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特開2023-49756基板保持機構及びこれを用いた基板処理装置、並びに基板交換方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023049756
(43)【公開日】2023-04-10
(54)【発明の名称】基板保持機構及びこれを用いた基板処理装置、並びに基板交換方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20230403BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20230403BHJP
   C23C 16/458 20060101ALI20230403BHJP
【FI】
H01L21/31 C
H01L21/68 N
C23C16/458
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021159698
(22)【出願日】2021-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】中坪 敏行
(72)【発明者】
【氏名】加藤 寿
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
4K030AA06
4K030AA09
4K030AA14
4K030BA44
4K030CA04
4K030FA10
4K030GA02
4K030GA06
4K030KA45
4K030KA46
5F045AA08
5F045AA15
5F045AB32
5F045AC07
5F045AC11
5F045AC15
5F045AC16
5F045DP15
5F045DP27
5F045DP28
5F045DQ10
5F045DQ12
5F045EE14
5F045EE19
5F045EF03
5F045EF09
5F045EJ04
5F045EK07
5F045EM02
5F045EM03
5F045EM09
5F045EM10
5F045EN04
5F131AA02
5F131BA03
5F131BA04
5F131CA70
5F131EA22
5F131EA23
5F131EA27
5F131EB33
5F131EB38
5F131EB78
5F131EB79
5F131EB81
(57)【要約】
【課題】基板を載置台上に確実に固定できる基板保持機構及びこれを用いた基板処理装置、並びに基板交換方法を提供する。
【解決手段】回転テーブルに設けられた載置台の上に載置される基板を保持する基板保持機構であって、
前記載置台の外周側面の少なくとも一部を覆うように設けられ、前記載置台及び前記基板の外周側面を同時に締め込んで前記基板を前記載置台に固定する帯状固定部材を有する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転テーブルに設けられた載置台の上に載置される基板を保持する基板保持機構であって、
前記載置台の外周側面の少なくとも一部を覆うように設けられ、前記載置台及び前記基板の外周側面を同時に締め込んで前記基板を前記載置台に固定する帯状固定部材を有する基板保持機構。
【請求項2】
前記帯状固定部材を締める方向に力を付与して前記基板を前記載置台に固定するロック機構を有する請求項1に記載の基板保持機構。
【請求項3】
前記ロック機構は、前記載置台の下方に設けられている請求項2に記載の基板保持機構。
【請求項4】
前記ロック機構は、付勢部材を含む請求項2又は3に記載の基板保持機構。
【請求項5】
前記付勢部材はバネである請求項4に記載の基板保持機構。
【請求項6】
前記ロック機構は、前記帯状固定部材の一端が固定されるとともに、前記付勢部材による付勢力の付与により回転可能に設けられた回転部材を含む請求項4又は5に記載の基板保持機構。
【請求項7】
前記ロック機構は、通常はロック状態となっており、前記基板を前記載置台に載せるとき及び前記載置台から取り除くときにアンロック状態となる請求項2~6のいずれか一項に記載の基板保持機構。
【請求項8】
前記載置台及び前記基板を前記回転テーブルから独立して回転させる回転機構を有する請求項1~7のいずれか一項に記載の基板保持機構。
【請求項9】
前記載置台と前記基板とが同径である請求項1~8のいずれか一項に記載の基板保持機構。
【請求項10】
前記帯状固定部材は、前記載置台の全周の少なくとも60%以上を覆う請求項1~9のいずれか一項に記載の基板保持機構。
【請求項11】
前記帯状固定部材は、樹脂、炭素繊維、耐食性金属及びセラミックの少なくとも1つから構成される請求項1~10のいずれか一項に記載の基板保持機構。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載された基板保持機構と、
前記載置台と、
前記回転テーブルと、
前記回転テーブルを収容する処理室と、を有する基板処理装置。
【請求項13】
前記載置台は、前記回転テーブルの周方向に沿って複数設けられている請求項12に記載の基板処理装置。
【請求項14】
基板の交換方法であって、
回転テーブルに設けられた載置台の周囲を囲むように設けられた帯状固定部材を前記載置台の下方にて周方向に沿って引っ張る力を付与して前記載置台上の基板を固定していた固定機構を緩める工程と、
前記固定部材を緩めた状態で、前記載置台上の基板を上昇させる工程と、を有する基板の交換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板保持機構及びこれを用いた基板処理装置、並びに基板交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、サセプタ上の基板保持領域上に基板を載置した状態で、基板保持領域の外側から内側に回転することにより基板保持領域上に載置された基板の側面部に接触することにより、基板を保持可能な内側方向への付勢力を付与し、基板を保持する基板保持機構が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-152264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基板を載置台上に確実に固定できる基板保持機構及びこれを用いた基板処理装置、並びに基板交換方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本開示の一態様に係る基板保持機構は、回転テーブルに設けられた載置台の上に載置される基板を保持する基板保持機構であって、
前記載置台の外周側面の少なくとも一部を覆うように設けられ、前記載置台及び前記基板の外周側面を同時に締め込んで前記基板を前記載置台に固定する帯状固定部材を有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、基板を載置台上に確実に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態の成膜装置の一例を示す縦断面図である。
図2】実施形態の成膜装置の一例を示す横断面図である。
図3】実施形態の成膜装置に設けられる回転テーブルの概略斜視図である。
図4】載置台の下面に設けられる従動ギアを模式的に示す図である。
図5】従動ギアと駆動ギアの一部を示す上面図である。
図6】成膜装置に用いられる基板保持機構の一例を示した図である。
図7】アンカーと帯状固定部材との固定構造を示した図である。
図8】本実施形態に係る基板保持機構の動作構造を説明するための図である。
図9】本実施形態に係る基板保持機構の一例の断面構成を示した図である。
図10】本実施形態に係る基板保持機構のロック・アンロック機構の一例を示した図である。
図11】本実施形態に係る基板保持機構の基板固定性能の結果を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本開示を実施するための形態の説明を行う。添付の全図面中、同一又は対応する部材又は部品については、同一又は対応する参照符号を付し、重複する説明を省略する。
【0009】
〔基板処理装置〕
図1図5を参照し、実施形態の基板処理装置について、基板である半導体ウエハ(以下「ウエハW」という。)に原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)により膜を形成する成膜装置を例示して説明する。図1は、実施形態の成膜装置の一例を示す縦断面図である。図2は、実施形態の成膜装置の一例を示す横断面図である。図3は、実施形態の成膜装置に設けられる回転テーブルの概略斜視図である。なお、本実施形態に係る基板処理装置が成膜装置である例を挙げて説明するが、エッチング装置等にも適用可能である。
【0010】
成膜装置1は、回転テーブル2に載置されて自転及び公転するウエハWに、シリコン原料ガスと酸化ガスとを順番に繰り返し供給し、原料ガスと酸化ガスとを互いに反応させてSiO(酸化シリコン)膜を形成するALDが行われるように構成されている。
【0011】
成膜装置1は、平面形状が概ね円形の扁平な処理容器である真空容器11を備えている。真空容器11は、容器の側壁及び底部をなす容器本体13と、天板12とにより構成されている。真空容器11内には、回転テーブル2が設けられている。回転テーブル2は、水平な円板状に形成されている。回転テーブル2の中心部には鉛直下方へ伸びる回転軸21が接続されている。回転軸21は、容器本体13を構成する底部14に設けられた軸受け部22を貫通して、真空容器11の外側に設けられる公転用回転機構23に接続されている。公転用回転機構23は、回転テーブル2を上面側から見て例えば時計回りに回転させる。
【0012】
容器本体13の底部14には、回転軸21を囲むように当該底部14を厚さ方向に貫通する平面視で環状のスリット24が設けられている。そして、底部14の下方には、平面視で環状、且つ縦断面視で凹部形状をなす空間形成部15が設けられており、この凹部内の空間は、真空容器11の外部から区画されると共に、成膜処理時には後述の排気口36、37により排気されて真空雰囲気となる。当該空間を従動ギア移動空間16とすると、従動ギア移動空間16には、容器本体13の底部14に近接するように、水平な支持用円環板25が設けられている。また、空間形成部15の底部は円環状の水平な板により構成されており、当該板を区画板17とする。仕切り部材をなすこの区画板17は、後述する従動ギア4と駆動ギア5との間に形成される磁力線を通す材料、例えばアルミニウムやSUS(ステンレス鋼)により構成されている。なお、空間形成部15の側壁及び底部14には、冷媒流路18が設けられている。
【0013】
続いて、回転テーブル2及び当該回転テーブル2に付帯する各部の構造についての概略斜視図である図3も参照しながら説明する。上記の軸受け部22の上端部からは、平面視で放射状に5本のスポーク26が延出されており、当該スポーク26に回転テーブル2が支持されている。スポーク26は、高い強度及び高い耐熱性を有するように、例えば合金であるインコネル(登録商標)により構成されている。スポーク26の先端部は、上記の容器本体13のスリット24を下方へ向かうように屈曲し、支持用円環板25の上面に接続されている。従って、支持用円環板25はスポーク26によって、回転軸21に支持されている。
【0014】
回転テーブル2の上面側には、回転テーブル2の回転によって公転する平面視で円形の載置台3が設けられている。この例では載置台3は回転テーブル2の回転方向に沿って5個設けられている。載置台3の上面には、ウエハWを水平に載置して収納するための凹部31が形成されている。凹部31の内径は、例えばウエハWの直径よりも僅かに大きくなるように構成される。例えば、ウエハWの直径が300mmである場合、凹部31の内径は301~303mmであってよい。載置台3の周縁部には、凹部31に載置されるウエハWを保持するための基板保持機構100が設けられる。基板保持機構100は、回転テーブル2及び載置台3が回転しても、ウエハWが凹部31から飛び出さないように且つウエハWが載置台3に対して回転しないようにウエハWを固定保持する。図2及び図3においては、各載置台3に3個の基板保持機構100が設けられる場合を示す。なお、基板保持機構100の詳細については後述する。
【0015】
各載置台3の下面側の中央部には、載置台3を支持する自転軸32が鉛直下方へ延出するように設けられている。各自転軸32は支持用円環板25を貫通し、さらに、当該支持用円環板25の下面に支持されて設けられる5つの軸受けユニット33(図3では4つのみ表示している)を各々貫通する。自転軸32が支持用円環板25を貫通する位置は、支持用円環板25を周方向に見て隣り合うスポーク26の間である。つまり、支持用円環板25には自転軸32とスポーク26とが交互に配置されている。軸受けユニット33は、自転軸32を回転自在に保持するように自転軸32を囲むベアリング(図示せず)と、ベアリングからのパーティクルの飛散を防ぐための磁気シール(図示せず)と、を備えている。このように構成されることで、自転軸32は回転テーブル2と共に回転する部位に自転自在に設けられている。また、自転軸32は軸受けユニット33に支持されており、軸受けユニット33は支持用円環板25、スポーク26を介して回転軸21に対して支持されている。
【0016】
自転軸32の下端部には、水平な円板状の従動ギア4が自転軸32と互いに中心軸を一致させた状態で設けられている。従って、従動ギア4は自転軸32を介して載置台3に連結されており、従動ギア4は回転テーブル2の回転により、当該回転テーブル2の回転軸21の回りを水平方向に公転する。また、従動ギア4を周方向に回転させると、各載置台3が自転軸32回りに自転する。
【0017】
図4は、従動ギア4の下面側を模式的に示している。従動ギア4の下部側には、当該従動ギア4の回転方向に沿って、多数の永久磁石が全周に亘って埋設されている。なお、全周に亘って永久磁石が設けられるとは、回転方向に見たときに永久磁石が設けられる領域が局所的では無いことを意味している。従って、回転方向に隣り合う永久磁石間に隙間があっても、全周に亘って永久磁石が設けられることになり、この例ではそのような隙間が設けられている。
【0018】
従動ギア4に設けられる上記の永久磁石の磁極をN極部41、S極部42とすると、当該従動ギア4を下面側から見たときに、N極部41、S極部42が自転方向(回転方向)に沿って交互に配置されている。なお、N極部41についてはS極部42と区別するために、図中に斜線を付して表示している。この例では、従動ギア4の下面に露出するN極部41、S極部42は、夫々同じ形状の短冊状に形成され、従動ギア4の下面の中心部から横方向に放射状に延びるように、周方向に互いに間隔を開けて例えば8個配列されている。N極部41及びS極部42の長さは例えば従動ギア4の底面の中心を越えないように、従動ギア4の半径より短く設定されている。なお、高温環境下における減磁を抑制するために、上記の従動ギア4を構成する永久磁石及び後述の駆動ギア5を構成する永久磁石は、例えばサマリウムコバルト磁石により構成されている。
【0019】
図1及び図3に示すように、真空容器11の外側(大気雰囲気側)であって、空間形成部15の下方には、駆動ギア5が配置されている。駆動ギア5は、従動ギア4と共に磁気ギア機構40を構成する。駆動ギア5は従動ギア4の公転軌道の全周に沿って形成された水平な円環板であり、当該公転軌道に臨むように設けられている。従って駆動ギア5の上面は、従動ギア4の下面に対向する。
【0020】
駆動ギア5の中央部には、円形の開口部50が形成されている。開口部50の中心は、平面視で回転テーブル2の回転中心に一致している。また、図1に示すように駆動ギア5の下面には、駆動ギア5を回転させるための例えば環状のダイレクトドライブモータ(DDモータ)よりなる自転用回転機構53が、回転軸21を囲むように設けられている。自転用回転機構53は、駆動ギア5を開口部50の中心を回転中心として回転させる。従って、駆動ギア5は、従動ギア4の公転軌道に臨んだ状態で回転する。自転用回転機構53は回転軸を囲む平面視円環状の昇降台54に設けられており、昇降台54は、駆動ギア用昇降機構55により昇降する。駆動ギア用昇降機構55は、水平な床板56に設けられている。床板56は、回転軸21が貫通する開口部57を備えている。
【0021】
駆動ギア5について、さらに詳しく説明する。駆動ギア5の上部には、従動ギア4の公転軌道の外周縁部に対向するように、当該駆動ギア5の全周に亘って、永久磁石が埋設されている。なお、全周に亘って永久磁石が設けられるとは、駆動ギア5の回転方向に見たときに永久磁石が設けられる領域が局所的では無いことを意味しており、回転方向に永久磁石が隙間無く設けられることでは無い。この例では当該回転方向に隣り合う永久磁石の間に、そのような隙間が設けられている。駆動ギア5に設けられる永久磁石の磁極をN極部51及びS極部52とすると、駆動ギア5を上側から見て、駆動ギア5の回転方向にN極部51及びS極部52が交互に配置されている。なお、図3及び後述の図5などにおいては、N極部51についても、従動ギア4のN極部41と同様に図中に斜線を付して示している。
【0022】
図5は、1つの従動ギア4の磁極部(N極部41及びS極部42)と、その下方側の駆動ギア5の磁極部(N極部51及びS極部52)とを対応させて示す図である。例えばN極部51、S極部52は、従動ギア4の下面に形成されたN極部41、S極部42の形状と重なり合うように短冊状に形成されている。なお、図5は、従動ギア4のN極部41と駆動ギア5のS極部52とが重なった状態を示している。また、図5は磁気ギアの構成を説明するための概要図であるため、磁極部の数は実際の装置の磁極部の数と異なる。
【0023】
従動ギア4は、従動ギア4の各磁極部(N極部41、S極部42)と駆動ギア5の各磁極部(N極部51、S極部52)との間の吸引力及び反発力の総合作用により決定される位置において停止する。従って、回転テーブル2と駆動ギア5とを同じ回転数(回転速度)で回転させたときには、従動ギア4は駆動ギア5に対して相対的に停止していることから、従動ギア4即ち載置台3は、自転することなく停止している。
【0024】
載置台3は、駆動ギア5と回転テーブル2との回転数に差が生じたとき、即ち駆動ギア5の角速度と、回転テーブル2の回転による従動ギア4の角速度(いわば公転角速度)との間に速度差が発生したときに自転する。駆動ギア5の角速度Vaが従動ギア4の角速度Vbよりも大きいときは、駆動ギア5に対向している従動ギア4のN極部41、S極部42の並びの下方を、駆動ギア5のN極部51、S極部52の配列が、図5で言えば左側から右側に移動していく。このため、従動ギア4に作用する駆動ギア5からの反発力と吸引力とが右側に移動し、これに伴い従動ギア4のN極部41、S極部42の並びも右に引き連れられることから、結果として従動ギア4が図5における右回転、即ち時計回りに自転する。
【0025】
また、駆動ギア5の角速度Vaが従動ギア4の角速度Vbよりも小さいときは、駆動ギア5に対向している従動ギア4のN極部41、S極部42の並びの下方を、駆動ギア5のN極部51、S極部52の配列が、図5で言えば右側から左側に移動していく。このため従動ギア4に作用する駆動ギア5からの反発力と吸引力とが左側に移動し、これに伴い従動ギア4のN極部41、S極部42の並びも左に引き連れられることから、結果として従動ギア4が左回転、即ち反時計回りに自転する。
【0026】
図1及び図2に戻って、成膜装置1の説明を続ける。真空容器11の天板12の下面側の中央部には、平面視で円形の中心領域形成部Cが設けられる。中心領域形成部Cから回転テーブル2の外側に向かって広がるように平面視で扇状の突出部34が形成されている。突出部34は、回転テーブル2の周方向に離れて2つ設けられている。中心領域形成部C及び突出部34は、その外側領域に比べて低い天井面を形成している。中心領域形成部Cと回転テーブル2の中心部との隙間には図示しない供給路からNガスが供給されることで、当該回転テーブル2の中心部における原料ガス及び酸化ガスの接触が抑制される。
【0027】
容器本体13の底部14には、ウエハWを加熱するためのヒータ35が埋設されている。底部14における回転テーブル2の外側には、排気口36、37が開口しており、真空ポンプなどにより構成される真空排気機構(図示せず)に接続されている。また、真空容器11の側壁面には、ゲートバルブ38により開閉自在なウエハWの搬入出部39が形成されており、当該搬入出部39を介して搬送機構(図示せず)により、真空容器11の内外でウエハWが搬送される。
【0028】
搬入出部39付近の真空容器11の底部14には、上記のウエハWの搬送機構と載置台3との間でウエハWを受け渡すために、3本の昇降ピン20が設けられている。ただし図1では便宜上、2本のみ昇降ピン20を示している。なお、図示は省略しているが、上記の載置台3の底部には当該昇降ピン20が通過して、ウエハWの受け渡しが行えるように貫通孔が形成されている。昇降ピン20の下端は、例えば昇降及び回転する駆動ギア5に干渉しないように形成されると共に昇降機構28により昇降自在なアーム27に支持されている。昇降ピン20の周囲には、昇降ピン20を囲むベローズ29が設けられており、真空容器11内の気密性を保つ役割を有する。
【0029】
回転テーブル2の上方側には、原料ガスノズル61、分離ガスノズル62、酸化ガスノズル63、改質ガスノズル64及び分離ガスノズル65が、この順に、回転テーブル2の回転方向に間隔をおいて配設されている。各ガスノズル61~65は、真空容器11の側壁から中心部に向かって、回転テーブル2の径方向に沿って水平に伸びる棒状に形成され、その長さ方向に沿って互いに間隔を開けて設けられた多数の吐出口66から、各種のガスを下方側に向けて吐出する。
【0030】
原料ガスノズル61は、原料ガスとしてBTBAS(ビスターシャルブチルアミノシラン)ガスを吐出する。原料ガスノズル61には、ノズルカバー67が設けられる。ノズルカバー67は、原料ガスノズル61を覆い、その下方におけるBTBASガスの濃度を高める役割を有する。酸化ガスノズル63は、酸化ガスとしてO3(オゾン)ガスを吐出する。分離ガスノズル62、65は、N2ガスを吐出し、上面側から見て天板12の突出部34を各々周方向に分割する位置に配置されている。改質ガスノズル64は、例えばアルゴン(Ar)ガスと酸素(O)ガスとの混合ガスからなる改質ガスを吐出する。この例では、原料ガス、酸化ガス及び改質ガスが夫々処理ガスに相当し、原料ガスノズル61、酸化ガスノズル63及び改質ガスノズル64が、処理ガス供給部に夫々相当する。
【0031】
改質ガスノズル64の上方側において、真空容器11の天板12に設けられる開口部19を塞ぐように、プラズマ形成部7が設けられている。図2には、当該プラズマ形成部7が設けられる位置を一点鎖線で示している。
【0032】
プラズマ形成部7は、本体部71、突状部72、ファラデーシールド73、板部材74、アンテナ75、高周波電源76及びスリット77を含む。本体部71は、石英などの誘電体により形成される。突状部72は、本体部71の下面において開口部19に沿って下方側へ向けて突出する。突状部72にて囲まれる領域内に、改質ガスノズル64から改質ガスが吐出される。本体部71の上面側には、ファラデーシールド73、絶縁用の板部材74を介して、金属線をコイル状に巻回したアンテナ75が設けられ、このアンテナ75には高周波電源76が接続されている。スリット77は、ファラデーシールド73に設けられており、電磁界の磁界成分を下方に向かわせる役割を有する。
【0033】
回転テーブル2上において、原料ガスノズル61の下方領域は、BTBASガスの吸着が行われる吸着領域R1、酸化ガスノズル63の下方領域は、BTBASガスが酸化される酸化領域R2である。また、プラズマ形成部7の下方領域は、プラズマによりSiO2膜の改質が行われる改質領域R3である。突出部34の下方領域は、分離ガスノズル62、65から各々吐出されるN2ガスにより、吸着領域R1の雰囲気と酸化領域R2の雰囲気とを互いに分離するための分離領域D1、D2である。
【0034】
既述の排気口36は、吸着領域R1と、吸着領域R1の回転方向の下流側に隣接する分離領域D1との間の外側に開口しており、余剰のBTBASガスを排気する。また、排気口37は、改質領域R3と改質領域R3の回転方向下流側に隣接する分離領域D2との境界付近の外側に開口しており、余剰のO3ガス、改質ガスを排気する。排気口36、37からは、各分離領域D1、D2、中心領域形成部Cから各々供給されるN2ガスも排気される。
【0035】
成膜装置1には、制御部90が設けられる。制御部90は、成膜装置1の各部を制御する。制御部90は、例えばコンピュータ等であってよい。また、成膜装置1の各部の動作を行うコンピュータのプログラムは、記憶媒体に記憶されている。記憶媒体は、例えばフレキシブルディスク、コンパクトディスク、ハードディスク、フラッシュメモリ、DVD等であってよい。
【0036】
なお、今まで本実施形態に係る基板処理装置が成膜装置である例を挙げて説明したが、供給するガスをエッチングガスにすれば、エッチング装置として構成することも可能である。このように、本実施形態に係る基板処理装置は、回転テーブル2が載置台3を備えた構成であれば、種々の処理を行う基板処理装置に適用することが可能である。
【0037】
〔基板保持機構〕
図6は、成膜装置1に用いられる基板保持機構の一例を示した図である。本開示の実施形態に係る基板保持機構は、帯状固定部材100と、アンカー110と、回転部材120とを有する。
【0038】
帯状固定部材100が載置台3の外周を囲んで配置され、帯状固定部材3の第1の端部101がアンカー110に固定され、帯状固定部材110の第2の端部102が回転部材120の第1の端部122に固定されている。回転部材120は、回転軸121の周りに回転(回動)可能に構成され、反時計回りに回転することにより、帯状固定部材100を締め込み、基板Wを固定することができるように構成されている。
【0039】
帯状固定部材120は、載置台3の外周側面の少なくとも一部を覆う(囲む)ように設けられている。帯状固定部材120は、載置台3上に基板Wが載置されたときに、基板W及び載置台3の外周側面を締め込むようにして基板W及び載置台3を同時固定できるように構成されている。帯状固定部材120は、ある程度の柔軟性を有する材料から構成され、基板W及び載置台3の外周に巻き付くようにして基板W及び載置台3を固定する。
【0040】
帯状固定部材120の材料としては、樹脂材、炭素繊維、耐食性金属又はセラミックが例として挙げられる。その他、柔軟性とプロセスに応じた耐熱性、プラズマ耐性及び腐食性ガス耐性とを有する限り、種々の材料を用いることができる。なお、基板温度が200℃未満の低温プロセスでは、柔軟性が高い樹脂材を用いることが好ましい。一方、200℃~600℃の中温プロセス及び600℃を超える高温プロセスでは、耐熱性の高い炭素繊維、耐腐食性金属又はセラミックを用いることが好ましい。
【0041】
アンカー110は、帯状固定部材100を固定するための部材である。アンカー110は、例えば、支柱のように縦長に延びて載置台3の近傍に設けられ、帯状固定部材100の第1の端部101を押し返して輪を形成し、形成した輪で帯状固定部材100を外篏するようにして固定する。換言すれば、アンカー110が帯状固定部材100の輪に挿入された状態で、帯状固定部材100の第1の端部101を固定する。
【0042】
図7に、アンカー110と帯状固定部材100との固定構造を示す。図7に示されるように、帯状固定部材100の第1の端部101に形成された縦長の輪にアンカー110が挿入された状態となり、帯状固定部材100を回動可能に固定する。図7に示されるように、アンカー110は、例えば金属のネジを用いて構成してよい。
【0043】
回転部材120は、帯状固定部材100の固定と非固定(ロックとアンロック)を操作するための部材である。回転部材120の第1の端部102には、帯状固定部材100の第2の端部102が固定される。回転部材120は、回転軸121を中心に回転し、反時計回りに回転することにより、帯状固定部材100を固定方向に引っ張り、時計周りに回転することにより、帯状固定部材を緩めて非固定状態とする。
【0044】
なお、回転部材120は、図6においてはL字形状をしているが、用途に合わせて種々の形状とすることができる。即ち、回転により、帯状固定部材100の周方向に沿った方力を付与できれば、用途に応じて形状及び構成を変更することができる。
【0045】
回転部材120は、例えば、樹脂材、炭素繊維、耐食性金属又はセラミックから構成される。但し、回転部材120の材料はこれらに限定されるものではなく、耐熱性、プラズマ耐性及び腐食性ガス耐性を有する限り、種々の材料を用いることができる。回転部材120も、基板温度が200℃未満の低温プロセスでは樹脂材を用いることができるが、200℃~600℃の中温プロセス及び600℃を超える高温プロセスでは、耐熱性の高い炭素繊維、耐腐食性金属又はセラミックを用いることが好ましい。なお、回転部材120に柔軟性は不要なので、200℃未満の低温プロセスでも、樹脂材、炭素繊維、耐食性金属又はセラミックの全てを用いることができる。
【0046】
このように、帯状固定部材100を用いることにより、基板Wと固定部材との接触領域を大幅に増やすことができる。従来、3点、6点といった複数点で接触させて基板Wを載置台3に固定させる試みがなされてきたが、必ずしも完全に固定できる訳ではなく、載置台3内で基板Wが移動していることがあった。基板Wが載置台3内で固定できないと、基板Wの浮遊、接触や摺動による発塵が起こり得る。また、複数点固定の場合、基板Wへの応力集中が発生し得る。
【0047】
本実施形態に係る基板保持機構であれば、帯状固定部材100で基板Wの外周の少なくとも60%以上は固定することができ、基板Wを確実に載置台3上に固定することができる。基板Wを確実に載置台3上に固定できると、基板Wの浮遊や載置台3内の回転移動を防止でき、接触や摺動による発塵も低減することができる。また、基板Wへの応力集中も低減し、基板Wの破損を防ぐことができる。なお、実際には、60%よりも多い領域で基板Wと帯状固定部材100とを接触させる場合が多く、接触領域を全周の70%以上、80%以上、90%以上に設定することが可能である。
【0048】
なお、載置台3は、基板Wの直径と同一か、近似した直径を有することが好ましい。載置台3が基板Wの直径よりも大きすぎると、帯状固定部材100が基板Wの外周に十分接触することができず、締め込み力を付与することができなくなる。一方、基板Wの直径が載置台3の直径よりも大きいと、帯状固定部材100が載置台3に接触できなくなり、基板Wの位置を固定するのが困難となる。よって、載置台3の直径は、基板Wの直径と同径か、僅かに大きい(2mm以下、好ましくは1mm以下)程度に設定するのが好ましい。
【0049】
図8は、本実施形態に係る基板保持機構の動作構造を説明するための図である。図8(a)は、基板保持機構のアンロック状態の一例を示した図である。図8(b)は、基板保持機構のロック状態の一例を示した図である。
【0050】
図8では、引きバネ130が新たな構成要素として追加されたのと、回転部材120の殆ど全てが上面視で載置台3内に収まるように構成されている点で、図6に示した構成とは異なっている。実際に成膜装置1又は他の基板処理装置に本実施形態に係る基板保持機構を搭載する場合には、図7のように回転部材120を操作可能な構成を含むことが好ましい。
【0051】
なお、図8は透過図であり、上面から見たときに、載置台3の下方に回転部材120及び引きバネ130が設けられる。引きバネ130は、回転部材120に付勢力を与える付勢部材又は付勢力付与部材として機能する。
【0052】
図8(a)では、帯状固定部材100の解放状態が示されている。引きバネ130は、常に回転部材120を引っ張っている状態が定常状態として設定することが好ましい。つまり、基板処理を実施している場合には、基板Wの載置台3への固定が常に必要な状態であり、基板Wの取り外しが必要な場合に帯状固定部材100を緩める設定が好ましい。よって、図8(a)においては、引きバネ130の付勢力が回転部材120の引きバネ接続部123に加わっておらず、帯状固定部材100が緩んで載置台3の外周から離れた状態である。なお、引きバネ130は、回転部材120の第1の端部122に近い位置に設けられた引きバネ接続部123に接続されている。これにより、引きバネ130が回転部材120を介して帯状固定部材100の第2の端部102に直接的に近い状態で付勢力を付与することが可能となる。
【0053】
図8(b)では、回転部材120が反時計回りに回転することにより、帯状固定部材100に反時計回りの力を付与し、帯状固定部材100を反時計回りに回転させて載置台30に密着固定させた状態を示している。この時の反時計回りの力は、引きバネ130の付勢力にて行う。これにより、載置台30上に基板Wが載置されていた場合には、基板Wはロック状態となる。
【0054】
このように、一例として、引きバネ130を設けて付勢力を付与することにより、固定状態と解放状態の切り替え操作を行うことができる。
【0055】
図9は、本実施形態に係る基板保持機構の一例の断面構成を示した図である。図9に示されるように、ベース部材36上に仲介部材37を介して載置台3が設けられており、載置台3上に基板Wが載置されている。そして、基板Wと載置台3の外周側面を同時に外側から帯状固定部材100が締め付けて基板W及び載置台3を同時固定している。かかる構成により、基板Wを載置台3上に確実に固定することができる。
【0056】
図10は、本実施形態に係る基板保持機構のロック・アンロック機構の一例を示した図である。なお、図10に示すロック・アンロック機構は、基板Wの昇降機構も兼ね備えており、その点についても併せて説明する。
【0057】
図10(a)は、ロック・アンロック機構の側面図である。図10(b)は、ロック・アンロック機構の上面図である。図10(a)と図10(b)は、同一のロック・アンロック機構を側面及び上面から示している点で関連している。
【0058】
図10(a)に示されるように、手前側にロック・アンロック140、奥側に昇降機構150が配置されている。
【0059】
ロック・アンロック機構140は鉛直方向上方に延びた係止部141を備える。また、昇降機構150は、傾斜部151と、傾斜部151の上端から水平に延びた平坦部152とを備える。
【0060】
図10(c)は、基板保持機構におけるロック・アンロック機構140の固定動作を示した側面図であり、図10(d)は、基板保持機構におけるロック・アンロック機構140の固定動作を示した透視上面図である。図10(c)と図10(d)は、同一のロック・アンロック機構の状態を側面及び上面から示している点で関連している。
【0061】
図10(d)において、引きバネ130が回転部材120に付勢力を与え、帯状固定部材100が締め付け固定された状態が示されている。ロック・アンロック機構140の係止部141が、回転部材120の端部を押すことが可能な状態に設定されている。
【0062】
図10(c)においては、図10(d)の状態を側面から示している。ベース部材36上に載置台3が設けられ、載置台3の下方に回転部材120、ロック・アンロック機構140及び昇降機構150が設けられている。ロック・アンロック機構140の係止部141の上部が、回転部材120を押すことが可能な高さ位置に設けられている。また、帯状固定部材100は、載置台3の側面を覆うように設けられている。
【0063】
図10(e)は、基板保持機構におけるロック・アンロック機構140の解放動作を示した側面図であり、図10(f)は、基板保持機構におけるロック・アンロック機構140の固定動作を示した透視上面図である。図10(e)と図10(f)は、同一のロック・アンロック機構の状態を側面及び上面から示している点で関連している。
【0064】
図10(f)では、ロック・アンロック機構140の係止部141が、引きバネ130の付勢力に抗して回転部材120の第2の端部124を前方に押して回転部材120を時計回りに回転させた状態を示している。これにより、帯状固定部材100の第2の端部102が上方(反時計回り)に移動し、帯状固定部材100が緩みを生じている。かかる動作により、基板Wの固定を解放してアンロック状態とすることができる。
【0065】
なお、昇降機構150は更に前方に進み、平坦部152が昇降板35の位置まで到達する。
【0066】
図10(e)では、昇降機構150が前方に進み、傾斜部151を介して平坦部152上に昇降板支持部351を押し上げ、昇降板35を上昇させて基板Wを上昇させた状態が示されている。
【0067】
このように、ロック・アンロック機構140が帯状固定部材100の固定を解いてアンロック状態にしたときに、昇降機構150が昇降板35を上昇させて基板Wを上昇させ、基板Wの受け渡しを行うことができる。
【0068】
かかる方法で基板Wを交換することができ、基板Wの交換と同時に本実施形態に係る基板保持機構を動作させることができる。
【0069】
図10(a)~(f)で説明したように、帯状固定部材100の解放と基板Wの取り外し動作を連動させ、効率的に基板Wを交換できる構成としてもよい。これにより、スループットの向上とプロセスにおける発塵の防止を達成することができ、品質及び生産性を向上させることができる。
【0070】
[実施例]
図11は、本実施形態に係る基板保持機構の基板の固定性能を調べた結果を示した図である。基板Wとして半導体ウエハを用い、図1に示した成膜装置1の載置台3上にウエハを載置した。回転テーブル2を240rpmの回転速度で回転させ、複数回運転してRun数を増やしながらウエハのノッチ(切り欠き)の部分のずれを計測した。
【0071】
そうした所、図11に示すように、Run数が増加しても、ウエハのずれはゼロであった。本実施例の結果から、本実施形態に係る基板保持機構は基板の固定性能が非常に優れているということが示された。
【0072】
以上説明したように、本実施形態に係る基板保持機構及びこれを用いた基板処理装置、並びに基板交換方法によれば、基板の固定性能を改善することができ、基板の浮遊や載置台上における移動を防止し、接触や摺動による発塵も低減することができる。
【0073】
以上、本発明の好ましい実施形態及び実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施形態及び実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施形態及び実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0074】
1 成膜装置
2 回転テーブル
3 載置台
100 帯状固定部材
110 アンカー
120 回転部材
130 引きバネ
140 ロック・アンロック機構
150 昇降機構
W ウエハ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11