(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023049688
(43)【公開日】2023-04-10
(54)【発明の名称】改質六方晶窒化ホウ素粉末の製造方法および改質六方晶窒化ホウ素粉末
(51)【国際特許分類】
C01B 21/064 20060101AFI20230403BHJP
【FI】
C01B21/064 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021159582
(22)【出願日】2021-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003182
【氏名又は名称】株式会社トクヤマ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】台木 祥太
(72)【発明者】
【氏名】柿木 智行
(57)【要約】
【課題】六方晶窒化ホウ素粉末に表面処理剤を効果的に反応させる。
【解決手段】本発明の改質六方晶窒化ホウ素粉末の製造方法は、六方晶窒化ホウ素粉末を、窒素雰囲気下、1300℃以上2200℃以下の温度で加熱する加熱工程と、加熱工程後の再焼成六方晶窒化ホウ素粉末を、第1表面処理剤と接触させる第1表面処理工程とを含む。加熱工程から第1表面処理工程までを、再焼成六方晶窒化ホウ素粉末が絶対湿度15g/m3以下の環境下で実行する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
六方晶窒化ホウ素粉末を、窒素雰囲気下、1300℃以上2200℃以下の温度で加熱する加熱工程と、
前記加熱工程後の再焼成六方晶窒化ホウ素粉末を、第1表面処理剤と接触させる第1表面処理工程とを含み、
前記加熱工程から前記第1表面処理工程までを、前記再焼成六方晶窒化ホウ素粉末が絶対湿度15g/m3以下の環境下で実行する、改質六方晶窒化ホウ素粉末の製造方法。
【請求項2】
前記第1表面処理工程において、前記再焼成六方晶窒化ホウ素粉末の温度を、25℃以上前記第1表面処理剤の分解温度未満になるように調整する、請求項1に記載の改質六方晶窒化ホウ素粉末の製造方法。
【請求項3】
前記第1表面処理剤がシランカップリング剤である、請求項1または2に記載の改質六方晶窒化ホウ素粉末の製造方法。
【請求項4】
前記加熱工程において、前記六方晶窒化ホウ素粉末を30分以上10時間未満加熱する、請求項1~3の何れか1項に記載の改質六方晶窒化ホウ素粉末の製造方法。
【請求項5】
前記第1表面処理工程において、前記加熱工程後の再焼成六方晶窒化ホウ素粉末の温度を降下後、前記第1表面処理剤と接触させる、請求項1~4の何れか1項に記載の改質六方晶窒化ホウ素粉末の製造方法。
【請求項6】
C(炭素)の含有量が0.02質量%以上である、第1表面処理剤を表面に担持した、改質六方晶窒化ホウ素粉末。
【請求項7】
前記第1表面処理剤がシランカップリング剤である、請求項6に記載の改質六方晶窒化ホウ素粉末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改質六方晶窒化ホウ素粉末の製造方法および改質六方晶窒化ホウ素粉末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子部品の小型化およびハイパワー化に伴って、電子部品の発熱量の増大が問題となっている。そのため、電子部品の効率的な放熱のため、熱伝導性に優れた素材の開発が行われている。
【0003】
六方晶窒化ホウ素粉末は、電子部品に用いられる樹脂に配合することで、樹脂の熱伝導性を向上させる。この六方晶窒化ホウ素粉末は、表面処理剤による表面処理によって、熱伝導性および樹脂への充填性等の物性が向上する場合がある。例えば特許文献1には、特定の温度で六方晶窒化ホウ素粉末を加熱することによって当該粉末の表面を改質させる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
六方晶窒化ホウ素粉末は、表面処理剤が反応し得る官能基に乏しい。特許文献1に記載の表面改質処理後の粉末に表面処理剤を施しても所望の表面処理を達成できない可能性が考えられる。したがって、表面処理前の六方晶窒化ホウ素粉末について、当該粉末表面のさらなる改質が求められている。
【0006】
本発明の一態様は、六方晶窒化ホウ素粉末に表面処理剤を効果的に反応させる方法等を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る改質六方晶窒化ホウ素粉末の製造方法は、六方晶窒化ホウ素粉末を、窒素雰囲気下、1300℃以上2200℃以下の温度で加熱する加熱工程と、前記加熱工程後の再焼成六方晶窒化ホウ素粉末を、第1表面処理剤と接触させる第1表面処理工程とを含み、前記加熱工程から前記第1表面処理工程までを、前記再焼成六方晶窒化ホウ素粉末が絶対湿度15g/m3以下の環境下で実行する。
【0008】
本発明の一態様に係る改質六方晶窒化ホウ素粉末の製造方法は、前記第1表面処理工程において、前記再焼成六方晶窒化ホウ素粉末の温度を、25℃以上前記第1表面処理剤の分解温度未満になるように調整してもよい。
【0009】
本発明の一態様に係る改質六方晶窒化ホウ素粉末の製造方法は、前記第1表面処理剤がシランカップリング剤であってもよい。
【0010】
本発明の一態様に係る改質六方晶窒化ホウ素粉末の製造方法は、前記加熱工程において、前記六方晶窒化ホウ素粉末を30分以上10時間未満加熱してもよい。
【0011】
本発明の一態様に係る改質六方晶窒化ホウ素粉末の製造方法は、前記第1表面処理工程において、前記加熱工程後の前記再焼成六方晶窒化ホウ素粉末の温度を降下後、前記第1表面処理剤と接触させてもよい。
【0012】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る改質六方晶窒化ホウ素粉末は、C(炭素)の含有量が0.02質量%以上である、第1表面処理剤を表面に担持している。
【0013】
本発明の一態様に係る改質六方晶窒化ホウ素粉末は、前記第1表面処理剤がシランカップリング剤であってもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一態様によれば、六方晶窒化ホウ素粉末に表面処理剤を効果的に反応させる方法等を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】ユニパック抽出物を含むサンプルのUV-Vis吸収スペクトル測定結果を示す図である。
【
図2】EtOHのUV-Vis吸収スペクトル測定結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
【0017】
(改質六方晶窒化ホウ素粉末の製造方法)
本実施形態に係る改質六方晶窒化ホウ素粉末の製造方法は、六方晶窒化ホウ素粉末を加熱する加熱工程と、加熱工程後の再焼成六方晶窒化ホウ素粉末を、第1表面処理剤と接触させる第1表面処理工程と、を含む。
【0018】
本発明者らは、六方晶窒化ホウ素粉末の表面改質について詳細な検討を重ねた結果、新規の知見を得ることに成功した。すなわち、六方晶窒化ホウ素粉末を特定の範囲の温度および絶対湿度下で加熱することによって、当該粉末の表面が活性化されて、表面処理剤と反応し易い状態になることを独自に見出した。また、表面処理剤と反応し易い状態である六方晶窒化ホウ素粉末を特定の範囲の絶対湿度下で表面処理を行うことによって、六方晶窒化ホウ素粉末に表面処理剤を効果的に反応させることができることを独自に見出した。
【0019】
本明細書において、「再焼成六方晶窒化ホウ素粉末」という用語は、六方晶窒化ホウ素粉末を得るための加熱(還元窒化等)および後述する加熱工程による加熱(粉末表面の撥水性の向上)によって得られた六方晶窒化ホウ素粉末であることを意図している。また、本明細書において、「改質六方晶窒化ホウ素粉末」という用語は、表面が改質された再焼成六方晶窒化ホウ素粉末であることを意図している。
【0020】
<六方晶窒化ホウ素粉末>
六方晶窒化ホウ素粉末は、公知の方法により製造することができる。六方晶窒化ホウ素粉末の製造方法として、例えば、含酸素ホウ素化合物を高温下で反応させる還元窒化法、および、ホウ酸メラミンの熱分解によるメラミン法、等が挙げられる。本実施形態に係る改質六方晶窒化ホウ素粉末の製造方法(以下、「実施形態1に係る製造方法」と示す)の効果が顕著に現れる点およびコスト抑制の点等から、還元窒化法による六方晶窒化ホウ素粉末の製造が好ましい。以下、還元窒化法による六方晶窒化ホウ素粉末の製造について説明する。
【0021】
<還元窒化法による六方晶窒化ホウ素粉末の製造>
還元窒化法では、一般的に、含酸素ホウ素化合物と助剤とを混合して原料混合粉を得る。次に、原料混合粉を窒素雰囲気下で加熱することによって効率的に窒化粉が得られる。そして、副生物および不純物を窒化粉から除去することによって、六方晶窒化ホウ素粉末が得られる。
【0022】
ホウ素源として使用される含酸素ホウ素化合物の例として、ホウ酸、三酸化ホウ素、二酸化二ホウ素、三酸化四ホウ素、無水ホウ酸、メタホウ酸、過ホウ酸、次ホウ酸、四ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム等が挙げられる。入手が容易である点等で、ホウ酸または酸化ホウ素を使用することが好ましい。
【0023】
上記助剤の例としては、カーボン源および含酸素アルカリ土類金属化合物が挙げられる。カーボン源の例として、カーボンブラック、活性炭、ナノカーボン、炭化ホウ素等が挙げられる。コスト低減の点等で、カーボンブラックを使用することが好ましい。含酸素アルカリ土類金属化合物の例として、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、シュウ酸マグネシウム、シュウ酸カルシウム等が挙げられる。含酸素アルカリ土類金属化合物は1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
【0024】
含酸素ホウ素化合物および助剤(カーボン源および含酸素アルカリ土類金属化合物)の混合方法の例として、振動ミル、ビーズミル、ボールミル、ミキサー等の一般的な混合機を使用して混合すればよい。
【0025】
窒素雰囲気下での原料混合粉の加熱温度は、非晶質の窒化ホウ素粉末の生成を低減して六方晶窒化ホウ素粉末を容易に得られることができる点で、1500℃以上であることが好ましく、1800℃以上であることがより好ましい。また、当該加熱温度は2000℃以下であることが好ましい。加熱時間は通常、0.5時間以上12時間以下であり、好ましくは、1時間以上8時間以下である。
【0026】
原料混合粉の加熱によって得られた窒化粉を例えば、酸によって洗浄することによって副生物および未反応物等の不純物を除去することができる。当該酸の例として、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸等が挙げられる。酸による洗浄方法は、副生物および不純物を除去することができれば特に制限されない。例えば、窒化粉100質量部に対して、50質量部以上200質量部以下の濃塩酸(37%HCl水溶液)と200質量部以上500質量部以下の純水とを混合して、6時間以上撹拌することによって、窒化粉を洗浄することができる。
【0027】
酸による洗浄後、純水を用いて窒化粉を洗浄することによって窒化粉に残存する酸を除去し、乾燥によって純水を除去すればよい。当該乾燥温度は50℃以上250℃以下であってもよい。また、大気下で乾燥させてもよいし、減圧雰囲気下で乾燥させてもよい。
【0028】
還元窒化法により得られた六方晶窒化ホウ素粉末は、後述する加熱工程を行う前に、必要に応じて、粉砕、解砕、分級等の処理を行ってもよい。
【0029】
[加熱工程]
加熱工程において、六方晶窒化ホウ素粉末を、窒素雰囲気下、1300℃以上2200℃以下の温度で加熱する。当該加熱工程によって、加熱工程後の六方晶窒化ホウ素粉末(再焼成六方晶窒化ホウ素粉末)の撥水性および結晶性を向上させることができる。
【0030】
上記加熱工程は、例えば、加熱炉等の炉に六方晶窒化ホウ素粉末を供給して窒素雰囲気下で行うことができる。加熱炉としては、反応雰囲気および絶対湿度の制御が可能である公知の加熱炉を使用することができる。例えば、高周波誘導加熱またはヒーター加熱によって加熱処理を行う雰囲気制御型高温炉が挙げられる。また、バッチ炉、プッシャー式トンネル炉および縦型反応炉等の連続炉も加熱炉として使用できる。
【0031】
加熱炉内に導入されるガスとして、窒素ガスおよびアンモニアガス等が挙げられる。窒素ガスまたはアンモニアガスに、水素、アルゴン、ヘリウムなどの非酸化性ガスを混合したガスを使用してもよい。加熱炉内に導入されるガスとしては、窒素ガスが好ましい。また、窒素ガスについては、露点温度をコントロールした窒素ガスであることが好ましく、露点温度としては-85℃以下である事が好ましい。
【0032】
上記加熱工程における加熱温度は、1300℃以上2200℃以下である。加熱温度が1300℃未満であると、六方晶窒化ホウ素粉末の表面に存在するアミノ基およびヒドロキシ基等の親水性官能基が十分に除去できない場合がある。また、加熱温度が2200℃超であると、再焼成六方晶窒化ホウ素粉末が分解または黄変する場合がある。
【0033】
後述する表面処理工程(第1表面処理工程または第2表面処理工程)において表面処理剤をより効果的に反応させることができる点で、上記加熱工程における加熱温度の下限は、1400℃以上であることが好ましく、1600℃以下であることがさらに好ましい。また、装置コスト等の点から、当該加熱温度の上限は2000℃以下が好ましく、1900℃以下がより好ましい。
【0034】
上記加熱工程における加熱時間は、窒素雰囲気の条件および加熱温度によって適宜選択することができる。後述する表面処理工程において表面処理剤をより効果的に反応させることができる点で、当該加熱時間の下限は、30分以上が好ましく、1時間以上がより好ましく、2時間以上がさらに好ましい。また、装置コスト等の点から、当該加熱時間の上限は10時間未満が好ましく、8時間以下がより好ましく、6時間以下がさらに好ましい。
【0035】
上記加熱工程で得られた再焼成六方晶窒化ホウ素粉末を、第1表面処理剤と接触させる第1表面処理工程及び/又は第2表面処理剤と接触させる第2表面処理工程を行う。以下、本実施形態において第1表面処理工程について説明し、続く実施形態2において第2表面処理工程について説明する。
【0036】
[第1表面処理工程]
第1表面処理工程において、上記加熱工程で得られた再焼成六方晶窒化ホウ素粉末を、第1表面処理剤と接触させる。
【0037】
実施形態1に係る製造方法においては、絶対湿度15g/m3以下の環境下で、上記加熱工程および第1表面処理工程を行う。絶対湿度15g/m3超の環境下で、上記加熱工程および第1表面処理工程を行うと、再焼成六方晶窒化ホウ素粉末が水と反応して加水分解し易くなる。当該加水分解によって、第1表面処理剤が再焼成六方晶窒化ホウ素粉末と反応し難くなる。また、絶対湿度15g/m3以下の環境下で上記加熱工程および第1表面処理工程が行うことによって、表面(特に端面)が活性化されている再焼成六方晶窒化ホウ素粉末と第1表面処理剤とを効果的に反応させることができる。絶対湿度は、公知の絶対湿度センサ等を用いて測定することができる。
【0038】
再焼成六方晶窒化ホウ素粉末と第1表面処理剤とをより効果的に反応させる点で、上記絶対湿度は、12g/m3以下であることが好ましく、10g/m3以下であることがより好ましく、7g/m3以下であることがさらに好ましく、5g/m3以下であることがよりさらに好ましく、2g/m3であることが特に好ましく、0g/m3であることが最も好ましい。
【0039】
上記第1表面処理工程で使用される第1表面処理剤は、六方晶窒化ホウ素粉末の表面処理で使用される公知の表面処理剤を使用することができる。実施形態1に係る製造方法においては、絶対湿度をコントロールし、水分量がコントロールされた状態で、上記加熱工程および第1表面処理工程が行われるため、第1表面処理剤はシランカップリング剤が好ましく、反応性官能基を有するシランカップリング剤またはヘキサメチルジシラサンがより好ましい。当該反応性官能基の例として、フェニル基、ビニル基、エポキシ基、(メタ)アクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、イソシアネート基等が挙げられる。
【0040】
再焼成六方晶窒化ホウ素粉末に接触させる第1表面処理剤の量は、再焼成六方晶窒化ホウ素粉末の総量に対して、0.01質量%以上3質量%以下になるように調整すればよい。
【0041】
再焼成六方晶窒化ホウ素粉末と第1表面処理剤とを接触させる方法は、公知の方法を用いて行えばよい。例えば、再焼成六方晶窒化ホウ素粉末と第1表面処理剤とを混合させることによって、再焼成六方晶窒化ホウ素粉末の表面に第1表面処理剤が接触する。
【0042】
上記第1表面処理工程において、再焼成六方晶窒化ホウ素粉末の温度の下限は25℃以上が好ましく、30℃以上がより好ましく、50℃以上であることがさらに好ましい。また、当該温度の上限は第1表面処理剤の分解温度未満であることが好ましく、150℃以下であることがより好ましく、100℃以下であることがさらに好ましい。再焼成六方晶窒化ホウ素粉末を上記温度範囲に調整することによって、再焼成六方晶窒化ホウ素粉末と第1表面処理剤とをより効果的に反応させることができる。
【0043】
上記第1表面処理工程において、上記加熱工程後の再焼成六方晶窒化ホウ素粉末の温度を降下させた再焼成六方晶窒化ホウ素粉末に第1表面処理剤を接触させることが好ましい。例えば、上記加熱工程後、加熱炉内に窒素ガスを流して加熱炉内を冷却させることによって再焼成六方晶窒化ホウ素粉末の温度を降下させることができる。上記加熱工程後に温度を降下させた再焼成六方晶窒化ホウ素粉末の温度としては、25℃以下が好ましく、20℃以下がさらに好ましい。再焼成六方晶窒化ホウ素粉末の温度を降下させる事で、炉を大気開放した際に、大気中の水分と反応し難くなる。また、上記加熱工程および第1表面処理工程を連続して行う装置を設計すれば、加熱炉を開放せずに第1表面処理工程を行うことができるため、水分を含む大気と接触させずに再焼成六方晶窒化ホウ素粉末に表面処理を施すことができる。
【0044】
(改質六方晶窒化ホウ素粉末)
実施形態1に係る製造方法によって得られる改質六方晶窒化ホウ素粉末は、C(炭素)の含有量が0.02%以上である、第1表面処理剤を表面に担持した(第1表面処理剤により表面処理された)改質六方晶窒化ホウ素粉末である。当該改質六方晶窒化ホウ素粉末(以下、実施形態1に係る改質BN粉末と示す場合がある)も、本発明の一態様に含まれる。
【0045】
実施形態1に係る改質BN粉末に含まれるCは、上記第1表面処理工程で使用した第1表面処理剤由来で有り得る。したがって、このようなC含有量を有する改質BN粉末は、第1表面処理剤を表面に担持した(第1表面処理剤により表面処理された)ものであるといえる。
【0046】
実施形態1に係る改質BN粉末の表面は、上述の通り、第1表面処理剤と効果的に反応している。したがって、当該改質六方晶窒化ホウ素粉末によれば、例えば、改質窒化ホウ素粉末を充填した樹脂に張り付けた銅箔の引き剥がし強度を容易に向上できる。また、充填する樹脂との相互作用が改善され、樹脂への高充填性が可能となり、高い熱伝導性を付与する事が可能となる。また、表面に疎水性の第1表面処理剤をコーティングすれば、改質六方晶窒化ホウ素粉末に撥水性を付与する事が可能であり、樹脂組成物としての耐湿信頼性の向上が図れる。
【0047】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した構成については、その説明を繰り返さない。
【0048】
(改質六方晶窒化ホウ素粉末の製造方法)
本実施形態に係る改質六方晶窒化ホウ素粉末の製造方法では、実施形態1に係る方法から、第1表面処理工程に替えて、または、第1表面処理工程に加えて、第2表面処理工程を実施する。また、本実施形態に係る改質六方晶窒化ホウ素粉末の製造方法では、絶対湿度15g/m3以下の環境下で、上記加熱工程および表面処理工程(第2表面処理工程、または、第1表面処理工程および第2表面処理工程)を行うことは必須ではない。
【0049】
[第2表面処理工程]
第2表面処理工程は、上記加熱工程後の再焼成六方晶窒化ホウ素粉末を、共役二重結合を有する第2表面処理剤と接触させる工程である。
【0050】
加熱工程後の再焼成六方晶窒化ホウ素粉末は、粒子内の残存O(酸素)がN(窒素)に置換されている。そのため、再焼成六方晶窒化ホウ素粉末は、加熱工程前の六方晶窒化ホウ素粉末と比較して、粒子内のOの含有量が少ない。六方晶窒化ホウ素粉末は、Oの含有量が少ないほど、結晶構造が理想状態に近い(結晶性が高い)といえる。六方晶窒化ホウ素粉末の結晶性が高い状態とは、結晶構造中のBおよびNが、空孔またはO等の他の分子と置換していない、六方晶窒化ホウ素の結晶構造として原子欠陥を有さない状態である。また、六方晶窒化ホウ素粉末は、Oの含有量が少ないほど、表面に水分子等の吸着分子が少ない状態であると言える。
【0051】
六方晶窒化ホウ素の単分子層は、結晶構造が理想状態から離れるほど、二酸化炭素または水分子等を吸着しやすくなることが知られている(Beilstein J. Nanotechnol. 2019, 10, 540-548、Catalysis Today, 2011, 175, 271-275)。六方晶窒化ホウ素粉末の結晶構造が理想状態に近いほど、表面への第2表面処理剤の結合を阻害する構造が少なく、第2表面処理剤と結合し易い状態であると考えられる。第2表面処理剤については後述する。
【0052】
再焼成六方晶窒化ホウ素粉末は、第2表面処理剤との結合性の観点から、Oの含有量が0.3質量%以下であることが好ましく、0.25質量%以下であることがより好ましく、0.2質量%以下であることがより好ましく、0.15質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましい。
【0053】
六方晶窒化ホウ素粉末の状態は、黒鉛化指数(GI値;Graphite Index score)により表すことができる。GI値は、X線回折スペクトルの(100)面および(101)面に由来するピーク面積の総和を、(102)面に由来するピーク面積で除することにより求められる。GI値は、結晶性が高いほど低い値となる。完全に結晶化(黒鉛化)した六方晶窒化ホウ素粉末ではGI値が1.6になるが、高結晶性でかつ粒子が十分に成長した六方晶窒化ホウ素粉末の場合、粉末の配向によりGI値はさらに低くなり得る。
【0054】
再焼成六方晶窒化ホウ素粉末は、第2表面処理剤との結合性の観点から、GI値が1.0~2.5であることが好ましく、1.3~2.0であることがより好ましく、1.4~1.8であることがより好ましく、1.5~1.7であることがより好ましく、1.6であることが最も好ましい。
【0055】
以上のような結晶性の高い六方晶窒化ホウ素粉末は、従来、安定して得ることが困難であった。本発明者らは、六方晶窒化ホウ素粉末に対して加熱工程を実施した直後の再焼成六方晶窒化ホウ素粉末は、上述のようなOの含有量およびGI値を有し、結晶性が高い状態であることを、独自の新規な知見として見出した。本実施形態に係る改質六方晶窒化ホウ素粉末の製造方法における第2表面処理工程は、このような加熱工程後の再焼成六方晶窒化ホウ素粉末を、第2表面処理剤と接触させる工程である。
【0056】
第2表面処理剤は、共役二重結合を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、芳香族化合物であることが好ましく、また、六員環構造を含む化合物であることが好ましい。このような化合物としては、例えば、ベンゼン、ビフェニル、トリフェニレン、アントラセン、インドール、プリン、キノリン、イソキノリンおよびクロメン等が挙げられる。
【0057】
このような第2表面処理剤は、特に限定されないが、少なくとも共役二重結合部分と、再焼成六方晶窒化ホウ素粉末表面との間に生じるπ-π相互作用により、再焼成六方晶窒化ホウ素粉末の表面に良好に結合すると考えられる。上述した通り、再焼成六方晶窒化ホウ素粉末の結晶性が高い状態であるほど、すなわち、GI値が1.6に近い状態であるほど、第2表面処理剤が再焼成六方晶窒化ホウ素粉末の表面に結合し易いと考えられる。なお、ここでいう「結合」とは、特定の結合態様を示すものではなく、π-π相互作用による化学吸着をはじめとした、第2表面処理剤と再焼成六方晶窒化ホウ素粉末との間に生じ得るあらゆる結合態様を含む概念である。
【0058】
本実施形態に係る製造方法により得られる改質六方晶窒化ホウ素粉末は、第2表面処理剤により表面が改質された六方晶窒化ホウ素粉末である。このような改質六方晶窒化ホウ素粉末は、樹脂との相互作用に優れる。したがって、改質六方晶窒化ホウ素粉末は、樹脂と相互作用しやすい。したがって、改質六方晶窒化ホウ素粉末によれば、例えば、改質窒化ホウ素粉末を充填した樹脂に張り付けた銅箔の引き剥がし強度を容易に向上できる。また、充填する樹脂との相互作用が改善され、樹脂への高充填性が可能となり、高い熱伝導性を付与する事が可能となる。また、表面に疎水性の第2表面処理剤をコーティングすれば、改質六方晶窒化ホウ素粉末に撥水性を付与する事が可能であり、樹脂組成物としての耐湿信頼性の向上が図れる。
【0059】
改質六方晶窒化ホウ素粉末は、Cの含有量が0.02質量%以上であることが好ましい。改質六方晶窒化ホウ素粉末が含有するCは、第2表面処理剤由来で有り得る。したがって、このようなCの含有量を有する改質六方晶窒化ホウ素粉末は、第2表面処理剤により表面処理されたものであると言える。
【0060】
本実施形態において、加熱工程から第2表面処理工程までを、絶対湿度15g/m3以下の環境下で実行することが好ましい。また、加熱工程から第2表面処理工程までを実施する環境は、絶対湿度が12g/m3以下であることがより好ましく、10g/m3以下であることがより好ましく、7g/m3以下であることがより好ましく、5g/m3以下であることがより好ましく、2g/m3であることが特に好ましく、0g/m3であることが最も好ましい。
【0061】
加熱工程後の再焼成六方晶窒化ホウ素粉末は、上述の通りOの含有量が少なく、そのためGI値も1.6に近くなる。しかし、再焼成六方晶窒化ホウ素粉末がH2Oと接触すると、H2Oと反応してOの含有量が上昇し、結晶性が低下してしまう虞がある。上述のような絶対湿度の環境下であれば、加熱工程後の再焼成六方晶窒化ホウ素粉末が、H2Oと多量に接触する前に、第2表面処理剤と接触して反応することで、結晶性が低下する虞を効果的に防止できる。
【0062】
なお、加熱工程後に、第1表面処理工程と第2表面処理工程との両方の工程を実施する場合、これら一連の工程を、絶対湿度15g/m3以下の環境下で実行することが好ましい。なお、第1表面処理工程と第2表面処理工程とは、いずれを先に実行してもよい。
【0063】
(改質六方晶窒化ホウ素粉末)
本発明の一態様は、次に示す改質六方晶窒化ホウ素粉末も含み得る。すなわち、本発明の一態様は、結晶性を示す黒鉛化指数が1.0~2.5であり、共役二重結合を有する第2表面処理剤を表面に担持した(第2表面処理剤により表面処理された)改質六方晶窒化ホウ素粉末である。また、本発明の一態様は、当該改質六方晶窒化ホウ素粉末のOの含有量が0.3質量%以下であることが好ましい。さらに、本発明の一態様は、当該改質六方晶窒化ホウ素粉末のCの含有量が0.02質量%以上であることが好ましい。
【0064】
上述の実施形態1および2に係る改質六方晶窒化ホウ素粉末は、熱伝導性および樹脂への充填性等の物性が向上している。当該粉末を電子部品で使用される素材の原料として使用することによって、電子部品の小型化およびハイパワー化を促進し、省エネルギー化に寄与することができる。これにより、エネルギー効率の改善率を増やし、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献できる。
【0065】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【実施例0066】
〔調製例1〕六方晶窒化ホウ素粉末の調製
六方晶窒化ホウ素粉末は、還元窒化法によって調製した。酸化ホウ素700g、カーボンブラック300g、炭酸カルシウム200gおよび炭化ホウ素66gを混合撹拌機にて混合した。得られた混合物を、黒鉛製タンマン炉を用いて、窒素ガス雰囲気下、1500℃まで昇温し、1500℃で6時間保持した。1500℃保持後、1880℃まで昇温し、1880℃で2時間還元窒化処理を行い、窒化粉を得た。次いで、得られた窒化粉を石臼式磨砕機で解砕した後、ポリエチレン製の容器に投入し、窒化粉500gに対して500gの塩酸(37重量%HCl)と1500gの純水とを加えて酸スラリーを調製し、8時間撹拌することで酸による洗浄を行った。酸による洗浄後、ブフナー漏斗を用いて酸スラリーを濾過した後に、窒化粉の10倍量(重量比)以上の純水に加えて水スラリーを調製して洗浄を行った後、吸引濾過により窒化粉の水分率が40重量%以下になるまで脱水を行った。
【0067】
その後、窒化粉を大気圧下、200℃で15時間、乾燥することで水分率0.1重量%とした後、目開き90μm篩で分級し篩下を回収して、六方晶窒化ホウ素粉末を得た。
【0068】
〔調製例2〕未再焼成改質六方晶窒化ホウ素粉末の調製
調製例1で得られた六方晶窒化ホウ素粉末10gと0.05gのヘキサメチルジシラザンとを混合することによって表面処理を行い、未再焼成改質六方晶窒化ホウ素粉末を得た。
【0069】
〔調製例3〕再焼成六方晶窒化ホウ素粉末の調製
調製例1で得られた六方晶窒化ホウ素粉末100gを、窒化ホウ素で表面コーティングされたカーボン製焼成棚に充填し、黒鉛製タンマン炉に配した。その後、炉内を減圧した後に、露点温度-85℃以下の窒素雰囲気下で、1890℃において2時間加熱処理を行って、再焼成六方晶窒化ホウ素粉末を得た。
【0070】
〔調製例4〕改質六方晶窒化ホウ素粉末の調製
調製例3の加熱処理後、窒素ガスを流して炉内を冷却させることによって、炉内の再焼成六方晶窒化ホウ素粉末を約20℃まで冷却した。冷却した再焼成六方晶窒化ホウ素粉末10gと0.05gのヘキサメチルジシラザンとを混合することによって表面処理を行い、改質六方晶窒化ホウ素粉末を得た。当該表面処理は、絶対湿度12%の状態で行った。
【0071】
〔評価例1〕C含有量の測定および撥水性の評価
調製例1~4で得られた粉末のC含有量を堀場製作所製EMIA―110によって測定した。
【0072】
次に、疎水化試験によって粉末の撥水性の評価を行った。溶媒として、水(H2O=100)、10質量%エタノール水溶液(H2O/EtOH=90/10)または20質量%エタノール水溶液(H2O/EtOH=80/20)を使用した。50mLのバイアル瓶に25mLの溶媒を投入後、5mgの調製例1~4で得られた各粉末を添加して、粉末が溶媒に沈むか否かを評価した。
【0073】
各粉末のC含有量の測定結果および撥水性の評価結果を表1に示す。
【0074】
【0075】
表1中、「〇浮く」は、添加した粉末が溶媒の表面付近に浮遊し、撥水性が高いことを示す。「△やや沈む」は、添加した一部の粉末がバイアルの底に沈み、撥水性がやや劣ることを示す。「×沈む」は、添加した粉末がバイアルの底に沈み、撥水性が劣ることを示す。
【0076】
表1に示すように、調製例2および4の粉末の含有量はそれぞれ、調製例1および3の粉末のC含有量に比べて、0.017%および0.015%増加していることが分かった。このことから、調製例2および4の粉末表面に表面処理剤が存在することが確認できた。また、表1に示すように、調製例4の粉末が、撥水性が最も高いことが分かった。
【0077】
〔調製例5〕未再焼成改質六方晶窒化ホウ素粉末の調製
調製例1で得られた六方晶窒化ホウ素粉末10gをポリエチレン製の保管袋であるユニパック(登録商標)K8(生産日本社)で5日間保管した。当該保管によって、ユニパック(登録商標)の内表面由来の化合物が表面に結合した、未再焼成改質六方晶窒化ホウ素粉末が得られた。
【0078】
〔調製例6〕改質六方晶窒化ホウ素粉末の調製
調製例3の加熱処理後、炉を開放して再焼成六方晶窒化ホウ素粉末を取り出した。そして、室温まで冷却後、10gの再焼成六方晶窒化ホウ素粉末をユニパック(登録商標)K8(生産日本社)で5日間保管した。当該保管によって、ユニパック(登録商標)の内表面由来の化合物が表面に結合した、改質六方晶窒化ホウ素粉末が得られた。
【0079】
〔評価例2〕再焼成六方晶窒化ホウ素粉末への第2表面処理剤の結合による物性の評価
まず、再焼成六方晶窒化ホウ素粉末の物性(撥水性)が、ポリエチレン製の保管袋であるユニパック(登録商標)K8(生産日本社)での保管によって変化するかを確認した。本撥水性試験は、ユニパック内表面と接触した六方晶窒化ホウ素粉末または再焼成六方晶窒化ホウ素粉末に、ユニパック内表面由来の化合物が結合することで、撥水性の変化の有無を確認するものである。
【0080】
調製例1、3、5および6で得られた粉末について、評価例1で行った疎水化試験を行うことによって撥水性の評価を行った。評価結果を表2に示す。
【0081】
【0082】
表2に示すように、加工工程前の六方晶窒化ホウ素粉末(調製例1および5)は、ユニパック保管に関わらず、何れの溶媒でも沈んだ。一方、加工工程後の再焼成六方晶窒化ホウ素粉末(調製例3および6)は、加工工程前と比較して、溶媒に沈みにくかった。特に、20質量%エタノール水溶液に対しては、ユニパック保管ありの条件でのみ沈まず、最も撥水性が高いことが示された。これは、加工工程後の再焼成六方晶窒化ホウ素粉末(調製例6)にのみ、ユニパック内表面に由来する化合物が結合し、これにより撥水性が向上したことを示唆する結果である。
【0083】
〔評価例3〕ユニパック内表面に由来する化合物の種類の検討
次に、ユニパック内表面に由来する化合物の種類についての検討を行った。ユニパック内表面に存在する化合物について、エタノール10mLをユニパックに注ぎ込み、ユニパック内表面をエタノールと3分間接触させた。接触後のエタノール中に抽出された成分(ユニパック抽出物)の紫外可視(UV-Vis)吸収スペクトルを測定した。溶媒コントロールとして、30質量%エタノール水溶液についてもUV-Visスペクトルを測定した。測定は、UV-1800(島津製作所製)を用いて、セル容量1mL、セル長10mmの条件で実施した。
【0084】
ユニパック抽出物を含むサンプルのおよび溶媒コントロール(EtOH)のUV-Vis吸収スペクトル測定結果をそれぞれ
図1および2に示す。
図1および2に示すように、ユニパック抽出物を含むサンプルでは、200nm付近および280nm付近に吸収が見られた。200nm以下の吸収は、エタノールまたは大気由来であり、ユニパック抽出物由来ではない可能性がある。一方、280nm付近に吸収が見られたことから、ユニパック抽出物は、共役二重結合を有する化合物である可能性が示唆された。
【0085】
以上の結果より、ユニパック由来の化合物は、共有二重結合を有する化合物であり、第2表面処理剤として再焼成六方晶窒化ホウ素粉末に結合することが示された。また、第2表面処理剤を含む再焼成六方晶窒化ホウ素粉末は、撥水性が向上することが示された。撥水性の向上は、樹脂への充填性の向上に繋がるものである。