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特開2023-51512ディスプレイ用基板、ディスプレイ用基板を用いた発光装置及びそれらの製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023051512
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】ディスプレイ用基板、ディスプレイ用基板を用いた発光装置及びそれらの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20230404BHJP
   H05K 3/20 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
H05K3/46 N
H05K3/46 G
H05K3/46 Q
H05K3/20 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021162257
(22)【出願日】2021-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】笹岡 典史
(72)【発明者】
【氏名】勝又 雅昭
【テーマコード(参考)】
5E316
5E343
【Fターム(参考)】
5E316AA02
5E316AA12
5E316AA32
5E316BB03
5E316BB15
5E316CC08
5E316CC32
5E316CC34
5E316CC36
5E316CC37
5E316CC38
5E316CC39
5E316CC52
5E316DD32
5E316EE13
5E316GG19
5E316GG22
5E316HH11
5E316JJ02
5E343AA02
5E343AA12
5E343BB02
5E343BB23
5E343BB24
5E343BB25
5E343BB28
5E343BB35
5E343BB38
5E343BB40
5E343BB44
5E343BB48
5E343BB67
5E343CC62
5E343DD76
5E343ER11
5E343GG08
(57)【要約】
【課題】反りが少なく反射率に優れるディスプレイ用基板、ディスプレイ用基板を用いた発光装置、それらの製造方法を提供する。
【解決手段】配線パターン及び複数の接続端子が形成されるように金属箔の第1面にレジスト膜を配置する第1被膜形成工程S11と、レジスト膜を介して第1面側に第1凹部を形成するようにエッチングして配線の上部と、接続端子の上部を含む凸部と、を形成する第1エッチング工程S12と、第1凹部に光反射性樹脂を充填する第1充填工程S13と、第1面側にレジスト膜を配置し、凸部及び配線パターンの反対側の位置の第2面にレジスト膜を配置する第2被膜形成工程S14と、配線及び第1凹部に充填した光反射性樹脂に到達する第2面側の凹部を形成するように、エッチングする第2エッチング工程S15と、第2面側の凹部に光反射性樹脂を充填し、配線を光反射性樹脂又は光反射性シートで覆う光反射性部材形成工程S16と、を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定した配線パターン及び少なくとも2つの接続端子が形成されるように金属箔の第1面にレジスト膜を配置する第1被膜形成工程と、
前記少なくとも2つの接続端子を通り、かつ前記第1面に交差する方向の断面視において、前記レジスト膜を介して前記金属箔の第1面側に複数の凹部を形成するように前記金属箔の第1面側をエッチングして前記配線パターンの配線の上部と、前記接続端子の上部を含む凸部と、を形成する第1エッチング工程と、
前記金属箔の第1面側の凹部に光反射性樹脂を充填する第1充填工程と、
前記金属箔の第1面側にレジスト膜を配置すると共に、前記凸部が形成された位置の反対側の位置、及び、前記配線パターンの位置の反対側の位置の第2面にレジスト膜を配置する第2被膜形成工程と、
前記配線パターンの配線が形成され、かつ、前記金属箔の第1面側の凹部に充填した光反射性樹脂に到達する前記金属箔の第2面側の凹部を形成するように、前記金属箔の第2面側をエッチングする第2エッチング工程と、
前記金属箔の第2面側の凹部に光反射性樹脂を充填すると共に、前記配線を前記光反射性樹脂又は光反射性シートで覆う光反射性部材形成工程と、を含むディスプレイ用基板の製造方法。
【請求項2】
前記第1被膜形成工程は、さらに、少なくとも2つの前記接続端子の間に前記接続端子から離隔して放熱端子が形成されるように前記金属箔の第1面側にレジスト膜を配置し、
前記第1エッチング工程は、さらに、レジスト膜を介して前記金属箔の第1面側に凹部を形成するように前記金属箔の第1面側をエッチングし、前記金属箔の第1面側の隣り合う凹部の間の凸部により前記放熱端子の上部を形成する請求項1に記載のディスプレイ用基板の製造方法。
【請求項3】
前記第1充填工程と第2被膜形成工程との間に、さらに、
前記放熱端子に対応する前記金属箔の第2面の位置にレジスト膜を配置すると共に、前記金属箔の第1面側にレジスト膜を配置する中間被膜形成工程と、
前記放熱端子に対応する前記金属箔の第2面が突出するように前記金属箔の第2面側をエッチングする中間エッチング工程と、をこの順で行うように含む請求項2に記載のディスプレイ用基板の製造方法。
【請求項4】
前記光反射性部材形成工程は、前記金属箔の第2面側の凹部に前記光反射性樹脂を充填すると共に、前記配線を前記光反射性シートで覆い、かつ、前記放熱端子の下部と前記光反射性シートとが同一平面となるように形成する請求項3に記載のディスプレイ用基板の製造方法。
【請求項5】
前記第2被膜形成工程は、さらに、平面視において前記配線パターンで囲まれる領域に前記配線パターンから離隔してレジスト膜を配置し、
前記第2エッチング工程は、さらに、前記領域と前記配線パターンとの間に前記光反射性樹脂に到達する第2面側の凹部を形成するように前記金属箔の第2面側をエッチングする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のディスプレイ用基板の製造方法。
【請求項6】
前記第1充填工程は、さらに、前記接続端子の上部と前記光反射性樹脂の上面とが同一平面になるように表面研磨する研磨工程を行う請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のディスプレイ用基板の製造方法。
【請求項7】
予め設定した配線パターン及び少なくとも2つの接続端子が形成されるように金属箔の第1面にレジスト膜を配置すると共に前記金属箔の第1面の反対側の第2面に光反射性部材を設ける第1被膜形成工程と、
前記少なくとも2つの接続端子を通り、かつ前記第1面に交差する方向の断面視において、レジスト膜を介して前記金属箔の第1面側に複数の凹部を形成するように前記金属箔の第1面側をエッチングして前記配線パターンの配線の上部と、前記接続端子の上部を含む凸部と、を形成する第1エッチング工程と、
前記金属箔の第1面側の凸部の位置と前記配線パターンに対応する前記金属箔の第1面側の凹部の位置とにレジスト膜を配置する第2被膜形成工程と、
前記配線パターンの配線が形成され、かつ、前記光反射性部材に到達するように、前記金属箔の第1面側をエッチングする第2エッチング工程と、
前記光反射性部材及び前記配線を覆うように前記第1面側に光反射性樹脂を充填する第2充填工程と、を含むディスプレイ用基板の製造方法。
【請求項8】
前記第2充填工程の後に、前記光反射性部材を前記金属箔の第2面から剥離する剥離工程と、
前記金属箔の第2面側の前記配線を光反射性樹脂で覆う光反射性部材形成工程と、をさらに含む請求項7に記載のディスプレイ用基板の製造方法。
【請求項9】
前記第1被膜形成工程は、さらに、少なくとも2つの前記接続端子の間に前記接続端子から離隔して放熱端子が形成されるように前記金属箔の第1面にレジスト膜を配置し、
前記第1エッチング工程は、さらに、レジスト膜を介して前記金属箔の第1面側に凹部を形成するように前記金属箔の第1面側をエッチングし、前記金属箔の第1面側の隣り合う凹部の間の凸部により前記放熱端子の上部を形成する請求項7又は請求項8に記載のディスプレイ用基板の製造方法。
【請求項10】
前記第2被膜形成工程は、さらに、平面視において前記配線パターンで囲まれる領域に前記配線パターンから離隔してレジスト膜を配置し、
前記第2エッチング工程は、さらに、前記領域と前記配線パターンとの間に前記光反射性部材に到達する前記金属箔の第1面側の凹部を形成するように前記金属箔の第1面側をエッチングにする請求項8又は請求項9に記載のディスプレイ用基板の製造方法。
【請求項11】
請求項1と、請求項2を引用する請求項を除く請求項3乃至請求項10のいずれか一項に記載のディスプレイ用基板の製造方法で製造したディスプレイ用基板を用いる発光装置の製造方法であって、
前記光反射性部材形成工程の後に接続工程を含み、
前記接続工程は、前記接続端子に発光素子の電極を接続する発光装置の製造方法。
【請求項12】
請求項2を引用する請求項3乃至請求項10のいずれか一項に記載のディスプレイ用基板の製造方法で製造したディスプレイ用基板を用いる発光装置の製造方法であって、
前記光反射性部材形成工程の後に接続工程を含み、
前記接続工程は、前記接続端子及び前記放熱端子に発光素子の電極及び放熱端子部を接続する発光装置の製造方法。
【請求項13】
少なくとも2つの接続端子と、少なくとも2つの前記接続端子の間に離隔して設けられる放熱端子と、を光反射性部材の表面に有する上面と、
前記上面とは反対側の、前記光反射性部材が配置される下面と、を備え、
断面視において、少なくとも2つの前記接続端子に連続する配線を前記上面と前記下面との間、かつ、前記上面に対して平行に配置し、前記配線の上部と前記光反射性部材の上面までの距離が前記上面から前記下面までの距離の60%を超えないと共に、前記配線の上部から前記光反射性部材の表面までの厚みが50μm以上であるディスプレイ用基板。
【請求項14】
平面視で前記配線に囲まれ、かつ、前記配線から離隔して前記上面と前記下面との間に設けられ、断面視で前記配線と同じ高さ位置に形成された金属膜を有する請求項13に記載のディスプレイ用基板。
【請求項15】
前記光反射性部材は光反射性樹脂又は光反射性シートを含む請求項13又は請求項14に記載のディスプレイ用基板。
【請求項16】
前記下面は、前記光反射性樹脂が配置され、前記放熱端子の表面と前記光反射性樹脂の表面とが同一平面で形成されている請求項15に記載のディスプレイ用基板。
【請求項17】
前記下面は、光反射性シートが配置され、前記放熱端子の表面と前記光反射性シートの表面とが同一平面で形成されている請求項15に記載のディスプレイ用基板。
【請求項18】
請求項13乃至請求項17の何れか一項に記載のディスプレイ用基板を用いる発光装置であって、
少なくとも正負一対の電極と放熱端子部とを有する発光素子をさらに備え、
前記上面の前記接続端子に前記電極が接続されると共に、前記放熱端子に前記放熱端子部が接続された発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ディスプレイ用基板、ディスプレイ用基板を用いた発光装置及びそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属箔をエッチングして半導体素子の電極に接続する突起状の接続用端子を形成すると共に、接続用端子の周囲に樹脂シートからなる絶縁体を加圧して積層する配線板が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-036245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
突起状の接続用端子の周囲に樹脂シートからなる絶縁体を加圧して積層すると配線板の反りが大きくなり、半導体素子の接続や実装の作業に支障がでる懸念がある。
本開示に係る実施形態は、反りが少なく反射率に優れるディスプレイ用基板及びその製造方法、並びに、ディスプレイ用基板を用いた発光装置及びその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施形態に係る発光装置の製造方法は、ディスプレイ用基板の製造方法発光装置の製造方法は、予 め設定した配線パターン及び少なくとも2つの接続端子が形成されるように金属箔の第1面にレジスト膜を配置する第1被膜形成工程と、前記少なくとも2つの接続端子を通り、かつ前記第1面に交差する方向の断面視において、前記レジスト膜を介して前記金属箔の第1面側に複数の凹部を形成するように前記金属箔の第1面側をエッチングして前記配線パターンの配線の上部と、前記接続端子の上部を含む凸部と、を形成する第1エッチング工程と、前記金属箔の第1面側の凹部に光反射性樹脂を充填する第1充填工程と、前記金属箔の第1面側にレジスト膜を配置すると共に、前記凸部が形成された位置の反対側の位置、及び、前記配線パターンの位置の反対側の位置の第2面にレジスト膜を配置する第2被膜形成工程と、前記配線パターンの配線が形成され、かつ、前記金属箔の第1面側の凹部に充填した光反射性樹脂に到達する前記金属箔の第2面側の凹部を形成するように、前記金属箔の第2面側をエッチングする第2エッチング工程と、前記金属箔の第2面側の凹部に光反射性樹脂を充填すると共に、前記配線を前記光反射性樹脂又は光反射性シートで覆う光反射性部材形成工程と、を含む。
【0006】
本開示の一実施形態に係るディスプレイ用基板は、少なくとも2つの接続端子と、少なくとも2つの前記接続端子の間に離隔して設けられる放熱端子と、を光反射性部材の表面に有する上面と、前記上面とは反対側の、前記光反射性部材が配置される下面と、を備え、断面視において、少なくとも2つの前記接続端子に連続する配線を前記上面と前記下面との間、かつ、前記上面に対して平行に配置し、前記配線の上部と前記光反射性部材の上面までの距離が前記上面から前記下面までの距離の60%を超えないと共に、前記配線の上部から前記光反射性部材の表面までの厚みが50μm以上である。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係るディスプレイ用基板の製造方法、並びに、ディスプレイ用基板を用いた発光装置の製造方法によれば、反りが少なく反射率に優れるディスプレイ用基板及びディスプレイ用基板を用いた発光装置を提供することができる。また、本開示に係るディスプレイ用基板、並びに、ディスプレイ用基板を用いた発光装置は、反りが少なく反射率に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A図1Aは、第1実施形態に係る発光装置を上から見た模式的な平面図である。
図1B図1Bは、図1Aの発光装置の配線を透視するとともに、図1Aの発光装置の一部を省略して配線を表した説明図である。
図1C図1Cは、図1Aの発光装置のIC-IC線における断面図である。
図1D図1Dは、図1Aの発光装置の接続端子、放熱端子、配線及び配線パッドを表すように光反射性部材の一部を除いて模式的に示す説明図である。
図2A図2Aは、第1実施形態の第1応用例を示す発光装置を模式的に示す平面図である。
図2B図2Bは、第1実施形態の第2応用例を示す発光装置を模式的に示す断面図である。
図3図3は、図1Aの発光装置の製造方法を示すフローチャートである。
図4A図4Aは、図1Aの発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。
図4B図4Bは、図1Aの発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。
図4C図4Cは、図1Aの発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。
図4D図4Dは、図1Aの発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。
図4E図4Eは、図1Aの発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。
図4F図4Fは、図1Aの発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。
図4G図4Gは、図1Aの発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。
図4H図4Hは、図1Aの発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。
図4I図4Iは、図1Aの発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。
図4J図4Jは、図1Aの発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。
図4K図4Kは、図1Aの発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。
図5A図5Aは、第1エッチング工程を行った金属箔の状態を模式的に示す斜視図である。
図5B図5Bは、第1充填工程を行った状態を模式的に示す斜視図である。
図5C図5Cは、第2被膜形成工程でレジスト膜を金属箔に配置した状態を模式的に示す斜視図である。
図5D図5Dは、第2エッチング工程を行った金属箔の状態を模式的に示す斜視図である。
図6A図6Aは、図2Aで示す発光装置の製造方法において第2被膜形成工程でレジスト膜を配置した状態を模式的に示す斜視図である。
図6B図6Bは、図6Aの状態で第2エッチング工程を行った金属箔の状態を模式的に示す斜視図である。
図7図7は、第2実施形態に係る発光装置の製造方法を示すフローチャートである。
図8A図8Aは、第2実施形態の発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。
図8B図8Bは、第2実施形態の発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。
図8C図8Cは、第2実施形態の発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。
図8D図8Dは、第2実施形態の発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。
図8E図8Eは、第2実施形態の発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。
図8F図8Fは、第2実施形態の発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。
図8G図8Gは、第2実施形態の発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。
図8H図8Hは、第2実施形態の発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。
図8I図8Iは、第2実施形態の発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。
図8J図8Jは、第2実施形態の発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。
図8K図8Kは、第2実施形態の発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。
図8L図8Lは、第2実施形態の発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。
図8M図8Mは、第2実施形態の発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。
図8N図8Nは、第2実施形態の発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。
図9A図9Aは、第2実施形態の中間被膜形成工程を行った状態を示す斜視図である。
図9B図9Bは、第2実施形態の中間エッチング工程を行った状態を示す斜視図である。
図10A図10Aは、第2実施形態の製造方法の第1応用例を模式的に示す断面図である。
図10B図10Bは、第2実施形態の製造方法の第1応用例を模式的に示す断面図である。
図10C図10Cは、第2実施形態の製造方法の第1応用例を模式的に示す断面図である。
図11A図11Aは、第2実施形態の製造方法の第2応用例を模式的に示す斜視図である。
図11B図11Bは、第2実施形態の製造方法の第2応用例を模式的に示す斜視図である。
図12図12は、第3実施形態に係る発光装置の製造方法を示すフローチャートである。
図13A図13Aは、第3実施形態の発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。
図13B図13Bは、第3実施形態の発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。
図13C図13Cは、第3実施形態の発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。
図13D図13Dは、第3実施形態の発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。
図13E図13Eは、第3実施形態の発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。
図13F図13Fは、第3実施形態の発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。
図13G図13Gは、第3実施形態の発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。
図13H図13Hは、第3実施形態の発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。
図14図14は、第4実施形態に係る発光装置の製造方法を示すフローチャートである。
図15A図15Aは、第4実施形態の発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。
図15B図15Bは、第4実施形態の発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。
図15C図15Cは、第4実施形態の発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。
図15D図15Dは、第4実施形態の発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。
図15E図15Eは、第4実施形態の発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態に係るディスプレイ用基板及びディスプレイ用基板の製造方法、並びに、ディスプレイ用基板を用いた発光装置及び発光装置の製造方法を、以下に図面を参照しながら説明する。但し、以下に示す形態は、本実施形態の技術思想を具現化するためのディスプレイ用基板及び発光装置を例示するものであって、以下に限定するものではない。また、実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。本明細書では、切断面のみを示す断面図を断面図として用いることがある。なお、各図面が示す部材の大きさ、位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。また、以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており詳細説明を適宜省略する。さらに、以下で記載する凹部とは、元の厚みの金属箔がエッチングされることで厚みが減少した部分を含み、底面と側面とを有した凹みに限定されるものではない。そして、スプレイ用基板を用いた発光装置は、ディスプレイ用基板の構成を含み、スプレイ用基板を用いた発光装置の製造方法は、ディスプレイ用基板の製造方法を含むこととする。
【0010】
[第1実施形態]
<発光装置>
第1実施形態に係る発光装置及びその製造方法について説明する。
図1Aは、第1実施形態に係る発光装置を模式的に示す平面図である。図1Bは、図1Aの発光装置の配線を透視するとともに、図1Aの発光装置の一部を切欠いて配線を表した説明図である。図1Cは、図1Aの発光装置のID-ID線における断面図である。図1Dは、図1Aの発光装置の接続端子、放熱端子、配線及び配線パッドを表すように光反射性部材の一部を除いて模式的に示す説明図である。なお、以下に示す発光装置及びその製造方法は、説明を簡単にするため、一例として、縦と横とに4個ずつ、合計16個の発光素子を行列に整列してディスプレイ用基板に配置するように簡略化した構成を発光装置として説明するが、発光装置及びその製造方法は、ディスプレイ用基板に発光素子を17個以上配置する構成もあり得る。
【0011】
発光装置100Aは、ディスプレイ用基板10Aを備える。ディスプレイ用基板10Aは、少なくとも2つの接続端子2Aと、少なくとも2つの接続端子2Aの間に離隔して設けられる放熱端子3Aと、を光反射性部材6の表面に有する上面1aと、上面1aとは反対側の、光反射性部材6が配置される下面2aと、を備える。ディスプレイ用基板10Aは、断面視において、少なくとも2の接続端子2Aに連続する配線4Aを上面1aと下面2aとの間に有する。また、配線4Aを上面1aに対して平行に配置し、配線4Aの上部と光反射性部材6の上面までの距離が上面1aから下面2aまでの距離の60%を超えないと共に、配線4Aの上部から光反射性部材6の表面までの厚みが50μm以上である。本明細書において「表面」とは、ディスプレイ用基板10Aの上面1a又は下面2aの少なくとも一部である領域を示す。
【0012】
また、発光装置100Aは、複数の発光素子10を備える。各発光素子10は少なくとも正負一対の電極10aと放熱端子部10bとを有し、ディスプレイ用基板10Aの少なくとも一対の接続端子2Aに正負一対の電極10aが接続され、ディスプレイ用基板10Aの放熱端子3Aに発光素子10の放熱端子部10bが接続される。以下、本明細書における構成部材のうち、電気的に両極端に相対応する異なった性質を持つ場合に「一対」と表現することがある。
【0013】
ディスプレイ用基板10Aは、上面1aに少なくとも一対の配線パッド5Aを備える。少なくとも一対の配線パッド5Aは、接続配線4A1及び接続配線4A2を含む配線4Aにより、少なくとも一対の接続端子2Aと接続される。詳細には、接続端子2Aの一方から連続する接続配線4A1に一方の配線パッド5Aが接続され、かつ、接続端子2Aの他方から連続する接続配線4A2に他方の配線パッド5Aが接続される。また、配線4Aは、一の発光素子10が有する一対の接続端子2Aの一方を他の発光素子10が有する一対の接続端子2Aの一方に接続する。以下、本明細書において「一対の接続端子」とは一の発光素子が有するものをいう。
【0014】
配線4Aは、一例として、平面視で行列配置された16個の発光素子を矩形枠で囲み、かつ格子状に配置されている。すなわち、配線4Aによってディスプレイ用基板10Aが平面視で12の領域に分けられ、1つの領域の縁に2個ずつの発光素子10が配置されている。配線4Aは、断面視において、光反射性部材6の上面1a及び下面2aの間で上面1aに対して平行である。そして、配線4Aの矩形枠の内側に光反射性部材6が上面1aから下面2aまで連続して充填されている。さらに、ディスプレイ用基板10Aの上面1aと配線4Aの上部との間及びディスプレイ用基板10Aの下面2aと配線4Aの下部との間には、それぞれ光反射性部材6が配置されている。よって、配線4Aは、発光装置100Aにおいて光反射性部材6で覆われているため、直接見ることができない。第1実施形態においては、光反射性部材6は、後述する光反射性樹脂6Aであることが好ましい。
【0015】
配線パッド5Aは、一対の外部接続用のアノード電極用の端子及びカソード電極用の端子であり、一例として、平面視において略矩形に形成されたディスプレイ用基板10Aの隅に、略矩形の一辺から突出するように配置されている。配線パッド5Aの上面は、ここでは、上面1aと同一平面であり、光反射性部材6から露出している。配線パッド5Aは、配線4A及び接続配線4A1及び接続配線4A2を含む配線4Aにより各発光素子10の接続端子2Aと接続されている。
【0016】
一対の接続端子2Aは、断面視で配線4Aに直交しており、その上部が光反射性部材6から露出し光反射性部材6と同一平面となることでディスプレイ用基板10Aの上面1aの一部となっている。接続端子2Aは、一例として、平面視が矩形であり、その矩形の縦横寸法が配線4Aの径(又は太さ)よりも大きくなるように形成されている。また、一対の接続端子2Aの間には、放熱端子3Aがこれらと電気的に短絡しないように離れて配置されている。
放熱端子3Aは、平面視形状が矩形であり、一対の接続端子2Aの一方の平面積より大きく形成されている。放熱端子3Aは、その上部が光反射性部材6から露出して光反射性部材6と同一平面となることでディスプレイ用基板10Aの上面1aの一部となっている。一方、ディスプレイ用基板10Aの下面2bでは、光反射性部材6に覆われている。放熱端子3Aの下部と配線4Aの下部とは、同一平面になるように形成されている。
【0017】
接続端子2A、放熱端子3A、配線4A及び配線パッド5Aは、銅、鉄、ニッケル、タングステン、クロム、アルミニウム、銀、金、チタン、パラジウム、ロジウム又はこれらの合金等の少なくとも一種で構成することができる。また、接続端子2A、放熱端子3A、配線4A及び配線パッド5Aの表層は、金、ニッケル、銅、チタン、パラジウム、ロジウムのいずれか、又はこれらの合金等であることが好ましく、反射性等の観点から、銀、白金、アルミニウム、ロジウム、金又はこれらの合金等であってもよい。
【0018】
発光装置100Aが備えるディスプレイ用基板10Aは、配線4Aの上部と光反射性部材6の上面までの距離が上面1aから下面2aまでの距離の60%を超えず、かつ、50μm以上である。つまり、接続端子2Aは、光反射性部材6から露出する接続端子2Aの上部から垂直方向に少なくとも50μmの長さを有している。そして、接続端子2Aに直交して連続する配線4Aは、ディスプレイ用基板10Aの上面1aと下面2aとの間で光反射性部材6に覆われて、上面1aと略平行となるように配置されている。このように、発光装置100Aは、上面1aから配線4Aまで光反射性部材6の厚みが50μm以上と厚いため、発光素子10からディスプレイ用基板10Aに向かう光が配線4Aに吸収されることを抑制することができる。
【0019】
また、本実施形態のディスプレイ用基板10Aを備える発光装置100Aは、ディスプレイ用基板10A自体に配線4Aが埋め込まれるので、薄型であり、光取り出し効率が向上する。
さらに、接続端子2Aの長さを50μm以上65μm以下の範囲で調整することで、配線4Aの上部の光反射性部材6の表面までの厚みも、50μm以上65μm以下の範囲で調整することができる。配線4Aの上部からの光反射性部材6の表面までの厚みは、65μmを越えて大きくしても反射率は大きく変わらないので、発光装置100A全体の厚みが厚くなる割には光を反射する効果の向上が伴わない。そして、配線4Aの上部の光反射性部材6の厚みが50μm未満であると、発光素子10からの光が光反射性部材6を透過して配線4Aで吸収される虞がある。
【0020】
光反射性部材6は、光反射性樹脂6Aの場合、母材となる透光性樹脂に、光反射性物質の粒子を含有させた白色樹脂を用いることが好ましい。透光性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド 樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂を用いることができ、また、これらの樹脂を少なくとも一種以上含むハイブリッド樹脂等の樹脂を用いることができる。なかでも耐熱性、耐光性に優れるシリコーン樹脂を用いることが好ましく、ジメチルシリコーン樹脂を用いることがより好ましい。ジメチルシリコーン樹脂は、より高温耐性等の信頼性に優れる。光反射性物質としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、炭酸バリウム、硫酸バリウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、ガラスフィラーなどを好適に用いることができる。なお、光反射性物質は、スクリーン印刷で扱うことができる一般的な含有量で使用される。
【0021】
発光素子10は、公知のものを利用でき、例えば、発光ダイオードやレーザーダイオードを用いるのが好ましい。発光素子10は、主な光取り出し面となる上面を有し、光取り出し面と反対側の下面に極性の異なる一対の電極10aを有している。なお、発光素子10は、ここでは、一対の電極10aの間にこれらから離隔して放熱端子部10bを備えている。また、発光素子10は、任意の波長の光を発光するものを選択することができる。例えば、青色、緑色の光を発する素子としては、窒化物系半導体(InAlGa1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)、GaPを用いたものを用いることができる。さらに、赤色の光を発する素子としては、窒化物系半導体の他にもGaAlAs、AlInGaPなどを用いることができる。なお、発光素子10は、光取り出し面に蛍光体を含む波長変換層を設け、波長変換層を透過した光が白色等、任意の光として取出される構成であってもよい。発光素子10は、一例として、発光装置100Aにおいてディスプレイ用基板10Aに実装されて用いられるため、ディスプレイ用基板10Aで適した光を照射できるものが用いられる。
【0022】
なお、ディスプレイ用基板10Aでは、配線4Aが平面視で矩形枠状であり、その矩形枠状の枠内に光反射性部材6が充填された状態として説明したが、図2Aで示すような発光装置100Aaの構成であっても構わない。例えば、金属膜7Aを備える構成とすることができる。すなわち、発光装置100Aaが備えるディスプレイ用基板10Aaでは、矩形枠状の配線4Aの矩形枠内に金属膜7Aが、配線4Aと同じ厚みで同一平面状に、配線4Aから離隔して光反射性部材6に覆われた状態で配置されている。詳細には、ディスプレイ用基板10AAは、平面視で配線4Aに囲まれ、かつ、配線4Aから離隔して上面1aと下面2aとの間に設けられ、断面視で配線4Aと同じ高さ位置に形成された金属膜7Aを有する。金属膜7Aが配置されることで、ディスプレイ用基板10Aaの強度が向上し落下などにおける耐衝撃性に優れるとともに、放熱性が向上する。また、ディスプレイ用基板10Aaは、金属膜7Aが配置されることで、平坦性も向上することができる。そのため、発光装置100Aaは、金属膜7Aを有するディスプレイ用基板10Aaを使用することで、発光素子10の接続作業がやりやすくなり取扱い性及び信頼性を向上することができる。金属膜7Aは、配線4Aから離隔して配置されていればよく、平面視形状は特に限定しない。なお、金属膜7Aの上面には、配線4Aと同様に、光反射性部材6が50μm以上の厚みで配置されているので、発光素子10からの光が金属膜7Aに吸収されることを抑制することができる。
【0023】
発光装置100Aの下面2aは、一例として、光反射性部材6として光反射性樹脂6Aが配置されることとして説明したが、下面2aは光反射性シート8(図10C参照)であっても構わない。つまり、光反射性部材6は光反射性樹脂6A又は光反射性シート8を含んでいてもよい。光反射性シート8は、母材となる透光性樹脂に、光反射性物質を含有させた白色樹脂を用いることが好ましい。透光性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂を用いることができ、また、これらの樹脂を少なくとも一種以上含むハイブリッド樹脂等の樹脂を用いることができる。光反射性物質としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、炭酸バリウム、硫酸バリウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、ガラスフィラーなどを好適に用いることができる。なお、光反射性物質は、フィルム状態を維持することができる一般的な含有量で使用され、製造工程においては、白色樹脂はBステージ状態のような半硬化状態であることが好ましい。光反射性シート8は、加熱加圧により本硬化されるが、本実施形態では、100℃以上150℃以下、30分以下、0Pa以上1MPa以下という、比較的低温で短時間、低圧力における処理であるため、ディスプレイ用基板10Aの反りが低減できる。本実施形態では、配線4Aの下部に光反射性シート8を配置して発光装置100Aの下面2aとすると、下面2aが光反射性樹脂6Aの場合と比較して硬化させる手間が省ける場合がある。
【0024】
さらに、図2B及び図10Cに示すように、ディスプレイ用基板10A、10Aa及び発光装置100A、100Aaにおいて、金属膜7Aの有無にかかわらず、放熱端子3Bの下部(下面)3B1を光反射性部材6である光反射性樹脂6Aの下面又は光反射性シート8の下面と同一平面として、光反射性部材6から露出させた構成としても構わない。つまり、下面2aは、光反射性樹脂が配置され、放熱端子3Bの表面と光反射性樹脂の下部とが同一平面で形成されていてもよいし、下面2aは、光反射性シートが配置され、放熱端子3Bの表面と光反射性シートの表面とが同一平面で形成されていてもよい。これにより、ディスプレイ用基板10A、10Aaの放熱性を高めることができる。
【0025】
次に、第1実施形態に係る発光装置100Aの製造方法について、図3図4A図4K図5A図5Dを参照して説明する。図3は、第1実施形態に係る発光装置の製造方法を示すフローチャートである。図4A図4Kは、第1実施形態の発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。図5Aは、第1エッチング工程を行った金属箔の状態を模式的に示す斜視図である。図5Bは、第1充填工程を行った状態を模式的に示す斜視図である。図5Cは、第2被膜形成工程でレジスト膜を金属箔に配置した状態を模式的に示す斜視図である。図5Dは、第2エッチング工程を行った金属箔の状態を模式的に示す斜視図である。
【0026】
図3において、第1被膜形成工程S11~光反射性部材形成工程S16までがディスプレイ用基板の製造方法S10Aとなり、第1被膜形成工程S11~接続工程S17までが発光装置の製造方法S20Aとなる。なお、発光装置の製造方法S20Aとして、発光装置100Aが、一対の接続端子2Aと放熱端子3Aとを有する発光素子10を16個備えることとして説明するが、図4A図4Kにおいては、一対の接続端子2A及び放熱端子3Aの拡大部分を示す断面図を用いて説明する。
【0027】
ディスプレイ用基板の製造方法S10は、予め設定した配線パターン及び少なくとも2つの接続端子2Aが形成されるように金属箔1Aの第1面1A1にレジスト膜11を配置する第1被膜形成工程S11と、少なくとも2つの接続端子2Aを通り、かつ第1面1A1に交差する方向の断面視において、レジスト膜11を介して金属箔1Aの第1面1A1側に複数の凹部14を形成するように金属箔1Aの第1面1A1側をエッチングして配線パターンの配線4Aの上部と、接続端子2Aの上部を含む凸部12と、を形成する第1エッチング工程S12と、金属箔1Aの第1面1A1側の凹部14に光反射性樹脂6Aを充填する第1充填工程S13と、金属箔1Aの第1面1A1側にレジスト膜11を配置すると共に、凸部12が形成された位置の反対側の位置、及び、配線パターンの位置の反対側の位置の第2面1A2にレジスト膜11を配置する第2被膜形成工程S14と、配線パターンの配線4Aが形成され、かつ、金属箔1Aの第1面1A1側の凹部14に充填した光反射性樹脂6Aに到達する金属箔1Aの第2面1A2側の凹部24を形成するように、金属箔1Aの第2面1A2側をエッチングする第2エッチング工程S15と、金属箔1Aの第2面1A2側の凹部24に光反射性樹脂6Aを充填すると共に、配線4Aを光反射性樹脂6A又は光反射性シート8で覆う光反射性部材形成工程S16と、を含む。
【0028】
また、第1被膜形成工程S11は、さらに、少なくとも2つの接続端子2Aの間に接続端子2Aから離隔して放熱端子3Aが形成されるように金属箔1Aの第1面1A1側にレジスト膜11を配置してもよい。そして、第1エッチング工程S12は、さらに、レジスト膜11を介して金属箔1Aの第1面1A1側に凹部14を形成するように金属箔1Aの第1面1A1側をエッチングし、金属箔1Aの第1面1A1側の隣り合う凹部14の間の凸部13により放熱端子3Aの上部を形成してもよい。また、第1充填工程S13の後に、充填した光反射性樹脂6Aと凸部12(接続端子12),13(放熱端子13)とを同一平面となるように研磨あるいは研削する研磨工程を行ってもよい。さらに、発光装置の製造方法S20Aとして、ディスプレイ用基板の製造方法S10で製造したディスプレイ用基板を用いて、接続端子2Aに発光素子10の電極10aを接合する接続工程S17を含んでもよい。詳細には、光反射性部材形成工程S16の後に接続工程S17を行ってもよい。
【0029】
第1被膜形成工程S11の前に、まず金属箔1Aを準備する工程を備える。
第1被膜形成工程S11は、予め設定した配線パターン及び少なくとも一対の接続端子2Aが形成されるように銅からなる金属箔1Aの第1面1A1にレジスト膜11を配置する工程である。第1被膜形成工程S11では、金属箔1Aの第1面1A1に第1被覆膜としてレジスト膜11を形成し、金属箔1Aは、後に加工されて配線4Aと接続端子2Aになる。また、第1被膜形成工程S11では、一対の接続端子2Aの間に離隔して放熱端子3Aが形成されるようにレジスト膜11を配置すると共に、第1面1A1に対向する金属箔1Aの第2面1A2の全面にもレジスト膜11を配置している。第1被膜形成工程S11では、例えば、金属箔1Aの第1面1A1及び第2面1A2にドライフィルムであるレジスト膜11を形成する。レジスト膜11は、一例として、マスクを介して露光されることで、予め設定された配線パターンとなるように形成される。例えば、レジスト膜11は、一対の接続端子2Aの一方から他の一対の接続端子2Aの一方までを接続し、かつ、一対の接続端子2Aの他方から他の一対の接続端子2Aの他方までを接続する配線4Aが平面視で略矩形状となるように、略矩形の領域が12できるように配置される(図1B参照)。なお、第1被膜形成工程S11では、配線パッド5Aが形成される位置にもレジスト膜11が配置されることになる。
【0030】
第1エッチング工程S12は、少なくとも2つの接続端子2Aを通り、かつ第1面1A1に交差する方向の断面視において、レジスト膜11を介して金属箔1Aの第1面1A1側に複数の凹部14を形成するように金属箔1Aの第1面1A1側をエッチングして配線パターンの配線4Aの上部と、接続端子2Aの上部を含む凸部12と、を形成する工程である。第1エッチング工程S12は、例えば、酸性又はアルカリ性の溶液の腐食性を利用するウエットエッチングを行うことができる。溶液としては、例えば、等方性エッチング溶液を用いる。また、第1エッチング工程S12は、さらに、レジスト膜11を介して金属箔1Aの第1面1A1側に凹部14を形成するように金属箔の第1面側をエッチングし、金属箔の第1面側の隣り合うレジスト膜11の間の凸部13により放熱端子3Aの上部を形成するようにしている。このとき凸部12、凹部14が所定の寸法になるように、ウエットエッチングする金属膜1Aの搬送速度、上記溶液のスプレー圧、エッチング処理中の揺動周期、循環速度などを適宜調整して行う。必要に応じて異方性エッチング溶液に替えて、これを、濃度を調整して用いてもよい。
【0031】
図4C及び図5Aに示すように、第1エッチング工程S12では、金属箔1Aをエッチング処理して凹部14を形成することにより、接続端子2Aとなる予定の一対の凸部12、12と、放熱端子3Aとなる予定の凸部13とを形成する。また、凹部14の一部が配線4Aの上部となる。例えば、第1エッチング工程S12では、金属箔1Aの第1面1A1が50μmの厚み分エッチング処理されることでレジスト膜11が被膜されていない金属箔1Aの第1面1A1に凹部14が形成される。なお、一対の配線パッド5Aの部分は、接続端子2Aと同様に凸部となっている。本明細書において、凹部とは、第1面1A1に交差する方向の断面視において、光反射性部材6、配線4A及び金属膜7Aのそれぞれの形状や位置の関係により、見かけ上、底面と側面とを有するような凹部のことを示す場合がある。凹部14の底面は、金属箔1Aのエッチング処理により形成された、凸部12,凸部13等の上部より低い位置にある面のことを言う。また、複数の凹部とは、凸部12と凸部13を通り、かつ第1面1A1に交差する方向の断面視において、隣り合う凸部に挟まれた凹んでいる部分が複数あることを示す場合がある。なお、第1エッチング工程S12で用いられたレジスト膜11は、第1エッチング工程S12が終了すると除去される。
【0032】
図4D図4E及び図5Bに示すように、第1充填工程S13は、金属箔1Aの第1面1A1側の凹部14に光反射性樹脂6Aを充填する工程である。第1充填工程S13では、例えば、母材となるシリコーン樹脂に、光反射性物質を含有させた白色樹脂を凹部14内に充填している。第1充填工程S13では、、一例として、塗布、あるいは、スクリーン印刷により光反射性樹脂6Aを凹部14内に充填している。凹部14に充填される光反射性樹脂6Aは、凸部12,凸部13の高さ(長さ)と同じ高さで同一平面になるように充填されることが好ましい。
【0033】
なお、第1充填工程S13では、さらに、凸部12(言い換えると接続端子2A)の上部と光反射性樹脂6Aの上面とが同一平面になるように表面研磨する研磨工程を行うことがより好ましい。この研磨工程を行うことで、接続端子2Aの上部、放熱端子3Aの上部(上面)が光反射性樹脂6Aから確実に露出して発光素子10の電極10a、放熱端子部10bとの接続を容易に行うことができる。なお、一対の配線パッド5Aの周囲にも光反射性樹脂6Aが充填された状態となっているため、同様に研磨工程を行うことで配線パッド5Aも接続端子2A及び放熱端子3Aと同様に光反射性樹脂6Aから確実に露出させることができる。
【0034】
図4F図4G及び図5Cに示すように、第2被膜形成工程S14は、金属箔1Aの第1面1A1側にレジスト膜11を配置すると共に、凸部12、凸部13が形成された位置の反対側の位置、及び、配線パターンの配線4Aの位置の反対側の位置の第2面1A2にレジスト膜11を配置する工程である。第2被膜形成工程S14では、金属箔1Aの第1面1A1に第2被覆膜としてレジスト膜11を形成する。第2被膜形成工程S14では、第1面1A1の全面にレジスト膜11を配置して、第2面1A2側のみがエッチングされるようにしている。なお、一対の配線パッド5Aに対向する第2面1A2にもレジスト膜11は配置され、配線パッド5Aに連続する接続配線4A1、4A2に対向する位置にもレジスト膜11が配置される。第2被膜形成工程S14は、一例として、ドライフィルムが第2面1A2に設けられ、予め設定されたパターンになるようにマスクを介して露光することでレジスト膜11が配置される。
【0035】
図4H及び図5Dに示すように、第2エッチング工程S15は、配線パターンの配線4Aが形成され、かつ、金属箔1Aの第1面1A1側の凹部14に充填した光反射性樹脂6Aに到達する金属箔1Aの第2面1A2側の凹部24(以下、第2凹部と称することもある)を形成するように、金属箔1Aの第2面1A2側をエッチングする工程である。この第2エッチング工程S15を行うことで、金属箔1Aの配線4A以外の部分で、第1充填工程S13で充填している光反射性樹脂6Aに到達するように金属箔1Aのエッチング処理が行われ、これにより金属箔1Aが配線パターンに合わせて分離されて、配線4Aが形成される。この凹部24は、接続端子2Aと放熱端子3Aとが離隔するようにエッチングされた部分である。このとき凹部24が所定の寸法になるように、等方性エッチング溶液を用いてウエットエッチングされる金属箔1Aの搬送速度、溶液のスプレー圧、エッチング処理中の揺動周期、循環速度などを適宜調整して行う。必要に応じて異方性エッチング溶液に替えて、これを、濃度を調整して用いてもよい。また、第2面1A2側からエッチング溶液をスプレーして、凹部24にエッチング溶液が滞留するのを防ぐことが好ましい。
【0036】
第2エッチング工程S15では、接続端子2A、放熱端子3A,配線4A以外の部分の金属箔1Aがエッチング処理される。これにより、配線4Aが形成されるとともに、一対の接続端子2Aと、その間で離隔する放熱端子3Aとが光反射性樹脂6Aを挟んで並んだ状態で形成される。
また、第2エッチング工程S15により金属箔1Aの第2面1A2側がエッチング処理されることで、第2面1A2側に凹部24が形成されるとともに、配線4A、接続端子2A及び放熱端子3Aで囲まれる領域ごとに、第2面1A2から配線4Aの厚み分だけエッチングされた凹部34(以下、第3凹部又は領域凹部と称することもある)も形成される。なお、配線パッド5Aの部分は、第2エッチング工程S15で接続端子2Aと同じタイミングで形成されることになる。
第2エッチング工程S15で用いられたレジスト膜11は、第2エッチング工程S15が終了後、除去される。なお、第2エッチング工程S15が終了して第1面1A1側から第2エッチング工程S15で用いられたレジスト膜11が除去されることで、ディスプレイ用基板10Aの上面1aが形成されることになる。
【0037】
図4I及び図4Jに示すように、光反射性部材形成工程S16は、金属箔1Aの第2面1A2側の凹部24及び凹部34に光反射性樹脂6Aを充填すると共に、配線4Aを光反射性樹脂6Aで覆う工程である。図4I及び図4Jでは配線4Aを光反射性樹脂6Aで覆っている形態としているが、配線4Aを光反射性シート8で覆ってもよい。光反射性部材形成工程S16は、一例として、金属箔1Aの第2面1A2側の凹部24及び凹部34に、一定の厚みとなるように光反射性樹脂6Aを充填する。光反射性樹脂6Aは、第2面1A2において、接続端子2Aの下面、放熱端子3Aの下面、接続配線4A1、4A2を含む配線4Aの下面、及び、第1充填工程S13により充填され第2面1A2側に露出している光反射性樹脂6Aを覆うように充填される。そして、光反射性部材形成工程S16では、充填した光反射性樹脂6Aが同一平面となるように形成される。
【0038】
光反射性樹脂6Aは、第1充填工程S13と同様に、スクリーン印刷等により、接続端子2Aの下面、放熱端子3Aの下面、配線4Aの下面を覆うように、凹部24及び凹部34に充填された光反射性樹脂6Aを同一平面に形成することで、ディスプレイ用基板10Aの下面2aとする。凹部24に隙間なく光反射性樹脂6Aを充填するために、印刷スキージは実効角度を小さくし、複数回の印刷動作や吐出量の大きいスクリーン版を使用することが好ましい。なお、光反射性部材形成工程S16では、光反射性樹脂6Aで覆った後に、研磨工程を行ってもよい。
【0039】
ディスプレイ用基板の製造方法S10Aでは、第1エッチング工程S12及び第1充填工程S13により金属箔1Aの第1面1A1を加工し、第2エッチング工程S15及び光反射性部材形成工程S16により金属箔1Aの第2面1A2を加工するようにして、ディスプレイ用基板10Aが形成される。本実施形態では、加熱加圧が必須ではないため、ディスプレイ用基板10Aでは、配線4Aの上部から光反射性樹脂6A(光反射性部材6)の表面までの距離を50μm以上として形成しても、偏った残留応力が残りにくく、反りや歪みがほとんど発生することがない。また、ディスプレイ用基板10Aは配線4Aが光反射性部材6から透けて見えにくいので、配線4Aにより光を吸収されにくい。
【0040】
なお、発光装置の製造方法S20Aとして、光反射性部材形成工程S16の後に、接続工程S17が行われる。
図4Kに示すように、接続工程S17は、接続端子2Aに発光素子10の電極10aを接続する工程である。発光素子10は、ここでは、一例として、平面視が正方形の直方体が使用される。発光素子10は、平面視で下面の中央に放熱端子部10bが配置され、対角線上に、放熱端子部10bを挟んで、一対の電極10aが配置されている。発光素子10が放熱端子部10bを有する場合、接続工程S17では、ディスプレイ用基板10Aの一対の接続端子2Aと、発光素子10の一対の電極10aとを電気的に接続し、かつ、ディスプレイ用基板10Aの放熱端子3Aと、発光素子10の放熱端子部10bとを接続する。なお、接続工程S17では、半田等の導電性接着部材を用いて接続作業を行ってもよい。導電性接着部材は、金、銀、銅等のバンプ、銀、金、銅、プラチナ、アルミニウム、パラジウム等の金属粉末と樹脂バインダとを含む金属ペースト、錫-ビスマス系、錫-銅系、錫-銀系、金-錫系等の半田、低融点金属等のろう材のうちの少なくとも1つを用いることができる。
【0041】
発光装置100Aは、ディスプレイ用基板10Aの光反射性部材6が配線4Aが見えにくい厚みとなる50μm以上で配置されているので、発光素子10が発光して光を照射するときに、光反射性部材6側に向かう光が配線4Aにより吸収されることがない。そのため、発光装置100Aでは、発光素子10から直接照射される光と、ディスプレイ用基板10Aの光反射性部材6による反射する光により、光取り出し効率を向上させることが可能となる。
なお、発光装置100A及びディスプレイ用基板10Aでは、光反射性部材形成工程S16において、金属箔1Aの第2面1A2側の凹部24及び凹部34に光反射性樹脂6Aを充填すると共に、配線4Aを光反射性シート8で覆うこととしても構わない。光反射性シート8を使用する場合には、配線4Aの下面、接続端子2Aの下面、放熱端子3Aの下面と同じ高さになるように凹部34と矩形枠状の領域に対応する凹部24とに光反射性樹脂6Aを充填して同一平面とした後に、光反射性シート8を配置することとなる。光反射性シート8は、一面側に接着材を介して第2面1A2側に配置される。光反射性樹脂6Aの代わりに、光反射性シート8を使用することで、光反射性樹脂6Aと同等以上で光取り出し効率を向上させることができる。
【0042】
次に、第1実施形態のディスプレイ用基板10Aの製造方法S10A及び発光装置100Aの製造方法S20Aの応用例について図6A及び図6Bを参照して説明する。図6Aは、図2Aで示す発光装置の製造方法において第2被膜形成工程でレジスト膜を配置した状態を模式的に示す斜視図図である。図6Bは、図6Aの状態で第2エッチング工程を行った金属箔の状態を模式的に示す斜視図である。この応用例では、第2被膜形成工程S14と、第2エッチング工程S15とを以下のようにしている。すなわち、第2被膜形成工程S14は、さらに、平面視において形成予定の配線パターンで囲まれる領域に配線パターンから離隔してレジスト膜11を配置する。
第2被膜形成工程S14では、矩形枠状に形成される予定の配線4Aの配線パターンの矩形枠内側の各領域にレジスト膜11をさらに配置する。ここでは、配線パターンの内側に配線パターンから離隔して平面視で矩形のレジスト膜11がそれぞれ配置される。
【0043】
第2エッチング工程S15は、さらに、平面視において配線パターンで囲まれる領域と配線パターンとの間に第1面1A1側の凹部14に充填された光反射性樹脂6Aに到達する第2面1A2側の凹部44(以下、第4凹部と称することもある)を形成するように金属箔1Aの第2面1A2側をエッチングする。言い換えると、枠状のレジスト膜11と枠内のレジスト膜11との間で、レジスト膜11から露出した金属箔1Aをエッチングする。
第2エッチング工程S15では、図6Bに示すように、エッチング処理されることで、所定の厚み及び幅(太さ)で配線4Aが形成され、接続端子2A,放熱端子3A、配線パッド5Aが形成されると共に、平面視で配線4Aで構成される矩形枠内にその配線4Aから離隔して金属膜7Aが形成される。金属膜7Aと、配線4Aとは、配線4Aに沿った溝状の凹部44を介して離隔して配置される。
【0044】
そして、光反射性部材形成工程S16において、凹部24と凹部44とに光反射性樹脂6Aを充填すると共に、第2面1A2側に露出している接続配線4A1、4A2を含む配線4Aの下部、接続端子2Aの下部、放熱端子3Aの下部、及び、金属膜7Aの下面を覆い、所定厚みとなるように光反射性樹脂6Aが配置されることで、ディスプレイ用基板10Aの下面2aが形成されることになる。ディスプレイ用基板の製造方法及び発光装置の製造方法の応用定において、その他の工程における作業状態は既に説明した通りである。
【0045】
金属膜7Aを配置したディスプレイ用基板10A及び発光装置100Aでは、光反射性樹脂6Aの代わりに光反射性シート8を用いる場合、第2面1A2の凹部24、凹部44に光反射性樹脂6Aを充填して第2面1A2を同一平面とし、その後、光反射性シート8を配置することとなる。
このように、配線4A等から構成される矩形枠内に配線4Aから離隔して金属膜7Aが光反射性樹脂6Aに覆われて配置されていることから、ディスプレイ用基板10A及び発光装置100Aとしての強度が向上する。また、落下等による耐衝撃性が向上する。また、光反射性部材6の上面、つまりディスプレイ用基板10Aの上面1aから金属膜7Aの上面までの距離が50μm以上となっているので、発光素子10からの光が金属膜7に吸収されるのを抑制することができる。
【0046】
つぎに、第2実施形態
に係るディスプレイ用基板の製造方法及び発光装置の製造方法について図7図8A図8N図9A及び図9Bを参照して説明する。図7は、第2実施形態に係る発光装置の製造方法を示すフローチャートである。図8A図8Nは、第2実施形態の発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。図9Aは、第2実施形態の中間被膜形成工程を行った状態を示す斜視図である。図9Bは、第2実施形態の中間エッチング工程を行った状態を示す斜視図である。なお、第1実施形態で既に説明した同じ工程について適宜説明を省略する場合がある。
発光装置の製造方法S20Bは、第1被膜形成工程S11、第1エッチング工程S12、第1充填工程S13、中間被膜形成工程S131、中間エッチング工程S132、第2被膜形成工程S14、第2エッチング工程S15、光反射性部材形成工程S16を含むディスプレイ用基板の製造方法S10Bと、接続工程S17とを含む。なお、発光装置の製造方法S20Bでは、第1充填工程S13と中間被膜形成工程S131との間に、研磨工程を行ってもよく、光反射性部材形成工程S16と接続工程S17との間に、研磨工程を行ってもよい。
【0047】
発光装置の製造方法S20Bでは、中間被膜形成工程S131及び中間エッチング工程S132を行うことで、放熱端子3Bの下部3B1を光反射性部材6の下面2aに露出させる。なお、放熱端子3Bの下部3B1とは、放熱端子3Bの発光素子10と反対側の端部のことである。
図7図8A図8Fに示すように、第1被膜形成工程S11、第1エッチング工程S12、第1充填工程S13は、既に説明したようにして行う。第1充填工程S13により金属箔1Aの第1面1A1にエッチングで形成された凹部14に光反射性樹脂6Aが充填された後に、研磨あるいは切削による研磨工程を行い光反射性樹脂6Aと金属箔1Aの第1面1A1とが同一平面となっている。
【0048】
次に、図8G及び図9Aに示すように、中間被膜形成工程S131を行う。中間被膜形成工程S131は、凸部13(放熱端子3A)に対応する金属箔1Aの第2面1A2の位置にレジスト膜11を配置すると共に、金属箔1Aの第1面1A1側にレジスト膜11を配置する工程である。また、図8Hに示すように、中間エッチング工程S132は、放熱端子3Aに対応する金属箔1Aの第2面1A2が突出するように金属箔1Aの第2面1A2側をエッチングする工程である。この中間被膜形成工程S131及び中間エッチング工程S132を行うことで、配線4Aの下部が形成されるとともに、図8G及び図8Hで示すように、放熱端子3Aとなる凸部13の第2面1A2側に配線4Aの下部から突出した突出部13bが形成される。
【0049】
その後、図8I乃至図8Mに示すように、第2被膜形成工程S14,第2エッチング工程S15、光反射性部材形成工程S16を行う。
第2被膜形成工程S14により、金属箔1Aの第1面1A1側にレジスト膜11を配置すると共に、凸部12、凸部13が形成された位置の反対側の位置、及び、配線パターンの位置の反対側の位置の第2面1A2にレジスト膜11を配置する。なお、ここでは、凸部12、凸部13が形成された位置の反対側の位置とは、接続端子2Aとなる凸部12の反対側(言い換えると第2面1A2側)の位置と、放熱端子3Aとなる凸部13が形成された反対側(言い換えると第2面1A2側)の位置である突出部13bの上面の位置と、である。
【0050】
そして、第2エッチング工程S15として、配線パターンの配線4Aが形成され、かつ、金属箔1Aの第1面1A1側の凹部14に充填した光反射性樹脂6Aに到達する金属箔1Aの第2面1A2側の凹部24を形成するように、金属箔1Aの第2面1A2側をエッチングする。この第2エッチング工程S15を行うことで、金属箔1Aの第2面1A2において、配線4Aを予め設定した厚み及び幅(言い換えると太さ)に形成すると共に、配線4Aの下部よりも第2面1A2側に突出する突出部13bを有する放熱端子3Bが形成され、一対の接続端子2Aも形成される。さらに、第2エッチング工程S15により、配線4Aが形成され、平面視で矩形枠形状の配線4Aの矩形枠内の金属箔1Aが除去される。
【0051】
光反射性部材形成工程S16では、第2面1A2の凹部24に光反射性樹脂6Aを充填して放熱端子3Bの下部(下面)3B1と略同一平面となるようにする。光反射性部材形成工程S16で光反射性樹脂6Aが充填されることで、ディスプレイ用基板10Bの下面2aが形成される。なお、光反射性部材形成工程S16を行った後に、研磨工程を行い、充填された光反射性樹脂6Aの表面と放熱端子3Bの下部とを同一平面としても構わない。続いて、接続工程S17が行われることで、ディスプレイ用基板10Bに発光素子10が接続されて発光装置100Bが製造される。
発光装置100Bでは、下面2aに放熱端子3Bの下部3B1が光反射性樹脂6Aと同一平面として露出するようになっている。この発光装置100Bは、既に説明した発光装置100Aよりも放熱性に優れる。
【0052】
次に、第2実施形態のディスプレイ用基板の製造方法S10B及び発光装置の製造方法S20Bの応用例について図10A乃至図10C、並びに、図11A及び図11Bを参照して説明する。図10A図10Cは、第2実施形態の製造方法の第1応用例を模式的に示す断面図である。図11A及び図11Bは、第2実施形態の製造方法の第2応用例を模式的に示す斜視図である。
第2実施形態の第1応用例では、図8K図8Mに代えて、図10A図10Bを行うことで、ディスプレイ用基板10Bの下面2aに光反射性シート8が配置され、放熱端子3Bの下部3B1が光反射性シート8から露出するように構成される。詳細には、配線4Aが光反射性シート8で覆われ、かつ、放熱端子3Bの下部3B1が光反射性シート8と同一平面になるように形成される。
【0053】
すなわち、第2エッチング工程S15の次に、光反射性部材形成工程S16として、金属箔1Aの第2面1A2に形成された凹部24に光反射性樹脂6Aをディスペンス装置等を使用して配線4Aの下部と同じ高さとなるように充填する。続いて、光反射性部材形成工程S16として、光反射性シート8を配線4A及び光反射性樹脂6Aを覆うように貼り付ける。この光反射性シートは、放熱端子3Bの下部3B1が露出するように、所定位置に貫通孔が形成されていることが好ましい。この光反射性部材形成工程S16を行うことで、ディスプレイ用基板10Bを形成している。その後、既に説明した接続工程S17を行って発光素子10を接続することで、発光装置100Bを作製する。
【0054】
次に、第2実施形態の第2応用例を説明する。第2実施形態の第2応用例では、図11A及び図11Bに示すように、第2被膜形成工程S14と、第2エッチング工程S15とを以下のようにしている。すなわち、第2被膜形成工程S14において、金属箔1Aの第1面1A1側にレジスト膜11を配置すると共に、凸部12、凸部13が形成された位置の反対側の位置、及び、配線パターンの位置の反対側の位置、並びに、平面視において配線パターンで囲まれる領域の第2面1A2にレジスト膜11を配置する。
第2被膜形成工程S14では、配線4Aの配線パターンの矩形枠の内側の各領域にレジスト膜11をさらに配置する。ここでは、形成予定の配線4Aの枠内側に配線4Aから離隔した矩形のレジスト膜11がそれぞれ配置される。
【0055】
そして、第2エッチング工程S15は、配線パターンの配線4Aを形成するとともに、金属箔1Aの第1面1A1側の凹部14に充填した光反射性樹脂6Aに到達するように金属箔1Aの第2面1A2側をエッチングする。これにより、金属箔1Aの第2面1A2側の凹部24と、配線4Aに沿う凹部44が形成される。つまり、凹部24及び凹部24は、金属箔1Aの第2面1A2がエッチングされることで、深さの等しい一体の凹部となっている。これにより、図11Bで示すように、矩形枠状の配線4Aの枠内側の領域に金属膜7Aが配線4Aから離隔して形成され、金属膜7Aと配線4Aとの間に、配線4Aに沿う溝状の凹部44(第4凹部)が形成される。また、放熱端子3Bが一対の接続端子2Aから離隔するように形成される。
第2エッチング工程S15では、エッチング処理されることで、配線4Aが所定の厚み及び幅(太さ)になり、接続端子2A,放熱端子3B、配線パッド5Aが形成される。また、配線4Aの矩形枠内にその配線4Aから離隔して金属膜7Aが形成される。金属膜7Aと、配線4Aとは、溝状の凹部44を介して離隔して配置される。
【0056】
そして、光反射性部材形成工程S16において、凹部24及び凹部44に光反射性樹脂6Aを充填すると共に、第2面1A2側に露出している配線4Aの下部、接続端子2Aの下部、及び、金属膜7Aの下面を覆い、放熱端子3Bの下部3B1が露出するように、所定厚みとなるように光反射性樹脂6A、あるいは、光反射性シート8が配置されることで、ディスプレイ用基板10Bの下面2aが形成されることになる。
第2実施形態のディスプレイ用基板の製造方法及び発光装置の製造方法の応用例1及び応用例2において、その他の工程における作業状態は既に説明した通りである。
このように、矩形枠状に形成されている配線4Aの矩形枠内に配線4Aから離隔して金属膜7Aが光反射性樹脂6Aに覆われて配置されていることから、ディスプレイ用基板10B及び発光装置100Bとしての強度が向上する。また、金属膜7Aにより放熱性にも優れる。
【0057】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係るディスプレイ用基板及び発光装置の製造方法について、図12図13A図13Hを参照して説明する。図12は、第3実施形態に係る発光装置の製造方法を示すフローチャートである。図13A図13Hは、第3実施形態の発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。なお、既に説明した工程は、適宜省略する場合がある。第3実施形態に係るディスプレイ用基板及び発光装置の製造方法は、第1実施形態及び第2実施形態に係るディスプレイ用基板及び発光装置の製造方法とは、2回あるいは3回行うエッチング工程を、金属箔1Aの第1面1A1側から行っている点が異なっている。
【0058】
第3実施形態に係るディスプレイ用基板の製造方法S10Cは、予め設定した配線パターン及び少なくとも2つの接続端子2Aが形成されるように金属箔1Aの第1面1A1にレジスト膜11を配置すると共に金属箔1Aの第1面1A1の反対側の第2面1A2に光反射性部材を設ける第1被膜形成工程S21と、少なくとも2つの接続端子2Aを通り、かつ第1面1A1に交差する方向の断面視において、レジスト膜11を介して金属箔1Aの第1面1A1側に複数の凹部14を形成するように金属箔1Aの第1面1A1側をエッチングして配線パターンの配線4Aの上部と、接続端子2Aの上部を含む凸部12と、を形成する第1エッチング工程S22と、金属箔1Aの第1面1A1側の凸部12の位置と配線パターンに対応する金属箔1Aの第1面1A1側の凹部14の位置とにレジスト膜11を配置する第2被膜形成工程S23と、配線パターンの配線4Aが形成され、かつ、光反射性部材6に到達するように、金属箔1Aの第1面1A1側をエッチングする第2エッチング工程S24と、光反射性部材6及び配線4Aを覆うように第1面1A1側に光反射性樹脂6Aを充填する第2充填工程S25と、を含む。なお、発光装置の製造方法S20Cは、第2充填工程S25の後に接続工程S26を行うこととなる。また、第2充填工程S25と接続工程S26との間に研磨工程を行ってもよい。
【0059】
第1被膜形成工程S21は、さらに、少なくとも2つの接続端子2Aの間に接続端子2Aから離隔して放熱端子3Aが形成されるように金属箔1Aの第1面1A1にレジスト膜11を配置してもよい。また、第1エッチング工程S22は、さらに、レジスト膜11を介して金属箔1Aの第1面1A1側に凹部14を形成するように金属箔1Aの第1面1A1側をエッチングし、金属箔1Aの第1面1A1側の隣り合う凹部14の間の凸部13により放熱端子3Aの上部を形成してもよい。
【0060】
図12図13A図13Bに示すように、第1被膜形成工程S21は、予め設定した配線パターン及び少なくとも2つの接続端子2Aが形成されるように金属箔1Aの第1面1A1にレジスト膜11を配置すると共に金属箔1Aの第1面1A1の反対側の第2面1A2に光反射性部材6を設ける工程であり、本実施形態では光反射性部材6として光反射性シート8を貼り付ける。第1被膜形成工程S21では、金属箔1Aの第1面1A1に、レジスト膜11を貼り付けて、マスクを介して露光することで、予め設定した配線パターンとなるレジスト膜11を配置する。そして、第1被膜形成工程S21では、金属箔1Aの第2面1A2の全面に光反射性シート8が配置される。光反射性シート8は、金属箔1Aの第2面1A2に接着部材等を介して全面に貼り付けられる。なお、第1被膜形成工程S21では、一対の接続端子2Aの間にこれらと離隔した放熱端子3Aが形成されるように、金属箔1Aの第1面1A1側にレジスト膜11が配置される。
【0061】
図13Cに示すように、第1エッチング工程S22は、レジスト膜11を介して金属箔1Aの第1面1A1側に凹部14を形成するように金属箔1Aの第1面1A1側をエッチングして配線パターンの配線4Aの上部と、接続端子2Aの上部を含む凸部12と、を形成する工程である。第1エッチング工程S22を行うことで、金属箔1Aの第1面1A1側に接続端子2Aの一部となる凸部12及び放熱端子3Aの一部となる凸部13を形成し、金属箔1Aの第1面1A1に凸部12、凸部13以外の部分を凹部14として形成する。また、金属箔1Aは、エッチングされることで配線4Aの上部が形成されることになる。
【0062】
図13Dに示すように、第2被膜形成工程S23は、金属箔1Aの第1面1A1側の凸部12、凸部13の位置と配線パターンに対応する金属箔1Aの第1面1A1側の凹部14の位置とにレジスト膜11を配置する工程である。第2被膜形成工程S23では、第1エッチング工程S22でエッチングして形成した凹部14(言い換えると厚みを薄くした金属箔1A)をさらにエッチングする。詳細には、接続端子2Aになる凸部12の上面(上部)及び側面と、放熱端子3Aになる凸部13の上面(上部)及び側面と、配線4Aの配線パターン及び配線パッド5Aとなる金属箔1Aの位置に、マスクを介して露光することでドライフィルム等のレジスト膜11を配置し、エッチングする。金属箔1Aが凸部12、凸部13を含むため、ドライフィルム等のレジスト膜11が金属箔1Aときちんと接するように、レジスト膜11は、適切なフィルム厚みを選択し、真空ラミネーターなどで減圧した状態で形成することが好ましい。
【0063】
図13Eに示すように、第2エッチング工程S24は、配線パターンの配線4Aが形成され、かつ、光反射性シート8に到達して露出するように、金属箔1Aの第1面1A1側をエッチングする工程である。第2エッチング工程S24により、接続端子2A、放熱端子3A、配線4A、配線パッド5A以外の金属箔1Aの部分がエッチングされる。つまり、第1エッチング工程S22で形成された凹部14の深さがさらに深くなり、その底面が光反射性シート8に到達する。言い換えると光反射性シート8の一部が凹部14の底面になる。このとき放熱端子3Aおよび隣接する凹部14が所定の寸法になるように、等方性エッチング溶液を用いて、ウエットエッチングする金属箔1Aの搬送速度、溶液のスプレー圧や揺動周期などを適宜調整して行うことが好ましい。必要に応じて異方性エッチング溶液に替えて、これを、濃度を調整して用いてもよい。また、第1面1A1側からエッチング溶液をスプレーして、凹部14にエッチング溶液が滞留するのを防ぐことが好ましい。なお、第2エッチング工程S24を行った後は、第1面1A1側から見たとき、接続端子2A、放熱端子3A、接続配線4A1,4A2を含む配線4A、配線パッド5Aがない領域、つまり凹部14において、光反射性シート8が露出する状態となっている。
【0064】
図13F及び図13Gに示すように、第2充填工程S25は、光反射性シート8及び配線4Aを覆うように第1面1A1側に光反射性樹脂6Aを充填する工程である。第2充填工程S25で凹部14に光反射性樹脂6Aが充填される。詳細には、第2充填工程S25では、接続端子2Aの上部、放熱端子3Aの上部、配線パッド5Aの上面を除いて光反射性樹脂6Aがスクリーン印刷等により設けられる。なお、第2充填工程S25を行った後に、研磨工程をおこない、接続端子2Aの上部、放熱端子3Aの上部、配線パッド5A及び光反射性樹脂6Aが同一平面となるようにすることが好ましい。第2充填工程S25あるいは、第2充填工程S25及び研磨工程を行うことで、ディスプレイ用基板10Cが形成される。
【0065】
ディスプレイ用基板10Cでは、上面1aには、接続端子2Aの上部と、放熱端子3Aの上部と、配線パッド5Aの上面とが、光反射性樹脂6Aから露出している状態となっている。また、配線パッド5Aの下面2aには、光反射性シート8が配置されている。
次に、図13Hに示すように、発光装置の製造方法S20Cとして、第2充填工程S25につづいて、接続工程S26が行われる。接続工程S26は、接続端子2Aに発光素子10の電極10aを接続する工程である。接続工程S26では、既に説明した工程と同様ように、ディスプレイ用基板10Cの一対の接続端子2Aと、発光素子10の一対の電極10aとを電気的に接続する。また、ディスプレイ用基板10Cの放熱端子3Aと、発光素子10の放熱端子部10bとを接続する。
【0066】
発光装置100Cは、ディスプレイ用基板10Cの光反射性樹脂6Aが配線4Aを透過させない厚みとなる50μm以上で配置されているので、発光素子10が発光して光を照射するときに、光反射性樹脂6A側に向かう光が配線4Aにより吸収されることを抑制する。そのため、発光装置100Cでは、発光素子10から直接照射される光と、ディスプレイ用基板10Cの光反射性樹脂6Aによる反射する光により、光取り出し効率を向上させることが可能となる。
【0067】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態のディスプレイ用基板の製造方法S10D、及び、発光装置の製造方法S20Dについて、図14図15A図15Eを参照して説明する。図14は、第4実施形態に係る発光装置の製造方法を示すフローチャートである。図15A図15Eは、第4実施形態の発光装置の製造方法を模式的に示す断面図である。なお、第4実施形態のディスプレイ用基板の製造方法S10D及び発光装置の製造方法S20Dは、既に説明した第3実施形態のディスプレイ用基板の製造方法S10C及び発光装置の製造方法S20Cにおいて、第2充填工程S25の後に光反射性部材6を金属箔1Aの第2面1A2から剥離する剥離工程S251と、金属箔1Aの第2面1A2側の配線4Aを光反射性樹脂6Aで覆う光反射性部材形成工程S252とを行う。その後、接続工程S26を行っている。なお、剥離される光反射性部材6は、第1被膜形成工程S21で金属箔1Aの第2面1A2に配置されるものであり、例えば、光反射性シート8Dが挙げられる。これは、後の工程で剥離されることが前提となっているので、エッチング処理に対して変形しにくく、光反射性樹脂6Aに対して反発しにくい(言い換えると親和性のある)素材であることが好ましい。また、剥離するときに作業を容易にできるように、紫外線等の所定波長の光を照射することで剥離することができる接着部材を用いることが好ましい。
【0068】
シート剥離工程S251は、光反射性シート8Dを金属箔1Aの第2面1A2から剥離する工程である。一例として、第3実施形態の第1被膜形成工程S21で前記したように光反射性シート8D等を所定波長の光の照射により金属箔1Aと貼り合せるようにしているので、紫外線等の所定波長の光を照射して剥離する。
光反射性部材形成工程S252は、金属箔1Aの第2面1A2側の配線4Aを光反射性樹脂6Aで覆う工程である。光反射性部材形成工程S252は、金属箔1Aの第2面1A2に光反射性樹脂6Aを、一例として、スクリーン印刷により形成する。ここで使用される光反射性樹脂6Aは、第2充填工程S25で使用されている光反射性樹脂6Aと同一素材であることが好ましい。光反射性シート8Dを敢えて剥離し、光反射性樹脂6Aをスクリーン印刷などで形成することで、所望の厚みに仕上げることが可能となる。例えば、光反射性シート8Dよりも厚くしてディスプレイ用基板10Dの剛性を向上させることや、光反射性シート8Dよりも薄くして発光装置100Dの厚みを薄くすることなどである。この光反射性部材形成工程S252を行うことでディスプレイ用基板10Dが作製される。
【0069】
続いて、図15Eで示すように、既に説明した接続工程S26を行って発光素子10をディスプレイ用基板10Dに接続することで発光装置100Dを作製することができる。
作製されたディスプレイ用基板10D及び発光装置100Dでは、ディスプレイ用基板10Dの上面1aから配線4Aの上部までが厚み50μm以上の光反射性樹脂6Aにより覆われているため、発光素子10からの光を配線4Aで吸収されることが抑制されて光取り出し効率を向上させることができる。
【0070】
次に、第3実施形態、第4実施形態のディスプレイ用基板の製造方法S10C、S10D及び発光装置の製造方法S20C、S20Dの応用例について説明する。
ここで示す応用例は、既に図6A及び図6Bで説明したように、矩形枠形状の配線4Aの矩形枠内の領域に金属膜7Aを形成するものである。これら応用例はすなわち、第3実施形態及び第4実施形態において、図13Dで示す第2被膜形成工程S23が、さらに、平面視において配線パターンで囲まれる領域に配線パターンから離隔してレジスト膜11を配置し、第2エッチング工程S24が、さらに、領域と配線パターンとの間に光反射性部材6である光反射性シート8,8Dに到達する第1面1A1側の凹部14を形成するように金属箔1Aの第1面1A1側をエッチングする。
【0071】
つまり、図13Eで示すエッチング状態のときに、配線4Aで囲まれている領域には、金属膜7Aが配線4Aと同時に形成されることになる。そして、第2充填工程S25において、金属箔1Aの第1面1A1に光反射性シート8,8Dまで到達する凹部14に光反射性樹脂6Aを充填して図13Fあるいは図13Gの状態とすることでディスプレイ用基板の製造方法S10C、S10Dとすることができる。その後、接続工程S26を行うことや、シート剥離工程S251、光反射性部材形成工程S252、接続工程S26を行うことで発光装置の製造方法S20C、S20Dとすることができる。
また、第1実施形態~第4実施形態のディスプレイ用基板の製造方法、又は、発光装置の製造方法、において、放熱端子を接続端子と同じタイミングで形成することとして説明したが、接続端子のみを形成するようにしても構わない。
【符号の説明】
【0072】
1a 上面
2a 下面
10 発光素子
10a 電極
10b 放熱端子部
11 レジスト膜
12 凸部(接続端子)
13 凸部(放熱端子)
14 凹部(第1凹部)
24 凹部(第2凹部)
34 凹部(第3凹部:領域凹部)
44 凹部(第4凹部)
10A、10Aa ディスプレイ用基板
1A 金属箔
1A1 第1面
1A2 第2面
2A 接続端子
3A 放熱端子
4A 配線
5A 配線パッド
6 光反射性部材
6A 光反射性樹脂
7A 金属膜
8、8D 光反射性シート
100A、100Aa 発光装置
S10A、S10B、S10C、S10D ディスプレイ用基板の製造方法
S20A、S20B、S20C、S20D 発光装置の製造方法
S11、S21 第1被膜形成工程
S12、S22 第1エッチング工程
S13 第1充填工程
S14 第2被膜形成工程
S15、S24 第2エッチング工程
S16、S25 光反射性部材形成工程
S17、S26 接続工程
S25 第2充填工程
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図4I
図4J
図4K
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図8G
図8H
図8I
図8J
図8K
図8L
図8M
図8N
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図12
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図13F
図13G
図13H
図14
図15A
図15B
図15C
図15D
図15E