(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048650
(43)【公開日】2023-04-07
(54)【発明の名称】検査装置及び検査方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20230331BHJP
G01R 31/28 20060101ALI20230331BHJP
【FI】
H01L21/66 B
G01R31/28 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021158082
(22)【出願日】2021-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100167634
【弁理士】
【氏名又は名称】扇田 尚紀
(74)【代理人】
【識別番号】100187849
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 隆史
(74)【代理人】
【識別番号】100212059
【弁理士】
【氏名又は名称】三根 卓也
(72)【発明者】
【氏名】小西 顕太朗
【テーマコード(参考)】
2G132
4M106
【Fターム(参考)】
2G132AA00
2G132AE02
2G132AE22
2G132AF02
2G132AF06
2G132AL03
4M106AA01
4M106BA01
4M106DD10
4M106DD13
4M106DD23
4M106DJ04
4M106DJ05
4M106DJ07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】基板電極とプローブとの位置合わせをより正確に行う検査装置及び方法を提供する。
【解決手段】方法は、プローブカード100に第1ターゲット103が複数設けられ、載置部材に第2ターゲット71が第1ターゲット103と同数設けられ、検出部をさらに備え、制御部は、第1取得部を用いて、プローブ基準位置に対するプローブ102の代表位置を取得する工程と、保持部に保持されたプローブカードと平面視では重ならない領域に位置する第2取得部の下方の領域に載置部材を移動させ、第2取得部を用いて、電極基準位置に対する電極の代表位置を取得する工程と、全ての第1ターゲットが同時に第1ターゲットに対応する第2ターゲット71と平面視で所定の位置関係となる合致位置を取得する工程と、プローブ102の代表位置と電極の代表位置とに基づいて、プローブと電極とを接触させるときの接触位置を取得し、合致位置に基づき接触位置を補正する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を検査する検査装置であって、
基板が載置される載置部材と、
基板上の電極に接触するプローブを有するプローブカードを保持する保持部と、
前記載置部材を保持し水平方向及び上下方向に移動させる移動機構と、
前記移動機構に固定され、前記プローブの位置を取得するための第1取得部と、
前記載置部材に載置された基板上の前記電極の位置を取得するための第2取得部と、
制御部と、を備え、
前記プローブカードまたは前記保持部の少なくともいずれか一方に、第1ターゲットが複数設けられており、
前記載置部材に、第2ターゲットが前記第1ターゲットと同数設けられており、
前記第1ターゲットと、当該第1ターゲットに対応する前記第2ターゲットとを同時に検出するための検出部をさらに備え、
前記制御部は、
前記第1取得部を用いて、プローブ基準位置に対する前記プローブの代表位置を取得する工程と、
前記保持部に保持された前記プローブカードと平面視では重ならない領域に位置する、前記第2取得部の下方の領域に、前記載置部材を移動させ、前記第2取得部を用いて、電極基準位置に対する前記電極の代表位置を取得する工程と、
前記検出部を用いて、全ての前記第1ターゲットが同時に当該第1ターゲットに対応する前記第2ターゲットと平面視で所定の位置関係となる、合致位置を取得する工程と、
前記プローブの代表位置と前記電極の代表位置とに基づいて、前記プローブと前記電極とを接触させるときの前記載置部材の位置である接触位置を取得し、前記合致位置に基づき前記接触位置を補正する工程と、を実行するように構成されている、検査装置。
【請求項2】
前記プローブの代表位置を取得する工程は、前記第1取得部を用いて、前記プローブ基準位置として、前記第1ターゲットの代表位置を取得する工程を含む、請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記基板の代表位置を取得する工程は、前記第2取得部を用いて、前記電極基準位置として、前記第2ターゲットの代表位置を取得する工程を含む、請求項1または2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記補正する工程は、接触基準位置からの前記合致位置の位置ずれに基づいて、前記接触位置を補正する、請求項1~3のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項5】
前記補正する工程は、接触基準位置からの前記合致位置の位置ずれに基づいて、前記接触位置を補正し、
前記接触基準位置は、前記プローブ基準位置及び前記電極基準位置に基づいて取得される、請求項2または3に記載の検査装置。
【請求項6】
前記制御部は、
補正された前記接触位置に前記載置部材を移動させた後、当該載置部材を上昇させる工程をさらに実行する、請求項1~5のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項7】
前記載置部材を上昇させる工程は、前記検出部を用いて、上昇中における、前記プローブカードに対する前記第2ターゲットの水平方向の位置変化、または、上昇中における、前記基板に対する前記第1ターゲットの水平方向の位置変化を取得し、取得結果に基づいて、前記接触位置を修正する工程を含む、請求項6に記載の検査装置。
【請求項8】
前記第1取得部は、上方を撮像する第1撮像部である、請求項1~7のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項9】
前記第2取得部は、下方を撮像する第2撮像部である、請求項1~8のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項10】
前記検出部は、前記移動機構における、前記第2ターゲットの下方に設けられ、上方を撮像する第3撮像部である、請求項1~9のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項11】
前記載置部材は、
上下方向に貫通する貫通孔と、
前記貫通孔を塞ぐ、透明な材料で形成された窓部材と、有し、
前記第2ターゲットは、前記窓部材に設けられ、
前記第3撮像部は、前記貫通孔を介して前記第1ターゲット及び前記第2ターゲットを撮像する、請求項10に記載の検査装置。
【請求項12】
前記検出部は、前記第1ターゲットの上方に設けられ、下方を撮像する第3撮像部である、請求項1~9のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項13】
検査装置により基板を検査する方法であって、
前記検査装置は、
基板が載置される載置部材と、
基板上の電極に接触するプローブを有するプローブカードを保持する保持部と、
前記載置部材を保持し水平方向及び上下方向に移動させる移動機構と、
前記移動機構に固定され、前記プローブカードの位置を取得するための第1取得部と、
前記載置部材に載置された基板上の前記電極の位置を取得するための第2取得部と、を備え、
前記プローブカードまたは前記保持部の少なくともいずれか一方に、第1ターゲットが複数設けられており、
前記載置部材に、前記第1ターゲットに対応する第2ターゲットが複数設けられており、
前記第1ターゲットと、当該第1ターゲットに対応する前記第2ターゲットとを同時に検出するための検出部をさらに備え、
前記第1取得部を用いて、プローブ基準位置に対する前記プローブの代表位置を取得する工程と前記保持部に保持された前記プローブカードと平面視では重ならない領域に位置する、前記第2取得部の下方の領域に、前記載置部材を移動させ、前記第2取得部を用いて、電極基準位置に対する前記電極の代表位置を取得する工程と、
前記検出部を用いて、全ての前記第1ターゲットが同時に当該第1ターゲットに対応する前記第2ターゲットと平面視で所定の位置関係となる、合致位置を取得する工程と、
前記プローブの代表位置と前記電極の代表位置とに基づいて、前記プローブと前記電極とを接触させるときの前記載置部材の位置である接触位置を取得し、前記合致位置に基づき前記接触位置を補正する工程と、を含む、検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、検査装置及び検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、半導体ウェハの電気的特性検査を行う検査室に即して形成され且つプローブカードを所定位置に位置決めして着脱可能に装着される支持体を有するプローブ検出室を備えるプローブカード検出装置が開示されている。この装置は、上記支持体の上記所定位置に対して第1の保持体を介して位置決めして装着されるプローブカードと、上記プローブ検出室内に移動可能に設けられ且つ上記プローブカードの少なくとも2つのプローブの針先を検出する第1の撮像装置と、をさらに備える。また、上記プローブカード検出装置は、上記プローブカードに代えて上記支持体の上記所定位置に対して第2の保持体を介して位置決めして着脱可能に装着され且つ上記少なくとも2つのプローブに対応する少なくとも2つのターゲットを有するプローブ補正カードと、を備える。上記プローブ検出室内で、上記少なくとも2つのプローブの針先の水平位置と上記少なくとも2つのターゲットの水平位置との差が、上記第1の撮像装置で検出される。上記差は、上記検査室における上記プローブカードの少なくとも2つのプローブと上記半導体ウェハの少なくとも2つの電極パッドの位置合わせを行うための補正値として検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示にかかる技術は、基板を検査する検査装置において、基板に設けられた電極とプローブカードのプローブとの位置合わせをより正確に行う。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、基板を検査する検査装置であって、基板が載置される載置部材と、基板上の電極に接触するプローブを有するプローブカードを保持する保持部と、前記載置部材を保持し水平方向及び上下方向に移動させる移動機構と、前記移動機構に固定され、前記プローブの位置を取得するための第1取得部と、前記載置部材に載置された基板上の前記電極の位置を取得するための第2取得部と、制御部と、を備え、前記プローブカードまたは前記保持部の少なくともいずれか一方に、第1ターゲットが複数設けられており、前記載置部材に、第2ターゲットが前記第1ターゲットと同数設けられており、前記第1ターゲットと、当該第1ターゲットに対応する前記第2ターゲットとを同時に検出するための検出部をさらに備え、前記制御部は、前記第1取得部を用いて、プローブ基準位置に対する前記プローブの代表位置を取得する工程と、前記保持部に保持された前記プローブカードと平面視では重ならない領域に位置する、前記第2取得部の下方の領域に、前記載置部材を移動させ、前記第2取得部を用いて、電極基準位置に対する前記電極の代表位置を取得する工程と、前記検出部を用いて、全ての前記第1ターゲットが同時に当該第1ターゲットに対応する前記第2ターゲットと平面視で所定の位置関係となる、合致位置を取得する工程と、前記プローブの代表位置と前記電極の代表位置とに基づいて、前記プローブと前記電極とを接触させるときの前記載置部材の位置である接触位置を取得し、前記合致位置に基づき前記接触位置を補正する工程と、を実行するように構成されている。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、基板を検査する検査装置において、基板に設けられた電極とプローブカードのプローブとの位置合わせをより正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態にかかる検査装置の構成の概略を示す横断面図である。
【
図2】本実施形態にかかる検査装置の構成の概略を示す縦断面図である。
【
図7】比較の形態にかかる接触位置の決定方法を説明するための図である。
【
図8】本実施の形態にかかる、接触位置の決定処理を伴う検査処理を説明するための図である。
【
図9】本実施の形態にかかる、接触位置の決定処理を伴う検査処理を説明するための図である。
【
図10】本実施の形態にかかる、接触位置の決定処理を伴う検査処理を説明するための図である。
【
図11】本実施の形態にかかる、接触位置の決定処理を伴う検査処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
半導体製造プロセスでは、半導体ウェハ(以下、「ウェハ」という。)上に所定の回路パターンを持つ多数の半導体デバイスが形成される。形成された半導体デバイスは、電気的特性等の検査が行われ、良品と不良品とに選別される。半導体デバイスの検査は、例えば、各半導体デバイスに分割される前のウェハの状態で、検査装置を用いて行われる。
【0009】
検査装置には、多数の針状の接触端子であるプローブを多数有するプローブカードが設けられている。電気的特性の検査の際はまず、ウェハとプローブカードとが近づけられ、ウェハに形成されている半導体デバイスの各電極にプローブカードのプローブが接触する。この状態で、プローブカードの上方に設けられたテスタから各プローブを介して半導体デバイスに電気信号が供給される。そして、各プローブを介して半導体デバイスからテスタが受信した電気信号に基づいて、当該半導体デバイスが不良品か否か判別される。
【0010】
このような電気的特性検査が適切に行われるよう、検査装置では、プローブカードとウェハとの位置合わせ、具体的には、プローブとウェハ上の電極との位置合わせが行われている。近年では、電子デバイスのさらなる集積化により小電極化が図られていること等から、上述の位置合わせをより正確に行うことが求められてきている。
【0011】
本開示にかかる技術は、基板上の電極とプローブカードのプローブとの位置合わせをより正確に行うことが可能な、基板の検査装置を提供する。
【0012】
以下、本実施形態にかかる検査装置及び検査方法について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0013】
<検査装置>
図1及び
図2はそれぞれ、本実施形態にかかる検査装置の構成の概略を示す横断面図及び縦断面図である。なお、
図2では、後述のアライナについてはその一部のみを示している。
【0014】
図1及び
図2の検査装置1は、基板としてのウェハWを検査するものであり、具体的には、ウェハWに形成された検査対象デバイスとしての半導体デバイスの電気的特性検査を行うものである。検査装置1は、筐体10を有し、該筐体10には、搬入出領域11、搬送領域12、検査領域13が設けられている。搬入出領域11は、検査装置1に対してウェハWの搬入出が行われる領域である。搬送領域12は、搬入出領域11と検査領域13とを接続する領域である。また、検査領域13は、ウェハWに形成された半導体デバイスの電気的特性検査が行われる領域である。
【0015】
搬入出領域11には、複数のウェハWを収容したカセットCを受け入れるポート20、後述のプローブカードを収容するローダ21、検査装置1の各構成要素の制御等を行う制御部22が設けられている。制御部22は、例えばCPUやメモリ等を備えたコンピュータにより構成され、各種情報を記憶する記憶部(図示せず)を有している。記憶部には、例えば、検査処理等を実現するプログラムが格納されている。なお、上記プログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、当該記憶媒体から上記制御部22にインストールされたものであってもよい。上記記憶媒体は一時的なものであっても非一時的なものであってもよい。なお、プログラムの一部または全ては専用ハードウェア(回路基板)で実現してもよい。また、上記記憶部は、例えばHDD等のストレージデバイス、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報を記憶するRAM等のメモリ、またはこれらの組み合わせである。
【0016】
搬送領域12には、ウェハW等を保持した状態で自在に移動可能な搬送装置30が配置されている。この搬送装置30は、搬入出領域11のポート20内のカセットCと、検査領域13との間でウェハWの搬送を行う。また、搬送装置30は、検査領域13内の後述のポゴフレームに固定されたプローブカードのうちメンテナンスを必要とするものを搬入出領域11のローダ21へ搬送する。さらに、搬送装置30は、新規な又はメンテナンス済みのプローブカードをローダ21から検査領域13内へ搬送する。
【0017】
検査領域13は、テスタ40が複数設けられている。具体的には、検査領域13は、例えば、
図2に示すように、鉛直方向に3つに分割され、各分割領域13aには、水平方向(図のX方向)に配列された4つのテスタ40からなるテスタ列が設けられている。また、各分割領域13aには、1つの移動機構としてのアライナ50と、1つの上カメラ60が設けられている。なお、テスタ40、アライナ50、上カメラ60の数や配置は任意に選択できる。
【0018】
テスタ40は、電気的特性検査用の電気信号をウェハWとの間で送受するものである。
アライナ50は、後述のチャックトップ70を保持して、水平方向(
図1のX方向及びY方向、図のZ軸を中心としたθ方向)及び上下方向(図のZ方向)に移動させることが可能に構成されている。また、このアライナ50は、チャックトップ70に載置されたウェハWと後述のプローブカードのプローブとの位置合わせに用いられる。
【0019】
上カメラ60は、下方を撮像するように設けられている。一実施形態において、上カメラ60は、水平に移動自在に構成されている。上カメラ60は、例えば、当該上カメラ60が設けられた検査内の各テスタ40の前の領域であって、後述のポゴフレームに保持されたプローブカードと平面視では重ならない領域に位置して、アライナ50上のチャックトップ70に載置されたウェハWを撮像する。
なお、上カメラ60は、制御部22により制御される。また、上カメラ60による撮像結果は制御部22に出力される。
【0020】
チャックトップ70は、載置部材の一例であり、ウェハWが載置される。チャックトップ70は、例えば、載置されたウェハWを吸着等により保持することができる。
【0021】
この検査装置1では、搬送装置30が一のテスタ40へ向けてウェハWを搬送している間に、他のテスタ40は他のウェハWに形成された電子デバイスの電気的特性の検査を行うことができる。
【0022】
<検査領域>
続いて、
図3~
図6を用いて、検査領域13のより詳細な構成について説明する。
図3は、検査領域13の側断面図である。
図4は、後述のポゴフレームの周辺の断面図である。
図5は、後述のプローブカードの下面図である。
図5では、後述のプローブの図示は省略している。
図6は、チャックトップ70の上面図である。
【0023】
検査領域13の各分割領域13aには、前述のように、アライナ50及び上カメラ60が設けられている。また、
図3に示すように、各分割領域13aには、後述の下カメラ80、ポゴフレーム90及びプローブカード100が設けられている。
【0024】
アライナ50は、例えばXステージ51、Yステージ52及びZステージ53を有する。
【0025】
Xステージ51は、アライナ50による移動平面(XY平面)の座標系を構成するX軸方向に、ガイドレール51aに沿って移動する。このXステージ51に対しては、Xステージ51のX方向にかかる位置、すなわちチャックトップ70のX軸方向にかかる位置を検出する位置検出機構(図示せず)が設けられている。上記位置検出機構は、例えばリニアエンコーダである。
【0026】
Yステージ52は、Xステージ51上を移動する。具体的には、アライナ50による移動平面(XY平面)の座標系を構成するY軸方向に、ガイドレール52aに沿って移動する。このYステージ52に対しては、Yステージ52のY軸方向にかかる位置、すなわちチャックトップ70のY軸方向にかかる位置を検出する位置検出機構(図示せず)が設けられている。上記位置検出機構は、例えばリニアエンコーダである。
【0027】
Zステージ53は、アライナ50による移動平面(XY平面)と直交する高さ方向(Z方向)に伸縮自在な伸縮軸53aにより、上記高さ方向(Z方向)に移動する。このZステージ53に対しては、Zステージ53のZ方向にかかる位置、すなわちチャックトップ70のZ方向にかかる位置を検出する位置検出機構(図示せず)が設けられている。上記位置検出機構は、例えばリニアエンコーダである。
また、Zステージ53上にチャックトップ70が着脱自在に吸着保持される。Zステージ53によるチャックトップ70の吸着保持は、吸着保持機構(図示せず)による真空吸着等により行われる。
【0028】
下カメラ80は、第1取得部の一例であり、プローブカード100に設けられた後述のプローブの代表位置等を取得するためのものである。また、下カメラ80は、第1撮像部の一例であり、上方を撮像する。なお、前述の上カメラ60は、第2取得部の一例であり、アライナ50上のチャックトップ70に載置されたウェハWの代表位置等を取得するためのものである。また、上カメラ60は、第2撮像部の一例であり、前述のように下方を撮像する。
【0029】
下カメラ80は、アライナ50に固定されている。具体的には、下カメラ80は、アライナ50のZステージ53に固定されている。このように固定されているため、下カメラ80は、アライナ50により、チャックトップ70と共に移動可能である。
下カメラ80は、例えば、ポゴフレーム90に固定されたプローブカード100の下方の領域に位置して、当該プローブカード100を撮像する。
【0030】
なお、アライナ50や下カメラ80は、制御部22により制御される。また、下カメラ80による撮像結果と、Xステージ51、Yステージ52及びZステージ53に設けられた位置検出機構による位置検出結果とは、制御部22に出力される。
【0031】
テスタ40は、
図4に示すように、テスタマザーボード41を底部に有する。テスタマザーボード41には、複数の検査回路基板(図示せず)が立設状態で装着されている。また、テスタマザーボード41の底面には複数の電極(図示せず)が設けられている。
さらに、テスタ40の下方には、ポゴフレーム90が設けられている。
【0032】
ポゴフレーム90は、保持部の一例であり、プローブカード100を保持する。また、ポゴフレーム90は、プローブカード100とテスタ40とを電気的に接続する。このポゴフレーム90は、上述の電気的な接続のために、ポゴピン91を有し、具体的には、多数のポゴピン91を保持するポゴブロック92を有する。
ポゴフレーム90の下面には、プローブカード100が、所定の位置に位置合わせされた状態で固定される。
【0033】
なお、排気機構(図示せず)によって、テスタマザーボード41はポゴフレーム90に真空吸着され、プローブカード100は、ポゴフレーム90に真空吸着される。これら真空吸着を行うための真空吸引力により、ポゴフレーム90の各ポゴピン91の下端は、プローブカード100の後述のカード本体101の上面における、対応する電極に接触し、各ポゴピン91の上端は、テスタマザーボード41の下面の対応する電極に押し付けられる。
【0034】
プローブカード100は、複数の電極が上面に設けられた円板状のカード本体101を有する。カード本体101の下面には、下方へ向けて延びる針状の接触端子であるプローブ102が複数設けられている。
カード本体101の上面に設けられた上述の複数の電極はそれぞれ対応するプローブ102と電気的に接続されている。また、検査時には、プローブ102はそれぞれ、ウェハWに形成された半導体デバイスの電極P(
図6参照)と接触する。したがって、電気的特性検査時には、ポゴピン91、カード本体101の上面に設けられた電極及びプローブ102を介して、テスタマザーボード41とウェハW上の半導体デバイスとの間で、検査にかかる電気信号が送受される。
【0035】
なお、検査装置1は、ウェハWに形成された複数の半導体デバイスの電気的特性検査を一括で行うために、プローブ102は、カード本体101の下面略全体を覆うように多数設けられている。
【0036】
また、ポゴフレーム90の下面には、ベローズ93が取り付けられている。ベローズ93は、プローブカード100を囲繞するように垂下する筒状の伸縮自在な部材である。また、ベローズ93は、
図4において点線で示すように、プローブカード100の下方の位置にチャックトップ70を吸着保持する。
【0037】
また、ベローズ93は、チャックトップ70を吸着保持することにより、プローブカード100を含むポゴフレーム90、ベローズ93及びチャックトップ70で囲まれる密閉空間Sを形成する。密閉空間Sを減圧機構(図示せず)により減圧することで、ウェハWとプローブ102との接触状態を維持することができる。
【0038】
さらに、本実施形態では、プローブカード100のカード本体101の下面に、プローブ102の他、
図4及び
図5に示すように、第1ターゲット103が複数設けられている。第1ターゲット103は、ウェハWとプローブカード100との位置合わせを行うためのマークである。各第1ターゲット103の平面視における形状は例えば円形状である。また、各第1ターゲット103は、例えば、プローブ102が形成されている領域R1の外側を囲う領域R2に、プローブカード100の中心を中心とした同一円周上に等間隔で設けられている。
第1ターゲット103の数、形状及び配置は、第1ターゲット103を設けた目的を達成することが可能な範囲で任意である。
【0039】
また、本実施形態では、
図6に示すように、チャックトップ70の上面に、第2ターゲット71が第1ターゲット103と同数設けられている。第2ターゲット71は、第1ターゲット103と同様、ウェハWとプローブカード100との位置合わせを行うためのマークである。各第2ターゲット71の平面視における形状は例えば円形状である。また、各第2ターゲット71は、例えば、ウェハWが載置される領域R11の外側を囲う領域R12に、チャックトップ70の中心を中心とした同一円周上に等間隔で設けられている。
第2ターゲットの数、形状及び配置は、第2ターゲットを設けた目的を達成することが可能な範囲で任意である。
【0040】
また、第1ターゲット103及び第2ターゲット71は以下のように設けられている。すなわち、全ての第1ターゲット103が同時に、当該第1ターゲット103に対応する第2ターゲット71と、平面視で所定の位置関係となり得るように、第1ターゲット103及び第2ターゲット71は設けられている。具体的には、例えば、全ての第1ターゲット103が同時に、当該第1ターゲット103に対応する第2ターゲット71と、平面視で重なり得るように(より具体的には、互いの中心が一致し得るように)、第1ターゲット103及び第2ターゲット71は設けられている。
【0041】
さらに、本実施形態では、
図4に示すように、第2ターゲット71毎すなわち第1ターゲット103毎に、基準合わせカメラ110が設けられている。
基準合わせカメラ110は、検出部の一例であり、対応する第1ターゲット103と、当該第1ターゲット103に対応する第2ターゲット71とを同時に検出するためのものである。また、基準合わせカメラ110は、第3撮像部の一例であり、アライナ50における、第2ターゲット71の下方となる位置に設けられ、上方を撮像する。
【0042】
基準合わせカメラ110による第1ターゲット103と第2ターゲット71との同時撮影を可能にし、且つ、密閉空間Sの密閉が維持可能なように、第1ターゲット103及び基準合わせカメラ110は以下のように設けられている。
【0043】
すなわち、チャックトップ70には、上下方向に貫通する貫通孔72が形成されている。貫通孔72は、基準合わせカメラ110の撮像に用いられる光に対し透明な材料で形成された窓部材73で、塞がれている。この窓部材73に、第2ターゲット71は設けられ、基準合わせカメラ110は、貫通孔72を介して、第2ターゲット71及び第1ターゲット103を撮像する。一実施形態において、基準合わせカメラ110が、第2ターゲット71越しに第1ターゲット103を撮像可能なように、第2ターゲット71は第1ターゲット103より小さく形成される。また、一実施形態において、第2ターゲット71を平面視で中央に孔を有する環状に形成し、基準合わせカメラ110が、上記孔越しに、第1ターゲット103を撮像してもよい。
【0044】
<比較の形態にかかる接触位置の決定方法>
続いて、本実施形態にかかる接触位置の決定方法の説明を行う前に、本実施の形態とは異なる形態(以下、「比較の形態」という。)にかかる接触位置の決定方法について、
図7を用いて説明する。接触位置とは、チャックトップ70に支持されたウェハWの電極Pとプローブ102とを接触させる時のチャックトップ70の位置である。
【0045】
比較の形態にかかる接触位置の補正方法では、下カメラ80を用いて、プローブ基準位置に対するプローブ102の代表位置が取得される。プローブ基準位置に対するプローブ102の代表位置とは、言い換えると、下カメラ80による撮像に基づく座標系における、プローブ102の代表位置である。
【0046】
また、ポゴフレーム90に保持されたプローブカード100と平面視では重ならない領域に位置する上カメラ60を用いて、電極基準位置に対する、チャックトップ70に載置されたウェハW上の電極Pの代表位置が取得される。電極基準位置に対する上記電極Pの代表位置とは、言い換えると、上カメラ60による撮像に基づく座標系における、上記電極Pの代表位置である。
【0047】
さらに、プローブ基準位置と電極基準位置とを対応付けるための情報、すなわち、下カメラ80による撮像に基づく座標系と上カメラ60による撮像に基づく座標系とを対応付けるための情報が取得される。具体的には、
図7に示すように、ポゴフレーム90に保持されたプローブカード100と平面視では重ならない領域に位置する、上カメラ60の下方の領域(以下、「アライメント領域」という。)Aに、下カメラ80が移動される。また、上カメラ60と下カメラ80とで同じターゲット500が撮像され、その時のZステージ53の位置の情報が、プローブ基準位置と電極基準位置とを対応付けるための情報として、取得される。
【0048】
そして、取得された、プローブ基準位置に対するプローブ102の代表位置、電極基準位置に対する上記電極Pの代表位置、及び、プローブ基準位置と電極基準位置とを対応付けるための情報に基づいて、接触位置が決定される。
【0049】
しかし、アライナ50が設置される筐体10は、当該筐体10の温度変化による膨張または収縮や、当該筐体10内における複数のアライナ50の重心変化等により、μmオーダーの歪みが生じる。また、プローブ基準位置と電極基準位置とを対応付けるための情報を取得した時すなわちアライメント領域Aに下カメラ80が位置する時のチャックトップ70と、ポゴフレーム90に保持されたプローブカード100の直下のチャックトップ70とでは、距離がある。そのため、上述のような歪みがあると、比較の形態にかかる方法で決定した接触位置では、プローブ102と電極Pとを適切に接触させることができない場合がある。
【0050】
<検査装置1を用いた検査処理>
続いて、検査装置1を用いた、接触位置の決定処理を伴う検査処理について、
図8~
図11を用いて説明する。
【0051】
(S1:搬入)
まず、所望の分割領域13aへの検査対象のウェハWの搬入が行われる。
具体的には、搬送装置30等が制御部22により制御され、搬入出領域11のポート20内のカセットCからウェハWが取り出されて、例えば中段の分割領域13a内に搬入され、アライナ50に吸着保持されたチャックトップ70上に載置される。
【0052】
(S2:接触位置の決定)
次いで、制御部22により、接触位置が決定される。
【0053】
(S2a:プローブの代表位置の取得)
接触位置の決定の際には、制御部22により、下カメラ80を用いて、プローブ基準位置に対するプローブ102の代表位置が取得される。具体的には、制御部22の制御により、
図8に示すように、プローブカード100の下方の領域に下カメラ80が位置するよう、チャックトップ70がアライナ50によって移動され、下カメラ80の撮像結果とアライナ50の位置検出機構の検出結果とに基づいて、プローブ基準位置に対するプローブ102の代表位置が取得される。
【0054】
プローブ102の代表位置とは、例えば予め定められた複数箇所のプローブ102の重心位置である。各プローブ102の位置(具体的には位置座標)は、下カメラ80により得られた画像の中心に当該プローブ102の先端が位置する時の、アライナ50の位置検出機構からの出力に基づいて、取得することができる。
【0055】
また、プローブ基準位置は、予め定められていてもよく、例えば、プローブカード100の中心の設計位置であってもよい。
一実施形態では、ステップS2aにおいて、制御部22により、下カメラ80を用いて、プローブ基準位置として、プローブカード100の第1ターゲット103の代表位置が取得される。
第1ターゲット103の代表位置とは、例えば、複数の第1ターゲット103の重心位置である。各第1ターゲット103の位置は、例えば、下カメラ80により得られた画像の中心に当該第1ターゲット103の中心が位置する時の、アライナ50の位置検出機構からの出力に基づいて、取得することができる。
【0056】
なお、以上では、「○○位置が取得される」等と記載しているが、実際に「○○位置」が取得されていなくてもよく、「○○」位置を取得するために必要な情報が取得されていればよい。以下でも同様である。
【0057】
(S2b:電極の代表位置の取得)
接触位置の決定の際には、さらに、制御部22により、
図9に示すように、アライメント領域Aに、チャックトップ70が移動され、上カメラ60を用いて、電極基準位置に対する電極Pの代表位置が取得される。電極基準位置に対する電極Pの代表位置は、具体的には、上カメラ60の撮像結果とアライナ50の位置検出機構の検出結果とに基づいて取得される。
【0058】
電極Pの代表位置とは、例えば予め定められた複数箇所の電極Pの重心位置である。各電極Pの位置(具体的には位置座標)は、上カメラ60により得られた画像の中心に当該電極Pの中心が位置する時の、アライナ50の位置検出機構からの出力に基づいて、取得することができる。
【0059】
また、電極基準位置は、予め定められていてもよく、例えば、チャックトップ70の中心の設計位置であってもよい。
一実施形態では、ステップS2bにおいて、制御部22により、上カメラ60を用いて、電極基準位置として、チャックトップ70の第2ターゲット71の代表位置が取得される。
第2ターゲット71の代表位置とは、例えば、複数の第2ターゲット71の重心位置である。各第2ターゲット71の位置は、例えば、上カメラ60により得られた画像の中心に当該第2ターゲット71の中心が位置する時の、アライナ50の位置検出機構からの出力に基づいて、取得することができる。
【0060】
(S2c:合致位置の取得)
接触位置の決定の際には、制御部22により、基準合わせカメラ110を用いて、合致位置が取得される。合致位置とは、全ての第1ターゲット103が同時に当該第1ターゲット103に対応する第2ターゲット71と平面視で所定の位置関係となるときのチャックトップ70の位置である。「平面視で所定の位置関係」とは、例えば、第1ターゲット103の中心が、当該第1ターゲット103に対応する第2ターゲット71の中心と平面視で重なる位置関係をいう。
このステップS2cでは、制御部22の制御により、
図10に示すように、チャックトップ70が、プローブカード100の下方の領域に位置するよう、アライナ50によって移動され、基準合わせカメラ110の撮像結果とアライナ50の位置検出機構の検出結果とに基づいて、合致位置が取得される。
【0061】
(S2d:仮の接触位置の取得及び補正)
そして、制御部22により、プローブ基準位置に対するプローブ102の代表位置と電極基準位置に対する電極Pの代表位置とに基づいて接触位置が取得され、ステップS2cで取得された合致位置に基づいて上記接触位置が補正される。すなわち、制御部22により、プローブ基準位置に対するプローブ102の代表位置と電極基準位置に対する電極Pの代表位置とに基づいて、仮の接触位置が取得され、仮の接触位置が、ステップS2cで取得された合致位置に基づいて補正され、補正後の仮の接触位置が、接触位置に決定される。合致位置に基づいて仮の接触位置が補正される、ということは、言い換えると、プローブ基準位置と電極基準位置とが対応づけられる、ということである。また、合致位置の情報は、プローブ基準位置と電極基準位置とを対応付けるための情報である。
【0062】
本ステップS2dでは、具体的には、制御部22により、
図11に示すように、接触基準位置B1からの合致位置B2の位置ずれDに基づいて、仮の接触位置B3が補正され、補正後の仮の接触位置が、接触位置B4に決定される。
【0063】
接触基準位置B1は、例えば予め定められる。
また、接触基準位置B1は、制御部22により、
(1)プローブ基準位置としての、プローブカード100の第1ターゲット103の代表位置と、予め定められた電極基準位置とに基づいて、取得されてもよいし、
(2)予め定められたプローブ基準位置と、電極基準位置としての、チャックトップ70の第2ターゲット71の代表位置とに基づいて取得されてもよいし、
(3)プローブ基準位置としての、プローブカード100の第1ターゲット103の代表位置と、電極基準位置としての、チャックトップ70の第2ターゲット71の代表位置とに基づいて取得されてもよい。
【0064】
(S3:チャックトップ70の移動及び上昇、)
接触位置が決定されると、制御部22により、チャックトップ70が、接触位置に移動され、その後、チャックトップ70が上昇される。上昇は、プローブ102と電極Pとが接触するまで行われる。
【0065】
一実施形態では、上昇中、制御部22により、基準合わせカメラ110を用いて、プローブカード100に対する第2ターゲット71の水平方向の位置変化が取得され、取得結果に基づいて、チャックトップ70の位置が修正される。具体的には、上昇中、制御部22により、基準合わせカメラ110を用いて上記水平方向の位置変化が取得され、この位置変化がキャンセルされるよう、チャックトップ70の位置が接触位置から修正される。
プローブカード100に対する第2ターゲット71の水平方向の位置変化が容易に取得可能なように、例えば、プローブカード100における第1ターゲット103の周囲に、升目模様等の模様を設けてもよい。
【0066】
(ステップS4:チャックトップ70の吸着)
その後、制御部22の制御の下、チャックトップ70がポゴフレーム90に吸着される。
具体的には、電極Pとプローブ102とが接触している状態で、減圧機構(図示せず)等が制御されると共にアライナ50のZステージ53が下降され、これにより、チャックトップ70が、アライナ50から分離されポゴフレーム90に吸着される。
【0067】
(ステップS5:検査)
チャックトップ70とアライナ50との切り離し後、ウェハWに形成された電子デバイスの電気的特性検査が行われる。
電気的特性検査用の電気信号は、テスタ40からポゴピン91やプローブ102等を介して電子デバイスに入力される。
【0068】
(S6.搬出)
その後、検査後のウェハWが搬出される。
具体的には、ポゴフレーム90に吸着されていたチャックトップ70がアライナ50に受け渡され保持される。また、アライナ50に保持されたチャックトップ70上の検査後のウェハWが、搬送装置30によって、検査領域13から搬出され、搬入出領域11のポート20内のカセットCに戻される。
なお、一のテスタ40での検査中、アライナ50によって、他のテスタ40への検査対象のウェハWの搬送や他のテスタ40からの検査後のウェハWの回収が行われる。
【0069】
<本実施形態の主な効果>
本実施形態では、比較の形態に比べて、プローブ基準位置と電極基準位置とを対応づけるための情報を取得した位置から、接触位置までの移動距離が短い。したがって、前述のように筐体10に歪みが生じていたとしても、プローブ102と電極Pとをより適切に接触させることができる。
【0070】
また、前述のように、第1ターゲット103の代表位置を、プローブ基準位置としてもよい。これにより、プローブカード100の状態によらず、プローブ102と電極Pとをより適切に接触させることができる。例えば、プローブカード100の温度変化による当該プローブカード100の膨張または収縮が生じている場合でも、プローブ102と電極Pとを適切に接触させることができる。
【0071】
さらに、前述のように、第2ターゲット71の代表位置を、電極基準位置としてもよい。これにより、チャックトップ70の状態によらず、プローブ102と電極Pとをより適切に接触させることができる。例えば、チャックトップ70の温度変化による当該チャックトップ70の膨張または収縮が生じている場合でも、プローブ102と電極Pとを適切に接触させることができる。
【0072】
また、前述のように、チャックトップ70の上昇中、基準合わせカメラ110を用いて、プローブカード100に対する第2ターゲット71の水平方向の位置変化が取得され、取得結果に基づいて、チャックトップ70の位置が修正されてもよい。これにより、チャックトップ70の上昇中に上記位置変化が生じていても、プローブ102と電極Pとを適切に接触させることができる。
【0073】
<変形例>
以上の例では、第1ターゲット103をプローブカード100に設けていたが、第1ターゲットは、ポゴフレーム90に設けてもよい。具体的には、第1ターゲットは、ポゴフレーム90の下面におけるベローズ93に囲まれた領域内に設けられていてもよい。
【0074】
また、以上の例では、第1ターゲット103と第2ターゲット71とを同時に検出するための基準合わせカメラ110をアライナ50に設けており、第2ターゲット71越しに第1ターゲット103を撮像していた。しかし、上記同時検出のための基準合わせカメラは、ポゴフレーム90に設けられていてもよい。
この場合、ステップS3において、チャックトップ70の上昇中に、制御部22により、基準合わせカメラ110を用いて、チャックトップ70に対する第1ターゲット103の水平方向の位置変化が取得され、取得結果に基づいて、チャックトップ70の位置が修正されてもよい。
【0075】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【符号の説明】
【0076】
1 検査装置
22 制御部
50 アライナ
60 上カメラ
70 チャックトップ
71 第2ターゲット
80 下カメラ
90 ポゴフレーム
100 プローブカード
102 プローブ
103 第1ターゲット
110 基準合わせカメラ
B2 合致位置
B3 接触位置
B4 接触位置
P 電極
W ウェハ