(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023054948
(43)【公開日】2023-04-17
(54)【発明の名称】基板処理装置、及び基板処理方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/027 20060101AFI20230410BHJP
F27D 17/00 20060101ALI20230410BHJP
【FI】
H01L21/30 565
F27D17/00 104G
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021163983
(22)【出願日】2021-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100122507
【弁理士】
【氏名又は名称】柏岡 潤二
(74)【代理人】
【識別番号】100171099
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100212026
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真生
(72)【発明者】
【氏名】小林 真二
【テーマコード(参考)】
4K056
5F146
【Fターム(参考)】
4K056AA09
4K056CA18
4K056DB04
4K056FA08
5F146KA04
5F146KA10
(57)【要約】
【課題】昇華物に起因した流路の詰まりを抑制する。
【解決手段】本開示の一側面に係る基板処理装置は、加熱部と、排気部と、吸着面と、除去部材と、動力生成部と、を備える。加熱部は、処理液の膜が表面に形成された状態の基板を所定の処理空間内において加熱する。排気部は、処理空間に接続された排気管を介して、基板の加熱により上記膜から発生する昇華物を処理空間から排出する。吸着面は、処理空間から排出されて排気管内を流れる排ガスに含まれる昇華物が付着するように設けられている。除去部材は、吸着面に接触するように設けられている。動力生成部は、排ガスの流れによって動力を生成し、動力によって吸着面に沿って除去部材を移動させる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理液の膜が表面に形成された状態の基板を所定の処理空間内において加熱する加熱部と、
前記処理空間に接続された排気管を介して、前記基板の加熱により前記膜から発生する昇華物を前記処理空間から排出する排気部と、
前記処理空間から排出されて前記排気管内を流れる排ガスに含まれる昇華物が付着するように設けられた吸着面と、
前記吸着面に接触するように設けられた除去部材と、
前記排ガスの流れによって動力を生成し、前記動力によって前記吸着面に沿って前記除去部材を移動させる動力生成部と、を備える基板処理装置。
【請求項2】
前記吸着面は、前記排気管のうちの前記排ガスに含まれる昇華物が固化する程度まで温度が低下した低温部分に設けられている、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記吸着面は、前記排気管内において前記排ガスが流れる方向に交差した状態で、前記排ガスが当たるように設けられており、
前記基板処理装置は、
前記吸着面が形成された固着部材と、
前記低温部分を形成するように、前記固着部材に対して冷却ガスを供給する冷却ガス供給部と、を更に備える、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記排気管内の前記排ガスと前記冷却ガスとが流れる箇所において、前記排気管内の流路の一部を塞ぐ閉塞部材を更に備え、
前記閉塞部材は、前記排気管の内面に沿って全周に設けられている、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記排気管内において前記排ガスが流れる方向に交差した状態で、前記固着部材を通過した前記排ガスが当たるように設けられた第2吸着面と、
前記第2吸着面が形成された第2固着部材と、
前記第2吸着面に接触するように設けられた第2除去部材と、
前記排ガスの流れによって第2動力を生成し、前記第2動力によって前記第2吸着面に沿って前記第2除去部材を移動させる第2動力生成部と、を更に備え、
前記吸着面は、前記排気管内の流路の中央領域に位置しており、
前記第2吸着面は、前記排気管内の流路の外周領域に位置しており、
前記冷却ガス供給部による前記冷却ガスの吐出口と前記固着部材とは、前記第2固着部材を間に挟むように配置されている、請求項3又は4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記動力生成部は、前記排気管内において前記排ガスが流れる方向に沿った軸線まわりの第1回転方向に前記除去部材を回転させるように構成されており、
前記第2動力生成部は、前記排気管内において前記排ガスが流れる方向に沿った軸線まわりの前記第1回転方向とは反対の第2回転方向に前記第2除去部材を回転させるように構成されている、請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記吸着面は、前記排気管内において前記排ガスが流れる方向に交差した状態で、前記排ガスが当たるように設けられており、
前記基板処理装置は、
前記吸着面が形成された固着部材と、
前記低温部分を形成するように、前記排気管の内面において開口した吐出口から、前記排気管内に冷却ガスを供給する冷却ガス供給部と、
前記排気管の内面における前記吐出口の周囲に設けられた第2吸着面と、
前記第2吸着面に接触するように設けられた第2除去部材と、を更に備え、
前記動力生成部は、前記動力によって前記第2吸着面に沿って前記第2除去部材を更に移動させるように構成されている、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記吸着面は、前記排気管の内面における一部の領域に設けられており、
前記動力生成部は、前記動力によって、前記排気管内において前記排ガスが流れる方向に沿って前記除去部材を往復移動させるように構成されている、請求項1又は2に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記動力生成部により生成された前記動力に応じて電気信号を生成する検知部を更に備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項10】
処理液の膜が表面に形成された状態の基板を所定の処理空間内において加熱することと、
前記処理空間に接続された排気管を介して、前記基板の加熱により前記膜から発生する昇華物を前記処理空間から排出することと、
前記処理空間から排出されて前記排気管内を流れる排ガスの流れによって動力を生成することと、
前記排ガスに含まれる昇華物が付着するように設けられた吸着面に接触した除去部材を、前記動力によって前記吸着面に沿って移動させることと、を含む基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理装置、及び基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、熱処理炉の排気ガス処理装置が開示されている。この排気ガス処理装置は、炉内から昇華物を含む排気ガスを導入する排気ダクトと、排気ガスを冷却して昇華物を析出させる冷却手段と、析出させた昇華物を捕集するフィルタとを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、昇華物に起因した流路の詰まりの抑制に有用な基板処理装置、及び基板処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面に係る基板処理装置は、加熱部と、排気部と、吸着面と、除去部材と、動力生成部と、を備える。加熱部は、処理液の膜が表面に形成された状態の基板を所定の処理空間内において加熱する。排気部は、処理空間に接続された排気管を介して、基板の加熱により上記膜から発生する昇華物を処理空間から排出する。吸着面は、処理空間から排出されて排気管内を流れる排ガスに含まれる昇華物が付着するように設けられている。除去部材は、吸着面に接触するように設けられている。動力生成部は、排ガスの流れによって動力を生成し、動力によって吸着面に沿って除去部材を移動させる。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、昇華物に起因した流路の詰まりの抑制に有用な基板処理装置、及び基板処理方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、基板処理システムの一例を示す模式的な斜視図である。
【
図2】
図2は、塗布現像装置の一例を示す模式的な側面図である。
【
図3】
図3は、熱処理ユニットの一例及び排気装置の一例を示す模式図である。
【
図4】
図4(a)及び
図4(b)は、固化除去ユニットの一例を示す模式図である。
【
図5】
図5(a)及び
図5(b)は、固化除去ユニットの一例を示す模式図である。
【
図6】
図6は、固化除去ユニットの一例を示す模式図である。
【
図7】
図7は、固化除去ユニットの一例を示す模式図である。
【
図8】
図8(a)及び
図8(b)は、固化除去ユニットの一例を示す模式図である。
【
図9】
図9は、検知部材の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して一実施形態について説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0009】
図1に示される基板処理システム1は、ワークWに対し、感光性被膜の形成、当該感光性被膜の露光、及び当該感光性被膜の現像を施すシステムである。処理対象のワークWは、例えば基板、あるいは所定の処理が施されることで膜又は回路等が形成された状態の基板である。当該基板は、一例として、シリコンウェハである。ワークW(基板)は、円形であってもよい。ワークWは、ガラス基板、マスク基板、又はFPD(Flat Panel Display)などであってもよい。感光性被膜は、例えばレジスト膜である。
【0010】
図1及び
図2に示されるように、基板処理システム1は、塗布現像装置2(基板処理装置)と、露光装置3と、制御装置100とを備える。塗布現像装置2は、露光装置3による露光処理前に、ワークWの表面にレジスト(薬液)を塗布してレジスト膜を形成する処理を行い、露光処理後にレジスト膜の現像処理を行う。露光装置3は、ワークW(基板)に形成されたレジスト膜(感光性被膜)を露光する装置である。具体的には、露光装置3は、液浸露光等の方法によりレジスト膜の露光対象部分にエネルギー線を照射する。塗布現像装置2は、キャリアブロック4と、処理ブロック5と、インタフェースブロック6と、を備える。
【0011】
キャリアブロック4は、塗布現像装置2内へのワークWの導入及び塗布現像装置2内からのワークWの導出を行う。例えばキャリアブロック4は、ワークW用の複数のキャリアCを支持可能であり、受け渡しアームを含む搬送装置A1を内蔵している。キャリアCは、例えば円形の複数枚のワークWを収容する。搬送装置A1は、キャリアCからワークWを取り出して処理ブロック5に渡し、処理ブロック5からワークWを受け取ってキャリアC内に戻す。処理ブロック5は、処理モジュール11,12,13,14を有する。
【0012】
処理モジュール11は、液処理ユニットU1と、熱処理ユニットU2と、これらのユニットにワークWを搬送する搬送装置A3とを内蔵している。処理モジュール11は、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2によりワークWの表面上に下層膜を形成する。液処理ユニットU1は、下層膜形成用の処理液をワークW上に塗布する。熱処理ユニットU2は、下層膜の形成に伴う各種熱処理を行う。
【0013】
処理モジュール12は、液処理ユニットU1と、熱処理ユニットU2と、これらのユニットにワークWを搬送する搬送装置A3とを内蔵している。処理モジュール12は、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2により下層膜上にレジスト膜を形成する。液処理ユニットU1は、レジスト膜形成用の処理液を下層膜上に塗布する。熱処理ユニットU2は、レジスト膜の形成に伴う各種熱処理を行う。
【0014】
処理モジュール13は、液処理ユニットU1と、熱処理ユニットU2と、これらのユニットにワークWを搬送する搬送装置A3とを内蔵している。処理モジュール13は、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2によりレジスト膜上に上層膜を形成する。液処理ユニットU1は、上層膜形成用の処理液をレジスト膜上に塗布する。熱処理ユニットU2は、上層膜の形成に伴う各種熱処理を行う。
【0015】
処理モジュール14は、液処理ユニットU1と、熱処理ユニットU2と、これらのユニットにワークWを搬送する搬送装置A3とを内蔵している。処理モジュール14は、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2により、露光処理が施されたレジスト膜の現像処理及び現像処理に伴う熱処理を行う。液処理ユニットU1は、露光済みのワークWの表面上に現像液を塗布した後、これをリンス液により洗い流すことで、レジスト膜の現像処理を行う。熱処理ユニットU2は、現像処理に伴う各種熱処理を行う。熱処理の具体例としては、現像前の加熱処理(PEB:Post Exposure Bake)、及び現像後の加熱処理(PB:Post Bake)等が挙げられる。
【0016】
処理ブロック5内におけるキャリアブロック4側には棚ユニットU10が設けられている。棚ユニットU10は、上下方向に並ぶ複数のセルに区画されている。棚ユニットU10の近傍には昇降アームを含む搬送装置A7が設けられている。搬送装置A7は、棚ユニットU10のセル同士の間でワークWを昇降させる。
【0017】
処理ブロック5内におけるインタフェースブロック6側には棚ユニットU11が設けられている。棚ユニットU11は、上下方向に並ぶ複数のセルに区画されている。
【0018】
インタフェースブロック6は、露光装置3との間でワークWの受け渡しを行う。例えばインタフェースブロック6は、受け渡しアームを含む搬送装置A8を内蔵しており、露光装置3に接続される。搬送装置A8は、棚ユニットU11に配置されたワークWを露光装置3に渡す。搬送装置A8は、露光装置3からワークWを受け取って棚ユニットU11に戻す。
【0019】
制御装置100は、例えば以下の手順で塗布現像処理を実行するように塗布現像装置2を制御する。まず制御装置100は、キャリアC内のワークWを棚ユニットU10に搬送するように搬送装置A1を制御し、このワークWを処理モジュール11用のセルに配置するように搬送装置A7を制御する。
【0020】
次に制御装置100は、棚ユニットU10のワークWを処理モジュール11内の液処理ユニットU1に搬送するように搬送装置A3を制御する。制御装置100は、このワークWの表面上に下層膜形成用の処理液の膜を形成するように液処理ユニットU1を制御する。制御装置100は、下層膜形成用の処理液の膜が形成された状態のワークWを加熱して下層膜を形成するように熱処理ユニットU2を制御する。その後制御装置100は、下層膜が形成されたワークWを棚ユニットU10に戻すように搬送装置A3を制御し、このワークWを処理モジュール12用のセルに配置するように搬送装置A7を制御する。
【0021】
次に制御装置100は、棚ユニットU10のワークWを処理モジュール12内の液処理ユニットU1に搬送するように搬送装置A3を制御する。制御装置100は、このワークWの表面に対してレジスト膜形成用の処理液の膜を形成するように液処理ユニットU1を制御する。制御装置100は、レジスト膜形成用の処理液の膜が形成された状態のワークWを加熱してレジスト膜を形成するように熱処理ユニットU2を制御する。その後制御装置100は、ワークWを棚ユニットU10に戻すように搬送装置A3を制御し、このワークWを処理モジュール13用のセルに配置するように搬送装置A7を制御する。
【0022】
次に制御装置100は、棚ユニットU10のワークWを処理モジュール13内の液処理ユニットU1に搬送するように搬送装置A3を制御する。また、制御装置100は、このワークWのレジスト膜上に上層膜形成用の処理液の膜を形成するように液処理ユニットU1を制御する。制御装置100は、上層膜形成用の処理液の膜が形成された状態のワークWを加熱して上層膜を形成するように熱処理ユニットU2を制御する。その後制御装置100は、ワークWを棚ユニットU11に搬送するように搬送装置A3を制御する。
【0023】
次に制御装置100は、棚ユニットU11のワークWを露光装置3に送り出すように搬送装置A8を制御する。その後制御装置100は、露光処理が施されたワークWを露光装置3から受け入れて、棚ユニットU11における処理モジュール14用のセルに配置するように搬送装置A8を制御する。
【0024】
次に制御装置100は、棚ユニットU11のワークWを処理モジュール14内の各ユニットに搬送するように搬送装置A3を制御し、このワークWのレジスト膜の現像処理を行うように液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2を制御する。その後制御装置100は、ワークWを棚ユニットU10に戻すように搬送装置A3を制御し、このワークWをキャリアC内に戻すように搬送装置A7及び搬送装置A1を制御する。以上で1枚のワークWについての塗布現像処理が完了する。制御装置100は、後続の複数のワークWのそれぞれについても、上述と同様に塗布現像処理を塗布現像装置2に実行させる。
【0025】
基板処理装置の具体的な構成は、以上に例示した塗布現像装置2の構成に限られない。基板処理装置は、ワークWの加熱を含む熱処理を実行するユニットを備えていればどのようなものであってもよい。
【0026】
(熱処理ユニット)
熱処理ユニットU2は、
図3に示されるように、加熱ユニット30(加熱部)を有する。加熱ユニット30は、処理液の膜Fが表面Waに形成された状態のワークWを加熱する。加熱ユニット30は、ワークWの処理液の膜Fが形成された表面Waとは反対側の裏面を支持した状態で、そのワークWを加熱する。加熱ユニット30は、例えば、筐体32と、熱板34と、昇降部38とを有する。筐体32(チャンバ)は、ワークWを加熱するための処理空間Sを形成する。筐体32は、例えば、支持台32aと、蓋体32bとを含む。支持台32aは、中央部分に窪みが形成された円筒形状を有する。支持台32aは、熱板34を支持する。蓋体32bは、支持台32aに支持されている熱板34を囲むように構成されている。蓋体32bは、支持台32aと上下方向に対向するように配置されている。
【0027】
熱板34は円板状に形成されている。熱板34の上面にワークWが載置されることで、熱板34はワークWを支持する。熱板34は、載置されたワークWを加熱する。熱板34には、ヒータ35が内蔵されていてもよい。ヒータ35は、例えば、抵抗発熱体から構成されている。ヒータ35に電流が流れることにより、ヒータ35が発熱する。ヒータ35からの熱によって、熱板34の温度が上昇する。筐体32が処理空間Sを形成した状態で熱板34の温度が上昇することで、処理空間S内においてワークWが加熱される。
【0028】
昇降部38は、熱板34の上方においてワークWを昇降させる。昇降部38は、例えば、熱板34の上面にワークWが載置される加熱位置と、熱板34から離れた上方においてワークWの受け渡しを行う受渡位置との間でワークWを昇降させる。昇降部38は、複数の昇降ピン38aと、昇降駆動部38bとを含んでもよい。複数の昇降ピン38aそれぞれは、ワークWを下方から支持するピンである。昇降ピン38aは、例えば、熱板34を貫通し、熱板34の上面に垂直な方向に延びるように形成されている。昇降駆動部38bは、電動モータ又はシリンダ等の動力源を含み、複数の昇降ピン38aを昇降させる。
【0029】
加熱ユニット30において、処理液(例えば、レジスト)の膜Fが形成された状態のワークWが加熱されることで、膜Fを形成する処理液に含まれる一部の成分が昇華(気化)する。そのため、筐体32によって形成される処理空間Sには、処理液の膜Fの中からワークWの加熱により昇華物(以下、「昇華物Su」という。)が発生する。加熱ユニット30は、蓋体32bの天板において、昇華物Suを含むガスを処理空間Sから排出するための排気口33を含んでもよい。
【0030】
(排気装置)
塗布現像装置2は、排気装置40(排気部)を備える。排気装置40は、ワークWの加熱により処理液の膜Fから発生する昇華物Suを含むガスを処理空間Sから排出する装置である。排気装置40は、塗布現像装置2が備える複数の熱処理ユニットU2において形成される複数の処理空間Sから、昇華物Suを含むガスを排出してもよい。排気装置40は、例えば、1つの排気管42と、複数の排気管44とを有する。排気管42の一方の端部は、塗布現像装置2が設置される工場の排気システム200に接続されていてもよい。
【0031】
1つの排気管42は複数の排気管44に分岐され、複数の排気管44それぞれは、対応する熱処理ユニットU2の加熱ユニット30が形成する処理空間Sに接続される。複数の熱処理ユニットU2ではガスの排出が同様に行われるので、以下では1つの熱処理ユニットU2における排気について説明する。また、処理空間Sから排出されて排気管44内の流路45を流れるガスを「排ガスGe」と称する。そして、排ガスGeの流れを基準にして、「上流」及び「下流」の用語を使用する。排ガスGeは上流から下流に向かって流れ、排気口33(処理空間S)が最上流に位置し、排気システム200が最下流に位置する。
【0032】
排ガスGeは、ワークWの表面Waに形成されている処理液の膜Fから発生した昇華物Suを含む。排気管44(排気管44内の流路45)は、処理空間Sに接続されている。排気管44の一方の端部が、排気口33に接続されている。排気装置40は、排気管44を介して、処理空間S内のガスを排ガスGeとして処理空間Sの外に排出する。排気管44のうちの上流に位置する一部は、熱処理ユニットU2内に設けられている。排気管44の断面形状(より詳細には、排気管44が延在する方向に垂直な断面における形状)は、環状であってもよい。
【0033】
(固化除去ユニット)
塗布現像装置2は、固化除去ユニット50を備える。固化除去ユニット50は、排ガスGeに含まれる昇華物Suを所定の面上に固化して付着させたうえで、その面から固化された状態の昇華物Suを除去するユニットである。本開示では、気化した状態の昇華物Suが、固化(昇華)することで生成される固形物についても「昇華物Su」と称する。固化除去ユニット50は、排気管44内に形成されるガスの流路45に設けられている。固化除去ユニット50は、例えば、排気管44のうちの熱処理ユニットU2内に位置する部分に配置されている。以下、固化除去ユニットのいくつかの例について説明する。
【0034】
図4(a)及び
図4(b)に示されるように、固化除去ユニット50は、流路調整部60と、冷却ガス供給部90と、流路調整部70と、を有してもよい。排ガスGeが流れる方向に沿って、流路調整部60、冷却ガス供給部90の一部、及び流路調整部70が、上流からこの順に配置されている。以下、排気管44内の流路45において排ガスGeが流れる方向(向き)を「方向D1」と定義し、流路45において排ガスGeが流れる方向とは反対の方向(向き)を「方向D2」と定義する。
【0035】
流路調整部60は、排ガスGeに含まれる昇華物Suが付着する吸着面を形成し、その吸着面に付着した昇華物Suを除去することで、排ガスGe内に固化した状態の昇華物Suを分散させる。ガス化した状態の昇華物Suが吸着面に付着するには、排ガスGeの温度が低下して、昇華物Suが固化する必要がある。上記吸着面は、排気管44のうちの昇華物Suが固化する程度まで温度が低下した部分(以下、「低温部分」という。)に設けられている。流路調整部60は、固着部材62と、動力生成部64と、除去部材68とを有する。
【0036】
固着部材62は、昇華物Suが固化して付着する吸着面62aを形成する部材である。固着部材62は、方向D1(又は方向D2)に対して垂直に延びるように板状に形成されていてもよい。固着部材62は、円板状に形成されていてもよい。固着部材62は、例えば、固定部材63,63を介して排気管44の内面44aに固定されており、排気管44の流路45の中央領域に配置されている。吸着面62aは、固着部材62のうちの上流を向く面である。吸着面62aは、流路45の中央領域に位置する。
【0037】
吸着面62aは、排気管44内において排ガスGeが流れる方向に交差するように設けられる。吸着面62aは、方向D1に対して垂直となるように設けられてもよい。上流から下流を見て、
図4(b)に示されるように、吸着面62aは円形であってもよい。
図4(b)に示される例とは異なり、吸着面62aの形状が、楕円形であってもよく、多角形であってもよい。
【0038】
吸着面62aが円形である場合、吸着面62aの直径は、排気管44の内径よりも小さい。吸着面62aの直径は、排気管44の内径の0.3倍~0.9倍であってもよく、0.4倍~0.8倍であってもよく、0.5倍~0.7倍であってもよい。固着部材62まで到達した排ガスGeの一部が吸着面62aに当たり、固着部材62まで到達した排ガスGeの残りの一部が、吸着面62aに当たらずに、吸着面62aの周縁(固着部材62の周縁)と内面44aとの間の空間を通過する。
【0039】
動力生成部64は、排ガスGeの流れによって、除去部材68を移動させるための動力を生成する部材である。動力生成部64は、排ガスGeの流れの運動エネルギーを、除去部材68を移動させるための動力に変換する。動力生成部64は、排ガスGeを受けて回転する風車であってもよい。動力生成部64は、固着部材62よりも上流に配置されている。動力生成部64は、例えば、回転軸65と、複数の羽根66とを有する。
【0040】
回転軸65は、方向D1に沿った軸線まわりに回転可能に設けられている。回転軸65の一端は、例えば、吸着面62aの略中央に接続されている。複数の羽根66は、回転軸65まわりの周方向において互いに間隔を空けた状態で、回転軸65に接続されている。複数の羽根66(例えば、4枚の羽根66)は、排ガスGeが流れることによって、回転軸65まわりに回転する。
【0041】
除去部材68は、吸着面62aに接触するように設けられている。除去部材68の一部が吸着面62aに接触していてもよい。除去部材68は、ブラシであってもよく、ブラシの先端部分が吸着面62aに接触していてもよい。除去部材68(ブラシの先端部分)は、吸着面62aを擦ることが可能な程度に吸着面62aに接触している。なお、
図4(a)では、除去部材68と吸着面62aとの間に隙間があるように各部材が描かれているが、除去部材68の下流の位置する端部は、吸着面62aと接触している。
【0042】
除去部材68は、羽根66の裏側(下流を向く面)に取り付けられている。複数の羽根66それぞれに、除去部材68が取り付けられていてもよい。複数の羽根66が回転すると、吸着面62aに接触した状態を維持しつつ、除去部材68が吸着面62aに沿って移動する。言い換えると、複数の羽根66の回転によって、除去部材68が吸着面62a上を摺動する。
【0043】
以上のように、動力生成部64は、複数の羽根66が排ガスGeを受けて生成(変換)した動力によって、吸着面62aに沿って除去部材68を移動させる。除去部材68が吸着面62aに沿って移動することで、吸着面62aにおいて固化して付着した昇華物Suが、吸着面62aから除去される。吸着面62aから除去された昇華物Suは、固化した状態のまま、排ガスGeと共に下流に向かって流れる。
【0044】
冷却ガス供給部90は、上記低温部分を形成するように、固着部材62に対して冷却用のガスを供給する。冷却ガス供給部90によって供給される冷却用のガス(以下、「冷却ガスGc」という。)の温度は、排ガスGe内の昇華物Suの少なくとも一部が固化する程度に設定されている。冷却ガスGcは、例えば、常温の空気である。冷却ガスGcの温度は常温よりも低くてもよく、空気以外の種類のガスであってもよい。冷却ガス供給部90は、固着部材62のうちの吸着面62aとは反対側の裏面62bに向けて、冷却ガスGcを吐出してもよい。固着部材62に含まれる裏面62bは、下流を向くように形成されている。
【0045】
冷却ガス供給部90は、例えば、供給管92と、供給源94とを含む。供給管92の一端には、冷却ガスGcを吐出する吐出口92aが形成されている。吐出口92aは、排気管44の内部(流路45)に位置していてもよい。吐出口92aは、固着部材62の下流に配置されており、吐出口92aから冷却ガスGcが吐出する方向(向き)の少なくとも一部の成分は、方向D2と一致していてもよい。吐出口92aは、固着部材62の裏面62bと離れた状態で、裏面62bに対向するように配置されていてもよい。供給源94は、冷却ガスGcの供給源である。
【0046】
冷却ガスGcが裏面62bに当たることによって、冷却ガスGcが供給されない場合に比べて固着部材62の温度が低下する。固着部材62の温度の低下に伴って、吸着面62aに当たる排ガスGeに含まれる昇華物Suの少なくとも一部が、吸着面62a上において固化して付着する。固着部材62を通過した排ガスGeは、流路調整部60(固着部材62)の下流において、冷却ガスGcと混合され得る。固着部材62を通過した排ガスGeにも、ガス状態の昇華物Suが含まれており、固着部材62を通過した排ガスGeと冷却ガスGcとの混合により、昇華物Suの少なくとも一部が固化する。
【0047】
流路調整部70は、排気管44内の(流路45のうちの)排ガスGeと冷却ガスGcとが流れる箇所において、その箇所の流路45の面積を小さくする。流路調整部70は、流路調整部60及び供給管92の吐出口92aよりも下流に配置されている。流路調整部70は、閉塞部材72を有する。閉塞部材72は、排ガスGeと冷却ガスGcとが流れる箇所において、流路45の一部を塞ぐ部材である。
【0048】
閉塞部材72は、排気管44の内面44aに沿って全周に設けられてもよい。閉塞部材72は、内面44aの全周に沿って環状に形成されていてもよい。上流から下流を見て、閉塞部材72の一部(内周縁の近傍の部分)が吸着面62aに重なっていてもよく、閉塞部材72が吸着面62aに重なっていなくてもよい。閉塞部材72が設けられることで、閉塞部材72が設けられない場合に比べて、ガスの流れが乱れる。
【0049】
(変形例1)
塗布現像装置2は、固化除去ユニット50に代えて、固化除去ユニット50Aを備えてもよい。固化除去ユニット50Aは、流路調整部60と冷却ガスGcの吐出口92aとの間に、別の流路調整部を有する点で固化除去ユニット50と相違する。固化除去ユニット50Aは、
図5(a)及び
図5(b)に示されるように、流路調整部60と、流路調整部80と、冷却ガス供給部90とを備える。流路調整部60、流路調整部80、及び吐出口92aは、上流からこの順で配置されている。
【0050】
流路調整部80は、流路調整部60(固着部材62)を通過した排ガスGeに含まれる昇華物Suが付着する別の吸着面を形成し、その別の吸着面に付着した昇華物Suを除去することで、固化した状態の昇華物Suを排ガスGe内に更に分散させる。流路調整部80は、固着部材82と、動力生成部84と、除去部材88とを有する。
【0051】
固着部材82(第2固着部材)は、昇華物Suが固化して付着する吸着面82a(第2吸着面)を形成する部材である。固着部材82は、方向D1(又は方向D2)に対して垂直に延びるように板状に形成されていてもよい。固着部材82は、排気管44の流路45の外周領域に配置されている。固着部材82は、排気管44の内面44aの全周に沿って設けられてもよく、固着部材82の外周縁は内面44aに接続されている。吸着面82aは、固着部材82のうちの上流を向く面である。吸着面82aは、流路45の外周領域に位置する。
【0052】
吸着面82aは、排気管44内において排ガスGeが流れる方向に交差するように設けられる。吸着面82aは、方向D1に対して垂直となるように設けられてもよい。上流から下流を見て、
図5(b)に示されるように、吸着面82aは、環状であってもよい。上流から下流を見たときに、吸着面82aの一部は、流路調整部60の円形の吸着面62aの一部に重なっていてもよい。吸着面82aの内周縁で形成される円の直径(吸着面82aの内径)は、吸着面62aの直径よりも小さくてもよい。
【0053】
吸着面82aの内径は、排気管44の内径の0.3倍~0.9倍であってもよく、0.4倍~0.8倍であってもよく、0.5倍~0.7倍であってもよい。
図5(a)に示される例とは異なり、上流から下流を見て、吸着面82aが吸着面62aに重なっていなくてもよい。固着部材62を通過して固着部材82まで到達した排ガスGeの一部が吸着面82aに当たり、固着部材82まで到達した排ガスGeの残りの一部が、吸着面82aに当たらずに、吸着面82aの内周縁の内側の空間を通過する。
【0054】
動力生成部84(第2動力生成部)は、排ガスGeの流れによって、除去部材88を移動させるための動力(第2動力)を生成する部材である。動力生成部84は、排ガスGeの流れの運動エネルギーを、除去部材88を移動させるための動力に変換する。動力生成部84は、動力生成部64と同様に構成されており、排ガスGeを受けて回転する風車であってもよい。動力生成部84は、固着部材82よりも上流に配置されている。動力生成部84は、例えば、回転軸85と、複数の羽根86とを有する。
【0055】
回転軸85は、方向D1(又は方向D2)に沿った軸線まわりに回転可能に設けられている。回転軸85の一端は、例えば、固着部材82の吸着面82aを形成する部分の内周縁から延びる支持部82cに接続されている。支持部82cは、吸着面82aの内周縁の内側の領域を全て塞がないように形成されている。複数の羽根86は、回転軸85まわりの周方向において互いに間隔を空けた状態で、回転軸85に接続されている。複数の羽根86(例えば、4枚の羽根)は、排ガスGeが流れることによって、回転軸85まわりに回転する。
【0056】
除去部材88(第2除去部材)は、吸着面82aに接触するように設けられている。除去部材88の一部が吸着面82aに接触していてもよい。除去部材88は、ブラシであってもよく、ブラシの先端部分が吸着面82aに接触していてもよい。除去部材88(ブラシの先端部分)は、吸着面82aを擦ることが可能な程度に吸着面82aに接触している。除去部材88は、羽根86の裏側(下流を向く面)に取り付けられている。複数の羽根86それぞれに、除去部材88が取り付けられていてもよい。複数の羽根86が方向D1に沿った軸線まわりに回転すると、吸着面82aに接触した状態を維持しつつ、除去部材88が吸着面82aに沿って移動する。言い換えると、除去部材88が吸着面82a上を摺動する。
【0057】
以上のように、動力生成部84は、複数の羽根86が、固着部材62を通過した排ガスGeを受けて生成(変換)した動力によって、吸着面82aに沿って除去部材68を移動させる。除去部材88が吸着面82aに沿って移動することで、吸着面82aにおいて固化して付着した昇華物Suが、吸着面82aから除去される。吸着面82aから除去された昇華物Suは、固化した状態のまま、排ガスGeと共に下流に向かって流れる。
【0058】
流路調整部60と流路調整部80との間で、複数の羽根が回転する方向が互いに反対であってもよい。流路調整部60の動力生成部64が、方向D1に沿った軸線まわりの第1回転方向に除去部材68を回転させるように構成されていてもよい。この場合に、流路調整部80の動力生成部84は、方向D1に沿った軸線まわりの上記第1回転方向とは反対の第2回転方向に除去部材88を回転させるように構成されていてもよい。上流から下流を見たときに、動力生成部64による除去部材の回転方向が時計回り(右回り)である場合に、動力生成部84による除去部材の回転方向が反時計回り(左回り)であってもよい。
【0059】
上流から下流を見たときに、動力生成部64による除去部材の回転方向が反時計回り(左回り)である場合に、動力生成部84による除去部材の回転方向が時計回り(右回り)であってもよい。流路調整部60と流路調整部80との間で、複数の羽根が回転する方向が同じであってもよい。上流から下流を見て、回転軸65の設置位置と回転軸85の設置位置とが互いに同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。回転軸65の設置位置と回転軸85の設置位置とが、流路45の断面において略中心に位置していてもよい。
【0060】
冷却ガスGcの吐出口92aが、流路調整部80を間に挟んだ状態で、固着部材62に対向していてもよい。この場合、方向D1において、吐出口92aと固着部材62とは、流路調整部80の固着部材82を間に挟むように配置される。上流から下流を見たときに、
図5(b)に示されるように、吐出口92aが、吸着面82aと重ならないように配置されていてもよい。吐出口92aは、吸着面82aの内周縁の内側に位置する。この場合、吐出口92aから吐出される冷却ガスGcによって、固着部材62に加えて、固着部材82の周囲が冷却され得る。
図5(a)に示される例とは異なり、吐出口92aが、固着部材62と固着部材82との間に配置されていてもよい。
【0061】
固化除去ユニット50Aは、1組の流路調整部60及び流路調整部80に加えて、1組又は複数組の流路調整部60及び流路調整部80を有してもよい。
図5(a)に示される例では、合計で2組の流路調整部60及び流路調整部80が設けられている。1組の流路調整部60及び流路調整部80は、吐出口92aよりも下流に配置されてもよい。下流に位置する1組の流路調整部60及び流路調整部80に対して、別の冷却ガス供給部によって冷却ガスGcが供給されてもよい。複数組の流路調整部60及び流路調整部80に加えて、1つの流路調整部60が更に設けられてもよい。
【0062】
(変形例2)
塗布現像装置2は、固化除去ユニット50Aに代えて、固化除去ユニット50Bを備えてもよい。固化除去ユニット50Bは、
図6に示されるように、流路調整部80に代えて、流路調整部80Bを有する。流路調整部80Bは、除去部材88に加えて、除去部材89を有する点で流路調整部80と相違する。
【0063】
除去部材89は、上流に位置する固着部材62の裏面62bに接触するように設けられている。除去部材89は、ブラシであってもよく、ブラシの先端部分が裏面62bに接触していてもよい。除去部材89(ブラシの先端部分)は、裏面62bを擦ることが可能な程度に裏面62bに接触している。除去部材89は、羽根86の表側(上流を向く面)に取り付けられている。複数の羽根86それぞれに、除去部材89が取り付けられていてもよい。複数の羽根86が方向D1に沿った軸線まわりに回転すると、裏面62bに接触した状態を維持しつつ、除去部材89が裏面62bに沿って移動する。言い換えると、除去部材89が裏面62b上を摺動する。
【0064】
固化除去ユニット50Bでは、動力生成部84が、複数の羽根86が固着部材62を通過した排ガスGeを受けて生成(変換)した動力によって、吸着面82aに沿って除去部材68を移動させると共に、裏面62bに沿って除去部材89を移動させる。除去部材89が裏面62bに沿って移動することで、裏面62bにおいて固化して付着した昇華物Suが、裏面62bから除去される。固化除去ユニット50Bでは、吸着面62aと裏面62bとの両方において固化して付着した昇華物Suが除去部材によって除去されるので、昇華物Suを固化させて排ガスGe内に分散させる量を増加させることができる。
【0065】
(変形例3)
塗布現像装置2は、
図7に示されるように、固化除去ユニット50Aに代えて、固化除去ユニット50Cを備えてもよい。固化除去ユニット50Cは、冷却ガスGcの吐出口が排気管44の内面44aに設けれ、内面44aのうちの冷却ガスGcの吐出口の周囲にも吸着面が設けられる。固化除去ユニット50Cは、冷却ガス供給部90に代えて冷却ガス供給部90Cを有し、流路調整部60に代えて流路調整部60Cを有する点で固化除去ユニット50Aと相違する。
【0066】
冷却ガス供給部90Cは、昇華物Suが固化し得る温度となる上記低温部分を形成するように、内面44aにおいて開口した吐出口92aから、排気管44内に冷却ガスGcを供給する。吐出口92aは、吸着面62aよりも上流に位置している。冷却ガス供給部90Cの供給管92の端部は、排気管44に接続されている。内面44aにおいて開口した吐出口92aから冷却ガスGcが吐出する方向は、排気管44の流路45において外周から中心に向かう方向(向き)であってもよい。冷却ガスGcが吐出する方向に延びる延長線は、吸着面62aに交わらなくてもよい。
【0067】
排気管44の内径が小さい場合があり、内径が小さいと、供給管92の端部(吐出口92a)を排気管44の流路45に設置し難くなる。吐出口92aが内面44aにおいて開口するようにすることで、排気管44の内径が小さい場合でも冷却ガスGcを排気管44内の流路45に送り込むことができる。吐出口92aが内面44aに位置することによって、内面44aのうちの吐出口92aの周囲に昇華物Suが付着し得る。そのため、内面44aにおいて吐出口92aの周囲に吸着面(以下、「吸着面44b」という。)が形成される。
【0068】
流路調整部60Cは、動力生成部64に代えて動力生成部64Cを有する。動力生成部64Cは、複数の羽根66に代えて、複数の羽根66Cを含む。複数の羽根66Cそれぞれは、方向D1に沿って延在するように形成されている。羽根66Cの上流に位置する端部は、吐出口92aよりも上流に位置しており、羽根66Cの下流に位置する端部は、吐出口92aよりも下流に位置している。方向D1において、羽根66Cの上流側の端部と、吐出口92aと、羽根66Cの下流側の端部とが、上流からこの順で並んでいる。
【0069】
流路調整部60Cは、除去部材68に加えて、除去部材69(第2除去部材)を有する。除去部材69は、排気管44の内面44aにおける吐出口92aの周囲に設けられた吸着面44b(第2吸着面)に接触するように配置されている。吸着面44bは、内面44aのうちの、吐出口92aからの冷却ガスGcによって昇華物Suが固化する範囲に設定されている。除去部材69は、羽根66Cの先端(回転軸65と接続される端部とは反対側の端部)に取り付けられている。複数の羽根66Cそれぞれの先端に、除去部材69が取り付けられていてもよい。
【0070】
除去部材69は、ブラシであってもよく、ブラシの先端部分が吸着面44bに接触するよう配置されていてもよい。除去部材69は、羽根66Cの回転位置によっては、吸着面44bと接触していない場合もある。除去部材69は、内面44aのうちの吸着面44bを含む環状の周面に接触した状態で設けられている。除去部材69(ブラシの先端部分)は、上記周面を擦ることが可能な程度に上記周面に接触している。上記周面の長さは、羽根66Cの長さに対応している。複数の羽根66Cが方向D1に沿った軸線まわりに回転すると、除去部材69が吸着面44b(吸着面44bを含む上記周面)に沿って移動する。言い換えると、除去部材69が吸着面44b(吸着面44bを含む上記周面)上を摺動する。
【0071】
固化除去ユニット50Cでは、動力生成部64Cが、複数の羽根66Cが排ガスGeにより回転することで得られる動力によって、吸着面62aに沿って除去部材68を移動させる。動力生成部64Cは、複数の羽根66Cが排ガスGeにより回転することで得られる動力によって、吸着面44bに沿って除去部材69を移動させる。
【0072】
(変形例4)
排気装置40は、
図8(a)及び
図8(b)に示されるように、排気管44に代えて、排気管44Dを有してもよい。排気管44が円筒形状を有するのに対して、排気管44Dは、断面が四角形(長方形)である筒状に形成されている。排気管44Dは、上壁46aと、底壁46bと、側壁46cと、側壁46dとを含む。塗布現像装置2は、固化除去ユニット50Dを備えてもよい。固化除去ユニット50Dは、排気管44D内の流路45に設けられている。固化除去ユニット50等が複数の羽根によって除去部材を回転させるのに対して、固化除去ユニット50Dは、除去部材を往復移動させるように構成されている。
【0073】
固化除去ユニット50Dは、排気管44Dの内面における一部の領域に設けられた吸着面に固化して付着した昇華物Suを除去する。固化除去ユニット50Dにおいて、吸着面は、例えば、上壁46a及び底壁46bの内面に設けられる。固化除去ユニット50Dは、流路調整部110と、冷却ガス供給部90とを有する。冷却ガス供給部90は、流路調整部110よりも下流に配置されており、流路調整部110が配置される位置に冷却ガスGcを供給することで、上記低温部分を形成する。
【0074】
流路調整部110は、動力生成部111と、複数の除去部材118(例えば、4個の除去部材118)とを有する。動力生成部111は、排ガスGeの流れのエネルギーから、複数の除去部材118を方向D1に沿って往復移動させるための動力を生成する。動力生成部111は、羽根部112と、変換機構114とを有する。羽根部112は、複数の羽根を含んでおり、排ガスGeの流れを受けて、方向D1に垂直な方向に沿って延びる軸線まわりに回転するように構成されている。変換機構114は、羽根部112の回転運動(回転エネルギー)を複数の除去部材118を方向D1に沿って往復移動させる動力に変換する機構である。変換機構114は、欠歯ピン歯車と二重ラックとを含む機構であってもよい。
【0075】
複数の除去部材118は、変換機構114に接続されている。複数の除去部材118の2個の除去部材118は、上壁46aの内面(その内面における吸着面)に接触した状態で配置されている。複数の除去部材118のうちの残りの2個の除去部材118は、底壁46bの内面(その内面における吸着面)に接触した状態で配置されている。除去部材118は、方向D1に垂直な方向に沿って延びるように棒状に形成されている。除去部材118は、上壁46a又は底壁46bの内面に、その内面を擦ることができる程度に接触している。
【0076】
固化除去ユニット50Dでは、排ガスGeによって羽根部112の各羽根が回転すると、変換機構114によって除去部材118を往復移動させるための動力が生成される。動力生成部111は、上記動力によって除去部材118を方向D1において往復移動させるように構成されている。複数の除去部材118が上壁46a及び底壁46bの内面に沿って移動することで、上壁46a及び底壁46bの内面における吸着面に固化して付着した昇華物Suが除去される。
【0077】
(変形例5)
塗布現像装置2は、
図9に示されるように、検知部材47(検知部)と、報知部材48とを備えてもよい。固化除去ユニット50の流路調整部60は、動力生成部64に代えて、動力生成部64Aを有してもよい。動力生成部64Aは、回転軸65に代えて回転軸65Aを含んでおり、回転軸65Aは、排気管44の外まで延びている。動力生成部64Aは、動力生成部64と同様に、複数の羽根66の回転により除去部材を動かすための動力を生成する。
【0078】
検知部材47は、動力生成部64Aにより生成された動力に応じて電気信号を生成する。検知部材47は、上記動力である回転エネルギーを電気エネルギーに変換して電力を生成する発電機(発電機モータ)であってもよい。検知部材47には、排気管44の外まで延びる回転軸65Aの一端が接続されており、動力生成部64Aによって生成された動力が伝達されている。動力生成部64Aによる動力が大きくなるほど、検知部材47によって生成される電力(電圧又は電流)が大きくなり、上記動力が小さくなるほど、検知部材47によって生成される電力が小さくなる。
【0079】
検知部材47は、配線49を介して、生成した電力を報知部材48に供給してもよい。報知部材48は、作業員等のユーザに、検知部材47によって生成された電力(電気信号)に応じた情報を報知する。上記情報は、動力生成部64Aによる動力の大きさを示す情報であり、複数の羽根66の回転状態を示す。報知部材48は、例えば、LEDである。この場合、報知部材48は、検知部材47によって生成された電力に応じた光量の光を発する。作業員等は、LEDからの光の強さを確認することで、複数の羽根66の回転状態を確認することができる。
【0080】
検知部材47は、報知部材48ではなく、動力生成部64Aにより生成された動力に応じた電気信号を制御装置100に出力してもよい。制御装置100は、上記電気信号を継続して取得することで、複数の羽根66の回転状態を示す情報を記録してもよく、複数の羽根66の回転状態(処理空間Sからのガスの排気の状態)を監視してもよい。
【0081】
(その他の変形例)
固化除去ユニット50は、冷却ガス供給部90を有していなくてもよい。熱処理ユニットU2は、加熱ユニット30の全体及び他の部材を囲む筐体と、その筐体内に下向きの下降流を発生させるブロア又はファンフィルタユニットとを有してもよい。ガス状態の昇華物Suが固化する程度まで温度が低下した上記低温部分は、排気管44のうちの一部にブロア又はファンフィルタユニットによる下降流が当たることによって形成されてもよい。例えば、
図3に例示される加熱ユニット30を含む熱処理ユニットU2において、上方からファンフィルタユニットにより下降流が形成されている場合について考える。熱処理ユニットU2内において、排気管カバー(不図示)などの排気管42を覆う部材が設けられてもよい。この場合に、固化除去ユニット50が設けられる排気管42の一部の領域における上側において、排気管42を覆う部材を局所的に設けない又は切欠きを付けることで、下降流に対して露出する部分が形成されてもよい。露出部分の形成により、排気上流側の領域及び下流側の領域よりも温度が低い低温部分が形成されてもよい。
【0082】
塗布現像装置2においては、少なくとも加熱工程と排気工程とを含む基板処理方法が実行される。加熱工程は、処理液の膜Fが表面Waに形成された状態のワークWを処理空間S内において加熱することを含む。排気工程は、処理空間Sに接続された排気管44を介して、ワークWの加熱により処理液の膜Fから発生する昇華物Suを処理空間Sから排出することを含む。また、排気工程は、排気管44内を流れる排ガスGeの流れによって動力を生成することと、排ガスGeに含まれる昇華物Suが付着するように設けられた吸着面62aに接触した除去部材68を、上記動力によって吸着面62aに沿って移動させることと、を含む。
【0083】
[実施形態の効果]
上述の例とは異なり、排気管44内において昇華物Suを含む排ガスGeをそのまま流すことが考えられる。この場合、排気管44内のいずれかの箇所で昇華物Suが固化して、その箇所での固化が継続することで昇華物Suが堆積してしまうおそれがある。その結果、堆積した昇華物Suによって、排気管44内の流路が詰まってしまう場合がある。上記塗布現像装置2では、排ガスGeに含まれる昇華物Suが吸着面に付着し、吸着面に接触する除去部材68,118が、排ガスGeの流れから得られる動力によって吸着面に沿って移動する。そのため、吸着面に固化して付着した直後の昇華物Suが吸着面から除去され、固体状の昇華物Suが粉体として排ガスGeに混ざり、排ガスGeと共に下流に流れる。昇華物Suが固化した直後に除去されるので吸着面に昇華物Suが堆積され難い。また、固化した直後に除去された昇華物Suは極小であるので、下流においても昇華物Suが堆積され難い。従って、塗布現像装置2は、昇華物Suに起因した排気管44の詰まりの抑制に有用である。
【0084】
吸着面は、排気管44のうちの排ガスGeに含まれる昇華物Suが固化する程度まで温度が低下した低温部分に設けられてもよい。吸着面が低温部分に設けられることで、排ガスGe内の多くの昇華物Suが吸着面上で固化する。これにより、排ガスGe内に固化した状態の多くの昇華物Suが分散されるので、上記低温部分以降の下流において昇華物Suが堆積してしまう可能性を低減できる。従って、昇華物Suに起因して排気管44の流路45が詰まってしまう可能性又は頻度を低減するに有用である。
【0085】
吸着面62aは、排気管44内において排ガスGeが流れる方向に交差した状態で、排ガスGeが当たるように設けられていてもよい。塗布現像装置2は、吸着面62aが形成された固着部材62と、上記低温部分を形成するように、固着部材62に対して冷却ガスGcを供給する冷却ガス供給部90とを更に備えてもよい。吸着面62aに排ガスGeが当たり、また、吸着面62aが形成された固着部材62に対して冷却ガスGcが供給されることで、排ガスGeに含まれる昇華物Suが吸着面62a上で固化する量が多くなる。これにより、多くの昇華物Suが固化した状態で排ガスGeに分散されるので、固着部材62よりも下流において昇華物Suが堆積してしまう可能性を低減できる。従って、昇華物Suの堆積に起因した排気管44の詰まりの抑制に有用である。
【0086】
塗布現像装置2は、排気管44内の排ガスGeと冷却ガスGcとが流れる箇所おいて、排気管44内の流路45の一部を塞ぐ閉塞部材72を更に備えてもよい。閉塞部材72は、排気管44の内面に沿って全周に設けられていてもよい。閉塞部材72の存在によって、ガスの流れに乱れが生じて固着部材62を通過した後の排ガスGeと冷却ガスGcとの混合が促進される。そのため、固着部材62の吸着面62aで固化しなかった昇華物Suの多くを、閉塞部材72の上流において固化することができる。その結果、多くの昇華物Suが固化した状態で排ガスGeに分散されるので、昇華物Suが同じ箇所で固化する状態が継続されて、その箇所での昇華物Suが堆積する可能性を低減できる。従って、昇華物Suに起因して排気管44が詰まってしまう可能性が低減され、排気管44のメンテナンスの負担を低減するのに有用である。
【0087】
塗布現像装置2は、排気管44内において排ガスGeが流れる方向に交差した状態で、固着部材62を通過した排ガスGeが当たるように設けられた別の吸着面(吸着面82a)と、吸着面82aが形成された固着部材82と、吸着面82aに接触するように設けられた除去部材88と、排ガスGeの流れによって別の動力を生成し、別の動力によって吸着面82aに沿って除去部材88を移動させる動力生成部84と、を更に備えてもよい。吸着面62aは、排気管44内の流路45の中央領域に位置していてもよく、吸着面82aは、排気管44内の流路45の外周領域に位置していてもよい。冷却ガス供給部90による冷却ガスGcの吐出口92aと固着部材62とは、固着部材82を間に挟むように配置されていてもよい。この場合、上流に位置する固着部材62を通過した後の排ガスGeに含まれる昇華物Suを固化させて、固化した状態の昇華物Suを排ガスGeに分散させることができる。また、冷却ガスGcによって、固着部材62と、固着部材82の周囲の温度が低下する。そのため、固化させて排ガスGeに分散させる昇華物Suの量を増加させることができる。従って、昇華物Suに起因した詰まりの可能性が低減され、排気管44のメンテナンスの負担を低減するのに有用である。
【0088】
動力生成部64は、排気管44内において排ガスGeが流れる方向に沿った軸線まわりの第1回転方向に除去部材68を回転させるように構成されていてもよい。動力生成部84は、排気管44内において排ガスGeが流れる方向に沿った軸線まわりの上記第1回転方向とは反対の第2回転方向に除去部材88を回転させるように構成されていてもよい。動力生成部64と動力生成部84との間で回転方向が互いに逆方向となることで、気流の乱れが生じる。そのため、固着部材62及び固着部材82において、固化させて排ガスGeに分散させる昇華物Suの量を更に増加させることができる。従って、昇華物Suに起因した詰まりの可能性が更に低減され、排気管44のメンテナンスの負担を低減するのに更に有用である。
【0089】
吸着面62aは、排気管44内において排ガスGeが流れる方向に交差した状態で、排ガスGeが当たるように設けられていてもよい。塗布現像装置2は、吸着面62aが形成された固着部材62と、上記低温部分を形成するように、排気管44の内面44aにおいて開口した吐出口92aから、排気管44内に冷却ガスGcを供給する冷却ガス供給部90Cと、排気管44の内面44aにおける吐出口92aの周囲に設けられた吸着面44bと、吸着面44bに接触するように設けられた除去部材69とを更に備えてもよい。動力生成部64は、上記動力によって吸着面44bに沿って除去部材69を更に移動させるように構成されていてもよい。冷却ガスGcの吐出口92aが排気管44の内面44aにおいて開口するので、吐出口92aの近傍の内面44aにおいて、排ガスGe内の昇華物Suが固化して堆積し得る。上記構成では、吐出口92aの周囲に位置する吸着面44b上を除去部材69が接触した状態で移動する。そのため、排気管44の内面44aに冷却ガスGcの吐出口92aを設けても、吐出口92aを内面44aで開口させたことに起因して昇華物Suの堆積が生じ難い。従って、排気管44内において昇華物Suの堆積による詰まりを抑制するのに更に有用である。
【0090】
吸着面は、排気管44Dの内面における一部の領域に設けられていてもよい。動力生成部111は、上記動力によって、排気管44内において排ガスGeが流れる方向に沿って処理モジュール11を往復移動させるように構成されていてもよい。この場合、排気管44の内面において昇華物Suが固化して堆積しようとしても、固化の直後に動力生成部111によって除去できる。
【0091】
塗布現像装置2は、動力生成部64により生成された上記動力に応じて電気信号を生成する検知部材47を更に備えてもよい。この場合、検知部材47による電気信号によって、動力生成部64が生成する動力の状態を検知することができる。動力の状態が検知されることで、除去部材の周囲での昇華物Suの堆積状況、又は処理空間Sからのガスの排気の状態を推測することができる。
【符号の説明】
【0092】
2…塗布現像装置、U2…熱処理ユニット、30…加熱ユニット、40…排気装置、44,44D…排気管、44a…内面、44b…吸着面、45…流路、47…検知部材、Ge…排ガス、62a…吸着面、62…固着部材、64,64A,64C…動力生成部、68…除去部材,69…除去部材、72…閉塞部材、82…固着部材、82a…吸着面、84…動力生成部、88…除去部材、111…動力生成部、118…除去部材、90…冷却ガス供給部、92a…吐出口、Gc…冷却ガス。