(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023058262
(43)【公開日】2023-04-25
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B41J 21/00 20060101AFI20230418BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20230418BHJP
B41J 21/16 20060101ALI20230418BHJP
H04N 1/393 20060101ALI20230418BHJP
【FI】
B41J21/00 Z
G03G21/00 370
B41J21/16
H04N1/393
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021168172
(22)【出願日】2021-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100186853
【弁理士】
【氏名又は名称】宗像 孝志
(72)【発明者】
【氏名】須賀 智昭
【テーマコード(参考)】
2C187
2H270
5C076
【Fターム(参考)】
2C187AC06
2C187AC08
2C187AF01
2C187AG01
2C187BF60
2C187BH17
2C187BH22
2C187DB28
2C187DB33
2C187DB36
2C187DB41
2H270KA35
2H270KA51
2H270LB10
2H270LB14
2H270LD03
2H270LD08
2H270LD14
2H270MA40
2H270MB28
2H270MC60
2H270MH10
2H270PA26
2H270ZC03
2H270ZC04
5C076AA21
5C076AA22
5C076BA06
5C076CA05
5C076CB05
(57)【要約】
【課題】両面に画像形成する画像の位置合わせをする場合において、ユーザ画像領域が狭くなるのを防ぐ。
【解決手段】画像形成装置が、記録媒体の両面に画像形成を行う画像形成部と、前記記録媒体の形状を検出する検出部と、前記形状に基づき、前記両面のうち第1面に画像形成する第1画像の位置に対し、前記両面のうち第2面に画像形成する第2画像を補正する補正部とを備えることを特徴とする。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体の両面に画像形成を行う画像形成部と、
前記記録媒体の形状を検出する検出部と、
前記形状に基づき、前記両面のうち第1面に画像形成する第1画像の位置に対し、前記両面のうち第2面に画像形成する第2画像を補正する補正部と
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記第1画像を前記記録媒体に定着させる定着部を更に備え、
前記検出部は、
前記定着部が前記第1画像を前記記録媒体に定着させた後、前記形状を検出する
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記記録媒体には、マークが形成され、
前記検出部は、
前記マークを検出し、
前記補正部は、
前記マーク、及び、前記形状に基づいて前記第2画像を補正する
請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
補正量を入力する補正量入力部を更に備え、
前記補正部は、
前記補正量、及び、前記形状に基づいて前記第2画像を補正する
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記記録媒体を搬送する搬送部と、
前記画像形成部が前記記録媒体に対し画像形成を行う際の前記記録媒体の姿勢を規制する規制部と、
前記第1面と前記第2面を反転する反転部と
を更に備え、
前記検出部は、
前記記録媒体の四隅の位置を検出して、前記形状を検出し、かつ、前記記録媒体を前記第1面から前記第2面へ反転させた場合の形状である第2面形状を計算し、
前記補正部は、
前記第2面形状に合わせて、前記第2画像が前記第1画像の裏に画像形成されるように、前記第2画像を画像形成する位置、及び、前記第2画像を画像形成する倍率を補正する
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置が記録媒体の両面(以下、両面のうち一方の面を「第1面」、及び、第1面とは異なる面を「第2面」という。)に画像形成を行う場合において、両面の画像を補正して位置を合わせる技術が知られている。
【0003】
具体的には、画像形成装置は、記録媒体の第1面、及び、第2面に対し、各々の面に画像を形成する。次に、画像形成装置は、各々の面に形成された画像の位置を検知する。そして、画像形成装置は、検知結果に基づいて画像の位置合わせ、及び、倍率誤差の補正を行う。このようにして、両面印刷において、両面の画像位置、及び、画像の大きさを精度良く合わせる技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、補正用のマークを形成する領域を記録媒体上に確保する。ゆえに、補正用のマークを形成する領域を確保する分、ユーザが画像形成するように指示する画像等を画像形成できる領域(以下「ユーザ画像領域」という。)が狭くなる。このように、従来の技術は、両面に形成する画像の位置合わせをするには、ユーザ画像領域が狭くなる課題がある。
【0005】
本発明は、両面に画像形成する画像の位置合わせをする場合に、ユーザ画像領域が狭くなるのを防ぐこと目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明の一態様である、画像読取装置は、
記録媒体の両面に画像形成を行う画像形成部と、
前記記録媒体の形状を検出する検出部と、
前記形状に基づき、前記両面のうち第1面に画像形成する第1画像の位置に対し、前記両面のうち第2面に画像形成する第2画像を補正する補正部と
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、両面に画像形成する画像の位置合わせをする場合に、ユーザ画像領域が狭くなるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】第1実施形態における全体処理例を示す図である。
【
図5】姿勢を規制する機構の構成例を示す図である。
【
図10】反転後の用紙の姿勢を規制した例を示す図である。
【
図11】補正、及び、第2画像を第2面に画像形成した例を示す図である。
【
図12】第2実施形態における全体処理例を示す図である。
【
図13】第3実施形態における全体処理例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付する図面を参照し、具体例を説明する。なお、実施形態は、以下に説明する具体例に限られない。また、以下の説明は、記録媒体を用紙とする例で説明する。
【0010】
[第1実施形態]
[全体構成例]
図1は、画像形成装置の全体構成例を示す図である。以下、記録媒体の搬送方向を「Y方向」とする。また、搬送方向に対し、直交する方向を「X方向」とする。さらに、X-Y面に対し、垂直となる方向を「Z方向」とする。
【0011】
画像形成装置1は、ブラック感光体12K、シアン感光体12C、マゼンタ感光体12M、及び、イエロー感光体12Yを有する。各々の感光体は、搬送ベルト11に対してトナーを塗布する。
【0012】
搬送ベルト11は、用紙Mに中間転写画像を転写する。
【0013】
給紙トレイ13は、用紙Mを印刷装置310に給紙する。そして、用紙Mは、搬送路R上を通り、転写ローラ14へ搬送される。そして、転写ローラ14は、搬送ベルト11上の中間転写画像を用紙Mに転写する。
【0014】
定着ローラ15は、用紙Mに画像を定着させる。
【0015】
読取装置401は、用紙Mに形成される画像を読み取る。例えば、読取装置401は、光センサ等である。
【0016】
読取装置401は、用紙M上の形成された位置検知マーク等の画像を光学的に読み取る。
【0017】
図2は、読取装置の構成例を示す図である。また、
図2は、機械的な構成の要部を示す図である。
【0018】
読取装置401は、照明光源91と、対向部材93と、コンタクトガラス94と、支持部材95とを有する。
【0019】
照明光源91は、用紙Mに対し、画像が形成された面側に配置する。そして、照明光源91は、搬送路Rにおいて、用紙Mに形成された画像をセンサが読み取る読取位置に対して光を当てる。
【0020】
読取装置401は、反射鏡、結像レンズ、及び、撮像素子を有するイメージセンサ等の光学部品を有する。又は、読取装置401は、撮像素子が配列されたラインセンサ等でもよい。読取装置401は、撮像素子によって、用紙Mに形成された画像を読み取る。
【0021】
対向部材93には、外周面931a、932a、933a、及び、934aがある。また、対向部材93は、用紙Mに対し、画像が形成された面側の裏側に配置する。ほかにも、対向部材93は、ローラがローラブラケットによって回転可能に保持されて構成される。そして、ローラは、凸状に湾曲した基準面となる外周面931a、932a、933a、及び、934aを有する。また、ローラは、回転可能な回転体であって、ローラブラケットとは独立して回転する。さらに、外周面931a、932a、933a、及び、934aは、コンタクトガラス94に対向する位置に配置する。
【0022】
読取位置は、コンタクトガラス94に最も近い位置となる。また、コンタクトガラス94は、光透過部材である。そして、コンタクトガラス94は、用紙Mに対し、画像が形成された面側に配置する。
【0023】
支持部材95には、照明光源91、及び、読取装置401を固定する。
【0024】
搬送路Rの上流には、読取装置401は、第1搬送ローラ96を配置する。一方で、搬送路Rの下流には、読取装置401は、第2搬送ローラ97を配置する。
【0025】
用紙Mを搬送すると、読取装置401は、コンタクトガラス94を通して、矢印940側から画像を読み取る。また、ローラは、用紙Mの搬送と連動して回転する。
【0026】
なお、読取装置401は、上記以外の構成であってもよい。
【0027】
図1において両面に画像形成を行う場合、用紙Mは、分岐17で搬送される方向が異なる。具体的には、両面の画像形成が完了した場合には、用紙Mは、分岐17を排出トレイ500へ進む(図において、上方向である。)ように搬送される。
【0028】
一方で、第1面に画像形成が完了した後、第2面に画像形成を行う場合には、用紙Mは、分岐17を反転パス16へ進む(図において、下方向である。)ように搬送される。その後、用紙Mは、反転パス16から印刷装置310へ搬送される。
【0029】
また、画像形成装置1は、Central Processing Unit(以下「CPU21」という。)、及び、記憶装置22を有する。
【0030】
CPU21は、演算装置、及び、制御装置の例である。
【0031】
記憶装置22は、Random Access Memory(RAM)、Read Only Memory(ROM)、補助記憶装置、又は、これらの組み合わせ等である。
【0032】
画像形成装置1は、CPU21、及び、記憶装置22を協働させて処理を実行する。なお、画像形成装置1は、補助装置、入力装置、及び、出力装置を更に有してもよい。また、演算装置、制御装置、記憶装置、入力装置、及び、出力装置は、1つでなく、複数あってもよい。
【0033】
[全体処理例]
図3は、第1実施形態における全体処理例を示す図である。
【0034】
ステップS0301では、画像形成装置1は、用紙Mを給紙する。
【0035】
図4は、用紙の例を示す図である。以下、図示するような用紙Mの形状(以下単に「形状」という場合がある。)、及び、図示するような姿勢で用紙Mが搬送されるとする。
【0036】
図4において、基準を「基準線40」で示す。基準線40は、すでに説明したX方向の軸線(X軸)に対し、平行の仮想線である。そして、
図4に示す状態、すなわち、用紙Mの姿勢を規制する前の状態は、用紙Mの先端となる辺(
図4において、第1辺41である。)が基準線40に対し、傾きθがある状態である。すなわち、
図4に示す状態は、傾きθが「0°」でなく、第1辺41が基準線40に対して傾いた状態である。
【0037】
ステップS0302では、画像形成装置1は、用紙Mの姿勢を規制するのが望ましい。具体的には、画像形成装置1は、用紙Mの姿勢を以下のような機構を用いて規制する。
【0038】
図5は、姿勢を規制する機構の構成例を示す図である。なお、
図5(a)は、平面図である。また、
図5(b)は、側面図である。以下、姿勢を規制する機構を有する装置を「搬送装置30」という。
【0039】
用紙Mの位置は、複数のコンタクト・イメージ・センサ(Contact Image Sensor、以下「CIS」という。)で検知する。
【0040】
CISは、Light Emitting Diode(LED、発光ダイオード)を光源とする装置である。そして、CISは、レンズを介して受光するリニアセンサであって、用紙Mに形成されている画像を読み取るセンサである。
【0041】
以下、搬送路Rにおいて上流(
図5において右側である。)から順に、搬送装置30が有する4つのCISを「第1CIS100」、「第2CIS101」、「第3CIS102」、及び、「第4CIS103」という。
【0042】
第1CIS100、及び、第2CIS101は、挟持ローラ対31より上流に位置する。一方で、第1CIS100、及び、第2CIS101は、搬送ローラ対35よりも下流に位置する。
【0043】
第3CIS102、及び、第4CIS103は、挟持ローラ対31より下流に位置する。一方で、第3CIS102、及び、第4CIS103は、タイミングローラ対32よりも上流に位置する。
【0044】
第1CIS100、第2CIS101、第3CIS102、及び、第4CIS103は、用紙Mの幅方向、すなわち、X軸に対して平行に設置する。また、第1CIS100、第2CIS101、第3CIS102、及び、第4CIS103は、搬送方向、すなわち、Y軸において、相対位置、及び、挟持ローラ対31との位置関係が事前に設定される。
【0045】
第1CIS100、第2CIS101、第3CIS102、及び、第4CIS103は、第1辺41、又は、第2辺42等のエッジを検知する。
【0046】
なお、センサは、CISに限られず、形状、又は、用紙Mの辺を検知できれば、他の種類でもよい。
【0047】
挟持ローラ対31は、用紙Mの姿勢を規制する。具体的には、挟持ローラ対31は、幅方向において用紙Mの位置ずれを規制する。
図5に示す例では、幅方向における用紙Mの位置ずれは、「ずれ量α」である。
【0048】
さらに、挟持ローラ対31は、搬送方向に対する用紙Mの斜め角を規制する。
図5に示す例では、搬送方向に対する用紙Mの斜め角は、「角度β」である。
【0049】
角度βを規制するため、挟持ローラ対31は、軸104aを中心にして、Y-X平面において回転する。
図5に示す例では、挟持ローラ対31は、回転方向Wに回転する。なお、回転の軸は、
図5においては挟持ローラ対31のX方向の長さの中間に位置するが、用紙Mの姿勢を規制できれば他の位置でもよい。さらに、ずれ量αを規制するため、挟持ローラ対31は、幅方向に移動する。
図5に示す例では、挟持ローラ対31は、移動方向Sに移動する。
【0050】
なお、用紙Mの姿勢を規制する機構は、
図5に示す構成、及び、自由度に限られない。すなわち、機構は、用紙Mを移動、及び、回転させて姿勢を規制できれば他の構成でもよい。例えば、機構は、用紙Mを搬送方向に平行に維持するような機構でもよい。
【0051】
図6は、姿勢を規制した例を示す図である。
図4と比較すると、
図6では、用紙Mは、第1辺41が基準線40と一致するように姿勢が規制された点が異なる。
【0052】
なお、姿勢をどのように規制するかは、事前に設定される。
【0053】
ステップS0303では、画像形成装置1は、第1面に画像形成を行う。例えば、画像形成装置1は、第1面に対して以下のように、画像(以下、第1面に画像形成する画像を「第1画像IMG1」という。)を用紙Mに形成する。
【0054】
図7は、第1面に画像形成を行う例を示す図である。以下、
図7に示すように、第1画像IMG1は、基準線40に対し、一辺が平行になるように形成する例で説明する。具体的には、第1画像IMG1が有する4つの辺のうち、先端に位置する辺(以下「第2辺42」という。)が、基準線40に対して平行である。
【0055】
以下、第2面に形成する画像を「第2画像IMG2」という。
【0056】
ユーザ画像領域は、第1画像IMG1、及び、第2画像IMG2の画像形成をユーザが指示できる用紙M上の領域である。まず、ユーザが画像形成するように指示する画像、すなわち、第1画像IMG1、及び、第2画像IMG2は、画像データ等の形式で画像形成装置1に事前に入力する。
【0057】
例えば、ユーザ画像領域は、用紙Mの全体領域から、マークの形成、及び、後処理に用いる領域(例えば、パンチ処理等を行う場合に用いる領域等である。)等を除くと定まる領域である。したがって、ユーザ画像領域を広く確保できると、画像を用紙M上に大きく画像形成できる。
【0058】
ステップS0304では、画像形成装置1は、形状を検出する。
【0059】
図8は、形状の検出例を示す図である。形状は、以下のように、四隅の位置(
図8は、四隅を「点43」で示す。)を検出すると定まる。
【0060】
なお、形状は、四隅の位置以外で検出されてもよい。例えば、形状は、用紙Mを構成する四辺を特定して検出してもよい。
【0061】
また、形状の検出は、第1画像IMG1を用紙Mに定着させた後が望ましい。定着は、用紙Mに熱を加える。ゆえに、定着で発生する熱によって、用紙Mは、水分が減少してサイズが縮小する場合が多い。
【0062】
ステップS0305では、画像形成装置1は、用紙Mを反転し、第2面で給紙する。
図8に示す状態の用紙M、すなわち、第1面に画像形成した用紙Mを反転させると、用紙Mは、以下のような状態となる。
【0063】
したがって、形状の検出は、定着、すなわち、形状の変化があった後で行うのが望ましい。
図1に示すように、読取装置401が定着ローラ15より下流に設置されると、画像形成装置1は、定着後に形状を検出できる。このように、定着による変化があった後のタイミングで形状の検出を行うと、精度良く位置合わせができる。
【0064】
図9は、用紙を反転させた例を示す図である。
図8と比較すると、用紙MがX軸を中心に反転(すなわち、左右反転である。)した状態である点が異なる。ゆえに、用紙Mは、
図6では、搬送方向における後端に相当する辺(
図9において、第3辺44である。)が、搬送方向における先端に相当する辺になって給紙される。また、第1画像IMG1は、反転により裏面側に形成された状態になっている。
【0065】
ステップS0306では、画像形成装置1は、反転した用紙Mの姿勢を規制するのが望ましい。
【0066】
図10は、反転後の用紙の姿勢を規制した例を示す図である。
図6と比較すると、反転後は、第3辺44を基準線40と一致するように姿勢を規制する点が異なる。
【0067】
ステップS0307では、画像形成装置1は、第2面形状、すなわち、第1面から第2面に用紙Mを反転させた場合の形状を計算する。
【0068】
ステップS0308では、画像形成装置1は、第2面に画像形成を行う位置を計算する。
【0069】
ステップS0309では、画像形成装置1は、第2画像IMG2を補正する。
【0070】
ステップS0310では、画像形成装置1は、補正した第2画像IMG2を第2面に画像形成する。ステップS0309、及び、ステップS0310の処理結果は、以下のようになる。
【0071】
図11は、補正、及び、第2画像を第2面に画像形成した例を示す図である。図示するように、第2画像IMG2は、第1画像IMG1の裏側に位置するように補正して画像形成される。
【0072】
図11に示す例は、第2画像IMG2を第1画像IMG1の裏面に合うように、第2画像IMG2を傾ける補正である。
【0073】
なお、補正は、
図11に示す処理に限られない。補正は、第1画像と第2画像が画像形成される位置が両面で一致するように、第2画像を変える処理であればよい。具体的には、補正は、画像(画像の一部を対象としてもよい。)の変形、倍率変更、回転、移動、又は、これらの組み合わせとなる処理等でもよい。
【0074】
形状が検出できると、画像形成装置1は、第2画像IMG2を第1画像IMG1の裏面に精度良く位置合わせできる。具体的には、形状が検出できると、画像形成装置1は、用紙Mが、第3辺44が基準線40に対して、傾斜γがある形状等を把握できる。そして、
図9に示すような形状であると、用紙Mの姿勢を
図10に示すように規制すると、用紙Mが傾斜γ分、回転する。
【0075】
このような回転は、傾斜γに基づいて計算できる(ステップS0308)。ゆえに、画像形成装置1は、傾斜γに合わせて第2画像IMG2を補正できる。
【0076】
なお、
図3は、ステップS0305及びステップS0306と、ステップS0307乃至ステップS0309とを並列で処理する例を示すが、これらの処理は並列でなくともよい。すなわち、ステップS0305及びステップS0306と、ステップS0307乃至ステップS0309とは、どちらかを先に行って順に行うでもよい。
【0077】
[第2実施形態]
第2実施形態は、第1実施形態と比較すると、以下のように、全体処理が異なる。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、重複する説明を省略する。
【0078】
図12は、第2実施形態における全体処理例を示す図である。第1実施形態と比較すると、ステップS1201が加わる点が異なる。
【0079】
ステップS1201では、画像形成装置1は、補正量を入力する。補正量は、ユーザが指示する画像を形成する位置等である。例えば、補正量は、事前にユーザが設定する。したがって、補正量は、入力装置により、ユーザが操作して入力される。
【0080】
なお、ステップS1201は、
図12に示すタイミング以外であってもよい。例えば、ステップS1201は、他の処理と並列に行う等のタイミングでもよい。
【0081】
補正は、補正量、及び、形状の検出結果に基づいて行う。具体的には、用紙Mが含む水分量が多い場合、又は、低速運転等の特殊なモードでは、形状の変形が激しく起きる場合があるため、位置合わせの精度が悪くなる場合がある。また、ユーザは、ユーザの好み等により、第1画像IMG1の裏面以外の位置に、第2画像IMG2を画像形成させる設定にしたい場合もある。このように、ユーザは、第2画像IMG2を画像形成させたい位置等を補正量として画像形成装置1に入力する(ステップS1201)。
【0082】
そして、画像形成装置1は、補正量が示す位置に第2画像IMG2を画像形成するように、第2画像IMG2を補正する(ステップS0309)。このように、補正量が入力できると、画像形成装置1は、ユーザの好み等に合わせて第2画像IMG2を画像形成できる。
【0083】
[第3実施形態]
第3実施形態は、第1実施形態と比較すると、以下のように、全体処理が異なる。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、重複する説明を省略する。
【0084】
図13は、第3実施形態における全体処理例を示す図である。第1実施形態と比較すると、ステップS1301が加わる点が異なる。
【0085】
ステップS1301では、画像形成装置1は、マークを検出する。
【0086】
マークは、事前に用紙Mに形成される。したがって、画像形成装置1は、マークの形状等を把握しているため、マークが形成されていると、マークの位置を検出できる。
【0087】
そして、画像形成装置1は、マークの検出結果も考慮して、第2画像IMG2を補正する(ステップS0309)。このように、マークも用いると、画像形成装置1は、両面に画像形成する画像の位置合わせをより精度よくできる。
【0088】
[機能構成例]
図14は、機能構成例を示す図である。画像形成装置1は、画像形成部1F1、検出部1F2、及び、補正部1F3を備える。また、画像形成装置1は、定着部1F4、補正量入力部1F5、搬送部1F6、規制部1F7、及び、反転部1F8を更に備えるのが望ましい。
【0089】
画像形成部1F1は、用紙Mの両面に画像形成を行う画像形成手順を行う。例えば、画像形成部1F1は、印刷装置310等で実現する。
【0090】
検出部1F2は、用紙Mの形状を検出する検出手順を行う。例えば、検出部1F2は、読取装置401等で実現する。
【0091】
補正部1F3は、形状に基づき、第1画像IMG1に対し、第2画像IMG2を補正する補正手順を行う。例えば、補正部1F3は、CPU21等で実現する。
【0092】
定着部1F4は、第1画像IMG1を用紙Mに定着させる定着手順を行う。例えば、定着部1F4は、定着ローラ15等で実現する。
【0093】
補正量入力部1F5は、補正量を入力する補正量入力手順を行う。例えば、補正量入力部1F5は、入力装置等で実現する。
【0094】
搬送部1F6は、用紙Mを搬送する搬送手順を行う。例えば、搬送部1F6は、搬送ローラ等で実現する。
【0095】
規制部1F7は、用紙Mの姿勢を規制する規制手順を行う。例えば、規制部1F7は、挟持ローラ対31等で実現する。
【0096】
反転部1F8は、第1面と第2面を反転させる反転手順を行う。例えば、反転部1F8は、反転パス16等で実現する。
【0097】
画像形成装置1は、両面に画像形成を行う場合において、まず、検出部1F2で形状を検出する。このように、形状が検出できると、画像形成装置1は、形状の検出結果に基づき、第1画像IMG1に合わせて、第2画像IMG2を補正できる。すなわち、従来技術における検出マーク等を用いなくとも、画像形成装置1は、両面に画像形成する画像の位置合わせができる。そのため、検出マーク等を形成する領域を不要とし、ユーザ画像領域が狭くなるのを防ぐことができる。
【0098】
[その他の実施形態]
画像形成装置は、上記のような構成に限られない。例えば、画像形成装置は、上記に示す以外の装置を有してもよい。また、各々の装置の配置等は、上記に説明した以外の配置であってもよい。
【0099】
記録媒体は、例えば、用紙(「普通紙」等ともいう。)以外でもよい。例えば、記録媒体は、コート紙、ラベル紙等の他、オーバヘッドプロジェクタシート、フィルム、又は、可撓性を持つ薄板等でもよい。すなわち、記録媒体の素材は、トナー、又は、インク滴が付着可能、一時的に付着可能、付着して固着、又は、付着して浸透する材質等であればよい。具体的には、記録媒体は、用紙、フィルム、若しくは、布等の被記録媒体、電子基板、圧電素子(「圧電部材」等ともいう。)等の電子部品、粉体層(「粉末層」等ともいう。)、臓器モデル、又は、検査用セル等である。このように、記録媒体の材質は、液体が付着可能であって、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス、又は、これらの組み合わせ等であればよい。
【0100】
装置は、複数の装置であってもよい。すなわち、各装置は、複数の装置で分散、冗長、又は、並列に処理を行う構成等でもよい。一方で、各装置は、一体であってもよい。すなわち、上記に説明した複数の装置が1台の装置で実現されてもよい。
【0101】
上記のような画像形成方法は、画像形成プログラムによって実現されてもよい。すなわち、画像形成プログラムは、コンピュータが備える演算装置、制御装置、及び、記憶装置等の装置を協働して動作させて、画像形成方法を実現する。また、画像形成プログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体、又は、電気通信回線等を介して配布されてもよい。
【0102】
上記の実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者であれば、開示した内容から様々な変形例を実現することが可能である。そのような変形例も、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0103】
1 :画像形成装置
1F1 :画像形成部
1F2 :検出部
1F3 :補正部
1F4 :定着部
1F5 :補正量入力部
1F6 :搬送部
1F7 :規制部
1F8 :反転部
31 :挟持ローラ対
35 :搬送ローラ対
310 :印刷装置
401 :読取装置
IMG1 :第1画像
IMG2 :第2画像
M :用紙
【先行技術文献】
【特許文献】
【0104】