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特開2023-54597情報処理装置、方法、プログラム、およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023054597
(43)【公開日】2023-04-14
(54)【発明の名称】情報処理装置、方法、プログラム、およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/04 20120101AFI20230407BHJP
【FI】
G06Q30/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021163546
(22)【出願日】2021-10-04
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】関 亜弓
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB11
(57)【要約】
【課題】所定の条件を満たす帳票を発行する。
【解決手段】本発明の一実施形態である情報処理装置は、帳票の発行の要求を受け付ける受付部と、前記帳票の特定の領域への入力の有無を判定する第1の判定部と、前記特定の領域への入力が有る場合、前記帳票の前記特定の領域以外の領域への入力が所定の条件を満たすか否かを判定する第2の判定部と、前記特定の領域への入力が無い場合、前記帳票を発行する発行部と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帳票の発行の要求を受け付ける受付部と、
前記帳票の特定の領域への入力の有無を判定する第1の判定部と、
前記特定の領域への入力が有る場合、前記帳票の前記特定の領域以外の領域への入力が所定の条件を満たすか否かを判定する第2の判定部と、
前記特定の領域への入力が無い場合、前記帳票を発行する発行部と
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記特定の領域以外の領域への入力が前記所定の条件を満たさない場合、前記所定の条件を満たさない入力を、前記所定の条件を満たす入力に変更する強制設定部
をさらに備えた請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特定の領域以外の領域への入力が前記所定の条件を満たさない場合、エラー処理を実行するエラー処理部
をさらに備えた請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記帳票は、インボイス制度の適格請求書であり、
前記特定の領域以外の領域は、前記適格請求書に記載されるべき事項である、請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記特定の領域は、適格請求書発行事業者の登録番号である、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記発行部は、前記特定の領域への入力が有り、かつ、前記帳票の前記特定の領域以外の領域への入力が前記所定の条件を満たす場合、前記帳票を発行する、請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
画面を生成する画面生成部を備え、
前記画面生成部は、
帳票の発行の要求を受け付ける画面と、
前記帳票の特定の領域への入力が有る場合、前記帳票の前記特定の領域以外の領域への入力が所定の条件を満たすか否かに応じた画面と、
前記特定の領域への入力が無い場合、前記帳票を発行するための画面と、を生成する、情報処理装置。
【請求項8】
情報処理装置が実行する方法であって、
帳票の発行の要求を受け付けるステップと、
前記帳票の特定の領域への入力の有無を判定するステップと、
前記特定の領域への入力が有る場合、前記帳票の前記特定の領域以外の領域への入力が所定の条件を満たすか否かを判定するステップと、
前記特定の領域への入力が無い場合、前記帳票を発行するステップと
を含む方法。
【請求項9】
前記特定の領域以外の領域への入力が前記所定の条件を満たさない場合、前記所定の条件を満たさない入力を、前記所定の条件を満たす入力に変更するステップ
をさらに含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記特定の領域以外の領域への入力が前記所定の条件を満たさない場合、エラー処理を実行するステップ
をさらに含む請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記帳票は、インボイス制度の適格請求書であり、
前記特定の領域以外の領域は、前記適格請求書に記載されるべき事項である、請求項8から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記特定の領域は、適格請求書発行事業者の登録番号である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記特定の領域への入力が有り、かつ、前記帳票の前記特定の領域以外の領域への入力が前記所定の条件を満たす場合、前記帳票を発行する、請求項8から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
情報処理装置を
帳票の発行の要求を受け付ける受付部、
前記帳票の特定の領域への入力の有無を判定する第1の判定部、
前記特定の領域への入力が有る場合、前記帳票の前記特定の領域以外の領域への入力が所定の条件を満たすか否かを判定する第2の判定部、
前記特定の領域への入力が無い場合、前記帳票を発行する発行部
として機能させるためのプログラム。
【請求項15】
情報処理装置とユーザ端末を含むシステムであって、
前記情報処理装置は、
前記ユーザ端末から、帳票の発行の要求を受け付ける受付部と、
前記帳票の特定の領域への入力の有無を判定する第1の判定部と、
前記特定の領域への入力が有る場合、前記帳票の前記特定の領域以外の領域への入力が所定の条件を満たすか否かを判定する第2の判定部と、
前記特定の領域への入力が無い場合、前記ユーザ端末に対して、前記帳票を発行する発行部と
を備え、
前記ユーザ端末は、
前記情報処理装置に対して前記帳票の発行を要求して、前記情報処理装置が発行した前記帳票を取得する、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、方法、プログラム、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インボイス制度の適格請求書等に係る証憑データの適格性を判定する手法が開示されている。具体的には、例えば特許文献1では、証憑データに含まれる複数の文字をテキスト化して、該複数の文字と事業者名および事業者識別情報とを照合することによって、証憑データの適格性を判定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6712738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の証憑データは、会計事務所の顧問先が保有する請求書をスキャナにより画像化したものである(引用文献1の明細書の段落[0020]等)。つまり、特許文献1の証憑データは、発行済みの請求書に係る証憑データであって、この従来技術によっては、証憑データが所定の条件を満たさない不適格なものであると判定されると、控除の適用を受けることができない。
【0005】
そこで、本発明では、所定の条件を満たす帳票を発行することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態である情報処理装置は、帳票の発行の要求を受け付ける受付部と、前記帳票の特定の領域への入力の有無を判定する第1の判定部と、前記特定の領域への入力が有る場合、前記帳票の前記特定の領域以外の領域への入力が所定の条件を満たすか否かを判定する第2の判定部と、前記特定の領域への入力が無い場合、前記帳票を発行する発行部と、を備える。
【0007】
本発明によれば、所定の条件を満たす帳票を発行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る全体の構成図である。
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成図である。
図3】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の機能ブロック図である。
図4】本発明の一実施形態に係る帳票データ記憶部に記憶されているデータの一例である。
図5】本発明の一実施形態に係る取引先データ記憶部に記憶されているデータの一例である。
図6】本発明の一実施形態に係る帳票の発行処理のフローチャート(例1)である。
図7】本発明の一実施形態に係る帳票の発行処理のフローチャート(例2)である。
図8】本発明の一実施形態に係る画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づいて本開示の実施の形態を説明する。
【0010】
<用語の説明>
・本明細書において、「帳票」とは、買手(バイヤーとも呼ばれる)が売手(サプライヤーとも呼ばれる)に対して支払う金銭を示す書類(例えば、請求書、納品書、領収書、レシート等)である。例えば、帳票は、適格請求書等保存方式(インボイス制度とも呼ばれる)の適格請求書である。
・本明細書において、「発行」とは、適格請求書等の帳票を作成して通用させる(例えば、帳票のデータを印刷する、帳票のデータを送信する)ことをいう。
【0011】
<システム構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る全体の構成図である。システム1は、情報処理装置(サーバ)10と、ユーザ端末(クライアント)20と、を含む。情報処理装置10とユーザ端末20は、通信ネットワークNを介して通信可能に接続されている。以下、それぞれについて説明する。
【0012】
<<情報処理装置>>
情報処理装置10は、インボイス制度の適格請求書等の帳票を発行する。具体的には、情報処理装置10は、帳票の発行の要求を受け付けると、帳票の特定の領域への入力の有無(例えば、"適格請求書発行事業者の登録番号"の入力の有無)を判定する。特定の領域への入力が有る場合には、情報処理装置10は、帳票の特定の領域以外の領域への入力が所定の条件を満たすか否か(例えば、所定の事項("取引年月日"、"取引内容"、"税率ごとに区分して合計した対価の額および適用税率"、"税率ごとに区分した消費税額等"、"交付を受ける事業者の氏名又は名称"の項目)が記載されているか否か)を判定する。特定の領域への入力が無い場合には、情報処理装置10は、帳票を発行する。
【0013】
実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。情報処理装置10は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)、ワークステーションである。情報処理装置10は、サーバ装置、ASP(Application Service Provider)、あるいはクラウドコンピューティングにより実現してもよい。ある実施形態では、情報処理装置10は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
【0014】
<<ユーザ端末>>
ユーザ端末20は、インボイス制度の適格請求書等の帳票を発行させたいユーザが用いる端末である。具体的には、ユーザ端末20は、情報処理装置10に対して、帳票の発行を要求する。また、ユーザ端末20は、情報処理装置10が発行した帳票を取得する。例えば、ユーザ端末20は、パーソナルコンピュータ等である。
【0015】
なお、ユーザ端末20は、通信機能を備えた装置であれば、パーソナルコンピュータに限られない。ユーザ端末20は、例えば、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、自動車(Connected Car)、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPCまたはデスクトップPC等であってもよい。
【0016】
<ハードウェア構成>
図2は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置10のハードウェア構成図である。なお、ユーザ端末(パーソナルコンピュータの場合)20も同様である。
【0017】
図2に示されているように、情報処理装置10は、コンピュータによって構築されており、図2に示されているように、CPU1001、ROM1002、RAM1003、HD1004、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ1005、ディスプレイ1006、外部機器接続I/F(Interface)1007、ネットワークI/F1008、データバス1009、キーボード1010、ポインティングデバイス1011、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ1013、メディアI/F1015を備えている。
【0018】
これらのうち、CPU1001は、情報処理装置10全体の動作を制御する。ROM1002は、IPL等のCPU1001の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM1003は、CPU1001のワークエリアとして使用される。HD1004は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ1005は、CPU1001の制御にしたがってHD1004に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ1006は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F1007は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F1008は、通信ネットワークNを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン1009は、図2に示されているCPU1001等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0019】
また、キーボード1010は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス1011は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ1013は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW1012に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F1015は、フラッシュメモリ等の記録メディア1014に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0020】
<機能ブロック>
図3は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置10の機能ブロック図である。
【0021】
情報処理装置10は、受付部101と、判定部102と、発行部103と、エラー処理部104と、強制設定部105と、画面生成部106と、帳票データ記憶部107と、取引先データ記憶部108と、を備えることができる。また、情報処理装置10は、プログラムを実行することで、受付部101、判定部102と、発行部103、エラー処理部104、強制設定部105、画面生成部106として機能することができる。
【0022】
受付部101は、ユーザ端末20から、帳票(例えば、請求書)の発行の要求を受け付ける。
【0023】
判定部102は、「第1の判定部」「第2の判定部」として機能し、モジュールとして一つまたは複数でもよい。
【0024】
判定部102(第1の判定部)は、帳票の特定の領域への入力の有無を判定する。例えば、判定部102は、請求書内の"適格請求書発行事業者の登録番号"への入力の有無を判定する。
【0025】
判定部102(第2の判定部)は、帳票の特定の領域以外の領域への入力が所定の条件を満たすか否かを判定する。例えば、判定部102は、所定の事項(例えば、"取引年月日"、"取引内容"、"税率ごとに区分して合計した対価の額および適用税率"、"税率ごとに区分した消費税額等"、"交付を受ける事業者の氏名又は名称"の項目)が記載されているか否かを判定する。
【0026】
発行部103は、ユーザ端末20に対して、帳票を発行する。例えば、発行部103は、帳票の発行前に、発行に関する設定(例えば、帳票を印刷するための設定)を行うことができる。なお、発行部103は、帳票の発行前に、その他の項目(つまり、判定部102が判定した項目以外の項目)が所定の条件を満たすか否かを判定してもよい。
【0027】
エラー処理部104は、エラー処理を実行する。例えば、エラー処理部104は、エラーであり帳票の発行が不可能であることを通知する画面、所定の条件を満たしていない項目を提示する画面、所定の条件を満たしていない項目の修正を促す画面等を表示させることができる。
【0028】
強制設定部105は、所定の条件を満たさないと判定された領域への入力を、所定の条件を満たす入力に変更する。
【0029】
画面生成部106は、画面を生成する。具体的には、画面生成部106は、帳票の発行の要求を受け付ける画面を生成する。帳票の特定の領域への入力が有る場合、画面生成部106は、帳票の特定の領域以外の領域への入力が所定の条件を満たすか否かに応じた画面(例えば、所定の条件を満たさない場合には、エラーであり帳票の発行が不可能であることを通知する画面、所定の条件を満たしていない項目を提示する画面、所定の条件を満たしていない項目の修正を促す画面等。所定の条件を満たす場合には、帳票を発行するための画面)を生成する。特定の領域への入力が無い場合、画面生成部106は、帳票を発行するための画面(例えば、帳票を印刷するための設定の画面)を生成する。
【0030】
帳票データ記憶部107には、帳票に関するデータが記憶される。
【0031】
取引先データ記憶部108には、取引先(例えば、請求書の請求先)に関するデータが記憶される。
【0032】
<データ構造>
図4を参照しながら、帳票データ記憶部107に記憶されているデータについて説明し、図5を参照しながら、取引先データ記憶部108に記憶されているデータについて説明する。
【0033】
図4は、本発明の一実施形態に係る帳票データ記憶部107に記憶されているデータの一例である。帳票データ記憶部107には、帳票に関するデータが記憶される。
【0034】
帳票データ記憶部107には、帳票ごとに、ユーザが入力した「適格請求書発行事業者」、「取引年月日」、「軽減税率対象項目の識別子利用」、「消費税率ごとに項目を分類する」、「軽減税率項目の説明を隠す」、「取引先ID」の情報が記憶される。以下、それぞれについて説明する。
【0035】
「適格請求書発行事業者」には、請求書の請求元の"適格請求書発行事業者の登録番号"が記憶される。判定部102は、「適格請求書発行事業者」に登録番号が記憶されている(図4の(2)(3)(4))と、請求書が適格請求書であると判定し、「適格請求書発行事業者」に登録番号が記憶されていない(図4の(1))と、請求書が適格請求書ではないと判定する。なお、判定部102は、登録番号が適切な番号であるか否かを判定してもよい。
【0036】
「取引年月日」には、請求書の発行日等が記憶される。判定部102は、「取引年月日」に年月日が記憶されていると所定の条件を満たすと判定し、「取引年月日」に年月日が記憶されていないと所定の条件を満たさないと判定する。
【0037】
「軽減税率対象項目の識別子利用」には、軽減税率の対象項目である旨を示す識別子(例えば、図8の※印)が利用されているか(例えば、識別子の表示機能がonになっているか)の情報が記憶される。判定部102は、識別子が利用されていると所定の条件を満たすと判定し、識別子が利用されていないと所定の条件を満たさないと判定する。
【0038】
「消費税率ごとに項目を分類する」には、消費税率ごとに項目が分類されているか(例えば、"消費税率ごとに項目を分類する"機能がonになっているか)の情報が記憶される。判定部102は、分類されていると所定の条件を満たすと判定し、分類されていないと所定の条件を満たさないと判定する。
【0039】
「軽減税率項目の説明を隠す」には、軽減税率項目の説明が隠されていないか(例えば、"軽減税率項目の説明を隠す"機能がoffになっているか)の情報が記憶される。判定部102は、説明が隠されていないと所定の条件を満たすと判定し、説明が隠されていると所定の条件を満たさないと判定する。
【0040】
「取引先ID」には、請求書の請求先を識別するためのID(識別情報)が記憶される。判定部102は、「取引先ID」に紐づいている事業者名(取引先名)が記憶されている(例えば、図5の「事業者名」が記憶されている)と所定の条件を満たすと判定し、「取引先ID」に紐づいている事業者名(取引先名)が記憶されていない(例えば、図5の「事業者名」が記憶されていない)と所定の条件を満たさないと判定する。
【0041】
このように、帳票の各項目への入力の有無、および、各項目への入力の内容が記憶されるため、帳票が所定の条件を満たすか否かを判定することができる。
【0042】
図5は、本発明の一実施形態に係る取引先データ記憶部108に記憶されているデータの一例である。取引先データ記憶部108には、取引先(例えば、請求書の請求先)に関するデータが記憶される。なお、取引先データ記憶部108を設けずに、帳票に取引先が入力されるようにしてもよい。
【0043】
取引先データ記憶部108には、取引先ごとに、「取引先ID」、「事業者名」、「電話番号」、「Email」の情報が記憶される。以下、それぞれについて説明する。
【0044】
「取引先ID」は、取引先を識別するためのIDである。
【0045】
「事業者名」は、取引先の氏名または名称である。
【0046】
「電話番号」は、取引先の電話番号である。
【0047】
「Email」は、取引先の電子メールアドレスである。
【0048】
<処理方法>
図6は、本発明の一実施形態に係る帳票の発行処理のフローチャート(例1)である。
【0049】
ステップ11(S11)において、受付部101は、ユーザ端末20から、帳票(例えば、請求書)の発行の要求を受け付ける。
【0050】
ステップ12(S12)において、判定部102は、帳票の特定の領域への入力の有無を判定する。特定の領域への入力が有る(図6の"YES"。つまり、記載あり)場合には、ステップ13へ進み、特定の領域への入力が無い(図6の"NO"。つまり、記載なし)場合には、ステップ14へ進む。
【0051】
例えば、判定部102は、請求書内の"適格請求書発行事業者の登録番号"への入力の有無(つまり、請求書の適格請求書発行事業者欄に記載があるか否か)を判定する。
【0052】
ステップ13(S13)において、判定部102は、帳票の特定の領域以外の領域への入力が所定の条件を満たすか否かを判定する。所定の条件を満たす(図6の"YES"。つまり、全ての項目が対応)場合には、ステップ14へ進み、所定の条件を満たさない(図6の"NO"。つまり、未対応の項目あり)場合には、ステップ15へ進む。
【0053】
例えば、判定部102は、所定の事項(例えば、"取引年月日"、"取引内容"、"税率ごとに区分して合計した対価の額および適用税率"、"税率ごとに区分した消費税額等"、"交付を受ける事業者の氏名又は名称"の項目)が記載されているか否か(つまり、適格請求書対応書式に対応しているか)を判定する。
【0054】
ステップ14(S14)において、発行部103は、ユーザ端末20に対して、帳票を発行する。例えば、発行部103は、帳票の発行前に、発行に関する設定(例えば、帳票を印刷するための設定)を行うことができる。なお、発行部103は、帳票の発行前に、その他の項目(つまり、判定部102が判定した項目以外の項目)が所定の条件を満たすか否かを判定してもよい。
【0055】
ステップ15(S15)において、エラー処理部104は、エラー処理を実行する。例えば、エラー処理部104は、エラーであり帳票の発行が不可能であることを通知する画面、所定の条件を満たしていない項目を提示する画面、所定の条件を満たしていない項目の修正を促す画面等を表示させることができる。
【0056】
このように、ユーザは、帳票の特定の領域への入力(例えば、請求書内の"適格請求書発行事業者の登録番号"への入力)を行うだけで、帳票が所定の条件を満たしていない(例えば、所定の事項(例えば、インボイス制度の適格請求書の記載事項)が記載されていない)ことを知ることができる。
【0057】
図7は、本発明の一実施形態に係る帳票の発行処理のフローチャート(例2)である。
【0058】
ステップ21(S21)において、受付部101は、ユーザ端末20から、帳票(例えば、請求書)の発行の要求を受け付ける。
【0059】
ステップ22(S22)において、判定部102は、帳票の特定の領域への入力の有無を判定する。特定の領域への入力が有る(図7の"YES"。つまり、記載あり)場合には、ステップ23へ進み、特定の領域への入力が無い(図7の"NO"。つまり、記載なし)場合には、ステップ24へ進む。
【0060】
例えば、判定部102は、請求書内の"適格請求書発行事業者の登録番号"への入力の有無(つまり、請求書の適格請求書発行事業者欄に記載があるか否か)を判定する。
【0061】
ステップ23(S23)において、判定部102は、帳票の特定の領域以外の領域への入力が所定の条件を満たすか否かの判定が済んでいるか(全ての項目が済んでいるか)を判断する。全ての項目が済んでいる(図7の"YES"。つまり、全ての項目がチェック済み)場合には、ステップ24へ進み、少なくとも一部の項目が済んでいない(図7の"NO"。つまり、未チェックの項目あり)場合には、ステップ25へ進む。
【0062】
ステップ24(S24)において、発行部103は、ユーザ端末20に対して、帳票を発行する。例えば、発行部103は、帳票の発行前に、発行に関する設定(例えば、帳票を印刷するための設定)を行うことができる。なお、発行部103は、帳票の発行前に、その他の項目(つまり、判定部102が判定した項目以外の項目)が所定の条件を満たすか否かを判定してもよい。
【0063】
ステップ25(S25)において、判定部102は、帳票の特定の領域以外の領域への入力が所定の条件を満たすか否かを判定する。所定の条件を満たす(図7の"YES"。つまり、対応)場合には、ステップ23へ戻り、次の項目の判定が行われる(このように、各項目の判定が順次行われる)。所定の条件を満たさない(図7の"NO"。つまり、未対応)場合には、ステップ26へ進む。
【0064】
例えば、判定部102は、所定の各事項(例えば、"取引年月日"、"取引内容"、"税率ごとに区分して合計した対価の額および適用税率"、"税率ごとに区分した消費税額等"、"交付を受ける事業者の氏名又は名称"の各項目)が記載されているか否か(つまり、適格請求書対応書式に対応しているか)を判定する。
【0065】
ステップ26(S26)において、強制設定部105は、S25で所定の条件を満たさないと判定された領域への入力を、所定の条件を満たす入力に変更する。その後、ステップ23へ戻り、次の項目の判定が行われる(このように、各項目の判定が順次行われる)。
【0066】
このように、ユーザは、帳票の特定の領域への入力(例えば、請求書内の"適格請求書発行事業者の登録番号"への入力)を行うだけで、帳票が所定の条件を満たしていなかった(例えば、所定の事項(例えば、インボイス制度の適格請求書の記載事項)が記載されていない)としても、所定の条件を満たすように変更された帳票を発行することができる。
【0067】
<画面例>
図8は、本発明の一実施形態に係る画面(例えば、ユーザ端末20に表示される画面)の一例である。図8は、情報処理装置10が発行するインボイス制度の適格請求書を表示する画面である。
【0068】
図8に示されるように、インボイス制度の適格請求書は、「1.適格請求書発行事業者の氏名又は名称、および、登録番号」、「2.取引年月日」、「3.取引内容」、「4.税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜き又は税込み)、および、適用税率」、「5.税率ごとに区分した消費税額等」、「6.交付を受ける事業者の氏名又は名称」の項目を含む。
【0069】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0070】
なお、上記実施形態に挙げた構成等に、その他の要素との組み合わせ等、ここで示した構成に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0071】
1 システム
10 情報処理装置
20 ユーザ端末
101 受付部
102 判定部
103 発行部
104 エラー処理部
105 強制設定部
106 画面生成部
107 帳票データ記憶部
108 取引先データ記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8