(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023059665
(43)【公開日】2023-04-27
(54)【発明の名称】媒体供給装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20230420BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20230420BHJP
B65H 3/00 20060101ALI20230420BHJP
【FI】
G03G21/16 147
G03G15/00 550
G03G21/16 104
G03G15/00 401
B65H3/00 310C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021169786
(22)【出願日】2021-10-15
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100186853
【弁理士】
【氏名又は名称】宗像 孝志
(72)【発明者】
【氏名】山本 和也
【テーマコード(参考)】
2H072
2H171
3F343
【Fターム(参考)】
2H072BA03
2H072CA01
2H072JA02
2H072JA08
2H171FA01
2H171FA03
2H171FA04
2H171GA12
2H171GA13
2H171HA22
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2H171JA14
2H171JA17
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2H171KA02
2H171KA12
2H171KA18
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2H171LA03
2H171LA08
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2H171QA02
2H171QC03
2H171QC36
2H171SA11
2H171SA14
2H171SA19
2H171SA20
2H171SA22
2H171SA26
2H171SA31
3F343FA02
3F343FB01
3F343FC27
3F343GA01
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
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3F343KB02
3F343KB17
3F343LA04
3F343LC14
3F343LC20
3F343LC25
3F343LC27
3F343LD04
3F343LD24
3F343MB04
3F343MC17
(57)【要約】
【課題】媒体供給増設部が接続されないときには駆動力を伝達する構成が装置外部に露出することを防ぎ、媒体供給増設部が接続されるときには駆動力を伝達する構成を容易に露出させて確実に連結する媒体供給装置を提供する。
【解決手段】媒体供給部、媒体供給増設部と、媒体供給増設部から供給される媒体を受け取る中継搬送部、中継搬送部に駆動力を伝達する駆動力伝達部、駆動力伝達部が中継搬送部に駆動力を伝達する伝達状態と当該駆動力の伝達を遮断する遮断状態とを切り替える伝達切替部、を備え、伝達切替部は、媒体供給部と媒体供給増設部の接続の有無により位置が可変する伝達切替部材を備え、伝達切替部材は媒体供給部に媒体供給増設部が接続されたときに駆動力を伝達可能にする位置に移動し、当該媒体供給部に当該媒体供給増設部が接続されていないときには駆動力を遮断する位置に移動する、媒体供給装置による。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容空間に収容されているシート状の媒体を分離して供給する媒体供給本体部と、
追加収容空間に収容されているシート状の媒体を分離して供給する媒体供給増設部と、
前記媒体供給本体部に設けられ、前記媒体供給増設部から供給される媒体を受け取る中継搬送部と、
前記中継搬送部に駆動力を伝達する駆動力伝達部と、
前記駆動力伝達部が前記中継搬送部に前記駆動力を伝達する伝達状態と当該駆動力の伝達を遮断する遮断状態とを切り替える伝達切替部と、
を備え、
前記伝達切替部は、前記媒体供給本体部と前記媒体供給増設部の接続の有無により位置が可変する伝達切替部材を備え、
当該伝達切替部材は、前記媒体供給本体部に前記媒体供給増設部が接続されたときに前記駆動力を伝達可能にする位置に移動し、当該媒体供給本体部に当該媒体供給増設部が接続されていないときには前記駆動力を遮断する位置に移動する、
ことを特徴とする媒体供給装置。
【請求項2】
前記駆動力伝達部は、
前記媒体供給本体部に備わる第一駆動力伝達部材と、
前記媒体供給増設部に備わる第二駆動力伝達部材と、を備え、
前記伝達切替部材が前記駆動力を伝達可能にする位置に移動したとき、前記第一駆動力伝達部材の一部は前記媒体供給本体部の筐体外に露出して前記第二駆動力伝達部材の一部と接触し、前記媒体供給増設部が備える駆動源の駆動力が前記第二駆動力伝達部材から第一駆動力伝達部材に伝達される、
請求項1に記載の媒体供給装置。
【請求項3】
前記媒体供給増設部は、前記媒体供給本体部への接続時に位置決めをする接続位置決め部材を備え、
当該接続位置決め部材によって、前記媒体供給本体部と前記媒体供給増設部の接続時の相対的な位置が定まる、
請求項2に記載の媒体供給装置。
【請求項4】
前記接続位置決め部材によって前記伝達切替部材は前記駆動力を伝達可能にする位置に移動する、
請求項3に記載の媒体供給装置。
【請求項5】
前記接続位置決め部材は、前記第一駆動力伝達部材の一部の露出高さと、前記第二駆動力伝達部材の一部が前記媒体供給本体部の方に露出する露出高さを加算した高さよりも長い部材である、
請求項3又は4に記載の媒体供給装置。
【請求項6】
前記媒体供給増設部は、複数あり、
前記媒体供給本体部の下部に一の媒体供給増設部が接続し、
当該一の媒体供給増設部の下部に他の媒体供給増設部が接続する、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の媒体供給装置。
【請求項7】
前記一の媒体供給増設部は、前記他の媒体供給増設部が備える駆動源からの駆動力を前記媒体供給本体部に伝達する、
請求項6に記載の媒体供給装置。
【請求項8】
前記駆動力伝達部は着脱自在である、
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の媒体供給装置。
【請求項9】
シート状の媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部に前記媒体を搬送する媒体搬送部と、
前記媒体を供給する媒体供給本体部を含む請求項1乃至8のいずれか一項に記載の媒体供給装置と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体供給装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シート状の媒体に画像を形成する画像形成装置が知られている。当該画像形成装置は、媒体を画像形成部に供給するための媒体供給装置を備える。媒体供給装置には、媒体の収容量を増やす媒体供給増設部を接続可能な構成を備えるものもある。
【0003】
従来の画像形成装置において、装置本体に媒体供給装置を備え、媒体供給増設部を外部接続する構成が知られている。当該画像形成装置において、装置本体内部の搬送経路も媒体供給増設部から媒体を供給して搬送する搬送機構を、媒体供給増設部内に配置する構成例も知られている。また、画像形成装置において画像形成処理の対象範囲を従来よりも小サイズにするニーズや、媒体の収容量を増加させるニーズなどがある。
【0004】
例えば、媒体供給増設部を接続すると装置全体の寸法が大きくなり、装置本体の内部に配置される搬送機構と媒体供給増設部側の搬送機構の距離が遠くなるので、媒体の搬送に擁する搬送ローラ間距離が遠くなる。一方、小サイズの媒体の搬送に対応するには搬送ローラ間の距離を短くする必要がある。
【0005】
小サイズの媒体への対応を図るには、画像形成装置の本体内部の搬送経路(本体搬送経路)に媒体供給増設装置から媒体を供給する搬送経路(バンク搬送経路)からの搬送を中継する位置に中継ローラを設けることになる。この中継ローラは、画像形成装置の本体内部に設けられることが考えられる。なお、以下の説明において当該中継ローラを「本体-バンク中継ローラ」と表記する。
【0006】
本体-バンク中継ローラは、画像形成装置の媒体供給装置からの媒体供給や、画像形成装置が備えるその他の媒体供給手段(例えば、手差し供給)にて供給された媒体の搬送経路とは異なる搬送経路上に配置される。これによって従来よりも小サイズの媒体の搬送への対応は可能になるが、本体-バンク中継ローラの駆動源が新たに必要となる。
【0007】
本体-バンク中継ローラの駆動源を本体中継ローラの駆動源と同一にすれば駆動源の増加や製造コストの増加を抑制できるが、媒体供給増設部が接続されていないときでも本体-バンク中継ローラは駆動することになるので、無用な搬送ローラの駆動が生ずる。この場合、騒音レベルの悪化や、本体中継ローラのみを駆動する場合に比べて駆動源のトルク増加を必要とする、などの課題が生ずる。
【0008】
本体-バンク中継ローラの騒音を低減する構成として、媒体供給増設部側の駆動源で画像形成装置の搬送ローラを駆動する構成が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1の構成のように、媒体供給増設部に本体-バンク中継ローラの駆動源を設けると、画像形成装置本体と媒体供給増設部を接続し、媒体供給増設部からの媒体の供給を行うための駆動力を画像形成装置に伝達する構成が必要となる。当該構成は、媒体供給増設部を画像形成装置に接続するときに連結するギヤを備えるので、接続時にギヤ同士が衝突して破損し、動作不良の要因になるという課題がある。
【0010】
また、媒体供給増設部と嵌合する画像形成装置側のギヤは、装置外に露出していないとならず、未接続時に内部構造を外部に露出させ続けることになり、動作不良の要因になるという課題がある。
【0011】
また、媒体供給増設部を接続しない場合でも、画像形成装置側には、使用されないローラ対やギヤなど、媒体の搬送のために動作する搬送ローラへの駆動力を伝達する駆動力伝達機構を備える必要がある。そのため、製造コストの増加や装置の大型化、重量増加などの要因になるという課題がある。
【0012】
本発明は、媒体供給増設部が接続されないときには駆動力を伝達する構成が装置外部に露出することを防ぎ、媒体供給増設部が接続されるときには駆動力を伝達する構成を容易に露出させて確実に連結する媒体供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記技術的課題を解決するため、本発明の一態様は媒体供給装置に関し、収容空間に収容されているシート状の媒体を分離して供給する媒体供給部と、追加収容空間に収容されているシート状の媒体を分離して供給する媒体供給増設部と、前記媒体供給部に設けられ、前記媒体供給増設部から供給される媒体を受け取る中継搬送部と、前記中継搬送部に駆動力を伝達する駆動力伝達部と、前記駆動力伝達部が前記中継搬送部に前記駆動力を伝達する伝達状態と当該駆動力の伝達を遮断する遮断状態とを切り替える伝達切替部と、を備え、前記伝達切替部は、前記媒体供給部と前記媒体供給増設部の接続の有無により位置が可変する伝達切替部材を備え、当該伝達切替部材は、前記媒体供給部に前記媒体供給増設部が接続されたときに前記駆動力を伝達可能にする位置に移動し、当該媒体供給部に当該媒体供給増設部が接続されていないときには前記駆動力を遮断する位置に移動する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、媒体供給増設部が接続されないときには駆動力を伝達する構成が装置外部に露出することを防ぎ、媒体供給増設部が接続されるときには駆動力を伝達する構成を容易に露出させて確実に連結することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明に係る画像形成装置の実施形態の概略構成図。
【
図2】従来の本体ユニットが備える搬送構成の例を示す図。
【
図3】従来の本体ユニットが備える駆動構成の例を示す図。
【
図4】本実施形態に係る本体ユニットが備える駆動構成の例を示す図。
【
図5】本実施形態に係る媒体供給壮絶ユニットが備える駆動構成の例を示す図。
【
図6】本実施形態に係る媒体供給装置が備える媒体供給本体部と媒体供給増設部の接続前の状態を例示する概要図。
【
図7】本実施形態に係る媒体供給本体部と媒体供給増設部の接続位置決め部材の斜視図。
【
図8】本実施形態に係る媒体供給本体部が備える遮蔽部材の動作概要を示す図。
【
図9】本実施形態に係る遮蔽部材の動作と駆動構成の接続の概要を示す図。
【
図10】本実施形態に係る遮蔽部材の動作と駆動構成の接続の概要を示す斜視図。
【
図11】本実施形態に係る遮蔽部材の動作と駆動構成の接続の概要を示す斜視図。
【
図12】本実施形態に係る遮蔽部材の動作と駆動構成の接続の概要を示す斜視図。
【
図13】本実施形態に係る媒体供給本体部の駆動機構の別例を示す図。
【
図14】本実施形態に係る媒体供給本体部の駆動機構の詳細例を示す斜視図。
【
図15】本発明に係る画像形成装置の本体ユニットが備える駆動構成の別例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る媒体供給装置及び画像形成装置の実施形態について説明をする。
図1は、本発明に係る画像形成装置の実施形態としての複合機(MFP:Multifunction Peripheral)1の概略構成図である。
【0017】
[画像形成装置の実施形態]
図1に示すMFP1は、一般に、複写機、プリンタ、ファクシミリ及びこれらの機能を複合的に備える装置である。例えば、MFP1は、本体ユニット10と、媒体供給ユニット100と、を備える。媒体供給ユニット100は、媒体供給本体部110と媒体供給増設部120とを備え、本発明に係る媒体供給装置に相当する。
【0018】
媒体供給本体部110は、画像が形成されるシート状の媒体としての用紙Pを収容する収容空間としての本体給紙カセット111を備える。本体給紙カセット111には、主に定型サイズの用紙Pが収容される。また、媒体供給本体部110は、本体給紙カセット111に収容できない寸法の媒体や、少数枚の用紙Pへの画像形成(印刷)に対応するための手差しトレイ141を備えている。手差しトレイ141は、手差しにより用紙Pを供給するために設けられ、媒体供給本体部110に対して開閉可能に取り付けられている。
【0019】
本体給紙カセット111または手差しトレイ141から本体給紙ローラ対112または手差し給紙ローラ対142によって1枚ずつ分離され給紙された用紙Pは、本体ユニット10が備えるレジストローラ115に向けて送り出される。用紙Pの先端がレジストローラ115に突き当てられるとき、レジストローラ115は回転を停止している。これによって用紙Pの先端(搬送方向における先頭側の端部)の位置が整合される。
【0020】
用紙Pの先端位置が整合された後、レジストローラ115は、本体ユニット10が備える画像形成部を構成する転写ローラ132に向けて用紙Pを送り出す。レジストローラ115が用紙Pを送り出すタイミングは、トナー像と用紙位置とが合致するタイミングである。
【0021】
そして、転写ローラ132によって未定着トナー像が転写された用紙Pは、本体ユニット10が備える画像形成部を構成する定着部131に送られる。そして、定着部131において用紙Pに未定着トナー像が定着された後、本体ユニット10が備える排紙・反転ローラ133により排紙トレイ134に排出される。また、用紙Pの両面に画像を定着する〔画像を形成する〕ときは、まず第一面に画像が形成された用紙Pの搬送経路を分岐爪135によって切り替えて、両面経路へと搬送させる。両面経路によってレジストローラ115の上流側に戻った用紙Pに対して、レジストローラ115によって整合し、その後、第二面側に画像を定着させた後、排紙トレイ134へと排出させる。
【0022】
以上のように、媒体供給本体部110は、媒体搬送部を構成するレジストローラ115などによって、用紙Pに所定の画像を形成して排出することができる。
【0023】
定着部131に対して所定のタイミングで搬送を行うために、レジストローラ115にて用紙Pの先端を整合させる必要がある。したがって、レジストローラ115と、レジストローラ115よりも搬送方向上流に配置される搬送ローラ対との距離は、画像を形成する用紙Pの最小サイズに対応できる距離にする必要がある。
【0024】
すなわち、より小サイズの用紙Pに対応可能にするには、それに合わせてレジストローラ115に至る搬送経路を構成する搬送ローラ対同士の距離(搬送ローラ間距離)を短くする必要がある。
【0025】
そこで、
図1に示すように、本体給紙ローラ対112や手差し給紙ローラ対142の下流側であり、レジストローラ115の上流側に、用紙Pをレジストローラ115まで搬送するための中継搬送ローラ対としての本体搬送ローラ113を設ける。
【0026】
また、手差しトレイ141からの小サイズの用紙Pの搬送を可能にするために、本体搬送ローラ113の上流側で、手差し給紙ローラ対142の下流側に、手差し中継搬送ローラ143を設けるとよい。
【0027】
また、
図1に例示するように、媒体供給増設部120は、画像が形成される媒体としての用紙Pの収容量を増加させる追加収容空間としての増設給紙カセット121を備える。媒体供給増設部120は、媒体供給本体部110に連結されることでMFP1に装着される。媒体供給増設部120が装着されたMFP1は、媒体供給本体部110のみならず、媒体供給増設部120から供給される用紙Pに対しても画像を形成することができる。すなわち、MFP1の本体ユニット10には、本体給紙カセット111からの用紙Pの供給と同様に、増設給紙カセット121から用紙Pを供給することができる。
【0028】
増設給紙カセット121からバンク給紙ローラ対122によって用紙Pを一枚ずつ分離された用紙Pは、バンク搬送ローラ123及び本体搬送ローラ113を介して、レジストローラ115に向かって送り出される。その後の動作は前述と同様である。
【0029】
[媒体供給装置の第一実施形態]
次に、本発明に係る媒体供給装置の第一実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図2は、媒体供給ユニット100において、本体ユニット10へと用紙Pを搬送するための搬送経路を構成するローラ機構の配置の従来例を示している。
図2は、媒体供給本体部110に媒体供給増設部120を接続したときのローラ機構の配置の従来例である。
【0030】
図2に示すように、増設給紙カセット121から用紙Pを供給するときには、バンク搬送ローラ123を経由して媒体供給本体部110へと搬送する。そして、本体-バンク中継ローラ114によって、媒体供給増設部120から搬送された用紙Pを受け取ることができるように搬送経路が構成される。なお、搬送経路は、一点鎖線で図示してある。
【0031】
本体-バンク中継ローラ114に受け取られた用紙Pは、さらに下流に配置されている本体搬送ローラ113、及びレジストローラ115へと搬送される。すなわち、本体-バンク中継ローラ114は媒体供給増設部120から用紙Pを供給するときのみ動作すればよい搬送ローラ対の一つである。
【0032】
図2に示すように、バンク搬送ローラ123と本体-バンク中継ローラ114のローラ間距離bと、本体-バンク中継ローラ114と本体搬送ローラ113のローラ間距離aは、MFP1において対応可能とする最小サイズの用紙Pに合わせて設定される。すなわち、最小サイズの用紙Pの搬送方向における長さ(用紙長)よりも短く設定する。これによって、媒体供給増設部120から供給された用紙Pを本体搬送ローラ113へ搬送可能になる。
【0033】
仮に、搬送可能の用紙Pの最小サイズをA6版とすると、用紙長の148mmよりもローラ間距離(ローラ間ピッチ)を短く設定すればよい。具体的には、媒体供給本体部110に形成される搬送構成の組付け精度のゆらぎや、用紙Pの実寸のバラつき及び用紙Pの搬送姿勢のバラつき等を加味し、ローラ間距離を138mm以下に設定すればよい。
【0034】
図3は、
図2に示した搬送ローラの配置において、各ローラを駆動させるための駆動源の配置の従来例を示している。
図3に示すように、媒体供給本体部110に設けた駆動源としての本体側駆動源19からの駆動力を本体-バンク中継ローラ114に伝達する構成を有している。この従来例によれば、本体側駆動源19から、本体-バンク中継ローラ114の駆動ギヤ16まで駆動力を伝達するために複数のギヤを経由するように構成される。例えば、本体側駆動源19の回転軸に連結して回転駆動する本体搬送ローラ113の駆動ギヤ15と、駆動ギヤ15に連結して回転駆動する複数のアイドラギヤ17(17a、17b、17c)を介して駆動ギヤ16に駆動力が伝達されるように構成されている。
【0035】
なお、本体側駆動源19は、モータ、またはモータ駆動を介した電磁クラッチなどの駆動機構によって構成される。以下の説明において、モータや電磁クラッチなどの駆動機構の詳細の図示は省略する。
【0036】
図3に示した駆動源の配置と駆動構成は、媒体供給増設部120からの給紙を行わないときも、本体-バンク中継ローラ114を駆動するように構成されている。すなわち、用紙Pの搬送に寄与しない搬送ローラやギヤも回転させるため、動作音の増加による騒音の悪化や、本体側駆動源19のトルクを増加させる必要が生ずる。
【0037】
図4は、
図2に例示した搬送ローラの配置において、本発明に係る媒体供給装置の実施形態としての媒体供給増設部120に、本体-バンク中継ローラ114の駆動源を設ける例を示している。
図4に示すように、媒体供給増設部120にバンク側駆動源としてのバンク搬送モータ29が配置されており、バンク搬送モータ29がバンク搬送ローラ123の駆動源として機能するように構成されている。なお、バンク搬送モータ29は、モータ駆動を介した電磁クラッチを備えて、モータの駆動軸から電磁クラッチを介して、バンク搬送ローラ123に駆動力を伝達する構成でもよい。
【0038】
図4に例示するように、バンク搬送モータ29によって駆動するバンク搬送ローラ123の駆動ギヤ25から、アイドラギヤ27を介して、バンク側本体-バンク伝達ギヤ28へ連結し駆動力が伝達するように構成されている。バンク側本体-バンク伝達ギヤ28は、その一部が媒体供給増設部120の上面から装置外(媒体供給増設部120の筐体外)に露出している。
【0039】
本体-バンク中継ローラ114の駆動ギヤ16は、本体側本体-バンク伝達ギヤ18と駆動連結されていて、本体側本体-バンク伝達ギヤ18は、その一部が媒体供給本体部110の下面から装置外(媒体供給本体部110の筐体外)に露出している。
【0040】
したがって、媒体供給本体部110に媒体供給増設部120を接続する(装着する)と、本体側本体-バンク伝達ギヤ18の露出部分とバンク側本体-バンク伝達ギヤ28の露出部分が嵌合する。これによって、媒体供給増設部120が備えるバンク搬送モータ29を駆動源とする駆動力によって、本体-バンク中継ローラ114を駆動させることができる状態になる。すなわち、媒体供給増設部120から用紙Pを供給させるときのみ、バンク搬送モータ29の駆動力を用いて、本体-バンク中継ローラ114を駆動させる。
【0041】
なお、バンク側本体-バンク伝達ギヤ28は、本体側本体-バンク伝達ギヤ18との連結時に歯底当たりや噛み合い不足を防止する構成が望ましい。
【0042】
図5は、媒体供給増設部120に設けられるバンク側本体-バンク伝達ギヤ28を含む駆動構成の斜視図である。すでに説明したとおり、バンク側本体-バンク伝達ギヤ28は、媒体供給増設部120を媒体供給本体部110に接続させるとき、本体側本体-バンク伝達ギヤ18と連結させる必要がある。したがって、連結時にバンク側本体-バンク伝達ギヤ28が、連結方向において揺動する構成とするのがよい。
【0043】
図5に示すように、バンク側本体-バンク伝達ギヤ28は、ギヤ保持部材32に保持されている。そして、ギヤ保持部材32にはアイドラギヤ27も保持されている。ギヤ保持部材32は、アイドラギヤ27の中心軸を支点にして、スプリング33により一方向に付勢されている。ギヤ保持部材32は、スプリング33が設けられている端部(一端)の反対側の端部(他端)にバンク側本体-バンク伝達ギヤ28が設けられている。
【0044】
スプリング33は引張バネであって、ギヤ保持部材32の一端を引っ張るように設けられている。このスプリング33の付勢によって、アイドラギヤ27の回転軸を中心としてバンク側本体-バンク伝達ギヤ28が弧を描く方向に付勢される。この付勢方向は、媒体供給増設部120の外側に押し出す方向(上方の上げる方向)であって、本体側本体-バンク伝達ギヤ18と連結するときの連結方向である。
【0045】
当該構成により、媒体供給本体部110に媒体供給増設部120を装着するときに、バンク側本体-バンク伝達ギヤ28が本体側本体-バンク伝達ギヤ18に当接したときの衝撃をスプリング33の弾性力が吸収する。その結果、バンク側本体-バンク伝達ギヤ28が一旦、下方に向けて適度に揺動する。その後、スプリング33の付勢により、バンク側本体-バンク伝達ギヤ28を本体側本体-バンク伝達ギヤ18に押し当てられて、適切なギヤ噛み合い位置を確保する。
【0046】
バンク搬送モータ29の回転軸は駆動ギヤ25に連結している。駆動ギヤ25は、バンク搬送ローラ123の回転軸に設けられているので、バンク搬送モータ29の駆動によりバンク搬送ローラ123は回転する。そして、駆動ギヤ25はアイドラギヤ27に連結していているので、バンク搬送モータ29が駆動することで、バンク搬送ローラ123と同時にアイドラギヤ27も回転する。アイドラギヤ27には、バンク側本体-バンク伝達ギヤ28が連結しているので、バンク搬送モータ29が駆動することでバンク側本体-バンク伝達ギヤ28が回転する。
【0047】
上記のように、バンク搬送モータ29の回転によって、バンク側本体-バンク伝達ギヤ28が回転する状態において、スプリング33の付勢によってバンク側本体-バンク伝達ギヤ28が本体側本体-バンク伝達ギヤ18に押し付けられる。これによって、バンク搬送モータ29からの駆動力がバンク側本体-バンク伝達ギヤ28を介して本体側本体-バンク伝達ギヤ18に伝達される。なお、駆動力が加わった際にはバンク側本体-バンク伝達ギヤ28は駆動力の負荷により本体側本体-バンク伝達ギヤ18に食い込むようギヤ列を配置するとよい。
【0048】
また、連結するギヤの個数が多いほど摺動箇所が増え、駆動力の伝達損失も増えることから、媒体供給増設部120を媒体供給本体部110に装着する時の騒音やトルクを低減するためにもギヤ列はなるべく少なく構成する方がよい。また、用紙Pの搬送速度は、バンク搬送ローラ123を本体-バンク中継ローラ114よりも遅くすると、用紙Pが突っ張り負荷となってしまうため、速くなるようにギヤの減速比やローラ系の調整により設定するとよい。
【0049】
以上説明した構成のように、本発明の実施形態に係る駆動構成(
図4及び
図5にて例示)において、媒体供給本体部110に設けた本体-バンク中継ローラ114は、媒体供給増設部120からの給紙時のみ駆動可能となる。そして、媒体供給増設部120が媒体供給本体部110に装着されていないとき(媒体供給増設部120からの給紙を行わないとき)、例えば、本体トレイ給紙や手差し給紙のときは、本体-バンク中継ローラ114や複数のギヤの駆動が不要となる。したがって、動作音量の低下を図ることができ、本体側駆動源19のトルクを無用に増加させる必要はなくなる。
【0050】
図4及び
図5に例示した駆動機構を採用した場合、すでに説明したとおり、本体側本体-バンク伝達ギヤ18の下面の一部が媒体供給本体部110の外部に露出するので、対応すべき課題がいくつか生ずる。
【0051】
例えば、駆動機構の一部であるギヤ(装置内部に収納されている駆動ギヤ)を露出させるために、媒体供給本体部110の外装の一部に開口部を設ける必要がある。この開口部から媒体供給本体部110や本体ユニット10の内部に異物が侵入することも想定される。また、媒体供給本体部110や本体ユニット10の内部が加熱した場合、外部に高熱が漏れ出すことも想定される。また、媒体供給本体部110や媒体供給増設部120に用いられる駆動ギヤは、樹脂製であることが多く、特に摺動性を確保するため、ポリアセタール樹脂(POM)のギヤを用いることが多い。一般的にPOMは、高い難燃性を有することが難しい材料である。当該材料で作られる本体側本体-バンク伝達ギヤ18が装置外に露出することは避ける方が望ましい。
【0052】
また、媒体供給本体部110に媒体供給増設部120を装着する際に、一般的に、本体ユニット10を持ち上げて、媒体供給増設部120に媒体供給本体部110を乗せる作業を行うことになる。このとき、本体側本体-バンク伝達ギヤ18とバンク側本体-バンク伝達ギヤ28を正常に接触させるには、ギヤを視認しながら行う必要がある。しかし、媒体供給増設部120に対して媒体供給本体部110を乗せるときに、ギヤ同士の位置関係を視認しながら作業することは困難である。したがって、媒体供給増設部120を媒体供給本体部110に装着する時にギヤ同士の接触不良、や破損などが生ずる懸念もある。
【0053】
また、本体-バンク中継ローラ114の駆動ギヤ16や本体側本体-バンク伝達ギヤ18は、本体ユニット10(媒体供給本体部110)に媒体供給増設部120を装着していないときには、不要の部品に相当する。したがって、使用態様によって全く不要になる部品を常備する必要があり、製造コストの増加や、装置重量の増加などの要因にもなる。
【0054】
本実施形態は、上記にて述べた懸念を解消するものであって、本発明における課題を解決し、媒体供給本体部110に媒体供給増設部120が接続されていないときには、連結構成の露出を防ぎ、これらを接続するときには容易に連結可能にする。
【0055】
[媒体供給装置の第一実施形態]
図6は、媒体供給装置の実施形態としての媒体供給本体部110と媒体供給増設部120の接続前の状態を例示する概要図である。
【0056】
図6に示すように、媒体供給増設部120の外装の上面には、媒体供給本体部110との接続時において、連結するギヤ同士の相対的な位置決めを容易にするための位置決めピン30が設けられている。位置決めピン30によって、媒体供給本体部110を媒体供給増設部120に乗せて接続作業を行うときに、嵌合し合うギヤの位置関係を視認することなく、容易に適切に嵌合し合う状態にできる。これによって、媒体供給本体部110に媒体供給増設部120を接続したときの搬送経路の連結も容易に、かつ、確実にできる。
【0057】
位置決めピン30は、媒体供給本体部110に媒体供給増設部120を接続するときの相対的な位置関係を容易に決めるための接続位置決め部材である。より詳しくは、位置決めピン30によって、本体側本体-バンク伝達ギヤ18とバンク側本体-バンク伝達ギヤ28の相対的な位置が決まった状態で、これらが接続可能になる。
【0058】
なお、本体側本体-バンク伝達ギヤ18は、媒体供給本体部110に備わる第一駆動力伝達部材の一部に相当する。また、バンク側本体-バンク伝達ギヤ28は、媒体供給増設部120に備わる第二駆動力伝達部材の一部に相当する。
【0059】
図7は、位置決めピン30の設置部分を拡大した斜視図である。
図7に示すように、位置決めピン30は、先細りの円柱状の部材であって、所定の長さLをもって媒体供給増設部120の上面に立設されている。位置決めピン30の長さLは、バンク側本体-バンク伝達ギヤ28の露出長さと本体側本体-バンク伝達ギヤ18の露出長さの和よりも長く設定される。
【0060】
これによって、媒体供給増設部120を媒体供給本体部110に装着するときに、媒体供給本体部110側に設けられている本体フレーム42(後述する)に位置決めピン30を挿入することで、正常な駆動連結を可能にする相対的な位置関係が適切に決まる。その結果、接触し合うギヤ(バンク側本体-バンク伝達ギヤ28と本体側本体-バンク伝達ギヤ18)が破損する方向で接触することを避けることができ、媒体供給本体部110と媒体供給増設部120の接続時にギヤが破損することを防止できる。
【0061】
また、
図7に示すように、位置決めピン30の近傍にアース部材31を配置する。これによって、本体ユニット10と媒体供給増設部120のアース接続を、位置決めと同様、容易に行うことができる。
【0062】
次に、本実施形態に係る伝達状態と遮断状態を切り替える伝達切替部であって伝達切替部材としての遮蔽板41について説明する。なお、伝達状態は、媒体供給本体部110が備える中継搬送部(本体-バンク中継ローラ114)に、媒体供給増設部120から駆動力を伝達する駆動力伝達部(本体側本体-バンク伝達ギヤ18とバンク側本体-バンク伝達ギヤ28)が駆動力を伝達する状態をいう。また、遮断状態は、媒体供給本体部110が備える中継搬送部(本体-バンク中継ローラ114)に、媒体供給増設部120から駆動力を伝達する駆動力伝達部(本体側本体-バンク伝達ギヤ18とバンク側本体-バンク伝達ギヤ28)への駆動力の伝達を遮断する状態をいう。
【0063】
図8は、遮蔽板41を媒体供給本体部110の底面側に設けた例を示している。
図8(a)に示すように、遮蔽板41は、本体側本体-バンク伝達ギヤ18が設けられている位置の下に設けられる。そして、媒体供給増設部120が接続されていないときは、本体側本体-バンク伝達ギヤ18の露出を防ぐことができる位置に留まるように構成されている。
【0064】
そして、
図8(b)に示すように、遮蔽板41は、媒体供給増設部120が接続されると移動する。詳しくは、本体側本体-バンク伝達ギヤ18の露出を防ぐことができる状態(遮蔽状態)となる位置から、本体側本体-バンク伝達ギヤ18が媒体供給増設部120に対して露出可能な状態(伝達状態)となる位置に移動する。例えば、
図8(b)に示す白抜き矢印Mの方向に遮蔽板41が移動する。
【0065】
次に、位置決めピン30を用いて、媒体供給本体部110に媒体供給増設部120を接続したときの相対的な位置決めと、遮蔽板41を移動させて本体側本体-バンク伝達ギヤ18を露出させる動作の例を複数の図面を参照しながら説明する。
【0066】
図9は、位置決めピン30と遮蔽板41の動作を示す断面図である。
図10は、位置決めピン30と遮蔽板41の動作を媒体供給増設部120側から見た斜視図である。
図11は、位置決めピン30と遮蔽板41の動作を媒体供給本体部110側から見た図であって本体フレーム42を省略した斜視図である。
図12は、位置決めピン30と遮蔽板41の動作を媒体供給本体部110見た斜視図である。
【0067】
図9に示すように、媒体供給本体部110の底面側(媒体供給増設部120が接続される側)の本体フレーム42には、本体側本体-バンク伝達ギヤ18が露出するための本体フレーム穴42aが設けられている。また、本体フレーム42には、媒体供給増設部120側の位置決めピン30が挿入される本体フレーム位置決め穴42bも設けられている。なお、本体フレーム位置決め穴42bは、媒体供給本体部110に媒体供給増設部120を接続するときの位置決めの従基準として作用する。そこで、本体フレーム位置決め穴42bの形状は、長円形で形成されている。
【0068】
遮蔽板41は、本体フレーム42に対して移動可能に保持されている。なお、遮蔽板41の保持部材は図示を省略してある。遮蔽板41は、本体フレーム穴42aと本体フレーム位置決め穴42bを覆う様に本体フレーム42に対して保持されている。
【0069】
また、遮蔽板41は、
図9に示す黒塗り矢印Sの方向に、付勢手段によって付勢されている。なお、付勢手段の図示は省略してある。
【0070】
遮蔽板41は、本体フレーム42に沿って移動する板状の部材であって、本体フレーム42の底面に沿う平面と、本体フレーム位置決め穴42bに一部が入り込むようになる斜面とを備えている。
【0071】
図9(a)、
図10(a)、
図11(a)、
図12(a)は、媒体供給本体部110に媒体供給増設部120を接続していないときの遮蔽板41の状態を例示している。遮蔽板41には、ギヤ露出穴41aが設けられている。媒体供給増設部120が未接続の状態では、遮蔽板41のギヤ露出穴41aは、本体側本体-バンク伝達ギヤ18を露出しない位置(遮蔽状態)にある。
【0072】
図9(b)、
図10(b)、
図11(b)、
図12(b)は、媒体供給本体部110に媒体供給増設部120を接続したときの遮蔽板41の状態を例示している。媒体供給本体部110に媒体供給増設部120を接続するとき、媒体供給増設部120に設けられている位置決めピン30を本体フレーム位置決め穴42bに挿入する。このとき、位置決めピン30が遮蔽板41の斜面を押すように、相互の位置関係を予め調整しておく。その結果、位置決めピン30が遮蔽板41の斜面を押す位置が、斜面に沿って移動することで、遮蔽板41が位置決めピン30による押圧方向と直交する方向に移動する。
【0073】
上記のように、媒体供給本体部110に媒体供給増設部120を接続したとき、遮蔽板41は
図9(b)等における白抜き矢印Mの方向に移動する。媒体供給本体部110に媒体供給増設部120が接続されると、遮蔽板41に設けられたギヤ露出穴41aが本体側本体-バンク伝達ギヤ18の下側に位置する状態(伝達状態)になる。その結果、本体側本体-バンク伝達ギヤ18は機外に露出して、媒体供給増設部120に設けられたバンク側本体-バンク伝達ギヤ28と駆動連結する。そして、媒体供給増設部120が備えるバンク搬送モータ29からの駆動力が本体-バンク中継ローラ114に伝達する状態になる。
【0074】
以上の構成により、本体ユニット10への用紙Pの供給に媒体供給本体部110のみを使用するときには、本体側本体-バンク伝達ギヤ18は遮蔽板41により遮蔽されて露出を防ぐことができる。すなわち、使用しないときはギヤの破損を防ぐことができる。また、媒体供給増設部120を使用しないときに本体ユニット10側の搬送機構が動作中に装置外部に露出しないので、本体ユニット10の運用の安全性をより高めることもできる。
【0075】
[媒体供給装置の第二実施形態]
次に、本発明に係る媒体供給装置の別の実施形態に関し、
図13を用いて説明する。
図13に示すように、本実施形態に係る本体-バンク中継ローラ114、駆動ギヤ16、本体側本体-バンク伝達ギヤ18を含む駆動力伝達部は、媒体供給ユニット100に対して着脱自在のアタッチメント50として設けられている。
【0076】
図13(a)は、媒体供給本体部110にアタッチメント50を装着した状態を例示している。
図13(b)は、媒体供給本体部110からアタッチメント50を脱着した状態を例示している。
図13(c)は、媒体供給本体部110にアタッチメント50を装着した状態において、媒体供給増設部120を接続した状態を例示している。
【0077】
図14は、アタッチメント50の斜視図を例示している。
図14に示すように、アタッチメント50は、本体-バンク中継ローラ114(114a、114b)、駆動ギヤ16、本体側本体-バンク伝達ギヤ18を保持している。また、駆動ギヤ16を保持するフレームや搬送される用紙Pをガイドする形状により構成されている。
【0078】
アタッチメント50はMFP1に対して、着脱自由な構成である。したがって、アタッチメント50を脱着した状態でも、媒体供給本体部110のみを使用するならば、MFP1を正常に使用することができる。
【0079】
MFP1に媒体供給増設部120を接続するときには、アタッチメント50を媒体供給本体部110に装着する。これによって、媒体供給増設部120から給紙された用紙Pがアタッチメント50に設けられた本体-バンク中継ローラ114を介して、レジストローラ115へと搬送される。
【0080】
以上のように、駆動伝達部をアタッチメント50で構成することで、無用な搬送ローラなどを設置することなく、製造コストの削減を図ることができる。
【0081】
[媒体供給装置の第三実施形態]
次に、本発明に係る媒体供給装置のさらに別の実施形態に関し、
図15を用いて説明する。
図15に示すように、本実施形態に係る媒体供給ユニット100は、複数の媒体供給増設部120が積層構成によって接続される。
【0082】
本実施形態に係る媒体供給増設部120は、第一媒体供給増設部120aと第二媒体供給増設部120bを備え、第二媒体供給増設部120bは第一媒体供給増設部120aに連結し、第一媒体供給増設部120aが媒体供給本体部110に接続する。
【0083】
第一媒体供給増設部120aの下方にも、媒体供給本体部110との連結構成と同様の中継ローラとその駆動ギヤ及び連結ギヤを配置することで、さらに下段の第二媒体供給増設部120bにも駆動を連結可能とする。当該構成により、複数の媒体供給増設部120を媒体供給ユニット100として利用可能となる。
【0084】
なお、
図15は、媒体供給増設部120の二段構成を例示したが、これに限定されるものではない。媒体供給増設部120を三段構成又はそれ以上で積層してもよい。
【0085】
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、その技術的要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。上記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者であれば、開示した内容から様々な変形例を実現することが可能である。そのような変形例も、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0086】
1 :MFP
10 :本体ユニット
15 :駆動ギヤ
16 :駆動ギヤ
17 :アイドラギヤ
18 :バンク伝達ギヤ
19 :本体側駆動源
25 :駆動ギヤ
27 :アイドラギヤ
28 :バンク伝達ギヤ
29 :バンク搬送モータ
30 :位置決めピン
31 :アース部材
32 :ギヤ保持部材
33 :スプリング
41 :遮蔽板
41a :ギヤ露出穴
42 :本体フレーム
42a :本体フレーム穴
42b :本体フレーム位置決め穴
50 :アタッチメント
100 :媒体供給ユニット
110 :媒体供給本体部
111 :本体給紙カセット
112 :本体給紙ローラ対
113 :本体搬送ローラ
114 :バンク中継ローラ
115 :レジストローラ
120 :媒体供給増設部
121 :増設給紙カセット
122 :バンク給紙ローラ対
123 :バンク搬送ローラ
131 :定着部
132 :転写ローラ
133 :反転ローラ
134 :排紙トレイ
135 :分岐爪
141 :手差しトレイ
142 :手差し給紙ローラ対
143 :手差し中継搬送ローラ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0087】