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特開2023-4923バッチ炉アセンブリおよびバッチ炉アセンブリを操作する方法
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  • 特開-バッチ炉アセンブリおよびバッチ炉アセンブリを操作する方法 図1
  • 特開-バッチ炉アセンブリおよびバッチ炉アセンブリを操作する方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023004923
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】バッチ炉アセンブリおよびバッチ炉アセンブリを操作する方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20230110BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022098962
(22)【出願日】2022-06-20
(31)【優先権主張番号】63/214,620
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】テオドルス・ジー・エム・オーステルレークン
(72)【発明者】
【氏名】ルシアン・シー・イディラ
(72)【発明者】
【氏名】ヘルベルト・テルホルスト
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ウエハを処理するバッチ炉アセンブリ及びその操作方法を提供する。
【解決手段】バッチ炉アセンブリ10は、プロセスチャンバー14を画定するプロセスチャンバーハウジングと、ウエハボートチャンバー24を画定するウエハボートハウジングと、ドアアセンブリと、差圧センサアセンブリ32と、コントローラ34と、を備える。ドアアセンブリは、プロセスチャンバー開口部を閉鎖する閉位置を有し、プロセスチャンバーをウエハボートチャンバーから気密的に分離するために、パージガスをドアアセンブリチャンバー28a、28bに供給するためのパージガス入口30を有するドアアセンブリチャンバーを、閉位置において画定する。差圧センサアセンブリは、ドアアセンブリチャンバーに流体接続し、かつ、該チャンバー内の圧力と基準圧力チャンバー内の基準圧力との間の圧力差を決定する。コントローラは、圧力差が所望の圧力範囲内にあるかどうか確かめる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハを処理するためのバッチ炉アセンブリ(10)であって、
プロセスガス入口(16)および排気管(18)を有するプロセスチャンバー(14)を画定するプロセスチャンバーハウジング(12)であって、プロセスチャンバー開口部(20)を有する前記プロセスチャンバーハウジング(12)と、
ウエハボートチャンバー(24)を画定するウエハボートハウジング(22)であって、前記ウエハボートチャンバー(24)と前記プロセスチャンバー(14)の間でウエハボート(80)を移送するために、前記プロセスチャンバー開口部(20)が前記プロセスチャンバー(14)と前記ウエハボートチャンバー(24)を接続する、ウエハボートハウジング(22)と、
ドアアセンブリ(26)が前記プロセスチャンバー開口部(20)を閉鎖する閉位置を有する前記ドアアセンブリ(26)であって、前記ドアアセンブリ(26)が、前記プロセスチャンバー(14)を前記ウエハボートチャンバー(24)から気密的に分離するために、パージガスをドアアセンブリチャンバー(28)に供給するためのパージガス入口(30)を有する前記ドアアセンブリチャンバー(28)を前記閉位置において画定する、ドアアセンブリ(26)と、
前記ドアアセンブリチャンバー(28)および基準圧力チャンバー(18、24)に流体接続された、かつ前記ドアアセンブリチャンバー(28)内の圧力と前記基準圧力チャンバー(18、24)内の基準圧力との間の圧力差を決定するように構成された差圧センサアセンブリ(32)と、
前記圧力差が所望の圧力範囲内にあるかどうかを確かめて、前記ドアアセンブリ(26)が前記プロセスチャンバー開口部(20)を効果的に閉鎖していることを確認するように構成されたコントローラ(34)と、を備える、バッチ炉アセンブリ。
【請求項2】
前記基準圧力チャンバー(18、24)が前記ウエハボートチャンバー(24)であり、前記基準圧力が前記ウエハボートチャンバー(24)内の圧力である、請求項1に記載のバッチ炉アセンブリ。
【請求項3】
前記基準圧力チャンバー(18、24)が前記排気管(18)であり、前記基準圧力が前記排気管(18)内の圧力である、請求項1に記載のバッチ炉アセンブリ。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載のバッチ炉アセンブリであって、前記プロセスチャンバーハウジング(12)が石英管(36)と前記石英管(36)を支持する金属フランジ(38)とを備え、
前記ドアアセンブリ(26)が、
前記閉位置において前記プロセスチャンバーハウジング(12)の前記金属フランジ(38)を係合する第一のシール(42)を含む第一のドアプレート(40)と、
前記閉位置において前記プロセスチャンバーハウジング(12)の前記石英管(36)を係合する第二のシール(46)を含む第二のドアプレート(44)と、
前記第一のドアプレート(40)および前記第二のドアプレート(44)に対して回転可能に取り付けられている第三のドアプレート(48)と、
前記第二のドアプレート(44)と前記回転可能な第三のドアプレート(48)の間の拡散バリア(50)と、を備え、
前記ドアアセンブリ(26)の前記閉位置にある前記ドアアセンブリチャンバー(28)が、前記第一のシール(42)および前記拡散バリア(50)によって囲まれていて、前記パージガス入口(30)を介して供給されたパージガスが使用時に、前記拡散バリア(50)を介して前記排気管(18)に流れる、バッチ炉アセンブリ。
【請求項5】
前記パージガス入口(30)を介して供給された前記パージガスが使用時に、実質的に一定の体積流量で供給される、請求項4に記載のバッチ炉アセンブリ。
【請求項6】
前記ドアアセンブリチャンバー(28)が流量制限部(52)を備え、前記パージガス入口(30)から前記拡散バリア(50)への前記パージガスの流れが使用時に、前記ドアアセンブリチャンバー(28)内の前記流量制限部(52)を通って流れる、請求項4に記載のバッチ炉アセンブリ。
【請求項7】
前記差圧センサアセンブリ(32)が、前記パージガスの前記流れ方向で見た時に前記流量制限部(52)から上流にある第一のドアアセンブリチャンバー部(28a)に流体接続されている、請求項6に記載のバッチ炉アセンブリ。
【請求項8】
前記第一のドアプレート(40)と前記第二のドアプレート(44)の間に石英リング(54)を備え、前記流量制限部(52)が前記石英リング(54)において少なくとも一つのオリフィス(56)である、請求項6に記載のバッチ炉アセンブリ。
【請求項9】
前記回転可能な第三のドアプレート(48)がウエハボート(80)を支持するように構成されている、請求項4に記載のバッチ炉アセンブリ。
【請求項10】
前記拡散バリア(50)が、前記第三のドアプレート(48)の底面(62)の近くに位置付けられている上部(60)を有する前記第二のドアプレート(44)上に輪形状の突起部(58)を備える、請求項4に記載のバッチ炉アセンブリ。
【請求項11】
前記排気管(18)が、前記プロセスチャンバー開口部(20)の近くの前記プロセスチャンバーハウジング(12)の側面に位置していて、前記プロセスガス入口(16)が、前記プロセスチャンバーハウジング(12)の反対端に位置していて、プロセスガスが使用時に、前記プロセスガス入口(16)から前記プロセスチャンバー(14)を通って前記排気管(18)に流れる、請求項1に記載のバッチ炉アセンブリ。
【請求項12】
前記バッチ炉アセンブリ(10)が垂直バッチ炉アセンブリであり、前記ウエハボートチャンバー(24)が前記プロセスチャンバー(14)の下に位置している、請求項1に記載のバッチ炉アセンブリ。
【請求項13】
バッチ炉アセンブリ(10)を操作する方法であって、
プロセスガス入口(16)および排気管(18)を有するプロセスチャンバー(14)を画定するプロセスチャンバーハウジング(12)であって、プロセスチャンバー開口部(20)を有する前記プロセスチャンバーハウジング(12)と、
ウエハボートチャンバー(24)を画定するウエハボートハウジング(22)であって、前記ウエハボートチャンバー(24)と前記プロセスチャンバー(14)の間でウエハボート(80)を移送するために、前記プロセスチャンバー開口部(20)が前記プロセスチャンバー(14)と前記ウエハボートチャンバー(24)を接続する、ウエハボートハウジング(22)と、
ドアアセンブリ(26)が前記プロセスチャンバー開口部(20)を閉鎖する閉位置を有する前記ドアアセンブリ(26)であって、前記ドアアセンブリ(26)が、前記プロセスチャンバー(14)を前記ウエハボートチャンバー(24)から気密的に分離するために、パージガスをドアアセンブリチャンバー(28)に供給するためのパージガス入口(30)を有する前記ドアアセンブリチャンバー(28)を前記閉位置において画定する、ドアアセンブリ(26)とを有し、前記方法が、
前記ドアアセンブリ(26)で前記プロセスチャンバー開口部(20)を閉じるステップと、
前記ドアアセンブリチャンバー(28)内の圧力と基準圧力の間の圧力差を決定するステップと、
前記圧力差が所望の圧力範囲内にあるかどうかを確かめて、前記ドアアセンブリ(26)が前記プロセスチャンバー開口部(20)を効果的に閉鎖していることを確認するステップと、を含む、方法。
【請求項14】
前記基準圧力が前記ウエハボートチャンバー(24)内の圧力である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記基準圧力が前記排気管(18)内の圧力である、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
請求項13~15のいずれか一項に記載の方法であって、
前記パージガス入口(16)を介して供給された前記パージガスの実質的に一定の体積流量を前記ドアアセンブリチャンバー(28)に供給するステップをさらに含む、方法。
【請求項17】
前記パージガス入口(16)を介した、前記ドアアセンブリチャンバー(28)へのパージガス供給の前記実質的に一定の体積流量が1~10、好ましくは4~6slmである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記圧力差の前記所望の圧力範囲が300Pa以上であり、前記ドアアセンブリチャンバー(28)内の圧力が前記ウエハボートチャンバー内の圧力よりも高い、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記圧力差の前記所望の圧力範囲が1150Pa以上であり、前記ドアアセンブリチャンバー(28)内の圧力が前記ウエハボートチャンバー内の圧力よりも高い、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記ウエハボートチャンバー(24)内の圧力が前記プロセスチャンバー(14)内の圧力よりも約200~1000Pa、好ましくは750~850Pa高い、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
前記排気管(18)内の圧力が前記プロセスチャンバー(14)内の圧力よりも約50~400Pa、好ましくは100~200Pa低い、請求項13に記載の方法。
【請求項22】
請求項13に記載の方法であって、
前記圧力差が前記所望の圧力範囲内である場合にのみ、前記プロセスチャンバー(14)内でのウエハの処理を開始するステップを含む、方法。
【請求項23】
請求項13に記載の方法であって、
前記圧力差が前記所望の圧力範囲に到達しない場合に警告信号を生成するステップを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、ウエハを処理するためのバッチ炉アセンブリと、バッチ炉アセンブリを操作する方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
バッチ炉アセンブリは典型的に、ウエハが処理されるプロセスチャンバーを備える。プロセスガスは使用中に、ウエハの処理のためにプロセスチャンバーに供給されてもよい。こうしたプロセスガスは腐食性である場合があり、またはそうでなければ悪性である場合がある。典型的にプロセスチャンバーハウジングは石英製であり、これは高温に耐えることができ、典型的にプロセスガスと反応しない。
【0003】
プロセスチャンバーは、プロセスチャンバー開口部を閉鎖するための閉鎖可能なドアアセンブリを備えてもよく、このプロセスチャンバー開口部を介してウエハボートがプロセスチャンバーとウエハボートチャンバーの間で移動されうる。プロセスチャンバーをチャンバーの周囲環境およびウエハボートチャンバーから保護するために、シールを使用してプロセスチャンバー開口部をドアアセンブリで気密的に密閉する。米国特許出願公開第2005/0170306号(US’306)は、プロセスチャンバーをウエハボートチャンバーから気密的に分離するために、パージガスをドアアセンブリチャンバーに供給するためのパージガス入口を有するドアアセンブリチャンバーを閉位置において画定するドアアセンブリを開示している。ドアアセンブリが閉位置にある時、パージガスはドアアセンブリチャンバーに供給され、プロセスチャンバー内部のガス圧力と比較して過度の圧力をドアアセンブリチャンバー内に生成する。この過圧は、プロセスガスがプロセスチャンバーから漏れるのを防止し、それ故にプロセスチャンバーの外側のガス漏れおよび潜在的な腐食を最小化し得る。
【発明の概要】
【0004】
この「発明の概要」は、選択された複数の概念を簡略化した形態で紹介するために提供されている。これらの概念は、以下の本開示の例示的な実施形態の「発明を実施するための形態」において、さらに詳細に説明される。この発明の概要は、特許請求される主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図しておらず、特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることも意図していない。
【0005】
プロセスチャンバーを密閉することと、プロセスチャンバーからのガス漏れの可能性を最小限に抑えることとが重要であることが理解される。
【0006】
従って、改善された密閉安全性を有するバッチ炉アセンブリを提供することが目的でありうる。
【0007】
そのために、請求項1に記載のウエハを処理するためのバッチ炉アセンブリが提供されうる。より具体的に、プロセスチャンバーハウジングと、ウエハボートハウジングと、ドアアセンブリと、差圧センサアセンブリと、コントローラとを備えるバッチ炉アセンブリが提供されうる。プロセスチャンバーハウジングは、プロセスガス入口および排気管を有するプロセスチャンバーを画定してもよい。プロセスチャンバーハウジングは、プロセスチャンバー開口部を有してもよい。ウエハボートハウジングは、ウエハボートチャンバーを画定してもよい。プロセスチャンバー開口部は、ウエハボートチャンバーとプロセスチャンバーの間でウエハボートを移送するために、プロセスチャンバーとウエハボートチャンバーを接続してもよい。ドアアセンブリは、ドアアセンブリがプロセスチャンバー開口部を閉鎖する閉位置を有してもよい。ドアアセンブリは、プロセスチャンバーをウエハボートチャンバーから気密的に分離するために、パージガスをドアアセンブリチャンバーに供給するためのパージガス入口を有し得るドアアセンブリチャンバーを閉位置において画定してもよい。差圧センサアセンブリはドアアセンブリチャンバーおよび基準圧力チャンバーに流体接続してもよく、ドアアセンブリチャンバー内の圧力と基準圧力チャンバー内の基準圧力との間の圧力差を決定するように構成されてもよい。コントローラは、圧力差が所望の圧力範囲内にあるかどうかを確かめて、ドアアセンブリがプロセスチャンバー開口部を効果的に閉鎖することを確認するように構成されうる。
【0008】
請求項13に記載のバッチ炉アセンブリを操作する方法も提供されうる。バッチ炉アセンブリは、プロセスチャンバーハウジング、ウエハボートハウジング、ドアアセンブリを有してもよい。プロセスチャンバーハウジングは、プロセスガス入口および排気管を有するプロセスチャンバーを画定してもよい。プロセスチャンバーハウジングは、プロセスチャンバー開口部を有してもよい。ウエハボートハウジングは、ウエハボートチャンバーを画定してもよい。プロセスチャンバー開口部は、ウエハボートチャンバーとプロセスチャンバーの間でウエハボートを移送するために、プロセスチャンバーとウエハボートチャンバーを接続してもよい。ドアアセンブリは、ドアアセンブリがプロセスチャンバー開口部を閉鎖する閉位置を有してもよい。ドアアセンブリは、プロセスチャンバーをウエハボートチャンバーから気密的に分離するために、パージガスをドアアセンブリチャンバーに供給するためのパージガス入口を有するドアアセンブリチャンバーを閉位置において画定してもよい。方法は、
プロセスチャンバー開口部をドアアセンブリで閉じることと、
ドアアセンブリチャンバー内の圧力と基準圧力の間の圧力差を決定することと、
圧力差が所望の圧力範囲内にあるかどうかを確かめて、ドアアセンブリがプロセスチャンバー開口部を効果的に閉鎖することを確認することと、を含む。
【0009】
本発明と、先行技術を超えて達成される利点とを要約する目的で、本発明のある特定の目的および利点が本明細書において上述されている。当然のことながら、必ずしもこうした目的または利点のすべてが本発明の任意の特定の実施形態によって達成されるとは限らないことが理解されるべきである。それ故に例えば、本明細書において教示または示唆されうる通りの他の目的または利点を必ずしも達成することなく、本明細書において教示または示唆される通りの一つの利点または一群の利点を達成または最適化する様態で、本発明が具体化または実行されてもよいことを当業者は認識するであろう。
【0010】
様々な実施形態が従属請求項において特許請求されていて、これは図に示される実施例を参照してさらに明らかにされる。実施形態は組み合わされてもよく、または互いに別々に適用されてもよい。
【0011】
これらの実施形態のすべてが、本明細書に開示した本発明の範囲内であることが意図されている。これらのおよび他の実施形態は、以下の添付の図面を参照するある特定の実施形態の以下の「発明を実施するための形態」から当業者に容易に明らかとなることになり、本発明は開示されたいかなる特定の実施形態にも限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本明細書は、本発明の実施形態と見なされるものを具体的に指摘し、明確に特許請求する特許請求の範囲で結論付ける一方で、本開示の実施形態の利点は、添付の図面と併せて読むと、本開示の実施形態のある特定の実施例の説明から、より容易に解明されうる。
【0013】
図1図1は、本明細書によるバッチ炉アセンブリの一実施例の断面図を示す。
図2図2は、図1の底部詳細を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本出願において、類似のまたは対応する特徴は、類似のまたは対応する参照記号によって示される。様々な実施形態の説明は、図に示される実施例に限定されず、また「発明を実施するための形態」および「特許請求の範囲」で使用される参照番号は、実施形態の説明を制限することを意図せず、しかし実施形態を解明するために含まれる。
【0015】
ある特定の実施形態および実施例を以下に開示するが、本発明の具体的に開示された実施形態および/または使用、ならびにその明白な修正および均等物を超えて本発明が拡張され得ることは、当業者によって理解されるであろう。それ故に、開示された本発明の範囲は、以下に記載の特定の開示された実施形態によって限定されるべきではないことが意図される。本明細書に提示された図は、任意の特定の材料、構造、または装置の実際の姿であることを意味せず、本開示の実施形態を記述するために使用されている、単に理想化された表現にすぎない。
【0016】
本明細書で使用される「ウエハ」という用語は、使用されうる、またはデバイス、回路、もしくは膜が形成されうる任意の下地材料(複数可)を指してもよい。
【0017】
最も一般的に、本開示はバッチ炉アセンブリ10を提供し得る。バッチ炉アセンブリ10は、ウエハを処理するために構成されうる。バッチ炉アセンブリ10は、プロセスチャンバーハウジング12、ウエハボートハウジング22、ドアアセンブリ26、差圧センサアセンブリ32、コントローラ34を備えうる。プロセスチャンバーハウジング12は、プロセスガス入口16および排気管18を有するプロセスチャンバー14を画定してもよい。プロセスチャンバーハウジング12は、プロセスチャンバー開口部20を有してもよい。ウエハボートハウジング22は、ウエハボートチャンバー24を画定してもよい。プロセスチャンバー開口部20は、ウエハボートチャンバー24とプロセスチャンバー14の間でウエハボート80を移送するために、プロセスチャンバー14とウエハボートチャンバー24を接続してもよい。ドアアセンブリ26は、ドアアセンブリ26がプロセスチャンバー開口部20を閉鎖する閉位置を有してもよい。ドアアセンブリ26は、ドアアセンブリチャンバー28を閉位置において画定してもよい。ドアアセンブリチャンバー28は、プロセスチャンバー14をウエハボートチャンバー24から気密的に分離するために、パージガスをドアアセンブリチャンバー28に供給するためのパージガス入口30を有してもよい。差圧センサアセンブリ32は、ドアアセンブリチャンバー28および基準圧力チャンバー18、24に流体接続されてもよい。差圧センサアセンブリ32は、ドアアセンブリチャンバー28内の圧力と基準圧力チャンバー18、24内の基準圧力との間の圧力差を決定するように構成されてもよい。コントローラ34は、圧力差が所望の圧力範囲内にあるかどうかを確かめて、ドアアセンブリ26がプロセスチャンバー開口部20を効果的に閉鎖することを確認するように構成されうる。
【0018】
差圧センサアセンブリ32によって、ドアアセンブリチャンバー28と基準圧力チャンバー18、24の間の圧力差が決定されうる。差圧センサアセンブリ32は、ドアアセンブリチャンバー28と基準圧力チャンバー18、24の間の差圧を決定する差圧センサを備えうる。別の方法として、図2に示す通り、差圧センサアセンブリ32は、ドアアセンブリチャンバー28内の圧力を決定する第一の圧力センサと、基準圧力チャンバー18、24内の圧力を決定する第二の圧力センサとを備えてもよい。基準圧力チャンバーは、例えばウエハボートチャンバー24であってもよく、これは基準圧力がウエハボートチャンバー24内の圧力であってもよいことを意味する。プロセスチャンバー14内の圧力と比較したウエハボートチャンバー24内の圧力は、既知でありうる。次に、決定された圧力差を、既知の基準圧力に対する所望の圧力差と比較することが可能でありうる。圧力差が所望の圧力範囲にある場合、ドアアセンブリが効果的に閉じられているという結論が下されてもよい。しかしながら、圧力差が所望の圧力範囲内にない場合、ドアが効果的に閉じられていないという結論が下されてもよい。それ故に、ドアアセンブリの閉鎖が実際に実施されたかどうかを確かめるための有効なチェックが提供されうる。圧力差が所望の圧力範囲内にない場合、プロセスガスをプロセスチャンバー14に供給することができないことが好ましい。それ故にコントローラ34は、圧力差が所望の圧力範囲内にある場合、ドアアセンブリ26がプロセスチャンバー開口部20を効果的に閉鎖し得ることを確認することができる。それ故にコントローラ34はまた、圧力差が所望の圧力範囲内にない場合、ドアアセンブリがプロセスチャンバー開口部20を効果的に閉鎖しない場合があることを確認し得る。
【0019】
一実施例が図2に示されている一実施形態において、基準圧力チャンバー18、24はウエハボートチャンバー24であってもよく、基準圧力はウエハボートチャンバー24内の圧力であってもよい。別の方法として、基準圧力チャンバー18、24は排気管18であってもよく、基準圧力は排気管18内の圧力であってもよい。
【0020】
ウエハボートチャンバー24の圧力と排気管18の圧力の両方は典型的に、バッチ炉アセンブリ10において既知である。ウエハボートチャンバー24内の圧力は典型的に、プロセスチャンバー14内の圧力よりも高く設定されてもよい。これは、ドアアセンブリ26が閉じられている時、プロセスガスがウエハボートチャンバー24に入らないことを確実にし得る。ウエハボートチャンバー24内の圧力は、例えばプロセスチャンバー14内の圧力よりも800パスカル高くてもよい。ドアアセンブリチャンバー28内の圧力は、検出される圧力差があることを確実にするためにより高く保たれうる。排気管18内の圧力は典型的に、プロセスチャンバー14内の圧力よりも低く設定されてもよい。これはプロセスガスが排気管18に流れることを確実にし得る。排気管18内の圧力は、例えばプロセスチャンバー14内の圧力よりも150パスカル低くてもよい。圧力差は、これら二つの圧力のいずれかに関して決定されうる。圧力差は、ドアアセンブリチャンバー28内の圧力とウエハボートチャンバー24内の圧力との間であることが好ましい。
【0021】
一実施例が図に示されている一実施形態において、プロセスチャンバーハウジング12は、石英管36と、石英管36を支持する金属フランジ38とを備えてもよい。ドアアセンブリ26は、プロセスチャンバーハウジング12の金属フランジ38を閉位置で係合する第一のシール42を含みうる第一のドアプレート40を備えてもよい。ドアアセンブリ26はまた、プロセスチャンバーハウジング12の石英管36を閉位置で係合する第二のシール46を含みうる第二のドアプレート44を備えてもよい。ドアアセンブリ26は、第一のドアプレート40および第二のドアプレート44に対して回転可能に取り付けられうる第三のドアプレート48をさらに備えてもよい。ドアアセンブリ26は依然として、第二のドアプレート44と回転可能な第三のドアプレート48との間に拡散バリア50をさらに備えてもよい。ドアアセンブリ26の閉位置にあるドアアセンブリチャンバー28は、第一のシール42および拡散バリア50によって囲まれてもよい。パージガス入口30を介して供給されたパージガスは使用時に、拡散バリア50を介して排気管18に流れてもよい。
【0022】
非限定的な例として、ウエハボートチャンバー24内の圧力は、プロセスチャンバー14内の圧力よりも800Pa高い場合があり、ドアアセンブリチャンバー28内の圧力は、ウエハボートチャンバー24内の圧力よりも350Pa高い場合があり、排気管18内の圧力は、プロセスチャンバー内の圧力よりも150Pa低い場合がある。この実施例において、ウエハボートチャンバー24内のガス圧力が基準圧力として使用される場合、圧力差の所望の圧力範囲は、例えば300~400Paであり、これはウエハボートチャンバー24内の圧力よりも高いドアアセンブリチャンバー28内の圧力である。圧力差が300Paを下回る場合、ドアアセンブリ26が適切に閉じられていないことの表れである場合があり、またコントローラは例えば警告信号を提供する場合があり、および/またはプロセスガスをプロセスチャンバー14に供給することを控える場合がある。この圧力差は、パージガスを実質的に一定の体積流量でドアアセンブリチャンバー28に供給しながら得られることができる。一実施例において、実質的に一定の体積流量は、5slmであってもよい。
【0023】
圧力値の上記の実施例とともに、ドアアセンブリチャンバー28内の圧力が排気管18内の圧力と比較されている代替的な実施形態において、圧力差の所望の圧力範囲は、例えば1200~1400Paであり、これにおいてドアアセンブリチャンバー28内の圧力は排気管18内の圧力よりも高い。この実施形態において圧力差が1200Pa未満に低下する時、これはドアアセンブリ26がプロセスチャンバー開口部20を効果的に閉鎖しないことの表れである場合があり、また警告信号が発信される場合があり、および/またはコントローラがプロセスガスをプロセスチャンバー14に供給することを控える場合がある。
【0024】
一般に、ドアアセンブリ26が適切に閉じられている時、ドアアセンブリチャンバー28内のガス圧力は、プロセスチャンバー14内のガス圧力よりも高い場合があり、またウエハボートチャンバー24内のガス圧力よりも高い場合がある。
【0025】
こうした条件下で、ドアアセンブリ26の閉位置にあるパージガスの流路は、図2の矢印で示される通りであってもよい。パージガスはパージガス入口30から、第一のドアプレート40と第二のドアプレート44の間に実質的に挟まれうるドアアセンブリチャンバー28の中に流れてもよい。パージガス入口30は、プロセスチャンバーハウジング12の金属フランジ38内に位置付けられてもよい。プロセスチャンバー14と比較してウエハボートチャンバー24は過圧であるため、パージガスは、第二のドアプレート44と回転可能な第三のドアプレート48との間に位置し得る拡散バリア50を介してドアアセンブリチャンバー28を出てもよい。この拡散バリア50は、プロセスチャンバー14とドアアセンブリチャンバー28の間のシールとして機能し得る。パージガスは拡散バリア50を通過した後、プロセスチャンバー14よりも低い圧力を典型的に有する排気管18に流れてもよい。
【0026】
一実施形態において、パージガス入口30を介して供給されたパージガスは、実質的に一定の体積流量で供給されうる。ドアアセンブリチャンバー28は、流量制限部52を備えてもよい。使用時に、パージガス入口30から拡散バリア50へのパージガスの流れは、ドアアセンブリチャンバー28内の流量制限部52を通ってもよい。差圧センサアセンブリ32は、パージガスの流れ方向で見た時に、流量制限部52から上流にある第一のドアアセンブリチャンバー部28aに流体接続されてもよい。図2に示す通り、バッチ炉アセンブリ10は、第一のドアプレート40と第二のドアプレート44の間に石英リング54を備えてもよい。流量制限部52は、石英リング54にある少なくとも一つのオリフィス56であってもよい。当然のことながら、流量制限部52の他の実施例は、本記載によって除外されない。
【0027】
ドアアセンブリが閉じられている時、パージガス入口30を介して供給されたパージガスは、排気管18にのみ流れてもよい。制限部として働きうる拡散バリア50のため、圧力は自動的にドアアセンブリチャンバー28内に蓄積し得る。この圧力は、ドアアセンブリチャンバー28および拡散バリア50を正しく寸法設定することによって、過圧として設定されうる。このようにして、一定の体積流量を有するパージガスの供給によって達成されうる過圧が生成されうる。ドアアセンブリチャンバー28内の流量制限部52はドアアセンブリチャンバー28を、流量制限部52の上流の第一のドアアセンブリチャンバー部28aと、流量制限部52の下流の第二のドアアセンブリチャンバー部28bとに分割してもよい。二つのドアアセンブリチャンバー部28a、28bは、異なる圧力を有してもよい。一定の流量と組み合わせた流量制限部52は、流量制限部52の上流にある第一のドアアセンブリチャンバー部28aの圧力を、流量制限部52の下流にある第二のドアアセンブリチャンバー部28bの圧力よりも高くなるように決定し得る。第一のドアアセンブリチャンバー部28aは、差圧を測定するために使用されうる。
【0028】
一実施形態において、図1に示す通り、回転可能な第三のドアプレート48は、ウエハボート80を支持するように構成されうる。
【0029】
それ故にドアアセンブリ26はウエハボート80を支持してもよく、また処理のためのプロセスチャンバー14と、ウエハボート80からのウエハの装填および/または取り出しのためのウエハボートチャンバー24との間でウエハボートを移動してもよい。回転可能な第三のドアプレート48は、処理中にウエハボート80を回転させてもよく、これはウエハボート80内のウエハの均一な処理を強化し得る。
【0030】
一実施例が図2に示されている一実施形態において、拡散バリア50は、第三のドアプレート48の底面62に近接して位置付けられている上部60を有する第二のドアプレート44上に輪状の突起部58を備えてもよい。当然のことながら、代替的な一実施形態において、拡散バリア50は第三のドアプレート48上に輪形状の突起部を備えてもよく、突起部は、第二のドアプレート44の上面の近くに位置付けられうる下向きの上部を有してもよい。拡散バリアを作るための他の構成が意図されてもよい。
【0031】
一実施例が図1に示されている一実施形態において、排気管18は、プロセスチャンバー開口部20の近くのプロセスチャンバーハウジング12の側面に位置してもよい。プロセスガス入口16は、プロセスチャンバーハウジング12の反対端に位置してもよい。使用時にプロセスガスは、プロセスガス入口16からプロセスチャンバー14を通って排気管18に流れてもよい。
【0032】
プロセスガス入口16および排気管18をプロセスチャンバーハウジング12の反対端に有することは、プロセスガス入口16から排気管18へのプロセスガスの均一な流れを確実にし得る。プロセスチャンバー開口部20の近くに排気管18を有することによって、排気管18はまた、ドアアセンブリチャンバー28の近くにあってもよく、これはドアアセンブリチャンバー28から排気管18へのパージガスの短い流路を確実にし得る。このようにして、パージガスが最も低い圧力領域に、すなわち排気管18に直接流れるため、ドアアセンブリチャンバー28からパージガスが流入することの結果である、プロセスチャンバー14内のプロセスの障害の可能性は最小化される。
【0033】
一実施例が図に示されている一実施形態において、バッチ炉アセンブリ10は垂直バッチ炉アセンブリであってもよく、ウエハボートチャンバー24はプロセスチャンバー14の下方に位置している。
【0034】
こうした垂直バッチ炉アセンブリ10は、ウエハ処理機械の分野において慣例的である場合があり、周知の利点を有する。例えば、比較的に小さい設置面積を有し、それ故に、より価値の低い床面積を占有する。
【0035】
本開示はまた、バッチ炉アセンブリ10を操作する方法を提供し得る。バッチ炉アセンブリは、プロセスチャンバーハウジング12、ウエハボートハウジング22、ドアアセンブリ26を有してもよい。プロセスチャンバーハウジング12は、プロセスガス入口16および排気管18を有するプロセスチャンバー14を画定してもよい。プロセスチャンバーハウジング12は、プロセスチャンバー開口部20を有してもよい。ウエハボートハウジング22は、ウエハボートチャンバー24を画定してもよい。プロセスチャンバー開口部20は、ウエハボートチャンバー24とプロセスチャンバー14の間でウエハボート80を移送するために、プロセスチャンバー14とウエハボートチャンバー24を接続してもよい。ドアアセンブリ26は、ドアアセンブリ26がプロセスチャンバー開口部20を閉鎖する閉位置を有してもよい。ドアアセンブリ26は、ドアアセンブリチャンバー28を閉位置において画定してもよい。ドアアセンブリチャンバー28は、プロセスチャンバー14をウエハボートチャンバー24から気密的に分離するために、パージガスをドアアセンブリチャンバー28に供給するためのパージガス入口30を有してもよい。
【0036】
方法は、
プロセスチャンバー開口部20をドアアセンブリ26で閉じることと、
ドアアセンブリチャンバー28内の圧力と基準圧力の間の圧力差を決定することと、
圧力差が所望の圧力範囲内にあるかどうかを確かめて、ドアアセンブリ26がプロセスチャンバー開口部20を効果的に閉鎖していることを確認することと、を含む。
【0037】
方法の効果および利点は、バッチ炉アセンブリ10に関連して上述した効果および利点と類似していて、これらの効果および利点は参照により、ここに挿入されている。
【0038】
一実施例が図2に示されている一実施形態において、基準圧力はウエハボートチャンバー24内の圧力であってもよい。実施例が図に示されていない別の方法として、基準圧力は排気管18内の圧力であってもよい。
【0039】
ウエハボートチャンバー24の圧力と排気管18の圧力の両方は典型的に、バッチ炉アセンブリ10において既知である。ウエハボートチャンバー24内の圧力は典型的に、プロセスチャンバー14内の圧力よりも高く設定されてもよい。これは、ドアアセンブリ26が適切に閉じられていない時でさえも、プロセスガスがウエハボートチャンバー24の中に流れることを防止し得ることを確実にし得る。それ故に、危険な状況が発生する可能性を最小化する場合があり、ドアアセンブリ26の金属部品およびウエハボートチャンバー28の金属部品の腐食を防止する場合がある。ドアアセンブリチャンバー28内の圧力は、ウエハボートチャンバー24からのガスがドアアセンブリチャンバー28を通過し、次いでプロセスチャンバー14に入ることができないことを確実にするために、より高く保たれてもよい。ドアアセンブリチャンバー28内の圧力は、例えばドアアセンブリ26が、適切に閉じられた位置にある時に、ウエハボートチャンバー24内の圧力よりも350Pa高い場合がある。排気管18内の圧力は典型的に、プロセスチャンバー14内の圧力よりも低く設定されてもよい。これはプロセスガスが排気管18に流れることを確実にし得る。圧力差は、これら二つの圧力のいずれかに関して決定されうる。圧力差は、ドアアセンブリチャンバー28内の圧力とウエハボートチャンバー24内の圧力との間であることが好ましい。
【0040】
一実施形態において、方法は、パージガス入口16を介して供給されたパージガスの実質的に一定の体積流量を、ドアアセンブリチャンバー28に供給することをさらに含む。
【0041】
ドアアセンブリが閉じられている時、パージガス入口30を介して供給されたパージガスは、排気管18にのみ流れてもよい。制限部として働きうる拡散バリア50のため、圧力は自動的にドアアセンブリチャンバー28内に蓄積される。この圧力は、ドアアセンブリチャンバー28および拡散バリア50を正しく寸法設定することによって、過圧として設定されうる。このようにして、一定の体積流量を有するパージガスの供給によって達成されうる過圧が生成されうる。
【0042】
一実施形態において、ドアアセンブリチャンバー28へのパージガス入口16を介したパージガス供給の実質的に一定の体積流量は、1~10、好ましくは4~6slmであってもよい。
【0043】
ドアアセンブリチャンバー28内の圧力が、ウエハボートチャンバー24内の圧力と比較されている一実施形態において、圧力差の所望の圧力範囲は300Pa以上であってもよく、ドアアセンブリチャンバー28内の圧力はウエハボートチャンバー内の圧力よりも高い。
【0044】
圧力差がその範囲内にある場合、ドアアセンブリ26が効果的に閉じられていると結論付けられてもよい。圧力差に達しない場合、パージガスがウエハボートチャンバー28または別の場所に漏れ出し、これは適切に閉じられていないドアアセンブリ26によって引き起こされうると結論付けられてもよい。
【0045】
ドアアセンブリチャンバー28内の圧力が排気管18内の圧力と比較されている一実施形態において、圧力差の所望の圧力範囲は1150Pa以上であってもよく、ドアアセンブリチャンバー28内の圧力はウエハボートチャンバー内の圧力よりも高い。この場合も、この範囲は、ドアアセンブリ26が閉じられているかどうかについての信頼できるチェックを提供するのに十分な安全性を提供する。
【0046】
一実施形態において、ウエハボートチャンバー24内の圧力はプロセスチャンバー14内の圧力よりも約200~1000Pa高くてもよく、好ましくは750~850Pa高くてもよい。こうした圧力差は、ドアアセンブリ26が適切に閉じられていない時でさえも、プロセスチャンバー14からウエハボートチャンバー24へのプロセスガスの漏れの可能性を低減するのに許容可能なレベルの安全性を提供する。
【0047】
一実施形態において、排気管18内の圧力はプロセスチャンバー14内の圧力よりも約50~400Pa低くてもよく、好ましくは100~200Pa低くくてもよい。排気管内のこの圧力範囲は、関連する領域における乱流なしにプロセスチャンバー14内に良好な流れパターンを提供し、同時にプロセスチャンバー14からのプロセスガスの十分な排出を確実にする。
【0048】
一実施形態において方法は、圧力差が所望の圧力範囲内である場合にのみ、プロセスチャンバー14内でのウエハの処理を開始することを含みうる。
【0049】
圧力差が所望の圧力範囲内にあるかどうかを最初に確かめることによって、ドアアセンブリ26がプロセスチャンバー開口部20を効果的に閉鎖することを確認し得る。プロセスチャンバー開口部20が効果的に閉じられている時にのみウエハの処理を開始することにより、プロセスガスがウエハボートチャンバー24またはバッチ炉アセンブリの他の部分に漏れる場合がないことを確実にし得る。
【0050】
一実施形態において、方法は、圧力差が所望の圧力範囲に到達しない場合に警告信号を生成することを含みうる。このような警告信号は、バッチ炉アセンブリ10をチェックするように、特にそのドアアセンブリ26、およびプロセスチャンバーハウジング12とのその相互作用をチェックするように操作者に警告する。
【0051】
本発明の例示的な実施形態を、添付図面を部分的に参照しながら上述してきたが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことが理解されるべきである。本開示の実施形態に対する変形形態は、特許請求される発明を実施する当業者によって、図面、開示、および添付の特許請求の範囲の検討から、理解および達成することができる。
【0052】
本明細書全体を通して、「一つの実施形態(one embodiment)」または「一実施形態(an embodiment)」の参照は、実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも一つの実施形態に含まれることを意味する。それ故に、この記述全体の様々な個所での「一つの実施形態において(in one embodiment)」または「一実施形態において(in an embodiment)」という句の使用は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すわけではない。
【0053】
さらに、上述の様々な実施形態のうちの一つ以上の特定の特徴、構造、または特性は、互いに独立して使用、実施されてもよく、また新しい、明示的に記述されていない実施形態を形成するために任意の適切な様態で組み合わせられてもよいことに留意されたい。「発明を実施するための形態」および「特許請求の範囲」で使用されている参照番号は、実施形態の説明を限定せず、特許請求の範囲も制限しない。参照番号は明確化のためにのみ使用されている。
【符号の説明】
【0054】
10 - バッチ炉アセンブリ
12 - プロセスチャンバーハウジング
14 - プロセスチャンバー
16 - プロセスガス入口
18 - 排気管
20 - プロセスチャンバー開口部
22 - ウエハボートハウジング
24 - ウエハボートチャンバー
26 - ドアアセンブリ
28 - ドアアセンブリチャンバー
28a - 第一のドアアセンブリチャンバー部
28b - 第二のドアアセンブリチャンバー部
30 - パージガス入口
32 - 差圧センサアセンブリ
34 - コントローラ
36 - 石英管
38 - 金属フランジ
40 - 第一のドアプレート
42 - 第一のシール
44 - 第二のドアプレート
46 - 第二のシール
48 - 第三のドアプレート
50 - 拡散バリア
52 - 流量制限部
54 - 石英リング
56 - オリフィス
58 - 突起部
60 - (突起部の)上部
62 - (第三のドアプレートの)底面
80 - ウエハボート
図1
図2
【外国語明細書】