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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023053502
(43)【公開日】2023-04-13
(54)【発明の名称】流体紫外光処理装置
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/32 20230101AFI20230406BHJP
   A61L 9/20 20060101ALI20230406BHJP
【FI】
C02F1/32
A61L9/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021162571
(22)【出願日】2021-10-01
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】小野塚 克之
【テーマコード(参考)】
4C180
4D037
【Fターム(参考)】
4C180AA07
4C180DD03
4C180HH19
4C180HH20
4D037AA01
4D037AB03
4D037BA18
4D037BB06
(57)【要約】
【課題】流体に対する殺菌などの処理効果を高めることができる流体紫外光処理装置を提供すること。
【解決手段】流体紫外光処理装置は、第1方向に延びる第1流路を形成する第1流路部と、前記第1流路部の側方において前記第1流路部の外側に位置する光源配置部と、を有する実装部材と、前記光源配置部に配置され、前記第1方向に進む紫外光を出射する1または複数の光源と、前記第1流路に接続される第2流路を形成する第2流路部を有し、前記光源から出射された前記紫外光が前記第2流路に照射される流路管と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延びる第1流路を形成する第1流路部と、前記第1流路部の側方において前記第1流路部の外側に位置する光源配置部と、を有する実装部材と、
前記光源配置部に配置され、前記第1方向に進む紫外光を出射する1または複数の光源と、
前記第1流路に接続される第2流路を形成する第2流路部を有し、前記光源から出射された前記紫外光が前記第2流路に照射される流路管と、
を備える流体紫外光処理装置。
【請求項2】
前記流路管は、前記第2流路の側方において前記第2流路の外側に位置し、前記第1方向に延びる導光部材を有し、
前記導光部材は、前記第1方向において前記光源の光出射面に対向する光入射面と、前記第2流路の外側面に設けられる光取り出し面と、前記光取り出し面の外側に位置し前記光取り出し面に対向する反射面と、を有する請求項1に記載の流体紫外光処理装置。
【請求項3】
前記導光部材は、前記光取り出し面に配置された光拡散部を有する請求項2に記載の流体紫外光処理装置。
【請求項4】
前記流路管は、前記第1方向において前記光源の光出射面に対向する光透過部材と、前記流路管の側面に配置され、前記第2流路部に接続する開口部と、を有する請求項1に記載の流体紫外光処理装置。
【請求項5】
前記第1方向から見て、前記光源配置部は前記第1流路部のまわりを囲み、
前記光源配置部に複数の前記光源が配置される請求項1~4のいずれか1つに記載の流体紫外光処理装置。
【請求項6】
前記実装部材は、金属部材である請求項1~5のいずれか1つに記載の流体紫外光処理装置。
【請求項7】
前記実装部材は、前記第1流路に位置するフィンを有する請求項1~6のいずれか1つに記載の流体紫外光処理装置。
【請求項8】
前記流路管は、前記実装部材に対して着脱自在である請求項1~7のいずれか1つに記載の流体紫外光処理装置。
【請求項9】
前記実装部材は、前記第1流路部において、前記流路管の反対側で他の流路管に接続する請求項1~8のいずれか1つに記載の流体紫外光処理装置。
【請求項10】
前記光源は、第1光源と第2光源とを有し、
前記第1光源の光出射面と前記第2光源の光出射面は、前記第1方向において互いに逆方向に向いている請求項9に記載の流体紫外光処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、流体紫外光処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、第1の流路を形成する流路部材と、第1の流路に流れる流体に紫外線を照射する光源とを有し、光源の紫外線を発する方向および第1の流路を流れる流体の流れる方向が略対向している流体殺菌装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6458779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、流体に対する殺菌などの処理効果を高めることができる流体紫外光処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様によれば、流体紫外光処理装置は、第1方向に延びる第1流路を形成する第1流路部と、前記第1流路部の側方において前記第1流路部の外側に位置する光源配置部と、を有する実装部材と、前記光源配置部に配置され、前記第1方向に進む紫外光を出射する1または複数の光源と、前記第1流路に接続される第2流路を形成する第2流路部を有し、前記光源から出射された前記紫外光が前記第2流路に照射される流路管と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、流体に対する殺菌などの処理効果を高めることができる流体紫外光処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態の流体紫外光処理装置の断面図である。
図2図1のII-II線における断面図である。
図3】第2実施形態の流体紫外光処理装置の断面図である。
図4】第3実施形態の流体紫外光処理装置の断面図である。
図5】第4実施形態の流体紫外光処理装置の断面図である。
図6図5のVI-VI線における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照し、実施形態について説明する。各図面中、同じ構成には同じ符号を付している。なお、各図面は、実施形態を模式的に示したものであるため、各部材のスケール、間隔若しくは位置関係などが誇張、又は部材の一部の図示を省略する場合がある。また、断面図として、切断面のみを示す端面図を示す場合がある。
【0009】
[第1実施形態]
図1に示すように、第1実施形態の流体紫外光処理装置1は、実装部材10と、1または複数の光源40と、流路管20とを備える。
【0010】
<実装部材>
実装部材10は、第1流路部11と、光源配置部12とを有する。実装部材10は、例えば、金属部材である。第1流路部11と光源配置部12は一体に形成されている。または、第1流路部11と光源配置部12は別体であってもよい。
【0011】
第1流路部11は、第1方向d1に延びる第1流路11aを形成する。第1流路11aは、液体や気体などの流体が流れる経路となり得る。第1流路部11は例えば円筒部であり、円筒部の内側が第1流路11aとなる。
【0012】
光源配置部12は、実装部材10において、第1流路部11の側方に設けられる。光源配置部12は、第1流路部11の側方において第1流路部11の外側に位置する。第1流路部11の側方は、第1方向d1に対して直交する第2方向d2である。光源配置部12は、光源40を配置可能な空間を有する。
【0013】
図2は、図1のII-II線における断面図である。図2に示すように、第1方向d1から見て、光源配置部12は第1流路部11のまわりを囲む。第1方向d1から見て、光源配置部12は第1流路部11のまわりを囲む環状の光源配置面12aを有する。光源配置面12aは、第2方向d2に延びる平面である。光源配置面12aは、第1方向d1に垂直な平面である。
【0014】
実装部材10は、さらに、第1流路11aに位置する複数のフィン14を有する。図2に示すように、複数のフィン14は、第1流路部11の内壁から第1流路11a内に延びている。また、それぞれのフィン14は、図1に示すように、第1方向d1に延びている。複数のフィン14は、第1流路部11の内壁において、等間隔に設けられる。
【0015】
光源配置部12に光源40が配置される。図2に示すように、光源配置部12に複数の光源40を配置することができる。第1方向d1から見て、第1流路部11のまわりを囲むように複数の光源40が配置される。複数の光源40は等間隔に配置される。複数の光源40は、同心円上に等間隔に配置される。複数の光源40は、第1流路部11から等距離に配置される。
【0016】
実装部材10は、実装部材10の最外側面を形成する外周部15を有する。外周部15は、第1流路部11を構成する円筒部の外側に位置する円筒部である。第1流路部11の円筒部と外周部15の円筒部をそれぞれ、内側円筒部、外側円筒部と呼ぶことがある。
【0017】
光源配置部12は、第1方向d1から見て、第1流路部11と外周部15の間に位置する。光源配置部12及び外周部15は、紫外光を遮光する材料で形成される。これにより、光源40からの外周部15の側方への紫外光の漏れを防ぐことができる。
【0018】
第1流路部11は、光源配置面12aから第1方向d1に突出する第1突出部11bを形成する。外周部15は、光源配置面12aから第1方向d1に突出する第2突出部15aを形成する。第1突出部11bの方が、第2突出部15aよりも、第1方向d1に突出している。内側円筒部の方が外側円筒部よりも第1方向d1に突出している。
【0019】
第2突出部15aは、光源配置面12aよりも第1方向d1に、1mm以上5mm以下で突出する。これにより、光源40と流路管20との接触を防ぐことができる。第1突出部11bは、第2突出部15aよりも第1方向d1に、5mm以上30mm以下で突出する。これにより、流路管20との接続の安定性が保たれる。
【0020】
フィン14は、第1突出部11bにまで延びて設けられる。第1方向d1に関し、フィン14の一方の先端は、第1突出部11bの先端と第2突出部15aの先端の間に位置する。また、フィン14の第1方向d1の長さは、第2突出部15aが第1方向d1に突出する長さよりも大きい。
【0021】
<光源>
光源40は、第1面41と、第1面41の反対側に位置する第2面42とを有する。第1面41は光出射面であり、光源配置面12aに配置された光源40は、第1面41から第1方向d1に進む紫外光を出射する。光源40が出射する紫外光のピーク波長は、例えば、200nm以上400nm以下である。なお、光源40が出射する紫外光のピーク波長は、この波長範囲に限られない。光源40は発光素子を含む。発光素子として、例えば、LED(Light Emitting Diode)またはLD(Laser Diode)を用いることができる。光源40の第2面42は、光源配置部12の光源配置面12aに接する。
【0022】
<流路管>
流路管20は、第1方向d1に延びる第2流路部21を有する。第2流路部21は、第1方向d1に延びる第2流路21aを形成する。第2流路部21は、第1方向d1において第1流路11aに接続される第2流路21aを形成する。例えば、実装部材10の第1流路部11の第1突出部11bが、第2流路21aに嵌合することで、第1流路11aと第2流路21aが接続される。
【0023】
流路管20は、第2流路21aの側方(第2方向d2)において第2流路21aの外側に位置する導光部材22を有する。導光部材22は、第1方向d1に延びている。導光部材22の形状は、例えば、円筒形状である。図1に示す例では、導光部材22が第2流路部21としても機能し、円筒形状の導光部材22の内側に、円管の第2流路21aが形成される。
【0024】
導光部材22は、光源40が出射する紫外光の波長に対して透光性を有する材料からなる。導光部材22の材料としては、例えば、シリコーン、フッ素系樹脂、または、石英(SiO)などのガラス材料などを用いることができる。導光部材22は、光入射面23と、光取り出し面24と、反射面25とを有する。
【0025】
光入射面23は、第1方向d1において光源40の光出射面である第1面41に対向する。光入射面23は、第1方向d1において光源配置面12aに対向する環状に形成されている。環状の光源配置面12aの周方向に沿って配置された複数の光源40のそれぞれの第1面41は、環状の光入射面23に対向する。
【0026】
光取り出し面24は、第2流路21aの外側面に設けられる。光取り出し面24は、第2方向d2において第2流路21aに隣接する。光取り出し面24は、第1方向d1において、第2流路21aに沿って延びている。
【0027】
反射面25は、光取り出し面24の外側(第2方向d2において光取り出し面24の反対側)に位置し、第2方向d2において光取り出し面24に対向する。反射面25は、第1方向d1において、第2流路21aに沿って延びている。
【0028】
光源40の第1面41から出射した紫外光は、第2流路21aに照射される。光源40の第1面41から出射した紫外光は、光入射面23から導光部材22に入射し、導光部材22に入射した光は、光取り出し面24と反射面25との間で多重反射しつつ第1方向d1に導光され、光取り出し面24に対して全反射条件を満たさない紫外光が光取り出し面24から第2流路21aに照射される。このようにして、光源40から出射された紫外光を、第2流路21aを流れる流体に照射することができる。
【0029】
導光部材22の第1方向d1の長さは、5cm以上130cm以下であることが好ましい。5cm以上とすることで、光源40から離れた位置に多重反射された紫外光を届けることができ、紫外光が第2流路21aに照射される範囲を拡げることができる。また、費用対効果を考慮すると、50cm以下とすることが好ましい場合がある。
【0030】
環状の光入射面23に沿って複数の光源40を配置することで、導光部材22内を導光される光の、光入射面23に平行な面内におけるむらを小さくすることができる。これは、結果として、導光部材22から第2流路21aを流れる流体に対する全周方向からの照射効率を高め、流体の紫外光による処理効果を高めることができる。
【0031】
第1方向d1から見た第2流路21aの長さ(流路径)は、20mm以上100mm以下であることが好ましい。20mm以上とすることで、流路を流れる流体を効率的に処理することができる。また、100mm以下とすることで、第2流路21aの中心にも、十分に紫外光を照射させることができる。
【0032】
導光部材22内を導光された光が光取り出し面24から第2流路21aを流れる流体に拡散して照射されやすくするために、光取り出し面24に光拡散部26を配置することが好ましい。光拡散部26の屈折率は、第2流路21aを流れる流体の屈折率に応じて選択される。さらには、光拡散部26における導光部材22内に位置する面に、複数の凸部及び/又は凹部を含む散乱部27を配置することが好ましい。
【0033】
導光部材22の外側面に遮光部材31を設けることで、流路管20の側方への紫外光の漏れを防ぐことができる。例えば、遮光部材31は、円筒形状の導光部材22の外側面を囲む円筒部材である。遮光部材31の内側面に、反射膜(例えばアルミニウム膜)を設けることで、反射面25における反射率を高くすることができる。また、導光部材22の外側面と、遮光部材31の内側面との間に、導光部材22よりも屈折率が低い物質(例えば空気等)の層32を設けることで、反射面25における反射率を高くすることができる。
【0034】
流体紫外光処理装置1は、液体や気体などの流体に対して紫外光を照射することで流体を処理する。例えば、水に紫外光を照射して、処理前に比べて処理後の水の中の菌やウイルスの数を減らすことができる。
【0035】
第1流路部11の第1突出部11bにおける第2流路部21に接続される端部の反対側の端部は、直接または継手部材を介して、流体紫外光処理装置1よりも上流側(または下流側)の第1配管に接続される。第2流路部21における第1流路11aに接続される端部の反対側の端部は、直接または継手部材を介して、流体紫外光処理装置1よりも下流側(または上流側)の第2配管に接続される。第1配管から第2配管に流体が流れる場合、流体は、第1配管から第1流路11aに流入し、第1流路11aから第2流路21aに流入し、第2流路21aから第2配管に流出する。第2配管から第1配管に流体が流れる場合、流体は、第2配管から第2流路21aに流入し、第2流路21aから第1流路11aに流入し、第1流路11aから第1配管に流出する。
【0036】
光源40から第1方向d1に出射され、光入射面23から導光部材22内に入射した紫外光は、第2流路21aに沿って延びる導光部材22内を第2流路21aに沿って導光されつつ、光取り出し面24から第2流路21aを流れる流体に照射される。光取り出し面24は第2流路21aに沿って延びており、流体は第2流路21aを流れている間紫外光の照射を受け続けることができる。これにより、流体紫外光処理装置1の内部を流れる流体の紫外光による積算照度を大きくでき、流体に対する紫外光による処理効果を高めることができる。
【0037】
第1方向d1において散乱部27の密度を変えることができる。例えば、光源40から相対的に遠い領域における散乱部27の密度を、光源40から相対的に近い領域における散乱部27の密度よりも高くすることで、光源40から相対的に遠い領域において光取り出し面24から第2流路21aへの照射量の低下を抑制することができる。
【0038】
また、実装部材10が第1流路部11を有し、実装部材10の一部を流路に組み込むことで、第1流路11aを流れる流体により実装部材10が冷却され、よって光源40を冷却することができる。これにより、光源40の発光に伴う発熱による発光効率の低下を抑制することができる。光源40が発する熱は、光源配置面12aに接する第2面42から実装部材10に伝導し、実装部材10に伝導した熱は、第1流路11aを流れる流体に放熱される。このとき、第1流路11aにフィン14を配置することで、実装部材10から第1流路11aを流れる流体への放熱効率を高めることができる。
【0039】
流路管20は、実装部材10に対して着脱自在にできる。例えば、流路管20は、実装部材10に対してねじ込ませて嵌合させることで、着脱自在にできる。これにより、実装部材10、光源40、及び流路管20のそれぞれのメンテナンスが容易になる。流路管20を実装部材10から取り外すことで、実装部材10の光源配置部12に配置された光源40を実装部材10の外部に露出させることができる。
【0040】
[第2実施形態]
図3は、本開示の第2実施形態の流体紫外光処理装置2の断面図である。
【0041】
第2実施形態の流体紫外光処理装置2は、実装部材10と、1または複数の光源40と、流路管50とを備える。実装部材10及び光源40の構成は、第1実施形態と同じである。
【0042】
流路管50は、第1方向d1に延びる第2流路部51を有する。第2流路部51は、第1方向d1に延びる側面部58と、側面部58の第1方向d1における一端に位置する端面部57とを有する。例えば、第1方向d1から見た端面部57の形状は円形である。第2流路部51は、第1方向d1において第1流路11aに接続される第2流路51aを形成する。
【0043】
また、流路管50は、第1開口部52と第2開口部56を有する。第1開口部52は、、第2流路部51に接続する。第2開口部56は、第2流路部51に接続する。第1開口部52は、流路管50の側面を構成する第2流路部51の側面部58に配置され、第2流路51aに接続している。第2開口部56は、第1方向d1において端面部57の反対側に位置し、第1流路11a及び第2流路51aに接続している。
【0044】
第2流路51aは、光源配置部12に対向する領域a1を有する。第2方向d2において、領域a1の間に凹部55が設けられている。例えば、実装部材10の第1流路部11の一部が、流路管50の凹部55に嵌合することで、第1流路11aと第2流路51aが接続される。第2開口部56は、凹部55を第1方向d1に貫通している。
【0045】
また、流路管50は、第1方向d1において光源40の光出射面である第1面41に対向する光透過部材53を有する。光透過部材53は、第1方向d1において第2流路51aの領域a1に隣接している。
【0046】
光透過部材53は、光源40が発する紫外光の波長に対して透光性を有する材料からなる。光透過部材53の材料としては、石英ガラス、ホウ珪酸ガラス、フッ化カルシウムガラス、アルミノホウ珪酸ガラス、オキシナイトライドガラス、カルコゲナイドガラス、及びサファイアからなる群から選択された少なくとも1種からなる無機材料を例示することができる。
【0047】
第1流路11aにおける第2流路51aと接続された端部の反対側の端部は、直接または継手部材を介して、流体紫外光処理装置2よりも上流側(または下流側)の第1配管に接続される。流路管50の第1開口部52は、直接または継手部材を介して、流体紫外光処理装置2よりも下流側(または上流側)の第2配管に接続される。第1配管から第2配管に流体が流れる場合、流体は、第1配管から第1流路11aに流入し、第1流路11aから第2開口部56を通じて第2流路51aに流入し、第1開口部52から第2配管に流出する。第2配管から第1配管に流体が流れる場合、流体は、第2配管から第1開口部52を通じて第2流路51aに流入し、第2流路51aから第2開口部56を通じて第1流路11aに流入し、第1流路11aから第1配管に流出する。
【0048】
光源40の第1面41から第1方向d1に出射した紫外光は、光透過部材53を透過して第2流路51a内の流体に照射される。流路管50の第1開口部52は、第1方向d1に延びる第1流路11aの延長線上に位置せず、第1流路11aと第1開口部52との間を流体がまっすぐに流れない。例えば、第1流路11aの中心軸と、第1開口部52の中心軸とは交差している。図3に示す例では、第1流路11aの中心軸と、第1開口部52の中心軸とは直交している。そのため、第1流路11aから第2流路51aに流入した流体、または第1開口部52から第2流路51aに流入した流体を、第2流路51aに滞留させることができる。第2流路51aにおいて光源40に対向する領域a1に流体を回り込ませることができる。領域a1は、光源40の近くの強い光が照射される領域であり、その領域a1に流体を所定時間存在させることができる。これにより、第2流路51aの流体の紫外光による積算照度を大きくでき、流体に対する紫外光による処理効果を高めることができる。
【0049】
また、第2実施形態においても、第1流路11aを流れる流体により光源40を冷却し、光源40の発光に伴う発熱による発光効率の低下を抑制することができる。
【0050】
例えば、実装部材10の第1流路部11の一部を、流路管50の凹部55に対してねじ込ませて嵌合させることで、流路管50を実装部材10に対して着脱自在にできる。これにより、実装部材10、光源40、及び流路管50のそれぞれのメンテナンスが容易になる。流路管50を実装部材10から取り外すことで、実装部材10の光源配置部12に配置された光源40を実装部材10の外部に露出させることができる。
【0051】
実装部材10は、第1流路部11において、流路管20、50の反対側(図1図3において左側)で他の流路管20、50に接続することができる。
【0052】
[第3実施形態]
図4は、本開示の第3実施形態の流体紫外光処理装置3の断面図である。
【0053】
第1流路部11の第1方向d1における両端部にそれぞれ流路管20を接続している。第1方向d1において2つの第2流路21aの間に第1流路11aが位置し、第1流路11aは第1方向d1における両端側で第2流路21aに接続している。一方の第2流路21aから第1流路11aを通じて他方の第2流路21aに流体が流れる。
【0054】
実装部材10は、第1方向d1において対称配置された2つの光源配置部12を有する。実装部材10は、第1方向d1において互いに逆方向を向く光源配置面12aを有する。光源は、第1光源40Aと第2光源40Bとを有する。第1光源40Aは、一方(図4において右側)の流路管20の導光部材22に対向している。第2光源40Bは、他方(図4において左側)の流路管20の導光部材22に対向している。第1光源40Aの第1面41(光出射面)と、第2光源40Bの第1面41(光出射面)は、第1方向d1において互いに逆方向に向いている。
【0055】
第1光源40Aの第1面41から出射した紫外光は、一方(図4において右側)の流路管20の導光部材22を介して第2流路21aを流れる流体に照射される。第2光源40Bの第1面41から出射した紫外光は、他方(図4において左側)の流路管20の導光部材22を介して第2流路21aを流れる流体に照射される。実装部材10の第1方向d1における片側だけに流路管20を接続する場合に比べて、第2流路21aを流れる流体が紫外光により受ける積算照度を大きくでき、流体に対する紫外光による処理効果をより高めることができる。
【0056】
なお、実装部材10の第1方向d1における両端部に、第2実施形態の流路管50を接続することもできる。
【0057】
[第4実施形態]
図5は、第4実施形態の流体紫外光処理装置4の断面図である。
図6は、図5のVI-VI線における断面図である。
【0058】
第4実施形態の流体紫外光処理装置4は、実装部材10’と、流路管50と、流路変換部材60とを備える。流路管50は、第2実施形態の流路管50と同じ構成を有する。実装部材10’は、第1突出部11b及び第2突出部15aが、第1方向d1における一方の側(流路管50側)にのみ突出している点で、上記実施形態の実装部材10と構成が異なる。
【0059】
流路変換部材60は、実装部材10’における流路管50と接続される側の反対側に配置される。第1方向d1において、流路変換部材60と流路管50との間に、実装部材10’が位置する。
【0060】
図6に示すように、第1方向d1から見て、流路変換部材60は、例えば円形の部材である。第1方向d1から見て、流路変換部材60の中心部Cは、第1流路11aに重なる位置に設けられている。流路変換部材60は、実装部材10’と接続し、第3流路61と第4流路62とを形成する。第3流路61は、流路変換部材60と、実装部材10’とによって形成される。第3流路61は、第1方向d1と異なる方向に延びている。第3流路61は、第1方向d1に垂直な方向に延びている。
【0061】
流路変換部材60によって、第1流路11aから複数に枝分かれした第3流路61が形成される。例えば、第1方向d1から見て、複数の第3流路61が、流路変換部材60の中心部Cから放射状に延びている。それぞれの第3流路61の一端部は、流路変換部材60の中心部Cにおいて第1流路11aと接続している。流路に垂直な平面で見て、複数の第3流路61の面積はいずれも、第1流路11aの面積より小さい。
【0062】
第1方向d1から見て、複数の第3流路61はそれぞれ、光源配置面12aに配置された光源40と重なる。言い換えれば、光源配置面12aには一致された複数の光源40の直下を通過するように各第3流路61が設けられる。第1流路11aから枝分かれする第3流路61の数は、光源配置面12aに配置される光源40の数と同じである。このように第3流路61を設けることで、第3流路61を流れる流体を利用して、光源40から発生する熱に対する放熱効果を向上させることができる。
【0063】
第4流路62は、第3流路61の他端部に接続して、第1方向d1に延びている。複数の第3流路61のそれぞれに、別々の第4流路62が接続している。第1方向d1から見て、複数の第4流路62が、中心部Cよりも外周側の位置において、流路変換部材60の外周に沿って例えば等間隔で配置されている。第4流路62における第3流路61と接続された端部の反対側の端部は、流路変換部材60の外部に露出し、外部の配管に接続される。
【0064】
第1方向d1から見て、第3流路61と第4流路62との接続点は、光源40よりも外側、かつ、第2突出部15aよりも内側に位置する。これにより、光源配置部12を広い範囲で流路との接面にすることができるため、放熱効果を向上させることができる。
【0065】
第4実施形態において、流体は、流路管50の第1開口部52から、第2流路51a、第1流路11a、第3流路61、及び第4流路62を順に流れる。第1流路11aを第1方向d1に沿って流れた流体は、第3流路61において第1方向d1と異なる方向(第1方向d1に直交する面に沿った方向)に流れを変える。第1流路11aの下流側において、流体の流れを第1方向d1と異なる方向に変えることで、第1流路11aを流れた流体がそのまま第1方向d1に沿って流体紫外光処理装置4から流出する場合に比べて、放熱効果を向上させることができ、光源40から出射される紫外光の光量の低下を抑制することができる。これにより、第2流路51aの流体の紫外光による積算照度を大きくでき、流体に対する紫外光による処理効果をより高めることができる。
【0066】
第3流路61を流れた流体は、第4流路62において再び第1方向d1に流れを変える。これにより、流体紫外光処理装置4の下流側において第1方向d1に延びる配管との接続が容易になる。
【0067】
なお、図5に示す流路変換部材60及び実装部材10’は、図1に示す流路管20と組み合わせることもできる。
【0068】
以上、具体例を参照しつつ、本開示の実施形態について説明した。しかし、本開示は、これらの具体例に限定されるものではない。本開示の上述した実施形態を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての形態も、本開示の要旨を包含する限り、本開示の範囲に属する。その他、本開示の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本開示の範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0069】
1~4…流体紫外光処理装置、10…実装部材、11…第1流路部、11a…第1流路、12…光源配置部、14…フィン、20…流路管、21…第2流路部、21a…第2流路、22…導光部材、23…光入射面、24…光取り出し面、25…反射面、26…光拡散部、27…散乱部、40…光源、50…流路管、51…第2流路部、51a…第2流路、52…第1開口部、56…第2開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6