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特開2023-53760情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023053760
(43)【公開日】2023-04-13
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20230406BHJP
   G06Q 50/32 20120101ALI20230406BHJP
【FI】
G06F3/12 373
G06F3/12 303
G06F3/12 365
G06F3/12 356
G06Q50/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021162995
(22)【出願日】2021-10-01
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】新井 昇平
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC44
(57)【要約】
【課題】印刷の実行と印刷物の配送を行うサービスの利用が業務用か否かを区別可能とすること。
【解決手段】情報処理システムは、印刷の実行と印刷物の配送を行うサービスに対して前記印刷の対象として指定された文書データを取得する取得部と、前記文書データが業務用であるか否かを判定する判定部と、前記文書データが業務用である場合に、前記印刷及び前記配送に関する費用を経費として精算するための情報を記録する記録部と、を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷の実行と印刷物の配送を行うサービスに対して前記印刷の対象として指定された文書データを取得する取得部と、
前記文書データが業務用であるか否かを判定する判定部と、
前記文書データが業務用である場合に、前記印刷及び前記配送に関する費用を経費として精算するための情報を記録する記録部と、
を有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記文書データを記憶する記憶部を有し、
前記記録部は、前記記憶部に記憶された前記文書データへのリンクを前記情報に含める、
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記取得部は、端末から印刷ジョブを受信するコンピュータから前記サービスに対応する印刷先が指定された印刷ジョブに係る文書データを取得し、
前記判定部は、前記取得部が取得した文書データが業務用であるか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記取得部は、前記印刷ジョブに指定されたユーザの識別情報又は前記印刷ジョブに指定された印刷先に基づいて、前記サービスの配送先を特定する、
ことを特徴とする請求項3記載の情報処理システム。
【請求項5】
印刷の実行と印刷物の配送を行うサービスに対して前記印刷の対象として指定された文書データを取得する取得手順と、
前記文書データが業務用であるか否かを判定する判定手順と、
前記文書データが業務用である場合に、前記印刷及び前記配送に関する費用を経費として精算するための情報を記録する記録手順と、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
印刷の実行と印刷物の配送を行うサービスに対して前記印刷の対象として指定された文書データを取得する取得手順と、
前記文書データが業務用であるか否かを判定する判定手順と、
前記文書データが業務用である場合に、前記印刷及び前記配送に関する費用を経費として精算するための情報を記録する記録手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置の利用に関して、正当な利用者による業務目的の使用について確実に課金し得ることを目的とした技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
他方において、近年では、新型コロナウィルスの影響等を受けて在宅勤務が増えている。このような状況において、企業の従業員は、オフィス又は自宅に配置されているプリンタを利用するのではなく、ネット印刷サービスを利用して印刷を発注し、印刷物を自宅に配送してもらうケースがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、ネット印刷サービスとの連携が考慮されていないため、企業において、各従業員によるネット印刷サービスの利用が業務用か否かを区別することが困難である。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、印刷の実行と印刷物の配送を行うサービスの利用が業務用か否かを区別可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで上記課題を解決するため、情報処理システムは、印刷の実行と印刷物の配送を行うサービスに対して前記印刷の対象として指定された文書データを取得する取得部と、前記文書データが業務用であるか否かを判定する判定部と、前記文書データが業務用である場合に、前記印刷及び前記配送に関する費用を経費として精算するための情報を記録する記録部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
印刷の実行と印刷物の配送を行うサービスの利用が業務用か否かを区別可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施の形態における情報処理システム1の構成例を示す図である。
図2】第1の実施の形態におけるデータ連携システム10を構成するハードウェア構成例を示す図である。
図3】第1の実施の形態における情報処理システム1の機能構成例を示す図である。
図4】第1の実施の形態における情報処理システム1が実行する処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
図5】発注情報記憶部211の構成例を示す図である。
図6】業務判定記憶部の構成例を示す図である。
図7】印刷費用記憶部122の構成例を示す図である。
図8】配送費用記憶部123の構成例を示す図である。
図9】経費精算申請記憶部311の構成例を示す図である。
図10】承認者記憶部124の構成例を示す図である。
図11】第2の実施の形態における情報処理システム1の構成例を示す図である。
図12】第2の実施の形態における情報処理システム1の機能構成例を示す図である。
図13】第2の実施の形態における情報処理システム1が実行する処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
図14】印刷画面の一例を示す図である。
図15】印刷先として選択可能なプリンタ60のリストの一例を示す図である。
図16】機器情報記憶部411の構成例を示す図である。
図17】機器管理画面の一例を示す図である。
図18】ジョブ記憶部412の構成例を示す図である。
図19】配送先記憶部125の構成例を示す図である。
図20】複数の仮想プリンタが登録された機器情報記憶部411の構成例を示す図である。
図21】配送先記憶部125の第2の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は、第1の実施の形態における情報処理システム1の構成例を示す図である。図1において、ユーザ端末50は、インターネット等のネットワークを介してデータ連携システム10に接続する。データ連携システム10は、インターネット等のネットワークを介してネット印刷システム20及び経費精算システム30に接続する。
【0010】
ユーザ端末50は、例えば、ユーザ環境において利用されるPC(Personal Computer)等の端末である。ユーザ環境とは、或る企業(以下、「企業A」という。)のオフィス、又は企業Aにおいて在宅勤務を行う従業員の自宅(従業員宅)等である。したがって、企業Aの従業員がユーザ端末50のユーザである。ユーザ環境は、オフィスと従業員宅との双方を含む環境であってもよい。この場合、企業Aの企業内ネットワークと従業員宅とは、例えば、VPN(Virtual Private Network)等を利用して接続されればよい。ユーザ端末50は、ネット印刷サービスの利用指示をユーザから受け付ける。ネット印刷サービスとは、インターネット等のネットワークを介して印刷要求を受け付け、当該印刷要求に応じた印刷を実行し、印刷物を指定された配送先に配送するサービスをいう。したがって、ユーザは、プリンタ60を有していなくても所望の印刷物を入手することができる。
【0011】
ネット印刷システム20は、ネット印刷サービスをクラウドサービスとして提供する1以上のコンピュータである。すなわち、ネット印刷システム20は、ネット印刷サービスの利用者からの印刷要求に応じた印刷物を印刷する。
【0012】
データ連携システム10は、ネット印刷システム20と経費精算システム30との連携を行うサービスをクラウドサービスとして提供する1以上のコンピュータである。本実施の形態において、データ連携システム10は、ネット印刷システム20による印刷対象の文書データが業務用であるか否かを判定し、当該文書データが業務用である場合、印刷サービスの利用料を経費として精算することの申請(経費精算申請)を経費精算システム30に登録する。
【0013】
経費精算システム30は、ネット印刷サービスの利用料についての経費精算申請の管理機能をクラウドサービスとして提供する1以上のコンピュータである。
【0014】
図2は、第1の実施の形態におけるデータ連携システム10を構成するハードウェア構成例を示す図である。データ連携システム10を構成するコンピュータは、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置100、補助記憶装置102、メモリ装置103、CPU104、及びインタフェース装置105等を有する。
【0015】
データ連携システム10での処理を実現するプログラムは、CD-ROM等の記録媒体101によって提供される。プログラムを記憶した記録媒体101がドライブ装置100にセットされると、プログラムが記録媒体101からドライブ装置100を介して補助記憶装置102にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体101より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置102は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
【0016】
メモリ装置103は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置102からプログラムを読み出して格納する。CPU104は、メモリ装置103に格納されたプログラムに従ってデータ連携システム10に係る機能を実行する。インタフェース装置105は、ネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。
【0017】
なお、ネット印刷システム20又は経費精算システム30を構成するコンピュータや、ユーザ端末50も図2に示されるハードウェア構成を有してもよい。
【0018】
また、データ連携システム10、ネット印刷システム20及び経費精算システム30のうちのいずれか2つのシステム又は全てのシステムは、共通のコンピュータを用いて構成されてもよい。この場合、各システムの一部のコンピュータが共通であってもよいし、各システムの全部のコンピュータが共通であってもよい。各システムの全部のコンピュータが共通である場合、当該全部のコンピュータは、1台のコンピュータであってもよいし、複数台のコンピュータであってもよい。
【0019】
図3は、第1の実施の形態における情報処理システム1の機能構成例を示す図である。図3において、ネット印刷システム20は、発注受信部21、印刷制御部22及び配送支援部23を有する。これら各部は、ネット印刷システム20にインストールされた1以上のプログラムが、ネット印刷システム20のCPUに実行させる処理により実現される。ネット印刷システム20は、また、発注情報記憶部211を利用する。発注情報記憶部211は、例えば、ネット印刷システム20の補助記憶装置、又はネット印刷システム20にネットワークを介して接続可能な記憶装置等を用いて実現可能である。
【0020】
発注受信部21は、ネット印刷サービスに対する発注を示す情報(以下、「発注情報」という。)をユーザ端末50から受信する。発注情報は、文書データの印刷及び印刷物の配送の要求を示す情報であり、当該文書データも含む。発注受信部21は、受信した発注情報を発注情報記憶部211に記録する。
【0021】
印刷制御部22は、発注情報に係る文書データの印刷を制御する。配送支援部23は、当該印刷によって出力された印刷物の配送を支援するための処理を実行する。
【0022】
データ連携システム10は、発注監視部11、判定部12、費用計算部13及び登録部14を有する。これら各部は、データ連携システム10にインストールされた1以上のプログラムが、CPU104に実行させる処理により実現される。データ連携システム10は、また、判定情報記憶部121、印刷費用記憶部122、配送費用記憶部123及び承認者記憶部124を利用する。これら各記憶部は、例えば、補助記憶装置102、又はデータ連携システム10にネットワークを介して接続可能な記憶装置等を用いて実現可能である。
【0023】
発注監視部11は、ネット印刷システム20の発注情報記憶部211を監視し、新たな発注情報の記録を検知すると、当該発注情報を取得する。
【0024】
判定部12は、発注監視部11が取得した発注情報が含む文書データについて、判定情報記憶部121を参照して業務用であるか否かを判定する。判定情報記憶部121は、文書データが業務用であるか否かを判定するための情報を記憶する。
【0025】
費用計算部13は、発注監視部11が取得した発注情報に基づいて、ネット印刷サービスの利用に係る費用(利用料)を計算する。より詳しくは、費用計算部13は、印刷費用記憶部122を参照して、当該発注情報に係る印刷費用を計算する。また、費用計算部13は、配送費用記憶部123を参照して、当該印刷による印刷物の配送費用を計算する。印刷費用記憶部122には、印刷条件に応じた印刷費用が記憶されている。配送費用記憶部123には、配送先に応じた配送費用が記憶されている。
【0026】
登録部14は、判定部12が判定対象とした文書データが業務用であった場合に、費用計算部13が計算した費用を経費として精算するための情報(以下、「経費精算申請情報」という。)を経費精算システム30へ登録する。
【0027】
経費精算システム30は、承認処理部31を有する。承認処理部31は、経費精算システム30にインストールされた1以上のプログラムが、経費精算システム30のCPUに実行させる処理により実現される。経費精算システム30は、また、経費精算申請記憶部311を利用する。経費精算申請記憶部311は、例えば、経費精算システム30補助記憶装置、又は経費精算システム30にネットワークを介して接続可能な記憶装置等を用いて実現可能である。
【0028】
経費精算申請記憶部311は、登録部14によって登録された経費精算申請情報を記憶する。承認処理部31は、経費精算申請記憶部311が記憶する経費精算申請情報について、承認を得るための処理を実行する。
【0029】
以下、情報処理システム1が実行する処理手順について説明する。図4は、第1の実施の形態における情報処理システム1が実行する処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0030】
ユーザ端末50が、ユーザによる操作に応じてネット印刷システム20へ発注情報を送信すると、ステップS111~S113において、ネット印刷システム20が当該発注情報に応じた処理を実行する。ユーザによる操作(発注情報を構成するパラメータの入力等)は、例えば、ネット印刷システム20が提供する画面(Web画面)を介して行われる。
【0031】
ステップS111において、発注受信部21は、当該発注情報を受信し、当該発注情報を発注情報記憶部211に記録する。
【0032】
図5は、発注情報記憶部211の構成例を示す図である。図5が示すように、発注情報記憶部211は、発注ごとに、発注者、発注日時、文書名、ページ数、カラー・モノクロ、両面・片面、文書データ、及び配送先等を含む発注情報を記憶する。
【0033】
発注者は、発注を行ったユーザのユーザ名である。発注日時は、発注情報が受信された日時である。文書名は、発注に係る文書データ(印刷及び印刷物の配送の対象である文書データ)の名前(例えば、ファイル名)である。ページ数は、当該文書データのページ数である。カラー・モノクロは、当該文書データの印刷をカラーで行うのかモノクロで行うのか示す情報である。両面・片面は、当該文書データを印刷用紙の両面に印刷するのか片面に印刷するのかを示す情報である。文書データは、発注に係る文書データの実体である。配送先は、当該文書データの印刷物の配送先を示す住所である。なお、これらのパラメータのうち、カラー・モノクロ、両面・片面及び配送先は、印刷の発注時においてユーザによって指定される設定情報である。
【0034】
続いて、印刷制御部22は、新たに発注情報記憶部211に記録された発注情報(以下、「対象発注情報」という。)が含む文書データについて、当該発注情報に応じた印刷を制御する(S112)。この際、印刷先のプリンタは、ネット印刷システム20を構成する1以上のプリンタのうちのいずれかのプリンタである。
【0035】
続いて、配送支援部23は、ステップS112において実行された印刷によって出力された印刷物について、対象発注情報の配送先への配送を支援するための処理を実行する(S113)。例えば、配送支援部23は、配送のための伝票の出力や、配送担当者への配送指示のメールの送信等を実行する。
【0036】
一方、データ連携システム10の発注監視部11は、発注情報記憶部211への発注情報の追加を、例えば、ポーリング等によって監視している(S121)。発注監視部11は、対象発注情報が発注情報記憶部211に追加されたことを検知すると、対象発注情報を取得して、対象発注情報を判定部12及び費用計算部13へ入力する。
【0037】
続いて、判定部12は、業務判定記憶部を参照して、対象発注情報が含む文書データが業務用の文書データであるか否かを判定する(S122)。
【0038】
図6は、業務判定記憶部の構成例を示す図である。図6が示すように、業務判定記憶部は、業務用の文書に関連する用語(キーワード)のリスト(以下、「用語リスト」という。)を記憶する。
【0039】
判定部12は、対象発注情報の文書名又は文書データが用語リストに含まれるいずれかの用語を含む場合には、当該文書データ(以下、「対象文書データ」という。)が業務用の文書データであると判定する。一方、対象発注情報の文書名及び文書データが用語リストに含まれるいずれの用語をも含まない場合、判定部12は、対象文書データが業務用ではない(私用)であると判定する。なお、文書データが業務用であるか否かの判定は、公知の他の方法を用いて行われてもよい。
【0040】
対象文書データが業務用である場合、費用計算部13は、印刷費用記憶部122及び配送費用記憶部123を参照して、対象発注情報に係る印刷及び配送に要する費用(料金)を計算する(S123)。
【0041】
図7は、印刷費用記憶部122の構成例を示す図である。図7が示すように、印刷費用記憶部122は、カラー印刷及びモノクロ印刷のそれぞれについて、1ページあたりの金額を記憶する。図7の例では、カラー印刷の1ページあたりの金額は50円であり、モノクロ印刷の1ページあたりの金額は30円である。
【0042】
費用計算部13は、対象発注情報のカラー・モノクロの値に対応する1ページあたりの金額に、対象発注情報のページ数を乗じることで対象発注情報に係る印刷の費用(印刷費)の金額を算出する。
【0043】
また、図8は、配送費用記憶部123の構成例を示す図である。図8が示すように、配送費用記憶部123は、地域別(図8の例では県別)に配送費の金額を記憶する。
【0044】
費用計算部13は、対象発注情報の配送先に対応する金額を配送費用記憶部123を参照して特定する。
【0045】
更に、費用計算部13は、対象発注情報に係る印刷費の金額と配送費の金額との総和を、対象発注情報に係る総費用として計算する。
【0046】
続いて、登録部14は、対象発注情報に係る総費用を経費として精算することを申請するための経費精算申請情報を、経費精算システム30の経費精算申請記憶部311に登録(記録)する(S124)。
【0047】
図9は、経費精算申請記憶部311の構成例を示す図である。図9における1行が1つの経費精算申請情報に対応する。図9が示すように、経費精算申請情報は、申請者、作成日時、申請内容、費用及び承認者等を含む。
【0048】
申請者は、発注情報に係る総費用を経費として精算することを申請するユーザであり、当該発注情報の発注者に相当する。作成日時は、経費精算申請情報が経費精算申請記憶部311に登録された日時である。申請内容は、経費としての精算の申請対象の発注の識別情報である。本実施の形態では、当該発注に係る発注情報の文書名が申請内容として用いられる。なお、データ連携システム10の登録部14が、対象発注情報の文書データをデータ連携システム10の記憶装置に保存しておき、その保存先に対するリンク情報が申請内容に含まれるようにしてもよい。費用は、経費としての精算の申請対象の金額であり、費用計算部13によって計算された総費用である。承認者は、経費精算申請情報に係る申請を承認するユーザのユーザIDである。登録部14は、承認者記憶部124を参照して、申請者に対応する承認者を特定し、特定した承認者を経費精算申請情報に含める。
【0049】
図10は、承認者記憶部124の構成例を示す図である。図10が示すように、承認者記憶部124は、申請者に対応付けて承認者を記憶する。例えば、各申請者の上司が承認者として登録されてもよい。
【0050】
なお、経費精算システム30の承認処理部31は、例えば、或るユーザが利用する端末からの要求に応じ、当該或るユーザのユーザIDを承認者の値とする経費精算申請情報の一覧を含む画面データを、当該端末に対して返信する。当該端末は、当該画面データに基づいて当該一覧を示す画面を表示する。この際、経費精算申請情報の申請内容に文書データへのリンク情報が含まれている場合には、当該ユーザ(承認者)は、当該リンク情報に基づいて当該文書データを確認して、承認の可否を判断することができる。
【0051】
上述したように、第1の実施の形態によれば、ネット印刷システム20に対して印刷の対象として指定された文書データを含む発注情報を取得し、当該文書データが業務用であるか否かを判定し、当該文書データが業務用である場合に、当該文書データに係る印刷及び配送の費用について経費として精算するための情報が登録される。したがって、印刷の実行と印刷物の配送を行うサービスの利用が業務用か否かを区別可能とすることができる。
【0052】
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では第1の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に言及されない点については、第1の実施の形態と同様でもよい。
【0053】
図11は、第2の実施の形態における情報処理システム1の構成例を示す図である。図11中、図1と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。第2の実施の形態では、プリントシステム40が、インターネット等のネットワークを介してユーザ端末50及びデータ連携システム10に接続する。
【0054】
プリントシステム40は、プリントサーバとしての機能をクラウドサービスとして提供する1以上のコンピュータである。プリントサーバとしての機能とは、ユーザ端末50から印刷要求(印刷ジョブ)を受信し、当該印刷要求に指定された印刷先へ当該印刷ジョブを配信する機能をいう。
【0055】
また、第2の実施の形態において、ユーザ環境は、プリンタ60及び中継サーバ70を更に含む。プリンタ60は、ユーザの自宅又はオフィスに設置されているプリンタであり、プリントシステム40において選択可能な印刷先の候補である。
【0056】
中継サーバ70は、プリントシステム40に要求された印刷ジョブをユーザ環境のプリンタ60に実行させるために、企業Aのネットワーク内に設置されるコンピュータである。具体的には、中継サーバ70は、プリントシステム40に定期的にアクセスして印刷ジョブの有無を監視し、ユーザ環境内のプリンタ60を印刷先とする印刷ジョブが有れば当該印刷ジョブを引き取って、当該プリンタ60に対して印刷命令を送信する。
【0057】
図12は、第2の実施の形態における情報処理システム1の機能構成例を示す図である。図12中、図3と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0058】
図12において、プリントシステム40は、ジョブ受信部41を有する。ジョブ受信部41は、プリントシステム40にインストールされた1以上のプログラムが、プリントシステム40のCPUに実行させる処理により実現される。プリントシステム40は、また、機器情報記憶部411及びジョブ記憶部412を利用する。これら各記憶部は、例えば、プリントシステム40の補助記憶装置、又はプリントシステム40にネットワークを介して接続可能な記憶装置等を用いて実現可能である。
【0059】
ジョブ受信部41は、ユーザ端末50から送信される印刷ジョブを受信する。ジョブ記憶部412は、ジョブ受信部41が受信した印刷ジョブを記憶する。機器情報記憶部411は、印刷先として選択可能なプリンタ60のリストを記憶する。当該リストは、実在のプリンタ60のみならず、ネット印刷サービスに対応する仮想的なプリンタ(以下、「仮想プリンタ」という。)も含む。
【0060】
データ連携システム10は、発注監視部11の代わりにジョブ監視部15を有する。ジョブ監視部15は、プリントシステム40のジョブ記憶部412を監視し、ネット印刷サービスに対応する仮想プリンタが印刷先として指定されたジョブ情報の記録を検知すると、当該ジョブ情報を取得する。発注監視部11は、当該ジョブ情報に基づいて発注情報を生成し、当該発注情報をネット印刷システム20へ送信する。なお、印刷ジョブは、プリントシステム40に対する印刷の要求であり、ネット印刷システム20に対する印刷及び配送の要求ではないため、配送先は指定されていない。そこで、ジョブ監視部15は、ジョブ情報に基づく発注情報の生成に際し、配送先記憶部125を参照して、当該発注情報に設定する配送先を特定する。配送先記憶部125には、ユーザIDに対応付けて配送先が記憶されている。
【0061】
なお、ジョブ監視部15は、データ連携システム10にインストールされた1以上のプログラムが、CPU104に実行させる処理により実現される。配送先記憶部125は、例えば、補助記憶装置102、又はデータ連携システム10にネットワークを介して接続可能な記憶装置等を用いて実現可能である。
【0062】
図13は、第2の実施の形態における情報処理システム1が実行する処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。図13中、図4と同一又は対応するステップには同一ステップ番号を付し、その説明は適宜省略する。
【0063】
ステップS101において、ユーザ端末50は、ユーザによる操作に応じて印刷ジョブ(印刷要求)をプリントシステム40に送信する。ユーザによる操作は、例えば、Webブラウザの標準の印刷画面を用いて行われる。
【0064】
図14は、印刷画面の一例を示す図である。図14が示す印刷画面は、印刷プレビューの表示領域や、印刷設定のための領域等を含む。印刷設定のための領域には、印刷先(送信先)の選択用のプルダウンリスト512が含まれる。ユーザが、プルダウンリスト512を展開させると、図15に示されるように、印刷先として選択可能なプリンタ60のリストL1が表示される。ユーザは、リストL1の中から印刷先を選択する。なお、リストL1の表示候補は、プリントシステム40の機器情報記憶部411に記憶されている。
【0065】
図16は、機器情報記憶部411の構成例を示す図である。図16が示すように、機器情報記憶部411には、印刷先として選択可能なプリンタ60ごとに、プリンタ名及びIPアドレスを記憶する。なお、図16の最終行における、プリンタ名が「ネット印刷」であるプリンタは、ネット印刷サービスに対応する仮想プリンタを示す。なお、印刷先として選択可能なプリンタは、例えば、図17に示されるような機器管理画面を用いて選択されてもよい。
【0066】
図17は、機器管理画面の一例を示す図である。図17が示すように、機器管理画面520は、印刷先として選択可能なプリンタの一覧を含む。各プリンタは、アイコンの操作により削除(選択候補からの除去)が可能である。また、Addボタン521を押下することにより、新たなプリンタを印刷先としての選択候補に追加することが可能である。
【0067】
プリントシステム40のジョブ受信部41は、ユーザ端末50から送信された印刷ジョブを受信すると、当該印刷ジョブをジョブ記憶部412に記録する。
【0068】
図18は、ジョブ記憶部412の構成例を示す図である。図18における1行が1つの印刷ジョブに対応する。図18が示すように、印刷ジョブは、プリンタ名、文書名、ページ数、カラー・モノクロ、両面・片面、文書データ及びユーザID等を含む。
【0069】
プリンタ名は、印刷先として選択されたプリンタ名である。文書名、ページ数、カラー・モノクロ、両面・片面及び文書データについては、発注情報における同名のパラメータと同義である。ユーザIDは、印刷指示を行ったユーザのユーザIDである。
【0070】
一方、データ連携システム10のジョブ監視部15は、ジョブ記憶部412を、例えば、ポーリング等によって監視している(S101)。ジョブ監視部15は、新たな印刷ジョブがジョブ記憶部412に追加されたことを検知すると、当該印刷ジョブのプリンタ名(すなわち、印刷先)が、ネット印刷サービスに対応する仮想プリンタを示す特定の文字列(本実施の形態では「ネット印刷」)である否かを判定する。当該印刷ジョブのプリンタ名が「ネット印刷」であれば、ジョブ監視部15は、当該印刷ジョブ(以下、「対象印刷ジョブ」という。)を取得して、対象印刷ジョブに基づいて発注情報を生成する。この際、ジョブ監視部15は、対象印刷ジョブの文書名、ページ数、カラー・モノクロ、両面・片面及び文書データを含む発注情報(以下、「対象発注情報」という。)を生成する。ジョブ監視部15は、また、対象印刷ジョブのユーザIDを、対象発注情報の申請者とする。ジョブ監視部15は、更に、対象印刷ジョブのユーザIDに対応する配送先を配送先記憶部125を参照して特定し、特定した配送先を対象発注情報に含める。
【0071】
図19は、配送先記憶部125の構成例を示す図である。図19が示すように、配送先記憶部125は、ユーザIDに対応付けて配送先を記憶する。
【0072】
続いて、ジョブ監視部15が対象発注情報をネット印刷システム20に送信すると、ネット印刷システム20の発注受信部21は、当該発注情報を受信し、当該発注情報を発注情報記憶部211(図5)に記録する(S103)。その後、ネット印刷システム20は、第1の実施の形態と同様に、ステップS112及びS113を実行する。
【0073】
一方、データ連携システム10は、対象発注情報に基づいて、第1の実施の形態と同様に、ステップS122~S124を実行する。
【0074】
なお、ステップS101において、実在するプリンタ60(すなわち、ネット印刷サービス以外のプリンタ60)が印刷先として指定された印刷ジョブがユーザ端末50から送信された場合、中継サーバ70が当該印刷ジョブに基づく印刷命令を当該プリンタ60へ送信する。この場合、ステップS103及びS112を除いて、ステップS102以降が実行される。
【0075】
なお、上記の図16では、ネット印刷サービスに対応する仮想プリンタが機器情報記憶部411に対して1つのみ登録される例を示したが、印刷物の配送先別に複数の仮想プリンタが機器情報記憶部411に登録されてもよい。
【0076】
図20は、複数の仮想プリンタが登録された機器情報記憶部411の構成例を示す図である。図20には、プリンタ名が「ネット印刷-配送先x」、「ネット印刷-配送先y」又は「ネット印刷-配送先z」である3つの仮想プリンタが機器情報記憶部411に登録された例が示されている。
【0077】
この場合、配送先記憶部125には、仮想プリンタごとに配送先が登録されればよい。
【0078】
図21は、配送先記憶部125の第2の構成例を示す図である。図21が示す配送先記憶部125は、仮想プリンタのプリンタ名に対応づけて配送先を記憶する。
【0079】
図20のような機器記憶部及び図21のような配送先記憶部125が採用される場合、ユーザは、所望の配送先に対応する仮想プリンタを選択する。ジョブ監視部15は、印刷ジョブに基づいて発注情報を生成する際に、図21が示す配送先記憶部125を参照して、当該印刷ジョブに指定されているプリンタ名に対応する配送先を特定し、当該配送先を当該発注情報に含める。その結果、ユーザは、任意の配送先へ印刷物を配送することができる。
【0080】
上述したように、第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、既存のプリントシステム40において、特定のプリンタ60(仮想プリンタ)場合にネット印刷サービスを利用することができ、それ以外の機器は通常の印刷(ユーザ環境内における印刷)を可能とすることができる。
【0081】
なお、明細書中の対応テーブル(印刷費用記憶部122(図7)、配送費用記憶部123(図8)、承認者記憶部124(図10)、機器情報テーブル(図16図20)、配送先記憶部125(図19図21))は、機械学習の学習効果によって生成されたものでもよい。
【0082】
ここで、機械学習とは、コンピュータに人のような学習能力を獲得させるための技術であり,コンピュータが,データ識別等の判断に必要なアルゴリズムを,事前に取り込まれる学習データから自律的に生成し,新たなデータについてこれを適用して予測を行う技術のことをいう。機械学習のための学習方法は、教師あり学習、教師なし学習、半教師学習、強化学習、深層学習のいずれかの方法でもよく、さらに、これらの学習方法を組み合わせた学習方法でもよく、機械学習のための学習方法は問わない。
【0083】
なお、各システムを構成する装置は、汎用的な情報処理装置に限られない。当該装置は、例えば、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPCまたはデスクトップPC等であってもよい。
【0084】
また、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0085】
なお、上記各実施の形態において、発注監視部11及びジョブ監視部15は、取得部の一例である。登録部14は、記録部の一例である。
【0086】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0087】
1 情報処理システム
10 データ連携システム
11 発注監視部
12 判定部
13 費用計算部
14 登録部
15 ジョブ監視部
20 ネット印刷システム
21 発注受信部
22 印刷制御部
23 配送支援部
30 経費精算システム
31 承認処理部
40 プリントシステム
41 ジョブ受信部
50 ユーザ端末
60 プリンタ
70 中継サーバ
100 ドライブ装置
101 記録媒体
102 補助記憶装置
103 メモリ装置
104 CPU
105 インタフェース装置
122 印刷費用記憶部
123 配送費用記憶部
124 承認者記憶部
125 配送先記憶部
211 発注情報記憶部
311 経費精算申請記憶部
411 機器情報記憶部
412 ジョブ記憶部
B バス
【先行技術文献】
【特許文献】
【0088】
【特許文献1】特開2018-207344号公報
図1
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