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特開2023-48464メディア配信システム、通信システム、配信制御装置、配信制御方法及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048464
(43)【公開日】2023-04-07
(54)【発明の名称】メディア配信システム、通信システム、配信制御装置、配信制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/15 20060101AFI20230331BHJP
   H04N 21/24 20110101ALI20230331BHJP
   H04L 45/302 20220101ALI20230331BHJP
   H04L 47/72 20220101ALI20230331BHJP
【FI】
H04N7/15 120
H04N21/24
H04L45/302
H04L47/72
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021157790
(22)【出願日】2021-09-28
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLU―RAY DISC
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(72)【発明者】
【氏名】深澤 直樹
【テーマコード(参考)】
5C164
5K030
【Fターム(参考)】
5C164FA10
5C164GA03
5C164SB41P
5C164VA16P
5C164VA23P
5C164VA45S
5C164YA21
5C164YA24
5K030GA14
5K030HB01
5K030HB02
5K030KA05
5K030LB07
5K030LD08
(57)【要約】
【課題】従来の技術では、複数の拠点間でメディア情報を配信する場合に、メディア情報を共有する拠点間で利用される予約帯域幅が所定の帯域幅を超えると、共有されるメディア情報の送受信品質を維持できなくなるという課題があった。
【解決手段】配信制御装置7は、メディア配信サーバ識別情報を検索キーとしてメディア配信サーバ管理DB7002を検索することで、対応する最大予約帯域幅を読み出し、予約帯域幅との差分を算出する(ステップS104)。その後、算出された利用可能な帯域幅に基づいて、メディア配信サーバの選択及び割当を行い(ステップS105)、拠点Aの通信装置Aに対して、配信可能なメディア配信サーバ9に対する接続要求を送信する(ステップS125)。その後、配信可能なメディア配信サーバ9は、他の拠点の通信装置からの要求に対して、所定の拠点のメディア情報を送信する(ステップS147)。
【選択図】図19A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各拠点の通信装置に対して所定のメディア情報を配信する一以上のメディア配信サーバと、前記各拠点の通信装置と前記メディア配信サーバとの間で行われる配信を制御する配信制御装置と、を含むメディア配信システムであって、
前記配信制御装置は、
所定のメディア配信サーバで必要とする前記配信に係る予約帯域幅と、前記所定のメディア配信サーバで利用可能な最大予約帯域幅と、に基づいて選択されたメディア配信サーバを、前記所定のメディア情報を共有する一以上の拠点を含む所定の集合拠点における前記各拠点の通信装置に配信可能なメディア配信サーバとして割り当てる割当手段と、
割り当てられた前記配信可能なメディア配信サーバに接続するための接続要求を送信した前記所定の集合拠点に含まれる所定の拠点の通信装置に対して、前記接続要求に対する応答としての接続応答を送信する送信手段と、
を有し、
前記配信可能なメディア配信サーバは、
前記配信制御装置が送信した前記接続応答に基づいて前記所定の拠点の通信装置が送信した前記所定のメディア情報を、前記所定の集合拠点に含まれる他の拠点の通信装置に対して送信する送信手段を有する、
ことを特徴とするメディア配信システム。
【請求項2】
前記割当手段は、
前記予約帯域幅が前記最大予約帯域幅を超える場合、前記所定のメディア配信サーバに代えて前記予約帯域幅を収容可能な他のメディア配信サーバを、前記各拠点の通信装置に配信可能なメディア配信サーバとして割り当てる、
ことを特徴とする請求項1に記載のメディア配信システム。
【請求項3】
前記割当手段は、
前記予約帯域幅が前記最大予約帯域幅を超える場合、前記所定のメディア配信サーバに代えて増設されたメディア配信サーバを、前記所定のメディア情報を前記各拠点の通信装置に配信可能な新たなメディア配信サーバに割り当てる、
ことを特徴とする請求項1に記載のメディア配信システム。
【請求項4】
前記割当手段は、
前記予約帯域幅が前記最大予約帯域幅を超える場合、前記所定のメディア配信サーバで管理される特定の集合拠点を前記所定のメディア配信サーバから他のメディア配信サーバに移動した後、前記所定のメディア配信サーバを、前記各拠点の通信装置に配信可能なメディア配信サーバとして割り当てる、
ことを特徴とする請求項1に記載のメディア配信システム。
【請求項5】
前記配信制御装置の送信手段は、
新たに割り当てられた前記他のメディア配信サーバを再接続するための再接続要求を、前記所定の集合拠点に含まれる各拠点の通信装置に対して送信する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のメディア配信システム。
【請求項6】
前記配信制御装置は、更に、
前記予約帯域幅と前記最大予約帯域幅との差分を算出する算出手段を有し、
前記割当手段は、
前記算出手段によって算出された前記差分に基づいて、前記予約帯域幅を収容可能な他のメディア配信サーバに割り当てる、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のメディア配信システム。
【請求項7】
前記配信制御装置は、更に、
算出された前記予約帯域幅が前記最大予約帯域幅に収容可能かを判断する判断手段を有し、
前記割当手段は、
前記判断手段によって前記予約帯域幅が前記予約帯域幅に収容可能であると判断された場合に、メディア配信サーバを前記所定のメディア配信サーバに割り当て、前記判断手段によって前記予約帯域幅が前記予約帯域幅に収容可能でないと判断された場合に、メディア配信サーバを他のメディア配信サーバに代えて割り当てる、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のメディア配信システム。
【請求項8】
前記接続応答には前記配信可能なメディア配信サーバを宛先とする宛先情報が含まれ、前記配信可能なメディア配信サーバは、更に、
前記他の拠点の通信装置が送信した前記宛先情報を受信する受信手段を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のメディア配信システム。
【請求項9】
前記配信制御装置は、更に、
前記所定の拠点の通信装置が送信した前記所定の集合拠点に対する所定の参加要求、及び前記他の拠点の通信装置が送信した前記所定の集合拠点に対する他の参加要求の少なくとも一方に基づいて、前記所定の集合拠点を識別する集合拠点識別情報と、前記所定の拠点を識別する所定拠点識別情報及び前記他の拠点を識別する他拠点識別情報のいずれか一方の拠点識別情報と、を含むアクセストークンを生成する生成手段を有し、
前記配信制御装置の送信手段は、
生成された前記アクセストークンを前記所定の集合拠点に含まれる各拠点の通信装置が受信するように送信する、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のメディア配信システム。
【請求項10】
前記配信制御装置の送信手段は、
前記各拠点の通信装置が送信した、前記配信可能なメディア配信サーバとの接続を要求するための前記アクセストークンを含む接続要求に対する接続応答を、前記各拠点の通信装置に対して送信する、
ことを特徴とする請求項9に記載のメディア配信システム。
【請求項11】
各拠点の通信装置と、前記各拠点の通信装置に対して所定のメディア情報を配信する一以上のメディア配信サーバと、前記各拠点の通信装置と前記メディア配信サーバとの間で行われる配信を制御する配信制御装置と、を含む通信システムであって、
前記配信制御装置は、
所定のメディア配信サーバで必要とする前記配信に係る予約帯域幅と、前記所定のメディア配信サーバで利用可能な最大予約帯域幅と、に基づいて選択されたメディア配信サーバを、前記所定のメディア情報を共有する一以上の拠点を含む所定の集合拠点における前記各拠点の通信装置に配信可能なメディア配信サーバとして割り当てる割当手段と、
割り当てられた前記配信可能なメディア配信サーバに接続するための接続要求を送信した前記所定の集合拠点に含まれる所定の拠点の通信装置に対して、前記接続要求に対する応答としての接続応答を送信する送信手段と、
を有し、
前記配信可能なメディア配信サーバは、
前記配信制御装置が送信した前記接続応答に基づいて前記所定の拠点の通信装置が送信した前記所定のメディア情報を、前記所定の集合拠点に含まれる他の拠点の通信装置に対して送信する送信手段を有し、
前記他の拠点の通信装置は、
前記配信可能なメディア配信サーバが送信した前記所定のメディア情報を表示手段に表示する表示制御手段を有する、
ことを特徴とする通信システム。
【請求項12】
前記表示制御手段は、前記表示手段に対して、所定の待機通知内容を含む待機画面を表示させる、
ことを特徴とする請求項11に記載の通信システム。
【請求項13】
各拠点の通信装置と前記各拠点の通信装置に対して所定のメディア情報を配信する一以上のメディア配信サーバとの間で行われる配信を制御する配信制御装置であって、
所定のメディア配信サーバで必要とする前記配信に係る予約帯域幅と、前記所定のメディア配信サーバで利用可能な最大予約帯域幅と、に基づいて選択されたメディア配信サーバを、前記所定のメディア情報を共有する一以上の拠点を含む所定の集合拠点における前記各拠点の通信装置に配信可能なメディア配信サーバとして割り当てる割当手段と、
割り当てられた前記配信可能なメディア配信サーバに接続するための接続要求を送信した前記所定の集合拠点に含まれる所定の拠点の通信装置に対して、前記接続要求に対する応答としての接続応答を送信する送信手段と、
を有する、
ことを特徴とする配信制御装置。
【請求項14】
各拠点の通信装置と前記各拠点の通信装置に対して所定のメディア情報を配信する一以上のメディア配信サーバとの間で行われる配信を制御する配信制御装置が実行する配信制御方法であって、
所定のメディア配信サーバで必要とする前記配信に係る予約帯域幅と、前記所定のメディア配信サーバで利用可能な最大予約帯域幅と、に基づいて選択されたメディア配信サーバを、前記所定のメディア情報を共有する一以上の拠点を含む所定の集合拠点における前記各拠点の通信装置に配信可能なメディア配信サーバとして割り当てる割当ステップと、
割り当てられた前記配信可能なメディア配信サーバに接続するための接続要求を送信した前記所定の集合拠点に含まれる所定の拠点の通信装置に対して、前記接続要求に対する応答としての接続応答を送信する送信ステップと、
を含む処理を実行する、
ことを特徴とする配信制御方法。
【請求項15】
各拠点の通信装置と前記各拠点の通信装置に対して所定のメディア情報を配信する一以上のメディア配信サーバとの間で行われる配信を制御する配信制御装置に、
所定のメディア配信サーバで必要とする前記配信に係る予約帯域幅と、前記所定のメディア配信サーバで利用可能な最大予約帯域幅と、に基づいて選択されたメディア配信サーバを、前記所定のメディア情報を共有する一以上の拠点を含む所定の集合拠点における前記各拠点の通信装置に配信可能なメディア配信サーバとして割り当てる割当ステップと、
割り当てられた前記配信可能なメディア配信サーバに接続するための接続要求を送信した前記所定の集合拠点に含まれる所定の拠点の通信装置に対して、前記接続要求に対する応答としての接続応答を送信する送信ステップと、
を含む処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メディア配信システム、通信システム、配信制御装置、配信制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の拠点でリアルタイムに映像データ、音声データ等のメディア情報を送受信するシステムが存在する。
【0003】
例えば、テレビ会議システムでユーザが注視している注視映像の受信に使用する帯域幅が他の映像の受信に使用する帯域幅よりも大きくなるように、各映像の受信に使用する帯域幅を割り当てる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、複数の拠点間でメディア情報を配信する場合に、メディア情報を共有する拠点間で利用される予約帯域幅が所定の帯域幅を超えると、共有されるメディア情報の送受信品質を維持できなくなるという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、請求項1に係る発明は、各拠点の通信装置に対して所定のメディア情報を配信する一以上のメディア配信サーバと、前記各拠点の通信装置と前記メディア配信サーバとの間で行われる配信を制御する配信制御装置と、を含むメディア配信システムであって、前記配信制御装置は、所定のメディア配信サーバで必要とする前記配信に係る予約帯域幅と、前記所定のメディア配信サーバで利用可能な最大予約帯域幅と、に基づいて選択されたメディア配信サーバを、前記所定のメディア情報を共有する一以上の拠点を含む所定の集合拠点における前記各拠点の通信装置に配信可能なメディア配信サーバとして割り当てる割当手段と、割り当てられた前記配信可能なメディア配信サーバに接続するための接続要求を送信した前記所定の集合拠点に含まれる所定の拠点の通信装置に対して、前記接続要求に対する応答としての接続応答を送信する送信手段と、を有し、前記配信可能なメディア配信サーバは、前記配信制御装置が送信した前記接続応答に基づいて前記所定の拠点の通信装置が送信した前記所定のメディア情報を、前記所定の集合拠点に含まれる他の拠点の通信装置に対して送信する送信手段を有する、ことを特徴とするメディア配信システムを提供する。
【発明の効果】
【0006】
以上説明したように本発明によれば、複数の拠点間でメディア情報を配信する場合に、メディア情報を共有する拠点間で利用される予約帯域幅が所定の帯域幅を超えても、共有されるメディア情報の送受信品質を維持することが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】複数の拠点における動的メディア制御と予約帯域幅の関係の一例を示す図である。
図2】ルームの概念の一例を示す図である。
図3】通信システムの全体構成の一例を示す図である。
図4】撮影装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
図5】表示装置、情報処理装置及び通信端末のハードウエア構成の一例を示す図である。
図6】撮影装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
図7】アプリケーションサーバ、配信制御装置及びメディア配信サーバのハードウエア構成の一例を示す図である。
図8】通信システムの機能構成の一例を示す図である。
図9】クライアント管理テーブルの一例を示す概念図である。
図10】メディア配信サーバ管理テーブルの一例を示す概念図である。
図11】ルーム管理テーブルの一例を示す概念図である。
図12】アクセストークン管理テーブルの一例を示す概念図である。
図13】通信システムの機能構成の一例を示す図である。
図14】クライアント管理テーブルの一例を示す概念図である。
図15】通信システムの機能構成の一例を示す図である。
図16】ルームの生成処理の一例を示すシーケンス図である。
図17A】拠点Aからの接続処理の一例を示すシーケンス図である。
図17B】拠点Aからの接続処理の一例を示すシーケンス図である。
図18A】拠点Bからの接続処理の一例を示すシーケンス図である。
図18B】拠点Bからの接続処理の一例を示すシーケンス図である。
図18C】拠点Bからの接続処理の一例を示すシーケンス図である。
図19A】拠点Cからの接続処理の一例を示すシーケンス図である。
図19B】ルーム予約帯域幅変更時のメディア配信サーバの割当変更判断処理の一例を示すフローチャートである。
図19C】拠点Cからの接続処理の一例を示すシーケンス図である。
図19D】拠点Cからの接続処理の一例を示すシーケンス図である。
図20】拠点Aの再接続処理の一例を示すシーケンス図である。
図21A】拠点Bの再接続処理の一例を示すシーケンス図である。
図21B】拠点Bの再接続処理の一例を示すシーケンス図である。
図22】(A)は表示装置に表示されるメディア情報の一例、(B)は情報処理装置に表示されるメディア情報の一例、(C)は通信端末に表示されるメディア情報の一例を示す画面表示例である。
図23】第2の実施形態に係るルーム管理テーブルの一例を示す概念図である。
図24A】第2の実施形態に係る拠点Cからの接続処理の一例を示すシーケンス図である。
図24B】第2の実施形態に係るルーム予約帯域幅変更時のメディア配信サーバの割当変更判断処理の一例を示すフローチャートである。
図24C】第2の実施形態に係る拠点Cからの接続処理の一例を示すシーケンス図である。
図24D】第2の実施形態に係る拠点Cの待機画面表示例である。
図24E】第2の実施形態に係る拠点Cからの接続処理の一例を示すシーケンス図である。
図24F】第2の実施形態に係る拠点Cからの接続処理の一例を示すシーケンス図である。
図25】第2の実施形態に係る拠点Aの再接続処理の一例を示すシーケンス図である。
図26A】第2の実施形態に係る拠点Bの再接続処理の一例を示すシーケンス図である。
図26B】第2の実施形態に係る拠点Bの再接続処理の一例を示すシーケンス図である。
図27】第3の実施形態に係る通信システムの全体構成の一例を示す図である。
図28A】第3の実施形態に係る拠点Cからの接続処理の一例を示すシーケンス図である。
図28B】第3の実施形態に係るルーム予約帯域幅変更時のメディア配信サーバの割当変更判断処理の一例を示すフローチャートである。
図28C】第3の実施形態に係る拠点Cからの接続処理の一例を示すシーケンス図である。
図29】第3の実施形態に係る拠点Hの再接続処理の一例を示すシーケンス図である。
図30】第3の実施形態に係る拠点Cからの待機状態問合せ処理の一例を示すシーケンス図である。
図31】第3の実施形態に係る拠点Iの再接続処理の一例を示すシーケンス図である。
図32】第3の実施形態に係る拠点Cからの待機状態問合せ処理の他の一例を示すシーケンス図である。
図33】第3の実施形態に係る拠点Aの再接続処理の一例を示すシーケンス図である。
図34A】第3の実施形態に係る拠点Bの再接続処理の一例を示すシーケンス図である。
図34B】第3の実施形態に係る拠点Bの再接続処理の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を用いて、発明を実施するための形態について説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する部分があればその説明を省略する。
【0009】
〔第1の実施形態〕
図1乃至図22を用いて、第1の実施形態について説明する。
【0010】
〔メディア情報配信における前提技術〕
<動的メディア制御と予約帯域幅の関係>
図1は、複数の拠点における動的メディア制御と予約帯域幅の関係の一例を示す図である。図1に示されているように、拠点1,2及び3から所定のメディア情報を受信し、各拠点に配信するためのメディア配信サーバが存在する場合を考える。このメディア配信サーバで各拠点において後述する「ルーム」のルーム予約帯域幅BRが与えられたとき、任意の拠点iの上り帯域up(i)と、任意の拠点jのメディア情報に対する拠点jの下り帯域down(i,j)に対して、以下の(式1)が成り立つようにup(i)とdown(i,j)を制御する。
【0011】
【数1】
【0012】
また、メディア配信サーバが複数台で構成されるシステムでは、指定されたルーム予約帯域幅BRを収容可能なメディア配信サーバが選択され、ルームに対して割り当てられる。
【0013】
このとき、制御方式には以下の方式が考えられる。まず、送信制御においては、例えば、
・各拠点に対して最大ビットレートと優先度(high, normal)を設定
・優先度highの拠点に対してその拠点の最大ビットレートを割り当てる
・優先度normalの拠点に対して残った帯域を割り当てる
等の制御方式が考えられる。また、受信制御においては、例えば、
・各拠点が各相手の拠点のメディア情報を受信するかしないかを設定
・どの拠点からも受信されない拠点は送信を止める
・送受信の停止によって発生した利用可能な帯域(帯域幅)を各拠点の送信に割り当てる
等の制御方式が考えられる。
【0014】
<ルーム予約帯域幅の動的変更>
なお、予め参加拠点数が予測しづらいユースケースに対しては、ルーム予約帯域幅を動的に変更する手段を提供する。ルーム予約帯域幅の変更手段には、例えば、
・APIなどの提供によるルーム予約帯域幅の直接設定手段
・参加拠点数によりルーム予約帯域幅を自動的に調整するモードの設定
等の変更手段が考えられる。また、自動調整モードでは、拠点数N、優先度pである拠点iの送信ビットレートsend(p, i)、定数Bに対して、例えば、以下の(式2)によってルーム予約帯域幅を決定することができる。
【0015】
【数2】
【0016】
上述した予約帯域幅の決定方法は、優先度highの拠点のメディア送信受信に対する帯域を確保しつつ、優先度normalの拠点の送受信帯域の合計は定数Bによって規定され、拠点の数が増えると帯域が狭くなるモードである。
【0017】
〔ルームの概念〕
図2は、ルームの概念の一例を示す図である。「ルーム」とは、メディア情報を相互に配信する一以上の拠点の集合である。図2に示されているメディア配信システム5は、後述する配信制御装置7と一以上のメディア配信サーバ9(1)、9(2)を含み、後述するアプリケーションサーバ3に対してメディア配信の機能を提供するシステムである。
【0018】
また、メディア配信サーバ9は、一以上のルームを含み、メディア配信サーバ9(1)は、例えば、ルーム1、ルーム2を含む。さらに、メディア配信サーバ9(2)は、例えば、ルーム3を含む。更に、ルーム1には、拠点1,拠点2及び拠点3が接続され、それぞれの拠点間で所定のメディア情報が共有される。また、ルーム2には、拠点4及び拠点5が接続され、それぞれの拠点間で所定のメディア情報が共有される。更に、また、ルーム3には、拠点6及び拠点7が接続され、それぞれの拠点間で所定のメディア情報が共有される。これらの各ルームは、それぞれのルームに対してメディア情報を配信するメディア配信サーバが有する最大帯域幅に収まる予約帯域幅にて、各拠点間のメディア情報を相互に配信する。
【0019】
〔通信システムの全体構成〕
<システム構成例>
図3は、通信システムの全体構成の一例を示す図である。図3に示されているように、通信システム1は、一以上の拠点A,B,C、アプリケーションサーバ3、メディア配信システム5を含む。拠点A,B,C、アプリケーションサーバ3、メディア配信システム5は、通信ネットワーク100を介して互いに接続されている。拠点Aには、通信装置の一例としての撮影装置2と、撮影装置2によって撮影された画像(映像)及び集音された音声を表示再生する表示装置4と、が配置されている。拠点Bには、撮影装置6と、撮影装置6によって撮影された画像(映像)及び集音された音声を表示再生する情報処理装置8と、が配置されている。なお、情報処理装置8は、通信装置の一例として機能する。拠点Cには、撮影装置6と、撮影装置6によって撮影された画像(映像)及び集音された音声を表示再生する通信端末10が配置されている。ここで、拠点とは、アプリケーションサーバ3が提供する各アプリケーションを利用する場を表す。これらの各拠点では、ブラウザ、各種アプリが利用者によって利用される環境が整えられている。なお、通信端末10は、通信装置の一例として機能する。
【0020】
メディア配信システム5には、各拠点間の情報を制御してメディア情報の通信のための通信確立を制御する配信制御装置7と、各拠点からメディア情報を受信し、各拠点に配信する一以上のメディア配信サーバ9が含まれる。
【0021】
また、通信ネットワーク100は、不特定多数の通信が行われる通信ネットワークであり、インターネット、イントラネット、LAN(Local Area Network)等によって構築されている。なお、通信ネットワーク100には、有線通信だけでなく、3G(3rd Generation)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、LTE(Long Term Evolution)等の無線通信による通信ネットワークが含まれてもよい。
【0022】
<撮影装置>
撮影装置2は、例えば、拠点を利用する利用者等の被写体や風景等を撮影して全天球パノラマ画像の元になる2つの半球画像を得るための特殊なデジタルカメラである。撮影装置2は、通信ネットワーク100を介して、アプリケーションサーバ3及びメディア配信サーバ9と通信が可能である。また、撮影装置2は、上述したように、撮影された画像(映像)及び集音された音声を表示装置4に送信して表示再生させる。
【0023】
<表示装置>
表示装置4は、例えば、撮影装置2から送信された画像(映像)、音声を表示再生する装置であり、一般的な表示端末である。
【0024】
<撮影装置>
撮影装置6は、例えば、拠点を利用する利用者等の被写体や風景等を撮影して一般の平面画像を得るための一般のデジタルカメラである。また、撮影装置6は、上述したように、撮影された画像(映像)及び集音された音声を情報処理装置8に送信して表示再生させる。
【0025】
<情報処理装置>
情報処理装置8は、一般的なOSなどが搭載された通信を行うためのコンピュータシステムによって実現される。情報処理装置8は、通信ネットワーク100を介して、アプリケーションサーバ3及びメディア配信サーバ9と通信が可能である。
【0026】
情報処理装置8は、例えば、メディア配信システム5と通信するためのブラウザアプリ及びメディア配信サーバ9が送信したメディア情報に会議等の画面などを表示するための画面表示アプリがそれぞれインストールされている。
【0027】
なお、情報処理装置8は、一般的に使用されるPC(Personal Computer)、携帯型ノートPC、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末(サングラス型、腕時計型等)の通信機能を有する通信端末であってもよい。情報処理装置8は、更に、ブラウザソフトウエア等のソフトウエアを動作させることが可能な通信装置又は通信端末が用いられてもよい。
【0028】
<通信端末>
通信端末10は、一般的なOSなどが搭載された通信を行うための一以上の情報処理装置(コンピュータシステム)によって実現される。通信端末10は、通信ネットワーク100を介して、アプリケーションサーバ3及びメディア配信サーバ9と通信が可能である。
【0029】
通信端末10は、例えば、メディア配信システム5と通信するためのブラウザアプリ及びメディア配信サーバ9が送信したメディア情報に会議等の画面などを表示するための画面表示アプリがそれぞれインストールされている。
【0030】
なお、通信端末10は、一般的に使用されるPC(Personal Computer)、携帯型ノートPC、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末(サングラス型、腕時計型等)の通信機能を有する通信端末であってもよい。通信端末10は、更に、ブラウザソフトウエア等のソフトウエアを動作させることが可能な通信装置又は通信端末が用いられてもよい。
【0031】
<アプリケーションサーバ>
アプリケーションサーバ3は、一般的なサーバOSなどが搭載された情報処理装置(コンピュータシステム)によって実現される。アプリケーションサーバ3は、通信システム1を利用してメディア情報を配信するためのアプリケーションを実現するサーバである。また、アプリケーションサーバ3は、アプリケーションごとに発行されたクライアントシークレットを保持し、ルーム生成要求、アクセストークン取得要求、ルーム予約帯域幅変更要求、待機状態問合せ等の各種要求時に、クライアントシークレットを各種要求情報に付与して配信制御装置7に送信する。ここで、アクセストークン取得要求は、各拠点で利用される(各拠点に配置された)通信装置が送信したルーム参加要求に基づいて生成された要求である。また、ルーム予約帯域幅変更要求は、通信装置が送信したルーム参加要求に基づいて生成された要求である。また、待機状態問合せは、通信装置が送信した待機状態問合せを配信制御装置7に転送するものである。このように、アプリケーションサーバ3は、通信装置と配信制御装置7との間を仲介する仲介装置としての機能も有する。
【0032】
また、アプリケーションサーバ3は、単一のコンピュータによって構築されてもよいし、ストレージ等の各部(機能又は手段)を分割して任意に割り当てられた複数のコンピュータによって構築されてもよい。また、アプリケーションサーバ3の機能の全てまたは一部は、クラウド環境に存在するサーバコンピュータであってもよいし、オンプレミス環境に存在するサーバコンピュータであってもよい。
【0033】
<配信制御装置>
配信制御装置7は、一般的なサーバOSなどが搭載された一以上の情報処理装置(コンピュータシステム)によって実現される。上述したように、配信制御装置7は、各拠点間の情報を制御してメディア情報の通信のための通信確立を制御する。また、配信制御装置7は、各拠点に相手拠点のメディア情報を受信するための接続制御情報を配信し、拠点間におけるメディア情報の送受信を制御する。更に、配信制御装置7は、アプリケーションサーバ3によって設定されたルーム予約帯域幅と、各メディア配信サーバの帯域の利用状況に基づいて、ルームをどのメディア配信サーバに割り当てるかを決定する。
【0034】
また、配信制御装置7は、単一のコンピュータによって構築されてもよいし、ストレージ等の各部(機能又は手段)を分割して任意に割り当てられた複数のコンピュータによって構築されてもよい。また、配信制御装置7の機能の全てまたは一部は、クラウド環境に存在するサーバコンピュータであってもよいし、オンプレミス環境に存在するサーバコンピュータであってもよい。
【0035】
<メディア配信サーバ>
メディア配信サーバ9は、一般的なサーバOSなどが搭載された一以上の情報処理装置(コンピュータシステム)によって実現される。メディア配信サーバ9は、各拠点からメディア情報を受信し、各拠点に配信するためのサーバである。また、メディア配信サーバ9は、サーバの性能によって送受信に利用可能な最大帯域が決まっているため、その範疇においてメディア情報の配信を行う。メディア配信サーバ9は、更に、メディア配信システム5において複数台で構成され、必要によってスケールアウトする。
【0036】
また、メディア配信サーバ9は、単一のコンピュータによって構築されてもよいし、ストレージ等の各部(機能又は手段)を分割して任意に割り当てられた複数のコンピュータによって構築されてもよい。また、メディア配信サーバ9の機能の全てまたは一部は、クラウド環境に存在するサーバコンピュータであってもよいし、オンプレミス環境に存在するサーバコンピュータであってもよい。
【0037】
●用語について●
本実施形態においてメディア情報とは、各拠点間でメディア配信サーバ9を媒体として(介して)送受信される情報をいう。この情報には、画像(映像)に係る情報、音声(音)に係る情報が含まれる。メディア情報は、より具体的には、画像(映像)データ、音声データ、チャットなどのテキストデータ、共有したファイルなどの情報を含む。なお、本実施形態では、メディア情報の一例として、主に、各拠点における人物、空間等を含む画像(映像)データに係る画像(映像)を扱う。
【0038】
〔ハードウエア構成〕
続いて、図4乃至図7を用いて、実施形態に係る通信システムを構成する装置又は端末のハードウエア構成について説明する。なお、図4乃至図7に示されている装置又は端末のハードウエア構成は、必要に応じて構成要素が追加又は削除されてもよい。
【0039】
<撮影装置のハードウエア構成>
まず、図4用いて、撮影装置2のハードウエア構成を説明する。図4は、撮影装置のハードウエア構成の一例を示す図である。以下では、撮影装置2は、2つの撮像素子を使用した全天球(全方位)撮影装置とするが、撮像素子は2つ以上いくつでもよい。また、必ずしも全方位撮影専用の装置である必要はなく、通常のデジタルカメラやスマートフォン等に後付けの全方位撮影ユニットを取り付けることで、実質的に撮影装置2と同じ機能を有するようにしてもよい。
【0040】
図4に示されているように、撮影装置2は、例えば、撮像ユニット201、画像処理ユニット204、撮像制御ユニット205、マイク208、音処理ユニット209、CPU(Central Processing Unit)211、ROM(Read Only Memory)212、SRAM(Static Random Access Memory)213、DRAM(Dynamic Random Access Memory)214、操作部215、ネットワークI/F216、通信部217、アンテナ217a及び電子コンパス218によって構成されている。
【0041】
このうち、撮像ユニット201は、各々半球画像を結像するための180°以上の画角を有する広角レンズ(いわゆる魚眼レンズ)202a,202bと、各広角レンズに対応させて設けられている2つの撮像素子203a,203bを備えている。撮像素子203a,203bは、魚眼レンズ202a,202bによる光学像を電気信号の画像データに変換して出力するCMOSセンサやCCD(Charge Coupled Device)センサなどの画像センサ、この画像センサの水平又は垂直同期信号や画素クロックなどを生成するタイミング生成回路、この撮像素子の動作に必要な種々のコマンドやパラメータなどが設定されるレジスタ群などを有している。
【0042】
撮像ユニット201の撮像素子203a,203bは、各々、画像処理ユニット204とパラレルI/Fバスで接続されている。一方、撮像ユニット201の撮像素子203a,203bは、撮像制御ユニット205とは別に、シリアルI/Fバス(I2Cバス等)で接続されている。画像処理ユニット204及び撮像制御ユニット205は、バス210を介してCPU211と接続される。更に、バス210には、ROM212、SRAM213、DRAM214、操作部215、ネットワークI/F216、通信部217、及び電子コンパス218などが接続される。
【0043】
画像処理ユニット204は、撮像素子203a,203bから出力される画像データをパラレルI/Fバスを通して取り込み、それぞれの画像データに対して所定の処理を施した後、これらの画像データを合成処理して、図3(c)に示されているようなメルカトル画像のデータを生成する。
【0044】
撮像制御ユニット205は、一般に撮像制御ユニット205をマスタデバイス、撮像素子203a,203bをスレーブデバイスとして、I2Cバスを利用して、撮像素子203a,203bのレジスタ群にコマンド等を設定する。必要なコマンド等は、CPU211から受け取る。また、撮像制御ユニット105は、同じくI2Cバスを利用して、撮像素子203a,203bのレジスタ群のステータスデータ等を取り込み、CPU211に送る。
【0045】
また、撮像制御ユニット205は、操作部215のシャッターボタンが押下されたタイミングで、撮像素子203a,203bに画像データの出力を指示する。撮影装置2によっては、ディスプレイ(例えば、表示装置4)によるプレビュー表示機能、動画表示に対応する機能等を持つ場合もある。この場合は、撮像素子203a,203bからの画像データの出力は、所定のフレームレート(フレーム/分)によって連続して行われる。
【0046】
また、撮像制御ユニット205は、後述するように、CPU211と協働して撮像素子203a,203bの画像データの出力タイミングの同期をとる同期制御手段としても機能する。なお、本実施形態では、撮影装置2には表示部(ディスプレイ)が設けられていないが、表示部を設けてもよい。
【0047】
マイク208は、音声等の音を音データ(信号)に変換する。音処理ユニット209は、マイク208から出力される音データをI/Fバスを通して取り込み、音データに対して所定の処理を施す。
【0048】
CPU211は、撮影装置2の全体の動作を制御すると共に必要な処理を実行する。ROM212は、CPU211のための種々のプログラムを記憶している。SRAM213及びDRAM214はワークメモリであり、CPU211で実行するプログラムや処理途中のデータ等を記憶する。特にDRAM214は、画像処理ユニット204での処理途中の画像データや処理済みのメルカトル画像のデータを記憶する。
【0049】
操作部215は、種々の操作ボタンや電源スイッチ、シャッターボタン、表示と操作の機能を兼ねたタッチパネルなどの総称である。利用者は操作ボタンを操作することで、種々の撮影モードや撮影条件などを入力することが可能である。
【0050】
ネットワークI/F216は、SDカード等の外付けのメディアやパーソナルコンピュータなどとのインターフェイス回路(USBI/F等)の総称である。また、ネットワークI/F216は、無線、有線を問わない。DRAM214に記憶されたメルカトル画像のデータは、このネットワークI/F216を介して外付けのメディアに記録されたり、必要に応じてネットワークI/F216を介して外部装置に送信されたりする。
【0051】
通信部217は、撮影装置2に設けられたアンテナ217aを介して、NFC(Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標。以下、省略)、Wi-Fi(登録商標。以下、省略)等の近距離無線通信技術によって、ビデオ会議端末3a等の外部装置と通信を行う。この通信部217によっても、メルカトル画像のデータを外部装置に送信することができる。
【0052】
電子コンパス218は、地球の磁気から撮影装置2の方位及び傾き(Roll回転角)を算出し、方位・傾き情報を出力する。この方位・傾き情報はExifに沿った関連情報(メタデータ)の一例であり、撮影画像の画像補正等の画像処理に利用される。なお、関連情報には、画像の撮影日時、及び画像データのデータ容量の各データも含まれている。
【0053】
<表示装置、情報処理装置、通信端末のハードウエア構成>
次に、図5用いて、表示装置、情報処理装置及び通信端末のハードウエア構成を説明する。図5は、表示装置、情報処理装置及び通信端末のハードウエア構成の一例を示す図である。図5に示されているように、表示装置4は、例えばコンピュータによって構築されている。表示装置4は、例えば、CPU401、ROM402、RAM403、EEPROM404、ディスプレイ407、近距離通信回路408、ネットワークI/F411、外部機器接続I/F416及びバスライン420を備えている。
【0054】
これらのうち、CPU401は、表示装置4の全体の動作を制御する。ROM402は、CPU401の処理に用いられるプログラムを記憶する。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。EEPROM404は、CPU401の制御にしたがって、アプリ等の各種データの読出し又は書込みを行う。ディスプレイ407は、被写体の画像や文字、各種アイコン等を表示する液晶や有機EL(Electro Luminescence)などの表示手段の一種である。近距離通信回路408は、NFC、Bluetooth、ミリ波無線通信、Wi-Fi、QRコード(登録商標。以下、省略)、可視光、環境音又は超音波等の無線通信インターフェイスを備える通信装置又は通信端末等と近距離無線通信を行うための通信回路である。
【0055】
ネットワークI/F411は、通信ネットワーク100を介して他の機器と各種データ(情報)通信するための通信インターフェイスである。外部機器接続I/F416は、各種の外部機器を接続するためのインターフェイスである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ等である。バスライン420は、CPU401等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバス、データバス等である。
【0056】
また、図5に示されているように情報処理装置8は、例えばコンピュータによって構築されている。情報処理装置8は、例えば、CPU801、ROM802、RAM803、EEPROM804、HD805、HDDコントローラ806、ディスプレイ807、近距離通信回路808、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ809、撮像素子I/F(Inter face)810、ネットワークI/F811、キーボード812、ポインティングデバイス813、メディアI/F815、外部機器接続I/F816、音入出力I/F817、マイク818、スピーカ819、及びバスライン820を備えている。これらのうち、CPU801、ROM802、RAM803、EEPROM804、ディスプレイ807、近距離通信回路808、ネットワークI/F811及び外部機器接続I/F816は、表示装置4のCPU401、ROM402、RAM403、EEPROM404、ディスプレイ407、近距離通信回路408、ネットワークI/F411及び外部機器接続I/F416の各ハードウエア資源と同様であるため、説明を省略する。
【0057】
HD805は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ806は、CPU801の制御にしたがってHD805に対する各種データの読出し又は書込みを制御する。CMOSセンサ809は、CPU801の制御にしたがって被写体を撮像して画像データ又は動画データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、撮像手段は、CMOSセンサではなく、CCD(Charge Coupled Device)センサ等で構成される撮像手段であってもよい。撮像素子I/F810は、CMOSセンサ809の駆動を制御する回路である。キーボード812は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス813は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。メディアI/F815は、フラッシュメモリ等の記録メディア814に対するデータの読出し又は書込み(記憶)を制御する。音入出力I/F817は、CPU801の制御にしたがってマイク818及びスピーカ819との間で音信号の入出力を処理する回路である。マイク818は、音を電気信号に変える内蔵型の回路であり、外部のスピーカ等から発する音声や音波を取得し電気信号を用いた情報を取得する。スピーカ819は、電気信号を物理振動に変えて音楽や音声などの音を生み出す内蔵型の回路である。
【0058】
また、図5に示されているように通信端末10は、例えばコンピュータによって構築されている。通信端末10は、例えば、CPU1001、ROM1002、RAM1003、EEPROM1004、ディスプレイ1007、近距離通信回路1008、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ1009、撮像素子I/F(Inter face)1010、ネットワークI/F1011、ポインティングデバイス1013、メディアI/F1015、外部機器接続I/F1016、音入出力I/F1017、マイク1018、スピーカ1019、及びバスライン1020を備えている。これらのうち、CPU1001、ROM1002、RAM1003、EEPROM1004、ディスプレイ1007、近距離通信回路1008、ネットワークI/F1011及び外部機器接続I/F1016は、表示装置4のCPU401、ROM402、RAM403、EEPROM404、ディスプレイ407、近距離通信回路408、ネットワークI/F411及び外部機器接続I/F416の各ハードウエア資源と同様であるため、説明を省略する。さらに、CMOSセンサ1009、撮像素子I/F1010、ポインティングデバイス1013、メディアI/F1015、音入出力I/F1017、マイク1018及びスピーカ1019は、情報処理装置8のCMOSセンサ809、撮像素子I/F810、ポインティングデバイス813、メディアI/F815、音入出力I/F817、マイク818及びスピーカ819の各ハードウエア資源と同様であるため、説明を省略する。
【0059】
<撮影装置のハードウエア構成>
次に、図6用いて、撮影装置のハードウエア構成を説明する。図6は、撮影装置のハードウエア構成の一例を示す図である。図6に示されているように、撮影装置6は、例えばライブ配信用に用いられるカメラ又はそれに準ずる撮影装置である。撮影装置6は、例えば、CPU601、ROM602、RAM603、EEPROM604、近距離通信回路608、CMOSセンサ609、撮像素子I/F610、ネットワークI/F611、操作パネル612、操作部I/F613、外部機器接続I/F616、音入出力I/F617、マイク618、スピーカ619及びバスライン620を備えている。
【0060】
これらのうちCPU601、ROM602、RAM603、EEPROM604、近距離通信回路608、ネットワークI/F611、外部機器接続I/F616及びバスライン620は、図5に示した表示装置4のCPU401、ROM402、RAM403、EEPROM404、近距離通信回路408、ネットワークI/F411、外部機器接続I/F416及びバスライン420の各ハードウエア資源と同様であるため、説明を省略する。
【0061】
また、CMOSセンサ609、撮像素子I/F610、音入出力I/F617、マイク618、スピーカ619は、図5に示した情報処理装置8のCMOSセンサ809、撮像素子I/F810、音入出力I/F817、マイク818、スピーカ819の各ハードウエア資源と同様であるため、説明を省略する。
【0062】
操作パネル612は、種々の操作ボタンや電源スイッチ、シャッターボタン、及び表示と操作の機能を兼ね備えたタッチパネル等の総称である。利用者は、操作パネル612を操作することで、種々の撮影モード、撮影条件等を入力することができる。操作部I/F613は、利用者によって入力された種々の撮影モード、撮影条件等の情報を撮影装置6に与えるためのインターフェイスである。
【0063】
<アプリケーションサーバ、配信制御装置、メディア配信サーバのハードウエア構成>
次に、図7用いて、アプリケーションサーバ、配信制御装置及びメディア配信サーバのハードウエア構成を説明する。図7は、アプリケーションサーバ、配信制御装置及びメディア配信サーバのハードウエア構成の一例を示す図である。図7に示されているように、アプリケーションサーバ3は、例えばコンピュータによって構築されている。アプリケーションサーバ3は、例えば、CPU301、ROM302、RAM303、EEPROM304、HD305、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ306、近距離通信I/F308、ネットワークI/F311、キーボード312、ポインティングデバイス313、メディアI/F315、外部機器接続I/F516及びバスライン320を備えている。これらの各ハードウエア資源は、図5に示した表示装置4のCPU401、ROM402、RAM403、EEPROM404、近距離通信回路408、ネットワークI/F411、外部機器接続I/F416及びバスライン420の各ハードウエア資源と同様であるため、説明を省略する。
【0064】
また、HD305、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ306、キーボード312、ポインティングデバイス313、メディアI/F315及び外部機器接続I/F516は、図5に示した情報処理装置8のHD805、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ806、キーボード812、ポインティングデバイス813、メディアI/F815及び外部機器接続I/F816と同様であるため、説明を省略する。
【0065】
また、図7に示されているように配信制御装置7は、例えばコンピュータによって構築されている。配信制御装置7は、例えば、CPU701、ROM702、RAM703、EEPROM704、HD705、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ706、近距離通信I/F708、ネットワークI/F711、キーボード712、ポインティングデバイス713、メディアI/F715、外部機器接続I/F716及びバスライン720を備えている。これらの各ハードウエア資源は、アプリケーションサーバ3のCPU301、ROM302、RAM303、EEPROM304、HD305、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ306、近距離通信I/F308、ネットワークI/F311、キーボード312、ポインティングデバイス313、メディアI/F315、外部機器接続I/F516及びバスライン320各ハードウエア資源と同様であるため、説明を省略する。
【0066】
また、図7に示されているようにメディア配信サーバ9は、例えばコンピュータによって構築されている。メディア配信サーバ9は、例えば、CPU901、ROM902、RAM903、EEPROM904、HD905、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ906、近距離通信I/F908、ネットワークI/F911、キーボード912、ポインティングデバイス913、メディアI/F915、外部機器接続I/F916及びバスライン920を備えている。これらの各ハードウエア資源は、アプリケーションサーバ3のCPU301、ROM302、RAM303、EEPROM304、HD305、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ306、近距離通信I/F308、ネットワークI/F311、キーボード312、ポインティングデバイス313、メディアI/F315、外部機器接続I/F516及びバスライン320各ハードウエア資源と同様であるため、説明を省略する。
【0067】
更に、上述したプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、コンピュータで読取り可能な記録媒体に記録、又はネットワークを介してダウンロードを行い流通させるようにしてもよい。記録媒体の例として、CD-R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)、Blu-ray Disc、SDカード、USBメモリ等が挙げられる。また、記録媒体は、プログラム製品(Program Product)として、国内又は国外へ提供されることができる。例えば、配信制御装置7は、本発明に係るプログラムが実行されることで、本発明に係る配信制御方法を実現する。
【0068】
〔通信システムの機能構成〕
次に、図8乃至図15を用いて、本実施形態の機能構成について説明する。図8は、通信システムの機能構成の一例を示す図である。
【0069】
<配信制御装置の機能構成>
図8に示されているように、配信制御装置7は、送受信部71、取得部72、算出部73、選択割当部74、判断部75、検証部76、生成署名部77、状態管理部78及び記憶読出部79を有する。これら各機能部は、図7に示された各ハードウエア資源のいずれかが、ROM702、EEPROM704及びHD705のうち少なくとも一つからRAM703に展開された配信制御装置7用のプログラムに従ったCPU701からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。また、配信制御装置7は、図7に示されているROM702、EEPROM704及びHD705のうち少なくとも一つにより構築される記憶部7000を有している。更に、記憶部7000には、各拠点で利用される通信装置、アプリケーションサーバ3及びメディア配信サーバ9と通信ネットワーク100を介して通信を行うための通信プログラム(通信アプリ)と、メディア情報を表示するためのブラウザアプリ等が記憶されている。
【0070】
<<配信制御装置の各機能構成>>
次に、配信制御装置7の各機能構成について詳細に説明する。図8に示されている配信制御装置7の送受信部71は、主に、ネットワークI/F711及び近距離通信I/F708に対するCPU701の処理によって実現され、通信ネットワーク100を介して通信装置、アプリケーションサーバ3及びメディア配信サーバ9との間で各種データ(又は情報)の送受信を行う。また、送受信部71は、所定の拠点の通信装置に対して、接続要求に対する応答としての接続応答を送信する。この場合の所定の拠点の通信装置とは、後述する選択割当部74によって割り当てられた配信可能なメディア配信サーバに接続するための接続要求に係る情報を送信した所定の集合拠点に含まれる所定の拠点で利用される通信装置である。また、接続応答には配信可能なメディア配信サーバを宛先とする宛先情報(アドレス情報)が含まれる。また、送受信部71は、新たに割り当てられた他のメディア配信サーバを再接続するための再接続要求に係る情報を、所定の集合拠点に含まれる各拠点の通信装置に対して送信する。また、送受信部71は、生成されたアクセストークンを所定の集合拠点に含まれる各拠点の通信装置が受信するように送信する。また、送受信部71は、各拠点の通信装置が送信した、配信可能なメディア配信サーバとの接続を要求するためのアクセストークンを含む接続要求に対する接続応答を、各拠点の通信装置に対して送信する。本実施形態において、送受信部71は、送信手段及び受信手段のうち少なくとも一方の手段の一例として機能する。
【0071】
取得部72は、主に、CPU701の処理によって実現され、各拠点から、後述するルーム識別情報と拠点識別情報とを含むアクセストークンを取得する。本実施形態において、取得部72は、取得手段の一例として機能する。
【0072】
算出部73は、主に、CPU701の処理によって実現され、メディア配信サーバ9における利用可能な帯域幅の算出を行う。具体的には、算出部73は、所定のメディア配信サーバで必要とする配信に係る予約帯域幅と、所定のメディア配信サーバで利用可能な最大予約帯域幅との差分を算出する。本実施形態において、算出部73は、算出手段の一例として機能する。
【0073】
選択割当部74は、CPU701の処理によって実現され、メディア配信サーバ9における利用可能な帯域幅の算出を行う。選択割当部74は、所定のメディア配信サーバで必要とする配信に係る予約帯域幅と、所定のメディア配信サーバで利用可能な最大予約帯域幅と、に基づいて選択されたメディア配信サーバを、所定のメディア情報を共有する一以上の拠点を含む所定の集合拠点における各拠点の通信装置に配信可能なメディア配信サーバとして割り当てる。また、選択割当部74は、予約帯域幅が最大予約帯域幅を超える場合、所定のメディア配信サーバに代えて予約帯域幅を収容可能な他のメディア配信サーバを、各拠点の通信装置に配信可能なメディア配信サーバとして割り当てる。また、選択割当部74は、予約帯域幅が最大予約帯域幅を超える場合、所定のメディア配信サーバに代えて増設されたメディア配信サーバを、所定のメディア情報を各拠点の通信装置に配信可能な新たなメディア配信サーバに割り当てる。また、選択割当部74は、予約帯域幅が最大予約帯域幅を超える場合、所定のメディア配信サーバで管理される特定の集合拠点を所定のメディア配信サーバから他のメディア配信サーバに移動した後、所定のメディア配信サーバを、各拠点の通信装置に配信可能なメディア配信サーバとして割り当てる。また、選択割当部74は、算出部73によって算出された差分に基づいて、予約帯域幅を収容可能な他のメディア配信サーバに割り当てる。また、選択割当部74は、後述する判断部75によって予約帯域幅が予約帯域幅に収容可能であると判断された場合に、メディア配信サーバを所定のメディア配信サーバに割り当て、判断部75によって予約帯域幅が予約帯域幅に収容可能でないと判断された場合に、メディア配信サーバを他のメディア配信サーバに代えて割り当てる。本実施形態において、選択割当部74は、割当手段の一例として機能する。
【0074】
判断部75は、主に、CPU701の処理によって実現され、配信制御装置7における各種判断を行う。具体的には、判断部75は、算出部73によって算出された所定のメディア配信サーバで必要とする配信に係る予約帯域幅が、所定のメディア配信サーバで利用可能な最大予約帯域幅に収容可能か(最大予約帯域幅以下であるか)を判断する。本実施形態において、判断部75は、判断手段の一例として機能する。
【0075】
検証部76は、主に、CPU701の処理によって実現され、アプリケーションサーバ3が送信したルーム生成要求、アクセストークン取得要求、各拠点が送信した接続要求、ルーム参加要求に基づいて後述するクライアント管理DBを参照してクライアントの検証を行う。本実施形態において、検証部76は、検証手段の一例として機能する。
【0076】
生成署名部77は、主に、CPU701の処理によって実現され、検証部76によってクライアントの検証が行われた場合に、後述するルーム識別情報と拠点識別情報を含むアクセストークンを生成し、クライアントに係るクライアントシークレットを用いて署名を行う。また、生成署名部77は、所定の拠点の通信装置が送信した所定の集合拠点に対する所定の参加要求、及び他の拠点の通信装置が送信した所定の集合拠点に対する他の参加要求の少なくとも一方に基づいて、所定の集合拠点を識別する集合拠点識別情報と、所定の拠点を識別する所定拠点識別情報及び他の拠点を識別する他拠点識別情報のいずれか一方の拠点識別情報と、を含むアクセストークンを生成する。本実施形態において、生成署名部は、生成手段の一例として機能する。更に、生成署名部は、署名手段の一例として機能する。
【0077】
なお、本実施形態に係る通信システムにおいて生成署名部77は、配信制御装置7に備えられる構成以外に、通信ネットワーク100を介して配信制御装置7と各拠点の通信装置とを互いに通信可能な他の装置が有するような構成であってもよい。さらに、生成署名部77は、メディア配信サーバ9が有するような構成であってもよい。
【0078】
状態管理部78は、主に、CPU701の処理によって実現され、送受信部71がメディア配信サーバ9から受信したメディア配信サーバセットアップ完了通知に基づいて、後述するメディア配信サーバ管理DBを参照して、メディア配信サーバの状態を変更する。また、本実施形態において、状態管理部78は、状態管理手段の一例として機能する。
【0079】
記憶読出部79は、主に、ROM702、EEPROM704及びHD705のうち少なくとも一つに対するCPU701の処理によって実現され、記憶部7000に各種データ(又は情報)を記憶したり、記憶部7000から各種データ(又は情報)を読み出したりする。本実施形態において、記憶読出部79は、記憶読出手段の一例として機能する。
【0080】
●クライアント管理テーブル●
図9は、クライアント管理テーブルの一例を示す概念図である。記憶部7000には、図9に示されているようなクライアント管理テーブルによって構成されたクライアント管理DB7001が構築されている。クライアント管理テーブルでは、クライアントを識別するクライアント識別情報ごとにクライアントキーとクライアントシークレットの各項目が関連付けられて記憶、管理されている。
【0081】
これらのうち、クライアントキーは、アプリケーションサーバ3に対してアプリケーションに固有な情報であり、例えば、「AAAAAAAA」、「CCCCCCCC」等の情報で与えられる。クライアントシークレットは、クライアントキーと対で管理されるアプリケーションに固有な他の情報であり、例えば、「BBBBBBBB」、「DDDDDDDD」等の情報で与えられる。
【0082】
●メディア配信サーバ管理テーブル●
図10は、メディア配信サーバ管理テーブルの一例を示す概念図である。記憶部7000には、図10に示されているようなメディア配信サーバ管理テーブルによって構成されたメディア配信サーバ管理DB7002が構築されている。メディア配信サーバ管理テーブルでは、メディア配信サーバ9を識別するメディア配信サーバ識別情報ごとに最大予約帯域幅、アドレス情報及び状態の各項目が関連付けられて記憶、管理されている。
【0083】
これらのうち、最大予約帯域幅は、メディア配信サーバ9の性能によって予め決められているメディア情報の送受信に係る最大帯域幅を表し、例えば、100[Mbps]等の帯域幅が与えられる。アドレス情報は、メディア配信サーバ9に与えられたアドレス情報であり、例えば、「sfu1@example.com」で与えられる。状態は、メディア配信サーバ9の状態を表し、例えば、「セットアップ中」、「セットアップ完了」等の状態で管理される。
【0084】
●ルーム管理テーブル●
図11は、ルーム管理テーブルの一例を示す概念図である。記憶部7000には、図11に示されているようなルーム管理テーブルによって構成されたルーム管理DB7003が構築されている。ルーム管理テーブルでは、クライアント識別情報ごとにルーム識別情報、予約帯域幅、メディア配信サーバ識別情報及び拠点識別情報が関連付けられて記憶、管理されている。
【0085】
これらのうち、ルーム識別情報は、一以上の拠点の集合である集合拠点を識別するための情報で、例えば、「R0002」、「R0003」等で与えられる。なお、本実施形態では、集合拠点を「ルーム」とよぶ。予約帯域幅は、クライアントがルームを予約する際に使用される帯域幅を表し、例えば、90[Mbps]、50[Mbps]等の帯域幅が与えられる。本実施形態においては、この予約帯域幅の値又は予約帯域幅の合計値が、対応するメディア配信サーバの最大予約帯域幅を超えないように制御される。メディア配信サーバ識別情報は、メディア配信サーバ9を識別するための情報で、例えば、「M0091」、「M0092」等で与えられる。拠点識別情報は、ルームに含まれる各拠点を識別するための情報で、例えば、「MB000A」、「B000B」等で与えられる。
【0086】
●アクセストークン管理テーブル●
図12は、アクセストークン管理テーブルの一例を示す概念図である。記憶部7000には、図12に示されているようなアクセストークン管理テーブルによって構成されたアクセストークン管理DB7004が構築されている。アクセストークン管理テーブルでは、アクセストークンを構成するキー名に対してその値が関連付けられて記憶、管理されている。これらのうち、キー名には、上述したルーム識別情報、拠点識別情報等が含まれる。また、値には、ルーム識別情報に対応する値として、例えば、「R0001」等が与えられる。さらに、拠点識別情報に対応する値として、例えば、「B000A」等が与えられる。
【0087】
<メディア配信サーバの機能構成>
図8に戻り、メディア配信サーバ9は、送受信部91、生成部96、実行部97及び記憶読出部99を有する。これら各機能部は、図7に示された各ハードウエア資源のいずれかが、ROM902、EEPROM904及びHD905のうち少なくとも一つからRAM903に展開されたメディア配信サーバ9用のプログラムに従ったCPU901からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。また、メディア配信サーバ9は、図7に示されているROM902、EEPROM904及びHD905のうち少なくとも一つにより構築される記憶部9000を有している。更に、記憶部9000には、各拠点で利用される通信装置、アプリケーションサーバ3及び配信制御装置7と通信ネットワーク100を介して通信を行うための通信プログラム(通信アプリ)と、メディア情報を表示するためのブラウザアプリ等が記憶されている。なお、本実施形態においてメディア配信サーバ9は、メディア配信システム5において一以上含まれるが、特に指定のない限り、各機能部に付与される番号を、上述したとおり送受信部91、生成部96、実行部97及び記憶読出部99と記す。
【0088】
<<メディア配信サーバの各機能構成>>
次に、メディア配信サーバ9の各機能構成について詳細に説明する。図8に示されているメディア配信サーバ9の送受信部91は、主に、ネットワークI/F911及び近距離通信I/F908に対するCPU901の処理によって実現され、通信ネットワーク100を介して通信装置、アプリケーションサーバ3及び配信制御装置7との間で各種データ(又は情報)の送受信を行う。本実施形態において、送受信部91は、送信手段及び受信手段のうち少なくとも一方の手段の一例として機能する。
【0089】
生成部96は、主に、CPU901の処理によって実現され、配信制御装置7から受信したルーム識別情報と拠点識別情報とを暗号化して、クレデンシャル情報を生成する。このとき、生成部96は、自身のセットアップ時に保持した共有鍵を用いてクレデンシャル情報を生成する。生成部96が生成するクレデンシャル情報は、後述する各拠点の通信装置が送信するクレデンシャル情報に基づいて、受信したクレデンシャル情報を共有鍵を用いて復号化し、ルーム識別情報と拠点識別情報とを取り出すことで拠点の正当性を検証し、どの拠点同士を同じルームで管理するかを識別する。本実施形態において生成部96は、生成手段の一例として機能する。
【0090】
実行部97は、主に、CPU901の処理によって実現され、配信制御装置7が送信した起動要求に基づいて、メディア配信サーバ9自身のセットアップを実行する。本実施形態において、実行部97は、実行手段の一例として機能する。
【0091】
記憶読出部99は、主に、ROM902、EEPROM904及びHD905のうち少なくとも一つに対するCPU901の処理によって実現され、記憶部9000に各種データ(又は情報)を記憶したり、記憶部9000から各種データ(又は情報)を読み出したりする。本実施形態において、記憶読出部99は、記憶読出手段の一例として機能する。
【0092】
<アプリケーションサーバの機能構成>
図13は、通信システムの機能構成の一例を示す図である。図13に示されているように、アプリケーションサーバ3は、送受信部31、判断部35、要求部36及び記憶読出部39を有する。これら各機能部は、図7に示された各ハードウエア資源のいずれかが、ROM302、EEPROM304及びHD305のうち少なくとも一つからRAM303に展開されたアプリケーションサーバ3用のプログラムに従ったCPU301からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。また、アプリケーションサーバ3は、図7に示されているROM302、EEPROM304及びHD305のうち少なくとも一つにより構築される記憶部3000を有している。更に、記憶部3000には、各拠点で利用される通信装置、配信制御装置7及びメディア配信サーバ9と通信ネットワーク100を介して通信を行うための通信プログラム(通信アプリ)と、メディア情報配信アプリケーション等が記憶されている。
【0093】
<<アプリケーションサーバの各機能構成>>
次に、アプリケーションサーバ3の各機能構成について詳細に説明する。図13に示されているアプリケーションサーバ3の送受信部31は、主に、ネットワークI/F311及び近距離通信I/F308に対するCPU301の処理によって実現され、通信ネットワーク100を介して通信装置、配信制御装置7及びメディア配信サーバ9との間で各種データ(又は情報)の送受信を行う。また、送受信部31は、配信制御装置7に対してルーム生成要求、アクセストークン取得要求、ルーム予約帯域幅変更要求、待機状態問合せ等の各種要求に係る情報を配信制御装置7に対して送信する。また、送受信部31は、上述した各種要求に対する配信制御装置7の各種応答を受信する。本実施形態において、送受信部31は、送信手段及び受信手段のうち少なくとも一方の手段の一例として機能する。
【0094】
判断部35は、主に、CPU301の処理によって実現され、各拠点が送信したルーム参加要求に対して、メディア配信サーバ9の予約帯域幅変更の変更が必要であるかを判断する。なお、判断部35は、メディア配信サーバ9の予約帯域幅変更の変更が必要であるか否かを判断するようにしてもよい。本実施形態において、判断部35は、判断手段の一例として機能する。
【0095】
要求部36は、主に、CPU301の処理によって実現され、配信制御装置7に対して、上述したルーム生成要求、アクセストークン取得要求、ルーム予約帯域幅変更要求、待機状態問合せ等の各種要求を行う。本実施形態において、要求部36は、要求手段の一例として機能する。
【0096】
記憶読出部39は、主に、ROM302、EEPROM304及びHD305のうち少なくとも一つに対するCPU301の処理によって実現され、記憶部3000に各種データ(又は情報)を記憶したり、記憶部3000から各種データ(又は情報)を読み出したりする。本実施形態において、記憶読出部39は、記憶読出手段の一例として機能する。
【0097】
●クライアント管理テーブル●
図14は、クライアント管理テーブルの一例を示す概念図である。記憶部3000には、図14に示されているようなクライアント管理テーブルによって構成されたクライアント管理DB3001が構築されている。このクライアント管理DB001は、上述したクライアント管理DB7001と同様の構成を有するため、詳細の説明を省略する。
【0098】
<通信装置の機能構成>
図15は、通信システムの機能構成の一例を示す図である。図15に示されているように、拠点Aに配置された(拠点Aで利用される)通信装置Aは、送受信部A1、撮像取得部A2、音処理部A3、表示制御部A4、処理起動部A8及び記憶読出部A9を有する。これら各機能部は、図4に示された各ハードウエア資源のいずれかが、ROM212、SRAM213のうち少なくとも一つからDRAM214に展開された通信装置用のプログラムに従ったCPU211からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。また、通信装置は、図4に示されているROM212、SRAM213のうち少なくとも一つにより構築される記憶部A10を有している。更に、記憶部A10には、アプリケーションサーバ3、配信制御装置7及びメディア配信サーバ9と通信ネットワーク100を介して通信を行うための通信プログラム(通信アプリ)等が記憶されている。なお、拠点Bに配置された(拠点Bで利用される)通信装置B、拠点Cに配置された(拠点Cで利用される)通信装置Cについても、通信装置Aと同様のハードウエア資源により実現されるため、詳細の説明を省略する。
【0099】
<<通信装置の各機能構成>>
次に、通信装置Aの各機能構成について詳細に説明する。ここでも同様に、通信装置B及び通信装置Cの各機能構成は通信装置Aの機能構成と同様のため、詳細な説明を省略する。図15に示されている通信装置Aの送受信部A1は、主に、ネットワークI/F311及び近距離通信I/F308に対するCPU301の処理によって実現され、通信ネットワーク100を介して通信装置、配信制御装置7及びメディア配信サーバ9との間で各種データ(又は情報)の送受信を行う。本実施形態において、送受信部A1は、送信手段及び受信手段のうち少なくとも一方の手段の一例として機能する。
【0100】
撮像取得部A2は、主に、撮像素子203a、203b、撮像制御ユニット205に対するCPU211の処理によって実現され、各拠点(拠点A)の利用者を被写体として被写体の顔等を撮像して画像(映像)を取得する。本実施形態において、撮像取得部A2は、撮像取得手段の一例として機能する。
【0101】
音処理部A3は、主に、マイク208及び音処理ユニット209に対するCPU211の処理によって実現され、各拠点(拠点A)で発話される発話音声、各拠点(拠点A)で発生する音を集音して音信号に生成する処理を行う。本実施形態において、音処理部A3は、音処理手段の一例として機能する。
【0102】
表示制御部A4は、主に、表示装置4に対するCPU211の処理によって実現され、通信装置Aにおける各種画面及び情報(データ)の表示制御を行う。また、表示制御部A4は、例えば、ブラウザを用いて、HTML等により作成された表示画面を、表示装置4に表示させる。また、表示制御部A4は、配信可能なメディア配信サーバが送信した所定のメディア情報を表示装置4等に表示する。本実施形態において、表示制御部A4は、表示制御手段の一例として機能する。
【0103】
処理起動部A8は、主に、CPU211の処理によって実現され、メディア情報配信サービスを実行するために通信装置Aにインストールされたメディア情報配信アプリの起動を行う。また、処理起動部A8は、通信装置Aで管理されているメディア情報配信アプリ及びブラウザアプリを、DRAM214の所定の作業領域上で動作させる。また、処理起動部A8は、配信制御装置7が送信したメディア配信サーバ再接続要求に応じて、現在接続しているメディア配信サーバを切断し、新たなメディア配信サーバへの接続処理を行う。本実施形態において、処理起動部A8は、起動処理手段の一例として機能する。
【0104】
記憶読出部A9は、主に、ROM212及びSRAM213のうち少なくとも一つに対するCPU211の処理によって実現され、記憶部A10に各種データ(又は情報)を記憶したり、記憶部A10から各種データ(又は情報)を読み出したりする。本実施形態において、記憶読出部A9は、記憶読出手段の一例として機能する。
【0105】
〔実施形態の処理又は動作〕
<ルームの生成>
次に、図16乃至図22を用いて、第1の実施形態に係る通信システムにおける各処理又は動作を説明する。図16は、ルームの生成処理の一例を示すシーケンス図である。まず、アプリケーションサーバ3の記憶読出部39は、クライアント管理DB3001(図14参照)を読み出すことにより、各クライアント識別情報に対応するクライアントキー及びクライアントシークレットの各情報を読み出す(ステップS101)。この場合、記憶読出部39は、全てのクライアントキー、クライアントシークレットを読み出してもよい。
【0106】
次に、アプリケーションサーバ3の要求部36は、ルーム予約帯域幅を指定して、配信制御装置7に対してルーム生成要求に係る情報を送信する(ステップS102)。これにより、配信制御装置7の送受信部71は、アプリケーションサーバ3が送信したルーム生成要求に係る情報を受信する。このとき、ルーム生成要求には、クライアント識別情報、クライアントキー(「AAAAAAA」
)、クライアントシークレット(「BBBBBBB」)、ルーム1を示すルーム識別情報(「R0001」)及び予約帯域幅(「10[Mbps]」)が含まれる。
【0107】
次に、配信制御装置7の記憶読出部79は、ステップS102で受信したクライアント識別情報を検索キーとしてクライアント管理DB7001(図9参照)を検索することで、対応するクライアントキー及びクライアントシークレットを読み出す。そして、検証部76は、ステップS102で更に受信したクライアントキー及びクライアントシークレットのペアと、読み出したクライアントキー及びクライアントシークレットのペアを比較して検証を行う(ステップS103)。本実施形態では、ルーム生成要求に係る情報を送信したクライアント1に係る情報が検証をパスしたものとして説明する。
【0108】
続いて、記憶読出部79は、受信したクライアント識別情報を検索キーとしてルーム管理DB7003(図11参照)を検索することにより、対応するメディア配信サーバ識別情報及び予約帯域幅を読み出す。その後、算出部73は、メディア配信サーバ識別情報を検索キーとしてメディア配信サーバ管理DB7002(図10参照)を検索することにより、対応する最大予約帯域幅を読み出し、予約帯域幅との差分を算出する(ステップS104)。
【0109】
次に、選択割当部74は、ステップS104で算出された利用可能な帯域幅に基づいて、メディア配信サーバの選択及び割当を行う(ステップS105)。ここで、メディア配信サーバの選択アルゴリズムとして、例えば、以下の方法がある。
A.最も余裕が大きいサーバを割り当てる
B.予約帯域幅を収容可能な中で最も余裕の小さいサーバを割り当てる
C.ラウンドロビンで巡回して最初に収容可能だったサーバを割り当てる
そこで、本実施形態では、B又はCによってメディア配信サーバ1が選択されたものとする。具体的は、選択割当部74は、ルーム管理DB7003(図11参照)のメディア配信サーバ1にルーム1を割り当てる。この場合のルーム1には、拠点A、拠点Bが含まれるため、拠点の欄には、拠点A、拠点Bが追加される。この追加処理が可能な理由は、既に、メディア配信サーバ識別情報として「M0091」を有するメディア配信サーバ9(1)に、予約帯域幅が90[Mbps]のルーム2が割り当てられている。この状態で、ルーム1の予約帯域幅が10[Mbps]で与えられたため、メディア配信サーバ9(1)の最大予約帯域幅の100[Mbps]に収容可能となることによる。更に、上述したBのように、最も余裕の小さいサーバを割り当てる原則に則り、メディア配信サーバ9(1)が割り当てられる。
【0110】
ステップS105の処理によって、ルーム管理DB7003(図11参照)には以下の内容が追加される。この場合、クライアント識別情報に「C0001」が加えられ、これに対応するルーム識別情報に「R0001」、予約帯域幅に「10」、メディア配信サーバ識別情報に「M0091」がそれぞれ追加される。なお、拠点識別情報の項目は追加、変更されない。
【0111】
続いて、送受信部71は、ステップS102のルーム生成要求に対する応答として、アプリケーションサーバ3に対してルーム生成応答を送信する(ステップS106)。これにより、アプリケーションサーバ3の送受信部31は、配信制御装置7が送信したルーム生成応答を受信する。このとき、ルーム生成応答には、ルーム生成の成功を示す通知内容、及び割り当てたメディア配信サーバ1の情報(例えば、メディア配信サーバ名)が含まれる。
【0112】
本実施形態に係る通信システムでは、例えば、上述したステップS102及びS106の処理が実行される場合、アプリケーションサーバ3と配信制御装置7との間に他の装置等が存在してもよい。つまり、アプリケーションサーバ3と配信制御装置7との間で送受信される各情報(データ)は、一度他の装置を介して送受信されるような構成であってもよい。上述した構成は、アプリケーションサーバ3と配信制御装置7との間に他の処理ステップが存在しても適用可能である。
【0113】
<各拠点からの接続(拠点Aからの接続)>
次に、各拠点からの接続処理について説明する。図17Aは、拠点Aからの接続処理の一例を示すシーケンス図である。まず、拠点Aで利用される通信装置Aの送受信部A1は、アプリケーションサーバ3上の所定のルームに参加するために、アプリケーションサーバ3に対してルーム参加要求に係る情報を送信する(ステップS111)。これにより、アプリケーションサーバ3の送受信部31は、通信装置Aが送信したルーム参加要求に係る情報を受信する。このとき、ルーム参加要求に係る情報には、例えば、ルーム位置を示す情報と、配信制御装置7にアクセスするためのアクセストークンの取得要求に係る情報が含まれる。
【0114】
次に、アプリケーションサーバ3の判断部35は、予約帯域幅の変更判断を行う(ステップS112)。具体的には、判断部35は、ルーム1に含まれる拠点Aが参加しても、まだルーム1に対して設定した予約帯域幅に余裕があることを判断する。
【0115】
続いて、送受信部31は、配信制御装置7に対して、アクセストークン取得要求に係る情報を送信する(ステップS113)。これにより、配信制御装置7の送受信部71は、アプリケーションサーバ3が送信したアクセストークン取得要求に係る情報を受信する。このとき、アクセストークン取得要求には、クライアントキー、クライアントシークレット、ルーム識別情報(「R0001
」)及び拠点識別情報(「B000A」)が含まれる。
【0116】
次に、配信制御装置7の検証部76は、クライアントの検証を行う(ステップS114)。このステップにおける処理は、上述したステップS103と同様のため、詳細の説明を省略する。
【0117】
続いて、生成署名部77は、アクセストークンの生成及び署名を行う(ステップS115)。具体的には、生成署名部77は、ステップS113で受信したルーム識別情報(「R0001
」)及び拠点識別情報(「B000A」)をアクセストークン管理DB7004(図12参照)の対応する値の項目に登録し、クライアントシークレットを用いて署名を行う。つまり、このときに生成されたアクセストークンには、ルーム識別情報(「R0001」)、拠点識別情報(「B000A」)及びクライアントシークレットが含まれる。
【0118】
次に、送受信部71は、ステップS113のアクセストークン取得要求に対する応答として、アプリケーションサーバ3に対してアクセストークン取得応答を送信する(ステップS116)。これにより、アプリケーションサーバ3の送受信部31は、配信制御装置7が送信したアクセストークン取得応答を受信する。このとき、アクセストークン取得応答には、ルーム識別情報(「R0001」)及び拠点識別情報(「B000A」)が含まれる。
【0119】
続いて、アプリケーションサーバ3の送受信部31は、ステップS111のルーム参加要求に対する応答として、拠点Aの通信装置Aに対してルーム参加応答を送信する(ステップS117)。これにより、拠点Aの通信装置Aの送受信部A1は、アプリケーションサーバ3が送信したルーム参加応答を受信する。このとき、ルーム参加応答には、ルーム参加の成功を示す通知内容、及びアクセストークンが含まれる。
【0120】
本実施形態に係る通信システムでは、例えば、上述したステップS111及びS117の処理が実行される場合、通信装置とアプリケーションサーバ3との間に他の装置等が存在してもよい。つまり、通信装置とアプリケーションサーバ3との間で送受信される各情報(データ)は、一度他の装置を介して送受信されるような構成であってもよい。上述した構成は、通信装置とアプリケーションサーバ3との間に他の処理ステップが存在しても適用可能である。
【0121】
続いて、拠点Aからの接続処理の続きについて説明する。図17Bは、拠点Aからの接続処理の一例を示すシーケンス図である。拠点Aの通信装置Aの送受信部A1は、配信制御装置7に対してメディア配信サーバを接続するための接続要求に係る情報を送信する(ステップS121)。これにより、配信制御装置7の送受信部71は、通信装置Aが送信した接続要求に係る情報を受信する。具体的には、通信装置Aの送受信部A1は、クライアント識別情報と取得したアクセストークンを接続要求に付加して、配信制御装置7に送信する。
【0122】
次に、配信制御装置7の検証部76は、アクセストークンの検証を行う(ステップS122)。具体的には、検証部76は、受信したアクセストークンに含まれるクライアント識別情報を検索キーとしてクライアント管理DB7001(図9参照)を検索することにより、対応するクライアントシークレットを読み出してアクセストークンの署名時に用いられたクライアントシークレットと一致しているかを検証する。
【0123】
次に、生成署名部77は、メディア情報を送信するためのアドレス情報を生成する(ステップS123)。具体的には、生成署名部77は、記憶読出部79と協働してアクセストークン管理DB7004(図12参照)からルーム識別情報(「R0001」)及び拠点識別情報(「B000A」)を読み出す。続いて生成署名部77は、ルーム識別情報(「R0001」)を検索キーとしてルーム管理DB7003(図11参照)を検索することにより、対応するメディア配信サーバ識別情報を参照する。さらに生成署名部77は、参照したメディア配信サーバ識別情報に対応するアドレス情報を、拠点Aの通信装置Aがメディア情報を送信するためのアドレス情報として生成し、生成したアドレス情報をメディア配信サーバ管理DB7002(図10参照)の対応するアドレス情報の項目に登録する。
【0124】
続いて、記憶読出部79は、ルーム管理DB7003(図11参照)の拠点識別情報に、ルーム1の拠点識別情報(「B000A」)を追加する(ステップS124)。
【0125】
ステップS124の処理によって、ルーム管理DB7003(図11参照)には、ステップS105の処理によって追加された内容に加えて、さらに拠点識別情報の項目に拠点Aの識別情報を表す「B000A」が追加される。
【0126】
次に、配信制御装置7の送受信部71は、メディア配信サーバ9に対して、接続要求を送信する(ステップS125)。これにより、メディア配信サーバ9の送受信部91は、配信制御装置7が送信した接続要求を受信する。このとき、接続要求にはステップS113で受信したルーム識別情報(R0001)、拠点識別情報(B000A)が含まれる。
【0127】
次に、メディア配信サーバ9の生成部96は、受信したルーム識別情報(R0001)、拠点識別情報(B000A)を暗号化して、クレデンシャル情報を生成する(ステップS126)。このとき、メディア配信サーバ9は、自身のセットアップ時に保持した共有鍵を用いる。
【0128】
続いて、送受信部91は、配信制御装置7に対して、生成したクレデンシャル情報を送信する(ステップS127)。これにより、配信制御装置7の送受信部71は、メディア配信サーバ9が送信したクレデンシャル情報を受信する。
【0129】
次に、配信制御装置7の送受信部71は、拠点Aの通信装置Aに対して、接続要求に対する接続応答を送信する(ステップS128)。具体的には、送受信部71は、拠点Aの通信装置Aに対する接続応答として、配信可能なメディア配信サーバ9に対する接続要求を送信する。これにより、通信装置Aの送受信部A1は、配信制御装置7が送信した接続要求に対する接続応答を受信する。このとき、接続応答としてのメディア配信サーバ9(1)に対する接続要求には、ステップS127で受信したクレデンシャル情報、拠点Aからメディア情報を受信しするためのアドレス情報(例えば、「sfu1@example.com」)が含まれる。
【0130】
続いて、通信装置Aの送受信部A1は、接続されたメディア配信サーバ9(1)に対して、メディア情報の送信を開始する(ステップS129)。これにより、メディア配信サーバ9(1)の送受信部91は、通信装置Aが送信したメディア情報の送信開始に伴う情報を受信する。このとき、メディア情報の送信開始に伴う情報には、例えば、クレデンシャル情報、メディア配信サーバ9(1)の送信アドレス情報(「sfu1@example.com」)と、拠点Aのメディア情報が含まれる。
【0131】
本実施形態に係る通信システムでは、例えば、上述したステップS121及びS125の処理が実行される場合、通信装置と配信制御装置7との間に他の装置等が存在してもよい。つまり、通信装置と配信制御装置7との間で送受信される各情報(データ)は、一度他の装置を介して送受信されるような構成であってもよい。上述した構成は、通信装置と配信制御装置7との間に他の処理ステップが存在しても適用可能である。
【0132】
<各拠点からの接続(拠点Bからの接続)>
次に、拠点Bからの接続処理について説明する。図18Aは、拠点Bからの接続処理の一例を示すシーケンス図である。なお、以下のステップS131からステップS137までの処理は、ルーム参加要求を行う通信装置が通信装置Bに変わる点、拠点識別情報が「B000A」から「B000B」に変更される点以外は、上述したステップS111からステップS117までの処理と同様であるため、説明を省略する。
【0133】
続いて、拠点Bからの接続処理の続きを説明する。図18Bは、拠点Bからの接続処理の一例を示すシーケンス図である。なお、図18Bに示したステップS141からステップS148までの処理は、追加される拠点に係る拠点識別情報が「B000A」から「B000B」に変更される点以外は、上述したステップS121からステップS128までの処理と同様であるため、説明を省略する。但し、ステップS145においては、配信制御装置7が送信した接続応答には、拠点Bの通信装置Bからメディア情報を送信するためのアドレス情報と、拠点Bの通信装置Bが拠点Aのメディア情報を受信するためのアドレス情報が含まれる。
【0134】
なお、ステップS144の処理によって、ルーム管理DB7003(図11参照)には、ステップS124の処理によって追加された内容に加えて、さらに拠点識別情報の項目に拠点Bの識別情報を表す「B000B」が追加される。
【0135】
次に、通信装置Bの送受信部B1は、メディア配信サーバ9(1)に対して、メディア情報の送信を開始し、拠点Aの受信アドレス情報から拠点Aのメディア情報の受信を開始する(ステップS149)。これにより、メディア配信サーバ9(1)の送受信部91は、通信装置Bが送信したメディア情報を受信する。
【0136】
続いて、送受信部91は、拠点Bの通信装置Bに対して、拠点Aのメディア情報を送信する(ステップS150)。これにより、通信装置Bの送受信部B1は、メディア配信サーバ9(1)が送信した拠点Aのメディア情報を受信する。
【0137】
続いて、通信装置Bの表示制御部B4は、ステップS147の処理で受信した拠点Aのメディア情報を通信装置B(情報処理装置8)のディスプレイ807に表示する(ステップS151)。
【0138】
本実施形態に係る通信システムでは、例えば、上述したステップS146及びS147の処理が実行される場合、通信装置とメディア配信サーバ9との間に他の装置等が存在してもよい。つまり、通信装置とメディア配信サーバ9との間で送受信される各情報(データ)は、一度他の装置を介して送受信されるような構成であってもよい。上述した構成は、通信装置とメディア配信サーバ9との間に他の処理ステップが存在しても適用可能である。
【0139】
更に、拠点Bからの接続処理の続きを説明する。図18Cは、拠点Bからの接続処理の一例を示すシーケンス図である。通信装置Aの送受信部A1は、配信制御装置7に対して、メディア配信サーバ9(1)の接続要求に係る情報を送信する(ステップS156)。これにより、配信制御装置7の送受信部71は、通信装置Aが送信したメディア9(1)の接続要求に係る情報を受信する。このとき、メディア9(1)の接続要求には、拠点Bの通信装置Bが送信したメディア情報を受信するための受信アドレス情報が含まれる。
【0140】
次に、通信装置Aの送受信部A1は、拠点Bのメディア情報の受信を開始する(ステップS157)。これにより、メディア配信サーバ9(1)の送受信部91は、通信装置Aが送信した拠点Bのメディア情報の受信を開始する情報を受信する。このとき、拠点Bのメディア情報の受信を開始する情報には、通信装置Bが送信したメディア情報を受信するためのアドレス情報(例えば、「sfu1@example.com」)が含まれる。
【0141】
続いて、メディア配信サーバ9(1)の送受信部91は、通信装置Aに対して、拠点Bのメディア情報を送信する(ステップS158)。これにより、通信装置Aの送受信部A1は、メディア配信サーバ9(1)が送信した拠点Bのメディア情報を受信する。
【0142】
続いて、通信装置Aの表示制御部A4は、表示装置4のディスプレイ407に拠点Bのメディア情報を表示する(ステップS159)。
【0143】
<各拠点からの接続(拠点Cからの接続)>
次に、拠点Cからの接続処理について説明する。図19Aは、拠点Cからの接続処理の一例を示すシーケンス図である。まず、拠点Cで利用される通信装置Cの送受信部C1は、アプリケーションサーバ3上の所定のルームに参加するために、アプリケーションサーバ3に対してルーム参加要求に係る情報を送信する(ステップS161)。これにより、アプリケーションサーバ3の送受信部31は、通信装置Cが送信したルーム参加要求に係る情報を受信する。このとき、ルーム参加要求には、例えば、ルーム位置を示す情報と、配信制御装置7にアクセスするためのアクセストークンの取得要求が含まれる。
【0144】
次に、アプリケーションサーバ3の判断部35は、予約帯域幅の変更判断を行う(ステップS162)。この処理は、アプリケーションサーバ3が当初3拠点の参加を想定しておらず、それに必要な予約帯域幅を確保していなかった場合に実行される判断となる。具体的には、アプリケーションサーバ3の判断部35は、ルーム1に含まれる拠点Cが参加した場合に、ルーム1に対して設定した予約帯域幅ではメディア配信サーバ9に余裕がないことを判断する。
【0145】
続いて、送受信部31は、配信制御装置7に対してルーム予約帯域幅変更要求に係る情報を送信する(ステップS163)。これにより、配信制御装置7の送受信部71は、アプリケーションサーバ3が送信したルーム予約帯域幅変更要求に係る情報を受信する。このとき、ルーム予約帯域幅変更要求には、クライアントキー、クライアントシークレット、ルーム識別情報(「R0001
」)及び予約帯域幅(「20[Mbps]」)が含まれる。
【0146】
次に、配信制御装置7の算出部73は、予約帯域幅の余裕を算出する(ステップS164)。具体的には、記憶読出部79は、受信したルーム識別情報(「R0001」)を検索キーとしてルーム管理DB7003(図11参照)を検索することにより、対応するメディア配信サーバ識別情報(「M0091」)及び予約帯域幅(「10[Mbps]」)を読み出す。なお、これらの値は、上述したステップS105の処理においてルーム管理DB7003に追加されている。その後、算出部73は、メディア配信サーバ識別情報(「M0091」)を検索キーとしてメディア配信サーバ管理DB7002(図10参照)を検索することにより対応する最大予約帯域幅(「100[Mbps]」)を読み出し、予約帯域幅との差分を算出する。この予約帯域幅との差分を算出した際に、最大予約帯域幅が予約帯域幅の合計値以上であれば、余裕があると判断される。
【0147】
<ルーム予約帯域幅変更時のメディア配信サーバ割当変更判断>
続いて、配信制御装置7は、メディア配信サーバの割合変更判断を行う(ステップS165)。このメディア配信サーバの割合変更判断について、以下に説明する。図19Bは、ルーム予約帯域幅変更時のメディア配信サーバの割当変更判断処理の一例を示すフローチャートである。まず、取得部72は、各拠点からのルーム参加要求に伴い変更された予約帯域幅を取得する(ステップS165-1)。
【0148】
続いて、判断部75は、予約帯域幅の合計は、現在割り当てられているメディア配信サーバで収容可能かを判断する(ステップS165-2)。現在割り当てられているメディア配信サーバで収容可能な場合(ステップS165-2:YES)、選択割当部74は、メディア配信サーバの割当変更を行わず(現在割り当てられているメディア配信サーバを維持して)このフローを抜ける(ステップS165-3)。
【0149】
他方、現在割り当てられているメディア配信サーバで収容不可能な場合(ステップS165-2:NO)、選択割当部74は、更新された予約帯域幅を収容可能なメディア配信サーバを選択してこのフローを抜ける(ステップS165-4)。具体的には、選択割当部74は、メディア配信サーバ管理DB7002(図10参照)で管理されているメディア配信サーバ識別情報に対応する最大予約帯域幅を検索して、予約帯域幅の合計を収容可能な(予約帯域幅の合計以上の最大予約帯域幅を有する)メディア配信サーバを選択してこのフローを抜ける。
【0150】
なお、上述したフローチャートは一例であり、ルーム予約帯域幅変更時のメディア配信サーバ割当変更判断に係る処理は、上述した内容に限らない。
【0151】
図19Aに戻り、配信制御装置7の送受信部71は、アプリケーションサーバ3に対して、ステップS163のルーム予約帯域幅変更要求に対するルーム予約帯域幅変更応答を送信する(ステップS166)。これにより、アプリケーションサーバ3の送受信部31は、配信制御装置7が送信したルーム予約帯域幅変更応答を受信する。このとき、ルーム予約帯域幅変更応答には、予約帯域幅変更成功を表す情報又は通知が含まれる。
【0152】
続いて、拠点Cからの接続処理の続きを説明する。図19Cは、拠点Cからの接続処理の一例を示すシーケンス図である。なお、ステップS173からステップS177までの処理は、拠点識別情報が「B000A」から「B000C」に変更された点以外は、上述したステップS113からステップS117までの処理と同様であるため、説明を省略する。
【0153】
図19Dは、拠点Cからの接続処理の一例を示すシーケンス図である。拠点Cの通信装置Cの送受信部C1は、配信制御装置7に対してメディア配信サーバを接続するための接続要求に係る情報を送信する(ステップS181)。これにより、配信制御装置7の送受信部71は、通信装置Cが送信した接続要求に係る情報を受信する。具体的には、通信装置Cの送受信部C1は、クライアント識別情報と取得したアクセストークンを接続要求に付加して、配信制御装置7に送信する。
【0154】
次に、配信制御装置7の検証部76は、アクセストークンの検証を行う(ステップS182)。具体的には、検証部76は、受信したアクセストークンに含まれるクライアント識別情報を検索キーとしてクライアント管理DB7001(図9参照)を検索することにより、対応するクライアントシークレットを読み出してアクセストークンの署名時に用いられたクライアントシークレットと一致しているかを検証する。
【0155】
次に、生成署名部77は、メディア情報を送信するためのアドレス情報を生成する(ステップS183)。具体的には、生成署名部77は、記憶読出部79と協働してアクセストークン管理DB7004(図12参照)からルーム識別情報(「R0001」)及び拠点識別情報(「B000C」)を読み出す。続いて生成署名部77は、ルーム識別情報(「R0001」)を検索キーとしてルーム管理DB7003(図11参照)を検索することにより、対応するメディア配信サーバ識別情報を参照する。さらに生成署名部77は、参照したメディア配信サーバ識別情報に対応するアドレス情報を、拠点Cの通信装置Cがメディア情報を送信するためのアドレス情報として生成し、生成したアドレス情報をメディア配信サーバ管理DB7002(図10参照)の対応するアドレス情報の項目に登録する。
【0156】
続いて、記憶読出部79は、ルーム管理DB7003(図11参照)の拠点識別情報に、ルーム1の拠点識別情報(「B000C」)を追加する(ステップS184)。
【0157】
ステップS184の処理によって、ルーム管理DB7003(図11参照)には、ステップS144の処理によって追加された内容に加えて、さらに以下の内容が追加される。つまり、ルーム管理DB7003の内容は、この時点で、クライアント識別情報(「C0001」)が追加される。そして、このクライアント識別情報(「C0001」)に対応するルーム識別情報(「R0001」)、予約帯域幅(「20[Mbps」)、メディア配信サーバ識別情報(「M0092」)、拠点識別情報(「B000A, B000B, B000C」)の各項目が追加される。その他のクライアント識別情報に対応する各項目については、図11に示したとおりであるため説明を省略する。
【0158】
なお、図19Dに示したステップS185からステップS187までの処理は、上述したステップS125からステップS127までの処理と同様であるため、説明を省略する。
【0159】
次に、配信制御装置7の送受信部71は、拠点Cの通信装置Cに対して、ステップS181の接続要求に対する接続応答を送信する(ステップS188)。これにより、通信装置Cの送受信部C1は、配信制御装置7が送信した接続要求に対する接続応答を受信する。このとき、接続応答としてのメディア配信サーバ9(2)に対する接続要求には、拠点Cからメディア情報を受信するためのメディア配信サーバ9(2)のアドレス情報(例えば、「sfu2@example.com」)が含まれる。
【0160】
続いて、通信装置Cの送受信部C1は、接続されたメディア配信サーバ9(2)に対して、メディア情報の送信を開始する(ステップS189)。これにより、メディア配信サーバ9(2)の送受信部91は、通信装置Cが送信したメディア情報の送信開始に伴う情報を受信する。このとき、メディア情報の送信開始に伴う情報には、例えば、メディア配信サーバ9(2)の送信アドレス情報(「sfu2@example.com」)と、拠点Cのメディア情報が含まれる。
【0161】
<拠点Aの再接続処理>
続いて、拠点Aの再接続処理について説明する。図20は、拠点Aの再接続処理の一例を示すシーケンス図である。本実施形態では、拠点A及び拠点Cは、再接続を要求されたメディア配信サーバの送信アドレスに対して、メディア情報の送信と、受信アドレスから別拠点のメディア情報の受信を開始する。つまり、配信制御装置7は拠点A,Bに対して、これらの拠点からのメディア情報の送信先となるアドレスと、すでにルームに参加している別の拠点におけるメディア情報の受信のためのアドレスへの再接続要求に係る情報を送信する。送受信アドレスは、選択済みのメディア配信サーバ9(2)のアドレスである。
【0162】
まず、配信制御装置7の記憶読出部79は、すでに受信しているルーム識別情報(「R0001」)を検索キーとしてルーム管理DB7003(図11参照)を検索することにより、対応するメディア配信サーバ識別情報及び拠点識別情報を全て読み出す(ステップS191)。
【0163】
次に、送受信部71は、拠点Aの通信装置Aに対して、メディア配信サーバ9(2)の再接続要求に係る情報を送信する(ステップS192)。これにより、通信装置Aの送受信部A1は、配信制御装置7が送信したメディア配信サーバ9(2)の再接続要求に係る情報を受信する。このとき、メディア配信サーバ9(2)の再接続要求には、送信アドレス情報、拠点Cの通信装置Cの受信アドレス情報が含まれる。
【0164】
次に、通信装置Aの処理起動部A8は送受信部A1と協働して、ステップS192で受信したメディア配信サーバ9(2)の再接続要求に応じて、現在接続しているメディア配信サーバ9(1)の切断処理のための情報を送信する(ステップS193)。これにより、メディア配信サーバ9(1)の送受信部91は、通信装置Aが送信した切断処理に係る情報(データ)を受信する。
【0165】
続いて、通信装置Aの送受信部A1は、新たに接続したメディア配信サーバ9(2)に対してメディア情報の送信開始に係る情報を送信し、拠点Cのメディア情報の受信を開始する(ステップS194)。これにより、メディア配信サーバ9(2)の送受信部91は、通信装置Aが送信したメディア情報の送信開始に係る情報を受信する。
【0166】
続いて、送受信部91は、通信装置Aに対して、拠点Cのメディア情報を送信する(ステップS195)。これにより、通信装置Aの送受信部A1は、メディア配信サーバ9(2)が送信した拠点Cのメディア情報を受信する。
【0167】
次に、通信装置Aの表示制御部A4は、ステップS195で受信した拠点Cのメディア情報を、通信装置Aの表示手段(この場合は、表示装置4のディスプレイ407)に表示する(ステップS196)。
【0168】
次に、配信制御装置7の送受信部71は、拠点Cの通信装置Cに対して、メディア配信サーバ9(2)の接続要求に係る情報を送信する(ステップS197)。これにより、通信装置Cの送受信部C1は、配信制御装置7が送信したメディア配信サーバ9(2)の接続要求に係る情報を受信する。このとき、メディア配信サーバ9(2)の接続要求には、拠点Aの通信装置Aの受信アドレス情報が含まれる。
【0169】
続いて、通信装置Cの送受信部C1は、メディア配信サーバ9(2)に対して拠点Aのメディア情報の受信開始に係る情報を送信する(ステップS198)。これにより、メディア配信サーバ9(2)の送受信部91は、通信装置Cが送信した拠点Aのメディア情報の受信開始に係る情報を受信する。
【0170】
続いて、送受信部91は、通信装置Cに対して、拠点Aのメディア情報を送信する(ステップS199)。これにより、通信装置Cの送受信部C1は、メディア配信サーバ9(2)が送信した拠点Aのメディア情報を受信する。
【0171】
次に、通信装置Cの表示制御部C4は、ステップS199で受信した拠点Aのメディア情報を、通信装置Cの表示手段(この場合は、通信端末10のディスプレイ1007)に表示する(ステップS200)。
【0172】
<拠点Bの再接続処理>
続いて、拠点Bの再接続処理について説明する。図21Aは、拠点Bの再接続処理の一例を示すシーケンス図である。まず、配信制御装置7の送受信部71は、拠点Bの通信装置Bに対して、メディア配信サーバ9(2)の再接続要求に係る情報を送信する(ステップS202)。これにより、通信装置Bの送受信部B1は、配信制御装置7が送信したメディア配信サーバ9(2)の再接続要求に係る情報を受信する。このとき、メディア配信サーバ9(2)の再接続要求には、送信アドレス情報、拠点Aの送信装置A,拠点Cの通信装置Cの各受信アドレス情報が含まれる。
【0173】
次に、通信装置Bの処理起動部B8は送受信部B1と協働して、ステップS202で受信したメディア配信サーバ9(2)の再接続要求に応じて、現在接続しているメディア配信サーバ9(1)の切断処理のための情報を送信する(ステップS203)。これにより、メディア配信サーバ9(1)の送受信部91は、通信装置Bが送信した切断処理に係る情報(データ)を受信する。
【0174】
続いて、通信装置Bの送受信部B1は、新たに接続したメディア配信サーバ9(2)に対してメディア情報の送信開始に係る情報を送信し、拠点A,Cのメディア情報の受信を開始する(ステップS204)。これにより、メディア配信サーバ9(2)の送受信部91は、通信装置Bが送信したメディア情報の送信開始に係る情報を受信する。
【0175】
続いて、送受信部91は、通信装置Bに対して、拠点A,Cのメディア情報を送信する(ステップS205)。これにより、通信装置Bの送受信部B1は、メディア配信サーバ9(2)が送信した拠点A,Cのメディア情報を受信する。
【0176】
次に、通信装置Bの表示制御部B4は、ステップS205で受信した拠点A,Cのメディア情報を、通信装置Bの表示手段(この場合は、情報処理装置8のディスプレイ807)に表示する(ステップS206)。
【0177】
続いて、拠点Bの再接続処理の続きを説明する。図21Bは、拠点Bの再接続処理の一例を示すシーケンス図である。配信制御装置7の送受信部71は、拠点Aの通信装置Aに対して、メディア配信サーバ9(2)の接続要求に係る情報を送信する(ステップS207)。これにより、通信装置Aの送受信部A1は、配信制御装置7が送信したメディア配信サーバ9(2)の接続要求に係る情報を受信する。このとき、メディア配信サーバ9(2)の接続要求には、拠点Bの通信装置Bの受信アドレス情報が含まれる。
【0178】
続いて、通信装置Cの送受信部C1は、メディア配信サーバ9(2)に対して拠点Bのメディア情報の受信開始に係る情報を送信する(ステップS208)。これにより、メディア配信サーバ9(2)の送受信部91は、通信装置Cが送信した拠点Bのメディア情報の受信開始に係る情報を受信する。
【0179】
続いて、送受信部91は、通信装置Aに対して、拠点Bのメディア情報を送信する(ステップS209)。これにより、通信装置Aの送受信部A1は、メディア配信サーバ9(2)が送信した拠点Bのメディア情報を受信する。
【0180】
次に、通信装置Aの表示制御部A4は、ステップS209で受信した拠点Bのメディア情報を、通信装置Aの表示手段(この場合は、表示装置4のディスプレイ407)に表示する(ステップS210)。
【0181】
次に、配信制御装置7の送受信部71は、拠点Cの通信装置Cに対して、メディア配信サーバ9(2)の接続要求に係る情報を送信する(ステップS217)。これにより、通信装置Cの送受信部C1は、配信制御装置7が送信したメディア配信サーバ9(2)の接続要求に係る情報を受信する。このとき、メディア配信サーバ9(2)の接続要求には、拠点Bの通信装置Bの受信アドレス情報が含まれる。
【0182】
続いて、通信装置Cの送受信部C1は、メディア配信サーバ9(2)に対して拠点Bのメディア情報の受信開始に係る情報を送信する(ステップS218)。これにより、メディア配信サーバ9(2)の送受信部91は、通信装置Cが送信した拠点Bのメディア情報の受信開始に係る情報を受信する。
【0183】
続いて、送受信部91は、通信装置Cに対して、拠点Bのメディア情報を送信する(ステップS219)。これにより、通信装置Cの送受信部C1は、メディア配信サーバ9(2)が送信した拠点Bのメディア情報を受信する。
【0184】
次に、通信装置Cの表示制御部C4は、ステップS219で受信した拠点Bのメディア情報を、通信装置Cの表示手段(この場合は、通信端末10のディスプレイ1007)に表示する(ステップS220)。
【0185】
●画面表示例●
次に、各拠点の通信装置で共有されるメディア情報の画面について説明する。図22(A)は表示装置に表示されるメディア情報の一例、(B)は情報処理装置に表示されるメディア情報の一例、(C)は通信端末に表示されるメディア情報の一例を示す画面表示例である。この場合、図22(A)に示した例では、表示装置4のディスプレイ407が3分割され、そのうちの「自拠点」と表示された分割領域に自拠点Aの空間の状態が表示される。また、「拠点B」と表示された分割領域に拠点Bの空間の状態が表示される。更に、「拠点C」と表示された分割領域に拠点Cの空間の状態が表示される。図22(B)に示した例では、情報処理装置8のディスプレイ807が3分割され、そのうちの「自拠点」と表示された分割領域に自拠点Bの空間の状態が表示される。また、「拠点A」と表示された分割領域に拠点Aの空間の状態が表示される。更に、「拠点C」と表示された分割領域に拠点Cの空間の状態が表示される。また、図22(C)に示した例では、通信端末10のディスプレイ1007が3分割され、そのうちの「自拠点」と表示された分割領域に自拠点Cの空間の状態が表示される。また、「拠点A」と表示された分割領域に拠点Aの空間の状態が表示される。更に、「拠点B」と表示された分割領域に拠点Bの空間の状態が表示される。このとき、各拠点においてそれぞれの拠点の画面表示とあわせてそれぞれの拠点における音声が再生されていてもよい。なお、図22では拠点A,B,Cの3拠点における画面表示例を挙げたが、拠点数はこれに限らない。なお、上述した画面表示例におけるメディア情報は、各拠点の空間の状態に限らず、任意の空間における任意の音声を含む任意の画像(映像)等が表示されてもよい。
【0186】
〔第1の実施形態の主な効果〕
以上説明したように本実施形態によれば、配信制御装置7は、メディア配信サーバ識別情報を検索キーとしてメディア配信サーバ管理DB7002を検索することで、対応する最大予約帯域幅を読み出し、予約帯域幅との差分を算出する(ステップS104)。その後、算出された利用可能な帯域幅に基づいて、メディア配信サーバの選択及び割当を行い(ステップS105)、拠点Aの通信装置Aに対して、配信可能なメディア配信サーバ9に対する接続要求を送信する(ステップS125)。その後、配信可能なメディア配信サーバ9は、他の拠点の通信装置からの要求に対して、所定の拠点のメディア情報を送信する(ステップS147)。これにより、複数の拠点間でメディア情報を配信する場合に、メディア情報を共有する拠点間で利用される予約帯域幅が所定の帯域幅を超えても、共有されるメディア情報の送受信品質を維持することが可能になるという効果を奏する。
【0187】
更に、本実施形態によれば、既存の稼働中のメディア配信サーバを利用して、ルームの予約帯域幅の変更を行うことが可能になる。
【0188】
〔第2の実施形態〕
次に、図23乃至図26を用いて、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、ルーム予約帯域幅の変更時に、現存するメディア配信サーバの中には変更後の予約帯域幅を持ったルームを収容できるものが存在しない場合に、新たにメディア配信サーバを増設して稼働させるメディア配信システムについて説明する。なお、第2の実施形態を実現するシステム構成、ハードウエア構成は第1の実施形態と同様であるため、それらの説明を省略する。以下、機能構成にかかるルーム管理DBについて、初期状態が変わるため、図23にその詳細を説明する。
【0189】
●ルーム管理テーブル●
図23は、ルーム管理テーブルの一例を示す概念図である。記憶部7000には、図11に示されているようなルーム管理テーブルによって構成されたルーム管理DB7003が構築されている。このルーム管理テーブルは、図11に示した項目と同様であるが、第2の実施形態では、ルーム3を表すルーム識別情報(「R0003」)に対応する予約帯域幅の値が90[Mbps]となっている。つまり、この予約帯域幅に対応するメディア配信サーバ識別情報(「M0092」)、すなわちメディア配信サーバ9(2)の余裕が10[Mbps]しかないことが前提となっている。
【0190】
この状態で、第1の実施形態と同様に、クライアント1によって予約帯域幅10[Mbps]のルーム1が生成され、ルーム1はメディア配信サーバ9(1)に割り当てられる。続いて、拠点A、拠点Bが順次接続され、拠点Cの接続時にアプリケーションサーバ3から配信制御装置7に対して予約帯域幅の変更要求に係る情報が送信される。この処理の詳細は、後述する。
【0191】
<各拠点からの接続(拠点Cからの接続)>
次に、拠点Cからの接続処理について説明する。図24Aは、拠点Cからの接続処理の一例を示すシーケンス図である。なお、図24Aに示すシーケンス図において、ステップS221からステップS224までの処理は、上述した図19AのステップS161からステップS164までの処理と同様のため、説明を省略する。
【0192】
<ルーム予約帯域幅変更時のメディア配信サーバ割当変更判断>
続いて、配信制御装置7は、メディア配信サーバの割合変更判断を行う(ステップS225)。このメディア配信サーバの割合変更判断について、以下に説明する。図24Bは、第2の実施形態に係るルーム予約帯域幅変更時のメディア配信サーバの割当変更判断処理の一例を示すフローチャートである。まず、取得部72は、各拠点からのルーム参加要求に伴い変更された予約帯域幅を取得する(ステップS225-1)。
【0193】
続いて、判断部75は、予約帯域幅の合計は、現在割り当てられているメディア配信サーバで収容可能かを判断する(ステップS225-2)。現在割り当てられているメディア配信サーバで収容可能な場合(ステップS225-2:YES)、選択割当部74は、メディア配信サーバの割当変更を行わず(現在割り当てられているメディア配信サーバを維持して)このフローを抜ける(ステップS225-3)。
【0194】
他方、現在割り当てられているメディア配信サーバで収容不可能な場合(ステップS225-2:NO)、判断部75は更に、予約帯域幅を収容可能なメディア配信サーバが存在するかを判断する(ステップS225-4)。予約帯域幅を収容可能なメディア配信サーバが存在する場合(ステップS225-4:YES)、選択割当部74は、予約帯域幅を収容可能なメディア配信サーバにルームを割り当ててこのフローを抜ける(ステップS225-5)。具体的には、選択割当部74は記憶読出部79と協働して、ステップS225-1で取得した変更後の予約帯域幅に対して、現在のメディア配信サーバ識別情報を検索キーとしてメディア配信サーバ管理DB7002(図10参照)を検索することにより、対応する最大予約帯域幅を読み出す。続いて、選択割当部74は、ルーム管理DB7003(図23参照)で管理されているメディア配信サーバ(メディア配信サーバ識別情報)のうち、読み出した最大予約帯域幅を参照して、変更後の予約帯域幅を収容可能なメディア配信サーバに、参加要求されたルームを割り当ててこのフローを抜ける。
【0195】
他方、予約帯域幅を収容可能なメディア配信サーバが存在しない場合(ステップS225-4:NO)、選択割当部74は、メディア配信サーバを増設し、そのサーバに参加要求されたルームを割り当ててこのフローを抜ける(ステップS225-6)。具体的には、選択割当部74は、メディア配信サーバ管理DB7002(図10参照)に対して新たなメディア配信サーバを増設する。続いて、選択割当部74は、増設したメディア配信サーバをルーム管理DB7003(図23参照)にも追加し、増設したメディア配信サーバのメディア配信サーバ識別情報に対応するルーム識別情報に、参加要求されたルームを割り当ててこのフローを抜ける。
【0196】
図24Aに戻り、配信制御装置7の送受信部71は、新たに割り当てられた(追加された)メディア配信サーバ9(3)に対して、起動要求に係る情報を送信する(ステップS226)。これにより、メディア配信サーバ9(3)の送受信部91は、配信制御装置7が送信した起動要求に係る情報を受信する。
【0197】
次に、実行部97は、自身のセットアップを開始する(ステップS227)。
【0198】
続いて、送受信部91は、配信制御装置7に対して、ステップS226の起動要求に係る情報に対する起動応答に係る情報を送信する(ステップS228)。これにより、配信制御装置7の送受信部71は、メディア配信サーバ9が送信した起動応答に係る情報を受信する。このとき、起動応答に係る情報には、例えば、「セットアップ中」を示す内容が含まれる。
【0199】
続いて、配信制御装置7の送受信部71は、アプリケーションサーバ3に対して、待機要求に係る情報を送信する(ステップS229)。これにより、アプリケーションサーバ3の送受信部31は、配信制御装置7が送信した待機要求に係る情報を受信する。このとき、待機要求に係る情報には、例えば、待機識別情報「1」が含まれる。この待機識別情報「1」は、ステップS226で受信した起動応答に係る情報に含まれる「セットアップ中」の内容に基づいて、例えば、配信制御装置7の生成署名部77によって待機識別情報「1」のフラグが設定されてもよい。
【0200】
本実施形態に係る通信システムでは、例えば、上述したステップS226及びS228の処理が実行される場合、配信制御装置7とメディア配信サーバ9との間に他の装置等が存在してもよい。つまり、配信制御装置7とメディア配信サーバ9との間で送受信される各情報(データ)は、一度他の装置を介して送受信されるような構成であってもよい。上述した構成は、配信制御装置7とメディア配信サーバ9との間に他の処理ステップが存在しても適用可能である。
【0201】
ステップS225の処理によって、メディア配信サーバ管理DB7002(図10参照)には、以下の内容が追加される。つまり、メディア配信サーバ管理DB7002の内容は、この時点で、メディア配信サーバ識別情報(「M0093」)が追加される。そして、このメディア配信サーバ識別情報(「M0093」)に対応する最大予約帯域幅(「100[Mbps」)、アドレス情報(「sfu3@example.com」)、状態(「セットアップ中」)の各項目が追加される。なお、メディア配信サーバ識別情報(「M0091」、「M0092」)に対応する状態は、ともに「セットアップ完了」の内容が管理されている。
【0202】
<各拠点からの接続(拠点Cからの接続)>
図24Cは、第2の実施形態に係る拠点Cからの接続処理の一例を示すシーケンス図である。図24のステップS233からステップS236までの処理は、上述した図19CのステップS173からステップS176までの処理(ステップS113からステップS116までの処理)と同様であるため、説明を省略する。
【0203】
次に、アプリケーションサーバ3の送受信部31は、通信装置Cに対して待機要求に係る情報を送信する(ステップS237)。これにより、通信装置Cの送受信部C1は、アプリケーションサーバ3が送信した待機要求に係る情報を受信する。このとき、待機要求に係る情報には、アクセストークン、待機画面で表示される所定の通知内容が含まれる。
【0204】
続いて、通信装置Cの表示制御部C4は、ステップS237で受信した所定の通知内容を、通信装置Cの表示手段(この場合は、通信端末10のディスプレイ1007)に表示する(ステップS238)。
【0205】
●画面表示例●
次に、待機画面例について説明する。図24Dは、第2の実施形態に係る拠点Cの待機画面表示例である。この場合、通信装置Cの一例である通信端末10のディスプレイ1007には、表示制御部C4によって、待機画面であることを示す所定の通知内容が表示される。所定の通知内容は、例えば、「接続の準備をしています。しばらくお待ちください」といった内容である。この待機画面が表示されることで、拠点Cの利用者は、通信装置Cから要求されたルーム参加要求の処理中であることを把握することが可能になる。
【0206】
続いて、拠点Cからの接続処理の続きを説明する。図24Eは、第2の実施形態に係る拠点Cからの接続処理の一例を示すシーケンス図である。まず、通信装置Cの送受信部C1は、アプリケーションサーバ3に対して待機状態問合せに係る情報を送信する(ステップS241)。これにより、アプリケーションサーバ3の送受信部31は、通信装置Cが送信した待機状態問合せに係る情報を受信する。
【0207】
続いて、アプリケーションサーバ3の送受信部31は、待機状態問合せを配信制御装置7に対して送信(転送)する(ステップS242)。これにより、配信制御装置7の送受信部71は、アプリケーションサーバ3が送信した待機状態問合せに係る情報を受信する。このとき、待機状態問合せに係る情報には、クライアントキー、クライアントシークレットが含まれる。
【0208】
続いて、配信制御装置7の取得部72は、メディア配信サーバ管理DB7002(図10参照)を参照して、各メディア配信サーバの最大予約帯域幅及びアドレス情報を取得する(ステップS243)。
【0209】
次に、送受信部71は、ステップS242で受信した待機状態問合せに対する応答としての待機状態応答に係る情報を、アプリケーションサーバ3に対して送信する(ステップS244)。これにより、アプリケーションサーバ3の送受信部31は、配信制御装置7が送信した待機状態応答に係る情報を受信する。このとき、待機状態応答に係る情報には、メディア配信サーバ9(3)の状態を示す情報(例えば、「セットアップ中」及び待機識別情報「1」の少なくとも一方)が含まれる。すなわち、この時点で、通信装置Cに対する待機状態が継続されたことを意味する。
【0210】
続いて、アプリケーションサーバ3の送受信部31は、ステップS241で受信した待機状態問合せに対する応答としての待機状態応答に係る情報を、通信装置Cに対して送信する(ステップS245)。これにより、通信装置Cの送受信部C1は、アプリケーションサーバ3が送信した待機状態応答に係る情報を受信する。このとき、待機状態応答に係る情報には、メディア配信サーバ9(3)の状態を示す待機画面継続に関する情報が含まれる。
【0211】
続いて、通信装置Cの表示制御部C4は、通信装置Cの一例である通信端末10のディスプレイ1007に、ステップS238で表示した内容を継続して表示する(ステップS246)。
【0212】
一方、メディア配信サーバ9(3)の送受信部91は、セットアップ完了に伴い、配信制御装置7に対してメディア配信サーバセットアップ完了通知を送信する(ステップS247)。これにより、配信制御装置7の送受信部71は、メディア配信サーバ9(3)が送信したメディア配信サーバセットアップ完了通知を受信する。このとき、メディア配信サーバセットアップ完了通知には、メディア配信サーバ9(3)の状態を示す情報(例えば、「セットアップ完了」)が含まれる。
【0213】
次に、配信制御装置7の状態管理部78は、ステップS247で受信したメディア配信サーバセットアップ完了通知に基づいて、メディア配信サーバ管理DB7002(図10参照)で管理されているメディア配信サーバ識別情報(「M0093」)に対応する状態の項目を「セットアップ中」から「セットアップ完了」に変更して登録する(ステップS248)。
【0214】
続いて、拠点Cからの接続処理の続きを説明する。図24Fは、第2の実施形態に係る拠点Cからの接続処理の一例を示すシーケンス図である。図24Fにおいて、ステップS251からステップS253までの処理は、図24Eに示したステップS241からステップS243までの処理と同様のため、説明を省略する。なお、ステップS251以降の処理は、上述したステップS241の待機状態問合の応答が待機状態を継続する場合に、繰り返して行われる。
【0215】
次に、送受信部71は、ステップS252で受信した待機状態問合せに対する応答としての待機状態応答に係る情報を、アプリケーションサーバ3に対して送信する(ステップS254)。これにより、アプリケーションサーバ3の送受信部31は、配信制御装置7が送信した待機状態応答に係る情報を受信する。このとき、待機状態応答に係る情報には、メディア配信サーバ9(3)の状態を示す情報(例えば、「セットアップ完了」及び待機識別情報「0」の少なくとも一方)が含まれる。すなわち、この時点で、通信装置Cに対する待機状態が解除され、接続可能状態になったことを意味する。
【0216】
続いて、アプリケーションサーバ3の送受信部31は、ステップS251で受信した待機状態問合せに対する応答としての待機状態応答に係る情報を、通信装置Cに対して送信する(ステップS255)。これにより、通信装置Cの送受信部C1は、アプリケーションサーバ3が送信した待機状態応答に係る情報を受信する。このとき、待機状態応答に係る情報には、メディア配信サーバ9(3)の状態を示す待機画面停止に関する情報が含まれる。
【0217】
続いて、通信装置Cの表示制御部C4は、通信装置Cの一例である通信端末10のディスプレイ1007に表示されていた待機画面(図24D参照)の表示を停止させる(ステップS256)。
【0218】
次に、通信装置Cの送受信部C1は、配信制御装置7に対して接続要求に係る情報を送信する(ステップS257)。これにより、配信制御装置7の送受信部71は、通信装置Cが送信した接続要求に係る情報を受信する。このとき、接続要求には、クライアント1を示すクライアント識別情報(「C0001」)、ルーム識別情報、拠点識別情報を含むアクセストークンが含まれる。
【0219】
なお、上述したメディア配信サーバ9の状態を示す「セットアップ中」及び「セットアップ完了」の各状態は、外部装置から問合せを受けることで外部装置に対して提供(送信)、又は外部装置で表示されてもよい。これにより、各拠点を利用する利用者を含むエンドユーザに対して、セットアップの状況を逐次通知すること、及びセットアップ中に待機してもらうことが可能になる。
【0220】
次に、配信制御装置7の送受信部71は、通信装置Cにたしてメディア配信サーバ9(3)の接続要求に係る情報を送信する(ステップS258)。これにより、通信装置Cの送受信部C1は、配信制御装置7が送信したメディア配信サーバ9(3)の接続要求に係る情報を受信する。このとき、メディア配信サーバ9(3)の接続要求には、送信アドレス情報が含まれる。
【0221】
続いて、通信装置Cの送受信部C1は、メディア配信サーバ9(3)に対してメディア情報の送信を開始する(ステップS259)。これにより、メディア配信サーバ9(3)の送受信部91は、通信装置Cが送信したメディア情報を受信する。このとき、メディア情報には、メディア配信サーバ9(3)の送信アドレス情報及び所定のメディア情報が含まれる。
【0222】
<拠点Aの再接続処理>
続いて、拠点Aの再接続処理について説明する。図25は、第2の実施形態に係る拠点Aの再接続処理の一例を示すシーケンス図である。なお、図25のステップS261からステップS270までの処理は、接続されるメディア配信サーバがメディア配信サーバ(2)からメディア配信サーバ9(3)に変更される点以外は、上述した図20のステップS191からステップS200までの処理と同様であるため、説明を省略する。
【0223】
<拠点Bの再接続処理>
続いて、拠点Bの再接続処理について説明する。図26Aは、第2の実施形態に係る拠点Bの再接続処理の一例を示すシーケンス図である。なお、図26AのステップS272からステップS276までの処理は、接続されるメディア配信サーバがメディア配信サーバ(2)からメディア配信サーバ9(3)に変更される点以外は、上述した図21AのステップS202からステップS206までの処理と同様であるため、説明を省略する。
【0224】
更に、図26AのステップS277からステップS280までの処理は、接続されるメディア配信サーバがメディア配信サーバ(2)からメディア配信サーバ9(3)に変更される点以外は、上述した図21BのステップS207からステップS210までの処理と同様であるため、説明を省略する。
【0225】
続いて、拠点Bの再接続処理の続きを説明する。図26Bは、第2の実施形態に係る拠点Bの再接続処理の一例を示すシーケンス図である。なお、図26BのステップS282からステップS285までの処理は、接続されるメディア配信サーバがメディア配信サーバ(2)からメディア配信サーバ9(3)に変更される点以外は、上述した図21BのステップS217からステップS220までの処理と同様であるため、説明を省略する。
【0226】
第2の実施形態における上述した各種処理によって、ルーム管理DB7003(図11参照)には以下の内容が追加される。つまり、ルーム管理DB7003の内容は、この時点で、クライアント識別情報(「C0001」)が追加される。そして、このクライアント識別情報(「C0001」)に対応するルーム識別情報(「R0001」)、予約帯域幅(「20[Mbps」)、メディア配信サーバ識別情報(「M0093」)、拠点識別情報(「B000A, B000B, B000C」)の各項目が追加される。その他のクライアント識別情報に対応する各項目については、図11に示したとおりであるため説明を省略する。
【0227】
〔第2の実施形態の主な効果〕
以上説明したように本実施形態によれば、ルーム予約帯域幅の変更時に、現存するメディア配信サーバの中にルームの利用に係る予約帯域幅を収容可能なメディア配信サーバが存在しない場合に、新たにメディア配信サーバを増設してそのメディア配信サーバに所定のルームを割り当てて稼働させる(ステップS225-6)。これにより、第1の実施形態の効果に加えて、各拠点の利用者は、予約帯域幅を気にせずに通信装置を介してルームへの参加要求を行うことが可能となり、通信システムにおける利便性が向上するという効果を奏する。
【0228】
〔第3の実施形態〕
次に、図27乃至図34を用いて、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、ルーム予約帯域幅の変更時に、現存するメディア配信サーバの中には変更後の予約帯域幅を持ったルームを収容できるものが存在しないが、他のルームを別のメディア配信サーバに移動させることで、予約帯域幅がメディア配信サーバに収容可能となるようなメディア配信システムについて説明する。
【0229】
図27は、第3の実施形態に係る通信システムの全体構成の一例を示す図である。第3の実施形態に係る通信システムでは、クライアントごとに一以上の拠点を含む所定の集合拠点(ルーム)とアプリケーションサーバが対となってクライアントシステム21、クライアントシステム22が構築されている点が、第1の実施形態及び第2の実施形態との相違点である。但し、各装置のハードウエア構成及び機能構成は第1の実施形態と同様であるため、それらの説明を省略する。
【0230】
なお、第3の実施形態において、メディア配信サーバは3台確保され、メディア配信サーバ9(1)にルーム2(「90[Mbps]」)、メディア配信サーバ9(2)にルーム3(「80[Mbps]」)とルーム4(「10[Mbps]」)、メディア配信サーバ9(3)にルーム5(「90[Mbps]」)がそれぞれ割り当てられている。つまり、メディア配信サーバ管理DB7002(図10参照)及びルーム管理DB7003(図11参照)の初期状態は、例えば、以下の内容が管理されているものとする。
【0231】
●メディア管理サーバ管理テーブル(メディア配信サーバ管理DB7002)●
・メディア配信サーバ識別情報(「M0091」)に対応付けられ、
最大予約帯域幅は「100[Mbps]」、アドレス情報は「sfu1@example.com」、状態は「セットアップ完了」
・メディア配信サーバ識別情報(「M0092」)に対応付けられ、
最大予約帯域幅は「100[Mbps]」、アドレス情報は「sfu2@example.com」、状態は「セットアップ完了」
・メディア配信サーバ識別情報(「M0093」)に対応付けられ、
最大予約帯域幅は「100[Mbps]」、アドレス情報は「sfu3@example.com」、状態は「セットアップ完了」
●ルーム管理テーブル(ルーム管理DB7003)●
・クライアント識別情報(「C0002」)に対応付けられ、
ルーム識別情報は「R0002」、予約帯域幅は「90[Mbps]」、メディア配信サーバ識別情報は「M0091」、拠点識別情報は「B000D, B000E」
・クライアント識別情報(「C0002」)に対応付けられ、
ルーム識別情報は「R0003」、予約帯域幅は「80[Mbps]」、メディア配信サーバ識別情報は「M0091」、拠点識別情報は「B000F, B000G」
・クライアント識別情報(「C0002」)に対応付けられ、
ルーム識別情報は「R0004」、予約帯域幅は「10[Mbps]」、メディア配信サーバ識別情報は「M0091」、拠点識別情報は「B000H, B000I」
・クライアント識別情報(「C0003」)に対応付けられ、
ルーム識別情報は「R0005」、予約帯域幅は「90[Mbps]」、メディア配信サーバ識別情報は「M0091」、拠点識別情報は「B000J, B000K」
この状態で、第1の実施形態と同様に、クライアント1によって予約帯域幅10[Mbps]のルーム1が生成され、ルーム1はメディア配信サーバ9(1)に割り当てられる。続いて、拠点A、拠点Bが順次接続され、拠点Cの接続時にアプリケーションサーバ3から配信制御装置7に対して予約帯域幅の変更要求に係る情報が送信される。この処理の詳細は、後述する。
【0232】
<各拠点からの接続(拠点Cからの接続)>
次に、拠点Cからの接続処理について説明する。図28Aは、第3の実施形態に係る拠点Cからの接続処理の一例を示すシーケンス図である。なお、図28Aに示すシーケンス図において、ステップS301からステップS304までの処理、及びステップS306の処理は、上述した図24AのステップS221からステップS224までの処理(ステップS161からステップS164までの処理)、及びステップS229の処理と同様のため、説明を省略する。
【0233】
<ルーム予約帯域幅変更時のメディア配信サーバ割当変更判断>
ここで、メディア配信サーバの割合変更判断の処理について説明する。ステップS304で予約帯域幅の余裕算出処理を実行した後、配信制御装置7は、メディア配信サーバの割合変更判断を行う(ステップS305)。このメディア配信サーバの割合変更判断について、以下に説明する。図28Bは、第3の実施形態に係るルーム予約帯域幅変更時のメディア配信サーバの割当変更判断処理の一例を示すフローチャートである。まず、取得部72は、各拠点からのルーム参加要求に伴い変更された予約帯域幅を取得する(ステップS305-1)。
【0234】
続いて、判断部75は、予約帯域幅の合計は、現在割り当てられているメディア配信サーバで収容可能かを判断する(ステップS305-2)。現在割り当てられているメディア配信サーバで収容可能な場合(ステップS305-2:YES)、選択割当部74は、メディア配信サーバの割当変更を行わず(現在割り当てられているメディア配信サーバを維持して)このフローを抜ける(ステップS305-3)。
【0235】
他方、現在割り当てられているメディア配信サーバで収容不可能な場合(ステップS305-2:NO)、判断部75は更に、予約帯域幅を収容可能なメディア配信サーバが存在するかを判断する(ステップS305-4)。予約帯域幅を収容可能なメディア配信サーバが存在する場合(ステップS305-4:YES)、選択割当部74は、予約帯域幅を収容可能なメディア配信サーバにルームを割り当ててこのフローを抜ける(ステップS305-5)。具体的には、選択割当部74は記憶読出部79と協働して、ステップS305-1で取得した変更後の予約帯域幅に対して、現在のメディア配信サーバ識別情報を検索キーとしてメディア配信サーバ管理DB7002(図10参照)を検索することにより、対応する最大予約帯域幅を読み出す。続いて、選択割当部74は、ルーム管理DB7003(図23参照)で管理されているメディア配信サーバ(メディア配信サーバ識別情報)のうち、読み出した最大予約帯域幅を参照して、変更後の予約帯域幅を収容可能なメディア配信サーバに、参加要求されたルームを割り当ててこのフローを抜ける。
【0236】
他方、予約帯域幅を収容可能なメディア配信サーバが存在しない場合(ステップS305-4:NO)、判断部75は更に、メディア配信サーバのルーム配置を変更すれば収容可能かを判断する(ステップS305-6)。メディア配信サーバのルーム配置を変更すれば収容可能である場合(ステップS305-6:YES)、選択割当部74は、メディア配信サーバのルーム位置を変更してこのフローを抜ける(ステップS305-7)。具体的には、選択割当部74は、上述したルーム管理DB7003(図23参照)で管理されているルーム4をメディア配信サーバ9(2)からメディア配信サーバ9(3)に移動させる。上述したステップS305-6の判断に伴うS305-7の処理は、メディア配信サーバ9(1)、9(2)、9(3)ともに、20[Mbps]の予約帯域幅を収容可能ではないが、選択割当部74は、ルーム4(10[Mbps])をメディア配信サーバ9(3)(90[Mbps]使用)に移動させる余裕があることを認識できる。更に、選択割当部74によってルームEをメディア配信サーバ9(2)から移動させれば、メディア配信サーバ9(2)の予約帯域幅の余裕は100-80=20[Mbps]となり、20[Mbps]に拡張されたルームAの予約帯域幅をメディア配信サーバ9(2)で収容可能になる、という考えに基づくものである。
【0237】
他方、メディア配信サーバのルーム配置を変更しても収容可能でない場合(ステップS305-6:NO)、選択割当部74は、メディア配信サーバを増設し、参加要求されたルームを割り当ててこのフローを抜ける(ステップS305-8)。具体的には、選択割当部74は、メディア配信サーバ管理DB7002(図10参照)に対して新たなメディア配信サーバ(例えば、メディア配信サーバ9(4))を増設する。続いて、選択割当部74は、増設したメディア配信サーバ9(4)をルーム管理DB7003(図23参照)にも追加し、増設したメディア配信サーバ9(4)を示すメディア配信サーバ識別情報に対応するルーム識別情報(ルーム)を、参加要求されたルームとして割り当ててこのフローを抜ける。
【0238】
続いて、拠点Cからの接続処理の続きを説明する。図28Cは、第3の実施形態に係る拠点Cからの接続処理の一例を示すシーケンス図である。なお、図28CのステップS311からステップS316までの処理は、上述した図24CのステップS233からステップS328までの処理と同様であるため、説明を省略する。
【0239】
<拠点Hの再接続処理>
続いて、拠点Hの再接続処理について説明する。図29は、第3の実施形態に係る拠点Hの再接続処理の一例を示すシーケンス図である。なお、図29のステップS321からステップS324までの処理は、拠点に含まれる通信装置が通信装置Aから通信装置Hに変更され、切断されるメディア配信サーバがメディア配信サーバ(1)からメディア配信サーバ9(2)に変更される点以外は、上述した図25のステップS261からステップS264までの処理と同様であるため、説明を省略する。
【0240】
<各拠点からの待機状態問合せ(拠点Cからの待機状態問合せ)>
次に、拠点Cからの待機状態問合せ処理について説明する。図30は、第3の実施形態に係る拠点Cからの待機状態問合せ処理の一例を示すシーケンス図である。なお、図30のステップS331からステップS336までの処理は、待機状態の問合せ対象となるメディア配信サーバがメディア配信サーバ9(3)からメディア配信サーバ9(2)に変更される点以外は、上述した図24EのステップS241からステップS246までの処理と同様であるため、説明を省略する。
【0241】
第3の実施形態における上述した各種処理によって、メディア配信サーバ管理DB7002(図10参照)におけるメディア配信サーバ識別情報(「M0092」)に対応する状態は、例えば、「ルーム割当変更中」として登録、管理される。その他のメディア配信サーバ識別情報に対応する各状態は、「セットアップ完了」の状態が維持される。
【0242】
<拠点Iの再接続処理>
続いて、拠点Iの再接続処理について説明する。図31は、第3の実施形態に係る拠点Iの再接続処理の一例を示すシーケンス図である。なお、図31のステップS342からステップS346までの処理は、以下の変更点以外は、上述した図25のステップS262からステップS266までの処理と同様であるため、説明を省略する。変更点は、拠点に含まれる通信装置が通信装置Aから通信装置Iに変更される点、切断されるメディア配信サーバがメディア配信サーバ9(1)からメディア配信サーバ9(2)に変更される点、及び表示されるメディア情報が拠点Cのメディア情報から拠点Hのメディア情報に変更される点である。
【0243】
更に、図31のステップS347からステップS350までの処理は、以下の変更点以外は、上述した図25のステップS267からステップS270までの処理と同様であるため、説明を省略する。変更点は、拠点に含まれる通信装置が通信装置Cから通信装置Hに変更される点、及び表示されるメディア情報が拠点Aのメディア情報から拠点Iのメディア情報に変更される点である。
【0244】
<各拠点からの待機状態問合せ(拠点Cからの待機状態問合せ)>
次に、拠点Cからの待機状態問合せ処理について説明する。図32は、第3の実施形態に係る拠点Cからの待機状態問合せ処理の他の一例を示すシーケンス図である。なお、図32のステップS351からステップS356までの処理は、メディア配信サーバ9(3)がメディア配信サーバ9(2)に変更される点以外は、上述した図24FのステップS251からステップS256までの処理と同様であるため、説明を省略する。同様に、ステップS361からステップS363までの処理も、メディア配信サーバ9(3)がメディア配信サーバ9(2)に変更される点以外は、上述した図24FのステップS256からステップS259までの処理と同様であるため、説明を省略する。
【0245】
<拠点Aの再接続処理>
続いて、拠点Aの再接続処理について説明する。図33は、第3の実施形態に係る拠点Aの再接続処理の一例を示すシーケンス図である。なお、図33のステップS372からステップS376までの処理は、メディア配信サーバ9(3)がメディア配信サーバ9(2)に変更される点以外は、上述した図25のステップS262からステップS266までの処理と同様であるため、説明を省略する。
【0246】
同様に、図33のステップS377からステップS380までの処理は、メディア配信サーバ9(3)がメディア配信サーバ9(2)に変更される点以外は、上述した図25のステップS267からステップS270までの処理と同様であるため、説明を省略する。
【0247】
<拠点Aの再接続処理>
続いて、拠点Aの再接続処理について説明する。図34Aは、第3の実施形態に係る拠点Bの再接続処理の一例を示すシーケンス図である。なお、図34AのステップS382からステップS390までの処理は、メディア配信サーバ9(3)がメディア配信サーバ9(2)に変更される点以外は、上述した図26AのステップS272からステップS280までの処理と同様であるため、説明を省略する。
【0248】
<拠点Aの再接続処理>
続いて、拠点Aの再接続処理について説明する。図34Bは、第3の実施形態に係る拠点Bの再接続処理の一例を示すシーケンス図である。なお、図34BのステップS392からステップS395までの処理は、メディア配信サーバ9(3)がメディア配信サーバ9(2)に変更される点以外は、上述した図26BのステップS282からステップS285までの処理と同様であるため、説明を省略する。
【0249】
第3の実施形態における上述した各種処理によって、メディア配信サーバ管理DB7002(図11参照)には、以下の内容が追加され管理される。具体的には、
・クライアント識別情報(「C0001」)に対応付けられ、
ルーム識別情報は「R0001」、予約帯域幅は「20[Mbps]」、メディア配信サーバ識別情報は「M0092」、拠点識別情報は「B000A, B000B, B000C」
である。これにより、第3の実施形態において接続要求されたルームに対して、適切なメディア配信サーバへの割当が完了する。
【0250】
〔第3の実施形態の主な効果〕
以上説明したように本実施形態によれば、ルーム予約帯域幅の変更時に、現存するメディア配信サーバの中にルームの利用に係る予約帯域幅を収容可能なメディア配信サーバが存在しない場合に、他のルームを別のメディア配信サーバに移動させる(ルーム位置を変更する)ことで予約帯域幅を確保し、確保されたメディア配信サーバに所定のルームを割り当てて稼働させる(ステップS305-7)。これにより、第1の実施形態の効果に加えて、通信システムにおける各メディア配信サーバの予約帯域幅を最大限に利用することが可能になるという効果を奏する。これにより、メディア配信サーバを増設させることなく所定のルームの予約帯域幅を収容させることが可能になるため、メディア配信システムに対するコストの最適化を図ることも可能になる。
【0251】
〔実施形態の補足〕
上述した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウエアによって各機能を実行するようプログラミングされたデバイスを含むものとする。このデバイスとは、例えば、プロセッサ、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)、SOC(System on a chip)、GPU(Graphics Processing Unit)、及び従来の回路モジュール等をいう。
【0252】
更に、上述した実施形態により得られる各種情報は、人工知能(AI)を利用した機械学習の学習効果によって取得されたものでもよい。この場合、配信制御装置が機械学習を用いて予約帯域幅の余裕計算、予約帯域幅変更処理等を行ってもよいし、配信制御装置と異なる装置、データベース等が機械学習を用いて得た各種情報を取得してもよい。ここで、機械学習とは、コンピュータに人のような学習能力を獲得させるための技術であり、コンピュータが、データ識別等の判断に必要なアルゴリズムを事前に取り込まれる学習データから自律的に作成、新たなデータについてこれを適用して予測を行う技術のことをいう。機械学習のための学習方法は、教師あり学習、教師なし学習、半教師学習、強化学習、深層学習のいずれかの方法でもよい、更に、機械学習のための学習方法は、これらの学習方法を組み合わせた学習方法でもよく、機械学習のための学習方法は問わない。
【0253】
これまで本発明の一実施形態に係るメディア配信システム、通信システム、配信制御装置、配信制御方法及びプログラムについて説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態の追加、変更又は削除等、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0254】
1 通信システム
3 アプリケーションサーバ
5 メディア配信システム
7 配信制御装置
9 メディア配信サーバ
71 送受信部(送信手段の一例、受信手段の一例)
73 算出部(算出手段の一例)
74 選択割当部(割当手段の一例)
75 判断部(判断手段の一例)
77 生成署名部(生成手段の一例)
91 送受信部(送信手段の一例、受信手段の一例)
A1 送受信部(送信手段の一例、受信手段の一例)
B1 送受信部(送信手段の一例、受信手段の一例)
C1 送受信部(送信手段の一例、受信手段の一例)
A4 表示制御部(表示制御手段の一例)
B4 表示制御部(表示制御手段の一例)
C4 表示制御部(表示制御手段の一例)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0255】
【特許文献1】特開2016-178356号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図18A
図18B
図18C
図19A
図19B
図19C
図19D
図20
図21A
図21B
図22
図23
図24A
図24B
図24C
図24D
図24E
図24F
図25
図26A
図26B
図27
図28A
図28B
図28C
図29
図30
図31
図32
図33
図34A
図34B