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特開2023-49784基板処理システム及び搬送装置のティーチング方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023049784
(43)【公開日】2023-04-10
(54)【発明の名称】基板処理システム及び搬送装置のティーチング方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20230403BHJP
【FI】
H01L21/68 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021159748
(22)【出願日】2021-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】大島 朋之
(72)【発明者】
【氏名】新藤 健弘
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BA01
5F131BA15
5F131BA19
5F131BB03
5F131BB04
5F131CA32
5F131DA32
5F131DA33
5F131DA36
5F131DA43
5F131DB03
5F131DB52
5F131DB76
5F131DD03
5F131DD25
5F131DD33
5F131DD43
5F131DD76
5F131EB67
5F131EB72
5F131FA26
5F131FA32
5F131GA14
5F131HA28
5F131JA28
5F131KA15
5F131KA44
5F131KA55
5F131KA72
5F131KB05
5F131KB12
5F131KB32
5F131KB53
5F131KB55
5F131KB58
(57)【要約】      (修正有)
【課題】載置部の位置ずれを考慮して基板を搬送する基板処理システム及び搬送装置のティーチング方法を提供する。
【解決手段】基板処理システムにおける搬送装置のティーチング方法は、ロードロック室に対して、第1搬送装置が基板を受け取る位置をティーチングしS101、処理室に対して、第1搬送装置が基板を受け渡す位置をティーチングしS102、処理室の載置部と載置される基板とのズレ量を計測しS103、計測したズレ量に基づいて、第2搬送装置がロードロック室の載置部に基板を受け渡す位置を補正するS104と、を実行する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の載置部を有するロードロック室と、
複数の載置部を有する処理室と、
前記ロードロック室と前記処理室を接続する真空搬送室と、
前記真空搬送室に設けられ、前記ロードロック室の載置部から前記処理室の載置部に複数の基板を搬送する第1搬送装置と、
前記ロードロック室の載置部に基板を搬送する第2搬送装置と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記ロードロック室に対して、前記第1搬送装置が前記基板を受け取る位置をティーチングするステップと、
前記処理室に対して、前記第1搬送装置が前記基板を受け渡す位置をティーチングするステップと、
前記処理室の載置部と載置される前記基板とのズレ量を計測するステップと、
計測した前記ズレ量に基づいて、前記第2搬送装置が前記ロードロック室の載置部に前記基板を受け渡す位置を補正するステップと、を実行可能に構成される、
基板処理システム。
【請求項2】
複数の載置部を有するロードロック室と、
複数の載置部を有する処理室と、
前記ロードロック室と前記処理室を接続する真空搬送室と、
前記真空搬送室に設けられ、前記ロードロック室の載置部から前記処理室の載置部に複数の基板を搬送する第1搬送装置と、
前記ロードロック室の載置部に基板を搬送する第2搬送装置と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記ロードロック室に対して、前記第1搬送装置が前記基板を受け取る位置をティーチングするステップと、
前記処理室に対して、前記第1搬送装置が前記基板を受け渡す位置をティーチングするステップと、
前記処理室の載置部と載置される前記基板とのズレ量を計測するステップと、
計測した前記ズレ量に基づいて、前記処理室の複数の載置部において、共通するズレ成分と、個別のズレ成分と、を算出するステップと、
算出した前記共通するズレ成分に基づいて、前記処理室に対して前記第1搬送装置が前記基板を受け渡す位置を補正するステップと、
算出した前記個別のズレ成分に基づいて、前記第2搬送装置が前記ロードロック室の載置部に前記基板を受け渡す位置を補正するステップと、を実行可能に構成される、
基板処理システム。
【請求項3】
複数の載置部を有するロードロック室と、複数の載置部を有する処理室と、前記ロードロック室と前記処理室を接続する真空搬送室と、前記真空搬送室に設けられ、前記ロードロック室の載置部から前記処理室の載置部に複数の基板を搬送する第1搬送装置と、前記ロードロック室の載置部に基板を搬送する第2搬送装置と、制御部と、を備える、基板処理システムにおける搬送装置のティーチング方法であって、
前記ロードロック室に対して、前記第1搬送装置が前記基板を受け取る位置をティーチングするステップと、
前記処理室に対して、前記第1搬送装置が前記基板を受け渡す位置をティーチングするステップと、
前記処理室の載置部と載置される前記基板とのズレ量を計測するステップと、
計測した前記ズレ量に基づいて、前記第2搬送装置が前記ロードロック室の載置部に前記基板を受け渡す位置を補正するステップと、を有する、
搬送装置のティーチング方法。
【請求項4】
前記第2搬送装置が前記ロードロック室の載置部に前記基板を受け渡す位置を補正するステップは、
前記ロードロック室の載置部に対応する前記処理室の載置部における前記ズレ量に基づいて補正する、
請求項3に記載の搬送装置のティーチング方法。
【請求項5】
前記処理室に対して前記第1搬送装置が前記基板を受け渡す位置を補正するステップを更に有し、
前記処理室に対して前記第1搬送装置が前記基板を受け渡す位置を補正するステップは、
計測した前記ズレ量に共通するズレ成分に基づいて補正し、
前記第2搬送装置が前記ロードロック室の載置部に前記基板を受け渡す位置を補正するステップは、
前記ロードロック室の載置部に対応する前記処理室の載置部における個別のズレ量に基づいて補正する、
請求項3に記載の搬送装置のティーチング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理システム及び搬送装置のティーチング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の載置部を有するロードロック室と、複数の載置部を有する処理室と、ロードロック室の載置部に載置された複数の基板を処理室の載置部に搬送する搬送装置と、を備える基板処理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-61472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、処理室における載置部の位置は、設計値に対して個別の誤差を有する。また、処理室ごとにその誤差は異なる。
【0005】
本開示の一態様は、載置部の位置ずれを考慮して基板を搬送する基板処理システム及び搬送装置のティーチング方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る基板処理システムは、複数の載置部を有するロードロック室と、
複数の載置部を有する処理室と、前記ロードロック室と前記処理室を接続する真空搬送室と、前記真空搬送室に設けられ、前記ロードロック室の載置部から前記処理室の載置部に複数の基板を搬送する第1搬送装置と、前記ロードロック室の載置部に基板を搬送する第2搬送装置と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記ロードロック室に対して、前記第1搬送装置が前記基板を受け取る位置をティーチングするステップと、前記処理室に対して、前記第1搬送装置が前記基板を受け渡す位置をティーチングするステップと、前記処理室の載置部と載置される前記基板とのズレ量を計測するステップと、計測した前記ズレ量に基づいて、前記第2搬送装置が前記ロードロック室の載置部に前記基板を受け渡す位置を補正するステップと、を実行可能に構成される。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様によれば、載置部の位置ずれを考慮して基板を搬送する基板処理システム及び搬送装置のティーチング方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る基板処理システムの一例の構成を示す平面図。
図2】一実施形態に係る基板処理システムの一例の構成を示す平面図。
図3】ウェハを処理室の載置部に載置する動作の一例を説明する斜視図。
図4】ウェハを処理室の載置部に載置する動作の一例を説明する斜視図。
図5】第1実施形態に係る基板処理システムにおける搬送装置のティーチング方法を説明するフローチャートの一例。
図6】第2実施形態に係る基板処理システムにおける搬送装置のティーチング方法を説明するフローチャートの一例。
図7】処理室の各載置部におけるズレ量を説明する平面図の一例。
図8】ロードロック室の各載置部における補正量を説明する平面図の一例。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本開示を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0010】
<基板処理システム>
一実施形態に係る基板処理システムの全体構成の一例について、図1及び図2を用いて説明する。図1及び図2は、一実施形態に係る基板処理システムの一例の構成を示す平面図である。なお、図1は、処理室PM1にウェハWを搬入した状態の一例を示す。また、図2は、ロードロック室LLMからウェハWを搬出する前の状態の一例を示す。また、ウェハWには、ドットのハッチングを付して図示している。
【0011】
図1に示す基板処理システムは、クラスタ構造(マルチチャンバタイプ)のシステムである。基板処理システムは、処理室PM(Process Module)1~6、搬送室VTM(Vacuum Transfer Module)、ロードロック室LLM(Load Lock Module)、ローダーモジュールLM(Loader Module)1~2、ロードポートLP(Load Port)1~4及び制御部100を備えている。
【0012】
処理室PM1~6は、所定の真空雰囲気に減圧され、その内部にて半導体ウェハW(以下、「ウェハW」ともいう。)に所望の処理(エッチング処理、成膜処理、クリーニング処理、アッシング処理等)を施す。処理室PM1~6は、搬送室VTMに隣接して配置される。処理室PM1~6と搬送室VTMとは、ゲートバルブGV1~6の開閉により連通する。処理室PM1は、平面視して2×2の行列状に合計4枚のウェハWを載置する載置部11~14を有する。同様に、処理室PM2~6は、4枚のウェハWを載置する載置部をそれぞれ有している。なお、処理室PM1~6における処理のための各部の動作は、制御部100によって制御される。
【0013】
搬送室VTMは、所定の真空雰囲気に減圧されている。また、搬送室VTMの内部には、ウェハWを搬送する搬送装置ARM1が設けられている。搬送装置ARM1は、ゲートバルブGV1~6の開閉に応じて、処理室PM1~6と搬送室VTMとの間でウェハWの搬入及び搬出を行う。また、搬送装置ARM1は、ゲートバルブGV7の開閉に応じて、ロードロック室LLMと搬送室VTMとの間でウェハWの搬入及び搬出を行う。なお、搬送装置ARM1の動作、ゲートバルブGV1~7の開閉は、制御部100によって制御される。
【0014】
搬送装置ARM1は、基台21と、第1リンク22と、第2リンク23と、エンドエフェクタ24と、を備える多関節アームとして構成される。第1リンク22の一端側は、基台21に対して上下方向を回転軸として回動自在に取り付けられている。また、基台21は、第1リンク22を上下方向に昇降することができるようになっている。第2リンク23の一端側は、第1リンク22の他端側に対して上下方向を回転軸として回動自在に取り付けられている。エンドエフェクタ24の基端側は、第2リンク23の他端側に対して上下方向を回転軸として回動自在に取り付けられている。エンドエフェクタ24の先端側は、ウェハWを保持する保持部が複数設けられている。第1リンク22の昇降、基台21と第1リンク22との関節、第1リンク22と第2リンク23との関節、第2リンク23とエンドエフェクタ24との関節を駆動するアクチュエータは制御部100によって制御される。
【0015】
エンドエフェクタ24は、先端側が分岐するフォーク状に形成されており、基端部240と、基端部240から伸びる2つのブレード(フォーク枝部)241,242と、を有している。ブレード241,242は、基端部240から同じ方向に伸びており、同じ高さに形成されている。ブレード241は、ブレード241の長手方向に沿って複数のウェハWを保持する保持部243,244を有している。ブレード242は、ブレード242の長手方向に沿って複数のウェハWを保持する保持部245,246を有している。このように、エンドエフェクタ24に保持される4枚のウェハWは同じ高さ(同一平面上)で保持される。
【0016】
また、搬送室VTMの内部には、ウェハWを検知するセンサS0~S7が設けられている。センサS0は、搬送装置ARM1のエンドエフェクタ24が基準位置(図2参照)に位置している状態において、保持部243~246にウェハWが保持されているか否かを検知する。センサS1は、搬送装置ARM1がウェハWを処理室PM1に搬入する際、または、処理室PM1から搬出する際、ウェハWが保持されているか否か、及び、保持されているウェハWの偏心量を検知する。なお、センサS1の検知方法に関しては、図3を用いて後述する。同様に、センサS2~6は、搬送装置ARM1がウェハWを処理室PM2~6に搬入する際、または、処理室PM2~6から搬出する際、ウェハWが保持されているか否か、及び、保持されているウェハWの偏心量を検知する。センサS7は、搬送装置ARM1がウェハWをロードロック室LLMに搬入する際、または、ロードロック室LLMから搬出する際、ウェハWが保持されているか否か、及び、保持されているウェハWの偏心量を検知する。センサS0~7は、例えば光学式の通過センサを用いることができる。センサS0~7の検出値は、制御部100に入力される。
【0017】
ロードロック室LLMは、搬送室VTMとローダーモジュールLM1~2との間に設けられている。ロードロック室LLMは、大気雰囲気と真空雰囲気とを切り替えることができるようになっている。ロードロック室LLMと真空雰囲気の搬送室VTMとは、ゲートバルブGV7の開閉により連通する。ロードロック室LLMと大気雰囲気のローダーモジュールLM1とは、ドアバルブGV8の開閉により連通する。ロードロック室LLMと大気雰囲気のローダーモジュールLM2とは、ドアバルブGV9の開閉により連通する。ロードロック室LLMは、平面視して2×2の行列状に合計4枚のウェハWを載置する載置部31~34を有する。また、処理室PM1~6の載置部31~34の配置とロードロック室LLMの載置部31~34の配置とは、等しくなっている。なお、ロードロック室LLM内の真空雰囲気または大気雰囲気の切り替えは、制御部100によって制御される。
【0018】
ローダーモジュールLM1~2は、大気雰囲気となっており、例えば清浄空気のダウンフローが形成されている。また、ローダーモジュールLM1の内部には、ウェハWを搬送する搬送装置ARM2が設けられている。搬送装置ARM2は、ドアバルブGV8の開閉に応じて、ロードロック室LLMとローダーモジュールLM1との間でウェハWの搬入及び搬出を行う。同様に、ローダーモジュールLM2の内部には、ウェハWを搬送する搬送装置ARM3が設けられている。搬送装置ARM3は、ドアバルブGV9の開閉に応じて、ロードロック室LLMとローダーモジュールLM2との間でウェハWの搬入及び搬出を行う。また、ロードロック室LLMの下方には、ウェハWを載置する受け渡し部(図示せず)が設けられている。搬送装置ARM2,3は、受け渡し部を介して、ウェハWを受け渡すことができる。なお、搬送装置ARM2,3の動作、ドアバルブGV8,9の開閉は、制御部100によって制御される。
【0019】
搬送装置ARM2は、基台41と、第1リンク42と、第2リンク43と、エンドエフェクタ44と、を備える多関節アームとして構成される。第1リンク42の一端側は、基台41に対して上下方向を回転軸として回動自在に取り付けられている。また、基台41は、第1リンク42を上下方向に昇降することができるようになっている。第2リンク43の一端側は、第1リンク42の他端側に対して上下方向を回転軸として回動自在に取り付けられている。エンドエフェクタ44の基端側は、第2リンク43の他端側に対して上下方向を回転軸として回動自在に取り付けられている。エンドエフェクタ44の先端側は、ウェハWを保持する保持部441が設けられている。第1リンク42の昇降、基台41と第1リンク42との関節、第1リンク42と第2リンク43との関節、第2リンク43とエンドエフェクタ44との関節を駆動するアクチュエータは制御部100によって制御される。搬送装置ARM3は、搬送装置ARM2と同様の多関節アームとして構成される。
【0020】
ローダーモジュールLM1の壁面には、ロードポートLP1,2が設けられている。また、ローダーモジュールLM2の壁面には、ロードポートLP3,4が設けられている。ロードポートLP1~4は、ウェハWが収容されたキャリアC又は空のキャリアCが取り付けられる。キャリアCとしては、例えば、FOUP(Front Opening Unified Pod)等を用いることができる。
【0021】
搬送装置ARM2は、ロードポートLP1,2に収容されたウェハWを搬送装置ARM2の保持部441で保持して、取り出すことができる。また、保持部441に保持されているウェハWをロードポートLP1,2に収容することができる。同様に、搬送装置ARM3は、ロードポートLP3,4に収容されたウェハWを搬送装置ARM3の保持部で保持して、取り出すことができる。また、保持部に保持されているウェハWをロードポートLP3,4に収容することができる。
【0022】
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びHDD(Hard Disk Drive)を有する。制御部100は、HDDに限らずSSD(Solid State Drive)等の他の記憶領域を有してもよい。HDD、RAM等の記憶領域には、プロセスの手順、プロセスの条件、搬送条件が設定されたレシピが格納されている。
【0023】
CPUは、レシピに従って各処理室PMにおけるウェハWの処理を制御し、ウェハWの搬送を制御する。HDDやRAMには、各処理室PMにおけるウェハWの処理やウェハWの搬送を実行するためのプログラムが記憶されてもよい。プログラムは、記憶媒体に格納して提供されてもよいし、ネットワークを通じて外部装置から提供されてもよい。
【0024】
<基板処理システムの動作>
次に、基板処理システムの動作の一例について説明する。ここでは、基板処理システムの動作の一例として、ロードポートLP1に取り付けられたキャリアCに収容されたウェハWを処理室PM1で処理を施し、ロードポートLP3に取り付けられた空のキャリアCに収容する動作に沿って説明する。なお、動作の開始時点において、ゲートバルブGV1~9は閉じており、ロードロック室LLM内は大気雰囲気となっている。
【0025】
制御部100は、搬送装置ARM2を制御して、ロードポートLP1のキャリアCから1枚目のウェハWを取り出し、受け渡し部(図示せず)に載置する。また、ロードポートLP1のキャリアCから2枚目のウェハWを取り出し、受け渡し部(図示せず)に載置する。
【0026】
制御部100は、ドアバルブGV8,9を開ける。制御部100は、搬送装置ARM3を制御して、受け渡し部(図示せず)に載置された1枚目のウェハWを取り出し、ロードロック室LLMの載置部31に載置する。併せて、制御部100は、搬送装置ARM2を制御して、ロードポートLP1のキャリアCから3枚目のウェハWを取り出し、ロードロック室LLMの載置部33に載置する。
【0027】
更に、制御部100は、搬送装置ARM3を制御して、受け渡し部(図示せず)に載置された2枚目のウェハWを取り出し、ロードロック室LLMの載置部32に載置する。併せて、制御部100は、搬送装置ARM2を制御して、ロードポートLP1のキャリアCから4枚目のウェハWを取り出し、ロードロック室LLMの載置部34に載置する。ここで、制御部100は、載置部31~34にウェハWを載置する際、後述する補正されたティーチング位置(S104,S206)に基づいて搬送装置ARM2,3を制御し、ウェハWを載置部31~34に載置する。4枚のウェハWがロードロック室LLMの載置部31~34に載置され、搬送装置ARM2,3がロードロック室LLMから退避すると、制御部100は、ドアバルブGV8,9を閉じる。
【0028】
制御部100は、ロードロック室LLMの排気装置(図示せず)を制御して室内の空気を排気し、ロードロック室LLMを大気雰囲気から真空雰囲気へと切り替える。
【0029】
制御部100は、搬送装置ARM1を制御して、エンドエフェクタ24を基準位置へと移動させる。制御部100は、センサS0により、ブレード241,242の上にウェハWが保持されていないことを確認する。制御部100は、ゲートバルブGV7を開ける。制御部100は、搬送装置ARM1を制御して、予め設定されたロードロック室LLMのティーチング位置までエンドエフェクタ24のブレード241,242をロードロック室LLMに挿入し、ロードロック室LLMの載置部31~34に載置されたウェハWを保持して、搬送室VTMへと搬送する。ここで、制御部100は、載置部31~34からウェハWを受け取る際、後述するティーチング位置(S101,S201)に基づいて搬送装置ARM1を制御し、ウェハWを載置部31~34から受け取る。なお、ロードロック室LLMの載置部31~34の配置は、処理室PM1の載置部31~34の配置と等しくなっている。このため、エンドエフェクタ24のブレード241,242に保持されるウェハWの配置は、処理室PM1の載置部31の配置と略等しくなっている。エンドエフェクタ24がロードロック室LLMから退避すると、制御部100は、ゲートバルブGV7を閉じる。
【0030】
制御部100は、ゲートバルブGV1を開ける。制御部100は、搬送装置ARM1を制御して、予め設定された処理室PM1のティーチング位置までエンドエフェクタ24のブレード241,242を処理室PM1に挿入し、保持しているウェハWを処理室PM1の載置部11~14に載置する。ここで、制御部100は、載置部11~14にウェハWを載置する際、後述するティーチング位置(S102,S205)に基づいて搬送装置ARM1を制御し、ウェハWを載置部11~14に載置する。エンドエフェクタ24が処理室PM1から退避すると、制御部100は、ゲートバルブGV1を閉じる。
【0031】
制御部100は、処理室PM1を制御して、ウェハWに所望の処理を施す。
【0032】
ウェハWの処理が終了すると、制御部100は、ゲートバルブGV1を開ける。制御部100は、搬送装置ARM1を制御して、予め設定された処理室PM1のティーチング位置までエンドエフェクタ24のブレード241,242を処理室PM1に挿入し、処理室PM1の載置部11~14に載置されたウェハWを保持して、搬送室VTMへと搬送する。エンドエフェクタ24が処理室PM1から退避すると、制御部100は、ゲートバルブGV1を閉じる。
【0033】
制御部100は、ゲートバルブGV7を開ける。制御部100は、搬送装置ARM1を制御して、予め設定されたロードロック室LLMのティーチング位置までエンドエフェクタ24のブレード241,242をロードロック室LLMに挿入し、保持しているウェハWをロードロック室LLMの載置部31~34に載置する。エンドエフェクタ24がロードロック室LLMから退避すると、制御部100は、ゲートバルブGV7を閉じる。
【0034】
制御部100は、ロードロック室LLMの吸気装置(図示せず)を制御して室内に例えば清浄空気を供給し、ロードロック室LLMを真空雰囲気から大気雰囲気へと切り替える。
【0035】
制御部100は、ドアバルブGV8,9を開ける。制御部100は、搬送装置ARM3を制御して、ロードロック室LLMの載置部31に載置された1枚目のウェハWを取り出し、ロードポートLP3のキャリアCに収容する。併せて、制御部100は、搬送装置ARM2を制御して、ロードロック室LLMの載置部33に載置された3枚目のウェハWを取り出し、受け渡し部(図示せず)に載置する。
【0036】
更に、制御部100は、搬送装置ARM3を制御して、ロードロック室LLMの載置部32に載置された2枚目のウェハWを取り出し、ロードポートLP3のキャリアCに収容する。併せて、制御部100は、搬送装置ARM2を制御して、ロードロック室LLMの載置部34に載置された4枚目のウェハWを取り出し、受け渡し部(図示せず)に載置する。4枚のウェハWがロードロック室LLMの載置部31~34から取り出され、搬送装置ARM2,3がロードロック室LLMから退避すると、制御部100は、ドアバルブGV8,9を閉じる。
【0037】
制御部100は、搬送装置ARM3を制御して、受け渡し部(図示せず)から3枚目のウェハWを取り出し、ロードポートLP3のキャリアCに収容する。また、受け渡し部(図示せず)から4枚目のウェハWを取り出し、ロードポートLP3のキャリアCに収容する。
【0038】
以上、ウェハWを処理室PM1に搬送・搬出する例を説明したが、同様にウェハWを処理室PM2~6に搬送・搬出してもよい。また、処理室PM1で処理が施されたウェハWを、例えば処理室PM2に搬送して、処理室PM2でウェハWに更に処理を施してもよい。
【0039】
<処理室PM1へのウェハWの載置動作>
次に、搬送装置ARM1が保持するウェハWを処理室PM1の載置部11~14に載置する動作の一例について図3及び図4を用いてさらに説明する。図3及び図4は、ウェハWを処理室PM1の載置部11~14に載置する動作の一例を説明する斜視図である。なお、図3及び図4において、エンドエフェクタ24、載置部11~14、センサS1、ウェハWのみを図示し、その他の構成は図示を省略している。また、エンドエフェクタ24を処理室PM1に挿入する方向を前進方向とし、エンドエフェクタ24を処理室PM1から抜去する方向を後退方向として説明する。
【0040】
図3(a)に示すように、制御部100は、搬送装置ARM1の各関節のアクチュエータを制御して、ブレード241,242の延伸方向に載置部31~34が位置するようにエンドエフェクタ24を移動させる。
【0041】
ここで、センサS1は、センサユニット51,52を有する。なお、センサユニットの数は、エンドエフェクタ24のブレードの数と等しくなっている。センサユニット51は、ブレード241が処理室PM1に進入する経路上に配置される。また、センサユニット52は、ブレード242が処理室PM1に進入する経路上に配置される。
【0042】
センサユニット51は、離間して配置された2つのセンサ素子51a,51bを有している。センサ素子51a,51bは、例えば投光部と受光部を有する光学式の通過センサであって、投光部から光を照射し、検知物からの反射光を受光部で検知することにより、検知物があるか否かを検知する。センサ素子51aとセンサ素子51bの間隔は、ブレード241の幅よりも広く、ウェハWの直径よりも狭くなっている。同様にセンサユニット52も2つのセンサ素子52a,52bを有している。
【0043】
図3(b)に示すように、制御部100は、搬送装置ARM1の各関節のアクチュエータを制御して、エンドエフェクタ24を前進させる。この際、上方視して、センサ素子51aとセンサ素子51bの間をブレード241が通過する。ブレード241の保持部244がセンサユニット51の上方に位置した際、センサユニット51のセンサ素子51a,51bがウェハWを検知することにより、制御部100は、センサユニット51の検出値に基づいて、保持部244にウェハWがあるか否かを判定することができる。同様に、保持部246がセンサユニット52の上方に位置した際、センサユニット52のセンサ素子52a,52bがウェハWを検知することにより、制御部100は、センサユニット52の検出値に基づいて、保持部246にウェハWがあるか否かを判定することができる。
【0044】
また、制御部100は、センサ素子51aがウェハWを検知し始めたときのエンドエフェクタ24の位置、センサ素子51aがウェハWを検知しなくなったときのエンドエフェクタ24の位置、センサ素子51bがウェハWを検知し始めたときのエンドエフェクタ24の位置、センサ素子51bがウェハWを検知しなくなったときのエンドエフェクタ24の位置を取得する。制御部100は、これら4点の位置情報から保持部244に保持されているウェハWの位置を検出することができる。これにより、制御部100は、センサユニット51は検出値に基づいて、保持部244の基準点と保持部244に保持されているウェハWの中心とのズレ(偏心量)を検知することができる。同様に、制御部100は、センサユニット52は検出値に基づいて、保持部246の基準点と保持部246に保持されているウェハWの中心とのズレ(偏心量)を検知することができる。
【0045】
図3(c)に示すように、制御部100は、搬送装置ARM1の各関節のアクチュエータを制御して、エンドエフェクタ24を更に前進させる。この際、ブレード241の保持部243がセンサユニット51の上方に位置した際、センサユニット51のセンサ素子51a,51bがウェハWを検知することにより、制御部100は、センサユニット51の検出値に基づいて、保持部243にウェハWがあるか否かを判定することができる。同様に、保持部245がセンサユニット52の上方に位置した際、センサユニット52のセンサ素子52a,52bがウェハWを検知することにより、制御部100は、センサユニット52の検出値に基づいて、保持部245にウェハWがあるか否かを判定することができる。
【0046】
また、制御部100は、センサユニット51の検出値に基づいて、保持部243の基準点と保持部243に保持されているウェハWの中心とのズレ(偏心量)を検知することができる。同様に、制御部100は、センサユニット52の検出値に基づいて、保持部245の基準点と保持部245に保持されているウェハWの中心とのズレ(偏心量)を検知することができる。
【0047】
図3(d)に示すように、制御部100は、搬送装置ARM1の各関節のアクチュエータを制御して、エンドエフェクタ24を更に前進させる。また、センサS1で検出したウェハWの位置ズレに基づいて、搬送装置ARM1の動作完了までの動作軌跡を修正し、ウェハWの位置ズレを補正して搬送する。これにより、保持部243~246に保持されたウェハWは、載置部11~14の上方に位置する。
【0048】
ここで、載置部11~14は、昇降ピン11a~14aを有している。昇降ピン11a,12aは、上方視して、ブレード241が通過する位置とは異なる位置に配置される。また、昇降ピン13a,14aは、上方視して、ブレード242が通過する位置とは異なる位置に配置される。これにより、図4(a)に示すように、昇降ピン11a~14aを上昇させた際、昇降ピン11a~14aがブレード241,242と接触せず、エンドエフェクタ24に保持された4枚のウェハWを持ち上げる。ここで、ブレード241,242の高さが等しいため、4枚のウェハWは同じ高さでエンドエフェクタ24に保持されている。このため、昇降ピン11a~14aは、1つのリフタで同時に上げるように構成してもよい。
【0049】
次に、制御部100は、搬送装置ARM1の各関節のアクチュエータを制御して、エンドエフェクタ24を後退させる。ここで、図4(b)に示すように、エンドエフェクタ24が図3(c)と同じ位置に来た際、センサS1でウェハWを検知しないことを確認する。即ち、制御部100は、センサS1の検出値に基づいて、保持部243,245にウェハWがないことを確認する。なお、図4(b)および図4(c)では、ウェハWの載置してあった位置を一点鎖線で示している。
【0050】
次に、制御部100は、搬送装置ARM1の各関節のアクチュエータを制御して、エンドエフェクタ24を更に後退させる。ここで、図4(c)に示すように、エンドエフェクタ24が図3(b)と同じ位置に来た際、センサS1でウェハWを検知しないことを確認する。即ち、制御部100は、センサS1の検出値に基づいて、保持部244,246にウェハWがないことを確認する。
【0051】
図4(d)に示すように、エンドエフェクタ24を後退させることにより、処理室PM1からエンドエフェクタ24を退避させる。その後、昇降ピン11a~14aを下降させることにより、ウェハWを載置部11~14に載置する。
【0052】
以上、ウェハWを処理室PM1に搬送する例を説明したが、ウェハWを処理室PM1から搬出する際は、図3(a)から図4(d)に示す手順を逆に行えばよく、説明を省略する。また、ウェハWを処理室PM2~6、またはロードロック室LLMに搬送・搬出する際も同様であり、重複する説明を省略する。
【0053】
<ティーチング方法>
次に、搬送装置ARM1~ARM3のティーチング方法について説明する。図5は、第1実施形態に係る基板処理システムにおける搬送装置ARM1~ARM3のティーチング方法を説明するフローチャートの一例である。
【0054】
ステップS101において、制御部100は、ロードロック室LLMに対して搬送装置ARM1~ARM3をティーチングする。
【0055】
ここでは、制御部100は、搬送装置ARM3がロードロック室LLMの載置部31にウェハWを受け渡す際、または、搬送装置ARM3がロードロック室LLMの載置部31からウェハWを受け取る際の搬送装置ARM3のエンドエフェクタ44の位置をティーチングする。例えば、カメラ付のウェハ形状の検査装置(図示せず)をエンドエフェクタ44に載置して載置部31の上方に搬送し、ウェハ形状の検査装置の中心と載置部31の中心が一致する位置をティーチングする。
【0056】
同様に、制御部100は、搬送装置ARM3がロードロック室LLMの載置部32にウェハWを受け渡す際、または、搬送装置ARM3がロードロック室LLMの載置部32からウェハWを受け取る際の搬送装置ARM3のエンドエフェクタ44の位置をティーチングする。また、制御部100は、搬送装置ARM2がロードロック室LLMの載置部33にウェハWを受け渡す際、または、搬送装置ARM2がロードロック室LLMの載置部33からウェハWを受け取る際の搬送装置ARM2のエンドエフェクタ44の位置をティーチングする。また、制御部100は、搬送装置ARM2がロードロック室LLMの載置部34にウェハWを受け渡す際、または、搬送装置ARM2がロードロック室LLMの載置部34からウェハWを受け取る際の搬送装置ARM2のエンドエフェクタ44の位置をティーチングする。
【0057】
また、制御部100は、搬送装置ARM1がロードロック室LLMの載置部31~34からウェハWを受け取る際、または、搬送装置ARM1がロードロック室LLMの載置部31~34にウェハWを受け渡す際の搬送装置ARM1のエンドエフェクタ24の位置をティーチングする。例えば、カメラ付のウェハ形状の検査装置(図示せず)をエンドエフェクタ24の保持部243~246に載置して載置部31~34の上方に搬送し、ウェハ形状の検査装置の中心と載置部31~34の中心が一致する位置をティーチングする。
【0058】
ステップS102において、制御部100は、処理室PM1に対して搬送装置ARM1をティーチングする。
【0059】
ここでは、制御部100は、搬送装置ARM1が処理室PM1の載置部11~14にウェハWを受け渡す際、または、搬送装置ARM1が処理室PM1の載置部11~14からウェハWを受け取る際の搬送装置ARM1のエンドエフェクタ24の位置をティーチングする。例えば、カメラ付のウェハ形状の検査装置(図示せず)をエンドエフェクタ24の保持部243~246に載置して載置部11~14の上方に搬送し、ウェハ形状の検査装置の中心と載置部11~14の中心が一致する位置をティーチングする。
【0060】
ステップS103において、制御部100は、ロードロック室LLMから処理室PM1にウェハWを搬送する際に処理室PM1でウェハWのズレ量を計測する。
【0061】
ここで、載置部11~14の位置は、設計値に対して個別の誤差を有する。このため、載置部11~14にウェハWを載置した際、各載置部11~14の中心と載置されたウェハWの中心との間にずれが生じる。
【0062】
制御部100は、搬送装置ARM1を制御して、ステップS101で設定したロードロック室LLMのティーチング位置で載置部31~34から4枚のウェハWを受け取り、ステップS102で設定した処理室PM1のティーチング位置で載置部11~14に4枚のウェハWを受け渡した場合における、載置部11~14の中心とウェハWの中心とのズレ量を計測する。例えば、カメラ付のウェハ形状の検査装置(図示せず)を載置部31~34に載置して搬送装置ARM1で載置部11~14に搬送し、ウェハ形状の検査装置の中心と載置部11~14の中心とのズレ量をそれぞれ計測する。
【0063】
なお、ズレ量の計測方法は、これに限られるものではない。例えば、載置部11~14の中心とウェハWの中心とが一致するように、ウェハWを載置部11~14に載置する。次に、ウェハWを載置部11~14からエンドエフェクタ24の保持部243~246に受け渡し、4枚のウェハWをセンサS1上を通過させる。これにより、ウェハWのエッジの位置を検出し、ウェハWの中心位置を算出することで、各載置部11~14のズレ量を計測してもよい。
【0064】
ステップS104において、制御部100は、ステップS103で計測したズレ量に基づいて、搬送装置ARM2または搬送装置ARM3がロードロック室LLMの載置部31~34にウェハWを受け渡す位置(ティーチング位置)を補正する。
【0065】
即ち、載置部11におけるズレ量に基づいて、搬送装置ARM3がロードロック室LLMの載置部31にウェハWを受け渡す位置(ティーチング位置)を補正する。ここでは、ズレ量を減少する、または、ズレ量を打ち消すように、載置部31にウェハWを受け渡す位置(ティーチング位置)を補正する。
【0066】
同様に、載置部12におけるズレ量に基づいて、搬送装置ARM3がロードロック室LLMの載置部32にウェハWを受け渡す位置(ティーチング位置)を補正する。また、載置部13におけるズレ量に基づいて、搬送装置ARM2がロードロック室LLMの載置部33にウェハWを受け渡す位置(ティーチング位置)を補正する。また、載置部14におけるズレ量に基づいて、搬送装置ARM2がロードロック室LLMの載置部34にウェハWを受け渡す位置(ティーチング位置)を補正する。
【0067】
これにより、搬送装置ARM2,3がウェハWをキャリアCから処理室PM1に搬送する際、処理室PM1の載置部11~14における設計値との誤差を考慮して、載置部31~34にウェハWを載置する。そして、載置部31~34に載置された4枚のウェハWを載置部11~14に搬送する。これにより、載置部11~14の中心と載置されたウェハWの中心との誤差を低減することができる。
【0068】
また、制御部100は、処理室PM1~PM6に対応して、それぞれの補正値を記憶する。そして、制御部100は、搬送装置ARM2,3を制御して、搬送先の処理室PM1~PM6に応じた補正値で補正された位置でウェハWを載置部31~34に載置する。これにより、処理室PM1~PM6ごとの載置部11~14のズレ量に応じてウェハWを載置することができる。
【0069】
次に、搬送装置ARM1~ARM3の他のティーチング方法について説明する。図6は、第2実施形態に係る基板処理システムにおける搬送装置ARM1~ARM3のティーチング方法を説明するフローチャートの一例である。
【0070】
ステップS201において、制御部100は、ロードロック室LLMに対して搬送装置ARM1~ARM3をティーチングする。
【0071】
ステップS202において、制御部100は、処理室PM1に対して搬送装置ARM1をティーチングする。
【0072】
ステップS203において、制御部100は、ロードロック室LLMから処理室PM1にウェハWを搬送する際に処理室PM1でウェハWのズレ量を計測する。
【0073】
なお、ステップS201からステップS203における処理は、ステップS101からステップS103における処理と同様であり、重複する説明を省略する。
【0074】
ステップS204において、制御部100は、ステップS103で計測したズレ量に基づいて、載置部11~14に載置される4枚のウェハWに対して、共通するズレ成分と、個別のズレ成分と、に分ける。
【0075】
ここで、図7を用いて、各載置部11~14におけるズレ量について、説明する。図7は、処理室PM1の各載置部11~14におけるズレ量を説明する平面図の一例である。
【0076】
ステップS203において計測された載置部11における実際のズレ量101を実線矢印で示す。同様に、載置部12における実際のズレ量102を実線矢印で示す。また、載置部13における実際のズレ量103を実線矢印で示す。また、載置部14における実際のズレ量104を実線矢印で示す。
【0077】
ここで、制御部100は、ステップS203において計測されたズレ量101~104に基づいて、ズレ量101~104に共通するズレ成分200及び個別のズレ成分301~304を算出する。ここで、共通するズレ成分200と個別のズレ成分301との和がズレ量101となる。また、共通するズレ成分200と個別のズレ成分302との和がズレ量102となる。また、共通するズレ成分200と個別のズレ成分303との和がズレ量103となる。また、共通するズレ成分200と個別のズレ成分304との和がズレ量104となる。共通するズレ成分200を一点鎖線矢印で示す。個別のズレ成分301~304を破線で示す。
【0078】
例えば、制御部100は、個別のズレ成分301~304のうち最大となるものが、小さくなるように、共通するズレ成分200を算出する。即ち、後述するステップS206における補正量が小さくなるように、共通するズレ成分200を算出する。
【0079】
なお、共通するズレ成分200及び個別のズレ成分301~304の算出方法は、これに限られるものではない。
【0080】
図6に戻り、ステップS205において、制御部100は、ステップS204で算出した共通するズレ成分200に基づいて、搬送装置ARM1が処理室1の載置部11~14にウェハWを受け渡す位置(ティーチング位置)を補正する。
【0081】
即ち、共通するズレ成分200に基づいて、搬送装置ARM1が処理室PM1の載置部11~14にウェハWを受け渡す位置(ティーチング位置)を補正する。ここでは、共通するズレ成分200を打ち消すように、受け渡す位置(ティーチング位置)を補正する。
【0082】
ステップS206において、制御部100は、ステップS204で算出した個別のズレ成分301~304に基づいて、搬送装置ARM2または搬送装置ARM3がロードロック室LLMの載置部31~34にウェハWを受け渡す位置(ティーチング位置)を補正する。
【0083】
即ち、載置部11における個別のズレ成分301に基づいて、搬送装置ARM3がロードロック室LLMの載置部31にウェハWを受け渡す位置(ティーチング位置)を補正する。ここでは、個別のズレ成分301を打ち消すように、載置部31にウェハWを受け渡す位置(ティーチング位置)を補正する。
【0084】
同様に、載置部12における個別のズレ成分302に基づいて、搬送装置ARM3がロードロック室LLMの載置部32にウェハWを受け渡す位置(ティーチング位置)を補正する。また、載置部13における個別のズレ成分303に基づいて、搬送装置ARM2がロードロック室LLMの載置部33にウェハWを受け渡す位置(ティーチング位置)を補正する。また、載置部14における個別のズレ成分304に基づいて、搬送装置ARM2がロードロック室LLMの載置部34にウェハWを受け渡す位置(ティーチング位置)を補正する。
【0085】
図8は、ロードロック室LLMの各載置部31~34における補正量を説明する平面図の一例である。載置部31における補正量401は、図7に示す個別のズレ成分301を打ち消すように設定する。例えば、補正量401は、個別のズレ成分301と逆向きかつ絶対値が等しい。
【0086】
同様に、載置部32における補正量402は、図7に示す個別のズレ成分302を打ち消すように設定する。また、載置部33における補正量403は、図7に示す個別のズレ成分303打ち消すように設定する。また、載置部34における補正量404は、図7に示す個別のズレ成分304を打ち消すように設定する。
【0087】
これにより、搬送装置ARM2,3がウェハWをキャリアCから処理室PM1に搬送する際、処理室PM1の載置部11~14における個別のズレ成分301~304を考慮して、載置部31~34にウェハWを載置する。そして、搬送装置ARM1が載置部31~34に載置された4枚のウェハWを載置部11~14に搬送する際、共通するズレ成分200をを考慮して、載置部11~14にウェハWを載置する。これにより、載置部11~14の中心と載置されたウェハWの中心との誤差を低減することができる。
【0088】
また、制御部100は、処理室PM1~PM6に対応して、それぞれの補正値を記憶する。そして、制御部100は、搬送装置ARM2,3を制御して、搬送先の処理室PM1~PM6に応じた補正値で補正された位置でウェハWを載置部31~34に載置する。これにより、処理室PM1~PM6ごとの載置部11~14のズレ量に応じてウェハWを載置することができる。
【0089】
また、第2実施形態に係る基板処理システムにおける搬送装置ARM1~ARM3のティーチング方法によれば、搬送装置ARM1が担う共通のズレ量と、搬送装置ARM2,3が担う個別のズレ量と、に分けることができる。これにより、搬送装置ARM1~ARM3の補正可能範囲よりも大きなズレ量に対しても、搬送装置ARM1が担う共通のズレ量と、搬送装置ARM2,3が担う個別のズレ量とにわけることで、補正可能範囲を拡大することができる。また、各搬送装置ARM1~3の補正量を小さくすることができるので、高い補正精度を維持することができる。
【0090】
以上、基板処理システムについて説明したが、本開示は上記実施形態等に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本開示の要旨の範囲内において、種々の変形、改良が可能である。
【符号の説明】
【0091】
PM1~6 処理室
VTM 搬送室
LLM ロードロック室
LM1~2 ローダーモジュール
LP1~4 ロードポート
W ウェハ
GV1~9 ゲートバルブ
S0 センサ
S1~S7 センサ
ARM1 搬送装置(第1搬送装置)
ARM2,3 搬送装置(第2搬送装置)
11~14 載置部
24 エンドエフェクタ
240 基端部
241,242 ブレード
243~246 保持部
31~34 載置部
51,52 センサユニット
51a,51b,52a,52b センサ素子
100 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8