(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023006023
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 25/10 20060101AFI20230111BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
H01L25/10 Z
H01L23/12 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021108392
(22)【出願日】2021-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000190688
【氏名又は名称】新光電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】関島 信一朗
(57)【要約】 (修正有)
【課題】反り及びうねりの発生を抑制する半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置は、下基板100と、上基板との間に配置され、下基板に実装された半導体素子300と、上下基板の導電パッドを接合する複数の接合材20とを有する。下基板は、第1方向に平行に延びる第1辺151、第2辺152と、第1方向に垂直な第2方向に平行に延びる第3辺153、第4辺154と、を備える。半導体素子は、第1方向に平行に延びる第5辺355、第6辺356と、第2方向に平行に延びる第7辺357、第8辺358と、を備える。第5辺、第6辺は、第7辺、第8辺よりも長い。接合材の一部は、第1辺と第5辺との間に第1列をなし、第2辺と第6辺との間に第2列をなし、第3辺と第7辺との間に第3列をなし、第4辺と第8辺との間に第4列をなして夫々配置され、第3列及び第4列の数は第1列及び第2列の数よりも少ない。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面を有し、前記第1主面に複数の第1導電パッドを備えた第1基板と、
前記第1主面に対向する第2主面を有し、前記第2主面に複数の第2導電パッドを備えた第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に配置され、前記第1基板の前記第1主面に実装された半導体素子と、
前記第1導電パッドと前記第2導電パッドとを接合する複数の接合材と、
を有し、
前記第1主面に垂直な方向からの平面視で、
前記第1基板は、第1方向に平行に延びる第1辺及び第2辺と、前記第1方向に垂直な第2方向に平行に延びる第3辺及び第4辺と、を備えた矩形状の平面形状を有し、
前記半導体素子は、前記第1方向に平行に延びる第5辺及び第6辺と、前記第2方向に平行に延びる第7辺及び第8辺と、を備えた矩形状の平面形状を有し、
前記第5辺及び前記第6辺は、前記第7辺及び前記第8辺よりも長く、
前記第5辺は前記第6辺よりも前記第1辺側にあり、
前記第7辺は前記第8辺よりも前記第3辺側にあり、
前記複数の接合材の一部は、前記第1辺と前記第5辺との間に、前記第1方向に平行に延びる2以上の第1列をなして配置され、
前記複数の接合材の一部は、前記第2辺と前記第6辺との間に、前記第1方向に平行に延びる2以上の第2列をなして配置され、
前記複数の接合材の一部は、前記第3辺と前記第7辺との間に、前記第2方向に平行に延びる1又は2以上の第3列をなして配置され、
前記複数の接合材の一部は、前記第4辺と前記第8辺との間に、前記第2方向に平行に延びる1又は2以上の第4列をなして配置され、
前記第3列の数及び前記第4列の数は、前記第1列の数及び前記第2列の数よりも少ないことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記接合材は、導電性コアボールを有することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記導電性コアボールは銅を含有することを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記接合材は、前記導電性コアボールの表面を覆うはんだ層を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第5辺と前記第1列との間の第1距離及び前記第6辺と前記第2列との間の第2距離は、
前記第7辺と前記第3列との間の第3距離の1.5倍以下であり、かつ
前記第8辺と前記第4列との間の第4距離の1.5倍以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第3辺及び前記第4辺の長さは、前記第1辺及び前記第2辺の長さの0.95倍~1.05倍であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上基板と下基板との間に半導体チップが設けられた半導体装置が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の半導体装置によれば、所期の目的は達成されるものの、半導体チップの形態が多様化した際に、半導体チップの形状によっては、半導体装置に反り又はうねりが生じるおそれがある。
【0005】
本開示は、反り及びうねりの発生を抑制することができる半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態によれば、第1主面を有し、前記第1主面に複数の第1導電パッドを備えた第1基板と、前記第1主面に対向する第2主面を有し、前記第2主面に複数の第2導電パッドを備えた第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に配置され、前記第1基板の前記第1主面に実装された半導体素子と、前記第1導電パッドと前記第2導電パッドとを接合する複数の接合材と、を有し、前記第1主面に垂直な方向からの平面視で、前記第1基板は、第1方向に平行に延びる第1辺及び第2辺と、前記第1方向に垂直な第2方向に平行に延びる第3辺及び第4辺と、を備えた矩形状の平面形状を有し、前記半導体素子は、前記第1方向に平行に延びる第5辺及び第6辺と、前記第2方向に平行に延びる第7辺及び第8辺と、を備えた矩形状の平面形状を有し、前記第5辺及び前記第6辺は、前記第7辺及び前記第8辺よりも長く、前記第5辺は前記第6辺よりも前記第1辺側にあり、前記第7辺は前記第8辺よりも前記第3辺側にあり、前記複数の接合材の一部は、前記第1辺と前記第5辺との間に、前記第1方向に平行に延びる2以上の第1列をなして配置され、前記複数の接合材の一部は、前記第2辺と前記第6辺との間に、前記第1方向に平行に延びる2以上の第2列をなして配置され、前記複数の接合材の一部は、前記第3辺と前記第7辺との間に、前記第2方向に平行に延びる1又は2以上の第3列をなして配置され、前記複数の接合材の一部は、前記第4辺と前記第8辺との間に、前記第2方向に平行に延びる1又は2以上の第4列をなして配置され、前記第3列の数及び前記第4列の数は、前記第1列の数及び前記第2列の数よりも少ない半導体装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
開示の技術によれば、反り及びうねりの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【
図2】実施形態における下基板の上での接合材の配置を示す模式図である。
【
図3】実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その1)である。
【
図4】実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その2)である。
【
図5】実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その3)である。
【
図6】実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その4)である。
【
図7】実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その5)である。
【
図8】実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その6)である。
【
図9】参考例における下基板の上での接合材の配置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について添付の図面を参照しながら具体的に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省くことがある。また、本開示においては、X1-X2方向、Y1-Y2方向、Z1-Z2方向を相互に直交する方向とする。X1-X2方向及びY1-Y2方向を含む面をXY面と記載し、Y1-Y2方向及びZ1-Z2方向を含む面をYZ面と記載し、Z1-Z2方向及びX1-X2方向を含む面をZX面と記載する。なお、便宜上、Z1-Z2方向を上下方向とし、Z1側を上側、Z2側を下側とする。また、平面視とは、Z1側から対象物を視ることをいい、平面形状とは、対象物をZ1側から視た形状のことをいう。但し、半導体装置は天地逆の状態で用いることができ、又は任意の角度で配置することができる。
【0010】
本実施形態は、半導体装置に関する。
図1は、実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【0011】
実施形態に係る半導体装置10は、下基板100と、上基板200と、半導体素子300とを有する。下基板100はXY面に略平行な上面101を有し、上基板200はXY面に略平行な下面201を有する。上基板200は下基板100の上側(Z1側)に配置されている。上基板200の下面201が下基板100の上面101に対向している。下基板100は第1基板の一例であり、上基板200は第2基板の一例である。下基板100の上面101は第1主面の一例であり、上基板200の下面201は第2主面の一例である。
【0012】
下基板100は、例えば、コア層110と、コア層110の上面に設けられたビルドアップ層120と、コア層110の下面に設けられたビルドアップ層130とを有する。下基板100が、コア層を含まないコアレス基板であってもよい。
【0013】
コア層110は、貫通孔114が形成された絶縁性の基材111と、貫通孔114の内壁面に形成された貫通電極112と、貫通電極112の内側に充填された充填材113とを有する。例えば、コア層110の材料はガラスエポキシ等であり、貫通電極112の材料は銅等である。また、充填材113が存在せず、貫通孔114の内部が全て金属で充填された貫通電極112を用いてもよい。
【0014】
ビルドアップ層120は、絶縁層121と、配線層122と、ソルダレジスト層123とを有する。ソルダレジスト層123には、上基板200との接続用の開口部123Aと、半導体素子300の実装用の開口部123Bとが形成されている。配線層122は、絶縁層121の最上面に、上基板200との接続用の複数の導電パッド124Aと、半導体素子300の実装用の複数の導電パッド124Bとを含む。導電パッド124Aは開口部123Aから露出し、導電パッド124Bは開口部123Bから露出する。配線層122の材料は、例えば銅等の導電体である。導電パッド124Aは第1導電パッドの一例である。
【0015】
ビルドアップ層130は、絶縁層131と、配線層132と、ソルダレジスト層133とを有する。ソルダレジスト層133には、外部接続用の開口部133Aが形成されている。配線層132は、絶縁層131の最下面に導電パッド134を含む。導電パッド134は開口部133Aから露出する。配線層132の材料は、例えば銅等の導電体である。導電パッド134上にはんだボール135が設けられている。なお、はんだボール135が設けられず、直接導電パッド134が外部装置の電極と接続される場合もある。
【0016】
導電パッド124Aと、導電パッド124Bと、導電パッド134とが、配線層122、貫通電極112及び配線層132を介して電気的に接続されている。ビルドアップ層120に含まれる絶縁層121及び配線層122の数、ビルドアップ層130に含まれる絶縁層131及び配線層132の数は特に限定されない。
【0017】
半導体素子300は下基板100の上面101にフリップチップ実装されている。すなわち、半導体素子300のバンプ301が接合材310を介して下基板100の導電パッド124Bに電気的に接続されている。接合材310は、例えばはんだから構成される。半導体素子300と下基板100との間にはアンダーフィル材320が充填されている。
【0018】
上基板200は、例えば、コア層210と、複数の導電パッド211と、複数の導電パッド212と、ソルダレジスト層214と、ソルダレジスト層215とを有する。但し、上基板200はコア層を含まないコアレス基板を用いても良い。
【0019】
導電パッド211はコア層210の下面に設けられており、導電パッド212はコア層210の上面に設けられている。導電パッド212は、コア層210に形成されたビアホール213を通じて導電パッド211に接続されている。導電パッド211及び導電パッド212の材料は、例えば銅等の導電体である。導電パッド211は第2導電パッドの一例である。
【0020】
ソルダレジスト層214はコア層210の下面を覆っている。ソルダレジスト層214には、下基板100との接続用の開口部214Aが形成されている。導電パッド211は開口部214Aから露出する。ソルダレジスト層215はコア層210の上面を覆っている。ソルダレジスト層215には、外部接続用の開口部215Aが形成されている。導電パッド212は開口部215Aから露出する。導電パッド212は、半導体素子、受動素子又は他の配線基板等の電子部品を上基板200に搭載するために用いられる。
【0021】
半導体装置10は、下基板100の複数の導電パッド124Aと上基板200の複数の導電パッド211とを接合する複数の接合材20を有する。接合材20は、例えば、銅コアボール21と、銅コアボール21の表面を覆うはんだ層22とを有する。接合材20は、例えば銅コア付きはんだボールである。接合材20は、金属からなる柱状体とその表面を覆うはんだ層とからなっても良い。金属は銅を使用することができ、柱状体としては円柱だけでなく角柱などを含み、柱状体の表面にNi層が形成されていても良い。
【0022】
下基板100の導電パッド124Aと、上基板200の導電パッド211とは互いに対向している。そして、銅コアボール21は、導電パッド124A及び導電パッド211の両方に接触している。銅コアボール21の形状は球体状であってもよく、楕円体状であってもよい。銅コアボール21の表面にNi層が形成されていてもよい。
【0023】
はんだ層22は導電パッド124A及び導電パッド211の両方に接触していてもよい。はんだ層22の材料は、例えば、Sn(錫)、Sn-Ag(銀)系、Sn-Cu系、Sn-Ag-Cu系のPb(鉛)フリーはんだである。
【0024】
ここで、接合材20の配置について詳細に説明する。
図2は、実施形態における下基板の上での接合材の配置を示す模式図である。
図1は、
図2中のI-I線に沿った断面図に相当する。
【0025】
下基板100は、平面視で、X1-X2方向に平行に延びる第1辺151及び第2辺152と、Y1-Y2方向に平行に延びる第3辺153及び第4辺154とを備えた平面形状を有する。第1辺151は第2辺152に対してY1側にあり、第2辺152は第1辺151に対してY2側にある。第3辺153は第4辺154に対してX1側にあり、第4辺154は第3辺153に対してX2側にある。例えば、第3辺153及び第4辺154の長さは、第1辺151及び第2辺152の長さの0.95倍~1.05倍である。下基板100の平面形状は正方形状であってもよい。つまり、第3辺153及び第4辺154の長さが、第1辺151及び第2辺152の長さと等しくてもよい。
【0026】
半導体素子300は、平面視で、X1-X2方向に平行に延びる第5辺355及び第6辺356と、Y1-Y2方向に平行に延びる第7辺357及び第8辺358とを備えた平面形状を有する。第5辺355は第6辺356に対してY1側にあり、第6辺356は第5辺355に対してY2側にある。第7辺357は第8辺358に対してX1側にあり、第8辺358は第7辺357に対してX2側にある。また、第5辺355は第6辺356よりも第1辺151側にあり、第6辺356は第5辺355よりも第2辺152側にあり、第7辺357は第8辺358よりも第3辺153側にあり、第8辺358は第7辺357よりも第4辺154側にある。第5辺355及び第6辺356は、第7辺357及び第8辺358よりも長い。
【0027】
平面視で、半導体素子300は下基板100のほぼ中央に配置されている。複数の接合材20は、半導体素子300の周囲に規則的に配置されている。複数の接合材20の一部は、第1辺151と第5辺355との間に、X1-X2方向に平行に延びる2つの第1列をなして配置され、複数の接合材20の一部は、第2辺152と第6辺356との間に、X1-X2方向に平行に延びる2つの第2列をなして配置されている。また、複数の接合材20の一部は、第3辺153と第7辺357との間に、Y1-Y2方向に平行に延びる1つの第3列をなして配置され、複数の接合材20の一部は、第4辺154と第8辺358との間に、Y1-Y2方向に平行に延びる1つの第4列をなして配置されている。このように、本実施形態では、第3列の数及び第4列の数が、第1列の数及び第2列の数よりも少ない。
【0028】
下基板100の複数の導電パッド124A及び上基板200の複数の導電パッド211も、複数の接合材20に対応するようにして、平面視で、半導体素子300の周囲に規則的に配置されている。
【0029】
上基板200と下基板100との間にモールド樹脂40が充填され、上基板200は下基板100に対して固定されている。上基板200と下基板100との間の距離は銅コアボール21により維持されている。
【0030】
次に、実施形態に係る半導体装置10の製造方法について説明する。
図3~
図8は、実施形態に係る半導体装置10の製造方法を示す断面図である。
【0031】
まず、
図3に示すように、下基板100を準備する。上述のように、下基板100は、導電パッド124A及び導電パッド124B等を有する。次いで、導電パッド124Bの上に、例えば接合材310を形成する。接合材310は、電解めっき法等により形成することができる。
【0032】
次いで、
図4に示すように、バンプ301が形成された半導体素子300を下基板100にフリップチップ実装する。すなわち、接合材310を介してバンプ301を下基板100の導電パッド124Bに電気的に接続する。次いで、半導体素子300と下基板100との間にアンダーフィル材320を充填する。
【0033】
また、
図5に示すように、上基板200を準備する。上述のように、上基板200は、導電パッド211等を有する。次いで、接合材20として、銅コア付きはんだボールを導電パッド211の上に搭載する。接合材20は、球体状の銅コアボール21と、銅コアボール21の外周に設けられたはんだ層22とを有する。銅コアボール21の表面にNi層が形成されていてもよい。
【0034】
半導体素子300と下基板100との間へのアンダーフィル材320の充填と、接合材20の搭載との後、
図6に示すように、下基板100と上基板200との間にモールド樹脂40を設けながら、接合材20が導電パッド124Aに接するようにして、上基板200を下基板100の上に載置する。半導体素子300は、下基板100と上基板200との間に配置される。
【0035】
次いで、はんだ層22のリフローを行う。この結果、
図7に示すように、はんだ層22が溶融、凝固して銅コアボール21が導電パッド124Aに接触する。また、はんだ層22の成分(例えば錫)と、導電パッド124Aの成分(例えば銅)及び導電パッド211の成分(例えば銅)とから合金層(図示せず)が形成される。リフローの温度は、例えば260℃程度である。また、はんだ層22は熱を帯びたツールを押し当てて溶融させても良い。
【0036】
次いで、
図8に示すように、導電パッド134の上にはんだボール135を形成する。
【0037】
このようにして、実施形態に係る半導体装置10を製造することができる。
【0038】
なお、上基板200を下基板100の上に載置する際にモールド樹脂40を設けずに、はんだ層22のリフローが行われた後にモールド樹脂40を設けてもよい。また、上基板200を下基板100の上に載置する際にモールド樹脂40を設けずに、はんだ層22のリフローの際にモールド樹脂40を設けてもよい。
【0039】
ここで、本実施形態の効果について、参考例と比較しながら説明する。
図9は、参考例における下基板の上での接合材の配置を示す模式図である。
【0040】
参考例では、
図9に示すように、複数の接合材20の一部が、第3辺153と第7辺357との間に、Y1-Y2方向に平行に延びる2つの第3列をなして配置され、複数の接合材20の一部が、第4辺154と第8辺358との間に、Y1-Y2方向に平行に延びる2つの第4列をなして配置されている。このように、参考例では、第3列の数及び第4列の数が、第1列の数及び第2列の数と等しい。他の構成は、本実施形態と同様である。
【0041】
本実施形態においても、参考例においても、製造時には、はんだ層22のリフローの際等に下基板100が熱変形する。また、はんだ層22が凝固した後には、下基板100の熱変形は、接合材20を通じて上基板200による拘束を受ける。
【0042】
更に、半導体素子300も熱変形するが、半導体素子300の熱膨張率(CTE)は下基板100の熱膨張率よりも著しく小さい。このため、半導体素子300の熱変形は、下基板100の熱変形よりも著しく小さい。従って、下基板100の熱変形は半導体素子300による拘束も受ける。
【0043】
参考例では、第3列の数及び第4列の数が第1列の数及び第2列の数と等しいため、下基板100のX1-X2方向の熱変形及びY1-Y2方向の熱変形は上基板200により同程度に拘束される。また、半導体素子300の第5辺355及び第6辺356は、第7辺357及び第8辺358よりも長い。このため、半導体素子300により、下基板100のX1-X2方向の熱変形が、Y1-Y2方向の熱変形よりも拘束される。従って、参考例では、下基板100が、Y1-Y2方向よりもX1-X2方向に熱変形しやすい。このため、XY面内において、下基板100の熱変形に大きな異方性が生じ得る。熱変形の異方性が大きいほど、半導体装置に反りが生じやすくなったり、うねりが生じやすくなったりする。
【0044】
一方、本実施形態では、第3列の数及び第4列の数が、第1列の数及び第2列の数よりも少ない。このため、上基板200により、下基板100のY1-Y2方向の熱変形が、X1-X2方向の熱変形よりも拘束される。また、参考例と同様に、半導体素子300により、下基板100のX1-X2方向の熱変形が、Y1-Y2方向の熱変形よりも拘束される。従って、本実施形態では、上基板200による下基板100の熱変形の拘束と、半導体素子300による下基板100の熱変形の拘束とにより、下基板100の熱変形の異方性が低減される。このため、下基板100の熱変形の異方性に伴う半導体装置10の反り及びうねりを抑制することができる。
【0045】
第5辺355と接合材20の第1列との間の第1距離L1及び第6辺356と接合材20との間の第2距離L2は、第7辺357と接合材20の第3列との間の第3距離L3の1.5倍以下であり、かつ第8辺358と接合材20の第4列との間の第4距離L4の1.5倍以下であることが好ましい。下基板100の熱収縮の異方性を低減するためである。第1距離L1及び第2距離L2は、より好ましくは第3距離L3の1.3倍以下、かつ第4距離L4の1.3倍以下であり、更に好ましくは第3距離L3の1.1倍以下、かつ第4距離L4の1.1倍以下である。
【0046】
複数の接合材20は、平面視で、格子状に規則的に配置されていることが好ましいが、配線の引き回しの制約等により、一部に接合材20が欠けた領域があってもよい。
【0047】
第3列の数及び第4列の数が第1列の数及び第2列の数よりも少なければ、第1列の数、第2列の数、第3列の数及び第4列の数は限定されない。例えば、第1列の数及び第2列の数が1であって、第3列の数及び第4列の数が3であってもよい。また、第1列の数及び第2列の数が2であって、第3列の数及び第4列の数が3であってもよい。第1列の数、第2列の数、第3列の数及び第4列の数がより多くてもよい。
【0048】
なお、半導体素子300及び接合材20が設けられていない下基板100の熱変形に伴う反りの方向と、接合材20が設けられていない上基板200の熱変形に伴う反りの方向とは逆向きであることが好ましい。例えば、下基板100が凸状に反る場合、上基板200は凹状に反ることが好ましい。
【0049】
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、上述した実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0050】
10 半導体装置
20 接合材
21 銅コアボール
22 はんだ層
100 下基板
101 上面
124A、124B 導電パッド
200 上基板
201 下面
211 導電パッド
300 半導体素子