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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023063457
(43)【公開日】2023-05-09
(54)【発明の名称】化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/895 20060101AFI20230427BHJP
   A61Q 1/00 20060101ALI20230427BHJP
   A61K 8/891 20060101ALI20230427BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20230427BHJP
   A61Q 1/12 20060101ALI20230427BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20230427BHJP
【FI】
A61K8/895
A61Q1/00
A61K8/891
A61K8/37
A61Q1/12
A61Q19/00
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040199
(22)【出願日】2023-03-15
(62)【分割の表示】P 2020505755の分割
【原出願日】2019-02-28
(31)【優先権主張番号】P 2018049322
(32)【優先日】2018-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002060
【氏名又は名称】信越化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002240
【氏名又は名称】弁理士法人英明国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小西 将幸
(57)【要約】
【課題】耐転写性、持続性、使用感、塗布性及び仕上がりに優れる化粧料を提供する。
【解決手段】(a)高吸油性粉体:30質量%以下、(b)揮発性油剤、及び(c)動粘度が25℃で5~100mm2/sの不揮発性油剤を含有し、(a)/(c)で表される配合質量比が0.37~2.0である化粧料。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)吸油量が50mL/100g以上である高吸油性粉体:30質量%以下、(b)揮発性油剤、及び(c)25℃における動粘度が5~100mm2/sの不揮発性油剤を含有し、(a)/(c)で表される配合質量比が0.37~2.0である化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化粧料に関する。なお、本発明では化粧料用の組成物を化粧料と記載する。
【背景技術】
【0002】
従来、メイクアップ化粧料は化粧効果の持続性が求められている。また、化粧料塗布後に衣服やカップに付着しない、いわゆる耐転写性効果に優れた化粧料が求められている。
【0003】
化粧効果の持続性効果や耐転写性を向上する目的で、トリメチルシロキシケイ酸やシリコーン変性アクリルポリマー等の被膜形成剤を配合する技術が知られている(特許文献1:特開平4-45155号公報、特許文献2:特開平2-25411号公報、特許文献3:特開平7-196449号公報)。しかしながら、これらの技術は、十分な化粧持続性を得るために、多くの配合量を必要とし、感触面に与える影響が大きかった。
【0004】
一方、着色剤を分散させた相と着色剤を含まない相を分離させることにより、着色剤の二次付着を防止する技術が知られている(特許文献4:特開2000-053530号公報、特許文献5:特開2013-227287号公報)。しかしながら、これらの剤型では分離のために相溶性の低い高粘度の油剤を配合する必要があり、感触が重く口紅用化粧料等の用途が限定されてしまう。また、ポリオキシアルキレン変性シリコーンを用いて化粧料塗布後に形成される皮膜で化粧持ちを向上させる技術が知られている(特許文献6:特開2008-031045号公報)。しかしながら、水性成分を配合した時点で化粧料そのものが増粘してしまうため、乳化化粧料等への応用が困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平4-45155号公報
【特許文献2】特開平2-25411号公報
【特許文献3】特開平7-196449号公報
【特許文献4】特開2000-053530号公報
【特許文献5】特開2013-227287号公報
【特許文献6】特開2008-031045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、耐転写性、持続性、使用感、塗布性及び仕上がりに優れる化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、高吸油性粉体が揮発性油剤を吸油することにより、サラサラとした使用感、塗布時の滑らかさが得られ、化粧料塗布後は、揮発性油剤が揮発し、高吸油性粉体が不揮発油剤を吸油することにより、吸油量の低い着色顔料等の粉体表面にある不揮発油が少なくなることで、それら粉体の衣類等への付着を防ぎ、重ね付けしたファンデーションや、皮脂由来の不揮発油等を吸油することにより持続性が得られ、粉っぽさが残らないために、自然な仕上がりになることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
【0008】
従って、本発明は下記化粧料を提供する。
1.(a)吸油量が50mL/100g以上である高吸油性粉体:30質量%以下、(b)揮発性油剤、及び(c)25℃における動粘度が5~100mm2/sの不揮発性油剤を含有し、(a)/(c)で表される配合質量比が0.37~2.0である化粧料。
2.(a)成分の吸油量が70mL/100g以上である1記載の化粧料。
3.(a)成分が化粧品表示名称で定義される、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー、(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー、ポリシリコーン-22及びポリシリコーン-1クロスポリマーから選ばれる1種又は2種以上である1又は2記載の化粧料。
4.さらに、(d)(a)成分以外の粉体を含有する1~3のいずれかに記載の化粧料。
5.(a)成分と(d)成分との合計配合量が、化粧料中45質量%以下である4記載の化粧料。
6.(a)/(d)で表される配合質量比が0.3以上である4又は5記載の化粧料。
7.(c)成分が、シリコーンオイル、低極性油、高極性油及び紫外線吸収剤から選ばれ、25℃における動粘度が5~100mm2/sの不揮発性油剤である1~6のいずれかに記載の化粧料。
8.(c)成分が、25℃における動粘度が5~100mm2/sのシリコーンオイル及びIOBが0.1~0.6であり、25℃における動粘度が5mm2/s以上20mm2/s未満の高極性油から選ばれる不揮発性油剤である7記載の化粧料。
9.(a)成分がポリシリコーン-22であり、(c)成分が、シリコーンオイル、低極性油及び高極性油から選ばれ、25℃における動粘度が5~100mm2/sの不揮発性油剤である1~6のいずれかに記載の化粧料。
10.(a)成分が(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー及びポリシリコーン-1クロスポリマーから選ばれ、(c)成分が、25℃における動粘度が5~100mm2/sのシリコーンオイル及びIOBが0.1~0.6であり、25℃における動粘度が5mm2/s以上20mm2/s未満の高極性油から選ばれる不揮発性油剤である1~6のいずれかに記載の化粧料。
11.(a)成分が(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマーであり、(c)成分が、メチルフェニルポリシロキサン、高極性油及び紫外線吸収剤から選ばれ、25℃における動粘度が5~100mm2/sの不揮発性油剤である1~6のいずれかに記載の化粧料。
12.(e)水溶性不揮発性成分の配合量が、化粧料中12質量%未満である1~11のいずれかに化粧料。
13.(f)動粘度が25℃で100mm2/sを超える不揮発性油剤の配合量が、化粧料中5質量%未満である1~12のいずれかに記載の化粧料。
14.メイクアップ化粧料である1~13のいずれかに記載の化粧料。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、耐転写性、持続性、使用感、塗布性及び仕上がりに優れる化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
[(a)成分]
本発明の(a)成分は吸油量が50mL/100g以上である高吸油性粉体であり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。本発明において高吸油性粉体とは、JIS K5101の試験方法のアマニ油をKF-56A(信越化学工業(株)製)に代替した測定法において、吸油量が50mL/100g(粉体100gに対して50mL吸油する)以上の粉体であり、好ましくは70mL/100g以上であり、より好ましくは100mL/100g以上であり、さらに好ましくは120mL/100g以上のものである。吸油量が50mL/100g未満の粉体では十分な耐転写性や持続性が得られず、感触が重くなるおそれがある。なお、吸油量の上限は特に限定されないが、200mL/100g以下とすることができる。
【0011】
高吸油性粉体は、使用感の面で球状粉体が好ましい。球状粉体とは形状が球体で、球に近似した直径である粉体をいい、表面に凹凸がある球状粉体であってもよく、具体的には球状粉体の短径/長径の比が、1.5以下のものが好ましく、1.2以下のものがより好ましく、1.1以下のものがさらに好ましい。さらに、これら球状粉体に、この球状粉体と異なる球状粉体を被覆した複合球状粉体が好ましい。粉体の形状は粉体を光学顕微鏡や電子顕微鏡にて観察することにより確認することができる。粉体の平均粒径は特に限定されないが、化粧品に配合した場合のさらさら感、なめらかさの点から、コールターカウンター法による体積平均粒径(累積D50(メディアン径))が0.1~100μmが好ましく、0.5~40μmがより好ましく、1~15μmがさらに好ましい。
【0012】
球状粉体としては、架橋型シリコーン粉体(即ち、ジオルガノシロキサン単位の繰返し連鎖が架橋した構造を有するオルガノポリシロキサンからなる、いわゆるシリコーンゴムパウダー)、メタクリル酸メチルクロスポリマー等のアクリルポリマー、非架橋セルロース、多孔質シリカ等が挙げられる。高吸油性の架橋型シリコーン粉体の具体例としては、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー(化粧品表示名称)等が挙げられる。これらは粉体として、あるいは、シリコーンオイルを含む膨潤物として市販され、例えば、KMP-598,KSG-016F等(何れも信越化学工業(株)製)の商品名で市販されている。これらの粉体は1種又は2種以上を用いることができる。
【0013】
(a)成分としては、使用感や化粧料への分散性が向上する点から、複合球状粉体が好ましい。中でも、べたつきの防止等の感触の向上効果や、しわ・毛穴等の形態補正効果の点から、シリコーン樹脂被覆シリコーンゴム粉体が好ましい。高吸油性のシリコーン樹脂被覆シリコーンゴム粉体(シリコーン複合球状粉体)の具体例としては、化粧品表示名称で定義される、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー、(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー、ポリシリコーン-22、ポリシリコーン-1クロスポリマー等が挙げられる。これらは、KSP-100,101,102,105,300,411,441等(何れも信越化学工業(株)製)の商品名で市販されている。これらの中でも、シリコーンオイルの吸油量が高い(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー[KSP-100,101,102]、ポリシリコーン-1クロスポリマー[KSP-411]、紫外線吸収剤への吸油性が高いジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー[KSP-300]、幅広い油剤に対して高い吸油性能を有するポリシリコーン-22[KSP-441]が挙げられる。中でも、化粧持ち効果が高いポリシリコーン-22[KSP-441]が好ましい。
【0014】
(a)高吸油性粉体としては、上記以外の高吸油性粉体、例えば、着色顔料、無機粉体、金属粉体、有機粉体、無機・有機複合粉体等で、上記吸油性を有するものを用いることもできる。
・着色顔料
着色顔料としては、通常、製剤の着色を目的に使用される顔料であれば、特に限定はなく、赤色酸化鉄、黄色酸化鉄、白色酸化チタン、黒色酸化鉄、ベンガラ、グンジョウ、コンジョウ、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト、酸化鉄ドープ酸化チタン、チタン酸鉄、(チタン/酸化チタン)焼成物、チタン酸(Li/コバルト)、チタン酸コバルト、窒化チタン、水酸化鉄、γ-酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄土等の無機黄色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの等の有色顔料等、いずれのものも使用することができる。また、顔料の形状としては、球状、略球状、棒状、紡錘状、花弁状、短冊状、不定形状等、何れの形状であってもよく、製剤に色を付与することが可能であれば、その幾何学的態様には特に限定はない。
【0015】
・無機粉体
無機粉体としては、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、劈開タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、二酸化ケイ素、フュームドシリカ、含水二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックス、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、チッ化ホウ素、チッ化ボロン、ガラス等からなる微粒子等が挙げられる。また、無機着色パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等のパール顔料が挙げられる。
【0016】
・金属粉体
金属粉体としては、例えば、アルミニウム、銅、ステンレス、銀等からなる金属微粒子等が挙げられる。
【0017】
・有機粉体
有機粉体としては、例えば、シリコーン、ポリアミド、ポリアクリル酸・アクリル酸エステル、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ポリウレタン、ビニル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン、ポリメチルベンゾグアナミン、テトラフルオロエチレン、ポリメチルメタクリレート(例えば、ポリメタクリル酸メチル等)、セルロース、シルク、ナイロン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート等からなる粉体等が挙げられる。また、金属石鹸等も挙げられ、具体例としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等からなる粉体も挙げられる。さらに、有機系色素等も挙げられ、具体例としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等のタール色素、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等の天然色素が挙げられる。
【0018】
・無機・有機複合粉体
無機・有機複合粉体としては、例えば、無機粉体表面が、公知公用の方法により有機粉体で被覆された複合粉体が挙げられる。
なお、上述の粉体は、粒子表面を処理したものも使用できる。また、その表面処理剤は、製剤の耐水性を損なわない目的から疎水性を付与できるものが好ましく、疎水性を付与できれば特に限定されず、シリコーン処理剤、ワックス類、パラフィン類、ペルフルオロアルキルとリン酸塩等の有機フッ素化合物、界面活性剤、N-アシルグルタミン酸等のアミノ酸、ステアリン酸アルミニウム、ミリスチン酸マグネシウム等の金属石鹸等の処理剤が挙げられる。より好ましくはシリコーン処理剤で、カプリルシラン(信越化学工業(株)製:AES-3083)、トリメトキシシリルジメチコン等のシラン類又はシリル化剤、ジメチルシリコーン(信越化学工業(株)製:KF-96Aシリーズ)、メチルハイドロジェン型ポリシロキサン(信越化学工業(株)製:KF-99P,KF-9901等)、シリコーン分岐型シリコーン処理剤(信越化学工業(株)製:KF-9908,KF-9909等)等のシリコーンオイル、アクリルシリコーン(信越化学工業(株)製:KP-574、KP-541)等が挙げられる。さらに、上記の表面疎水化処理剤は、1種単独又は2種以上を組合せ使用してもよい。疎水化処理微粒子酸化チタン又は疎水化処理微粒子酸化亜鉛を含有する分散体の具体例としては、信越化学工業(株)製:SPD-T5、T6、T5L、Z5、Z6、Z5L等が挙げられる。
【0019】
(a)成分の配合量は、化粧料中30質量%以下であり、0.1~30質量%が好ましく、5~25質量%がより好ましく、10~20質量%がさらに好ましい。(a)成分の配合量が30質量%を超えると、過度なドライ感が感じられ、不自然な仕上がりになり、目的とする仕上がりが得られない。
【0020】
[(b)成分]
本発明の(b)成分は揮発性油剤であり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。(b)成分の配合により耐転写性が向上する。本発明において揮発性油剤とは沸点が250℃以下である油剤をいう。具体的には、沸点が250℃以下であるジメチルポリシロキサン(信越化学工業(株)製:KF-96L-1cs、KF-96L-1.5cs、KF-96L-2cs等)、オクタメチルテトラシロキサン(D4)、デカメチルシクロペンタシロキサン(信越化学工業(株)製:KF-995(D5))、ドデカメチルヘキサシロキサン(D6)、トリストリメチルシロキシメチルシラン(信越化学工業(株)製:TMF-1.5)、カプリリルメチコン、軽質イソパラフィン、ウンデカン、イソドデカン等の油性揮発性成分が挙げられる。
【0021】
(b)成分の配合量は、化粧料中5~80質量%が好ましく、6~75質量%がより好ましく、8~60質量%がさらに好ましく、10~50質量%が特に好ましい。5質量%未満では、軽い使用感が得られないおそれがあり、80質量%を超えると過度なドライ感を感じる場合がある。
【0022】
(a)/(b)で表される、(b)成分に対する(a)成分の配合質量比は1.0以下が好ましく、0.7以下がより好ましく、0.4以下がさらに好ましく、0.2以下が特に好ましい。質量比が1.0を超えると、使用感が重くなるおそれがあり、乳化組成物の場合、乳化状態が悪くなるおそれがある。なお、下限は特に限定されないが、0.1とすることができる。
【0023】
[(c)成分]
本発明の(c)成分は、25℃における動粘度が5~100mm2/sの不揮発性油剤であり、通常化粧料に配合できる原料であれば、特に限定されず、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。(c)成分の25℃における動粘度は5~100mm2/s(cSt;csと表記する場合がある)であり、5~50mm2/sが好ましく、5~30mm2/sがより好ましい。動粘度が5mm2/s未満の不揮発性油剤を高配合すると刺激が感じられるおそれがあり、100mm2/sを超える不揮発性油剤を高配合すると、耐転写性、持続性が低下する。なお、本発明において、動粘度はオストワルド粘度計による25℃の測定値である。不揮発性とは、上記揮発性に該当しないものをいう。
【0024】
(c)成分として、具体的には、シリコーンオイル、低極性油、高極性油、紫外線吸収剤であって、25℃における動粘度が5~100mm2/sの不揮発性油剤が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0025】
・シリコーンオイル
シリコーンオイルとしては、通常化粧料に配合できる原料であれば特に限定されないが、具体的には、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルジメチコン(化粧品表示名称)、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(化粧品表示名称)等のメチルフェニルポリシロキサン、メチルヘキシルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等が挙げられる。これらの中でもさっぱりした使用感が得られる低粘度のシリコーン〔市販品としては信越化学工業(株)製:KF-96A-6cs,10cs,20cs,100cs等〕や、他の油剤との相溶性向上や艶出しの目的で使われるジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(化粧品表示名称)等のメチルフェニルポリシロキサン〔市販品としては信越化学工業(株)製:KF-56A〕等が好ましい。これらのシリコーンオイルは1種又は2種以上を用いることができる。高吸油性粉体への吸油性能、軽い使用感、耐水性の点から、(c)成分としてシリコーンオイルを用いることが好ましい。
【0026】
・低極性油
本発明の低極性油とは、IOBが0.1未満のものをいう。IOB値とは、有機概念図における有機性値に対する無機性値の比、すなわち「無機性値/有機性値」で算出できる(有機概念図の詳細については甲田善生著、有機概念図-基礎と応用-、三共出版(1984)を参照。)。低極性油の具体例としては、スクワラン、ミネラルオイル、水添ポリイソブテン、ホホバ油等の炭素水素油が挙げられる。
【0027】
・高極性油
本発明の高極性油としてはエステルが挙げられ、(1)IOBが0.1~0.4であり、25℃における動粘度が20~100mm2/sのもの、(2)IOBが0.1~0.6であり、25℃における動粘度が5mm2/s以上20mm2/s未満の低粘度のものが挙げられる。
【0028】
(1)IOBが0.1~0.4であり、25℃における動粘度が20~100mm2/sの高極性油の具体例としては、化粧品表示名称で表される、トリエチルヘキサノイン、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、乳酸オクチルドデシル等が挙げられる。
【0029】
(2)IOBが0.1~0.6であり、25℃における動粘度が5mm2/s以上20mm2/s未満の低粘度高極性油の具体例としては、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソノニル、エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸エチルヘキシル、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、ミリスチン酸イソプロピル、炭酸ジカプリリル、安息香酸アルキル(C12-15)等が挙げられる。(c)成分として高吸油性粉体への吸油性能、軽い使用感、肌への付着性の点で上記低粘度高極性油を用いることが好ましい。
【0030】
・紫外線吸収剤
25℃における動粘度が5~100mm2/s紫外線吸収剤の具体例としては、化粧品表示名称で表される、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、サリチル酸エチルヘキシル等が挙げられる。
【0031】
(c)成分の配合量は、化粧料中15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、8質量%以下がさらに好ましく、6質量%以下が特に好ましい。配合量が15質量%を超えると、十分な耐転写性や持続性が得られないおそれがある。なお、化粧料の付着性や過度なドライ感を感じさせない点からは、3質量%以上配合することが好ましい。
【0032】
(a)/(c)で表される、(c)成分に対する(a)成分の配合質量比は0.37~2.0であり、0.50~1.9が好ましく、0.59~1.8がより好ましく、0.7~1.7がさらに好ましく、1.00~1.5が特に好ましい。質量比が0.37未満であると十分な持続性が得られず、2.0を超えると、過度なドライ感が感じられ、良好な仕上がりが得られない。
【0033】
特に、(c)成分を良く吸油する(a)成分を選択することにより、効果を顕著に発現することができる。その組み合わせとして次の3つが挙げられる。それぞれ1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0034】
(a)成分がポリシリコーン-22であり、(c)成分が、シリコーンオイル、低極性油及び高極性油から選ばれ、25℃における動粘度が5~100mm2/sの不揮発性油剤である場合、より高い耐転写性、持続性が得られる。
【0035】
(a)成分が(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー及びポリシリコーン-1クロスポリマーから選ばれ、(c)成分が、25℃における動粘度が5~100mm2/sのシリコーンオイル及びIOBが0.1~0.6であり、25℃における動粘度が20mm2/s未満の高極性油から選ばれる不揮発性油剤である場合、より高い耐転写性、持続性が得られる。
【0036】
(a)成分が(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマーであり、(c)成分が、メチルフェニルポリシロキサン、高極性油及び紫外線吸収剤から選ばれ、25℃における動粘度が5~100mm2/sの不揮発性油剤である場合、より高い耐転写性、持続性が得られる。
【0037】
[(d)成分]
本発明の化粧料には、(d)(a)成分以外の粉体、つまり、吸油量が50mL/100g未満の粉体を配合してもよい。(d)成分は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。具体的には、上記(a)で例示した、着色顔料、無機粉体、金属粉体、有機粉体、無機・有機複合粉体等で、吸油量が50mL/100g未満の粉体が例示される。
【0038】
(d)成分の具体例としては、市販品として、信越化学工業(株)製:KTP-09シリーズ(KTP-09W、09R、09Y、09B)、KMP-590,591等が挙げられる。これらは、表面処理を施した着色顔料やシリコーン樹脂粒子(三次元網状構造のポリオルガノシルセスキオキサン樹脂粒子)である。
【0039】
(d)成分を配合する場合の配合量は、化粧料中0.1~35質量%が好ましく、1.0~25質量%がより好ましい。
【0040】
(d)成分を配合する場合、(a)/(d)で表される(d)成分に対する(a)成分の配合質量比は0.3以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、0.7以上がさらに好ましく、0.9以上が特に好ましい。なお、上限は特に限定されないが、3.0とすると、使用感の面で好ましい。(a)成分と(d)成分との合計配合量は、化粧料中45質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましい。下限は特に限定されず、0.1質量%とすることができる。
【0041】
[(e)成分]
本発明の化粧料には、(e)水溶性不揮発性成分を配合してもよく、通常化粧料に配合できるものであれば特に限定されず、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。このような成分としては、分子中に水酸基を2個以上有し、水と混合することが可能で、常温で揮発性を有しない化合物が挙げられる。具体的には、ソルビトール、マルトース、キシリトール等の糖アルコール;ブチレングリコール、ジブチレングリコール、プロピレングリコール、ペンチレングリコール、デカンジオール、オクタンジオール、ヘキサンジオール、エリスリトール、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコール等の多価アルコール;グルコース、グリセリルグルコシド、ベタイン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸塩、ピロリドンカルボン酸塩、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド等が挙げられる。これらの中でも、ブチレングリコール、ジブチレングリコール、プロピレングリコール、ペンチレングリコール、デカンジオール、オクタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、ジグリセリン、平均分子量1,000未満のポリエチレングリコール等の25℃で液状成分のものが好ましい。
【0042】
(e)成分の配合量は0質量%でもよいが、(e)成分を配合する場合、(e)成分の配合量は、化粧料中12質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましい。耐転写性の点では、配合しないことが好ましいが、乳化組成物の場合には安定性向上のため、3質量%以上配合することが好ましい。
【0043】
[(f)成分]
本発明の化粧料は、(c)25℃における動粘度が5~100mm2/sの不揮発性油剤を必須成分とするが、(f)動粘度が25℃で100mm2/sを超える不揮発性油剤を配合してもよい。耐転写性や持続性の点から、(f)動粘度が25℃で100mm2/sを超える不揮発性油剤、特に、25℃でペースト状の油剤の配合量は少ない方が好ましい。不揮発性油剤としては、上記(c)成分で例示されたものが挙げられる。25℃でペースト状の油剤としては、ワセリン、ラノリン等が挙げられる。
【0044】
(f)成分の配合量は0質量%でもよいが、(f)成分を配合する場合、(f)成分の配合量は5質量%未満が好ましく、3質量%以下がより好ましく、配合しないことがさらに好ましい。
【0045】
[その他の任意成分]
本発明の化粧料には、上記以外の成分の他に、通常の化粧料に使用される種々の任意成分を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。成分としては、例えば(1)界面活性剤、(2)架橋型オルガノポリシロキサン、(3)皮膜剤、(4)(e)成分以外の水性成分、(5)(c)成分以外の紫外線吸収剤、(6)ワックス、(7)その他の添加剤が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0046】
(1)界面活性剤
界面活性剤としては、非イオン性、アニオン性、カチオン性及び両性の活性剤があるが、特に制限されるものではなく、通常の化粧料に使用されるものであれば、いずれのものも使用することができ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。これらの界面活性剤の中でも、部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン、部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリグリセリン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリグリセリン・アルキル共変性オルガノポリシロキサンであることが好ましい。具体例としては、信越化学工業(株)製のKSG-210,240,310,320,330,340,320Z,350Z,710,810,820,830,840,820Z,850Z、KF-6011,6013,6017,6043,6028,6038,6048,6100,6104,6105,6106、KP-578等が挙げられる。界面活性剤を配合する場合の配合量は、化粧料中0.01~15質量%が好ましい。
【0047】
(2)架橋型オルガノポリシロキサン
架橋型オルガノポリシロキサンとしては、通常化粧品に使用されるものであれば特に限定されず、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。この架橋型オルガノポリシロキサンは、上記の(C)で説明したシリコーン粉体や、上記の(D)界面活性剤とは異なり、分子構造中、ポリエーテル又はポリグリセリン構造を有しない化合物であり、油剤を膨潤することにより、構造粘性を有するエラストマーである。例えば、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー、(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/ビスビニルジメチコン)クロスポリマー等が挙げられる。これらは室温で液状のオイルを含む膨潤物として市販され、具体例としては、信越化学工業(株)製のKSG-15,1510,16,1610,18A,19,41A,42A,43,44,042Z,045Z,048Z等が挙げられる。架橋型オルガノポリシロキサンを配合する場合の配合量は、化粧料中0.01~30質量%が好ましい。
【0048】
(3)皮膜剤
皮膜剤としては、通常化粧料に配合できる原料であれば特に限定されないが、具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸アルキル等のラテックス類、デキストリン、アルキルセルロースやニトロセルロース等のセルロース誘導体、トリ(トリメチルシロキシ)シリルプロピルカルバミド酸プルラン等のシリコーン化多糖化合物、(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマー等のアクリル-シリコーン系グラフト共重合体、トリメチルシロキシケイ酸等のシリコーン樹脂、シリコーン変性ポリノルボルネン、フッ素変性シリコーン樹脂等のシリコーン系樹脂、フッ素樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、ポリマーエマルジョン樹脂、テルペン系樹脂、ポリブテン、ポリイソプレン、アルキド樹脂、ポリビニルピロリドン変性ポリマー、ロジン変性樹脂、ポリウレタン等が用いられる。
【0049】
これらの中でも、シリコーン系の皮膜剤が耐水性、耐油性、使用感の点で好ましく、中でも、トリ(トリメチルシロキシ)シリルプロピルカルバミド酸プルラン[市販品としては、溶剤に溶解したものとして、信越化学工業(株)製:TSPL-30-D5,ID]、(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマー〔市販品としては、溶剤に溶解したものとして、信越化学工業(株)製:KP-543,545,549,550,545L等〕、トリメチルシロキシケイ酸[市販品としては、溶剤に溶解したものとして、信越化学工業(株)製:KF-7312J,X-21-5250等]、シリコーン変性ポリノルボルネン[市販品としては、溶剤に溶解したものとして、信越化学工業(株)製:NBN-30-ID等]等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。皮膜剤を配合する場合の配合量は、化粧料中0.1~20質量%が好ましい。
【0050】
(4)(e)成分以外の水性成分
(e)成分以外の水性成分としては、揮発性を有し通常化粧料に配合できる原料であれば、特に限定されないが、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、水等が挙げられる。水性成分を配合する場合の配合量は、化粧料中0.1~70質量%が好ましい。
【0051】
(5)(c)成分以外の紫外線吸収剤
(c)成分以外の紫外線吸収剤としては、通常化粧料に配合できる原料であれば、特に限定されない。具体的には、サリチル酸ホモメンチル、オクトクリレン、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン、4-(2-β-グルコピラノシロキシ)プロポキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、ジメチコジエチルベンザルマロネート、1-(3,4-ジメトキシフェニル)-4,4-ジメチル-1,3-ペンタンジオン、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2-エチルヘキシル、テトラヒドロキシベンゾフェノン、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸、2,4,6-トリス[4-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル、ドロメトリゾールトリシロキサン、パラジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、2,4-ビス-[{4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ}-フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸及びその三水塩、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、2,2’-メチレンビス[6-(2Hベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール]等が挙げられる。また、UVA吸収剤(例えば、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル等)と、UVB吸収剤(例えば、オクトクリレン等)又は(c)成分の紫外線吸収剤とを併用することが可能であり、それぞれを任意に組み合わせることも可能である。(c)成分以外の紫外線吸収剤を配合する場合の配合量は、化粧料中0.1~10質量%が好ましい。
【0052】
(6)ワックス((f)成分には含まれない)
ワックスとしては、通常化粧料に配合できる原料であれば、特に限定されない。具体的には、シリコーンワックス、セレシン、オゾケライト、パラフィン、合成ワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス等の炭化水素ワックス、カルナウバロウ、ライスワックス、コメヌカロウ、ホホバワックス(極度に水添したホホバ油を含む)、キャンデリラロウ等の植物由来のワックス、鯨ロウ、ミツロウ、雪ロウ等の動物由来のワックス等が挙げられ、これらワックスはその1種又は2種以上を用いることができる。特に、艶出しや使用感調整の目的で使われるシリコーンワックス〔市販品としては信越化学工業(株)製:KP-561P,562P,KF-7020S等〕が好ましく利用される。ワックスを配合する場合の配合量は、化粧料中0.1~10質量%が好ましい。
【0053】
(7)その他の添加剤
その他の添加剤としては、油溶性ゲル化剤、制汗剤、保湿剤、抗菌剤・防腐剤、香料、塩類、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、美肌用成分(美白剤、抗炎症剤、細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、ビタミン類、アミノ酸類、水溶性高分子化合物、植物エキス等が挙げられる。
【0054】
・油溶性ゲル化剤
油溶性ゲル化剤としては、アルミニウムステアレート、マグネシウムステアレート、ジンクミリステート等の金属セッケン;N-ラウロイル-L-グルタミン酸、α,γ-ジ-n-ブチルアミン等のアミノ酸誘導体;デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2-エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル;ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル;フラクトオリゴ糖ステアリン酸エステル、フラクトオリゴ糖2-エチルヘキサン酸エステル等のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステル;モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体;ジステアルジモニウムヘクトライト、ステアラルコニウムクトライト、ヘクトライトの有機変性粘土鉱物等が挙げられる。
【0055】
・美肌用成分
美肌用成分としてはアルブチン、アスコルビン酸及びその誘導体等の美白剤;グリチルリチン酸塩等の抗炎症剤;ニコチン酸ベンジルエステル等の血行促進剤等が挙げられる。
【0056】
[製造方法]
本発明の化粧料は公知の方法で製造することができる。(a)成分の配合方法は特に限定されないが、(a)成分を、(b)成分、(c)成分、又は(b)及び(c)成分等の油剤と予め混合してもよく、水に予め乳化したエマルジョンで用いたり、(a)成分以外の組成で作製された化粧料に(a)成分を分散させてもよく、親水化処理をして水系に容易に配合できる状態で使用してもよい。これらの中でも(a)成分を(b)成分で予め混合する方法が、使用感や化粧料の作製のしやすさの点で最も好ましい。
【0057】
[化粧料]
本発明の化粧料の剤型は、乳化組成物、非水系組成物のどちらでもよく、みずみずしい使用感を付与したいときは乳化組成物を選択する。乳化形態としては、O/W型エマルジョン、W/O型エマルジョン、O/O型組成物のいずれの形態でもよく、油性感や耐水性、粉感を得たいときは非水系組成物や粉体剤型を選択でき、いずれの場合でも良好な化粧料が得られる。なお、本発明において「非水系組成物」とは、水を実質的に配合しない油性組成物をいう。本発明の化粧料は、耐転写性、持続性に優れるためロングウェア化粧料として有用である。なお、ロングウェアとは、皮脂や汗等により、肌に塗布された化粧料が塗りたての状態から大きく変化してしまうことや、擦れや付着等により化粧が剥がれてしまうのを防ぐことをいう。
【0058】
本発明の化粧料としては、例えば、美容液、乳液、クリーム、ヘアケア、ファンデーション、化粧下地、BBクリーム、コンシーラー、日焼け止め、ルースパウダー、チークカラー、口紅、アイシャドー、アイライナー、ボディーメーキャップ、デオドラント剤等、種々の製品に応用することが可能である。特に、本発明の効果を発揮できる点では、メイクアップ化粧料が好ましく、具体的にはファンデーション、化粧下地、BBクリーム、コンシーラー、チークカラー、及びこれらに日焼け止め性能を付与した製剤等が好ましい。本発明の化粧料の性状としては、液状、クリーム状、固形状、ペースト状、ゲル状、ムース状、スフレ状、粘土状、パウダー状等の種々の性状を選択することができる。
【実施例0059】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において特に明記のない場合は、組成の「%」は質量%、比率は質量比を示す。
【0060】
[実施例、比較例]
下記表に示す処方の化粧料を下記方法で調製し、下記特性評価を行った。
<化粧料の調製:実施例1~12、比較例1~7>
A:成分(2)を3本ロールにて均一に混合した。
B:成分(1)にAを加え均一に混合し、非水系ファンデーションを得た。
<化粧料の調製:実施例13~19、比較例8~11>
A:成分(2)をディスパーにて均一に混合した。
B:成分(1)にAを加え均一に混合した。
C:Bに成分(3)を加え乳化し、油中水型ファンデーションを得た。
【0061】
(1)特性評価
実施例及び比較例の化粧料について、化粧料の耐転写性(塗布20分後ティッシュオフ時のティッシュへの付着のなさ)、持続性(化粧料塗布3時間後の様子)、使用感(べたつきのなさ)、塗布性(伸びの良さ)、仕上がり(白浮き、粉っぽさ、過度なドライ感のなさ)の項目を、10名の専門パネラーで評価した。表1に示される評価基準により評価し、結果を10名の平均値に基づき、下記判定基準に従って判定した。結果を下記表中に併記する。
【0062】
【表1】
【0063】
(2)判定基準
◎:平均点が4.5点以上
○:平均点が3.5点以上4.5点未満
△:平均点が2.5点以上3.5点未満
×:平均点が1.5点以上2.5点未満
××:平均点が1.5点未満
△以上を合格とする。
【0064】
【表2】
【0065】
【表3】
【0066】
【表4】
【0067】
表2~4の注は下記の通りである。
(注1)(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー:KSP-100〈平均粒径:5μm〉(信越化学工業(株)製,吸油量:112mL/100g)
(注2)(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー:KSP-101〈平均粒径:12μm〉(信越化学工業(株)製,吸油量:121mL/100g)
(注3)ポリシリコーン-22:KSP-441〈平均粒径:12μm〉(信越化学工業(株)製,吸油量:126mL/100g)
(注4)ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー:KSP-300〈平均粒径:5μm〉(信越化学工業(株)製,吸油量:140mL/100g)
(注5)KMP-591〈非吸油性粉体/粒径:5μm〉(信越化学工業(株)製,吸油量:42mL/100g)
(注6)KSG-1610〈架橋物:17.5%、メチルトリメチコン:82.5%〉(信越化学工業(株)製)
(注7)KF-995(信越化学工業(株)製)
(注8)TMF-1.5(信越化学工業(株)製)
(注9)KF-56A(信越化学工業(株)製)
(注10)KTP-09W(信越化学工業(株)製、吸油量:12mL/100g)
(注11)KTP-09R,Y,B(信越化学工業(株)製混合物,吸油量:12mL/100g)
配合量は、記載の配合製品の配合量であり、(a)~(d)成分の量、(a)/(b)、(a)/(c)、(a)/(d)は純分量である(以下、同様)。
【0068】
【表5】
【0069】
【表6】
【0070】
表5,6の注は下記の通りである。
(注1)(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー:KSP-100〈平均粒径:5μm〉(信越化学工業(株)製)吸油量:112mL/100g
(注2)ポリシリコーン-22:KSP-441〈平均粒径:12μm〉(信越化学工業(株)製)吸油量:126mL/100g
(注3)KSG-240〈架橋物:20%、デカメチルシクロペンタシロキサン:80%〉(信越化学工業(株)製)
(注4)KSG-15〈架橋物:7%、デカメチルシクロペンタシロキサン:93%〉(信越化学工業(株)製)
(注5)KF-995(信越化学工業(株)製)
(注6)KF-6028(信越化学工業(株)製)
(注7)KP-545(信越化学工業(株)製)〈固形分:40%、デカメチルシクロペンタシロキサン60%〉(信越化学工業(株)製)
(注8)KF-6106(信越化学工業(株)製)
(注9)KTP-09W(信越化学工業(株)製)吸油量:12mL/100g
(注10)KTP-09R,Y,B(信越化学工業(株)製)の混合物吸油量:12mL/100g
【0071】
上記表2~6の結果より、実施例の化粧料は、耐転写性(ティッシュへの付着のなさ)、持続性(化粧料塗布後1時間運動後の様子)、使用感(べたつきのなさ)、塗布性(伸びの良さ)、仕上がり(白浮き、粉っぽさ、過度のドライ感のなさ)に優れることが分かった。(a)成分を配合しない比較例1,2は耐転写性、持続性が十分に得られず、比較例8は持続性が十分に得られなかった。(a)/(c)が0.37未満である比較例3,9は十分な持続性が得られず、(a)/(c)が2.0より大きい比較例4,10や(a)成分の配合量が30質量%を超える比較例5や、(c)成分を配合しない比較例7は粉っぽさが強く感じられた。(b)成分を配合しない比較例6は耐転写性が得られず、(c)成分の代わりに粘度が105mm2/sの不揮発性油剤(ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル)を使用した比較例11は十分な耐転写性、持続性が得られない。
【0072】
以下の実施例は成分を主に化粧品表示名称を用いて表示する。
[実施例20]
オイルファンデーション
<化粧料の調製>
A:成分1~4を均一に混合した。
B:成分12~17をロールにて均一に混合した。
C:Aに成分5~11を加え均一に混合した。
D:CにBを加え均一に混合し、オイルファンデーションを得た。
組成 (%)
1.シリコーン複合粉体(注1) 8
2.イソドデカン 5
3.シクロペンタシロキサン 残量
4.ジメチコン(2cs) 30
5.エタノール 6
6.シリコーン・アルキル分岐型ポリエーテル変性シリコーン(注2)

7.アクリルシリコーン(40%)シクロペンタシロキサン混合物(注3)
1.5
8.トリメチルシロキシケイ酸(50%)シクロペンタシロキサン混合物(注4)

9.有機変性ベントナイト 1.5
10.疎水性無水シリカ(注5) 1
11.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 3
12.シリコーン分岐型ポリグリセリン変性シリコーン(注6) 1
13.金属石鹸処理微粒子酸化チタン 5
14.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(注7) 3
15.トリエチルヘキサノイン 3
16.シリコーン処理酸化チタン(注8) 8.5
17.シリコーン処理酸化鉄(注8) 1.5
合計 100.0
(a)の配合量:14.0%
(a)/(c):1.56
(注1)KSP-411(信越化学工業(株)製)
(注2)KF-6038(信越化学工業(株)製)
(注3)KP-545(信越化学工業(株)製)
(注4)KF-9021(信越化学工業(株)製)
(注5)AEROSIL R972(日本アエロジル社製)
(注6)KF-6106(信越化学工業(株)製)
(注7)KF-56A(信越化学工業(株)製)
(注8)KF-9901(信越化学工業(株)製)を用い、粉体を疎水化表面処理
得られたオイルファンデーションは耐転写性、持続性、使用感、塗布性、仕上がりに優れることが確認された。
【0073】
[実施例21]
流し込みファンデーション
<化粧料の調製>
A:成分7~12をロールにて均一に混合した。
B:成分1~6を85℃にて均一に混合した。
C:BにAを加え均一に混合し、80℃で金型に充填し、流し込みファンデーションを得た。
組成 (%)
1.シリコーン複合粉体(注1) 10
2.シクロペンタシロキサン 残量
3.ポリメチルシルセスキオキサン(注2) 4
4.スクワラン 1.5
5.シリコーン・アルキル分岐型ポリエーテル変性シリコーン(注3)
0.5
6.セレシン 8.5
7.部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物(注4) 6
8.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(注5) 3
9.シリコーン・アルキル分岐型ポリグリセリン変性シリコーン(注6)

10.アルキルシラン処理酸化チタン(注7) 8.5
11.アルキルシラン処理酸化鉄(注7) 1.5
12.シリコーン処理微粒子酸化亜鉛 8
合計 100.0
(a)の配合量:18.0%
(a)/(c):1.88
(注1)KSP-101(信越化学工業(株)製)
(注2)KMP-590(信越化学工業(株)製)
(注3)KF-6038(信越化学工業(株)製)
(注4)KSG-19〈架橋物:15%、ジメチルポリシロキサン(6cs):85%〉(信越化学工業(株)製)
(注5)KF-56A(信越化学工業(株)製)
(注6)KF-6105(信越化学工業(株)製)
(注7)AES-3083(信越化学工業(株)製)を用い、粉体を疎水化表面処理したもの
得られた流し込みファンデーションは耐転写性、持続性、使用感、塗布性、仕上がりに優れることが確認された。
【0074】
[実施例22]
油中水(W/O)型化粧下地
<化粧料の調製>
A:成分6~10をロールにて均一に混合した。
B:成分11~16を均一に混合した。
C:Aに成分1~5を加え均一に混合した。
D:CにBを加え均一に混合し、油中水型化粧下地を得た。
組成 (%)
1.シリコーン複合粉体(注1) 8.5
2.メチルトリメチコン(注2) 35
3.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 7
4.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 2
5.アルキル変性部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物(注3)
10
6.シリコーン・アルキル分岐型ポリエーテル変性シリコーン(注4)

7.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(注5) 1
8.有機変性ベントナイト 0.2
9.シリコーン処理酸化チタン(注6) 2
10.シリコーン処理酸化鉄(注7) 0.5
11.塩化Na 0.5
12.クエン酸Na 0.2
13.エタノール 6
14.トレハロース 3
15.エチルヘキシルグリセリン 0.1
16.水 残量
合計 100.0
(a)の配合量:8.5%
(a)/(c):1.06
(注1)KSP-300(信越化学工業(株)製)
(注2)TMF-1.5(信越化学工業(株)製)
(注3)KSG-42A〈架橋物:20%、イソドデカン:80%〉(信越化学工業(株)製)
(注4)KF-6038(信越化学工業(株)製)
(注5)KF-56A(信越化学工業(株)製)
(注6)KTP-09W(信越化学工業(株)製)
(注7)KTP-09R(信越化学工業(株)製)
得られた油中水型化粧下地は使用感、塗布性、仕上がりに優れ、ファンデーションを重ねて塗布した際には耐転写性、持続性に優れることが確認された。
【0075】
[実施例23]
油中水(W/O)型化粧下地
<化粧料の調製>
A:成分1~8を加え均一に混合した。
B:成分9~14を均一に混合した。
C:AにBを加え均一に混合し、油中水型化粧下地を得た。
組成 (%)
1.シリコーン複合粉体(注1) 8
2.ジメチコン(2cs) 15
3.金属石鹸処理微粒子酸化チタン分散物(注2) 5
4.シリコーン処理微粒子酸化亜鉛分散物(注3) 10
5.シリコーン・アルキル変性部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物(注4)

6.シリコーン・アルキル分岐型ポリグリセリン変性シリコーン(注5)

7.シリコーン・アルキル分岐部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーン(注6)

8.イソノナン酸イソノニル 8
9.塩化Na 0.5
10.クエン酸Na 0.2
11.ペンチレングリコール 2
12.PEG-32 3
13.フェノキシエタノール 0.2
14.水 残量
合計 100.0
(a)の配合量:16.0%
(a)/(c):2.00
(注1)KSP-441(信越化学工業(株)製)
(注2)SPD-T5〈粉体:40%〉(信越化学工業(株)製)
(注3)SPD-Z5〈粉体:60%〉(信越化学工業(株)製)
(注4)KSG-045Z〈架橋物:20%、シクロペンタシロキサン:80%〉(信越化学工業(株)製)
(注5)KF-6105(信越化学工業(株)製)
(注6)KSG-850Z〈架橋物:25%、シクロペンタシロキサン:75%〉(信越化学工業(株)製)
得られた油中水型化粧下地は使用感、塗布性、仕上がりに優れ、ファンデーションを重ねて塗布した際には、耐転写性、持続性に優れることが確認された。
【0076】
[実施例24]
流し込みポイントメイクアップ
<化粧料の調製>
A:成分11~16をロールにて均一に混合した。
B:成分1~10を95℃で均一に混合した。
C:BにAを加え均一に混合し、80℃で金型に充填し、流し込みポイントメイクアップを得た。
組成 (%)
1.シリコーン複合粉体(注1) 6
2.フェニル変性シリコーン複合粉体(注2) 4
3.シクロペンタシロキサン 残量
4.シリコーン・アルキル分岐型ポリグリセリン変性シリコーン(注3)

5.シリコーンワックス(注4) 20
6.キャンデリラロウ 3
7.ポリエチレン 5
8.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(注5) 15
9.トリエチルヘキサノイン 4
10.水添ポリイソブテン(800mm2/s) 4.5
11.トリイソステアリン酸ポリグリセリル 4
12.セリサイト 1.6
13.赤202 0.3
14.赤201 0.1
15.黄4 1
16.シリコーン処理酸化チタン(注6) 2
合計 100.0
(a)の配合量:10.0%
(a)/(c):0.53
(注1)KSP-105(信越化学工業(株)製)
(注2)KSP-300(信越化学工業(株)製)
(注3)KF-6105(信越化学工業(株)製)
(注4)KP-561P(信越化学工業(株)製)
(注5)KTP-09W(信越化学工業(株)製)
得られた流し込みポイントメイクアップは耐転写性、持続性、使用感、塗布性及び仕上がりに優れることが確認された。
【0077】
[実施例25]
ムースファンデーション
A:成分1~5を均一に混合した。
B:成分6~14をロールにて均一に混合した。
C:AにBを加え均一に混合しムースファンデーションを得た。
組成 (%)
1.アルキル変性シリコーン複合粉体(注1) 11
2.フェニル変性シリコーン複合粉体(注2) 4.5
3.シリコーン・アルキル変性部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物(注3)
33
4.トリメチルシロキシケイ酸(50%)シクロペンタシロキサン混合物(注4)
11
5.ジメチコン(2cs) 残量
6.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(注5) 5
7.スクワラン 2
8.ホホバ油 1
9.球状ポリメタクリル酸メチル(8μm) 2
10.シリコーン処理酸化チタン(注6) 6
11.シリコーン処理酸化鉄(注6) 1.4
12.金属石鹸処理微粒子酸化チタン 9
13.シリコーン処理タルク(注6) 3
14.シリコーン処理マイカ(注6) 1.1
合計 100.0
(a)の配合量:15.5%
(a)/(c):1.94
(注1)KSP-441(信越化学工業(株)製)
(注2)KSP-300(信越化学工業(株)製)
(注3)KSG-048Z〈架橋物:20%、ジメチコン(2cs):80%〉(信越化学工業(株)製)
(注4)KF-7312L(信越化学工業(株)製)
(注5)KF-56A(信越化学工業(株)製)
(注6)KF-9909(信越化学工業(株)製)を用い、粉体を疎水化表面処理
得られたムースファンデーションは耐転写性、持続性、使用感、塗布性、仕上がりに優れることが確認された。
【0078】
[実施例26]
水中油(O/W)型化粧下地
<化粧料の調製>
A:成分1~3を加え均一に混合した。
B:成分4~9を85℃で均一に混合し、冷却した。
C:AにBを加え均一に混合し、水中油型化粧下地を得た。
組成 (%)
1.シリコーン複合粉体(注1) 8
2.シクロペンタシロキサン 20
3.ジメチコン(6cs) 10
4.ポリソルベート-60 2
5.BG 5
6.アクリル酸アミド組成物(注2) 2.5
7.エタノール 10
8.キサンタンガム 0.2
9.水 残量
合計 100.0
(a)の配合量:8.0%
(a)/(c):0.80
(注1)KSP-441(信越化学工業(株)製)
(注2)セピゲル305(SEPPIC社製)
得られた水中油型化粧下地は使用感、塗布性、仕上がりに優れ、ファンデーションを重ねて塗布した際には耐転写性、持続性に優れることが確認された。
【0079】
[実施例27]
油中水(W/O)型化粧下地
<化粧料の調製>
A:成分2~5を加え均一に混合した。
B:成分6~11を均一に混合した。
C:AにBを乳化し、成分1を加え均一に混合し、油中水型化粧下地を得た。
組成 (%)
1.シリコーン複合粉体(注1) 5
2.シクロペンタシロキサン 12
3.部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン(注2) 3
4.部分架橋型ジメチルポリシロキサン組成物(注3) 1
5.ポリエーテル変性シリコーン(注4) 0.2
6.硫酸Mg 1
7.クエン酸Na 0.2
8.エタノール 8
9.グリセリン 3
10.フェノキシエタノール 0.3
11.水 残量
合計 100.0
(a)の配合量:5.0%
(a)/(c):1.61
(注1)KSP-101(信越化学工業製)
(注2)KSG-210〈架橋物:25%、ジメチコン(6cs):75%〉(信越化学工業(株)製)
(注3)KSG-19〈架橋物:15%、ジメチコン(6cs):85%〉(信越化学工業(株)製)
(注4)KF-6017(信越化学工業製)
得られた油中水型化粧下地は使用感、塗布性、仕上がりに優れ、ファンデーションを重ねて塗布した際には、耐転写性、持続性に優れることが確認された。