(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023058039
(43)【公開日】2023-04-24
(54)【発明の名称】送信装置、受信装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/2381 20110101AFI20230417BHJP
H04N 21/235 20110101ALI20230417BHJP
H04H 20/59 20080101ALI20230417BHJP
H04H 20/95 20080101ALI20230417BHJP
H04H 20/28 20080101ALI20230417BHJP
【FI】
H04N21/2381
H04N21/235
H04H20/59
H04H20/95
H04H20/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164309
(22)【出願日】2022-10-12
(31)【優先権主張番号】P 2021167629
(32)【優先日】2021-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2022046117
(32)【優先日】2022-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100161148
【弁理士】
【氏名又は名称】福尾 誠
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 慎悟
(72)【発明者】
【氏名】神原 浩平
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA04
5C164GA03
5C164MA06S
5C164SB07P
5C164SB24P
5C164TA04S
5C164UB10S
5C164UD11S
(57)【要約】
【課題】地震情報以外の緊急情報も低遅延で伝送する。
【解決手段】LLchにより、地震情報、及び地震情報以外の緊急情報を含む伝送データを送信する送信装置1は、伝送データの種別を示す伝送データ種別信号を生成する伝送データ種別信号生成部16と、伝送データに、ヘッダー、伝送データ種別信号、及びバイトアライメントビットを付加した固定長のTLVパケットを生成するTLVパケット生成部18と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
LLchにより伝送データを送信する送信装置であって、
前記伝送データは、地震情報、及び地震情報以外の緊急情報を含み、
前記伝送データの種別を示す伝送データ種別信号を生成する伝送データ種別信号生成部と、
前記伝送データに、ヘッダー、前記伝送データ種別信号、及びバイトアライメントビットを付加した固定長のTLVパケットを生成するTLVパケット生成部と、
を備える、送信装置。
【請求項2】
前記伝送データ種別信号と前記バイトアライメントビットの合計は7ビットであり、
前記TLVパケットの長さは8ビットの倍数である、請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
LLchにより伝送データを送信する送信装置であって、
前記伝送データは、地震情報、及び地震情報以外の緊急情報を含み、
前記伝送データの種別を示す伝送データ種別信号を生成する伝送データ種別信号生成部と、
前記伝送データに、ヘッダー及び前記伝送データ種別信号を付加した固定長のTLVパケットを生成するTLVパケット生成部と、
を備える、送信装置。
【請求項4】
前記伝送データ種別信号は8ビットであり、
前記TLVパケットの長さは8ビットの倍数である、請求項3に記載の送信装置。
【請求項5】
前記伝送データのうち、少なくとも開始/終了フラグ、現在時刻情報、及び都道府県情報は、前記伝送データの種別によらず共通のフォーマットである、請求項1から4のいずれか一項に記載の送信装置。
【請求項6】
前記緊急情報は、災害情報及び有事情報である、請求項1から4のいずれか一項に記載の送信装置。
【請求項7】
コンピュータを、請求項1から4のいずれか一項に記載の送信装置として機能させるためのプログラム。
【請求項8】
LLchにより伝送データを受信する受信装置であって、
前記伝送データは、地震情報、及び地震情報以外の緊急情報を含み、
受信した固定長のTLVパケットに含まれる伝送データ種別信号を読み取る伝送データ種別信号読取部と、
前記伝送データ種別信号により特定される伝送データが地震情報、又は地震情報以外の緊急情報である場合に、前記TLVパケットに含まれる情報を出力する出力部と、
を備える受信装置。
【請求項9】
前記TLVパケットに含まれる前記伝送データ種別信号とバイトアライメントビットの合計は7ビットであり、
前記TLVパケットの長さは8ビットの倍数である、請求項8に記載の受信装置。
【請求項10】
前記TLVパケットに含まれる前記伝送データ種別信号は8ビットであり、
前記TLVパケットの長さは8ビットの倍数である、請求項8に記載の受信装置。
【請求項11】
前記伝送データのうち、少なくとも開始/終了フラグ、現在時刻情報、及び都道府県情報は、前記伝送データの種別によらず共通のフォーマットである、請求項8から10のいずれか一項に記載の受信装置。
【請求項12】
前記緊急情報は、災害情報及び有事情報である、請求項8から10のいずれか一項に記載の受信装置。
【請求項13】
コンピュータを、請求項8から10のいずれか一項に記載の受信装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置、受信装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
次世代の地上テレビジョン放送の実現に向けて、地上放送高度化方式(以下、「高度化方式」という。)の研究開発が進められている。情報通信審議会で示された次世代地上テレビジョン放送の要求条件(非特許文献1参照)に、「緊急の情報などを、できるだけ低遅延で受信機へ伝送すること」と明記されており、緊急地震速報を想定した低遅延高耐性伝送(LLch:Low Latency Channel)が検討されている。現行の地上デジタル放送ISDB-T(Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial)のAC(Auxiliary Channel)サブキャリアを用いて緊急地震速報を伝送するAC方式は、地震動警報情報(以下、地震情報という)を全105ビットのデータ列で伝送するものである(非特許文献2参照)。
【0003】
緊急地震速報を想定したLLch方式は、AC方式を踏襲し、LLchサブキャリアを用いて地震情報を伝送する方式である。緊急地震速報を前提としたLLch伝送は、105ビットの地震情報に、32ビットのTLV(Type Length Value)ヘッダー、及びバイトアライメント7ビットが付加された144ビットを情報長とするLDPC(Low Density Parity Check)符号により符号化データ化されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】情報通信審議会情報通信技術分科会放送システム委員会、「地上デジタルテレビジョン方式の高度化の要求条件」、第72回放送システム委員会資料別紙1、2020年2月
【非特許文献2】電波産業会、「緊急地震速報の速やかな伝送について検討報告書(詳細)」、デジタル放送システム開発部会デジタル受信機作業班緊急情報伝送TG、2009年9月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のLLch方式では、低遅延で地震情報を伝送することができる。しかし、緊急情報は地震情報に限られるものではない。例えば、津波情報などの災害情報や、弾道ミサイル攻撃などの有事情報も緊急情報であるため、地震情報と同様の即時性が求められ、低遅延で伝送することが望まれている。
【0007】
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、地震情報以外の緊急情報も低遅延で伝送することが可能な送信装置、受信装置、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、一実施形態に係る送信装置は、LLchにより伝送データを送信する送信装置であって、前記伝送データは、地震情報、及び地震情報以外の緊急情報を含み、前記伝送データの種別を示す伝送データ種別信号を生成する伝送データ種別信号生成部と、前記伝送データに、ヘッダー、前記伝送データ種別信号、及びバイトアライメントビットを付加した固定長のTLVパケットを生成するTLVパケット生成部と、を備える。
【0009】
さらに、一実施形態に係る送信装置において、前記伝送データ種別信号と前記バイトアライメントビットの合計は7ビットであり、前記TLVパケットの長さは8ビットの倍数であってもよい。
【0010】
また、上記課題を解決するため、一実施形態に係る送信装置は、LLchにより伝送データを送信する送信装置であって、前記伝送データは、地震情報、及び地震情報以外の緊急情報を含み、前記伝送データの種別を示す伝送データ種別信号を生成する伝送データ種別信号生成部と、前記伝送データに、ヘッダー及び前記伝送データ種別信号を付加した固定長のTLVパケットを生成するTLVパケット生成部と、を備える。
【0011】
さらに、一実施形態に係る送信装置において、前記伝送データ種別信号は8ビットであり、前記TLVパケットの長さは8ビットの倍数であってもよい。
【0012】
さらに、一実施形態に係る送信装置において、前記伝送データのうち、少なくとも開始/終了フラグ、現在時刻情報、及び都道府県情報は、前記伝送データの種別によらず共通のフォーマットとしてもよい。
【0013】
さらに、一実施形態に係る送信装置において、前記緊急情報は、災害情報及び有事情報としてもよい。
【0014】
また、一実施形態係るプログラムは、コンピュータを、上記送信装置として機能させる。
【0015】
上記課題を解決するため、一実施形態に係る受信装置は、LLchにより伝送データを受信する受信装置であって、前記伝送データは、地震情報、及び地震情報以外の緊急情報を含み、受信した固定長のTLVパケットに含まれる伝送データ種別信号を読み取る伝送データ種別信号読取部と、前記伝送データ種別信号により特定される伝送データが地震情報、又は地震情報以外の緊急情報である場合に、前記TLVパケットに含まれる情報を出力する出力部と、を備える。
【0016】
さらに、一実施形態に係る受信装置において、前記TLVパケットに含まれる前記伝送データ種別信号とバイトアライメントビットの合計は7ビットであり、前記TLVパケットの長さは8ビットの倍数であってもよい。
【0017】
さらに、一実施形態に係る受信装置において、前記伝送データ種別信号は8ビットであり、前記TLVパケットの長さは8ビットの倍数であってもよい。
【0018】
さらに、一実施形態に係る受信装置において、前記伝送データのうち、少なくとも開始/終了フラグ、現在時刻情報、及び都道府県情報は、前記伝送データの種別によらず共通のフォーマットとしてもよい。
【0019】
さらに、一実施形態に係る受信装置において、前記緊急情報は、災害情報及び有事情報としてもよい。
【0020】
また、一実施形態係るプログラムは、コンピュータを、上記受信装置として機能させる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、地震情報以外の緊急情報も低遅延で伝送することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】第1の実施形態に係る送信装置の構成例を示すブロック図である。
【
図2】第1の実施形態に係る送信装置により生成されるTLVパケット及びLDPC符号の構造を示す図である。
【
図3】第1の実施形態に係る送信装置により生成されるTLVパケットのペイロード105ビットの割り当て例を示す表である。
【
図4】第1の実施形態に係る受信装置の構成例を示すブロック図である。
【
図5】第2の実施形態に係る送信装置の構成例を示すブロック図である。
【
図6】第2の実施形態に係る送信装置により生成されるTLVパケット及びLDPC符号の構造を示す図である。
【
図7】第2の実施形態に係る送信装置により生成されるTLVパケットのペイロード104ビットの割り当て例を示す表である。
【
図8】従来の高度化方式に対応した送信装置の構成例を示すブロック図である。
【
図9】従来のTLVパケット構造及びLDPC符号構造を示す図である。
【
図10】従来の高度化方式に対応した受信装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
<第1の実施形態>
(送信装置)
本発明に係る送信装置の従来との相違点を説明するために、まず従来の送信装置について説明し、次に本発明に係る送信装置について説明する。
【0025】
図8は、従来の高度化方式に対応した送信装置100の構成例を示すブロック図であり、LLchによる送信処理を行うブロックのみを示している。従来の送信装置100は、緊急情報として地震情報のみを送信する。すなわち、送信装置100が送信する伝送データは、地震情報以外の緊急情報を含まない。
【0026】
送信装置100は、LLch送信部30と、LLch変調部20と、を備える。LLch送信部30は、地震情報生成部11と、TLVパケット生成部31と、を備える。LLch変調部20は、高度化方式では、LDPC符号化部21と、変調部22と、を備える。
【0027】
地震情報生成部11は、送信装置100に入力された地震発生情報を105ビットのデータに変換し、TLVパケット生成部31に出力する。地震発生情報とは、緊急地震速報EEW(Earthquake Early Warning)に相当する。105ビットの情報ビットの内訳については、例えば非特許文献2を参照されたい。
【0028】
TLVパケット生成部31は、地震情報生成部11から入力した105ビットの情報ビットに、TLVヘッダー、及びバイトアライメントを付加して144ビット(=18バイト)固定長のTLVパケットに変換し、LLch変調部20に出力する。TLVパケットの仕様については、例えば下記の参考文献を参照されたい。
参考文献:電波産業会、「デジタル放送における映像符号化,音声符号化及び多重化方式」、ARIB STD-B32 v3.11、2018年7月
【0029】
LLch送信部30に入力されるデータは地震発生情報のみであるため、送信装置100はこれを判別する必要はない。バイトアライメントはTLVパケットを8ビットの倍数とするために付加されるものである。
【0030】
LDPC符号化部21は、144ビットの固定長TLVパケットをLDPC符号化して、符号長が1224ビットで情報長が144ビットのLDPC符号に変換し、変調部22に出力する。
【0031】
変調部22は、LDPC符号を変調(例えば、DBPSK変調)し、LLch信号を生成する。変調信号は、その後、LLch以外のデータ(例えば、単一階層又は複数の階層の伝送データ、及び制御情報)とともにOFDM変調され、OFDM信号として送信装置100から送信される。
【0032】
図9に、従来のTLVパケット構造及びLDPC符号構造を示す。TLVパケットは、32ビットのTLVヘッダーと、105ビットの地震情報と、7ビットのバイトアライメントと、からなる。7ビットのバイトアライメントは、例えば“1111111”に固定される。LDPC符号の詳細については、特許文献1などを参照されたい。
【0033】
次に、本発明の第1の実施形態に係る送信装置について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る送信装置1の構成例を示すブロック図あり、LLchによる送信処理を行うブロックのみを示している。送信装置1は、地震情報に加えて、地震情報以外の緊急情報も、LLchで送信する。すなわち、送信装置1が送信する伝送データは、地震情報、及び地震情報以外の緊急情報を含む。
【0034】
近年、地震情報を含めた緊急情報を、通信衛星と市町村の同報系防災行政無線や有線放送電話を利用して、緊急情報を住民へ瞬時に伝達する全国瞬時警報システム(Jアラート)が運用されている。そこで、本実施形態では、送信装置1はJアラートの情報を入力するものとする。Jアラートの情報は、気象庁が発表する“気象関連(災害)情報”と内閣官房が発表する“有事関連情報”の2つに大別される。
【0035】
送信装置1は、LLch送信部10と、LLch変調部20と、を備える。これらは制御演算回路(コントローラ)の一部であってもよい。該制御演算回路は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などの専用のハードウェアによって構成されてもよいし、プロセッサによって構成されてもよいし、双方を含んで構成されてもよい。LLch送信部10は、地震情報生成部11と、災害情報生成部12と、有事情報生成部13と、その他情報生成部14と、情報入力検知部15と、伝送データ種別信号生成部16と、切替部17と、TLVパケット生成部18と、を備える。LLch変調部20は、LDPC符号化部21と、変調部22と、を備える。
【0036】
地震情報生成部11は、送信装置1に入力された地震発生情報を105ビットの伝送データに変換し、切替部17に出力する。
【0037】
災害情報生成部12は、送信装置1に入力された災害発生情報を105ビットの伝送データに変換し、切替部17に出力する。災害発生情報とは、例えば、大津波・津波警報、緊急火山情報など、地震情報以外で気象庁が発表するものである。
【0038】
有事情報生成部13は、送信装置1に入力された有事発生情報を105ビットの伝送データに変換し、切替部17に出力する。有事発生情報とは、例えば、弾道ミサイル攻撃、航空機攻撃、ゲリラ・特殊部隊攻撃、大規模テロなど、内閣官房が発表するものである。
【0039】
その他情報生成部14は、送信装置1に入力されたその他情報を105ビットの伝送データに変換し、切替部17に出力する。その他情報は、Jアラートに限定されず任意の情報としてよく、例えば受信装置の時刻精度を高めるための時刻情報としてもよいし、放送事業者が放送ネットワーク内にある何等かの放送機器に対する遠隔制御用の汎用的データとしてもよい。
【0040】
情報入力検知部15は、送信装置1にどのタイミングで情報が入力されるか不明であるため、送信装置1への情報の入力を検知する。情報入力検知部15は、送信装置1に、地震発生情報、災害発生情報、有事発生情報、及びその他情報のいずれかが入力されると、入力された情報の種別を伝送データ種別信号生成部16に通知する。
【0041】
伝送データ種別信号生成部16は、情報入力検知部15からの通知に従って、伝送データの種別を指示する切替信号を生成し、切替部17に出力する。また、伝送データ種別信号生成部16は、選択した伝送データの種別を示す、nビットのユニークな伝送データ種別信号を生成し、TLVパケット生成部18に出力する。nは、2以上7以下の整数である。例えば、n=2とし、“00”は地震情報を示す伝送データを表し、“01”は災害情報を示す伝送データを表し、“10”は有事情報を示す伝送データを表し、“11”はその他情報を示す伝送データを表すか又は未使用としてもよい。「未使用」とは、緊急情報が発出されていないことを意味する。以下では、n=3とし、“000”は地震情報を示す伝送データを表し、“001”は災害情報を示す伝送データを表し、“010”は有事情報を示す伝送データを表し、“011”はその他の情報を示す伝送データを表し、“100”~“110”はリザーブを表し、“111”は未使用とする場合を例に説明する。
【0042】
切替部17は、伝送データ種別信号生成部16から入力した切替信号に基づいて、地震情報生成部11、災害情報生成部12、有事情報生成部13、及びその他情報生成部14のいずれかから出力された伝送データ(緊急情報又はその他情報)を選択し、TLVパケット生成部18に出力する。
【0043】
TLVパケット生成部18は、切替部17により切り替えられた105ビットの伝送データに、32ビットのTLVヘッダー、nビットの伝送データ種別信号、及び(7-n)ビットのバイトアライメントを付加して固定長のTLVパケットを生成し、固定長TLVパケットをLLch変調部20に出力する。TLVパケットの長さは8ビットの倍数であり、本実施形態では144ビット(=18バイト)である。
【0044】
バイトアライメントビットはパケット長を8ビットの倍数にするために設けられる余剰ビットである。そのため、従来の7ビットのバイトアライメントの一部を伝送データ種別信号として使用することができる。したがって、伝送データ種別信号とバイトアライメントビットの合計を7ビットとすることで、従来のTLVパケットと同じ長さにすることができる。従来、伝送に使われなかった余剰ビットを活用することで、データ長や符号化率を変更することなく追加の情報ビットを送ることが可能になり、伝送効率が改善する。
【0045】
LLch送信部10から入力されるTLVパケットの長さは情報の種類によらず144ビット共通であるため、変調部22は伝送データ種別を監視する必要がなく、伝送データ種別に応じて符号化率などの変調方式を変更する必要がない。したがって、LLch変調部20は、
図5に示した送信装置100のLLch変調部20を変更することなく、従来と同じものをそのまま使用することができる。
【0046】
図2は、送信装置1により生成されるTLVパケット及びLDPC符号の構造を示す図である。TLVヘッダーは、予約領域と、パケットタイプ(Packet type)と、データ長(Data length)と、を含む。
図2では、予約領域の8ビットを“01111111”としている。パケットタイプは、該TLVパケットがIPv4、IPv6、圧縮IP、制御信号、ヌルパケット等のいずれであるかを特定するパケット種別を示す。データ長は、ペイロードに格納されるデータのサイズを示す。
【0047】
TLVパケット長は従来と同じ144ビットである。ただし、従来ではバイトアライメントは7ビット固定であったのに対し、送信装置1ではnビット(
図2では3ビット)を伝送データ種別信号として使用するため、残りの(7-n)ビットをバイトアライメントとして使用する。105ビットのペイロードは、緊急情報、又は緊急情報に限定されないその他情報を示す。
図2に示す例では、緊急情報は、地震情報(緊急地震速報EEW)、災害情報、及び有事情報に分類される。
【0048】
これらの緊急情報は、例えば、開始/終了フラグ、更新フラグ、信号識別、現在時刻、ページ種別、都道府県情報(地域コード)、詳細情報、及び誤り検出用パリティビットを含む情報ビットである。
【0049】
図3は、TLVパケットのペイロード105ビットの割り当て例を示す表である。伝送データ種別信号が“000”で示される地震情報は、ARIB STD-B31で定められた伝送規格である。本発明は、この伝送規格を拡張し、地震情報以外の災害情報、有事情報、その他情報などを伝送する。なお、伝送データ種別信号が“000”の場合、現在時刻、ページ種別、都道府県情報(地域コード)、及び緊急詳細情報を含めて地震動警報詳細情報ということがある。
【0050】
開始/終了フラグは、ARIB STD-B31で定められた伝送規格と同様に、少なくとも2ビット以上の起動フラグとしてもよい。例えば、“00”は緊急情報ありを意味し、“11”は緊急情報なしを意味する。
【0051】
更新フラグは、ARIB STD-B31で定められた伝送規格と同様に、緊急情報の内容に変更が生じるごとに値を変化させる、少なくとも2ビットの情報としてもよい。
【0052】
信号識別は、ARIB STD-B31で定められた伝送規格と同様に、該当地域の有無、試験信号であるか否かなどを区別する、少なくとも2ビット(
図3では3ビット)の情報としてもよい。
【0053】
現在時刻情報は、ARIB STD-B31で定められた伝送規格と同様に、少なくとも31ビットの、緊急情報を送出する現在時刻を示す情報としてもよい。
【0054】
ページ種別は、ARIB STD-B31で定められた伝送規格と同様に、39~94ビット目の情報が、都道府県情報であるか詳細情報であるかを区別するための1ビットの情報である。
【0055】
都道府県情報は、ARIBSTD-B31で定められた伝送規格に表される56ビットの情報(地域コード)と同等としてもよい。
【0056】
地震詳細情報は、ARIB STD-B31で定められた伝送規格と同様に、震源情報としてよい。
【0057】
災害詳細情報は、大津波、津波、火山情報など災害に関する情報の区分としてもよい。
【0058】
有事詳細情報は、例えば弾道ミサイル攻撃、航空機攻撃、ゲリラ攻撃、特殊部隊攻撃、大規模テロ攻撃など有事情報の区分としてもよい。
【0059】
誤り検出用パリティビットは、CRC(Cyclic Redundancy Check)などによる誤り検出を可能とするために設定される。または、BCH符号などの内符号誤り訂正符号としてもよい。
【0060】
開始/終了フラグ、更新フラグ、信号識別、現在時刻情報、ページ種別、都道府県情報、及び誤り検出用パリティビットは、緊急情報の種別(地震情報、災害情報、有事情報)によらず共通のフォーマットである。また、その他情報が緊急情報以外の情報である場合、その他情報を任意の105ビット情報としてよい。
【0061】
LLchは伝送容量が限られるため、全ての情報を一度に送信することはできない。そのため、伝送されるパケット単位で、地震情報なのか、地震情報以外の緊急情報なのか、又はそれ以外のデータなのかを判別する必要がある。また、緊急情報に最も必要な、開始/終了フラグ、現在時刻情報、及び都道府県情報は、緊急情報の内容によらず必要な情報であるため、可能な限り共通のフォーマットにすることが望ましい。
図3において斜線で囲った情報は、緊急情報の種別によらず共通のフォーマットにすることが可能である。
【0062】
(受信装置)
続いて、受信装置について説明する。本発明に係る受信装置の従来との相違点を説明するために、まず従来の受信装置について説明し、次に本発明に係る受信装置について説明する。
【0063】
図10は、従来の高度化方式に対応した受信装置の構成例を示すブロック図であり、LLchによる受信処理を行うブロックのみを示している。従来の受信装置200は、緊急情報として地震情報のみを受信する。すなわち、受信装置200が受信する伝送データは、地震情報以外の緊急情報を含まない。
【0064】
受信装置200は、LLch復調部40を備える。LLch復調部40は、高度化方式では、復調部41と、LDPC復号部42と、を備える。受信装置200は、送信装置100から受信したOFDM信号をOFDM復調して、変調されたLLch信号を復調部41に入力する。
【0065】
復調部41は、変調されたLLch信号を復調し、LDPC復号部42に出力する。
【0066】
LDPC復号部42は、復調部41により復調されたLLch信号をLDPC復号し、TLVパケットを出力する。従来の受信装置200は、伝送データの種別を判別する必要がない。
【0067】
次に、本発明に係る受信装置について説明する。
図4は、本発明の第1の実施形態に係る受信装置の構成例を示すブロック図であり、LLchによる受信処理を行うブロックのみを示している。受信装置2は、地震情報に加えて、地震情報以外の緊急情報も、LLchで受信する。すなわち、受信装置2が受信する伝送データは、地震情報、及び地震情報以外の緊急情報を含む。
【0068】
受信装置2は、LLch復調部40と、LLch受信部50と、を備える。これらは制御演算回路(コントローラ)の一部であってもよい。該制御演算回路は、ASIC、FPGAなどの専用のハードウェアによって構成されてもよいし、プロセッサによって構成されてもよいし、双方を含んで構成されてもよい。LLch復調部40は、復調部41と、LDPC復号部42と、を備える。LLch受信部50は、伝送データ種別信号読取部51と、時刻情報出力部52と、都道府県情報出力部53と、開始/終了フラグ出力部54と、伝送データ種別出力部55と、を備える。
【0069】
本来ならば、伝送データの種別に合わせてLDPC符号長や符号化率を適切に選択すべきであるが、本発明では伝送データの符号長が等しくなるように設計しているため、伝送データの種別によらず単一のLDPC復号部があればよい。したがって、LLch復調部40は、
図7に示した受信装置200のLLch復調部40を変更することなく、従来と同じものをそのまま使用することができる。
【0070】
伝送データ種別信号読取部51は、LLch復調部40から入力したTLVパケットごとに、TLVパケットに含まれる伝送データ種別信号を読み取る。伝送データ種別信号読取部51は、伝送データの種別がリザーブ又は未使用である場合には、データを出力しない。伝送データ種別信号読取部51は、伝送データの種別が地震情報、災害情報、又は有事情報である場合には、TLVパケットに含まれる現在時刻情報を時刻情報出力部52に出力し、TLVパケットに含まれる都道府県情報を都道府県情報出力部53に出力し、TLVパケットに含まれる開始/終了フラグを開始/終了フラグ出力部54に出力し、読み取った伝送データ種別信号を伝送データ種別出力部55に出力する。伝送データ種別信号読取部51は、伝送データの種別がその他情報である場合には、その他情報を出力してもよい。伝送データ種別信号読取部51は、LLch復調部40から入力したTLVパケットごとにページ種別を読み取り、ページ種別に応じて都道府県情報又は詳細情報を都道府県情報出力部53に出力してもよい。
【0071】
時刻情報出力部52は、緊急情報の種別(地震情報、災害情報、有事情報)によらず、現在時刻を出力する。なお、非特許文献2に示すように受信装置2が有する時刻情報と照合することにより、偽情報の再送信による攻撃を回避することも可能である。
【0072】
都道府県情報出力部53は、緊急情報の種別(地震情報、災害情報、有事情報)によらず、該当する都道府県情報(地域コード)を出力する。受信装置2は、設置時に入力する郵便番号などによって紐づけられる地域情報と照合し、該当地域であるかどうかを判別する。符号データの前半に配置されているため、例えば十分に受信信号レベルが高く誤り訂正復号しなくとも伝送データの信頼性が高い場合、あるいは105ビットのデータを受信完了した時点で誤り検出用データにより誤りがなかった場合、1LDPC符号データ1224ビットを受信完了することなく受信装置2を適切に動作させることが可能である。
【0073】
開始/終了フラグ出力部54は、緊急情報の種別(地震情報、災害情報、有事情報)によらず、開始/終了フラグを出力する。開始/終了フラグは、符号データの先頭に配置されているため、受信装置2は、例えば十分に受信信号レベルが高く誤り訂正復号しなくとも伝送データの信頼性が高い場合、あるいは105ビットのデータを受信完了した時点で誤り検出用データにより誤りがなかった場合、1LDPC符号データ1224ビットを受信完了することなく装置を起動させることが可能である。
【0074】
伝送データ種別出力部55は、伝送データ種別を出力する。
【0075】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態に係る送信装置について説明する。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る送信装置1aの構成例を示すブロック図ある。送信装置1aは、LLch送信部10aと、LLch変調部20と、を備える。LLch送信部10aは、地震情報生成部11aと、災害情報生成部12aと、有事情報生成部13aと、その他情報生成部14aと、情報入力検知部15と、伝送データ種別信号生成部16aと、切替部17と、TLVパケット生成部18aと、を備える。
【0076】
第1の実施形態では各種情報を105ビットの伝送データに変換したが、第2の実施形態では各種情報を104ビットの伝送データに変換する。すなわち、地震情報生成部11aは、送信装置1aに入力された地震発生情報を104ビットの伝送データに変換し、切替部17に出力する。災害情報生成部12aは、送信装置1aに入力された災害発生情報を104ビットの伝送データに変換し、切替部17に出力する。有事情報生成部13aは、送信装置1aに入力された有事発生情報を104ビットの伝送データに変換し、切替部17に出力する。その他情報生成部14aは、送信装置1aに入力されたその他情報を104ビットの伝送データに変換し、切替部17に出力する。
【0077】
また、第1の実施形態ではnビットの伝送データ種別信号を生成するが、第2の実施形態では8ビットの伝送データ種別信号を生成する。すなわち、伝送データ種別信号生成部16aは、選択した伝送データの種別を示す、8ビットのユニークな伝送データ種別信号を生成し、TLVパケット生成部18aに出力する。
【0078】
TLVパケット生成部18aは、切替部17により切り替えられた104ビットの伝送データに、32ビットのTLVヘッダー、及び8ビットの伝送データ種別信号を付加して144ビット(=18バイト)固定長のTLVパケットを生成し、固定長TLVパケットをLLch変調部20に出力する。その他の送信装置の構成は第1の実施形態と同じであるため、説明を省略する。
【0079】
図6は、送信装置1aにより生成されるTLVパケット及びLDPC符号の構造を示す図である。第1の実施形態では、32ビットのTLVヘッダー、nビットの伝送データ種別信号、105ビットのペイロード、及び(7-n)ビットのバイトアライメントからなる144ビットのTLVパケットを生成したが、第2の実施形態では、32ビットのTLVヘッダー、8ビットの伝送データ種別信号、及び104ビットのペイロードからなる144ビットTLVパケットを生成する。また、第2の実施形態では、伝送されるデータがIPv4、IPv6、圧縮IPなどの従来定義されていたパケットタイプのいずれにも当てはまらないことを明示するために、パケットタイプを未定義の値に設定する(すなわち、新規に定義する)。
図6では一例として、パケットタイプを“0x04”としている。
【0080】
図7は、TLVパケットのペイロード104ビットの割り当て例を示す表である。第1の実施形態では、
図3に示すように、B0,B1の開始/終了フラグ、B2,B3の更新フラグは、その重要性から2ビットが割り当てられているが、フラグ情報であるので1ビットで伝送可能である。つまり、B1又はB3は冗長ビットであり、削減可能である。そのため、第2の実施形態では、少なくともどちらか1ビットを削減し、伝送データを104ビットに短縮する。この例では、更新フラグを1ビット削減している。
【0081】
一方、伝送データ種別信号は、バイトアライメント7ビットと上記の削減した1ビットとを合わせた計8ビットの伝送データ種別信号として、ユニークな値に設定する。例えば、
図7に示すように、HEX表記で“0x00”は地震情報を表し、“0x01”は災害情報を表し、“0x02”は有事情報を表し、“0x03”はその他情報を表し、“0xFF”は未使用を表し、その他の表記はリザーブとしてもよい。
【0082】
送信装置1aからLLch信号を受信する受信装置2の構成は、第1の実施形態と同じであるため、説明を省略する。ただし、受信装置2が受信するTLVパケットに含まれる伝送データ種別信号は、第1の実施形態ではn(2≦n≦7)ビットであったところ、第2の実施形態では8ビットである。
【0083】
(プログラム)
上述した送信装置1,1a及び受信装置2として機能させるために、それぞれプログラム命令を実行可能なコンピュータを用いることも可能である。ここで、コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、ワークステーション、PC(Personal Computer)、電子ノートパッドなどであってもよい。プログラム命令は、必要なタスクを実行するためのプログラムコード、コードセグメントなどであってもよい。
【0084】
コンピュータは、プロセッサと、記憶部と、入力部と、出力部と、通信インターフェースとを備える。プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、SoC(System on a Chip)などであり、同種又は異種の複数のプロセッサにより構成されてもよい。プロセッサは、記憶部からプログラムを読み出して実行することで、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。なお、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェアで実現することとしてもよい。入力部は、ユーザの入力操作を受け付けてユーザの操作に基づく情報を取得する入力インターフェースであり、ポインティングデバイス、キーボード、マウスなどである。出力部は、情報を出力する出力インターフェースであり、ディスプレイ、スピーカなどである。通信インターフェースは、外部の装置と通信するためのインターフェースであり、例えばLAN(Local Area Network)インターフェースである。
【0085】
プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。このような記録媒体を用いれば、プログラムをコンピュータにインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録された記録媒体は、非一過性(non-transitory)の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROM、DVD-ROM、USB(Universal Serial Bus)メモリなどであってもよい。また、このプログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0086】
例えば、送信装置1として機能させるためのプログラムは、伝送データの種別を示す伝送データ種別信号を生成するステップと、伝送データに、ヘッダー、伝送データ種別信号、及びバイトアライメントビットを付加した固定長のTLVパケットを生成するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0087】
例えば、受信装置2として機能させるためのプログラムは、受信した固定長のTLVパケットに含まれる伝送データ種別信号を読み取るステップと、伝送データ種別信号により特定される伝送データが地震情報、又は地震情報以外の緊急情報である場合に、TLVパケットに含まれる情報を出力するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0088】
また、送信装置1は、1つ又は複数の半導体チップにより構成されてもよく、該半導体チップは、送信装置1の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを実行するCPUを搭載してもよい。また、受信装置2は、1つ又は複数の半導体チップにより構成されてもよく、該半導体チップは、受信装置2の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを実行するCPUを搭載してもよい。
【0089】
以上説明したように、本発明では、伝送データ種別信号を含むTLVパケットを用いることにより、地震情報以外の緊急情報も低遅延で伝送することが可能となる。
【0090】
また、第1の実施形態によれば、バイトアライメント7ビットのうち少なくとも2ビットを使用して伝送データ種別を判別することにより、TLVパケット単位でフィルタリングすることが可能となる。その結果、LLchで伝送されるデータが地震情報なのか、地震情報以外の緊急情報なのか、又はその他情報なのかを非常に簡単な方法で判別することが可能となる。また、バイトアライメント7ビットは情報を含まない余剰ビットであるため、LDPC符号化率を変更して情報ビットを追加したり新たにデータ領域を設けたりする必要がないため、伝送効率を向上させることが可能となる。
【0091】
また、緊急情報の内容によらず必要な情報である、少なくとも開始/終了フラグ、現在時刻情報、及び都道府県情報を伝送データ種別によらず共通フォーマットで伝送することができる。その結果、LLch変調部20及びLLch復調部40を従来と同じものを使用することができ、コスト及び回路規模の増加を抑制することが可能となる。
【0092】
また、第2の実施形態によれば、バイトアライメント7ビット全てと、105ビットの情報のうち冗長な1ビットを削減し、その合計8ビット(=1バイト)を使って伝送データ種別を判別することで、TLVパケット単位でフィルタリングが可能となる。その結果、LLchで伝送されるデータが地震情報なのか、地震以外の緊急情報なのか、又はその他情報なのかを非常に簡単な方法で判別可能となる。さらに、このようにビット数をアサインすることで、32ビットのTLVヘッダー、8ビットの伝送データ種別、及び104ビットの緊急情報はいずれも8ビットの倍数となりバイトアライメントを取れるため、ハードウェア等での取り扱いが容易になる。なお、LDPC符号化率を変更して情報ビットを追加したり、新たにデータ領域を設けたりする必要はなく、伝送効率が向上するという効果は、第1の実施形態と同じである。
【0093】
上述の実施形態は代表的な例として説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換ができることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形又は変更が可能である。例えば、実施形態の構成図に記載の複数の構成ブロックを統合したり、1つの構成ブロックを分割したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0094】
1,1a 送信装置
2 受信装置
10,10a LLch送信部
11,11a 地震情報生成部
12,12a 災害情報生成部
13,13a 有事情報生成部
14,14a その他情報生成部
15 情報入力検知部
16,16a 伝送データ種別信号生成部
17 切替部
18,18a TLVパケット生成部
20 LLch変調部
21 LDPC符号化部
22 変調部
40 LLch復調部
41 復調部
42 LDPC復号部
50 LLch受信部
51 伝送データ種別信号読取部
52 時刻情報出力部
53 都道府県情報出力部
54 開始/終了フラグ出力部
55 伝送データ種別出力部