(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048780
(43)【公開日】2023-04-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20230101AFI20230331BHJP
G06F 16/93 20190101ALI20230331BHJP
G06F 16/907 20190101ALI20230331BHJP
H04L 67/562 20220101ALI20230331BHJP
【FI】
G06Q10/10
G06F16/93
G06F16/907
H04L67/562
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021158286
(22)【出願日】2021-09-28
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 陸渡
【テーマコード(参考)】
5B175
5L049
【Fターム(参考)】
5B175DA10
5B175FB02
5B175GA01
5L049AA20
(57)【要約】 (修正有)
【課題】企業等において業務上生成されるドキュメント等の電子データを電子的に管理するための情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】ドキュメント管理サーバ、電子契約サーバ、ユーザ端末及び取引先端末が、夫々通信ネットワークに接続している情報処理システムにおいて、ドキュメント管理サーバ10は、画面情報提供部11、ドキュメント管理部12、ワークフロー制御部13、を備える。画面情報提供部11は、画面情報記憶部101に記憶されている画面情報を、ユーザ端末のブラウザに提供する。ドキュメント管理部12は、ユーザ端末から受信するドキュメント及びメタデータを保存し、ワークフロー制御部13が実行するワークフローに従ってドキュメント及びメタデータに対する処理を実行する。ワークフロー制御部13は、ドキュメントに対する処理の内容を記述したワークフローを設定し、取得し、実行する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末から送信された電子データを処理する第二の情報処理装置とネットワークを介して通信可能な情報処理装置であって、
前記電子データを前記第二の情報処理装置へ送信する送信部と、
前記第二の情報処理装置における前記電子データの識別情報を前記第二の情報処理装置から取得する識別情報取得部と、
前記識別情報を有する前記電子データを前記第二の情報処理装置に対し要求する画面を前記ユーザ端末に提供する画面情報提供部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記画面情報提供部が提供する前記画面は、前記電子データに関連付けるメタデータを入力するための画面であり、
前記識別情報取得部は、前記ユーザ端末から受信した前記メタデータに前記識別情報を含める、
情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記識別情報取得部は、前記第二の情報処理装置が生成した前記識別情報を受信する、
情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置であって、
前記識別情報取得部は、前記第二の情報処理装置が前記電子データを記憶した際に生成した前記識別情報を受信する、
情報処理装置。
【請求項5】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記識別情報取得部は、所定の時間間隔で前記第二の情報処理装置から前記識別情報を取得する、
情報処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理装置であって、
前記識別情報は、前記第二の情報処理装置が前記電子データを処理する前の前記電子データを識別する第一の識別情報及び前記第二の情報処理装置が前記電子データを処理した後の前記電子データを識別する第二の識別情報を含む、
情報処理装置。
【請求項7】
ユーザ端末から送信された電子データを処理する第二の情報処理装置と第一の情報処理装置とがネットワークを介して通信可能な情報処理システムであって、
前記第一の情報処理装置は、
前記電子データを前記第二の情報処理装置へ送信する送信部と、
前記第二の情報処理装置における前記電子データの識別情報を前記第二の情報処理装置から取得する識別情報取得部と、
前記識別情報を有する前記電子データを前記第二の情報処理装置に対し要求する画面を前記ユーザ端末に提供する画面情報提供部と、
を備え、
前記第二の情報処理装置は、
前記第一の情報処理装置から前記電子データを受信する受信部と、
前記識別情報を生成する生成部と、
を備え、
前記ユーザ端末は、
前記第一の情報処理装置から受信した前記画面を表示する画面表示部を備える、
情報処理システム。
【請求項8】
ユーザ端末から送信された電子データを処理する第二の情報処理装置とネットワークを介して通信可能なコンピュータが、
前記電子データを前記第二の情報処理装置へ送信する送信手順と、
前記第二の情報処理装置における前記電子データの識別情報を前記第二の情報処理装置から取得する識別情報取得手順と、
前記識別情報を有する前記電子データを前記第二の情報処理装置に対し要求する画面を前記ユーザ端末に提供する提供手順と、
を実行する情報処理方法。
【請求項9】
ユーザ端末から送信された電子データを処理する第二の情報処理装置とネットワークを介して通信可能なコンピュータに、
前記電子データを前記第二の情報処理装置へ送信する送信手順と、
前記第二の情報処理装置における前記電子データの識別情報を前記第二の情報処理装置から取得する識別情報取得手順と、
前記識別情報を有する前記電子データを前記第二の情報処理装置に対し要求する画面を前記ユーザ端末に提供する提供手順と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
業務上生成されるドキュメント等の電子データを電子的に管理するためのドキュメント管理システムが利用されている。また、電子データを用いた契約を電子的に締結するための電子契約システムが利用されている。ドキュメント管理システム等の情報処理装置と電子契約システム等の第二の情報処理装置とを連携し、第二の情報処理装置が契約締結に用いる電子データを情報処理装置で管理することが行われている。
【0003】
特許文献1には、電子ドキュメント・データに付加されたメタデータに基づいてドキュメント処理動作を切り替えることができるドキュメント処理装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、第二の情報処理装置に対し電子データを要求する画面を情報処理装置に提供していない、という課題がある。例えば、従来は、ユーザが第二の情報処理装置が記憶する電子データを表示する場合、第二の情報処理装置にログインし、目的の電子データを見つけ出す必要があった。
【0005】
この発明の一実施形態は、上記のような技術的課題に鑑みて、第二の情報処理装置に対し電子データを要求する画面を情報処理装置に提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、この発明の一実施形態である情報処理装置は、ユーザ端末から送信された電子データを処理する第二の情報処理装置とネットワークを介して通信可能な情報処理装置であって、電子データを第二の情報処理装置へ送信する送信部と、第二の情報処理装置における電子データの識別情報を前記第二の情報処理装置から取得する識別情報取得部と、識別情報を有する電子データを第二の情報処理装置に対し要求する画面をユーザ端末に提供する画面情報提供部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
この発明の一実施形態によれば、第二の情報処理装置に対し電子データを要求する画面を情報処理装置に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態における情報処理システムの全体構成を例示する図である。
【
図2】一実施形態における情報処理装置のハードウェア構成を例示する図である。
【
図3】一実施形態における画像形成装置のハードウェア構成を例示する図である。
【
図4】第1実施形態におけるドキュメント管理サーバの機能構成を例示する図である。
【
図5】第1実施形態における電子契約サーバの機能構成を例示する図である。
【
図6】第1実施形態におけるユーザ端末の機能構成を例示する図である。
【
図7】第1実施形態における取引先端末の機能構成を例示する図である。
【
図8】従来技術における情報処理システムの処理手順を例示する図である。
【
図9】従来技術における情報処理システムの処理手順を例示する図である。
【
図10】一実施形態におけるワークフロー設定画面の一例を示す図である。
【
図11】一実施形態におけるワークフロー情報の一例を示す図である。
【
図12】一実施形態におけるワークフロー情報の他の一例を示す図である。
【
図13】一実施形態におけるワークフロー情報の具体例を示す図である。
【
図14】一実施形態におけるドキュメント登録画面の一例を示す図である。
【
図15】従来技術におけるメタデータ設定画面の一例を示す図である。
【
図16】従来技術におけるメタデータテーブルの一例を示す図である。
【
図17】従来技術におけるメタデータテーブルの具体例を示す図である。
図17(A)はドキュメントを記憶した際に生成されたメタデータの具体例を示す図である。
図17(B)はメタデータを設定した際に更新されたメタデータの具体例を示す図である。
【
図18】一実施形態におけるタスク処理画面の一例を示す図である。
【
図19】一実施形態における契約書選択画面の一例を示す図である。
【
図20】一実施形態における契約書設定画面の一例を示す図である。
【
図21】一実施形態における契約締結画面の一例を示す図である。
【
図22】一実施形態における契約書確認画面の一例を示す図である。
【
図23】第1実施形態における情報処理システムの処理手順を例示する図である。
【
図24】第1実施形態におけるワークフロー情報の一例を示す図である。
【
図25】第1実施形態におけるメタデータテーブルの具体例を示す図である。
図25(A)はドキュメントを記憶した際に生成されるメタデータの具体例を示す図である。
図25(B)はメタデータを設定した際に更新されたメタデータの具体例を示す図である。
図25(C)は接続先識別子を取得した際に更新されたメタデータの具体例を示す図である。
【
図26】第1実施形態におけるメタデータ設定画面の一例を示す図である。
【
図27】第2実施形態における情報処理システムの処理手順を例示する図である。
【
図28】第2実施形態における情報処理システムの処理手順を例示する図である。
【
図29】第2実施形態におけるワークフロー情報の一例を示す図である。
【
図30】第2実施形態におけるメタデータテーブルの具体例を示す図である。
図30(A)は契約締結前の接続先識別子を取得した際に更新されたメタデータの具体例を示す図である。
図30(B)は契約締結後の接続先識別子を取得した際に更新されたメタデータの具体例を示す図である。
【
図31】第2実施形態におけるメタデータ設定画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、図面中において同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【0010】
[背景]
ドキュメント管理システムは、企業等において業務上生成されるドキュメントを電子的に保管し、管理及び活用するための情報処理システムである。また、電子契約システムは、企業等において契約を電子的に締結するための情報処理システムである。
【0011】
ドキュメント管理システムのみでは業務フローをカバーしきれないことがある。例えば、従来の契約書処理では、ドキュメント管理システムで処理している文書を紙に印刷して契約処理を行っていた。この場合、署名又は押印等の契約処理を行った紙の文書は、スキャンして再度ドキュメント管理システムに保管する必要があった。
【0012】
紙ベースの契約処理は、印刷又は保管のコストがかかり、検索の効率が悪いことから、ドキュメント管理システムと電子契約システムを併用することが行われている。しかしながら、ドキュメント管理システムと電子契約システムとを単に併用するだけでは、両システムは独立して稼働しているため、ユーザの操作が煩雑になるという課題がある。
【0013】
例えば、ユーザが電子契約システムに記憶されたドキュメントを参照したい場合には、電子契約システムにログインし、記憶されている多くのドキュメントの中から目的のドキュメントを見つけ出す必要がある。
【0014】
この発明の一実施形態は、ドキュメント管理サーバが管理するドキュメントと、そのドキュメントを電子契約システムにおいて識別する識別情報とを関連付けて記憶し、その識別情報をドキュメントに関する情報と関連付けて表示する画面を表す画面情報を出力する。これにより、ユーザはドキュメント管理サーバが出力する画面から直接電子契約システムが記憶するドキュメントを表示することが可能となる。すなわち、電子契約システムが記憶するドキュメントを表示するために、電子契約システムにログインして目的のドキュメントを探す手間を省くことができる。
【0015】
[第1実施形態]
この発明の第1実施形態は、ドキュメント管理システムがドキュメントと関連付けて記憶するメタデータに、電子契約システムにおいてドキュメントを識別する識別情報を含める。ドキュメント管理システムは、ドキュメントに関する情報を識別情報と関連付けて表示する画面を表す画面情報をユーザ端末に出力する。
【0016】
本実施形態におけるドキュメントは、文書等の内容を表す電子データである。電子データは、文書に限定されず、テキスト、画像又は動画等、どのような情報を表す電子データであってもよい。
【0017】
本実施形態における識別情報は、電子契約システムが記憶するドキュメントに直接アクセス可能な情報である。例えば、識別情報は、電子契約システムにおけるドキュメントの接続先を識別する接続先識別子である。接続先識別子は、例えば、電子空間上でドキュメントの位置を特定するURL(Uniform Resource Locator)、又は特定のドキュメントを表示するために入力するアクセスキーである。
【0018】
<情報処理システム1の全体構成>
まず、本実施形態における情報処理システム1の構成について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態における情報処理システム1の全体構成の一例を示す図である。
【0019】
図1に示されているように、情報処理システム1は、ドキュメント管理サーバ10、電子契約サーバ20、担当者端末30-1、審査者端末30-2、承認者端末30-3、及び取引先端末40を含む。担当者端末30-1、審査者端末30-2及び承認者端末30-3は、利用するユーザの種別によって区別しているが、備える機能は同じである。以下、担当者端末30-1、審査者端末30-2及び承認者端末30-3を総称してユーザ端末30とも呼ぶ。
【0020】
ドキュメント管理サーバ10、電子契約サーバ20、ユーザ端末30及び取引先端末40は、それぞれ通信ネットワーク100に接続している。通信ネットワーク100は、接続されている各装置が相互に通信可能となるように構成されている。通信ネットワーク100は、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、又はWAN(Wide Area Network)などの有線通信によるネットワークによって構築されている。通信ネットワーク100は、有線通信だけでなく、例えば、無線LAN、又は近距離無線通信等の無線通信、もしくはWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、LTE(Long Term Evolution)、又は5G(5th Generation)等の移動体通信によるネットワークが含まれていてもよい。
【0021】
ドキュメント管理サーバ10は、業務上生成されたドキュメントを電子的に管理する。ドキュメント管理サーバ10は、ドキュメントにメタデータを関連付けて記憶し、ドキュメントの効率的な検索を可能とする。また、ドキュメント管理サーバ10は、業務を遂行するためのワークフローを実行する機能を備え、例えばドキュメントの回覧フローを効率的に実現することを可能とする。
【0022】
ドキュメント管理サーバ10は、1台の情報処理装置によって実現されてもよいし、複数台の情報処理装置によって実現されるシステムであってもよい。
【0023】
電子契約サーバ20は、電子的に契約を締結するための処理を実施する。電子契約サーバ20は、取引先に契約書を送信し、取引先が合意した場合、その契約書に対して電子署名や押印を付与する処理などを実施する。
【0024】
電子契約サーバ20は、1台の情報処理装置によって実現されてもよいし、複数台の情報処理装置によって実現されるシステムであってもよい。
【0025】
ユーザ端末30は、ユーザが利用する電子機器である。ユーザは、ユーザ端末30を用いて、ドキュメント管理サーバ10及び電子契約サーバ20の両方に対して操作を行うことが可能である。
【0026】
本実施形態では、ユーザには、契約書の作成を行う担当者、契約書の内容を審査する審査者及び契約書の内容を承認する承認者が含まれる。担当者端末30-1は、担当者が用いるユーザ端末30である。審査者端末30-2は、審査者が用いるユーザ端末30である。承認者端末30-3は、承認者が用いるユーザ端末30である。
【0027】
取引先端末40は、取引先のユーザが利用する電子機器である。取引先のユーザは、取引先端末40を用いて、電子契約サーバ20に対して操作を行うことが可能である。
【0028】
ドキュメント管理サーバ10、電子契約サーバ20、ユーザ端末30及び取引先端末40の一例は、情報処理装置である。ドキュメント管理サーバ10、電子契約サーバ20、ユーザ端末30及び取引先端末40の他の一例は、画像形成装置(プリンタ、FAX装置、MFP(Multifunction Peripheral/Product/Printer:デジタル複合機)、スキャナ装置)である。なお、ドキュメント管理サーバ10、電子契約サーバ20、ユーザ端末30及び取引先端末40は、通信機能を備えた装置であれば、情報処理装置又は画像形成装置に限られない。
【0029】
ドキュメント管理サーバ10、電子契約サーバ20、ユーザ端末30及び取引先端末40は、例えば、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、自動車(Connected Car)、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPCまたはデスクトップPC等であってもよい。
【0030】
<情報処理システム1に含まれる各装置のハードウェア構成>
次に、本実施形態における情報処理システム1に含まれる各装置のハードウェア構成について、
図2及び
図3を参照しながら説明する。
【0031】
≪情報処理装置のハードウェア構成≫
図2は、ドキュメント管理サーバ10、電子契約サーバ20、ユーザ端末30及び取引先端末40が情報処理装置で実現される場合のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示されているように、情報処理装置は、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティング機器512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0032】
これらのうち、CPU501は、情報処理装置全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、
図2に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0033】
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティング機器512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0034】
≪画像形成装置のハードウェア構成≫
図3は、ドキュメント管理サーバ10、電子契約サーバ20、ユーザ端末30及び取引先端末40が画像形成装置で実現される場合のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3に示されているように、画像形成装置は、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F950を備えている。
【0035】
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)907、HDDコントローラ908、及び、記憶部であるHD909を有し、NB903とASIC906との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成となっている。
【0036】
これらのうち、CPU901は、画像形成装置の全体制御を行う制御部である。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、及びAGPバス921とを接続するためのブリッジであり、MEM-P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0037】
MEM-P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM902a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM902bとからなる。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0038】
SB904は、NB903とPCI機器、周辺機器とを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDD908およびMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC906は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931及びプリンタ部932との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC906には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
【0039】
MEM-C907は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD909は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD909は、CPU901の制御にしたがってHD909に対するデータの読出又は書込を制御する。AGPバス921は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P902に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0040】
また、近距離通信回路920には、近距離通信回路920aが備わっている。近距離通信回路920は、NFC、Bluetooth等の通信回路である。
【0041】
更に、エンジン制御部930は、スキャナ部931及びプリンタ部932によって構成されている。また、操作パネル940は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部940a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなる操作パネル940bを備えている。コントローラ910は、画像形成装置全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル940からの入力等を制御する。スキャナ部931又はプリンタ部932には、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれている。
【0042】
なお、画像形成装置は、操作パネル940のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0043】
また、ネットワークI/F950は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。近距離通信回路920及びネットワークI/F950は、PCIバス922を介して、ASIC906に電気的に接続されている。
【0044】
<情報処理システム1に含まれる各装置の機能構成>
次に、本実施形態における情報処理システム1の機能構成の一例について、
図4から
図7を参照しながら説明する。
【0045】
≪ドキュメント管理サーバ10の機能構成≫
図4は、本実施形態におけるドキュメント管理サーバ10の機能構成を例示するブロック図である。
図4に示されているように、本実施形態におけるドキュメント管理サーバ10は、画面情報提供部11、ドキュメント管理部12、ワークフロー制御部13、画面情報記憶部101、ドキュメント記憶部102、メタデータ記憶部103及びワークフロー情報記憶部104を備える。ドキュメント管理部12は、ドキュメント受信部121、メタデータ設定部122及びドキュメント送信部123を備える。ワークフロー制御部13は、ワークフロー設定部131、ワークフロー取得部132、ワークフロー実行部133及び識別情報取得部134を備える。
【0046】
ドキュメント管理サーバ10が備える画面情報提供部11、ドキュメント管理部12及びワークフロー制御部13は、例えば、
図2に示されているHD504からRAM503上に展開されたプログラムがCPU501に実行させる処理によって実現される。
【0047】
ドキュメント管理サーバ10が備える画面情報記憶部101、ドキュメント記憶部102、メタデータ記憶部103及びワークフロー情報記憶部104は、例えば、
図2に示されているHD504を用いて実現される。HD504が記憶するデータの読み込み又は書き込みは、例えば、HDDコントローラ505を介して行われる。
【0048】
画面情報提供部11は、ユーザ端末30が備えるブラウザ31からの要求に応じて、画面情報記憶部101に記憶されている画面情報を、ブラウザ31に提供する。画面情報記憶部101に記憶されている画面情報は、ドキュメント管理サーバ10に対する操作を行うための画面を表す情報である。
【0049】
ドキュメント管理部12は、ユーザ端末30から受信するドキュメント及びメタデータを保存し、ワークフロー制御部13が実行するワークフローに従ってドキュメント及びメタデータに対する処理を実行する。
【0050】
ドキュメント受信部121は、ユーザ端末30からドキュメントを受信する。また、ドキュメント受信部121は、ユーザ端末30から受信したドキュメントをドキュメント記憶部102に記憶する。
【0051】
メタデータ設定部122は、ユーザ端末30からメタデータを受信する。また、メタデータ設定部122は、ユーザ端末30から受信したメタデータをドキュメント記憶部102に記憶されたドキュメントと関連付けてメタデータ記憶部103に記憶する。
【0052】
メタデータはドキュメントの内容を表す1以上の属性情報を含む。メタデータはドキュメント本体とは別に管理されるため、メタデータの項目の追加又は削除もしくはメタデータの値の変更等の編集を行っても、ドキュメント本体には影響しない。
【0053】
ドキュメント送信部123は、ワークフロー制御部13からの要求に応じて、ドキュメント記憶部102に記憶された契約書に関するドキュメントを、電子契約サーバ20に送信する。また、ドキュメント送信部123は、電子契約サーバ20に送信したドキュメントの宛先情報を、電子契約サーバ20に送信する。
【0054】
ワークフロー制御部13は、ドキュメントに対する処理の内容を記述したワークフローを設定し、取得し、実行する。
【0055】
ワークフロー設定部131は、ユーザ端末30からワークフロー情報を受信する。また、ワークフロー設定部131は、ユーザ端末30から受信したワークフロー情報をワークフロー情報記憶部104に記憶する。
【0056】
ワークフロー取得部132は、ワークフロー情報記憶部104に記憶されたワークフロー情報を取得する。
【0057】
ワークフロー実行部133は、ワークフロー取得部132が取得したワークフロー情報に従って、ワークフローを実行する。ワークフロー実行部133は、ドキュメントに対して次に行うタスクを特定し、そのタスクを処理すべきユーザにそのタスクをアサインする。また、ワークフロー実行部133は、ユーザの操作に応じて、ドキュメントに対する処理を実行する。ドキュメントに対する処理には、外部システムと連携して行う処理も含まれる。
【0058】
識別情報取得部134は、電子契約サーバ20が記憶する契約書に関するドキュメントを識別する識別情報を、電子契約サーバ20から取得する。本実施形態における識別情報取得部134は、電子契約サーバ20が送信した識別情報を受信する。識別情報取得部134は、メタデータ記憶部103に記憶されたメタデータを、電子契約サーバ20から受信した識別情報を含むように更新する。
【0059】
画面情報記憶部101は、画面情報提供部11がブラウザ31に提供する画面情報を記憶する。画面情報記憶部101が記憶する各画面情報は、例えば、HTML(HyperText Markup Language)等で記述された画面情報であり、JavaScript(登録商標)等で記述されたアプリケーションを含んでもよい。
【0060】
ドキュメント記憶部102は、ドキュメント管理部12が管理するドキュメントを記憶する。ドキュメント記憶部102が記憶するドキュメントは、ドキュメントの内容を表す電子ファイル本体である。ドキュメントは、ドキュメント記憶部102のファイルシステムに応じたファイル形式でドキュメント記憶部102に記憶される。
【0061】
メタデータ記憶部103は、ドキュメント管理部12が管理するドキュメントに関連付けられたメタデータを記憶する。メタデータは、メタデータ記憶部103が記憶するメタデータテーブルに格納される。
【0062】
ワークフロー情報記憶部104は、ワークフロー制御部13が実行するワークフローに関するワークフロー情報を記憶する。ワークフロー情報は、テキスト形式の電子ファイルに記述されてもよいし、データベースのテーブルに格納されてもよい。
【0063】
≪電子契約サーバ20の機能構成≫
図5は、本実施形態における電子契約サーバ20の機能構成を例示するブロック図である。
図5に示されているように、本実施形態における電子契約サーバ20は、画面情報提供部21、契約書管理部22、画面情報記憶部201、契約書記憶部202、宛先情報記憶部203及び設定情報記憶部204を備える。契約書管理部22は、契約書受信部221、契約書設定部222、契約書送信部223及び識別情報送信部224を備える。
【0064】
電子契約サーバ20が備える画面情報提供部21及び契約書管理部22は、例えば、
図2に示されているHD504からRAM503上に展開されたプログラムがCPU501に実行させる処理によって実現される。
【0065】
電子契約サーバ20が備える画面情報記憶部201、契約書記憶部202、宛先情報記憶部203及び設定情報記憶部204は、例えば、
図2に示されているHD504を用いて実現される。HD504が記憶するデータの読み込み又は書き込みは、例えば、HDDコントローラ505を介して行われる。
【0066】
画面情報提供部21は、ユーザ端末30が備えるブラウザ31又は取引先端末40が備えるブラウザ41からの要求に応じて、画面情報記憶部201に記憶されている画面情報を、ブラウザ31又はブラウザ41に提供する。画面情報記憶部201に記憶されている画面情報は、電子契約サーバ20に対する操作を行うための画面を表す情報である。
【0067】
契約書管理部22は、ドキュメント管理サーバ10から受信する契約書に関するドキュメントを保存し、ユーザ端末30又は取引先端末40からの要求に応じて、契約書に対する処理を行う。
【0068】
契約書受信部221は、ドキュメント管理サーバ10から契約書に関するドキュメントを受信する。また、契約書受信部221は、ドキュメント管理サーバ10から受信した契約書に関するドキュメントを契約書記憶部202に記憶する。さらに、契約書受信部221は、ドキュメント管理サーバ10から受信した宛先情報を宛先情報記憶部203に記憶する。
【0069】
契約書設定部222は、契約書記憶部202に記憶された契約書に関するドキュメントを処理する。契約書設定部222が行う処理には、契約書に対して各種の設定を行う処理が含まれる。
【0070】
契約書送信部223は、契約書記憶部202に記憶された契約書に関するドキュメントを取引先端末40に送信する。
【0071】
識別情報送信部224は、契約書記憶部202に記憶された契約書に関するドキュメントを識別する識別情報を、ドキュメント管理サーバ10に送信する。
【0072】
画面情報記憶部201は、画面情報提供部21がブラウザ31又はブラウザ41に提供する画面情報を記憶する。
【0073】
契約書記憶部202は、契約書管理部22が管理する契約書に関するドキュメントを記憶する。契約書記憶部202が記憶する契約書に関するドキュメントは、契約書に関するドキュメントの内容を表す電子ファイル本体である。契約書に関するドキュメントは、契約書記憶部202のファイルシステムに応じたファイル形式で契約書記憶部202に記憶される。
【0074】
宛先情報記憶部203は、契約書管理部22が管理する契約書に関するドキュメントを送信する宛先を示す宛先情報を記憶する。宛先情報は、宛先情報記憶部203が記憶する宛先情報テーブルに格納される。
【0075】
設定情報記憶部204は、契約書設定部222が実行した設定処理の内容を表す設定情報を記憶する。設定情報は、設定情報記憶部204が記憶する設定情報テーブルに格納される。
【0076】
≪ユーザ端末30の機能構成≫
図6は、本実施形態におけるユーザ端末30の機能構成を例示するブロック図である。
図6に示されているように、本実施形態におけるユーザ端末30は、ブラウザ31を備える。ブラウザ31は、ワークフロー登録部311、ドキュメント登録部312、ドキュメント処理部313及び契約書処理部314を備える。
【0077】
ユーザ端末30が備えるブラウザ31は、例えば、
図2に示されているHD504からRAM503上に展開されたプログラムがCPU501に実行させる処理によって実現される。
【0078】
ブラウザ31は、ドキュメント管理サーバ10が備える画面情報提供部11へ画面情報を要求し、画面情報提供部11から受信した画面情報に基づいて、ドキュメント管理サーバ10に対する操作を行うための画面を表示する。また、ブラウザ31は、電子契約サーバ20が備える画面情報提供部21へ画面情報を要求し、画面情報提供部21から受信した画面情報に基づいて、電子契約サーバ20に対する操作を行うための画面を表示する。
【0079】
ブラウザ31が、画面情報提供部11から受信した画面情報を実行することにより、ワークフロー登録部311、ドキュメント登録部312及びドキュメント処理部313が実現される。また、ブラウザ31が画面情報提供部21から受信した画面情報を実行することにより、契約書処理部314が実現される。
【0080】
なお、ワークフロー登録部311は、ブラウザ31が画面情報提供部11から受信した画面情報を実行することにより実現される構成に限定されず、ユーザ端末30にインストールされた専用のアプリケーションとして実現されてもよい。
【0081】
ワークフロー登録部311は、ワークフロー設定画面に対するユーザの操作に応じて、ワークフロー情報の設定要求をドキュメント管理サーバ10に送信する。ワークフロー設定画面は、ドキュメント管理サーバ10に登録するワークフロー情報を入力するための画面である。ワークフロー設定画面の詳細は後述する。
【0082】
ドキュメント登録部312は、ドキュメント登録画面に対するユーザの操作に応じて、ドキュメントの登録要求をドキュメント管理サーバ10に送信する。ドキュメント登録画面は、ドキュメント管理サーバ10に登録するドキュメントを入力するための画面である。ドキュメント登録画面の詳細は後述する。
【0083】
また、ドキュメント登録部312は、メタデータ設定画面に対するユーザの操作に応じて、ドキュメントに対するメタデータの設定要求をドキュメント管理サーバ10に送信する。メタデータ設定画面は、ドキュメントに対して設定するメタデータを入力するための画面である。メタデータ設定画面の詳細は後述する。
【0084】
ドキュメント処理部313は、タスク処理画面に対するユーザの操作に応じて、ドキュメントに対するタスクの処理要求をドキュメント管理サーバ10に送信する。タスク処理画面は、ドキュメントに対するタスクを処理するための画面である。タスク処理画面の詳細は後述する。
【0085】
契約書処理部314は、契約書選択画面に対するユーザの操作に応じて、契約書に関するドキュメントを選択する。また、契約書処理部314は、契約書設定画面に対するユーザの操作に応じて、契約書に関するドキュメントの設定を追加、変更又は削除する。さらに、契約書処理部314は、契約書確認画面に契約書に関するドキュメントの内容を表示する。契約書選択画面、契約書設定画面及び契約書確認画面の詳細は後述する。
【0086】
≪取引先端末40の機能構成≫
図7は、本実施形態における取引先端末40の機能構成を例示するブロック図である。
図7に示されているように、本実施形態における取引先端末40は、ブラウザ41を備える。ブラウザ41は、契約締結部411を備える。
【0087】
取引先端末40が備えるブラウザ41は、例えば、
図2に示されているHD504からRAM503上に展開されたプログラムがCPU501に実行させる処理によって実現される。
【0088】
ブラウザ41は、電子契約サーバ20が備える画面情報提供部21へ画面情報を要求し、画面情報提供部21から受信した画面情報に基づいて、電子契約サーバ20に対する操作を行うための画面を表示する。
【0089】
ブラウザ41が、画面情報提供部21から受信した画面情報を実行することにより、契約締結部411が実現される。
【0090】
契約締結部411は、契約締結画面に対する取引先のユーザの操作に応じて、契約締結依頼に対する合意要求を、電子契約サーバ20に送信する。契約締結画面の詳細は後述する。
【0091】
<従来技術の処理手順>
まず、従来技術における情報処理システム1が実行する情報処理方法の処理手順の一例を、
図8及び
図9を参照しながら説明する。
図8及び
図9は、従来技術における情報処理方法の処理手順を示すシーケンス図であり、
図8に示す処理手順の後に
図9に示す処理手順が続くことを表している。
【0092】
ステップS3001において、ユーザ端末30が備えるブラウザ31は、ユーザの操作に応じて、画面情報提供部11に、ワークフロー設定画面を要求する。画面情報提供部11は、画面情報記憶部101に記憶されているワークフロー設定画面を表す画面情報を、ブラウザ31に返信する。ブラウザ31は、画面情報提供部11から受信した画面情報に基づいて、ワークフロー設定画面を表示する。これにより、ワークフロー登録部311が起動する。
【0093】
なお、ワークフロー登録部311がユーザ端末30にインストールされた専用のアプリケーションとして実現される場合、ステップS3001では、ワークフロー登録部311は、ユーザ端末30に対するユーザの操作に応じて、起動する。
【0094】
ここで、ワークフロー設定画面の詳細について、
図10を参照しながら説明する。
図10は、ワークフロー設定画面1000の一例を示す図である。
【0095】
図10に示されているように、ワークフロー設定画面1000は、開始トリガ入力欄1001、第1審査者入力欄1002、第2審査者入力欄1003、承認者入力欄1004、外部連携入力欄1005及び確定ボタン1006を備える。
【0096】
開始トリガ入力欄1001は、そのワークフローを開始する契機を表す開始トリガを表す情報の入力を受け付ける。第1審査者入力欄1002は、そのワークフローにおいて最初に審査を行う審査者を表す情報の入力を受け付ける。第2審査者入力欄1003は、そのワークフローにおいて2番目に審査を行う審査者を表す情報の入力を受け付ける。承認者入力欄1004は、そのワークフローにおいて承認を行う承認者を表す情報の入力を受け付ける。外部連携入力欄1005は、そのワークフローが外部システムと連携する場合に、外部システムを表す情報の入力を受け付ける。
【0097】
ユーザが確定ボタン1006を押下すると、ワークフロー登録部311が、開始トリガ入力欄1001、第1審査者入力欄1002、第2審査者入力欄1003、承認者入力欄1004及び外部連携入力欄1005に入力された内容を表すワークフロー情報の設定要求を、画面情報提供部11に送信する。
【0098】
ワークフロー設定画面1000が備える各入力欄は、設定したいワークフローの内容に応じて、ユーザが任意に追加、変更及び削除することが可能である。ワークフローに含まれるフローの数は、ユーザが任意に設定できる。
【0099】
ワークフロー設定画面の構成は
図10に示したワークフロー設定画面1000に限定されない。例えば、フローチャートのような直感的な表示形式を採用してもよい。
【0100】
図8に戻って説明する。ステップS1101において、画面情報提供部11は、ワークフロー登録部311からワークフロー情報の設定要求を受信する。そして、画面情報提供部11は、ワークフロー情報の設定要求に応じて、ワークフロー情報の保存要求をワークフロー制御部13に送信する。
【0101】
ステップS1301において、ワークフロー制御部13が備えるワークフロー設定部131は、画面情報提供部11からワークフロー情報の保存要求を受信する。そして、ワークフロー設定部131は、ワークフロー情報の保存要求に応じて、ワークフロー情報をワークフロー情報記憶部104に記憶する。
【0102】
ここで、ワークフロー情報記憶部104が記憶するワークフロー情報の詳細について、
図11を参照しながら説明する。
図11は、本実施形態におけるワークフロー情報1040の一例を示す図である。
【0103】
図11に示されているように、本実施形態におけるワークフロー情報1040は、データ項目として、番号、開始トリガ、フロー1、フロー2、フロー3及びフロー4を有する。
【0104】
番号は、ワークフロー情報を識別する識別情報である。開始トリガは、そのワークフローを開始する契機を表す情報である。開始トリガは、番号1のワークフロー情報のように特定の操作が行われたことを契機としてもよいし、番号2のワークフロー情報のように所定の時間間隔が経過したことを契機としてもよい。
【0105】
フロー1は、そのワークフローで最初に実行されるフローを表す情報である。フロー2は、そのワークフローで2番目に実行されるフローを表す情報である。フロー3は、そのワークフローで3番目に実行されるフローを表す情報である。フロー4は、そのワークフローで4番目に実行されるフローを表す情報である。
【0106】
図12は、ワークフロー情報の他の例である。
図12に示したワークフロー情報1040-1は、ワークフローに含まれるフローの内容のみを設定したワークフロー情報である。
図12に示したワークフロー情報1040-2は、ワークフロー情報1040-1で設定された各フローのアサイン先を後から設定したワークフロー情報である。
【0107】
このように、
図11に示したワークフロー情報のように各フローの処理内容とアサイン先を同時に設定してもよいし、
図12に示したワークフロー情報のように設定済みの処理内容に対してアサイン先を後から設定してもよい。
【0108】
図13は、
図8及び
図9に示した処理手順を実現するためのワークフロー情報の具体例である。
図13に示されているように、ワークフロー情報1041は、"ドキュメントの保存及びメタデータ(宛先を含む)の設定"が実行されたことを契機として開始し、"審査者の審査処理"及び"承認者の承認処理"を順に実行した後、"電子契約システムへのドキュメントのアップロード及び宛先情報の設定"を実行して終了するワークフローを表している。
【0109】
図8に戻って説明する。ステップS1302において、ワークフロー制御部13が備えるワークフロー取得部132は、ワークフロー情報記憶部104に記憶されているワークフロー情報を取得する。
【0110】
ステップS3002において、担当者端末30-1が備えるブラウザ31は、担当者の操作に応じて、画面情報提供部11に、ドキュメント登録画面を要求する。画面情報提供部11は、画面情報記憶部101に記憶されているドキュメント登録画面を表す画面情報を、ブラウザ31に返信する。ブラウザ31は、画面情報提供部11から受信した画面情報に基づいて、ドキュメント登録画面を表示する。これにより、ドキュメント登録部312が起動する。
【0111】
ここで、ドキュメント登録画面の詳細について、
図14を参照しながら説明する。
図14は、ドキュメント登録画面2000の一例を示す図である。
【0112】
図14に示されているように、ドキュメント登録画面2000は、ファイル入力欄2001、参照ボタン2002及び保存ボタン2003を備える。ファイル入力欄2001は、登録したいドキュメントに対応する電子ファイルの位置を表す情報の入力を受け付ける。電子ファイルの位置を表す情報は、絶対パスであってもよいし、相対パスであってもよいし、URI(Uniform Resource Identifier)形式で記述された他の装置上のファイルを示す情報であってもよい。
【0113】
ユーザが参照ボタン2002を押下するとファイル選択ダイアログが起動する。ユーザはファイル選択ダイアログを用いてファイルを選択することで、ファイル入力欄2001への入力を行うことができる。
【0114】
ユーザが保存ボタン2003を押下すると、ドキュメント登録部312が、ファイル入力欄2001に入力された内容により特定されるドキュメントの登録要求を、画面情報提供部11に送信する。
【0115】
図8に戻って説明する。ステップS1102において、画面情報提供部11は、ドキュメント登録部312からドキュメントの登録要求を受信する。そして、画面情報提供部11は、ドキュメントの登録要求に応じて、ドキュメントの保存要求をドキュメント管理部12に送信する。
【0116】
ステップS1201において、ドキュメント管理部12が備えるドキュメント受信部121は、画面情報提供部11からドキュメントの保存要求を受信する。そして、ドキュメント受信部121は、ドキュメントの保存要求に応じて、ドキュメントをドキュメント記憶部102に記憶する。このとき、ドキュメント記憶部102は、ドキュメントを識別するドキュメントIDを生成する。
【0117】
ステップS1202において、ドキュメント受信部121は、ドキュメントの保存が完了したことを通知するドキュメント保存通知をワークフロー制御部13に送信する。ドキュメント保存通知には、ドキュメントIDが含まれる。
【0118】
ステップS3003において、ドキュメント登録部312は、担当者の操作に応じて、ドキュメント記憶部102に記憶されているドキュメントから1つのドキュメントを選択し、そのドキュメントに対してメタデータを設定するためのメタデータ設定画面を画面情報提供部11に要求する。画面情報提供部11は、画面情報記憶部101に記憶されているメタデータ設定画面を表す画面情報を、ブラウザ31に返信する。ブラウザ31は、画面情報提供部11から受信した画面情報に基づいて、メタデータ設定画面を表示する。
【0119】
ここで、メタデータ設定画面の詳細について、
図15を参照しながら説明する。
図15は、従来技術におけるメタデータ設定画面2100の一例を示す図である。
【0120】
図15に示されているように、メタデータ設定画面2100は、ドキュメント種別入力欄2101、宛先入力欄2102、締結先入力欄2103、締結日入力欄2104、有効期限入力欄2105及び確定ボタン2106を備える。
【0121】
ドキュメント種別入力欄2101は、ドキュメントの種別を表す属性情報の入力を受け付ける。宛先入力欄2102は、ドキュメントを送付する宛先を表す属性情報の入力を受け付ける。締結先入力欄2103は、契約書の締結先を表す属性情報の入力を受け付ける。締結日入力欄2104は、契約書の締結日を表す属性情報の入力を受け付ける。有効期限入力欄2105は、契約書の有効期限を表す属性情報の入力を受け付ける。
【0122】
ユーザが確定ボタン2106を押下すると、ドキュメント登録部312が、ドキュメント種別入力欄2101、宛先入力欄2102、締結先入力欄2103、締結日入力欄2104及び有効期限入力欄2105に入力された内容を表すメタデータの設定要求を、画面情報提供部11に送信する。
【0123】
メタデータ設定画面2100が備える入力欄は、設定したいメタデータの内容に応じて、ユーザが任意に追加、変更及び削除することが可能である。また、メタデータに設定しない項目に対応する入力欄は空欄としてもよい。
【0124】
図8に戻って説明する。ステップS1103において、画面情報提供部11は、ドキュメント登録部312からメタデータの設定要求を受信する。そして、画面情報提供部11は、メタデータの設定要求に応じて、メタデータの保存要求をドキュメント管理部12に送信する。メタデータの保存要求には、ドキュメントIDが含まれる。
【0125】
ステップS1203において、ドキュメント管理部12が備えるメタデータ設定部122は、画面情報提供部11からメタデータの保存要求を受信する。そして、メタデータ設定部122は、メタデータの保存要求に応じて、メタデータをメタデータ記憶部103に記憶する。
【0126】
ここで、メタデータ記憶部103が記憶するメタデータテーブルの詳細について、
図16を参照しながら説明する。
図16は、従来技術におけるメタデータテーブル1030の一例を示す図である。
【0127】
図16に示されているように、メタデータテーブル1030は、データ項目として、ドキュメントID、ドキュメント種別、宛先、締結先、締結日及び有効期限等を有する。
【0128】
ドキュメントIDは、ドキュメント管理サーバ10においてドキュメントを識別する識別情報である。すなわち、メタデータはドキュメントIDによってドキュメントと関連付けられる。
【0129】
ドキュメント種別は、ドキュメント種別入力欄2101に入力された内容が設定される。宛先は、宛先入力欄2102に入力された内容が設定される。締結先は、締結先入力欄2103に入力された内容が設定される。締結日は、締結日入力欄2104に入力された内容が設定される。有効期限は、有効期限入力欄2105に入力された内容が設定される。
【0130】
メタデータテーブル1030の項目は、ドキュメントの種別等に応じて、ユーザが任意に追加及び削除することができる。ドキュメントの種別によっては値が設定されない項目があってもよい。例えば、
図16に例示したメタデータでは、ドキュメントIDが"333"のドキュメントは有効期限に値が設定されていない。
【0131】
図17は、従来技術におけるメタデータテーブル1030の具体例を示す図である。
図17(A)は、ドキュメント受信部121がドキュメントをドキュメント記憶部102に記憶した際に生成されたメタデータの例である。
図17(A)に示されるように、このタイミングでは、ドキュメントIDのみが格納される。
【0132】
図17(B)は、メタデータ設定部122がメタデータをメタデータ記憶部103に記憶した際に更新されたメタデータの例である。
図17(B)に示されるように、このタイミングでは、メタデータ設定画面2100に入力されたメタデータがドキュメントIDに関連付けて格納される。
【0133】
図8に戻って説明する。ステップS1204において、メタデータ設定部122は、メタデータの保存が完了したことを通知するメタデータ保存通知をワークフロー制御部13に送信する。メタデータ保存通知には、ドキュメントIDが含まれる。
【0134】
ステップS1303において、ワークフロー制御部13が備えるワークフロー実行部133は、ワークフロー取得部132が取得したワークフロー情報に従って、審査者にドキュメントの審査を依頼する審査タスクを審査者端末30-2に送信する。審査タスクには、ドキュメントIDが含まれる。
【0135】
ステップS3004において、審査者端末30-2が備えるブラウザ31は、審査タスクを受信する。ブラウザ31は、画面情報提供部11に、タスク処理画面を要求する。画面情報提供部11は、画面情報記憶部101に記憶されているタスク処理画面を表す画面情報を、ブラウザ31に返信する。ブラウザ31は、画面情報提供部11から受信した画面情報に基づいて、タスク処理画面を表示する。これにより、ドキュメント処理部313が起動する。
【0136】
ここで、タスク処理画面の詳細について、
図18を参照しながら説明する。
図18は、タスク処理画面3000の一例を示す図である。
【0137】
図18に示されているように、タスク処理画面3000は、タスク一覧表示欄3001、ドキュメントプレビュー欄3002、審査ボタン3003及び却下ボタン3004を備える。
【0138】
タスク一覧表示欄3001には、審査者にアサインされているタスクの一覧が表示される。タスクの一覧には、例えば、タスク名及びそのタスクの受信日が表示される。ドキュメントプレビュー欄3002には、タスク一覧表示欄3001で選択されたタスクの処理対象であるドキュメントの内容がプレビュー表示される。
【0139】
審査者は、タスク処理画面3000において、ドキュメントの内容を審査する。審査者は、審査が完了したら、審査ボタン3003を押下する。また、審査者は、不備が発見された場合等、審査が完了できない場合、却下ボタン3004を押下する。
【0140】
タスク処理画面3000が備えるボタンは、ワークフローの内容及びタスクの種類に応じて変化する。
図18に示したタスク処理画面3000は、審査タスクを選択した場合のタスク処理画面の一例である。例えば、承認タスクを選択した場合には、審査ボタンの代わりに承認ボタンが表示される。
【0141】
審査者が審査ボタン3003を押下すると、ドキュメント処理部313が、そのドキュメントの審査完了要求を、画面情報提供部11に送信する。審査者が却下ボタンを押下すると、審査タスクが却下され、そのドキュメントが担当者に差し戻される。以降では、審査者が審査ボタン3003を押下したものとして説明を続ける。
【0142】
図8に戻って説明する。ステップS1104において、画面情報提供部11は、審査者端末30-2からドキュメントの審査完了要求を受信する。そして、画面情報提供部11は、ドキュメントの審査完了要求に応じて、審査完了通知をワークフロー制御部13に送信する。審査完了通知には、ドキュメントIDが含まれる。
【0143】
ステップS1304において、ワークフロー制御部13が備えるワークフロー実行部133は、ワークフロー取得部132が取得したワークフロー情報に従って、承認者にドキュメントの承認を依頼する承認タスクを承認者端末30-3に送信する。承認タスクには、ドキュメントIDが含まれる。
【0144】
ステップS3005において、承認者端末30-3が備えるブラウザ31は、承認タスクを受信する。ドキュメント処理部313は、承認者に関するタスク処理画面3000を表示する。承認者は、タスク処理画面3000において、ドキュメントの内容を審査し、審査が完了したら、承認ボタンを押下する。
【0145】
承認者が承認ボタンを押下すると、ドキュメント処理部313が、そのドキュメントの承認要求を、画面情報提供部11に送信する。
【0146】
ステップS1105において、画面情報提供部11は、承認者端末30-3からドキュメントの承認要求を受信する。そして、画面情報提供部11は、ドキュメントの承認要求に応じて、承認完了通知をワークフロー制御部13に送信する。承認完了通知には、ドキュメントIDが含まれる。
【0147】
ステップS1305において、ワークフロー制御部13が備えるワークフロー実行部133は、画面情報提供部11から承認完了通知を受信する。そして、ワークフロー実行部133は、承認完了通知に含まれるドキュメントIDで特定されるドキュメントの送信要求をドキュメント管理部12に送信する。ドキュメントの送信要求には、ドキュメントIDが含まれる。
【0148】
ステップS1205において、ドキュメント管理部12が備えるドキュメント送信部123は、ワークフロー実行部133からドキュメントの送信要求を受信する。そして、ドキュメント送信部123は、ドキュメントの送信要求に含まれるドキュメントIDで特定されるドキュメントをドキュメント記憶部102から取得する。
【0149】
ステップS1206において、ドキュメント送信部123は、ステップS1205で取得したドキュメントを電子契約サーバ20に送信する。
【0150】
ステップS2201において、電子契約サーバ20が備える契約書受信部221は、ドキュメント送信部123から契約書に関するドキュメントを受信する。そして、契約書受信部221は、契約書に関するドキュメントを契約書記憶部202に記憶する。
【0151】
ステップS1306において、ワークフロー制御部13が備えるワークフロー実行部133は、ワークフロー取得部132が取得したワークフロー情報に従って、メタデータ記憶部103からドキュメントIDで特定されるドキュメントに関連付けられたメタデータをメタデータ記憶部103から取得する。そして、ワークフロー実行部133は、メタデータに含まれる宛先を含む宛先設定要求を、電子契約サーバ20に送信する。
【0152】
ステップS2202において、電子契約サーバ20が備える契約書受信部221は、ワークフロー実行部133から受信した宛先設定要求に含まれる宛先を、契約書記憶部202に記憶した契約書に関するドキュメントの宛先として決定する。そして、契約書受信部221は、契約書に関するドキュメントの宛先を表す宛先情報を、宛先情報記憶部203に記憶する。
【0153】
本実施形態では、宛先としてメールアドレスを用いるが、宛先はメールアドレスに限定されない。例えば、電話番号、FAX番号又は各種SNS(Social Networking System)のアカウント等、電子的に送信可能な通信手段の宛先を設定してもよい。
【0154】
図9に進んで説明する。ステップS3006において、担当者端末30-1が備えるブラウザ31は、電子契約サーバ20に認証を要求する。認証要求には、担当者に関する認証情報が含まれる。認証情報の一例は、ユーザを識別するユーザID及びそのユーザが入力したパスワードである。
【0155】
ステップS2101において、画面情報提供部21は、ブラウザ31から認証要求を受信する。画面情報提供部21は、認証要求に含まれる認証情報に基づいて、担当者の認証を行う。
【0156】
ステップS2102において、画面情報提供部21は、担当者の認証結果に基づいて、認証後に表示する画面を表す画面情報を、ブラウザ31に返信する。認証に成功した場合、認証後に表示する画面は、契約書選択画面である。認証に失敗した場合、認証後に表示する画面は、エラー表示画面である。以降では、画面情報提供部21が担当者の認証に成功したものとして説明を続ける。
【0157】
ステップS3007において、担当者端末30-1が備えるブラウザ31は、画面情報提供部21から受信した画面情報に基づいて、契約書選択画面を表示する。これにより、契約書処理部314が起動する。
【0158】
ここで、契約書選択画面の詳細について、
図19を参照しながら説明する。
図19は、本実施形態における契約書選択画面4000の一例を示す図である。
【0159】
図19に示されているように、契約書選択画面4000は、契約書一覧表示欄4010及び状態選択欄4020を備える。契約書一覧表示欄4010は、各契約書の情報を表示する契約書表示欄4011-1~4011-6を備える。状態選択欄4020は、予め設定された各状態に対応する状態選択ボタン4021-1~4021-6を備える。
【0160】
状態選択欄4020において、担当者がいずれかの状態選択ボタン4021を押下すると、その状態選択ボタン4021に対応する状態にある契約書に対応する契約書表示欄4011が契約書一覧表示欄4010に表示される。
図18の例では、6つの契約書表示欄4011が表示されているが、契約書一覧表示欄4010に表示される契約書表示欄4011の数は選択された状態にある契約書の数に応じて変動する。
【0161】
本実施形態では、契約書選択画面4000は、"締結済み"の状態に対応する状態選択ボタン4021-4が押下された状態で初期表示されるものとする。すなわち、契約書一覧表示欄4010には、契約締結が完了している契約書の一覧が表示される。ただし、初期表示する状態は任意に定めてよい。
【0162】
契約書一覧表示欄4010において、担当者がいずれかの契約書表示欄4011を選択すると、契約書処理部314が、選択された契約書表示欄4011に対応する契約書に関するドキュメントの取得要求を、画面情報提供部21に送信する。ドキュメントの取得要求には、ドキュメントIDが含まれる。
【0163】
図9に戻って説明する。ステップS2103において、画面情報提供部21は、契約書処理部314からドキュメントの取得要求を受信すると、その取得要求を契約書管理部22に転送する。
【0164】
ステップS2203において、契約書管理部22が備える契約書送信部223は、画面情報提供部21からドキュメントの取得要求を受信する。契約書送信部223は、ドキュメントIDで特定されるドキュメントをドキュメント記憶部102から取得する。そして、契約書送信部223は、ドキュメント記憶部102から取得したドキュメントを担当者端末30-1に送信する。
【0165】
ステップS3008において、担当者端末30-1が備える契約書処理部314は、契約書送信部223からドキュメントを受信する。担当者端末30-1が備えるブラウザ31は、画面情報提供部21に、契約書設定画面を要求する。画面情報提供部21は、画面情報記憶部201に記憶されている契約書設定画面を表す画面情報を、ブラウザ31に返信する。ブラウザ31は、画面情報提供部21から受信した画面情報に基づいて、契約書設定画面を表示する。
【0166】
ここで、契約書設定画面の詳細について、
図20を参照しながら説明する。
図20は、本実施形態における契約書設定画面4100の一例を示す図である。
【0167】
図20に示されているように、契約書設定画面4100は、宛先表示欄4101、入力項目選択欄4102、ファイルプレビュー欄4103及び送信ボタン4104を備える。
【0168】
宛先表示欄4101は、設定対象となっている契約書に関するドキュメントの送信元及び宛先を表示する。送信元は、予め設定された情報である。宛先は、契約書に設定された宛先情報である。入力項目選択欄4102は、契約書に設定可能な入力項目を表示する。ファイルプレビュー欄4103は、設定対象となっている契約書に関するドキュメントの内容をプレビュー表示する。
【0169】
ユーザが、入力項目選択欄4102から設定したい入力項目を選択した後に、ファイルプレビュー欄4103において追加したい位置を押下することで、その入力項目がその位置に設定された契約書に関するドキュメントの内容がファイルプレビュー欄4103に表示される。
【0170】
ユーザが、送信ボタン4104を押下すると、契約書処理部314が、ファイルプレビュー欄4103に設定された各入力項目の種類及び位置を表す契約書の設定要求を、画面情報提供部21に送信する。契約書の設定要求には、ドキュメントID及び各入力項目の種類及び位置を表す設定情報が含まれる。
【0171】
図9に戻って説明する。ステップS2104において、画面情報提供部21は、契約書処理部314から契約書の設定要求を受信すると、その設定要求を契約書管理部22に転送する。
【0172】
ステップS2204において、契約書管理部22が備える契約書設定部222は、画面情報提供部21から契約書の設定要求を受信する。契約書設定部222は、契約書の設定要求に含まれる設定情報を、設定情報記憶部204に記憶する。
【0173】
ステップS3009において、担当者端末30-1が備えるブラウザ31は、担当者の操作に応じて、契約書の締結依頼の送信要求を画面情報提供部21に送信する。契約書の締結依頼の送信要求には、契約書に関するドキュメントを識別するドキュメントIDが含まれる。
【0174】
ステップS2105において、画面情報提供部21は、ブラウザ31から契約書の締結依頼の送信要求を受信すると、その送信要求を契約書管理部22に転送する。
【0175】
ステップS2205において、契約書管理部22が備える契約書送信部223は、画面情報提供部21から契約書の締結依頼の送信要求を受信する。契約書送信部223は、契約書の締結依頼の送信要求に含まれるドキュメントIDで特定されるドキュメントの接続先識別子を生成する。そして、契約書送信部223は、ドキュメントの接続先識別子を含めて、契約書の締結依頼を取引先端末40に送信する。
【0176】
契約書の締結依頼は、送信する契約書に関するドキュメントに設定された宛先情報に応じた通信手段で送信される。本実施形態では、契約書の締結依頼は、ドキュメントの接続先識別子が記載された電子メールにより送信される。ただし、通信手段は電子メールに限定されず、各種SNS、ショートメッセージ、FAX等、電子的に送信可能な各種の通信手段を用いることができる。
【0177】
ステップS4001において、取引先端末40は、電子契約サーバ20から契約書の締結依頼を受信する。取引先端末40が備えるブラウザ41は、取引先のユーザの操作に応じて、契約書の締結依頼に含められた接続先識別子を用いて、画面情報提供部21に、契約締結画面を要求する。画面情報提供部21は、接続先識別子を用いて契約締結画面を表す画面情報を生成し、ブラウザ41に返信する。ブラウザ41は、画面情報提供部21から受信した画面情報に基づいて、契約締結画面を表示する。これにより、契約締結部411が起動する。
【0178】
ここで、契約締結画面の詳細について、
図21を参照しながら説明する。
図21は、本実施形態における契約締結画面4200の一例を示す図である。
【0179】
図21に示されているように、契約締結画面4200は、宛先表示欄4201、項目入力欄4202、ファイルプレビュー欄4203及び合意ボタン4204を備える。
【0180】
宛先表示欄4201は、締結依頼の対象となっている契約書に関するドキュメントの送信元及び宛先を表示する。項目入力欄4202は、契約書に関するドキュメントに設定された入力項目に対する入力内容を受け付ける。ファイルプレビュー欄4203は、項目入力欄4202の入力内容が設定された契約書に関するドキュメントの内容をプレビュー表示する。
【0181】
ユーザが、項目入力欄4202に内容を入力した後に、合意ボタン4204を押下すると、契約締結部411が、項目入力欄4202の入力内容を表す契約書の締結要求を、画面情報提供部21に送信する。契約書の締結要求には、ドキュメントID及び各入力項目に対する入力内容を表す合意情報が含まれる。
【0182】
図9に戻って説明する。ステップS2106において、画面情報提供部21は、契約締結部411から契約書の締結要求を受信すると、その締結要求を契約書管理部22に転送する。
【0183】
ステップS2206において、契約書管理部22が備える契約書設定部222は、画面情報提供部21から契約書の締結要求を受信する。契約書設定部222は、契約書の締結要求に含まれる合意情報を設定情報記憶部204に記憶する。
【0184】
ステップS2207において、契約書設定部222は、契約書の締結要求に含まれるドキュメントIDで特定されるドキュメントの接続先識別子を含めて、契約書の締結通知を担当者端末30-1に送信する。本実施形態では、契約書の締結通知は、ドキュメントの接続先識別子が記載された電子メールにより送信される。ただし、通信手段は電子メールに限定されず、電子的に送信可能な各種の通信手段を用いることができる。
【0185】
ステップS3010において、担当者端末30-1は、電子契約サーバ20から契約書の締結通知を受信する。担当者端末30-1が備えるブラウザ31は、担当者の操作に応じて、契約書の締結通知に含められた接続先識別子を用いて、画面情報提供部21に、契約書確認画面を要求する。画面情報提供部21は、接続先識別子を用いて契約書確認画面を表す画面情報を生成し、ブラウザ31に返信する。ブラウザ31は、画面情報提供部21から受信した画面情報に基づいて、契約書確認画面を表示する。
【0186】
ここで、契約書確認画面の詳細について、
図22を参照しながら説明する。
図22は、本実施形態における契約書確認画面4300の一例を示す図である。
【0187】
図22に示されているように、契約書確認画面4300は、契約書詳細表示欄4310及び状態選択欄4320を備える。契約書詳細表示欄4310は、状態表示欄4311、契約書名表示欄4312、宛先表示欄4313及び契約書プレビュー欄4314を備える。
【0188】
状態表示欄4311は、確認対象の契約書の状態を表示する。契約書名表示欄4312は、確認対象の契約書の名称を表示する。宛先表示欄4313は、確認対象の契約書の宛先及び各宛先の状態を表示する。契約書プレビュー欄4314は、契約締結後の契約書に関するドキュメントの内容を表示する。
【0189】
状態選択欄4320は、
図19に示した契約書選択画面4000が備える状態選択欄4020と同様である。すなわち、状態選択欄4320において、担当者が状態選択ボタン4321のいずれかを押下すると、その状態選択ボタン4321に対応する状態にある契約書に関する契約書の一覧が表示される。そして、担当者がいずれかの契約書を選択すると、契約書詳細表示欄4310に選択された契約書の情報が表示される。
【0190】
<第1実施形態における情報処理方法の処理手順>
次に、本実施形態における情報処理システム1が実行する情報処理方法の処理手順の一例を、
図23を参照しながら説明する。
図23は、本実施形態における情報処理方法の処理手順を示すシーケンス図である。
【0191】
図24は、
図23に示した処理手順を実現するためのワークフロー情報の具体例である。
図24に示されているように、本実施形態におけるワークフロー情報1042は、"ドキュメントの保存及びメタデータ(宛先を含む)の設定"が実行されたことを契機として開始し、"審査者の審査処理"、"承認者の承認処理"、"電子契約システムへのドキュメントのアップロード及び宛先情報の設定"及び"電子契約システムから処理結果を取得"を順に実行した後、"担当者のドキュメント処理"を実行して終了するワークフローを表している。
【0192】
図23に戻って説明する。ステップS3001からステップS2202までの処理は、
図8に示した従来技術における情報処理システム1の処理手順と同様である。
【0193】
ステップS2211において、契約書管理部22が備える識別情報送信部224は、ステップS2201において契約書記憶部202に記憶した契約書に関するドキュメントの接続先識別子を生成する。そして、識別情報送信部224は、契約書に関するドキュメントの接続先識別子をドキュメント管理サーバ10に送信する。
【0194】
ステップS2211の時点では、契約書の締結依頼が取引先に送信されていない。そのため、識別情報送信部224が生成する接続先識別子は、契約締結前の契約書に関するドキュメントを識別するものとなる。以下、ステップS2211において生成される接続先識別子を「契約締結前接続先識別子」とも呼ぶ。
【0195】
ステップS1311において、ドキュメント管理サーバ10が備える識別情報取得部134は、電子契約サーバ20から契約締結前接続先識別子を受信する。そして、ワークフロー実行部133は、識別情報の保存要求をドキュメント管理部12に送信する。識別情報の保存要求には、ドキュメントID及び契約締結前接続先識別子が含まれる。
【0196】
ステップS1211において、ドキュメント管理部12が備えるメタデータ設定部122は、ワークフロー実行部133から識別情報の保存要求を受信する。そして、メタデータ設定部122は、識別情報の保存要求に含まれるドキュメントIDに関連付けられたメタデータに契約締結前接続先識別子を含めるように、メタデータ記憶部103に記憶されたメタデータを更新する。
【0197】
ここで、本実施形態におけるメタデータテーブルの詳細について、
図25を参照しながら説明する。
図25は、本実施形態におけるメタデータテーブル1031の具体例を示す図である。
【0198】
図25に示されているように、本実施形態におけるメタデータテーブル1031は、データ項目として、
図16に示したメタデータテーブル1030と同様に、ドキュメントID、ドキュメント種別、宛先、締結先、締結日及び有効期限等を有し、契約締結前ドキュメントのURLをさらに有する。
【0199】
契約締結前ドキュメントのURLは、識別情報の保存要求に含まれる契約締結前接続先識別子である。すなわち、本実施形態におけるメタデータテーブル1031は、
図16に示したメタデータテーブル1030と比較して、契約締結前接続先識別子が追加されている点が異なる。
【0200】
図25(A)は、ドキュメント受信部121がドキュメントをドキュメント記憶部102に記憶した際に生成されたメタデータの例である。
図25(A)に示されるように、このタイミングでは、ドキュメントIDのみが格納される。
【0201】
図25(B)は、メタデータ設定部122がメタデータをメタデータ記憶部103に記憶した際に更新されたメタデータの例である。
図25(B)に示されるように、このタイミングでは、メタデータ設定画面2100に入力されたメタデータがドキュメントIDに関連付けて格納される。
【0202】
図25(C)は、メタデータ設定部122がメタデータに契約締結前接続先識別子を含めるように更新した後のメタデータの例である。
図25(C)に示されるように、このタイミングでは、識別情報送信部224から受信した契約締結前接続先識別子がドキュメントIDに関連付けて格納される。
【0203】
図23に戻って説明する。ステップS1212において、メタデータ設定部122は、メタデータの保存が完了したことを通知するメタデータ保存通知をワークフロー制御部13に送信する。メタデータ保存通知には、ドキュメントIDが含まれる。
【0204】
ステップS1312において、ワークフロー制御部13が備えるワークフロー実行部133は、ワークフロー取得部132が取得したワークフロー情報に従って、担当者に契約書の設定を依頼する設定タスクを担当者端末30-1に送信する。設定タスクには、ドキュメントIDが含まれる。
【0205】
ステップS3011において、担当者端末30-1が備える契約書処理部314は、ワークフロー実行部133から設定タスクを受信する。担当者端末30-1が備えるブラウザ31は、担当者の操作に応じて、設定タスクに含まれるドキュメントIDで特定されるドキュメントに関するメタデータ設定画面を、画面情報提供部11に要求する。画面情報提供部11は、画面情報記憶部101に記憶されているメタデータ設定画面を表す画面情報を、ブラウザ31に返信する。ブラウザ31は、画面情報提供部11から受信した画面情報に基づいて、メタデータ設定画面を表示する。
【0206】
ここで、本実施形態におけるメタデータ設定画面の詳細について、
図26を参照しながら説明する。
図26は、本実施形態におけるメタデータ設定画面2110の一例を示す図である。
【0207】
図26に示されているように、本実施形態におけるメタデータ設定画面2110は、
図15に示したメタデータ設定画面2100と同様に、ドキュメント種別入力欄2101、宛先入力欄2102、締結先入力欄2103、締結日入力欄2104、有効期限入力欄2105及び確定ボタン2106を備え、契約締結前ドキュメント表示欄2111をさらに備える。
【0208】
契約締結前ドキュメント表示欄2111は、メタデータテーブル1031が有する契約締結前ドキュメントのURLに設定された契約締結前接続先識別子を表示する。すなわち、本実施形態におけるメタデータ設定画面2110は、
図15に示したメタデータ設定画面2100と比較して、契約締結前接続先識別子が追加されている点が異なる。
【0209】
担当者端末30-1が備えるブラウザ31は、メタデータ設定画面2110に対する担当者の操作に応じて、契約締結前接続先識別子を用いて、画面情報提供部21に、契約書設定画面を要求する。画面情報提供部21は、契約締結前接続先識別子を用いて契約書設定画面を表す画面情報を生成し、ブラウザ31に返信する。ブラウザ31は、画面情報提供部21から受信した画面情報に基づいて、契約書設定画面を表示する。
【0210】
メタデータ設定画面2110から契約書設定画面を表示する操作は、例えば、メタデータ設定画面2110において、契約締結前ドキュメントのURLをクリック等する操作である。
【0211】
本実施形態における契約書設定画面は、契約締結前接続先識別子を用いることで、設定対象とする契約書に関するドキュメントを直接表示することができる。従来技術における情報処理システム1の処理手順では、契約書設定画面を表示するために、契約書選択画面において設定対象とする契約書を選択する必要があった(ステップS3007からS3008参照)。
【0212】
その後、
図9に示した従来技術における情報処理システム1の処理手順と同様に、ステップS2104からステップS3010までの処理が行われる。
【0213】
<第1実施形態の効果>
本実施形態における情報処理システム1は、ドキュメント管理サーバ10が管理するドキュメントと、そのドキュメントを電子契約サーバ20において識別する接続先識別子とを関連付けて記憶し、その接続先識別子をドキュメントに関する情報と関連付けて表示する画面情報をユーザ端末30に出力する。
【0214】
これにより、ユーザはドキュメント管理サーバ10が出力する画面に表示された接続先識別子に基づいて直接電子契約サーバ20が記憶するドキュメントを表示することが可能となる。したがって、電子契約サーバ20が記憶するドキュメントの内容を確認するために、都度電子契約サーバ20にログインし、多くのドキュメントの中から目的のドキュメントを見つけ出す手間を省くことができる。
【0215】
[第2実施形態]
第1実施形態では、電子契約サーバ20がドキュメント管理サーバ10からドキュメントを受信したときに、契約締結前の契約書に関するドキュメントを識別する接続先識別子をドキュメント管理サーバ10に送信した。ドキュメント管理サーバ10は、電子契約サーバ20から受信した接続先識別子を、ドキュメントに関連付けられたメタデータに記憶した。
【0216】
第2実施形態では、ドキュメント管理サーバ10が所定の時間間隔で電子契約サーバ20から契約書に関するドキュメントを識別する接続先識別子を取得する。ドキュメント管理サーバ10は、契約書の各状態(例えば、契約締結前及び契約締結後)に対応する接続先識別子を、ドキュメントに関連付けられたメタデータに記憶する。
【0217】
<第2実施形態における情報処理方法の処理手順>
まず、本実施形態における情報処理システム1が実行する情報処理方法の処理手順の一例を、
図27及び
図28を参照しながら説明する。
図27及び
図28は、本実施形態における情報処理方法の処理手順を示すシーケンス図であり、
図27に示す処理手順の後に
図28に示す処理手順が続くことを表している。
【0218】
図29は、
図27及び
図28に示した処理手順を実現するためのワークフロー情報の具体例である。
図29に示されているように、本実施形態におけるワークフロー情報1043は、"ドキュメントの保存及びメタデータ(宛先を含む)の設定"が実行されたことを契機として開始し、"審査者の審査処理"、"承認者の承認処理"、"電子契約システムへのドキュメントのアップロード及び宛先情報の設定"、"電子契約システムから処理結果を取得"、"担当者のドキュメント処理"、"電子契約システムのドキュメントの情報の取得(定期実行)"及び"承認者に契約締結完了の通知"を順に実行した後、"承認者が契約締結後ドキュメントを確認"を実行して終了するワークフローを表している。
【0219】
図27に戻って説明する。ステップS3001からステップS2202までの処理は、
図23に示した第1実施形態における情報処理システム1の処理手順と同様である。
【0220】
ステップS1321において、ワークフロー制御部13が備えるワークフロー実行部133は、ワークフロー取得部132が取得したワークフロー情報に従って、所定の時間間隔が経過したことを契機としてワークフローを開始する。
【0221】
ステップS1322において、ワークフロー制御部13が備える識別情報取得部134は、電子契約サーバ20に接続先識別子の取得要求を送信する。
【0222】
ステップS2221において、契約書管理部22が備える識別情報送信部224は、識別情報取得部134から接続先識別子の取得要求を受信する。識別情報送信部224は、接続先識別子を送信していない契約締結前の契約書に関するドキュメントについて、接続先識別子を生成し、識別情報送信部224に返信する。
【0223】
ステップS2221において識別情報送信部224が生成する接続先識別子は、契約締結前の契約書に関するドキュメントを識別する契約締結前接続先識別子である。
【0224】
また、ステップS2221において識別情報送信部224が送信する契約締結前接続先識別子は、前回ステップS2221を実行してから新たにドキュメント管理サーバ10から受信した契約書に関するドキュメントについての契約締結前接続先識別子である。したがって、識別情報送信部224は、複数の契約締結前接続先識別子を送信する場合もあれば、契約締結前接続先識別子を送信しない場合もある。
【0225】
ステップS1311からステップS2204までの処理は、
図23に示した第1実施形態における情報処理システム1の処理手順と同様である。
【0226】
図28に進んで説明する。ステップS3009からステップS2206までの処理は、
図9に示した従来技術における情報処理システム1の処理手順と同様である。
【0227】
ステップS1323において、ワークフロー制御部13が備える識別情報取得部134は、電子契約サーバ20に接続先識別子の取得要求を送信する。
【0228】
ステップS2222において、契約書管理部22が備える識別情報送信部224は、識別情報取得部134から接続先識別子の取得要求を受信する。識別情報送信部224は、接続先識別子を送信していない契約締結後の契約書に関するドキュメントについて、接続先識別子を生成し、識別情報送信部224に返信する。
【0229】
ステップS2222において識別情報送信部224が生成する接続先識別子は、契約締結後の契約書に関するドキュメントを識別する接続先識別子である。以下、ステップS2222において生成される接続先識別子を「契約締結後接続先識別子」とも呼ぶ。
【0230】
また、ステップS2222において識別情報送信部224が送信する契約締結後接続先識別子は、前回ステップS2222を実行してから新たに取引先端末40から合意情報を受信した契約書に関するドキュメントについての契約締結後接続先識別子である。したがって、識別情報送信部224は、複数の契約締結後接続先識別子を送信する場合もあれば、契約締結後接続先識別子を送信しない場合もある。
【0231】
ステップS1323において、ドキュメント管理サーバ10が備える識別情報取得部134は、電子契約サーバ20から契約締結後接続先識別子を受信する。そして、ワークフロー実行部133は、識別情報の保存要求をドキュメント管理部12に送信する。識別情報の保存要求には、ドキュメントID及び契約締結後接続先識別子が含まれる。
【0232】
ステップS1221において、ドキュメント管理部12が備えるメタデータ設定部122は、ワークフロー実行部133から識別情報の保存要求を受信する。そして、メタデータ設定部122は、識別情報の保存要求に含まれるドキュメントIDに関連付けられたメタデータに契約締結後接続先識別子を含めるように、メタデータ記憶部103に記憶されたメタデータを更新する。
【0233】
ここで、本実施形態におけるメタデータテーブルの詳細について、
図30を参照しながら説明する。
図30は、本実施形態におけるメタデータテーブル1032の具体例を示す図である。
【0234】
図30に示されているように、本実施形態におけるメタデータテーブル1032は、データ項目として、
図25に示したメタデータテーブル1031と同様に、ドキュメントID、ドキュメント種別、宛先、締結先、締結日、有効期限及び契約締結前ドキュメントのURL等を有し、契約締結後ドキュメントのURLをさらに有する。
【0235】
契約締結後ドキュメントのURLは、識別情報の保存要求に含まれる契約締結後接続先識別子である。すなわち、本実施形態におけるメタデータテーブル1032は、
図25に示したメタデータテーブル1031と比較して、契約締結後接続先識別子が追加されている点が異なる。
【0236】
図30(A)は、メタデータ設定部122がメタデータに契約締結前接続先識別子を含めるように更新した後のメタデータの例である。
図30(A)に示されるように、このタイミングでは、識別情報送信部224から受信した契約締結前接続先識別子がドキュメントIDに関連付けて格納される。
【0237】
図30(B)は、メタデータ設定部122がメタデータに契約締結後接続先識別子を含めるように更新した後のメタデータの例である。
図30(B)に示されるように、このタイミングでは、識別情報送信部224から受信した契約締結後接続先識別子がドキュメントIDに関連付けて格納される。
【0238】
図28に戻って説明する。ステップS1324において、ワークフロー制御部13が備えるワークフロー実行部133は、ワークフロー取得部132が取得したワークフロー情報に従って、承認者に契約締結後の契約書の確認を依頼する確認タスクを承認者端末30-3に送信する。確認タスクには、ドキュメントIDが含まれる。
【0239】
ステップS3021において、承認者端末30-3が備える契約書処理部314は、ワークフロー実行部133から確認タスクを受信する。承認者端末30-3が備えるブラウザ31は、承認者の操作に応じて、確認タスクに含まれるドキュメントIDで特定されるドキュメントに関するメタデータ設定画面を、画面情報提供部11に要求する。画面情報提供部11は、画面情報記憶部101に記憶されているメタデータ設定画面を表す画面情報を、ブラウザ31に返信する。ブラウザ31は、画面情報提供部11から受信した画面情報に基づいて、メタデータ設定画面を表示する。
【0240】
ここで、本実施形態におけるメタデータ設定画面の詳細について、
図31を参照しながら説明する。
図31は、本実施形態におけるメタデータ設定画面2120の一例を示す図である。
【0241】
図31に示されているように、本実施形態におけるメタデータ設定画面2120は、
図26に示したメタデータ設定画面2110と同様に、ドキュメント種別入力欄2101、宛先入力欄2102、締結先入力欄2103、締結日入力欄2104、有効期限入力欄2105、確定ボタン2106及び契約締結前ドキュメント表示欄2111を備え、契約締結後ドキュメント表示欄2121をさらに備える。
【0242】
契約締結後ドキュメント表示欄2121は、メタデータテーブル1032が有する契約締結後ドキュメントのURLに設定された契約締結後接続先識別子を表示する。すなわち、本実施形態におけるメタデータ設定画面2120は、
図26に示したメタデータ設定画面2110と比較して、契約締結後接続先識別子が追加されている点が異なる。
【0243】
承認者端末30-3が備えるブラウザ31は、メタデータ設定画面2120に対する承認者の操作に応じて、契約締結後接続先識別子を用いて、画面情報提供部21に、契約書確認画面を要求する。画面情報提供部21は、契約締結後接続先識別子を用いて契約書確認画面を表す画面情報を生成し、ブラウザ31に返信する。ブラウザ31は、画面情報提供部21から受信した画面情報に基づいて、契約書確認画面を表示する。
【0244】
メタデータ設定画面2120から契約書確認画面を表示する操作は、例えば、メタデータ設定画面2120において、契約締結前ドキュメントのURL又は契約締結後ドキュメントのURLをクリック等する操作である。
【0245】
本実施形態におけるメタデータ設定画面は、契約締結前接続先識別子及び契約締結後接続先識別子を同時に表示する。これにより、契約締結前の契約書に関するドキュメントの内容及び契約締結後の契約書に関するドキュメントの内容を同じ画面から直接表示することができる。例えば、ユーザが契約締結前の契約書に関するドキュメントと契約締結後の契約書に関するドキュメントとを比較しながら確認したい場合には、従来と比べて操作の手間が大幅に少なくなり、利便性が高い。
【0246】
<第2実施形態の効果>
本実施形態における情報処理システム1は、所定の時間間隔で電子契約サーバ20から契約書に関するドキュメントを識別する接続先識別子を取得する。これにより、ドキュメント管理サーバ10は、契約締結前の契約書に関する接続先識別子と契約締結後の契約書に関する接続先識別子とを関連付けて記憶することが可能となる。
【0247】
電子契約サーバ20は契約締結が完了した通知を担当者端末30-1のみに送信するため、従来は契約が締結されたことを担当者以外が認識することは困難であった。本実施形態における情報処理システム1によれば、契約締結後の接続先識別子が設定されているドキュメントは契約が締結されていることを示しているため、担当者以外であっても契約が締結されたことを認識することが可能となる。
【0248】
また、契約締結前の接続先識別子と契約締結後の接続先識別子とが関連付けられているため、ユーザが契約締結前の契約書に関するドキュメントと契約締結後の契約書に関するドキュメントを比較したい場合にも、円滑に両方のドキュメントを確認することが可能となる。
【0249】
[補足]
上記各実施形態において、ドキュメント管理サーバ10は、情報処理装置の一例である。電子契約サーバ20は、第二の情報処理装置の一例である。ドキュメントは、電子データの一例である。ドキュメント送信部123は、送信部の一例である。識別情報送信部224は生成部の一例である。ブラウザ31は、画面表示部の一例である。ドキュメント送信部123が実行するステップS1206は送信手順の一例である。識別情報取得部134が実行するステップS1311は取得手順の一例である。画面情報提供部11が実行するステップS3011は提供手順の一例である。
【0250】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等の機器を含むものとする。
【0251】
実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、ドキュメント管理サーバ10及び電子契約サーバ20は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
【0252】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【符号の説明】
【0253】
1 情報処理システム
10 ドキュメント管理サーバ
11 画面情報提供部
12 ドキュメント管理部
101 画面情報記憶部
102 ドキュメント記憶部
103 メタデータ記憶部
104 ワークフロー情報記憶部
121 ドキュメント受信部
122 メタデータ設定部
123 ドキュメント送信部
13 ワークフロー制御部
131 ワークフロー設定部
132 ワークフロー取得部
133 ワークフロー実行部
134 識別情報取得部
20 電子契約サーバ
21 画面情報提供部
22 契約書管理部
201 画面情報記憶部
202 契約書記憶部
203 宛先情報記憶部
204 設定情報記憶部
221 契約書受信部
222 契約書設定部
223 契約書送信部
224 識別情報送信部
30 ユーザ端末
31 ブラウザ
311 ワークフロー登録部
312 ドキュメント登録部
313 ドキュメント処理部
314 契約書処理部
40 取引先端末
41 ブラウザ
411 契約締結部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0254】