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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023061241
(43)【公開日】2023-05-01
(54)【発明の名称】光源装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20230424BHJP
   H01S 5/02255 20210101ALI20230424BHJP
   G02B 6/42 20060101ALI20230424BHJP
   G02B 3/02 20060101ALI20230424BHJP
   G02B 17/08 20060101ALI20230424BHJP
   G02B 3/00 20060101ALI20230424BHJP
   H01S 5/02251 20210101ALI20230424BHJP
【FI】
F21S2/00 310
H01S5/02255
G02B6/42
G02B3/02
G02B17/08 Z
G02B3/00 Z
H01S5/02251
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021171108
(22)【出願日】2021-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】金澤 龍也
(72)【発明者】
【氏名】田中 政信
【テーマコード(参考)】
2H087
2H137
5F173
【Fターム(参考)】
2H087KA29
2H087LA01
2H087PA01
2H087PB01
2H087RA01
2H087RA45
2H087TA01
2H087TA04
2H137AA10
2H137AB06
2H137BB02
2H137BB17
2H137BC02
2H137BC12
2H137BC52
2H137CD13
5F173MD64
5F173ME22
5F173ME32
5F173ME44
(57)【要約】
【課題】集光性がよい光源装置を提供すること。
【解決手段】光源装置100は、少なくとも配列方向に沿って配列している複数の発光部113と、第1反射面21と、第2反射面22と、を有し、前記複数の発光部113からの光を反射して、所定方向に出射する、一または複数の光学部材と、前記一または複数の光学部材から出射された前記光を集光する集光レンズ4と、を備え、前記第1反射面21は、前記複数の発光部113により発せられた光を前記第2反射面22に向けて反射し、前記第2反射面22は、前記第1反射面21により反射された前記光を反射し、前記第1反射面21および前記第2反射面22それぞれは、前記配列方向において曲率を有する面であり、前記第2反射面22の前記配列方向における曲率(1/R2)は、前記第1反射面21の前記配列方向における曲率(1/R1)よりも大きい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも配列方向に沿って配列している複数の発光部と、
第1反射面と、第2反射面と、を有し、前記複数の発光部からの光を反射して、所定方向に出射する、一または複数の光学部材と、
前記一または複数の光学部材から出射された前記光を集光する集光レンズと、を備え、
前記第1反射面は、前記複数の発光部により発せられた光を前記第2反射面に向けて反射し、
前記第2反射面は、前記第1反射面により反射された前記光を反射し、
前記第1反射面および前記第2反射面それぞれは、前記配列方向において曲率を有する面であり、
前記第2反射面の前記配列方向における曲率は、前記第1反射面の前記配列方向における曲率よりも大きい光源装置。
【請求項2】
前記第1反射面内の少なくとも一部の領域における焦点は、前記第2反射面内の少なくとも一部の領域における焦点と重なっている請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記複数の発光部は、第1発光部と、第2発光部と、を少なくとも含み、
前記第1反射面は、前記第1発光部により発せられた光を反射する第1領域と、前記第2発光部により発せられた光を反射する第2領域と、を含み、
前記第2反射面は、前記第1発光部により発せられ、前記第1反射面により反射された光を反射する第3領域と、前記第2発光部により発せられ、前記第1反射面により反射された光を反射する第4領域と、を含み、
前記第1領域の焦点は、前記第3領域の焦点と重なっており、
前記第2領域の焦点は、前記第4領域の焦点と重なっている請求項1または2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記複数の発光部は、前記配列方向および前記配列方向に直交する直交方向の各方向に沿って配列しており、
前記一または複数の光学部材は、
高さが異なる複数の段差面を有し、前記第2反射面により反射された前記光を、前記集光レンズに向けて反射する段差反射面をさらに含み、
前記複数の段差面それぞれは、前記直交方向に沿って並ぶ複数の光列それぞれを、対をなして反射し、
前記複数の光列それぞれは、前記第2反射面により反射され、前記配列方向に沿って並んでいる複数の前記光を含む請求項1乃至3の何れか1項に記載の光源装置。
【請求項5】
前記複数の発光部は、それぞれレーザ光を発し、
前記発光部により発せられた前記レーザ光の前記配列方向に沿った幅は、前記レーザ光が前記第1反射面へ入射する位置における前記幅よりも、前記レーザ光が前記第2反射面により反射された位置における前記幅のほうが狭く、
前記複数の発光部により発せられた複数の前記レーザ光の間の間隔は、前記レーザ光が前記段差反射面へ入射する位置における前記直交方向に沿った前記間隔よりも、前記レーザ光が前記段差反射面により反射された位置における前記所定方向に沿った前記間隔のほうが狭い請求項4に記載の光源装置。
【請求項6】
前記一または複数の光学部材は、複数の光学部材であり、
前記複数の光学部材は、
前記第1反射面と、前記第2反射面と、を一体に有する第1光学部材と、
前記段差反射面を有する第2光学部材と、を含んでいる請求項4または5に記載の光源装置。
【請求項7】
前記一または複数の光学部材は、一の光学部材であり、
前記一の光学部材は、前記第1反射面と、前記第2反射面と、前記段差反射面と、を一体に有する請求項4または5に記載の光源装置。
【請求項8】
コアと、前記コアの周囲を覆うクラッドと、を含む光ファイバをさらに有し、
前記集光レンズにより集光された前記光は、前記光ファイバの前記コアに入射する請求項1乃至7の何れか1項に記載の光源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体レーザまたは発光ダイオード等を含む光源装置が幅広く使用されるようになっている。例えば、特許文献1には、所定波長域の光を光軸方向に沿って出射可能な出射部の後方側に配置され、所定波長域の光を光軸方向と同じ方向に沿って出射する1以上の固体光源と、1以上の固体光源から出射された所定波長域の光を出射部の後方側から発光体上に集光する集光光学系と、を有する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2014/073152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光源装置では、集光性がよいものが求められている。
【0005】
本開示に係る実施形態は、集光性がよい光源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施形態に係る光源装置は、少なくとも配列方向に沿って配列している複数の発光部と、第1反射面と、第2反射面と、を有し、前記複数の発光部からの光を反射して、所定方向に出射する、一または複数の光学部材と、前記一または複数の光学部材から出射された前記光を集光する集光レンズと、を備え、前記第1反射面は、前記複数の発光部により発せられた光を前記第2反射面に向けて反射し、前記第2反射面は、前記第1反射面により反射された前記光を反射し、前記第1反射面および前記第2反射面それぞれは、前記配列方向において曲率を有する面であり、前記第2反射面の前記配列方向における曲率は、前記第1反射面の前記配列方向における曲率よりも大きい。
【発明の効果】
【0007】
本開示の実施形態に係る光源装置によれば、集光性がよい光源装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る光源装置の構成例を示す斜視図である。
図2】実施形態に係る光源装置を収容可能である筐体を正面側から視た斜視図である。
図3】実施形態に係る光源装置を収容可能である筐体を背面側から視た斜視図である。
図4】実施形態に係る光源装置が有するアレイ発光部の斜視図である。
図5】実施形態に係る光源装置が有するアレイ発光部の構成例の上面図である。
図6図5におけるVI-VI断面図である。
図7】第1実施形態に係る光源装置が有する放物面ミラーの構成例の背面図である。
図8】第1実施形態に係る光源装置が有する放物面ミラーの構成例の上面図である。
図9】第1実施形態に係る光源装置が有する放物面ミラーの斜視図である。
図10】第1実施形態に係る光源装置の放物面ミラーによる反射を示す図である。
図11図7におけるXI-XI断面図である。
図12】実施形態に係る光源装置が有する段差ミラーの斜視図である。
図13図12におけるXIII-XIII断面図である。
図14】段差ミラーの段差反射面によるレーザビームの反射を示す図である。
図15】光ファイバを説明するためのフェルールの端部の斜視図である。
図16】第1実施形態の第1変形例に係る光学部材群の構成例の図である。
図17】第1実施形態の第2変形例に係る光学部材の構成例の図である。
図18】第2実施形態に係る光源装置が有する放物面ミラーの斜視図である。
図19】第2実施形態に係る放物面ミラーによる反射の第1例を示す図である。
図20】第2実施形態に係る放物面ミラーによる反射の第2例を示す図である。
図21】第3実施形態に係る光源装置の構成の第1例の斜視図である。
図22】第3実施形態に係る光源装置の構成の第2例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態に係る発光装置について図面を参照しながら詳細に説明する。但し、以下に示す形態は、本実施形態の技術思想を具現化するための光源装置を例示するものであって、以下に限定するものではない。また、実施形態に記載されている構成部の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさ、位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。また、以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており詳細説明を適宜省略する。
【0010】
以下に示す図においてX軸、Y軸およびZ軸により方向を示す場合があるが、X軸に沿うX方向は、実施形態に係る光源装置が有する複数のアレイ発光部が配列している配列方向を示す。Y軸に沿うY方向は、配列方向に略直交する直交方向を示し、Z軸に沿うZ方向は、配列方向および直交方向それぞれに直交する方向を示すものとする。
【0011】
またX方向で矢印が向いている方向を+X方向、+X方向の反対方向を-X方向と表記し、Y方向で矢印が向いている方向を+Y方向、+Y方向の反対方向を-Y方向と表記する。Z方向で矢印が向いている方向を+Z方向、+Z方向の反対方向を-Z方向と表記する。また+Y方向を正面側とし、-Y方向を背面側とし、+Z方向を上面側とする。また実施形態の用語における平面視とは、対象をZ方向から視ることをいう。但し、これらのことは、光源装置の使用時における向きを制限するものではなく、光源装置の向きは任意である。
【0012】
上記の略直交における「略」は、厳密な直交を要求するものではなく、一般に誤差と認められる程度の直交からのずれは許容することを意味する。以降の実施形態において示す略一致又は略コリメート等における「略」も同様に、厳密性を要求するものではなく、一般に誤差と認められる程度のずれは許容することを意味するものとする。
【0013】
[第1実施形態]
<光源装置100構成例>
図1から図3を参照して、第1実施形態に係る光源装置100の全体構成を説明する。図1は、光源装置100の構成の一例を示す図であり、光源装置100を覆う筐体101を取り外した状態において光源装置100を背面側から視た斜視図である。図2および図3は、筐体101を取り付けた状態における光源装置100を示す図であり、図2は、光源装置100を正面側から視た斜視図、図3は、光源装置100を背面側から視た斜視図である。
【0014】
図1に示すように、光源装置100は、アレイ発光部1aと、アレイ発光部1bと、アレイ発光部1cと、アレイ発光部1dと、放物面ミラー2と、段差ミラー3と、集光レンズ4と、を有する。光源装置100は、アレイ発光部1a、アレイ発光部1b、アレイ発光部1cおよびアレイ発光部1dそれぞれにより発せられた光を放物面ミラー2および段差ミラー3それぞれにより反射し、段差ミラー3により反射されて出射された光を集光レンズ4により集光して光ファイバ5のコアに入射させる。
【0015】
アレイ発光部1a、アレイ発光部1b、アレイ発光部1cおよびアレイ発光部1dは、X方向に沿って配列しており、それぞれ発光部実装基板6の+Z方向側の面に設けられている。なお、アレイ発光部1a、アレイ発光部1b、アレイ発光部1cおよびアレイ発光部1dは、何れも同じ機能を有するため、以降において特に区別しない場合にはアレイ発光部1と総称する。
【0016】
アレイ発光部1a、アレイ発光部1b、アレイ発光部1cおよびアレイ発光部1dそれぞれは、Y方向に沿って並ぶ複数の発光部を有しており、Y方向に沿って並ぶ複数のレーザビームを発する。アレイ発光部1が発するレーザビームは、発光部が発する光およびレーザ光それぞれの一例である。
【0017】
アレイ発光部1が有する発光部は、例えば半導体レーザ素子である。但し、これに限定されるものではなく、LED(Light Emitting Diode)等の半導体レーザ素子以外の発光素子であってもよい。
【0018】
本実施形態では、レーザビームは、レーザ光線が集まったレーザ光線の束を意味し、レーザ光線束ということもできる。また発光部により発せられる光はレーザ光に限定されないため、発光部は、光線の集まりである光線束を発するということもできる。
【0019】
発光部実装基板6は、平面視において略矩形状である板状部材であり、発光素子や各種電気素子を実装可能な、配線を備える基板である。ただし、発光部実装基板6の形状はこれに限定されない。発光部実装基板6の+Z方向側の面には、電気コネクタ610および電気コネクタ620が設けられている。アレイ発光部1が有する発光部を駆動させるための駆動電流または駆動電圧は、電気コネクタ610および電気コネクタ620それぞれを介して供給される。なお、本実施形態では、X方向に沿って2個の板状部材を結合した発光部実装基板6を例示するが、これに限定されるものではなく、発光部実装基板6は1個の板状部材により構成されてもよいし、3個以上の板状部材により構成されてもよい。
【0020】
放物面ミラー2および段差ミラー3は、第1反射面21と、第2反射面22と、を有し、アレイ発光部1が備える複数の発光部からのレーザビームを反射して、+Y方向に出射する複数の光学部材に対応する。また放物面ミラー2は、第1反射面21と、第2反射面22と、を一体に有する第1光学部材に対応する。段差ミラー3は、段差反射面を有する第2光学部材に対応する。
【0021】
換言すると、本実施形態においては、複数の光学部材は、放物面ミラー2と、段差ミラー3と、を含む2個の光学部材である。放物面ミラー2および段差ミラー3からなる2個の光学部材がレーザビームを出射する+Y方向は、所定方向の一例である。
【0022】
集光レンズ4は、段差ミラー3から入射されるレーザビームを集めて光ファイバ5のコアに入射させる。集光レンズ4は、アレイ発光部1により発せられるレーザビームの波長に対して透光性を有する石英またはBK7等のガラスまたは樹脂を材料として含んでいる。光エネルギーによる損傷を防ぐ観点では、集光レンズ4は、ガラス材料を含んで構成されることが好ましい。本実施形態では、1個のレンズである集光レンズ4を例示するが、集光レンズ4は、複数のレンズを組み合せたレンズ群を含んでもよい。また集光レンズ4には、球面レンズ又は非球面を適用でき、また平凸レンズ、メニスカスレンズ、両凸レンズ又はこれらの組合せを適用できる。
【0023】
光源装置100は、光コネクタ7を介して光源装置100に接続される光ファイバ5を備える。光コネクタ7は、光ファイバ5の-Y方向側の端部に取り付けられており、フェルール71と、ハウジング72と、を含み、光ファイバ5の-Y方向側の端部をフェルール71に固定した状態において、ハウジング72により光ファイバ5を保持している。光ファイバ5は、光ファイバ5における光コネクタ7が取り付けられた部分以外の部分を被覆部材51により被覆されている。被覆部材51は、光ファイバ5が破断または損傷したり、光ファイバ5にゴミが付着したりすること等を抑制し、光ファイバ5を保護する。
【0024】
光コネクタ7は、光が通過可能に光ファイバ5のコアを機械的に結合して位置合わせするための部材である。光コネクタ7は、例えばFCコネクタ、SCコネクタ、STコネクタ、LCコネクタまたはMUコネクタ等である。光ファイバ5は、光コネクタ7を介して光源装置100に接続することにより、光ファイバ5におけるコアの位置ずれに伴う光損失を抑制することができる。
【0025】
本実施形態では、光源装置100は、図2および図3に示す、筐体101の内部に収容された状態において使用される。なお、光源装置100は、使用時に必ずしも筐体101内に収容されていなくてもよいが、アレイ発光部1、放物面ミラー2、段差ミラー3または集光レンズ4等にゴミが付着すること等を抑制する観点では、筐体101の内部に収容された状態において使用されることが好ましい。また、筐体は光源装置100の一部であってもよい。
【0026】
アレイ発光部1a、アレイ発光部1b、アレイ発光部1cおよびアレイ発光部1dそれぞれは、発光部実装基板6の+Z方向側の面に実装される。放物面ミラー2、段差ミラー3及び集光レンズ4それぞれは保持部材に保持され、保持部材を介して発光部実装基板6に固定された状態で、筐体101の内部に収容される。なお、放物面ミラー2、段差ミラー3及び集光レンズ4のそれぞれは、保持部材を介して筐体101に固定されていてもよい。
【0027】
筐体101は、ベース部材101aと、カバー部材101bと、カバー部材101cと、接続部材103と、を有する。カバー部材101bおよびカバー部材101cそれぞれとベース部材101aとは、ネジ部材102により結合している。光源装置100は、ベース部材101aの+Z方向側の面に固定され、カバー部材101bおよび101cにより周囲を覆われるようにして、筐体101の内部に収容される。
【0028】
接続部材103は、光源装置100に光コネクタ7を接続するために用いられる。接続部材103は、フェルール挿入孔103aと、ネジ部103bと、を含み、カバー部材101bの+Y方向側にネジ部材104により固定されている。
【0029】
光コネクタ7は、フェルール71がフェルール挿入孔103aに挿入され、光コネクタ7のハウジング72に設けられたネジ部と、接続部材103のネジ部103bと、が結合することにより、光源装置100に接続する。
【0030】
フェルール挿入孔103aの中心軸と、フェルール71の中心軸は一致するように製作されており、フェルール71をフェルール挿入孔103aに挿入することにより、光ファイバ5のコアが位置決めされる。
【0031】
光源装置100における集光レンズ4は、光コネクタ7を介して筐体101に取り付けられた光ファイバ5のコアの位置と、集光レンズ4によりレーザビームが集光される位置とが一致するように位置決めされている。従って、光源装置100は、複数のアレイ発光部1により発せられたレーザビームを集光レンズ4により集光することによって、該レーザビームを光ファイバ5のコアに入射させることができる。
【0032】
光ファイバ5のコアに入射し、光ファイバ5内を導光されたレーザビームは、光ファイバ5における光コネクタ7が取り付けられた端部とは反対側の端部から出射されて、照明用途等のために利用される。光源装置100は、照明や車載のヘッドライト、光計測器、光加工器、各種の光機器等において利用される。但し、光源装置100の用途は、これらの用途に限定されるものではない。
【0033】
<アレイ発光部1の構成例>
図4および図6は、アレイ発光部1の構成を説明する図である。図4は、アレイ発光部1の斜視図である。図5は、アレイ発光部1の構成の一例を示す上面図である。図6は、図5における-Y方向側から視たVI-VI断面図である。
【0034】
図4から図6に示すように、アレイ発光部1は、パッケージ11と、透光性部材12と、レンズアレイ13と、を有する。パッケージ11は底部111と側壁部115とを備える。パッケージ11内には、4個のサブマウント112と、4個の発光部113と、4個の光反射部114と、が設けられている。
【0035】
発光部実装基板6の+Z方向側の面にパッケージ11が実装され、パッケージ11の+Z方向側に透光性部材12が配置され、透光性部材12の+Z方向側にレンズアレイ13が配置される。
【0036】
サブマウント112は、サブマウント112a、サブマウント112b、サブマウント112cおよびサブマウント112dの総称表記である。発光部113は、発光部113a、発光部113b、発光部113cおよび発光部113dの総称表記である。光反射部114は、光反射部114a、光反射部114b、光反射部114cおよび光反射部114dの総称表記である。
【0037】
発光部113は、Y方向に沿って配列し、底部111の+Z方向側の面に配置されたサブマウント112の+Z方向側の面に配置されている。4個の発光部113それぞれは、対をなす光反射部114に向けてレーザビームを発する。
【0038】
発光部113としては、発光ピーク波長が380[nm]から780[nm]の可視光域にあるレーザビームを発するものを使用できる。発光ピーク波長が420[nm]から495[nm]の範囲内にあるレーザビームを発するもののみを使用してもよいし、発光ピーク波長が495[nm]から570[nm]の範囲内にあるレーザビームを発するもの、発光ピーク波長が605[nm]から750[nm]の範囲内にあるレーザビームを発するものと組み合わせて使用してもよい。また、赤外光や紫外光などの不可視光域にあるレーザビームを発するものを使用してもよい。発光部113には、例えば窒化物半導体を含む材料を用いることが好ましい。窒化物半導体としては、GaN、InGaNおよびAlGaNの少なくとも1つを含むものが挙げられる。サブマウント112には、例えば窒化アルミニウム、または炭化ケイ素を用いることができる。
【0039】
光反射部114は、発光部113と対をなすようにY方向に沿って配列しており、底部111の上面に配置されている。光反射部114は、発光部113が発するレーザビームを+Z方向に反射する。光反射部114は、主材としての石英またはBK7等のガラス材料、アルミニウム等の熱に強い金属材料、Si等を含むことができ、光を反射する面には、金属、誘電体多層膜等の反射率の高い材料からなるものを使用できる。
【0040】
透光性部材12は、パッケージ11とレンズアレイ13の間に設けられており、パッケージ11の内部を封止する部材である。透光性部材12には、例えば、発光部113により発せられるレーザビームの波長に対して透光性を有する石英またはBK7等のガラス材料、サファイア等を用いることができる。
【0041】
レンズアレイ13は、Y方向に沿って配列する4個のコリメートレンズ131a、131b、131cおよび131dが接続部132で接続された部材である。コリメートレンズ131a、131b、131cおよび131dを区別しない場合には、コリメートレンズ131と総称する。レンズアレイ13は、例えば、発光部113により発せられるレーザ光の波長に対して透光性を有するBK7等のガラス材料を含んで構成され、一体成形等により製作される。
【0042】
発光部113により発せられ、光反射部114により+Z方向に反射されたレーザビームは、透光性部材12を通った後、レンズアレイ13に入射する。
【0043】
レンズアレイ13における4個のコリメートレンズ131は、発光部113と対をなして設けられており、入射されるレーザ光を略コリメート(略平行化)して、アレイ発光部1の+Z方向側に配置されている放物面ミラー2に向けて出射する。なお、本実施形態では、略コリメートされたレーザビームを出射するが、アレイ発光部1から出射されるレーザビームはコリメート光に限定されるものではなく、集束光または発散光であってもよい。
【0044】
4個のアレイ発光部1それぞれは4個の発光部113を有し、光源装置100は、X方向およびY方向の各方向に沿って配列している合計16個の発光部113を有する。光源装置100は、16本のレーザビームを発することができる。
【0045】
但し、アレイ発光部1の個数は4個に限定されるものではなく、光源装置100の用途に応じて適宜選択可能である。同様に、アレイ発光部1がそれぞれ有する発光部113の個数も4個に限定されるものではなく、光源装置100の用途に応じて適宜選択可能である。
【0046】
発光部113は、X方向およびY方向の2軸方向に配列するものに限定はされず、X方向またはY方向の何れか一方の1軸方向に配列するものであってもよい。サブマウント112、光反射部114、コリメートレンズ131それぞれの個数は、発光部113の個数に合わせて適宜選択可能である。
【0047】
<放物面ミラー2の構成および機能例>
図7から図10は、放物面ミラー2の構成および機能を説明する図である。図7及び図8は、筐体101が取り外された状態における光源装置100を示す図であり、図7は背面図、図8は上面図である。図9は、放物面ミラー2の斜視図である。図10は、放物面ミラー2による反射を説明する図であり、放物面ミラー2における第1反射面21および第2反射面22それぞれの一部を、-Y方向側から視た断面図である。
【0048】
図7に示すように、放物面ミラー2は、入射面20と、第1反射面21と、第2反射面22と、出射面23と、を有する。
【0049】
放物面ミラー2は、例えば、発光部113が発するレーザビームの波長に対して透光性を有する石英またはBK7等のガラスまたは樹脂を材料として含んでいる。放物面ミラー2は、内部においてレーザビームを導光して反射するため、光エネルギーによる損傷を防ぐ観点では、ガラス材料を含んで構成されることが好ましい。
【0050】
入射面20および出射面23は、それぞれ平面である。X方向において、2つの入射面20に挟まれた部分に第2反射面22が設けられている。またX方向において、2つの第1反射面21に挟まれた部分に出射面23が設けられている。
【0051】
第1反射面21および第2反射面22それぞれは、X方向において曲率を有し、Y方向においては、曲率をほぼ有さない円筒状の面の一部である。ここで、「曲率をほぼ有さない」とは、曲率が0の場合および曲率が0となるように設計した場合に通常生じ得る公差を含んだ範囲とする。第1反射面21および第2反射面22それぞれは、X方向において放物面形状を有する。
【0052】
X方向における放物面形状とは、X軸およびZ軸それぞれを含む平面と平行な平面により面を切断した場合に、断面形状が有する放物線形状を意味する。この点は、X方向における球面形状、またはX方向における非球面形状と表現する場合においても同様である。
【0053】
第1反射面21および第2反射面22は、X方向において放物面形状を有する面に限定されるものではなく、X方向において球面形状を有する面、あるいはX方向において放物面形状以外の非球面形状を有する面等であってもよい。X方向において放物面等の非球面形状を有する面においては、X方向における位置によって面の曲率が異なるが、このような面における曲率は、面の中心軸近傍の領域における曲率(近軸曲率)を指すものとする。
【0054】
第1反射面21および第2反射面22それぞれは、アルミニウム等の熱に強い金属材料が表面に設けられており、入射するレーザビームを反射する。表面に設けられる金属材料は、発光部113が発するレーザビームの波長等に応じて適宜選択可能である。金属材料の代わりとして、表面に誘電体多層膜が設けられてもよい。表面に設けられる金属材料または誘電体多層膜は、反射率が高い材料であることが好ましい。反射率は、入射するレーザビームの70%以上を反射することが好ましく、入射するレーザビームの80%以上を反射することがより好ましく、入射するレーザビームの90%以上を反射することがさらに好ましい。
【0055】
第1反射面21および第2反射面22は、表面に金属材料が設けられた構成に限定されるものではなく、入射するレーザビームを第1反射面21および第2反射面22により全反射させるものであってもよい。この場合には、第1反射面21および第2反射面22は、全反射条件を満たすように製作され、表面に金属材料を有さなくてもよい。
【0056】
第1反射面21は、X方向における中央部分に出射面23を介在して配置された+X方向側の領域と-X方向側の領域の2つの領域を含む。この2つの領域は、X方向において、同じ曲率を有する放物面形状を含む。
【0057】
図7において、X方向に沿って配列している4個のアレイ発光部1それぞれは、略コリメートされたレーザビームを+Z方向側に発する。図7は、アレイ発光部1aにより発せられたレーザビーム50a、アレイ発光部1bにより発せられたレーザビーム50b、アレイ発光部1cにより発せられたレーザビーム50c、およびアレイ発光部1dにより発せられたレーザビーム50dを太い実線により表している。
【0058】
また図7は、1つのアレイ発光部1から発せられたレーザビームを2つの太い実線により表している。図8は、1つのアレイ発光部1から発せられたレーザビームを1つの太い実線により表している。以降において、レーザビーム50a、レーザビーム50b、レーザビーム50cおよびレーザビーム50dを特に区別しない場合には、レーザビーム50と総称する。
【0059】
なお、4個のアレイ発光部1それぞれは、Y方向に配列する4本のレーザビームを発する。1つのアレイ発光部1において、Y方向に配列する4本のレーザビームが放物面ミラー2により導光され、反射される振る舞いは、Y方向側から視ると何れも同じである。
【0060】
レーザビーム50aは、入射面20を通って放物面ミラー2の内部に入射し、放物面ミラー2の内部を導光された後、第1反射面21に到達する。第1反射面21に到達したレーザビーム50aは、第1反射面21により第2反射面22に向けて反射され、放物面ミラー2の内部を導光された後、第2反射面22に到達する。第2反射面22に到達したレーザビーム50aは、第2反射面22により出射面23に向けて反射され、放物面ミラー2の内部を導光された後、出射面23から出射する。出射面23から出射されたレーザビーム50aは、段差ミラー3に入射する。
【0061】
レーザビーム50b、レーザビーム50cおよびレーザビーム50dそれぞれは、レーザビーム50aと同様に、放物面ミラー2により反射され、出射された後、段差ミラー3に入射する。
【0062】
図7において、全体幅Wx1は、第1反射面21に入射する位置における、複数のレーザビーム50のX方向に沿った全体幅を表している。また全体幅Wx2は、第2反射面22により反射された位置における、複数のレーザビーム50のX方向に沿った全体幅を表している。ここでレーザビームの1本の幅は、出射端面から離れた位置におけるレーザビームの光強度分布において、ピーク強度値に対して1/e以上の強度を有する部分の幅とする。
【0063】
図10に示すように、第2反射面22のX方向における曲率(1/R2)は、第1反射面21のX方向における曲率(1/R1)よりも大きい。曲率(1/R1)は、第1反射面21の近軸領域である中心軸C21近傍の領域における曲率である。曲率(1/R2)は、第2反射面22の近軸領域である中心軸C22近傍の領域における曲率である。なお、図10では、中心軸C21と中心軸C22は重なっているため、符号を併記している。
【0064】
第1反射面21の焦点F1は、第2反射面22の焦点F2と重なっている。換言すると、焦点F1は焦点F2と略一致している。ここで略一致とは、焦点F1と焦点F2との距離が0.05mm以内であることとする。
【0065】
焦点とは、略コリメートされた光を反射した場合に、反射された光が集まる点をいう。図10において、アレイ発光部から+Z方向に出射されたコリメート光が第1反射面21に入射した場合に、該コリメート光が第1反射面21により反射されて集まる点は、第1反射面21の焦点F1である。また第2反射面22の凹面側から第2反射面22にコリメート光が入射した場合に、該コリメート光が第2反射面22により反射されて集まる点は、第2反射面22の焦点F2である。
【0066】
本実施形態では、第1反射面21内の出射面23を除く全部の領域における焦点F1が、第2反射面22内の全部の領域における焦点F2と重なっている構成を例示するが、これに限定されるものではない。第1反射面21内の少なくとも一部の領域における焦点F1が、第2反射面22内の少なくとも一部の領域における焦点F2と重なる構成であってもよい。
【0067】
第1反射面21および第2反射面22は、それぞれX方向において曲率を有するため、第1反射面21により反射されたレーザビーム50cは、X方向において集束する。第1反射面21の焦点F1と第2反射面の焦点F2とが略一致しているため、第1反射面21により反射された後、第2反射面22により反射されたレーザビーム50cは、再び略コリメートされる。
【0068】
第1反射面21と第2反射面22は、コリメート光が入射してコリメート光が出射するアフォーカル光学系を構成している。第2反射面の曲率(1/R2)は、第1反射面21の曲率(1/R1)よりも大きい。そのため、第2反射面22により反射された位置におけるレーザビーム50cのX方向に沿ったビーム幅D2は、第1反射面21に入射する位置におけるレーザビーム50cのX方向に沿ったビーム幅D1よりも狭くなる。
【0069】
換言すると、発光部113により発せられたレーザビーム50のX方向に沿ったビーム幅は、レーザビーム50が第1反射面21へ入射する位置におけるビーム幅D1よりも、レーザビーム50が第2反射面22により反射された位置におけるビーム幅D2のほうが狭い。具体的には、ビーム幅D2は、曲率(1/R1)と曲率(1/R2)の比(R2/R1)をビーム幅D1に乗じたビーム幅と略等しくなる。また、図7に示したように、全体幅Wx2は、全体幅Wx1よりも狭くなる。ビーム幅D1とビーム幅D2との比、並びに全体幅Wx1と全体幅Wx2との比は、発光部の個数や光ファイバ5のコア直径等に応じて適宜変更可能である。
【0070】
本実施形態では、第1反射面21に入射するレーザビーム50cは略コリメートされているため、アレイ発光部1のレンズアレイ13を出射後、第1反射面21に入射するまでの光路においては、レーザビーム50cのビーム幅D1は、位置によらずほぼ等しい。同様に第2反射面22により反射されたレーザビーム50cも略コリメートされているため、第2反射面22により反射された後、段差ミラー3に入射するまでの光路においては、レーザビーム50cのビーム幅D2は、位置によらずほぼ等しい。
【0071】
第1反射面21は、X方向において放物面形状を有するため、反射したレーザビーム50cを、X方向における球面収差を抑制して焦点F1に集束させることができる。また第2反射面22は、X方向において放物面形状を有するため、反射したレーザビーム50cを、X方向における球面収差を抑制して略コリメートすることができる。
【0072】
一方、第1反射面21および第2反射面22は、Y方向においては曲率をほぼ有さないため、アレイ発光部1からのレーザビーム50cは、略コリメートされた状態を維持したまま、第1反射面21および第2反射面22により反射され、段差ミラー3に向けて出射される。
【0073】
ここではレーザビーム50cを例に説明したが、他のレーザビーム50a、レーザビーム50bおよびレーザビーム50dにおいても同様である。
【0074】
本実施形態では、アレイ発光部1はコリメート光を発し、第2反射面22により反射された光はコリメート光となる構成を例示したが、これらは必ずしもコリメート光でなくてもよく、集束光または発散光であってもよい。
【0075】
<段差ミラー3の構成および機能例>
図11から図14は、段差ミラー3の構成および機能を説明する図である。図11は、図7において-X方向側から視たXI-XI断面図である。図12は、+Y方向側から視た段差ミラー3の斜視図である。図13は、図12において-X方向側から視たXIII-XIII断面図である。図14は、段差ミラー3の段差反射面によるレーザビームの反射を説明する図である。図14は、X軸およびZ軸を含む平面に対し、X軸周りに45度傾いている段差ミラー3を+Y方向側から視た状態を示している。
【0076】
図11は、複数のアレイ発光部1それぞれにより発せられたレーザビーム50a、レーザビーム50b、レーザビーム50cおよびレーザビーム50dを太い実線により表している。また図11は、1つのアレイ発光部1から発せられたレーザビームを1つの太い実線により表している。
【0077】
図11に示すように、段差ミラー3は、放物面ミラー2の+Z方向側に、X軸およびZ軸それぞれを含む平面に対してX軸周りに略45度傾けて配置されている。但し、この角度は略45度に限定されるものではなく、光ファイバ5が配置される位置等に応じて適宜選択可能である。
【0078】
段差ミラー3は、放物面ミラー2の出射面23から+Z方向側に出射されたレーザビーム50ba、レーザビーム50bb、レーザビーム50bcおよびレーザビーム50bdそれぞれを、集光レンズ4に向けて反射する。段差ミラー3により反射されたレーザビーム50ba、レーザビーム50bb、レーザビーム50bcおよびレーザビーム50bdは、集光レンズ4に入射し、集光レンズ4により集光されて光コネクタ7に保持された光ファイバ5のコアに入射する。
【0079】
図12および図13に示すように、段差ミラー3は、高さが異なる複数の段差面を有する段差反射面32が形成されたミラーである。段差反射面32は、第2反射面22により反射されたレーザビーム50を集光レンズ4に向けて反射する。
【0080】
本実施形態では、段差反射面32は、板状部材の平面部31に、平面部31に対する高さ(深さ)が異なる複数の凹部を形成し、平面部31および凹部底面にアルミニウム等の金属材料または誘電体多層膜等からなる反射面を設けることにより形成されている。段差ミラー3の主材は、例えば、石英またはBK7等のガラスまたは樹脂を含んでいる。段差ミラー3はレーザビームを反射するため、光エネルギーによる損傷を防ぐ観点では、ガラス材料を含んで構成されることが好ましく、反射面は熱に強い材料により形成されることが好ましい。
【0081】
本実施形態では、段差反射面32は、放物面ミラー2に近い側から遠い側に沿って並ぶようにして、第1段差面32a、第2段差面32b、第3段差面32cおよび第4段差面32dを含んでいる。第1段差面32a、第2段差面32b、第3段差面32cおよび第4段差面32dは、高さが異なる複数の段差面に対応する。平面部31に対する高さは、第1段差面32aでは高さha、第2段差面32bでは高さhb、第3段差面32cは高さhcであり、第4段差面32dは平面部31に対する高さの差はない。
【0082】
図11において、レーザビーム50ba、レーザビーム50bb、レーザビーム50bcおよびレーザビーム50bdは、Y方向に沿って並ぶ4本のレーザビームである。レーザビーム50baは、アレイ発光部1bのコリメートレンズ131aから出射されたレーザビームである。レーザビーム50bbは、アレイ発光部1bのコリメートレンズ131bから出射されたレーザビームである。レーザビーム50bcは、アレイ発光部1bのコリメートレンズ131cから出射されたレーザビームである。レーザビーム50bdは、アレイ発光部1bのコリメートレンズ131dから出射されたレーザビームである。
【0083】
レーザビーム50ba、レーザビーム50bb、レーザビーム50bcおよびレーザビーム50bdを区別しない場合には、レーザビーム50bと総称する。図11においては、アレイ発光部1bにより発せられたレーザビーム50bを例示するが、他のレーザビーム50a、レーザビーム50cおよびレーザビーム50dにおいても、段差ミラー3により反射され、集光レンズ4により集光されるレーザビームの振る舞いは同じである。
【0084】
図14に示すように、段差ミラー3の段差反射面32は、第1段差面32aと、第2段差面32bと、第3段差面32cと、第4段差面32dと、を含み、16本のレーザビーム50を反射する。
【0085】
第1段差面32a、第2段差面32b、第3段差面32cおよび第4段差面32dそれぞれは、第1光列51a、第2光列51b、第3光列51cおよび第4光列51dそれぞれを、対をなして反射する。具体的には、第1段差面32aは第1光列51aを+Y方向に反射する。第2段差面32bは第2光列51bを+Y方向に反射する。第3段差面32cは第3光列51cを+Y方向に反射する。第4段差面32dは第4光列51dを+Y方向に反射する。第1光列51a、第2光列51b、第3光列51cおよび第4光列51dそれぞれは、Y方向に沿って並ぶ複数の光列に対応する。
【0086】
図14では、第1光列51a、第2光列51b、第3光列51cおよび第4光列51dはZ方向のみに沿って並んでいるように見えるが、第1段差面32a、第2段差面32b、第3段差面32cおよび第4段差面32dはそれぞれY方向に沿った位置が異なっている。そのため、第1光列51a、第2光列51b、第3光列51cおよび第4光列51dは、Y方向にも沿って並んでいる。
【0087】
第1光列51a、第2光列51b、第3光列51cおよび第4光列51dそれぞれは、第2反射面22により反射され、X方向に沿って並んでいる複数のレーザビーム50を含む。具体的には、第1光列51aは、X方向に沿って並んでいるレーザビーム50aa、レーザビーム50ba、レーザビーム50caおよびレーザビーム50daを含む。第2光列51bは、X方向に沿って並んでいるレーザビーム50ab、レーザビーム50bb、レーザビーム50cbおよびレーザビーム50dbを含む。第3光列51cは、X方向に沿って並んでいるレーザビーム50ac、レーザビーム50bc、レーザビーム50ccおよびレーザビーム50dcを含む。第4光列51dは、X方向に沿って並んでいるレーザビーム50ad、レーザビーム50bd、レーザビーム50cdおよびレーザビーム50ddを含む。
【0088】
図13に示すように、第1段差面32a、第2段差面32b、第3段差面32cおよび第4段差面32dそれぞれは、平面部31に対する反射面の高さが相互に異なる。この平面部31に対する高さの差に応じて、放物面ミラー2から各段差面に入射するレーザビーム50のZ方向に沿った位置がずれる。
【0089】
例えば、第1段差面32aにおいてレーザビーム50が反射される場合は、平面部31の高さにおいてレーザビーム50が反射される場合と比較して、高さhaに応じて入射位置が+Z方向にずれる。同様に第2段差面32bにおいてレーザビーム50が反射される場合は、平面部31の高さにおいてレーザビーム50が反射される場合と比較して、高さhbに応じて入射位置が+Z方向にずれる。第3段差面32cにおいてレーザビーム50が反射される場合は、平面部31の高さにおいてレーザビーム50が反射される場合と比較して、高さhcに応じて入射位置が+Z方向にずれる。
【0090】
その結果、複数のレーザビーム50の間における間隔は、レーザビーム50が段差反射面32へ入射する位置におけるY方向に沿った間隔d1よりも、レーザビーム50が段差反射面32により反射された位置におけるZ方向に沿った間隔d2のほうが狭くなる。また、レーザビーム50が段差反射面32へ入射する位置における、複数のレーザビーム50のY方向に沿った全体幅Wy1よりも、レーザビーム50が段差反射面32により反射された位置における、複数のレーザビーム50のZ方向に沿った全体幅Wy2のほうが狭くなる。なお、間隔d1と間隔d2の比、並びに全体幅Wy1と全体幅Wy2の比は、発光部の個数や光ファイバ5のコア直径等に応じて適宜変更可能である。
【0091】
<光ファイバ5の構成例>
図15は、光ファイバ5を説明するためのフェルール71の端部の斜視図である。図15に示すように、光ファイバ5は、コア52と、コア52の周囲を覆うクラッド53と、を含む。フェルール71は、クラッド53の周囲を覆う被覆711を介して光ファイバ5を覆うようにして、光ファイバ5を内部に固定している。
【0092】
集光レンズ4により集光されたレーザビーム50は、光ファイバ5のコア52に入射する。なお、光源装置100は、光源装置100に接続された光ファイバ5を含まない構成であってもよい。
【0093】
<光源装置100の作用効果>
次に、光源装置100の作用効果について説明する。
【0094】
本実施形態においては、光源装置100は、少なくともX方向(配列方向)に沿って配列している複数の発光部113を有する。また、光源装置100は、第1反射面21と、第2反射面22と、を有し、複数の発光部113からのレーザビーム50(光)を反射して、+Y方向(所定方向)に出射する、放物面ミラー2および段差ミラー3(複数の光学部材)を有する。さらに光源装置100は、放物面ミラー2および段差ミラー3から出射されたレーザビーム50を集光する集光レンズ4を備える。
【0095】
第1反射面21は、複数の発光部113により発せられたレーザビーム50を第2反射面22に向けて反射し、第2反射面22は、第1反射面21により反射されたレーザビーム50を反射する。第1反射面21および第2反射面22それぞれは、X方向において曲率を有する面であり、第2反射面22のX方向における曲率(1/R2)は、第1反射面21のX方向における曲率(1/R1)よりも大きい。
【0096】
光源装置100は、複数の発光部113により発せられた光を集光レンズ4により集光するため、多くの光を集光できる。
【0097】
光源装置100は、複数のレーザビーム50が第1反射面21に入射する位置において、複数のレーザビーム50のX方向に沿った全体幅Wx1を、X軸方向に沿って配列する複数の発光部113の個数に応じて大きくすることができるため、多くの光を集光できる。
【0098】
光源装置100は、複数のレーザビーム50が第2反射面22により反射された位置において、複数のレーザビーム50のX方向に沿った全体幅Wx2を上記の全体幅Wx1よりも狭くすることができる。これにより、開口径が狭く、かつ収差が小さい集光レンズ4を用いて、全体幅Wx2を有するレーザビーム50を狭い範囲に集光できる。
【0099】
以上により、本実施形態では、集光性がよい光源装置100を提供できる。光ファイバ5のコア52にレーザビーム50を効率よく入射させることができ、光ファイバから出射される光の輝度を高くできるため、高輝度照明等に利用可能になる。
【0100】
光源装置100は、開口径が狭い集光レンズ4を使用でき、複数のレンズを組み合わせた集光レンズや複雑な形状の集光レンズを用いなくてよいため、光源装置100のコストを抑えることができる。
【0101】
また本実施形態では、第1反射面21内の少なくとも一部の領域における焦点F1は、第2反射面22内の少なくとも一部の領域における焦点F2と重なっている。この構成により、第1反射面21に入射するコリメート光を、第1反射面21および第2反射面22それぞれにより反射した後、再びコリメート光に変換して集光レンズ4に入射させることができる。コリメート光は、狙った光路を通過させやすいため、集束光や発散光と比較してフレア光又はゴースト光等の光損失を抑制できる。その結果、光源装置100は、集光性がよい光源装置100を提供できる。
【0102】
また本実施形態では、複数の発光部113は、X方向およびY方向の各方向に沿って配列している。段差ミラー3は、高さが異なる第1段差面32a、第2段差面32b、第3段差面32cおよび第4段差面32dを有し、第2反射面22により反射されたレーザビーム50を、集光レンズ4に向けて反射する段差反射面32を含む。
【0103】
第1段差面32a、第2段差面32b、第3段差面32cおよび第4段差面32dそれぞれは、Y方向に沿って並ぶ第1光列51a、第2光列51b、第3光列51cおよび第4光列51dそれぞれを、対をなして反射する。第1光列51a、第2光列51b、第3光列51cおよび第4光列51dそれぞれは、第2反射面22により反射され、X方向に沿って並んでいる複数のレーザビーム50を含む。この構成により、光源装置100は、第1段差面32a、第2段差面32b、第3段差面32cおよび第4段差面32dそれぞれにレーザビーム50を入射する位置をZ方向にずらすことができる。これにより、光源装置100は、レーザビーム50が段差反射面32へ入射する位置において、複数のレーザビーム50のY方向に沿った全体幅Wy1を、Y軸方向に沿って配列する複数の発光部113の個数に応じて大きくすることができ、より多くの光を集光できる。以上により、本実施形態では、集光性がよい光源装置100を提供できる。
【0104】
また本実施形態では、複数の発光部113は、それぞれレーザビーム50を発し、レーザビーム50のX方向に沿ったビーム幅(幅)は、レーザビーム50が第1反射面21へ入射する位置におけるビーム幅D1よりも、レーザビーム50が第2反射面22により反射された位置におけるビーム幅D2のほうが狭い。また、複数のレーザビーム50の間の間隔は、レーザビーム50が段差反射面32へ入射する位置におけるY方向に沿った間隔d1よりも、レーザビーム50が段差反射面32により反射された位置におけるZ方向に沿った間隔d2のほうが狭い。この構成により、光源装置100は、レーザビーム50が第1反射面21へ入射する位置における全体幅Wx1よりも、レーザビーム50が第2反射面22により反射された位置における全体幅Wx2を狭くすることができる。また光源装置100は、レーザビーム50が段差反射面32へ入射する位置における全体幅Wy1よりも、レーザビーム50が段差反射面32により反射された位置における全体幅Wy2を狭くすることができる。
【0105】
また本実施形態では、光源装置100は、第1反射面21と、第2反射面22と、を一体に有する放物面ミラー2(第1光学部材)と、段差反射面32を有する段差ミラー3(第2光学部材)と、を含んでいる。この構成により、第1反射面21、第2反射面22および段差反射面32を一体に構成した光学部材を用いる場合と比較して、第1光学部材および第2光学部材を容易に製作できる。また、第1反射面21、第2反射面22および段差反射面32をそれぞれ別体に構成した光学部材を用いる場合と比較して、光源装置100を容易に組み立てることができる。
【0106】
また光源装置100は、コア52と、コア52の周囲を覆うクラッド53と、を含む光ファイバ5をさらに有し、集光レンズ4により集光されたレーザビーム50を、光ファイバ5のコア52に入射する構成であってもよい。複数の発光部113からの光を1つの光ファイバ5により導光できるため、光ファイバの個数に応じたコストの増大を抑えつつ、光ファイバ5のコア52への入射効率を高くした光源装置を提供できる。
【0107】
<変形例>
第1実施形態においては、放物面ミラー2と段差ミラー3からなる光学部材を例示したが、光学部材の構成はこれに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。以下、様々な構成の光学部材を有する変形例に係る光源装置について説明する。なお、第1実施形態と同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。この点は、以降において説明する他の実施形態および変形例においても同様とする。
【0108】
図16は、第1実施形態の第1変形例に係る光源装置100aが有する光学部材群60aの構成の一例を示す図である。図16に示すように、光学部材群60aは、第1放物面部材61と、第2放物面部材62と、第3放物面部材63と、を含む。
【0109】
第1放物面部材61は、X方向において曲率を有する円筒状の凹面の一部である第3反射面611を有する。第2放物面部材62は、X方向において曲率を有する円筒状の凹面の一部である第4反射面621を有する。第3反射面611および第4反射面621は、X方向において、同じ曲率を有する放物面形状を含む。第3反射面611および第4反射面621は、第1反射面の一例である。第3反射面611および第4反射面621は、第1実施形態における第1反射面21と同様の機能を有する。
【0110】
第3放物面部材63は、X方向において曲率を有する円筒状の凸面の一部である第5反射面631を有する。第5反射面631は、X方向において放物面形状を有する。第5反射面631は、第2反射面の一例である。第5反射面631は、第1実施形態における第2反射面22と同様の機能を有する。
【0111】
光源装置100aは、第3反射面611を有する第1放物面部材61と、第4反射面621を有する第2放物面部材62と、第5反射面631を有する第3放物面部材63と、を備える光学部材群60aを有しており、第1実施形態における第1反射面と第2反射面に対応する反射面を有する部材を1つの部材に一体に形成していない。このため、第1実施形態に係る光源装置100と比較して、第1反射面および第2反射面を有する光学部材を簡単に製作することができる。これ以外の効果は、第1実施形態と同様である。
【0112】
図17は、第1実施形態の第2変形例に係る光源装置100bが有する光学部材60bの構成の一例を示す図である。図17に示すように、光学部材60bは、第6反射面641と、第7反射面642と、第8反射面643と、第1段差反射面644と、を有する。
【0113】
第6反射面641は、X方向において曲率を有する円筒状の面の一部である。第7反射面642は、X方向において曲率を有する円筒状の面の一部である。第6反射面641および第7反射面642は、X方向において、同じ曲率を有する放物面形状を含む。第6反射面641および第7反射面642は、第1反射面の一例である。第6反射面641および第7反射面642は、第1実施形態における第1反射面21と同様の機能を有する。
【0114】
第8反射面643は、X方向において曲率を有する円筒状の面の一部である。第8反射面643は、X方向において放物面形状を有する。第8反射面643は、第2反射面の一例である。第8反射面643は、第1実施形態における第2反射面22と同様の機能を有する。
【0115】
第1段差反射面644は、高さが異なる複数の段差面を有し、第8反射面643により反射されたレーザビームを集光レンズ4に向けて反射する段差反射面の一例である。第1段差反射面644は、第1実施形態における段差反射面32と同様の機能を有する。
【0116】
光源装置100bは、第1実施形態における第1反射面と第2反射面と段差反射面に対応する反射面が1つの部材に一体に形成された光学部材60bを有する。このため、第1実施形態に係る光源装置100と比較して、光源装置100bの組み立てを容易に行うことができる。これ以外の効果は、第1実施形態と同様である。
【0117】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る光源装置100cについて説明する。図18は、光源装置100cが有する放物面ミラー2cの構成の一例を示す斜視図である。図18は、光源装置100cのうち、放物面ミラー2cと、アレイ発光部1cと、アレイ発光部1dと、を示している。
【0118】
また図18は、アレイ発光部1cのうちの発光部113ca、光反射部114caおよびコリメートレンズ131caと、アレイ発光部1dのうちの発光部113da、光反射部114daおよびコリメートレンズ131daと、を示している。発光部113caは第1発光部の一例であり、発光部113daは第2発光部の一例である。
【0119】
放物面ミラー2cは、第1反射面21cと、第2反射面22cと、を有する。第1反射面21cは、第1領域21acと、第2領域21bcと、を含む。第2反射面22cは、第3領域22acと、第4領域22bcと、を含む。
【0120】
第1領域21acは、発光部113caにより発せられたレーザビーム50cを反射する。第2領域21bcは、発光部113daにより発せられたレーザビーム50dを反射する。第1領域21acおよび第2領域21bcそれぞれは、平面視において矩形形状の領域であり、X方向において曲率を有し、Y方向において曲率をほぼ有さない面を有する。第1領域21acおよび第2領域21bcそれぞれは、X方向において放物面形状を有するが、第1領域21acの放物面形状は、第2領域21bcの放物面形状とは異なる形状である。
【0121】
第3領域22acは、発光部113caにより発せられ、第1反射面21cにより反射されたレーザビーム50cを反射する。第4領域22bcは、発光部113daにより発せられ、第1反射面21cにより反射されたレーザビーム50dを反射する。第3領域22acおよび第4領域22bcそれぞれは、平面視において矩形形状の領域であり、X方向において曲率を有し、Y方向において曲率をほぼ有さない面を有する。第3領域22acおよび第4領域22bcそれぞれは、X方向において放物面形状を有するが、第3領域22acの放物面形状は、第4領域22bcの放物面形状とは異なる形状である。
【0122】
発光部113caにより-X方向側に発せられたレーザビーム50cは、光反射部114caにより+Z方向側に反射され、コリメートレンズ131caにより略コリメートされた後、入射面20を通って放物面ミラー2c内部に入射する。放物面ミラー2c内部に入射したレーザビーム50cは、第1領域21acにより第3領域22acに向けて反射され、その後、第3領域22acにより出射面23に向けて反射された後、出射面23を通って出射される。
【0123】
発光部113caにより+X方向側に発せられたレーザビーム50dは、光反射部114daにより+Z方向側に反射され、コリメートレンズ131daにより略コリメートされた後、入射面20を通って放物面ミラー2c内部に入射する。放物面ミラー2c内部に入射したレーザビーム50dは、第2領域21bcにより第4領域22bcに向けて反射され、その後、第4領域22bcにより出射面23に向けて反射された後、出射面23を通って出射される。
【0124】
図19は、第2実施形態に係る放物面ミラーによる反射の第1例を説明する図であり、放物面ミラー2cにおける第1反射面21cおよび第2反射面22cそれぞれの一部を、-Y方向側から視た断面図である。
【0125】
第1領域21acの焦点Fc1は、第3領域22acの焦点Fc3と重なっている。換言すると、焦点Fc1と焦点Fc3は略一致している。そのため、第1領域21acにより第3領域22acに向けて反射されたレーザビーム50cは、第3領域22acによる反射により略コリメートされた後、出射面23を通って出射される。
【0126】
第2領域21bcの焦点Fc2は、第4領域22bcの焦点Fc4と重なっている。換言すると、焦点Fc2と焦点Fc4は略一致している。そのため、第2領域21bcにより第4領域22bcに向けて反射されたレーザビーム50dは、第4領域22bcによる反射により略コリメートされた後、出射面23を通って出射される。なお、第1領域21acは第2領域21bcとは面形状が異なるため、第1領域21acの焦点Fc1と第2領域21bcの焦点Fc2は重なっていない。
【0127】
本実施形態では、第1反射面21cを第1領域21acと第2領域21bcの2つの領域に分け、それぞれにおいて焦点を異ならせる。同様に第2反射面22cを第3領域22acと第4領域22bcの2つの領域に分け、それぞれにおいて焦点を異ならせる。この構成により、第2反射面22で反射されたレーザビームを集光させることができる。その結果、集光性がよい光源装置100cを提供できる。
【0128】
またアレイ発光部1cからのレーザビーム50cは、第1領域21acにより反射された後、第3領域22acにより反射されて略コリメートされる。アレイ発光部1dからのレーザビーム50dは、第2領域21bcにより反射された後、第4領域22bcにより反射されて略コリメートされる。これにより、放物面ミラー2cから出射された後、集光レンズ4により集光されるレーザビーム50の集光性を上げ、複数の発光部113からのレーザビーム50に対する集光性がよい光源装置100を提供できる。なお、これら以外の効果は、第1実施形態と同様である。
【0129】
図20は、第2実施形態に係る放物面ミラーによる反射の第2例について説明する図であり、放物面ミラー2dにおける第1反射面21cおよび第2反射面22dそれぞれの一部を、-Y方向側から視た断面図である。
【0130】
図20に示すように、放物面ミラー2dは、放物面ミラー2cの第2反射面22cに代えて第2反射面22dを有する。第2反射面22dは、第3領域22adと、第4領域22bdと、を含む。第2反射面22dは、X方向において、-Z方向側に突出した放物面形状を有する。
【0131】
第1領域21acの焦点Fc1は、第3領域22adの焦点Fd3と重なっている。換言すると、焦点Fc1と焦点Fd3は略一致している。そのため、第1領域21acにより第3領域22adに向けて反射されたレーザビーム50cは、第3領域22adによる反射により略コリメートされた後、出射面23を通って出射される。
【0132】
第2領域21bcの焦点Fc2は、第4領域22bdの焦点Fd4と重なっている。換言すると、焦点Fc2と焦点Fd4は略一致している。そのため、第2領域21bcにより第4領域22bdに向けて反射されたレーザビーム50dは、第4領域22bdによる反射により略コリメートされた後、出射面23を通って出射される。なお、第1領域21acの焦点Fc1と第2領域21bcの焦点Fc2は重なっていない。
【0133】
このような第2反射面22dを有する放物面ミラー2dの形状においても、放物面ミラー2cと同様の効果を得ることができる。
【0134】
本実施形態では、第1反射面21cおよび第2反射面22cが、それぞれ2つの領域を有する構成を例示したが、これに限定されるものではない。第1反射面21cは、焦点が異なる3つ以上の領域を備え、第2反射面22cは、焦点が異なる3つ以上の領域を備えることもできる。この場合においても、1つの発光部113から発せられたレーザビーム50は、第1反射面21cにおける1つの領域により反射された後、第1反射面21cにおける1つの領域と対をなす、第2反射面22cにおける1つの領域により反射されることにより、略コリメートされる。
【0135】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る光源装置100eおよび光源装置100fについて説明する。光源装置100eは第3実施形態の第1例であり、光源装置100fは第3実施形態の第2例である。
【0136】
図21は、光源装置100eにおける放物面ミラー2周辺の構成を示す斜視図である。図21に示すように、光源装置100eにおいては、アレイ発光部1から発せられたレーザビーム50は、放物面ミラー2の第1反射面21により反射された後、第2反射面22により反射され、出射面23を通って+Z方向に出射される。出射面23から出射されたレーザビーム50は、集光レンズ4により集光され、光コネクタ7により保持されている光ファイバ5のコアに入射する。
【0137】
本実施形態においては、放物面ミラー2は、一の光学部材に対応し、放物面ミラー2がレーザビーム50を出射する+Z方向は、所定方向に対応する。
【0138】
すなわち、光源装置100eは、第1実施形態における段差ミラー3を備えておらず、一の光学部材に対応する放物面ミラー2により+Z方向にレーザビーム50を出射する。この構成により、複数の発光部113により発せられる複数のレーザビーム50の全体幅Wx2を全体幅Wx1よりも狭くすることができ(図7参照)、またレーザビーム50のビーム幅D2をビーム幅D1より狭くすることができる(図10参照)。その結果、収差を抑制して、レーザビーム50の集光性をよくすることができ、複数の発光部113からのレーザビーム50に対する集光性がよい光源装置100を提供できる。
【0139】
一方、図22は、光源装置100fにおける光学部材群60a周辺の構成を示す斜視図である。図22に示すように、光源装置100fにおいては、アレイ発光部1から発せられたレーザビーム50は、第2放物面部材62の第4反射面621により反射された後、第3放物面部材63の第5反射面631により反射されて集光レンズ4に入射する。集光レンズ4により集光されたレーザビーム50は、光コネクタ7により保持されている光ファイバ5のコアに入射する。
【0140】
本実施形態においては、光学部材群60aは、複数の光学部材に対応し、光学部材群60aがレーザビーム50を出射する+Z方向は、所定方向に対応する。
【0141】
すなわち、光源装置100fは、第1実施形態における段差ミラー3を備えておらず、複数の光学部材に対応する第1放物面部材61、第2放物面部材62および第3放物面部材63によりレーザビーム50を+Z方向に出射する。この構成により、光源装置100eと同様の効果が得られる。
【0142】
以上、各実施形態および変形例を説明してきたが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0143】
実施形態の説明で用いた序数、数量等の数字は、全て本発明の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本発明は例示された数字に制限されない。
【0144】
実施形態における光源装置は、高輝度照明、プロジェクタ、ディスプレイ、ヘッドライト、ヘッドマウントディスプレイ等に利用することができる。
【符号の説明】
【0145】
1 アレイ発光部
11 パッケージ
111 底部
112 サブマウント
113 発光部
113ca 発光部(第1発光部の一例)
113da 発光部(第2発光部の一例)
114 光反射部
115 側壁部
12 透光性部材
13 レンズアレイ
131a、131b、131c、131d コリメートレンズ
132 接続部
2 放物面ミラー(光学部材の一例、第1光学部材の一例)
20 入射面
21 第1反射面
21ac 第1領域
21bc 第2領域
22ac、22ad 第3領域
22bc、22bd 第4領域
22 第2反射面
23 出射面
3 段差ミラー(光学部材の一例、第2光学部材の一例)
31 平面部
32 段差反射面
32a 第1段差面(段差面の一例)
32b 第2段差面(段差面の一例)
32c 第3段差面(段差面の一例)
32d 第4段差面(段差面の一例)
4 集光レンズ
5 光ファイバ
51 被覆部材
6 発光部実装基板
610、620 電気コネクタ
60a 光学部材群(複数の光学部材の一例)
60b 光学部材
61 第1放物面部材(光学部材の一例)
611 第3反射面(第1反射面の一例)
62 第2放物面部材(光学部材の一例)
621 第4反射面(第1反射面の一例)
63 第3放物面部材(光学部材の一例)
631 第5反射面(第2反射面の一例)
641 第6反射面(第1反射面の一例)
642 第7反射面(第1反射面の一例)
643 第8反射面(第2反射面の一例)
644 第1段差反射面(段差反射面の一例)
7 光コネクタ
71 フェルール
711 被覆
72 ハウジング
50 レーザビーム(光の一例、レーザ光の一例)
52 コア
53 クラッド
51a 第1光列(光列の一例)
51b 第2光列(光列の一例)
51c 第3光列(光列の一例)
51d 第4光列(光列の一例)
100、100a、100b、100c、100e、100f 光源装置
101 筐体
101a ベース部材
101b、101c カバー部材
102、104 ネジ部材
103 接続部材
103a フェルール挿入孔
103b ネジ部
D1、D2 ビーム幅(幅の一例)
d1、d2 間隔
ha、hb、hc、hc 高さ
1/R1、1/R2 曲率
F1、F2、Fc1、Fc2、Fc3、Fc4、Fd3、Fd4 焦点
Wx1、Wx2 X方向に沿った全体幅
Wy1、Wy2 Y方向に沿った全体幅
X X方向(配列方向の一例)
Y Y方向(直交方向の一例、所定方向の一例)
Z Z方向(所定方向の一例)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22