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項7】
会議に参加するユーザの端末装置と通信可能な情報処理装置に、
前記ユーザを認証する認証ステップと、
前記会議に関する電子ファイルの検索要求を前記会議に参加している前記ユーザの端末装置から受信する通信ステップと、
前記認証ステップが認証した前記ユーザの前記電子ファイルに対するアクセス権限を取得する取得ステップと、
前記アクセス権限によりアクセス可能な前記電子ファイルを検索する検索ステップと、
前記検索ステップによる検索結果を前記会議に参加している前記ユーザの端末装置に送信する提示ステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項8】
会議に参加するユーザの端末装置と、前記端末装置と通信可能な情報処理装置を有する情報処理システムであって、
前記端末装置は、
前記会議に関する電子ファイルの検索要求を前記情報処理装置に送信する第1通信部と、
前記情報処理装置から受信した検索結果を前記端末装置の画面に表示する表示制御部と、
を有し、
前記情報処理装置は、
前記ユーザを認証する認証部と、
前記検索要求を前記会議に参加している前記ユーザの端末装置から受信する第2通信部と、
前記認証部が認証した前記ユーザの前記電子ファイルに対するアクセス権限を取得する取得部と、
前記アクセス権限によりアクセス可能な前記電子ファイルを検索する検索部と、
前記検索部による検索結果を前記会議に参加している前記ユーザの端末装置に送信する提示部と、
を有する情報処理システム。
【請求項9】
会議に参加するユーザの端末装置と、前記端末装置と通信可能な情報処理装置を有する情報処理システムが実行する情報処理方法であって、
前記会議に関する電子ファイルの検索要求を前記情報処理装置に送信する第1通信ステップと、
前記情報処理装置から受信した検索結果を前記端末装置の画面に表示する表示制御ステップと、
前記ユーザを認証する認証ステップと、
前記検索要求を前記会議に参加している前記ユーザの端末装置から受信する第2通信ステップと、
前記認証ステップが認証した前記ユーザの前記電子ファイルに対するアクセス権限を取得する取得ステップと、
前記アクセス権限によりアクセス可能な前記電子ファイルを検索する検索ステップと、
前記検索ステップによる検索結果を前記会議に参加している前記ユーザの端末装置に送信する提示ステップと、
を有する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザが発声した音声を認識した内容に基づいて情報を検索する技術や、会議システム等のコミュニケーションシステムにおいて、ユーザが発声した音声を認識した内容を画面に表示する技術が既に知られている。特許文献1には、テレビの放送等に含まれる音声を認識した内容に基づいて、情報を検索する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の技術では、ユーザのアクセス権限を考慮した検索を行うことができないという問題があった。このため、検索により資料が見つかっても実際には参加しているユーザがアクセスできない、又は、提示すべきでない資料が提示される場合があった。また、検索範囲が広すぎて検索の効率が低下することがあった。
【0004】
本発明の実施形態は、上記課題に鑑み、ユーザのアクセス権限を考慮した検索を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明は、会議に参加するユーザの端末装置と通信可能な情報処理装置であって、前記ユーザを認証する認証部と、前記会議に関する電子ファイルの検索要求を前記会議に参加している前記ユーザの端末装置から受信する通信部と、前記認証部が認証した前記ユーザの前記電子ファイルに対するアクセス権限を取得する取得部と、前記アクセス権限によりアクセス可能な前記電子ファイルを検索する検索部と、前記検索部による検索結果を前記会議に参加している前記ユーザの端末装置に送信する提示部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、ユーザのアクセス権限を考慮して検索を実行することにより、アクセス権限を考慮した検索結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態に係る会議補助システムを用いた会議システムの概略図の一例を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る情報処理装置および端末装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る会議補助システムにおける機能ブロックの構成図の一例を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る会議補助システムにおける検索規則の一例を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る会議補助システムを用いた検索処理のシーケンスの一例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る会議システムにおけるユーザの認証情報の一例を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る検索結果の表示画面の一例を示す図(1)である。
【
図8】本発明の実施形態に係る検索結果の表示画面の一例を示す図(2)である。
【
図9】本発明の実施形態に係る検索結果の表示画面の一例を示す図(3)である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムの実施形態を詳細に説明する。
【0009】
[第1の実施形態]
<システム概要>
図1は、本発明の実施形態に係る会議補助システムを用いた会議システムの概略図の一例を示す図である。
図1に示す概略図において、会議システム2、会議補助システム3、文書管理システム4、および端末装置6(6A、6B、6C、…)が、通信ネットワーク1に接続されており、互いに通信可能である。また、会議システム2、会議補助システム3、文書管理システム4は、それぞれ少なくとも一つの情報処理装置5A、5B、5Cを備える。端末装置6は、ノートパソコンやデスクトップパソコンであるか、あるいはタブレット端末やスマートフォンなどであってもよい。ここで、会議とは、日常的に行われる打ち合わせ、ブレインストーミング、セミナー、レクチャー、講義等を含み、更に、複数のユーザ同士での双方向又は片方向のコミュニケーションを含む概念であり、通常の会議よりも広い範囲の意味を有する。
【0010】
図1に示す構成は一例であって、他の構成であってもよく、例えば、会議補助システム3は、会議システム2に含まれる構成であってもよい。このとき、会議システム2と会議補助システム3は、同一の情報処理装置5に機能を有してもよいし、個別の情報処理装置5に機能を有してもよい。
【0011】
本発明の実施形態に係る処理の概略を説明する。まず、ユーザは、リモート会議を実施するために、端末装置6を操作して会議システム2にログインする。会議に参加する全てのユーザがログインした後、会議システム2は、会議開始通知とともに会議に参加するユーザの情報を会議補助システム3に送信する。会議開始後、ユーザは、会議の議事録や資料などの文書ファイルの検索を要求するために、検索キーワードを含む内容を発声する。端末装置6は、ユーザが発声した内容を会議補助システム3に送信して、検索の実行を要求する。ここで、端末装置6は、ユーザが発声した音声を認識して、認識した内容の文字列を会議補助システム3に送信する。あるいは、端末装置6が、ユーザの発声した音声を会議補助システム3に送信して、会議補助システム3が、受信した音声を認識することで文字列を取得するようにしてもよい。会議補助システム3は、取得した文字列を用いて、文書管理システム4に対して、文書ファイルの検索の実行を要求する。ここで、会議補助システム3は、検索を要求したユーザ、および会議の全参加者(全ユーザ)のアクセス権限を考慮して、文書ファイルの検索を実行し、検索結果を端末装置6に提示する。更に、会議補助システム3は、端末装置6からの要求に応じて、検索結果として表示された文書ファイルを端末装置6、または会議システム2に送信する。ここで、文書ファイルとは、議事録や会議に関する資料などの電子ファイルを指し、ワードプロセッサ等のアプリケーションで作成されたファイルに限定しなくてもよい。また、任意の電子ファイル、あるいはHTML形式等のファイルにより作成されたWWW(World Wide Web)の情報等を検索する対象としてもよい。
【0012】
<ハードウェア構成例>
図2は、本発明の実施形態に係る情報処理装置5および端末装置6のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示されるように、情報処理装置5および端末装置6はコンピュータによって構築されており、CPU501、ROM502、RAM503、HD(Hard Disk)504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0013】
これらのうち、CPU501は、情報処理装置5および端末装置6全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワーク1を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、
図2に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0014】
また、キーボード511は、文字、数値、又は各種指示などの入力に使用される複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWドライブ514は、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0015】
<機能について>
図3は、本発明の実施形態に係る会議補助システムにおける機能ブロックの構成図の一例を示す図である。
【0016】
会議補助システム3は、第1通信部10、取得部11、検索部12、および提示部13を有する。これら各部は、会議補助システム3の情報処理装置5Bにインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令をCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。
【0017】
第1通信部10は、会議補助システム3が有する通信機能であり、通信ネットワーク1を介して端末装置6の第2通信部20との間で情報の送受信を行う。例えば、第1通信部10は、端末装置6の第2通信部20から文書検索要求を受信し、端末装置6の第2通信部20に検索結果を送信する。また、第1通信部10は、会議システム2から会議開始通知や会議に参加するユーザに関する情報を受信する。また、第1通信部10は、文書管理システム4に、文書検索や文書取得を要求するメッセージを送信し、文書管理システム4から、検索結果や文書ファイルを受信する。
【0018】
取得部11は、会議に参加するユーザに関する情報に基づいて、文書検索時に必要となるユーザの文書ファイルが格納された領域にアクセスするためのアクセス権限を取得する。例えば、会議の参加者がユーザA、B、Cである場合、ユーザA、B、Cのアクセス権限を取得する。
【0019】
検索部12は、文書検索要求を送信した端末装置6を操作したユーザが発声した音声を認識して得た文字列を用いて、文書ファイルを検索する。検索する方法として、例えば、予め定めた単語に対する検索規則に基づいて文書ファイルを検索する。
図4は、本発明の実施形態に係る会議補助システムのおける検索規則の一例を示す図である。
図4には、ユーザが発話した音声を認識して得られる文字列に含まれる単語である認識単語35に対して、文書検索を行う場合の規則である検索規則36が定義されている。認識単語35が、「先週」や「先月」のような日時に関する単語に対しては、検索対象となる文書ファイルが作成された期間が定義されている。検索時には、文書ファイルに付与された時間情報(タイムスタンプ)を用いて文書ファイルを特定してもよいし、文書内に記載された会議が開催された日時に関する情報を用いて文書ファイルを特定するようにしてもよい。また、認識単語35が、「議事録」「XX会議」「〇〇の資料」の場合、検索対象となる文書ファイルのタイトルに、それぞれ「議事録」「XX」「〇〇」の文字列を含むことが定義されている。検索時には、文書ファイル内に記載された会議のタイトル(あるいは議題など)に定義された文字列が含まれるか否かにより文書ファイルを特定する。あるいは、文書ファイルのファイル名に定義された文字列が含まれるか否かにより文書ファイルを特定してもよい。
図3に戻って説明する。
【0020】
また、検索部12は、文書ファイルを検索する際の検索範囲、すなわち、対象となる文書ファイルの格納領域に関して、例えば、会議の参加者全員がアクセス可能である予め定められた格納領域において、検索を実行する。あるいは、会議の参加者であるユーザA、B、Cそれぞれの個人用フォルダを検索範囲としてもよい。
【0021】
提示部13は、検索部12が、文書ファイルを検索した検索結果、および検索結果に基づいて、ユーザにより要求された文書ファイルまたは文書ファイルの格納場所を示す情報(格納先を示すリンク情報)を端末装置6に送信することにより、ユーザに提示する。ここで、提示部13は、検索結果、検索に適合した文書ファイル、および検索に適合した文書ファイルの格納場所を示す情報を会議システム2に送信し、会議システム2を介して、端末装置6に提示してもよい。
【0022】
会議システム2は、認証部14を有する。認証部14は、会議システム2の情報処理装置5Aにインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令をCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。認証部14は、入力された認証情報が登録された認証情報と一致するならば、入力された認証情報が正しいと判断することにより、会議システムにログインするユーザを認証する。
【0023】
端末装置6は、第2通信部20、表示制御部21、操作受付部22、および認識部23を有する。これら各部は、端末装置6にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令をCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。
【0024】
第2通信部20は、端末装置6が有する通信機能であり、通信ネットワーク1を介して会議補助システム3の第1通信部10との間で情報の送受信を行う。また、第2通信部20は、会議システム2からログイン時の認証画面の画面情報を受信し、会議システム2にログイン時に必要となるユーザの認証情報を送信する。
【0025】
表示制御部21は、端末装置6の画面に会議システム2にログインする際の認証画面や会議補助システム3から受信した検索結果の表示画面などの画面情報を表示する。
【0026】
操作受付部22は、端末装置6のキーボードやポインティングデバイスを介して、ユーザによる文字入力やボタンの押下などの操作を受け付ける。
【0027】
認識部23は、ユーザが発声した音声を認識して文字列に変換する。また、認識部23は、会議補助システム3が実行する機能であってもよく、この場合、端末装置6の第2通信部20は、ユーザが発話した音声を会議補助システム3の第1通信部10に送信する。
【0028】
<統合認証処理のフローチャート>
図5は、本発明の実施形態に係る会議補助システムを用いた情報検索処理のシーケンスの一例を示す図である。本シーケンスでは、3人のユーザA、B、Cがそれぞれ端末装置6A、6B、6Cを用いてリモート会議に参加するために、会議システム2にログインする。ユーザAは、会議開始後に会議補助システム3に対して文書検索を要求し、検索結果は会議の参加者全員に共有される。ここで、会議システム2にログインした各ユーザは、文書管理システム4に格納された文書ファイルなどの電子ファイルにアクセスするためのアクセス権限が与えられている。また、文書管理システム4は、ユーザA、B、Cが共にアクセス権限を持つ格納領域と文書ファイルを有している。
図6は、本発明の実施形態に係る会議システムにおけるユーザの認証情報の一例を示す図である。
図6に示す認証情報30は、ユーザID31、ユーザ名32、パスワード33、およびアクセス権限34を有する。ここで、ユーザID31とパスワード33は、ユーザがログイン画面で入力する認証情報である。アクセス権限34は、ユーザがアクセスすることが可能なフォルダである。例えば、フォルダAは、ユーザA、B、Cが共通にアクセス可能なフォルダである。ここで、フォルダ単位でなく、ファイル単位で設定されてもよい。また、アクセス権限が付与されておらず任意のユーザがアクセス可能なフォルダあるいはファイルが設定されてもよい。
図5に戻って、処理の詳細を説明する。
【0029】
ステップS1A:本ステップにおいて、ユーザAは、端末装置6Aを操作して会議システム2にログインする。端末装置6Aの第2通信部20は、会議システム2にログイン画面を要求するメッセージを送信し、会議システム2からログイン画面の画面情報を受信する。端末装置6Aの表示制御部21は、端末装置6Aの画面にログイン画面を表示する。端末装置6Aの操作受付部22は、ユーザAによるログイン画面への認証情報として
図6に示したユーザID31とパスワード33の入力を受け付ける。
【0030】
端末装置6Aの第2通信部20は、ユーザAが入力した認証情報を会議システム2に送信する。会議システム2の認証部14は、受信した認証情報が正しいことを確認したら、ユーザAのログインを許可する。
【0031】
ステップS1B:ステップS1Aと同様の手順により、ユーザBが端末装置6Bを操作して会議システム2にログインする。
【0032】
ステップS1C:ステップS1Aと同様の手順により、ユーザCが端末装置6Cを操作して会議システム2にログインする。
【0033】
ステップS2:会議システム2は、会議補助システム3の第1通信部10に、会議開始通知とともに、会議に参加するユーザの情報を送信する。会議に参加するユーザの情報としては、ユーザを特定できる情報として、例えば、
図6に示したユーザID31(U001、U002、U003)を送信する。
【0034】
ステップS3:会議補助システム3の取得部11は、ステップS2で受信した会議に参加するユーザの文書ファイルが格納された領域にアクセスするためのアクセス権限を取得する。
【0035】
ステップS4:端末装置6Aの認識部23は、ユーザAが発声した音声(発話)を認識して発話内容の文字列を取得する。端末装置6Aの表示制御部21は、認識部23が取得した発話内容の文字列を端末装置6Aの画面に表示する。
【0036】
この処理に関する別の方法について説明する。端末装置6Aの第2通信部20は、ユーザAが発声した音声を会議補助システム3の第1通信部10に送信する。会議補助システム3は、端末装置6Aの認識部23と同様の処理を実行することにより、ユーザが発声した音声(発話)を認識して発話内容の文字列を取得する。会議補助システム3の第1通信部10は、取得した文字列を端末装置6Aの第2通信部20に送信する。端末装置6Aの表示制御部21は、受信した文字列を端末装置6Aの画面に表示する。
【0037】
また、ユーザAが発声した音声から文字列を取得するのではなく、ユーザAがキーボード等から入力した文字列を取得するようにしてもよい。
【0038】
図7は、本発明の実施形態に係る検索結果の表示画面の一例を示す図(1)である。
図7に示す表示画面40には、会議資料表示領域41、発話内容表示領域42、検索ボタン43、および検索結果表示領域44が表示されている。会議資料表示領域41は、会議資料を表示する領域である。発話内容表示領域42は、ユーザの発話内容を認識した文字列を表示する領域である。検索ボタン43は、表示された発話内容を用いて文書検索の要求を実行する際に押下するボタンである。検索結果表示領域44は、検索結果を表示する領域である。会議資料は、会議システム2から各端末装置6に送信され、端末装置6の表示制御部21が会議資料表示領域41に表示する。検索結果表示領域44についての詳細は後述する。
図5に戻って説明する。
【0039】
ステップS5:端末装置6Aの操作受付部22は、ユーザAによる
図7の検索ボタン43の押下を受け付ける。端末装置6Aの第2通信部20は、会議補助システム3の第1通信部10に文書検索を要求するメッセージを送信する。メッセージには、認識部23が取得したユーザの発話内容の文字列が含まれ、この文字列は検索部12が文書ファイルを検索する際の検索キーワードとして用いられる。
【0040】
ステップS6:会議補助システム3の検索部12は、文書管理システム4に文書検索を要求するメッセージを送信することにより文書検索を実行する。ここで、受信したメッセージには、検索キーワードとして、「先週」および「議事録」の単語が含まれている。従って、検索部12は、ユーザA、B、Cが共通にアクセス可能な領域(例えば、フォルダA)に格納されたファイルの中から、
図4に示した検索規則36が「先週」および「議事録」に該当する文書ファイルの検索を要求する。また、検索部12は、会議の内容などに応じて検索する領域の範囲を限定してもよい。
【0041】
ステップS7:文書管理システム4は、検索結果として、検索規則36の「先週」および「議事録」に該当した全ての文書ファイルのファイル名を会議補助システム3の第1通信部10に送信する。ここで、該当する文書ファイルが無い場合であっても、該当するファイルが無いことを検索結果として送信する。
【0042】
ステップS8A:会議補助システム3の提示部13は、端末装置6Aの第2通信部20に受信した検索結果を送信する。端末装置6Aの表示制御部21は、受信した検索結果を端末装置6Aの画面に表示する。
図7に示した検索結果表示領域44には、検索結果として1件の文書ファイル名「2021年9月3日定例議事録」が表示されている。また、
図8は、本発明の実施形態に係る検索結果の表示画面の一例を示す図(2)である。
図8に示す検索結果表示領域54には、検索の結果が該当する文書ファイルが無い場合であり、「検索結果 0件」と表示されている。また、
図9は、本発明の実施形態に係る検索結果の表示画面の一例を示す図(3)である。
図9に示す検索結果表示領域64には、検索結果として3件の文書ファイル名が表示されている。
図5に戻って説明する。
【0043】
ステップS8B:ステップS8Aと同様に、会議補助システム3の提示部13は、端末装置6Bの第2通信部20に受信した検索結果を送信する。端末装置6Bの表示制御部21は、受信した検索結果を端末装置6Bの画面に表示する。
【0044】
ステップS8C:ステップS8Aと同様に、会議補助システム3の提示部13は、端末装置6Cの第2通信部20に受信した検索結果を送信する。端末装置6Cの表示制御部21は、受信した検索結果を端末装置6Cの画面に表示する。
【0045】
ステップS9:
図7あるいは
図9に示した検索結果表示領域44、64における選択ボタン45、65を押下して文書ファイルを選択した後、確認ボタン46を押下することにより、選択したファイルを取得する要求を実行することが可能である。この要求を実行するために、まず、端末装置6Aの操作受付部22は、ユーザAによる選択ボタン45、65の押下および確認ボタン46の押下を受け付ける。次に、端末装置6Aの第2通信部20は、会議補助システム3の第1通信部10に選択した文書ファイルの取得を要求するメッセージを送信する。メッセージには、取得する文書ファイルのファイル名が含まれる。
【0046】
ステップS10:会議補助システム3の第1通信部10は、受信した要求メッセージを文書管理システム4に送信する。
【0047】
ステップS11:文書管理システム4は、受信した要求メッセージに含まれる文書ファイルを取得して、会議補助システム3の第1通信部10に送信する。
【0048】
ステップS12:会議補助システム3の提示部13は、受信した文書ファイルを端末装置6Aの第2通信部20に送信することにより、検索した文書ファイルをユーザに提示する。端末装置6Aの表示制御部21は、受信した文書ファイルを端末装置6Aの画面に表示する。
【0049】
ステップS13:
図7あるいは
図9に示した検索結果表示領域44、64における選択ボタン45、65を押下してファイルを選択した後、共有ボタン47を押下することにより、選択した文書ファイルを会議資料として追加して、会議の参加者全員に共有することが可能である。この要求を実行するために、まず、端末装置6Aの操作受付部22は、ユーザAによる選択ボタン45、65の押下および共有ボタン47の押下を受け付ける。次に、端末装置6Aの第2通信部20は、会議補助システム3の第1通信部10に選択した文書ファイルの共有を要求するメッセージを送信する。メッセージには、共有を要求する文書ファイルのファイル名が含まれる。ここで、会議補助システム3が共有を要求された文書ファイルを保持していない場合は、ステップS10と同様の処理を実行することにより、共有を要求された文書ファイルを文書管理システム4から取得する。
【0050】
ステップS14:会議補助システム3の提示部13は、会議システム2に共有を要求された文書ファイルを送付するとともに、送信した文書ファイルを会議の参加者全員に共有することを要求するメッセージを送信する。会議システム2は、受信したファイルを会議資料として追加する。更に、会議システム2は、
図7に示した会議資料表示領域41に受信した文書ファイルを表示する。あるいは、会議補助システム3の提示部13は、共有を要求された文書ファイルが、文書管理システム4の参加者全員がアクセスできる領域に格納されている場合、会議システム2に共有を要求された文書ファイルの格納場所を示す情報を送付してもよい。このとき、会議システム2は、
図7に示した会議資料表示領域41に受信した文書ファイルの格納場所を示す情報を表示する。
【0051】
以上の処理により、会議補助システム3は、端末装置6から受信した文書検索要求に応じて、会議の参加者全員がアクセス可能な領域に格納された文書ファイルを検索する。これにより、会議補助システム3は、端末装置6に検索結果、検索した文書ファイル、および検索した文書ファイルの格納場所を示す情報を提示することが可能である。また、第1の実施形態では、全ての参加者(ユーザA、B、C)の端末装置6(6A、6B、6C)に同一の検索結果が送信され、各々の表示画面に同じ検索結果が表示される。なお、
図5に示したシーケンスのステップS9における文書ファイルの取得要求、およびステップS14おける文書ファイル共有要求は、ステップS5の文書検索要求を実行したユーザAだけでなく、全ての参加者が実行可能である。
【0052】
[第2の実施形態]
第2の実施形態に関して、第1の実施形態と異なる内容のみについて説明する。まず、文書ファイルの検索範囲が、第1の実施形態では、会議の参加者全員(ユーザA、B、C)が共通にアクセス可能な領域であったのに対し、第2の実施形態では、各ユーザの個人用フォルダのように各ユーザのみアクセスが可能な領域を検索する。従って、第2の実施形態では、ユーザ毎に異なる検索結果が送信される。以下、
図5に示したシーケンスにおいて、第1と第2の実施形態で異なるステップS6、S7、S8(8A、8B、8C)、およびS14について、処理の詳細を説明する。
【0053】
ステップS6:会議システム2の検索部12は、文書管理システム4に文書検索を要求するメッセージを送信することにより文書検索を実行する。ここで、受信したメッセージには、検索キーワードとして、「先週」および「議事録」の単語が含まれている。従って、検索部12は、ユーザA、B、Cのみがアクセス可能である個人用フォルダに格納されたファイルの中から、
図4に示した検索規則36が「先週」および「議事録」に該当する文書ファイルの検索を要求する。
【0054】
ステップS7:文書管理システム4は、ユーザA、B、Cの個人用フォルダに対して、検索規則36に該当した全ての文書ファイルを個別に検索した検索結果を個別に生成し、会議システム2の第1通信部10に送信する。ここで、該当する文書ファイルが無い場合であっても、該当するファイルが無いことを検索結果として送信する。
【0055】
ステップS8A:会議補助システム3の第1通信部10は、端末装置6Aの第2通信部20にユーザAの個人用フォルダに対して検索した検索結果を送信する。端末装置6Aの表示制御部21は、受信した検索結果を端末装置6Aの画面に表示する。
【0056】
ステップS8B:会議補助システム3の第1通信部10は、端末装置6Bの第2通信部20にユーザBの個人用フォルダに対して検索した検索結果を送信する。端末装置6Bの表示制御部21は、受信した検索結果を端末装置6Bの画面に表示する。
【0057】
ステップS8C:会議補助システム3の第1通信部10は、端末装置6Cの第2通信部20にユーザCの個人用フォルダに対して検索した検索結果を送信する。端末装置6Cの表示制御部21は、受信した検索結果を端末装置6Cの画面に表示する。
【0058】
ステップS14:会議補助システム3の提示部13は、会議システム2に共有を要求された文書ファイルを送付するとともに、送信した文書ファイルを会議の参加者全員に共有することを要求するメッセージを送信する。ここで、第1の実施形態では、文書ファイルの代わりに、文書ファイルの格納先を共有することが可能であったが、第2の実施形態では、ユーザは他ユーザの個人用フォルダにアクセスできないため、文書ファイル自体を送信して共有する必要がある。
【0059】
以上の処理により、会議補助システム3は、端末装置6から受信した文書検索要求に応じて、会議の各参加者(ユーザ)がアクセス可能な領域の文書ファイルを検索した各々の検索結果を各参加者(ユーザ)の端末装置6に提示することが可能である。
【0060】
<効果について>
会議補助システム3は、会議システム2から会議に参加する全てのユーザの情報を取得し、これらのユーザの文書ファイルが格納された領域にアクセスするためのアクセス権限を取得する。これにより、会議補助システム3は、ユーザからの文書検索要求に応じて、ユーザがアクセス可能な領域の文書ファイルを検索することが可能である。また、会議補助システム3は、検索結果、検索した文書ファイル、および検索した文書ファイルの格納場所を示す情報をユーザが操作する端末装置6に提示することが可能である。
【0061】
以上、本発明を実施するための幾つかの形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0062】
例えば、
図3の機能ブロックの構成図の一例は、会議補助システム3の情報処理装置5Bによる処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。会議補助システム3の情報処理装置5Bのおける処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0063】
また、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0064】
また、記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、会議補助システム3の情報処理装置5Bは、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
【0065】
また、第1通信部10、第2通信部20は単に通信部と呼んでもよく、明確に区別ができるならば、第1通信部を第2通信部、第2通信部を第1通信部と呼んでもよい。
【符号の説明】
【0066】
1 通信ネットワーク
2 会議システム
3 会議補助システム
4 文書管理システム
5 情報処理装置
6、6A、6B、6C 端末装置
10 第1通信部
11 取得部
12 検索部
13 提示部
14 認証部
20 第2通信部
21 表示制御部
22 操作受付部
23 認識部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0067】