(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023058829
(43)【公開日】2023-04-26
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20230419BHJP
【FI】
G03G15/08 229
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021168576
(22)【出願日】2021-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100117215
【弁理士】
【氏名又は名称】北島 有二
(72)【発明者】
【氏名】長島 弘恭
(72)【発明者】
【氏名】渡部 正洋
(72)【発明者】
【氏名】黒川 篤
(72)【発明者】
【氏名】小川 誠也
【テーマコード(参考)】
2H077
【Fターム(参考)】
2H077AB02
2H077AC02
2H077AD02
2H077AD06
2H077AD13
2H077DA24
2H077DA42
2H077DA59
2H077DB10
2H077GA03
(57)【要約】
【課題】現像領域の近傍で飛散するトナーを効率的に検知する。
【解決手段】感光体ドラム21(像担持体)と、内部にトナーが収容されて所定の回転方向に回転して感光体ドラム21に対向(又は、接触)する現像領域で感光体ドラム21の表面に形成される潜像を現像する現像ローラ26a(現像剤担持体)を具備した現像装置26と、が設けられている。また、現像領域の近傍であって現像ローラ26aの回転方向に直交する幅方向の端部で、飛散したトナーを検知する検知装置40がさらに設けられている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体と、
内部にトナーが収容されて、所定の回転方向に回転して前記像担持体に対向又は接触する現像領域で前記像担持体の表面に形成される潜像を現像する現像剤担持体を具備した現像装置と、
前記現像領域の近傍であって前記回転方向に直交する幅方向の端部で、飛散したトナーを検知する検知装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記検知装置は、複数の電極からなる電極対と、前記電極対における電極と電極との間の静電容量を測定する測定部と、を具備したことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記現像装置は、前記現像領域に対して前記回転方向の下流側で前記現像剤担持体の上方を覆う現像ケースを具備し、
前記電極対は、前記現像領域の近傍において前記現像ケースの上面に対向する位置であって、前記幅方向の端部における画像領域外に配置されたことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記電極対は、前記幅方向の一端側にのみ配置されたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記現像装置は、画像形成装置本体に対して、前記幅方向の一端側を装着方向奥側として着脱可能に設置されることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記現像装置は、前記現像領域に対して前記回転方向の下流側で前記現像剤担持体の表面に担持された現像剤に摺接するように、前記現像ケースに設置された可撓性シート部材を具備し、
前記可撓性シート部材は、前記幅方向の一端側におけるシール性が、他端側におけるシール性に比べて低くなるように形成されたことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記電極対は、前記現像装置に設置されて、画像形成装置本体に設置された前記測定部に対して電気的に接離可能に形成されたことを特徴とする請求項2~請求項6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記検知装置は、前記現像装置が着脱可能に設置される画像形成装置本体に設置されたことを特徴とする請求項1~請求項6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記検知装置によって飛散したトナー量が所定値を超えた状態が検知された場合に、前記現像装置のメンテナンスを促す旨の報知がされることを特徴とする請求項1~請求項8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
少なくとも前記像担持体と前記現像装置とがプロセスカートリッジとして一体化されたことを特徴とする請求項1~請求項9のいずれかに記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置に設置される現像装置において、現像装置からのトナー飛散を検知するトナー飛散検知センサを、現像装置の下方に設置する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
詳しくは、特許文献1における現像装置は、トナー飛散検知センサが、現像領域の下流側であって、現像ケースの下方に設置されている。そして、トナー飛散検知センサによって、現像装置からのトナー飛散が光学的に検知される。
【0004】
一方、特許文献2には、現像装置の内部のトナー残量を静電容量として検知する電極を、現像装置の内部に設置する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の技術は、現像領域の近傍で飛散するトナーを効率的に検知することができなかった。そのため、トナー飛散による画像不良などが生じてしまっていた。
【0006】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、現像領域の近傍で飛散するトナーが効率的に検知される、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明における画像形成装置は、像担持体と、内部にトナーが収容されて、所定の回転方向に回転して前記像担持体に対向又は接触する現像領域で前記像担持体の表面に形成される潜像を現像する現像剤担持体を具備した現像装置と、前記現像領域の近傍であって前記回転方向に直交する幅方向の端部で、飛散したトナーを検知する検知装置と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、現像領域の近傍で飛散するトナーが効率的に検知される、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。
【
図6】画像形成装置本体に現像装置が装着される状態を示す概略図である。
【
図7】変形例としての現像装置における、(A)幅方向一端側を示す図と、(B)それ以外の幅方向の位置を示す図と、である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0011】
まず、
図1にて、画像形成装置1における全体の構成・動作について説明する。
本実施の形態における画像形成装置1は、複数のプロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKが中間転写ベルト8に対向するように並設されたタンデム型のカラー画像形成装置である。また、複数のプロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKの感光体ドラム21に対向するように現像装置26(
図2参照)が設置されている。
【0012】
図1において、1は画像形成装置としてのカラー複写機の装置本体、2は原稿を原稿読込部3に搬送する原稿搬送部、3は原稿の画像情報を読み込む原稿読込部、4は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部(露光部)、を示す。
また、20Y、20M、20C、20BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応したプロセスカートリッジ、40は複数色のトナー像が重ねて転写される中間転写ベルト、を示す。
また、61は用紙等のシートPが収納される給紙装置、65は中間転写ベルト8上に形成されたトナー像をシートPに転写する2次転写ローラ、66はシートP上の未定着画像を定着する定着装置、を示す。
また、70は複数のプロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKに対応した各現像装置26に各色のトナーを補給するためのトナー容器、80はクリーニング装置23(
図2参照)や中間転写ベルトクリーニング装置81で回収された未転写トナーが廃トナーとして回収される廃トナー回収容器、を示す。
また、100は印刷(画像形成動作)に関わる種々の指令を入力したり画像形成装置1における種々の情報が表示されたりするための操作表示パネルを示す。
【0013】
ここで、
図2をも参照して、各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKは、それぞれ、像担持体としての感光体ドラム21、帯電装置22、クリーニング装置23、が一体化されたものである。そして、各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKは、寿命に達したときに画像形成装置本体1から取り外されて、新品のものに交換される。
また、各現像装置26は、各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKの感光体ドラム21にそれぞれ対向するように設置されている。そして、現像装置26は、寿命に達したときに画像形成装置本体1から取り外されて、新品のものに交換される。なお、画像形成装置本体1に対する現像装置26の着脱操作と、画像形成装置本体1に対するプロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKの着脱操作と、はそれぞれ別々に独立しておこなうことができる。
各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKにおける感光体ドラム21(像担持体)上では、それぞれ、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される。
【0014】
以下、画像形成装置における、通常のカラー画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿は、原稿搬送部2の搬送ローラによって、原稿台から搬送されて、原稿読込部3のコンタクトガラス上に載置される。そして、原稿読込部3で、コンタクトガラス上に載置された原稿の画像情報が光学的に読み取られる。
そして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み部4に送信される。そして、書込み部4からは、各色の画像情報に基づいたレーザ光L(露光光)が、それぞれ、対応するプロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKの感光体ドラム21(
図2参照)の表面に向けて照射される。
【0015】
一方、4つの感光体ドラム21は、それぞれ、
図1、
図2の時計方向に回転している。そして、まず、感光体ドラム21の表面は、帯電装置22(帯電ローラ)との対向位置で、一様に帯電される(帯電工程である。)。こうして、感光体ドラム21上には、帯電電位が形成される。その後、帯電された感光体ドラム21の表面は、それぞれの書込み部4によるレーザ光の照射位置に達して、その位置で画像情報に基づいた静電潜像が形成される(露光工程である。)。
【0016】
イエロー成分に対応したレーザ光は、紙面左側から1番目のプロセスカートリッジ20Yの感光体ドラム21の表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザ光は、高速回転するポリゴンミラーにより、感光体ドラム21の回転軸方向(主走査方向)に走査される。こうして、帯電装置22にて帯電された後の感光体ドラム21上には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。
同様に、シアン成分のレーザ光は、紙面左から2番目のプロセスカートリッジ20Cの感光体ドラム21の表面に照射されて、シアン成分の静電潜像が形成される。マゼンタ成分に対応したレーザ光は、紙面左から3番目のプロセスカートリッジ20Mの感光体ドラム21の表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光は、紙面左から4番目のプロセスカートリッジ20BKの感光体ドラム21の表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
【0017】
その後、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム21の表面は、それぞれ、現像装置26との対向位置に達する。そして、各現像装置26から感光体ドラム21上に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム21上の潜像が現像される(現像工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム21の表面は、それぞれ、中間転写ベルト8との対向位置に達する。ここで、それぞれの対向位置には、中間転写ベルト8の内周面に当接するように1次転写ローラ24が設置されている。そして、1次転写ローラ24の位置で、中間転写ベルト8上に、感光体ドラム21上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(1次転写工程である。)。
【0018】
そして、1次転写工程後の感光体ドラム21の表面は、それぞれ、クリーニング装置23との対向位置に達する。そして、クリーニング装置23で、感光体ドラム21上に残存する未転写トナーが回収される(クリーニング工程である。)。なお、クリーニング装置23で回収された未転写トナーは、不図示の廃トナー搬送経路を通過して、廃トナー回収容器80内に回収される。
その後、感光体ドラム21の表面は、除電装置(不図示)の位置で残留電位が除電されて、感光体ドラム21における一連の作像プロセスが終了する。
【0019】
他方、感光体ドラム21上の各色の画像が重ねて転写された中間転写ベルト8の表面は、図中の矢印方向に走行して、2次転写ローラ65の位置に達する。そして、2次転写ローラ65の位置で、シートP上に中間転写ベルト8上のフルカラーの画像が2次転写される(2次転写工程である。)。
その後、中間転写ベルト8の表面は、中間転写ベルトクリーニング装置81の位置に達する。そして、中間転写ベルト8上の未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング装置81に回収されて、中間転写ベルト8上の一連の転写プロセスが完了する。
なお、中間転写ベルトクリーニング装置81で回収された未転写トナーは、不図示の廃トナー搬送経路を通過して、廃トナー回収容器80内に回収される。
【0020】
ここで、2次転写ローラ65の位置に搬送されるシートPは、給紙装置61からレジストローラ64等を経由して搬送されるものである。
詳しくは、シートPを収納する給紙装置61から、給紙ローラ62により給送されたシートPが、搬送路を通過した後に、レジストローラ64の位置に導かれる。レジストローラ64の位置に達したシートPは、中間転写ベルト8上のトナー像とタイミングを合わせて、2次転写ローラ65の位置に向けて搬送される。
【0021】
その後、フルカラー画像が転写されたシートPは、定着装置20の位置に導かれる。そして、定着装置20において、定着ローラと加圧ローラとのニップにて、カラー画像がシートP上に定着される。
そして、定着工程後のシートPは、排紙ローラ69によって装置本体1外に出力画像として排出された後に、排紙トレイ5上にスタックされて、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0022】
次に、
図2及び
図3にて、画像形成装置の作像部について詳述する。
なお、画像形成装置本体1に設置される4つの作像部は、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる以外はほぼ同一構造であるので、プロセスカートリッジや現像装置などの構成部材における符号のアルファベット(Y、M、C、BK)を除して図示する。
【0023】
図2に示すように、プロセスカートリッジ20は、主として、像担持体としての感光体ドラム21と、帯電装置22と、クリーニング装置23と、がケースに一体的に収納されている。
感光体ドラム21は、負帯電性の有機感光体であって、ドラム状導電性支持体上に感光層等を設けたものである。
帯電装置22は、導電性芯金の外周に中抵抗の弾性層を被覆してなる帯電ローラである。そして、この帯電装置22(帯電ローラ)に電源部から所定の電圧が印加されて、これにより対向する感光体ドラム21の表面を一様に帯電する。
クリーニング装置23には、感光体ドラム21に当接するクリーニングブレード25a及びクリーニングローラ25bが設置されている。クリーニングブレード25aは、ウレタンゴム等のゴム材料からなり、感光体ドラム21表面に所定角度かつ所定圧力で当接している。クリーニングローラ25bは、芯金上にブラシ毛が周設されたブラシローラである。
【0024】
図2、
図3に示すように、現像装置26は、主として、現像剤担持体としての現像ローラ26a、現像ローラ26aに対向する第1搬送スクリュ26b1(第1搬送部材)、仕切部材26eを介して第1搬送スクリュ26b1に対向する第2搬送スクリュ26b2(第2搬送部材)、現像ローラ26aに対向して現像ローラ26a上に担持された現像剤の量を規制するドクターブレード26c(現像剤規制部材)、装置の内圧上昇を軽減するためのフィルタ26t(及び、開口部26j1)、トナー飛散を検知するための電極対26r、等で構成される。
【0025】
現像装置26内には、キャリアとトナーとからなる現像剤(2成分現像剤)が収容されている。
現像ローラ26aは、感光体ドラム21に対して微小なギャップをあけて対向して現像領域を形成するように構成されている。現像ローラ26aは、
図3に示すように、内部に固設されてローラ外周面上に複数の極(磁極)を形成するマグネット26a1と、マグネット26a1の周囲を回転するスリーブ26a2と、で構成される。
【0026】
搬送部材としての搬送スクリュ26b1、26b2は、現像装置26の内部に収容された現像剤を長手方向に搬送して循環経路(
図3にて破線矢印で示す循環経路である。)を形成する。すなわち、第1搬送スクリュ26b1による第1搬送経路B1と、第2搬送スクリュ26b2による第2搬送経路B2と、による現像剤の循環経路が形成されている。
第1搬送経路B1と第2搬送経路B2とは仕切部材26e(壁部)によって隔絶されていて、2つの搬送経路B1、B2の長手方向両端部は互いに連通口26f、26gを介して連通している。具体的に、
図3を参照して、第1搬送経路B1の搬送方向上流側の端部と、第2搬送経路B2の搬送方向下流側の端部と、が第1連通口26fを介して連通している。また、第1搬送経路B1の搬送方向下流側の端部と、第2搬送経路B2の搬送方向上流側の端部と、が第2連通口26gを介して連通している。すなわち、仕切部材26eは、長手方向両端部を除く位置に配設されている。
第1搬送スクリュ26b1(第1搬送経路B1)は現像ローラ26aに対向するように配設され、第2搬送スクリュ26b2(第2搬送経路B2)は仕切部材26eを介して第1搬送スクリュ26b1(第1搬送経路B1)に対向するように配設されている。第1搬送スクリュ26b1は、現像剤を幅方向(
図2の紙面垂直方向、
図3の左右方向であって、長手方向である。)に搬送しながら、現像ローラ26aに向けて現像剤を供給するとともに、現像ローラ26aから離脱した現像工程後の現像剤を回収する。第2搬送スクリュ26b2は、第1搬送経路B1から搬送された現像工程後の現像剤と、補給口26dから補給されたフレッシュなトナーと、を幅方向に搬送しながら撹拌・混合する。
本実施の形態において、2つの搬送スクリュ26b1、26b2は、水平方向に並設されている。2つの搬送スクリュ26b1、26b2は、いずれも、回転軸にスクリュ部が巻装されたものである。
【0027】
先に述べた作像プロセスを、現像工程を中心にしてさらに詳しく説明する。
現像ローラ26aは、所定の回転方向(
図2中の矢印方向である。)に回転している。現像装置26内の現像剤は、
図3に示すように、間に仕切部材26eを介在するように配設された第1搬送スクリュ26b1及び第2搬送スクリュ26b2の矢印方向の回転によって、トナー容器70からトナー補給経路を経て補給口26dから補給されたトナーとともに撹拌混合されながら長手方向に循環する(
図3中の破線矢印方向の循環である。)。
そして、摩擦帯電してキャリアに吸着したトナーは、現像ローラ26a上に形成された剤汲上げ極によって、キャリアとともに現像ローラ26a上に汲み上げられる。現像ローラ26a上に担持された現像剤は、
図2中の矢印方向に搬送されて、ドクターブレード26cとの対向位置に達する。そして、現像ローラ26a上の現像剤は、この位置で現像剤量が適量化された後に、感光体ドラム21との対向位置(現像領域である。)まで搬送される。そして、現像領域に形成された電界によって、感光体ドラム21上に形成された潜像にトナーが吸着される。その後、現像ローラ26a上に残った現像剤はスリーブの回転にともない第1搬送経路B1の上方に達して、この位置で現像ローラ26aから離脱される。ここで、現像領域における電界は、現像用の電源によって現像ローラ26aに印加される所定の電圧(現像バイアス)と、帯電工程と露光工程とによって感光体ドラム21の表面に形成される表面電位(潜像電位)と、によって形成されるものである。
【0028】
なお、トナー容器70内のトナーは、現像装置26内のトナーの消費にともない、トナー補給経路(不図示)を経由して補給口26dから現像装置26内に適宜に補給されるものである。現像装置26内のトナーの消費は、現像装置26内の現像剤のトナー濃度(現像剤中のトナーの割合である。)を磁気的に検知するトナー濃度センサ(不図示)によって検知される。
また、補給口26dは、第2搬送スクリュ26b2の長手方向(
図3の左右方向である。)の一端であって、第2搬送スクリュ26b2(第2搬送経路B2)の上方に設けられている。
【0029】
図2を参照して、本実施の形態における現像装置26は、装置内と装置外とを連通させる開口部26j1にフィルタ26tが設置されている。
詳しくは、現像装置26には、現像ケース(ハウジング)として機能する現像上ケース26jと現像下ケース26kとが着脱可能に設けられている。
現像下ケース26kは、現像ローラ26aや搬送スクリュ26b1、26b2をそれぞれ回転可能に保持するとともに、ドクターブレード26cを保持している。
現像上ケース26jは、現像領域に対して現像ローラ26aの回転方向の下流側で現像ローラ26aの上方を覆う現像ケースとして機能している。現像上ケース26jは、現像装置26の上方を覆うように、現像下ケース26kに接続されている。現像上ケース26jには、内外に貫通する開口部26j1(通気路)が形成されている。そして、その開口部26j1を塞ぐようにフィルタ26tが設けられている。フィルタ26tは、トナー(及び、キャリア)を捕集して通気するためのものである。フィルタ26tは、トナーやキャリアの粒径よりも小さなメッシュからなり、空気のみが通過できるように形成されている。
【0030】
ここで、現像領域の下流側における現像ローラ26aと現像上ケース26jとのギャップH(ケーシングギャップ)は、0.6~1.0mmの範囲内になるように設定されている。
ケーシングギャップHが0.6mmより小さくなってしまうと、現像ローラ26aに担持された現像工程後の現像剤が、現像ローラ26aと現像ケース26jとのギャップHにスムーズに搬送されずに、そこから溢れて現像装置26の外部に漏出してしまいやすくなる。
これに対して、ケーシングギャップHが1.0mmより大きくなってしまうと、現像ローラ26aに担持された現像剤が現像ケース26jの内周面に摺接しにくくなって、ポンプ作用による現像装置26の内部に向けての吸込み気流が形成されにくくなり、現像装置26からのトナー飛散(現像領域の周囲へのトナー飛散である。)が生じやすくなってしまう。
ケーシングギャップHを適正な範囲に維持することで、現像剤の漏出やトナー飛散を軽減することができる。
さらに、上述したケーシングギャップHにおける吸込み気流(
図4の白矢印方向の気流である。)によって、現像装置26の内圧は高まる傾向にあり、内圧が高まってしまうと現像装置26の隙間からトナー飛散が生じてしまうことになる。これに対して、本実施の形態では、フィルタ26tが設置された開口部26j1が設けられているため、トナーを捕集して外部への飛散を防止しながら通気のみをおこなって、現像装置26の内圧の上昇を抑えている。すなわち、現像装置26の内圧の上昇によるトナー飛散を防止している。
【0031】
ここで、
図4を参照して、本実施の形態における現像装置26には、現像領域に対して現像ローラ26aの回転方向の下流側で現像ローラ26aの表面に担持された現像剤にトレーディング方向に摺接するように、可撓性シート部材26mが現像ケースとしての現像上ケース26jに設置されている。
詳しくは、可撓性シート部材26mは、厚さが0.1mm程度の略矩形のウレタンシートであって、現像ローラ26aの回転方向に沿うように現像ローラ26a(現像剤担持体)と現像上ケース26j(現像ケース)との隙間(ケーシングギャップW)に配置されている。
可撓性シート部材26mは、その一端側が、現像領域(現像ローラ26aが感光体ドラム21に対向する位置である。)に対して
図4の矢印で示す回転方向の下流側で現像上ケース26jに、固定端として保持されている。具体的に、本実施の形態では、可撓性シート部材26mの一端側が、両面テープなどによって現像上ケース26jの端面(感光体ドラム21に対向する端面である。)に貼着されている。また、可撓性シート部材26mの他端側は、自由端である。そして、可撓性シート部材26mは、現像ローラ26aに担持された現像剤Gに対して腹当りするように配置されている。
このように構成された可撓性シート部材26mを設けることで、現像ローラ26aと現像上ケース26jとの隙間に、安定した吸込み気流(
図4の白矢印を参照)が形成されて、その隙間からトナーが吹き出してしまう不具合(トナー飛散)が軽減されることになる。
【0032】
以下、本実施の形態において特徴的な、画像形成装置1の構成・動作について詳しく説明する。
先に
図2等を用いて説明したように、画像形成装置1には現像装置26が設置されている。そして、現像装置26には、内部にトナー(及び、キャリア)が収容されている。また、現像装置26には、所定の回転方向に回転して、像担持体としての感光体ドラム21に対向する現像領域で、感光体ドラム21の表面に形成される潜像を現像する現像剤担持体としての現像ローラ26aが設置されている。
【0033】
ここで、
図4等を参照して、本実施の形態における画像形成装置1には、飛散したトナー(現像領域の近傍であって、現像ローラ26aの回転方向に直交する幅方向の端部で飛散するトナーである。)を検知する検知装置40が設置されている。
詳しくは、
図4、
図5等を参照して、検知装置40は、電極対26r、測定部41、ハーネス26x、42、中継コネクタ45、などで構成された静電容量センサである。
【0034】
電極対26rは、複数の電極26r1、26r2(
図5参照)からなる略板状の部材である。
詳しくは、
図5に示すように、電極対26rは、銅、鉄などからなる略櫛歯状の2つの電極26r1、26r2が噛合うように配置されたものである。そして、この2つの電極26r1、26r2にそれぞれハーネス26x(2つの線が1つの線としてまとめられたものであって、電極26r1、26r2に接続される部分のみが分岐している。)が接続されている。
図4等に示すように、本実施の形態において、電極対26rは、現像領域の近傍において現像ケースとしての現像上ケース26jの上面に対向する位置に、隙間をあけて設置されている。なお、図示は省略するが、現像上ケース26jの幅方向端部には、電極対26rを保持する保持部が形成されている。
【0035】
測定部41は、電極対26rにおける電極26r1と電極と26r2の間の静電容量を測定する部材である。
詳しくは、測定部41は、ハーネス42が電気的に接続された制御基板上にマイコンなどが設けられている。本実施の形態において、測定部41は、現像装置26ではなくて、画像形成装置本体1に固定して設置されている(
図6(A)参照)。
そして、電極対26rで検知した静電容量の情報が、ハーネス26x、42(及び、中継コネクタ45)を介して、測定部41に入力されて、現像上ケース26j上に堆積するトナー(飛散トナー)の量が測定部41で測定される。
【0036】
検知装置40(静電容量センサ)は、電極対26rの検知範囲に空気がいるかトナーがいるかで静電容量が変化することを原理として、トナー飛散量(トナー堆積量)を検知するものである。
空気の比誘電率が1であるのに対して、トナー(例えば、ポリエステル樹脂主体のものである。)の比誘電率は3~4程度であり、静電容量(C=ε×S/D)の関係により静電容量値の差として、トナー飛散量の測定が可能である。
なお、電極26rは、本実施の形態の形状や材料のものに限定されることなく、トナー飛散量を検知可能なものであれば種々のものを用いることができる。
【0037】
このように、本実施の形態では、現像領域の近傍であって幅方向端部に飛散したトナーを検知可能な検知装置40を設けているため、現像領域の近傍で飛散するトナーを効率的に検知することができる。そのため、トナー飛散による画像不良や装置の故障などの不具合も生じにくくなる。
以下、詳しく説明する。
現像領域の近傍で飛散トナーは、最終的に特定箇所に堆積する。そのため、その特定箇所に堆積したトナー量を検知することで、画像不良や装置の故障などの不具合の発生を予め予測することが可能になる。この場合、検知する特定箇所は、上述した不具合が直接的に生じる箇所でなくても、その箇所のトナー堆積量の増加と相関が強い箇所であれば充分である。
具体的に、本実施の形態において、現像領域の近傍で飛散したトナーは、感光体ドラム21に対向する現像上ケース26jの端面に堆積して、その量がある程度多くなった段階で感光体ドラム21上に落下付着して、画像不良(トナー落ち画像)が生じてしまう。この場合、現像上ケース26jと感光体ドラム21との隙間は狭いため、現像上ケース26jの端面に対向するように電極対26rを配置するのは難しい。そのため、本実施の形態では、現像上ケース26jの端面に近くて、現像上ケース26jの端面におけるトナー堆積量と相関の強い、現像上ケース26jの上面の位置(
図4の位置である。)に電極対26rを設置して、上述した画像不良などの不具合が発生する程度のトナー堆積量(トナー飛散量)であるか否かを予測している。特に、幅方向端部は、幅方向中央部に比べて、先に説明したケーシングギャップHにおける吸い込み気流が弱かったり、可撓性シート部材26mによるシール性が弱かったりして、トナー飛散量が多くなるため、電極対26rを幅方向端部に設置することで、トナー飛散を効率的に検知することができる。
【0038】
ここで、本実施の形態において、電極対26rは、
図3に示すように、幅方向の端部(
図3の左方である。)における画像領域M外に配置されている。
すなわち、電極対26rは、画像領域Mの領域内ではなくて、画像領域Mの領域外(非画像領域)に配置されている。
「画像領域M」は、画像形成装置1において通紙可能な最大サイズのシートPに形成する画像に対応した画像形成可能な最大の範囲である。そのため、現像ローラ26aのマグネット26a1における上述した磁極による作用は、画像領域Mに比べて非画像領域が弱くなり、トナー飛散量が多くなる。したがって、電極対26rを非画像領域に設置することで、トナー飛散を効率的に検知することができる。
【0039】
また、本実施の形態において、電極対26rは、
図3に示すように、幅方向の一端側(
図3の左側である。)にのみ配置されている。
これにより、電極対26rを幅方向両端部にそれぞれ設置する場合に比べて、装置を低コスト化、軽量化することができる。
特に、本実施の形態において、電極対26rは、非駆動側ではなくて、駆動側(画像形成装置本体1から現像装置26に駆動が入力される側である。)に設けられている。現像装置26において、駆動側は非駆動側に比べて振動が大きくて、トナー飛散量が多くなるため、電極対26rを駆動側に設置することで、トナー飛散を効率的に検知することができる。
【0040】
ここで、本実施の形態において、現像装置26は、
図6(A)に示すように、画像形成装置本体1に対して、幅方向の一端側(
図6(A)の左側であって、電極対26rが設置された側である。)を装着方向奥側として着脱可能に設置される。
具体的に、画像形成装置本体1には、装着方向手前側に開閉カバー(不図示)が設置されている。そして、ユーザーは、その開閉カバーを開放して、画像形成装置本体1の内部を露呈した状態で、現像装置26を
図6の実線で示す位置から破線で示す位置に押し込んで、画像形成装置本体1への現像装置26の装着をおこなうことになる。なお、画像形成装置本体1から現像装置26を取り出すときには、上述した装着時の操作と逆の操作がおこなわれることになる。
このように構成することで、電極対26rが配置される幅方向一端側を、その他の幅方向の位置に比べて、敢えてトナー飛散が生じやすくなるように構成した場合であっても、ユーザーが現像装置26の取出し操作をおこなうときに、トナー飛散で汚れた部分を直接的に触ってしまう不具合を軽減することができる。
【0041】
特に、
図5、
図6(A)を参照して、本実施の形態において、電極対26rは現像装置26に設置されて、画像形成装置本体1に設置された測定部41に対して電気的に接離可能に形成されている。
すなわち、画像形成装置本体1への現像装置26の着脱動作に連動して、現像装置26の電極対26rが画像形成装置本体1の測定部41に対して電気的に接続・接続解除されるように構成している。
具体的に、
図4に示すように、現像装置26には、電極対26rと、一端側が電極対26rに接続されて他端側がコネクタAに接続されたハーネス26xと、が固定して設置されている。これに対して、画像形成装置本体1には、測定部41と、一端側が測定部41に接続されて他端側がコネクタBを介して中継コネクタ45に接続されたハーネス42と、中継コネクタ45と、が固定して設置されている。そして、画像形成装置本体1への現像装置26の着脱動作に連動して、現像装置26のコネクタAが画像形成装置本体1の中継コネクタ45に接続・接続解除されることになる。
このように構成することで、電極26rのメンテナンスを容易におこなうことができる。
【0042】
なお、
図6(B)に示すように、検知装置40を、現像装置26が着脱可能に設置される画像形成装置本体1に設置することもできる。
すなわち、
図6(A)のもののように、検知装置40の一部(主として電極対26rである。)を現像装置26の側に設置するのではなくて、
図6(B)に示すように、電極対48を含めた検知装置40の全部を画像形成装置本体1の側に設置している。
このように構成した場合には、画像形成装置本体1への現像装置26の装着動作に連動して、画像形成装置本体1の電極対48が、現像装置26の現像上ケース26jの幅方向一端側における所望の対向位置に位置することになる。
このように構成した場合には、画像形成装置本体1の寿命に対して、短い交換サイクルで交換される現像装置26に電極対が設置されないことになり、現像装置26を低コスト化することができるため、画像形成装置1におけるランニングコストを低廉化することができる。
【0043】
ここで、本実施の形態では、検知装置40によって飛散したトナー量が所定値を超えた状態が検知された場合に、現像装置26のメンテナンスを促す旨の報知がされる。
詳しくは、
図4等を参照して、検知装置40(測定部41)で測定されたトナー飛散量(静電容量)の情報は、画像形成装置本体1の制御部50に送られる。そして、制御部50で、トナー飛散量(静電容量)が所定値Zを超えているか否かが判別される。この所定値Zは、このまま現像装置26の稼働を続けると、先に説明したトナー飛散による画像不良などの不具合が生じるか否かの観点に基づいて、予め設定された値である。
そして、制御部50でトナー飛散量(静電容量)が所定値Zを超えているものと判別された場合には、操作表示パネル100(
図1、
図4参照)に、現像装置26のメンテナンスを促す旨の表示がされる。
このように構成することで、トナー飛散による画像不良などの不具合の発生を未然に防止することが可能になる。
【0044】
<変形例>
図7を参照して、変形例としての現像装置26において、可撓性シート部材26mは、幅方向の一端側(電極対26rが設置された側である。)におけるシール性が、他端側におけるシール性に比べて低くなるように形成されている。
詳しくは、
図7(A)、(B)に示すように、可撓性シート部材26mは、電極対26rが設置された幅方向一端側の長さ(現像ローラ26aに向けて突き出す長さである。)が、その他の幅方向の位置における長さに比べて、短くなるように形成されている。そのため、可撓性シート部材26mのシール性(先に説明したトナー飛散の発生を減ずる効果である。)は、幅方向一端側が、他端側を含むその他の部分に比べて、低くなる。したがって、幅方向一端側のトナー飛散量が多くなり、電極対26rによって、トナー飛散(意図的に生じやすくしたトナー飛散である。)を、応答性を高めて効率的に検知することができる。そして、このトナー飛散が生じやすい幅方向一端側は、先に
図3を用いて説明したように、画像領域Mの領域外(非画像領域)に位置するため、ここで生じたトナー飛散が画像不良に直接的に影響する不具合はない。
なお、この変形例では、可撓性シート部材26mの長さによってシール性の差異を生じさせたが、可撓性シート部材26mの厚さや接触圧などによってシール性の差異を生じさせることもできる。
【0045】
以上説明したように、本実施の形態における画像形成装置1は、感光体ドラム21(像担持体)と、内部にトナーが収容されて所定の回転方向に回転して感光体ドラム21に対向(又は、接触)する現像領域で感光体ドラム21の表面に形成される潜像を現像する現像ローラ26a(現像剤担持体)を具備した現像装置26と、が設けられている。また、現像領域の近傍であって現像ローラ26aの回転方向に直交する幅方向の端部で、飛散したトナーを検知する検知装置40がさらに設けられている。
これにより、現像領域の近傍で飛散するトナーを効率的に検知することができる。
【0046】
なお、本実施の形態では、現像装置26をプロセスカートリッジ20の構成部材とせずに、画像形成装置本体1に対して単独で着脱できるユニットとした。これに対して、現像装置26をプロセスカートリッジ20の構成部材の1つとして、画像形成装置本体1に対してプロセスカートリッジとして一体的に着脱されるように構成することもできる。すなわち、少なくとも感光体ドラム21(像担持体)と現像装置26とがプロセスカートリッジとして一体化されたものとすることもできる。
そして、このような場合にも、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
なお、本願において、「プロセスカートリッジ」とは、像担持体を帯電する帯電装置と、像担持体上に形成された潜像を現像する現像装置と、像担持体上をクリーニングするクリーニング装置と、のうち少なくとも1つと、像担持体と、が一体化されて、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されたユニットと定義する。
【0047】
また、本実施の形態では、2つの搬送スクリュ26b1、26b2(搬送部材)が水平方向に並設されていて、ドクターブレード26cが現像ローラ26aの下方に配置された現像装置26に対して、本発明を適用した。しかし、本発明が適用される現像装置の構成はこれに限定されることなく、例えば、3つ以上の搬送部材が水平方向に並設された現像装置や、複数の搬送部材が上下方向に並設されている現像装置や、ドクターブレードが現像ローラの上方に配置された現像装置に対しても、本発明を適用することができる。ただし、本実施の形態における現像装置26のように、ドクターブレード26cが現像ローラ26aの下方に配置されたものは、現像領域の近傍で飛散したトナーが現像ケース(現像上ケース26j)上に堆積しやすいため、本発明の構成が有用になる。
また、本実施の形態では、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤を用いた現像装置26に対して、本発明を適用した。これに対して、トナー(外添剤等も含む。)のみからなる1成分現像剤を用いた現像装置に対しても、本発明を適用することができる。このような場合、現像装置に設置される現像剤担持体(現像ローラ)として、像担持体(感光体ドラム)に接触するものを用いることができる(接触式1成分現像方式のものである)。
また、本実施の形態では、電極対26rを幅方向一端側にのみ設置したが、電極対26rを幅方向両端部にそれぞれ設置することもできる。
そして、それらのような場合にも、本実施の形態のものとほぼ同様の効果を得ることができる。
【0048】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態の中で示唆した以外にも、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【符号の説明】
【0049】
1 画像形成装置(画像形成装置本体)、
20、20Y、20M、20C、20BK プロセスカートリッジ、
21 感光体ドラム(像担持体)、
26 現像装置、
26a 現像ローラ(現像剤担持体)、
26j 現像上ケース(現像ケース)、
26m 可撓性シート部材、
26r 電極対、
26r1、26r2 電極、
26x ハーネス、
40 検知装置、
41 測定部、
42 ハーネス、
45 中継コネクタ、
A、B コネクタ、
M 画像領域。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0050】
【特許文献1】特開2006-221012号公報
【特許文献1】特開2002-244414号公報