(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023055706
(43)【公開日】2023-04-18
(54)【発明の名称】バッチ蒸着のための高材料流束によるソース試薬に基づく流体の送出
(51)【国際特許分類】
C23C 16/448 20060101AFI20230411BHJP
B01J 7/00 20060101ALI20230411BHJP
【FI】
C23C16/448
B01J7/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023001726
(22)【出願日】2023-01-10
(62)【分割の表示】P 2021018137の分割
【原出願日】2013-05-31
(31)【優先権主張番号】61/654,077
(32)【優先日】2012-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ヘンドリックス,ブライアン,シー.
(72)【発明者】
【氏名】グレッグ,ジョン,エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】バトル,スコット,エル.
(72)【発明者】
【氏名】ナイト,ドン,ケー.
(72)【発明者】
【氏名】バートッシュ,カイル
(72)【発明者】
【氏名】クリアリー,ジョン,エム.
(72)【発明者】
【氏名】チェオン,セバム
(72)【発明者】
【氏名】ホッジス,ジョーダン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】システム、試薬支持トレイ、粒子抑制デバイス及び方法が開示される。
【解決手段】一態様において、システムは、内部容積を包囲する1以上の内壁を有する気化器容器100と、内部容積内で垂直に積層可能に構成された複数の試薬支持トレイ110、120、130、140と、を含む。複数の試薬支持トレイの各々は、試薬支持トレイのスタックを形成するように内部容積内で垂直に積層可能に構成される。複数の試薬支持トレイのうちの1以上の試薬支持トレイは、試薬支持トレイのスタック中の隣接する試薬支持トレイの間を進むガス流103、107、109を方向転換させることにより、該ガス流が特定の試薬支持トレイ内のソース試薬材料101と相互に作用した後に、試薬支持トレイのスタックにおける複数の試薬支持トレイのうちの次の試薬支持トレイ内に進むことになるように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部容積を包囲する1以上の内壁を有する気化器容器と、
複数の試薬支持トレイと、を備え、
前記複数の試薬支持トレイの各々は、ソース試薬材料の供給を支持するように構成され
た上面と、底面と、を有する支持表面を含み、
前記複数の試薬支持トレイは、試薬支持トレイのスタックを形成するように前記内部容
積内で垂直に積層可能に構成され、前記複数の試薬支持トレイのうちの1以上の試薬支持
トレイは、前記試薬支持トレイのスタックの隣接する2以上の試薬支持トレイの間を進む
ガス流を方向転換させることにより、当該ガス流が、前記試薬支持トレイのスタックの前
記複数の試薬支持トレイのうちの次の試薬支持トレイ内に進む前に、前記複数の試薬支持
トレイのうちの特定の試薬支持トレイ内の前記ソース試薬材料と相互に作用するように構
成される、システム。
【請求項2】
前記複数の試薬支持トレイの各々は、前記支持表面を少なくとも部分的に横切って延在
する少なくとも1つの仕切りであって、前記底面より下に第1の距離延在する下端部と、
上端部と、を有する少なくとも1つの仕切りと、前記少なくとも1つの仕切りを通って前
記下端部と前記上端部との間に延在する少なくとも1つのチャネルと、を含み、前記底面
の下のガスは、前記底面から離れるように循環させられて、前記少なくとも1つの仕切り
の前記下端部において前記少なくとも1つのチャネルに達する、請求項1に記載のシステ
ム。
【請求項3】
前記複数の試薬支持トレイの各々は、前記少なくとも1つの仕切りの前記少なくとも1
つのチャネルが、前記底面の下から前記上面の上へと向かう前記ガス流にとっての唯一の
通路を提供するように、前記1以上の内壁に密接に係合するように構成される、請求項2
に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数の試薬支持トレイの各々は、側壁をさらに含み、前記側壁は全体として前記支
持表面の外周を包囲し、前記側壁は前記支持表面の前記外周に沿って前記1以上の内壁と
密接に係合するように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記複数の試薬支持トレイは、支持トレイと、該支持トレイの下に垂直に積層可能に構
成された下部支持トレイと、を含み、前記支持トレイの前記側壁の下縁部は、前記下部支
持トレイの前記側壁の上縁部と、前記支持表面の前記外周に沿って係合する、請求項4に
記載のシステム。
【請求項6】
前記複数の試薬支持トレイは、支持トレイと、下部支持トレイとを含み、前記下部支持
トレイが前記支持トレイの下に垂直に積層された際、前記下部支持トレイの前記少なくと
も1つの仕切りの前記少なくとも1つのチャネルを通る、前記下部支持トレイの前記底面
の下のガス流が、前記支持トレイの前記少なくとも1つの仕切りの前記少なくとも1つの
チャネルに直線的に流入しないように、前記下部支持トレイの前記少なくとも1つの仕切
りが前記支持トレイの前記少なくとも1つの仕切りに対してオフセットされるように構成
される、請求項2に記載の装置。
【請求項7】
前記下部支持トレイが前記支持トレイの下に垂直に積層された際、前記下部支持トレイ
の前記少なくとも1つの仕切りの下部上端部が、前記支持トレイの前記支持表面の前記底
面から第2の距離以内まで延在し、前記下部支持トレイの前記少なくとも1つの仕切りの
前記少なくとも1つのチャネルを出て進む前記ガス流が、前記支持トレイの前記底面から
離れるように循環させられて前記支持トレイの前記少なくとも1つの仕切りの前記下端部
において前記少なくとも1つのチャネルに達するように、前記第1の距離が前記第2の距
離より長い、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのチャネルが前記少なくとも1つの仕切りを通って延在するスロッ
トを含むように、前記少なくとも1つの仕切りは全体として中空である、請求項2に記載
のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの仕切りは、これを通って延在する複数の孔を含み、前記複数の孔
は、前記複数の仕切りの各々を通って延在する全体として平行な複数のチャネルを形成す
る、請求項2に記載のシステム。
【請求項10】
前記複数の試薬支持トレイのうちの少なくとも1つは、前記支持表面を完全に横切って
延在する少なくとも1つの仕切りを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの試薬支持トレイは、前記支持表面を部分的に横切って延在する少
なくとも1つの仕切りを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの試薬支持トレイは、前記支持表面によって規定される平面内に全
体として平行な側面を有する少なくとも1つの仕切りを含む、請求項2に記載のシステム
。
【請求項13】
前記少なくとも1つの試薬支持トレイは、前記支持表面によって規定される平面内に平
行でない側面を有する少なくとも1つの仕切りを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの試薬支持トレイは、前記支持表面を完全に横切って延在する少な
くとも1つの仕切りを含み、該支持トレイは、前記支持表面を部分的にのみ横切って延在
する仕切りを含まない、請求項2に記載のシステム。
【請求項15】
前記複数の試薬支持トレイの各々は、前記少なくとも1つの仕切りと前記支持表面とを
通ってチューブが延在可能となるように構成された開口を含み、前記チューブは、前記気
化器容器の上部から前記気化器容器の前記内部容積の下部へ、又は前記気化器容器の前記
内部容積の下部から前記気化器容器の上部へキャリアガスを流すように構成される、請求
項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記複数の試薬支持トレイは、複数のトレイであって、そのうちの少なくともいくつか
が互いに異なる高さを有するトレイを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記気化器容器は、前記複数の試薬支持トレイのうちの1以上の試薬支持トレイにおい
て前記ソース試薬材料から生成される試薬蒸気と混ぜ合わせて混合ガスを形成するための
、前記内部容積へのキャリアガスの供給を受け入れるように構成された入口ポートと、前
記気化器容器から前記混合ガスを排出するように構成された出口ポートと、をさらに含む
、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記気化器容器内に少なくとも1つの粒子抑制デバイスをさらに備え、当該粒子抑制デ
バイスは、前記複数の試薬支持トレイと前記出口ポートとの間に位置付けられ、前記少な
くとも1つの粒子抑制デバイスは、前記混合ガスが前記出口ポートに達する前に前記少な
くとも1つの粒子抑制デバイスを通過するように構成される、請求項17に記載のシステ
ム。
【請求項19】
前記入口ポートは、該入口ポートに結合された入口弁を含み、前記出口ポートは、該出
口ポートに結合された出口弁を有する、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記気化器容器は、蓋体内に本体を含み、前記入口ポート及び前記出口ポートは前記蓋
体に関連付けられる、請求項17に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
[0001] 2012年5月31日にブライアン シー. ヘンドリックスらの名前で「バッ
チ蒸着のための高材料流束によるソース試薬に基づく流体の送出(SOURCE REAGENT-BASED
DELIVERY OF FLUID WITH HIGH MATERIAL FLUX FOR BATCH DEPOSITION)」に関して出願
された米国仮特許出願第61/654,077号の優先権の利益を、35USC(米国特
許法)119条に基づきここに主張する。米国仮特許出願第61/654,077号の開
示は、あらゆる目的のため、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本開示は、気化装置及びシステム、並びに、化学蒸着(CVD)、原子層蒸着(
ALD)及びイオン注入プロセスに用いる液体及び固体ソース試薬等のソース試薬材料の
気化のための関連手法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] CVD、ALD及びイオン注入における蒸気のためのソース試薬として液体及び
固体材料を使用する場合、様々な試薬材料が採用される。これらの試薬材料は、蒸着や注
入のためのプロセス機器へと送られるソース試薬蒸気を形成するように加熱され得る。C
VD、ALD及びイオン注入を首尾よく行うためには、ばらつきがなく、制御され、かつ
再現可能な速度でソース試薬蒸気が供給される必要がある。
【0004】
[0004] 例えば、単一ウェーハ蒸着又は注入のために試薬蒸気を生成する場合、ソース試
薬材料を均一に加熱することが重要である。気化されるソース試薬の沸点及び昇華温度に
は大きな違いがある場合がある。ソース試薬材料が均一に加熱されないと、ソース試薬材
料のユニットとユニットとの間にコールドスポットやホットスポットが生じる場合があり
、このような不均一な加熱が試薬蒸気流に揺らぎをもたらす結果となる場合がある。ソー
ス試薬材料及び生成された試薬蒸気の間にキャリアガスを循環させて、ソース試薬材料に
よって生成されたソース試薬蒸気とキャリアガスとを混合することも望ましい。
【0005】
[0005] 固体ソース試薬の場合、昇華温度が、熱解離が発生して下流の蒸着又はイオン注
入プロセスにとって有害な熱分解副生成物を生じる温度に近い場合、気化用途において制
御することが特に困難である。固体ソース試薬の表面モルフォロジが気化の間に変化する
こと、及び気化の間に固体ソース材料が欠乏することは、いずれもキャリアガスにさらさ
れる固体ソース材料の表面積に変化をもたらし得るが、これらによっても、固体ソースの
送出は複雑になり得る。
【0006】
[0006] 多数のウェーハのバッチに対する蒸着又は注入のために試薬蒸気を生成する場合
にはまた別の問題がある。ウェーハのバッチに対する蒸着又は注入には、より多くの試薬
蒸気流が必要となり得る。より多くの蒸気流には、大量のソース試薬材料の加熱が必要と
なり、そのため、ソース試薬材料を収容するためにより大型の気化器容器と、より大型の
支持構造とを使用することが必要となり得る。より大型の気化器容器でより多くの量のソ
ース試薬材料を使用すると、ソース試薬材料及びソース試薬材料によって生成される試薬
蒸気にキャリアガスを一貫した方法で関与させ、結果として生じる混合ガス中に試薬蒸気
を効率よく同伴させることがより困難になり得る。さらに、より大量のソース試薬材料を
均一に加熱することは、少量のソース試薬材料を均一に加熱することより困難であり得る
。また、より多くの量の試薬蒸気を生成するためには、大量のソース試薬材料をより頻繁
に交換することが必要となり得るため、加熱装置にソース試薬材料を再充填するタスクを
簡略化することが望ましい場合がある。
【0007】
[0007] 同時に、比較的少ない試薬蒸気流において非蒸気粒子が試薬蒸気流中に入らない
ようにすることに関連した問題が、より多くの蒸気流を生成する場合には大きな問題とな
り得る。より多くの量のソース試薬材料を加熱することによって、加熱中の熱分解の結果
としてより多くの量の粒子が生成し得る。これらの望ましくない粒子が蒸着又は注入プロ
セスに取り込まれないように、試薬蒸気流はろ過され得る。しかしながら、例えば、バッ
チ蒸着又はバッチ注入に使用され得るような、より多くの試薬蒸気流から粒子を取り除く
ことは、より少ない試薬蒸気流をろ過することに比べて複雑なものになり得る。
【発明の概要】
【0008】
[0008] 本開示は、気化器容器装置及びシステム、ならびに化学蒸着(CVD)、原子層
蒸着(ALD)及びイオン注入プロセスに用いられるソース試薬材料の気化のための関連
手法に関する。特定の実施形態において、気化器容器は、ウェーハ又は他のオブジェクト
のバッチに対する試薬蒸気の蒸着及び注入を可能にするように、単一ウェーハ又は単一オ
ブジェクトの場合に比べて多くの量の蒸気流を生成するように構成される。
【0009】
[0009] 本開示によれば、気化器容器に使用される試薬支持トレイのスタック内の試薬支
持トレイは複数のガス流開口を含む。ガス流開口は、試薬支持トレイ内の1つ又は複数の
仕切り内にチャネルを含んでよく、若しくは、ガス流開口は、複数の試薬支持トレイのう
ちの1つ又は複数の試薬支持トレイの片側に位置付けられてもよい。仕切り内のチャネル
は、特定の試薬支持トレイの底面の下に延在して、この支持トレイの底面でガスを方向転
換させ、このガスが次の試薬支持トレイ内に進むことが可能になる前に、支持トレイの底
面から離れて循環するように配置され得る。代替的に、片側配置のガス流開口では、気化
器容器の片側で1つ試薬支持トレイに流入するガスが、方向転換され、気化器容器の反対
側に向かって配置された開口を介して該試薬支持トレイから次の試薬支持トレイ内に進む
前に、該試薬支持トレイ(及びその中に受け入れられた試薬ソース材料)を横断して流れ
る。
【0010】
[0010] 本開示の実施形態によれば、システムは、内部容積を包囲する1以上の内壁を有
する気化器容器と、内部容積内で垂直方向に積層可能に構成された複数の試薬支持トレイ
と、を含む。複数の試薬支持トレイの各々は、試薬支持トレイのスタックを形成するよう
に内部容積内で垂直方向に積層可能に構成される。複数の試薬支持トレイのうちの1以上
の試薬支持トレイは、試薬支持トレイのスタック中の隣接する試薬支持トレイの間を進む
ガス流を方向転換させることにより、該ガス流が、試薬支持トレイのスタックにおける複
数の試薬支持トレイのうちの次の試薬支持トレイ内に進む前に、特定の試薬支持トレイ内
のソース試薬材料と相互に作用するように構成される。
【0011】
[0011] 一態様において、複数の試薬支持トレイの各々は、支持表面を少なくとも部分的
に横切って延在する少なくとも1つの仕切りを含む。この少なくとも1つの仕切りは、底
面より下に第1の距離延在する下端部と、上端部とを有し、かつ少なくとも1つの仕切り
を通って下端部と上端部との間に延在する少なくとも1つのチャネルを有する。そのため
、底面の下のガスは、該底面から離れるように循環させられ、少なくとも1つの仕切りの
下端部において少なくとも1つのチャネルに達する。
【0012】
[0012] 別の態様において、複数の試薬支持トレイの各々は、支持表面の片側に位置付け
られたガス流開口を含む。このガス流開口は、底面の下から上面の上へとガスが流れるこ
とを可能にするように構成される。複数の試薬支持トレイがスタック内に含められるよう
に構成され、複数の試薬支持トレイのうちの1つの試薬支持トレイのガス流開口がスタッ
クの第1の側に設けられ、複数の試薬支持トレイのうちの、上記試薬支持トレイの上に積
層された上部試薬支持トレイのガス流開口がスタックの第1の側と反対のスタックの第2
の側に設けられるように構成される。その結果、試薬支持トレイの支持表面の底面の下か
ら、試薬支持トレイのガス流開口を介して流れるガスが、試薬支持トレイの上面を横切っ
て流れ、上部試薬支持トレイのガス流開口に達し、試薬支持トレイの支持表面上から上部
試薬支持トレイの支持表面上へと流れることになる。
【0013】
[0013] 本開示の他の実施形態によれば、ソース試薬材料によって生成され得る所定サイ
ズの粒子を抑制するための粒子抑制デバイスが提供される。この粒子抑制デバイスは、出
口ポートと、ソース試薬材料を支持するための1以上の試薬支持トレイとを含む気化器容
器において使用し得る。粒子抑制デバイスは、1以上の試薬支持トレイと出口ポートとの
間に位置付けられるように構成されたハウジングを含む。ハウジングは、該ハウジング内
に離間して位置付けられた複数の平行フィルタを支持する。混合ガスの一部は、混合ガス
が出口ポートに達する前に、混合ガスから所定の1つ又は複数のサイズの粒子を取り除く
ために複数の平行フィルタのうちの1つのフィルタを通過する。
【0014】
[0014] 本開示の別の態様は、試薬蒸気を生成する方法に関する。該方法は、気化器容器
に受け入れられた試薬支持トレイのスタックに含まれる複数の試薬支持トレイにソース試
薬材料を供給することを含む。各試薬支持トレイは、ガス流を方向転換させて、ガス流が
複数の試薬支持トレイのうちのある試薬支持トレイ内のソース試薬材料と相互に作用した
後に、試薬支持トレイのスタック中の上部支持トレイに進むように適合された1以上のガ
ス流開口を含む。キャリアガス流は、試薬支持トレイ内に放出されるか、あるいは試薬支
持トレイに隣接して放出されるかいずれかとなるように、気化器容器の入口ポートに供給
される。気化器容器に熱が加えられ、気化器容器内のソース試薬材料及びガスが加熱され
、このように熱が加えられることによって気化器容器内のガスが試薬支持トレイからその
上部試薬支持トレイへと進むことになる。
【0015】
[0015] 本開示の別の態様は、気化器容器において生成された試薬蒸気から粒子を取り除
く方法に関する。該方法は、キャリアガス流を気化器容器の内部容積中に供給することを
含む。気化器容器の内部容積中の1以上の支持トレイにおいてソース試薬材料が気化され
、試薬蒸気が生成される。この試薬蒸気がキャリアガスと混じり合うことで、試薬蒸気と
、キャリアガスと、ソース試薬材料によって生成される試薬粒子とからなる混合ガスが形
成される。混合ガスの一部は、1以上の支持トレイと気化器容器の出口ポートとの間のハ
ウジング内に離間して配置された複数の平行フィルタを通され、試薬粒子のうちの所定の
サイズを超える粒子が取り除かれる。複数の平行フィルタは、これら複数のフィルタのう
ちの1つのフィルタを使用した場合に達成され得るよりも速い速度で、試薬蒸気とキャリ
アガスとの混合物のろ過を行うことを可能にする。
【0016】
[0016] 本開示の他の態様、特徴及び実施形態は、以下の開示及び添付の特許請求の範囲
からより十分に明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】[0017] 混合ガス流が気化器容器全体にわたって流れる際にこの混合ガス流を方向転換させるように適合された、本開示の特定の例示的実施形態の気化器容器及び関連するコンポーネントの側面断面図である。
【
図2】[0018] 本開示の別の特定の実施形態の気化器容器及び関連するコンポーネントの分解斜視図である。
【
図3】[0019] ガス流を伝えるための複数のチャネルであって、仕切りを貫通する複数の孔の形状のチャネルを使用した、本開示に係る特定の例示的実施形態の試薬支持トレイの斜視図であり、ここで、
図3の試薬支持トレイは第1の高さを有する。
【
図4】[0020] ガス流を伝えるための複数のチャネルであって、仕切りを貫通する複数の孔の形状のチャネルを使用した、本開示に係る特定の例示的実施形態の試薬支持トレイの斜視図であり、ここで、
図4の試薬支持トレイは
図3の試薬支持トレイの第1の高さより高い第2の高さを有する。
【
図5】[0021] ガス流を伝えるための複数のチャネルであって、複数の仕切りの各々を通って延在するスロットの形状のチャネルを使用した、本開示に係る特定の例示的実施形態の試薬支持トレイの斜視図であり、ここで、
図5の試薬支持トレイは第1の高さを有する。
【
図6】[0022] ガス流を伝えるための複数のチャネルであって、複数の仕切りの各々を通って延在するスロットの形状のチャネルを使用した、本開示に係る特定の例示的実施形態の試薬支持トレイの斜視図であり、ここで、
図6の試薬支持トレイは
図5の試薬支持トレイの第1の高さより高い第2の高さを有する。
【
図7】[0023]
図7の試薬支持トレイが、試薬支持トレイの支持表面を完全に横切って延在する仕切りのみを含む点を除いて、
図3の試薬支持トレイと同様の特定の例示的実施形態の試薬支持トレイの斜視図である。
【
図8】[0024]
図7の試薬支持トレイが、試薬支持トレイの支持表面を完全に横切って延在する仕切りのみを含む点を除いて、
図5の試薬支持トレイと同様の特定の例示的実施形態の試薬支持トレイの斜視図である。
【
図9】[0025] 仕切りの両側面が支持表面の平面内において平行でない点を除いて、
図3の試薬支持トレイと同様の特定の例示的実施形態の試薬支持トレイの斜視図である。
【
図10】[0026] 混合ガス流が気化器容器全体にわたって流れる際にこの混合ガス流を方向転換させるように適合された、本開示の別の特定の例示的実施形態の気化器容器及び関連するコンポーネントの側面断面図である。
【
図11】[0027] 本開示に係る特定の例示的実施形態の試薬支持トレイであって、該試薬支持トレイの片側の、該試薬支持トレイの側壁の内側に配置されたガス流開口を有する試薬支持トレイの斜視図である。
【
図12】[0028] 本開示に係る特定の例示的実施形態の試薬支持トレイであって、該試薬支持トレイの片側の、該試薬支持トレイの側壁と気化器容器の内壁との間に配置されたガス流開口を有する試薬支持トレイの斜視図である。
【
図13】[0029]
図7の試薬支持トレイの同様の特定の例示的実施形態の試薬支持トレイであって、該試薬支持トレイの支持表面から延在する複数の突起を含む試薬支持トレイの斜視図である。
【
図14】[0030]
図11の試薬支持トレイの同様の特定の例示的実施形態の試薬支持トレイであって、該試薬支持トレイの支持表面から延在する複数の中空の突起を含む試薬支持トレイの斜視図である。
【
図15】[0031] 気化器容器内に配置される試薬支持トレイのスタック中に組み合わされた同一又は異なる寸法の試薬支持トレイの特定の例示的実施形態の組み合わせの側面断面図である。
【
図16】気化器容器内に配置される試薬支持トレイのスタック中に組み合わされた同一又は異なる寸法の試薬支持トレイの特定の例示的実施形態の組み合わせの側面断面図である。
【
図17】気化器容器内に配置される試薬支持トレイのスタック中に組み合わされた同一又は異なる寸法の試薬支持トレイの特定の例示的実施形態の組み合わせの側面断面図である。
【
図18】気化器容器内に配置される試薬支持トレイのスタック中に組み合わされた同一又は異なる寸法の試薬支持トレイの特定の例示的実施形態の組み合わせの側面断面図である。
【
図19】気化器容器内に配置される試薬支持トレイのスタック中に組み合わされた同一又は異なる寸法の試薬支持トレイの特定の例示的実施形態の組み合わせの側面断面図である。
【
図20】気化器容器内に配置される試薬支持トレイのスタック中に組み合わされた同一又は異なる寸法の試薬支持トレイの特定の例示的実施形態の組み合わせの側面断面図である。
【
図21】[0032] 種々の形状のソース試薬材料を支持する試薬支持トレイの側面断面図である。
【
図22】種々の形状のソース試薬材料を支持する試薬支持トレイの側面断面図である。
【
図23】種々の形状のソース試薬材料を支持する試薬支持トレイの側面断面図である。
【
図24】種々の形状のソース試薬材料を支持する試薬支持トレイの側面断面図である。
【
図25】種々の形状のソース試薬材料を支持する試薬支持トレイの側面断面図である。
【
図26】[0033] 本開示に係る、複数の離間した平行フィルタを採用した特定の例示的実施形態の粒子抑制デバイスにおける上部表面の斜視図である。
【
図27】[0034] 本開示に係る、複数の離間した平行フィルタを採用した特定の例示的実施形態の粒子抑制デバイスにおける下部表面の斜視図である。
【
図28】[0035]
図27の複数のフィルタにおける多数のフィルタ要素の中に含まれ得る複数のフィルタ要素の断面図である。
【
図29】[0036] 本開示に係る蒸気送出システムを使用した蒸着又は注入システムのブロック図である。
【
図30】[0037] 本開示に係る試薬支持トレイの実施形態を使用して試薬ソース材料から試薬蒸気を生成するための特定の例示的実施形態の方法のフロー図である。
【
図31】[0038] 本開示に係る試薬支持トレイの実施形態を使用して試薬ソース材料から試薬蒸気を生成するための別の特定の例示的実施形態の方法のフロー図である。
【
図32】[0039] 本開示に係る試薬支持トレイの実施形態を使用して試薬ソース材料から試薬蒸気を生成する別の特定の例示的実施形態の方法のフロー図である。
【
図33】[0040] 本開示に係る、複数のユニットに対する材料の蒸着又は注入等のバッチ処理に使用される試薬蒸気から粒子を取り除くための特定の例示的実施形態の方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[0041] 本開示は、気化器容器装置、試薬支持トレイ、粒子抑制デバイス、ソース試薬を
気化する方法、及び試薬材料の試薬蒸気蒸着又は注入を生成するその他の態様に関する。
特定の実施形態において、気化器容器は、ウェーハ又はその他のオブジェクトのバッチに
対する試薬蒸気の蒸着及び注入を可能にするように、単一ウェーハ又は単一オブジェクト
の場合と比較して多くの量の試薬蒸気を生成するように構成される。
【0019】
[0042] 本開示によれば、気化器容器に用いられる試薬支持トレイのスタック内の試薬支
持トレイは、複数のガス流開口を含む。ガス流開口は、試薬支持トレイ内の1つ又は複数
の仕切り内のチャネルを含んでよく、若しくは、ガス流開口は、複数の試薬支持トレイの
うちの1つ又は複数の試薬支持トレイの片側に位置付けられてもよい。仕切り中のチャネ
ルは、特定の試薬支持トレイの底面の下に延在して、この支持トレイの底面でガスを方向
転換させ、ガスが該支持トレイの底面から離れて循環した後に次の試薬支持トレイ内に進
むことができるように配置され得る。あるいは、片側配置のガス流開口では、気化器容器
の片側で1つの試薬支持トレイに流入するガスが、方向転換され、該試薬支持トレイ(及
びその中に受け入れられた試薬ソース材料)を横断して流れた後、気化器容器の反対側に
向かって配置された開口を介して該試薬支持トレイから次の試薬支持トレイ内に進む。
【0020】
[0043]
図1は、本開示に係る特定の例示的実施形態の気化器装置100及び関連するコ
ンポーネントの側面断面図である。気化器容器100は、本体102及び蓋体104を含
む。蓋体104は、キャリアガス流(
図1においては不図示)を受け入れるように構成さ
れた入口ポート106を含む。蓋体104は、キャリアガスと試薬蒸気(同じく
図1にお
いては不図示)との混合物を生成し得る出口ポート108も含む。クランプ、ボルト又は
その他のデバイスを用いて蓋体104が本体102に固定されると、本体102及び蓋体
104によって気化器容器100の閉鎖された内部容積105が規定される。
【0021】
[0044]
図1の特定の例示的実施形態においては、略同一サイズの複数の試薬支持トレイ
110、120、130及び140が受け入れられる。試薬支持トレイ110、120、
130及び140は、試薬蒸気103を生成するように構成された、又はそのように期待
されたソース試薬材料101の供給を受け入れるように構成される。
【0022】
[0045] ソース試薬材料101は固体ソース試薬材料を含み得る。あるいは、別の形状の
ソース試薬材料(不図示)、例えば、液体ソース試薬材料(不図示)や溶剤中に溶解され
た固体ソース試薬材料(同じく不図示)を使用してもよい。固体状の場合、ソース試薬材
料101は、多数の別々の単位の固体ソース試薬材料を含む不連続な形状をとってよい。
また、固体ソース試薬材料101は、粉体状又はビーズ状、あるいは多孔性バルク物品の
形状をとってもよい。例示として、ソース試薬材料は、ジメチルヒドラジン、トリメチル
アルミニウム(TMA)、塩化ハフニウム(HfCl4)、塩化ジルコニウム(ZrCl
4)、三塩化インジウム、三塩化アルミニウム、ヨウ化チタン、タングステンカルボニル
、Ba(DPM)2、ビスジピバロイルメタナトストロンチウム(Sr(DPM)2)、
TiO(DPM)2、テトラジピバロイルメタナトジルコニウム(Zr(DPM)4)、
デカボラン、ホウ素、マグネシウム、ガリウム、インジウム、アンチモン、銅、リン、ヒ
素、リチウム、テトラフルオロホウ酸ナトリウム、アルキル-アミジナートリガンドを組
み込んだ前駆体、有機金属前駆体、ジルコニウム第3級ブトキシド(Zr(t-OBu)
4)、テトラキスジエチルアミノジルコニウム(Zr(Net2)4)、テトラキスジエ
チルアミノハフニウム(Hf(Net2)4)、テトラキス(ジメチルアミノ)チタン(
TDMAT)、tertブチルイミノトリス(ジエチルアミノ)タンタル(TBTDET
)、ペンタキス(デメチルアミノ)タンタル(PDMAT)、ペンタキス(エチルメチル
アミノ)タンタル(PEMAT)、テトラキスジメチルアミノジルコニウム(Zr(NM
e2)4)、ハフニウム第3級ブトキシド(Hf(tOBu)4)、二フッ化キセノン(
XeF2)、四フッ化キセノン(XeF4)、六フッ化キセノン(XeF6)、ならびに
これらのうちの2種以上からなる相溶性のある組み合わせ及び混合物を含む多数の化合物
を含んでよい。
【0023】
[0046] 複数の試薬支持トレイ110、120、130及び140の各々は、
図2~
図6
に示されるように異なるサイズであってもよいことが理解されるべきであり、このことは
図2を参照してさらに説明される通りである。さらに、
図1及び
図2ともに、複数の試薬
支持トレイ110、120、130及び140が4つの個別の試薬支持トレイを含むこと
を示しているが、任意の数の試薬支持トレイを使用してよい。
【0024】
[0047] 試薬支持トレイ110、120、130及び140、並びに、気化器容器100
は、ソース試薬材料の加熱を促進するように熱伝導性材料から構成されてもよい。試薬支
持トレイ110、120、130及び140は、例えば、望ましくは、キャリアガス、ソ
ース試薬材料、あるいはソース試薬材料を気化させることで生成される試薬蒸気と反応し
ない金属又はその他の材料から構成されてもよい。例えば、試薬支持トレイ110、12
0、130及び140、ならびに/又は気化器容器100は、銀、銀合金、銅、銅合金、
アルミニウム、アルミニウム合金、鉛、ニッケルクラッド、ステンレス鋼、グラファイト
、炭化ケイ素被覆グラファイト、窒化ホウ素、セラミック材料、並びに上記材料のうちの
2種以上の組み合わせ、混合物及び合金を含む、熱伝導性材料から構成されてもよい。
【0025】
[0048]
図1はまた、気化器容器100内で少なくとも1つの粒子抑制デバイス180を
使用することを示しており、この粒子抑制デバイスは複数の試薬支持トレイ110、12
0、130及び140と出口ポート108との間に位置付けられる。従って、キャリアガ
スと試薬蒸気の混合物が出口ポート108を介して気化器容器100から排出される前に
この少なくとも1つの粒子抑制デバイス180を通過することにより、ソース試薬材料の
気化の一部として生成され得る、所定サイズを超える粒子がろ過によって取り除かれる。
特定の実施形態において、粒子抑制デバイス180は、ハウジング184内に離れて配置
された複数の平行フィルタ182を含む。特定の実施形態によれば、複数の離間フィルタ
182を使用することにより、粒子抑制デバイス180は、単一のフィルタ(
図1では不
図示)によって可能となり得るよりも速い速度で多量のキャリアガスと試薬蒸気との混合
物を通し、かつこれをろ過することが可能となり得る。
【0026】
[0049] 特定の例示的実施形態において、また
図28を参照してさらに説明されるように
、複数のフィルタ182の各々は、異なるサイズの粒子を連続的に取り除くために、互い
に連続して結合された複数のフィルタ成分を含み得る。例えば、複数のフィルタ成分は、
徐々に小さいサイズの粒子を抑制するように、連続した複数のフィルタ材料層を含み得る
。複数のフィルタ182のうちの1つ又は複数は、所定の許容サイズより大きいサイズの
粒子が通り抜けることを防止するように構成された少なくとも1つのフリット(frit)を
含み得る。代替的に又は付加的に、複数のフィルタ182のうちの1つ又は複数は、金属
発泡材料のような熱伝導性発泡材料を含み得る。粒子抑制デバイス180はまた、キャリ
アガスとソース試薬蒸気との混合物から粒子を除去するように構成された静電粒子コレク
タを含んでもよい。
【0027】
[0050] 動作中、気化器容器100、複数の試薬支持トレイ110、120、130及び
140、ソース試薬材料101及びその他のコンポーネントは加熱され得る。キャリアガ
ス流107は、入口ポート106を介して導入され得る。特定の実施形態において、入口
ポート106を介して受け入れられたキャリアガス流107は、ダウンチューブ150を
介して閉鎖された内部容積105の底部へと下向きに伝えられる。ダウンチューブ150
は、キャリアガス流107が複数の試薬支持トレイ110、120、130及び140の
うちの最下部トレイの下に導入されることを可能にし、それによって、加熱されたキャリ
アガスが膨張して出口ポート108に向かって上向きに移動するのに伴ってキャリアガス
流107が複数の試薬支持トレイ110、120、130及び140の各々の内容物と容
易に相互作用できるようにする。キャリアガス流107は、複数の試薬支持トレイ110
、120、130及び140内でのキャリアガスとソース試薬材料101との間の相互作
用をさらに促進するため、渦状のキャリアガスを生成するフロー分散器(flow disperser
)152へとダウンチューブ150を通って導入されてもよい。そして、キャリアガスは
加熱されたソース試薬材料101と相互に作用して、キャリアガス107と、ソース試薬
蒸気103と、場合によっては疑似粒子(
図1においては不図示)との混合ガス109を
生成する。所定サイズを超える粒子は、粒子抑制デバイス180の離間フィルタ182に
よって取り除かれ、ろ過されたキャリアガスとソース試薬蒸気との混合物190が出口ポ
ート180を介して気化器容器100を出る。
【0028】
[0051] 特定の実施形態において、複数の試薬支持トレイ110、120、130及び1
40のうちの少なくとも1つは、1つ又は複数の仕切り162、164及び166であっ
て、各仕切りを通って、複数の試薬支持トレイ110、120、130及び140のうち
の1つのトレイ上の容積から、複数の試薬支持トレイ110、120、130及び140
のうちの別のトレイ、例えば、上記第1の支持トレイの上方に積層された次の試薬支持ト
レイ上の容積へと混合ガス109(あるいは、キャリアガス流107又は試薬蒸気103
)を運搬する1つ又は複数のチャネル168が延在する、1つ又は複数の仕切り162、
164及び166を含む。1つ又は複数の仕切り162、164及び166は、混合ガス
109内への試薬蒸気103の同伴を促進するため、混合ガス109の流れを方向転換さ
せてソース試薬材料101及び/又は試薬蒸気103との関与を促進するように構成され
る。
【0029】
[0052]
図1に示される複数の試薬支持トレイ110、120、130及び140の構成
の実施形態をさらに説明するため、複数の試薬支持トレイ110、120、130及び1
40のうちの全ての試薬支持トレイが同じ寸法及び構成を有するものと仮定する。しかし
ながら、以下で具体的に説明するように、同じ寸法を有する
図1の複数の試薬支持トレイ
110、120、130及び140は、
図1の例のためにのみ仮定されるものである。た
だし、以下で
図15~
図20を参照して明示されるように、気化器容器内に配置される試
薬支持トレイのスタックには異なる高さ又は異なる寸法を有する試薬支持トレイを含んで
いることが望ましい場合もある。
【0030】
[0053] また、仕切り162、164及び166も同じ寸法及び構成を有するものと仮定
される。従って、複数の試薬支持トレイ110、112、114及び116のうちの1つ
、及び/又は複数の仕切り162、164のうちの1つの構成及び/又は動作についての
説明は、複数の試薬支持トレイ110、120、140及び160のうちの他のトレイ、
又は複数の仕切り162、164及び166のうちの他の仕切りにも当てはまる。また、
複数の試薬支持トレイ110、120、130及び140の各トレイの同一部分に対する
参照番号を含む代わりに、視覚的に分かりやすくするため、複数の試薬支持トレイ112
、114及び116の各トレイの要素であって、気化器100の動作に言及する際に説明
がなされる要素には符号が付されるが、複数の試薬支持トレイ110、120、130及
び140のうちの他のトレイの対応する要素には符号が付されない場合がある。ただし、
複数の試薬支持トレイ110、120、130及び140のうちの1つのトレイのある要
素の構成又は動作に対する言及は、個別に符号を付して説明されない場合があり得る、複
数の試薬支持トレイ110、120、130及び140のうちの他のトレイの対応する要
素にも当てはまることが理解されるべきである。
【0031】
[0054] また、複数の試薬支持トレイ110、120、130及び140の構成の実施形
態をさらに説明するため、試薬支持トレイ120を単に支持トレイ120と呼び、支持ト
レイ120の下に積層される試薬支持トレイ110を下部支持トレイ110と呼ぶ。同様
に、支持トレイ120の上に積層される試薬支持トレイ130を上部支持トレイ130と
呼ぶ。この命名は、以下の説明を簡単にする上で、試薬支持トレイ110、120、13
0及び140の垂直スタック内における試薬支持トレイ110、120及び130の相対
位置を区別するために用いられる。また、気化器容器100内を流れるガスは、キャリア
ガス流107、試薬蒸気103及び混合ガス109を含み得るが、説明を簡単にするため
、以下において、気化器容器100内のガス流を混合ガス109と呼ぶ。
【0032】
[0055] 支持トレイ120は、上面122及び底面123を有する支持表面121を含む
。上面122は、ソース試薬材料101を支持するように構成された上向きの表面である
。底面123は、支持トレイ120と下部支持トレイ110との間に下部容積117を封
じ込めるように機能し得る下向きの表面である。特定の実施形態において、下部容積11
7又は他の同様の容積は、支持トレイ110及び120のそれぞれの支持表面111及び
121と、気化器容器100の内部側壁155とによって区切られ得る。あるいは、支持
トレイ110及び120がそれぞれ、その外周から垂直に延在する側壁114及び124
を含み、下部支持トレイ110の上に下部容積117というように、支持トレイ110及
び120の各々の上にそれぞれの容積を封じ込めるようにしてもよい。それぞれの側壁1
14及び124は、例えば、支持トレイ120の下縁部125が下部支持トレイ110の
上縁部116と係合して下部支持トレイ110上の下部容積117を閉鎖するように、下
縁部115及び125から上縁部125及び126へと延在し得る。例えば、縁部116
と縁部125の間にシールを提供して下部容積117をさらに封止するために、ガスケッ
ト(
図1においては不図示)を使用してもよい。同様に、支持トレイ120及び上部支持
トレイ130の対応する要素は、支持トレイ120上に容積127を封じ込めるように構
成されてよく、複数の試薬支持トレイ110、120、130及び140の各々について
も同様である。
【0033】
[0056] 仕切り162は、支持トレイ120の支持表面121を通って延在し、支持表面
121の底面123の下で、支持表面121の底面123の下の第1の距離172、下端
部171まで延在する。また、仕切り162は、上部支持トレイ130の上部支持表面1
31の底面133から第2の距離174以内まで延在する上端部173を有する。仕切り
162の下端部171と上端部173との間にはチャネル168のようなチャネルが延在
し、下部支持トレイ110上の下部容積117から、支持トレイ120上の容積127へ
と混合ガス109を運搬する。同様に、仕切り164中のチャネル(不図示)は、支持ト
レイ120上の容積127から、上部支持トレイ130上の上部容積137へと混合ガス
109を運搬してよく、その他も同様である。
【0034】
[0057] 特定の実施形態において、仕切り162の下端部171は、支持トレイ120の
底面121の下で第1の距離172延在する。一方、仕切り162の上端部173は、上
部支持トレイ130の上部支持表面131の底面133から第2の距離174以内まで延
在する。第1の距離172は第2の距離174より大きい。従って、言い換えると、支持
トレイ120の仕切り162の上端部173でチャネル168を出た混合ガス109の流
れは、上部支持トレイ130の仕切り164の下端部175に対するより、上部支持トレ
イ130の上部支持表面131の底面133に対してより近接する。その結果、
図1に示
されるように、支持トレイ120の仕切り162のチャネル168を出て進む混合ガス1
09の流れは、上部支持トレイ130の上部支持表面131の底面133から離れて循環
させられた後に、上部支持トレイ114の仕切り164の下端部175からチャネル16
9に流入することができることになる。従って、混合ガス109の流れが仕切り162の
上端部173から、上部支持トレイ130の上部支持表面131の底面133に向かって
進む際、混合ガス109中にソース試薬蒸気103が同伴されるよう促進するため、混合
ガス109は、ソース試薬材料101に向かって、かつソース試薬蒸気103を通って循
環するように方向転換させられることになる。複数の試薬支持トレイ110、120、1
30及び140の各々によって区切られた容積と容積の間、及び各容積内を混合ガス10
9が流れる際、この混合ガスの蛇行した流路が繰り返される。
【0035】
[0058] 以上の
図1の説明は、入口ポート106を介して導入されたキャリアガスがダウ
ンチューブ150内を下向きに流れ、その下端部で排出されるという動作モードを例示し
ている。このようにして排出されたキャリアガスは、試薬支持トレイに関連付けられた細
孔及び通路を通って外向きかつ上向きに流れ、その後、出口ポート108を介して気化器
容器から排出される。
【0036】
[0059] もう1つの「逆流」モードでは、前述の入口ポート106が今度は容器の出口ポ
ートとして利用され、前述の出口ポート108が今度は容器の入口ポートとして利用され
るように、気化器容器がキャリアガス流に対して配置される。従って、キャリアガス源(
図1においては不図示)は、(入口ポートとなった)ポート108に対してガス供給関係
に結合される。このような構成においては、粒子抑制デバイス180は気化器構造から除
去し得るか、あるいはそうでなければ、逆流動作モードに適応するように構造及び/又は
位置を変更し得る。このようにして導入されたキャリアガスは、気化器容器の上部から入
り、試薬支持トレイに関連付けられた細孔及び通路を通って外向きかつ下向きに流れた後
、チューブ150(このような逆モードではアップチューブとなる)を通って上向きに流
れることにより、気化したソース試薬材料を内部に同伴するキャリアガスが(出口ポート
となった)ポート106を通って気化器容器から排出される。
【0037】
[0060] このような逆流モードは、本開示の気化器構造のいずれにおいても使用し得るこ
と、及び気化器容器から排出されるキャリアガス混合物におけるソース試薬材料の飽和度
を上げるための特定の実装において利点があり得ることが認識されるだろう。
【0038】
[0061]
図2は、本開示に係る別の特定の実施形態の気化器容器200及び関連するコン
ポーネントを示す分解斜視図である。
図2の気化器容器200は、同様の参照番号によっ
て識別された同一のコンポーネントを多数含んでいる。
【0039】
[0062] 気化器容器200は、本体202及び蓋体204を含む。蓋体204は、キャリ
アガス流(
図2においては不図示)を受け入れるように構成された入口ポート206を含
む。入口ポート206は、
図1を参照して説明したように、気化器容器200の最下部ま
でキャリアガス流を運搬するようにダウンチューブ250に結合される。また、蓋体20
4は、キャリアガスと試薬蒸気(同じく
図2においては不図示)との混合物を生成し得る
出口ポート208も含む。気化器容器200の各コンポーネントが組立てられ、クランプ
、ボルト又はその他のデバイスを用いて蓋体204が本体202に固定されると、
図1を
参照して説明したように、本体202及び蓋体204によって気化器容器200の閉鎖さ
れた内部容積(
図2においては不図示)が規定される。
【0040】
[0063]
図2の気化器容器200は、
図1の気化器容器100と同様に、合わせて4つの
試薬支持トレイ210、220、230及び240を受け入れる。
図1及び
図2はともに
、4つの試薬支持トレイの使用を示しているが、本開示に係る実施形態は、特定の気化器
容器100(
図1)又は気化器容器200(
図2)内に受け入れられ得る特定の数の試薬
支持トレイを使用することに限定されない。
【0041】
[0064]
図1に示される実施形態とは対照的に、
図2は、気化器容器200内に受け入れ
られる複数の試薬支持トレイ210、220、230及び240が異なる寸法を有してよ
いことを示している。すなわち、
図2の例において複数の試薬支持トレイ210、220
、230及び240のスタックの最下端に位置する試薬支持トレイ210及び220は第
1の深さ241を有し、この第1の深さは試薬支持トレイ230及び240の第2の深さ
243よりも大きい。さらに、複数の試薬支持トレイ210、220、230及び240
が2つの異なる深さ241及び243を有することが示されているが、複数の試薬支持ト
レイ211~214は試薬支持トレイの数と同じ数の異なる深さを有してもよい。
【0042】
[0065]
図3~
図6を参照してさらに説明されるように、複数の試薬支持トレイ210、
220、230及び240のうちの1つ又は複数のトレイは、試薬支持トレイ220及び
230のそれぞれの仕切り262及び264のような仕切りを含んでよく、気化器容器2
00内の複数の試薬支持トレイ210、220、230及び240の間のガスの流れを容
易にするように、これらの仕切りを通ってチャネルが存在する。複数の試薬支持トレイ2
10、220、230及び240内に受け入れられ得るソース試薬材料(
図2においては
不図示)の間のガスの流れを容易にするため、複数の試薬支持トレイ210、220、2
30及び240は、互いに相対的な角度オフセットをもって配列されてよい。言い換える
と、複数の試薬支持トレイ210、220、230及び240は、仕切り262及び26
4などの仕切りが垂直方向に整列しないように位置付けられてよい。それにより、例えば
、試薬支持トレイ220の仕切り262内のチャネルを流れるガスは、該ガスが次の試薬
支持トレイ230へと上向きに流れることを可能にする試薬支持トレイ230の仕切り2
64内のチャネルに到達する前に、試薬支持トレイ220に受け入れられたソース試薬材
料を越えて流れ得る。従って、複数の試薬支持トレイ210、220、230及び240
の仕切りが角度オフセットされて位置付けられることにより、気化器容器200内のガス
と、複数の試薬支持トレイ210、220、230及び240に含まれるソース試薬材料
との相互作用が容易になり得る。
【0043】
[0066]
図2はまた、気化器容器200内における少なくとも1つの粒子抑制デバイス2
80の使用についても示している。
図1の例のように、粒子抑制デバイス280は、複数
の試薬支持トレイ210、220、230及び240と、出口ポート208との間に位置
付けられる。そのため、複数の試薬支持トレイ210、220、230及び240を通過
するキャリアガスと試薬蒸気との混合物は、出口ポート208を介して気化器容器200
から排出される前に、この少なくとも1つの粒子抑制デバイス280を通過する。粒子抑
制デバイス280を通過することにより、ソース試薬材料の気化の一部として生成され得
る、所定のサイズを超える粒子がろ過によって取り除かれる。特定の実施形態において、
粒子抑制デバイス280は複数の離間フィルタ282を含み、
図2にはこれらフィルタの
出口地点が示される。粒子抑制デバイス280は、
図7、
図8及び
図9を参照して以降で
さらに説明される。
【0044】
[0067]
図3は、本開示に係る特定の例示的実施形態の試薬支持トレイ300の斜視図で
ある。
図1を参照して既に説明したように、試薬支持トレイ300は複数の仕切り310
及び312を含み、試薬支持トレイによって区切られた容積と容積の間で混合ガス流又は
その他のガス流を伝えるため、これら仕切りを通ってチャネル320が延在する。
【0045】
[0068] 試薬支持トレイ300は、試薬支持トレイ300の底部として機能する上面30
2を有する試薬支持表面301を含む。試薬支持表面301は、試薬支持トレイ300内
に置かれたソース試薬材料(
図3においては不図示)を支持する。試薬支持トレイ300
は、試薬支持表面301上に置かれた試薬ソース材料を封じ込めるように、支持表面30
1の外周に沿って延在する側壁304によって区切られる。側壁304の上縁306は、
試薬支持トレイ300の上縁ともみなし得る。同様に、試薬支持表面301の下縁305
は、試薬支持トレイ300の下縁ともみなし得る(以下でさらに説明するように、仕切り
310及び312の下端部、例えば、下端部311は、試薬支持トレイ300の下縁とみ
なし得る)。試薬支持トレイ300の高さ340は(内側で測定しても、
図3に示すよう
に外側で測定してもよい)は、試薬支持トレイ300の下縁305から試薬支持トレイ3
00の上縁306まで延在する。
【0046】
[0069] 特定の実施形態において、試薬支持トレイ300が包含する容積は複数の仕切り
310及び312によって分割される。
図1を参照して既に説明したように、複数の仕切
り310及び312は、支持表面301を通って下端部311から上端部313まで垂直
方向に延在し、複数の仕切り310及び312の各々の下端部311と上端部313の間
に複数のチャネル320が延在する。
図3の実施形態において、複数のチャネル320は
、仕切り310及び312を通って延在する、全体として平行な複数の孔320を含む。
【0047】
[0070] 複数の仕切りのうちの1以上の仕切り、例えば、仕切り310は、支持表面30
1を完全に横切って延在し得る。特定の実施形態において、ダウンチューブ(
図1及び図
2でそれぞれ示されるダウンチューブ150及び250)を受け入れるため、仕切り31
0は開口322を含んでよく、この開口を通じて、ダウンチューブが試薬支持トレイ30
0を通って延在し得る。複数の仕切りのうちの他の1以上の仕切り、例えば、仕切り31
2は、支持表面301を部分的にのみ横切って延在し得る。
図3の実施形態において、両
方のタイプの仕切り310及び312は、これらの仕切りを通って延在する複数のチャネ
ル320を含む。
【0048】
[0071]
図1を参照して既に説明したように、特定の実施形態において、複数の仕切り3
10及び312は、支持表面301の下で下端部311まで下向きに延在し、かつ上端部
313まで上向きに延在する。下端部311及び上端部313が延在する相対的長さは、
図1を参照して説明したように、混合ガスが試薬支持トレイ300によって区切られた容
積を通って循環した後にかかる容積を出て進むことを促進するように構成される。
【0049】
[0072] 例示として、試薬支持トレイ300は、直径が8.9インチ、支持表面の底部か
ら側壁の上縁部までの高さが1.18インチ、仕切りの下端部から側壁の上縁部までの高
さが1.456インチであってよい。仕切りは、幅0.28インチであってよく、また、
図3に示すように合計52個のチャネルを含んでよい。支持表面の表面積は49.68平
方インチとなり得、75%充填可能な36.515立方インチの容積と、特定の実施形態
においては300グラムの充填重量を提供する。これらの寸法及び容量は、例えば、半導
体ウェーハのバッチにおけるソース材料の蒸着又は注入にとって十分な量のソース試薬蒸
気を生成することを可能にする。(比較として、単一ウェーハ用途のための典型的な支持
トレイは、7.99平方インチの表面積を提供し、28グラムの75%充填可能重量を収
容し得る。)このような支持トレイを収容するため、これに見合った直径の気化器容器を
使用し得る。気化器容器の高さは、所望の数の試薬支持トレイを含む試薬支持トレイのス
タックを収容するように選択し得る。
【0050】
[0073]
図4は、本開示に係る特定の例示的実施形態の試薬支持トレイ400の斜視図で
ある。
図4の試薬支持トレイ400は、
図3の試薬支持トレイ300の高さと異なる高さ
440を有する点を除いて、試薬支持トレイ300と同様である。
【0051】
[0074]
図1を参照して既に説明したように、試薬支持トレイ400は複数の仕切り41
0及び412を含み、試薬支持トレイによって区切られた容積と容積の間で混合ガス流又
はその他のガス流を伝えるため、これら仕切りを通ってチャネル420が延在する。
【0052】
[0075] 試薬支持トレイ400は、試薬支持トレイ400の底部として機能する上面40
2を有する試薬支持表面401を含む。試薬支持表面401は、試薬支持トレイ400内
に置かれたソース試薬材料(
図4においては不図示)を支持する。試薬支持トレイ400
は、試薬支持表面401上に置かれた試薬ソース材料を封じ込めるように、支持表面40
1の外周に沿って延在する側壁404によって区切られる。側壁404の上縁406は、
試薬支持トレイ400の上縁ともみなし得る。同様に、試薬支持表面401の下縁405
は、試薬支持トレイ400の下縁ともみなし得る(以下でさらに説明するように、仕切り
410及び412の下端部、例えば、下端部411は、試薬支持トレイ400の下縁とみ
なし得る)。試薬支持トレイ400の高さ440は(内側で測定しても、
図4に示すよう
に外側で測定してもよい)は、試薬支持トレイ400の下縁405から試薬支持トレイ4
00の上縁406まで延在する。
【0053】
[0076] 特定の実施形態において、試薬支持トレイ400が包含する容積は複数の仕切り
410及び412によって分割される。
図1を参照して既に説明したように、複数の仕切
り410及び412は、支持表面401を通って下端部411から上端部413まで垂直
方向に延在し、複数の仕切り410及び412の各々の下端部411と上端部413の間
に複数のチャネル420が延在する。
【0054】
[0077] 複数の仕切りのうちの1以上の仕切り、例えば、仕切り410は、支持表面40
1を完全に横切って延在し得る。特定の実施形態において、ダウンチューブ(
図1及び図
2でそれぞれ示されるダウンチューブ150及び250)を受け入れるため、仕切り41
0は開口422を含んでよく、この開口を通じて、ダウンチューブが試薬支持トレイ40
0を通って延在し得る。複数の仕切りのうちの他の1以上の仕切り、例えば、仕切り41
2は、支持表面401を部分的にのみ横切って延在し得る。
図4の実施形態において、両
方のタイプの仕切り410及び412は、これらの仕切りを通って延在する複数のチャネ
ル420を含む。
図4の実施形態において、複数のチャネル420は、仕切り412及び
414を通って延在する、全体として平行な複数の孔420を含む。
【0055】
[0078]
図1を参照して既に説明したように、特定の実施形態において、複数の仕切り4
10及び412は、支持表面401の下で下端部411まで下向きに延在し、かつ上端部
413まで上向きに延在する。下端部411及び上端部413が延在する相対的長さは、
図1を参照して説明したように、混合ガスが試薬支持トレイ400によって区切られた容
積を通って循環した後にかかる容積を出て進むことを促進するように構成される。
【0056】
[0079]
図2を参照して既に説明したように、異なる高さの試薬支持トレイを使用してよ
く、異なる高さの試薬支持トレイを気化器容器内で同時に使用してよい。例として、
図3
の試薬支持トレイの高さ340は、支持表面301の下縁305から試薬支持トレイ30
0の上縁306までを測定して1.18インチであり得る。仕切り310及び312の下
端部は支持表面301の下に、第1の距離である0.276インチまで延在し得る。一方
、試薬支持トレイ400の高さ440は、支持表面401の下縁405から試薬支持トレ
イ400の上縁406までを測定して2.36インチであり得る。仕切り410及び41
2の下端部も、支持表面401の下に、第1の距離である0.276インチまで延在し得
る。
【0057】
[0080] 例示として、試薬支持トレイ400は、直径が8.9インチ、支持表面の底部か
ら側壁の上縁部までの高さが1.26インチ、仕切りの下端部から側壁の上縁部までの高
さが2.636インチであってよい。仕切りは、幅0.28インチであってよく、また、
図4に示すように合計68個のチャネルを含んでよい。支持表面の表面積は49.68平
方インチとなり得、75%充填可能な80.483立方インチの容積と、特定の実施形態
においては660グラムの充填重量を提供する。これらの寸法及び容量は、例えば、半導
体ウェーハのバッチにおけるソース材料の蒸着又は注入にとって十分な量のソース試薬蒸
気を生成することを可能にする。
【0058】
[0081]
図5は、本開示に係る特定の例示的実施形態の試薬支持トレイ500の斜視図で
ある。
図5の試薬支持トレイ500及び
図6の試薬支持トレイ600は、それぞれ、
図3
及び
図4の試薬支持トレイ300及び400と同様である。ただし、以下でさらに説明す
るように、支持トレイ500及び600は試薬支持トレイ300及び400に含まれるタ
イプのチャネルとは異なるタイプのチャネルを有する。
【0059】
[0082]
図1を参照して既に説明したように、試薬支持トレイ500は複数の仕切り51
0及び512を含み、試薬支持トレイによって区切られた容積と容積の間で混合ガス流又
はその他のガス流を伝えるため、これら仕切りを通ってチャネル520が延在する。
【0060】
[0083] 試薬支持トレイ500は、試薬支持トレイ500の底部として機能する上面50
2を有する試薬支持表面501を含む。試薬支持表面501は、試薬支持トレイ500内
に置かれたソース試薬材料(
図5においては不図示)を支持する。試薬支持トレイ500
は、試薬支持表面501上に置かれた試薬ソース材料を封じ込めるように、支持表面50
1の外周に沿って延在する側壁504によって区切られる。側壁504の上縁506は、
試薬支持トレイ500の上縁ともみなし得る。同様に、試薬支持表面501の下縁505
は、試薬支持トレイ500の下縁ともみなし得る(以下でさらに説明するように、仕切り
510及び512の下端部、例えば、下端部511は、試薬支持トレイ500の下縁とみ
なし得る)。試薬支持トレイ500の高さ540は(内側で測定しても、
図5に示すよう
に外側で測定してもよい)は、試薬支持トレイ500の下縁505から試薬支持トレイ5
00の上縁506まで延在する。
【0061】
[0084] 特定の実施形態において、試薬支持トレイ500が包含する容積は複数の仕切り
510及び512によって分割される。
図1を参照して既に説明したように、複数の仕切
り510及び512は、支持表面501を通って下端部511から上端部513まで垂直
方向に延在し、複数の仕切り510及び512の各々の下端部511と上端部513の間
に複数のチャネル520が延在する。
図5の実施形態において、両方のタイプの仕切り5
10及び512は、これらの仕切り510及び512を通って延在する複数のチャネル5
20を含む。
図5の実施形態において、複数のチャネル520は、仕切り510及び51
2を通って延在する中空スロット520を含む。
【0062】
[0085] 複数の仕切りのうちの1以上の仕切り、例えば、仕切り510は、支持表面50
1を完全に横切って延在し得る。特定の実施形態において、ダウンチューブ(
図1及び図
2でそれぞれ示されるダウンチューブ150及び250)を受け入れるため、仕切り51
0はダウンチューブを受け入れるためのオリフィス522を含んでよく、このオリフィス
を通じて、ダウンチューブが試薬支持トレイ500を通って延在し得る。複数の仕切りの
うちの他の1以上の仕切り、例えば、仕切り512は、支持表面501を部分的にのみ横
切って延在し得る。
図1を参照して既に説明したように、特定の実施形態において、複数
の仕切り510及び512は、支持表面501の下で下端部511まで下向きに延在し、
かつ上端部513まで上向きに延在する。下端部511及び上端部513が延在する相対
的長さは、
図1を参照して説明したように、混合ガスが試薬支持トレイ500によって区
切られた容積を通って循環した後にかかる容積を出て進むことを促進するように選択され
、かつ構成される。
【0063】
[0086]
図6は、本開示に係る特定の例示的実施形態の試薬支持トレイ600の斜視図で
ある。
図1を参照して既に説明したように、試薬支持トレイ600は複数の仕切り610
及び612を含み、試薬支持トレイによって区切られた容積と容積の間で混合ガス流又は
その他のガス流を伝えるため、これら仕切りを通ってチャネル620が延在する。
【0064】
[0087] 試薬支持トレイ600は、試薬支持トレイ600の底部として機能する上面60
2を有する試薬支持表面601を含む。試薬支持表面601は、試薬支持トレイ600内
に置かれたソース試薬材料(
図6においては不図示)を支持する。試薬支持トレイ600
は、試薬支持表面601上に置かれた試薬ソース材料を封じ込めるように、支持表面60
1の外周に沿って延在する側壁604によって区切られる。側壁604の上縁606は、
試薬支持トレイ600の上縁ともみなし得る。同様に、試薬支持表面601の下縁605
は、試薬支持トレイ600の下縁ともみなし得る(以下でさらに説明するように、仕切り
610及び612の下端部、例えば、下端部611は、試薬支持トレイ600の下縁とみ
なし得る)。試薬支持トレイ600の高さ640は(内側で測定しても、
図6に示すよう
に外側で測定してもよい)は、試薬支持トレイ600の下縁605から試薬支持トレイ6
00の上縁606まで延在する。
【0065】
[0088] 特定の実施形態において、試薬支持トレイ600が包含する容積は複数の仕切り
610及び612によって分割される。
図1を参照して既に説明したように、複数の仕切
り610及び612は、支持表面601を通って下端部611から上端部613まで垂直
方向に延在し、複数の仕切り610及び612の各々の下端部611と上端部613の間
に複数のチャネル620が延在する。
図5の実施形態のように、
図6の実施形態において
、複数のチャネル620の各々は、仕切り610又は612を通って延在する中空スロッ
ト620を含む。
【0066】
[0089] 複数の仕切りのうちの1以上の仕切り、例えば、仕切り610は、支持表面60
1を完全に横切って延在し得る。特定の実施形態において、ダウンチューブ(
図1及び図
2でそれぞれ示されるダウンチューブ150及び250)を受け入れるため、仕切り61
0はダウンチューブと係合するためのオリフィス622を含んでよく、このオリフィスを
通じて、ダウンチューブが試薬支持トレイ600を通って延在し得る。複数の仕切りのう
ちの他の1以上の仕切り、例えば、仕切り612は、支持表面601を部分的にのみ横切
って延在し得る。
図6の実施形態において、両方のタイプの仕切り610及び612は、
これらの仕切りを通って延在するチャネル620を含む。
【0067】
[0090]
図1を参照して既に説明したように、特定の実施形態において、複数の仕切り6
10及び612は、支持表面601の下で下端部611まで下向きに延在し、かつ上端部
613まで上向きに延在する。下端部611及び上端部613が延在する相対的長さは、
図1を参照して説明したように、混合ガスが試薬支持トレイ600によって区切られた容
積を通って循環した後にかかる容積を出て進むことを促進するように選択され、かつ構成
される。
【0068】
[0091]
図2を参照して既に説明したように、異なる高さの試薬支持トレイを使用してよ
い。さらに、異なる高さの試薬支持トレイは気化器容器内で同時に使用してよい。例とし
て、
図5の試薬支持トレイの高さ540は、支持表面501の下縁505から試薬支持ト
レイ500の上縁506までを測定して1.18インチであり得る。仕切り510及び5
12の下端部は支持表面501の下に、第1の距離である0.276インチまで延在し得
る。一方、試薬支持トレイ600の高さ640は、支持表面601の下縁605から試薬
支持トレイ600の上縁606までを測定して2.36インチであり得る。仕切り610
及び612の下端部も、支持表面601の下に、第1の距離である0.276インチまで
延在し得る。
【0069】
[0092]
図7及び
図8は、それぞれ、
図3の試薬支持トレイ300及び
図5の試薬支持ト
レイ500と同様の試薬支持トレイ700及び800を示す。
図7を参照すると、試薬支
持トレイ700は、試薬支持トレイ700の底部として機能する上面702を有する試薬
支持表面701を含む。試薬支持表面701は、試薬支持トレイ700内に置かれたソー
ス試薬材料(
図7においては不図示)を支持する。試薬支持トレイ700は、複数の仕切
り710によって複数の区画に分割され、各仕切り710は、これを通って延在する全体
として平行な複数の孔720を含む。
【0070】
[0093] 試薬支持トレイ700と
図3の試薬支持トレイ300との違いは、試薬支持トレ
イ700が試薬支持表面701を完全に横切って延在する仕切りのみを含む点にある。つ
まり、支持表面301を部分的にのみ横切って延在する複数の仕切り312を含む
図3の
試薬支持トレイ300とは対照的に、試薬支持トレイ700の仕切り710は全て、支持
表面701を完全に横切って延在する。従って、試薬支持トレイ700は、
図3の試薬支
持トレイ300の支持表面301と比較してより大きい表面積を支持表面701上に有す
る。またその分、試薬支持トレイ700では、試薬支持トレイ300の部分的仕切り31
2がないため、試薬支持トレイ700によって表される容積内へガスを通すことを可能に
するための(孔720の形状の)チャネルの数が少ない。
【0071】
[0094]
図8を参照すると、試薬支持トレイ800は、試薬支持トレイ800の底部とし
て機能する上面802を有する試薬支持表面801を含む。試薬支持表面801は、試薬
支持トレイ800内に置かれたソース試薬材料(
図8においては不図示)を支持する。試
薬支持トレイ700は、複数の仕切り810によって複数の区画に分割され、各仕切り8
10は、これを通って延在する中空スロット820を含む。
【0072】
[0095] 試薬支持トレイ800と
図5の試薬支持トレイ500との違いは、試薬支持トレ
イ800が試薬支持表面801を完全に横切って延在する仕切りのみを含む点にある。つ
まり、支持表面501を部分的にのみ横切って延在する複数の仕切り512を含む
図5の
試薬支持トレイ500とは対照的に、試薬支持トレイ800の仕切り810は全て、支持
表面701を完全に横切って延在する。従って、試薬支持トレイ700は、
図5の試薬支
持トレイ500の支持表面501と比較してより大きい表面積を支持表面801上に有す
る。またその分、試薬支持トレイ800では、試薬支持トレイ500の部分的仕切り51
2がないため、試薬支持トレイ800によって表される容積内へガスを通すことを可能に
するための(スロット820の形状の)チャネルの数が少ない。
【0073】
[0096]
図9は、
図7の試薬支持トレイと同様の、特定の例示的実施形態の試薬支持トレ
イ900の斜視図である。試薬支持トレイ900は、試薬支持トレイ900の底部として
機能する上面902を有する試薬支持表面901を含む。試薬支持表面901は、試薬支
持トレイ900内に置かれたソース試薬材料(
図9においては不図示)を支持する。試薬
支持トレイ900は、複数の仕切り910によって複数の区画に分割され、各仕切り91
0は、これを通って延在する複数の孔920及び921を含む。試薬支持トレイ900と
図7の試薬支持トレイ700との違いは、支持表面901の平面内で、仕切り910の両
側面990が、仕切り710の両側面のように平行でない点にある。仕切り910の両側
面990が平行でないため、仕切り910の狭い部分にある孔920は、仕切り910の
より広い部分にある孔921ほど大きくなり得ない。側面990が平行でない仕切り91
0を有する試薬支持トレイ900を採用することにより、支持表面901を部分的又は完
全に横切って延在する追加の仕切りを含まなくても、孔920及び921によってより大
きなチャネル面積を得ることが可能になる。また、平行でない側面990を有し、仕切り
710(
図7)よりも広い幅まで裾広がりになった仕切り910を使用することで、仕切
り910よりも狭い表面積にわたって広がる平行幅を有する仕切り710によって可能と
なる構造的剛性に対して付加された構造的剛性を有する支持表面901を得ることが可能
になる。
【0074】
[0097]
図10は、本開示に係る別の特定の例示的実施形態の気化器装置1000及び関
連するコンポーネントの側面断面図である。気化器容器1000は、本体1002及び蓋
体1004を含む。蓋体1004は、キャリアガス流(
図1000においては不図示)を
受け入れるように構成された入口ポート1006を含む。蓋体1004は、キャリアガス
と試薬蒸気(同じく
図1000においては不図示)との混合物を生成し得る出口ポート1
008も含む。クランプ、ボルト又はその他のデバイスを用いて蓋体1004が本体10
02に固定されると、本体1002及び蓋体1004によって気化器容器1000の閉鎖
された内部容積1005が規定される。
【0075】
[0098]
図10の特定の例示的実施形態においては、略同一サイズの複数の試薬支持トレ
イ1010、1020、1030及び1040が受け入れられる。
図1を参照して既に説
明したように、試薬支持トレイ1010、1020、1030及び1040は、試薬蒸気
1003を生成するように構成された、又はそのように期待されたソース試薬材料100
1の供給を受け入れるように構成される。複数の試薬支持トレイ1010、1020、1
030及び1040の各々は異なるサイズであってもよいことを理解すべきであり、この
ことは
図15~
図20を参照してさらに説明される通りである。また、
図10は複数の試
薬支持トレイ1010、1020、1030及び1040が4つの個別の試薬支持トレイ
を含むことを示しているが、任意の数の試薬支持トレイを使用してよい。
【0076】
[0099]
図1を参照して既に説明したように、試薬支持トレイ1010、1020、10
30及び1040、ならびに気化器容器1000は、ソース試薬材料の加熱を促進するよ
うに熱伝導性材料からなっていてよいが、この熱伝導性材料は、望ましくは、キャリアガ
ス、ソース試薬材料、あるいはソース試薬材料を気化させることで生成される試薬蒸気と
反応しない金属又はその他の材料からなっていてよい。また、
図10は、気化器容器10
00において少なくとも1つの粒子抑制デバイス1080を使用することを示しており、
この粒子抑制デバイス1080は、複数の試薬支持トレイ1010、1020、1030
及び1040と、出口ポート1008との間に位置付けられる。特定の実施形態において
、粒子抑制デバイス1080は、ハウジング1084内に離れて配置された複数の平行フ
ィルタ1082を含む。特定の実施形態によれば、複数の離間フィルタ1082を使用す
ることにより、粒子抑制デバイス1080は、単一のフィルタ(
図10では不図示)によ
って可能となり得るよりも速い速度で多量のキャリアガスと試薬蒸気との混合物を通し、
かつこれをろ過することが可能となり得る。
【0077】
[00100] 動作中、気化器容器1000、複数の試薬支持トレイ1010、1020、1
030及び1040、ソース試薬材料1001及びその他のコンポーネントは加熱され得
る。キャリアガス流1007は、入口ポート1006を介して導入され得る。特定の実施
形態において、入口ポート1006を介して受け入れられたキャリアガス流1007は、
ダウンチューブ1050を介して閉鎖された内部容積1005の底部へと下向きに伝えら
れる。ダウンチューブ1050は、キャリアガス流1007が複数の試薬支持トレイ10
10、1020、1030及び1040のうちの最下部トレイの下に導入されることを可
能にし、それによって、加熱されたキャリアガスが膨張して出口ポート1008に向かっ
て上向きに移動するのに伴ってキャリアガス流1007が複数の試薬支持トレイ1010
、1020、1030及び1040の各々の内容物と容易に相互作用できるようにする。
キャリアガス流1007は、複数の試薬支持トレイ1010、1020、1030及び1
040内でのキャリアガスとソース試薬材料1001との間の相互作用をさらに促進する
ため、渦状のキャリアガスを生成するフロー分散器(flow disperser)1052へとダウ
ンチューブ1050を通って導入されてもよい。そして、キャリアガスは加熱されたソー
ス試薬材料1001と相互に作用して、キャリアガス1007と、ソース試薬蒸気100
3と、場合によっては疑似粒子(
図10においては不図示)との混合ガス109を生成す
る。所定サイズを超える粒子は、粒子抑制デバイス1080の離間フィルタ1082によ
って取り除かれ、ろ過されたキャリアガスとソース試薬蒸気との混合物1090が出口ポ
ート1008を介して気化器容器1000を出る。
【0078】
[00101] 特定の実施形態において、複数の試薬支持トレイ1010、1020、103
0及び1040はスタック状に配置され、かつ、複数の試薬支持トレイ1010、102
0、1030及び1040を流れる混合ガス1009を左右に通過させて、混合ガス10
09と、ソース試薬材料1001及びソース試薬材料1001によって生成される試薬蒸
気1003との関与を促すように適合される。
【0079】
[00102]
図10に示されるように、複数の試薬支持トレイ1010、1020、103
0及び1040は、混合ガス1009が複数の試薬支持トレイ1010、1020、10
30及び1040の間を流れる際、気化器容器1000の第1の側1090(例えば、図
10に示されるように右側)から気化器容器1000の第2の側1090(例えば、
図1
0に示されるように左側)へと混合ガス1090の流れを順次方向転換させるように配置
される。混合ガスの方向転換は、以下でさらに説明されるように、複数の試薬支持トレイ
1010、1020、1030及び1040に配置された一連の向かい合った位置のガス
流開口1022、1032及び1042によって達成し得る。複数の試薬支持トレイ10
10、1020、1030及び1040に使用されるこのガス流開口は、複数の試薬支持
トレイ1010、1020、1030及び1040の各々において同じ構成であってよく
、あるいは、
図10に示されるように、複数の試薬支持トレイ1010、1020、10
30及び1040の間でガス流開口の構成が異なっていてもよい。
【0080】
[00103] 混合ガス1009が試薬支持トレイ1010を通ってそこから試薬支持トレイ
1020(試薬支持トレイ1010に対する上部支持トレイ)へと流入する際、混合ガス
は第1の側1090へ向かって流れる。なぜなら、試薬支持トレイ1010上の容積10
17から試薬支持トレイ1020への唯一の通路がガス流開口1022を通るものだから
である。ガス流開口1022は、試薬支持トレイ1020の支持表面1021内の開口を
含み得る。ガス流開口1022は、試薬支持トレイ1020内に受け入れられた試薬ソー
ス材料1001を封じ込めて、試薬ソース材料1001がガス流開口1022を通って試
薬支持トレイ1010内に落下しないように構成された壁1024によって包囲されても
よい。また、特定の実施形態において、ガス流開口1022の壁1024は、支持表面1
021の底面1023の下まで延在してもよく、それにより、支持表面1021の底面1
023にぶつかった混合ガス1009の一部分が支持表面1023の底面1023から離
れて循環してガス流開口1022に達するようになる。このようにして、
図10に示され
るように、また
図1を参照して説明されたように、混合ガスは、試薬支持トレイ1010
上の容積1017内のソース試薬材料1001及び試薬蒸気1003と相互に作用するよ
うにさらに誘導され得る。
【0081】
[00104] 混合ガス1009が試薬支持トレイ1020上の容積1027に入ると、混合
ガス1009は気化器容器1000の第2の側1092へ誘導される。なぜなら、容積1
027を出る唯一の通路がガス流開口1032だからであり、ガス流開口1032におい
て、混合ガス1009は試薬支持トレイ1030上の容積1037へと入ることが可能に
なる。ガス流開口1032は、試薬支持トレイ1030の一区画であって、気化器容器1
000の内壁1099と直接係合しないが、支持表面1031から試薬支持トレイ104
0の支持表面1041の底面1043に向かって部分的にのみ延在する側壁1033を含
む区画を含む。側壁1033と気化器容器1000の内壁1099とによって囲まれた空
間が、試薬支持トレイ1030上の容積1037へと混合ガス1009が流入することを
可能にする通路を形成する。その後、混合ガス1009は再び気化器容器1000の第1
の側1090へ流れ、ここで、混合ガスはガス流開口1042を通って試薬支持トレイ1
040上の容積1047へ流入する。試薬支持トレイ1040に形成されたガス流開口1
042は、ガス流開口1042の壁1044が試薬支持トレイ1040の支持表面104
1の底面1043の下まで延在しない点を除いて、試薬支持トレイ1020に形成された
ガス流開口1022と同様である。
【0082】
[00105] このように、オフセットされたガス流開口1022、1032及び1042に
よって、混合ガスが粒子抑制デバイス1080のハウジング1082内の離間フィルタ1
084を通過し、出口ポート1008を介して気化器容器1000を出る前に、混合ガス
1009は、気化器容器1000を通じて往復するよう誘導され、ソース試薬材料100
1及びこれにより生成される試薬蒸気1003と相互に作用することにより、混合ガス1
009内にソース試薬が同伴される。
【0083】
[00106]
図11は、本開示に係る特定の例示的実施形態の試薬支持トレイ1100であ
って、試薬支持トレイ1120の一方の側1191の、試薬支持トレイ1100の側壁1
103の内側に配置されたガス流開口1120を有する試薬支持トレイの斜視図である。
試薬支持トレイ1100は、ソース試薬材料(
図11においては不図示)の供給を受け入
れるように構成された上面1102を有する支持表面1101を含む。ガス流開口112
0は、支持表面1101内に形成され、かつ、既に説明したように、試薬支持トレイ11
00内に受け入れられたソース試薬材料(
図11においては不図示)を封じ込めてソース
試薬材料がガス開口1120を通って落下しないようにする壁1124によって囲まれて
いる。このガス流開口1120と、仕切りがないこととを除いては、試薬支持トレイ11
00は既に説明された他の試薬支持トレイに相当する。
【0084】
[00107]
図12は、本開示に係る特定の例示的実施形態の別の試薬支持トレイ1200
であって、試薬支持トレイ1120の一方の側1291に配置されたガス流開口1220
を有する試薬支持トレイの斜視図である。
図10を参照して既に説明したように、試薬支
持トレイ1200は、
図10の試薬支持トレイ1030と同様に、気化器容器(
図12に
おいては不図示)の内壁と、試薬支持トレイ1200の側壁1233の一部分であって、
気化器容器の上記一方の側1291にある部分との間にガス流開口120を規定する。試
薬支持トレイ1200は、ソース試薬材料(
図12においては不図示)の供給を受け入れ
るように構成された上面1202を有する支持表面1201を含む。支持表面1201は
、気化器容器の内壁まで延在しないか、あるいはこれと密接に係合せず、気化器容器の一
方の側1291における側壁1233の上記一部分との間に間隙を残すことにより、側壁
1233の上記一部分と気化器容器の内壁とによってガス流開口1120が規定されるよ
うに構成される。一方の側1291にガス流開口1220を規定する側壁1233の上記
一部分は、側壁の他の部分1235と同じ高さまで延在しなくてもよく、それによって、
例えば、
図10の試薬支持トレイ1030を参照して説明したように、試薬支持トレイ1
200上の容積への混合ガスの流入を許容するための開口を残すことができる。このガス
流開口1220と、仕切りがないこととを除いては、試薬支持トレイ1200は既に説明
された他の試薬支持トレイに相当する。
【0085】
[00108]
図13は、
図7の試薬支持トレイ700と同様の、特定の例示的実施形態の試
薬支持トレイ1300であって、試薬支持トレイ1300の支持表面1301の上面13
02から延在する複数の突起1330が追加された試薬支持トレイの斜視図である。突起
1330は仕切り1310同士の間に位置付けられ、これらの仕切り1310は、既に説
明したように、これらを通って延在する多数のチャネル1320を組み込み得る。特定の
実施形態において、突起1330は熱伝導性であり、かつ試薬支持トレイ1300内に支
持され得るソース試薬材料(
図13においては不図示)と接触する。そのため、熱伝導性
の突起1330は、試薬支持トレイ1300に含まれる一定量のソース試薬材料全体への
熱エネルギーの分配を改良するために使用し得る。
【0086】
[00109]
図14は、
図12の試薬支持トレイ1200と同様の、特定の例示的実施形態
の試薬支持トレイ1400であって、試薬支持トレイ1400の支持表面1401の上面
1402から延在する複数の突起1430が追加された試薬支持トレイの斜視図である。
図13と
図14とを比較すると、突起1330及び1430は、試薬支持トレイ内で仕切
り1310(
図13)とともに使用しても、仕切り1310なしで使用してもよいことが
分かる。特定の実施形態において、突起1430は熱伝導性であり、かつ試薬支持トレイ
1400内に支持され得るソース試薬材料1450と接触する。そのため、熱伝導性の突
起1430は、試薬支持トレイ1400に含まれる一定量のソース試薬材料1450全体
への熱エネルギーの分配を改良するために使用し得る。
【0087】
[00110] 特定の実施形態において、突起1430は、これを通って延在するチャネルで
あって、支持表面1401の下から試薬支持トレイ1400上の容積内へとガス流(
図1
4においては不図示)を運搬するように支持表面1401を通って延在するチャネル14
32を含み得る。従って、チャネル1432は、
図10及び12を参照して既に説明され
たような、試薬支持トレイ1400の一側面と、気化器容器(
図14においては不図示)
の内壁との間でガス流を運搬するためのガス流開口1420とともに使用し得る。同様に
、
図13の突起1330も、既に説明されたような、支持表面1301の下から試薬支持
トレイ1300上の容積内へとガス流を運搬するための仕切り1310内のチャネル13
20とともに機能するように、突起1330を通って延在するチャネル(
図13において
は不図示)を含んでよい。突起1330及び1430がこれらを通って延在するチャネル
1432を含む場合、突起1330及び1430の下端部は、それぞれ、支持表面130
1及び1401の底面(不図示)と同一平面であってよい。あるいは、突起1330及び
1430は、それぞれ、支持表面1301及び1401の底面の下に延在して、支持表面
1301及び1401の底面から離れるようにガス流を方向転換させてもよい。このよう
に、突起1330及び1430を延長することにより、
図1に示されるような、支持表面
121及び131の下にそれぞれ延在する仕切り162及び164内のチャネル168を
参照して説明したように、ガス流が突起1330及び1430内のチャネル1432に進
入可能になる前に、支持表面1301及び1401の下でガス流とソース試薬材料又はソ
ース試薬蒸気とが容易に相互作用できるようにし得る。
【0088】
[00111]
図15~
図20は、気化器容器内に配置される試薬支持トレイのスタック中に
組み合わされた同一又は異なる寸法の試薬支持トレイの特定の例示的実施形態の組み合わ
せの側面断面図である。
図15~
図20の例に示されるように、試薬支持トレイのスタッ
クは、高さが高いトレイであっても低いトレイであっても、同じ高さの試薬支持トレイを
含んでよく、あるいは、異なる高さのトレイの様々な組み合わせや配列を含んでよい。第
1の高さを有する1以上の試薬支持トレイ(例えば、高いトレイ)と、第2の高さを有す
る1以上の試薬支持トレイ(例えば、低いトレイ)の組み合わせは、第1の高さを有する
1以上の試薬支持トレイ内に受け入れられるべき第1試薬ソース材料に由来する第1試薬
蒸気の第1の割合と、複数の試薬支持トレイのうちの第2の高さを有する1以上のトレイ
内に受け入れられるべき第2試薬ソース材料に由来する第2試薬蒸気の第2の割合とに基
づいて選択し得る。また、ある特定のソース試薬材料を気化器容器の下層に位置付けるこ
と、気化器の高さの上層に位置付けること、あるいは1以上の他の試薬ソース材料の高さ
と高さの間に挿入することに利点がある場合もある。
【0089】
[00112] 以下の例において、試薬支持トレイは、第1の高さと第2の高さという2つの
異なる高さの試薬支持トレイのみを含み得るものと仮定する。ただし、第3の高さ、第4
の高さ等を含むトレイ高さの範囲であって、
図1~
図6又は本記載のいずれかの場所で表
されたものよりも高い又は低い高さを含み得るトレイ高さの範囲が可能であることが理解
されるべきである。また、試薬支持トレイのスタックは、第1の高さの試薬支持トレイを
最大3つ、又は第2の高さの試薬支持トレイを最大6つ含む一方、各高さのトレイをこれ
より多く又は少なく含むことも可能である。試薬支持トレイは、
図1~
図9を参照して説
明されたようなチャネルを含む仕切りを含んでよい。試薬支持トレイは、
図10~
図12
を参照して説明されたような両側に交互に位置付けられたガス流開口を含んでよい。試薬
支持トレイは、
図13及び14を参照して説明されたような中空でない突起又はチャネル
を有する突起を含んでよい。試薬支持トレイは、他の構成であってもよい。さらに、試薬
支持トレイは異なる特徴を有するトレイの組み合わせを含んでもよい。
【0090】
[00113] 様々な試薬支持トレイのスタックの例を説明するため、
図15は、全て第1の
高さの(例えば、高い)3つの試薬支持トレイ1510、1520及び1530を含む試
薬支持トレイのスタック1500を示す。
図16は、全て第2の高さの(例えば、低い)
6つの試薬支持トレイ1610、1620、1630、1640、1650及び1660
を含む試薬支持トレイのスタック1600を示す。つまり、試薬支持トレイのスタックは
同じ高さの試薬支持トレイのみを含んでよい。
【0091】
[00114] あるいは、試薬支持トレイのスタックは異なる高さの試薬支持トレイを含んで
よい。
図17は、第1の高さの(例えば、高い)2つの試薬支持トレイ1710及び17
20と、第2の高さの(例えば、低い)2つの試薬支持トレイ1730及び1740とを
含む試薬支持トレイのスタック1700を示す。
図17は、同数の同じ高さの試薬支持ト
レイを示しており、第2の高さの試薬支持トレイ1730及び1740が第1の高さの試
薬支持トレイ1710及び1720の上に位置付けられることを示しているが、試薬支持
トレイは必ずしもこのように選択又は積層される必要はない。例えば、
図18は、第2の
高さの(例えば、低い)2つの試薬支持トレイ1810及び1820が第1の高さの(例
えば、高い)2つの試薬支持トレイ1830及び1840の下に積層された試薬支持トレ
イのスタック1800を示す。
図19は、第2の高さの(例えば、低い)4つの試薬支持
トレイ1920、1930、1940及び1950の下に第1の高さの(例えば、高い)
の試薬支持トレイ1910を含む試薬支持トレイのスタック1900を示す。あるいは、
第1の高さの試薬支持トレイ1910は試薬支持トレイ1920、1930、1940及
び1950の上に位置付けられてもよい。さらに、異なる高さの試薬支持トレイが交互に
配置されてもよい。従って、
図20に示すように、試薬支持トレイのスタック2000は
、第2の高さの(例えば、高い)2つ/4つの試薬支持トレイ2020及び2040の間
に交互に配置された第2の高さの(例えば、低い)2つの試薬支持トレイ2010及び2
030を含み得る。従って、用途、気化器容器のサイズ、ソース材料の利用可能性、混合
ガス内に含まれるべきソース材料の所望の割合等に基づいて、限定されることなく、数、
高さ及び特徴の点であらゆるトレイの組み合わせを使用し得る。
【0092】
[00115]
図21~
図25は、種々の形状のソース試薬材料を支持する試薬支持トレイの
側面断面図である。本開示の実施形態に従って、様々な種類の固体試薬ソース材料及び液
体試薬ソース材料を使用し得る。例えば、
図1、
図10及び
図14は、固体であるが不連
続な形状のソース試薬材料101、1001及び1450をそれぞれ示す。ただし、ソー
ス試薬材料は無数の形状で提供され得る。例えば、
図21は、固体であり、モノリシック
なブロック状のソース試薬材料2110の供給を支持する試薬支持トレイ2100を示す
。
図22は、ビーズ状のソース試薬材料2210の供給を支持する試薬支持トレイ220
0を示す。
図23は、粉体状のソース試薬材料2310の供給を支持する試薬支持トレイ
2300を示す。
図24は、液体状のソース試薬材料2410の供給を支持する試薬支持
トレイ2400を示す。
図25は、溶剤を含む液体中に溶解した固体ソース材料を含む液
体状のソース試薬材料2510の供給を支持する試薬支持トレイ2500を示す。ソース
試薬材料はこれらの形状のうちのいずれの形状で供給されてもよい。
【0093】
[00116] また、ソース試薬材料は、既に説明された形状のうちのいずれの形状の試薬支
持トレイに受け入れられてもよい。
図1、10及び14を参照して既に説明したように、
不連続な形状の固体ソース試薬材料は、チャネルを有する仕切りを含む試薬支持トレイ、
片側にガス流開口を含む支持トレイ、又はトレイを通って延在する突起を含む試薬支持ト
レイ内に受け入れられ得る。これらと同種の試薬支持トレイが、固体であり、モノリシッ
クな形状のソース試薬材料2110(
図21)、ビーズ状の試薬ソース材料2210(図
22)、粉体状の試薬ソース材料2310(
図23)、液体状の試薬ソース材料2410
(
図24)、あるいは溶剤又はその他の液体に溶解した固体試薬ソース材料を含む試薬ソ
ース材料2510(
図25)を収容してもよい。
【0094】
[00117]
図26は、本開示に係る、複数の離間した平行フィルタ(
図26においては不
図示)を採用した特定の例示的実施形態の粒子抑制デバイス2600における上部表面2
610の上面斜視図である。
図1、2及び10を参照して説明したように、粒子抑制デバ
イス2600は、
図1の気化器容器100の試薬支持トレイ110、120、130及び
140と出口ポート108との間、気化器容器200の試薬支持トレイ210、220、
230及び240と出口ポート208との間、あるいは気化器容器1000の試薬支持ト
レイ101、1020、1030及び1040と出口ポート1008との間に位置付けら
れ得る。そして、粒子抑制デバイス2600は、所定サイズを超える粒子を捕捉し、かつ
該粒子が気化器容器100、200及び1000をそれぞれ出る混合ガスの一部として出
口ポート108、208又は10008から流出することを防止するように構成され、か
つ位置付けられる。
【0095】
[00118] 特定の実施形態において、粒子抑制デバイスは、ハウジング2610内に離間
して配置された複数の平行フィルタを含む。
図26では、粒子抑制デバイス2600のハ
ウジング2610の上部表面2611に、ハウジング2610内の出口2612が示され
る。粒子抑制デバイス2600のハウジング2610のまわりに離間して配置された複数
の平行フィルタを使用することにより、同等のフィルタを1つ使用することで可能となり
得るよりも多くのガス量をろ過し、かつこれを通すことが可能となり得るため、これによ
ってより高い流束の試薬蒸気の生成がサポートされる。
【0096】
[00119] また、粒子抑制デバイス2600のハウジング2610の上部表面2611は
、
図1、
図2及び
図10をそれぞれ参照して説明したダウンチューブ150、250又は
1050を受け入れるための中央開口2614を含んでよい。中央開口2614はダウン
チューブの外側寸法とぴったり合う大きさであることが望ましく、さらに、ガスが中央開
口2614から出ることにより粒子抑制デバイスの複数のフィルタを迂回することがない
ように中央開口2614にガスケットを取り付けてもよい。
【0097】
[00120]
図27は、特定の例示的実施形態の粒子抑制デバイス2600におけるハウジ
ング2610の下部表面2711の底面斜視図である。
図27は、本開示に係る複数の離
間した平行フィルタ2712を示す。複数のフィルタ2712は、粒子抑制デバイス26
00のハウジング2610内の各出口2612(
図12)を覆って、所定サイズを超える
粒子を捕捉し、かつ取り除く。
【0098】
[00121] 複数のフィルタ2712の各々は、単一のろ過要素を含んでもよいし、
図28
を参照して以下でさらに説明されるような、異なるサイズの粒子を連続的に取り除くため
の互いに連続して結合された多数のフィルタ成分を含んでもよい。
【0099】
[00122]
図28は、
図27のフィルタ2712のうちの1つのフィルタの断面図であり
、複数のフィルタ2712のうちの1以上のフィルタ中の多数のフィルタ要素の中に含ま
れ得る複数のフィルタ要素900を示す。例えば、複数のフィルタ2712のうちの1以
上のフィルタは、第1の所定の許容サイズより大きいサイズの粒子を通過させないように
構成された少なくとも1つのフリット(frit)2810を含む複数のフィルタ要素280
0を含んでよい。代替的に又は付加的に、複数のフィルタ2712のうちの1以上のフィ
ルタは、例えば、アルミニウム又はステンレス鋼から形成し得る金属発泡材料のような、
熱伝導性メッシュ又は発泡材料2820を含む複数のフィルタ要素2800を含んでよい
。熱伝導性メッシュ又は発泡材料は、第1の所定の許容サイズより小さい第2の所定の許
容サイズより大きいサイズの粒子を通過させないように構成されてよい。さらに、複数の
フィルタ2712のうちの1以上のフィルタは、詰綿、布地又はその他の材料からなる少
なくとも1つの追加フィルタ2830を含む複数のフィルタ要素2800を含んでよい。
この少なくとも1つの追加フィルタ930は、第1又は第2の所定の許容サイズのいずれ
かより大きいサイズの粒子を通過させないように構成されてよい。このような構成におい
て、複数のフィルタ要素900を含むフィルタは、徐々に小さいサイズの粒子を連続的に
取り除くことにより、気化器容器によって生成される混合ガスにこれらの粒子が含まれな
いようにし得る。
【0100】
[00123]
図29は、本開示に係る蒸気送出システムを使用した蒸着又は注入システム2
900の簡略化したブロック図である。このシステム2900は、
図1及び
図2を参照し
て既に説明したような気化器容器2910であって、
図1~
図28を参照して説明したよ
うなコンポーネント及び材料を使用する気化器容器2910を含む。気化器容器2910
には、キャリアガス流を供給するようにキャリアガス源2920が接続される。ソース材
料を導入する別のモードでは、液体ソースコンテナ2930から液体ソース材料が気化器
容器2910に導入されてもよく、あるいは、顆粒状、粉体状、ビーズ状、多孔質体状又
はその他の形状の固体ソース試薬材料(
図29においては不図示)を気化器容器2910
にあらかじめ充填してもよい。気化器容器2910の入口ポートには入力弁2912が設
けられてよい。入力弁2912は、キャリアガス源2920からキャリアガスが流れ始め
た際、気化器容器2910の閉鎖された内部容積に入るキャリアガス流の急激な上昇を抑
えるように配置された流量調整弁を含んでよい。同様に、気化器容器2910の出口ポー
トには出口弁2914が設けられてよい。出口弁2914は、キャリアガス源2920か
ら気化器容器2910の閉鎖された内部容積へとキャリアガスが流れ始めた際、気化器容
器2910の閉鎖された内部容積に入るキャリアガス流の急激な上昇に伴う圧力上昇を制
限するように構成されたゲート溢出弁を含んでよい。
【0101】
[00124] キャリアガス源によって供給されるキャリアガスの流量は、キャリアガス送出
ライン2924に設けられた入力ガス流量計2922によって監視及び制御され得る。気
化器容器2910から排出され、プロセスユニット2940に供給されるガスの流量は、
キャリアガス送出ライン2944に設けられた出力ガス流量計2942によって監視及び
制御され得る。特定の実施形態において、プロセスユニット2940は、複数のウェーハ
上に材料の蒸着又は注入を同時に行い得るバッチプロセスユニット、又はその他のユニッ
ト2948を含む。
【0102】
[00125] また、気化器容器2910は、気化器容器2910の温度を制御するように構
成された温度制御アセンブリ2950に結合されてもよい。温度制御アセンブリ2950
は、ソース試薬材料の気化を容易にするように選択された温度と温度の間で気化器容器2
910の温度循環を図ることを可能とするように構成されてもよい。温度制御システム2
950は、任意の熱調節システムを含んでよく、例えば、制御された温度操作のために構
築されかつ配置された、ストリップヒータ、放射ヒータ、加熱エンクロージャ、循環流体
ヒータ、抵抗加熱システム、誘導加熱システム等が含まれるがこれらに限定されない。気
化器容器2910内の温度は、熱電対、サーミスタ、又は気化器容器2910及び/又は
その中に含まれる試薬支持トレイ(
図29においては不図示)の表面と接触するように配
置されたその他の好適な測温ジャンクション又はデバイスにより検出することができる。
このような測温デバイスは、測温デバイスから測温信号を受信し、これに応じてヒータ及
び/又は気化システムのその他の制御可能要素を調節することで、特定の用途にとって望
ましいソース試薬蒸気の生成を達成するように構成された、汎用プログラマブルコンピュ
ータ、プログラマブル論理ユニット、マイクロコントローラ等の中央処理ユニットと動作
可能に結合することができる。
【0103】
[00126] 気化器容器2910は、気化器容器2910におけるソース試薬材料からの蒸
気及び粒子のいずれか一方の生成と相関関係を有する少なくとも1つのプロセス変数を監
視及び/又は制御するように構成されたプロセス監視システム2960に結合されてもよ
い。例えば、プロセス監視システム2960は、温度制御アセンブリ2950とともに、
監視している少なくとも1つのプロセス変数に基づいて気化器容器2910の温度を調節
するように構成されてよい。例えば、プロセス監視システムは、気化器容器2910内の
ソース試薬材料(
図29においては不図示)の温度を監視し、ソース試薬材料が所望の温
度に維持されるように、又は所望の温度範囲の間で循環するように温度制御アセンブリ2
950を調節するように構成されてよい。プロセス監視システム2960は、気化器容器
2910においていつソース材料が消耗するかを決定するため、あるいはその他の機能を
果たすためにも使用され得る。
【0104】
[00127] プロセス監視システム2960は、気相試薬監視システム2962を含んでよ
い。特定の実施形態において、気相試薬監視システム2962は、気化器容器2910内
の混合ガスの流れか、出口弁2914を介して気化器容器によって排出される混合ガスの
流れのいずれかにおけるソース試薬蒸気の量又は濃度を測定し得る。得られた測定結果は
、温度制御アセンブリ2950によって気化器容器2910の温度を調整するためのフィ
ードバックを提供するため、キャリアガス源2920から分配されるキャリアガスの温度
又は流量を調整するため、又はその他の制御可能な量を調整するために使用し得る。気相
試薬監視システムは、赤外線分光法、ラマン分光法又は質量分析法を含むがこれらに限定
されない1以上の検出技術を使用してよい。従って、濃度データは、蒸着又は注入プロセ
スをサポートするために必要となる適切な材料流束を達成するようにソース試薬の温度及
び/又はキャリアガスの流れを調節するために使用し得る。
【0105】
[00128] 本明細書に記載された、改良された試薬支持トレイ、粒子抑制デバイス又はそ
の他の特徴を導入する対象となる気化器容器は、米国コネティカット州ダンブリーのAT
MI,Inc.によってProE-Vap(登録商標)との商標で市販されている。Pr
oE-Vap気化器は、ソース試薬を含む積層トレイを利用している。このような気化器
において、キャリアガスは上端部から導入され、下向きに延在するフィードチューブを通
って容器の底部まで流れ、続いて容器の内部容積内の各トレイを通って分散され、かつ上
向きに流れる。このような方法において、容器は、加熱されると、容器の内部容積内のト
レイを伝導的に加熱し、トレイ上のソース試薬に由来する蒸気を生成する。生成された蒸
気は、その後、キャリアガス内に同伴される。結果として得られるソース試薬蒸気を含む
キャリアガス混合物は、容器の出口ポートを通って気化器の上端部から排出される。出口
ポートからは、ソース試薬蒸気を含むキャリアガス混合物が気化器の排出弁へと進む。排
出弁は、化学蒸着チャンバ、ALDチャンバ又はイオン注入器等の下流のプロセスユニッ
トと関連付けられたフロー回路に結合されて、ソース試薬蒸気を含むキャリアガス混合物
を気化器容器からそのような下流の流体プロセス設備に流すようにすることができる。
【0106】
[00129] 本開示の実施には他の気化器を使用することもできる。例えば、参照によりそ
の開示が本明細書に組み込まれる、2005年2月23日公開の欧州特許出願第1508
631号:「前駆体材料の送出方法及び装置」に記載される気化器が挙げられる。
【0107】
[00130] 本開示の広範な実施において使用し得る別の例示的な気化器が、参照によりそ
の開示が本明細書に組み込まれる、2006年2月2日公開の米国特許出願公開第200
6/0024439号:「反応物の昇華を制御するためのシステム」に記載されている。
【0108】
[00131] 本開示の広範な実施において使用し得る他の気化器が、参照によりその開示内
容が本明細書に組み込まれる、2005年7月26日発行の米国特許第6,921,06
2号:「蒸発器配送アンプル」に記載されている。
【0109】
[00132]
図30は、本開示に係る、
図1~
図25を参照して説明したような試薬支持ト
レイの実施形態を使用して試薬ソース材料から試薬蒸気を生成するための特定の例示的実
施形態の方法3000のフロー図である。
【0110】
[00133] 3002において、気化器容器に受け入れられた試薬支持トレイのスタックに
含まれる複数の積層可能な試薬支持トレイにソース試薬材料が供給される。各試薬支持ト
レイは、ガス流を方向転換させて、このガス流が複数の試薬支持トレイのうちのある試薬
支持トレイ内のソース試薬材料と相互に作用した後に、試薬支持トレイのスタック中の上
部支持トレイに進むように構成された1以上のガス流開口を含んでよい。この1以上のガ
ス流開口は、
図1~
図9を参照して説明したような仕切り中のチャネル、
図10~
図12
を参照して説明したような試薬支持トレイの片側に設けられるガス流開口、及び/又は図
14を参照して説明したようなチャネルを有する突起を含んでよい。
【0111】
[00134] 3004において、キャリアガス流が試薬支持トレイに放出されるように気化
器容器の入口ポートに供給される。例えば、
図29には、気化器容器にキャリアガス流を
供給するように適合されたキャリアガス源が示されている。3006では、気化器容器に
熱が加えられることにより、気化器容器内のソース試薬材料及びガスが加熱される。熱が
加えられることによって、気化器容器内の上記ガスが試薬支持トレイからその上部試薬支
持トレイへと進むことになるように、上記ガスには、キャリアガスと、ソース試薬材料か
ら気化したソース試薬蒸気とを含み得る。例えば、
図29には、気化器容器内に熱を導入
するためのデバイスが示されている。
【0112】
[00135]
図31は、本開示に係る、
図1~
図25を参照して説明したような試薬支持ト
レイの実施形態を使用して試薬ソース材料から試薬蒸気を生成するための別の特定の例示
的実施形態の方法3100のフロー図である。
【0113】
[00136] 3102において、気化器容器に受け入れられた試薬支持トレイのスタックに
含まれる複数の試薬支持トレイにソース試薬材料が供給される。
図1、
図2、
図10及び
図15~
図20には、試薬支持トレイのスタックが示されている。3104において、キ
ャリアガス流が気化器容器内でその底部に向かって放出されるように、キャリアガス流が
気化器容器の入口ポートに供給される。例えば、
図29には、気化器容器にキャリアガス
流を供給するように適合されたキャリアガス源が示されている。3106において、気化
器容器に熱が加えられることにより、気化器容器内のソース試薬材料及びガスが加熱され
る。このガスには、キャリアガスと、ソース試薬材料から気化した蒸気とが含まれる。例
えば、
図29には、気化器容器内に熱を導入するためのデバイスが示される。
【0114】
[00137] 3108において、試薬支持トレイのスタック中のある試薬支持トレイ内を加
熱されたガスが上昇すると、この加熱されたガスの一部分は、試薬支持トレイのスタック
中の上部試薬支持トレイの底面にあるチャネルの下端部を介してのみ上記試薬支持トレイ
を出ることができる。チャネルの下端部は、加熱されたガスが上部試薬支持トレイの底面
から離れるように方向転換されることで、上記試薬支持トレイ内のソース試薬材料又はソ
ース試薬蒸気と相互に作用した後にチャネル内へと出ていくように、次の試薬支持トレイ
の底面から離れるように延在している。このような加熱されたガスの方向転換については
図1を参照して説明されている。
【0115】
[00138]
図32は、本開示に係る、
図1~
図25を参照して説明したような試薬支持ト
レイの実施形態を使用して試薬ソース材料から試薬蒸気を生成するための別の特定の例示
的実施形態の方法3200のフロー図である。
【0116】
[00139] 3202において、気化器容器内に受け入れられた試薬支持トレイのスタック
に含まれる複数の試薬支持トレイにソース試薬材料が供給される。
図1、
図2、
図10及
び
図15~
図20には試薬支持トレイのスタックが示されている。3204において、キ
ャリアガス流が気化器容器内でその底部に向かって放出されるように、キャリアガス流が
気化器容器の入口ポートに供給される。例えば、
図29には、気化器容器にキャリアガス
流を供給するように適合されたキャリアガス源が示されている。3206において、気化
器容器に熱が加えられることにより、気化器容器内のソース試薬材料及びガスが加熱され
る。このガスには、キャリアガスと、ソース試薬材料から気化した蒸気とが含まれる。例
えば、
図29には、気化器容器内に熱を導入するためのデバイスが示されている。
【0117】
[00140] 3208において、気化器容器内を加熱されたガスが上昇すると、この加熱さ
れたガスの一部分は、試薬支持トレイのスタックの第1の側にある第1のガス流開口を介
して試薬支持トレイのスタック中の第1の試薬支持トレイ内に進むことができる。321
0において、加熱されたガスが気化器容器内を引き続き上昇すると、加熱されたガスの上
記一部分は、複数の試薬支持トレイのうちの第2の試薬支持トレイにある第2のガス流開
口を介してのみ第1の試薬支持トレイを出て進むことができる。第2のガス流開口は、試
薬支持トレイのスタックの第1の側と反対の、試薬支持トレイのスタックの第2の側にあ
る。このような方式でのガスの方向転換については
図10を参照して説明されている。
【0118】
[00141]
図33は、本開示に係る、複数のユニットに対する材料の蒸着又は注入等のバ
ッチ処理に使用される試薬蒸気を生成するための特定の例示的実施形態の方法1200の
フロー図である。特定の実施形態によると、試薬蒸気は、
図1、2及び10を参照して既
に説明したような気化器容器を使用して生成される。
【0119】
[00142] 3302において、ソース試薬材料が気化器容器内の複数の積層された試薬支
持トレイの中に位置付けられる。各試薬支持トレイは、
図1~
図9を参照して説明された
ような、複数の試薬支持トレイの間をガスが流れることを可能とするように構成された全
体として中空の複数の仕切りによって分離された、全体として障害のない複数の区画を含
んでよい。既に説明したように、全体として中空の仕切りは、仕切りを通って延在するス
ロット状のチャネル、又は仕切りを通って延在する全体として平行な複数の孔を含んでよ
い。あるいは、
図10~
図12を参照して説明したように、複数の試薬支持トレイは、ガ
ス流が気化器容器を通って移動する間、該ガス流を左右に流すように適合されたガス流開
口を含んでもよい。
【0120】
[00143] 3304において、
図1、
図10及び
図29を参照しても説明されたように、
キャリアガス流が気化器容器の入口ポートに供給される。3304において、
図29を参
照して説明されたように、気化器容器に熱を加えることにより、ソース試薬材料が加熱さ
れる。
【0121】
[00144] 3308において、気化器容器の加熱に応じて生成された試薬蒸気とキャリア
ガスとの混合物を複数の平行フィルタに通すことにより、この試薬蒸気とキャリアガスと
の混合物がろ過される。
図1、
図2、
図7、
図8及び
図9を参照して説明されたような複
数の平行フィルタは、所定サイズを超える粒子が気化器容器を出ることを防止するように
構成される。複数の平行フィルタは、単一のフィルタによって達成し得るよりも速い速度
でキャリアガスと試薬蒸気との混合物をろ過することを可能にする。
【0122】
[00145] 本明細書において、本開示の特定の態様、特徴及び例示的実施形態を参照して
実施形態が説明されてきたが、記載された実施形態の効用は記載のように制限されるもの
ではなく、本明細書における開示に基づいて当業者に示唆されるように、その他の多くの
変更、改変及び代替的実施形態まで拡張され、かつこれらを包含することが理解されるだ
ろう。同様に、以下の請求の範囲に記載される通りの実施形態は、その趣旨と範囲内にお
いて、そのような変更、改変及び代替的実施形態を含むものとして広く解釈及び判断され
ることが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部容積を包囲する1以上の内壁を有する気化器容器と、
前記気化器容器の前記内部容積内に配置された複数の試薬支持トレイと、を備え、
前記複数の試薬支持トレイの各々は、ソース試薬材料の供給を支持するように構成された上面と、下縁と、を有する支持表面を含み、前記複数の試薬支持トレイの各々は、前記支持表面から離れるように最上縁まで垂直方向に延在する側壁をさらに備え、前記複数の試薬支持トレイの各々は、前記支持表面の前記下縁から前記側壁の前記最上縁までの高さを有し、前記複数の試薬支持トレイのうちの少なくとも2つの試薬支持トレイが異なる高さを有し、且つ試薬支持トレイのスタックの最下端に位置する試薬支持トレイが、スタックまたは試薬支持トレイの最上端に位置する試薬支持トレイの第2の高さより大きい第1の高さを有し、
前記複数の試薬支持トレイは、試薬支持トレイのスタックを形成するように前記内部容積内で垂直に積層可能に構成され、前記複数の試薬支持トレイのうちの1以上の試薬支持トレイは、前記試薬支持トレイのスタックの隣接する2以上の試薬支持トレイの間を進むガス流を方向転換させることにより、当該ガス流が、前記試薬支持トレイのスタックの前記複数の試薬支持トレイのうちの次の試薬支持トレイ内に進む前に、前記複数の試薬支持トレイのうちの特定の試薬支持トレイ内の前記ソース試薬材料と相互に作用するように構成される、システムであって、
前記複数の試薬支持トレイの各々は、前記支持表面を少なくとも部分的に横切って延在する少なくとも1つの仕切りであって、前記下縁より下に第1の距離延在する下端部と、上端部と、を有する少なくとも1つの仕切りと、前記少なくとも1つの仕切りを通って前記下端部と前記上端部との間に延在する少なくとも1つのチャネルと、を含み、前記下縁の下のガスは、前記下縁から離れるように循環させられて、前記少なくとも1つの仕切りの前記下端部において前記少なくとも1つのチャネルに達し、
前記少なくとも1つの仕切りは、これを通って延在する複数の孔を含み、前記複数の孔は、複数の仕切りの各々を通って延在する全体として平行な複数のチャネルを形成し、
ソース試薬材料によって生成され得る所定サイズの粒子を抑制するための粒子抑制デバイスが提供され、粒子抑制デバイスが、1以上の試薬支持トレイと気化器容器の出口ポートとの間に位置付けられるように構成されたハウジングを含み、ハウジングが該ハウジング内に離間して位置付けられた複数の平行フィルタを支持する、システム。
【請求項2】
前記側壁は全体として前記支持表面の外周を包囲し、前記側壁は、前記支持表面の前記外周に沿って前記1以上の内壁と密接に係合するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記複数の試薬支持トレイは、支持トレイと、下部支持トレイとを含み、前記下部支持トレイが前記支持トレイの下に垂直に積層された際、前記下部支持トレイの前記少なくとも1つの仕切りの前記少なくとも1つのチャネルを通る、前記下部支持トレイの前記下縁の下のガス流が、前記支持トレイの前記少なくとも1つの仕切りの前記少なくとも1つのチャネルに直線的に流入しないように、前記下部支持トレイの前記少なくとも1つの仕切りが前記支持トレイの前記少なくとも1つの仕切りに対してオフセットされるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのチャネルが、前記少なくとも1つの仕切りを通って延在するスロットを含むように、前記少なくとも1つの仕切りは全体として中空である、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの試薬支持トレイは、前記支持表面を少なくとも部分的に横切って延在する少なくとも1つの仕切りを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの試薬支持トレイは、前記支持表面によって規定される平面内に全体として平行な対向する両側面を有する少なくとも1つの仕切りを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの試薬支持トレイは、前記支持表面によって規定される平面内に平行でない対向する両側面を有する少なくとも1つの仕切りを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記複数の試薬支持トレイの各々は、前記少なくとも1つの仕切りと前記支持表面とを通ってチューブが延在可能となるように構成された開口を含み、前記チューブは、前記気化器容器の上部から前記気化器容器の前記内部容積の下部へ、又は前記気化器容器の前記内部容積の下部から前記気化器容器の上部へキャリアガスを流すように構成される、請求項1に記載のシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
【
図1】[0017] 混合ガス流が気化器容器全体にわたって流れる際にこの混合ガス流を方向転換させるように適合された、本開示の特定の例示的実施形態の気化器容器及び関連するコンポーネントの側面断面図である。
【
図2】[0018] 本開示の別の特定の実施形態の気化器容器及び関連するコンポーネントの分解斜視図である。
【
図3】[0019] ガス流を伝えるための複数のチャネルであって、仕切りを貫通する複数の孔の形状のチャネルを使用した、本開示に係る特定の例示的実施形態の試薬支持トレイの斜視図であり、ここで、
図3の試薬支持トレイは第1の高さを有する。
【
図4】[0020] ガス流を伝えるための複数のチャネルであって、仕切りを貫通する複数の孔の形状のチャネルを使用した、本開示に係る特定の例示的実施形態の試薬支持トレイの斜視図であり、ここで、
図4の試薬支持トレイは
図3の試薬支持トレイの第1の高さより高い第2の高さを有する。
【
図5】[0021] ガス流を伝えるための複数のチャネルであって、複数の仕切りの各々を通って延在するスロットの形状のチャネルを使用した、本開示に係る特定の例示的実施形態の試薬支持トレイの斜視図であり、ここで、
図5の試薬支持トレイは第1の高さを有する。
【
図6】[0022] ガス流を伝えるための複数のチャネルであって、複数の仕切りの各々を通って延在するスロットの形状のチャネルを使用した、本開示に係る特定の例示的実施形態の試薬支持トレイの斜視図であり、ここで、
図6の試薬支持トレイは
図5の試薬支持トレイの第1の高さより高い第2の高さを有する。
【
図7】[0023]
図8の試薬支持トレイが、試薬支持トレイの支持表面を完全に横切って延在する仕切りのみを含む点を除いて、
図3の試薬支持トレイと同様の特定の例示的実施形態の試薬支持トレイの斜視図である。
【
図8】[0024]
図7の試薬支持トレイが、試薬支持トレイの支持表面を完全に横切って延在する仕切りのみを含む点を除いて、
図5の試薬支持トレイと同様の特定の例示的実施形態の試薬支持トレイの斜視図である。
【
図9】[0025] 仕切りの両側面が支持表面の平面内において平行でない点を除いて、
図3の試薬支持トレイと同様の特定の例示的実施形態の試薬支持トレイの斜視図である。
【
図10】[0026] 混合ガス流が気化器容器全体にわたって流れる際にこの混合ガス流を方向転換させるように適合された、本開示の別の特定の例示的実施形態の気化器容器及び関連するコンポーネントの側面断面図である。
【
図11】[0027] 本開示に係る特定の例示的実施形態の試薬支持トレイであって、該試薬支持トレイの片側の、該試薬支持トレイの側壁の内側に配置されたガス流開口を有する試薬支持トレイの斜視図である。
【
図12】[0028] 本開示に係る特定の例示的実施形態の試薬支持トレイであって、該試薬支持トレイの片側の、該試薬支持トレイの側壁と気化器容器の内壁との間に配置されたガス流開口を有する試薬支持トレイの斜視図である。
【
図13】[0029]
図7の試薬支持トレイの同様の特定の例示的実施形態の試薬支持トレイであって、該試薬支持トレイの支持表面から延在する複数の突起を含む試薬支持トレイの斜視図である。
【
図14】[0030]
図11の試薬支持トレイの同様の特定の例示的実施形態の試薬支持トレイであって、該試薬支持トレイの支持表面から延在する複数の中空の突起を含む試薬支持トレイの斜視図である。
【
図15】[0031] 気化器容器内に配置される試薬支持トレイのスタック中に組み合わされた同一又は異なる寸法の試薬支持トレイの特定の例示的実施形態の組み合わせの側面断面図である。
【
図16】気化器容器内に配置される試薬支持トレイのスタック中に組み合わされた同一又は異なる寸法の試薬支持トレイの特定の例示的実施形態の組み合わせの側面断面図である。
【
図17】気化器容器内に配置される試薬支持トレイのスタック中に組み合わされた同一又は異なる寸法の試薬支持トレイの特定の例示的実施形態の組み合わせの側面断面図である。
【
図18】気化器容器内に配置される試薬支持トレイのスタック中に組み合わされた同一又は異なる寸法の試薬支持トレイの特定の例示的実施形態の組み合わせの側面断面図である。
【
図19】気化器容器内に配置される試薬支持トレイのスタック中に組み合わされた同一又は異なる寸法の試薬支持トレイの特定の例示的実施形態の組み合わせの側面断面図である。
【
図20】気化器容器内に配置される試薬支持トレイのスタック中に組み合わされた同一又は異なる寸法の試薬支持トレイの特定の例示的実施形態の組み合わせの側面断面図である。
【
図21】[0032] 種々の形状のソース試薬材料を支持する試薬支持トレイの側面断面図である。
【
図22】種々の形状のソース試薬材料を支持する試薬支持トレイの側面断面図である。
【
図23】種々の形状のソース試薬材料を支持する試薬支持トレイの側面断面図である。
【
図24】種々の形状のソース試薬材料を支持する試薬支持トレイの側面断面図である。
【
図25】種々の形状のソース試薬材料を支持する試薬支持トレイの側面断面図である。
【
図26】[0033] 本開示に係る、複数の離間した平行フィルタを採用した特定の例示的実施形態の粒子抑制デバイスにおける上部表面の斜視図である。
【
図27】[0034] 本開示に係る、複数の離間した平行フィルタを採用した特定の例示的実施形態の粒子抑制デバイスにおける下部表面の斜視図である。
【
図28】[0035]
図27の複数のフィルタにおける多数のフィルタ要素の中に含まれ得る複数のフィルタ要素の断面図である。
【
図29】[0036] 本開示に係る蒸気送出システムを使用した蒸着又は注入システムのブロック図である。
【
図30】[0037] 本開示に係る試薬支持トレイの実施形態を使用して試薬ソース材料から試薬蒸気を生成するための特定の例示的実施形態の方法のフロー図である。
【
図31】[0038] 本開示に係る試薬支持トレイの実施形態を使用して試薬ソース材料から試薬蒸気を生成するための別の特定の例示的実施形態の方法のフロー図である。
【
図32】[0039] 本開示に係る試薬支持トレイの実施形態を使用して試薬ソース材料から試薬蒸気を生成する別の特定の例示的実施形態の方法のフロー図である。
【
図33】[0040] 本開示に係る、複数のユニットに対する材料の蒸着又は注入等のバッチ処理に使用される試薬蒸気から粒子を取り除くための特定の例示的実施形態の方法のフロー図である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
[0053] また、仕切り162、164及び166も同じ寸法及び構成を有するものと仮定される。従って、複数の試薬支持トレイ110、120、130及び140のうちの1つ、及び/又は複数の仕切り162、164及び166のうちの1つの構成及び/又は動作についての説明は、複数の試薬支持トレイ110、120、130及び140のうちの他のトレイ、又は複数の仕切り162、164及び166のうちの他の仕切りにも当てはまる。また、複数の試薬支持トレイ110、120、130及び140の各トレイの同一部分に対する参照番号を含む代わりに、視覚的に分かりやすくするため、複数の試薬支持トレイ120、130及び140の各トレイの要素であって、気化器100の動作に言及する際に説明がなされる要素には符号が付されるが、複数の試薬支持トレイ110、120、130及び140のうちの他のトレイの対応する要素には符号が付されない場合がある。ただし、複数の試薬支持トレイ110、120、130及び140のうちの1つのトレイのある要素の構成又は動作に対する言及は、個別に符号を付して説明されない場合があり得る、複数の試薬支持トレイ110、120、130及び140のうちの他のトレイの対応する要素にも当てはまることが理解されるべきである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
[0055] 支持トレイ120は、上面122及び底面123を有する支持表面121を含む。上面122は、ソース試薬材料101を支持するように構成された上向きの表面である。底面123は、支持トレイ120と下部支持トレイ110との間に下部容積117を封じ込めるように機能し得る下向きの表面である。特定の実施形態において、下部容積117又は他の同様の容積は、支持トレイ110及び120のそれぞれの支持表面111及び121と、気化器容器100の内部側壁155とによって区切られ得る。あるいは、支持トレイ110及び120がそれぞれ、その外周から垂直に延在する側壁114及び124を含み、下部支持トレイ110の上に下部容積117というように、支持トレイ110及び120の各々の上にそれぞれの容積を封じ込めるようにしてもよい。それぞれの側壁114及び124は、例えば、支持トレイ120の下縁部125が下部支持トレイ110の上縁部116と係合して下部支持トレイ110上の下部容積117を閉鎖するように、下縁部115及び125から上縁部
116及び126へと延在し得る。例えば、縁部116と縁部125の間にシールを提供して下部容積117をさらに封止するために、ガスケット(
図1においては不図示)を使用してもよい。同様に、支持トレイ120及び上部支持トレイ130の対応する要素は、支持トレイ120上に容積127を封じ込めるように構成されてよく、複数の試薬支持トレイ110、120、130及び140の各々についても同様である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
[0057] 特定の実施形態において、仕切り162の下端部171は、支持トレイ120の底面
123の下で第1の距離172延在する。一方、仕切り162の上端部173は、上部支持トレイ130の上部支持表面131の底面133から第2の距離174以内まで延在する。第1の距離172は第2の距離174より大きい。従って、言い換えると、支持トレイ120の仕切り162の上端部173でチャネル168を出た混合ガス109の流れは、上部支持トレイ130の仕切り164の下端部175に対するより、上部支持トレイ130の上部支持表面131の底面133に対してより近接する。その結果、
図1に示されるように、支持トレイ120の仕切り162のチャネル168を出て進む混合ガス109の流れは、上部支持トレイ130の上部支持表面131の底面133から離れて循環させられた後に、上部支持トレイ
130の仕切り164の下端部175からチャネル169に流入することができることになる。従って、混合ガス109の流れが仕切り162の上端部173から、上部支持トレイ130の上部支持表面131の底面133に向かって進む際、混合ガス109中にソース試薬蒸気103が同伴されるよう促進するため、混合ガス109は、ソース試薬材料101に向かって、かつソース試薬蒸気103を通って循環するように方向転換させられることになる。複数の試薬支持トレイ110、120、130及び140の各々によって区切られた容積と容積の間、及び各容積内を混合ガス109が流れる際、この混合ガスの蛇行した流路が繰り返される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
[0064]
図1に示される実施形態とは対照的に、
図2は、気化器容器200内に受け入れられる複数の試薬支持トレイ210、220、230及び240が異なる寸法を有してよいことを示している。すなわち、
図2の例において複数の試薬支持トレイ210、220、230及び240のスタックの最下端に位置する試薬支持トレイ210及び220は第1の深さ241を有し、この第1の深さ
241は試薬支持トレイ230及び240の第2の深さ243よりも大きい。さらに、複数の試薬支持トレイ210、220、230及び240が2つの異なる深さ241及び243を有することが示されているが、複数の試薬支持トレイ
210~
240は試薬支持トレイの数と同じ数の異なる深さを有してもよい。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0072】
[0095] 試薬支持トレイ800と
図5の試薬支持トレイ500との違いは、試薬支持トレイ800が試薬支持表面801を完全に横切って延在する仕切りのみを含む点にある。つまり、支持表面501を部分的にのみ横切って延在する複数の仕切り512を含む
図5の試薬支持トレイ500とは対照的に、試薬支持トレイ800の仕切り810は全て、支持表面
801を完全に横切って延在する。従って、試薬支持トレイ
800は、
図5の試薬支持トレイ500の支持表面501と比較してより大きい表面積を支持表面801上に有する。またその分、試薬支持トレイ800では、試薬支持トレイ500の部分的仕切り512がないため、試薬支持トレイ800によって表される容積内へガスを通すことを可能にするための(スロット820の形状の)チャネルの数が少ない。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0074】
[0097]
図10は、本開示に係る別の特定の例示的実施形態の気化器装置1000及び関連するコンポーネントの側面断面図である。気化器容器1000は、本体1002及び蓋体1004を含む。蓋体1004は、キャリアガス流(図
10においては不図示)を受け入れるように構成された入口ポート1006を含む。蓋体1004は、キャリアガスと試薬蒸気(同じく図
10においては不図示)との混合物を生成し得る出口ポート1008も含む。クランプ、ボルト又はその他のデバイスを用いて蓋体1004が本体1002に固定されると、本体1002及び蓋体1004によって気化器容器1000の閉鎖された内部容積1005が規定される。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0080】
[00103] 混合ガス1009が試薬支持トレイ1010を通ってそこから試薬支持トレイ1020(試薬支持トレイ1010に対する上部支持トレイ)へと流入する際、混合ガスは第1の側1090へ向かって流れる。なぜなら、試薬支持トレイ1010上の容積1017から試薬支持トレイ1020への唯一の通路がガス流開口1022を通るものだからである。ガス流開口1022は、試薬支持トレイ1020の支持表面1021内の開口を含み得る。ガス流開口1022は、試薬支持トレイ1020内に受け入れられた試薬ソース材料1001を封じ込めて、試薬ソース材料1001がガス流開口1022を通って試薬支持トレイ1010内に落下しないように構成された壁1024によって包囲されてもよい。また、特定の実施形態において、ガス流開口1022の壁1024は、支持表面1021の底面1023の下まで延在してもよく、それにより、支持表面1021の底面1023にぶつかった混合ガス1009の一部分が支持表面
1021の底面1023から離れて循環してガス流開口1022に達するようになる。このようにして、
図10に示されるように、また
図1を参照して説明されたように、混合ガスは、試薬支持トレイ1010上の容積1017内のソース試薬材料1001及び試薬蒸気1003と相互に作用するようにさらに誘導され得る。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0083
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0083】
[00106]
図11は、本開示に係る特定の例示的実施形態の試薬支持トレイ1100であって、試薬支持トレイ
1100の一方の側1191の、試薬支持トレイ1100の側壁1103の内側に配置されたガス流開口1120を有する試薬支持トレイの斜視図である。試薬支持トレイ1100は、ソース試薬材料(
図11においては不図示)の供給を受け入れるように構成された上面1102を有する支持表面1101を含む。ガス流開口1120は、支持表面1101内に形成され、かつ、既に説明したように、試薬支持トレイ1100内に受け入れられたソース試薬材料(
図11においては不図示)を封じ込めてソース試薬材料がガス開口1120を通って落下しないようにする壁1124によって囲まれている。このガス流開口1120と、仕切りがないこととを除いては、試薬支持トレイ1100は既に説明された他の試薬支持トレイに相当する。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0084
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0084】
[00107]
図12は、本開示に係る特定の例示的実施形態の別の試薬支持トレイ1200であって、試薬支持トレイ
1200の一方の側1291に配置されたガス流開口1220を有する試薬支持トレイの斜視図である。
図10を参照して既に説明したように、試薬支持トレイ1200は、
図10の試薬支持トレイ1030と同様に、気化器容器(
図12においては不図示)の内壁と、試薬支持トレイ1200の側壁1233の一部分であって、気化器容器の上記一方の側1291にある部分との間にガス流開口
1220を規定する。試薬支持トレイ1200は、ソース試薬材料(
図12においては不図示)の供給を受け入れるように構成された上面1202を有する支持表面1201を含む。支持表面1201は、気化器容器の内壁まで延在しないか、あるいはこれと密接に係合せず、気化器容器の一方の側1291における側壁1233の上記一部分との間に間隙を残すことにより、側壁1233の上記一部分と気化器容器の内壁とによってガス流開口
1220が規定されるように構成される。一方の側1291にガス流開口1220を規定する側壁1233の上記一部分は、側壁の他の部分1235と同じ高さまで延在しなくてもよく、それによって、例えば、
図10の試薬支持トレイ1030を参照して説明したように、試薬支持トレイ1200上の容積への混合ガスの流入を許容するための開口を残すことができる。このガス流開口1220と、仕切りがないこととを除いては、試薬支持トレイ1200は既に説明された他の試薬支持トレイに相当する。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0088
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0088】
[00111]
図15~
図20は、気化器容器内に配置される試薬支持トレイのスタック中に組み合わされた同一又は異なる寸法の試薬支持トレイの特定の例示的実施形態の組み合わせの側面断面図である。
図15~
図20の例に示されるように、試薬支持トレイのスタックは、高さが高いトレイであっても低いトレイであっても、同じ高さの試薬支持トレイを含んでよく、あるいは、異なる高さのトレイの様々な組み合わせや配列を含んでよい。第1の高さを有する1以上の試薬支持トレイ(例えば、高いトレイ)と、第2の高さを有する1以上の試薬支持トレイ(例えば、低いトレイ)の組み合わせは、第1の高さを有する1以上の試薬支持トレイ内に受け入れられるべき第1試薬ソース材料に由来する第1試薬蒸気の第1の割合と、複数の試薬支持トレイのうちの第2の高さを有する1以上のトレイ内に受け入れられるべき第2試薬ソース材料に由来する第2試薬蒸気の第2の割合とに基づいて選択し得る。また、ある特定のソース試薬材料を気化器容器の下層に位置付けること、気化器
容器の上層に位置付けること、あるいは1以上の他の試薬ソース材料の高さと高さの間に挿入することに利点がある場合もある。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0091
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0091】
[00114] あるいは、試薬支持トレイのスタックは異なる高さの試薬支持トレイを含んでよい。
図17は、第1の高さの(例えば、高い)2つの試薬支持トレイ1710及び1720と、第2の高さの(例えば、低い)2つの試薬支持トレイ1730及び1740とを含む試薬支持トレイのスタック1700を示す。
図17は、同数の同じ高さの試薬支持トレイを示しており、第2の高さの試薬支持トレイ1730及び1740が第1の高さの試薬支持トレイ1710及び1720の上に位置付けられることを示しているが、試薬支持トレイは必ずしもこのように選択又は積層される必要はない。例えば、
図18は、第2の高さの(例えば、低い)2つの試薬支持トレイ1810及び1820が第1の高さの(例えば、高い)2つの試薬支持トレイ1830及び1840の下に積層された試薬支持トレイのスタック1800を示す。
図19は、第2の高さの(例えば、低い)4つの試薬支持トレイ1920、1930、1940及び1950の下に第1の高さの(例えば、高い)の試薬支持トレイ1910を含む試薬支持トレイのスタック1900を示す。あるいは、第1の高さの試薬支持トレイ1910は試薬支持トレイ1920、1930、1940及び1950の上に位置付けられてもよい。さらに、異なる高さの試薬支持トレイが交互に配置されてもよい。従って、
図20に示すように、試薬支持トレイのスタック2000は、
第1の高さの(例えば、高い)2つ/4つの試薬支持トレイ2020及び2040の間に交互に配置された第2の高さの(例えば、低い)2つの試薬支持トレイ2010及び2030を含み得る。従って、用途、気化器容器のサイズ、ソース材料の利用可能性、混合ガス内に含まれるべきソース材料の所望の割合等に基づいて、限定されることなく、数、
高さ及び特徴の点であらゆるトレイの組み合わせを使用し得る。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0094
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0094】
[00117]
図26は、本開示に係る、複数の離間した平行フィルタ(
図26においては不図示)を採用した特定の例示的実施形態の粒子抑制デバイス2600における上部表面2610の上面斜視図である。
図1、2及び10を参照して説明したように、粒子抑制デバイス2600は、
図1の気化器容器100の試薬支持トレイ110、120、130及び140と出口ポート108との間、気化器容器200の試薬支持トレイ210、220、230及び240と出口ポート208との間、あるいは気化器容器1000の試薬支持トレイ
1010、1020、1030及び1040と出口ポート1008との間に位置付けられ得る。そして、粒子抑制デバイス2600は、所定サイズを超える粒子を捕捉し、かつ該粒子が気化器容器100、200及び1000をそれぞれ出る混合ガスの一部として出口ポート108、208又は10008から流出することを防止するように構成され、かつ位置付けられる。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0099
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0099】
[00122]
図28は、
図27のフィルタ2712のうちの1つのフィルタの断面図であり、複数のフィルタ2712のうちの1以上のフィルタ中の多数のフィルタ要素の中に含まれ得る複数のフィルタ要素
2800を示す。例えば、複数のフィルタ2712のうちの1以上のフィルタは、第1の所定の許容サイズより大きいサイズの粒子を通過させないように構成された少なくとも1つのフリット(frit)2810を含む複数のフィルタ要素2800を含んでよい。代替的に又は付加的に、複数のフィルタ2712のうちの1以上のフィルタは、例えば、アルミニウム又はステンレス鋼から形成し得る金属発泡材料のような、熱伝導性メッシュ又は発泡材料2820を含む複数のフィルタ要素2800を含んでよい。熱伝導性メッシュ又は発泡材料は、第1の所定の許容サイズより小さい第2の所定の許容サイズより大きいサイズの粒子を通過させないように構成されてよい。さらに、複数のフィルタ2712のうちの1以上のフィルタは、詰綿、布地又はその他の材料からなる少なくとも1つの追加フィルタ2830を含む複数のフィルタ要素2800を含んでよい。この少なくとも1つの追加フィルタ
2830は、第1又は第2の所定の許容サイズのいずれかより大きいサイズの粒子を通過させないように構成されてよい。このような構成において、複数のフィルタ要素
2800を含むフィルタは、徐々に小さいサイズの粒子を連続的に取り除くことにより、気化器容器によって生成される混合ガスにこれらの粒子が含まれないようにし得る。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0118
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0118】
[00141]
図33は、本開示に係る、複数のユニットに対する材料の蒸着又は注入等のバッチ処理に使用される試薬蒸気を生成するための特定の例示的実施形態の方法
3300のフロー図である。特定の実施形態によると、試薬蒸気は、
図1、2及び10を参照して既に説明したような気化器容器を使用して生成される。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0120
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0120】
[00143] 3304において、
図1、
図10及び
図29を参照しても説明されたように、キャリアガス流が気化器容器の入口ポートに供給される。
3306において、
図29を参照して説明されたように、気化器容器に熱を加えることにより、ソース試薬材料が加熱される。
【手続補正18】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正19】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正20】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正21】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【外国語明細書】