(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023053693
(43)【公開日】2023-04-13
(54)【発明の名称】窒化物半導体ウェーハの製造方法、及び窒化物半導体ウェーハ
(51)【国際特許分類】
C30B 29/38 20060101AFI20230406BHJP
H01L 21/205 20060101ALI20230406BHJP
H01L 21/263 20060101ALI20230406BHJP
H01L 21/324 20060101ALI20230406BHJP
【FI】
C30B29/38 D
C30B29/38 C
H01L21/205
H01L21/263 E
H01L21/324 X
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021162883
(22)【出願日】2021-10-01
(71)【出願人】
【識別番号】000190149
【氏名又は名称】信越半導体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【弁理士】
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 俊弘
(74)【代理人】
【識別番号】100215142
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 徹
(72)【発明者】
【氏名】萩本 和徳
【テーマコード(参考)】
4G077
5F045
【Fターム(参考)】
4G077AA03
4G077BE13
4G077BE15
4G077DB08
4G077EE08
4G077FH07
4G077HA06
5F045AA03
5F045AB09
5F045AB14
5F045AB17
5F045AF03
5F045BB16
5F045DA53
5F045DA54
5F045HA09
(57)【要約】
【課題】シリコン単結晶基板上に窒化物半導体膜を成長させた窒化物半導体ウェーハにおいて、電子線照射を行って高抵抗率となったシリコン単結晶基板の抵抗率がエピタキシャル成長やその他の熱処理工程で回復して低くなることを防止することができる窒化物半導体ウェーハの製造方法を提供する。
【解決手段】シリコン単結晶基板の上に窒化物半導体膜を形成する窒化物半導体ウェーハの製造方法であって、前記シリコン単結晶基板として、5×10
14atoms/cm
3以上5×10
16atoms/cm
3以下の濃度で窒素がドープされたものを用い、該シリコン単結晶基板の上に前記窒化物半導体膜を形成する工程と、前記シリコン単結晶基板に電子線を照射することで前記シリコン単結晶基板を照射前より高抵抗率化する工程とを含むことを特徴とする窒化物半導体ウェーハの製造方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン単結晶基板の上に窒化物半導体膜を形成する窒化物半導体ウェーハの製造方法であって、
前記シリコン単結晶基板として、5×1014atoms/cm3以上5×1016atoms/cm3以下の濃度で窒素がドープされたものを用い、
該シリコン単結晶基板の上に前記窒化物半導体膜を形成する工程と、前記シリコン単結晶基板に電子線を照射することで前記シリコン単結晶基板を照射前より高抵抗率化する工程とを含むことを特徴とする窒化物半導体ウェーハの製造方法。
【請求項2】
前記電子線を照射する工程において、前記照射する電子線の照射量を1×1014e/cm2以上1×1016e/cm2以下とすることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体ウェーハの製造方法。
【請求項3】
前記電子線を照射する工程を、前記窒化物半導体膜を形成する工程の前に行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の窒化物半導体ウェーハの製造方法。
【請求項4】
前記電子線を照射する工程を、前記窒化物半導体膜を形成する工程の後に行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の窒化物半導体ウェーハの製造方法。
【請求項5】
シリコン単結晶基板の上に窒化物半導体膜が形成された窒化物半導体ウェーハであって、
前記シリコン単結晶基板は、5×1014atoms/cm3以上5×1016atoms/cm3以下の濃度で窒素がドープされたものであり、かつ、電子線が照射されたものであることを特徴とする窒化物半導体ウェーハ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒化物半導体ウェーハおよびその製造方法に関し、特に高周波デバイスに用いることに適した窒化物半導体ウェーハの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高周波デバイスは、小型化、低コスト化に向けて、アンテナやアンプ、スイッチ、フィルター等のデバイスをインテグレーションする開発が進められている。また、周波数の高周波化に従い、回路が複雑化し、使用されるデバイスの材料もシリコンCMOS,III-V族半導体や窒化物半導体を用いたデバイス、圧電体を用いたフィルターなど多岐にわたっている。これらのデバイスの下地となる基板は、安価で大口径のウェーハが流通しているシリコン単結晶基板が適していると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のような従来の高周波デバイスでは、基板起因による特性劣化、基板による損失及び第2・3高調波特性劣化がみられる。
【0005】
ここで、高調波とは、元となる周波数の整数倍の高次の周波数成分のことである。元の周波数を基本波とし、基本波の2倍の周波数(2分の1の波長)を持つものが第2高調波、基本波の3倍の周波数(3分の1の波長)を持つものが第3高調波と定義されている。高周波回路では、高調波による混信を避けるために高調波の小さい基板が必要とされる。
【0006】
特許文献1には、パワー用途のワイドギャップバイポーラ半導体(SiC)に、予めγ線、電子線、荷電粒子線の1つを照射して、キャリア寿命を所定の範囲になるように調整することで、スイッチング特性を向上させることが記載されているが、第2高調波特性の劣化については言及されていない。
【0007】
また本発明者らは、シリコン単結晶基板に電子線照射を行うことで、基板抵抗率に関係なく、基板の抵抗率を上げて高周波特性を改善できることを見出した。しかし、電子線照射後にアニールやエピタキシャル成長を行うと抵抗率が回復して低くなってしまうことがある。
【0008】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、シリコン単結晶基板上に窒化物半導体膜を成長させた窒化物半導体ウェーハにおいて、電子線照射を行って高抵抗率となったシリコン単結晶基板の抵抗率がエピタキシャル成長やその他の熱処理工程で回復して低くなることを防止することができる窒化物半導体ウェーハの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明では、
シリコン単結晶基板の上に窒化物半導体膜を形成する窒化物半導体ウェーハの製造方法であって、
前記シリコン単結晶基板として、5×1014atoms/cm3以上5×1016atoms/cm3以下の濃度で窒素がドープされたものを用い、
該シリコン単結晶基板の上に前記窒化物半導体膜を形成する工程と、前記シリコン単結晶基板に電子線を照射することで前記シリコン単結晶基板を照射前より高抵抗率化する工程とを含む窒化物半導体ウェーハの製造方法を提供する。
【0010】
このような窒化物半導体ウェーハの製造方法であれば、電子線を照射して高抵抗率となったシリコン単結晶基板が、エピタキシャル成長やその他の熱処理工程で回復して抵抗率が低くなることを防止することができる。
【0011】
また、前記電子線を照射する工程において、前記照射する電子線の照射量を1×1014e/cm2以上1×1016e/cm2以下とすることが好ましい。
【0012】
電子線の照射量をこのような範囲とすることで、より一層、損失が改善され、また第2高調波特性劣化が抑制された窒化物半導体ウェーハを製造することができ、照射に要する時間が長くなりすぎることがないため、効率的である。
【0013】
本発明では、前記電子線を照射する工程を、前記窒化物半導体膜を形成する工程の前に行うことができる。
【0014】
本発明は、このような順で工程を進めることができる。
【0015】
本発明では、前記電子線を照射する工程を、前記窒化物半導体膜を形成する工程の後に行うこともできる。
【0016】
このようにすれば、エピタキシャル成長により抵抗率が低下するのを確実に回避できる。
【0017】
また本発明では、シリコン単結晶基板の上に窒化物半導体膜が形成された窒化物半導体ウェーハであって、
前記シリコン単結晶基板は、5×1014atoms/cm3以上5×1016atoms/cm3以下の濃度で窒素がドープされたものであり、かつ、電子線が照射されたものである窒化物半導体ウェーハを提供する。
【0018】
このような窒化物半導体ウェーハであれば、電子線を照射して高抵抗率となったシリコン単結晶基板が、エピタキシャル成長やその他の熱処理工程で回復して抵抗率が低くなることを防止することができるものとなる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明の窒化物半導体ウェーハの製造方法であれば、シリコン単結晶基板上に窒化物半導体膜を成長させた窒化物半導体ウェーハから製造される高周波デバイスにおいて、基板による損失及び第2高調波の特性を改善するため電子線照射を行って高抵抗率となった基板の抵抗率がエピタキシャル成長やその他の熱処理工程で回復して低くなることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明で製造する窒化物半導体ウェーハの断面構造の概略図の一例である。
【
図2】実施例で製造した窒化物半導体ウェーハの断面SEMの写真である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
上述のように、シリコン単結晶基板上に窒化物半導体膜を成長させた窒化物半導体ウェーハにおいて、電子線照射を行って高抵抗率となったシリコン単結晶基板の抵抗率がエピタキシャル成長やその他の熱処理工程で回復して低くなることを防止することができる窒化物半導体ウェーハの製造方法の開発が求められていた。
【0022】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、予めシリコン単結晶基板に所定濃度の窒素をドープしておくことで、電子線照射によって基板の抵抗率を上昇させた後、熱処理をしても抵抗率が電子線照射前の値にまで戻らないことを見出し、本発明を完成させた。
【0023】
即ち、本発明は、シリコン単結晶基板の上に窒化物半導体膜を形成する窒化物半導体ウェーハの製造方法であって、前記シリコン単結晶基板として、5×1014atoms/cm3以上5×1016atoms/cm3以下の濃度で窒素がドープされたものを用い、該シリコン単結晶基板の上に前記窒化物半導体膜を形成する工程と、前記シリコン単結晶基板に電子線を照射することで前記シリコン単結晶基板を照射前より高抵抗率化する工程とを含む窒化物半導体ウェーハの製造方法である。
【0024】
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】
[窒化物半導体ウェーハの製造方法]
本発明の窒化物半導体ウェーハの製造方法について
図1を用いて説明する。なお、以下の窒化物半導体ウェーハの構造は一例であって、これに限定されるものではない。また以下、電子線を照射する工程を先に行った後に窒化物半導体膜を形成する工程を行う場合を例に本発明を説明するが、本発明は、窒化物半導体膜を形成する工程を先に行った後に電子線を照射する工程を行ってもよい。
【0026】
<シリコン単結晶基板>
最初にシリコン単結晶基板を準備する。このシリコン単結晶基板は5×1014atoms/cm3以上5×1016atoms/cm3以下の濃度で窒素がドープされている。窒素濃度を5×1014atoms/cm3以上とすることで転位の進展防止効果が得られることにより後述する電子線照射によって高くなった抵抗率が元に戻ることを防止することができ、5×1016atoms/cm3以下とすることで窒素をドープして単結晶を育成する際の単結晶化率の低下を抑制することができる。
【0027】
この準備するシリコン単結晶基板の抵抗率に関しては特に限定はされず、例えば抵抗率が100Ωcm以上といった高抵抗率のものを用いることができる。抵抗率の上限値は特に限定されないが、例えば10000Ωcm以下とすることができる。また、抵抗率が1Ωcm以上100Ωcm未満のような通常抵抗率のものや、あるいは抵抗率が1Ωcm未満のような低抵抗率のものを用いることもできる。
【0028】
なお、より高抵抗率のシリコン単結晶基板の方が、電子線照射したときにより大きく抵抗率を上げることができるため、本発明の効果をより十分に得ることができる観点から好ましい。
【0029】
<電子線を照射する工程>
次に、上述のシリコン単結晶基板に電子線を照射することで、シリコン単結晶基板を照射前より高抵抗率化する。
【0030】
電子線を照射することで、シリコン単結晶基板中のドーパント及び/又は原料由来の不純物等のキャリアを不活性化させることによる効果が顕著に得られる。ここでの不活性化は、すなわち、電子線を照射することで、シリコン単結晶基板中に点欠陥が形成され、これらがシリコン単結晶基板中のキャリアをトラップするといった、点欠陥とドーパント及び/又はキャリアの反応による。また、点欠陥によってドーパント及び/又はキャリアの移動度が低下することで抵抗率が変化すると考えられる。シリコン単結晶基板中のドーパント及び/又はキャリアを不活性化させた結果、シリコン単結晶基板が高抵抗率化すると考えられる。
【0031】
電子線の照射条件は特に限定されず、例えば、2MeVで1×1014e/cm2以上1×1016e/cm2以下の電子線照射を行う。この電子線照射は1×1015e/cm2以上1×1016e/cm2以下とすることがより好ましい。
【0032】
このように1×1014e/cm2以上の電子線を照射することで、より一層、損失が改善され、また第2高調波特性劣化が抑制された窒化物半導体ウェーハを製造することができる。また、1×1016e/cm2以下とすることで、照射に要する時間が長くなりすぎることがないため、効率的である。
【0033】
電子線の照射エネルギーも特に限定されず、例えば、250keV以上のエネルギーをもつ電子を用いることができる。約250keV以上であれば、より確実にシリコン単結晶基板中に点欠陥を形成でき、シリコン単結晶基板中のドーパント及び/又は原料由来の不純物等のキャリアを不活性化させることができる。なお、照射エネルギーの上限は特に問わない。
【0034】
なお、この電子線照射は後述する窒化物半導体膜の成長後に行っても良い。このようにすれば、エピタキシャル成長により抵抗率が低下するのを確実に回避できる。
【0035】
このような電子線照射を行うことでシリコン単結晶基板の抵抗率を照射前に比べて高抵抗率化することができる。
【0036】
<窒化物半導体膜を形成する工程>
次に、シリコン単結晶基板の上に、窒化物半導体膜をエピタキシャル成長させる。成長させる窒化物半導体膜は特に限定されるものではないが、少なくとも1層の窒化物半導体層を含んでいれば、単層でも複数層でもよい。
【0037】
例えば、窒化物半導体膜として複数層の窒化物半導体層を形成する場合には、
図1に示すように、最初に中間層を形成する。中間層はシリコン単結晶基板1上に例えば厚さ150nmのAlN層2を形成し、その上に例えば厚さ160nmのAlGaN層3を形成し、更にGaN層とAlN層が交互に例えば40組積層された超格子層(SLs)4を形成することができる。
【0038】
次にデバイス層を形成する。デバイス層は例えば厚さ800nmのGaN層5を形成し、その上に例えば厚さ25nmのAlGaN層6を形成し、更に例えば厚さ3nmのGaN層7を形成することができる。
【0039】
なお、形成する窒化物半導体膜のトータル膜厚としては、例えば0.1~20μm、好ましくは0.5~10μm、より好ましくは1~5μm、特には1.8μmとすることができる。
【0040】
次にエピタキシャル成長させた窒化物半導体ウェーハを取り出し、フォトリソ工程にて電極8を形成することができる。
【0041】
このように電子線を照射した窒化物半導体ウェーハから製造される高周波デバイスは第2高調波特性劣化が抑制されたものとすることができる。また、シリコン単結晶基板には5×1014atoms/cm3以上5×1016atoms/cm3以下の濃度で窒素がドープされているため電子線照射で高くなった抵抗率がエピタキシャル成長やその他の熱処理工程で回復して元の低抵抗率になることを防止することができる。
【0042】
[窒化物半導体ウェーハ]
また本発明では、シリコン単結晶基板の上に窒化物半導体膜が形成された窒化物半導体ウェーハであって、前記シリコン単結晶基板は、5×1014atoms/cm3以上5×1016atoms/cm3以下の濃度で窒素がドープされたものであり、かつ、電子線が照射されたものである窒化物半導体ウェーハを提供する。
【0043】
このような窒化物半導体ウェーハであれば、電子線を照射して高抵抗率となったシリコン単結晶基板が、エピタキシャル成長やその他の熱処理工程で回復して抵抗率が低くなることを防止することができるものとなる。
【実施例0044】
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0045】
(実施例1、比較例1)
以下の回復熱処理用基板を準備した。
実施例1:471Ωcm (CZ法Nドープ 5×1014atoms/cm3)
比較例1: 37Ωcm (CZ法非Nドープ)
【0046】
上記回復熱処理用基板に2MeV・1×1016e/cm2の電子線照射を行い、電子線照射をした回復熱処理用基板を、MOCVD炉内にて、水素雰囲気中1200℃90分100mbarの欠陥回復熱処理をして、抵抗率の変化を確認した。
【0047】
実施例1のCZ法によるNドープ単結晶基板(471Ωcm)は、電子線照射により抵抗率が20568Ωcmの高抵抗率になり、その後水素熱処理を行っても抵抗率が元に戻らず抵抗率が3041Ωcmの高抵抗率であることが確認できた。比較例1のCZ単結晶基板(37Ωcm)は、電子線照射により抵抗率が1892Ωcmの高抵抗率になるが、その後の水素熱処理によって抵抗率が元の電子線照射前の抵抗率付近(67Ωcm)にまで戻ってしまうことが確認された。
【0048】
(実施例2、比較例2、3)
以下のエピタキシャル成長用基板を準備した。
実施例2: 100Ωcm (CZ法Nドープ 5×1014atoms/cm3)
比較例2:4344Ωcm (FZ法非Nドープ)
比較例3: 13Ωcm (CZ法非Nドープ)
【0049】
上記エピタキシャル成長用基板に2MeV・1×10
16e/cm
2の電子線照射を行い、電子線照射をしたエピタキシャル成長用基板にMOCVD炉内で
図1に示す1.8μmHEMTエピタキシャル成長を行い、抵抗率の変化を確認した。また、
図2にエピタキシャル成長した基板の断面SEMの写真を示す。
【0050】
実施例2のCZ法によるNドープ単結晶基板(100Ωcm)は、電子線照射により抵抗率が7942Ωcmの高抵抗率になり、その後の1.8μmHEMTエピタキシャル後でも抵抗率が元に戻らずに抵抗率が3108Ωcmの高抵抗率であることが確認できた。比較例2のFZ単結晶基板(4344Ωcm)及び比較例3のCZ単結晶基板(13Ωcm)は、電子線照射により高抵抗率(202211Ωcm、50713Ωcm)になるが、1.8μmHEMTエピタキシャル成長後には抵抗率が元の電子線照射前の抵抗率付近(4922Ωcm、14Ωcm)にまで戻ってしまうことが確認された。
【0051】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。