(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023058924
(43)【公開日】2023-04-26
(54)【発明の名称】監視装置、通信監視方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 11/07 20060101AFI20230419BHJP
G06F 11/34 20060101ALI20230419BHJP
G06F 11/30 20060101ALI20230419BHJP
H04L 41/069 20220101ALI20230419BHJP
H04L 41/0604 20220101ALI20230419BHJP
H04W 24/04 20090101ALI20230419BHJP
【FI】
G06F11/07 178
G06F11/34 176
G06F11/30 165
H04L41/069
H04L41/0604
H04W24/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021168723
(22)【出願日】2021-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】梁井 脩
【テーマコード(参考)】
5B042
5K067
【Fターム(参考)】
5B042GA12
5B042JJ02
5B042JJ15
5B042JJ17
5B042KK13
5B042KK14
5B042LA20
5B042MA08
5B042MA14
5B042MC09
5B042MC15
5B042MC35
5B042MC36
5B042MC40
5K067AA21
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE16
5K067HH22
5K067LL01
(57)【要約】
【課題】イベントの前後の通信装置の処理に関するログを取得する監視装置を提供すること。
【解決手段】通信装置30と有線又は無線で通信し、前記通信装置が無線で通信するアクセスポイント50と無線で通信する監視装置10であって、前記通信装置から受信する処理に関するログ、又は、前記アクセスポイントから受信するパケットキャプチャデータに含まれるイベントを監視するイベント監視部と、前記イベント監視部が前記イベントを検出した場合、前記イベントの前後の前記ログと前記イベントの前後の前記パケットキャプチャデータをそれぞれ抽出するデータ作成部と、を有することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置と有線又は無線で通信し、前記通信装置が無線で通信するアクセスポイントと無線で通信する監視装置であって、
前記通信装置から受信する処理に関するログ、又は、前記アクセスポイントから受信するパケットキャプチャデータに含まれるイベントを監視するイベント監視部と、
前記イベント監視部が前記イベントを検出した場合、前記イベントの前後の前記パケットキャプチャデータ、及び、前記イベントの前後の前記ログをそれぞれ抽出するデータ作成部と、
を有することを特徴とする監視装置。
【請求項2】
前記データ作成部は、前記イベントの前後の前記ログと前記イベントの前後の前記パケットキャプチャデータに含まれる時刻情報を用いて、
前記イベントの前後の前記ログと前記イベントの前後の前記パケットキャプチャデータを時系列に統合した統合データを作成することを特徴とする請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
前記イベント監視部が、前記パケットキャプチャデータから前記イベントを検出した場合、
前記データ作成部は、前記イベントの前後の前記パケットキャプチャデータから、前記通信装置と前記アクセスポイントのMACアドレスに基づいて前記パケットキャプチャデータをフィルタリングし、
前記イベントが発生した時刻の前後の前記ログを抽出することを特徴とする請求項1又は2に記載の監視装置。
【請求項4】
前記イベント監視部が、前記ログから前記イベントを検出した場合、
前記データ作成部は、前記イベントの前後の前記ログを抽出し、
前記パケットキャプチャデータから、前記イベントが発生した時刻の前後の前記パケットキャプチャデータを抽出し、前記通信装置と前記アクセスポイントのMACアドレスに基づいて前記パケットキャプチャデータを抽出することを特徴とする請求項1又は2に記載の監視装置。
【請求項5】
前記イベント監視部が監視する前記イベントは、認証、接続、又は、切断に関するイベントであり、予め設定された前記認証、前記接続、又は、前記切断に対応する通信データが前記ログ又は前記パケットキャプチャデータに含まれる場合、前記イベント監視部が前記イベントを検出することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の監視装置。
【請求項6】
前記イベント監視部は、前記アクセスポイントとの疎通を確認するコマンドの送信を前記通信装置に要求し、
前記通信装置から前記コマンドへの応答がない旨を受信した場合、前記イベントを検出することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の監視装置。
【請求項7】
通信装置と有線又は無線で通信し、前記通信装置が無線で通信するアクセスポイントと無線で通信する監視装置が通信を監視する通信監視方法であって、
イベント監視部が、前記通信装置から受信する処理に関するログ、又は、前記アクセスポイントから受信するパケットキャプチャデータに含まれるイベントを監視するステップと、
前記イベント監視部が前記イベントを検出した場合、データ作成部が、前記イベントの前後の前記ログと前記イベントの前後の前記パケットキャプチャデータをそれぞれ抽出するステップと、
を有することを特徴とする通信監視方法。
【請求項8】
通信装置と有線又は無線で通信し、前記通信装置が無線で通信するアクセスポイントと無線で通信する監視装置を、
前記通信装置から受信する処理に関するログ、又は、前記アクセスポイントから受信するパケットキャプチャデータに含まれるイベントを監視するイベント監視部と、
前記イベント監視部が前記イベントを検出した場合、前記イベントの前後の前記ログと前記イベントの前後の前記パケットキャプチャデータをそれぞれ抽出するデータ作成部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視装置、通信監視方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線LANなどの無線通信を利用して画像形成装置などの通信装置がネットワークに接続する場合がある。無線通信に関する障害等のイベントが発生した場合、通信装置が処理を受け付けられなくなるなどの不都合が生じるので、早期に障害の原因を解析し復旧することが望まれる。
【0003】
無線通信の障害の原因を解析する技術が考案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、監視対象機器の状態管理パケットを収集し、そのパケット情報に基づいて被疑箇所を解析し、パケットキャプチャを自動制御する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術は、イベントの前後の通信装置の処理に関するログが取得されていないという問題がある。例えば、通信装置とアクセスポイントの無線通信において、不定期に障害が発生した場合、収集されたパケットデータが膨大になる。パケットデータのみの解析では、障害解析に必要な情報の絞り込みや障害解析に時間がかかる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、イベントの前後の通信装置の処理に関するログを取得する監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に鑑み、本発明は、通信装置と有線又は無線で通信し、前記通信装置が無線で通信するアクセスポイントと無線で通信する監視装置であって、前記通信装置から受信する処理に関するログ、又は、前記アクセスポイントから受信するパケットキャプチャデータに含まれるイベントを監視するイベント監視部と、前記イベント監視部が前記イベントを検出した場合、前記イベントの前後の前記ログと前記イベントの前後の前記パケットキャプチャデータをそれぞれ抽出するデータ作成部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
イベントの前後の通信装置の処理に関するログを取得する監視装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】通信システムの一例のシステム構成図である。
【
図3】監視装置の一例のハードウェア構成図である。
【
図4】通信装置の一例である画像形成装置のハードウェア構成図である。
【
図5】監視装置、通信装置、及び、アクセスポイントの一例の機能構成を示す図である。
【
図6】監視対象イベントを検出するための一例の通信データのリストを示す図である。
【
図7】機器情報設定記憶部に記憶される一例の情報を示す図である。
【
図8】キャプチャデータ記憶部に記憶される一例のパケットキャプチャデータを示す図である。
【
図9】機器ログ記憶部に記憶される一例の機器ログを示す図である。
【
図10】監視装置が機器ログとパケットキャプチャデータを取得する処理フローを示す一例のフローチャート図である。
【
図12】アクセスポイントがICMP(ping)パケットに応答しなかった場合に監視装置が機器ログとパケットキャプチャデータを保存する処理を説明する一例のシーケンス図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態の一例として、通信システムと通信システムが行う通信監視方法について図面を参照しながら説明する。
【実施例0010】
<動作の概略>
図1は、通信システム100の概略構成図を示す。
図1のような構成において、監視装置10は以下のように動作する。
【0011】
(1) 通信装置30がアクセスポイント50と無線のパケットデータを送受信する。
【0012】
(2) 監視装置10は、通信装置30の機器ログを取得し、アクセスポイント50と通信装置30の間のパケットデータを受信し(キャプチャし)、機器ログとパケットキャプチャデータの監視を行っている。
【0013】
(3) 監視装置10は、予め設定された監視対象イベントを機器ログ又はパケットキャプチャデータから検出すると、イベント検出前後のパケットデータと機器ログを対応付けて保存する。予め設定された監視対象イベントは、例えば、認証・接続・切断等である。監視装置10は、パケットキャプチャデータを通信装置30やアクセスポイント50のMACアドレスでフィルタリングし、機器ログをイベント検出前後の範囲でフィルタリングする。こうすることで、監視装置10は、障害の解析対象とする機器ログとパケットキャプチャデータのデータ量を大幅に低減できる。イベント検出前後の機器ログをユーザーが解析すれば、機器ログに障害があるか、監視対象イベントは何か、及び、通信装置30でどのよう処理が行われていたかを判断して、障害の原因を特定できる。
【0014】
また、監視装置10は、絞り込んだ機器ログとパケットキャプチャデータを時系列に統合する。こうすることで、ユーザーは2つの異なるデータを解析しやすくなる。例えば、絞り込んだ機器ログとパケットキャプチャデータが時系列に並ぶため、ユーザーが、どちらにのみ障害があるか、又は、どちらに先に障害が生じたかを容易に特定できる。
【0015】
このように、本実施形態の監視装置10は、パケットデータだけでなく、無線通信の認証・接続・切断等に関する障害原因を特定するための機器ログを取得し、機器ログを使用して障害原因を特定できる。パケットデータや機器ログが絞り込まれるので、不定期に障害が発生する場合も蓄積されるパケットキャプチャデータの量を少なくできる。また、パケットキャプチャデータが時系列に統合されるので、障害解析に要する時間を短縮できる。
【0016】
<用語について>
パケットキャプチャとは、ネットワーク上で実際に流れるトラフィックのパケットデータを採取することをいう。パケットとは、TCP/IPネットワークで通信を行う際、データはIP(Internet Protocol)によって分割されるが、この分割されたデータの1つ1つをパケットという。なお、LAN上の流れるパケットをフレームという場合があり、本実施形態においてもフレームがキャプチャされてよい。
【0017】
ログとは、コンピュータや通信装置30が一定の処理を実行したこと(あるいは実行できなかったこと)を記録したデータである。どのようなデータを記録するかは、ログを保存するプログラムに記述される。
【0018】
認証とは、接続要求する装置又は人が正当な権限者か否かを判断することをいう。本実施例の場合は、通信装置30がアクセスポイント50に接続する権限を有するかどうかを認証する。
【0019】
接続とは、通信プロトコルに従って通信を可能にすることを言う。例えば、TCP/IPではスリーウェイハンドシェイクが知られている。
【0020】
切断とは、通信プロトコルに従って通信を終了することを言う。
【0021】
<システム構成例>
図2は、通信システム100のシステム構成をブロック図で示す。監視装置10はUSB又はLANケーブル等を介して通信装置30と通信可能に接続されている。監視装置10と通信装置30がダイレクトWi-FiやBluetooth(登録商標)などの無線で通信してもよい。また、監視装置10と通信装置30は、それぞれ無線LAN通信モジュールを有し、アクセスポイント50と無線通信することができる。アクセスポイント50は、社内LANなどのネットワークNに接続されている。
【0022】
通信装置30は、アクセスポイント50と無線通信する装置であればよい。本実施形態では、画像形成装置を例にして説明する。通信装置30は、この他、MFP(Multifunction Peripheral)、プロジェクタ、電子黒板、テレビ会議端末、又は、デジタルカメラ等でもよい。更に、通信装置30は、デジタルサイネージ等の出力装置、産業機械、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、PC、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、ウェアラブルPC等であってもよい。
【0023】
監視装置10は、無線LAN通信モジュールを有する情報処理装置である。監視装置10は、上記のように、通信装置30から機器ログを取得すると共に、アクセスポイント50と無線で通信しパケットキャプチャデータを取得する。
【0024】
監視装置10はブリッジを介して通信装置30と接続されてもよい。ブリッジはMACアドレスを学習する機能を有し、宛先のMACアドレスを持つ機器があるポートにのみデータを転送する。
【0025】
監視装置10がブリッジ接続することで、無線LAN通信モジュールにて通信する場合、有線LANで同時に通信することができない場合があるという不都合を回避できる。無線LAN通信モジュールによる通信と、有線LANによる通信を同時に行うことができる場合、ブリッジはLANインターフェースでもよい。また、ブリッジはL2スイッチ、L3スイッチ、又は、ハブでもよい。
【0026】
アクセスポイント50は、無線LANクライアントを相互に接続したり、他のネットワーク(有線LAN等)に接続したりする無線機器の一種である。アクセスポイント50には、識別をするための固有の文字列である「SSID」が割り当てられており、無線LANクライアントにユーザーが接続したいSSIDを選択して暗号化キーを入力すると、アクセスポイント50に接続できる。アクセスポイント50にルーター機能が搭載されていてもよい。ルーターとはデータを2つ以上の異なるネットワーク間に中継する通信機器である。
【0027】
<ハードウェア構成>
図3、
図4を参照して、本実施形態に係る通信システム100に含まれる監視装置10及び通信装置30のハードウェア構成について説明する。
【0028】
<<監視装置>>
図3は、本実施形態に係る監視装置10の一例のハードウェア構成を示す図である。
図3に示されているように、監視装置10はコンピュータ500によって構築されている。コンピュータ500は、CPU501、ROM502、RAM503、HD(Hard Disk)504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516、無線LAN通信モジュール517を備えている。
【0029】
これらのうち、CPU501は、コンピュータ500全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御に従ってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、上記の通信装置30であり、外部機器接続I/F508は例えばブリッジ、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等である。ネットワークI/F509は、ネットワークを利用してデータ通信をするためのNIC(Network Interface Card)である。バスライン510は、
図3に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0030】
また、キーボード511は、文字、数値、又は各種指示などの入力に使用される複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。光学ドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としての光記憶媒体513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、光記憶媒体は、CD,DVD、Blu-Ray(登録商標)等である。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0031】
無線LAN通信モジュール517は、IEEE802.11b/g/n/acなどの標準規格において、物理層とデータリンク層の処理を受け持つ。無線LAN通信モジュールは、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)という方式で衝突を避けながら、アクセスポイント50との間で無線通信を行う。
【0032】
アクセスポイント50のハードウェア構成は、無線LAN通信モジュール517を有する情報処理装置と同等でよい。
【0033】
<<通信装置>>
図4は、通信装置30の一例である画像形成装置のハードウェア構成図である。
図4に示されているように、画像形成装置は、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F950を備えている。
【0034】
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)907、HDDコントローラ908、及び、記憶部であるHD909を有し、NB903とASIC906との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成となっている。
【0035】
これらのうち、CPU901は、画像形成装置の全体制御を行う制御部である。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、及びAGPバス921とを接続するためのブリッジであり、MEM-P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0036】
MEM-P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM902a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM902bとからなる。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0037】
SB904は、NB903とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDDコントローラ908及びMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC906は、PCIターゲット及びAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナー部931、プリンター部932、及びファクシミリ部との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC906は、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを有していてよい。
【0038】
MEM-C907は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD909は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD909は、CPU901の制御に従ってHD909に対するデータの読出又は書込を制御する。AGPバス921は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P902に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0039】
また、近距離通信回路920には、近距離通信回路のアンテナ920aが備わっている。近距離通信回路920は、NFC、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。
【0040】
更に、エンジン制御部930は、スキャナー部931、プリンター部932及びファクシミリ部933を有している。また、操作パネル940は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部940a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなるハードキー940bを備えている。コントローラ910は、画像形成装置全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル940からの入力等を制御する。スキャナー部931又はプリンター部932には、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれている。
【0041】
なお、画像形成装置は、操作パネル940のアプリ切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンター機能、及びファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ユーザーがドキュメントボックス機能を選択した場合、画像形成装置はドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンター機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0042】
また、ネットワークI/F950は、無線又は有線でデータ通信をするためのインターフェースである。近距離通信回路920及びネットワークI/F950は、PCIバス922を介して、ASIC906に電気的に接続されている。
【0043】
<機能について>
次に、
図5を参照して、本実施形態に係る監視装置10の機能構成について説明する。
図5は、本実施形態にかかる監視装置10、通信装置30、及び、アクセスポイント50の一例の機能構成を示す図である。
【0044】
<<通信装置>>
通信装置30は、通信部31、無線通信部32、及び、機器ログ記憶部39を有している。通信装置30が有するこれら各機能部は、通信装置30にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令を
図4のCPU901が実行することで実現される機能又は手段である。また、機器ログ記憶部39は、
図4に示したHD909等に構築される。なお、
図4では、印刷機能など、本実施形態で使用されない通信装置30の一般的な機能は、省略されている。
【0045】
通信部31は、監視装置10と通信し、機器ログ記憶部39に記憶されている機器ログを監視装置10に送信する。機器ログ記憶部39には機器の処理の履歴が次々に保存されるので、通信部31は新しい機器ログが保存されると機器ログを監視装置10に送信する。あるいは、通信部31は一定量の機器ログが蓄積されるごとに送信してもよいし、監視装置10からの要求に応じて送信してもよい。
【0046】
無線通信部32は、アクセスポイント50と無線通信する。無線通信部32は、アクセスポイント50を介して印刷ジョブをPCから受信したり、消耗品の残量をサーバーに送信したり、ワークフローの実行をサーバーに要求したりする。
【0047】
機器ログ記憶部39には機器が処理するごとに、処理の履歴が記憶され続ける。機器の処理の履歴は多岐にわたるが、例えば、各種のジョブの実行内容、紙詰まりなどの異常の検出、通信内容、通信異常などである。機器ログについては
図9にて説明する。
【0048】
<<アクセスポイント>>
アクセスポイント50は無線通信部51を有している。無線通信部51は、ビーコンの送信、通信接続、実際の通信などを行う。無線通信部51は、通信装置30との間でパケットデータを送受信すると共に、送受信されたパケットデータを監視装置10に転送する。この監視装置10が受信するパケットデータをパケットキャプチャデータという。無線通信部51は、監視装置10からの要求に応じてパケットキャプチャデータの送信を開始し、また、要求に応じて終了する。
【0049】
<<監視装置>>
監視装置10は、無線通信部11、UI制御部12、通信部13、通信機器情報設定部14、アクセスポイント探索部15、ログ取得部16、イベント監視部17、パケットキャプチャ部18、及び、データ作成部19を有する。監視装置10が有するこれら各機能部は、監視装置10にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令をCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。また、監視装置10は、
図3に示したHD504等に構築される、機器情報設定記憶部21、機器ログ記憶部22、キャプチャデータ記憶部23、及び、統合データ記憶部24を有している。
【0050】
無線通信部11は、パケットキャプチャデータの送信の開始、送信の停止をアクセスポイント50に送信し、また、アクセスポイント50からパケットキャプチャデータをリアルタイムに受信する。リアルタイムとは、一定時間内の遅延で処理の完了が保証されることをいう。
【0051】
通信部13は、通信装置30から機器ログを受信する。通信装置30が自発的に送信してもよいし、通信部13が機器ログを通信装置30に要求することで受信してもよい。
【0052】
UI制御部12は、アクセスポイント50と通信装置30のネットワーク情報(IPアドレス、MACアドレス、SSID等)を表示する。また、UI制御部12は、パケットキャプチャ状況を表示したり、イベント検出時に、ポップアップでイベントの検出をユーザーへ報知したりする。
【0053】
通信機器情報設定部14は、機器ログに基づいて通信装置30のMACアドレスを特定し、機器情報設定記憶部21を保存する。また、通信機器情報設定部14は、パケットキャプチャデータに基づいてアクセスポイント50の情報(MACアドレス、SSID、チャネル、チャネル幅等)を機器情報設定記憶部21に保存する。
【0054】
アクセスポイント探索部15は、アクセスポイント50が送信するビーコンをスキャンして、接続するアクセスポイント50の情報(MACアドレス、SSID、チャネル、チャネル幅等)を通信機器情報設定部14へ渡す。ビーコンにはSSID、暗号化方式、等が含まれる。
【0055】
ログ取得部16は、通信部13を介して、通信装置30から機器ログを取得し、機器ログ記憶部22に保存する。機器ログのイベントを監視する点からは、ログ取得部16は、リアルタイムに機器ログを取得することが好ましい。
【0056】
パケットキャプチャ部18は、アクセスポイント50の情報(SSID、暗号化方式、チャネル、チャネル幅)を通信機器情報設定部14より受け取ってパケットキャプチャを開始する(パケットキャプチャデータを受信する)。暗号化キーは監視装置10に予め設定されている。また、パケットキャプチャ部18は、イベント監視部17からイベント通知を受け取ると、一定時間後にパケットキャプチャを停止する。
【0057】
イベント監視部17は、機器ログ及びパケットキャプチャデータを監視し、監視対象イベントの有無を判断する。監視対象イベントは、認証・接続・切断等である。イベント監視部17は監視対象イベントを検出すると、パケットキャプチャ部18へイベント通知(パケットキャプチャデータの受信停止)をする。
【0058】
データ作成部19は、パケットキャプチャデータで監視対象イベントを検出すると、イベント検出前後のパケットキャプチャデータに対して、通信装置30とアクセスポイント50のMACアドレスでフィルタリングを実行し、パケットキャプチャデータを絞り込む。逆に、イベント監視部17が、機器ログで監視対象イベントを検出すると、イベント検出前後の機器ログを保存する。この場合も、データ作成部19は、イベント検出前後のパケットキャプチャデータに対して、通信装置30とアクセスポイント50のMACアドレスでフィルタリングを実行し、パケットキャプチャデータを絞り込む。
【0059】
データ作成部19は、イベント検出後に取得し、フィルタリングした機器ログとパケットキャプチャデータから時刻情報を抽出し、両者を時系列順に統合した統合データを生成する。
【0060】
<監視対象イベントについて>
図6は、監視対象イベントを検出するための通信データのリストを示す。なお、
図6は、機器ログに含まれる通信データとパケットキャプチャデータに含まれる通信データを示す。機器ログにおいて監視対象イベントに含まれる通信データは、以下のようになる。
・認証(成功)
handshake completed
・接続
authenticated
connected
・切断
disconnected
・任意
ping error
なお、任意とは、監視装置10がpingなどの異常監視用の通信を通信装置30に行った場合に得られる通信データである。
【0061】
パケットキャプチャデータにおいて監視対象イベントに含まれる通信データは、以下のようになる。
・認証、接続
authentication
・切断
deauthentication
従って、イベント監視部17は機器ログ又はパケットキャプチャデータを、これらの通信データで検索することで監視対象イベントの発生を検出できる。
【0062】
なお、監視対象イベントは、監視対象イベント自身が異常や障害の発生により生じる場合もあるし、監視対象イベントの後に異常や障害が生じやすい傾向もある。いずれの場合でも、監視対象イベントの前後の機器ログ及びパケットキャプチャデータに異常や障害の原因が含まれる場合が多い。
【0063】
<各記憶部の情報>
図7は、機器情報設定記憶部21に記憶される情報の一例を示す。符号301は、通信装置30から取得される情報を示す。機器情報設定記憶部21には、通信装置30のMACアドレスと通信装置30から取得したSSIDが保存される。このSSIDは通信装置30が接続しているアクセスポイント50のSSIDである。
【0064】
符号302は、パケットキャプチャデータから取得される情報を示す。機器情報設定記憶部21には、アクセスポイント50のMACアドレス、アクセスポイント50のSSID、チャネル、及び、チャネル幅等が保存される。このSSIDは通信装置30が接続しているアクセスポイント50のSSIDである。
【0065】
図8は、キャプチャデータ記憶部23に記憶されるパケットキャプチャデータの一例を示す。
【0066】
・timeは、現在時刻を示す。
【0067】
・Sourceは、送信元のIPアドレスであるが、MACアドレスも保存されている。
【0068】
・Destinationは、送信先のIPアドレスであるが、MACアドレスも保存されている。
【0069】
・Protocolは、通信に使用されたプロトコルを示す。
【0070】
・Lengthは、フレームの長さをByteで表示する。
【0071】
・Infoは、当該パケットがどんな意味を持つかの概略を表示する。監視対象イベントとなる通信データは主にInfoに含まれるが、Protocolに含まれてもよい。
【0072】
図9は、機器ログ記憶部22に記憶される機器ログの一例を示す。機器ログ311は、アクセスポイント50を検出した場合に記録される機器ログである。機器ログ312は、アクセスポイント50と通信装置30が接続した場合に記録される機器ログである。機器ログ312には、接続したことを示すauthenticated、CONNECTEDが含まれていることが分かる。
【0073】
機器ログ313は、認証が完了した場合に記録される機器ログである。機器ログ313には、認証成功を示すhandshake completedが含まれていることが分かる。機器ログ314は、アクセスポイント50との切断が完了した場合に記録される機器ログである。機器ログ314には、切断を示すDISCONNECTEDが含まれていることが分かる。
【0074】
<処理フロー>
図10は、監視装置10が機器ログとパケットキャプチャデータを取得する処理フローを示すフローチャート図である。
【0075】
ログ取得部16は、通信装置30の起動後、ほぼリアルタイムに機器ログを通信装置30から受信している(S1)。ログ取得部16には、予め、通信装置30のIPアドレスが登録されている。通信プロトコルは何でもよいが、監視用の通信プロトコルとしてSNMP(Simple Network Management Protocol)が知られている。本実施形態では、機器ログが時系列に機器ログ記憶部22に保存されると説明したが、イベントの検出を通信装置側で行って、イベントの前後の機器ログのみを通信装置30が監視装置10に送信してもよい。
【0076】
通信機器情報設定部14は、監視装置10と有線又は無線で接続されている通信装置30の機器ログから通信装置30のMACアドレスと通信装置30に設定されたSSIDを取得して、これら通信装置の情報を機器情報設定記憶部21に保存する(S2)。
【0077】
アクセスポイント探索部15は、ステップS2で保存したSSIDを利用して、本装置の周辺にあるアクセスポイント50のビーコンをスキャンし、通信装置30と通信しているアクセスポイント50を見つける(S3)。
【0078】
通信機器情報設定部14は、スキャン結果をアクセスポイント探索部15から取得し、アクセスポイント50のMACアドレス、SSID、チャネル、チャネル幅を機器情報設定記憶部21に保存する(S4)。
【0079】
また、パケットキャプチャ部18は、ステップS3で取得したチャネルの周波数帯でパケットキャプチャデータの受信を開始する(S5)。
【0080】
イベント監視部17は、ステップS1以降監視している機器ログ、又は、ステップS5以降監視しているパケットキャプチャデータに認証、接続、又は切断に関連する監視対象イベントが含まれるかどうかを判断する(S6)。上記の認証、接続、又は切断に関する通信データが含まれる場合、イベント監視部17は監視対象イベントを検出する(S7)。
【0081】
イベント監視部17が監視対象イベントを検出した場合、パケットキャプチャ部18は、パケットキャプチャを停止する(S8)。解析対象のパケットキャプチャデータが増大することを抑制するためである。
【0082】
また、イベント監視部17は、監視対象イベントを検出したことを遠隔地にいるユーザーへ電子メール等で通知するとよい。ユーザーは現場へ行かずに障害を解析することができる。また、イベント監視部17は、監視対象イベントを検出した旨をディスプレイ506にポップアップ表示する。
【0083】
パケットキャプチャデータと機器ログのどちらで監視対象イベントが検出された場合でも、データ作成部19はパケットキャプチャデータと機器ログをフィルタリングする。
【0084】
データ作成部19は、最大でステップS5~S8の間に得られたパケットキャプチャデータに対して、監視対象イベントの前後のパケットキャプチャデータを抽出する。そして、データ作成部19は、通信装置30とアクセスポイント50のMACアドレスを用いてフィルタリングをかけて、通信装置30との通信に関連したパケットキャプチャデータを抽出する(S9)。監視対象イベントの前後とは、数秒から数分である。
補足すると、
・イベント監視部17が、パケットキャプチャデータから監視対象イベントを検出した場合、データ作成部19は、監視対象イベントの前後のパケットキャプチャデータから、通信装置30とアクセスポイント50のMACアドレスに基づいてパケットキャプチャデータをフィルタリングし、イベントが発生した時刻の前後の機器ログを抽出する。
・イベント監視部17が、機器ログから監視対象イベントを検出した場合、データ作成部19は、監視対象イベントの前後の機器ログを抽出し、パケットキャプチャデータから、監視対象イベントが発生した時刻の前後のパケットキャプチャデータを抽出し、通信装置30とアクセスポイント50のMACアドレスに基づいてパケットキャプチャデータを抽出する。
【0085】
また、データ作成部19は、監視対象イベントの前後の機器ログを機器ログ記憶部22から取得する(S10)。この処理は機器ログのフィルタリングに相当する。こうすることで、監視対象イベントが発生した時間帯の機器ログとパケットキャプチャデータを絞り込める。
【0086】
データ作成部19は、ステップS9で抽出したパケットキャプチャデータとステップS10で抽出した機器ログの中の時刻情報(タイムスタンプ)を用いて、2つのデータを1つの時系列順に並べた統合データを生成する(S11)。
【0087】
以上により、監視対象イベントの前後の機器ログとパケットキャプチャデータがフィルタリングで圧縮された上で、1つの統合データにまとめられた。
【0088】
図11は、統合データの一例を示す。なお、パケットキャプチャデータのプロトコルと長さは省略した。統合データでは、機器ログとパケットキャプチャデータとが時系列に統合されている。例えば、
図11の符号101、103,105,107がパケットキャプチャデータであり、符号102、104、106が機器ログである。Timeの項目と機器ログの時刻を見ると、パケットキャプチャデータと機器ログが時系列に統合されている。
【0089】
機器ログとパケットキャプチャデータが時系列順に並べられることで、機器ログとパケットキャプチャデータのどちらが先に障害を記録しているかをユーザーが判断しやすい。障害発生の原因となった監視対象イベントや障害が、通信装置30の機器内の問題なのかアクセスポイント50や周囲環境の問題なのかを判別することができる。
【0090】
なお、UI制御部12が統合データを出力する場合、検出対象の監視対象イベントの色を変えるなどして強調するとよい。
【0091】
<主な効果>
以上説明したように、本実施形態の監視装置10は、パケットデータだけでなく、無線通信の認証・接続・切断等に関する障害原因を特定するための機器ログを取得し、機器ログを使用して障害原因を特定できる。パケットデータや機器ログが絞り込まれるので、不定期に障害が発生する場合も蓄積されるパケットキャプチャデータの量を少なくできる。また、パケットキャプチャデータが時系列に統合されるので、障害解析に要する時間を短縮できる。
S21:イベント監視部17は、例えば定期的に、通信装置30へICMPイベント(pingの送信リクエスト)を送信する。pingとは、おもにネットワークの疎通を確認するために使用されるコマンドである。pingは、ICMP(Internet Control Message Protocol)のechoコマンドを利用して、指定した相手先(IPアドレス又はホスト名)に文字列を送り、その戻りの有無によりネットワークの接続が確認する。応答速度も表示されるため、ネットワークの速度を確認することもできる。
S22:通信装置30の通信部31は監視装置10からICMPイベントの要求を受信する。無線通信部32は、通信装置30の負荷などを考慮して、ICMPイベントを実行するか否かを判断する。なお、通信装置30は、監視装置10からの要求がなくても、ICMPイベントを実行してよい。
S23:通信装置30の無線通信部32は、アクセスポイント50へpingコマンドを送信する。説明の便宜上、アクセスポイント50からpingコマンドに対する応答がなかったとする。
S28:通信装置30の通信部31は機器ログの要求に対し、機器ログ記憶部39から監視対象イベントの前後の機器ログを取得し、監視装置10に送信する。監視装置10の通信部13は監視対象イベントの前後の機器ログを受信する。
本実施形態では、認証・接続・切断、疎通のコマンドに基づいて監視対象イベントを検出したが、監視装置10は、省電力モードに移行したイベントを検出してもよい。無線LANの障害には省電力モード時と通常通信時によって、通信装置30が受け取るパケットが変わるため障害解析の情報として、省電力モードであったか否かは有用な情報となる。
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。