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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023062553
(43)【公開日】2023-05-08
(54)【発明の名称】交換装置、処理装置、及び交換方法
(51)【国際特許分類】
   B24B 41/06 20120101AFI20230426BHJP
   B24B 7/04 20060101ALI20230426BHJP
   B24B 55/00 20060101ALI20230426BHJP
   B23B 31/02 20060101ALI20230426BHJP
   B23Q 3/08 20060101ALI20230426BHJP
   B23Q 11/08 20060101ALI20230426BHJP
   B23Q 11/00 20060101ALI20230426BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20230426BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20230426BHJP
【FI】
B24B41/06 L
B24B7/04 A
B24B55/00
B23B31/02 C
B23Q3/08 A
B23Q11/08 Z
B23Q11/00 D
B23Q11/00 N
H01L21/68 A
H01L21/304 622H
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021172594
(22)【出願日】2021-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】片岡 正道
【テーマコード(参考)】
3C011
3C016
3C032
3C034
3C043
3C047
5F057
5F131
【Fターム(参考)】
3C011AA14
3C011BB13
3C011BB15
3C011DD02
3C016DA05
3C032FF11
3C032FF14
3C032GG21
3C032GG27
3C032GG35
3C034AA08
3C034BB71
3C034BB93
3C034CA22
3C034CA30
3C034CB11
3C034DD08
3C034DD10
3C034DD20
3C043BA04
3C043BA07
3C043BA09
3C043BA16
3C043CC04
3C043CC11
3C043DD02
3C043DD03
3C043DD04
3C043DD05
3C043DD06
3C047FF04
3C047FF12
3C047FF15
3C047FF17
3C047FF19
5F057AA31
5F057BA11
5F057BB03
5F057BB11
5F057CA25
5F057DA08
5F057DA11
5F057DA29
5F057DA38
5F057FA13
5F057FA32
5F057FA33
5F057FA34
5F057FA37
5F057GA27
5F131AA02
5F131BA32
5F131BB03
5F131CA42
5F131CA47
5F131DA20
5F131DA23
5F131DB02
5F131DB52
5F131DC03
5F131DD56
(57)【要約】
【課題】処理装置を使用する使用者の負担を軽減する、技術を提供する。
【解決手段】交換装置は、処理装置で使用される保持部を交換する。前記処理装置は、処理体を保持する保持部と、前記保持部が交換可能に取付けられる取付部と、前記保持部に保持されている前記処理体を処理する処理部と、前記保持部と前記取付部と前記処理部とを収容する外装カバーとを備える。前記交換装置は、前記取付部に前記保持部を取付ける、又は前記取付部から前記保持部を取外す交換機構と、前記交換機構を、前記外装カバーの進入口を介して前記外装カバーの外部から内部に移動させる移動機構と、前記移動機構を支持する走行台と、前記走行台を走行させる走行機構と、を備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理体を保持する保持部と、前記保持部が交換可能に取付けられる取付部と、前記保持部に保持されている前記処理体を処理する処理部と、前記保持部と前記取付部と前記処理部とを収容する外装カバーとを備える処理装置で使用される前記保持部の交換装置であって、
前記取付部に前記保持部を取付ける、又は前記取付部から前記保持部を取外す交換機構と、
前記交換機構を、前記外装カバーの進入口を介して前記外装カバーの外部から内部に移動させる移動機構と、
前記移動機構を支持する走行台と、
前記走行台を走行させる走行機構と、
を備える、交換装置。
【請求項2】
前記交換機構は、前記保持部の回転を止める回り止め機構を有する、請求項1に記載の交換装置。
【請求項3】
前記交換機構は、前記保持部を回転させる回転機構を有する、請求項1又は2に記載の交換装置。
【請求項4】
前記走行台に取付けられるハウジングを備え、
前記ハウジングは、前記交換機構と前記移動機構とを収容した状態で前記外装カバーの外壁面に接触し、前記ハウジングの内部を密閉し、
前記ハウジングの内部と前記外装カバーの内部とは、前記外装カバーの前記進入口を介して連通する、請求項1~3のいずれか1項に記載の交換装置。
【請求項5】
制御部を備え、
前記制御部は、前記処理装置で作成された交換指令を受信することと、前記交換指令を受信すると、前記走行台を前記外装カバーの外部の設定位置まで走行することと、前記外装カバーの進入口が開放されていることを検知することと、前記進入口を介して前記外装カバーの外部から内部に前記交換機構を進入することと、前記交換機構で前記取付部に前記保持部を取付ける、又は前記取付部から前記保持部を取外すことと、を含む制御を行う、請求項1~4のいずれか1項に記載の交換装置。
【請求項6】
前記交換機構は、前記保持部を掴む一対のアームを有し、
一対の前記アームの各々は、前記取付部と前記保持部の間に差し込まれる爪部、又は前記保持部に取付けられたボルトに引掛けられる二股状のフォーク部を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の交換装置。
【請求項7】
処理体を保持する保持部と、前記保持部が交換可能に取付けられる取付部と、前記保持部に保持されている前記処理体を処理する処理部と、前記保持部と前記取付部と前記処理部とを収容する外装カバーとを備える処理装置で使用される前記保持部の交換方法であって、
前記保持部の交換装置が前記処理装置で作成された交換指令を受信することと、
前記交換装置が前記外装カバーの外部の設定位置まで走行することと、
前記外装カバーの進入口が開放されていることを前記交換装置が検知することと、
前記交換装置が前記外装カバーの前記進入口を介して前記外装カバーの外部から内部に進入することと、
前記交換装置が前記取付部に前記保持部を取付ける、又は前記取付部から前記保持部を取外すことと、
を含む、交換方法。
【請求項8】
処理体を保持する保持部と、前記保持部が交換可能に取付けられる取付部と、前記保持部に保持されている前記処理体を処理する処理部と、前記保持部と前記取付部と前記処理部とを収容する外装カバーと、を備える、処理装置であって、
前記外装カバーは、前記保持部の交換装置が前記外装カバーの外部から内部に進入する際に通過する進入口を有し、
前記処理装置は、前記外装カバーの前記進入口を開閉するシャッターと、制御部と、を備え、
前記制御部は、前記保持部を交換する交換指令を作成することと、前記交換指令を前記交換装置に送信することと、前記交換装置の到着を検知することと、前記到着を検知した後に前記シャッターを開くことと、を含む制御を行う、処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記交換装置が前記外装カバーの内部から外部に退出した後に前記シャッターを閉じることと、前記シャッターを閉じた後に前記保持部を前記処理部で処理することと、を含む制御を行う、請求項8に記載の処理装置。
【請求項10】
前記外装カバーの前記進入口に進入した前記交換装置に接触し、前記外装カバーの前記進入口を塞ぐシール部材を備える、請求項8又は9に記載の処理装置。
【請求項11】
前記外装カバーは、前記進入口が形成される主筐体と、前記主筐体の前記進入口を囲むように前記主筐体の外壁面に取付けられる副筐体と、を有し、
前記副筐体は、前記交換装置が前記副筐体の外部から内部に進入する際に通過する第2進入口を含み、
前記処理装置は、前記副筐体の前記第2進入口を開閉する第2シャッターと、前記副筐体の前記第2進入口に進入した前記交換装置に接触し、前記副筐体の前記第2進入口を塞ぐ第2シール部材と、を備える、請求項8~10のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項12】
前記取付部に対する前記保持部の位置を決める位置決め部を備える、請求項8~11のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項13】
前記取付部は、前記保持部が取付けられる取付面に、流体を噴射する噴射口を有する、請求項8~12のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項14】
処理体を保持する保持部と、前記保持部が交換可能に取付けられる取付部と、前記保持部に保持されている前記処理体を処理する処理部と、前記保持部と前記取付部と前記処理部とを収容する外装カバーとを備える処理装置で使用される前記保持部の交換方法であって、
前記処理装置が前記保持部を交換する交換指令を作成し、前記交換指令を前記保持部の交換装置に送信することと、
前記交換装置が前記外装カバーの外部の設定位置に到着したことを、前記処理装置が検知することと、
前記交換装置の到着を検知した後に、前記処理装置が前記外装カバーの進入口を開閉するシャッターを開くことと、
前記交換装置が前記外装カバーの前記進入口を介して前記外装カバーの外部から内部に進入することと、
前記交換装置が前記取付部に前記保持部を取付ける、又は前記取付部から前記保持部を取外すことと、
を含む、交換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、交換装置、処理装置、及び交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の研削装置は、被加工物を保持するチャックテーブルと、チャックテーブルに保持されている被加工物を研削する研削ホイールと、を備える。研削装置は、研削ホイール又はチャックテーブルを交換した際に、チャックテーブルを研削ホイールで研削して研削ホイールの研削面とチャックテーブルの保持面とを平行に形成する所謂セルフグラインドを実施している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-237210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の一態様は、処理装置を使用する使用者の負担を軽減する、技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る交換装置は、処理装置で使用される保持部を交換する。前記処理装置は、処理体を保持する保持部と、前記保持部が交換可能に取付けられる取付部と、前記保持部に保持されている前記処理体を処理する処理部と、前記保持部と前記取付部と前記処理部とを収容する外装カバーとを備える。前記交換装置は、前記取付部に前記保持部を取付ける、又は前記取付部から前記保持部を取外す交換機構と、前記交換機構を、前記外装カバーの進入口を介して前記外装カバーの外部から内部に移動させる移動機構と、前記移動機構を支持する走行台と、前記走行台を走行させる走行機構と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示の一態様によれば、処理装置を使用する使用者の負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、工場のレイアウトの一例を示す平面図である。
図2図2は、工場のレイアウトの別の一例を示す平面図である。
図3図3は、研削システムの一例を示す平面図である。
図4図4は、一実施形態に係る研削装置を示す断面図である。
図5図5は、研削装置のチャックの一例を示す平面図である。
図6図6は、一実施形態に係る研削装置と交換装置を示す断面図である。
図7図7は、交換機構に含まれる操作機構の一例を示す断面図である。
図8図8は、取付台の噴射口の一例を示す断面図である。
図9図9は、交換機構に含まれるアームの一例を示す断面図である。
図10図10は、交換機構に含まれるアームの別の一例を示す断面図である。
図11図11は、位置決め部の一例を示す断面図である。
図12図12は、位置決め部の別の一例を示す断面図である。
図13図13は、交換機構に含まれる測定機構の一例を示す断面図である。
図14図14は、一実施形態に係る研削装置と交換装置のそれぞれの制御部の構成要素を機能ブロックで示す図である。
図15図15は、第1変形例に係る研削装置と交換装置を示す断面図である。
図16図16は、第2変形例に係る研削装置と交換装置を示す断面図である。
図17図17は、第3変形例に係る研削装置と交換装置を示す断面図である。
図18図18は、保管部を備える交換装置の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各図面において同一の又は対応する構成には同一の符号を付し、説明を省略することがある。本明細書において、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向は互いに垂直な方向である。X軸方向及びY軸方向は水平方向、Z軸方向は鉛直方向である。
【0009】
図1に示すように、工場の部屋には、例えば、基板Wを研削する研削システム1と、チャック42を交換する交換装置7と、交換装置7を格納する格納庫8と、チャック42を保管する保管部9とが設置される。工場は例えば半導体工場であって、その部屋は例えばクリーンルームであってもよい。本実施形態では、基板Wが特許請求の範囲に記載の処理体に相当し、チャック42が特許請求の範囲に記載の保持部に相当する。
【0010】
基板Wは、シリコンウェハ若しくは化合物半導体ウェハ等の半導体基板、又はガラス基板を含む。基板Wは、半導体基板又はガラス基板の表面に形成されるデバイス層を更に含んでもよい。デバイス層は、電子回路を含む。また、基板Wは、複数の基板を接合した重合基板であってもよい。
【0011】
研削システム1は、図1に示すように工場の部屋に複数配置されてもよいし、1つのみ配置されてもよい。チャック42は、所望のタイミングで、交換装置7によって交換される。チャック42は重い(例えば10kg程度である)ので、人間の代わりに、交換装置7がチャック42を交換すれば、人間の負担を軽減できる。チャック42の交換作業は、使用済みのチャック42の取外し作業及び搬出作業と、未使用のチャック42の搬入作業及び取付作業を含む。
【0012】
保管部9は、チャック42を保管する。使用済みのチャック42と、未使用のチャック42とは、本実施形態では同一の保管部9で保管されるが、別々の保管部9で保管されてもよい。保管部9は、研削システム1の外部に設けられる。それゆえ、研削システム1の小型化が可能である。保管部9が研削システム1の外部に設けられるので、保管部9が研削システム1の内部に設けられる場合とは異なり、交換装置7として自走式のロボットが用いられる。
【0013】
交換装置7は、チャック42の交換指令を受信するまで、格納庫8にて待機する。交換装置7は、交換指令を受信すると、例えば研削システム1まで走行し、研削システム1から使用済みのチャック42を取外す。次に、交換装置7は、取外した使用済みのチャック42を保持した状態で保管部9まで走行し、使用済みのチャック42を保管部9に置く。その後、交換装置7は、保管部9にて未使用のチャック42を取得し、取得した未使用のチャック42を保持した状態で研削システム1まで走行し、未使用のチャック42を研削システム1に取付ける。最後に、交換装置7は、格納庫8に戻り、待機する。
【0014】
或いは、交換装置7は、交換指令を受信すると、先ず保管部9まで走行し、保管部9にて未使用のチャック42を取得し、取得した未使用のチャック42を保持した状態で研削システム1まで走行する。次に、交換装置7は、研削システム1から使用済みのチャック42を取外す。続いて、交換装置7は、未使用のチャック42を研削システム1に取付ける。その後、交換装置7は、取外した使用済みのチャック42を保持した状態で保管部9まで走行し、使用済みのチャック42を保管部9に置く。最後に、交換装置7は、格納庫8に戻り、待機する。
【0015】
保管部9は、複数の研削システム1に共通のものである。研削システム1毎に保管部9を設ける場合に比べて、保管部9の設置数を低減できる。
【0016】
なお、図2に示すように、保管部9は、研削システム1毎に設けられてもよい。この場合、保管部9が複数の研削システム1に共通のものである場合に比べて、保管部9を研削システム1の近傍に設置できる。
【0017】
また、図1及び図2に示す保管部9は交換装置7とは別に設けられるが、図18に示すように交換装置7が保管部9を備えてもよい。交換装置7の保管部9は、交換装置7の走行台73と共に走行させられる。この場合、交換装置7の走行距離を短縮できる。交換装置7の保管部9は、交換装置7の外部に固定される保管部9(図1又は図2参照)と、研削システム1の研削装置40との間で搬送されるチャック42を一時的に保管する。
【0018】
次に、図3を参照して、研削システム1について説明する。研削システム1は、搬入出部2と、洗浄部3と、研削部4と、制御部5と、を備える。搬入出部2と、洗浄部3と、研削部4とは、この順で、X軸方向負側からX軸方向正側に配置される。
【0019】
搬入出部2は載置台21を有する。載置台21はカセットCが載置されるものである。カセットCは、基板Wを鉛直方向に間隔をおいて複数枚収容する。載置台21は、Y軸方向に一列に配置される複数の載置板22を含む。複数の載置板22のそれぞれに、カセットCが載置される。なお、載置板22の数は特に限定されない。同様に、カセットCの数も特に限定されない。
【0020】
また、搬入出部2は、第1搬送領域23を有する。平面視で、第1搬送領域23は、載置台21と後述のトランジション装置35との隣に、載置台21とトランジション装置35とで挟まれるように配置される。搬入出部2は、第1搬送領域23にて基板Wを搬送する第1搬送装置24を有する。第1搬送装置24は、第1搬送領域23の隣に配置される複数の装置間で基板Wを搬送する。第1搬送装置24は、基板Wを保持する第1搬送アーム24aを含む。第1搬送アーム24aは、水平方向(X軸方向及びY軸方向の両方向)及び鉛直方向の移動、並びに鉛直軸を中心とする回転が可能である。第1搬送アーム24aの数は、1つでもよいし、複数でもよい。
【0021】
洗浄部3は、第1洗浄装置31を有する。第1洗浄装置31は、後述の研削装置40で研削された後の基板Wを擦り洗いする。第1洗浄装置31は、スポンジ又はブラシ等の洗浄体を含み、洗浄体で研削屑等のパーティクルを除去する。
【0022】
また、洗浄部3は、第2洗浄装置32を有する。第2洗浄装置32は、研削装置40で研削された後の基板Wを薬液でエッチングする。第2洗浄装置32は、基板Wを保持するスピンチャックと、薬液を吐出するノズルとを含む。ノズルは、回転する基板Wの上面の中心に薬液を供給する。
【0023】
洗浄部3は、更に第3洗浄装置33を有してもよい。第3洗浄装置33は、第1洗浄装置31及び第2洗浄装置32とは異なり、研削装置40で研削される前の基板Wを洗浄する。第3洗浄装置33は、第1洗浄装置31と同様に、基板Wを擦り洗いする。研削装置40のチャック42と基板Wの間に異物が噛み込むのを抑制でき、基板Wを平坦に研削できる。
【0024】
洗浄部3は、検出装置34を有する。検出装置34は、研削装置40で研削される前の基板Wの中心を検出する。平面視にて、研削装置40のチャック42の中心と基板Wの中心とを位置合わせできる。検出装置34は、基板Wの中心に加えて、基板Wの結晶方位を検出してもよく、具体的には基板Wの結晶方位を表すノッチ又はオリエンテーションフラットを検出してもよい。チャック42と共に回転する回転座標系において、基板Wの結晶方位を所望の方位に位置合わせできる。
【0025】
第1洗浄装置31と第3洗浄装置33と検出装置34は、研削システム1の設置面積を低減すべく、鉛直方向に積層されてもよい。例えば、下側から上側に向けて、検出装置34と第1洗浄装置31と第3洗浄装置33がこの順番で配置される。但し、その順番は、特に限定されない。
【0026】
洗浄部3は、トランジション装置35を有する。トランジション装置35は、基板Wを一時的に収容する。複数のトランジション装置35が鉛直方向に積み重ねられてもよい。トランジション装置35の配置や個数は、特に限定されない。
【0027】
洗浄部3は、第2搬送領域36を有する。平面視で、第2搬送領域36は、第1洗浄装置31と第2洗浄装置32とトランジション装置35との隣に、第1洗浄装置31と第2洗浄装置32とトランジション装置35とで三方を囲まれるように配置される。洗浄部3は、第2搬送領域36にて基板Wを搬送する第2搬送装置37を有する。第2搬送装置37は、第2搬送領域36の隣に配置される複数の装置間で、基板Wを搬送する。第2搬送装置37は、基板Wを保持する第2搬送アーム37aを含む。第2搬送アーム37aは、水平方向(X軸方向及びY軸方向の両方向)及び鉛直方向の移動、並びに鉛直軸を中心とする回転が可能である。第2搬送アーム37aの数は、1つでもよいし、複数でもよい。
【0028】
洗浄部3は平面視にて矩形の角を切り欠いた形状であり、その切り欠いた位置に第3搬送領域38が配置される。平面視で、第3搬送領域38は、第2搬送領域36と第1洗浄装置31と研削装置40との隣に、第2搬送領域36と第1洗浄装置31と研削装置40とで三方を囲まれるように配置される。第3搬送領域38は、洗浄部3及び第3搬送領域38の両方を覆う筐体の内部に設けられてもよいし、洗浄部3を覆う筐体とは別の筐体の内部に設けられ、洗浄部3に接続されてもよい。
【0029】
研削システム1は、第3搬送領域38にて基板Wを搬送する第3搬送装置39を備える。第3搬送装置39は、第3搬送領域38の隣に配置される複数の装置間で、基板Wを搬送する。第3搬送装置39は、基板Wを保持する吸着パッド39aを含む。吸着パッド39aは、基板Wを上方から吸着する。吸着パッド39aは、水平方向(X軸方向及びY軸方向の両方向)及び鉛直方向への移動、並びに鉛直軸を中心とする回転が可能である。
【0030】
研削部4は、研削装置40を含む。研削装置40は、基板Wを研削する。研削は、研磨を含む。研削装置40は、例えば、テーブル41と、4つのチャック42と、3つの処理部43とを備える。
【0031】
テーブル41は、回転中心線R1の周りに4つのチャック42を等間隔で保持し、回転中心線R1を中心に回転する。4つのチャック42のそれぞれは、テーブル41と共に回転し、搬入出位置A0と、1次研削位置A1と、2次研削位置A2と、3次研削位置A3と、搬入出位置A0とにこの順番で移動する。
【0032】
搬入出位置A0は、基板Wの搬入が行われる位置と、基板Wの搬出が行われる位置とを兼ねる。なお、本実施形態では搬入位置と搬出位置とは同じ位置であるが、搬入位置と搬出位置とは異なる位置であってもよい。1次研削位置A1は、基板Wの1次研削が行われる位置である。2次研削位置A2は、基板Wの2次研削が行われる位置である。3次研削位置A3は、基板Wの3次研削が行われる位置である。
【0033】
4つのチャック42は、それぞれの回転中心線R2(図4参照)を中心に回転自在に、テーブル41に取付けられる。1次研削位置A1、2次研削位置A2及び3次研削位置A3において、チャック42はそれぞれの回転中心線R2を中心に回転する。
【0034】
1つの処理部43は、1次研削位置A1にて、基板Wを1次研削する。別の処理部43は、2次研削位置A2にて、基板Wを2次研削する。残りの処理部43は、3次研削位置A3にて、基板Wを3次研削する。
【0035】
なお、処理部43の数は、1つ以上であればよい。また、チャック42の数は、処理部43の数よりも多ければよい。但し、テーブル41が無くてもよい。テーブル41が無い場合、チャック42の数は、処理部43の数と同数であってもよく、1つであってもよい。
【0036】
制御部5は、例えばコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)51と、メモリなどの記憶媒体52と、を備える。記憶媒体52には、研削システム1において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御部5は、記憶媒体52に記憶されたプログラムをCPU51に実行させることにより、研削システム1の動作を制御する。
【0037】
次に、研削システム1の動作について説明する。下記の動作は、制御部5による制御下で実施される。
【0038】
先ず、第1搬送装置24が、カセットCから基板Wを取り出し、トランジション装置35に搬送する。続いて、第2搬送装置37が、トランジション装置35から第3洗浄装置33に基板Wを搬送する。
【0039】
次に、第3洗浄装置33が、研削装置40で研削する前の基板Wを洗浄する。清浄な基板Wを研削装置40のチャック42に載置でき、異物の噛み込みを抑制できる。それゆえ、基板Wを平坦に研削でき、基板Wの厚み偏差の悪化を抑制できる。基板Wの乾燥後、第2搬送装置37が、第3洗浄装置33から検出装置34に基板Wを搬送する。
【0040】
なお、未研削の基板Wが清浄な場合、又は研削装置40が未研削の基板Wを洗浄する機構を有する場合、第3洗浄装置33は無くてもよい。その場合、第2搬送装置37は、トランジション装置35から検出装置34に基板Wを搬送する。
【0041】
次に、検出装置34が、基板Wの中心を検出する。検出装置34は、基板Wの結晶方位をも検出してもよく、具体的にはノッチ等をも検出してもよい。その後、第3搬送装置39が、検出装置34から研削装置40のチャック42に基板Wを搬送する。この間、制御部5は、検出装置34の検出結果に基づき第3搬送装置39を制御し、チャック42の中心と基板Wの中心とを位置合わせする。また、制御部5は、検出装置34の検出結果に基づき第3搬送装置39を制御し、チャック42と共に回転する回転座標系において、基板Wの結晶方位を所望の方位に位置合わせする。
【0042】
次に、研削装置40が、基板Wの上面を研削する。基板Wは、テーブル41と共に回転し、搬入出位置A0と、1次研削位置A1と、2次研削位置A2と、3次研削位置A3と、搬入出位置A0とにこの順番で移動する。この間、1次研削と、2次研削と、3次研削とが実施される。その後、第3搬送装置39が、チャック42から第1洗浄装置31に基板Wを搬送する。
【0043】
次に、第1洗浄装置31は、基板Wの上面を洗浄し、研削屑等のパーティクルを除去する。基板Wの乾燥後、第2搬送装置37が、第1洗浄装置31から第2洗浄装置32に基板Wを搬送する。
【0044】
次に、第2洗浄装置32は、基板Wの上面をエッチングし、研削痕を除去する。基板Wの乾燥後、第2搬送装置37が、第2洗浄装置32からトランジション装置35に基板Wを搬送する。続いて、第1搬送装置24が、トランジション装置35からカセットCに基板Wを搬送する。基板Wは、カセットCに収容される。
【0045】
次に、主に図4を参照して研削装置40について説明する。研削装置40は、処理部43を備える。処理部43は、チャック42に保持されている基板Wを処理する。基板Wを処理することは、例えば基板Wを研削することを含む。処理部43は、例えば、研削工具Dが装着されるフランジ43aと、フランジ43aが下端に設けられるスピンドル軸43bと、スピンドル軸43bを回転させるスピンドルモータ43cと、を有する。
【0046】
フランジ43aは水平に配置され、その下面に研削工具Dが装着される。研削工具Dは、例えば、円盤状の研削ホイールD1と、研削ホイールD1の下面にリング状に配列される複数の砥石D2と、を含む。スピンドル軸43bは鉛直に配置される。スピンドルモータ43cは、スピンドル軸43bを回転させることで、回転中心線R3を中心に研削工具Dを回転させる。処理部43は、スピンドルモータ43cを昇降させることで、研削工具Dを昇降させる。
【0047】
処理部43は、回転中心線R3を中心に研削工具Dを回転させながら、研削工具Dを下降させることで基板Wの上面に接触させる。このとき、基板Wは、別の回転中心線R2を中心に回転させられている。研削工具Dは、基板Wの上面全体を研削する。基板Wの厚みが設定値に達すると、処理部43が研削工具Dの下降を停止する。その後、処理部43は、研削工具Dを上昇させる。
【0048】
チャック42は、基板Wを下方から保持する。図示しないが、チャック42の基板Wを吸着する吸着面、つまりチャック42の上面は、チャック42の回転中心線R2を中心に対称な円錐面であってもよい。図示しないチャック傾き調整機構によりチャック42の回転中心線R2の傾斜角度を調整することで、基板Wの径方向における厚み分布を調整できる。チャックモータ82は、チャック42を回転させることで、基板Wを回転させる。
【0049】
チャック42は、例えば、基板Wを真空吸着する多孔質体42aと、多孔質体42aを保持する保持台42bと、保持台42bの下縁に設けられるフランジ42cとを含む。チャック42は、取付台49に対して交換可能に取付けられる。取付台49に対してチャック42を締結する締結具は、特に限定されないが、例えばボルト81である。
【0050】
図5に示すように、ボルト81は、チャック42の周方向に間隔をおいて複数設けられる。図4に示すように、ボルト81の軸部81aは、チャック42のフランジ42cの貫通穴を通り、取付台49のボルト穴にねじ込まれる。ボルト81の頭部81bは、チャック42のフランジ42cを上方から押さえる。ボルト81を緩めたり締めたりすることで、チャック42を交換できる。
【0051】
チャック42が取付台49に取付けられた後、処理部43が基板Wを研削する前に、処理部43がチャック42を研削することでチャック42の吸着面の形状を整える。チャック42を研削する研削工具は、基板Wを研削する研削工具Dとは別に用意されてもよい。処理部43は、基板Wの研削を繰り返す合間に、チャック42に付いた汚れなどを除去すべく、チャック42を研削してもよい。チャック42の総研削量が設定量に達すると、チャック42の交換が行われる。
【0052】
次に、主に図6図13を参照して、取付台49に対するチャック42の取付け及び取外しについて説明する。図6に示すように、研削装置40は、外装カバー44を備える。外装カバー44は、チャック42と取付台49と処理部43(図4参照)とを収容する。外装カバー44は、テーブル41などをも収容してもよい。外装カバー44は、その内部にて発生した研削屑等のパーティクルが外部に流出するのを抑制する。工場の部屋を清浄に維持できる。
【0053】
外装カバー44は、交換装置7が外装カバー44の外部から内部に進入する際に通過する進入口44aを有する。人間の代わりに、交換装置7が、外装カバー44の外部から内部に進入し、外装カバー44の内部にてチャック42を交換する。
【0054】
交換装置7が人間の代わりに外装カバー44の内部に進入してチャック42を交換するので、外装カバー44の内部の堆積物で人間が汚れるのを防止できる。また、交換装置7が研削装置40の外部に設けられるので、交換装置7が研削装置40の内部に設けられる場合に比べて、研削装置40の小型化が可能である。
【0055】
研削装置40は、外装カバー44の進入口44aを開閉するシャッター45を備える。シャッター45は、基本的に進入口44aを閉塞しており、交換装置7の進入時に進入口44aを開放する。進入口44aが常時開放されている場合に比べて、進入口44aを介した外装カバー44の内部から外部へのパーティクルの流出を抑制でき、工場の部屋を清浄に維持できる。
【0056】
研削装置40は、シャッター45を、進入口44aを開放する開位置(例えば図6に示す位置)と、進入口44aを閉塞する閉位置との間で移動させる移動機構46を備えてもよい。移動機構46は、空気圧シリンダ、又は電動シリンダ等である。電動シリンダは、モータと、ボールねじとを含む。シャッター45を手動ではなく自動で移動できる。
【0057】
外装カバー44の進入口44aとシャッター45は、例えば搬入出位置A0に設けられる。搬入出位置A0は、基板Wの搬入出が行われる位置である。搬入出位置A0には、基板Wを研削する処理部43が存在しない。それゆえ、チャック42の交換作業が容易である。チャック42の交換作業は、使用済みのチャック42の取外し作業及び搬出作業と、未使用のチャック42の搬入作業及び取付け作業を含む。
【0058】
研削装置40は、制限機構47を備えてもよい。制限機構47は、外装カバー44の進入口44aを介した外装カバー44の内部から外部への気体の流出を制限する。気体の流出を制限することにより、パーティクルの流出を抑制でき、工場の部屋を清浄に維持できる。
【0059】
例えば、制限機構47は、外装カバー44の内部を外部に比べて陰圧にする排気ライン47aを備える。排気ライン47aは、ダクト等であり、外装カバー44と排気源とを接続する。排気源は、例えば真空ポンプ又はエジェクタ等である。排気ライン47aの途中には、例えば気圧制御器47bが設けられる。気圧制御器47bは、外装カバー44の内部の気圧を制御する。気圧差によって、外装カバー44の進入口44aから内部に向かう気流が形成される。その結果、外装カバー44の内部から外部への気体の流出を制限できる。
【0060】
排気ライン47aの外装カバー44との接続口は、図6では外装カバー44の進入口44aよりも上方であるが、下方であってもよい。後者の場合、外装カバー44の内部にダウンフローを形成できる。外装カバー44の天井には、ファンフィルターユニット等の送風機が設けられてもよい。送風量と排気量とは、外装カバー44の内部を外部に比べて陰圧にするように制御される。
【0061】
研削装置40は、洗浄機構48を備えてもよい。洗浄機構48は、ノズル等によって、チャック42又はチャック42の周辺部材に対して洗浄液を供給する。洗浄液は、例えばDIW(脱イオン水)等である。チャック42の周辺部材は、例えば、取付台49である。洗浄機構48は、使用済みのチャック42を取付台49から取外す前に、チャック42等を洗浄する。これにより、交換装置7が汚れるのを抑制できる。また、洗浄機構48によってチャック42を洗浄すれば、チャック42と共にパーティクルが外に運ばれるのを抑制できる。
【0062】
研削装置40は、制御部50を備える。制御部50は、例えばコンピュータであり、CPU50aと、メモリなどの記憶媒体50bと、を備える。記憶媒体50bには、研削装置40において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御部50は、記憶媒体50bに記憶されたプログラムをCPU50aに実行させることにより、研削装置40の動作を制御する。研削装置40の制御部50は、研削システム1の制御部5の一部であってもよい。
【0063】
交換装置7は、例えば、交換機構71と、移動機構72と、走行台73と、走行機構74と、を備える。交換機構71は、取付台49にチャック42を取付ける、又は取付台49からチャック42を取外す。交換機構71は、水平方向(X軸方向及びY軸方向の両方向)及び鉛直方向の移動、並びに鉛直軸を中心とする回転が可能である。移動機構72は、交換機構71を外装カバー44の進入口44aを介して外装カバー44の外部から内部に移動させる。移動機構72は、例えば多関節アームであって、一端にて交換機構71を保持し、他端にて走行台73に連結される。走行台73は、移動機構72を支持する。走行機構74は、走行台73を走行させる。
【0064】
交換装置7が研削装置40の外部に設けられるので、交換装置7が研削装置40の内部に設けられる場合とは異なり、交換装置7として自走式のロボットが用いられる。人間の代わりに、交換装置7がチャック42を交換する。人間が汚れるのを防止できる。また、交換装置7が研削装置40の外部に設けられるので、交換装置7が研削装置40の内部に設けられる場合に比べて、研削装置40の小型化が可能である。
【0065】
図7に示すように、交換機構71は、取付台49に対してチャック42を締結する締結具を締める、又は緩める操作機構71aを有する。締結具がボルト81である場合、ボルト81に嵌合するスパナ又はレンチ等の工具と、その工具を回す回転機構とで、操作機構71aが構成される。
【0066】
交換機構71は、取付台49の回転を止める回り止め機構71bを有してもよい。回り止め機構71bは、例えば、取付台49を掴むクランプ、又は取付台49の穴に差し込まれるピンを含む。回り止め機構71bによって取付台49の回転を止めた状態で、締結具を締める、又は緩めることができる。
【0067】
交換機構71は、取付台49を回転させる回転機構71cを有してもよい。回転機構71cは、例えば、取付台49を掴むホルダと、そのホルダを回転中心線R2を中心に回転させるモータとを含む。回転中心線R2を中心とする回転軌道上に複数の締結具が存在する場合に、複数の締結具を順番に操作機構71aの真下に配置できる。
【0068】
図8に示すように、取付台49は、チャック42が取付けられる取付面49aに、流体を噴射する噴射口49bを有してもよい。流体としては、水などの液体、又は空気などの気体が用いられる。流体の噴射圧によって、取付台49とチャック42を分離できる。基板Wの研削時に基板Wに供給された研削液がチャック42と取付台49の間に入り込んで液膜を形成することで、チャック42が取付台49に貼り付いている場合に有効である。
【0069】
図9に示すように、交換機構71は、例えば、チャック42を掴む一対のアーム71dを有する。一対のアーム71dは、チャック42の回転中心線R2を中心に対称に配置され、回転中心線R2に直交する方向に互いに接近、又は離間させられる。一対のアーム71dの各々は、例えば、取付台49とチャック42の間に差し込まれる爪部711dを有する。爪部711dは、流体の噴射圧によって形成される隙間に差し込まれる。その後、流体の噴射が停止させられる。爪部711dは、チャック42を下方から保持する。
【0070】
なお、図10に示すように、一対のアーム71dの各々は、ボルト81に引掛けられる二股状のフォーク部712dを有してもよい。フォーク部712dは、例えば、ボルト81の頭部81bとチャック42のフランジ42cの隙間に差し込まれ、ボルト81の軸部81aを挟むと共に、ボルト81の頭部81bを下方から保持する。フォーク部712dがボルト81に引掛けられた状態で、流体の噴射が開始される。ボルト81の代わりに、フォーク部712dを引掛ける専用のボルトが設けられてもよい。
【0071】
なお、流体の噴射圧を利用することなく、アーム71dの駆動力のみで、チャック42を取付台49から引き剥がしてもよい。
【0072】
図11に示すように、取付台49に対するチャック42の位置を決める位置決め部83が複数(図11には1つのみ図示)設けられてもよい。位置決め部83は、例えば、位置決めピン83aと、位置決めピン83aに嵌合される位置決め穴83bとを含む。位置決めピン83aは取付台49の上面に設けられ、位置決め穴83bはチャック42の下面に設けられる。位置決めピン83aの先端は、先細り状のテーパーを有してもよい。
【0073】
取付台49に対してチャック42を取付ける際に、位置決めピン83aと位置決め穴83bを嵌合させることで、取付台49に対するチャック42の位置が決まる。従って、取付台49に対するチャック42の位置を調整する作業、具体的にはチャック42の中心と取付台49の中心を合わせる作業が不要になる。
【0074】
なお、位置決めピン83aと位置決め穴83bの配置は、逆でもよい。つまり、位置決めピン83aがチャック42の下面に設けられ、位置決め穴83bが取付台49の上面に設けられてもよい。
【0075】
図12に示すように、位置決め部83は、テーパーネジ83cと、テーパーネジ83cがねじ込まれるテーパーネジ穴83d、83eを含んでもよい。テーパーネジ穴83dは例えばチャック42のフランジ42cに形成され、別のテーパーネジ穴83eは取付台49の上面に形成される。
【0076】
取付台49に対してチャック42を取付ける際に、テーパーネジ83cをテーパーネジ穴83d、83eにねじ込むことで、取付台49に対するチャック42の位置が矯正される。従って、取付台49に対するチャック42の位置を調整する作業、具体的にはチャック42の中心と取付台49の中心を合わせる作業が不要になる。
【0077】
なお、テーパーネジ83cをテーパーネジ穴83d、83eにねじ込む際に、チャック42が取付台49に貼り付いて動かない場合、取付台49の噴射口49bが流体を噴射してもよい。流体の噴射圧によって、取付台49とチャック42を分離できる。その後、テーパーネジ83cをテーパーネジ穴83d、83eにねじ込むことで、取付台49に対するチャック42の位置が矯正される。
【0078】
位置決め部83によって取付台49に対するチャック42の位置を決めた後、ボルト81によって取付台49に対してチャック42を締結する。なお、位置決め部83がテーパーネジ83cを含む場合、取付台49に対するチャック42の位置を決めた後、テーパーネジ83cは取外されてもよい。
【0079】
図13に示すように、交換機構71は、取付台49に対するチャック42の位置ずれを測定する測定機構7e1を有してもよい。測定機構71eは、例えば、取付台49の中心に対するチャック42の中心の位置ずれを測定する。測定機構71eで測定した位置ずれが許容範囲外である場合、位置ずれが許容範囲内になるように、取付台49に対するチャック42の位置が矯正される。
【0080】
測定機構71eは、例えば、チャック42の外周面に押し当てられる測定子と、測定子をガイドするガイドと、測定子の変位を計測するセンサと、を含む。取付台49を回転させたときの測定子の変位から、取付台49の中心に対するチャック42の中心の位置ずれを測定することができる。なお、測定機構71eは、本実施形態では接触式であるが、非接触式であってもよい。
【0081】
図1等に示すように、交換機構71と移動機構72の組は、複数設けられ、独立に制御されてもよい。一組はチャック42の取付けに用いられ、別の一組はチャック42の取外しに用いられる。交換機構71と移動機構72の組が複数であれば、1つである場合とは異なり、チャック42の取外しと取付けを相次いで速やかに実施できる。つまり、チャック42の取外しと取付けとの合間に、交換装置7が研削装置40と保管部9との間を往復せずに済む。
【0082】
なお、交換装置7の保管部9(図18参照)が使用済みのチャック42と未使用のチャック42の両方を保管すれば、交換機構71と移動機構72が一つずつであっても、チャック42の取外しと取付けを相次いで速やかに実施できる。
【0083】
図6に示すように、交換装置7は、交換機構71を撮像する撮像装置75を備えてもよい。撮像装置75は、交換機構71と同様に、移動機構72の一端に取付けられる。撮像装置75によって交換機構71の動作を監視しながら、交換機構71を制御できる。例えば、取付台49に対してチャック42を載せる際に、取付台49のボルト穴とチャック42のフランジ42cの貫通穴とを位置合わせできる。
【0084】
交換装置7は、制御部76を備える。制御部76は、例えばコンピュータであり、CPU76aと、メモリなどの記憶媒体76bと、を備える。記憶媒体76bには、交換装置7において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御部76は、記憶媒体76bに記憶されたプログラムをCPU76aに実行させることにより、交換装置7の動作を制御する。
【0085】
次に、図14を参照して、研削装置40の制御部50の機能と、交換装置7の制御部76の機能について説明する。なお、図14に図示される各機能ブロックは概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。各機能ブロックの全部又は一部を、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することが可能である。各機能ブロックにて行われる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPUにて実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現されうる。
【0086】
先ず、研削装置40の制御部50の機能について説明する。制御部50は、例えば、交換指令作成部50cと、位置検出部50d、開閉制御部50eと、陰圧制御部50fと、洗浄制御部50gと、オートセットアップ制御部50hと、ブロー制御部50iと、を有する。
【0087】
交換指令作成部50cは、チャック42の交換の要否を判断し、チャック42の交換指令を作成する。具体的には、交換指令作成部50cは、例えばチャック42の総研削量、又はチャック42の取付け時からの経過時間等を監視し、その監視する値が設定値に達すると、交換指令を作成する。作成した交換指令は、交換装置7の制御部76に無線又は有線で送信される。交換装置7と研削装置40とは、外部のコンピュータを介して信号を送受信してもよい。交換装置7は、交換指令を受信し、研削装置40から要求を受けると、研削装置40まで走行する。
【0088】
位置検出部50dは、交換装置7の走行台73がチャック42を交換する位置(例えば図6に示す位置)に到着したか否かを、検知部53によって検出する。チャック42を交換する位置は、外装カバー44の外部に設定され、チャック42を取付ける位置と、チャック42を取外す位置とを兼ねる。検知部53(図6参照)は、例えば外装カバー44の外部の設定位置に交換装置7の走行台73が到着したことを検知する。検知部53は、例えば外装カバー44の外壁面に取付けられ、進入口44aの上方に取付けられる。検知部53は、例えばカメラ等である。
【0089】
開閉制御部50eは、シャッター45の移動機構46を制御し、シャッター45の位置を制御する。交換装置7の走行台73がチャック42を交換する位置に到着すると、開閉制御部50eがシャッター45の位置を閉位置から開位置に変更する。また、交換装置7の走行台73がチャック42を交換する位置から退出すると、開閉制御部50eがシャッター45の位置を開位置から閉位置に変更する。
【0090】
陰圧制御部50fは、排気ライン47aの気圧制御器47bを制御し、外装カバー44の内部を外部に比べて陰圧にする。陰圧制御部50fは、少なくともシャッター45が外装カバー44の進入口44aを開放している間、外装カバー44の内部を外部に比べて陰圧にする。
【0091】
洗浄制御部50gは、シャッター45が外装カバー44の進入口44aを開放する前に、洗浄機構48を制御し、チャック42又はチャック42の周辺部材に対して洗浄液を供給する。洗浄液の供給は、例えばチャック42の交換指令の作成後に実施される。なお、洗浄液の供給は、基板Wの研削中又は研削終了時にも、実施されてもよい。
【0092】
オートセットアップ制御部50hは、チャック42の交換が終了し、交換装置7がチャック42を交換する位置から退出すると、オートセットアップを実施する。オートセットアップは、例えば、処理部43による未使用のチャック42の研削、又は外装カバー44の内部の温度調節を含む。
【0093】
ブロー制御部50iは、取付台49の噴射口49bによる流体の噴射を制御する。例えば、ブロー制御部50iは、取付台49からチャック42を取外す際に、取付台49の噴射口49bから流体を噴射する制御を行う。また、ブロー制御部50iは、取付台49にチャック42を取付ける際に、チャック42の位置を矯正すべく、取付台49の噴射口49bから流体を噴射する制御を行ってもよい。
【0094】
次に、交換装置7の制御部76の機能について説明する。制御部76は、例えば、走行制御部76cと、移動制御部76dと、交換制御部76eと、を有する。
【0095】
走行制御部76cは、走行機構74を制御し、走行台73の位置を制御する。例えば、走行制御部76cは、走行機構74を制御し、チャック42を保管する位置と、チャック42を交換する位置との間で走行台73を走行させる。
【0096】
移動制御部76dは、移動機構72を制御し、交換機構71の位置を制御する。走行台73がチャック42を交換する位置で停止し、外装カバー44の進入口44aが開放されていることを交換装置7が研削装置40から送信される信号等で検知すると、移動制御部76dが交換機構71を外装カバー44の進入口44aを介して外装カバー44の外部から内部に移動させる。また、走行台73がチャック42を交換する位置から退出する前に、移動制御部76dが交換機構71を外装カバー44の進入口44aを介して外装カバー44の内部から外部に移動させる。
【0097】
交換制御部76eは、交換機構71を制御し、チャック42の取外し、又は取付けを制御する。交換制御部76eは、回り止め機構71bで取付台49の回転を止めた状態で、操作機構71aでボルト81を締める、又は緩める。交換制御部76eは、撮像装置75によって交換機構71の動作を監視しながら、交換機構71を制御する。
【0098】
次に、研削装置40と交換装置7の動作をまとめて説明する。研削装置40は、チャック42の交換の要否を判断し、チャック42の交換指令を作成する。次いで、研削装置40は、作成した交換指令を交換装置7に送信する。また、研削装置40は、チャック42の交換の必要があると判断すると、基板Wの研削を停止し、洗浄機構48による洗浄を実施する。
【0099】
一方、交換装置7は、研削装置40から交換指令を受信すると、研削装置40に近づく。研削装置40は、交換装置7の走行台73がチャック42を交換する位置に到着したことを検出すると、シャッター45を開く。その後、交換装置7は、交換機構71を外装カバー44の進入口44aから内部に進入させる。
【0100】
次に、交換機構71が、使用済みのチャック42を取付台49から取外す。具体的には、例えば、回り止め機構71bで取付台49の回転を止めた状態で、操作機構71aでボルト81を緩める。この作業は、回転機構71cによって取付台49を回転させることで、操作機構71aの真下に存在するボルト81を替えながら、繰り返し行われる。
【0101】
次に、取付台49の噴射口49bが、流体を噴射する。流体の噴射圧でチャック42と取付台49の隙間が形成され、その隙間にアーム71dの爪部711dが差し込まれる。その後、流体の噴射が停止させられる。アーム71dの爪部711dは、チャック42を下方から保持する。なお、アーム71dのフォーク部712dがボルト81に引掛けられてもよい。
【0102】
次に、移動機構72が、アーム71dを移動させることで、使用済みのチャック42を外装カバー44の内部から外部に搬出する。その後、アーム71dは、使用済みのチャック42を交換装置7の保管部9に収納し、保管部9から未使用のチャック42を取り出す。続いて、移動機構72が、アーム71dを移動させることで、未使用のチャック42を外装カバー44の外部から内部に搬入する。
【0103】
次に、交換機構71が、未使用のチャック42を取付台49に取付ける。具体的には、例えば、撮像装置75によって取付台49とチャック42の相対位置を監視しながら、チャック42を取付台49に載置する。このとき、位置決めピン83aと位置決め穴83bを嵌合させることで、取付台49に対するチャック42の位置を矯正してもよい。
【0104】
なお、位置決めピン83aと位置決め穴83bに代えて、又は加えて、テーパーネジ83cとテーパーネジ穴83d、83eを用いて、取付台49に対するチャック42の位置を矯正してもよい。テーパーネジ83cをテーパーネジ穴83d、83eにねじ込む際に、チャック42が取付台49に貼り付いて動かない場合、取付台49の噴射口49bが流体を噴射してもよい。
【0105】
位置決め部83によって取付台49に対するチャック42の位置を決めた後、ボルト81によって取付台49に対してチャック42を締結する。回り止め機構71bで取付台49の回転を止めた状態で、操作機構71aでボルト81を締める。この作業は、回転機構71cによって取付台49を回転させることで、操作機構71aの真下に存在するボルト81を替えながら、繰り返し行われる。
【0106】
次に、測定機構71eが、取付台49に対するチャック42の位置ずれを測定する。例えば、測定機構71eは、取付台49の中心に対するチャック42の中心の位置ずれを測定する。測定機構71eで測定した位置ずれが許容範囲外である場合、位置ずれが許容範囲内になるように、アーム71dなどでチャック42の位置を矯正する。
【0107】
次に、交換装置7は、交換機構71を外装カバー44の進入口44aから外部に退出させる。続いて、研削装置40は、シャッター45を閉じ、オートセットアップ制御を実施する。オートセットアップ制御は、例えば、処理部43による未使用のチャック42の研削を含む。チャック42の研削は、例えば3次研削位置A3で行われるが、1次研削位置A1又は2次研削位置A2で行われてもよい。
【0108】
処理部43は、チャック42を研削することで、チャック42の吸着面の形状を整える。チャック42を研削する研削工具は、基板Wを研削する研削工具Dとは別に用意されてもよい。この場合、オートセットアップ制御を実施するためにシャッター45を閉じる前に、交換装置7は、チャック42の交換だけではなく、研削工具Dの交換をも実施してもよい。
【0109】
その後、研削装置40は、基板Wの研削を再開する。研削装置40は、チャック42の交換後に最初に研削された基板Wの厚み分布を測定し、その厚み分布に応じてチャック42の回転中心線R2の傾斜角度を変更してもよい。その傾斜角度は、基板Wの厚みのばらつきが小さくなるように変更される。
【0110】
次に、図15を参照して、第1変形例に係る研削装置40と交換装置7について、説明する。以下、上記実施形態との相違点について主に説明する。
【0111】
本変形例の研削装置40の制限機構47は、排気ライン47aに加えて、シール部材47cを有する。なお、制限機構47は、シール部材47cのみを有してもよい。シール部材47cは、外装カバー44の進入口44aに進入した交換装置7の多関節アーム等に接触し、外装カバー44の進入口44aを塞ぐ。シール部材47cによって、気体の流出を制限し、パーティクルの流出を抑制できる。
【0112】
シール部材47cは、例えばシャッター45に取付けられており、シャッター45と共に移動させられる。シャッター45は一対設けられており、一対のシャッター45の互いに対向する面にシール部材47cが取付けられる。一対のシール部材47cは、交換装置7を挟んで包み込み、外装カバー44の進入口44aを塞ぐ。シール部材47cは、ゴム等の可撓性材料で形成され、交換装置7の外形に倣って変形する。
【0113】
交換装置7の走行台73が外装カバー44の外部の設定位置に達すると、開閉制御部50eがシャッター45の位置を閉位置から開位置に変更する。その後、移動制御部76dが、交換機構71を、外装カバー44の進入口44aを介して外装カバー44の外部から内部に移動させる。その際、シール部材47cは、交換装置7に接触しない。
【0114】
その後、開閉制御部50eがシャッター45の位置を開位置からシール位置(例えば図15に示す位置)に変更する。シール位置は、シール部材47cが交換装置7の多関節アーム等に接触し、外装カバー44の進入口44aを塞ぐ位置である。シール部材47cが進入口44aを塞いだ状態で、交換制御部76eが交換機構71を制御し、チャック42の取外し又は取付けを実施する。
【0115】
チャック42の取外し又は取付けが終わると、開閉制御部50eがシャッター45の位置をシール位置から開位置に変更する。続いて、移動制御部76dが、交換機構71を、外装カバー44の進入口44aを介して外装カバー44の外部から内部に移動させる。その後、走行制御部76cが、走行機構74を制御し、チャック42を交換する位置からチャック42を保管する位置に、走行台73を走行させる。
【0116】
次に、図16を参照して、第2変形例に係る研削装置40と交換装置7について、説明する。以下、上記実施形態及び上記第1変形例との相違点について主に説明する。
【0117】
本変形例の研削装置40の外装カバー44は、進入口44aが形成される主筐体44bと、主筐体44bの進入口44aを囲むように主筐体44bの外壁面に取付けられる副筐体44cと、を有する。主筐体44bは、チャック42と取付台49と処理部43(図4参照)とを収容する。
【0118】
副筐体44cは、交換装置7が副筐体44cの外部から内部に進入する際に通過する第2進入口44dを含む。交換装置7は、チャック42を交換する位置に到着した後、第2進入口44dと進入口44aとをこの順番で通り、主筐体44bの内部に進入し、主筐体44bの内部にてチャック42を交換する。
【0119】
研削装置40は、副筐体44cの第2進入口44dを開閉する第2シャッター61を備える。第2シャッター61は、基本的に第2進入口44dを閉塞しており、交換装置7の進入時に第2進入口44dを開放する。第2進入口44dが常時開放されている場合に比べて、第2進入口44dを介した外装カバー44の内部から外部へのパーティクルの流出を抑制でき、工場の部屋を清浄に維持できる。
【0120】
研削装置40は、第2シャッター61を、第2進入口44dを開放する第2開位置と、第2進入口44dを閉塞する第2閉位置との間で移動させる第2移動機構62を備えてもよい。第2移動機構62は、空気圧シリンダ、又は電動シリンダ等である。第2シャッター61を手動ではなく自動で移動できる。
【0121】
研削装置40の制御部50は、不図示の第2開閉制御部を備える。第2開閉制御部は、第2移動機構62を制御し、第2シャッター61の位置を制御する。交換装置7の走行台73がチャック42を交換する位置に到着すると、第2開閉制御部が第2シャッター61の位置を第2閉位置から第2開位置に変更する。また、交換装置7の走行台73がチャック42を交換する位置から退出すると、第2開閉制御部が第2シャッター61の位置を第2開位置から第2閉位置に変更する。
【0122】
研削装置40の制限機構47は、第2シール部材47dを有してもよい。第2シール部材47dは、副筐体44cの第2進入口44dに進入した交換装置7の多関節アーム等に接触し、副筐体44cの第2進入口44dを塞ぐ。第2シール部材47dによって、気体の流出を制限し、パーティクルの流出を抑制できる。
【0123】
第2シール部材47dは、例えば第2シャッター61に取付けられており、第2シャッター61と共に移動させられる。第2シャッター61は一対設けられており、一対の第2シャッター61の互いに対向する面に第2シール部材47dが取付けられる。一対の第2シール部材47dは、交換装置7を挟んで包み込み、外装カバー44の第2進入口44dを塞ぐ。第2シール部材47dは、ゴム等の可撓性材料で形成され、交換装置7の外形に倣って変形する。
【0124】
交換装置7の走行台73が外装カバー44の外部の設定位置に達すると、第2開閉制御部が第2シャッター61の位置を第2閉位置から第2開位置に変更する。その後、移動制御部76dが、交換機構71を、副筐体44cの第2進入口44dを介して副筐体44cの外部から内部に移動させる。その際、第2シール部材47dは、交換装置7に接触しない。
【0125】
その後、第2開閉制御部が第2シャッター61の位置を第2開位置から第2シール位置(例えば図16に示す位置)に変更する。第2シール位置は、第2シール部材47dが交換装置7の多関節アーム等に接触し、副筐体44cの第2進入口44dを塞ぐ位置である。第2シール部材47dが第2進入口44dを塞いだ状態で、開閉制御部50eがシャッター45の位置を閉位置から開位置に変更する。次いで、移動制御部76dが、交換機構71を、主筐体44bの進入口44aを介して主筐体44bの外部から内部に移動させる。続いて、開閉制御部50eがシャッター45の位置を開位置からシール位置に変更する。その後、交換制御部76eが交換機構71を制御し、チャック42の取外し又は取付けを実施する。なお、第2シール部材47dが第2シャッター61に取付けられる場合、第2シール部材47dが副筐体44cの第2進入口44dを塞げば、パーティクルの流出を抑制できる。それゆえ、シール部材47cが無くてもよい。但し、シール部材47cも有れば、パーティクルの流出をより抑制できる。
【0126】
チャック42の取外し又は取付けが終わると、開閉制御部50eがシャッター45の位置をシール位置から開位置に変更する。次いで、移動制御部76dが、交換機構71を、主筐体44bの進入口44aを介して主筐体44bの内部から外部に移動させる。次いで、開閉制御部50eがシャッター45の位置を開位置から閉位置に変更する。その後、第2開閉制御部が第2シャッター61の位置を第2シール位置から第2開位置に変更する。続いて、移動制御部76dが、交換機構71を、副筐体44cの第2進入口44dを介して副筐体44cの内部から外部に移動させる。その後、走行制御部76cが、走行機構74を制御し、チャック42を交換する位置からチャック42を保管する位置に、走行台73を走行させる。このように、進入口44aと第2進入口44dとを同時に開放せずに、少なくとも一方を閉塞することにより、主筐体44bの内部が研削装置40の外部に対して開放されるのを防止できる。
【0127】
次に、図17を参照して、第3変形例に係る研削装置40と交換装置7について、説明する。以下、上記実施形態、上記第1変形例、及び上記第2変形例との相違点について主に説明する。
【0128】
本変形例の交換装置7は、走行台73に取付けられるハウジング77を備える。ハウジング77は、交換機構71と移動機構72とを収容した状態で外装カバー44の外壁面に接触し、ハウジング77の内部を密閉する。ハウジング77は、外装カバー44との接触面にシール部材77aを有してもよい。
【0129】
シャッター45が外装カバー44の進入口44aを開放すると、ハウジング77の内部と外装カバー44の内部とが外装カバー44の進入口44aを介して連通する。この状態で、チャック42の交換が実施される。ハウジング77によって気体の流出を制限でき、パーティクルの流出を抑制でき、工場の部屋を清浄に維持できる。
【0130】
なお、図16に示すように外装カバー44が主筐体44bと副筐体44cとを有する場合、ハウジング77は副筐体44cの外壁面に接触する。第2シャッター61が副筐体44cの第2進入口44dを開放し、且つシャッター45が主筐体44bの進入口44aを開放すると、ハウジング77の内部と主筐体44bの内部とが連通する。
【0131】
以上、本開示に係る交換装置、処理装置、及び交換方法について説明したが、本開示は上記実施形態等に限定されない。特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更、修正、置換、付加、削除、及び組み合わせが可能である。それらについても当然に本開示の技術的範囲に属する。
【0132】
なお、本開示の処理装置は、上記実施形態では研削装置であるが、切削装置又は切断装置等であってもよい。なお、研削は、研磨を含む。処理装置は、処理体を保持する保持部と、保持部が交換可能に取付けられる取付部と、保持部に保持されている処理体を処理する処理部と、を備えるものであればよい。処理部は、例えば、加工工具を駆動する。加工工具は処理部に交換可能に取付けられる。加工装置が切削装置である場合、加工工具として、エンドミル等の切削工具が用いられる。また、加工装置が切断装置である場合、加工工具として、ブレード等の切断工具が用いられる。加工工具は、処理体に接触し、処理体を加工する。加工工具は、摩耗すると、交換される。
【0133】
また、本開示の処理装置で処理される処理体は、上記実施形態では基板Wであるが、基板Wには限定されない。
【符号の説明】
【0134】
7 交換装置
40 研削装置(処理装置)
42 チャック(保持部)
43 処理部
44 外装カバー
44a 進入口
49 取付台(取付部)
71 交換機構
72 移動機構
73 走行台
74 走行機構
W 基板(処理体)
図1
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