(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023061142
(43)【公開日】2023-05-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20230424BHJP
G06F 3/16 20060101ALI20230424BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20230424BHJP
G07B 5/00 20060101ALI20230424BHJP
【FI】
G06F3/01 510
G06F3/16 610
G06F3/16 660
G03G21/00 376
G07B5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021170952
(22)【出願日】2021-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】門田 宜也
【テーマコード(参考)】
2H270
5E555
【Fターム(参考)】
2H270LA58
2H270LA60
2H270LD02
2H270LD05
2H270QA13
2H270QA36
2H270QA46
2H270QB21
2H270QB24
2H270ZC03
2H270ZC04
5E555AA07
5E555AA11
5E555AA46
5E555BA27
5E555BB27
5E555BC01
5E555BE08
5E555CA12
5E555CA42
5E555CA43
5E555CB12
5E555DA23
5E555EA05
5E555EA22
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】視覚障がい者向けの音声読み上げ操作機能を自動的に有効化すること。
【解決手段】視覚障がい者向けの音声読み上げ操作機能を有する情報処理装置であって、前記情報処理装置の利用者に関する情報を検出する検出部と、前記利用者に関する情報に基づいて、前記利用者が視覚障がい者であるか否かを判別する判別部と、前記判別部が前記利用者を視覚障がい者であると判別した場合、前記音声読み上げ操作機能を有効化する切替部と、を有することを特徴とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
視覚障がい者向けの音声読み上げ操作機能を有する情報処理装置であって、
前記情報処理装置の利用者に関する情報を検出する検出部と、
前記利用者に関する情報に基づいて、前記利用者が視覚障がい者であるか否かを判別する判別部と、
前記判別部が前記利用者を視覚障がい者であると判別した場合、前記音声読み上げ操作機能を有効化する切替部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記検出部は、カメラで撮影した画像を解析することにより、前記利用者と白杖に関する情報を検出し、
前記判別部は、前記利用者の手の付近に前記白杖がある場合、前記利用者が視覚障がい者であると判別する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記検出部は、前記利用者が有する無線タグに含まれる情報を検出し、
前記判別部は、前記無線タグに含まれる情報に基づいて、前記利用者が視覚障がい者であるか否かを判別する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記検出部は、前記利用者による前記情報処理装置の操作における特徴に関する情報を検出し、
前記判別部は、前記操作における特徴に関する情報に基づいて、前記利用者が視覚障がい者であるか否かを判別する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記音声読み上げ操作機能を有効化する前に、有効化しても良いかを確認する音声メッセージを出力する音声処理部を更に有する請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
視覚障がい者向けの音声読み上げ操作機能を有する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記情報処理装置の利用者に関する情報を検出する検出ステップと、
前記利用者に関する情報に基づいて、前記利用者が視覚障がい者であるか否かを判別する判別ステップと、
前記判別ステップが前記利用者を視覚障がい者であると判別した場合、前記音声読み上げ操作機能を有効化する切替ステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項7】
視覚障がい者向けの音声読み上げ操作機能を有する情報処理装置に、
前記情報処理装置の利用者に関する情報を検出する検出ステップ、
前記利用者に関する情報に基づいて、前記利用者が視覚障がい者であるか否かを判別する判別ステップ、
前記判別ステップが前記利用者を視覚障がい者であると判別した場合、前記音声読み上げ操作機能を有効化する切替ステップ、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
弱視者や全盲者などの視覚障がい者向けに、画像形成装置などの電子機器や端末装置の操作情報を音声で読み上げる機能が従来から知られている。特許文献1には、操作キーによる操作状況を操作機能の変化の度に音声出力する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の技術では、視覚障がい者向けの音声読み上げ操作機能を自動的に有効化することができなかった。
【0004】
本発明の実施形態は、上記課題に鑑み、視覚障がい者向けの音声読み上げ操作機能を自動的に有効化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明は、視覚障がい者向けの音声読み上げ操作機能を有する情報処理装置であって、前記情報処理装置の利用者に関する情報を検出する検出部と、前記利用者に関する情報に基づいて、前記利用者が視覚障がい者であるか否かを判別する判別部と、前記判別部が前記利用者を視覚障がい者であると判別した場合、前記音声読み上げ操作機能を有効化する切替部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、視覚障がい者向けの音声読み上げ操作機能を自動的に有効化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態に係る音声読み上げ操作機能の一例を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る情報処理装置および画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る情報処理装置における機能ブロックの構成図の一例を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る情報処理装置における処理のフローチャートの一例を示す図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置における処理を説明するための図である。
【
図6】本発明の第2の実施形態に係る情報処理装置における処理を説明するための図である。
【
図7】本発明の第3の実施形態に係る情報処理装置における処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムの実施形態を詳細に説明する。
【0009】
[第1の実施形態]
<システム概要>
図1は、本発明の実施形態に係る音声読み上げ操作機能の概略図の一例を示す図である。
図1は、画像形成装置9の操作を行うタッチパネルにおいて、視覚障がい者向けの音声読み上げ操作機能が有効化されているスキャナの設定画面を示す。ここで、利用者がタッチパネル上でスワイプ(指を画面に触れたまま画面上で指を動かす)する操作を行なった際に、指が触れたボタンに対する設定の種類と現在の設定値が読み上げられる。例えば、色の設定ボタンに触れた時に「色設定、自動」、ファイルタイプの設定ボタンに触れた時に「ファイルタイプ、PDF」、解像度の設定ボタンに触れた時に「解像度、200dpi」と読み上げられる。
【0010】
本発明の実施形態では、まず、画像形成装置9は、利用者における視覚障がい者に関する情報を検出し、次に、検出した情報に基づいて、利用者が視覚障がい者であるか否かを判別する。最後に、利用者が視覚障がい者であると判別した場合、画像形成装置9は、利用者が操作する装置の音声読み上げ操作機能を有効化する。ここで、利用者が操作する装置は、画像形成装置9に限らず、音声読み上げ操作機能を有する情報処理装置1であれば良い。例えば、駅などに設置されている切符などの券売機などであってもよい。
【0011】
<ハードウェア構成例>
図2は、本発明の実施形態に係る情報処理装置1および画像形成装置9のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示されているように、情報処理装置1および画像形成装置9(あるいは、MFP、Multifunction Peripheral/Product/Printerと呼ばれる)は、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F950を備えている。
【0012】
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、ローカルメモリ(MEM-C)907、HDDコントローラ908、及び、HD909を有し、NB903とASIC906との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成となっている。
【0013】
これらのうち、CPU901は、情報処理装置1および画像形成装置9の全体制御を行う制御部である。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、及びAGPバス921とを接続するためのブリッジであり、MEM-P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0014】
MEM-P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM902a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM902bとからなる。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0015】
SB904は、NB903とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDD908およびMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC906は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931及びプリンタ部932との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC906には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
【0016】
近距離通信回路920は、ICカードなどに記憶された利用者の認証情報などを読込むためのカードリーダ920aを有する。
【0017】
操作パネル940は、利用者による入力を受け付けるタッチパネル940aとテンキー940bを有する。また、タッチパネル940aは、画像形成装置9が実行するアプリケーション画面などを表示する。
【0018】
<機能について>
図3は、本発明の実施形態に係る情報処理装置1における機能ブロックの構成図の一例を示す図である。情報処理装置1は、検出部10、判別部11、切替部12、表示制御部13、および音声処理部14を有する。これら各部は、情報処理装置1にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令をCPU901が実行することで実現される機能又は手段である。
【0019】
検出部10は、情報処理装置1の利用者における視覚障がい者に関する情報を検出する。例えば、情報処理装置1が備えるカメラで撮影した画像から、人物、及び、人物の頭、顔、腕、手、胴体、脚などの各部分、更に視覚障がい者が利用する白杖などを検出する。または、検出部10は、情報処理装置1が備える無線タグ検出器を用いて、視覚障がい者が所持する無線タグを検出する。または、検出部10は、利用者が画像形成装置9のタッチパネルなどを操作する際に、操作において有効でない領域に触れるなどの操作における特徴を検出する。
【0020】
判別部11は、検出部10が検出した視覚障がい者に関する情報に基づいて、視覚障がい者が情報処理装置1を利用しているか、または利用を開始しようとしているかを判別する。例えば、情報処理装置1が備えるカメラで撮影した画像から検出した人物の手の付近に白杖が有る場合、視覚障がい者が情報処理装置1を利用していると判別する。または、検出部10が、情報処理装置1の付近で視覚障がい者が所持する無線タグを検出した場合、視覚障がい者が情報処理装置1を利用していると判別する。または、検出部10が検出したタッチパネルの操作において、操作において有効でない領域に触れるなどの操作を検出した場合、視覚障がい者が情報処理装置1を利用していると判別する。
【0021】
切替部12は、判別部11の判別結果として、視覚障がい者が情報処理装置1を利用している、または利用を開始しようとしていると判別した場合、情報処理装置1の音声読み上げ操作機能を有効化する。すなわち、切替部12は、判別部11の判別結果に基づいて、無効化されている情報処理装置1の音声読み上げ操作機能を有効に切り替える。
【0022】
表示制御部13は、メニュー画面や設定画面などのサービス利用時の操作画面を画像形成装置9などのタッチパネルの画面などに表示する。
【0023】
音声処理部14は、音声読み上げ操作機能における音声メッセージや、音声読み上げ操作機能を有効化しても良いかを利用者に確認する音声メッセージなどの音声を出力する。
【0024】
<処理のフローチャート>
図4は、本発明の実施形態に係る情報処理装置における処理のフローチャートの一例を示す図である。以下、情報処理装置1が実行する各ステップについて説明する。
【0025】
ステップS21:情報処理装置1の検出部10は、情報処理装置1の利用者における視覚障がい者に関する情報を検出する。例えば、検出部10は、情報処理装置1が備えるカメラで撮影した画像から、人物、及び、人物の頭、顔、腕、手、胴体、脚などの各部分、更に視覚障がい者が利用する白杖などを検出する。
【0026】
ステップS22:情報処理装置1の判別部11は、検出部10が検出した視覚障がい者に関する情報に基づいて、視覚障がい者が情報処理装置1を利用しているか、または利用を開始しようとしているかを判別する。例えば、判別部11は、情報処理装置1が備えるカメラで撮影した画像から検出した人物の手の付近に白杖が有る場合、視覚障がい者が情報処理装置1を利用していると判別する。
【0027】
ステップS23:情報処理装置1の切替部12は、視覚障がい者が情報処理装置1を利用している、または利用を開始しようとしていると判別部11が判別した場合、情報処理装置1の音声読み上げ操作機能を有効化する。ここで、音声読み上げ操作機能を有効化する前に、音声処理部14は、音声読み上げ操作機能を有効化しても良いかを利用者に確認する音声メッセージを出力するようにしてもよい。
【0028】
以上の処理により、情報処理装置1は、視覚障がい者が、情報処理装置1を利用している、または利用を開始しようとしている場合、音声読み上げ操作機能を自動的に有効化することが可能である。ここで、音声読み上げ操作機能を有効化するために、例えば、予め決まった操作を実行するようにしても、視覚障がい者が、事前にその操作を理解していない場合、あるいは操作ができない場合がある。これに対して、本発明の実施形態による処理では、利用者が操作を行うことなく、音声読み上げ操作機能を自動的に有効化することが可能である。
【0029】
【0030】
<処理の説明>
図5は、本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置1における処理を説明するための図である。第1の実施形態では、駅などに設定されている切符などの券売機30を視覚障がい者が利用するケースにおける処理について説明する。
【0031】
まず、
図4のステップS21の処理として、検出部10は、券売機30が備えるカメラ31で撮影した画像を解析することにより、人物、及び、人物の頭、腕、手、胴体、脚などの各部分、更に視覚障がい者が利用する白杖などを検出する。また、白杖を検出するために、検出した物体に対する形状、色、人物の手との距離などの情報を検出する。
【0032】
次に、
図4のステップS22の処理として、判別部11は、検出部10が検出した情報に基づいて、視覚障がい者が情報処理装置1を利用しているか、または利用を開始しようとしているかを判別する。ここで、複数の人物を検出した場合、券売機30またはカメラ31から最も近い位置にいる人物を利用者と判別し、さらにこの利用者が視覚障がい者であるか否かを判別する。券売機30またはカメラ31に最も近い人物を判別する方法として、例えば、判別部11は、双眼カメラ(またはステレオカメラとも呼ばれる)などを用いて、カメラ31と人物との距離を測定してもよい。あるいは、レーザー測定器や超音波測定器などで距離を測定してもよい。また、判別部11は、検出した人物の顔の向きや視線などを解析して、券売機30やカメラ31の方向を向いていることを判別することにより、該当の人物が券売機30を利用している、または、利用を開始しようとしていることを判別してもよい。
【0033】
あるいは、判別部11は、カメラ31により撮影した時間的に連続した複数の画像または動画像を用いて、検出した人物が券売機30に近づいていることを判別することにより、検出した人物が、券売機30の利用を開始しようとしていることを判別してもよい。
【0034】
次に、券売機30を利用している、または利用を開始しようとしていると判別した人物が、視覚障がい者であるか否かを判別するために、例えば、判別部11は、判別した人物が白杖を有しているか否かを判別する。検出した物体が、白杖であるか否かを判別する方法として、例えば、判別部11は、形状が細長い棒状であり、且つ、色が白色であれば、白杖であると判別する。更に、判別部11は、白杖として検出した物体が、判別した人物の手の付近にあるか否かにより、判別した人物が白杖を有していると判別する。
【0035】
あるいは、判別部11は、利用者が券売機30に顔を極端に近づけている場合、視覚障がい者であると判別してもよい。
【0036】
最後に、
図4のステップS23の処理として、切替部12は、判別部11が視覚障がい者が券売機30を利用している、または利用を開始していることを判別した場合に、券売機30の音声読み上げ操作機能を有効化する。
【0037】
[第2の実施形態]
図6は、本発明の第2の実施形態に係る情報処理装置1における処理を説明するための図である。第2の実施形態では、無線タグ33を所持する視覚障がい者が、無線タグ検出器32を備える画像形成装置9を利用するケースにおける処理について説明する。
【0038】
まず、
図4のステップS21の処理として、検出部10は、画像形成装置9が備える無線タグ検出器32により、画像形成装置9の利用者が所有する無線タグ33を検出する。無線タグ33は、例えば、RFID(Radio Frequency IDentification)と呼ばれる無線通信による個体識別技術で用いられるものである。無線タグ検出器32は、例えば、Bluetooth(商標)や近距離通信(NFC、Near Filed Communication)などの非接触通信を用いて、無線タグ33を検出する。ここで、無線タグ33は、視覚障がい者を識別するための専用のものであってもよいし、社員証や入館カードに付与された無線タグ33に、視覚障がい者を識別する情報を含めるようにしてもよい。
【0039】
また、複数の無線タグ33を検出した場合、検出部10は、画像形成装置9の利用者が所有する無線タグ33として、通信強度が最も強い(すなわち、最も無線タグ検出器32または画像形成装置9に近い)無線タグ33としてもよい。あるいは、検出部10は、検出した時間が直近であり、最も通信時間が長い(すなわち、操作のため利用者が立ち止まっている)無線タグ33としてもよい。
【0040】
次に、
図4のステップS22の処理として、判別部11は、検出部10が検出した無線タグ33に基づいて、視覚障がい者が画像形成装置9を利用しているか、または利用を開始しようとしているかを判別する。すなわち、判別部11は、検出した無線タグ33に含まれる視覚障がい者を特定する情報に基づいて、検出した無線タグ33を所持する利用者が視覚障がい者であるか否かを判別する。
【0041】
最後に、
図4のステップS23の処理として、切替部12は、判別部11が視覚障がい者が画像形成装置9を利用している、または利用を開始していることを判別した場合に、画像形成装置9の音声読み上げ操作機能を有効化する。
【0042】
[第3の実施形態]
図7は、本発明の第3の実施形態に係る情報処理装置における処理を説明するための図である。第3の実施形態では、視覚障がい者が画像形成装置9のタッチパネルを操作するケースにおける処理について説明する。
【0043】
まず、表示制御部13は、画像形成装置9のタッチパネルにスキャナの操作画面34を表示する。
図4のステップS21の処理として、検出部10は、画像形成装置9のタッチパネルに表示された操作画面34における利用者の操作を検出する。
【0044】
次に、
図4のステップS22の処理として、判別部11は、検出部10が検出した利用者の操作に基づいて、視覚障がい者が画像形成装置9を利用しているか、または利用を開始しようとしているかを判別する。すなわち、判別部11は、利用者の操作が、画像形成装置9を利用するための通常の操作であるか、手探りで操作方法を探すなどの視覚障がい者による操作であるかを判別する。そのために、判別部11は、まず、
図7の操作画面34を通常の操作において利用者が触れる各種ボタンが配置されている領域である操作有効領域35とそれ以外の領域である操作無効領域36に分類する。次に、判別部11は、利用者による操作が操作無効領域36で行われた場合、視覚障がい者が画像形成装置9を利用していると判別する。また、判別部11は、ボタンを示す箇所に触れた後、そのままスワイプする操作に対して、視覚障がい者の手探りの動作の可能性があるため、ボタン押下の通常操作とはみなさないようにしてもよい。さらに、判別部11は、操作画面34における通常の操作(画面をスクロールさせるなど)となり得ないスワイプの操作に対して、視覚障がい者による操作であると判別してもよい。
【0045】
以上、本発明を実施するための幾つかの形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0046】
例えば、
図3の機能ブロックの構成図の一例は、情報処理装置1による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。情報処理装置1における処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0047】
また、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0048】
また、記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、情報処理装置1は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
【符号の説明】
【0049】
1 情報処理装置
9 画像形成装置
10 検出部
11 判別部
12 切替部
13 表示制御部
14 音声処理部
30 券売機
31 カメラ
32 無線タグ検出器
33 無線タグ
34 操作画面
35 操作有効領域
36 操作無効領域
【先行技術文献】
【特許文献】
【0050】