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特開2023-50960荷電粒子線画像処理装置とそれを備える荷電粒子線装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023050960
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】荷電粒子線画像処理装置とそれを備える荷電粒子線装置
(51)【国際特許分類】
   H01J 37/22 20060101AFI20230404BHJP
   H01J 37/28 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
H01J37/22 502H
H01J37/28 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021161350
(22)【出願日】2021-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】人見 敬一郎
(72)【発明者】
【氏名】川崎 貴裕
【テーマコード(参考)】
5C101
【Fターム(参考)】
5C101AA03
5C101EE48
5C101EE53
5C101FF02
5C101GG04
5C101GG05
5C101HH31
5C101HH43
5C101KK07
(57)【要約】
【課題】ラインパターンのエッジを含む観察像に対して適切な検査領域を設定することが可能な荷電粒子線画像処理装置を提供する。
【解決手段】荷電粒子線装置が生成する観察像を画像処理する荷電粒子線画像処理装置であって、前記観察像の検査領域からラインパターンのエッジを抽出する抽出部と、前記検査領域を複数の計測点数を有する区画に分割する分割部と、前記区画のそれぞれにおいてラインエッジラフネスを計測し、区画毎のラインエッジラフネスの分布データを生成する計測部と、前記検査領域の全域におけるラインエッジラフネスを算出し、区画毎のラインエッジラフネスの理論曲線を算出する算出部と、前記分布データと前記理論曲線との比較に基づいて、前記検査領域が適切か否かを判定する判定部を備えることを特徴とする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷電粒子線装置が生成する観察像を画像処理する荷電粒子線画像処理装置であって、
前記観察像の検査領域からラインパターンのエッジを抽出する抽出部と、
前記検査領域を複数の計測点数を有する区画に分割する分割部と、
前記区画のそれぞれにおいてラインエッジラフネスを計測し、区画毎のラインエッジラフネスの分布データを生成する計測部と、
前記検査領域の全域におけるラインエッジラフネスを算出し、区画毎のラインエッジラフネスの理論曲線を算出する算出部と、
前記分布データと前記理論曲線との比較に基づいて、前記検査領域が適切か否かを判定する判定部を備えることを特徴とする荷電粒子線画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の荷電粒子線画像処理装置であって、
前記判定部は、前記分布データのラインエッジラフネスの最大値が、前記理論曲線から求められる上限値と下限値との間であるときに前記検査領域が適切と判定することを特徴とする荷電粒子線画像処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の荷電粒子線画像処理装置であって、
前記判定部は、前記分布データの面積が1となるように規格化された規格化データと前記理論曲線との相関係数が所定の範囲内であるときに前記検査領域が適切と判定することを特徴とする荷電粒子線画像処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の荷電粒子線画像処理装置であって、
前記算出部は、前記検査領域の全域におけるラインエッジラフネスと前記計測点数とに基づいて、前記理論曲線を算出することを特徴とする荷電粒子線画像処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の荷電粒子線画像処理装置であって、
前記検査領域が適切でないと判定されたときに、サンプリング間隔が疎であるか密であるかを表示する表示部をさらに備えることを特徴とする荷電粒子線画像処理装置。
【請求項6】
請求項1に記載の荷電粒子線画像処理装置を備えることを特徴とする荷電粒子線装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体のラインパターン検査に用いられる荷電粒子線装置が生成する観察像の画像処理を行う荷電粒子線画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
荷電粒子線装置は、電子線等の荷電粒子線を試料に照射することによって、試料の微細な構造を観察するための観察像を生成する装置であり、半導体の製造工程等に用いられる。半導体の製造工程では、半導体のラインパターンのエッジの凹凸であるLER(Line Edge Roughness)の計測が重要である。
【0003】
特許文献1には、LERのゆらぎを理論的な根拠に基づいて計測することが開示される。具体的には、ラインパターンの観察像の検査領域よりも短い計測領域内において計測される複数個所のエッジのLERの空間周波数分布を算出し、算出された空間周波数分布に基づいて検査領域のLERを算出することが開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-116472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら特許文献1では、エッジ群の周期性の評価に留まっており、エッジ群の連続性の評価に至っていない。すなわち広すぎる検査領域のためにエッジ群の中のエッジの間隔が粗くなるとエッジ群の連続性が保たれず、ラインエッジラフネスの計測精度が低下する。
【0006】
そこで本発明は、ラインパターンのエッジを含む観察像に対して適切な検査領域を設定することが可能な荷電粒子線画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は、荷電粒子線装置が生成する観察像を画像処理する荷電粒子線画像処理装置であって、前記観察像の検査領域からラインパターンのエッジを抽出する抽出部と、前記検査領域を複数の計測点数を有する区画に分割する分割部と、前記区画のそれぞれにおいてラインエッジラフネスを計測し、区画毎のラインエッジラフネスの分布データを生成する計測部と、前記検査領域の全域におけるラインエッジラフネスを算出し、区画毎のラインエッジラフネスの理論曲線を算出する算出部と、前記分布データと前記理論曲線との比較に基づいて、前記検査領域が適切か否かを判定する判定部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ラインパターンのエッジを含む観察像に対して適切な検査領域を設定することが可能な荷電粒子線画像処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1の荷電粒子線画像処理装置の全体構成の一例を示す図である。
図2】荷電粒子線装置の全体構成の一例を示す図である。
図3】適切な検査領域とサンプリング間隔について説明する図である。
図4】実施例1に係わる処理の流れの一例を示す図である。
図5】分布データと理論曲線の比較について説明する図である。
図6】サンプリング間隔が適切でないことを警告する警告画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面に従って本発明に係る荷電粒子線画像処理装置の実施例について説明する。なお、以下の説明及び添付図面において、同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略することにする。
【実施例0011】
図1は荷電粒子線画像処理装置1のハードウェア構成を示す図である。荷電粒子線画像処理装置1は、演算部2、メモリ3、記憶装置4、ネットワークアダプタ5がシステムバス6によって信号送受可能に接続されて構成される。また荷電粒子線画像処理装置1は、ネットワーク9を介して荷電粒子線装置10や荷電粒子線画像データベース11と信号送受可能に接続される。さら荷電粒子線画像処理装置1には、表示装置7と入力装置8が接続される。ここで、「信号送受可能に」とは、電気的、光学的に有線、無線を問わずに、相互にあるいは一方から他方へ信号送受可能な状態を示す。
【0012】
演算部2は、各構成要素の動作を制御する装置であり、具体的にはCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processor Unit)等である。演算部2は、記憶装置4に格納されるプログラムやプログラム実行に必要なデータをメモリ3にロードして実行し、荷電粒子線画像に対して様々な画像処理を施す。メモリ3は、演算部2が実行するプログラムや演算処理の途中経過を記憶するものである。記憶装置4は、演算部2が実行するプログラムやプログラム実行に必要なデータを格納する装置であり、具体的にはHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等である。ネットワークアダプタ5は、荷電粒子線画像処理装置1をLAN、電話回線、インターネット等のネットワーク9に接続するためのものである。演算部2が扱う各種データはLAN(Local Area Network)等のネットワーク9を介して荷電粒子線画像処理装置1の外部と送受信されても良い。
【0013】
表示装置7は、荷電粒子線画像処理装置1の処理結果等を表示する装置であり、具体的には液晶ディスプレイやタッチパネル等である。入力装置8は、操作者が荷電粒子線画像処理装置1に対して操作指示を行う操作デバイスであり、具体的にはキーボードやマウス、タッチパネル等である。マウスはトラックパッドやトラックボール等の他のポインティングデバイスであっても良い。
【0014】
荷電粒子線装置10は、荷電粒子線を試料に照射することによって、試料を観察するための観察像を生成する装置であり、例えば電子線で試料を走査することにより観察像を生成する走査電子顕微鏡(SEM;Scanning Electron Microscope)である。荷電粒子線画像データベース11は、荷電粒子線装置10によって生成される観察像や、観察像に画像処理が施された補正画像等を記憶するデータベースシステムである。
【0015】
図2を用いて荷電粒子線装置10の一例である走査電子顕微鏡の全体構成を説明する。なお、図2において、紙面に垂直な方向をX軸、縦方向をY軸、横方向をZ軸とする。走査電子顕微鏡は、電子線源101、対物レンズ103、偏向器104、可動ステージ106、検出器112、画像処理部115、入出力部116、記憶部117、制御部119を備える。以下、各部について説明する。
【0016】
電子線源101は、所定の加速電圧によって加速された一次電子線102を試料105に照射する線源である。
【0017】
対物レンズ103は一次電子線102を試料105の表面で集束させるための集束レンズである。多くの場合、対物レンズ103にはコイルと磁極とを有する磁極レンズが用いられる。
【0018】
偏向器104は、一次電子線102を偏向させる磁界や電界を発生させるコイルや電極である。一次電子線102を偏向させることにより、試料105の表面を一次電子線102で走査する。なお、電子線源101と対物レンズ103の中心とを結ぶ直線は光軸121と呼ばれ、偏向器104によって偏向されない一次電子線102は光軸121に沿って試料105へ照射される。
【0019】
可動ステージ106は、試料105を保持するとともに、X方向及びY方向に試料105を移動させる。
【0020】
検出器112は、一次電子線102が照射される試料105から放出される二次電子108を検出する検出器である。検出器112には、シンチレータ・ライトガイド・光電子増倍管で構成されるE-T検出器や半導体検出器が用いられる。検出器112から出力される検出信号は制御部119を介して画像処理部115へ送信される。
【0021】
画像処理部115は、検出器112から出力される検出信号に基づいて観察像を生成する演算器であり、例えば、MPU(Micro Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等である。画像処理部115は、生成された観察像に対して様々な画像処理を施しても良い。なお図1を用いて説明した荷電粒子線画像処理装置1が画像処理部115であっても良い。
【0022】
入出力部116は、試料105を観察するための条件である観察条件が入力されたり、画像処理部115によって生成される画像が表示されたりする装置であり、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、液晶ディスプレイ等である。
【0023】
記憶部117は、各種データやプログラムが記憶される装置であり、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等である。記憶部117には、制御部119等によって実行されるプログラムや入出力部116から入力される観察条件、画像処理部115によって生成される画像等が記憶される。
【0024】
制御部119は、各部を制御するとともに、各部で生成されるデータを処理したり送信したりする演算器であり、例えばCPU(Central Processing Unit)やMPU等である。
【0025】
以上説明した荷電粒子線装置によって、半導体のラインパターンを観察するための観察像が生成され、観察像を用いてラインパターンのエッジの凹凸であるラインエッジラフネス(LER:Line Edge Roughness)が計測される。ラインエッジラフネスを高精度に計測するには、観察像に対して適切な検査領域を設定することが重要である。
【0026】
図3を用いて適切な検査領域について説明する。図3の(a)、(b)、(c)には、観察像に対して設定された検査領域の大きさが小、中、大である場合が例示される。なお検査領域は、図3の(a)、(b)、(c)のそれぞれにおいて縦長の長方形で示される。また検査領域において抽出されたエッジの位置は、図3の(a)、(b)、(c)のそれぞれにおいて折れ線グラフで示される。
【0027】
図3の(a)のように検査領域が比較的小さい場合、抽出されるエッジのサンプリング間隔が密になるため、エッジ群の連続性が保たれるものの、エッジ群の周期性の評価が不十分となる。また図3の(c)のように検査領域が比較的大きい場合、抽出されるエッジのサンプリング間隔が疎になるため、エッジ群の周期性の評価は可能であるものの、エッジ群の連続性が保たれない。そこで図3の(b)のような、エッジ群の連続性が保たれながらエッジ群の周期性の評価が可能である適切な検査領域が設定されることが必要である。実施例1では、以降で説明する処理の流れによって、適切な検査領域が設定される。
【0028】
図4を用いて、実施例1の処理の流れの一例についてステップ毎に説明する。
【0029】
(S401)
荷電粒子線装置10によって生成された観察像に対して検査領域が設定される。検査領域は、演算部2によって設定されても良いし、入力装置8を用いる操作者によって設定されても良い。なお演算部2は、設定された検査領域に応じて、エッジのサンプリング間隔を設定する。
【0030】
(S402)
演算部2は、S401で設定された検査領域において、ラインパターンのエッジを抽出する。例えば、検査領域の横方向に並ぶ輝度値の組であるプロファイルにおいて、隣接する輝度値の差異が最大となる位置がエッジとして抽出される。エッジの抽出は、検査領域に設定されたサンプリング間隔で行われる。
【0031】
(S403)
演算部2は、S401で設定された検査領域を複数の区画に分割する。分割された区画は、複数の計測点数を有する。
【0032】
(S404)
演算部2は、S403で分割された区画のそれぞれにおいてラインエッジラフネスを計測する。ラインエッジラフネスは、例えば基準線から各エッジまでの距離の標準偏差σとして次式で示される。なお基準線は、検査領域の全域におけるエッジ群から算出される近似直線や、観察像において縦方向に設定される直線である。
【0033】
【数1】
【0034】
ここで、kは区画が有する計測点数、iは1からkまでの整数、xは基準線から各エッジまでの距離、xk_aveは各区画におけるxの平均値である。
【0035】
(S405)
演算部2は、S404で計測された区画毎のラインエッジラフネスの分布データを生成する。分布データは、例えば横軸がラインエッジラフネスの区間であって、縦軸が各区間での頻度であるヒストグラムとして生成される。
【0036】
(S406)
演算部2は、S401で設定された検査領域の全域におけるラインエッジラフネスを算出する。検査領域の全域におけるラインエッジラフネスσtrueは、例えば次式によって算出される。
【0037】
【数2】
【0038】
ここで、nは検査領域の全域におけるエッジの数、iは1からnまでの整数、xは基準線から各エッジまでの距離、xaveはxの平均値である。
【0039】
(S407)
演算部2は、S404で計測された区画毎のラインエッジラフネスの理論曲線を算出する。理論曲線は、例えば計測点数kを有する区画毎のラインエッジラフネスσの確率密度f(σ;k)として次式によって算出される。
【0040】
【数3】
【0041】
ここで、Γ(k/2)は次式で表されるガンマ関数である。
【0042】
【数4】
【0043】
(S408)
演算部2は、S405で生成された分布データとS407で算出された理論曲線との比較に基づいて、S401で設定された検査領域が適切か否かを判定する。検査領域が適切であれば処理の流れは終了となり、適切でなければS401の処理に戻って検査領域が再設定される。
【0044】
図5を用いて分布データと理論曲線の比較について説明する。図5には、図3に例示される各検査領域において生成された分布データである3つのヒストグラムと、理論曲線が例示される。図5の横軸は計測点数kを有する区画毎のラインエッジラフネスである3σであり、分布データの縦軸は左側の頻度、理論曲線の縦軸は右側の確率密度である。
【0045】
サンプリング間隔が疎であってエッジ群の連続性が保たれてない分布データには、3σ>5nmの比較的大きいラインエッジラフネスが含まれる。またサンプリング間隔が密であって周期性の評価が不十分な分布データでは、3σ<2.5nmの比較的小さいラインエッジラフネスだけである。すなわち分布データのラインエッジラフネスの最大値が所定の範囲、例えば理論曲線から求められる上限値と下限値との間であれば、検査領域が適切であると判定できる。また分布データのラインエッジラフネスの最大値が上限値以上であればサンプリング間隔が疎であって検査領域が広すぎ、下限値以下であればサンプリング間隔が密であって検査領域が狭すぎると判定できる。
【0046】
上限値と下限値は、理論曲線と横軸で囲われる面積に基づいて設定されても良い。理論曲線が確率密度f(σ;k)として算出される場合、理論曲線と横軸で囲われる面積、すなわち確率密度f(σ;k)をσ=0からσ=∞まで積分して得られる値は1になる。そこで理論曲線と横軸で囲われる面積が例えば0.99になるラインエッジラフネスを上限値とし、面積が0.5になるラインエッジラフネスを下限値とする。
【0047】
またS408での判定は、分布データのラインエッジラフネスの最大値を用いることに限定されない。例えば、分布データと理論曲線との相関係数が所定の範囲内であれば検査領域が適切であると判定しても良い。なお分布データと理論曲線との相関係数を算出するに先立ち、分布データであるヒストグラムの全体の面積が1になるように規格化される。すなわち分布データが規格化された規格化データと理論曲線との相関係数が算出され、算出された相関係数が所定の範囲内であれば検査領域が適切であると判定される。
【0048】
なおS408において検査領域が適切でないと判定されたされたとき、図6に例示される警告画面が表示装置7に表示されても良い。図6の(a)はサンプリング間隔が疎であるとき、(b)はサンプリング間隔が密であるときの警告画面であり、抽出されたエッジが×印で示される。サンプリング間隔が疎であるか密であるかが表示されることにより、操作者は検査領域の再設定を適切に行うことができる。
【0049】
以上説明した処理の流れによって、ラインパターンのエッジを含む観察像に対して設定された検査領域が適切であるか否かが判定され、適切でなければ検査領域が再設定される。すなわち実施例1によれば、適切な検査領域を設定することが可能な荷電粒子線画像処理装置を提供することができる。
【0050】
以上、本発明の実施例について説明した。本発明は上記実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせても良い。さらに、上記実施例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除しても良い。
【符号の説明】
【0051】
1:荷電粒子線画像処理装置、2:演算部、3:メモリ、4:記憶装置、5:ネットワークアダプタ、6:システムバス、7:表示装置、8:入力装置、10:荷電粒子線装置、11:荷電粒子線画像データベース、101:電子線源、102:一次電子線、103:対物レンズ、104:偏向器、105:試料、106:可動ステージ、108:二次電子、112:検出器、115:画像処理部、116:入出力部、117:記憶部、119:制御部、121:光軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6