(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048725
(43)【公開日】2023-04-07
(54)【発明の名称】画像表示方法及び画像表示装置
(51)【国際特許分類】
G09G 3/36 20060101AFI20230331BHJP
G09G 3/34 20060101ALI20230331BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20230331BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20230331BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20230331BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/34 J
G09G3/20 621E
G09G3/20 612U
G09G3/20 621A
G02F1/133 535
G02F1/13357
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021158196
(22)【出願日】2021-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】物申 正彦
【テーマコード(参考)】
2H193
2H391
5C006
5C080
【Fターム(参考)】
2H193ZG03
2H193ZG14
2H193ZG22
2H193ZG44
2H193ZG48
2H193ZG50
2H193ZG57
2H391AA03
2H391AA18
2H391AA19
2H391AB04
2H391AB06
2H391AC08
2H391AC09
2H391AC10
2H391AC13
2H391AD58
2H391CB07
2H391CB13
5C006AA22
5C006AF45
5C006AF46
5C006AF51
5C006AF52
5C006BB11
5C006BB29
5C006EA01
5C006FA54
5C006GA02
5C080AA10
5C080BB05
5C080BB06
5C080CC03
5C080JJ02
5C080JJ04
5C080JJ06
5C080KK43
5C080KK50
(57)【要約】
【課題】表示する画像の品位を向上できる画像表示方法及び画像表示装置を提供する。
【解決手段】画像表示方法においては、バックライトは、第1方向に配列された複数の第1エリアに分けられ、各前記第1エリアは、複数の発光領域を含む。液晶パネルは、前記第1方向に配列された複数の第2エリアに分けられ、各前記第2エリアは、複数のピクセルを含む。各前記ピクセルに印加する電圧は、前記第2エリア毎に、前記第1方向に順次切り替えられる。各前記発光領域の光源の出力は、前記第1エリア毎に、前記第1方向に順次切り替えられる。各前記ピクセルに印加する前記電圧を切り替える処理が開始されてから遅延時間が経過した後、各前記発光領域の前記光源の前記出力を切り替える処理が開始される。
【選択図】
図9G
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向及び前記第1方向と交差する第2方向に行列状に配列された複数の発光領域を有するバックライトと、前記バックライト上に配置され、前記第1方向及び前記第2方向に行列状に配列された複数のピクセルを有する液晶パネルと、の制御部に入力される入力画像に応じて、各前記ピクセルに印加する電圧及び各前記発光領域の光源の出力を切り替える工程を備え、
前記バックライトは、前記第1方向に配列された複数の第1エリアに分けられ、
各前記第1エリアは、前記複数の発光領域を含み、
前記液晶パネルは、前記第1方向に配列された複数の第2エリアに分けられ、
各前記第2エリアは、前記複数のピクセルを含み、
前記切り替える工程において、
各前記ピクセルに印加する前記電圧は、前記第2エリア毎に、前記第1方向に順次切り替えられ、
各前記発光領域の前記光源の前記出力は、前記第1エリア毎に、前記第1方向に順次切り替えられ、
各前記ピクセルに印加する前記電圧を切り替える処理が開始されてから遅延時間が経過した後、各前記発光領域の前記光源の前記出力を切り替える処理が開始される、画像表示方法。
【請求項2】
前記切り替える工程においては、
パルス状の同期信号の立ち上がりに応じて、各前記ピクセルに印加する前記電圧を切り替える前記処理が開始され、
前記同期信号が立ち上がってから前記遅延時間が経過した後、各前記発光領域の前記光源の前記出力の切り替える前記処理が開始され、
前記遅延時間は、前記同期信号の周期を前記第1エリアの総数で除した時間以上である、請求項1に記載の画像表示方法。
【請求項3】
前記遅延時間は、前記同期信号の前記周期よりも短い、請求項2に記載の画像表示方法。
【請求項4】
第1方向及び前記第1方向と交差する第2方向に行列状に配列された複数の発光領域を有するバックライトと、
前記バックライト上に配置され、前記第1方向及び前記第2方向に行列状に配列された複数のピクセルを有する液晶パネルと、
入力画像に応じて、各前記ピクセルに印加する電圧及び各前記発光領域の光源の出力を切り替え可能な制御部と、
を備え、
前記バックライトは、前記第1方向に配列された複数の第1エリアに分けられ、
各前記第1エリアは、前記複数の発光領域を含み、
前記液晶パネルは、前記第1方向に配列された複数の第2エリアに分けられ、
各前記第2エリアは、前記複数のピクセルを含み、
前記制御部は、
各前記ピクセルに印加する前記電圧を、前記第2エリア毎に、前記第1方向に順次切り替え可能であり、
各前記発光領域の前記光源の前記出力を、前記第1エリア毎に、前記第1方向に順次切り替え可能であり、
各前記ピクセルに印加する前記電圧を切り替える処理が開始されてから遅延時間が経過した後、各前記発光領域の前記光源の前記出力を切り替える処理を開始可能である、画像表示装置。
【請求項5】
前記制御部は、
パルス状の同期信号の立ち上がりに応じて、各前記ピクセルに印加する前記電圧を切り替える前記処理を開始可能な前記液晶パネルのドライバと、
前記同期信号が立ち上がってから前記遅延時間が経過した後、各前記発光領域の前記光源の前記出力を切り替える前記処理を開始可能な前記バックライトのドライバと、
を有し、
前記遅延時間は、前記同期信号の周期を前記第1エリアの総数で除した時間以上である、請求項4に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記遅延時間は、前記同期信号の前記周期よりも短い、請求項5に記載の画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、画像表示方法及び画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、行列状に配列された複数の発光領域を有し、各発光領域に光源が配置されたバックライトと、バックライトの上方に配置され、複数のピクセルを有する液晶パネルと、を備える画像表示装置が知られている。このような画像表示装置を用いれば、液晶パネルに表示したい画像に応じて各発光領域の輝度を個別に設定し、各発光領域の輝度に応じて液晶パネルの各ピクセルの階調を設定することができる。これにより、液晶パネルに表示する画像のコントラストを向上させることができる。このような技術は、「ローカルディミング」と呼ばれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態は、表示する画像の品位を向上できる画像表示方法及び画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一の実施形態に係る画像表示方法は、第1方向及び前記第1方向と交差する第2方向に行列状に配列された複数の発光領域を有するバックライトと、前記バックライト上に配置され、前記第1方向及び前記第2方向に行列状に配列された複数のピクセルを有する液晶パネルと、の制御部に入力される入力画像に応じて、各前記ピクセルに印加する電圧及び各前記発光領域の光源の出力を切り替える工程を備える。前記バックライトは、前記第1方向に配列された複数の第1エリアに分けられる。各前記第1エリアは、前記複数の発光領域を含む。前記液晶パネルは、前記第1方向に配列された複数の第2エリアに分けられる。各前記第2エリアは、前記複数のピクセルを含む。前記切り替える工程において、各前記ピクセルに印加する前記電圧は、前記第2エリア毎に、前記第1方向に順次切り替えられる。前記切り替える工程において、各前記発光領域の前記光源の前記出力は、前記第1エリア毎に、前記第1方向に順次切り替えられる。前記切り替える工程において、各前記ピクセルに印加する前記電圧を切り替える処理が開始されてから遅延時間が経過した後、各前記発光領域の前記光源の前記出力を切り替える処理が開始される。
【0006】
一の実施形態に係る画像表示装置は、第1方向及び前記第1方向と交差する第2方向に行列状に配列された複数の発光領域を有するバックライトと、前記バックライト上に配置され、前記第1方向及び前記第2方向に行列状に配列された複数のピクセルを有する液晶パネルと、入力画像に応じて、各前記ピクセルに印加する電圧及び各前記発光領域の光源の出力を切り替え可能な制御部と、を備える。前記バックライトは、前記第1方向に配列された複数の第1エリアに分けられる。各前記第1エリアは、前記複数の発光領域を含む。前記液晶パネルは、前記第1方向に配列された複数の第2エリアに分けられる。各前記第2エリアは、前記複数のピクセルを含む。前記制御部は、各前記ピクセルに印加する前記電圧を、前記第2エリア毎に、前記第1方向に順次切り替え可能である。前記制御部は、各前記発光領域の前記光源の前記出力を、前記第1エリア毎に、前記第1方向に順次切り替え可能である。前記制御部は、各前記ピクセルに印加する前記電圧を切り替える処理が開始されてから遅延時間が経過した後、各前記発光領域の前記光源の前記出力を切り替える処理を開始可能である。
【発明の効果】
【0007】
実施形態によれば、表示する画像の品位を向上できる画像表示方法及び画像表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る画像表示装置を示す分解斜視図である。
【
図2】実施形態に係る画像表示装置のバックライトにおける面状光源を示す上面図である。
【
図3】
図2のIII-III線における断面図である。
【
図4】実施形態に係る画像表示装置の液晶パネルを示す上面図である。
【
図5】実施形態に係る画像表示装置を示すブロック図である。
【
図6A】実施形態における入力画像のピクセル、バックライトの発光領域、及び液晶パネルのピクセルの関係を示す模式図である。
【
図6B】実施形態におけるバックライトにおいて、出力が同時に制御されるエリアを示す模式図である。
【
図6C】実施形態における液晶パネルにおいて、階調が同時に制御されるエリアを示す模式図である。
【
図7】輝度設定データの作成方法を示す模式図である。
【
図8】階調設定データの作成方法を示す模式図である。
【
図9A】実施形態における同期信号の時間変化を示す模式図である。
【
図9B】実施形態における液晶パネルの上部エリアに属するピクセルの電位の時間変化を示す模式図である。
【
図9C】実施形態における液晶パネルの中部エリアに属するピクセルの電位の時間変化を示す模式図である。
【
図9D】実施形態における液晶パネルの下部エリアに属するピクセルの電位の時間変化を示す模式図である。
【
図9E】実施形態におけるバックライト用のドライバが、制御信号を受信するタイミングを示す模式図である。
【
図9F】実施形態におけるサブ同期信号の時間変化を示す模式図である。
【
図9G】実施形態におけるバックライトの上部エリアに属する光源の出力を制御するタイミングを示す模式図である。
【
図9H】実施形態におけるバックライトの中部エリアに属する光源の出力を制御するタイミングを示す模式図である。
【
図9I】実施形態におけるバックライトの下部エリアに属する光源の出力を制御するタイミングを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、実施形態及び変形例について図面を参照しつつ説明する。なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。更に、本明細書と各図において、既出の図に関して説明したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略したり、断面図として切断面のみを示す端面図を用いたりする場合がある。
【0010】
また、以下では、説明をわかりやすくするために、XYZ直交座標系を用いて、各部分の配置および構成を説明する。X軸、Y軸、Z軸は、相互に直交している。またX軸が延びる方向を「X方向」とし、Y軸が延びる方向を「Y方向」とし、Z軸が延びる方向を「Z方向」とする。また、Z方向のうちバックライトから液晶パネルに向かう方向を上方、その逆方向を下方とするが、これらの方向は、重力方向とは無関係である。また、説明をわかりやすくするために、各図において、X軸が延びる方向のうちの一方向を「+X方向」といい、その逆方向を「-X方向」という。同様に、Y軸が延びる方向のうち、一方向を「+Y方向」といい、その逆方向を「-Y方向」という。
【0011】
図1は、本実施形態に係る画像表示装置を示す分解斜視図である。
本実施形態に係る画像表示装置100は、例えば、テレビ、パソコン、又はゲーム機等の外部機器(不図示)のディスプレイに用いられる液晶モジュール(LCM:Liquid Crystal Module)である。画像表示装置100は、バックライト110と、液晶パネル120と、制御部130と、を備える。制御部130は、タイミングコントローラ140と、バックライト用のドライバ150と、液晶パネル用のドライバ160と、を含む。以下、画像表示装置100の各部について説明する。なお、
図1では、説明をわかりやすくするために、構成要素同士が電気的に接続されていることを、構成要素同士を実線で結ぶことにより、示している。
【0012】
(バックライト)
バックライト110は、ローカルディミングにより駆動可能である。バックライト110は、面状光源111と、面状光源111上に配置された光学部材112と、を有する。
【0013】
光学部材112は、例えば、光拡散等の光調整機能を有するシート又は板である。本実施形態では、バックライト110に用いられる光学部材112の数は、1つである。ただし、バックライトに用いられる光学部材の数は、2つ以上であってもよい。
【0014】
図2は、本実施形態に係る画像表示装置のバックライトにおける面状光源を示す上面図である。
図3は、
図2のIII-III線における断面図である。
面状光源111は、本実施形態では
図2及び
図3に示すように、基板113と、光反射性シート114と、導光部材115と、複数の光源116と、透光性部材117と、第1光調整部材118と、光反射部材119と、を有する。
【0015】
基板113は、絶縁部材と、絶縁部材上に配置された複数の配線と、を有する配線基板である。基板113の上面視における形状は、
図2に示すように、略矩形である。ただし、基板の形状は、上記の形状に限定されない。基板113の上面及び下面は、平坦面であり、X方向及びY方向(XY平面)に概ね平行である。
【0016】
光反射性シート114は、
図3に示すように、基板113上に配置されている。光反射性シート114は、例えば、第1接着層114aと、第1接着層114a上に配置された光反射層114bと、光反射層114b上に配置された第2接着層114cと、を有する。光反射性シート114は、第1接着層114aにより基板113に貼り付けられている。光反射層114bとしては、例えば多数の気泡を含む樹脂を用いることができる。また、第1接着層114a及び第2接着層114cには、例えば光拡散剤を含有することができる。この場合、第2接着層114cに含有される光拡散剤の濃度は、第1接着層114aに含有される光拡散剤の濃度よりも低いのが好ましく、後述する発光領域111sにおける輝度ムラを軽減することができる。光拡散剤としては、例えば、後述する第2光調整部材116c及び第3光調整部材116dに用いられる光拡散剤から適宜選択することができる。
【0017】
導光部材115は、光反射性シート114上に配置されている。導光部材115は、第2接着層114cにより光反射性シート114に貼り付けられている。導光部材115の形状は、板状である。ただし、導光部材の形状は、上記に限定されない。導光部材115の厚さは、200μm以上800μm以下であることが好ましい。導光部材115は、単層で構成されてもよいし、複数の層の積層体で構成されてもよい。
【0018】
導光部材115に用いられる材料としては、例えば、アクリル、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート若しくはポリエステル等の熱可塑性樹脂、エポキシ若しくはシリコーン等の熱硬化性樹脂、又はガラスが挙げられる。
【0019】
導光部材115には、複数の光源配置部115aが設けられている。複数の光源配置部115aは、
図2に示すように上面視において行列状に配列されている。各光源配置部115aは、
図3に示すように、導光部材115をZ方向に貫通する貫通孔である。ただし、光源配置部は、導光部材の下面に設けられた凹部であってもよい。
【0020】
各光源116は、各光源配置部115a内に配置されている。したがって、複数の光源116も、
図2に示すように、行列状に配列されている。ただし、導光部材に光源配置部が設けられておらず、光源は導光部材に埋め込まれていてもよい。また、面状光源には、必ずしも導光部材が配置されている必要はない。例えば、面状光源には、導光部材が配置されておらず、面状光源は、単に基板上に複数の光源が行列状に配列されたものであってもよい。
【0021】
各光源116は、
図3に示すように、発光素子116aに波長変換部材116bを組み合わせた発光装置である。各光源116は、第2光調整部材116cと、第3光調整部材116dと、を更に有している。ただし、各光源は、発光装置ではなく発光素子単体であってもよい。
【0022】
発光素子116aは、例えばLED(Light Emitting Diode)である。発光素子116aは、半導体積層体116eと、半導体積層体116eと基板113の配線とを電気的に接続する一対の電極116f、116gと、を含む。光反射性シート114において、各電極116f、116gの直下に位置する部分には、貫通孔が設けられている。この貫通孔内には、各電極116f、116gと、基板113の配線とを電気的に接続する導電部材113mが配置されている。
【0023】
波長変換部材116bは、半導体積層体116eの上面及び側面を覆う透光性部材116hと、透光性部材116h中に配置され、半導体積層体116eが発する光の波長を異なる波長に変換する波長変換物質116iと、を有する。波長変換物質116iは、例えば蛍光体である。
【0024】
本実施形態において、発光素子116aは、青色光を発する。一方、波長変換部材116bは、赤色光を発する蛍光体と、緑色光を発する蛍光体と、を含む。以下、赤色光を発する蛍光体を「赤色蛍光体」といい、緑色光を発する蛍光体を「緑色蛍光体」という。赤色蛍光体としては、例えば、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN3:Eu)、KSF系蛍光体(例えば、K2SiF6:Mn)、KSAF系蛍光体(例えば、K2[SipAlqMnrFs](0.9≦p+q+r≦1.1、0<q≦0.1、0<r≦0.2、5.9≦s≦6.1))、又は量子ドット蛍光体(例えば、AgpCu1-pInqGa1-qS2(0<p≦1、0<q≦1))が挙げられる。また、緑色蛍光体としては、例えば、ペロブスカイト構造を有する蛍光体(例えば、CsPb(F,Cl,Br,I)3)、βサイアロン系蛍光体(例えば、(Si,Al)3(O,N)4:Eu)、LAG系蛍光体(例えば、Lu3(Al,Ga)5O12:Ce)、又は量子ドット蛍光体(例えば、AgInpGa1-pS2(0<p≦1))が挙げられる。バックライト110は、発光素子116aが発する青色光と、波長変換部材116bが発する赤色光及び緑色光と、の混色光である白色光を出射することができる。
【0025】
ただし、波長変換部材116bは、蛍光体を含有しない透光性部材に代えてもよい。この場合や前述したように光源が発光素子単体である場合、例えば赤色蛍光体と緑色蛍光体とを含有する蛍光体シートを面状光源上に配置する、又は赤色蛍光体を含有する蛍光体シートと緑色蛍光体を含有する蛍光体シートとを面状光源上に配置することにより、同様の白色光を得ることができる。
【0026】
第2光調整部材116cは、波長変換部材116bの上面を覆う。第2光調整部材116cは、波長変換部材116bの上面から出射する光の量や出射方向を制御可能である。
【0027】
第3光調整部材116dは、電極116f、116gの下面が露出するように、発光素子116aの下面及び波長変換部材116bの下面を覆う。第3光調整部材116dは、波長変換部材116bの下面に向かう光を反射して、波長変換部材116bの上面及び側面から出射するように制御可能である。
【0028】
第2光調整部材116c及び第3光調整部材116dは、それぞれ、透光性樹脂および透光性樹脂中に含まれる光拡散剤によって構成することができる。透光性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂又はアクリル樹脂が挙げられる。光拡散剤としては、例えば、チタニア、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ジルコニア、イットリア、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、五酸化ニオブ、チタン酸バリウム、五酸化タンタル、硫酸バリウム又はガラスなどの粒子が挙げられる。また、第2光調整部材116cには、光源116の直上の輝度が高くなりすぎないように、例えば、アルミニウム又は銀などの金属部材を用いてもよい。
【0029】
光源配置部115a内には、透光性部材117が配置されている。透光性部材117は、光源116を覆っている。
【0030】
透光性部材117上には、第1光調整部材118が配置されている。第1光調整部材118は、光源116の直上の輝度が高くなりすぎないように、透光性部材117から入射した光の一部を反射し、他の一部を透過可能である。また、第1光調整部材118は、上面視で透光性部材117と導光部材115との界面を覆うように配置されているのが好ましく、光源116からの光が透光性部材117と導光部材115との界面で散乱されることによって輝度が部分的に高くなってしまうのを抑制することができる。第1光調整部材118には、第2光調整部材116c又は第3光調整部材116dと同様の部材を用いることができる。
【0031】
また、導光部材115には、
図2および
図3に示すように、上面視で各光源配置部115aを囲むように区画溝115bが設けられている。区画溝115bは、X方向及びY方向に格子状に延びている。区画溝115bは、Z方向に導光部材115を貫通している。ただし、区画溝115bは、導光部材115の上面または下面に設けられた凹部であってもよい。また、区画溝115bは、導光部材115に設けられていなくてもよい。
【0032】
区画溝115b内には、光反射部材119が配置されている。光反射部材119には、例えば、第2光調整部材116c又は第3光調整部材116dと同様の部材を用いることができる。光反射部材119は、区画溝115bの側面の一部を層状に覆っている。光反射部材119は、光源116からの光を後述する発光領域111s毎に区画できるように、区画溝115b内に露出した光反射性シート114、特に第2接着層114cの上面をさらに覆うように延在していてもよい。ただし、光反射部材119は、区画溝115b内の全体を埋めるように配置されていてもよい。また、区画溝115b内に光反射部材119は配置されていなくてもよい。
【0033】
複数の光源116の出力は、バックライト用のドライバ150により、個別に制御可能である。ここで、「出力を制御可能」とは、点灯と消灯の切り替えが可能であること、及び点灯状態における輝度が調整可能であることを意味する。以下では、上面視において面状光源111を、個別に出力が制御される光源116を含む領域毎に区分けした場合の、各領域を「発光領域111s」という。発光領域111sは、面状光源111においてローカルディミングにより輝度が制御される最小の領域に相当する。
【0034】
各発光領域111sは、本実施形態では区画溝115bと同様に、面状光源111を格子状に区画した場合の各領域に相当する。そのため、各発光領域111sの形状は、
図2に示すように矩形状である。そして、一つの発光領域111s内には、一つの光源116が配置されている。ただし、面状光源には、複数の光源群が行列状に配列されており、光源群毎に出力が制御されてもよい。この場合は、一つの発光領域内に、一つの光源群、すなわち複数の光源が配置される。
【0035】
複数の発光領域111sは、上面視において行列状に配列されている。以下では、複数の発光領域111sのような行列状の構造において、X方向に並んだ発光領域111s等の行列の要素群を「行」といい、Y方向に並んだ発光領域111s等の行列の要素群を「列」という。最も+Y側(
図2の左側)に位置する行を「第1行」とし、最も-Y側(
図2の右側)に位置する行を「最終行」とする。同様に、最も-X側(
図2の下側)に位置する列を「第1列」とし、最も+X側(
図2の上側)に位置する列を「最終列」とする。後述する入力画像910等の行列状のデータについても同様である。複数の発光領域111sは、N1個の行を成し、かつ、M1個の列を成すように配列されている。ここで、N1及びM1はそれぞれ任意の整数であり、
図2では、N1が9であり、M1が16である例を示している。
【0036】
(液晶パネル)
図4は、本実施形態に係る画像表示装置の液晶パネルを示す上面図である。
バックライト110上には、液晶パネル120が配置されている。上面視における液晶パネル120の形状は、略矩形である。ただし、液晶パネルの形状は、上記に限定されない。液晶パネル120は、行列状に配列された複数のピクセル120pを有する。
図4では、細い2点鎖線で囲まれた一つの領域が、一つのピクセル120pに相当する。
【0037】
液晶パネル120は、本実施形態ではカラー画像を表示可能である。そのため、一つのピクセル120pは、3つのサブピクセル120sp、例えばバックライト110から出射する白色光のうち、青色光を透過可能なサブピクセルと、緑色光を透過可能なサブピクセルと、赤色光を透過可能なサブピクセルとを含む。各サブピクセル120spの光の透過率は、液晶パネル用のドライバ160により、個別に制御可能である。これにより、各サブピクセル120spの階調が個別に制御される。
【0038】
複数のピクセル120pは、N2個の行を成し、かつ、M2個の列を成すように配列されている。ここで、N2及びM2はそれぞれ任意の整数であり、N2>N1であり、M2>M1である。上面視において、各発光領域111s内には、複数のピクセル120pが配置される。なお、
図4では、上面視において、各発光領域111s内に、4つのピクセル120pが配置される例を示しているが、各発光領域内に配置される液晶パネルのピクセルの数は、3個以下であってもよいし、5個以上であってもよい。
【0039】
図5は、本実施形態に係る画像表示装置を示すブロック図である。
図6Aは、本実施形態における入力画像のピクセル、バックライトの発光領域、及び液晶パネルのピクセルの関係を示す模式図である。
図6Bは、本実施形態におけるバックライトにおいて、出力が同時に制御されるエリアを示す模式図である。
図6Cは、本実施形態における液晶パネルにおいて、階調が同時に制御されるエリアを示す模式図である。
図7は、輝度設定データの作成方法を示す模式図である。
図8は、階調設定データの作成方法を示す模式図である。
図9Aは、本実施形態における同期信号の時間変化を示す模式図である。
図9Bは、本実施形態における液晶パネルの上部エリアに属するピクセルの電位の時間変化を示す模式図である。
図9Cは、本実施形態における液晶パネルの中部エリアに属するピクセルの電位の時間変化を示す模式図である。
図9Dは、本実施形態における液晶パネルの下部エリアに属するピクセルの電位の時間変化を示す模式図である。
図9Eは、本実施形態におけるバックライト用のドライバが、制御信号を受信するタイミングを示す模式図である。
図9Fは、本実施形態におけるサブ同期信号の時間変化を示す模式図である。
図9Gは、本実施形態におけるバックライトの上部エリアに属する光源の出力を制御するタイミングを示す模式図である。
図9Hは、本実施形態におけるバックライトの中部エリアに属する光源の出力を制御するタイミングを示す模式図である。
図9Iは、本実施形態におけるバックライトの下部エリアに属する光源の出力を制御するタイミングを示す模式図である。
【0040】
(タイミングコントローラ)
タイミングコントローラ140は、外部機器に接続される。また、
図5に示すように、タイミングコントローラ140は、バックライト用のドライバ150及び液晶パネル用のドライバ160に接続される。
【0041】
タイミングコントローラ140は、入力部141、輝度設定データ作成部142、階調設定データ作成部143、記憶部144、サブ同期信号生成部145、制御信号生成部146、及び出力部147を有する。
【0042】
入力部141は、例えば、外部機器へ接続される入力インターフェースによって構成される。入力部141は、外部機器から複数の入力画像910及び同期信号920の入力を受け付ける。
【0043】
各入力画像910は、
図6Aに示すように、行列状に配列される複数のピクセル910pを有する。以下では、画像表示装置100の各要素との関係をわかりやすくするため、入力画像910のように、ピクセル910p等の要素が行列状に配列されるデータにおいて、要素の配列方向をXY直交座標系を用いて表す。
【0044】
また、以下では、入力画像910の一つのピクセル910pが、液晶パネル120の一つのピクセル120pに対応している例を説明する。すなわち、複数のピクセル910pは、N2個の行を成し、かつ、M2個の列を成すように配列される。入力画像910において、バックライト110の一つの発光領域111sに対応する画像エリア910aには、4個のピクセル910pが含まれる。ただし、入力画像のピクセルと、液晶パネルのピクセルとの対応関係は、一対一でなくてもよい。また、各発光領域に対応する入力画像のピクセルの数は、3個以下であってもよいし、5個以上であってもよい。
【0045】
各ピクセル910pには、階調が設定されている。入力画像910は、本実施形態では、カラー画像である。そのため、各ピクセル910pには、青色の階調Gb、緑色の階調Gg、及び赤色の階調Grが設定されている。各階調Gb、Gg、Grは、例えば8bitで表現される場合、0以上255以下の数字である。
【0046】
同期信号920は、液晶パネル120に表示する入力画像910を切り替えるタイミングを示す信号である。同期信号920は、
図9Aに示すようにパルス状の信号であり、例えば垂直同期信号である。
【0047】
輝度設定データ作成部142は、
図7に示すように、各入力画像910を用いて、バックライト110の各光源116の輝度の設定値を定めた輝度設定データD1を作成する。
【0048】
具体的には、輝度設定データ作成部142は、入力画像910において、第i行かつ第j列に位置する発光領域111sに対応する画像エリア910a内の複数のピクセル910pの階調の最大値Gmax(i,j)を抽出する。ここで、iは、1以上N1以下の整数であり、jは1以上M1以下の整数である。輝度設定データ作成部142は、抽出した階調の最大値Gmax(i,j)を輝度e1(i,j)に変換する。輝度設定データ作成部142は、この輝度e1(i,j)を、輝度設定データD1の第i行かつ第j列に位置する要素の値とする。輝度設定データ作成部142は、この処理を全ての発光領域111sについて行う。
【0049】
このようにして得られた輝度設定データD1は、N1個の行かつM1個の列を有する行列状のデータである。そして、第i行かつ第j列に位置する輝度設定データD1の要素の値は、第i行かつ第j列に位置する発光領域111sの輝度の設定値である。ただし、輝度設定データの作成方法は、上記に限定されない。
【0050】
階調設定データ作成部143は、
図8に示すように、輝度設定データD1、輝度プロファイルD3、及び各入力画像910を用いて、液晶パネル120の各ピクセル120pの階調の設定値を定めた階調設定データD2を作成する。輝度プロファイルD3は、一つの発光領域111sの光源116を点灯させた場合のXY平面上の各位置における輝度分布を示すデータである。
図8のONは、その発光領域111sの光源116が点灯していることを意味し、OFFは、その発光領域111sの光源116が消灯していることを意味する。
【0051】
階調設定データ作成部143は、輝度設定データD1及び輝度プロファイルD3から、一つの発光領域111s内の輝度分布及び周囲の発光領域111sからの光漏れの両方を盛り込んで、液晶パネル120の第n行かつ第m列に位置するピクセル120pの直下の輝度値V(n,m)を推定する。ここで、nは1以上N2以下の整数であり、mは1以上M2以下の整数である。
【0052】
階調設定データ作成部143は、推定した輝度値V(n,m)と、入力画像910においてこのピクセル120pに対応するピクセル910pの青色の階調Gbを変換式Efに代入する。変換式Efは、例えばガンマ補正に基づき輝度を階調に変換する変換式である。階調設定データ作成部143は、青色の階調Gbを変換式Efに代入したことによる変換式Efの出力値Efbを、このピクセル120pの青色の階調の設定値とする。同様の処理を緑色の階調Ggについても行い、これにより得られた変換式Efの出力値Efgを、このピクセル120pの緑色の階調の設定値とする。階調設定データ作成部143は、同様の処理を赤色の階調Grについても行い、これにより得られた変換式Efの出力値Efrを、このピクセル120pの赤色の階調の設定値とする。階調設定データ作成部143は、変換式Efの出力値Efb、Efg、Efrを、階調設定データD2の第n行かつ第m列に位置する要素e2(n,m)の値にする。階調設定データ作成部143は、この処理を、液晶パネル120の全てのピクセル120pについて行う。
【0053】
このようにして得られた階調設定データD2は、N2行かつM2列の行列状のデータである。階調設定データD2において第n行かつ第m列に位置する要素e2(n,m)の3つの値Efb、Efg、Efrは、それぞれ、液晶パネル120において第n行かつ第m列に位置するピクセル120pの青色の階調の設定値、緑色の階調の設定値、及び赤色の階調の設定値に相当する。ただし、階調設定データの作成方法は、上記に限定されない。
【0054】
輝度設定データ作成部142及び階調設定データ作成部143は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサにより構成される。
【0055】
記憶部144は、入力画像910、輝度設定データD1、階調設定データD2、及び輝度プロファイルD3等のバックライト110及び液晶パネル120の制御に必要な各種データ及び各種プログラムを記憶する。記憶部144は、例えば、ROM(Read-Only Memory)、及びRAM(Random-Access Memory)によって構成される。
【0056】
サブ同期信号生成部145は、同期信号920を用いて、サブ同期信号930を生成する。サブ同期信号930は、詳細は後述するが、バックライト用のドライバ150が出力を制御するバックライト110のエリア110zを切り替えるタイミングを示す信号である。サブ同期信号930は、
図9Fに示すように例えばパルス状の信号である。サブ同期信号930は、同期信号920と同期しており、同期信号920の一周期T内には、サブ同期信号930の複数のパルスが含まれる。本実施形態では、一周期T内に、サブ同期信号930の3つのパルスが含まれる例を示している。サブ同期信号生成部145は、例えば、パルス信号の生成回路によって構成される。
【0057】
制御信号生成部146は、輝度設定データD1に基づき、バックライト110の制御信号D1aを生成する。制御信号D1aは、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)信号である。制御信号生成部146は、例えば、PWM信号の生成回路によって構成される。
【0058】
出力部147は、バックライト110へ接続される出力インターフェース及び液晶パネル120へ接続される出力インターフェース等を含む。出力部147は、
図5に示すように、バックライト110の制御信号D1a及びサブ同期信号930を、バックライト用のドライバ150に出力する。また、出力部147は、階調設定データD2を液晶パネル120の制御信号D2aとして、液晶パネル用のドライバ160に出力する。また、出力部147は、同期信号920を、液晶パネル用のドライバ160に出力する。なお、階調設定データを液晶パネルの制御信号に変換する必要がある場合、制御信号生成部は、階調設定データを液晶パネルの制御信号に変換し、出力部は、この制御信号を液晶パネルに出力してもよい。
【0059】
(バックライト用のドライバ)
バックライト用のドライバ150は、データ保持部151、駆動部152、エリア切り替え部153、及びタイミング調整部154を有する。
【0060】
データ保持部151は、バックライト110の制御信号D1aを保持する。データ保持部151は、例えば、バックライト110の制御信号D1aを保持可能なラッチ回路によって構成される。
【0061】
バックライト用のドライバ150が、各発光領域111sの光源116の出力を制御する際、
図6Bに示すように、バックライト110は、-Y方向に配列された複数のエリア110zに分けられる。各エリア110zには、少なくとも1行分の発光領域111sが含まれる。
図6Bでは、バックライト110が3つのエリア110zに分けられ、各エリア110zに、3行分の発光領域111sが含まれる例を示している。以下では、3つのエリア110zのうち、最も+Y側に位置するエリア110zを「上部エリア110z1」ともいい、上部エリア110z1の-Y側に位置するエリア110zを「中部エリア110z2」ともいい、中部エリア110z2の-Y側に位置するエリア110zを「下部エリア110z3」ともいう。ただし、バックライトにおけるエリアの数、及び各エリアに含まれる発光領域の数は、上記の数に限定されない。例えば、バックライトにおけるエリアの数は、4以上であってもよい。
【0062】
駆動部152は、一つのエリア110z内の光源116を同時に駆動可能である。駆動部152は、例えば、複数の光源116の駆動回路により構成される。
【0063】
エリア切り替え部153は、サブ同期信号930が立ち上がるタイミングで、駆動部152が駆動するエリア110zを、-Y方向に順次切り替える。エリア切り替え部153は、例えば、駆動部152とバックライト110との間に配置され、駆動部152が駆動するエリア110zを切り替え可能なスイッチ素子により構成される。以下、バックライト110の各発光領域111sの光源116の出力を、エリア110z毎に、-Y方向に順次切り替える一連の処理を、「各発光領域111sの光源116の出力を切り替える処理」という。
【0064】
タイミング調整部154は、制御信号D1aをデータ保持部151から駆動部152に送信するタイミングを調整する。タイミング調整部154は、例えば、データ保持部151と駆動部152の間に配置されたシフトレジスタ回路により構成される。タイミング調整部154の機能については、後述する。
【0065】
(液晶パネル用のドライバ)
液晶パネル用のドライバ160は、液晶パネル120の駆動回路等により構成される。
液晶パネル用のドライバ160が、液晶パネル120の各ピクセル120pの階調を制御する際、
図6Cに示すように、液晶パネル120は、-Y方向に配列された複数のエリア120zに分けられる。各エリア120zには、1行分のピクセル120pが含まれる。以下では、液晶パネル120において、バックライト110の上部エリア110z1の直上に位置する部分を、「上部121」という。また、液晶パネル120において、バックライト110の中部エリア110z2の直上に位置する部分を、「中部122」という。また、液晶パネル120において、バックライト110の下部エリア110z3の直上に位置する部分を、「下部123」という。
【0066】
また、上部121に含まれる複数のエリア120zのうち、最も+Y側に位置するエリア120zを「上部エリア120z1」ともいう。また、中部122に含まれる複数のエリア120zのうち、最も+Y側に位置するエリア120zを「中部エリア120z2」ともいう。また、下部123に含まれる複数のエリア120zのうち、最も+Y側に位置するエリア120zを「下部エリア120z3」ともいう。
【0067】
液晶パネル用のドライバ160は、例えば、同期信号920が立ち上がったタイミングで、一の入力画像910に応じて各ピクセル120pに印加する電圧を切り替える処理を開始する。この際、液晶パネル用のドライバ160は、一つのエリア120z分のピクセル120pを同時に駆動する。そして、液晶パネル用のドライバ160は、駆動するエリア120zを、-Y方向に順次切り替える。したがって、「液晶パネル120の各ピクセル120pに印加する電圧を切り替える処理」とは、液晶パネル120の各ピクセル120pに印加する電圧を、エリア120z毎に、-Y方向に順次切り替える一連の処理を意味する。
【0068】
バックライト用のドライバ150のタイミング調整部154は、k番目の入力画像910に応じて液晶パネル120の各ピクセル120pに印加する電圧を切り替える処理が開始してから遅延時間Tdが経過した後に、各発光領域111sの光源116の出力を切り替える処理が開始されるように、k番目の入力画像910をデータ保持部151から駆動部152に送信するタイミングを調整する。ここで、kは1以上の任意の整数である。
【0069】
具体的には、例えば、k=1である場合、タイミング調整部154は、1番目の入力画像910に応じて液晶パネル120の各ピクセル120pに印加する電圧を切り替える処理が開始してから遅延時間Tdが経過していないときは、駆動部152に制御信号D1aを送信しない。この場合、例えば、駆動部152は、バックライト110のいずれのエリア110zも駆動させない。また、タイミング調整部154は、1番目の入力画像910に応じて液晶パネル120の各ピクセル120pに印加する電圧を切り替える処理が開始してから遅延時間Tdが経過したときは、駆動部152に1番目の入力画像910に対応する制御信号D1aを送信する。したがって、この場合、各発光領域111sの光源116の出力は、1番目の入力画像910に対応する制御信号D1aに応じた出力に切り替わる。
【0070】
また、k≧2である場合、タイミング調整部154は、k番目の入力画像910に応じて液晶パネル120の各ピクセル120pに印加する電圧を切り替える処理が開始してから遅延時間Tdが経過していないときは、駆動部152にk-1番目の入力画像910に対応する制御信号D1aを送信する。この場合、各発光領域111sの光源116の出力は、k-1番目の入力画像910に対応する制御信号D1aに応じた出力となる。また、タイミング調整部154は、kを2以上の任意の整数として、k番目の入力画像910に応じて液晶パネル120の各ピクセル120pに印加する電圧を切り替える処理が開始してから遅延時間Tdが経過したときは、駆動部152にk番目の入力画像910に対応する制御信号D1aを送信する。したがって、この場合、各発光領域111sの光源116の出力は、k番目の入力画像910に対応する制御信号D1aに応じた出力に切り替わる。
【0071】
次に、本実施形態に係る画像表示装置100を用いた画像表示方法を説明する。
先ず、タイミングコントローラ140は、k番目の入力画像910について輝度設定データD1を作成する。次に、タイミングコントローラ140は、輝度設定データD1をバックライト110の制御信号D1aに変換する。次に、タイミングコントローラ140は、制御信号D1a及びサブ同期信号930をバックライト用のドライバ150に出力する。
【0072】
また、タイミングコントローラ140は、k番目の入力画像910について階調設定データD2を作成する。次に、タイミングコントローラ140は、階調設定データD2を制御信号D2aとして、制御信号D2a及び同期信号920を液晶パネル用のドライバ160に出力する。
【0073】
次に、液晶パネル用のドライバ160は、k番目の入力画像910に対応する制御信号D2aに基づいて液晶パネル120の各ピクセル120pに印加する電圧を切り替え、バックライト用のドライバ150は、k番目の入力画像910に対応する制御信号D1aに基づいてバックライト110の各発光領域111sの光源116の出力を切り替える。以下、この工程について詳述する。
【0074】
なお、以下では、k≧2である場合を説明する。また、k番目の入力画像910に対応する制御信号D2aを単に「k番目の制御信号D2a」という。同様に、k番目の入力画像910に対応する制御信号D1aを単に「k番目の制御信号D1a」という。また、以下では、
図9Aにおいて、同期信号920が一番初めに立ち上がる時刻を「t0」とする。また、同期信号920の一周期Tを、バックライト110のエリア110zの総数である3で除算した時間を、「単位時間Δt」という。また、時刻t0から単位時間Δtが経過するごとの時刻を、順に、「時刻t1」、「時刻t2」、「時刻t3」、「時刻t4」、「時刻t5」、及び「時刻t6」とする。
【0075】
先ず、時刻t0で、同期信号920の立ち上がりを検出した場合、液晶パネル用のドライバ160は、k番目の制御信号D2aに応じて、各ピクセル120pに印加する電圧を切り替える処理を開始する。この処理では、液晶パネル用のドライバ160は、各ピクセル120pに印加する電圧を、k-1番目の制御信号D2aに応じた値からk番目の制御信号D2aに応じた値に、エリア120z毎に、-Y方向に順次切り替える。
【0076】
したがって、先ずは、
図9Bに示すように、概ね時刻t0で、液晶パネル120の上部エリア120z1に属する各ピクセル120pの電位が、k番目の制御信号D2aに対応する値に切り替わり始める。ただし、各ピクセル120pの電位が、k番目の制御信号D2aに応じた目標の電位Vf11に到達するまでには時間がかかる。
【0077】
また、
図9Eに示すように、バックライト用のドライバ150のデータ保持部151は、時刻t0で、タイミングコントローラ140から、下部エリア110z3のk-1番目の制御信号D1aを受信し始める。
【0078】
また、
図9Fに示すように、時刻t0において、サブ同期信号930も立ち上がる。
以下では、バックライト用のドライバ150が、各エリア110z内の光源116の出力を制御する際、各光源116を点灯させる例を説明する。ただし、バックライト用のドライバ150は、制御信号D1aによっては、光源116の出力を制御する際、光源116を消灯させてもよい。
【0079】
時刻t0の時点では、バックライト用のドライバ150は、予め受信したk-1番目の制御信号D1aに応じて、中部エリア110z2の各光源116の出力を制御し、上部エリア110z1及び下部エリア110z3の各光源116は駆動させない。そのため、中部エリア110z2の各光源116の出力は、k-1番目の制御信号D1aに応じた出力となる。
【0080】
この際、
図9Cに示すように、液晶パネル120の中部エリア120z2に属する各ピクセル120pの電位は、k-1番目の制御信号D2aに対応する値に概ね到達している。そのため、液晶パネル120の中部エリア120z2に表示する画像と、バックライト110においてその直下に位置する中部エリア110z2内の光源116の出力をマッチさせることができる。
【0081】
次に、
図9Cに示すように、概ね時刻t1で、液晶パネル120の中部エリア120z2に属する各ピクセル120pの電位が、k番目の制御信号D2aに対応する値に切り替わり始める。ただし、各ピクセル120pの電位が、k番目の制御信号D2aに応じた目標の電位Vf21に到達するまでには時間がかかる。
【0082】
また、
図9Eに示すように、バックライト用のドライバ150のデータ保持部151は、時刻t1で、上部エリア110z1のk番目の制御信号D1aを受信し始める。
【0083】
また、
図9Fに示すように、時刻t1において、サブ同期信号930が立ち上がる。
サブ同期信号930の立ち上がりを検出した場合、バックライト用のドライバ150は、
図9G~
図9Iに示すように、時刻t0で受信した下部エリア110z3のk-1番目の制御信号D1aに応じて、下部エリア110z3の各光源116の出力を制御し、上部エリア110z1及び中部エリア110z2の各光源116は駆動させない。そのため、下部エリア110z3の各光源116の出力は、k-1番目の制御信号D1aに応じた出力となる。
【0084】
この際、
図9Dに示すように、液晶パネル120の下部エリア120z3に属する各ピクセル120pの電位は、k-1番目の制御信号D2aに対応する値に概ね到達している。そのため、液晶パネル120の下部エリア120z3に表示する画像と、バックライト110においてその直下に位置する下部エリア110z3内の光源116の出力をマッチさせることができる。
【0085】
次に、
図9Dに示すように、概ね時刻t2で、液晶パネル120の下部エリア120z3に属する各ピクセル120pの電位が、k番目の制御信号D2aに対応する値に切り替わり始める。ただし、各ピクセル120pの電位が、k番目の制御信号D2aに応じた目標の電位Vf31に到達するまでには時間がかかる。
【0086】
また、
図9Eに示すように、バックライト用のドライバ150のデータ保持部151は、時刻t2で、中部エリア110z2のk番目の制御信号D1aを受信し始める。
【0087】
また、
図9Fに示すように、時刻t2において、サブ同期信号930が立ち上がる。
サブ同期信号930の立ち上がりを検出した場合、バックライト用のドライバ150は、
図9G~
図9Iに示すように、時刻t1で受信した上部エリア110z1のk番目の制御信号D1aに応じて、上部エリア110z1の各光源116の出力を制御し、中部エリア110z2及び下部エリア110z3の各光源116は駆動させない。そのため、上部エリア110z1の各光源116の出力は、k番目の制御信号D1aに応じた出力となる。このように、k番目の入力画像910に応じて液晶パネル120の各ピクセル120pに印加する電圧を切り替える処理を開始する時刻t0から、単位時間Δtの2つ分の長さの遅延時間Tdが経過した後、k番目の入力画像910に応じてバックライト110の各発光領域111sの出力を切り替える処理が開始する。
【0088】
この際、
図9Bに示すように、液晶パネル120の上部エリア120z1に属する各ピクセル120pの電位は、k番目の制御信号D2aに対応する値に概ね到達している。そのため、液晶パネル120の上部エリア120z1に表示する画像と、バックライト110においてその直下に位置する上部エリア110z1内の光源116の出力をマッチさせることができる。
【0089】
次に、
図9Aに示すように、時刻t3で、同期信号920が再び立ち上がる。
同期信号920の立ち上がりを検出した場合、液晶パネル用のドライバ160は、k+1番目の制御信号D2aに応じて、各ピクセル120pに印加する電圧を切り替える処理を開始する。そのため、
図9Bに示すように、概ね時刻t3では、液晶パネル120の上部エリア120z1に属する各ピクセル120pの電位が、k+1番目の制御信号D2aに対応する値に切り替わり始める。ただし、各ピクセル120pの電位が、k+1番目の制御信号D2aに応じた目標の電位Vf12に到達するまでには時間がかかる。
【0090】
また、
図9Eに示すように、バックライト用のドライバ150のデータ保持部151は、時刻t3で、下部エリア110z3のk番目の制御信号D1aを受信し始める。
【0091】
また、
図9Fに示すように、時刻t3において、サブ同期信号930が立ち上がる。
サブ同期信号930の立ち上がりを検出した場合、バックライト用のドライバ150は、
図9G~
図9Iに示すように、時刻t2で受信した中部エリア110z2のk番目の制御信号D1aに応じて、中部エリア110z2の各光源116の出力を制御し、上部エリア110z1及び下部エリア110z3の各光源116は駆動させない。そのため、中部エリア110z2の各光源116の出力は、k番目の制御信号D1aに応じた出力となる。
【0092】
この際、
図9Cに示すように、液晶パネル120の中部エリア120z2に属する各ピクセル120pの電位は、k番目の制御信号D2aに対応する値に概ね到達している。そのため、液晶パネル120の中部エリア120z2に表示する画像と、バックライト110においてその直下に位置する中部エリア110z2内の光源116の出力をマッチさせることができる。
【0093】
次に、
図9Cに示すように、概ね時刻t4で、液晶パネル120の中部エリア120z2に属する各ピクセル120pの電位が、k+1番目の制御信号D2aに対応する値に切り替わり始める。ただし、各ピクセル120pの電位が、k+1番目の制御信号D2aに応じた目標の電位Vf22に到達するまでには時間がかかる。
【0094】
また、
図9Eに示すように、バックライト用のドライバ150のデータ保持部151は、時刻t4で、上部エリア110z1のk+1番目の制御信号D1aを受信し始める。
【0095】
また、
図9Fに示すように、時刻t4において、サブ同期信号930が立ち上がる。
サブ同期信号930の立ち上がりを検出した場合、バックライト用のドライバ150は、
図9G~
図9Iに示すように、時刻t3で受信した下部エリア110z3のk番目の制御信号D1aに応じて、下部エリア110z3の各光源116の出力を制御し、上部エリア110z1及び中部エリア110z2の各光源116は駆動させない。そのため、下部エリア110z3の各光源116の出力は、k番目の制御信号D1aに応じた出力となる。
【0096】
この際、
図9Dに示すように、液晶パネル120の下部エリア120z3に属する各ピクセル120pの電位は、k番目の制御信号D2aに対応する値に概ね到達している。そのため、液晶パネル120の下部エリア120z3に表示する画像と、バックライト110においてその直下に位置する下部エリア110z3内の光源116の出力をマッチさせることができる。
【0097】
次に、
図9Dに示すように、概ね時刻t5で、液晶パネル120の下部エリア120z3に属する各ピクセル120pの電位が、k+1番目の制御信号D2aに対応する値に切り替わり始める。ただし、各ピクセル120pの電位が、k+1番目の制御信号D2aに応じた目標の電位Vf32に到達するまでには時間がかかる。
【0098】
また、
図9Eに示すように、バックライト用のドライバ150のデータ保持部151は、時刻t5で、中部エリア110z2のk+1番目の制御信号D1aを受信し始める。
【0099】
また、
図9Fに示すように、時刻t5において、サブ同期信号930が立ち上がる。
サブ同期信号930の立ち上がりを検出した場合、バックライト用のドライバ150は、
図9G~
図9Iに示すように、時刻t4で受信した上部エリア110z1のk+1番目の制御信号D1aに応じて、上部エリア110z1の各光源116の出力を制御し、中部エリア110z2及び下部エリア110z3の各光源116は駆動させない。そのため、上部エリア110z1の各光源116の出力は、k+1番目の制御信号D1aに応じた出力となる。
【0100】
この際、
図9Bに示すように、液晶パネル120の上部エリア120z1に属する各ピクセル120pの電位は、k+1番目の制御信号D2aに対応する値に概ね到達している。そのため、液晶パネル120の上部エリア120z1に表示する画像と、バックライト110においてその直下に位置する上部エリア110z1内の光源116の出力をマッチさせることができる。
【0101】
時刻t6以降では、時刻t0から時刻t5までの処理と同様の処理が、繰り返し行われる。
【0102】
以上説明したように、液晶パネル用のドライバ160は、同期信号920の立ち上がりを検出した場合、k番目の制御信号D2aに応じて、エリア120z毎に、-Y方向に、各ピクセル120pに印加する電圧を切り替える処理を開始する。そして、液晶パネル用のドライバ160は、同期信号920が再び立ち上がるまでの間に、液晶パネル120の全てのピクセル120pに印加する電圧を切り替える。ただし、各ピクセル120pの電位が、k番目の制御信号D2aに応じた値に到達するまでには、時間を要する。
【0103】
そこで、バックライト用のドライバ150は、同期信号920の立ち上がりから遅延時間Tdが経過した後、k番目の制御信号D1aに応じて、エリア110z毎に、-Y方向に、各発光領域111sの光源116の出力を切り替える処理を開始する。そのため、液晶パネル120の各エリア120zに表示する画像と、バックライト110においてその直下に位置するエリア110z内の光源116の出力をマッチさせることができる。
【0104】
遅延時間Tdは、同期信号920の周期Tよりも短い時間である。遅延時間Tdは、例えば、以下の式(1)で表される。
【0105】
Td=Δt×N (式1)
Td:遅延時間
Δt:単位時間(=同期信号の周期T/バックライトのエリアの総数)
N:1以上の整数
【0106】
このように、遅延時間Tdを、同期信号920の周期Tをバックライト110のエリア110zの総数で除した単位時間Δtの整数倍とすることで、同期信号920とサブ同期信号930を同期させることができるため、画像表示装置100の制御が容易になる。なお、本実施形態では、Nが2である例を説明したが、Nは、単位時間Δtの長さや、液晶パネル120のピクセル120pの電位が、制御信号に応じた電位に到達するまでにかかる時間に基づいて、適宜調整可能である。したがって、Nは1であってもよい。また、遅延時間は、単位時間の整数倍でなくてもよい。
【0107】
画像表示方法は、上記に限定されない。例えば、バックライト用のドライバ150は、時刻t0において上部エリア110z1のk番目の制御信号D1aを受信し始めてもよい。
【0108】
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態に係る画像表示方法は、制御部130に入力される入力画像910に応じて、各ピクセル120pに印加する電圧、及び各発光領域111sの光源116の出力を切り替える工程を備える。そして、この切り替える工程において、各ピクセル120pに印加する電圧は、エリア120z毎に、-Y方向に順次切り替えられ、各発光領域111sの光源116の出力は、エリア110z毎に、-Y方向に順次切り替えられる。そして、各ピクセル120pに印加する電圧を切り替える処理が開始されてから遅延時間Tdが経過した後、各発光領域111sの光源116の出力を切り替える処理が開始される。そのため、液晶パネル120の各部に表示する画像と、その直下の輝度をマッチさせ易い。これにより、画像表示装置100に表示する画像の品位を向上できる。
【0109】
また、この切り替える工程においては、パルス状の同期信号920の立ち上がりに応じて、各ピクセル120pに印加する電圧を切り替える処理が開始される。そして、同期信号920が立ち上がってから遅延時間Tdが経過した後、各発光領域111sの光源116の出力を切り替える処理が開始される。そして、遅延時間Tdは、同期信号920の周期Tをエリア110zの総数で除した単位時間Δt以上である。そのため、同期信号920の一周期T分の時間が経過するまでの間に、液晶パネル120の各エリア120zに表示する画像と、バックライト110においてその直下に位置するエリア110z内の光源116の出力がマッチするように、各発光領域111sの光源116の出力を切り替える処理を開始するタイミングを調整できる。
【0110】
また、遅延時間Tdは、同期信号920の一周期Tよりも短い。そのため、液晶パネル120の各部に表示する画像と、その直下の輝度とのミスマッチを抑制できる。
【0111】
次に、面状光源の変形例を説明する。
図10Aは、面状光源の変形例を示す上面図である。
図10Bは、
図10AのXB-XB線における断面図である。
なお、以下の説明においては、原則として、上記の実施形態との相違点のみを説明する。以下に説明する事項以外は、上記の実施形態と同様である。
【0112】
本変形例における面状光源211は、基板113と、接着部材215と、光反射性シート214と、複数の光源216と、を有する。
【0113】
光反射性シート214は、接着部材215により、基板113に貼り付けられている。光反射性シート214には、複数の貫通穴214aが設けられている。複数の貫通穴214aは、X方向及びY方向に行列状に配列している。各貫通穴214a内には、光源216が配置されている。
【0114】
また、光反射性シート214には、各貫通穴214a、すなわち各光源216を囲むように、屈曲部214bが設けられている。屈曲部214bは、光反射性シート214が上方向に突出するように、光反射性シート214を屈曲させてなる。面状光源211において、屈曲部214bの上端で囲まれた一つの領域が、一つの発光領域211sに相当する。
【0115】
光反射性シート214としては、多数の気泡を含む樹脂シート(例えば発泡樹脂シート)や、光拡散材を含む樹脂シート等を用いることができる。光反射性シート214に用いられる樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂若しくはポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、又は、エポキシ樹脂若しくはシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。また、光反射性シート214に用いられる光拡散材としては、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛又はガラス等が挙げられる。
【0116】
各光源216は、発光素子216aと、波長変換部材216bと、を有する。発光素子216aは、基板113に電気的に接続されている。波長変換部材216bは、発光素子216aの側面及び上面を覆っている。
【0117】
以上説明したように、面状光源の構造は、発光領域が行列状に配列された構造であれば、実施形態の構造に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明は、例えば、テレビ、パソコン、又はゲーム機等の機器のディスプレイに利用することができる。
【符号の説明】
【0119】
100 :画像表示装置
110 :バックライト
110z :エリア
110z1 :上部エリア
110z2 :中部エリア
110z3 :下部エリア
111、211:面状光源
111s、211s:発光領域
112 :光学部材
113 :基板
113m :導電部材
114 :光反射性シート
114a :第1接着層
114b :光反射層
114c :第2接着層
115 :導光部材
115a :光源配置部
115b :区画溝
116、216:光源
116a、216a:発光素子
116b、216b:波長変換部材
116c :第2光調整部材
116d :第3光調整部材
116e :半導体積層体
116f、116g:電極
116h :透光性部材
116i :波長変換物質
117 :透光性部材
118 :第1光調整部材
119 :光反射部材
120 :液晶パネル
120p :ピクセル
120sp :サブピクセル
120z :エリア
120z1 :上部エリア
120z2 :中部エリア
120z3 :下部エリア
130 :制御部
140 :タイミングコントローラ
141 :入力部
142 :輝度設定データ作成部
143 :階調設定データ作成部
144 :記憶部
145 :サブ同期信号生成部
146 :制御信号生成部
147 :出力部
150 :バックライト用のドライバ
151 :データ保持部
152 :駆動部
153 :エリア切り替え部
154 :タイミング調整部
160 :液晶パネル用のドライバ
214 :光反射性シート
214a :貫通穴
214b :屈曲部
215 :接着部材
910 :入力画像
910a :画像エリア
910p :ピクセル
920 :同期信号
930 :サブ同期信号
D1 :輝度設定データ
D1a :バックライトの制御信号
D2 :階調設定データ
D2a :液晶パネルの制御信号
D3 :輝度プロファイル
Ef :変換式
Efb、Efg、Efr:出力値
Gb、Gg、Gr:階調
Gmax :最大値
T :周期
Td :遅延時間
Δt :単位時間
V :輝度値
Vf11、Vf12、Vf21、Vf22、Vf31、Vf32:電位
e1 :輝度
e2 :要素